説明

室温硬化性樹脂組成物

【課題】室温で硬化することが可能で、硬化時間が短く、接着性、特に高温での接着強度に優れる室温硬化性樹脂組成物の提供。
【解決手段】エポキシ樹脂と、第二級または第三級の脂肪族炭素原子に結合しているイソシアネート基を含むウレタンプレポリマーの前記イソシアネート基を、イミノ基のα位の炭素原子のうちの少なくとも一方が分岐炭素原子である第二級アミンでブロックすることにより得られうるブロックウレタンプレポリマーと、硬化剤とを有する室温硬化性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室温硬化性樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車分野や土木建築分野における、シーラント剤、接着剤、塗料などの用途の組成物として、エポキシ樹脂と、ブロックウレタンプレポリマーとを含む硬化性樹脂組成物が提案されている。
例えば、本出願人は、以前に、特許文献1に記載されている硬化性樹脂組成物を提案している。特許文献1に記載されている硬化性樹脂組成物は、「イソシアネート基をブロック化剤でブロックした、前記イソシアネート基と前記ブロック化剤との解離温度が140℃以下であるブロックイソシアネート基およびエポキシ基をそれぞれ分子内に少なくとも1つ持つ化合物、または、前記ブロックイソシアネート基を2つ以上持つ化合物およびエポキシ基を2つ持つ化合物の混合物と、ナイロン塩とを含む硬化性樹脂組成物。」である。
特許文献2には、「エポキシ樹脂とブロックドイソシアネート樹脂との混合物を主剤とし、剪断率62sec-1における粘度が10〜60Pa・sであり、可塑剤無含有であることを特徴とする自動車用シーリング剤。」が記載されている。
特許文献3には、「(a)エポキシ樹脂、(b)ブロックドウレタン樹脂、(c)潜在性硬化剤、(d)フィラーを必須成分とする高強度シーリング材組成物。」が記載されている。
【0003】
また、本出願人は、以前に、シーリング材、接着剤、コーティング材、プライマー、塗料などの用途の硬化性樹脂組成物として、特許文献4に記載されている硬化性樹脂組成物を提案している。特許文献4に記載されている硬化性樹脂組成物は、「2級または3級脂肪族炭素原子に結合したイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの該イソシアネート基を、窒素原子のα位炭素原子に置換基を有する2級アミンでブロックしてなるブロックウレタンと、アミン系潜在性硬化剤とを含有する1液硬化性樹脂組成物。」である。
【0004】
【特許文献1】特開2003−137960号公報
【特許文献2】特開平11−172230号公報
【特許文献3】特開平5−59347号公報
【特許文献4】特開2003−48949号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の特許文献1〜3に記載されている組成物は、硬化温度が高いため、硬化のために加熱が必要である。
また、本発明者は、特許文献4に記載されている硬化性樹脂組成物について、硬化時間、接着性、特に高温での接着強度に改善の余地があることを見出した。
【0006】
従って、本発明は、室温で硬化することが可能で、硬化時間が短く、接着性、特に高温での接着強度に優れる室温硬化性樹脂組成物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは鋭意検討の結果、エポキシ樹脂と、特定構造のイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーのイソシアネート基を、特定構造の第二級アミンでブロックすることにより得られうるブロックウレタンプレポリマーと、硬化剤とを有する硬化性樹脂組成物が、室温で硬化することが可能で、硬化時間が短く、接着性、特に高温での接着強度に優れることを知見し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
即ち、本発明は、以下の(1)〜(3)を提供する。
(1)エポキシ樹脂と、第二級または第三級の脂肪族炭素原子に結合しているイソシアネート基を含むウレタンプレポリマーの前記イソシアネート基を、イミノ基のα位の炭素原子のうちの少なくとも一方が分岐炭素原子である第二級アミンでブロックすることにより得られうるブロックウレタンプレポリマーと、硬化剤とを有する室温硬化性樹脂組成物。
(2)前記第二級アミンが、下記式(1)で表される請求項1に記載の室温硬化性樹脂組成物。
【0009】
【化2】

【0010】
式中、R1、R2は、それぞれ独立に、酸素原子、窒素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでもよい炭化水素基を表し、R3、R4は、それぞれ独立に、水素原子、または、酸素原子、窒素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでもよい炭化水素基を表し、R1はR2またはR3と互いに結合して環構造を形成してもよく、R2はR4と互いに結合して環構造を形成してもよい。
(3)前記硬化剤が、マンニッヒ変性ジアミンおよび/または2官能以上のチオールである上記(1)または(2)に記載の室温硬化性樹脂組成物。
【発明の効果】
【0011】
本発明の室温硬化性樹脂組成物は、室温で硬化することが可能で、硬化時間が短く、接着性、特に高温での接着強度に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明について以下に詳細に説明する。
本発明の室温硬化性樹脂組成物は、
エポキシ樹脂と、第二級または第三級の脂肪族炭素原子に結合しているイソシアネート基を含むウレタンプレポリマーの前記イソシアネート基を、イミノ基のα位の炭素原子のうちの少なくとも一方が分岐炭素原子である第二級アミンでブロックすることにより得られうるブロックウレタンプレポリマーと、硬化剤とを有する室温硬化性樹脂組成物である。
【0013】
エポキシ樹脂について以下に説明する。
本発明の室温硬化性樹脂組成物に使用されるエポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のオキシラン環(エポキシ基)を有する化合物であれば特に限定されない。
具体的には、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型のようなビスフェニル基を有するエポキシ化合物、ポリアルキレングリコール型、アルキレングリコール型のエポキシ化合物、ナフタレン環を有するエポキシ化合物、フルオレン基を有するエポキシ化合物等の二官能型のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、トリスヒドロキシフェニルメタン型、三官能型、テトラフェニロールエタン型のような多官能型のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;ダイマー酸のような合成脂肪酸のグリシジルエステル型エポキシ樹脂;N,N,N′,N′−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(TGDDM)、テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、N,N−ジグリシジルアニリンのようなグリシジルアミノ基を有する芳香族エポキシ樹脂;トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環を有するエポキシ化合物(例えば、ジシクロペンタジエンとm−クレゾールのようなクレゾール類またはフェノール類を重合させた後、エピクロルヒドリンを反応させる製造方法によって得られうるエポキシ化合物)が挙げられる。
【0014】
また、エポキシ樹脂としては、例えば、東レ・ファインケミカル社製のフレップ10のようなエポキシ樹脂主鎖に硫黄原子を有するエポキシ樹脂;ウレタン結合を有するウレタン変性エポキシ樹脂;ポリブタジエン、液状ポリアクリロニトリル−ブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)のようなゴムを含有するゴム変性エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ソルビトール型エポキシ樹脂、ポリグリセロール型エポキシ樹脂、ペンタエリスリトール型エポキシ樹脂、トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂のような分子内にアセトアセテート基を有するエポキシ樹脂が挙げられる。
【0015】
中でも、エポキシ樹脂は、取り扱いの容易さ、混合性の観点から、室温で液状であるものが好ましい。
エポキシ樹脂は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0016】
ブロックウレタンプレポリマーについて以下に説明する。
本発明の室温硬化性樹脂組成物に使用されるブロックウレタンプレポリマーは、第二級または第三級の脂肪族炭素原子に結合しているイソシアネート基を含むウレタンプレポリマーのイソシアネート基を、イミノ基(−NH−)のα位の炭素原子のうちの少なくとも一方が分岐炭素原子である第二級アミンでブロックすることにより得られうるブロックウレタンプレポリマーである。
【0017】
ブロックウレタンプレポリマーの原料となるウレタンプレポリマーは、第二級または第三級の脂肪族炭素原子に結合しているイソシアネート基を含むものであれば特に制限されない。このようなウレタンプレポリマーは、例えば、第二級または第三級の脂肪族炭素原子に結合しているイソシアネート基を含むポリイソシアネートと、ポリオールとを反応させることにより得られる。
【0018】
ポリイソシアネートとしては、第二級または第三級の脂肪族炭素原子に結合しているイソシアネート基を少なくとも1個含むものであれば特に制限されない。ポリイソシアネートが第二級または第三級の脂肪族炭素原子に結合しているイソシアネート基を1個含む場合、ポリイソシアネートは、第二級および第三級の脂肪族炭素原子以外の炭素原子に結合しているイソシアネート基を少なくとも1個含むことができる。
【0019】
ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、リジンエステルトリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネートのような脂肪族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、H12MDI(水添MDI)のような脂環式ポリイソシアネート;またはこれらのポリイソシアネートのイソシアヌレート体、ビューレット体、多価アルコール類との付加体が挙げられる。
【0020】
ポリイソシアネートのイソシアヌレート体としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体が挙げられる。
【0021】
ポリイソシアネートと多価アルコール類との付加体としては、例えば、1,1,1−トリメチロールプロパン(TMP)とテトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)とから得られうるTMXDI/TMPの付加体が挙げられる。このような付加体の市販品としては、例えば、商品名:サイセン3160(三井サイテック社)が挙げられる。付加体は、未反応原料を含んでいてもよい。
ポリイソシアネートは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0022】
ウレタンプレポリマーの製造の際に用いられるポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオール、および、これらの混合ポリオールを使用することができる。
【0023】
ポリエーテルポリオールは、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、4,4′−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4′−ジヒドロキシフェニルメタン、ペンタエリスリトールのような多価アルコールの1種または2種以上に、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイドのうちの1種または2種以上を付加して得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレントリオール、テトラヒドロフランの開環重合によって得られるポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
【0024】
ポリエステルポリオールは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、その他の低分子ポリオールの1種または2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸その他の低分子カルボン酸やオリゴマー酸の1種または2種以上との縮合重合体;プロピオンラクトン、バレロラクトン、カプロラクトンのような開環重合体が挙げられる。
【0025】
その他のポリオールとしては、例えば、ポリマーポリオール;ポリカーボネートポリオール;ポリブタジエンポリオール;水素添加されたポリブタジエンポリオール;アクリルポリオール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールのような低分子ポリオールが挙げられる。
【0026】
また、硬化後の物性が優れることから、数平均分子量1000〜15000のポリエーテルポリオールが好ましく、数平均分子量1500〜10000のポリエーテルポリオールがより好ましい。
ポリオールは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0027】
ポリオールとポリイソシアネートとの混合比は、ポリオール中のヒドロキシ基に対するポリイソシアネート中のイソシアネート基の比(NCO/OH)が1.3〜2.5であるのが好ましく、1.5〜2.0であるのがより好ましい。この範囲であると、ウレタンプレポリマーの粘度が適度なものとなり、硬化物の伸びに優れる。
【0028】
ウレタンプレポリマーは、その製造について特に制限されず、例えば、従来公知の方法に従って製造することができる。具体的には例えば、ポリオールとポリイソシアネートとを、上記の量比で混合し、これを50〜100℃で加熱かくはんする方法が挙げられる。ウレタンプレポリマーの製造には、必要に応じて、例えば、有機錫化合物、有機ビスマス、アミンのようなウレタン化触媒を用いることができる。
【0029】
ウレタンプレポリマーは、ポリイソシアネートのうちの少なくとも1種とポリオールのうちの少なくとも1種とを組合せて反応させることにより得られうるものであり、その組み合わせは特に制限されない。なかでも、作業性、高物性の観点から、ポリプロピレングリコールとTMXDIとを組み合せて得られるもの、ポリプロピレングリコールとIPDIとを組み合せて得られるものが好ましい。
ウレタンプレポリマーは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0030】
イソシアネート基をブロックするために使用される第二級アミンは、イミノ基のα位の炭素原子のうち少なくとも一方が分岐炭素原子であるものならば特に制限されない。
【0031】
このような第二級アミンは、下記式(2)で表される。
【0032】
【化3】

【0033】
式(2)中、R5、R6、R7は、それぞれ独立に、酸素原子、窒素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことができる炭化水素基を表し、R6はR5またはR7と互いに結合して環構造を形成することができ、2個のR5は互いに結合して環構造を形成することができ、mは0〜3の整数であり、nは1または2である。
【0034】
炭化水素基は、酸素原子、硫黄原子および窒素原子からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことができる。炭化水素基は、具体的には例えば、ヒドロキシ基、カルボニル基、カルボキシ基、アミノ基、イミノ基、尿素基(カルバミド基)、イソシアネート基のような官能基;エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合のような結合を含むことができる。
【0035】
炭化水素基は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、アラルキル基が挙げられる。アルキル基、シクロアルキル基、芳香族炭化水素基が好ましい態様として挙げられる。
アルキル基としては、例えば、炭素原子数1〜8のものが挙げられる。具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
【0036】
5とR6とが互いに結合して形成する環構造としては、例えば、ピペリジン環、ピペラジン環、ピペリドン環が挙げられる。
2個のR5が互いに結合して形成する環構造、または、R6とR7とが互いに結合して形成する環構造としては、例えば、シクロヘキシル基、フェニル基が挙げられる。
【0037】
第二級アミンとしては、例えば、N−メチルシクロヘキシルアミン、N−エチルシクロヘキシルアミン、N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N−メチルイソプロピルアミン、2−ピペコリン、2,4−ジメチルピペリジン、2,5−ジメチルピペラジンのようなイミノ基のα位の炭素原子の一方が分岐炭素原子であるもの;イミノ基のα位の炭素原子の両方が分岐炭素原子であるものが挙げられる。なかでも、室温での硬化性により優れるという観点から、イミノ基のα位の炭素原子の両方が分岐炭素原子であるものが好ましい。
イミノ基のα位の炭素原子の両方が分岐炭素原子である第二級アミンとしては、例えば、ジシクロヘキシルアミン、N−シクロヘキシルアニリンが挙げられる。
【0038】
また、室温での硬化性により優れ、適度な可使時間が得られ、貯蔵安定性に優れることから、イミノ基のα位の分岐炭素原子のうちの少なくとも一方に結合している置換基がメチル基であるのが好ましく、イミノ基のα位の分岐炭素原子の両方に、それぞれ、メチル基が少なくとも1個結合しているのがより好ましい。
【0039】
イミノ基のα位の分岐炭素原子の両方に、それぞれ、メチル基が少なくとも1個結合している第二級アミンは式(1)で表されるアミンである。
【0040】
【化4】

【0041】
式中、R1、R2は、それぞれ独立に、酸素原子、窒素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことができる炭化水素基を表し、R3、R4は、それぞれ独立に、水素原子、または、酸素原子、窒素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことができる炭化水素基を表し、R1はR2またはR3と互いに結合して環構造を形成することができ、R2はR4と互いに結合して環構造を形成することができる。
【0042】
酸素原子、窒素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことができる炭化水素基は、上記と同様である。
1とR2とが互いに結合して形成する環構造は、R5とR6とが互いに結合して形成する環構造と同様である。R1とR3とが互いに結合して形成する環構造、または、R2とR4とが互いに結合して形成する環構造は、R6とR7とが互いに結合して形成する環構造と同様である。
【0043】
式(1)で表される第二級アミンとしては、例えば、ジイソプロピルアミン、N−イソプロピルシクロヘキシルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、2,6−ジメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドン、N−イソプロピルアニリン(N−IPA)が挙げられる。なかでも、室温での硬化性にさらに優れるという観点から、2,6−ジメチルピペリジンが好ましい。
第二級アミンは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0044】
ウレタンプレポリマーと第二級アミンとの混合比は、貯蔵安定性、可使時間、硬化性の観点から、ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基(NCO)に対する、第二級アミン中のイミノ基(NH)の比(NH/NCO)が、0.03〜1.0であるのが好ましく、より好ましくは0.1〜1.0である。
【0045】
ブロックウレタンプレポリマーは、その製造について、特に制限されない。例えば、上述のウレタンプレポリマーと第二級アミンとの混合物を、50〜100℃で加熱かくはんする方法が挙げられる。
ブロックウレタンプレポリマーは、ウレタンプレポリマーと第二級アミンとを予め反応させてブロックウレタンプレポリマーとしてから組成物に混合すればよい。
【0046】
ブロックウレタンプレポリマーのブロック化率は、ゲル化の観点から、100%であるのが好ましい。
【0047】
ブロックウレタンプレポリマーとしては、例えば、ポリプロピレングリコールとTMXDIとから得られうるウレタンプレポリマーのイソシアネート基を2,6−DMPでブロックしたもの、ポリプロピレングリコールとTMXDIとから得られうるウレタンプレポリマーのイソシアネート基をN−IPAでブロックしたもの、ポリプロピレングリコールとTMXDIとから得られうるウレタンプレポリマーのイソシアネート基をジイソプロピルアミンでブロックしたものが挙げられる。
なかでも、室温での硬化性により優れるという観点から、ポリプロピレングリコールとTMXDIとから得られうるウレタンプレポリマーのイソシアネート基を2,6−DMPでブロックしたもの、ポリプロピレングリコールとTMXDIとから得られうるウレタンプレポリマーのイソシアネート基をN−IPAでブロックしたものが好ましい。
ブロックウレタンプレポリマーは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0048】
ブロックウレタンプレポリマーの製造の際に使用する第二級アミンは、イミノ基周辺の立体障害が大きいことにより、イミノ基の反応性が低い。また、ウレタンプレポリマーのイソシアネート基は、立体障害の大きい第二級または第三級の脂肪族炭素原子に結合しているので、反応性が低い。したがって、このような立体障害の大きいイソシアネート基をブロックしている立体障害の大きい第二級アミンは、硬化剤の存在下において室温で容易にブロックイソシアネート基から外れて、ブロックイソシアネート基はイソシアネート基となり、生成したイソシアネート基は、硬化剤と反応することができる。
【0049】
エポキシ樹脂とブロックウレタンプレポリマーとの量比は、例えば、得られる硬化物に対する柔軟性の付与、接着性、用途に応じて適宜選択することができる。具体的には、ブロックウレタンプレポリマーの使用量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、5〜1000質量部であるのが好ましく、10〜400質量部であるのが好ましい。
エポキシ樹脂に対して、柔軟性を付与し、接着性により優れ、熱時の接着強度に優れる観点から、ブロックウレタンプレポリマーの使用量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、10〜200質量部であるのが好ましく、10〜100質量部であるのがより好ましい。
また、ブロックウレタンプレポリマーに対して、硬化時間をより短縮し、接着性により優れるという観点から、ブロックウレタンプレポリマーの使用量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、40〜400質量部であるのが好ましく、50〜300質量部であるのがより好ましい。
【0050】
硬化剤について以下に説明する。
本発明の室温硬化性樹脂組成物に使用される硬化剤は、エポキシ樹脂やウレタンプレポリマーに対して使用されうるものであれば、特に制限されない。
このような硬化剤としては、例えば、脂肪族系ポリアミン;メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジエチルジフェニルメタンのような芳香族ポリアミン;マンニッヒ変性モノアミン、マンニッヒ変性ポリアミンのようなマンニッヒ変性アミン;2官能以上のチオール;加水分解反応により第一級アミンを再生するポリアミンとカルボニル化合物との反応物であるケチミンまたはアルジミン;アミノアルコキシシランとカルボニル化合物との反応物であるケイ素原子を含有するケチミンまたはアルジミンが挙げられる。
【0051】
なかでも、深部硬化性、作業性に優れ、硬化時間をより短縮でき、接着性、特に高温での接着強度により優れることから、アミノ基(−NH2)を2個以上有する脂肪族系ポリアミン、マンニッヒ変性ジアミン、2官能以上のチオールが好ましく、硬化時間をさらに短縮でき、高温での接着強度により優れることから、マンニッヒ変性ジアミン、2官能以上のチオールがより好ましい。また、室温での接着強度に優れることから、マンニッヒ変性ジアミンが好ましい。
【0052】
硬化剤として使用できる脂肪族系アミンとしては、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メンセンジアミン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、分子両末端のプロピレン分岐炭素原子にアミノ基が結合しているポリプロピレングリコール(PPG)(例えば、サンテクノケミカル社製「ジェファーミンD230」、「ジェファーミンD400」)、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、1,2−ジアミノプロパン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、H2N(CH2CH2O)2(CH22NH2(サンテクノケミカル社製「ジェファーミンEDR148」)のようなアミンの窒素原子にメチレン基が結合しているポリエーテル骨格のジアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン(デュポン・ジャパン社製「MPMD」)、メタキシリレンジアミン(MXDA)、ポリアミドアミン(三和化学社製「X2000」)、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(三菱ガス化学社製「1,3BAC」)、1−シクロヘキシルアミノ−3−アミノプロパン、3−アミノメチル−3,3,5−トリメチル−シクロヘキシルアミン、ノルボルナン骨格のジメチレンアミン(三井化学社製「NBDA」)が挙げられる。
【0053】
マンニッヒ変性アミンとしては、マンニッヒ変性モノアミン、マンニッヒ変性ポリアミンが挙げられる。マンニッヒ変性モノアミンは、マンニッヒ変性されたアミノ基を1個有するものであれば特に制限されない。また、硬化剤として使用できるマンニッヒ変性ポリアミンは、マンニッヒ変性されたアミノ基を2個以上有するものであれば特に制限されない。
なかでも、硬化時間をさらに短縮でき、高温での接着強度により優れることから、マンニッヒ変性ジアミンが好ましい。マンニッヒ変性ジアミンは、マンニッヒ変性されたアミノ基を2個有するものである。マンニッヒ変性ジアミンは、ヒドロキシ基を少なくとも1個含有する芳香族炭化水素化合物と、ホルムアルデヒドと、アミン化合物とをマンニッヒ(脱水)縮合反応により反応させて得ることができる。
マンニッヒ変性ジアミンの製造の際に用いられる芳香族炭化水素化合物は、ヒドロキシ基を少なくとも1個有するものであれば特に制限されない。例えば、1価のフェノール類;レゾルシノール、ハイドロキノンのような2価の単環フェノール類;1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレンのような2価の多核フェノール類;ビスフェノールA(2,2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)−プロパン、ビスフェノールF(ジ(p−ヒドロキシフェニル)−メタン)のようなビスフェノール類が挙げられる。1価のフェノール類が、好ましい態様の1つとして挙げられる。
【0054】
1価のフェノール類としては、例えば、フェノール、アルキルフェノール(アルキル基の炭素原子数は1〜10が好ましく、より好ましくは1〜5である。)、アルコキシフェノール(アルコキシ基の炭素原子数はアルキル基と同様である。)、不飽和炭化水素基含有フェノール、塩素原子、臭素原子のようなハロゲン原子を含有するハロゲン化フェノールが挙げられる。1価のフェノール類は、フェノール、不飽和炭化水素基含有フェノール、アルキルフェノールのいずれかであるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
【0055】
不飽和炭化水素基含有フェノールは、1分子中に少なくとも1個のヒドロキシフェニル基を含み、かつ、フェニル基の水素原子のうちの少なくとも1個が不飽和炭化水素基で置換されたものである。
不飽和炭化水素基において、不飽和結合としては、二重結合、三重結合が挙げられる。また、不飽和炭化水素基に含まれる不飽和結合の数は、少なくとも1個以上であり、1〜3個であるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
【0056】
不飽和炭化水素基としては、例えば、炭素原子数2〜10のアルケニル基が挙げられる。
炭素原子数2〜10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチル−1−プロペニル基、ペンテニル基、ヘキシニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デカニル基、スチリル基(C65−CH=CH−)、シンナミル基が挙げられる。
【0057】
不飽和置換基含有フェノールとしては、例えば、イソプロペニルフェノール、ジイソプロペニルフェノール、ブテニルフェノール、イソブテニルフェノール、シクロヘキセニルフェノール、スチリルフェノール(C65−CH=CH−C64−OH)、ジスチリルフェノール[(C65−CH=CH)2−C63−OH)]が挙げられる。
また、不飽和炭化水素基含有フェノールとして、例えば、カルダノールが挙げられる。カルダノールは、m位にアルキル基を有する1価のフェノールとm位に不飽和炭化水素基を含有する1価のフェノールとの混合物であり、フェノールに結合している炭化水素基の平均はC1527とされている。
【0058】
アルキルフェノールとしては、例えば、メチルフェノール(o、m、p−クレゾール)、エチルフェノール、ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、デシルフェノール、ジノニルフェノールが挙げられる。
ハロゲン化フェノールとしては、例えば、クロロフェノール、ブロモフェノールが挙げられる。
ヒドロキシ基を少なくとも1個含有する芳香族炭化水素化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0059】
マンニッヒ変性ジアミンの製造の際使用されるアミン化合物は、特に制限されない。例えば、脂肪族系、脂環族系、芳香族系、複素環系が挙げられる。
【0060】
脂肪族系アミン化合物としては、例えば、アルキレンポリアミン、ポリアルキレンポリアミン、テトラ(アミノメチル)メタン、テトラキス(2−アミノエチルアミノメチル)メタン、1,3−ビス(2′−アミノエチルアミノ)プロパン、トリエチレン−ビス(トリメチレン)ヘキサミン、ビス(3−アミノエチル)アミン、ビスヘキサメチレントリアミン[H2N(CH2nNH(CH2nNH2、n=6]、o−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン(MXDA)、p−キシリレンジアミンが挙げられる。
【0061】
アルキレンポリアミンとしては、例えば、式:H2N−R1−NH2(R1:炭素原子数1〜10の炭化水素基の側鎖を1個または複数個有していてもよい主鎖炭素原子数1〜12の2価の炭化水素基)で表されるものが挙げられる。具体的には、例えば、メチレンジアミン、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカンが挙げられる。
【0062】
ポリアルキレンポリアミンとしては、例えば、式:H2N−(Cm2mNH)nH(mは1〜10の整数であり、nは2〜10であり、好ましくは2〜6の整数である。)で表されるものが挙げられる。具体的には、例えば、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、トリプロピレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、テトラプロピレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ノナエチレンデカミンが挙げられる。
【0063】
環族系アミン化合物としては、例えば、1,4−シクロヘキサンジアミン、4,4′−メチレンビスシクロヘキシルアミン、4,4′−イソプロピリデンビスシクロヘキシルアミン、ノルボルナジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン(MDA)が挙げられる。
【0064】
芳香族系アミン化合物としては、例えば、フェニレンジアミン、ナフチレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジエチルフェニルメタン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、2,2′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、2,4′−ジアミノビフェニル、2,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジメトキシ−4、4′−ジアミノビフェニル、ビス(アミノメチル)ナフタレン、ビス(アミノエチル)ナフタレンが挙げられる。
【0065】
複素環系アミン化合物としては、例えば、N−メチルピペラジン、モルホリン、1,4−ビス−(8−アミノプロピル)−ピペラジン、ピペラジン、1−(2′−アミノエチル)ピペラジン、1−[2′−(2″−アミノエチルアミノ)エチル]ピペラジン、1,11−ジアザシクロエイコサン、1,15−ジアザシクロオクタコサンが挙げられる。
アミン化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0066】
マンニッヒ変性ジアミンの製造の際に使用される原料の量比は、ヒドロキシ基を少なくとも1個含有する芳香族炭化水素化合物1モルに対して、ホルムアルデヒドの使用量が0.5〜2.5モルの量であり、アミン化合物の使用量が0.5〜2.5モルの量であるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
マンニッヒ変性ジアミンは、その製造について特に制限されず、ヒドロキシ基を少なくとも1個含有する芳香族炭化水素化合物と、ホルムアルデヒドと、アミン化合物とを上記の量比で混合し、例えば、これを50〜180℃で3〜12時間加熱かくはんする方法が挙げられる。
【0067】
マンニッヒ変性ジアミンは、室温での硬化性、接着性、硬化時間の短縮により優れ、低温および高温での接着強度により優れるという観点から、フェノールと、ホルムアルデヒドと、m−キシリレンジアミンとを反応させて得られるものであるのが好ましい。
【0068】
また、マンニッヒ変性アミンとしては、例えば、エアー・プロダクツ社製のアンカミン2432(NV43.5%、アミン価387)、アンカミン2089M(NV100%、アミン価368);コグニスジャパン社製のバーサミンF20(NV100%、アミン価400〜480)、バーサミンI−368(NV100%、アミン価370〜400)、バーサミンM−1(NV100%、アミン価375〜425);シェル社製のエピキュアー3549(NV100%)、エピキュアー3378(NV74.5%);Witco社製のTL0712(NV94.3%、アミン価705);旭電化社製のアデカハードナーEH342M(NV40.2%、アミン価307)、アデカハードナーEH342M17(NV33.3%、アミン価386)、アデカハードナーEH350(NV52.8%、アミン価385)、アデカハードナーEH351(NV46.9%、アミン価306);三和化学工業社製のサンマイドW−3000(NV100%、アミン価340)、サンマイドW−1000(NV100%、アミン価340)、サンマイドW−500(NV100%、アミン価280)、サンマイドCX−102(NV89.8%、アミン価288)、;大都産業社製のダイトクラールSK900FCB(NV100%、アミン価385)、X−9442A;大日本インキ化学工業社製のラッカマイドV6−221(NV100%、アミン価420)が挙げられる。
マンニッヒ変性アミンは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0069】
2官能以上のチオールについて以下に説明する。
本発明の室温硬化性樹脂組成物に用いられるチオールは、メルカプト基(−SH)を2個以上有する化合物である。メルカプト基は、例えば、チオールの末端、骨格内に結合することができる。
2官能以上のチオールは、ウレタンプレポリマーおよび/またはエポキシ樹脂の硬化剤となりうる。
2官能以上のチオールは、特に制限されない。2官能以上のチオールは、骨格内に、例えば、カルボニル基、尿素基(カルバミド基)、イソシアネート基のような官能基;エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合のような結合を有することができる。
2官能以上のチオールとしては、メルカプト基を2個有するチオール、メルカプト基を3個以上有するチオールが挙げられる。
【0070】
メルカプト基を2個有するチオールとしては、例えば、エタンジチオール、プロパンジチオール、ブタンジチオール、ペンタンジチオール、ヘキサンジチオール、ヘプタンジチオール、オクタンジチオール、ノナンジチオール、デカンジチオール、ベンゼンジチオール、トルエン−3,4−ジチオール、3,6−ジクロロ−1,2−ベンゼンジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、ベンゼンジメタンチオール、4,4′−チオビスベンゼンチオール、2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、2−メルカプト−3−チアヘキサン−1,6−ジチオール、5,5−ビス(メルカプトメチル)−3,7−ジチアノナン−1,9−ジチオール、5−(2−メルカプトエチル)−3,7−ジチアノナン−1,9−ジチオール、ジメルカプトプロパノール、ジチオエリトリトールが挙げられる。
【0071】
メルカプト基を3個以上有するチオールとしては、例えば、ポリエーテル(例えば、ポリオキシプロピレングリコール)の末端にメルカプト基を導入したポリチオール(例えば、東レ・ファインケミカル社製「QE−340M」)、トリチオグリセリン、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール(トリメルカプト−トリアジン)、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、1,2,4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、2,4,6−トリス(メルカプトメチル)メシチレン、トリス(メルカプトメチル)イソシアヌレート、トリス(3−メルカプトプロピル)イソシアヌレート、2,4,5−トリス(メルカプトメチル)−1,3−ジチオランのようなトリチオール;ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、テトラメルカプトブタン、ペンタエリトリチオールのようなテトラチオールが挙げられる。
【0072】
なかでも、硬化剤としての2官能以上のチオールは、室温での硬化性、硬化時間の短縮、接着性により優れることから、メルカプト基を3個以上有するチオールであるのが好ましく、ポリエーテルの末端にメルカプト基を導入したポリチオール、トリチオグリセリンであるのがより好ましい。また、室温または高温での接着強度により優れることから、ポリエーテルの末端にメルカプト基を導入したポリチオールが好ましい。
2官能以上のチオールは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0073】
本発明の室温硬化性樹脂組成物に使用される硬化剤のなかでも、硬化速度が高く、硬化時間をより短縮できるという観点から、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ノルボルナン骨格のジメチレンアミン、メタキシリレンジアミン、メタキシリレンジアミンとホルムアルデヒドとフェノールとから得られうるマンニッヒ変性ジアミン、ポリエーテル(例えば、ポリオキシプロピレングリコール)の末端にメルカプト基を導入したポリチオールが好ましく、硬化時間をさらに短縮できるという点からメタキシリレンジアミンとホルムアルデヒドとフェノールとから得られうるマンニッヒ変性ジアミン、ポリエーテル(例えば、ポリオキシプロピレングリコール)の末端にメルカプト基を導入したポリチオールが好ましい。
【0074】
また、高温での接着強度により優れるという観点から、メタキシリレンジアミン、メタキシリレンジアミンとホルムアルデヒドとフェノールとから得られうるマンニッヒ変性ジアミン、ポリエーテル(例えば、ポリオキシプロピレングリコール)の末端にメルカプト基を導入したポリチオールが好ましく、高温での接着強度にさらに優れるという点から、メタキシリレンジアミンとホルムアルデヒドとフェノールとから得られうるマンニッヒ変性ジアミン、ポリエーテル(例えば、ポリオキシプロピレングリコール)の末端にメルカプト基を導入したポリチオールが好ましい。
室温での接着強度に優れることから、メタキシリレンジアミンとホルムアルデヒドとフェノールとから得られうるマンニッヒ変性ジアミンが好ましい。
【0075】
硬化剤の使用量は、本発明の室温硬化性樹脂組成物に含まれるブロックウレタンプレポリマーから生成するウレタンプレポリマー中のイソシアネート基とエポキシ樹脂中のエポキシ基との合計モル数と、硬化剤中の活性水素含有官能基のモル数との比[(ブロックウレタンプレポリマーから生成するウレタンプレポリマー中のイソシアネート基+エポキシ樹脂中のエポキシ基)/(硬化剤中の活性水素含有官能基)]が、0.2〜1.2となるのが好ましく、0.5〜1.0となるのがより好ましい。
【0076】
本発明の室温硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂、ブロックウレタンプレポリマー、および、硬化剤のほかに、本発明の目的を損わない範囲で、例えば、硬化触媒、充填剤、可塑剤、酸化防止剤、老化防止剤、無機顔料、有機顔料、接着付与剤、難燃剤、脱水剤、溶剤、シランカップリング剤、チクソトロピー付与剤、帯電防止剤、充填剤のような添加剤を配合することができる。添加剤の使用量は、硬化性樹脂組成物に使用されうる量であれば特に制限されない。
【0077】
硬化触媒は、ウレタンプレポリマーおよび/またはエポキシ樹脂に対して使用できるものであれば特に制限されない。例えば、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸のようなカルボン酸類;ポリリン酸、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェートのようなリン酸類;ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレートのような有機金属類;2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(例えば、DMP−30)のような第三級アミンが挙げられる。
硬化触媒の使用量は、エポキシ樹脂とブロックウレタンプレポリマーとの合計量100質量部に対して、0.1〜5質量部であるのが好ましい。
【0078】
充填剤としては、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;けいそう土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;カーボンブラック;またはこれらを例えば、脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル、ウレタン化合物により処理した処理物が挙げられる。
【0079】
可塑剤としては、例えば、ジイソノニルアジペートジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルベンジルフタレート、アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル、ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル、オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステルが挙げられる。
【0080】
酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、亜リン酸トリフェニル等が挙げられる。
老化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系の化合物が挙げられる。
【0081】
無機顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩が挙げられる。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料が挙げられる。
接着付与剤としては、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペンーフェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチルメチルホスホネート、臭素原子および/またはリン原子含有化合物、アンモニウムポリホスフェート、ジエチルビスヒドロキシエチルアミノエチルホスフェート、ネオペンチルブロマイドーポリエーテル、臭素化ポリエーテルが挙げられる。
脱水剤としては、例えば、アシロキシシリル基含有ポリシロキサンが挙げられる。
【0082】
本発明の室温硬化性樹脂組成物は、その製造について特に制限されない。例えば、硬化剤以外の成分であるエポキシ樹脂と、ブロックウレタンプレポリマーと、必要に応じて使用することができる添加剤とをあらかじめ減圧下または窒素ガス存在下において、混合ミキサー等のかくはん装置を用いて十分に混練して混合物を調製しておく。そして、使用時に、上記のとおり調製した混合物と硬化剤と混合して製造することができる。
【0083】
本発明の室温硬化性樹脂組成物は、室温で硬化しうる。本発明の室温硬化性樹脂組成物の硬化温度は、硬化時間の観点から、15〜40℃であるのが好ましく、20〜30℃であるのがより好ましい。
【0084】
本発明の室温硬化性樹脂組成物の用途としては、例えば、構造用接着シール、シーリング材、接着剤、コーティング材、プライマー、塗料が挙げられる。
本発明の室温硬化性樹脂組成物を使用できる被着体は、特に制限されず、例えば、金属、プラスチック、ガラス、塗板が挙げられる。
【0085】
本発明の室温硬化性樹脂組成物は、使用時に室温で硬化でき、接着性に優れ、短時間で硬化しうる。また、本発明の室温硬化性樹脂組成物の硬化物は、ゴム弾性が高く、接着強度に優れる。
【実施例】
【0086】
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に制限されるものではない。
【0087】
1.ウレタンプレポリマーの調製
(1)ウレタンプレポリマー1の調製
テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI「三井サイテック社製」)と、2官能ポリプロピレングリコール(旭硝子社製「エクセノール2020」、数平均分子量2000)とをNCO/OHが2.0の割合で混合し、80℃で1晩加熱かくはんすることにより、目的のウレタンプレポリマー1を得た。
(2)ウレタンプレポリマー2の調製
TMXDIをイソホロンジイソシアネート(デグッサヒュルス社製)に代えた以外は、ウレタンプレポリマー1と同様にして、目的のウレタンプレポリマー2を得た。
(3)ウレタンプレポリマー3の調製
2官能ポリプロピレングリコールを3官能ポリプロピレングリコール(旭硝子社製「エクセノール5030」、数平均分子量5000)に代えた以外は、ウレタンプレポリマー1と同様にして、目的のウレタンプレポリマー3を得た。
(4)ウレタンプレポリマー4の調製
TMXDIを4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(三井武田ケミカル社製)に代えた以外は、ウレタンプレポリマー1と同様にして、目的のウレタンプレポリマー4を得た。
【0088】
2.ブロックウレタンプレポリマーの調製
(1)ブロックウレタンプレポリマーAの調製
ウレタンプレポリマー1と、2,6−ジメチルピペリジンとをNH/NCOが1.0となる量比で混合し、80℃で2時間加熱かくはんすることにより、目的のブロックウレタンプレポリマーAを得た。
(2)ブロックウレタンプレポリマーBの調製
2,6−DMPをN−イソプロピルアニリンに代えた以外は、ブロックウレタンプレポリマーAと同様にして、目的のブロックウレタンプレポリマーBを得た。
(3)ブロックウレタンプレポリマーCの調製
ウレタンプレポリマー1をウレタンプレポリマー2に代えた以外は、ブロックウレタンプレポリマーAと同様にして、目的のブロックウレタンプレポリマーCを得た。
(4)ブロックウレタンプレポリマーDの調製
ウレタンプレポリマー1をウレタンプレポリマー3に代えた以外は、ブロックウレタンプレポリマーAと同様にして、目的のブロックウレタンプレポリマーDを得た。
(5)ブロックウレタンプレポリマーEの調製
ウレタンプレポリマー1をウレタンプレポリマー4に代えた以外は、ブロックウレタンプレポリマーAと同様にして、目的のブロックウレタンプレポリマーEを得た。
(6)ブロックウレタンプレポリマーFの調製
2,6−DMPをメチルエチルケトオキシムに代えた以外は、ブロックウレタンプレポリマーAと同様にして、目的のブロックウレタンプレポリマーFを得た。
【0089】
3.室温硬化性樹脂組成物の調製
第1表に示す成分を第1表に示す組成比(単位は質量部)で用い、これらを減圧下、混合ミキサーを用いて十分に混練し、均一に分散させて組成物を得た。実施例1、2、4〜8、比較例1〜6において、エポキシ樹脂およびブロックウレタンプレポリマーと硬化剤との比(エポキシ基+NCO/活性水素含有基)は1.0とした。また、実施例3において、エポキシ樹脂およびブロックウレタンプレポリマーと硬化剤との比(エポキシ基+NCO/活性水素含有基)は0.9とした。
【0090】
4.室温硬化性樹脂組成物の評価
上記のようにして得られた室温硬化性樹脂組成物について、硬化時間、引張物性、および、引張せん断強度を以下の条件で評価した。結果を第1表に示す。
(1)硬化時間
各室温硬化性樹脂組成物をそれぞれ、20℃、55%RTの条件下において硬化させ、JIS A5758:2004に準じて、硬化物の表面のタックがなくなるまでの時間を測定した。
【0091】
(2)引張物性
各室温硬化性樹脂組成物を用いて、JIS K7113:1995に準じて、JIS1号試験片を作製し、引張試験機にて引張速度5mm/minの条件下で破断強度および破断伸びを測定した。
【0092】
(3)引張せん断強度
縦100mm、横25mm、厚さ1.6mmの鋼板を2枚用意した。
JIS K6850:1999に準じて、一枚の鋼板の端を脱脂後、2枚の鋼板の接着部分が12.5±0.5mmとなるように得られた室温硬化性樹脂組成物を塗布し、ここにもう一枚の脱脂済みの鋼板を重ねて、室温硬化性樹脂組成物の層の厚さが約0.2mmとなるように圧着し、クリップで固定して積層体とした。得られた積層体を、20℃、55%RTの条件下で3日間硬化させたのち、硬化した積層体を引張試験機に取り付け、引張速度5mm/min、試験時温度23℃または120℃で30分放置した後、120℃で引張試験を行い、引張せん断強度を測定した。
【0093】
【表1】

【0094】
第1表中に示した成分の詳細は、以下のとおりである。
・エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(EP4100E、旭電化社製)
・変成シリコーン:MS203、カネカ社製
・ブロックウレタンプレポリマーA〜F:上記のように調製したブロックウレタンプレポリマーA〜F
・マンニッヒ変性アミン:X−9442A(大都産業社製)
・ポリチオール:QE−340M(東レ・ファインケミカル社製)
・メタキシリレンジアミン:三菱ガス化学社製
・フィラー:炭酸カルシウム(スノーライトS、丸尾カルシウム社製)
・触媒1:2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(DMP−30、精工化学社製)
・触媒2:ジブチルスズオキサイドのフタル酸ジオクチル溶液
【0095】
第1表に示す結果から明らかなように、実施例1〜8の組成物は、いずれも、室温で硬化することができ、硬化時間が短い。
これに対して、比較例5、6は硬化しなかった。比較例5は、エポキシ樹脂を含有し、ウレタンプレポリマーとしてMDIを使用している。MDIのイソシアネート基はベンゼン環に結合しているので、周囲の立体障害が小さく、MDIのイソシアネート基は2,6−DMPと強く結合している。このため、2,6−DMPは硬化剤の存在下であっても室温ではブロックイソシアネート基から外れることができない。このようなことから、比較例5の組成物は硬化しなかったと推察する。また、ブロックイソシアネート基から2,6−DMPを外すためには加熱する必要がある。
比較例6は、エポキシ樹脂を含有し、ブロック化剤としてメチルエチルケトオキシムを使用しているので、室温ではメチルエチルケトオキシムがイソシアネート基から外れず、硬化しなかったと推察する。
また、比較例2(エポキシ樹脂を含まず、硬化性樹脂はブロックウレタンプレポリマーのみ)の組成物や、比較例3、4(エポキシ樹脂を含まず、硬化性樹脂として変成シリコーンを含み、変成シリコーンを硬化させるために水を加えている。)の組成物は、硬化はするものの、硬化物の表面のタックがなくなるまでに時間が長くかかる結果となった。
このようなことから、室温硬化性樹脂組成物はエポキシ樹脂を含む必要があることが分かる。
【0096】
引張物性の結果から、実施例1〜8の室温硬化性樹脂組成物から得られる硬化物はポリウレタンを含むことから、比較例1に比べて、ゴム状弾性に優れることがわかる。このように、本発明の室温硬化性樹脂組成物はブロックウレタンプレポリマーをふくむことにより、エポキシ樹脂の欠点であるもろさを改善して、得られる硬化物に柔軟性を付与することができる。
また、実施例1〜8の室温硬化性樹脂組成物から得られる硬化物は、比較例2、4に比べて、機械的強度に優れることがわかる。
【0097】
引張せん断強度の結果から、実施例1〜8の室温硬化性樹脂組成物は、比較例2、4(エポキシ樹脂を含まず、ブロックウレタンプレポリマーを含む。)に比べて接着性に優れることが分かる。このように、本発明の室温硬化性樹脂組成物によれば、ポリウレタンの欠点である接着性の低さを改善することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エポキシ樹脂と、第二級または第三級の脂肪族炭素原子に結合しているイソシアネート基を含むウレタンプレポリマーの前記イソシアネート基を、イミノ基のα位の炭素原子のうちの少なくとも一方が分岐炭素原子である第二級アミンでブロックすることにより得られうるブロックウレタンプレポリマーと、硬化剤とを有する室温硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
前記第二級アミンが、下記式(1)で表される請求項1に記載の室温硬化性樹脂組成物。
【化1】


(式中、R1、R2は、それぞれ独立に、酸素原子、窒素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでもよい炭化水素基を表し、R3、R4は、それぞれ独立に、水素原子、または、酸素原子、窒素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでもよい炭化水素基を表し、R1はR2またはR3と互いに結合して環構造を形成してもよく、R2はR4と互いに結合して環構造を形成してもよい。)
【請求項3】
前記硬化剤が、マンニッヒ変性ジアミンおよび/または2官能以上のチオールである請求項1または2に記載の室温硬化性樹脂組成物。

【公開番号】特開2007−23238(P2007−23238A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−211291(P2005−211291)
【出願日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】