説明

容器整列供給装置

【課題】容器が供給されない空のキャリアを発生させないようにする。
【解決手段】回転体の中央部の容器貯留部を囲んで、容器2を1本ずつ収容する複数の収容部を設け、その下方には、各収容部にそれぞれ対応するキャリア保持部40を有し、前記回転体と同期回転する回転移動手段8を配置し、各収容部に収容した容器2を、容器投入位置で直立状態にして落下させてキャリア6内に収納する。貯留部から収容部に容器2を収容する領域と容器2を落下させる位置との間に容器検出センサを設け、収容部内に容器2が無いときには、前記回転移動手段8にキャリア6を供給する供給手段44を一時停止させ、容器2の無い収容部に対応するキャリア6はキャリア保持部40に供給しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の容器を一方向に整列させて供給する容器整列供給装置に係り、特に、ランダムに供給された容器を整列させ直立した姿勢にしてキャリア内に挿入し、次の工程に供給する容器整列供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多数の容器を同一の方向に整列させて供給する容器整列供給装置は従来から知られている(特許文献1参照)。この特許文献1に記載された装置(発明の名称はチューブ容器整列装置)は、周壁を有するドラムを設け、このドラム内に回転盤を配置し、前記ドラムにドラム内方へ臨んだセンサを設けるとともに、このセンサの下流側にドラム内方へ臨んだ第1空気吹出口を設けている。また、前記回転盤の上面に放射状の溝部を多数設けて、この溝部間にチューブ容器を保持するようにし、さらに、前記第1空気吹出口の下流に、チューブ容器を外周側に押し出すガイドを設けるとともに、このガイドの下流に容器受けを設けている。
【0003】
前記特許文献1に記載された装置では、センサによりチューブ容器の向きが検出され、向きが不適とされたチューブ容器は第1空気吹出口からの空気で飛ばされ、正規のチューブ容器のみがガイドに沿って容器受けへ落下するようになっている。
【0004】
また、回転体の外周部に設けた容器収納部に収容した容器を落下させて直立した姿勢でホルダ(本発明のキャリアに相当する)内に収容させるようにした装置(発明の名称はホルダ内への容器供給装置)がすでに知られている(特許文献2参照)。
【0005】
前記特許文献2に記載されたホルダ内への容器供給装置は、機枠に回転自在に設けた第1回転テーブルと、この第1回転テーブルの外周部の等間隔位置に設けられてそれぞれホルダを保持するホルダ保持部とを備え、また、前記第1回転テーブルの上方に配置され、第1回転テーブルと同期して一体に回転される第2回転テーブルと、この第2回転テーブルに、各ホルダの上方位置となるようにそれぞれ設けられ、容器を第2回転テーブルの半径方向に向けた横転状態で収容する容器収納部とを備えている。さらに、前記機枠に設けられ、容器収納部に収容された横転容器の下面を支持してこの容器が容器収納部から落下するのを阻止する支持部材と、この支持部材に設けられ、支持部材による横転容器の半径方向一端部の支持を解放して、この一端部が下方となるように容器を回転させながら落下させる切り欠き部と、回転落下する容器をほぼ直立させた状態で前記ホルダ内に案内する案内部材とを備えている。
【0006】
この特許文献2に記載された発明では、搬送コンベヤによって搬送されてきた容器をシュート内に押し出して落下させ、このシュートの開口部から、前記第2回転テーブルの各容器収納部内に1個ずつ投入するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平4−371415号公報
【特許文献2】特公平4−13255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、特許文献1に示す構成のように回転体の外周に複数の容器収容部を設け、中央部に貯留された容器を各容器収容部に収容して整列させた後、特許文献2のように、下方を搬送されているキャリアに容器を起立状態で落下させて収容するようにしたものであるが、前記従来の構成では、各容器収容部のすべてに容器を収容することは困難であり、容器が投入されない空のキャリアが発生してしまう。その場合には、下流の工程で空のキャリアをリジェクトし、その後、空のキャリアをラインに戻して合流させる必要があるため、空のキャリアをリジェクトする装置や合流させる装置が必要であるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、容器を貯留する貯留部の周囲に、容器を1本ずつ収容する収容部が複数設けられた回転体と、前記回転体の下方に配置され、起立した状態で容器を支持するキャリアを前記回転体と同方向に移動させる回転移動手段とを備え、前記回転体の所定回転範囲で、前記貯留部から各収容部に容器を収容させた後、所定回転位置で、前記収容部から起立状態で容器を落下させて前記キャリア内に収納させる容器整列供給装置において、前記回転移動手段にキャリアを供給するキャリア供給手段と、前記回転体の前記所定回転範囲以降、前記所定回転位置の間で収容部の容器の有無を検出する容器検出手段と、前記容器検出手段の検出信号が入力されるとともに、前記キャリア供給手段の作動を制御する作動制御手段とを備え、前記作動制御手段は、容器検出手段からの入力信号に基づき空の収容部を認識すると、キャリア供給手段の供給動作を一時中断して、前記所定回転位置に到達する空の収容部の下方にキャリアを供給しないことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の容器整列供給装置は、上方に配置された回転体の各容器収容部に容器が収容されているか否かを検出手段によって検出し、容器が存在しない場合には、下方に配置されている回転移動手段の、前記収容部に対応する位置にキャリアを供給しないようにしたので、容器が投入されない空のキャリアが発生することはないため、空キャリアのリジェクト装置や合流装置を設ける必要がないという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は本発明の一実施例に係る容器整列供給装置の上部を構成する回転体の平面図である。(実施例1)
【図2】図2は前記容器整列供給装置の下部を構成する回転移動手段の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上方に配置された回転体の中央部に容器を貯留する貯留部が設けられ、この回転体の外周部には、前記貯留部を囲んで、容器を1本ずつ収容する容器収容部が円周方向等間隔で複数設けられており、この回転体の下方には、前記容器収容部にそれぞれ対応するキャリア保持部を有する回転移動手段が配置され、回転体の、収容部に容器を収容する所定回転範囲で、貯留部から各収容部に1本ずつ容器を収容させた後、所定回転位置で、前記収容部に収容されている容器を起立状態にして落下させて、下方の回転移動手段によって移動しているキャリア内に投入する。前記回転移動手段には、各キャリア保持部に1個ずつキャリアを供給するキャリア供給手段が設けられ、上方の回転体には、容器収容部に容器を収容する前記所定回転範囲以降で、収容部に収容されている容器を落下させてキャリアに投入する前記所定回転位置までの間に、収容部に容器が収容されているか否かを検出する検出手段が設けられ、この検出手段による検出信号が入力された作動制御手段が前記キャリア供給手段の作動を制御するようになっており、前記検出手段が収容部内に容器が存在しないことを検出すると、この検出手段からの入力信号に基づいて、キャリア供給手段の供給動作を中断して、前記空の収容部に対応するキャリア保持部にキャリアを供給しないようにするという構成にしたことにより、収容部から容器が供給されない空のキャリアが発生することがないので、空のキャリアのリジェクト手段やリジェクトしたキャリアをラインに合流させる合流手段を設ける必要をなくすという目的を達成する。
【実施例1】
【0013】
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。この実施例に係る容器供給整列装置は、上部に配置され容器2を整列させる回転体4と、この回転体4の下方に配置され、回転体4で整列されて落下してきた容器2を支持するキャリア6を回転搬送する回転移動手段8を備えている。
【0014】
回転体4は、回転軸10を中心に回転するようになっており、中央部に配置され、投入された容器2を貯留する円形の貯留部12と、この貯留部12の外周に設けられた環状の容器整列部14を有している。環状の容器整列部14は、半径方向(回転体4の回転軸10を中心とする半径方向)の幅のほぼ中央部で内周部と外周部に区画されている。この内周部に、円周方向等間隔で複数の収容部16(凹部)が形成され、これら各収容部16の間に、収容部16を区画する凸部18が設けられている。また、外周部の、容器収容部16の外周側に位置する部分20は、開放されて容器2が落下可能になっている(以下、この開放された部分を開放部20と呼ぶ)さらに、凸部18の外周側に位置する部分22は、凸部18よりも低く凹部である収容部16よりは高い中間の高さを有する中間高さ部になっている。
【0015】
収容部16は、この装置で処理される容器2の本体部2aの直径よりも大きく、かつ、本体部2aの長さ(容器2を立てたときの高さ)よりも狭い円周方向の幅を有している。従って、容器2は、収容部16内に縦方向を向けて(容器2の上下を半径方向に向けて)収容され、横方向には入らないようになっている。また、収容部16の半径方向の長さは、容器2の本体部2aの長さよりも長く、容器2のキャップ2bを含んだ全長(容器2全体の高さ)よりも短くなっている。さらに、収容部16の半径方向外方側に設けられている開放部20は、前記収容部16とほぼ同じ円周方向の幅および半径方向の長さを有している。
【0016】
前記回転体4は、外周側に設けられた環状の容器整列部14が水平に配置され、中央部の容器貯留部12は中心部が盛り上がった形状をしており、この貯留部12の、収容部16へ容器2を押し込む位置(容器押し込み位置A)付近が最も高く、回転軸10を中心とする対称位置B(後に説明するようにこの位置が収容部16から容器2を押し出す押し出し位置になっている)が最も低くなっている。容器貯留部12は、その外周縁が、容器押し込み位置Aの前後で収容部16よりも高く凸部18よりも低い状態にある。また、容器押し込み位置Aで最も高く対称位置Bでは最も低く、この対称位置Bでは収容部16よりも低くなっている。さらに、容器貯留部12は、この状態を維持するように、中心軸が傾斜した状態で、回転体4と同じ方向へ、回転体4よりも若干速いスピードで回転する。
【0017】
前記貯留部12の押し込み位置A付近の上方に、吹き出し口を収容部16へ向けてエアブローノズル(以下、第1エアブローノズル24と呼ぶ)が配置されている。この第1エアブローノズル24から貯留部12上の容器2にエアを吹き付けることによって、その容器2を貯留部12から収容部16へ押し込むようになっている。この第1エアブローノズル24が設けられている位置から所定角度回転する間に、容器2が収容部16内に完全に挿入される。押し込み位置Aの前後の所定角度範囲以降では、容器貯留部12の外周縁の高さが収容部16よりも低くなり、容器2を押し込むことはできない。押し込み位置A前後の回転範囲が、請求項1の所定回転範囲に相当する。
【0018】
回転体4の外周側の容器整列部14には、内周部と外周部との間(正確には内周側の収容部16および凸部18と、外周側の開放部20および中間高さ部22との間)に、容器収容部16へ容器2を押し込む押し込み位置Aよりもやや上流側から約半周に渡って円弧状のガイド部材(以下、第1円弧状ガイド26と呼ぶ)が設けられている(第1円弧状ガイド26の上流端を符号26aで、下流端を符号26bで示す)。この第1円弧状ガイド26は、収容部16に収容された容器2のキャップ2bまたは底面2cが当接し、容器2のほぼ全体が収容部16内に収容された状態で回転搬送されるように容器2をガイドするようになっている。前記押し込み位置Aから所定回転範囲の間に、第1エアブローノズル24によって貯留部12から収容部16に押し込まれた容器1は、収容部16の外側に形成されている開放部20の位置まで到達しないようにこの第1円弧状ガイド26によってガイドされる。この第1円弧状ガイド26は、凸部18の外周側の、中間高さ部22の上に位置している。
【0019】
前記容器整列部14の内周部(収容部16と凸部18)と外周部(開放部18と中間高さ部20)との間に配置された円弧状ガイド26の終端部26b付近から下流側に向けて第2の円弧状ガイド28が配置されている(第2円弧状ガイド28の上流端を符号28aで、下流端を符号28bで示す)。この第2円弧状ガイド28は、各凸部18の外周側に設けられている中間高さ部22の外周に位置している。第2円弧状ガイド28は、容器2のキャップ2b側がこの円弧状ガイド28方向を向いているときには、先端の本体部2aより小径のキャップ2b部分が入り込む隙間(図示せず)が設けられている。また、容器2の底面2cは、この第2円弧状ガイド28の内面に当たってガイドされる。この実施例では、容器収容部16の外周側端部と第2円弧状ガイド28との距離が、容器2の本体部2aの長さ(容器2を立てたときの高さ)よりもやや大きくなっており、キャップ2bが回転体4の中心方向を向いているときには、容器2の底面2cが第2円弧状ガイド28に当たるとともに、本体部2aは全体が開放部20の上方に位置しており、キャップ2bは収容部16の上方に位置する。また、逆に、キャップ2b側が第2円弧状ガイド28の方向を向いている時には、キャップ2bが第2円弧状ガイド28内に入り込むとともに、底面2cは、収容部16を外れて開放部20の上方に位置するようになっている。
【0020】
第2円弧状ガイド28の上流端28a付近から、下流端28bを過ぎたやや下流側に至るまで、回転体4の容器整列部14の下方(少なくとも収容部16の外方側に形成されている開放部20の下方)を支持する固定プレート30が配置されている。この固定プレート30の、第2円弧状ガイド28の下流端28bを過ぎた直後の位置に、容器落下用の孔30aが形成されている。この容器落下用の孔30aは、半径方向の長さが容器2の長さよりも短く、開放部20と中間高さ部22の円周方向の幅を合わせた長さに亘って、固定プレート30の下流端を切り欠いて形成されている。このような形状としたことにより、容器2が開放部20上に位置して固定プレート30に支持されて搬送され、この容器落下用の孔30aに到達したときには、キャップ2bが収容部16または固定プレート30の孔30aの外周側に係合し、容器2の本体部2aが先に落下して容器2が起立するようになっている。この容器2の落下位置Cが、請求項に記載した所定回転位置である。
【0021】
第2円弧状ガイド28の上流端28a付近の、貯留部12の上方に、吹き出し口を収容部16方向に向けた第2エアブローノズル32が配置されている。前記第1エアブローノズル24によって貯留部12から収容部16内に押し込まれて第1円弧状ガイド26にガイドされて回転搬送されてきた容器2は、第1円弧状ガイド26の下流端26bを通過した後にこの第2エアブローノズル32によってエアを吹き付けられると、収容部16からさらに半径方向外方へ向けて押し出されて開放部20の上方へ移動する。第2エアブローノズル32によって収容部16内の容器2が開放部20側へ押し出される位置が前記容器押し出し位置Bである。キャップ2bを半径方向外方側に向けて収容部16に載っていた容器2は、本体部2aが収容部16の外周側の開放部20上に載り、キャップ2bが第2円弧状ガイド28の図示しない隙間に入り込む位置まで押し込まれる。また、底面2cを半径方向外方側に向けて収容部16に乗っていた容器2は、底面2cが第2円弧状ガイド28に当接し本体部2aが開放部20上に載り、キャップ2bが収容部16上に載った状態になる位置まで押し込まれる。
【0022】
前記回転体4の下方に、この回転体4から落下してきた容器2を収容するキャリア6を搬送する回転移動手段8が配置されている(図2参照)。この回転移動手段8は、前記上方の回転体4と同一の軸線を中心に回転する円板の外周部に円周方向等間隔で複数の係合部42が形成されており、下方の固定プレート41に載ったキャリア6を前記係合部42によって押圧することにより回転移動させる。この係合部42の回転方向前方側がキャリア保持部40になっている。各キャリア保持部40は、前記回転体4の最も外周側に形成されている開放部20および中間高さ部22と同一円周上に位置しており、上方の回転体4の各容器収容部16と上下の位置が一致している。キャリア6の搬送時には、回転方向後方側の係合部42によって位置決めをされつつ搬送され、上方から落下してきた容器2が確実にキャリア6内に収納されるようになっている。
【0023】
前記キャリア6を回転搬送する回転移動手段8には、キャリア供給手段44およびキャリア排出手段46が接続されている。キャリア供給手段44は、多数のキャリア6を連続して搬送する供給コンベヤ48と、この供給コンベヤ48の下流側の側部に配置され、連続して搬送されてきたキャリア6を一定の間隔に切り離して前記回転移動手段8の各キャリア保持部40に1個ずつ供給するスクリュー装置50を備えている。この実施例では、スクリュー装置50は2本のスクリュー(第1スクリュー52と第2スクリュー54)を直列に接続した配置になっており、それぞれ別々のモータ56、58によって独立して回転停止できるようになっている。供給コンベヤ48から回転移動手段8への受け渡し位置Dには傾斜ガイド60(以下、第1傾斜ガイドと呼ぶ)が設けられており、供給コンベヤ48によって搬送されてきたキャリア6を回転移動手段8上に乗り移らせるようになっている。前記モータ56、58はサーボモータであり、回転移動手段8と同期するように制御され、回転移動手段8に備えたエンコーダのパルス信号を基に、キャリア保持部40が1つ分移動するタイミングでキャリア6を供給するようにしている。
【0024】
また、キャリア排出手段46の排出コンベヤ62は、回転移動手段8の前記供給コンベヤ48からほぼ180度ずれた位置に接続されており、供給コンベヤ48と平行して配置されている。この排出コンベヤ62の上流端のキャリア排出位置Eには、回転移動手段8の各キャリア保持部40によって回転搬送されてきたキャリア6を排出コンベヤ62上に載り移らせる第2傾斜ガイド64が配置されている。
【0025】
上方の回転体4の、第1円弧状ガイド26の下流端26bよりもやや上流側の、収容部16が通過する円周上に、容器2の有無を検出する容器検出センサ66が設けられている。このセンサ66の検出信号は制御手段68(図2参照)に入力され、この制御手段68が前記キャリア供給手段44に設けられているスクリュー装置50の作動を制御する。制御手段68は、容器検出センサ66が収容部16に容器2が収容されていないことを検出すると、下方の回転移動手段8のキャリア保持部40の、この空の収容部16と対応する位置にキャリア6を供給しないようにスクリュー装置50の作動を制御する。この実施例では、スクリュー装置50が2本の直列に配置された第1および第2スクリュー52、54を備えており、1箇所の収容部16が空であることが検出された場合には、この空の収容部16に対応するキャリア保持部40に供給されるキャリア6が第2スクリュー54の先頭(図2に符号6Aで示すキャリア参照)まで搬送されてきた時点で、この第2スクリュー54を、第1スクリュー52が1ピッチ回転する間回転を停止させる。その結果、スクリュー装置50から回転移動手段8の各キャリア保持部40に順次1個ずつ受け渡されるキャリア6が、前記のように上方で空となっている収容部16の下方の対応位置にあるキャリア保持部40には供給されない。なお、前記容器検出センサ66は、光学式、接触式、静電容量式等各種タイプのものが使用可能であり、物体の有無を検出できるものであればよい。また、容器検出手段としての容器検出センサ66は、容器落下用の孔30aから所定のタイミングで容器2が落下されないことを検出できるように、押し込み位置A前後の所定回転範囲以降、容器2の落下位置Cとなる所定回転位置までの間に配置されており、第1円弧状ガイド26の下流端26bまでの間は収容部16の上方に配置されるが、第2円弧状ガイド28の上流端28aから下流端28bの間では、開放部20が通過する円周上(容器落下用の孔30aまでの固定プレート30上)に配置される。
【0026】
以下、前記構成の容器整列供給装置の作動について説明する。上方に設置された回転体4には、中央の容器貯留部12に容器2がランダムに投入される。内周側の貯留部12は外周側の環状の容器整列部14よりもやや速い速度で同一方向に回転する。貯留部12から容器整列部14の収容部16に容器2を押し込む押し込み位置Aには、貯留部12の上方に第1のエアブローノズル24が配置されており、貯留部12の容器2に吹き付けてこの容器2を収容部16に押し込む。押し込み位置A付近では容器貯留部12が収容部16よりも高くなっており、収容部16にスムーズに収容される。この収容部12のサイズは、幅(円周方向の幅)は容器2が縦方向には挿入可能であるが横方向には挿入できないサイズであり、長さ(半径方向の長さ)は容器2の本体部2aは収容されるがキャップ2bを含めた全体は入らないサイズであり、容器2は、キャップ2bを半径方向外方に向け、または底面2cを半径方向外方に向けたいずれかの姿勢で収容部16内に押し込まれる。押し込み位置Aから下流側に向けて第1円弧状ガイド26が設けられており、収容部16内に押し込まれた容器2は底面2cまたはキャップ2bの天面をこの第1円弧状ガイド26に案内されて回転搬送される。
【0027】
回転体4の回転によって回転移動している収容部16が容器検出センサ66の位置に到達すると、このセンサ66によって容器2の有無が検出される。容器検出センサ66の位置を通過した容器2は、第1円弧状ガイド26の下流端26bを通過すると、押し出し位置Bに設けられている第2エアブローノズル32によってエアを吹き付けられて、収容部16から外周側の開放部20方向へ押し出される。キャップ2bを半径方向外方側に向けて収容部16内に収容されていた容器2は、本体部2aが開放部20内に位置するとともに、キャップ2bを第2円弧状ガイド28の図示しない隙間から半径方向外方側へ突出させた状態で、固定プレート30上に載って搬送される。また、底面2cを半径方向外方側に向けて収容部16内に収容されていた容器2は、本体部2aが開放部20内に位置するとともに、キャップ2bを収容部16側に載せた状態で回転搬送される。
【0028】
固定プレート30上に載り、第2円弧状ガイド28によってキャップ2bまたは底面2cを案内されて回転搬送されてきた容器2が、第2円弧状ガイド28の下流端28bを通過すると、容器落下位置Cに落下用の孔30aが設けられており、容器2はこの落下用の孔30aから落下する。キャップ2bを外周側に向けて搬送されていた容器2は、キャップ2bが、固定プレート30の落下用の孔30aの外側の部分に係合しているので、底面2c側から落下して直立した状態になる。また、底面2cを外周側に向けて搬送されていた容器2は、キャップ2bが収容部16の外周端に係合しているので、半径方向外方側を向いていた底部から先に落下して直立した状態になる。
【0029】
容器2を整列させて落下させる上方の回転体4と同期して、その下方を回転移動手段8が回転している。この回転移動手段8には、キャリア供給手段44の供給コンベヤ48によって連続的に搬送されてきたキャリア6が、スクリュー装置50によって所定の間隔に切り離されて順次供給される。所定の間隔をあけられたキャリア6は、キャリア供給位置Dに回転移動してきた保持部40に受け渡されて回転移動する。回転移動手段8に供給されたキャリア6が、容器落下位置Cに来ると、上方の固定プレート30に設けられている容器落下用の孔30aから直立した姿勢で落下してきた容器2がこのキャリア6内に収納される。
【0030】
容器2が収納されたキャリア6は、回転移動手段8の回転によってキャリア排出位置Eに到達すると、キャリア保持部40から第2の傾斜ガイド64に案内されて排出コンベヤ62上に乗り移り排出される。
【0031】
また、上方の回転体4の、容器2を収容して搬送している収容部16が、容器検出センサ66の位置に到達して、このセンサ66によって容器2の有無が検出された際に、収容部16に容器2が存在しなかった場合には、このセンサ66からの入力信号に応じて制御手段68が第2スクリュー54の回転を制御する。このときには、前記上方の収容部16と対応する下方のキャリア保持部40に供給されるキャリア6が第2スクリュー54の先頭に到達した時点で、この第2スクリュー54の運転を一時停止させる。その間第1スクリュー52は回転を継続しており、1ピッチ分つまりキャリア1個を搬送する距離だけ回転した後、前記第2スクリュー54の運転を再開する。すると、スクリュー装置50によって搬送されているキャリア6は、キャリア1個分の間隔をあけて、スクリュー装置50から回転移動手段8の各キャリア保持部40に供給される。また、連続して2個以上の収容部16に容器2が存在しないことが検出された場合には、その個数に対応するピッチだけ第1スクリュー52が回転する間、第2スクリュー54の回転を停止させる。このように第2スクリュー54を停止させてストッパとして機能させることにより、上方の収容部16に容器2が存在しない場合には、その下方の対応するキャリア保持部40にキャリア6を供給しないようにすることができる。なお、この実施例では、スクリュー装置50の第2スクリュー54を一時停止させてストッパとしての機能を持たせたが、このようなスクリュー装置に限るものではなく、その他のストッパを用いてもよい。
【符号の説明】
【0032】
2 容器
4 回転体
6 キャリア
8 回転移動手段
12 貯留部
16 収容部
44 キャリア供給手段
66 容器検出手段
68 作動制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を貯留する貯留部の周囲に、容器を1本ずつ収容する収容部が複数設けられた回転体と、前記回転体の下方に配置され、起立した状態で容器を支持するキャリアを前記回転体と同方向に移動させる回転移動手段とを備え、前記回転体の所定回転範囲で、前記貯留部から各収容部に容器を収容させた後、所定回転位置で、前記収容部から起立状態で容器を落下させて前記キャリア内に収納させる容器整列供給装置において、
前記回転移動手段にキャリアを供給するキャリア供給手段と、前記回転体の前記所定回転範囲以降、前記所定回転位置までの間で収容部の容器の有無を検出する容器検出手段と、前記容器検出手段の検出信号が入力されるとともに、前記キャリア供給手段の作動を制御する作動制御手段とを備え、
前記作動制御手段は、容器検出手段からの入力信号に基づき空の収容部を認識すると、キャリア供給手段の供給動作を一時中断して、前記所定回転位置に到達する空の収容部の下方にキャリアを供給しないことを特徴とする容器整列供給装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−246117(P2012−246117A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120621(P2011−120621)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000253019)澁谷工業株式会社 (503)
【Fターム(参考)】