説明

容器把持装置

【解決手段】 容器把持装置7は、左右一対のアーム15A,15Bからなるグリッパ15を備えており、グリッパ15は、カムフォロワ42とカム部材43とからなるカム機構28により開閉される。下方側の可動部材24はシリンダ機構22のロッド22Aに連結されており、上方側の可動部材26はコイルばね25を介してロッド22Aの先端部に連結されている。
ロッド22Aが前進されると、先ずストッパ27に可動部材26が当接してグリッパ15の前進が停止され、その後、コイルばね25が圧縮されつつロッド22Aとカム部材43が前進される。これにより、カム機構28を介して両アーム15A,15Bが閉鎖されて容器2の首部2Dを把持する。
【効果】 従来と比較して構成が簡単な容器把持装置7を提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器把持装置に関し、より詳しくは、容器を把持してその中心を位置決めする場合に好適な容器把持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器を間欠的に搬送しながら容器に対して所要の処理を施すようにした容器処理装置は知られている(例えば特許文献1、特許文献2)。特許文献1の装置においては、回転ホイールの外周部に配置されたポケットに容器を収容して間欠的に搬送しながら容器に充填液を充填した後に、キャッピングヘッドによって容器にキャップを取り付けるようになっている。
【特許文献1】特開2000−211693号公報
【特許文献2】特許第3507584号公報
【特許文献3】特開平2001−150380号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記特許文献1の装置によってキャッピングヘッドに保持したキャップを容器の口部に取り付ける際には、容器の口部とキャッピングヘッドとを正確に位置決めする必要がある。この場合、上記特許文献1の装置のように、容器を回転ホイールのポケットに保持する方式では容器の位置が停止時にずれやすいので、キャッピングヘッドによって容器にキャップを取り付ける際にキャッピング動作が円滑に行われないことがあった。
これに対して特許文献2の装置においては、左右一対のアームからなるグリッパによって容器を左右両側から挟持しているので、精度の高い位置決めを行うことができる。しかしながら、この特許文献2の装置においては、容器を把持する位置の両側に上記グリッパを配置するスペースを考慮しなければならず、設計上の制限を受けるという欠点がある。
さらに、物品を把持する開閉式グリッパとしては例えば特許文献3の装置が公知であり、この特許文献3の装置においては、カムを進退動させてグリッパを開閉させるようになっている。しかしながら、この特許文献3においては、グリッパ全体の進退用とグリッパ開閉用の2台の駆動手段が必要であり、その分だけ構成が複雑で製造コストが高くなるという欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した事情に鑑み、請求項1に記載した本発明は、駆動手段によって所定方向に進退動される第1可動部材と、この第1可動部材に上記所定方向に進退動可能に設けられるとともに付勢手段を介して上記駆動手段に連結された第2可動部材と、一対のアームからなり上記第2可動部材に開閉可能に設けられたグリッパと、上記第2可動部材およびグリッパが前進された際の前進端位置を規制するストッパと、上記グリッパ又は上記第1可動部材のいずれか一方に設けられるカムフォロワおよびいずれか他方に設けられるカム部材とを有するカム機構とを備えて、
上記駆動手段が両可動部材と開放状態のグリッパを前進させると、上記第2可動部材とグリッパが上記ストッパにより前進端位置に停止されるとともに開放状態のグリッパが容器を把持可能な位置に停止し、さらに上記駆動手段が第1可動部材を停止中の第2可動部材とグリッパに対して前進させると、上記カム機構を介して上記グリッパが閉鎖されて容器が把持されるようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項2に記載した発明は、上記カムフォロワは上記グリッパの各アームに設けられており、上記カム部材は上記第1可動部材に設けられており、上記各カムフォロワは上記カム部材のカム溝に係合されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0005】
上述した構成によれば、容器把持装置の構成を簡略化することができ、しかも容器の搬送方向に対してその一方の側方に容器把持装置を配置することができる。また、一対のアームからなるグリッパによって容器を容器の搬送方向の前後両側から把持することができるので、容器を把持した際に容器の位置を正確に位置決めすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図示実施例について本発明を説明すると、図1ないし図3において1は容器2を間欠搬送させつつ、所要の処理を行う回転式の容器処理装置である。この容器処理装置1は、容器2を回転ホイール3によって間欠的に搬送しながら充填ゾーンAにおいて4個の容器2内に一斉に充填液を充填し、その後、搬送方向下流側のキャッピング位置Bにおいて各容器2の口部2Aにキャップ4を取り付けるようになっている。
本実施例の容器処理装置1は、外周部の等間隔位置に容器2を保持するポケット3Aを有する回転ホイール3と、この回転ホイール3による容器2の搬送過程となる充填ゾーンAに配置された4本一組の充填ノズル5と、充填ゾーンAから約180度ずれた下流側のキャッピング位置Bに配置されたキャッピングヘッド6と、キャッピング位置Bの容器2を把持する容器把持装置7とを備えている。回転ホイール3の駆動源となる図示しないモータは、制御装置8によって作動を制御されるようになっており、また、充填ノズル5、キャッピングヘッド6および容器把持装置7も制御装置8によって作動を制御されるようになっている。
【0007】
制御装置8によって回転ホイール3のモータが回転駆動されると、回転ホイール3は、隣合うポケット3Aの1個分づつ間欠的に反時計方向に回転されるようになっている。このように回転ホイール3が間欠的に回転されている状態において、供給コンベヤ11によって搬送されてきた空の容器2が供給位置Cにおいて順次各ポケット3A内に供給されるとともに、各容器2の底部2Bは載置プレート12によって支持されるようになっている。
本実施例においては、回転ホイール3の外周部の大半の領域を囲繞して、容器2の胴部を案内するガイド部材13が配置されている。これにより、供給位置Cにおいて各ポケット3Aに供給された容器2は、その胴部2Cの内方側をポケット3Aによって保持されるとともに胴部の外方側をガイド部材13に支持された状態で間欠的に搬送されるようになっている。
【0008】
充填ゾーンAに配置された充填ノズル5は、非作動状態では上方側の待機位置に待機しており、制御装置8からの作動指令に基づいて作動されるようになっている。供給位置Cには、ポケット3Aに供給される容器2を検出するセンサ14が配置されており、センサ14は供給位置Cにおいて容器2を検出すると検出信号を制御装置8へ伝達するようになっている。
制御装置8には、センサ14による容器2の検出信号とともに、回転ホイール3の回転信号も伝達されるようになっており、制御装置8はこれら容器2の検出信号と回転ホイール3の回転信号によって容器2の位置を認識している。容器2が充填ゾーンAに供給されたことを認識すると、制御装置8は、待機位置に待機させた充填ノズル5に作動指令信号を出すので、4本一組の充填ノズル5が所要量だけ下降されるとともに、容器2に追従して移動しながら4本分の容器2内に一斉に所定量の充填液を充填するようになっている。充填が完了した4本一組の充填ノズル5は所要量だけ上昇されてから後退して上方側の元の待機位置に復帰するようになっている。
このようにして、充填ゾーンAにおいて相前後する4本分の容器2内に充填ノズル5によって充填液が充填されるようになっており、その後、充填済みの容器2は、回転ホイール3の間欠回転に伴って下流側のキャッピング位置Bへ搬送されるようになっている。
【0009】
次に、容器2の搬送過程であって容器2が一時停止されるキャッピング位置Bの上方に従来公知のキャッピングヘッド6が配置されており、また、キャッピング位置Bの隣接位置となる回転ホイール3の外方側(容器2の搬送方向の一側)には、容器2の首部2Dを把持する容器把持装置7が配置されている。
本実施例の制御装置8は、上記センサ14による容器2の検出信号と回転ホイール3による容器2の間欠搬送のタイミングとを基にして、キャッピング位置Bに各容器2が搬入されて停止されるタイミングに合せてキャッピングヘッド6を作動させるとともに、容器把持装置7のグリッパ15を前進させてから閉鎖させるようになっている。このように、回転ホイール3によって各容器2がキャッピング位置Bに搬入されて停止されると、その容器2の首部2Dがグリッパ15によって把持されるとともに、キャップ4を保持したキャッピングヘッド6が下降されてから回転されることにより、キャップ4が容器2の口部2Aに取り付けられるようになっている。キャップ4の取り付けが完了するとキャッピングヘッド6は上方の待機位置まで上昇されるとともに、容器把持装置7のグリッパ15も開放されてから元の後退位置まで復帰するようになっている。
【0010】
このように回転ホイール3の間欠搬送により各容器2がキャッピング位置Bに順次搬入されて停止されると、そのタイミングに合せて容器把持装置7のグリッパ15が前進されて容器2の首部2Dが把持され、かつキャッピングヘッド6が下降されて容器2の口部2Aにキャップ4が取り付けられるようになっている。なお、キャッピングヘッド6の構成は従来公知であるため、構成の説明は省略し、容器把持装置7の構成は後に詳述する。
キャッピング位置Bにおいてキャップ4の取り付けが完了した各容器2は、回転ホイール3の間欠回転に伴って下流側へ順次搬送された後に、排出位置Dにおいて排出コンベヤ16上に排出されるようになっている(図2、図3参照)。
【0011】
しかして、本実施例の容器把持装置7は、容器2が回転ホイール3によって間欠的に搬送される際に、その搬送方向の一方の側方、本実施例では回転ホイール3の外側から容器2に向けてグリッパ15が前進して閉鎖されることでキャッピング位置Bに停止した容器2の首部2Dを両側から把持できるようになっている。それにより、容器2の中心をキャッピングヘッド6の軸心と一致するように正確に位置決めできるようになっている。
図2〜図5に示すように、本実施例の容器把持装置7は、所定高さに水平に支持された支持フレーム21と、この支持フレーム21上に配置されたシリンダ機構22と、シリンダ機構22のロッド22Aに固定されて該ロッド22Aと一体となって進退動される下方側の可動部材24と、コイルばね25を介してロッド22Aの先端に連結されているブラケット36に取り付けられるととともに、コイルばね25が圧縮されると上記可動部材24およびロッド22Aに対して相対移動可能な上方側の可動部材26と、支持フレーム21の上面の一端に立設されて上方側の可動部材26およびグリッパ15の前進端を規制するストッパ27と、左右一対のアーム15A,15Bからなり上方側の可動部材26に移動可能に設けられた上記グリッパ15と、このグリッパ15を開閉作動させるカム機構28とを備えている。
【0012】
支持フレーム21の上面には直線状のガイドレール31が上記回転ホイール3の放射方向に固定されており、また、シリンダ機構22のロッド22Aは回転ホイール3の放射方向に配置されるとともに回転ホイール3の回転中心に向けて進退動されるようになっている。
下方側の可動部材24の底部には直線状のガイド溝24Aが形成されており、また、可動部材24の上面には、上記ガイド溝24Aと平行に一対のガイド溝24B、24Bが形成されている。そして、可動部材24の底部のガイド溝24Aは上記ガイドレール31に摺動自在に係合されている。可動部材24の移動方向の後端部にはブラケット32が鉛直上方に向けて固定されており、そのブラケット32に上記ロッド22Aの先端部が連結されている。これにより、シリンダ機構22が作動されてロッド22Aが進退動される際には、該ロッド22Aと一体となって可動部材24がガイドレール23に沿って回転ホイール3の中心に向けて進退動されるようになっている。
【0013】
他方、上方側の可動部材26の底面には、直線状をした一対のガイドレール33、33が固定されている。また、この可動部材26の上面における移動方向の前端部には、上記ガイドレール33と直交する方向に直線状のガイドレール34が固定されるとともに、可動部材26の上面における移動方向の後端部には、上記可動部材24側のブラケット32と対向させ、かつ鉛直上方に向けてブラケット35が固定されている。このブラケット35は、対向位置のブラケット32よりも回転ホイール3の放射方向の外方側に位置させている。
そして、可動部材26のガイドレール33,33を下方側の可動部材24における一対のガイド溝24B、24Bに摺動自在に係合させている。可動部材26の底部にはブラケット36が固定されており、上記コイルばね25の前端をこのブラケット36に連結するとともにコイルばね25の後端を上記シリンダ機構22のロッド22Aの先端に連結している。
【0014】
可動部材24のブラケット32には、それぞれショックアブソーバ37、37が取り付けられており、可動部材26のブラケット35と当接してロッド22Aが後端位置に達する際の衝撃を吸収できるようになっている。
コイルばね25は、軸方向に少し圧縮させた状態で可動部材26のブラケット36とロッド22Aとにわたって連結されているので、ブラケット32と35は、相互に近接する方向に付勢されている。そのため、シリンダ機構22が作動されておらず、ロッド22Aが後退位置に位置している状態(図3の状態)では、可動部材24のブラケット32に取り付けられたショックアブソーバ37と可動部材26のブラケット32とが相互に当接した状態となっている。この状態では、コイルばね25が伸縮方向に最大限伸びた状態となる。
本実施例においては、後退端位置からロッド22Aが前進されると、両可動部材24,26およびグリッパ15が前進されるが、支持フレーム21にはストッパ27が配置されているので、上方側の可動部材26が距離L1だけ前進されると可動部材26がストッパ27に当接して停止されるようになっている。それにより、可動部材26とそれに設けられたグリッパ15の前進端の位置が規制されるようになっている。なお、可動部材26がストッパ27に当接する際の衝撃を吸収するために、ブラケット36にショックアブソーバ38が取り付けられている。
【0015】
次に、グリッパ15を構成する左右一対のアーム15A、15Bの基部は、それぞれ左右一対の可動部材41A,41Bに連結されている。アーム15A、15Bにおける先端部の対向位置にはV字形をした係合凹部15C、15Cが形成されており、アーム15A、15Bが閉鎖される際には上記係合凹部15C、15Cにより容器2の首部2Dを把持するようになっている。可動部材41A,41Bの底面には、アーム15A,15Bの長手方向と直交させてガイド溝41C,41Cが形成されており、これらのガイド溝41C,41Cを可動部材26のガイドレール34に摺動自在に係合させている。これにより、アーム15A、15Bは、可動部材26上で開閉方向に移動可能となっており、またシリンダ機構22のロッド22Aに連動してアーム15A,15Bは可動部材26と一体となって進退動されるようになっている。
【0016】
上記アーム15A,15Bを取り付けた可動部材41A,41Bの相互に対向する位置にカムフォロワ42、42が回転自在に取り付けられている。他方、両可動部材41A,41Bよりも外方側となるブラケット32の上端にカム部材43が水平に固定されており、この固定部材43に形成された左右一対のカム溝43A、43Aに上記可動部材41A、41B側のカムフォロワ42、42を転動自在に係合させている。
上記一対のカム溝43A,43Aは、ロッド22Aが前進される際の移動方向後方側と比較して移動方向前方側が徐々に末広がりとなるような略V字状に設定されている。そのため、可動部材41A,41Bに対してカム部材43が進退方向に相対移動されると両カム溝43A内をカムフォロワ42が転動して、両アーム15A,15Bがガイドレール34に沿って開閉作動されるようになっている。上記カムフォロワ42、42およびカム部材43とによって、グリッパ15のアーム15A,15Bを開閉作動させるための上記カム機構28が構成されている。
【0017】
以上のように構成された容器把持装置7の作動を説明する。先ず、シリンダ機構22が作動されていない状態では、ロッド22Aと両可動部材24,26は後退端位置に停止しており、可動部材24のブラケット32に取り付けられたショックアブソーバ37と可動部材26のブラケット35とが当接している(図3、図5(b)参照)。この状態では、カムフォロワ42,42が両カム溝43A、43Aの前端部に係合しているので、グリッパ15は開放された状態となっており、キャッピング位置Bから外方へ後退した状態となっている。そして、ストッパ27と可動部材26は距離L1だけ離隔している。
この状態から制御装置8によってシリンダ機構22が作動されると、ロッド22Aが前進されて、該ロッド22Aと一体となって両可動部材24,26およびグリッパ15も前進される。そして、距離L1だけ前進された時点で、ストッパ27に上方側の可動部材26のショックアブソーバ38が当接することで、可動部材26およびグリッパ15の移動が前進端の位置で停止される。これにより、開放されたグリッパ15がキャッピング位置Bまで前進されて、開放されたグリッパ15のアーム15A,15Bは容器2の首部2Dの前後両側を把持可能な位置に停止する(図5(b)の想像線で示す状態)。
【0018】
この後も、ロッド22Aはコイルばね25を圧縮させながら前進端まで前進されるので、該ロッド22Aと可動部材24およびカム部材43は、停止状態の可動部材26およびグリッパ15に対して移動方向前方側に向けてさらに相対的に前進される。これにより、カムフォロワ42,42がカム溝43A、43A内を前端部から後端部まで転動することで、グリッパ15のアーム15A,15Bが容器2の搬送方向前後から閉鎖されて、両係合凹部15Cによって容器2の首部2Dが前後両側から把持される(図2、図5(a)参照)。本実施例においては、グリッパ15のアーム15A,15Bによって容器2の首部2Dを前後両側から把持しているので、キャッピングヘッド4の中心に対して容器2の口部2Aの中心が正確に一致するように位置決めすることができる。そのようにして、グリッパ15によって把持された容器2の口部2Aに前述したキャッピングヘッド4によってキャップ4が取り付けられる。
【0019】
以上のようにして、前進端まで前進されたグリッパ15によって容器2の首部2Dを把持してキャッピング位置Bの容器2へのキャップ4の取り付けが完了すると、制御装置8はシリンダ機構22の作動を停止させるので、シリンダ機構22に内蔵したばねの弾発力によってロッド22Aが後退端に向けて後退される。
その過程において、先ず停止状態の可動部材24とグリッパ15に対して、ロッド22Aと可動部材26およびカム部材43が距離L2だけ後退すると、可動部材26のブラケット35に対して後退した可動部材24のショックアブソーバ37が当接し、その際の衝撃をショックアブソーバ37が吸収するようになっている。また、カム部材43の後退に伴ってカム溝43A,43Aの後端部から前端部までカムフォロワ42,42が移動されるので、グリッパ15のアーム15A,15Bが開放されて容器2の首部2Dから離隔する。つまり、グリッパ15による容器2の把持状態が解放される。
このあと、さらにロッド22Aが後退されることにより、該ロッド22Aと一体となって両可動部材24、26およびグリッパ15が後退されて、図3および図5(b)に示す後退端の位置に復帰する。
【0020】
以上のように、本実施例の容器把持装置7は、両可動部材24、26およびグリッパ15を進退動させるための駆動手段として単一のシリンダ機構22を用いており、しかも、このシリンダ機構22によりカム機構28も作動させる構成となっている。そのため、従来のものと比較して、容器把持装置7の構成が簡略化されるとともに、容器把持装置7の製造コストを安くすることができる。
また、この容器把持装置7は、容器2が間欠搬送される際の搬送方向の一側(外方側)に配置されているので、上記従来のものと比較して容器把持装置7を設置するためのスペースを小さくすることができ、それによって、容器処理装置1を設計する際の自由度が大きくなる。
さらに、キャッピング位置Bの容器2は、容器把持装置7のグリッパ15によって首部2Dの前後両側を把持されて、キャッピングヘッド6の中心と容器2の口部2Aの中心が正確に一致するように位置決めされる。したがって、容器2の口部2Aに対して確実にキャップ4を取り付けることができる。
【0021】
なお、上記実施例における駆動手段としてのシリンダ機構22の代わりに、モータの駆動軸に連結したボールねじとそれを螺合貫通させたナット部材とからなる駆動手段を用いても良い。そのような駆動手段を用いた構成であっても上述した実施例と同様の作用・効果を得ることができる。
また、上記実施例においては、容器把持装置7の支持フレーム21を所定高さに固定していたが、昇降可能な昇降装置上に上記支持フレーム21を取り付けて、容器把持装置7全体の高さを調整できるようにしても良い。それにより、処理対象となる容器2の高さが変更された場合には、容器2の高さに適合するようにグリッパ15の高さを調整することができる。
また、上記実施例においてはグリッパ15のアーム15A,15Bに可動部材41A,41Bを連結していたが、それらは一体物で構成しても良い。
さらに、上記実施例は、回転式処理装置1の容器把持装置7として用いた場合を説明したが、容器2を直線状の移動軌跡で搬送しながら容器2内に充填液を充填してからキャッピングを行う直線搬送方式の容器処理装置にも本発明の容器把持装置を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施例を示す全体の平面図。
【図2】図1のII―II線に沿う要部の断面図。
【図3】図2に示した容器把持装置7の非作動状態を示す断面図。
【図4】図3のIV―IV線に沿う要部の断面図。
【図5】図5(a)は図2に示す容器把持装置7の作動状態を示す平面図、図5(b)は非作動状態を示す平面図。
【符号の説明】
【0023】
2‥容器 2A‥口部
2D‥首部 4‥キャップ
7‥容器把持装置 15‥グリッパ
15A、15B‥アーム
22‥シリンダ機構(駆動手段) 24‥可動部材(第1可動部材)
25‥コイルばね(付勢手段) 26‥可動部材(第2可動部材)
27‥ストッパ 28‥カム機構
42‥カムフォロワ 43‥カム部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動手段によって所定方向に進退動される第1可動部材と、この第1可動部材に上記所定方向に進退動可能に設けられるとともに付勢手段を介して上記駆動手段に連結された第2可動部材と、一対のアームからなり上記第2可動部材に開閉可能に設けられたグリッパと、上記第2可動部材およびグリッパが前進された際の前進端位置を規制するストッパと、上記グリッパ又は上記第1可動部材のいずれか一方に設けられるカムフォロワおよびいずれか他方に設けられるカム部材とを有するカム機構とを備えて、
上記駆動手段が両可動部材と開放状態のグリッパを前進させると、上記第2可動部材とグリッパが上記ストッパにより前進端位置に停止されるとともに開放状態のグリッパが容器を把持可能な位置に停止し、
さらに上記駆動手段が第1可動部材を停止中の第2可動部材とグリッパに対して前進させると、上記カム機構を介して上記グリッパが閉鎖されて容器が把持されることを特徴とする容器把持装置。
【請求項2】
上記カムフォロワは上記グリッパの各アームに設けられており、上記カム部材は上記第1可動部材に設けられており、上記各カムフォロワは上記カム部材のカム溝に係合されていることを特徴とする請求項1に記載の容器把持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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