容器、及び容器のプレス成形装置、プレス成形方法
【課題】蓋を容器に対し内嵌合させた場合に、蓋を確実に容器に対して固定することができて汁漏れが生じたりせず、高い信頼性を得ることができる蓋付きの容器及び成形プレス装置並び成形プレス方法を提供する。
【解決手段】容器側内嵌合部形成駒16は、第一の容器側内嵌合部形成傾斜面16fからキャビティ14底面に近接した側において枢支されており、雄金型12の凸状部が雌金型本体15のキャビティ14内に所定の状態に入り込んだ場合は、容器側内嵌合部形成駒16は雄金型12の第二の容器内側嵌合部形成傾斜面12bよりも外周側に形成された押圧傾斜面12dに押圧されて、弾撥体の付勢力に抗して雌金型中心側へ回動し得るよう構成されている。
【解決手段】容器側内嵌合部形成駒16は、第一の容器側内嵌合部形成傾斜面16fからキャビティ14底面に近接した側において枢支されており、雄金型12の凸状部が雌金型本体15のキャビティ14内に所定の状態に入り込んだ場合は、容器側内嵌合部形成駒16は雄金型12の第二の容器内側嵌合部形成傾斜面12bよりも外周側に形成された押圧傾斜面12dに押圧されて、弾撥体の付勢力に抗して雌金型中心側へ回動し得るよう構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内嵌合される蓋を有する蓋付きの容器、及び容器のプレス成形装置、プレス成形方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストアの発展に伴い、近年調理済み加工食品の普及が著しいが、斯かる加工食品を収容する容器としては、例えば、ポリプロピレン樹脂製の容器がよく知られている。しかし、ポリプレピレン樹脂製の容器の場合は、耐熱性は良好であるが断熱性に劣るため、中身の食品を電子レンジにより加熱したとき、容器が手に持てない程に熱くなり、又、加熱した食品が冷えるのも速いという欠点がある。
【0003】
このような問題を解決できる容器には、耐熱性と共に断熱性の良好な発泡プロピレン樹脂を使用することが行なわれている。而して、斯かる発泡プロピレン樹脂製の容器は、断熱性があり、中身の食品を電子レンジで加熱しても容器は熱くならず、しかも、収納されている食品は冷めにくいため、食品用容器として好ましい。
【0004】
しかしながら、このような発泡プロピレン樹脂製の容器は、樹脂の肉厚が厚く、加熱成形時の樹脂シートの流動性が低い等の理由により真空成形又は圧空成形が困難なため、雄雌金型によるプレス成形を行なっている。
【0005】
例えば、発泡プロピレン樹脂等の樹脂シートを雄雌金型によりプレス成形して製造した容器の一例は、図28に示されている。図中、1は発泡プロピレン樹脂等の樹脂シートをプレス成形することにより形成された略深皿形状、椀形状等の容器である。而して、容器1を形成する容器本体1aの上端外周縁部には、径方向外方へ僅かに突出する環状段部1bが形成され、環状段部1bの外周縁部には、上方へ向かって所定の高さに直立する短筒状の容器側内嵌合部1cが形成され、容器側内嵌合部1cの上端縁部には、径方向外方へ向かって平坦に突出する鍔部1dが形成され、鍔部1dの外周縁部には、下方へ若干斜め外方に向けて垂下する被抱持部1eが形成されている。
【0006】
又、蓋2は、透明ポリスチレン樹脂や透明ポリエチレン樹脂等の樹脂シートを真空又は圧空成形することにより成形され、略逆皿形状の蓋本体2aの下端外周縁部には、径方向外方へ向かって僅かに突出する環状段部2bが形成され、環状段部2bの外周縁部には、上方へ向かって所定の高さに直立する短筒状の蓋側内嵌合部2cが形成され、蓋側内嵌合部2cの上端縁部には、径方向外方へ向かって平坦に突出する鍔部2dが形成され、鍔部2dの外周縁部には、下方へ若干斜め外方に向けて垂下する抱持部2eが形成されている。
【0007】
而して、容器1に蓋2をセットすると、蓋2の環状段部2b下面は容器1の環状段部1b上面に当接し、蓋2の蓋側内嵌合部2cの外周面は、容器1の容器側内嵌合部1c内周面に密接し、蓋2の鍔部2dの下面は、容器1の鍔部1dの上面に当接し、蓋2の抱持部2eは、容器1の被抱持部1eを若干抱持した状態になる。その結果、蓋2は容器1に対し内嵌合の状態となる。
【0008】
蓋を容器に対し内嵌合した蓋付き容器の先行技術文献としては、特許文献1、特許文献2等がある。而して、特許文献1においては、容器側内嵌合部はその上方へ向かって絞られて縮径された形状のものも開示されてはいる。
【特許文献1】特開平9−216649号公報
【特許文献2】特開2003−137325号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図28の蓋付き容器においては、蓋2の短筒状の蓋側内嵌合部2cは、容器1の短筒状の容器側内嵌合部1cに内嵌合して互いに密接しているが、容器側内嵌合部1c内周及び蓋側内嵌合部2c外周の相互の密接部は、高さ方向のどの位置においても、径方向寸法が略同一寸法に形成されて鉛直状で、高さ方向上方側へ向けて絞られて縮径した形状となっていないため、蓋2は簡単に容器から外れたり、或は容器内の汁が漏れる虞がある。
【0010】
又、プレス成形時に、容器側内嵌合部1cを若干高さ方向上方側へ向けて絞り、縮径させた形状とすることも検討されたが、絞り角度が少ないため、容器側内嵌合部1cはプレス成形後に弾性により変形して上方へ向かって絞られて縮径した状態を維持できず、従って、汁を含んでいる食品に対しては実用に供することが難しい。
【0011】
又、特許文献1において、容器内嵌合部が上方へ向けて絞られ縮径した形状の容器は、ポリプロピレン樹脂シートから成形されており、発泡プロピレン樹脂のような発泡樹脂ではない。従って、特許文献1においても、容器内嵌合部が上方へ向けて絞られ縮径した形状の容器の場合は、発泡プロピレン樹脂により成形することはできない。
【0012】
本発明は、上記実情に鑑み、蓋を容器に対し内嵌合させた場合に、蓋を確実に容器に対して固定することができて汁漏れが生じたりせず、高い信頼性を得ることができる発泡樹脂製の容器、及び容器のプレス成形装置、プレス成形方法を提供することを目的としてなしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の容器においては、発泡樹脂製の容器における容器本体の外周部外側には、該容器本体から突出する側に向かって絞られて縮径された短筒状の容器側内嵌合部が形成されており、蓋における蓋本体の外周部外側には、該蓋本体の天井部側又は、底部側に向かって絞られて縮径された短筒状の蓋側内嵌合部が形成されており、蓋を容器により閉じた場合は、蓋側内嵌合部は、外周が容器側内嵌合部の内周に当接するよう内嵌合されるものである。
【0014】
請求項2の容器のプレス成形装置は、
近接、離反しうるように構成された雌金型と雄金型とを備え、
雌金型は、
キャビティを有する雌金型本体と、
キャビティの外周を包囲し、先端部がキャビティ底部から離反する側へ突出し、しかも、平面視で全体として短筒状となるよう分割配置された複数の容器側内嵌合部形成駒を備え、
該容器側内嵌合部形成駒は、前記キャビティの径方向へ移動可能に形成されていると共に、容器側内嵌合部形成駒の、キャビティ底部から離反した側における雌金型の中心側に対向した面には、キャビティ底部側から離反するに従い、絞られて縮径された第一の容器側内嵌合部形成傾斜面を備えており、
雄金型は、
キャビティ内に嵌り込んで容器本体を形成する凸状部と、
該凸状部の外周縁部に形成され、凸状部先端側から凸状部の高さ方向へ離反するに従い、絞られて縮径された第二の容器側内嵌合部形成傾斜面を備えており、
雄金型の凸状部がキャビティ内に所定の状態に入り込んだ場合には、前記容器側内嵌合部形成駒は雌金型の径方向内方又は外方へ移動させられ、
前記容器側内嵌合部形成駒の第一の容器側内嵌合部形成傾斜面及び雄金型の第二の容器側内嵌合部形成傾斜面が協働して、容器側内嵌合部を形成するよう構成した
ものである。
【0015】
請求項3の容器のプレス成形装置は、
容器側内嵌合部形成駒は、キャビティ底面に近接した側において枢支されており、雄金型の凸状部が雌金型本体のキャビティ内に所定の状態に入り込んだ場合は、容器側内嵌合部形成駒は雄金型の第二の容器内側嵌合部形成傾斜面よりも外周側に形成された押圧傾斜面に押圧されて、弾撥体の付勢力に抗して雌金型中心側へ回動し得るよう構成されているものである。
【0016】
請求項4の容器のプレス成形装置は、
容器側内嵌合部形成駒は直進往復移動可能に形成されており、雄金型の凸状部が雌金型本体のキャビティ内に所定の状態に入り込んだ場合は、容器側内嵌合部形成駒は、雄金型の第二の容器内側嵌合部形成傾斜面により押圧されて、弾撥体の付勢力に抗して雌金型外方側へ移動させるよう構成されている。
【0017】
請求項5の容器のプレス成形方法は、前記各プレス成形装置における雄金型の凸状部を雌金型本体のキャビティ内に入り込ませて容器をプレス成形するに際し、雄金型により、雌金型本体の容器側内嵌合部形成駒を雌金型中心側又は雌金型外方側へ移動させ、容器側内嵌合部形成駒の第一の容器側内嵌合部形成傾斜面及び雄金型の第二の容器側内嵌合部形成傾斜面により、容器側内嵌合部を形成するものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の請求項1〜5記載の容器、及び容器のプレス成形装置、プレス成形方法によれば、プレス成形された容器は発泡樹脂製であるため、耐熱性、断熱性に優れており、従って電子レンジで加熱した場合も熱くならず、手で持つことができると共に、加熱された食品もさめ難く、又、容器側内嵌合部は、容器の蓋側へ向かうに従い絞られて縮径された形状にすることができるため、蓋を確実に容器に係止させることが可能となり、汁の漏洩を確実に防止することができて信頼性の高い容器を得ることができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
先ず、本発明の容器のプレス成形装置、成形方法により成形される蓋付き容器について図27により説明する。而して、本発明の蓋付きの容器は、図28に示す従来の蓋付きの容器と似た形状ではあるが、特徴とするところは、容器1における容器本体1a上端側に設けられた短筒状の容器側内嵌合部1c及び蓋2における蓋本体2a下端側に設けられた短筒状の蓋側内嵌合部2cの形状が、上方へ向かって絞られて縮径された状態になっていることである。容器側内嵌合部1c及び蓋側内嵌合部2cの上方へ行くに従い縮径するよう絞られる絞り角度θは約15度である。
【0020】
図中、図28に示す符号と同一の符号は若干形状が異なっても同一の部分を示している。又、容器1は発泡ポリプロピレン樹脂等の発泡樹脂シートを後述の容器の製造装置、製造方法によりプレス成形し、蓋2は透明ポリスチレン樹脂や透明ポリエチレン樹脂等の樹脂シートを真空又は圧空成形することにより製造したものである。
【0021】
而して、斯かる構成とすることにより、容器1の容器側内嵌合部1cと蓋2の蓋側内嵌合部2cとはしっかりと確実に嵌合するため、容器1内の食品が汁を含む場合も確実に汁の漏洩を防止することができ、しかも、耐熱性は勿論断熱性にも優れているため、電子レンジで加熱した場合も手で持つことができないほどには容器1は熱くならず、しかも収納されている加熱された食品は冷め難い。
【0022】
次に、上記容器1をプレス成形するプレス成形装置について説明する。図1〜図12は本発の容器をプレス成形するための、本発明の容器のプレス成形装置の一例であり、図中、11は雌金型、12は雄金型である。なお、以下の説明では必要に応じて図27をも参照する。
【0023】
雌金型11は、四隅に一体的に直立された支柱部13が設けれ、且つ、中央部に下方へ向けて凹状に形成された平面形状が略円形のキャビティ14を有する雌金型本体15と、各支柱部13間に位置するよう配置された容器側内嵌合部形成駒16を備えている。支柱部13は上面が外側に向い僅かに下り勾配に傾斜した(図5参照)直方体状に形成され、高さ方向中間部外隅部には、空隙部13aが形成されている。又、支柱部13には、平面視で軸線が直交するようにした枢支ピン孔17が、一端側が空隙部13aに開口し他端側が対向面に開口するよう、水平に穿設されている(図4、図5参照)。
【0024】
容器側内嵌合部形成駒16は、雌金型本体15における支柱部13の内側角部から略対角線方向へ延びるライン18が分割合せ面となるよう複数(図示例では4個)配置されていると共に、支柱部13の枢支ピン孔17に嵌合された枢支ピン19は、容器側内嵌合部形成駒16の長手方向両端部に穿設した水平ねじ孔20(図6、図7等参照)に螺合されている。而して、容器側内嵌合部形成駒16は、支柱部13に支持された状態で枢支ピン19を介して垂直面内を回動し得るようになっている。
【0025】
各容器側内嵌合部形成駒16のキャビティ14外周縁部側に対向する面は、平面視で円弧状に形成されており、プレス成形された容器1が周方向へ滑らかに連続した円形状に形成されるよう、4個の容器側内嵌合部形成駒16により形成される、キャビティ14に対向した側の面は、全体的には平面視で円形状に形成されている(図1、図6参照)。
【0026】
各容器側内嵌合部形成駒16の長手方向中間部2箇所には、容器側内嵌合部形成駒16の背面側から円弧状側へ貫通した水平孔21が形成されていると共に、雌金型本体15の、容器側内嵌合部形成駒16と対向した壁面15a側には、水平孔21に対向して、奥側が閉塞された水平孔22が形成されており、水平孔21,22には、容器側内嵌合部形成駒16を雌金型本体15の壁面15aから離反する方向へ付勢するようコイルばねや皿ばね等の弾撥手段23が収納され、水平孔21の壁面15aとは反対側の端部に形成した雌ねじ部には、弾撥手段23の弾撥力を調整し得るようプラグ24が螺合されている(図9、図10参照)。
【0027】
而して、容器側内嵌合部形成駒16は、雄金型12の凸状部がキャビティ14外に位置する場合は、弾撥手段23により枢支ピン19を基準として若干外側へ回動するようになっている(図2、図9参照)。
【0028】
雌金型本体15の、容器側内嵌合部形成駒16に対向する壁面15aは、平面視で容器側内嵌合部形成駒16の円弧状部よりも僅かに曲率の大きい円弧状に形成されていると共に、側面視で垂直状に形成されており(図1〜図3、図6、図9、図10、図11、図12等参照)、雌金型本体15のキャビティ14と壁面15aとの間には、キャビティ14の外周縁部を形成する水平な環状の上端面15bが形成されている(図1〜図3、図9、図10、図11、図12参照)。
【0029】
雌金型本体15の支柱部13間に形成された、キャビティ14底部と略同一高さの平坦部15cの辺方向中間部外側縁部には、容器側内嵌合部形成駒16が開く際に、容器側内嵌合部形成駒16の下端外側斜辺部16aに当接してその回動を制限する位置決め突起25が形成されている(図1〜図3、図9、図10参照)。
【0030】
容器側内嵌合部形成駒16の、雌金型本体15における壁面15aに対向する面の断面形状は、下端から高さ方向中途部までは、プレス成形時には雄金型12により押圧されて垂直状となる壁面16bが形成されている(図3、図10参照)。
【0031】
又、壁面16bの上端には、非プレス成形時には壁面15aに当接しないが、プレス成形時には、壁面15aに当接する突起16cが、壁面16bよりも壁面15a側へ突出するよう設けられており(図3、図9〜図12参照)、容器側内嵌合部形成駒16の突起16cよりも上面には、上端位置から所定寸法下方までは、壁面16bと平行な壁面16dが形成されている(図9〜図12参照)。壁面16dは壁面16bよりも、雌金型本体15の壁面15a側に近接している。
【0032】
容器側内嵌合部形成駒16の雌金型本体15における壁面15a側の上端には、上方へ突出する突起16eが形成されており、突起16eの雌金型本体15側における壁面15aに対向した側は、上端部から壁面16dに連なる高さまでは、非プレス成形時及びプレス成形時の何れにおいても、上端から下方へ行くに従い壁面15aから離反する方向へ傾斜した傾斜面(第一の容器側内嵌合部形成傾斜面)16fが形成されるようになっている。而して、傾斜面16fにより形成される容器側内嵌合部形成駒16の内径は、上方へ行くにつれて絞られて縮径しており、傾斜面16fと壁面16dの境界部は、容器側内嵌合部形成駒16の環状上端面15bと略同一の高さ位置である(図9〜図12参照)。
【0033】
突起16eの傾斜面16fとは反対側、すなわち、雌金型本体15の壁面15aから離反した側には、傾斜面16fと略平行な傾斜面16gが形成されており、傾斜面16gの下端が連なる容器側内嵌合部形成駒16の上端面16hは、非プレス成形時及びプレス成形時の何れにおいても雌金型本体15の壁面15aから離反する側へ向かって若干の下り勾配になるよう形成されており、突起16eの上端部16iは、プレス成形時に雄金型12により押圧されて容器側内嵌合部形成駒16が回動した際には略水平になるよう形成されている(図10、図12参照)。
【0034】
雄金型12は、雄金型12がプレス成形時に雌金型11に対し入り込んだ際には、キャビティ14の底面との間に、容器1の深皿状或は椀状の容器本体1a(図27参照)を形成する隙間26が形成されるよう、下方に向けて突出する凸形状になっている(図10、図12参照)。なお、以下の説明で図27を参照する場合は「図27を参照」は省略する。
【0035】
雄金型1の下方に向けて形成された前記凸形状部の上端部外周には、雌金型本体15のキャビティ14外周部である環状の上端面15bと平行となる環状の段部12aが形成されており、雄金型12の凸状部が雌金型本体15のキャビティ14に対し入り込んだ際には、雌金型11におけるキャビティ14の上端部に形成された上端面15bとの間に、容器1の環状段部1bを形成する隙間27が形成されるようになっている。
【0036】
雄金型12の段部12aの外周縁部には、雄金型12が雌金型11のキャビティ14に対し嵌入された際には、上方に行くに従い容器側内嵌合部形成駒16における突起16e側から離反して絞られるよう、容器側内嵌合部形成駒16における突起16eの傾斜面16fと略平行となる傾斜面(第二の容器側内嵌合部形成傾斜面)12bが形成されており、傾斜面16fと雄金型12の傾斜面12bとの間に、容器の環状段部1bに連なり且つ上方に行くに従い絞られて縮径された形状の容器側内嵌合部1cが形成される隙間28が形成されるようになっている。
【0037】
雄金型12の傾斜面12bの上端部には、雄金型12が雌金型11のキャビティ14に入り込んだ際には、容器側内嵌合部形成駒16における突起16eの上端部16iと略平行となる環状の天井部12cが形成されており、容器側内嵌合部形成駒16の上端部16iと雄金型12の天井部12cとの間に、容器側内嵌合部1cに連なる容器1の鍔部1dが形成される隙間29が形成されるようになっている。
【0038】
雄金型12の天井部12cの外周縁部には、雄金型12の凸状部が雌金型本体15のキャビティ14に嵌入した際には、容器側内嵌合部形成駒16における突起16eの傾斜面16gと平行となる傾斜面(押圧傾斜面)12dが形成されており、傾斜面16g,12dとの間に、鍔部1dの外周縁部に連なり斜め下外方へ向けて延びる容器1の被抱持部1eが形成される隙間30が形成されるようになっている。
【0039】
雄金型12における傾斜面12dの下端から雄金型12外方へ向かっては水平面12eが形成されており、雄金型12の凸状部が雌金型本体15のキャビティ14内に入り込んだ際には、傾斜面12dと水平面12eの繋がる角部が、樹脂シートを介して容器側内嵌合部形成駒16の上端面16hを押圧し、雄金型12の水平面12eと容器側内嵌合部形成駒16の上端面16hとの間には、外方へ向かって隙間31が大きくなるよう形成されている(図10、図12参照)。この隙間31には、プレス成形された樹脂シートの容器1外の部分が挟持されるようになっている。
【0040】
而して、雄金型12においては、傾斜面12b、天井部12c、傾斜面12dにより包囲された空間により、平面視で環状の溝が形成されており、雄金型12の凸状部が雌金型本体15のキャビティ14内に所定状態に入り込んで、傾斜面12dが樹脂シートSを介して容器側内嵌合部形成駒16の突起16eにおける傾斜面16gを押圧したり、傾斜面12dと水平面12eの角部が樹脂シートSを介して押圧容器側内嵌合部形成駒16の傾斜面16lを押圧した場合には、枢支ピン19を基準として押圧容器側内嵌合部形成駒16は雌金型11中心側へ回動し、容器側内嵌合部形成駒16の突起16eは、プレス成形の進行につれて前記溝内に入るようになっている。
【0041】
又、雄金型12と雌金型11とが離反する場合は、雄金型12の傾斜面12bが樹脂シートSを介して容器側内嵌合部形成駒16における突起16eの傾斜面16fを押圧することにより、枢支ピン19を基準として押圧容器側内嵌合部形成駒16は雌金型11外方側へ回動し、容器側内嵌合部形成駒16の突起16eは、雄金型12、雌金型11の離反につれて前記溝から離脱するようになっている。
【0042】
次に、上記した図示例の作動を図13〜図17をも参照しつつ説明する。
プレス成形に際しては、樹脂シートSは平坦な状態で、雌金型11の上面よりも上方の所定位置に位置しており、雄金型12は樹脂シートSの上方に位置している(図13参照)。又、容器側内嵌合部形成駒16は弾撥手段23により付勢されて枢支ピン19を支点として回動して開き、若干外側へ向けて傾いた状態になっている。更に、容器側内嵌合部形成駒16の下端外側斜辺部16aは雌金型本体15の位置決め突起25に当接して外側へ動かないよう位置決めされている。又、雌金型本体15の壁面15aと容器側内嵌合部形成駒16の壁面15aに対向する側との間には、隙間があり、突起16cも壁面15aから離反している(図13参照)。
【0043】
プレス成形が開始されると、雌金型11及び雄金型12は図示してない駆動装置により互いに近接するよう作動し、先ず、雄金型12が樹脂シートSの表面の押圧を開始する。この場合、樹脂シートSの下面の雌金型本体15におけるキャビティ14よりも外側の部分は、雌金型11における容器側内嵌合部形成駒16の上端に設けられている突起16cの上端部16iにより支持されると共に、雌金型本体15のキャビティ14外周部における上端面15bの雌金型本体15のキャビティ14側角部に支持された状態となる(図14参照)。
【0044】
更に雌金型11と雄金型12によるプレス成形が進行して、雄金型12の凸状部が雌金型本体15のキャビティ14に近接すると、樹脂シートSは雄金型12の凸状部に沿った形状にプレスされ、樹脂シートSのキャビティ14から外側の部分は、雄金型12の水平面12eと容器側内嵌合部形成駒16における突起16eの上端部16i部により挟まれたごとき状態となる(図15参照)。
【0045】
この状態から雌金型11及び雄金型12が更に近接すると、雄金型12の傾斜面12dが樹脂シートSを介して容器側内嵌合部形成駒16の傾斜面16gを押圧する。このため、傾斜面16gには、雌金型11中心側へ向けた水平方向への分力が作用し、従って、容器側内嵌合部形成駒16は、枢支ピン19を基準として雌金型11中心側へ、突起16cが雌金型本体15の壁面15aに当接するまで回動する(図16参照)。
【0046】
その結果、樹脂シートSは、図12に示す雄金型12の凸状部と雌金型本体15のキャビティ14の内面とにより形成される隙間26、雄金型12の段部12aと雌金型本体15のキャビティ14外周側の上端面15bとにより形成される隙間27、雄金型12の傾斜面12bと容器側内嵌合部形成駒16における突起16eの部分の傾斜面16fとにより形成される隙間28、雄金型12の天井部12cと容器側内嵌合部形成駒16の突起16eの上端部16iとにより形成される隙間29、雄金型12の傾斜面12dと容器側内嵌合部形成駒16における突起16eの部分の傾斜面16gにより形成される隙間30、雄金型12の水平面12eと容器側内嵌合部形成駒16における突起16eの外側の傾斜した上端面16hとにより形成される隙間31に沿った形状にプレス成形され(図17参照)、図27に示すような容器側内嵌合部1cを有する容器1が形成される。
【0047】
而して、容器1の開口側へ向かって絞られて縮径された形状の容器側内嵌合部1cは、容器側内嵌合部形成駒16の傾斜面16fの部分と、雄金型12の傾斜面12bの部分により形成される。
【0048】
又、プレス成形する際には、真空成形や圧空成形が併用され、キャビティ14に供給さた圧気は、隙間32(図16、図17、図10参照)等から、雌金型本体15に形成した図示してない細孔を介し吸引されて外部に排出される。
【0049】
樹脂シートSがプレス成形されたら、雌金型11及び雄金型12は互いに離反する方向へ移動する。この際、雄金型12の傾斜面12bは樹脂シートSを介して容器側内嵌合部形成駒16の傾斜面16fを押圧し、容器側内嵌合部形成駒16は枢支ピン19を基準として雌金型本体15外側へ回動する。このため、雌金型11及び雄金型12の離反時に、容器側内嵌合部形成駒16の突起16eは、雄金型12の傾斜面12b、天井部12c、傾斜面12dにより包囲された溝から離脱され、離型は円滑に行なわれる。
【0050】
容器側内嵌合部形成駒16の突起16e外方には、雌金型11外方へ向けて下り傾斜の上端面16hが形成されており、上記プレス成形に際して上端面16hの上方には雄金型12の水平面12eが位置するため、隙間31は雄、雌金型12,11外方へ向けて徐々に大きくなる。このため、雄金型12の傾斜面12dと水平面12eとが連なる角部x(図11参照)近傍が、容器側内嵌合部形成駒16の上端面16hと傾斜面16gとの角部y近傍に対する加圧点となる。
【0051】
又、雄金型12の凸状部が雌金型本体15のキャビティ14に入り込むと、雄金型12の傾斜面12dが樹脂シートSを介して容器側内嵌合部形成駒16の傾斜面16gを押圧して容器側内嵌合部形成駒16を枢支ピン19を基準として雌金型本体15中心側へ回動させるため、容器側内嵌合部形成駒16の突起16eは、雄金型12の傾斜面12b、天井部12c、傾斜面12dにより包囲された環状の溝に入り込むことが可能であり、又、離型時には雄金型12の傾斜面12bが樹脂シートSを介して容器側内嵌合部形成駒16の傾斜面16fを押圧して容器側内嵌合部形成駒16を枢支ピン19を基準として雌金型本体15外側へ回動させるため、容器側内嵌合部形成駒16の突起16eは、前記溝から離脱されることが可能である。
【0052】
その結果、隙間28の部分に形成される容器側内嵌合部1cは、容器1の上方側へ向かうに従い絞られて縮径された形状にすることができるため、プレス成形された容器1の容器側内嵌合部1cに対して蓋2の蓋側内嵌合部2cを確実に係止させることが可能となる。
【0053】
図18〜図22は本発明の容器を製造するためのプレス成形装置の他の例である。而して、前記実施例では、雌金型本体15に形成されるキャビティ14は平面視で円形状であり、容器側内嵌合部形成駒16は、枢支ピン19を基準として回動させるようにしているが、本実施例では、雌金型本体15に形成されるキャビティ14は平面視で楕円形状であり、又、容器側内嵌合部形成駒16は回動させずに水平方向へ移動させるようにした例である。図中、図1〜図12に示すものと同一の符号の部分は、形状、構造が若干異なっていても機能的には同一の場合は、同一の符号が付してある。
【0054】
而して、本図示例においては、雌金型本体15の四隅に立設された支柱部13は、締結ボルト41により、雌金型本体15に固定されており、高さ方向中途部には、容器側内嵌合部形成駒16の案内部13bが形成されている。
【0055】
又、容器側内嵌合部形成駒16の長手方向両端下側部には、支柱部13の案内部13bにより案内されるようにした被案内突起16jが形成されている。
【0056】
各容器側内嵌合部形成駒16の長手方向2箇所には、雌金型11の外方側が大径で中心側が小径の水平孔42,43が同一軸心上に形成されており(図21、図22参照)、又、水平孔42,43に挿通させた案内ボルト44の先端は、雌金型本体15におけるキャビティ14外方の壁部に螺合され、水平孔42には、皿ばね或はコイルばね等の弾撥手段45が収納されている。而して、プレス成形を行なわない場合は、容器側内嵌合部形成駒16は弾撥手段45により雌金型本体15中心側へ向けて付勢され、雌金型本体15におけるキャビティ14の外側の壁面15a,15a’に当接しており、プレス成形時に雄金型12の後述の傾斜面12bにより外方向へ押圧された場合は、雌金型本体15の外壁部から離反する方向へ水平移動し得るようになっている。
【0057】
次に、本図示例の作動を図23〜図26をも参照しつつ説明する。なお、図23〜図26においては、図12に示すものと同一の符号の部分は、形状、構造が若干異なっていても機能的には同一の部分である。
【0058】
又、図23〜図26において、16に添え字を付した部分は全て、容器側内嵌合部形成駒16の部分を表示しており、16kは、雌金型本体15におけるキャビティ14の外側の壁面15aに面する、断面視が垂直な壁面で、第一の容器側内嵌合部形成傾斜面となる傾斜面16fの下部に位置している。16mは、傾斜面16fの上部に形成された、断面視で上方に行くに従い雌金型本体15中心側から離反するよう傾斜した傾斜面、16nは、傾斜面16mの上方に水平に形成された上端面、16oは、上端面16nに連なり、傾斜面16mとは反対側に、下方へ行くに従い雌金型本体15外方へ向けて傾斜した傾斜面、
であり、傾斜面16mの高さ方向中途部から上方の部分と傾斜面16oの部分は、上方へ向けた突起状になっている。更に、16pは、傾斜面に連なり、雌金型本体15外方へ延在する水平部である。
【0059】
又、図23〜図26において、12に添え字を付した部分は、全て雄金型12の部分を表示しており、12fは、容器側内嵌合部形成駒16の傾斜面16mと平行となるよう、雄金型12の傾斜面12bの上方に形成された傾斜面であり、上方側へ向かうに従い、雄金型12中心側から離反して拡径されている。なお、雄金型12の傾斜面12bは本図示例では、第二の容器側内嵌合部形成傾斜面であると共に、プレス成形の際に容器側内嵌合部形成駒16を雌金型本体15外側へ移動させる際の押圧面となる。
【0060】
12gは、傾斜面12fの上端に連なり、雄金型1の中心側から離反する方向へ水平に延びる楕円形状の天井部であり、12hは傾斜面16oと平行となるよう、天井部12gの外周側に連なり、雄金型1の下方へ行くにつれてその中心側から離反する方向へ向けて傾斜する傾斜面、12iは、傾斜面12hに連なり、雄金型1の中心側から離反する方向へ水平に延びる水平面である。
【0061】
プレス成形に際しては、雌金型11の容器側内嵌合部形成駒16は、弾撥手段45により雌金型11中心側に向けて付勢されており、容器側内嵌合部形成駒16の円弧状部は、雌金型本体15のキャビティ14の外周部を形成する壁面15a,15a’に当接している(図20参照)。
【0062】
而して、プレス成形が開始されて雄金型12と雌金型11とが互いに近接し、雄金型12の凸状部が雌金型本体15のキャビティ14内に入り込むと、平らに置かれていた樹脂シートSは、容器側内嵌合部形成駒16の上端面16nに支持された状態で、雄金型12の凸状部により押圧され、雄金型12の凸状部外周側に形成された段部12aと傾斜面12bの角部が樹脂シートSを、容器側内嵌合部形成駒16の雌金型11中心側に面した傾斜面16mに押圧する(図23参照)。
【0063】
更に雄金型12と雌金型11とが互いに近接すると、雄金型12外周側の傾斜面12bが、樹脂シートSを介して容器側内嵌合部形成駒16の傾斜面16fを押圧する。このため、容器側内嵌合部形成駒16は、雌金型11の中心から離反する外側方向へ向けて力を受け、容器側内嵌合部形成駒16は弾撥手段45の弾撥力に抗して雌金型11の中心から離反する外側に向かって、支柱部13の案内部13bに案内されつつ摺動して開き、雌金型本体15の壁面15a,15a’との間に隙間46が形成される(図24)。
【0064】
このため、雄金型12の凸状部が更にキャビティ14内に入り込む際に、雄金型12における外周側の段部12aと傾斜面12bとにより形成される外周側端部は、容器側内嵌合部形成駒16における内周側の傾斜面16fと傾斜面16mとにより形成される内周側端部の内側を干渉することなくを通過することができ、雄金型12の傾斜面12bと雌金型11における容器側内嵌合部形成駒16の傾斜面16fとにより、雌金型11の上方に行くに従い絞られて縮径した形状の容器側内嵌合部を有する容器がプレス成形される(図25、図26参照)。
【0065】
雄金型12の傾斜面12bは、上部側が雌金型11の中心側に近接する方向へ傾斜しているため、絞られて縮径した形状の容器側内嵌合部が形成される際に雄金型12の傾斜面12bの部分がプレス成形の進行により更に傾斜面16fの下方側に移動すると、容器側内嵌合部形成駒16は、弾撥手段45の弾撥力により雌金型11中心側へ摺動して隙間46は徐々に縮小し(図25参照)、容器側内嵌合部形成駒16の内周側の円弧状の壁面16kは、雌金型本体15の壁面15aに当接する(図26参照)。
【0066】
樹脂シートSがプレス成形されたら、雄金型12、雌金型11は互いに離反する方向へ移動し、雄金型12の凸状部は、雌金型本体15のキャビティ14から離脱する。この際、雄金型12の傾斜面12bは、プレス成形された容器側内嵌合部を介して容器側内嵌合部形成駒16を外側に押圧し、容器側内嵌合部形成駒16は外側へ移動する。このため、雄金型12の凸状部は雌金型本体15のキャビティ14から離脱することができる。
【0067】
本図示例においても、プレス成形された容器の容器側内嵌合部は、容器の上方側へ向かうに従い絞られて縮径された形状にすることができるため、蓋の蓋側内嵌合部を確実に容器の容器側内嵌合部に係止させることが可能となる。
【0068】
なお、本発明の図示例においては、蓋付き容器は、平面視で円形状及び楕円形状とする場合について説明したが、多角形状とすることも可能であること、樹脂シートとしては発泡プロピレン樹脂を使用する場合について説明したが、発泡樹脂で耐熱性、断熱性の良好な樹脂なら、発泡プロピレン樹脂以外の樹脂も使用することができること、容器側内嵌合部形成駒はキャビティの周方向へ4分割する場合について説明したが、複数なら何分割しても実施可能なこと、本図示例においては、雄金型を上部に配置し、雌金型を下部に配置する場合について説明したが、雌金型を上部に配置し、雄金型を下部に配置しても実施可能なこと、本図示例において、「短筒状」は、短円筒状、短楕円筒状、短多角筒状を含む概念であること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明のプレス成形装置の実施の形態の一例を示す平面図である。
【図2】図1のII−II方向矢視図で、雄金型が雌金型から離脱している状態を示す矢視図である。
【図3】図2に示す雄金型が雌金型から離脱している状態から、雄金型が雌金型のキャビティに入り込んだ状態を示す断面図である。
【図4】図1のIV部拡大図である。
【図5】図4のV方向矢視図である。
【図6】図1に示すプレス成形装置における容器側内嵌合部形成駒の平面図である。
【図7】図6のVII−VII方向矢視図である。
【図8】図7のVIII−VIII方向矢視図である。
【図9】図2のIX部拡大図である。
【図10】図3のX部拡大図である。
【図11】図9には示されていない雄金型をも図示した図9のXI部拡大図である。
【図12】図10のXII部拡大図である。
【図13】図1のプレス成形装置により樹脂シートのプレス成形を行なう手順を説明するための図で、雄金型と雌金型とが離反している状態を示す断面図である。
【図14】図1のプレス成形装置により樹脂シートのプレス成形を行なう手順を説明するための図で、雄金型が樹脂シートの押圧を開始し、雄金型の凸状部が雌金型本体のキャビティ内に入り始めた状態を示す断面図である。
【図15】図1のプレス成形装置により樹脂シートのプレス成形を行なう手順を説明するための図で、雄金型が樹脂シートを押圧して、雄金型の凸状部が雌金型本体のキャビティ内の底部近傍まで入り込んだ状態を示す断面図である。
【図16】図1のプレス成形装置により樹脂シートのプレス成形を行なう手順を説明するための図で、雄金型が樹脂シートを押圧して、雄金型の凸状部が雌金型本体のキャビティ内の底部まで入り込んだ状態を示す断面図である。
【図17】図1のプレス成形装置により樹脂シートのプレス成形を行なう手順を説明するための図で、雄金型が樹脂シートを押圧して、雄金型の凸状部が雌金型本体のキャビティ内の底部まで完全に入り込み、容器がプレスされた状態を示す断面図である。
【図18】本発明のプレス成形装置の実施の形態の他の例を示す平面図である。
【図19】図18のXIX−XIX方向矢視図である。
【図20】図18のXX−XX方向矢視図である。
【図21】図18に示すプレス成形装置における容器側内嵌合部形成駒の平面図である。
【図22】図21のXXII−XXII方向矢視図である。
【図23】図18のプレス成形装置により樹脂シートのプレス成形を行なう手順を説明するための図で、雄金型が樹脂シートを押圧して、雄金型の凸状部が雌金型本体のキャビティ内にある程度入った状態を示す断面図である。
【図24】図18のプレス成形装置により樹脂シートのプレス成形を行なう手順を説明するための図で、雄金型が樹脂シートを押圧して、雄金型の凸状部が雌金型本体のキャビティ内に更に入り込んだ状態を示す断面図である。
【図25】図18のプレス成形装置により樹脂シートのプレス成形を行なう手順を説明するための図で、雄金型が樹脂シートを押圧して、雄金型の凸状部が雌金型本体のキャビティ内の底部近傍まで入り込んだ状態を示す断面図である。
【図26】図18のプレス成形装置により樹脂シートのプレス成形を行なう手順を説明するための図で、雄金型が樹脂シートを押圧して、雄金型の凸状部が雌金型本体のキャビティ内の底部まで完全に入り込み、容器がプレス成形された状態を示す断面図である。
【図27】本発明の蓋付きの容器の部分断面図である。
【図28】従来の蓋付きの容器の部分断面図である。
【符号の説明】
【0070】
1 容器
1a 容器本体
1c 容器側内嵌合部
2 蓋
2a 蓋本体
2c 蓋側内嵌合部
11 雌金型
12 雄金型
12b 傾斜面(第二の容器側内嵌合部形成傾斜面)
12d 傾斜面(押圧傾斜面)
14 キャビティ
15 雌金型本体
16 容器側内嵌合部形成駒
16f 傾斜面(第一の容器側内嵌合部形成傾斜面)
23 弾撥手段
31 樹脂シート
45 弾撥手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、内嵌合される蓋を有する蓋付きの容器、及び容器のプレス成形装置、プレス成形方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストアの発展に伴い、近年調理済み加工食品の普及が著しいが、斯かる加工食品を収容する容器としては、例えば、ポリプロピレン樹脂製の容器がよく知られている。しかし、ポリプレピレン樹脂製の容器の場合は、耐熱性は良好であるが断熱性に劣るため、中身の食品を電子レンジにより加熱したとき、容器が手に持てない程に熱くなり、又、加熱した食品が冷えるのも速いという欠点がある。
【0003】
このような問題を解決できる容器には、耐熱性と共に断熱性の良好な発泡プロピレン樹脂を使用することが行なわれている。而して、斯かる発泡プロピレン樹脂製の容器は、断熱性があり、中身の食品を電子レンジで加熱しても容器は熱くならず、しかも、収納されている食品は冷めにくいため、食品用容器として好ましい。
【0004】
しかしながら、このような発泡プロピレン樹脂製の容器は、樹脂の肉厚が厚く、加熱成形時の樹脂シートの流動性が低い等の理由により真空成形又は圧空成形が困難なため、雄雌金型によるプレス成形を行なっている。
【0005】
例えば、発泡プロピレン樹脂等の樹脂シートを雄雌金型によりプレス成形して製造した容器の一例は、図28に示されている。図中、1は発泡プロピレン樹脂等の樹脂シートをプレス成形することにより形成された略深皿形状、椀形状等の容器である。而して、容器1を形成する容器本体1aの上端外周縁部には、径方向外方へ僅かに突出する環状段部1bが形成され、環状段部1bの外周縁部には、上方へ向かって所定の高さに直立する短筒状の容器側内嵌合部1cが形成され、容器側内嵌合部1cの上端縁部には、径方向外方へ向かって平坦に突出する鍔部1dが形成され、鍔部1dの外周縁部には、下方へ若干斜め外方に向けて垂下する被抱持部1eが形成されている。
【0006】
又、蓋2は、透明ポリスチレン樹脂や透明ポリエチレン樹脂等の樹脂シートを真空又は圧空成形することにより成形され、略逆皿形状の蓋本体2aの下端外周縁部には、径方向外方へ向かって僅かに突出する環状段部2bが形成され、環状段部2bの外周縁部には、上方へ向かって所定の高さに直立する短筒状の蓋側内嵌合部2cが形成され、蓋側内嵌合部2cの上端縁部には、径方向外方へ向かって平坦に突出する鍔部2dが形成され、鍔部2dの外周縁部には、下方へ若干斜め外方に向けて垂下する抱持部2eが形成されている。
【0007】
而して、容器1に蓋2をセットすると、蓋2の環状段部2b下面は容器1の環状段部1b上面に当接し、蓋2の蓋側内嵌合部2cの外周面は、容器1の容器側内嵌合部1c内周面に密接し、蓋2の鍔部2dの下面は、容器1の鍔部1dの上面に当接し、蓋2の抱持部2eは、容器1の被抱持部1eを若干抱持した状態になる。その結果、蓋2は容器1に対し内嵌合の状態となる。
【0008】
蓋を容器に対し内嵌合した蓋付き容器の先行技術文献としては、特許文献1、特許文献2等がある。而して、特許文献1においては、容器側内嵌合部はその上方へ向かって絞られて縮径された形状のものも開示されてはいる。
【特許文献1】特開平9−216649号公報
【特許文献2】特開2003−137325号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図28の蓋付き容器においては、蓋2の短筒状の蓋側内嵌合部2cは、容器1の短筒状の容器側内嵌合部1cに内嵌合して互いに密接しているが、容器側内嵌合部1c内周及び蓋側内嵌合部2c外周の相互の密接部は、高さ方向のどの位置においても、径方向寸法が略同一寸法に形成されて鉛直状で、高さ方向上方側へ向けて絞られて縮径した形状となっていないため、蓋2は簡単に容器から外れたり、或は容器内の汁が漏れる虞がある。
【0010】
又、プレス成形時に、容器側内嵌合部1cを若干高さ方向上方側へ向けて絞り、縮径させた形状とすることも検討されたが、絞り角度が少ないため、容器側内嵌合部1cはプレス成形後に弾性により変形して上方へ向かって絞られて縮径した状態を維持できず、従って、汁を含んでいる食品に対しては実用に供することが難しい。
【0011】
又、特許文献1において、容器内嵌合部が上方へ向けて絞られ縮径した形状の容器は、ポリプロピレン樹脂シートから成形されており、発泡プロピレン樹脂のような発泡樹脂ではない。従って、特許文献1においても、容器内嵌合部が上方へ向けて絞られ縮径した形状の容器の場合は、発泡プロピレン樹脂により成形することはできない。
【0012】
本発明は、上記実情に鑑み、蓋を容器に対し内嵌合させた場合に、蓋を確実に容器に対して固定することができて汁漏れが生じたりせず、高い信頼性を得ることができる発泡樹脂製の容器、及び容器のプレス成形装置、プレス成形方法を提供することを目的としてなしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の容器においては、発泡樹脂製の容器における容器本体の外周部外側には、該容器本体から突出する側に向かって絞られて縮径された短筒状の容器側内嵌合部が形成されており、蓋における蓋本体の外周部外側には、該蓋本体の天井部側又は、底部側に向かって絞られて縮径された短筒状の蓋側内嵌合部が形成されており、蓋を容器により閉じた場合は、蓋側内嵌合部は、外周が容器側内嵌合部の内周に当接するよう内嵌合されるものである。
【0014】
請求項2の容器のプレス成形装置は、
近接、離反しうるように構成された雌金型と雄金型とを備え、
雌金型は、
キャビティを有する雌金型本体と、
キャビティの外周を包囲し、先端部がキャビティ底部から離反する側へ突出し、しかも、平面視で全体として短筒状となるよう分割配置された複数の容器側内嵌合部形成駒を備え、
該容器側内嵌合部形成駒は、前記キャビティの径方向へ移動可能に形成されていると共に、容器側内嵌合部形成駒の、キャビティ底部から離反した側における雌金型の中心側に対向した面には、キャビティ底部側から離反するに従い、絞られて縮径された第一の容器側内嵌合部形成傾斜面を備えており、
雄金型は、
キャビティ内に嵌り込んで容器本体を形成する凸状部と、
該凸状部の外周縁部に形成され、凸状部先端側から凸状部の高さ方向へ離反するに従い、絞られて縮径された第二の容器側内嵌合部形成傾斜面を備えており、
雄金型の凸状部がキャビティ内に所定の状態に入り込んだ場合には、前記容器側内嵌合部形成駒は雌金型の径方向内方又は外方へ移動させられ、
前記容器側内嵌合部形成駒の第一の容器側内嵌合部形成傾斜面及び雄金型の第二の容器側内嵌合部形成傾斜面が協働して、容器側内嵌合部を形成するよう構成した
ものである。
【0015】
請求項3の容器のプレス成形装置は、
容器側内嵌合部形成駒は、キャビティ底面に近接した側において枢支されており、雄金型の凸状部が雌金型本体のキャビティ内に所定の状態に入り込んだ場合は、容器側内嵌合部形成駒は雄金型の第二の容器内側嵌合部形成傾斜面よりも外周側に形成された押圧傾斜面に押圧されて、弾撥体の付勢力に抗して雌金型中心側へ回動し得るよう構成されているものである。
【0016】
請求項4の容器のプレス成形装置は、
容器側内嵌合部形成駒は直進往復移動可能に形成されており、雄金型の凸状部が雌金型本体のキャビティ内に所定の状態に入り込んだ場合は、容器側内嵌合部形成駒は、雄金型の第二の容器内側嵌合部形成傾斜面により押圧されて、弾撥体の付勢力に抗して雌金型外方側へ移動させるよう構成されている。
【0017】
請求項5の容器のプレス成形方法は、前記各プレス成形装置における雄金型の凸状部を雌金型本体のキャビティ内に入り込ませて容器をプレス成形するに際し、雄金型により、雌金型本体の容器側内嵌合部形成駒を雌金型中心側又は雌金型外方側へ移動させ、容器側内嵌合部形成駒の第一の容器側内嵌合部形成傾斜面及び雄金型の第二の容器側内嵌合部形成傾斜面により、容器側内嵌合部を形成するものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の請求項1〜5記載の容器、及び容器のプレス成形装置、プレス成形方法によれば、プレス成形された容器は発泡樹脂製であるため、耐熱性、断熱性に優れており、従って電子レンジで加熱した場合も熱くならず、手で持つことができると共に、加熱された食品もさめ難く、又、容器側内嵌合部は、容器の蓋側へ向かうに従い絞られて縮径された形状にすることができるため、蓋を確実に容器に係止させることが可能となり、汁の漏洩を確実に防止することができて信頼性の高い容器を得ることができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
先ず、本発明の容器のプレス成形装置、成形方法により成形される蓋付き容器について図27により説明する。而して、本発明の蓋付きの容器は、図28に示す従来の蓋付きの容器と似た形状ではあるが、特徴とするところは、容器1における容器本体1a上端側に設けられた短筒状の容器側内嵌合部1c及び蓋2における蓋本体2a下端側に設けられた短筒状の蓋側内嵌合部2cの形状が、上方へ向かって絞られて縮径された状態になっていることである。容器側内嵌合部1c及び蓋側内嵌合部2cの上方へ行くに従い縮径するよう絞られる絞り角度θは約15度である。
【0020】
図中、図28に示す符号と同一の符号は若干形状が異なっても同一の部分を示している。又、容器1は発泡ポリプロピレン樹脂等の発泡樹脂シートを後述の容器の製造装置、製造方法によりプレス成形し、蓋2は透明ポリスチレン樹脂や透明ポリエチレン樹脂等の樹脂シートを真空又は圧空成形することにより製造したものである。
【0021】
而して、斯かる構成とすることにより、容器1の容器側内嵌合部1cと蓋2の蓋側内嵌合部2cとはしっかりと確実に嵌合するため、容器1内の食品が汁を含む場合も確実に汁の漏洩を防止することができ、しかも、耐熱性は勿論断熱性にも優れているため、電子レンジで加熱した場合も手で持つことができないほどには容器1は熱くならず、しかも収納されている加熱された食品は冷め難い。
【0022】
次に、上記容器1をプレス成形するプレス成形装置について説明する。図1〜図12は本発の容器をプレス成形するための、本発明の容器のプレス成形装置の一例であり、図中、11は雌金型、12は雄金型である。なお、以下の説明では必要に応じて図27をも参照する。
【0023】
雌金型11は、四隅に一体的に直立された支柱部13が設けれ、且つ、中央部に下方へ向けて凹状に形成された平面形状が略円形のキャビティ14を有する雌金型本体15と、各支柱部13間に位置するよう配置された容器側内嵌合部形成駒16を備えている。支柱部13は上面が外側に向い僅かに下り勾配に傾斜した(図5参照)直方体状に形成され、高さ方向中間部外隅部には、空隙部13aが形成されている。又、支柱部13には、平面視で軸線が直交するようにした枢支ピン孔17が、一端側が空隙部13aに開口し他端側が対向面に開口するよう、水平に穿設されている(図4、図5参照)。
【0024】
容器側内嵌合部形成駒16は、雌金型本体15における支柱部13の内側角部から略対角線方向へ延びるライン18が分割合せ面となるよう複数(図示例では4個)配置されていると共に、支柱部13の枢支ピン孔17に嵌合された枢支ピン19は、容器側内嵌合部形成駒16の長手方向両端部に穿設した水平ねじ孔20(図6、図7等参照)に螺合されている。而して、容器側内嵌合部形成駒16は、支柱部13に支持された状態で枢支ピン19を介して垂直面内を回動し得るようになっている。
【0025】
各容器側内嵌合部形成駒16のキャビティ14外周縁部側に対向する面は、平面視で円弧状に形成されており、プレス成形された容器1が周方向へ滑らかに連続した円形状に形成されるよう、4個の容器側内嵌合部形成駒16により形成される、キャビティ14に対向した側の面は、全体的には平面視で円形状に形成されている(図1、図6参照)。
【0026】
各容器側内嵌合部形成駒16の長手方向中間部2箇所には、容器側内嵌合部形成駒16の背面側から円弧状側へ貫通した水平孔21が形成されていると共に、雌金型本体15の、容器側内嵌合部形成駒16と対向した壁面15a側には、水平孔21に対向して、奥側が閉塞された水平孔22が形成されており、水平孔21,22には、容器側内嵌合部形成駒16を雌金型本体15の壁面15aから離反する方向へ付勢するようコイルばねや皿ばね等の弾撥手段23が収納され、水平孔21の壁面15aとは反対側の端部に形成した雌ねじ部には、弾撥手段23の弾撥力を調整し得るようプラグ24が螺合されている(図9、図10参照)。
【0027】
而して、容器側内嵌合部形成駒16は、雄金型12の凸状部がキャビティ14外に位置する場合は、弾撥手段23により枢支ピン19を基準として若干外側へ回動するようになっている(図2、図9参照)。
【0028】
雌金型本体15の、容器側内嵌合部形成駒16に対向する壁面15aは、平面視で容器側内嵌合部形成駒16の円弧状部よりも僅かに曲率の大きい円弧状に形成されていると共に、側面視で垂直状に形成されており(図1〜図3、図6、図9、図10、図11、図12等参照)、雌金型本体15のキャビティ14と壁面15aとの間には、キャビティ14の外周縁部を形成する水平な環状の上端面15bが形成されている(図1〜図3、図9、図10、図11、図12参照)。
【0029】
雌金型本体15の支柱部13間に形成された、キャビティ14底部と略同一高さの平坦部15cの辺方向中間部外側縁部には、容器側内嵌合部形成駒16が開く際に、容器側内嵌合部形成駒16の下端外側斜辺部16aに当接してその回動を制限する位置決め突起25が形成されている(図1〜図3、図9、図10参照)。
【0030】
容器側内嵌合部形成駒16の、雌金型本体15における壁面15aに対向する面の断面形状は、下端から高さ方向中途部までは、プレス成形時には雄金型12により押圧されて垂直状となる壁面16bが形成されている(図3、図10参照)。
【0031】
又、壁面16bの上端には、非プレス成形時には壁面15aに当接しないが、プレス成形時には、壁面15aに当接する突起16cが、壁面16bよりも壁面15a側へ突出するよう設けられており(図3、図9〜図12参照)、容器側内嵌合部形成駒16の突起16cよりも上面には、上端位置から所定寸法下方までは、壁面16bと平行な壁面16dが形成されている(図9〜図12参照)。壁面16dは壁面16bよりも、雌金型本体15の壁面15a側に近接している。
【0032】
容器側内嵌合部形成駒16の雌金型本体15における壁面15a側の上端には、上方へ突出する突起16eが形成されており、突起16eの雌金型本体15側における壁面15aに対向した側は、上端部から壁面16dに連なる高さまでは、非プレス成形時及びプレス成形時の何れにおいても、上端から下方へ行くに従い壁面15aから離反する方向へ傾斜した傾斜面(第一の容器側内嵌合部形成傾斜面)16fが形成されるようになっている。而して、傾斜面16fにより形成される容器側内嵌合部形成駒16の内径は、上方へ行くにつれて絞られて縮径しており、傾斜面16fと壁面16dの境界部は、容器側内嵌合部形成駒16の環状上端面15bと略同一の高さ位置である(図9〜図12参照)。
【0033】
突起16eの傾斜面16fとは反対側、すなわち、雌金型本体15の壁面15aから離反した側には、傾斜面16fと略平行な傾斜面16gが形成されており、傾斜面16gの下端が連なる容器側内嵌合部形成駒16の上端面16hは、非プレス成形時及びプレス成形時の何れにおいても雌金型本体15の壁面15aから離反する側へ向かって若干の下り勾配になるよう形成されており、突起16eの上端部16iは、プレス成形時に雄金型12により押圧されて容器側内嵌合部形成駒16が回動した際には略水平になるよう形成されている(図10、図12参照)。
【0034】
雄金型12は、雄金型12がプレス成形時に雌金型11に対し入り込んだ際には、キャビティ14の底面との間に、容器1の深皿状或は椀状の容器本体1a(図27参照)を形成する隙間26が形成されるよう、下方に向けて突出する凸形状になっている(図10、図12参照)。なお、以下の説明で図27を参照する場合は「図27を参照」は省略する。
【0035】
雄金型1の下方に向けて形成された前記凸形状部の上端部外周には、雌金型本体15のキャビティ14外周部である環状の上端面15bと平行となる環状の段部12aが形成されており、雄金型12の凸状部が雌金型本体15のキャビティ14に対し入り込んだ際には、雌金型11におけるキャビティ14の上端部に形成された上端面15bとの間に、容器1の環状段部1bを形成する隙間27が形成されるようになっている。
【0036】
雄金型12の段部12aの外周縁部には、雄金型12が雌金型11のキャビティ14に対し嵌入された際には、上方に行くに従い容器側内嵌合部形成駒16における突起16e側から離反して絞られるよう、容器側内嵌合部形成駒16における突起16eの傾斜面16fと略平行となる傾斜面(第二の容器側内嵌合部形成傾斜面)12bが形成されており、傾斜面16fと雄金型12の傾斜面12bとの間に、容器の環状段部1bに連なり且つ上方に行くに従い絞られて縮径された形状の容器側内嵌合部1cが形成される隙間28が形成されるようになっている。
【0037】
雄金型12の傾斜面12bの上端部には、雄金型12が雌金型11のキャビティ14に入り込んだ際には、容器側内嵌合部形成駒16における突起16eの上端部16iと略平行となる環状の天井部12cが形成されており、容器側内嵌合部形成駒16の上端部16iと雄金型12の天井部12cとの間に、容器側内嵌合部1cに連なる容器1の鍔部1dが形成される隙間29が形成されるようになっている。
【0038】
雄金型12の天井部12cの外周縁部には、雄金型12の凸状部が雌金型本体15のキャビティ14に嵌入した際には、容器側内嵌合部形成駒16における突起16eの傾斜面16gと平行となる傾斜面(押圧傾斜面)12dが形成されており、傾斜面16g,12dとの間に、鍔部1dの外周縁部に連なり斜め下外方へ向けて延びる容器1の被抱持部1eが形成される隙間30が形成されるようになっている。
【0039】
雄金型12における傾斜面12dの下端から雄金型12外方へ向かっては水平面12eが形成されており、雄金型12の凸状部が雌金型本体15のキャビティ14内に入り込んだ際には、傾斜面12dと水平面12eの繋がる角部が、樹脂シートを介して容器側内嵌合部形成駒16の上端面16hを押圧し、雄金型12の水平面12eと容器側内嵌合部形成駒16の上端面16hとの間には、外方へ向かって隙間31が大きくなるよう形成されている(図10、図12参照)。この隙間31には、プレス成形された樹脂シートの容器1外の部分が挟持されるようになっている。
【0040】
而して、雄金型12においては、傾斜面12b、天井部12c、傾斜面12dにより包囲された空間により、平面視で環状の溝が形成されており、雄金型12の凸状部が雌金型本体15のキャビティ14内に所定状態に入り込んで、傾斜面12dが樹脂シートSを介して容器側内嵌合部形成駒16の突起16eにおける傾斜面16gを押圧したり、傾斜面12dと水平面12eの角部が樹脂シートSを介して押圧容器側内嵌合部形成駒16の傾斜面16lを押圧した場合には、枢支ピン19を基準として押圧容器側内嵌合部形成駒16は雌金型11中心側へ回動し、容器側内嵌合部形成駒16の突起16eは、プレス成形の進行につれて前記溝内に入るようになっている。
【0041】
又、雄金型12と雌金型11とが離反する場合は、雄金型12の傾斜面12bが樹脂シートSを介して容器側内嵌合部形成駒16における突起16eの傾斜面16fを押圧することにより、枢支ピン19を基準として押圧容器側内嵌合部形成駒16は雌金型11外方側へ回動し、容器側内嵌合部形成駒16の突起16eは、雄金型12、雌金型11の離反につれて前記溝から離脱するようになっている。
【0042】
次に、上記した図示例の作動を図13〜図17をも参照しつつ説明する。
プレス成形に際しては、樹脂シートSは平坦な状態で、雌金型11の上面よりも上方の所定位置に位置しており、雄金型12は樹脂シートSの上方に位置している(図13参照)。又、容器側内嵌合部形成駒16は弾撥手段23により付勢されて枢支ピン19を支点として回動して開き、若干外側へ向けて傾いた状態になっている。更に、容器側内嵌合部形成駒16の下端外側斜辺部16aは雌金型本体15の位置決め突起25に当接して外側へ動かないよう位置決めされている。又、雌金型本体15の壁面15aと容器側内嵌合部形成駒16の壁面15aに対向する側との間には、隙間があり、突起16cも壁面15aから離反している(図13参照)。
【0043】
プレス成形が開始されると、雌金型11及び雄金型12は図示してない駆動装置により互いに近接するよう作動し、先ず、雄金型12が樹脂シートSの表面の押圧を開始する。この場合、樹脂シートSの下面の雌金型本体15におけるキャビティ14よりも外側の部分は、雌金型11における容器側内嵌合部形成駒16の上端に設けられている突起16cの上端部16iにより支持されると共に、雌金型本体15のキャビティ14外周部における上端面15bの雌金型本体15のキャビティ14側角部に支持された状態となる(図14参照)。
【0044】
更に雌金型11と雄金型12によるプレス成形が進行して、雄金型12の凸状部が雌金型本体15のキャビティ14に近接すると、樹脂シートSは雄金型12の凸状部に沿った形状にプレスされ、樹脂シートSのキャビティ14から外側の部分は、雄金型12の水平面12eと容器側内嵌合部形成駒16における突起16eの上端部16i部により挟まれたごとき状態となる(図15参照)。
【0045】
この状態から雌金型11及び雄金型12が更に近接すると、雄金型12の傾斜面12dが樹脂シートSを介して容器側内嵌合部形成駒16の傾斜面16gを押圧する。このため、傾斜面16gには、雌金型11中心側へ向けた水平方向への分力が作用し、従って、容器側内嵌合部形成駒16は、枢支ピン19を基準として雌金型11中心側へ、突起16cが雌金型本体15の壁面15aに当接するまで回動する(図16参照)。
【0046】
その結果、樹脂シートSは、図12に示す雄金型12の凸状部と雌金型本体15のキャビティ14の内面とにより形成される隙間26、雄金型12の段部12aと雌金型本体15のキャビティ14外周側の上端面15bとにより形成される隙間27、雄金型12の傾斜面12bと容器側内嵌合部形成駒16における突起16eの部分の傾斜面16fとにより形成される隙間28、雄金型12の天井部12cと容器側内嵌合部形成駒16の突起16eの上端部16iとにより形成される隙間29、雄金型12の傾斜面12dと容器側内嵌合部形成駒16における突起16eの部分の傾斜面16gにより形成される隙間30、雄金型12の水平面12eと容器側内嵌合部形成駒16における突起16eの外側の傾斜した上端面16hとにより形成される隙間31に沿った形状にプレス成形され(図17参照)、図27に示すような容器側内嵌合部1cを有する容器1が形成される。
【0047】
而して、容器1の開口側へ向かって絞られて縮径された形状の容器側内嵌合部1cは、容器側内嵌合部形成駒16の傾斜面16fの部分と、雄金型12の傾斜面12bの部分により形成される。
【0048】
又、プレス成形する際には、真空成形や圧空成形が併用され、キャビティ14に供給さた圧気は、隙間32(図16、図17、図10参照)等から、雌金型本体15に形成した図示してない細孔を介し吸引されて外部に排出される。
【0049】
樹脂シートSがプレス成形されたら、雌金型11及び雄金型12は互いに離反する方向へ移動する。この際、雄金型12の傾斜面12bは樹脂シートSを介して容器側内嵌合部形成駒16の傾斜面16fを押圧し、容器側内嵌合部形成駒16は枢支ピン19を基準として雌金型本体15外側へ回動する。このため、雌金型11及び雄金型12の離反時に、容器側内嵌合部形成駒16の突起16eは、雄金型12の傾斜面12b、天井部12c、傾斜面12dにより包囲された溝から離脱され、離型は円滑に行なわれる。
【0050】
容器側内嵌合部形成駒16の突起16e外方には、雌金型11外方へ向けて下り傾斜の上端面16hが形成されており、上記プレス成形に際して上端面16hの上方には雄金型12の水平面12eが位置するため、隙間31は雄、雌金型12,11外方へ向けて徐々に大きくなる。このため、雄金型12の傾斜面12dと水平面12eとが連なる角部x(図11参照)近傍が、容器側内嵌合部形成駒16の上端面16hと傾斜面16gとの角部y近傍に対する加圧点となる。
【0051】
又、雄金型12の凸状部が雌金型本体15のキャビティ14に入り込むと、雄金型12の傾斜面12dが樹脂シートSを介して容器側内嵌合部形成駒16の傾斜面16gを押圧して容器側内嵌合部形成駒16を枢支ピン19を基準として雌金型本体15中心側へ回動させるため、容器側内嵌合部形成駒16の突起16eは、雄金型12の傾斜面12b、天井部12c、傾斜面12dにより包囲された環状の溝に入り込むことが可能であり、又、離型時には雄金型12の傾斜面12bが樹脂シートSを介して容器側内嵌合部形成駒16の傾斜面16fを押圧して容器側内嵌合部形成駒16を枢支ピン19を基準として雌金型本体15外側へ回動させるため、容器側内嵌合部形成駒16の突起16eは、前記溝から離脱されることが可能である。
【0052】
その結果、隙間28の部分に形成される容器側内嵌合部1cは、容器1の上方側へ向かうに従い絞られて縮径された形状にすることができるため、プレス成形された容器1の容器側内嵌合部1cに対して蓋2の蓋側内嵌合部2cを確実に係止させることが可能となる。
【0053】
図18〜図22は本発明の容器を製造するためのプレス成形装置の他の例である。而して、前記実施例では、雌金型本体15に形成されるキャビティ14は平面視で円形状であり、容器側内嵌合部形成駒16は、枢支ピン19を基準として回動させるようにしているが、本実施例では、雌金型本体15に形成されるキャビティ14は平面視で楕円形状であり、又、容器側内嵌合部形成駒16は回動させずに水平方向へ移動させるようにした例である。図中、図1〜図12に示すものと同一の符号の部分は、形状、構造が若干異なっていても機能的には同一の場合は、同一の符号が付してある。
【0054】
而して、本図示例においては、雌金型本体15の四隅に立設された支柱部13は、締結ボルト41により、雌金型本体15に固定されており、高さ方向中途部には、容器側内嵌合部形成駒16の案内部13bが形成されている。
【0055】
又、容器側内嵌合部形成駒16の長手方向両端下側部には、支柱部13の案内部13bにより案内されるようにした被案内突起16jが形成されている。
【0056】
各容器側内嵌合部形成駒16の長手方向2箇所には、雌金型11の外方側が大径で中心側が小径の水平孔42,43が同一軸心上に形成されており(図21、図22参照)、又、水平孔42,43に挿通させた案内ボルト44の先端は、雌金型本体15におけるキャビティ14外方の壁部に螺合され、水平孔42には、皿ばね或はコイルばね等の弾撥手段45が収納されている。而して、プレス成形を行なわない場合は、容器側内嵌合部形成駒16は弾撥手段45により雌金型本体15中心側へ向けて付勢され、雌金型本体15におけるキャビティ14の外側の壁面15a,15a’に当接しており、プレス成形時に雄金型12の後述の傾斜面12bにより外方向へ押圧された場合は、雌金型本体15の外壁部から離反する方向へ水平移動し得るようになっている。
【0057】
次に、本図示例の作動を図23〜図26をも参照しつつ説明する。なお、図23〜図26においては、図12に示すものと同一の符号の部分は、形状、構造が若干異なっていても機能的には同一の部分である。
【0058】
又、図23〜図26において、16に添え字を付した部分は全て、容器側内嵌合部形成駒16の部分を表示しており、16kは、雌金型本体15におけるキャビティ14の外側の壁面15aに面する、断面視が垂直な壁面で、第一の容器側内嵌合部形成傾斜面となる傾斜面16fの下部に位置している。16mは、傾斜面16fの上部に形成された、断面視で上方に行くに従い雌金型本体15中心側から離反するよう傾斜した傾斜面、16nは、傾斜面16mの上方に水平に形成された上端面、16oは、上端面16nに連なり、傾斜面16mとは反対側に、下方へ行くに従い雌金型本体15外方へ向けて傾斜した傾斜面、
であり、傾斜面16mの高さ方向中途部から上方の部分と傾斜面16oの部分は、上方へ向けた突起状になっている。更に、16pは、傾斜面に連なり、雌金型本体15外方へ延在する水平部である。
【0059】
又、図23〜図26において、12に添え字を付した部分は、全て雄金型12の部分を表示しており、12fは、容器側内嵌合部形成駒16の傾斜面16mと平行となるよう、雄金型12の傾斜面12bの上方に形成された傾斜面であり、上方側へ向かうに従い、雄金型12中心側から離反して拡径されている。なお、雄金型12の傾斜面12bは本図示例では、第二の容器側内嵌合部形成傾斜面であると共に、プレス成形の際に容器側内嵌合部形成駒16を雌金型本体15外側へ移動させる際の押圧面となる。
【0060】
12gは、傾斜面12fの上端に連なり、雄金型1の中心側から離反する方向へ水平に延びる楕円形状の天井部であり、12hは傾斜面16oと平行となるよう、天井部12gの外周側に連なり、雄金型1の下方へ行くにつれてその中心側から離反する方向へ向けて傾斜する傾斜面、12iは、傾斜面12hに連なり、雄金型1の中心側から離反する方向へ水平に延びる水平面である。
【0061】
プレス成形に際しては、雌金型11の容器側内嵌合部形成駒16は、弾撥手段45により雌金型11中心側に向けて付勢されており、容器側内嵌合部形成駒16の円弧状部は、雌金型本体15のキャビティ14の外周部を形成する壁面15a,15a’に当接している(図20参照)。
【0062】
而して、プレス成形が開始されて雄金型12と雌金型11とが互いに近接し、雄金型12の凸状部が雌金型本体15のキャビティ14内に入り込むと、平らに置かれていた樹脂シートSは、容器側内嵌合部形成駒16の上端面16nに支持された状態で、雄金型12の凸状部により押圧され、雄金型12の凸状部外周側に形成された段部12aと傾斜面12bの角部が樹脂シートSを、容器側内嵌合部形成駒16の雌金型11中心側に面した傾斜面16mに押圧する(図23参照)。
【0063】
更に雄金型12と雌金型11とが互いに近接すると、雄金型12外周側の傾斜面12bが、樹脂シートSを介して容器側内嵌合部形成駒16の傾斜面16fを押圧する。このため、容器側内嵌合部形成駒16は、雌金型11の中心から離反する外側方向へ向けて力を受け、容器側内嵌合部形成駒16は弾撥手段45の弾撥力に抗して雌金型11の中心から離反する外側に向かって、支柱部13の案内部13bに案内されつつ摺動して開き、雌金型本体15の壁面15a,15a’との間に隙間46が形成される(図24)。
【0064】
このため、雄金型12の凸状部が更にキャビティ14内に入り込む際に、雄金型12における外周側の段部12aと傾斜面12bとにより形成される外周側端部は、容器側内嵌合部形成駒16における内周側の傾斜面16fと傾斜面16mとにより形成される内周側端部の内側を干渉することなくを通過することができ、雄金型12の傾斜面12bと雌金型11における容器側内嵌合部形成駒16の傾斜面16fとにより、雌金型11の上方に行くに従い絞られて縮径した形状の容器側内嵌合部を有する容器がプレス成形される(図25、図26参照)。
【0065】
雄金型12の傾斜面12bは、上部側が雌金型11の中心側に近接する方向へ傾斜しているため、絞られて縮径した形状の容器側内嵌合部が形成される際に雄金型12の傾斜面12bの部分がプレス成形の進行により更に傾斜面16fの下方側に移動すると、容器側内嵌合部形成駒16は、弾撥手段45の弾撥力により雌金型11中心側へ摺動して隙間46は徐々に縮小し(図25参照)、容器側内嵌合部形成駒16の内周側の円弧状の壁面16kは、雌金型本体15の壁面15aに当接する(図26参照)。
【0066】
樹脂シートSがプレス成形されたら、雄金型12、雌金型11は互いに離反する方向へ移動し、雄金型12の凸状部は、雌金型本体15のキャビティ14から離脱する。この際、雄金型12の傾斜面12bは、プレス成形された容器側内嵌合部を介して容器側内嵌合部形成駒16を外側に押圧し、容器側内嵌合部形成駒16は外側へ移動する。このため、雄金型12の凸状部は雌金型本体15のキャビティ14から離脱することができる。
【0067】
本図示例においても、プレス成形された容器の容器側内嵌合部は、容器の上方側へ向かうに従い絞られて縮径された形状にすることができるため、蓋の蓋側内嵌合部を確実に容器の容器側内嵌合部に係止させることが可能となる。
【0068】
なお、本発明の図示例においては、蓋付き容器は、平面視で円形状及び楕円形状とする場合について説明したが、多角形状とすることも可能であること、樹脂シートとしては発泡プロピレン樹脂を使用する場合について説明したが、発泡樹脂で耐熱性、断熱性の良好な樹脂なら、発泡プロピレン樹脂以外の樹脂も使用することができること、容器側内嵌合部形成駒はキャビティの周方向へ4分割する場合について説明したが、複数なら何分割しても実施可能なこと、本図示例においては、雄金型を上部に配置し、雌金型を下部に配置する場合について説明したが、雌金型を上部に配置し、雄金型を下部に配置しても実施可能なこと、本図示例において、「短筒状」は、短円筒状、短楕円筒状、短多角筒状を含む概念であること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明のプレス成形装置の実施の形態の一例を示す平面図である。
【図2】図1のII−II方向矢視図で、雄金型が雌金型から離脱している状態を示す矢視図である。
【図3】図2に示す雄金型が雌金型から離脱している状態から、雄金型が雌金型のキャビティに入り込んだ状態を示す断面図である。
【図4】図1のIV部拡大図である。
【図5】図4のV方向矢視図である。
【図6】図1に示すプレス成形装置における容器側内嵌合部形成駒の平面図である。
【図7】図6のVII−VII方向矢視図である。
【図8】図7のVIII−VIII方向矢視図である。
【図9】図2のIX部拡大図である。
【図10】図3のX部拡大図である。
【図11】図9には示されていない雄金型をも図示した図9のXI部拡大図である。
【図12】図10のXII部拡大図である。
【図13】図1のプレス成形装置により樹脂シートのプレス成形を行なう手順を説明するための図で、雄金型と雌金型とが離反している状態を示す断面図である。
【図14】図1のプレス成形装置により樹脂シートのプレス成形を行なう手順を説明するための図で、雄金型が樹脂シートの押圧を開始し、雄金型の凸状部が雌金型本体のキャビティ内に入り始めた状態を示す断面図である。
【図15】図1のプレス成形装置により樹脂シートのプレス成形を行なう手順を説明するための図で、雄金型が樹脂シートを押圧して、雄金型の凸状部が雌金型本体のキャビティ内の底部近傍まで入り込んだ状態を示す断面図である。
【図16】図1のプレス成形装置により樹脂シートのプレス成形を行なう手順を説明するための図で、雄金型が樹脂シートを押圧して、雄金型の凸状部が雌金型本体のキャビティ内の底部まで入り込んだ状態を示す断面図である。
【図17】図1のプレス成形装置により樹脂シートのプレス成形を行なう手順を説明するための図で、雄金型が樹脂シートを押圧して、雄金型の凸状部が雌金型本体のキャビティ内の底部まで完全に入り込み、容器がプレスされた状態を示す断面図である。
【図18】本発明のプレス成形装置の実施の形態の他の例を示す平面図である。
【図19】図18のXIX−XIX方向矢視図である。
【図20】図18のXX−XX方向矢視図である。
【図21】図18に示すプレス成形装置における容器側内嵌合部形成駒の平面図である。
【図22】図21のXXII−XXII方向矢視図である。
【図23】図18のプレス成形装置により樹脂シートのプレス成形を行なう手順を説明するための図で、雄金型が樹脂シートを押圧して、雄金型の凸状部が雌金型本体のキャビティ内にある程度入った状態を示す断面図である。
【図24】図18のプレス成形装置により樹脂シートのプレス成形を行なう手順を説明するための図で、雄金型が樹脂シートを押圧して、雄金型の凸状部が雌金型本体のキャビティ内に更に入り込んだ状態を示す断面図である。
【図25】図18のプレス成形装置により樹脂シートのプレス成形を行なう手順を説明するための図で、雄金型が樹脂シートを押圧して、雄金型の凸状部が雌金型本体のキャビティ内の底部近傍まで入り込んだ状態を示す断面図である。
【図26】図18のプレス成形装置により樹脂シートのプレス成形を行なう手順を説明するための図で、雄金型が樹脂シートを押圧して、雄金型の凸状部が雌金型本体のキャビティ内の底部まで完全に入り込み、容器がプレス成形された状態を示す断面図である。
【図27】本発明の蓋付きの容器の部分断面図である。
【図28】従来の蓋付きの容器の部分断面図である。
【符号の説明】
【0070】
1 容器
1a 容器本体
1c 容器側内嵌合部
2 蓋
2a 蓋本体
2c 蓋側内嵌合部
11 雌金型
12 雄金型
12b 傾斜面(第二の容器側内嵌合部形成傾斜面)
12d 傾斜面(押圧傾斜面)
14 キャビティ
15 雌金型本体
16 容器側内嵌合部形成駒
16f 傾斜面(第一の容器側内嵌合部形成傾斜面)
23 弾撥手段
31 樹脂シート
45 弾撥手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡樹脂製の容器における容器本体の外周部外側には、該容器本体から突出する側に向かって絞られて縮径された短筒状の容器側内嵌合部が形成されており、蓋における蓋本体の外周部外側には、該蓋本体の天井部側又は、底部側に向かって絞られて縮径された短筒状の蓋側内嵌合部が形成されており、蓋を容器により閉じた場合は、蓋側内嵌合部は、外周が容器側内嵌合部の内周に当接するよう内嵌合されることを特徴とする容器。
【請求項2】
近接、離反しうるように構成された雌金型と雄金型とを備え、
雌金型は、
キャビティを有する雌金型本体と、
キャビティの外周を包囲し、先端部がキャビティ底部から離反する側へ突出し、しかも、平面視で全体として短筒状となるよう分割配置された複数の容器側内嵌合部形成駒を備え、
該容器側内嵌合部形成駒は、前記キャビティの径方向へ移動可能に形成されていると共に、容器側内嵌合部形成駒の、キャビティ底部から離反した側における雌金型の中心側に対向した面には、キャビティ底部側から離反するに従い、絞られて縮径された第一の容器側内嵌合部形成傾斜面を備えており、
雄金型は、
キャビティ内に入り込んで容器本体を形成する凸状部と、
該凸状部の外周縁部に形成され、凸状部先端側から凸状部の高さ方向へ離反するに従い、絞られて縮径された第二の容器側内嵌合部形成傾斜面を備えており、
雄金型の凸状部がキャビティ内に所定の状態に入り込んだ場合には、前記容器側内嵌合部形成駒は雌金型の径方向内方又は外方へ移動させられ、
前記容器側内嵌合部形成駒の第一の容器側内嵌合部形成傾斜面及び雄金型の第二の容器側内嵌合部形成傾斜面が協働して、容器側内嵌合部を形成するよう構成した
ことを特徴とする容器のプレス成形装置。
【請求項3】
容器側内嵌合部形成駒は、キャビティ底面に近接した側において枢支されており、雄金型の凸状部が雌金型本体のキャビティ内に所定の状態に入り込んだ場合は、容器側内嵌合部形成駒は雄金型の第二の容器内側嵌合部形成傾斜面よりも外周側に形成された押圧傾斜面に押圧されて、弾撥体の付勢力に抗して雌金型中心側へ回動し得るよう構成されている請求項2に記載の容器のプレス成形装置。
【請求項4】
容器側内嵌合部形成駒は直進往復移動可能に形成されており、雄金型の凸状部が雌金型本体のキャビティ内に所定の状態に入り込んだ場合は、容器側内嵌合部形成駒は、雄金型の第二の容器内側嵌合部形成傾斜面により押圧されて、弾撥体の付勢力に抗して雌金型外方側へ移動させるよう構成されている請求項2に記載の容器のプレス成形装置。
【請求項5】
請求項2〜4の容器のプレス成形装置における雄金型の凸状部を雌金型本体のキャビティ内に入り込ませて容器をプレス成形するに際し、雄金型により、雌金型本体の容器側内嵌合部形成駒を雌金型中心側又は雌金型外方側へ移動させ、容器側内嵌合部形成駒の第一の容器側内嵌合部形成傾斜面及び雄金型の第二の容器側内嵌合部形成傾斜面により、容器側内嵌合部を形成することを特徴とする容器のプレス成形方法。
【請求項1】
発泡樹脂製の容器における容器本体の外周部外側には、該容器本体から突出する側に向かって絞られて縮径された短筒状の容器側内嵌合部が形成されており、蓋における蓋本体の外周部外側には、該蓋本体の天井部側又は、底部側に向かって絞られて縮径された短筒状の蓋側内嵌合部が形成されており、蓋を容器により閉じた場合は、蓋側内嵌合部は、外周が容器側内嵌合部の内周に当接するよう内嵌合されることを特徴とする容器。
【請求項2】
近接、離反しうるように構成された雌金型と雄金型とを備え、
雌金型は、
キャビティを有する雌金型本体と、
キャビティの外周を包囲し、先端部がキャビティ底部から離反する側へ突出し、しかも、平面視で全体として短筒状となるよう分割配置された複数の容器側内嵌合部形成駒を備え、
該容器側内嵌合部形成駒は、前記キャビティの径方向へ移動可能に形成されていると共に、容器側内嵌合部形成駒の、キャビティ底部から離反した側における雌金型の中心側に対向した面には、キャビティ底部側から離反するに従い、絞られて縮径された第一の容器側内嵌合部形成傾斜面を備えており、
雄金型は、
キャビティ内に入り込んで容器本体を形成する凸状部と、
該凸状部の外周縁部に形成され、凸状部先端側から凸状部の高さ方向へ離反するに従い、絞られて縮径された第二の容器側内嵌合部形成傾斜面を備えており、
雄金型の凸状部がキャビティ内に所定の状態に入り込んだ場合には、前記容器側内嵌合部形成駒は雌金型の径方向内方又は外方へ移動させられ、
前記容器側内嵌合部形成駒の第一の容器側内嵌合部形成傾斜面及び雄金型の第二の容器側内嵌合部形成傾斜面が協働して、容器側内嵌合部を形成するよう構成した
ことを特徴とする容器のプレス成形装置。
【請求項3】
容器側内嵌合部形成駒は、キャビティ底面に近接した側において枢支されており、雄金型の凸状部が雌金型本体のキャビティ内に所定の状態に入り込んだ場合は、容器側内嵌合部形成駒は雄金型の第二の容器内側嵌合部形成傾斜面よりも外周側に形成された押圧傾斜面に押圧されて、弾撥体の付勢力に抗して雌金型中心側へ回動し得るよう構成されている請求項2に記載の容器のプレス成形装置。
【請求項4】
容器側内嵌合部形成駒は直進往復移動可能に形成されており、雄金型の凸状部が雌金型本体のキャビティ内に所定の状態に入り込んだ場合は、容器側内嵌合部形成駒は、雄金型の第二の容器内側嵌合部形成傾斜面により押圧されて、弾撥体の付勢力に抗して雌金型外方側へ移動させるよう構成されている請求項2に記載の容器のプレス成形装置。
【請求項5】
請求項2〜4の容器のプレス成形装置における雄金型の凸状部を雌金型本体のキャビティ内に入り込ませて容器をプレス成形するに際し、雄金型により、雌金型本体の容器側内嵌合部形成駒を雌金型中心側又は雌金型外方側へ移動させ、容器側内嵌合部形成駒の第一の容器側内嵌合部形成傾斜面及び雄金型の第二の容器側内嵌合部形成傾斜面により、容器側内嵌合部を形成することを特徴とする容器のプレス成形方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2007−331774(P2007−331774A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−163436(P2006−163436)
【出願日】平成18年6月13日(2006.6.13)
【出願人】(591250248)株式会社ギンポーパック (7)
【出願人】(505170484)山崎金型株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月13日(2006.6.13)
【出願人】(591250248)株式会社ギンポーパック (7)
【出願人】(505170484)山崎金型株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
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