説明

容器の製造方法及び溶着装置

【課題】位置による加熱温度のバラツキを抑制して、溶着不良を防止する。
【解決手段】装置本体21と、装置本体21に溶着されたフィルム24と、装置本体21及びフィルム24により画定されたインク収納室35a〜35dとを有するダンパー装置20の製造方法であって、フィルム24を装置本体21に重ねる工程と、フィルム24の装置本体21と反対側の面のうち装置本体21に溶着させる部分の一部にヒートバー81を接触させた状態で、ヒートバー81を所定の溶着経路に沿って移動させて溶着を行う工程と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器本体に可撓性シートを溶着することで収納室が形成される容器の製造方法及び溶着装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、種々の目的に応じて、容器本体に可撓性シートが溶着されて収納室が形成された容器がある。このような容器を有するもののなかに、印刷媒体に液体を吐出して印刷を行う液体吐出装置がある。液体吐出装置の一例であるインクジェットプリンタでは、プリンタ本体に設けられたインクカートリッジからインク供給チューブを介して、キャリッジに搭載された吐出ヘッドにインクを供給するタイプのものが知られている。このプリンタでは、キャリッジの往復移動に伴ってインク供給チューブ内のインクに慣性力が作用するため、この慣性力に起因する圧力波により、吐出ヘッドのノズルに形成されるメニスカスが適切に維持されない可能性がある。そのため、キャリッジ内において、吐出ヘッドへ至るインク供給流路の途中にダンパー装置(容器)を配設し、吐出ヘッド内のインクに作用する圧力波を減衰させるようにしている(例えば、特許文献1参照)。このダンパー装置は、一般的に、流路を区画する装置本体(容器本体)に対してマッチモールド法により樹脂フィルム(可撓性フィルム)を熱溶着することでインク収納室を形成しており、その収納室内のインク圧力に応じて樹脂フィルムが変形することにより圧力変動を吸収するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−231524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年のインクジェットプリンタの小型化の要請に伴い、吐出ヘッドを搭載するキャリッジ等の小型化も必要になってきている。そこで、ダンパー装置を立体的に形成して、インク収納室を区画する樹脂フィルムの面積を稼ぎつつダンパー装置の占有する面積を低減することが考えられる。しかしながら、ダンパー装置が立体的に形成されたことにより、流路を区画する装置本体の溶着面が平坦でなくなった場合等には、マッチモールド法に用いる上下金型と装置本体との位置ズレが生じると、装置本体に重ねられた樹脂フィルムに対する金型の接触圧が不均一になって、樹脂フィルムに与えられる熱にバラツキが生じ、溶着不良が起こりうる。
【0005】
そこで本発明は、位置による加熱温度のバラツキを抑制して、溶着不良を防止することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、本発明に係る容器の製造方法は、容器本体と、前記容器本体に溶着された可撓性シートと、前記容器本体及び前記可撓性シートにより画定された収納室とを有する容器の製造方法であって、前記可撓性シートを前記容器本体に重ねる工程と、前記可撓性シートの前記容器本体と反対側の面のうち前記容器本体に溶着させる部分の一部に加熱部材を接触させた状態で、前記加熱部材を所定の溶着経路に沿って移動させて溶着を行う工程と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
これによれば、溶着の際に金型を用いず、加熱部材を溶着経路に沿って移動させるようにしているため、金型と容器本体との間の位置ズレの問題が生じることがない。したがって、位置による加熱温度のバラツキが抑制され、溶着不良を防止することができる。
【0008】
前記加熱部材は、第1姿勢のときにはその加熱面のうち第1領域が前記可撓性シートに接触し、第2姿勢のときにはその加熱面のうち前記第1領域より前記可撓性シートとの接触面積が大きい第2領域が前記可撓性シートに接触するよう構成されており、前記加熱部材を所定の溶着経路に沿って移動させて溶着を行う際には、前記溶着経路の所要位置において前記加熱部材の姿勢を変化させるようにしてもよい。
【0009】
これによれば、加熱部材の姿勢を変化させるだけで、加熱面の可撓性シートに対する接触領域を変化させることができ、所要の溶着形状を容易に形成することができる。
【0010】
前記加熱部材は、外周面を前記加熱面として、軸線回りに回転させることで姿勢を変化させる棒状のヒートバーからなり、前記ヒートバーは、前記軸線方向に直交する断面が円形状である第1加熱部と、前記軸線方向に直交する断面が円形状の一部に切欠部が形成された形状である第2加熱部とを有し、前記第1姿勢では、前記第1加熱部の外周面が前記可撓性シートに接触すると共に、前記第2加熱部の外周面が前記可撓性シートに接触しないように前記切欠部が前記可撓性シートに対向し、前記第2姿勢では、前記切欠部が前記可撓性シートに対向せず、前記第1加熱部及び前記第2加熱部の両方の外周面が前記可撓性シートに接触するようにしてもよい。
【0011】
これによれば、ヒートバーを回転させるだけで、ヒートバーの可撓性シートへの接触領域を簡単に変化させることができる。
【0012】
前記ヒートバーの姿勢を変化させる際には、前記ヒートバーの移動方向の下流側に向けて前記可撓性シートを送る方向に前記ヒートバーを回転させてもよい。
【0013】
これによれば、ヒートバーが回転しても、可撓性シートのヒートバー移動方向の下流側にある自由な部分が不意に手繰り寄せられることがなく、溶着不良をより好適に防止することができる。
【0014】
前記ヒートバーは、前記第2加熱部の前記軸線方向の両側に一対の前記第1加熱部を設けた構成であり、前記第2姿勢、前記第1姿勢、前記第2姿勢の順番で前記ヒートバーの姿勢を変化させるようにしてもよい。
【0015】
これによれば、ヒートバーの移動中に第2姿勢→第1姿勢→第2姿勢の順に姿勢変化させるだけで、溶着部分の平面視形状を容易に閉形状にすることができる。
【0016】
前記容器本体は、ベース部と、前記ベース部から立設した一対の壁部とを有し、前記一対の壁部の対向方向に直交する方向に前記ヒートバーを移動させ、前記可撓性シートと前記壁部の周縁部とを溶着させる際には、前記ヒートバーを前記第1姿勢とし、前記可撓性シートと前記ベース部とを溶着させる際には、前記ヒートバーを前記第2姿勢とするようにしてもよい。
【0017】
これによれば、容器本体及び可撓性シートにより形成された立体的な収納室を容易に形成することができる。
【0018】
前記容器は、液体吐出用のノズルを有する吐出ヘッドへ液体を供給する流路の途中に設けられたダンパー装置の装置本体であり、前記収納室内の圧力変動に伴って前記可撓性シートが変形して前記収納室の容積が変化するようにしてもよい。
【0019】
これによれば、液滴吐出装置に設けるダンパー装置を前述した溶着手順により容易に形成することができる。
【0020】
また本発明の溶着装置は、容器本体に可撓性シートを溶着するための溶着装置であって、加熱面を有する加熱部材と、前記可撓性シートの前記容器本体と反対側の面のうち前記容器本体に溶着させる部分の一部に前記加熱部材を接触させた状態で、前記加熱部材を所定の溶着経路に沿って移動させる移動手段と、を備えていることを特徴とする。
【0021】
これによれば、溶着の際に金型を用いず、加熱部材を溶着経路に沿って移動させるようにしているため、金型と容器本体との間の位置ズレの問題が生じることがない。したがって、位置による加熱温度のバラツキが抑制され、溶着不良を防止することができる。
【0022】
前記溶着経路の所要位置において前記加熱部材の姿勢を変化させる姿勢変化手段をさらに備え、前記加熱部材は、第1姿勢のときにはその加熱面のうち第1領域が前記可撓性シートに接触し、第2姿勢のときにはその加熱面のうち前記第1領域より前記可撓性シートとの接触面積が大きい第2領域が接触するよう構成されていてもよい。
【0023】
これによれば、加熱部材の姿勢を変化させるだけで、加熱面の可撓性シートに対する接触領域を変化させることができ、所要の溶着形状を容易に形成することができる。
【0024】
前記加熱部材は、外周面を前記加熱面として、軸線回りに回転させることで姿勢を変化させる棒状のヒートバーからなり、前記ヒートバーは、前記軸線方向に直交する断面が円形状である第1加熱部と、前記軸線方向に直交する断面が円形状の一部に切欠部が形成された形状である第2加熱部とを有し、前記第1姿勢では、前記第1加熱部の外周面が前記可撓性シートに接触すると共に、前記第2加熱部の外周面が前記可撓性シートに接触しないように前記切欠部が前記可撓性シートに対向し、前記第2姿勢では、前記切欠部が前記可撓性シートに対向せず、前記第1加熱部及び前記第2加熱部の両方の外周面が前記可撓性シートに接触する構成であってもよい。
【0025】
これによれば、ヒートバーを回転させるだけで、ヒートバーの可撓性シートへの接触領域を簡単に変化させることができる。
【0026】
前記姿勢変化手段は、前記ヒートバーの移動方向の下流側に向けて前記可撓性シートを送る方向に前記ヒートバーを回転させるよう構成されていてもよい。
【0027】
これによれば、ヒートバーが回転しても、可撓性シートのヒートバー移動方向の下流側にある自由な部分が不意に手繰り寄せられることがなく、溶着不良をより好適に防止することができる。
【0028】
前記ヒートバーは、前記第2加熱部の前記軸線方向の両側に一対の前記第1加熱部を設けた構成であり、前記第2姿勢、前記第1姿勢、前記第2姿勢の順番で前記ヒートバーの姿勢を変化させてもよい。
【0029】
これによれば、ヒートバーの移動中に第2姿勢→第1姿勢→第2姿勢の順に姿勢変化させるだけで、溶着部分の平面視形状を容易に閉形状にすることができる。
【発明の効果】
【0030】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、位置による加熱温度のバラツキが抑制され、溶着不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施形態に係るインクジェットプリンタの要部を模式的に示す平面図である。
【図2】図1に示すインクジェットプリンタが備えるキャリッジユニットを示す分解斜視図である。
【図3】図2に示すキャリッジユニットに搭載されるダンパーユニットを下方から見た斜視図である。
【図4】図3に示すダンパー装置を下方から見たときの分解斜視図である。
【図5】図3に示すダンパー装置を構成する装置本体を上方から見たときの斜視図である。
【図6】図3に示すダンパー装置を製造する際の第1工程を説明する斜視図である。
【図7】図3に示すダンパー装置を製造する際の第2工程を説明する斜視図である。
【図8】図3に示すダンパー装置を製造する際の第3工程を説明する斜視図である。
【図9】図3に示すダンパー装置を製造する際の第4工程を説明する斜視図である。
【図10】図3に示すダンパー装置を製造する際の第5工程を説明する斜視図である。
【図11】図3に示すダンパー装置を製造する際の第6工程を説明する斜視図である。
【図12】図10に示す溶着装置のヒートバーを示す斜視図である。
【図13】(a)は図12のXIIIa−XIIIa線断面図、(b)は図12のXIIIb−XIIIb線断面図である。
【図14】図10に示すヒートバーの移動及び姿勢を説明する図面であって、(a)は図10のXIVa−XIVa線断面図、(b)は図10のXIVb−XIVb線断面図である。
【図15】本発明の第2実施形態に係るダンパー装置を製造する際の第1工程を説明する斜視図である。
【図16】本発明の第2実施形態に係るダンパー装置を製造する際の第2工程を説明する斜視図である。
【図17】本発明の第2実施形態に係るダンパー装置を製造する際の第3工程を説明する斜視図である。
【図18】本発明の第3実施形態に係る容器を製造する際の第1工程を説明する斜視図である。
【図19】本発明の第3実施形態に係る容器を製造する際の第2工程を説明する斜視図である。
【図20】図19に示すヒートバーの移動及び姿勢を説明する図面であって、(a)は図19のXXa−XXa線断面図、(b)は図19のXXb−XXb線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態についてインクジェットプリンタを例にとって説明する。なお、以下の説明では吐出ヘッドからインクを吐出する方向を下方、その反対側を上方とし、液滴吐出ヘッドの走査方向を左右方向と同義に用い、これらの上下方向及び左右方向に直交する方向を前後方向として説明する。
【0033】
[インクジェットプリンタの概要]
図1はインクジェットプリンタ1の要部を模式的に示す平面図である。図1に示すように、インクジェットプリンタ1は、左右方向へ延びる一対のガイドレール2,3が略平行に配設されており、このガイドレール2,3にキャリッジユニット4が走査方向にスライド可能に支持されている。ガイドレール3の左右の端部付近には一対のプーリ5,6が設けられ、キャリッジユニット4は、このプーリ5,6に巻き掛けられたタイミングベルト7に接合されている。一方のプーリ6には正逆回転駆動するモータ(図示せず)が設けられており、そのプーリ6が正逆回転駆動することでタイミングベルト7が左方向及び右方向へと往復移動可能になっており、これに伴ってキャリッジユニット4がガイドレール2,3に沿って左右方向へ往復走査される。
【0034】
インクジェットプリンタ1には、4つのインクカートリッジ8が交換のために脱着可能にして装着されている。そして、キャリッジユニット4には、これらのインクカートリッジ8から4色のインク(ブラック、シアン、マゼンダ、イエロー)を夫々供給すべく、可撓性を有する4本のインク供給チューブ9が接続されている。キャリッジユニット4の下部には、下面に多数のノズル(図示せず)が形成された吐出ヘッド15(図2参照)が搭載されており、その下方で走査方向と直角する紙送り方向に搬送される記録用紙に向けて吐出ヘッド15からインクを吐出し、この記録用紙に画像を形成するように構成されている。
【0035】
図2はキャリッジユニット4を示す分解斜視図である。図2に示すように、キャリッジユニット4は、吐出ヘッド15を支持するキャリッジケース16と、吐出ヘッド15の上方にてキャリッジケース16に搭載されるダンパー装置20(容器)とを備えている。キャリッジケース16は、平面視で前後方向に長尺となる略長方形を成して上部に開口16aを有するボックス形状となっており、この開口16aを介してダンパー装置20が装着される。
【0036】
ダンパー装置20は、樹脂からなる前後方向に長尺の装置本体21(容器本体)に、樹脂からなる複数枚の矩形シート状のフィルム22〜24(可撓性シート)が熱溶着された構成となっており、装置本体21の後部には、前述したインク供給チューブ9が接続されるようになっている。また、ダンパー装置20の前部には、インクの圧力変動を緩和するためのダンパー部25が設けられており、更にその前方にはインクを一時的に貯留するタンク部26が設けられている。そして、インク供給チューブ9を通じてダンパー装置20に供給されたインクは、ダンパー部25及びタンク部26を経て、吐出ヘッド15へ供給されるようになっている。以下、このダンパー装置20の構成について詳述する。
【0037】
[ダンパー装置の構成]
図3はダンパー装置20を下方から見た斜視図である。図4はダンパー装置20を下方から見たときの分解斜視図である。図5はダンパー装置20を構成する装置本体21を上方から見たときの斜視図である。図3乃至5に示すように、ダンパー装置20の装置本体21は、後部に位置する流路形成部21aと、その前方に位置するダンパー形成部21bと、更にその前方に位置するタンク形成部21cとを備えている。
【0038】
流路形成部21aの後部には、4つのチューブ接続孔30a〜30dが前後方向へ一列に設けられており、これらチューブ接続孔30a〜30dには4本のインク供給チューブ9がそれぞれ接続される。流路形成部21aの底面側には上方へ窪んだ凹状の溝が4本形成されており、流路形成部21aの底面がフィルム22で覆われることによって、チューブ接続孔30a〜30dと連通するインク導入路31a〜31dが形成されている。
【0039】
装置本体21のダンパー形成部21bの後部上面には、4つの凹状の溝が形成されており、ダンパー形成部21b及びタンク形成部21cの上面がフィルム23で覆われることによって、インク導入路31a〜31dと個別に連通する4つのインク接続路33a〜33dが形成されている。インク接続路33a〜33dの前方には、ダンパー形成部21bに形成された4つのインク収納室35a〜35dから成るダンパー部25が設けられており、インク接続路33a〜33dは、これらインク収納室35a〜35dの上部に連通している。
【0040】
インク収納室35a〜35dの夫々は、ダンパー形成部21b及びタンク形成部21cを上下方向からフィルム23,24で覆うことにより形成され、左右方向に並設されているものである。そのインク収納室35a〜35dは、前後方向に直交する断面形状が略逆三角形状を成しており、全体的には前後方向へ延びる略三角柱状となっている。
【0041】
インク収納室35a〜35dの前方には、タンク形成部21cに形成された4つのタンク室36a〜36dから成るタンク部26が設けられている。タンク室36a〜36dは、タンク形成部21cの左右方向に一列に配設されており、インク収納室35a〜35dと共に上部がフィルム23によって覆われている。そして、インク収納室35a〜35dとこれに対応するタンク室36a〜36dとは、夫々の上部空間が互いに連通するようになっている。また、タンク部26の下部には、タンク室36a〜36dに連通する4つの孔が形成されたシール部材37が取り付けられて、ダンパー装置20がキャリッジケース16に装着されると、各シール部材37の4つの孔が吐出ヘッド15(図2参照)の4つの流入口(図示せず)に液密的に連通するようになっている。
【0042】
ダンパー装置20では、インク供給チューブ9からチューブ接続孔30a〜30dに供給されたインクは、インク導入路31a〜31d及びインク接続路33a〜33dを経て、ダンパー部25の各インク収納室35a〜35dへと注ぎ込まれる。更に、各インク収納室35a〜35d内のインクは、上部で連通する各タンク室36a〜36dへと導かれ、シール部材37を介して接続される吐出ヘッド15(図2参照)へと供給される。
【0043】
図5及び6に示すように、装置本体21のダンパー形成部21bは、流路形成部21aと同一平面上にあるベース部39と、そのベース部39から下方に向けて立設された略三角形状を成す4つの壁部40とを有している。各壁部40の周縁部は、前方に向けて鍔状に突出している。各壁部40は、その主面の法線方向が前後方向と一致するようにして左右方向へ一列に配設されており、各壁部40の前方には、同一距離だけ離隔して4つの支持枠部50が対向して設けられている。つまり、ダンパー形成部21bの下面には、対を成す壁部40及び支持枠部50が前後に対向配置され、このような壁部40及び支持枠部50から成る対が左右方向に4つ並設されている。なお、支持枠部50は、タンク部26の壁と一体となって壁部40と対向する壁部を構成している。
【0044】
各壁部40は、ベース部39に繋がる部分を底辺として、ベース部39から最も離れた先端部である山部42を頂点とする略二等辺三角形状を成している。この山部42は、壁部40の主面の法線方向(前後方向)から見て上方へ突出する円弧状を成すように丸められている。隣接する壁部40の間には、下方へ円弧状に窪む谷部43が形成されている。一方、各支持枠部50は、壁部40の周縁部と略同一形状を成しており、山部42及び谷部43と同様の山部51及び谷部52を有している。
【0045】
ベース部39には、隣接する壁部40間の谷部43と、これに対応する支持枠部50間の谷部52との間において、前後方向へ延びる架橋リブ部55を有していると共に、左右の端に位置する壁部40の外側端部と、これに対応する支持枠部50の端部との間にも、同様の架橋リブ部55を有している。また、これら架橋リブ部55部の下面には、さらに突条部56(図14(a)参照)が形成されており、この突条部56の先端位置と谷部43,52の最深位置とが同一平面上に配置されている。
【0046】
本実施形態では、後述する手順により、壁部40及び支持枠部50の上下に蛇行する波形の周縁部と架橋リブ部55に対してフィルム24を下方から立体的に熱溶着し、且つ、装置本体21の上面に上方からフィルム23を熱溶着する。これにより、フィルム23,24、壁部40及び支持枠部50によって囲まれたインク収納室35a〜35dが形成され、これと同時にタンク室36a〜36dも形成される。そして、キャリッジユニット4が走査されるなどしてインク収納室35a〜35d内の圧力が変動すると、フィルム24が変形してインク収納室35a〜35dの容積が変化し、圧力変動が緩和されるようになっている。
【0047】
[ダンパー装置の製法]
次に、ダンパー装置20の製法、特に、装置本体21に対してフィルム24を溶着してインク収納室35a〜35dを形成する手順について説明する。図6〜11はダンパー装置20を製造する際の第1〜6工程を説明する斜視図である。
【0048】
まず、図6に示すように、装置本体21を使用時の姿勢(図2参照)とは上下を反転させて配置し、且つ、装置本体21のダンパー形成部21bを下方から支持する治具70が用意される。この治具70は、基台71を備え、その基台71の上面の三辺には平面視馬蹄状の支持壁部72が設けられている。つまり、基台71の上部には、一辺に開放部73を有する凹部71aが支持壁部72により囲まれて形成されている。また、凹部71aの底面には、略三角柱形状からなる4つの支持突起74が並列して突設されている。これら支持突起74は、壁部40の鍔状の周縁部及び支持枠部50を図中下方から支持するとともに、壁部40と支持枠部50との間の空間を埋めるための部材である。また、治具70の支持壁部72には、開放部73の両側において一対の被係止穴75が設けられている。さらに、治具70における支持突起74の並列方向の一方側には、上方に突出する突出壁部76が設けられており、この突出壁部76には水平方向に延びるスリット76aが形成されている。
【0049】
次いで、図7に示すように、治具70に対して装置本体21が上方から載置される。この際、装置本体21は、そのダンパー形成部21b及びタンク形成部21cが治具70の凹部71aに嵌め込まれる一方、流路形成部21aは開放部73を通って外部に食み出した状態となる。この状態では、支持突起74は、壁部40及び支持枠部50を支持するとともに壁部40と支持枠部50との間の空間を埋めるように配置される。
【0050】
次いで、図8に示すように、治具70に支持された装置本体21に対してフィルム24を重ねる。この際、フィルム24は、突出壁部76のスリット76aを通して壁部40及び支持枠部50を覆うように配置されている。そして、フィルム24の突出壁部76と反対側の一端部24aを固定手段により固定する。具体的には、フィルム24の一端部24aを粘着テープ77により治具70に対して固定する。
【0051】
次いで、図9に示すように、治具70に取り付けるガイド部材79を用意する。ガイド部材79は、ガイド孔79cが形成された板状の本体部79aと、その本体部79aの下端面から下方に突出する一対の係止突起部79bとを有している。そして、係止突起部79bを治具70の被係止穴75に上方から差し込んで係止することで、ガイド部材79が治具70に位置決め固定される。ガイド孔79cは、ガイド部材79を治具70に取り付けた状態で壁部40の主面の法線方向から見て、壁部40の周縁に沿った波形状となっている。
【0052】
次いで、図10に示すように、溶着装置80を用意する。溶着装置80は、外周面を加熱面とする棒状のヒートバー81と、そのヒートバー81を把持して操作するための作業ロボット84とを備えている。ヒートバー81は、図示しない電源装置から電力が供給されて発熱するように構成されている。作業ロボット84は、多関節ロボットであって、ヒートバー81を把持するチャック部84aを有している。よって、作業ロボット84は、関節角度を変えることによって、ヒートバー81を移動させることができると共に、ヒートバー81をその軸線回りに回転させてヒートバー81の姿勢を変化させることができるようになっている。つまり、作業ロボット84が、移動手段及び姿勢変化手段を構成している。
【0053】
ヒートバー81は、ガイド部材79のガイド孔79cに挿通された状態で、壁部40及び支持枠部50(図7参照)の対向方向に延びるように配置される。そして、ヒートバー81は、フィルム24の装置本体21と反対側の表面の一部に接触した状態で、作業ロボット84によりガイド孔79cに沿って動かされ、壁部40及び支持枠部50(図7参照)の対向方向に直交する方向の所定の溶着経路に沿って移動し、フィルム24の装置本体21への溶着を行う。
【0054】
図12はヒートバー81を示す斜視図である。図13(a)は図12のXIIIa−XIIIa線断面図、図13(b)は図12のXIIIb−XIIIb線断面図である。図12及び13(a)(b)に示すように、ヒートバー81は、軸線方向に直交する断面が円形状である第1加熱部81a,81bと、軸線方向に直交する断面が円形状の一部に切欠部81dが形成された形状である第2加熱部81cとを有し、第2加熱部81cの軸線方向の両側に一対の第1加熱部81a,81bが配置されている。第1加熱部81a,81bは、装置本体21の壁部40及び支持枠部50(図7参照)に対応する位置に設けられ、第2加熱部81cは、壁部40と支持枠部50との間の空間に対応する位置に設けられている。
【0055】
図14はヒートバー81の移動及び姿勢を説明する図面であって、(a)は図10のXIVa−XIVa線断面図、(b)は図10のXIVb−XIVb線断面図である。なお、図14(b)は支持枠部50におけるヒートバー81の断面を表しているが、壁部40におけるヒートバー81の断面も同様である。また、図14では支持突起74の図示を省略している。図14(a)(b)に示すように、ヒートバー81は、第1姿勢と第2姿勢とをとり得る。第1姿勢は、第1加熱部81a,81bの外周面がフィルム24に接触すると共に、第2加熱部81cの外周面がフィルム24に接触しないように切欠部81dがフィルム24に対向する姿勢である。第2姿勢は、切欠部81dがフィルム24に対向せず、第1加熱部81a,81b及び第2加熱部81cの両方の外周面がフィルム24に接触する姿勢である。この第1姿勢と第2姿勢とは、ヒートバー81をその軸線回りに回転させることで実現される。
【0056】
ヒートバー81が壁部40及び支持枠部50の山部42,51に位置するとき、即ち、壁部40及び支持枠部50の周縁部とフィルム24とを溶着させるときには、ヒートバー81を第1姿勢とする。この第1姿勢のときにヒートバー81のフィルム24に接触する部分である第1加熱部81a,81bの稜線及びその近傍が第1領域である。
【0057】
一方、ヒートバー81が壁部40及び支持枠部50の谷部43,52に位置するとき、即ち、架橋リブ部55の突条部56とフィルム24とを溶着させるときには、ヒートバー81を第2姿勢とする。この第2姿勢のときにヒートバー81のフィルム24に接触する部分である第1加熱部81a,81b及び第2加熱部81cの稜線及びその近傍が第2領域である。即ち、第1領域の面積よりも第2領域の面積の方が大きくなっている。
【0058】
そして、ヒートバー81を壁部40及び支持枠部50の周縁部に接触させながら、フィルム24の固定側である一端部24aから他端部24bに向けて移動させ、第2姿勢、第1姿勢、第2姿勢・・・の順番でヒートバー81の姿勢を変化させる。こうすることで、フィルム24が、壁部40及び支持枠部50の山部42,51及び谷部43,52と、ベース部39の架橋リブ部55の突条部56とに熱溶着される。よって、溶着部分の平面視形状が閉形状となって前述したインク収納室35a〜35dが形成され、フィルム24の余分な部分をカットしてダンパー装置20が完成する(図11参照)。このように、溶着の際に金型を用いず、ヒートバー81を溶着経路に沿って移動させる製法とすることで、金型と装置本体21との間の位置ズレの問題が生じることがない。したがって、位置による加熱温度のバラツキが抑制され、溶着不良を防止することができる。
【0059】
また、ヒートバー81が壁部40及び支持枠部50の谷部43,52に出入する際の姿勢変化時には、ヒートバー81をその移動方向の下流側(フィルム自由側)に向けてフィルム24を送る方向(図14では時計回り方向)に回転させるようしている。換言すれば、ヒートバー81の姿勢変化時には、ヒートバー81がその移動方向の上流側に向けて転がるような方向にヒートバー81を回転させるようにしている。こうすることで、ヒートバー81が回転しても、フィルム24のヒートバー移動方向の下流側にある自由な他端部24bが不意に手繰り寄せられることがなく、溶着不良をより好適に防止することができる。
【0060】
(第2実施形態)
図15〜17は本発明の第2実施形態に係るダンパー装置を製造する際の第1〜3工程を示す斜視図である。まず、図15に示すように、装置本体21を使用時の姿勢とは上下を反転させて配置し、且つ、装置本体21のダンパー形成部21bを下方から支持する治具170が用意される。この治具170は、突出壁部76及び被係止穴75(図6参照)が存在しない点以外は第1実施形態の治具70と略同一であるため、その詳細な構成については第1実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
【0061】
次いで、図16に示すように、治具170に対して装置本体21を上方から載置する。この際、支持突起74は、壁部40及び支持枠部50を支持するとともに、壁部40と支持枠部50との間の空間を埋めるように配置される。
【0062】
次いで、図17に示すように、治具170に支持された装置本体21に対して矩形状のフィルム24を重ね、その上から押さえ部材178を重ねる。押さえ部材178の下面には、側面視で波形の輪郭を有する4つの溝部178aが形成されており、この溝部178aは壁部40及び支持枠部50の周縁部と整合する形状となっている。よって、壁部40及び支持枠部50を覆ったフィルム24を押さえ部材178により上から押さえることで、フィルム24は壁部40及び支持枠部50の周縁部に沿った形状に位置決めされる。このとき、押さえ部材178は、手前側の側面178bが壁部40よりも支持枠部50側にずれた位置に配置する。
【0063】
そして、断面円形状である棒状のヒートバー181の先端外周面をフィルム24の壁部40と反対側の表面に接触させた状態で、ヒートバー181を壁部40の周縁部に沿うように移動させ、フィルム24の壁部40への溶着を行う。次いで、フィルム24と壁部40との溶着が終わると、同様の手順により、フィルム24と支持枠部50との溶着を行う。そして最後に、押さえ部材178を外した状態で、ヒートバー181によりフィルム24を架橋リブ部55に対して溶着する。なお、他の構成等は前述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0064】
(第3実施形態)
図18及び19は本発明の第3実施形態に係る容器200を製造する際の第1〜2工程を示す斜視図である。図18に示すように、容器200は、樹脂製の容器本体201と、容器本体201を覆う樹脂製のフィルム202とを備えている。容器本体201は、平面視で矩形状の輪郭を呈する基板部203と、その基板部203から下方に向けて突出して上面に開口が形成された複数の凹部204,205とを有しており、これら凹部204,205の内部空間が収納室206,207となる。基板部203は、凹部204,205の配列方向に向かってその両側に沿って延びる側部203a,203bと、各凹部204,205の配列方向の両側において側部203a,203bの間を架け渡すように延在する架橋部203c〜203eとを有している。
【0065】
次いで、図19に示すように、容器本体201の基板部203の上面に矩形状のフィルム202を重ね、ヒートバー81を架橋部203c〜203eの延在方向に向けた状態で、フィルム202の架橋部203cに重なった部分の表面に接触させる。このヒートバー81は、第1実施形態のものと同様のものであり、第1加熱部81a,81bは、容器本体201の側部203a,203bに対応する位置に設けられ、第2加熱部81cは、凹部204,205に対応する位置に設けられている。そして、第1実施形態と同様の作業ロボット84(図10参照)により、ヒートバー81を側部203a,203bの延在方向である溶着経路に沿って他端側に移動させ、フィルム202の基板部203への溶着を行う。
【0066】
図20はヒートバー81の移動及び姿勢を説明する図面であって、(a)は図19のXXa−XXa線断面図、(b)はXXb−XXb線断面図である。なお、図20(b)は手前側の側部203bにおけるヒートバー81の断面を表しているが、奥側の側部203aにおけるヒートバー81の断面も同様である。図20(a)(b)に示すように、ヒートバー81が凹部204,205の上方に位置するとき、即ち、凹部204,205に隣接する側部203a,203bとフィルム202とを溶着させるときには、ヒートバー81を第1姿勢とする。第1姿勢は、ヒートバー81の第1加熱部81a,81bの外周面がフィルム202に接触すると共に、第2加熱部81cの外周面がフィルム202に接触しないように切欠部81dがフィルム202に対向する姿勢である。
【0067】
一方、ヒートバー81が架橋部203c〜203eに位置するとき、即ち、架橋部203c〜203eとフィルム202とを溶着させるときには、ヒートバー81を第2姿勢とする。第2姿勢は、切欠部81dがフィルム202に対向せず、第1加熱部81a,81b及び第2加熱部81cの両方の外周面がフィルム202に接触する姿勢である。
【0068】
そして、ヒートバー81をフィルム202の溶着開始側(フィルム固定側)から溶着終了側(フィルム自由側)に向けて移動させ、第2姿勢、第1姿勢、第2姿勢・・・の順番でヒートバー81の姿勢を変化させる。こうすることで、フィルム202が、側部202a,202b及び架橋部203c〜203eと熱溶着され、溶着部分の平面視形状が閉形状となって密閉された収納室206,207が形成される。このように、ヒートバー81を溶着経路に沿って移動させる製法とすることで、位置による加熱温度のバラツキが抑制され、溶着不良を防止することができる。
【0069】
また、ヒートバー81が架橋部203c〜203eに出入する際の姿勢変化時には、ヒートバー81をその移動方向の下流側(フィルム自由側)に向けてフィルム202を送る方向(図20では時計回り方向)に回転させるようしている。こうすることで、ヒートバー81が回転しても、フィルム202のヒートバー移動方向の下流側にある自由な他端部が不意に手繰り寄せられることがなく、溶着不良をより好適に防止することができる。
【0070】
なお、第3実施形態では、基板部203が平坦である場合を例示したが、フィルム202を溶着する基板部203を第1実施形態のように立体的に形成したものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0071】
以上のように、本発明に係る容器の製造方法及び溶着装置は、位置による加熱温度のバラツキが抑制され、溶着不良を防止できる優れた効果を有し、この効果の意義を発揮できる各種容器の製造に広く適用すると有益である。
【符号の説明】
【0072】
15 液滴吐出ヘッド
20 ダンパー装置(容器)
21 装置本体(容器本体)
24 フィルム(可撓性シート)
35a〜35d インク収納室
39 ベース部
40 壁部
50 支持枠部
80 溶着装置
81,181 ヒートバー(加熱部材)
81a,81b 第1加熱部
81c 第2加熱部
81d 切欠部
200 容器
201 容器本体
202 フィルム(可撓性シート)
206,207 収納室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と、前記容器本体に溶着された可撓性シートと、前記容器本体及び前記可撓性シートにより画定された収納室とを有する容器の製造方法であって、
前記可撓性シートを前記容器本体に重ねる工程と、
前記可撓性シートの前記容器本体と反対側の面のうち前記容器本体に溶着させる部分の一部に加熱部材を接触させた状態で、前記加熱部材を所定の溶着経路に沿って移動させて溶着を行う工程と、
を備えていることを特徴とする容器の製造方法。
【請求項2】
前記加熱部材は、第1姿勢のときにはその加熱面のうち第1領域が前記可撓性シートに接触し、第2姿勢のときにはその加熱面のうち前記第1領域より前記可撓性シートとの接触面積が大きい第2領域が前記可撓性シートに接触するよう構成されており、
前記加熱部材を所定の溶着経路に沿って移動させて溶着を行う際には、前記溶着経路の所要位置において前記加熱部材の姿勢を変化させることを特徴とする請求項1に記載の容器の製造方法。
【請求項3】
前記加熱部材は、外周面を前記加熱面として、軸線回りに回転させることで姿勢を変化させる棒状のヒートバーからなり、
前記ヒートバーは、前記軸線方向に直交する断面が円形状である第1加熱部と、前記軸線方向に直交する断面が円形状の一部に切欠部が形成された形状である第2加熱部とを有し、
前記第1姿勢では、前記第1加熱部の外周面が前記可撓性シートに接触すると共に、前記第2加熱部の外周面が前記可撓性シートに接触しないように前記切欠部が前記可撓性シートに対向し、
前記第2姿勢では、前記切欠部が前記可撓性シートに対向せず、前記第1加熱部及び前記第2加熱部の両方の外周面が前記可撓性シートに接触することを特徴とする請求項2に記載の容器の製造方法。
【請求項4】
前記ヒートバーの姿勢を変化させる際には、前記ヒートバーの移動方向の下流側に向けて前記可撓性シートを送る方向に前記ヒートバーを回転させることを特徴とする請求項3に記載の容器の製造方法。
【請求項5】
前記ヒートバーは、前記第2加熱部の前記軸線方向の両側に一対の前記第1加熱部を設けた構成であり、
前記第2姿勢、前記第1姿勢、前記第2姿勢の順番で前記ヒートバーの姿勢を変化させることを特徴とする請求項3又は4に記載の容器の製造方法。
【請求項6】
前記容器本体は、ベース部と、前記ベース部から立設した一対の壁部とを有し、
前記一対の壁部の対向方向に直交する方向に前記ヒートバーを移動させ、
前記可撓性シートと前記壁部の周縁部とを溶着させる際には、前記ヒートバーを前記第1姿勢とし、前記可撓性シートと前記ベース部とを溶着させる際には、前記ヒートバーを前記第2姿勢とすることを特徴とする請求項5に記載の容器の製造方法。
【請求項7】
前記容器本体は、液体吐出用のノズルを有する吐出ヘッドへ液体を供給する流路の途中に設けられたダンパー装置の装置本体であり、前記収納室内の圧力変動に伴って前記可撓性シートが変形して前記収納室の容積が変化することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の容器の製造方法。
【請求項8】
容器本体に可撓性シートを溶着するための溶着装置であって、
加熱面を有する加熱部材と、
前記可撓性シートの前記容器本体と反対側の面のうち前記容器本体に溶着させる部分の一部に前記加熱部材を接触させた状態で、前記加熱部材を所定の溶着経路に沿って移動させる移動手段と、
を備えていることを特徴とする溶着装置。
【請求項9】
前記溶着経路の所要位置において前記加熱部材の姿勢を変化させる姿勢変化手段をさらに備え、
前記加熱部材は、第1姿勢のときにはその加熱面のうち第1領域が前記可撓性シートに接触し、第2姿勢のときにはその加熱面のうち前記第1領域より前記可撓性シートとの接触面積が大きい第2領域が接触するよう構成されていることを特徴とする請求項8に記載の溶着装置。
【請求項10】
前記加熱部材は、外周面を前記加熱面として、軸線回りに回転させることで姿勢を変化させる棒状のヒートバーからなり、
前記ヒートバーは、前記軸線方向に直交する断面が円形状である第1加熱部と、前記軸線方向に直交する断面が円形状の一部に切欠部が形成された形状である第2加熱部とを有し、
前記第1姿勢では、前記第1加熱部の外周面が前記可撓性シートに接触すると共に、前記第2加熱部の外周面が前記可撓性シートに接触しないように前記切欠部が前記可撓性シートに対向し、
前記第2姿勢では、前記切欠部が前記可撓性シートに対向せず、前記第1加熱部及び前記第2加熱部の両方の外周面が前記可撓性シートに接触する構成であることを特徴とする請求項9に記載の溶着装置。
【請求項11】
前記姿勢変化手段は、前記ヒートバーの移動方向の下流側に向けて前記可撓性シートを送る方向に前記ヒートバーを回転させるよう構成されていることを特徴とする請求項10に記載の溶着装置。
【請求項12】
前記ヒートバーは、前記第2加熱部の前記軸線方向の両側に一対の前記第1加熱部を設けた構成であり、
前記第2姿勢、前記第1姿勢、前記第2姿勢の順番で前記ヒートバーの姿勢を変化させることを特徴とする請求項10又は11に記載の溶着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−195427(P2010−195427A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−43175(P2009−43175)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】