容量性負荷駆動回路および表示装置
【課題】負荷の大容量化と駆動の高速化に対応してさらなる低消費電力化が可能な容量性負荷駆動回路を提供する。
【解決手段】第1基準電位点を、第1スイッチS1を介して負荷容量に接続し、かつ、第2基準電位点を、第2スイッチS2を介して負荷容量に接続して該負荷容量を駆動する容量性負荷駆動回路において、第1基準電位点の電位と第2基準電位点の電位との間の電位を有する第3基準電位点を、第3スイッチS3を介して共振用のコイルLの一端に接続するとともに、第3基準電位点の電位と第2基準電位点の電位との間の電位を有する第4基準電位点を、第4スイッチS4を介してコイルの一端に接続し、コイルの他端を負荷容量CLに接続した。
【解決手段】第1基準電位点を、第1スイッチS1を介して負荷容量に接続し、かつ、第2基準電位点を、第2スイッチS2を介して負荷容量に接続して該負荷容量を駆動する容量性負荷駆動回路において、第1基準電位点の電位と第2基準電位点の電位との間の電位を有する第3基準電位点を、第3スイッチS3を介して共振用のコイルLの一端に接続するとともに、第3基準電位点の電位と第2基準電位点の電位との間の電位を有する第4基準電位点を、第4スイッチS4を介してコイルの一端に接続し、コイルの他端を負荷容量CLに接続した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容量性負荷駆動回路および表示装置に関し、特にプラズマディスプレイやELディスプレイなどといった電子ディスプレイを駆動する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、負荷容量とコイルとの共振を用いて消費電力を低減する電力回収回路を用いた表示パネル駆動回路が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に開示された技術は、容量性負荷となる表示パネルの電極を高圧パルスで駆動する際に、駆動回路で消費される大電力を低減する技術である。
【0003】
図11は、この表示パネル駆動回路に用いられる電力回収回路の構成を示す回路図である。この電力回収回路は、出力電圧Voおよび出力電流Io2を発生して負荷容量CLに供給する。この電力回収回路は、電源電圧Vaを負荷容量CLに供給するかどうかを切り替える第1スイッチS1、負荷容量CLを接地電圧(0V)に接続するかどうかを切り替える第2スイッチS2、共振用のコイルL、電圧Va/2を、コイルLを介して負荷容量CLに供給するかどうかを切り替える第3スイッチS3を備えている。電力回収回路のコイルLと負荷容量CLとは直列に接続されることによってLC共振回路を形成している。
【0004】
この電力回収回路では、まず、第3スイッチS3がオンされる。これにより、出力電圧Voは、図12(a)に示すように、コイルLと負荷容量CLとが共振して漸増し、立ち上がり時間trで電源電圧Vaに達する。また、出力電流Io2は、図12(b)に示すように、ピーク電流Ip2の振幅を有し、立ち上がり時間trを半周期とする正弦波となる。
【0005】
出力電圧Voが電源電圧Vaに達すると第3スイッチS3がオフされるとともに第1スイッチS1がオンされる。これにより、出力電圧Voは電源電圧Vaを維持し、出力電流Io2は、ゼロを維持する。
【0006】
その後、駆動パルス幅に対応する時間が経過すると、第1スイッチS1がオフしてから第3スイッチS3がオンされる。これにより、出力電圧Voは、図12(a)に示すように、コイルLと負荷容量CLとが共振して漸減し、立ち下がり時間tfで接地電圧(0V)に達する。また、出力電流Io2は、図12(b)に示すように、ピーク電流−Ip2の振幅を有し、立ち下がり時間tfを半周期とする正弦波となる。出力電圧Voが接地電圧に達すると、第3スイッチS3がオフされるとともに第2スイッチS2がオンされる。これにより、負荷容量CLに蓄えられた全電荷が放電される。
【0007】
ここで、ピーク電流Ip2、出力電流Io2および第3スイッチS3における消費電力Pd2は、下記(1)式〜(3)式でそれぞれ表すことができる。
【数1】
【0008】
ここで、Wpd2は出力電圧Voの立ち上がり時の消費電力量、Rは第3スイッチS3の抵抗である。また、立ち上がり時間trと立ち下がり時間tfは等しいものと見なしている。
【0009】
以上のように、電力回収回路は、コイルLと負荷容量CLとを共振させて電圧を立ち上げ/立ち下げることによって、駆動用のスイッチ(第1スイッチS1および第2スイッチS2に対応)で消費されていた電力を抑えることができる。すなわち、負荷容量に充電されていたエネルギーが全て駆動用のスイッチで消費されていたが、共振を用いることにより、エネルギーは、消費されることなくコイルLと負荷容量CLとの間を行き来することになる。
【0010】
従って、電流による電力損失がなければ原理的には電源からのエネルギー供給も不要となり、消費電力を大幅に低減できる。そのため、電力回収回路は現状のプラズマテレビのほとんどに採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平9−325732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上述した従来の電力回収回路を用いた場合でも、駆動用のスイッチに流れる電流は正弦波状に増減しているので、その消費電力は最低レベルまでは低減できていない。最近のフラットパネルテレビの大画面高精細化によって、駆動回路の負荷容量はますます大容量化し、駆動速度も高速化しており、駆動回路のさらなる低消費電力化が必須となっている。
【0013】
また、現在開発が進められている現行のハイビジョン映像の16倍の画素数を有するスーパーハイビジョンの映像の表示も必要となるため、駆動回路を究極レベルまで高効率化する必要がある。
【0014】
プラズマ表示パネルを大画面高精細化した場合には、その駆動回路の負荷容量はさらに大きくなる上に高速なパルス電圧の印加が必要となり、電力回収回路の共振周期の大幅な短縮が必要となる。負荷容量の増加と共振周期の短縮に対応すべく、共振用のインダクタを大幅に低くすると、共振で蓄積されるエネルギーに対する回路損失エネルギーの比であるQ値が激減して消費電力の低減効果が著しく損なわれるので、電力回収回路の適用が困難になっている。
【0015】
本発明の課題は、負荷の大容量化と駆動の高速化に対応してさらなる低消費電力化が可能な容量性負荷駆動回路および表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、本発明は、第1基準電位点を、第1スイッチを介して負荷容量に接続し、かつ、第2基準電位点を、2スイッチを介して負荷容量に接続して該負荷容量を駆動する容量性負荷駆動回路において、第1基準電位点の電位と第2基準電位点の電位との間の電位を有する第3基準電位点を、第3スイッチを介して共振用のコイルの一端に接続するとともに、第3基準電位点の電位と第2基準電位点の電位との間の電位を有する第4基準電位点を、第4スイッチを介してコイルの一端に接続し、コイルの他端を負荷容量に接続したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、容量性負荷駆動回路の消費電力を物理的な最低レベルまで低減することができる。また、容量性負荷駆動回路の消費電力を低減することによって、駆動素子を安価な小形品に代替できるのみでなく、放熱に要していた放熱フィンを削除したり、基板面積と回路容積を減らしたりすることができる。その結果、製品の小形低価格化を推進できる。
【0018】
また、本発明を用いることにより、従来は民生品レベルでは実現できなかったスーパーハイビジョン表示もできるテレビの開発が可能となる。
【0019】
さらに、本発明はプラズマディスプレイやELディスプレイなどの電子デバイスのみならず、コンピュータ回路や通信回路などの容量性負荷を駆動する一般の高速回路の小形低電力化にも活用でき、地球の資源枯渇・温暖化などの環境問題の対策にも貢献できる。また、駆動電流に起因した回路からの高周波ノイズの発生も抑えることができるので、情報化社会への適合性が極めて高い。このように、本発明の工業上・社会上の効果は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の考え方の基にした理想的な断熱充電回路の構成を示す図である。
【図2】図1に示す断熱充電回路の出力電圧および出力電流の波形を示す図である。
【図3】本発明の実施例1に係る容量性負荷駆動回路の構成を示す回路図である。
【図4】図1に示す容量性負荷駆動回路の出力電圧および出力電流の波形を示す図である。
【図5】本発明の実施例1に係る容量性負荷駆動回路のWpd4/Wpd2の特性を示す図である。
【図6】本発明の実施例1に係る容量性負荷駆動回路を、具体的な回路素子を使用して実現した回路図である。
【図7】本発明の実施例1の第1変形例に係る容量性負荷駆動回路の構成を示す回路図である。
【図8】図7に示す容量性負荷駆動回路の出力電圧および出力電流の波形を示す図である。
【図9】本発明の実施例1の第2変形例に係る容量性負荷駆動回路の構成を示す回路図である。
【図10】本発明の実施例2に係る容量性負荷駆動回路の構成を示す回路図である。
【図11】従来の電力回収回路の構成を示す回路図である。
【図12】図11に示す電力回収回路の出力電圧および出力電流の波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態の容量性負荷駆動回路を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0022】
背景技術の欄で説明した電力回収回路においては、電源から直接に負荷容量CLを充電する電流を抑制して供給エネルギーを低減することはできても、スイッチに流れる電流によって生じる電力消費は最大限に抑えられていない。しかしながら、スイッチに流れる正弦波電流の実効値をさらに低減して直流電流になるように負荷容量CLの駆動電圧を制御することができれば、エネルギー消費を大幅に低減することができる。
【0023】
負荷容量CLの駆動電流を一定にするか、または、駆動電圧を一定傾斜で変化させることによって、負荷容量CLに蓄えられた電荷を徐々に放電させることができ、これにより充電電荷の移動経路におけるエネルギーの熱的損失を抑えて回路の低電力化を図ることができる。このような回路を断熱充電回路という。
【0024】
図1は、本発明の考え方の基にした理想的な断熱充電回路の構成を示す図である。この断熱充電回路は、出力電圧Voおよび出力電流Io3を発生して負荷容量CLに供給する。この断熱充電回路は、電源電圧Vaを負荷容量CLに供給するかどうかを切り替える第1スイッチS1、負荷容量CLを接地電圧(0V)に接続するかどうかを切り替える第2スイッチS2、定電流源I3からの電流を負荷容量CLに供給するかどうかを切り替える第3スイッチS3、負荷容量CLからの電流を定電流源I4に流すかどうかを切り替える第4スイッチS4を備えている。
【0025】
この断熱充電回路では、まず、第3スイッチS3がオンされる。これにより、出力電圧Voは、図2(a)に示すように、0Vから直線的に漸増し、立ち上がり時間trで電源電圧Vaに達する。また、定電流源I3からの出力電流Io3は、図2(b)に示すように、ピーク電流Ip3まで瞬時に立ち上がり、立ち上がり時間trの間はピーク電流Ip3を維持する方形波となる。
【0026】
出力電圧Voが電源電圧Vaに達すると第3スイッチS3がオフされるとともに第1スイッチS1がオンされる。これにより、出力電圧Voは電源電圧Vaを維持し、出力電流Io3は、ゼロまで瞬時に立ち下がってゼロを維持する。
【0027】
その後、駆動パルス幅に対応する時間が経過すると、第1スイッチS1がオフしてから第4スイッチS4がオンされる。或いは、第1スイッチS1がオフされるとともに第4スイッチS4がオンされる。これにより、出力電圧Voは、図2(a)に示すように、立ち下がり時間tfで電源電圧Vaから直線的に接地電圧まで低下する。また、負荷容量CLからの出力電流Io3は、図2(b)に示すように、定電流源I3に流れ込んでピーク電流−Ip3まで瞬時に立ち下がり、立ち上がり時間tfの間はピーク電流−Ip3を維持する方形波となる。そして、出力電圧Voが接地電圧に達すると第4スイッチS4がオフされるとともに第2スイッチS2がオンされる。これにより、負荷容量CLに蓄えられている全ての電荷は放電される。
【0028】
ここで、ピーク電流Ip3と消費電力Pd3は、下記(4)式および(5)式でそれぞれ表すことができる。また、立ち上がり時間trは立ち下がり時間tfと等しいものと見なしている。
【数2】
【0029】
ここで、Wpd3は、出力電圧Voの立ち上がり時の消費電力量であり、従来の電力回収回路におけるWpd2と比較すると、(6)式のようになって、0.81倍に低減されることがわかる。
【数3】
【0030】
図3は、本発明の実施例1に係る容量性負荷駆動回路の構成を示す回路図である。この容量性負荷駆動回路は、2段擬似断熱充電回路として構成されており、出力電圧Voおよび出力電流Io4を発生して負荷容量CLに供給する。この容量性負荷駆動回路は、第1基準電位点の電源電圧Vaを負荷容量CLに供給するかどうかを切り替える第1スイッチS1、負荷容量CLを第2基準電位点に現れる接地電圧(0V)に接続するかどうかを切り替える第2スイッチS2、共振用のコイルL、第3基準電位点の電圧3Va/4を、コイルLを介して負荷容量CLに供給するかどうかを切り替える第3スイッチS3、第4基準電位点の電圧Va/4を、コイルLを介して負荷容量CLに供給するかどうかを切り替える第4スイッチS4を備えている。
【0031】
この容量性負荷駆動回路では、まず、第2スイッチS2がオフされるとともに第4スイッチS4がオンされる。これにより、出力電圧Voは、図4(a)に示すように、コイルLと負荷容量CLとが電圧Va/4を中心に共振することにより漸増し、立ち上がり時間trの半分の時間で電圧Va/2に達する。また、出力電流Io4は、図4(b)に示すように、ピーク電流Ip4の振幅を有し、立ち上がり時間trの半分より若干長い時間を半周期とする正弦波となる。この場合、半周期を「0.61×立ち上がり時間tr」とすることにより第3スイッチS3および第4スイッチS4における損失を最小にすることができる。
【0032】
出力電圧Voが電圧Va/2に達すると第4スイッチS4がオフされると同時に第3スイッチS3がオンされる。厳密には、第4スイッチS4がオフされる前に第3スイッチS3がオンされる(この動作の詳細は後述する)。これにより、出力電圧Voは、図4(a)に示すように、コイルLと負荷容量CLとが電圧3Va/4を中心に共振することにより電圧Va/2から漸増し、立ち上がり時間trの半分の時間で電源電圧Vaに達する。また、出力電流Io4は、図4(b)に示すように、ピーク電流Ip4の振幅を有し、立ち上がり時間trの半分より若干長い時間を半周期とする正弦波となる。この場合、第4スイッチS4がオフされる前に第3スイッチS3がオンされるので、出力電流Io4の波形は、立ち上がり時間trの略中央部分で重なり合ってゼロまでは低下しない形状になる。
【0033】
出力電圧Voが電源電圧Vaに達すると第3スイッチS3がオフされるとともに第1スイッチS1がオンされる。これにより、出力電圧Voは電源電圧Vaを維持し、出力電流Io4は、ゼロまで立ち下がってゼロを維持する。
【0034】
その後、駆動パルス幅に対応する時間が経過すると、第1スイッチS1がオフしてから第3スイッチS3がオンされる。或いは、第1スイッチS1がオフされるとともに第3スイッチS3がオンされる。これにより、出力電圧Voは、図4(a)に示すように、コイルLと負荷容量CLとが電圧3Va/4を中心に共振することにより電源電圧Vaから漸減し、立ち下がり時間tfの半分の時間で電圧Va/2に達する。また、出力電流Io4は、図4(b)に示すように、ピーク電流−Ip4の振幅を有し、立ち下がり時間tfの半分より若干長い時間を半周期とする正弦波となる。この場合、半周期を「0.61×立ち上がり時間tr」とすることにより第3スイッチS3および第4スイッチS4における損失を最小にすることができる。
【0035】
出力電圧Voが電圧Va/2に達すると、第3スイッチS3がオフされると同時に第4スイッチS4がオンされる。厳密には、第3スイッチS3がオフされる前に第4スイッチS4がオンされる(この動作の詳細は後述する)。これにより、出力電圧Voは、図4(a)に示すように、コイルLと負荷容量CLとが電圧Va/4を中心に共振することにより電圧Va/2から漸減し、立ち下がり時間tfの半分の時間で接地電圧に達する。また、出力電流Io4は、図4(b)に示すように、ピーク電流−Ip4の振幅を有し、立ち下がり時間tfの半分より若干長い時間を半周期とする正弦波となる。この場合、第3スイッチS3がオフされる前に第4スイッチS4がオンされるので、出力電流Io4の波形は、立ち下がり時間tfの略中央部分で重なり合ってゼロまで上昇しない形状になる。
【0036】
出力電圧Voが接地電圧に達すると、第4スイッチS4がオフされるとともに第2スイッチS2がオンされる。これにより、負荷容量CLに蓄えられている全ての電荷は放電される。
【0037】
ここで、ピーク電流Ip4と方形波を近似した出力電圧Io4と消費電力Pd4は、下記(7)式および(8)式、(9)式でそれぞれ表すことができる。また、立ち上がり時間trは立ち下がり時間tfと等しいものと見なしている。
【数4】
【0038】
ここで、Wpd4は、出力電圧Voの立ち上がり時の消費電力量であり、共振周期と立ち上がり時間trとの比に相当するkは、下記(10)式によって表すことができる。
【数5】
【0039】
図5は、Wpd4/Wpd2の特性を示す。この図5に示す特性から分かるように、k=0.61の時にWpd4は最小となり、従来の電力回収回路のWpd2と比較すると、下記式(11)式に示すように、0.93倍に低減される。
【数6】
【0040】
図6は、上述した実施例1に係る容量性負荷駆動回路を、具体的な回路素子を使用して実現した回路図である。以下、本発明の特徴の1つである、第3スイッチS3と第4スイッチS4とを同時に切り替えるための構成および動作を中心に説明する。
【0041】
第3スイッチS3は、MOSFETQ2、MOSFETQ3、ダイオードD1およびダイオードD2から構成されている。MOSFETQ2は、第3基準電位点とダイオードD1のアノードとの間に接続され、ダイオードD1のカソードは、コイルLの一端に接続されている。MOSFETQ3は、第3基準電位点とダイオードD2のカソードとの間に接続され、ダイオードD2のアノードは、コイルLの一端に接続されている。
【0042】
第4スイッチS4は、MOSFETQ4、MOSFETQ5、ダイオードD3およびダイオードD4から構成されている。MOSFETQ4は、第4基準電位点とダイオードD3のアノードとの間に接続され、ダイオードD3のカソードは、コイルLの一端に接続されている。MOSFETQ5は、第4基準電位点とダイオードD4のカソードとの間に接続され、ダイオードD4のアノードは、コイルLの一端に接続されている。
【0043】
上記の構成において、第3スイッチS3と第4スイッチS4とを同時に切り替える動作について説明する。まず、第4スイッチS4がオフされると同時に第3スイッチS3がオンされる場合の動作を説明する。この場合、厳密には、第4スイッチS4がオフされる前に第3スイッチS3がオンされる。具体的には、MOSFETQ2がオンになり、MOSFETQ4がオフになる。
【0044】
これにより、ダイオードD1は順バイアスになって第3基準電位点からコイルLへの電流が供給される。また、ダイオードD3は逆バイアスになって第4基準電位点からコイルLへの電流の供給は停止される。すなわち、MOSFETQ2をオンすることによって、MOSFETQ4のゲートを制御してオン/オフを制御するまでもなく、MOSFETQ2に電流が流れ始め、MOSFETQ4に流れる電流は停止される。従って、第4スイッチS4のオフと第3スイッチS3のオンとを正確に同時に行った場合と同様の状態を実現して、コイルLの電流を遮断することなく連続的に流すことができる。
【0045】
次に、第3スイッチS3がオフされると同時に第4スイッチS4がオンされる場合の動作を説明する。この場合、厳密には、第3スイッチS3がオフされる前に第4スイッチS4がオンされる。具体的には、MOSFETQ5がオンになり、MOSFETQ3がオフになる。
【0046】
これにより、ダイオードD4は順バイアスになってコイルLからの電流を回生するが、ダイオードD2は逆バイアスになってコイルLからの電流の回生を停止する。すなわち、MOSFETQ3のゲートを制御してオン/オフを制御するまでもなく、オン制御になったMOSFETQ5に電流が流れ始め、MOSFETQ3に流れる電流は停止される。従って、第3スイッチS3のオフと第4スイッチS4のオンとを正確に同時に行った場合と同様の状態を実現して、コイルLの電流を遮断することなく連続的に流すことができる。
【0047】
また、図6において、各MOSFETQ1〜Q6は、負荷側にドレイン端子を接続したソース接地接続となっている。回路配線や素子の寄生インダクタンスや寄生容量の共振に起因した寄生振動を、スイッチング波形から排除する場合には、これらのMOSFETの少なくとも一素子の極性を換えて(Pチャネル⇔Nチャネル)、ドレインとソースとを入れ換えて、出力インピーダンスの低いドレイン接地接続(ソースフォロワ)として用いることもできる。
【0048】
即ち、スイッチ用MOSFETをドレイン出力(出力インピーダンスの高いソース接地)からソース出力(出力インピーダンスの低いドレイン接地,但し、Pチャネル⇔Nチャネル)に換えると、出力電圧波形の振動が抑えられて電力も低減できる。
以上説明したように、本発明の実施例1に係る容量性負荷駆動回路によれば、消費電力を物理的な最低レベルまで低減することができる。また、容量性負荷駆動回路の消費電力を低減することによって、駆動素子を安価な小形品に代替できるのみでなく、放熱に要していた放熱フィンを削除したり、基板面積と回路容積を減らしたりすことができる。その結果、製品の小形低価格化を推進できる。
【0049】
なお、上述した実施例1に係る容量性負荷駆動回路は、2段擬似断熱充電回路として構成したが、3段擬似断熱充電回路として構成するように変形できる(以下、これを第1変形例という)。
【0050】
図7は、第1変形例に係る容量性負荷駆動回路の構成を示し、図8は、その電圧波形および電流波形を示す。この第1変形例に係る容量性負荷駆動回路の動作は、コイルLと負荷容量CLとが、3種類の電圧Va/6、電圧Va/2および電圧5Va/6を中心に共振して漸増および漸減することを除けば、上述した実施例1に係る容量性負荷駆動回路の動作と同じである。
【0051】
第1変形例に係る容量性負荷駆動回路によれば、出力電圧Voの直線性が良好になり出力電流Ioをさらに方形波に近づけることができるので、図1に示した理想的な断熱充電回路の動作に近づけることができ、消費電力をさらに低減することができる。3段の場合には、共振周期と立ち上がり時間比Kを0.45とすると、消費電力が最小になる。なお、4段以上の擬似断熱充電回路も、上記と同様にして構成することができ、段数が増加するに連れて、消費電力の低減効果は高くなる。
【0052】
また、上述した実施例1に係る容量性負荷駆動回路は、共振用のコイルとして1つのコイルLを用いたが、立ち上げ用および立ち下げ用といった2つのコイルを用いて立ち上がり時間trと立ち下がり時間tfを独立に設定した容量性負荷駆動回路を構成するように変形できる(以下、これを第2変形例という)。図9は、第2変形例に係る容量性負荷駆動回路の構成を示す回路図である。
【0053】
この容量性負荷駆動回路は、電源電圧Vaを負荷容量CLに供給するかどうかを切り替える第1スイッチS1、負荷容量CLを接地電圧(0V)に接続するかどうかを切り替える第2スイッチS2、立ち上げ用の第1コイルL1、立ち下げ用の第2コイルL2、電圧3Va/4を、第1コイルL1を介して負荷容量CLに供給するかどうかを切り替える第3スイッチS3a、電圧Va/4を、第1コイルL1を介して負荷容量CLに供給するかどうかを切り替える第4スイッチS4a、負荷容量CLから第2コイルL2を介して得られる電流を第3基準電位点に回生するかどうかを切り替える第3サブスイッチS3b、および、負荷容量CLから第2コイルL2を介して得られる電流を第4基準電位点に回生するかどうかを切り替える第4サブスイッチS4bを備えている。
【0054】
第2変形例に係る容量性負荷駆動回路の動作は、駆動パルス信号の立ち上げ時には第3スイッチS3a、第4スイッチS4aおよび第1コイルL1が使用され、立ち下げ時には第3サブスイッチS3b、第4サブスイッチS4bおよび第2コイルL2が使用される点を除けば、実施例1に係る容量性負荷駆動回路の動作と同じである。第2変形例に係る容量性負荷駆動回路によれば、立ち上がり時間trと立ち下がり時間tfとを異ならせることができるので、駆動パルス波形の自由度が大幅に向上する。
【0055】
以上説明した実施例1およびその変形例に係る容量性負荷駆動回路は、負荷容量CLを接地電圧(0V)に接続するかどうかを切り替える第2スイッチS2を備えるが、第2スイッチS2は存在しなくても、本発明は成立する(負荷の電庄を少なくとも一つの基準電圧に設定できれば、他のタイミングにおいては任意の電圧になっていても構わない場合がある)。
【0056】
また、図6に示すように、容量性負荷駆動回路の複数の基準電位点のうち、少なくとも1つに直流電源Vaを用い、分圧抵抗R1,R2,R3は削除して、その他の基準電位点は、接地電位点などの定電位点にもう一方の端子を接続したコンデンサC1,C2のみによって構成することができる。制御信号のタイミングが適正であれば、コンデンサに出入りする電荷量が等しくなって、コンデンサの電圧は、自動的に安定値となる。
【0057】
また、実施例1の容量性負荷駆動回路は、プラズマディスプレイやELディスプレイなどといった表示装置を駆動するために使用することができる。
【実施例2】
【0058】
本発明の実施例2に係る容量性負荷駆動回路は、容量性負荷を駆動ICを介して駆動するものである。図10は、実施例2に係る容量性負荷駆動回路の構成を示す回路図である。この容量性負荷駆動回路は、図3に示した実施例1に係る容量性負荷駆動回路の出力端子と接地との間に駆動IC11が接続されて構成されている。
【0059】
駆動IC11は、複数の駆動素子を備えており、各駆動素子は負荷容量CLを駆動する。実施例2に係る容量性負荷駆動回路によれば、例えばプラズマディスプレイのように膨大な数の負荷容量CLを同時に駆動することができる。
【0060】
実施例2においても、駆動IC11に集積化されたスイッチを介して、負荷容量CLに接地電位を出力することができるので、第2スイッチS2は省略することができる。
【0061】
なお、駆動IC11には、第1スイッチS1、第2スイッチS2、第3スイッチS3および第4スイッチS4をも集積するように構成することができる。この構成によれば、容量性負荷駆動回路を安価に作製することができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、プラズマディスプレイやELディスプレイなどといった電子デバイスの駆動に利用可能である。
【符号の説明】
【0063】
S1 第1スイッチ
S2 第2スイッチ
S3、S3a 第3スイッチ
S3b 第3サブスイッチ
S4、S4a 第4スイッチ
S4b 第4サブスイッチ
L、L1、L2 コイル
CL 負荷容量
D1〜D4 ダイオード
Q1〜Q6 MOSFET
Va 電源電圧
11 駆動IC
【技術分野】
【0001】
本発明は、容量性負荷駆動回路および表示装置に関し、特にプラズマディスプレイやELディスプレイなどといった電子ディスプレイを駆動する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、負荷容量とコイルとの共振を用いて消費電力を低減する電力回収回路を用いた表示パネル駆動回路が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に開示された技術は、容量性負荷となる表示パネルの電極を高圧パルスで駆動する際に、駆動回路で消費される大電力を低減する技術である。
【0003】
図11は、この表示パネル駆動回路に用いられる電力回収回路の構成を示す回路図である。この電力回収回路は、出力電圧Voおよび出力電流Io2を発生して負荷容量CLに供給する。この電力回収回路は、電源電圧Vaを負荷容量CLに供給するかどうかを切り替える第1スイッチS1、負荷容量CLを接地電圧(0V)に接続するかどうかを切り替える第2スイッチS2、共振用のコイルL、電圧Va/2を、コイルLを介して負荷容量CLに供給するかどうかを切り替える第3スイッチS3を備えている。電力回収回路のコイルLと負荷容量CLとは直列に接続されることによってLC共振回路を形成している。
【0004】
この電力回収回路では、まず、第3スイッチS3がオンされる。これにより、出力電圧Voは、図12(a)に示すように、コイルLと負荷容量CLとが共振して漸増し、立ち上がり時間trで電源電圧Vaに達する。また、出力電流Io2は、図12(b)に示すように、ピーク電流Ip2の振幅を有し、立ち上がり時間trを半周期とする正弦波となる。
【0005】
出力電圧Voが電源電圧Vaに達すると第3スイッチS3がオフされるとともに第1スイッチS1がオンされる。これにより、出力電圧Voは電源電圧Vaを維持し、出力電流Io2は、ゼロを維持する。
【0006】
その後、駆動パルス幅に対応する時間が経過すると、第1スイッチS1がオフしてから第3スイッチS3がオンされる。これにより、出力電圧Voは、図12(a)に示すように、コイルLと負荷容量CLとが共振して漸減し、立ち下がり時間tfで接地電圧(0V)に達する。また、出力電流Io2は、図12(b)に示すように、ピーク電流−Ip2の振幅を有し、立ち下がり時間tfを半周期とする正弦波となる。出力電圧Voが接地電圧に達すると、第3スイッチS3がオフされるとともに第2スイッチS2がオンされる。これにより、負荷容量CLに蓄えられた全電荷が放電される。
【0007】
ここで、ピーク電流Ip2、出力電流Io2および第3スイッチS3における消費電力Pd2は、下記(1)式〜(3)式でそれぞれ表すことができる。
【数1】
【0008】
ここで、Wpd2は出力電圧Voの立ち上がり時の消費電力量、Rは第3スイッチS3の抵抗である。また、立ち上がり時間trと立ち下がり時間tfは等しいものと見なしている。
【0009】
以上のように、電力回収回路は、コイルLと負荷容量CLとを共振させて電圧を立ち上げ/立ち下げることによって、駆動用のスイッチ(第1スイッチS1および第2スイッチS2に対応)で消費されていた電力を抑えることができる。すなわち、負荷容量に充電されていたエネルギーが全て駆動用のスイッチで消費されていたが、共振を用いることにより、エネルギーは、消費されることなくコイルLと負荷容量CLとの間を行き来することになる。
【0010】
従って、電流による電力損失がなければ原理的には電源からのエネルギー供給も不要となり、消費電力を大幅に低減できる。そのため、電力回収回路は現状のプラズマテレビのほとんどに採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平9−325732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上述した従来の電力回収回路を用いた場合でも、駆動用のスイッチに流れる電流は正弦波状に増減しているので、その消費電力は最低レベルまでは低減できていない。最近のフラットパネルテレビの大画面高精細化によって、駆動回路の負荷容量はますます大容量化し、駆動速度も高速化しており、駆動回路のさらなる低消費電力化が必須となっている。
【0013】
また、現在開発が進められている現行のハイビジョン映像の16倍の画素数を有するスーパーハイビジョンの映像の表示も必要となるため、駆動回路を究極レベルまで高効率化する必要がある。
【0014】
プラズマ表示パネルを大画面高精細化した場合には、その駆動回路の負荷容量はさらに大きくなる上に高速なパルス電圧の印加が必要となり、電力回収回路の共振周期の大幅な短縮が必要となる。負荷容量の増加と共振周期の短縮に対応すべく、共振用のインダクタを大幅に低くすると、共振で蓄積されるエネルギーに対する回路損失エネルギーの比であるQ値が激減して消費電力の低減効果が著しく損なわれるので、電力回収回路の適用が困難になっている。
【0015】
本発明の課題は、負荷の大容量化と駆動の高速化に対応してさらなる低消費電力化が可能な容量性負荷駆動回路および表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、本発明は、第1基準電位点を、第1スイッチを介して負荷容量に接続し、かつ、第2基準電位点を、2スイッチを介して負荷容量に接続して該負荷容量を駆動する容量性負荷駆動回路において、第1基準電位点の電位と第2基準電位点の電位との間の電位を有する第3基準電位点を、第3スイッチを介して共振用のコイルの一端に接続するとともに、第3基準電位点の電位と第2基準電位点の電位との間の電位を有する第4基準電位点を、第4スイッチを介してコイルの一端に接続し、コイルの他端を負荷容量に接続したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、容量性負荷駆動回路の消費電力を物理的な最低レベルまで低減することができる。また、容量性負荷駆動回路の消費電力を低減することによって、駆動素子を安価な小形品に代替できるのみでなく、放熱に要していた放熱フィンを削除したり、基板面積と回路容積を減らしたりすることができる。その結果、製品の小形低価格化を推進できる。
【0018】
また、本発明を用いることにより、従来は民生品レベルでは実現できなかったスーパーハイビジョン表示もできるテレビの開発が可能となる。
【0019】
さらに、本発明はプラズマディスプレイやELディスプレイなどの電子デバイスのみならず、コンピュータ回路や通信回路などの容量性負荷を駆動する一般の高速回路の小形低電力化にも活用でき、地球の資源枯渇・温暖化などの環境問題の対策にも貢献できる。また、駆動電流に起因した回路からの高周波ノイズの発生も抑えることができるので、情報化社会への適合性が極めて高い。このように、本発明の工業上・社会上の効果は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の考え方の基にした理想的な断熱充電回路の構成を示す図である。
【図2】図1に示す断熱充電回路の出力電圧および出力電流の波形を示す図である。
【図3】本発明の実施例1に係る容量性負荷駆動回路の構成を示す回路図である。
【図4】図1に示す容量性負荷駆動回路の出力電圧および出力電流の波形を示す図である。
【図5】本発明の実施例1に係る容量性負荷駆動回路のWpd4/Wpd2の特性を示す図である。
【図6】本発明の実施例1に係る容量性負荷駆動回路を、具体的な回路素子を使用して実現した回路図である。
【図7】本発明の実施例1の第1変形例に係る容量性負荷駆動回路の構成を示す回路図である。
【図8】図7に示す容量性負荷駆動回路の出力電圧および出力電流の波形を示す図である。
【図9】本発明の実施例1の第2変形例に係る容量性負荷駆動回路の構成を示す回路図である。
【図10】本発明の実施例2に係る容量性負荷駆動回路の構成を示す回路図である。
【図11】従来の電力回収回路の構成を示す回路図である。
【図12】図11に示す電力回収回路の出力電圧および出力電流の波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態の容量性負荷駆動回路を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0022】
背景技術の欄で説明した電力回収回路においては、電源から直接に負荷容量CLを充電する電流を抑制して供給エネルギーを低減することはできても、スイッチに流れる電流によって生じる電力消費は最大限に抑えられていない。しかしながら、スイッチに流れる正弦波電流の実効値をさらに低減して直流電流になるように負荷容量CLの駆動電圧を制御することができれば、エネルギー消費を大幅に低減することができる。
【0023】
負荷容量CLの駆動電流を一定にするか、または、駆動電圧を一定傾斜で変化させることによって、負荷容量CLに蓄えられた電荷を徐々に放電させることができ、これにより充電電荷の移動経路におけるエネルギーの熱的損失を抑えて回路の低電力化を図ることができる。このような回路を断熱充電回路という。
【0024】
図1は、本発明の考え方の基にした理想的な断熱充電回路の構成を示す図である。この断熱充電回路は、出力電圧Voおよび出力電流Io3を発生して負荷容量CLに供給する。この断熱充電回路は、電源電圧Vaを負荷容量CLに供給するかどうかを切り替える第1スイッチS1、負荷容量CLを接地電圧(0V)に接続するかどうかを切り替える第2スイッチS2、定電流源I3からの電流を負荷容量CLに供給するかどうかを切り替える第3スイッチS3、負荷容量CLからの電流を定電流源I4に流すかどうかを切り替える第4スイッチS4を備えている。
【0025】
この断熱充電回路では、まず、第3スイッチS3がオンされる。これにより、出力電圧Voは、図2(a)に示すように、0Vから直線的に漸増し、立ち上がり時間trで電源電圧Vaに達する。また、定電流源I3からの出力電流Io3は、図2(b)に示すように、ピーク電流Ip3まで瞬時に立ち上がり、立ち上がり時間trの間はピーク電流Ip3を維持する方形波となる。
【0026】
出力電圧Voが電源電圧Vaに達すると第3スイッチS3がオフされるとともに第1スイッチS1がオンされる。これにより、出力電圧Voは電源電圧Vaを維持し、出力電流Io3は、ゼロまで瞬時に立ち下がってゼロを維持する。
【0027】
その後、駆動パルス幅に対応する時間が経過すると、第1スイッチS1がオフしてから第4スイッチS4がオンされる。或いは、第1スイッチS1がオフされるとともに第4スイッチS4がオンされる。これにより、出力電圧Voは、図2(a)に示すように、立ち下がり時間tfで電源電圧Vaから直線的に接地電圧まで低下する。また、負荷容量CLからの出力電流Io3は、図2(b)に示すように、定電流源I3に流れ込んでピーク電流−Ip3まで瞬時に立ち下がり、立ち上がり時間tfの間はピーク電流−Ip3を維持する方形波となる。そして、出力電圧Voが接地電圧に達すると第4スイッチS4がオフされるとともに第2スイッチS2がオンされる。これにより、負荷容量CLに蓄えられている全ての電荷は放電される。
【0028】
ここで、ピーク電流Ip3と消費電力Pd3は、下記(4)式および(5)式でそれぞれ表すことができる。また、立ち上がり時間trは立ち下がり時間tfと等しいものと見なしている。
【数2】
【0029】
ここで、Wpd3は、出力電圧Voの立ち上がり時の消費電力量であり、従来の電力回収回路におけるWpd2と比較すると、(6)式のようになって、0.81倍に低減されることがわかる。
【数3】
【0030】
図3は、本発明の実施例1に係る容量性負荷駆動回路の構成を示す回路図である。この容量性負荷駆動回路は、2段擬似断熱充電回路として構成されており、出力電圧Voおよび出力電流Io4を発生して負荷容量CLに供給する。この容量性負荷駆動回路は、第1基準電位点の電源電圧Vaを負荷容量CLに供給するかどうかを切り替える第1スイッチS1、負荷容量CLを第2基準電位点に現れる接地電圧(0V)に接続するかどうかを切り替える第2スイッチS2、共振用のコイルL、第3基準電位点の電圧3Va/4を、コイルLを介して負荷容量CLに供給するかどうかを切り替える第3スイッチS3、第4基準電位点の電圧Va/4を、コイルLを介して負荷容量CLに供給するかどうかを切り替える第4スイッチS4を備えている。
【0031】
この容量性負荷駆動回路では、まず、第2スイッチS2がオフされるとともに第4スイッチS4がオンされる。これにより、出力電圧Voは、図4(a)に示すように、コイルLと負荷容量CLとが電圧Va/4を中心に共振することにより漸増し、立ち上がり時間trの半分の時間で電圧Va/2に達する。また、出力電流Io4は、図4(b)に示すように、ピーク電流Ip4の振幅を有し、立ち上がり時間trの半分より若干長い時間を半周期とする正弦波となる。この場合、半周期を「0.61×立ち上がり時間tr」とすることにより第3スイッチS3および第4スイッチS4における損失を最小にすることができる。
【0032】
出力電圧Voが電圧Va/2に達すると第4スイッチS4がオフされると同時に第3スイッチS3がオンされる。厳密には、第4スイッチS4がオフされる前に第3スイッチS3がオンされる(この動作の詳細は後述する)。これにより、出力電圧Voは、図4(a)に示すように、コイルLと負荷容量CLとが電圧3Va/4を中心に共振することにより電圧Va/2から漸増し、立ち上がり時間trの半分の時間で電源電圧Vaに達する。また、出力電流Io4は、図4(b)に示すように、ピーク電流Ip4の振幅を有し、立ち上がり時間trの半分より若干長い時間を半周期とする正弦波となる。この場合、第4スイッチS4がオフされる前に第3スイッチS3がオンされるので、出力電流Io4の波形は、立ち上がり時間trの略中央部分で重なり合ってゼロまでは低下しない形状になる。
【0033】
出力電圧Voが電源電圧Vaに達すると第3スイッチS3がオフされるとともに第1スイッチS1がオンされる。これにより、出力電圧Voは電源電圧Vaを維持し、出力電流Io4は、ゼロまで立ち下がってゼロを維持する。
【0034】
その後、駆動パルス幅に対応する時間が経過すると、第1スイッチS1がオフしてから第3スイッチS3がオンされる。或いは、第1スイッチS1がオフされるとともに第3スイッチS3がオンされる。これにより、出力電圧Voは、図4(a)に示すように、コイルLと負荷容量CLとが電圧3Va/4を中心に共振することにより電源電圧Vaから漸減し、立ち下がり時間tfの半分の時間で電圧Va/2に達する。また、出力電流Io4は、図4(b)に示すように、ピーク電流−Ip4の振幅を有し、立ち下がり時間tfの半分より若干長い時間を半周期とする正弦波となる。この場合、半周期を「0.61×立ち上がり時間tr」とすることにより第3スイッチS3および第4スイッチS4における損失を最小にすることができる。
【0035】
出力電圧Voが電圧Va/2に達すると、第3スイッチS3がオフされると同時に第4スイッチS4がオンされる。厳密には、第3スイッチS3がオフされる前に第4スイッチS4がオンされる(この動作の詳細は後述する)。これにより、出力電圧Voは、図4(a)に示すように、コイルLと負荷容量CLとが電圧Va/4を中心に共振することにより電圧Va/2から漸減し、立ち下がり時間tfの半分の時間で接地電圧に達する。また、出力電流Io4は、図4(b)に示すように、ピーク電流−Ip4の振幅を有し、立ち下がり時間tfの半分より若干長い時間を半周期とする正弦波となる。この場合、第3スイッチS3がオフされる前に第4スイッチS4がオンされるので、出力電流Io4の波形は、立ち下がり時間tfの略中央部分で重なり合ってゼロまで上昇しない形状になる。
【0036】
出力電圧Voが接地電圧に達すると、第4スイッチS4がオフされるとともに第2スイッチS2がオンされる。これにより、負荷容量CLに蓄えられている全ての電荷は放電される。
【0037】
ここで、ピーク電流Ip4と方形波を近似した出力電圧Io4と消費電力Pd4は、下記(7)式および(8)式、(9)式でそれぞれ表すことができる。また、立ち上がり時間trは立ち下がり時間tfと等しいものと見なしている。
【数4】
【0038】
ここで、Wpd4は、出力電圧Voの立ち上がり時の消費電力量であり、共振周期と立ち上がり時間trとの比に相当するkは、下記(10)式によって表すことができる。
【数5】
【0039】
図5は、Wpd4/Wpd2の特性を示す。この図5に示す特性から分かるように、k=0.61の時にWpd4は最小となり、従来の電力回収回路のWpd2と比較すると、下記式(11)式に示すように、0.93倍に低減される。
【数6】
【0040】
図6は、上述した実施例1に係る容量性負荷駆動回路を、具体的な回路素子を使用して実現した回路図である。以下、本発明の特徴の1つである、第3スイッチS3と第4スイッチS4とを同時に切り替えるための構成および動作を中心に説明する。
【0041】
第3スイッチS3は、MOSFETQ2、MOSFETQ3、ダイオードD1およびダイオードD2から構成されている。MOSFETQ2は、第3基準電位点とダイオードD1のアノードとの間に接続され、ダイオードD1のカソードは、コイルLの一端に接続されている。MOSFETQ3は、第3基準電位点とダイオードD2のカソードとの間に接続され、ダイオードD2のアノードは、コイルLの一端に接続されている。
【0042】
第4スイッチS4は、MOSFETQ4、MOSFETQ5、ダイオードD3およびダイオードD4から構成されている。MOSFETQ4は、第4基準電位点とダイオードD3のアノードとの間に接続され、ダイオードD3のカソードは、コイルLの一端に接続されている。MOSFETQ5は、第4基準電位点とダイオードD4のカソードとの間に接続され、ダイオードD4のアノードは、コイルLの一端に接続されている。
【0043】
上記の構成において、第3スイッチS3と第4スイッチS4とを同時に切り替える動作について説明する。まず、第4スイッチS4がオフされると同時に第3スイッチS3がオンされる場合の動作を説明する。この場合、厳密には、第4スイッチS4がオフされる前に第3スイッチS3がオンされる。具体的には、MOSFETQ2がオンになり、MOSFETQ4がオフになる。
【0044】
これにより、ダイオードD1は順バイアスになって第3基準電位点からコイルLへの電流が供給される。また、ダイオードD3は逆バイアスになって第4基準電位点からコイルLへの電流の供給は停止される。すなわち、MOSFETQ2をオンすることによって、MOSFETQ4のゲートを制御してオン/オフを制御するまでもなく、MOSFETQ2に電流が流れ始め、MOSFETQ4に流れる電流は停止される。従って、第4スイッチS4のオフと第3スイッチS3のオンとを正確に同時に行った場合と同様の状態を実現して、コイルLの電流を遮断することなく連続的に流すことができる。
【0045】
次に、第3スイッチS3がオフされると同時に第4スイッチS4がオンされる場合の動作を説明する。この場合、厳密には、第3スイッチS3がオフされる前に第4スイッチS4がオンされる。具体的には、MOSFETQ5がオンになり、MOSFETQ3がオフになる。
【0046】
これにより、ダイオードD4は順バイアスになってコイルLからの電流を回生するが、ダイオードD2は逆バイアスになってコイルLからの電流の回生を停止する。すなわち、MOSFETQ3のゲートを制御してオン/オフを制御するまでもなく、オン制御になったMOSFETQ5に電流が流れ始め、MOSFETQ3に流れる電流は停止される。従って、第3スイッチS3のオフと第4スイッチS4のオンとを正確に同時に行った場合と同様の状態を実現して、コイルLの電流を遮断することなく連続的に流すことができる。
【0047】
また、図6において、各MOSFETQ1〜Q6は、負荷側にドレイン端子を接続したソース接地接続となっている。回路配線や素子の寄生インダクタンスや寄生容量の共振に起因した寄生振動を、スイッチング波形から排除する場合には、これらのMOSFETの少なくとも一素子の極性を換えて(Pチャネル⇔Nチャネル)、ドレインとソースとを入れ換えて、出力インピーダンスの低いドレイン接地接続(ソースフォロワ)として用いることもできる。
【0048】
即ち、スイッチ用MOSFETをドレイン出力(出力インピーダンスの高いソース接地)からソース出力(出力インピーダンスの低いドレイン接地,但し、Pチャネル⇔Nチャネル)に換えると、出力電圧波形の振動が抑えられて電力も低減できる。
以上説明したように、本発明の実施例1に係る容量性負荷駆動回路によれば、消費電力を物理的な最低レベルまで低減することができる。また、容量性負荷駆動回路の消費電力を低減することによって、駆動素子を安価な小形品に代替できるのみでなく、放熱に要していた放熱フィンを削除したり、基板面積と回路容積を減らしたりすことができる。その結果、製品の小形低価格化を推進できる。
【0049】
なお、上述した実施例1に係る容量性負荷駆動回路は、2段擬似断熱充電回路として構成したが、3段擬似断熱充電回路として構成するように変形できる(以下、これを第1変形例という)。
【0050】
図7は、第1変形例に係る容量性負荷駆動回路の構成を示し、図8は、その電圧波形および電流波形を示す。この第1変形例に係る容量性負荷駆動回路の動作は、コイルLと負荷容量CLとが、3種類の電圧Va/6、電圧Va/2および電圧5Va/6を中心に共振して漸増および漸減することを除けば、上述した実施例1に係る容量性負荷駆動回路の動作と同じである。
【0051】
第1変形例に係る容量性負荷駆動回路によれば、出力電圧Voの直線性が良好になり出力電流Ioをさらに方形波に近づけることができるので、図1に示した理想的な断熱充電回路の動作に近づけることができ、消費電力をさらに低減することができる。3段の場合には、共振周期と立ち上がり時間比Kを0.45とすると、消費電力が最小になる。なお、4段以上の擬似断熱充電回路も、上記と同様にして構成することができ、段数が増加するに連れて、消費電力の低減効果は高くなる。
【0052】
また、上述した実施例1に係る容量性負荷駆動回路は、共振用のコイルとして1つのコイルLを用いたが、立ち上げ用および立ち下げ用といった2つのコイルを用いて立ち上がり時間trと立ち下がり時間tfを独立に設定した容量性負荷駆動回路を構成するように変形できる(以下、これを第2変形例という)。図9は、第2変形例に係る容量性負荷駆動回路の構成を示す回路図である。
【0053】
この容量性負荷駆動回路は、電源電圧Vaを負荷容量CLに供給するかどうかを切り替える第1スイッチS1、負荷容量CLを接地電圧(0V)に接続するかどうかを切り替える第2スイッチS2、立ち上げ用の第1コイルL1、立ち下げ用の第2コイルL2、電圧3Va/4を、第1コイルL1を介して負荷容量CLに供給するかどうかを切り替える第3スイッチS3a、電圧Va/4を、第1コイルL1を介して負荷容量CLに供給するかどうかを切り替える第4スイッチS4a、負荷容量CLから第2コイルL2を介して得られる電流を第3基準電位点に回生するかどうかを切り替える第3サブスイッチS3b、および、負荷容量CLから第2コイルL2を介して得られる電流を第4基準電位点に回生するかどうかを切り替える第4サブスイッチS4bを備えている。
【0054】
第2変形例に係る容量性負荷駆動回路の動作は、駆動パルス信号の立ち上げ時には第3スイッチS3a、第4スイッチS4aおよび第1コイルL1が使用され、立ち下げ時には第3サブスイッチS3b、第4サブスイッチS4bおよび第2コイルL2が使用される点を除けば、実施例1に係る容量性負荷駆動回路の動作と同じである。第2変形例に係る容量性負荷駆動回路によれば、立ち上がり時間trと立ち下がり時間tfとを異ならせることができるので、駆動パルス波形の自由度が大幅に向上する。
【0055】
以上説明した実施例1およびその変形例に係る容量性負荷駆動回路は、負荷容量CLを接地電圧(0V)に接続するかどうかを切り替える第2スイッチS2を備えるが、第2スイッチS2は存在しなくても、本発明は成立する(負荷の電庄を少なくとも一つの基準電圧に設定できれば、他のタイミングにおいては任意の電圧になっていても構わない場合がある)。
【0056】
また、図6に示すように、容量性負荷駆動回路の複数の基準電位点のうち、少なくとも1つに直流電源Vaを用い、分圧抵抗R1,R2,R3は削除して、その他の基準電位点は、接地電位点などの定電位点にもう一方の端子を接続したコンデンサC1,C2のみによって構成することができる。制御信号のタイミングが適正であれば、コンデンサに出入りする電荷量が等しくなって、コンデンサの電圧は、自動的に安定値となる。
【0057】
また、実施例1の容量性負荷駆動回路は、プラズマディスプレイやELディスプレイなどといった表示装置を駆動するために使用することができる。
【実施例2】
【0058】
本発明の実施例2に係る容量性負荷駆動回路は、容量性負荷を駆動ICを介して駆動するものである。図10は、実施例2に係る容量性負荷駆動回路の構成を示す回路図である。この容量性負荷駆動回路は、図3に示した実施例1に係る容量性負荷駆動回路の出力端子と接地との間に駆動IC11が接続されて構成されている。
【0059】
駆動IC11は、複数の駆動素子を備えており、各駆動素子は負荷容量CLを駆動する。実施例2に係る容量性負荷駆動回路によれば、例えばプラズマディスプレイのように膨大な数の負荷容量CLを同時に駆動することができる。
【0060】
実施例2においても、駆動IC11に集積化されたスイッチを介して、負荷容量CLに接地電位を出力することができるので、第2スイッチS2は省略することができる。
【0061】
なお、駆動IC11には、第1スイッチS1、第2スイッチS2、第3スイッチS3および第4スイッチS4をも集積するように構成することができる。この構成によれば、容量性負荷駆動回路を安価に作製することができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、プラズマディスプレイやELディスプレイなどといった電子デバイスの駆動に利用可能である。
【符号の説明】
【0063】
S1 第1スイッチ
S2 第2スイッチ
S3、S3a 第3スイッチ
S3b 第3サブスイッチ
S4、S4a 第4スイッチ
S4b 第4サブスイッチ
L、L1、L2 コイル
CL 負荷容量
D1〜D4 ダイオード
Q1〜Q6 MOSFET
Va 電源電圧
11 駆動IC
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基準電位点を、第1スイッチを介して負荷容量に接続し、かつ、第2基準電位点を、第2スイッチを介して前記負荷容量に接続して該負荷容量を駆動する容量性負荷駆動回路において、
前記第1基準電位点の電位と前記第2基準電位点の電位との間の電位を有する第3基準電位点を、第3スイッチを介して共振用のコイルの一端に接続するとともに、前記第3基準電位点の電位と前記第2基準電位点の電位との間の電位を有する第4基準電位点を、第4スイッチを介して前記コイルの一端に接続し、前記コイルの他端を前記負荷容量に接続したことを特徴とする容量性負荷駆動回路。
【請求項2】
前記第3スイッチがオンすることにより該第3スイッチを介して前記コイルと前記負荷容量が共振している間に、前記第4スイッチをオンさせて前記コイルと前記負荷容量の共振を継続させながら前記第3スイッチをオフすることを特徴とする請求項1記載の容量性負荷駆動回路。
【請求項3】
前記第4スイッチがオンすることにより該第4スイッチを介して前記コイルと前記負荷容量が共振している間に、前記第3スイッチをオンさせて前記コイルと前記負荷容量の共振を継続させながら前記第4スイッチをオフすることを特徴とする請求項2記載の容量性負荷駆動回路。
【請求項4】
前記コイルの他端に接続された複数のドライバを含む駆動ICを介して前記負荷容量に接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の容量性負荷駆動回路。
【請求項5】
前記請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の容量性負荷駆動回路を用いて表示素子を駆動することを特徴とする表示装置。
【請求項1】
第1基準電位点を、第1スイッチを介して負荷容量に接続し、かつ、第2基準電位点を、第2スイッチを介して前記負荷容量に接続して該負荷容量を駆動する容量性負荷駆動回路において、
前記第1基準電位点の電位と前記第2基準電位点の電位との間の電位を有する第3基準電位点を、第3スイッチを介して共振用のコイルの一端に接続するとともに、前記第3基準電位点の電位と前記第2基準電位点の電位との間の電位を有する第4基準電位点を、第4スイッチを介して前記コイルの一端に接続し、前記コイルの他端を前記負荷容量に接続したことを特徴とする容量性負荷駆動回路。
【請求項2】
前記第3スイッチがオンすることにより該第3スイッチを介して前記コイルと前記負荷容量が共振している間に、前記第4スイッチをオンさせて前記コイルと前記負荷容量の共振を継続させながら前記第3スイッチをオフすることを特徴とする請求項1記載の容量性負荷駆動回路。
【請求項3】
前記第4スイッチがオンすることにより該第4スイッチを介して前記コイルと前記負荷容量が共振している間に、前記第3スイッチをオンさせて前記コイルと前記負荷容量の共振を継続させながら前記第4スイッチをオフすることを特徴とする請求項2記載の容量性負荷駆動回路。
【請求項4】
前記コイルの他端に接続された複数のドライバを含む駆動ICを介して前記負荷容量に接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の容量性負荷駆動回路。
【請求項5】
前記請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の容量性負荷駆動回路を用いて表示素子を駆動することを特徴とする表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−249981(P2010−249981A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−97762(P2009−97762)
【出願日】平成21年4月14日(2009.4.14)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2009年3月4日 社団法人電子情報通信学会発行の「2009年電子情報通信学会総合大会講演論文集 基礎・境界」に発表
【出願人】(501061319)学校法人 東洋大学 (68)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月14日(2009.4.14)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2009年3月4日 社団法人電子情報通信学会発行の「2009年電子情報通信学会総合大会講演論文集 基礎・境界」に発表
【出願人】(501061319)学校法人 東洋大学 (68)
【Fターム(参考)】
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