説明

容器及びその製造のための素材

発明は、食品の保存及びテイクアウト用容器に関する。容器には第1の容器ハーフ(2)と第2の容器ハーフ(3)が含まれ、開位置(4)と閉位置(5)との間の枢軸回転のため枢軸回転自在連結により連結されている。この種の容器を、食品の保存に適すると共に構成が簡単、且つ製造が経済的となるように改良するため、各容器ハーフ(2,3)は、上から見て多角形の上部及び下部容器壁(7,8;9,10)と、これ等壁を互いに離間して連結する横壁(11,12)とを含む。枢軸回転自在連結は、横壁(11,12)の互いに面する第1端(13,14)間に含まれる枢軸回転自在線により形成され、横壁(11,12)の第2端(15,16)が閉位置(5)において互いに解離自在に連結される。枢軸回転自在線(6)に付随する枢軸回転自在軸は上部及び下部容器壁(7,9;8,10)に対して略直角に延びる。発明はまた、この種の容器(1)を製造するためのシングルピース素材(60)に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は食品の保存及びテイクアウト用の容器であって、開位置と閉位置との間の枢軸回転のため、枢軸回転自在線等としての枢軸回転自在連結により連結される第1の容器ハーフ(半体)と第2の容器ハーフ(半体)を含む容器に関する。
【背景技術】
【0002】
そのような容器は例えば、ハンバーガー、サンドイッチ、ペーストリー等を保存及びテイクアウトすることから知られている。通常、食品は容器から完全に出され、人の手で持たれ消費される。
【0003】
その場合、容器ハーフは上部容器ハーフと下部容器ハーフであり、下部容器ハーフは容器を置くのに用いられ、上部容器ハーフは枢軸回転自在連結の周りに上方に折り上げられ、食品を取り出すことができる。これは、これまで知られている容器では、枢軸回転自在連結又は枢軸回転自在線が水平方向又は容器内にある食品を交差する方向に延びていることを意味する。
【0004】
そのような容器は食品を保存及びテイクアウトするのには十分適してはいるが、食品を消費するための補助具として用いることはできない、更に、その閉状態において、従来知られている容器は食品の輸送のために十分安定しているが、開位置において比較的不安定であり、この状態では食品は容器から取り出されるだけである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は冒頭に言及した種の容器を、食品の消費にも適し、より安定であり、且つ組み立てが簡単であると共に、製造が簡単なように改良することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は請求項1の特徴により達成される。
各容器ハーフは、上から見て多角形の上部(縦方向)及び下部(縦方向)容器壁と、これ等壁を互いに離間して連結する横壁とを含む。枢軸回転自在連結の対応する枢軸回転自在線は、互いに面する横壁の端間に含まれる。横壁の他の端は容器ハーフの閉位置において互いに解離自在に連結され、そこで枢軸回転自在線に付随する枢軸回転自在軸は容器ハーフの上部及び下部容器壁に対して略直角に延びる。
【0007】
その結果、容器は、上部容器ハーフと下部容器ハーフが容器内にある食品に対して直角に延びる枢軸回転軸の周りに開いて、開位置にあるとき両容器ハーフの右又は左容器ハーフから食品が出るようになり、消費中の食品を保持するのに用いることができる。容器ハーフが閉位置にあれば、これ等多角形の左及び右容器ハーフは互いに補足し合って、複数のコーナー及び稜があるため、食品の輸送中のみならず、一容器ハーフが食品の消費に用いられるときにも、安定性が改善される多角形の断面の容器を形成する。
【0008】
夫々の容器ハーフの実施化をより簡単にし、その製造をより容易にするため、各容器ハーフの上部及び下部容器壁は形状及び大きさが同一となるようにすることができる。
【0009】
容器の安定性はその対応する多角形設計により、第1及び第2の容器ハーフの夫々の上部及び下部容器壁が互いに補足し合って容器の六面体、七面体又は八面体輪郭又は更に尚コーナーの多い輪郭を形成することにより、改良される。
【0010】
閉位置における容器内にギャップを無くするため、及び食品を完全に囲うため、一方の容器ハーフの下部及び/又は上部容器壁は他の容器ハーフの下部及び/又は上部容器壁より自由端縁までの最大長さが短くなるようにすることができる。
【0011】
これにより、両容器ハーフの閉位置では、一方の容器ハーフの下部及び/又は上部容器壁と他の容器ハーフの対応容器壁の間に重なりができることになる。
【0012】
これに関連して、少なくとも一方の容器ハーフをより安定に形成するため、その容器ハーフの上部及び/又は下部容器壁の自由端縁が、枢軸回転自在線を形成する横壁の自由端縁と同じ略高さで連結されるようにすることができる。
【0013】
枢軸回転自在線の回りの枢軸回転を支持するため、枢軸旋回自在線に沿って、長く引き伸ばされた枢軸回転自在開口を横長穴として形成することができる。
【0014】
閉位置において横壁の対応端の解離自在連結をより容易に行えるようにするため、横壁がそれ等の第2端夫々において、上部及び下部容器壁の自由端縁上に突出する第1及び第2端部を含むことができる。横壁のこれ等端部は種々の既知手段、例えば解離自在接着点、挿入連結、キャッチ連結等により互いに解離自在に連結することができる。
【0015】
簡単な実施態様において、第1の容器ハーフの横壁の端部がその自由端に、第2の容器ハーフの横壁にある挿入スロットに閉位置において解離自在に係合するタングを含むようにする。勿論、タングと挿入スロットとを逆に配置することもできる。
【0016】
タングと挿入スロット間の連結及び対応端部の連係移動を容易にするため、第2の容器ハーフの端部と容器壁との間に開受容スロットを第1の容器ハーフの横壁の端部に向かう方向に形成することができる。ここでも、逆の配置の可能である。これに関連して、容器ハーフの閉位置において、第1の容器ハーフの上部及び下部容器壁の対応端縁がこの受容スロットに部分的に受容されるようにすることもできる。
【0017】
容器の対応する多角性の生成、同時に容器の安定性の増大を可能にするため、横壁が、上部及び下部容器壁を連結する横折り曲げ線のコーナーを含むようにすることができる。
【0018】
曲げ剛性を更に高めるため、対応容器ハーフの上部及び/又は下部容器壁を少なくとも部分的に二層以上から形成することができる。
【0019】
多層設計は同一材料の数層により実現しても良いが、異なる材料を種々の層に対して用いることもできる。
【0020】
多層設計を簡単に、且つ横壁と容器壁とを同時に連結できるようにするため、横壁が上部及び/又は下部容器壁の内面に当接する接着フランジを含むようにして、特に横壁と容器壁の近接部が結果として生ずる多層設計により安定化するようにすることができる。また、対応する接着フランジ同士を逆に配置して、容器壁の1つから突出する接着フランジが横壁の内面に固定されるようにすることもできる。この場合、固定は通常接着により行えるが、接着フランジ又は横壁自体にフォイルを溶融して行うことをできる。
【0021】
接着フランジが対応する壁の内面に対応して配向されるようにするため、接着フランジが折り曲げ線により、他の横壁又は他の容器壁に連結されるようにすることができる。
【0022】
容器ハーフが開位置にあるとき当該食品の略半分は未だ1つの容器ハーフ内にあり、食品の他の突出半が消費のために飛び出すことから、これに関連して、第一の又は第2の容器ハーフが少なくとも上部及び下部容器壁に裂け目線を含むようにすると良い。この裂け目線は食品の突出部が消費された後、対応容器ハーフを更に開き、食品の残りも対応容器ハーフから消費できるよう用いることができる。原則として、食品を完全に消費するため、容器を、ナプキン等の補助具を更に用いずに、対応容器ハーフでしっかりと持ち、食品が完全に消費されるまでこの対応容器ハーフを用いれば良い。
【0023】
これに関連して、上部及び下部容器壁を対応裂け目線により分離できるようにするだけでなく、対応横壁もまた分離又は少なくとも対応線の回りに枢軸回転して開くことができるようにすると尚良い。これは、対応容器ハーフの横壁が上部及び下部容器壁の裂け目線を連結する横裂け目線を含むようにすることにより達成できる。だが、この横裂け目線は上述のように枢軸回転自在線としても用い得るだけで、対応横壁部を完全に除くために実際に用いられなければならないわけでは無い。
【0024】
容器内にある食品の熱と蒸気から結果として対応容器壁に変形が生じるのは、例えばこれ等壁が例えば既に曲がっている場合であることがわかる。これを回避するため、上部及び/又は下部容器壁と近接折り曲げ線間にある横壁部が一平面に延びるようにすることができる。
【0025】
容器は本質的に使い捨て包装材であるので、対応する材料を容易にリサイクル可能なものとすると当然有利である。そのような材料は例えば、紙、厚紙等である。
【0026】
場合によっては容器壁同士の連結を更に剛化するため、対応横壁の接着フランジの代替又は補足として、上部及び/又は下部容器壁が、折り曲げ線を介して容器壁の残部に連結され、横壁の内面、特にその端部の内面に当接する接着フランジを含むようにすることができる。
【0027】
対応容器ハーフが互いに枢軸回転し過ぎないようにし、その代わり例えば開位置において本質的に隣り合うようにする、容器の特に最大開位置を特定するため、容器の最大開位置において、枢軸回転自在線により連結される第1及び第2の容器ハーフの横壁の横壁部は、それ等の外面が略互いに当接して成るようにすることができる。容器ハーフが枢軸回転開口し過ぎず、それ等の開口部が消費者に面する程度まで枢軸回転開口することで、例えば、食品の消費に用いられていない容器ハーフにあるパンくずや他の食品残渣が外側に落ちるのを防止することができる。
【0028】
上記対応する外面は面が略等しければ当接は更に良好になる。
【0029】
更に、容器はシングルピース素材から製造することにより、製造と組み立てが容易になる。
【0030】
更に、容器がその内面及び/又は外面上に、特に液密な塗膜を含むようにすることもできる。容器の外面上の塗膜はまた、この外面の外観を向上させ、或いは印刷がより容易になる。
【0031】
また、容器ハーフの対応容器壁又は横壁を、多層壁の場合例えば層間にエアーギャップを存在させること、又は壁を通る伝熱を他の方法により低減することによりある種の断熱効果をそれ等が有するように設計しても良い。
【0032】
本発明はまた、上記の容器を製造するための対応するシングルピース素材であって、横壁を形成するための縦横壁ストリップ少なくとも1つと、この横壁ストリップからその縦側に沿って突出する多角形の上部及び容器壁部とを含む素材に関する。縦側の間に、特にこれ等と直角に、多数の横折り重ね線が横壁ストリップに含まれ、且つ横壁ストリップの略中央に、これ等横折り曲げ線に平行に延びる枢軸回転自在線が含まれる。
【0033】
これに関連して、対応する接着フランジを簡単に生成するため、横壁ストリップの縦側に沿って、これ等と容器壁部との間に略三角形の接着フランジが設けられる切断線が設けられる。このようにして、接着フランジも素材の一部であり、容器の対応する組み立ての後、これ等は対応する容器壁の内面にのり付けをするだけで良い。
【0034】
これに関連して、組み立てを容易にするため、接着フランジが折り曲げ線を介して横壁ストリップに連結されるようにする。
【0035】
両容器ハーフに対応する横壁を簡単に生成できるようにするため、横壁ストリップが、枢軸回転自在横壁部2つにより互いに分離された横壁部2群を含み、横壁ストリップの自由端が閉じ横壁部により形成されるようにすることができる。
【0036】
容器の組み立て時に対応する閉じ横壁部を解離自在に固定するため、1つの横壁部がその自由端で突出するタングを含み、これが対応する横壁の挿入開口に挿入され容器の閉じ位置を定めるようにすることができる。
【0037】
両容器ハーフの対応する枢軸回転を後で容易にするため、2つの枢軸回転自在横壁部の間に、枢軸回転自在線に沿って延びる横長穴が含まれるようにすることができる。
【0038】
接着フラップを対応する横壁部に設けることはできないが、枢軸回転自在横壁部がその縦側に略三角形の接着フラップを含むようにすることができる。
【0039】
上記のタングの挿入を容易にするため、閉じ横壁部と、続く横壁部との間に、横長穴が対応する折り曲げ線に沿って形成されるようにすることができる。この横長穴は対でタングを挿入するのに用いられる。
【0040】
タングの挿入を容易にし、且つ閉じ位置をより確実に特定するため、対応する横折り曲げ線が横長穴の両端に切断部を含むようにすることができる。これにより、長さが横長穴の長さより長く、横長穴の長さと対応切断部の付加的長さとに対応するタングの挿入が容易になる。
【0041】
容器の組み立て、特に対応接着フランジののり付けを容易にするため、対応する接着フランジの三角側の傾斜を等しくすることができる。それにより、これ等三角側を、横壁部又は容器壁部の対応折り曲げ位置を特定するのに用いることができ、次いでこの特定位置において、のり付けを行うことができる。
【0042】
本発明によれば、対応する容器及び素材により、容器の剛性が増大され、食品の容器への挿入、輸送及び消費時における対応する変形が回避される。これは特に、複数のコーナー及び折り曲げ線、及び少なくとも部分的な二重壁又は多層壁を用いることにより達成される。
【0043】
更に、略平面又は平らな壁を用いることにより、熱又は蒸気による紙の変形が回避される。容器は、食品を消費者の手で触らずに消費するのに用いることができ、例えばナプキン等の補助具を消費のために要しない。裂け目線を用いることにより、完全な食品の消費が可能になり、従って食品が完全に消費されるまでの衛生の程度が高くなる。
【0044】
更に、当該容器は、パンくず、食品の液体成分又は他の食品の構成部分が、特に消費のために用いられない容器ハーフがこれ等部分を集めるのに用いられるとき、容器から離出するのを阻止する。更に、壁同士の重なり及び両容器ハーフの解離自在は閉じにより、容器を開けない輸送中にも食品の安全な輸送を確実にする。
【0045】
以下、本発明の有利な実施態様を、図面に含まれる各図を参照してより詳細に説明する。
【実施態様】
【0046】
図1に、開位置にある本発明による容器1の一実施態様の斜視図を示す。容器1は、タング29の対応する挿入スロット30への係合により互いに解離自在に連結される第1の容器ハーフ(半体)2と第2の容器ハーフ(半体)3を含む。第1の容器ハーフ2はコーナー35,36、37及び38を有する多角形であるのに対応して、第2の容器ハーフ3はコーナー33,34,39及び40を有する多角形であり、両容器ハーフは互いに補足して略矩形の八角形を形成している。
【0047】
第1の容器ハーフ2は上部(縦方向)容器壁7と下部(縦方向)容器壁8を含み(図2も参照)これ等は離間して、間に横壁11を挟んで配置されている。同様に、第2容器ハーフ3は上部容器壁9と下部容器壁10と横壁12から組み立てられ、対応する容器壁7,8及び9,10と、対応する横折り曲げ線41間にある横壁11,12の横壁部48とは平面設計のものである。
【0048】
図1による閉位置5において、上部及び下部容器壁9,10(特に図1の「10」参照)は第1の容器ハーフ2の上部及び下部容器壁7,8を部分的に覆い、第2の容器ハーフ3の横壁12の対応端部28もまた第1の容器ハーフ2の横壁11の対応端部27(図2参照)を覆っている。
【0049】
横壁12の端部28と上部及び下部容器壁9,10との間には、開受容スロット31、32が第1の容器ハーフに向かう方向に含まれている。これ等は、第1の容器ハーフ2の対応端部27、また上部及び下部容器壁7,8の、第2の容器ハーフ3への配置を容易にする(図2も参照)。
【0050】
図1による対応壁及び壁部は図4による対応横壁部48、容器壁部58,59並びに61,62及び閉横壁部67,68に対応し、対応する容器ハーフ2,3を、図1による閉位置5から図2による開位置4に、閉位置と開位置の間の枢軸回転自在線6により枢軸回転連結として定められる枢軸回転自在軸17の回りに互いに枢軸回転させることができる。
【0051】
この対応する枢軸回転自在線(例えば、図4も参照)は枢軸回転自在な横壁部65及び66間の横折り曲げ線42により決定される。
【0052】
図1において、対応するタング29(図2〜4も参照)は横長穴70として含まれる挿入スロット30に挿入される。
【0053】
図2において、容器1はその開位置4で表され、2つの容器ハーフ2,3は、それ等の内面または内部が容器1内にある食品を取り出す、特に食すために消費者に面するように配置されている。
【0054】
第1の容器ハーフ1はその横壁11の第1の端13に端縁24を含み、この端縁24は対応する枢軸回転自在線6または横折り曲げ線42により、第2の容器ハーフ3の横壁12の第1の端14の対応端縁25に連結されている。枢軸回転自在線6の一部は横長穴として含まれる枢軸回転自在開口26である。
【0055】
横壁11,12は第1の端13又は14に夫々近接して外面52及び53を含み、これ等外面52及び53はそれ等が互いに重なるところで最大開位置を決定する。これ等外面は面積が略等しい。
【0056】
横壁11,12は同一数の横壁部48を有し、容器1を解離自在に閉じるのに用いられる対応端部27,28において異なる(図1も参照)。これ等端部27,28は夫々横壁11,12の第2の端15,16を有する。ここで、タング29は端部27の第2の端15に含まれている。閉位置を規定し、且つ閉位置となるため対応する挿入スロット30に挿入される(図1も参照)。
【0057】
第1の容器ハーフ2の上部及び下部容器壁7,8の自由端20及び21は、横壁11,12の第1の端13,14における第1の端縁24,25と同じ高さである。第2の容器ハーフ3の上部及び下部容器壁9,10の対応する自由端縁22,23はその場合、これ等端縁24,25上に突出している(図4も参照)。この突出は閉位置における上部及び下部容器壁7,8の対応端を受容する働きをする(図1参照)。
【0058】
接着フランジ50は対応する容器壁の内面43,44上に固定され、対応する折り曲げ線45により横壁11,12に連結される。対応する接着フランジは略三角形であり、図2において、互いに面する対応接着フランジの三角側72,73互いに略重なっている。それにより、図4によるシングルピース素材60からの容器の製造中に、横壁部の対応する相互折り曲げ状態が略決定される。
【0059】
第1の容器ハーフ2の上部及び下部容器壁7,8において、裂け目線46が例えば目打ちにより中央に構成される。これ等の裂け目線は対応する容器壁7,8を裂き開いて(図3も参照)、一部食した後の食品残部への近接を良くするのに用いられる。
【0060】
図2において、特に、容器の閉じを容易にするため対応する端部28の弾性を改善した受容スロット31,32を容易に見ることができる。更に、タング29を挿入スロット30に挿入する際、端部27が端部28上外側にあるとき、これ等受容スロット31,32を用いて上部及び下部容器壁7,8の対応端縁20,21を受容することもできる。
【0061】
図2において、上部及び下部容器壁7,8又は上部及び下部容器壁9,10の対応する最大長さ18,19(図4も参照)が異なり、図示の実施態様における第2の容器ハーフ3の上部及び下部容器壁9,10が第1の容器ハーフ2(図1も参照)の上部及び下部容器壁7,8を締め付けるようにして、上部及び下部容器壁7,8の対応自由端縁20,21が第2の容器ハーフ3に挿入されるようにすることも特に分かる。
【0062】
容器壁7〜10の内面43に対応する接着フランジ50を配置することにより、二重層設計が特に、容器の折り曲げ線及びコーナーの数による剛性の増大に加えて、この領域における容器の剛性の増大をもたらす。
【0063】
尚、全図を通して、同一部品には同一参照番号が付され、これ等参照番号のあるものは一図にのみ用いられ、一図に関連してのみ記載されているものである。
【0064】
図3において、容器1は第1の容器ハーフ2の上部及び下部容器壁7,8の裂き開き位置における図2の外面54が描かれている。この位置は図2による対応開位置とは、容器壁7,8が対応裂け目線46に沿って裂き開かれていると云う意味で特に異なる(図1及び2も参照)。更に、第1の容器ハーフ1の対応容器壁11では、上部及び下部容器壁7,8における裂け目線46に連結する横裂け目線47が形成されていることが分かる。これにより、タング29を含む第1の容器ハーフ2の部分を分離することが可能になる。だが、対応横裂け目線47もまた、第1の容器ハーフ2を図3による対応裂き開き位置に開くための枢軸回転自在線として用いることもできる。
【0065】
図3において、端部27に近接して、上部容器壁7の対応する内面43にもう1つの接着フランジ50がのり付けされ、下部容器壁8にも別の接着フランジが1つのり付けされているのが分かる。この接着フランジは折り曲げ線45を介して横壁11に連結されている。もう1つの接着フランジ74が上部又は下部容器壁7,8から端部27に向かって夫々延び、端部27にその内面でのり付けされている。この接着フランジ74も対応する折り曲げ線51を介して上部又は下部容器壁7,8に夫々連結されている(図4も参照)。
【0066】
図4には、図1〜3による容器を製造するためのシングルピース素材の平面図が描かれている。
【0067】
ここで、前の図の対応する同一部には同一参照番号が付されている。
【0068】
素材60は特に、横折り曲げ線41,42により対応して互いに分離された複数の横壁部を有する横壁ストリップ55を含む。種々の部にはまた特に横壁ストリップ55の略中央に配置された枢軸回転自在横壁部65,66が含まれ、これ等横壁部65及び66の間で折り曲げ線42が対応する枢軸回転自在線6又は枢軸回転自在軸17を規定している。横長穴69が、対応する折り曲げ線42内の枢軸回転自在開口26として含まれている。更に、壁部は容器の端部27及び28を対応して形成する閉じ横壁部67及び68を含んでいる(図2も参照)。容器壁部58,59及び61,62が横壁ストリップ55の縦側56,57に沿って突出している。第1又は第2の容器ハーフ2,3に対応して、容器壁部58,59は上部及び下部容器壁7,8を形成し、容器壁部61,62は上部及び下部容器壁9,10を夫々形成している(図2も参照)。
【0069】
図4によるシングルピース素材60の更なる部分は略三角形の接着フラップ50又は73であり、接着フラップ50は夫々対応折り曲げ線45又は64を介して横壁部55に連結され、更なる接着フラップ74は横折り曲げ線51を介して第1の容器ハーフ2の上部及び下部容器壁7,8に連結されている。
【0070】
図2から、対応する接着フラップ50がどのように容器壁7〜10の内面43,44に置かれ、のり付けにより固定されるかが、また図3から端部27の対応する内面に対する接着フラップ74に付いても同様のことが分かる。
【0071】
対応する容器壁7〜10の折り曲げとは関係なく容器の製造中に接着フラップの対応する枢軸回転が行えるようにするため、対応接着フラップの三角側に沿って、この領域の容器壁7〜10からこれ等接着フラップを分離する切断線63が設けられている。
【0072】
三角側の切断線63とは別に、対応する三角形には更なる三角側72,73が含まれるが、これ等三角側72、73は互いに隣接して、横壁部並びに容器壁の対応する折り曲げ状態を規定するのに用いられる(図2参照)。
【0073】
図4から更に、対応横裂け目線47が上部容器壁7又は対応する容器壁部58にある裂け目線46を下部容器壁8又は容器壁部59にある裂け目線46に連結していることが分かる。この裂け目線は少なくとも、図3に示すように容器1を開くのに用いられる。これに関連して横裂け目線47は枢軸回転自在線としても役立つものである。
【0074】
枢軸回転自在横壁部65,66の各々から横壁ストリップ55の対応縦側56,57に沿って、対応する接着フラップ50が対向する対で突出している(図2も参照)。
【0075】
挿入スロット71を形成する横長穴70の領域には、タング29の挿入スロット30への挿入と、スロットにおけるタングの解離自在保持を切断線75で支持する切断部71が含まれている。
【0076】
本発明による容器及びシングルピース素材は全体として、枢軸回転により、従来知られている容器のそれとは異なるある種の容器開口を可能にする容器形状を結果として生ずるものである。本発明によれば2つの容器ハーフの一方を容器内にあるハンバーガー、サンドイッチ等の食品を保持するのに用いられる。尚、図2による図示における対応裂け目線46は食品のより良好な保持のために用いることができ、対応容器壁7,8は裂け目線47の領域における食品に向かってより容易に押圧することができ、対応する裂け目線は容器壁7,8に対する折り目線として用いることができる。その場合、食品の半分が消費されたときにのみ、裂け目線は裂けて容器を更に開くことができる(図3参照)。図3によるこの位置はその場合食品が完全に消費されるまで用いられ、第1の容器ハーフの対応部分を繰り返し互いに枢軸回転させ、残る食品を処理し、上部容器壁7と下部容器壁8との間でこの位置を変更することができる。
【0077】
従って、本発明によれば、消費のため、そして消費者を清潔に保つためにどんな補助具も要せず、パンくずやソース又は他の食品成分等の食品から離落する部分も容器ハーフで確実に受容される。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】閉位置にある本発明の容器の斜視図を示す。
【図2】開位置にある本発明の容器を示す。
【図3】開位置にある本発明の容器であって、第1の容器ハーフが部分的に切断開口されているものを示す。
【図4】前図の容器を製造するためのシングルピース素材の平面図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開位置(4)と閉位置(5)との間の枢軸回転のため、枢軸回転自在連結により連結される第1の容器ハーフ(2)と第2の容器ハーフ(3)を含む食品の保存及びテイクアウト用容器(1)であって、
各容器ハーフ(2,3)が、上から見て多角形の上部及び下部容器壁(7,8;9,10)と、これ等壁を互いに離間して連結する横壁(11,12)とを含み、
枢軸回転自在連結が、横壁(11,12)の互いに面する第1端(13,14)間に含まれる枢軸回転自在線により形成され、横壁(11,12)の第2端(15,16)が閉位置(5)において解離自在に連結され、
枢軸回転自在線(6)に付随する枢軸回転自在軸が上部及び下部容器壁(7,9;8,10)に対して略直角に延びるように構成されて成ることを特徴とする容器。
【請求項2】
上部及び下部容器壁(7,9;8,10)は寸法及び形状が互い同一であることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
第1及び第2の容器ハーフ(2,3)の上部及び下部容器壁(7,9;8,10)が閉位置(5)において互いに補足して、六面体、七面体、八面体又は多角形輪郭を形成して成ること特徴とする請求項1又は2に記載の容器。
【請求項4】
第1の容器ハーフ(2)の下部及び/又は上部容器壁(8,7)は第2の容器ハーフ(3)の下部及び/又は上部容器壁(10,9)より端縁(20,21)までの最大長さ(18)が短いことを特徴とする前記請求項1〜3の何れか1つに記載の容器。
【請求項5】
上部及び/又は下部容器壁(7,8;9,10)の端縁(20,21,22,23)が、枢軸回転自在線(6)を形成する横壁(11,12)の自由端縁(24,25)と略同じ高さで連結されて成ることを特徴とする前記請求項1〜4の何れか1つに記載の容器。
【請求項6】
枢軸回転自在線(6)に沿って、長く引き伸ばされた枢軸回転自在開口(26)が横長穴として含まれて成ること特徴とする前記請求項1〜5の何れか1つに記載の容器。
【請求項7】
横壁(11,12)がそれ等の第2端(15,16)夫々において、上部及び下部容器壁(7,8;9.10)の自由端縁(20〜23)上に突出する第1及び第2端部(27,28)を含んで成ることを特徴とする前記請求項1〜6の何れか1つに記載の容器。
【請求項8】
第1の容器ハーフ(2)の横壁(11)の端部(27)がその端に、第2の容器ハーフ(3)の横壁(12)にある挿入スロット(30)に閉位置(5)において解離自在に係合するタング(29)を含んで成ることを特徴とする前記請求項1〜7の何れか1つに記載の容器。
【請求項9】
第2の容器ハーフ(3)の端部(28)と上部及び下部容器壁(9,10)との間に開受容スロット(31)が第1の容器ハーフ(2)の横壁(11)の端部(27)に向かう方向に形成されて成ることを特徴とする前記請求項1〜8の何れか1つに記載の容器。
【請求項10】
横壁(11,12)が、上部及び下部容器壁(7,8;9,10)を連結する横折り曲げ線からなるコーナー部(33〜40)を含んで成ること特徴とする前記請求項1〜9の何れか1つに記載の容器。
【請求項11】
少なくとも下部及び/又は上部容器壁(7,8;9,10)が少なくとも部分的に2つ以上の層として含まれて成ることを特徴とする前記請求項1〜10の何れか1つに記載の容器。
【請求項12】
横壁(11,12)が、上部及び/又は下部容器壁(7,8;9,10)の内面(43,44)に当接する接着フランジ(50)を含んで成ることを特徴とする前記請求項1〜11の何れか1つに記載の容器。
【請求項13】
接着フランジ(50)が折り曲げ線(51)により横壁(11,12)の残部に連結されて成ることを特徴とする前記請求項1〜12の何れか1つに記載の容器。
【請求項14】
第一の容器ハーフ(2)が少なくとも上部及び下部容器壁(7,8)に裂け目線(46)を含んで成ること特徴とする前記請求項1〜13の何れか1つに記載の容器。
【請求項15】
第一の容器ハーフ(2)の横壁(11)が上部及び下部容器壁(7,8)の横裂け目線(47)を含んで成ることを特徴とする請求項14に記載の容器。
【請求項16】
横裂け目線(47)が枢軸回転自在線として利用可能であることを特徴とする請求項15に記載の容器。
【請求項17】
上部及び/又は下部容器壁(7,8;9,10)と、隣接する横折り重ね線(41,42)の間にある横壁部(48)とが一平面に延びて成ることを特徴とする前記請求項1〜16の何れか1つに記載の容器。
【請求項18】
容器(1)の材料が紙、厚紙等であること特徴とする前記請求項1〜17の何れか1つに記載の容器。
【請求項19】
上部及び/又は下部容器壁(7,8;9,10)が、折り曲げ線(51)を介して容器壁(7〜10)の残部に連結され、横壁(11,12)の内面(43,44)、特にその端部(27,28)の内面に当接する接着フランジ(50)を含んで成ることを特徴とする前記請求項1〜18の何れか1つに記載の容器。
【請求項20】
容器(1)の最大開位置(40)において、枢軸回転自在線(6)を介して連結される第1及び第2の容器ハーフ(2,3)の横壁(11,12)の横壁部(48)は、それ等が向かい合うことを特徴とする前記請求項1〜19の何れか1つに記載の容器。
【請求項21】
外面(52,53)の面積が略等しいことを特徴とする請求項20に記載の容器。
【請求項22】
容器(1)がシングルピース素材(60)から成ることを特徴とする前記請求項1〜21の何れか1つに記載の容器。
【請求項23】
容器(1)がその内面及び/又は外面上に、特に液密な塗膜を含んで成ることを特徴とする前記請求項1〜22の何れか1つに記載の容器。
【請求項24】
前記請求項1〜23の何れか1つに記載の容器を製造するためのシングルピース素材(60)であって、
横壁(11,12)を形成するための横壁ストリップ(55)少なくとも1つと、この横壁ストリップからその縦側(56,57)に沿って突出する多角形の上部及び下部容器壁部(61,62)とを含み、
縦側(56,57)の間に、特にこれ等と直角に、多数の横折り重ね線(41,42)が横壁ストリップ(55)に含まれ、且つ横壁ストリップの略中央に、これ等横折り曲げ線(41,42)に平行に延びる枢軸回転自在線(6)が含まれて成ることを特徴とする素材。
【請求項25】
横壁ストリップ(55)の縦側(56,57)に沿って、これ等と容器壁部(58,59,61,62)との間に略三角形の接着フランジ(50)が設けられ、切断線(63)が形成されて成ることを特徴とする請求項24に記載の素材。
【請求項26】
接着フランジ(5)が折り曲げ線(64)を介して横壁ストリップ(55)に連結されて成ることを特徴とする請求項24又は25に記載の素材。
【請求項27】
横壁ストリップ(55)が、枢軸回転自在横壁部(65,66)2つにより互いに分離された横壁部(48)2群を含み、閉じ横壁部(67,68)が横壁ストリップ(55)の自由端に設けられ成ることを特徴とする請求項24〜26の何れか1つに記載の素材。
【請求項28】
1つの横壁部(67)がその自由端で突出するタング(29)を含んで成ることを特徴とする請求項24〜27の何れか1つに記載の素材。
【請求項29】
2つの枢軸回転自在横壁部(65,66)の間に、枢軸回転自在線(6)に沿って延びる横長穴(67)が含まれて成ることを特徴とする請求項24〜28の何れか1つに記載の素材。
【請求項30】
枢軸回転自在横壁部(65,66)がその縦側に略三角形の接着フラップ(74)を含んで成ることを特徴とする請求項24〜29の何れか1つに記載の素材。
【請求項31】
閉じ横壁部(68)と続く横壁部(48)との間に、横長穴(70)が対応する折り曲げ線(41)に沿って含まれて成ることを特徴とする請求項24〜30の何れか1つに記載の素材。
【請求項32】
横長穴(70)の両端において、横折り曲げ線(41)が切断部(71)を含んで成ることを特徴とする請求項24〜31の何れか1つに記載の素材。
【請求項33】
素材(60)から製造される容器(1)において互いに面する、接着フラップ(50,74)の三角側の傾斜が略同一であることを特徴とする請求項24〜32の何れか1つに記載の素材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−508765(P2009−508765A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−530419(P2008−530419)
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際出願番号】PCT/EP2006/008983
【国際公開番号】WO2007/033794
【国際公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(503168533)
【氏名又は名称原語表記】SEDA S.P.A.
【Fターム(参考)】