説明

家畜の尿処理装置

【課題】 家畜の尿を主体とした汚水を、効率的に処理する装置を提供する。
【解決手段】 タンクの水溶液の中に、6枚の電極板を配置し、電解作用によって発生する水素ガスと、その時、生じる高熱で、二重タンクの間の冷却水が熱湯化する水素発生装置から、水素ガスと熱湯を畜尿処理装置へ送出する。
円筒状の回転釜を回しながら、尿などの汚水をノズルから吹き込み、水素ガスバーナーで燃焼させる。燃焼効率を上げるため、排気ファンを内蔵した排気筒を接続し、燃焼後の僅かな残滓を、調整フロート付の水槽へ排出する。同時に、燃焼時の高熱を利用し、回転釜を包むようにパイプを配列した蒸気発生装置を組み込み、水素発生装置からの熱湯を取り入れ、蒸気を発生させ、タービンを回し発電し、発電したあとの蒸気を、畜舎やビニールハウスなどの暖房に活用する水素発生装置を併設する家畜の尿処理装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術の分野】
【0001】
本発明は、家畜の尿の処理に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、家畜の糞尿は微生物を利用して分解処理し、汚水の異臭を除き、固形物は肥料に使用したりしている。(例えば特許文献1参照)また、温風を利用し水分を蒸発させる方法も考案されている。(例えば特許文献2参照)
【0003】
【特許文献1】 特許公開平8−91973
【特許文献2】 実用新案公開平6−24783
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのために次のような問題点があった。
(イ)微生物は、短期間で劣化し易く、補充はかなりの経費がかかっている。
(ロ)処理槽などの施設は、広いスペースが必要な事が多く、小規模の経営ではかなりの負担となっている。
(ハ)尿など汚水を処理するには、効率に問題があり、処理仕切れない残滓をさらに発酵処理するなど、時間と手間のかかる難点があった。
本発明は、これらの問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
タンクの水溶液の中に、電源装置と連結した6枚の電極板を配置し、バルブをつけた水溶液の補助タンクを取り付け、タンク本体の上部中央部には、圧力計と逆止弁を付けたパイプを設置、二重構造のタンクとタンクの間には冷却水を満たし、タンク下部にポンプによる冷却水の注入口を設け、タンク上部に、熱湯を送出するパイプをつけたのを特徴とする水素発生装置である。
また、タンク内の減速モーターで、ローラーを回し、円筒状の釜を回転させながら、家畜の汚水をバルブ付のノズルから吹き込み、同時に、水素ガスバーナーで汚水を燃焼し、後部に接続する排気筒に、内蔵した排気ファンで排気ガスを誘導、液体化させ、調整フロートを浮かべた水槽に排水する。汚水の燃焼時に発生する高熱を利用し、回転釜を包むようにパイプを配列した蒸気発生装置に、水素発生装置から取り込む熱湯で、蒸気を発生させ、タービンを回して発電し、発電したあとの蒸気を、畜舎やビニールハウスなどの暖房に活用するのを特徴とする前記の水素発生装置を併設する家畜の尿処理装置である。
【発明の効果】
【0006】
水素ガスを利用して、毎日多量に排出される排泄物を燃焼させ、排気をクリーンにする事ができる。さらに水素ガス発生時の高熱で、冷却水が熱湯になるのを利用し、蒸気に変換し発電機を起動し、工場内の電気に使用できるほか、発電したあとの蒸気を、畜舎の暖房やビニールハウスの暖房などに活用できる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
タンク1の水溶液2の中に、電源装置3と連結した6枚の電極板4を配置し、バルブ5をつけた水溶液2の補助タンク6を取り付け、タンク本体1の上部中央部には、圧力計7と逆止弁8を付けたパイプ9を設置する。二重構造のタンクとタンクの間には冷却水10を満たし、タンク下部にポンプ11による注入口12を設ける。タンク1内部の電極板4への通電によって、水溶液2は化学変化を起こし高温を発し、冷却水を熱湯化する。タンク上部に熱湯を送出するパイプ13を付けた水素発生装置14である。
【0008】
タンク31内の減速モーター32で、ローラー33を回し、円筒状の釜34を回転させながら、導入する家畜の汚水をバルブ5付のノズル35から吹き込み、同時に、水素ガスバーナー36で汚水を燃焼し、後部に接続する排気筒37に、内蔵した排気ファン38で排気ガスを誘導し、液体化させ、調整フロート39を浮かべた水槽40に排水する。さらに、汚水の燃焼時に発生する高熱を利用し、回転釜34を包むようにパイプ41を配列した蒸気発生装置42に、水素発生装置14から取り込む熱湯で、蒸気を発生させ、タービン43を回し発電し、発電したあとの蒸気を、畜舎やビニールハウスなどの暖房に活用する水素発生装置14を併設する家畜の尿処理装置44である。
本発明は以上のような構成よりなっている。
この装置の使用は、広いスペースを必要とせず、排気をクリーンに出来るほか、僅かな残滓しか残らない、優れた効果がある。さらに、蒸気によって発電し、工場に電力を供給するだけでなく、発電したあとの蒸気を、子豚の飼育やビニールハウスなどの暖房に利用出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】水素発生装置の構成を示す側面図
【図2】上記装置の平面図(A−Aの断面)
【図3】尿処理装置の構成を示す側面図
【図4】蒸気発生装置の正面図
【符号の説明】
【0010】
1 タンク 2 水溶液 3 電源装置 4 電極板 5 バルブ
6 補助タンク 7 圧力計 8 逆止弁 9 パイプ 10 冷却水
11 ポンプ 12 注入口 13 パイプ 14 水素発生装置
31 タンク 32 減速モーター 33 ローラー 34 回転釜 35 ノズル
36 水素ガスバーナー 37 排気筒 38 排気ファン 39 調整フロート
40 水槽 41 パイプ 42 蒸気発生装置 43 タービン 44 尿処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクの水溶液の中に、電源装置と連結した6枚の電極板を配置し、バルブをつけた水溶液の補助タンクを取り付け、タンク本体の上部中央部には、圧力計と逆止弁を付けたパイプを設置、二重構造のタンクとタンクの間には冷却水を満たし、タンク下部にポンプによる冷却水の注入日を設け、タンク上部に、熱湯を送出するパイプをつけたのを特徴とする水素発生装置。
【請求項2】
タンク内の減速モーターで、ローラーを回し、円筒状の釜を回転させながら、家畜の汚水をバルブ付のノズルから吹き込み、同時に、水素ガスバーナーで汚水を燃焼し、後部に接続する排気筒に、内蔵した排気ファンで排気ガスを誘導、液体化させ、調整フロートを浮かべた水槽に排水し、汚水の燃焼時に発生する高熱を利用し、回転釜を包むようにパイプを配列した蒸気発生装置に、水素発生装置から取り込む熱湯で、蒸気を発生させ、タービンを回し発電し、発電したあとの蒸気を、畜舎やビニールハウスなどの暖房に活用するのを特徴とする請求項1の水素発生装置を併設する家畜の尿処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−271246(P2007−271246A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−124406(P2006−124406)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(506145588)
【Fターム(参考)】