説明

容器詰飲料

【課題】 近年、容器詰飲料に関しては、量販店等で長期保管されると変色が起こり、商品価値を低下させるという問題がある。本発明では、容器詰飲料の保存中の変色を抑制する素材を提供する事を目的とする。
【解決手段】 (a)総カテキン中のエピガロカテキンガレートが50重量%以上であり、かつエピガロカテキンガレートが、ガレート体カテキン中の80重量%以上(b)茶抽出物中のシュウ酸が0.0050重量%以下、(c)茶抽出物中のカフェインが1.0重量%以下、(d)シュウ酸/総カテキンが0.002以下であり、カフェイン/総カテキンが0.015以下である事を特徴とする茶抽出物を含有する飲食品用変色防止剤を添加する事で容器詰飲料中の保存中の変色を抑制し、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は特定の茶抽出物を含有する飲食品用変色防止剤、及び、飲食品用変色防止剤を含有し色調変化の抑制された容器詰飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、容器詰飲料に関しては、量販店等で長期保管されると、変色、退色が起こり、商品価値を低下させるという問題がある。このような問題を解決するため、飲食品の変色防止剤として天然物のビタミンC、E等が使用されるようになってきたが、ビタミンC、E等の食品に対する変色防止効果は必ずしも十分とはいえないものであった。そこで、十分効果があり、ビタミンC、E等のような安全性の高い変色防止剤の開発が望まれているという現状にある。
【0003】
これらの変色防止剤に変わるものとして、緑茶抽出物を使用する方法(例えば、特許文献1参照)や、緑茶抽出物とアルミニウムイオン、珪素イオンを含有する緑茶飲料(例えば、特許文献2参照)が知られている。
【0004】
しかし、従来使用されている緑茶抽出物については、カテキン以外の物質が保存中に変化を起こし、沈殿等を発生させる為、飲料に添加した場合は、商品価値を損ない、保存中の色調変化についても抑制するものではなかった。また、緑茶抽出物、アルミニウムイオン、珪素イオンを含有する緑茶飲料についても沈殿等は防げるが、色調変化を抑制するのには十分な効果はなかった。
【0005】
また、飲食品の変色防止剤には色素が使用される場合が多く、食品を特徴づけるものであるが、加工、流通及び保存中の各要因において経時劣化しやすいものである。色素の劣化要因はさまざまであり、殺菌等の加工工程や、飲食品の流通、保管、販売等の各段階において、光、熱、酸素等の影響を受け著しく変色し品質の低下を引き起こす。さらに、近年の透明、又は半透明プラスチック容器入り飲料や、透明袋入り食品の普及、コンビニエンスストアのショーケースにおける販売等により飲食品が光にさらされる機会は急激に増え、光による色素の退色が起こりやすい状況となっている。また、プラスチック容器入り飲食品のホット販売等、酸素透過性の高い容器による高温販売によって、熱、酸素等の影響も受けやすい状況となっている。
【0006】
これを解決するために、短時間での殺菌、低温での流通、UV吸収能を持つ機能性容器の開発、酸化防止剤の添加等様々な対策が検討され、その中でも酸化防止剤の添加としては古くから合成品であるジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、エリソルビン酸及びその誘導体が添加されてきた。しかし、近年、これらの合成の酸化防止剤は健康に好ましくない影響を与える事が指摘され、敬遠されるようになった。そこで、これら合成の酸化防止剤に代わる各種天然抗酸化剤を単独で又は併用して使用する方法が知られている。例えば、クロロゲン酸、カフェー酸、フェルラ酸等のポリフェノール(クロロゲン酸類)を有効成分とするクチナシ黄色色素の退色防止剤(例えば、特許文献3参照)、ヤマモモ科植物を含む色素の安定化法(例えば、特許文献4参照)、南天の葉の抽出エキスを有効成分とするアントシアニン系色素及び/又はカロテノイド系色素の退色防止剤(例えば、特許文献5参照)等数多く提案されている。しかし、これらの変色防止剤の多くは、変色防止剤そのものの風味が飲食品に悪影響を与えるという欠点がある。
【0007】
【特許文献1】特開平2004−129668(P1−7)
【特許文献2】特開平2004−159665(P1−12)
【特許文献3】特開平6−93199(P1−5)
【特許文献4】特開平6−234935(P1−5)
【特許文献5】特開平8−224068(P1−5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような従来技術の背景において、本発明の目的は、容器詰飲料の外観・風味を損ねる事がなく、容器詰飲料の保存中における変色を抑制した容器詰飲料を提供する事にある。
【0009】
本発明は、変色防止剤を添加する事で、容器詰飲料の保存中の変色を抑制し、最終製品の品質を向上させる事を目的とした容器詰飲料に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、(a)総カテキン中のエピガロカテキンガレートが50重量%以上であり、かつエピガロカテキンガレートが、ガレート体カテキン中の80重量%以上(b)茶抽出物中のシュウ酸が0.0050重量%以下、(c)茶抽出物中のカフェインが1.0重量%以下、(d)シュウ酸/総カテキンが0.002以下であり、カフェイン/総カテキンが0.015以下である事を特徴とする茶抽出物を含有する飲食品用変色防止剤を添加する事によって、容器詰飲料の保存中における光、熱、酸素等の影響による変色を顕著に抑制し得る事を見出した。また、該変色防止剤にさらにビタミンC又はビタミンCの金属塩を併用する事により、上記変色防止効果をさらに高める事ができる事を見出した。
【発明の効果】
【0011】
本発明によって、容器詰飲料の変色を抑制する事ができ、最終製品の品質及び価値を向上させる事ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
【0013】
本発明の容器詰飲料とは保存中における光、熱、酸素等の影響による変色を顕著に抑制し得る
変色防止剤を含んだものである。
【0014】
本発明に使用される茶抽出物を含有する飲食品用変色防止剤は、植物学的にはツバキ科カメリア属(Camellia sinensis)に属する茶で、製造方法の違いにより、不発酵茶に分類される煎茶、ほうじ茶、かぶせ茶、玉露等から抽出精製されたものである。一方、抽出する際の茶の形状については特に限定されるものではないが、抽出・精製を効率的に得る事を目的として、1mm〜20mmの予備粉砕されたものが好ましい。
【0015】
一般に茶抽出物のカテキンは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートの合計8種となっているが、その成分比率は、植物の種類や品種、産地等にも影響される。また、工業的に精製等の工程により特定の成分比率を上げた製品も市販されている。
【0016】
本発明に使用される変色防止剤は、総カテキン中のエピガロカテキンガレートが50重量%以上であり、かつエピガロカテキンガレートが、ガレート体カテキン中(カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート)の80重量%以上含み、シュウ酸が0.0050重量%以下で、カフェイン1.0重量%以下の条件を満たす茶抽出物であれば、その精製方法等は特に限定はしないが、変色防止剤中の総カテキンが70重量%以上含有するものが好ましく、より好ましくは総カテキン中のエピガロカテキンガレートが50重量%以上含有するものが望ましい。変色防止剤中のエピガロカテキンガレートが特に変色抑制に効果があり、ガレート体中のエピガロカテキンガレートの比率が高いほど有効である。総カテキン中、エピガロカテキンガレートが50重量%未満であると、容器詰飲料の変色抑制効果が低くなる。また、シュウ酸が0.0050重量%を超えると飲料中のカルシウム等と反応して沈殿が起こる可能性があり、カフェインについても1.0重量%を超えると沈殿の原因となる。
【0017】
一方、本発明に使用される変色防止剤の添加時期については特に限定されるものではないが、殺菌前に添加する事が好ましい。
【0018】
変色防止剤の総カテキン、ガレート体カテキン及び、エピガロカテキンガーレート(EGCg)の含量を測定する方法は、特に限定するものではなく、高速液体クロマトグラフィー法等、公知の方法を使用する事ができる。
【0019】
なお、本願発明における総カテキン、ガレート体カテキン及び、エピガロカテキンガレート(EGCg)の測定は次の方法で行った。
試料(茶抽出物)約30mgを秤量し(秤量をWsamとする)、リン酸水溶液で溶解させ、100mLにメスアップ後、0.45μmの親水性PTFEフィルターでろ過する(濃度:約0.3mg/mL)。ろ過液と内部標準溶液を等量ずつ混合し、試料溶液として、高速液体クロマトグラフィーにて測定を行う。検出器は紫外吸収(測定波長280nm)、カラム温度は40℃、移動相はメタノール/水/リン酸:17/83/0.5(v/v/v)、流速0.8ml/minが例示できる。
【0020】
定量法としては、特に限定されるものではないが、例えば、標準溶液を分析し、得られたクロマトグラフから各成分のピーク面積,及び内部標準のピーク面積を測定し、標準溶液の対内部標準比を算出する(Pstd)。その後、試料溶液を分析し、各成分のクロマトグラフのピーク面積(Psam)及び内部標準のピーク面積を測定し、試料溶液の対内部標準比をもとめ(Psam)、次式により各カテキン類の含量(%)と没食子酸の含量を算出する。
各カテキン類の(%)=(Psam/Pstd)×0.2(Wsam/100)×100
【0021】
本発明において用いる変色防止剤中のシュウ酸の測定方法は特に限定されないが、測定感度の観点より高速液体クロマトグラフィーが好ましい。検出器は紫外吸収(測定波長220nm)、カラム温度は40℃、移動相は0.5%リン酸であり、移動相の流速は0.7ml/minで例示できる。
【0022】
変色防止剤中のカフェインを測定するには、特に限定するものではないが、高速液体クロマトグラフィー法等、公知の方法を使用する事ができる。
【0023】
なお、本願発明におけるカフェインの測定は次の方法で行った。
試料(茶抽出物)約30mgを秤量し(秤量をWsamとする)、リン酸水溶液で溶解させ、100mLにメスアップ後、0.45μmの親水性PTFEフィルターでろ過する(濃度:約0.3mg/mL)。ろ過液と内部標準溶液を等量ずつ混合し、試料溶液として、高速液体クロマトグラフィーにて測定を行う。検出器は紫外吸収(測定波長280nm)、カラム温度は40℃、移動相はメタノール/水/リン酸:17/83/0.5(v/v/v)、流速0.8ml/minが例示できる。
また、本発明は、前記変色防止剤を含有する容器詰飲料に、ビタミンC又はビタミンCの金属塩を0.01〜0.05重量%添加する事により、長期保存時や加熱殺菌時の色調変化を更に抑制する事ができる。使用するビタミンCの一般品としては例えばビタミンC(BASF武田ビタミン社製)が挙げられる。
一方、ビタミンCの金属塩としてはビタミンCナトリウムが好ましい。ビタミンCナトリウムの一般品としては、L−ビタミンCナトリウム(BASF武田ビタミン社製)等が挙げられる。
【0024】
本発明の容器詰飲料中には、ビタミンC又はビタミンCの金属塩を0.010〜0.050重量%、好ましくは0.015〜0.045重量%、より好ましくは0.020〜0.040重量%含有する事が好ましい。
【0025】
ビタミンC又はビタミンCの金属塩を0.06重量%以上の配合系では以下のような問題点があげられる。ビタミンCにおいては、0.06重量%を超えると強烈な酸味が出過ぎてしまい風味を損う。また、ビタミンCの金属塩においては、0.06重量%を超えると塩味等が表に出過ぎてしまい好ましくない。
【0026】
本発明の容器詰飲料のpHは、25℃で2.0〜7.0好ましくは2.5〜6.5、特に好ましくは3.0〜5.8とするのがエピガロカテキンガレートを高濃度で含んだ飲料の色調安定性の面で好ましい。このpHは、クエン酸、ビタミンC等で調整し、pH調整剤として特に限定するものはない。
【0027】
本発明の変色防止効果における変色防止剤の添加量は特に限定するものではないが、通常、カテキンとして、0.0002%〜0.01%が好ましい。さらに好ましくは、0.0004%〜0.005%が望ましい。この範囲未満では期待される効果は得られにくい。この範囲を超える濃度の添加では、変色防止剤の色が色調に影響を及ぼす事がある。また、この範囲を越える濃度の添加では、変色防止剤の苦味が出すぎて、最終製品の風味に影響を及ぼす事がある。
【0028】
本発明における変色防止とは、光、酸素、熱等の影響による色素の退色を防止する事である。
以下に実施例及び試験例によって本発明を説明するが、その内容に制限されるものではない。
以下に評価方法を示す。
【実施例】
【0029】
表1に示す組成の試験サンプルを調整し、殺菌(85℃達温)を行い、ペットボトルに充填した。退色防止剤はサンフェノンBG−3(総カテキン含量 88.05重量% 太陽化学株式会社製)を使用した。サンフェノンBG−3の組成を表2に示した。各試験サンプルを冷却後、10000ルクス、20℃で保存し、0、7、14、30日目の色調の状態を、目視検査、及び、色差計を用いて評価した。
【0030】
目視検査については、色調の状態を殺菌直後の冷蔵保管サンプル(0日目)と比較し、色調変化について5段階で評価を行った。検査はパネラー20名で行い、その平均値を評価値とした。
5:変化なし、4:かすかに変化あり、3:わずかに変化あり、2:大きな変化あり、1:多大な変化あり
総合評価
5:良、4:可、3,2,1:不可
結果を表3に示す。
【0031】
色差計による評価については、色差計ZE−2000(日本電色工業株式会社製)にてL,a,b,ΔEの測定を行った。
表色基準;L(明度):0[暗黒色]・・・・・・・100[明白色]
a(色相):(+)[赤]・・・(0)・・・(−)[緑]
b(色相):(+)[黄]・・・(0)・・・(−)[青]
ΔE(色差):(例.7日目の色差を数1に示す。)
【0032】
【数1】

【0033】
評価基準は表4に示した。
総合評価
6:良、5,4:可、3,2,1:不可
結果を表5に示す。
【0034】
【表1】

【0035】
【表2】

【0036】
【表3】

【0037】
【表4】

【0038】
【表5】

【0039】
表3より明らかなように、実施例1〜3の容器詰飲料は、保存中における飲料の変色は抑制された。一方、比較例1〜3の容器詰飲料においては、殺菌直後の冷蔵保管サンプル(0日目)と比較すると、大きく変色していた。
【0040】
表5より明らかなように、実施例1〜3の容器詰飲料は、色調変化の抑制された容器詰飲料であった。一方、比較例1〜3の容器詰飲料においては、殺菌直後の冷蔵保管サンプル(0日目)と比較すると、大きな色調の変化が見られた。
【0041】
表6に示す組成の試験サンプルを調整し、殺菌(85℃達温)を行い、ペットボトルに充填した。比較試験使用の退色防止剤は、カメリアエキス30S(総カテキン含量 23.56重量% 太陽化学株式会社製)を使用した。カメリアエキス30Sの成分を表7に示した。各試験サンプルを冷却後、10000ルクス、20℃で保存し、0、7、14、30、60日目の状態を下記基準により評価した。
◎:沈殿なし、○:微量の沈殿あり、△:わずかに沈殿あり、×:沈殿あり
総合評価
◎:優良、○:良、△:可、×:不可
結果を表8に示す。
【0042】
【表6】

【0043】
【表7】

【0044】
【表8】

【0045】
表8に示すように、変色防止剤のカフェイン/総カテキンが0.015以上で、シュウ酸/総カテキンが0.002以上であると沈殿が発生しやすくなる事が明らかである。
【0046】
表9に示す組成の試験サンプルを調整し、殺菌(85℃達温)を行い、ペットボトルに充填した。比較試験使用の退色防止剤は、カメリアエキス90S(総カテキン含量 77.39重量% 太陽化学株式会社製)を使用した。カメリアエキス90Sの成分を表10に示した。各試験サンプルを冷却後、10000ルクス、20℃で保存し、0、7、14、30、60日目の状態を下記基準により評価した。
◎:沈殿なし、○:微量の沈殿あり、△:わずかに沈殿あり、×:沈殿あり
総合評価
◎:優良、○:良、△:可、×:不可
結果を表11に示す。
【0047】
【表9】

【0048】
【表10】

【0049】
【表11】

【0050】
表11に示すように、変色防止剤のカフェイン/総カテキンが0.015以上であると沈殿が発生しやすくなる事が明らかである。
【0051】
表12に示す組成の試験サンプルを調整し、殺菌(85℃達温)を行い、ペットボトルに充填した。比較試験使用の退色防止剤は、カメリアエキスDCF(総カテキン含量 26.40重量% 太陽化学株式会社製)を使用した。カメリアエキスDCFの成分を表13に示した。各試験サンプルを冷却後、10000ルクス、20℃で保存し、0、7、14、30、60日目の状態を下記基準により評価した。
◎:沈殿なし、○:微量の沈殿あり、△:わずかに沈殿あり、×:沈殿あり
総合評価
◎:優良、○:良、△:可、×:不可
結果を表14に示す。
【0052】
【表12】

【0053】
【表13】

【0054】
【表14】

【0055】
表14に示すように、変色防止剤のシュウ酸/総カテキンが0.002以上であると沈殿が発生しやすくなる事が明らかである。
【0056】
表15に示す組成の試験サンプルを調整し、殺菌(85℃達温)を行い、ペットボトルに充填した。退色防止剤はサンフェノンBG−3(総カテキン含量 88.05重量% 太陽化学株式会社製)を使用した。サンフェノンBG−3の組成を表16に示した。各試験サンプルを冷却後、10000ルクス、20℃で保存し、0、7、14、30日目の色調の状態を、目視検査により評価した。
【0057】
目視検査については、色調の状態を殺菌直後の冷蔵保管サンプル(0日目)と比較し、色調変化について5段階で評価を行った。検査はパネラー20名で行い、その平均値を評価値とした。
5:変化なし、4:かすかに変化あり、3:わずかに変化あり、2:大きな変化あり、
1:多大な変化あり
総合評価
5:良、4:可、3,2,1:不可
結果を表17に示す。
【0058】
【表15】

【0059】
【表16】

【0060】
【表17】

【0061】
表17より明らかなように、実施例1〜3の容器詰飲料は、保存中における飲料の変色は抑制された。一方、比較例10、11の容器詰飲料においては、殺菌直後の冷蔵保管サンプル(0日目)と比較すると、大きく変色していた。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本願発明の飲食品用変色防止剤を含有する事で、容器詰飲料の保存中の変色を抑制し、最終製品の品質を向上させる事ができる容器詰飲料を、広く食品分野に提供するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の(a)〜(d)の条件を満たす茶抽出物を含有する飲食品用変色防止剤。
(a)総カテキン中のエピガロカテキンガレートが50重量%以上であり、かつエピガロカテキンガレートが、ガレート体カテキン中の80重量%以上
(b)茶抽出物中のシュウ酸が0.0050重量%以下
(c)茶抽出物中のカフェインが1.0重量%以下
(d)シュウ酸/総カテキンが0.002以下であり、カフェイン/総カテキンが0.015以下
【請求項2】
請求項1記載の飲食品用変色防止剤を0.0005〜0.005重量%含む容器詰飲料。
【請求項3】
請求項1記載の飲食品用変色防止剤を添加する工程を有することを特徴とする容器詰飲料の変色防止方法。

【公開番号】特開2009−213369(P2009−213369A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−57993(P2008−57993)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(000204181)太陽化学株式会社 (244)
【Fターム(参考)】