説明

密封品における大規模漏れの検出方法および装置

【課題】漏れ検出に対して改良された方法や装置を提供する。
【解決手段】密封品における大規模漏れの検出方法および装置が提供される。本漏れ検出装置は、トレースガスを収容するテストピースを受け入れるよう構成された密封可能な第1室と、密封可能な第2室と、第1室と第2室との間に結合された第1弁と、テスト口を有する漏れ検出器と、第2室と漏れ検出器テスト口との間に結合されたトレースガス透過性部材と、入口を有する真空ポンプと、第2室と真空ポンプ入口との間に結合された第2弁とを含む。透過性部材は石英であってもよく、この石英は、加熱されたときにヘリウムを透過可能である。漏れ検出器は、イオンポンプであってもよいし、または、ヘリウム質量分光計による漏れ検出器であってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は密封品における漏れ検出に関し、更に詳しくは内容積の小さな密封品における大規模漏れの検出方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘリウム質量分光計による漏れ検出は周知の漏れ検出技術である。ヘリウムは、密封されたテストピースにおける漏れ穴のうち最小規模の漏れ穴を通過するトレースガスとして使用される。漏れ穴を通過した後、ヘリウムを含有するテストサンプルは漏れ検出器に吸引されて計測される。漏れ検出器の重要な構成要素は、ヘリウムを検出測定する質量分光管である。投入されたテストサンプルは、ヘリウム成分を分離するために、分光管によりイオン化され、質量分析される。一つの方法として、テストピースをヘリウムで加圧する方法がある。漏れ検出器のテスト口に接続された探知プローブを、テストピースの外部周囲で移動させる。ヘリウムはテストピースにおける漏れ穴を通過し、プローブに吸引され、そして漏れ検出器により測定される。別の方法として、テストピース内部を漏れ検出器のテスト口に連結して排気する方法がある。ヘリウムをテストピースの外部で噴出させ、漏れ穴を介して内部へ吸引し、そして漏れ検出器により計測する。
【0003】
ヘリウム質量分光計による漏れ検出に関連する問題の1つとして、質量分光管の入口を、通常2×10-4Torrの比較的低い圧力に維持しなければならないということがある。いわゆる従来の漏れ検出器において、テストピースまたは探知プローブに接続されたテスト口は比較的低い圧力に維持しなければならない。かくして、真空ポンプサイクルは比較的長くなる。更に、漏れやすい部分または大容量部分のテストでは、所望の圧力レベルに到達させることが困難であるか不可能である可能性がある。所望の圧力レベルに到達させることができても、ポンプサイクルはきわめて長くなる。
【0004】
この問題を解決するために従来技術において種々の技術が提案されている。ブリッグスに対して1972年9月12日に発行された特許に係る下記特許文献1に開示された向流漏れ検出器は、拡散ポンプを介する質量分光計へのヘリウムの逆流技術を利用している。漏れ検出器テスト口は、拡散ポンプのフォアラインの圧力で動作させることができる。類似した方法として、ターボ分子ポンプを介するヘリウムの逆流を利用する方法がある。著しい漏れ検出技術は、フルゼッティに対して1988年4月5日に発行された特許に係る下記特許文献2に開示されている。トレースガスは、機械真空ポンプの1つまたは2つの段階(ステージ)を介して反対方向に通過する。これらの技術により、テスト口圧力を従来の漏れ検出器の場合よりも高くすることができた。それにもかかわらず、大容量の汚れた部分、または大規模漏れを伴う部分のテストの場合、相対的に高いテスト口圧力に到達させることが困難になることがある。
【0005】
従来のヘリウム漏れ検出において、密封された小さな部分に大規模漏れが存在する場合、粗引きポンプサイクルの間、ヘリウムはあまりにもすばやく排気されるので、漏れの読み取りができず、漏れ部分が見逃される。この問題は産業界で長い間存在していた。下記方法はいくつかの用途で利用されてきたが、いずれも効果は限定的なものであった。(1)漏れやすい部分と漏れの無い部分との間の排気時間差の測定、および、(2)容器膨張法。いずれの技術も充分な解決策とはなっていない。マホネイその他に対して1997年4月29日に発行された特許に係る下記特許文献3は、著しい漏れ検出に対して、容積膨張技術を組み合わせたヘリウム質量分光計による漏れ検出器を開示している。
【0006】
1990年1月31日公開の下記特許文献4は、シリカガラス毛細管の形状のプローブに接続されたイオンポンプを含むヘリウム漏れ検出器を開示している。シリカガラス管は300℃〜900℃の範囲の温度に加熱され、これにより、ヘリウムに対して透過性を有するようになる。ドゥシモンに対して1994年7月5日に発行された特許に係る下記特許文献5は、石英毛細膜と、膜加熱用フィラメントと、イオンポンプとを使用するヘリウム検出装置を開示している。ベームその他に対して1997年8月26日に発行された特許に係る下記特許文献6は、選択的にヘリウムをガス消費真空計へ通過させるポリマー窓または加熱石英窓を備えた漏れ検出器を開示している。
【特許文献1】米国特許第3,690,151号明細書
【特許文献2】米国特許第4,735,084号明細書
【特許文献3】米国特許第5,625,141号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第0352371号明細書
【特許文献5】米国特許第5,325,708号明細書
【特許文献6】米国特許第5,661,229号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術のヘリウム漏れ検出器はいずれも、圧力範囲が限定的であるとか、汚れやすいとか、コストがかかるといった何らかの欠点を有している。したがって、漏れ検出に対して改良された方法や装置が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1局面として、本発明は漏れ検出装置を提供する。本装置は、トレースガスを収容するテストピースを受け入れるよう構成された密封可能な第1室と、密封可能な第2室と、前記第1室と前記第2室との間に結合された第1弁と、テスト口を有する漏れ検出器と、前記第2室と前記漏れ検出器のテスト口との間に結合されたトレースガス透過性部材と、入口を有する真空ポンプと、前記第2室と前記真空ポンプ入口との間に結合された第2弁と、を含む。
【0009】
透過性部材はヘリウムを透過可能であってもよく、また、透過性部材のトレースガス透過度は制御可能であってもよい。透過性部材が石英部材を含む実施形態もある。本装置は更に、石英部材と熱接触する加熱部材と、加熱部材を制御するよう構成された制御部とを含んでいてもよい。
第2局面として、本発明は漏れ検出装置を提供する。本装置は、トレースガスを収容するテストピースを受け入れるよう構成された密封可能な第1室と、密封可能な第2室と、前記第1室と前記第2室との間に結合された第1弁と、テスト口と真空ポンプとを含む漏れ検出器と、前記第2室と前記漏れ検出器の前記テスト口との間に結合された第2弁と、前記第2室と前記漏れ検出器の前記テスト口との間に結合されたトレースガス透過性部材と、を含む。
【0010】
第3局面として、本発明は漏れ検出方法を提供する。本方法は、密封可能な第1室、密封可能な第2室、および前記第1室と前記第2室との間に結合された第1弁を設けることと、前記第1弁を閉鎖した状態で、トレースガスを収容するテストピースを前記第1室内に配置することと、前記第1弁を閉鎖した状態で、前記第2室を真空排気することと、前記第1弁を開いて、前記第1室内のガスを前記第2室内へ膨張させることと、前記第2室に結合されたトレースガス透過性部材を設けることと、前記透過性部材を通過した当該トレースガスを検知することにより前記テストピースにおける漏れを検出することとを含む。
【0011】
第4局面として、本発明は漏れ検出装置を提供する。本装置は、トレースガスを収容するテストピースを受け入れるよう構成された密封可能な第1室と、密封可能な第2室と、前記第1室と前記第2室との間に結合された第1弁と、テスト口および真空ポンプを含む第1漏れ検出器と、前記第2室と前記第1漏れ検出器の前記テスト口との間に結合された第2弁と、テスト口を有する第2漏れ検出器と、前記第2室と前記第2漏れ検出器の前記テスト口との間に結合されたトレースガス透過性部材と、を含む。
【0012】
本発明をよりよく理解するために、添付図面を参照して説明を行う。なお、添付図面は引用により本発明に組み込まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の第1実施形態に係る漏れ検出装置の概略ブロック図を図1に示す。密封可能な第1室10はテストピース12を保持している。テストピース12の内容積は、ヘリウムで加圧されるか、または、漏れ検出装置の第1室10内部へ挿入される前に高いヘリウム濃度に曝されている。密封可能な第2室14は第1弁16を介して第1室10へ接続されている。入口21を有する真空ポンプ20は第2弁22を介して第2室14へ接続されている。真空ポンプ20は100ミリバール位の圧力まで排気できるタイプであってもよい。
【0014】
ヘリウム検出アセンブリ30は真空フランジ32を介して第2室14に接続されている。ヘリウム検出アセンブリ30は、イオンポンプ34、イオンポンプ制御部36、およびトレースガス透過性部材40を含んでいる。イオンポンプ34と透過性部材40とは密封されたハウジング42内部に装着されており、透過性部材40は第2室14とイオンポンプ34との間に介在されている。制御部36は真空フィールドスルー38を介してイオンポンプ34に接続されている。制御部36はイオンポンプ34に対して動力を供給するとともにイオンポンプ電流を検知する。
【0015】
イオンポンプ34は通常、制御部36により供給される2,000ボルト〜9,000ボルトの高電圧により通電される。イオンポンプ電流はイオンポンプ内部の真空圧力に比例する。透過性部材40を透過するヘリウムは、漏れ流量(レート)に比例する割合で真空圧力に影響を与える。したがって、イオンポンプ電流は漏れ流量に比例する。
トレースガス透過性部材40は、第2室14とイオンポンプ34との間に位置している。透過性部材40は、特定の条件下で、漏れ検出装置において使用されるトレースガス、通常ヘリウム、を透過する材料である。透過性部材40は実質的にトレースガスを通過または透過させるが、他のガス、液体および粒子を実質的にブロックする。かくして、透過性部材40は、トレースガスの通過は許容し、他のガス、液体および粒子をブロックするという意味で、トレースガス窓として作用する。透過性部材40は例えばディスク形状であってもよい。
【0016】
石英すなわちシリカガラスは、ヘリウムを透過する材質の一例である。特に、石英のヘリウム透過度は温度によって変動する。300℃〜900℃の範囲の高温で、石英は比較的高いヘリウム透過度を有する。室温では、石英のヘリウム透過度は比較的低い。図1Aに示すように、漏れ検出装置に、石英から成る透過性部材40と熱接触する加熱部材50を設けてもよい。加熱部材は石英部材を加熱してヘリウム透過度を増大させるが、他方、石英はほとんどの他のガス、水蒸気および粒子を選択的にブロックする。石英は任意の温度に対して一定の透過度を有する。温度を調整して透過度、したがって感度を制御することができる。加熱部材50は制御部52により通電してもよい。透過性部材40の温度を制御することにより、ヘリウム窓を設ける。比較的高い温度(例えば、300℃〜900℃)で、ヘリウム透過度は高くなり、ヘリウム窓は開く。比較的低い温度(例えば、室温)の場合、ヘリウム透過度は低くなり、ヘリウム窓は閉鎖される。透過性部材40は抵抗加熱、輻射加熱または他の適当な加熱技術により加熱してもよい。
【0017】
透過性部材40は、通常ヘリウムであるトレースガスを透過するいかなる適切な材料でも形成することができ、いかなる形状または寸法であってもよい。適切な材料として、石英と、テフロン(登録商標)として知られているテトラフルオロエチレンのような透過性ポリマーとが挙げられる。透過性ポリマーの場合、加熱部材は必要ではない。透過性部材は、真空、大気圧、または大気圧より僅かに高い圧力で動作することができる。透過性部材は、ガスおよび粒子を含む雰囲気、ならびに湿潤環境においても動作することができる。
【0018】
図1の実施形態において、真空ポンプ20は単独で使用されるものであり、漏れ検出器の一部分ではない。この実施形態において、大規模漏れテストの後に、微少漏れテストは行われない。
本発明の第2実施形態に係る漏れ検出装置の概略ブロック図を図2に示している。図1および図2において、対応する部材には同一参照番号を付している。図2の実施形態において、漏れ検出器24のテスト口は第2弁22を介して第2室14に接続されている。図2の実施形態において、真空ポンプ20は省略され、漏れ検出器24は、弁22を介して第2室14へ接続可能な適切な真空ポンプを含んでいる。この実施形態において、大規模漏れテストの後に微少漏れテストを任意に行ってもよい。漏れ検出器24は、真空ポンプを含むいかなる漏れ検出器であってもよい。適切な漏れ検出器の一例を図5に示しており、これについては後述する。しかしながら、漏れ検出器は図5に示す例に限定されるものではない。
【0019】
室10と室14とは第1弁16により相互接続されており、真空ポンプ20は第2弁22を介して第2室14に接続されている。ヘリウム検出アセンブリ30は第2室14に接続されている。第1弁16を閉鎖して室10と室14とを相互に分離した状態で、テストピース12を第1室10内に配置する。テストの初めは、第1室10内のヘリウム濃度は周囲のレベルであるか、または、大規模漏れ測定のため感度を上げるために、窒素フラッシング処理を行ってヘリウム濃度を下げることもできる。
【0020】
第1弁16を閉鎖した状態で、第2弁22を真空ポンプ20へ開いて、これにより、第2室14を所望のレベルに排気する。次に、第2弁22を閉め、これにより、いずれの室においても真空排気がなされなくなる。次に、室10と室14との間の第1弁16を開き、室10内のガスが、圧力均衡が得られるまで室14内部へ流れることを許容する。テストピース12から漏れるヘリウムは第2室14内部を通過するとともに、圧力均衡に到達するまで真空環境におけるヘリウム濃度を増大させる。ここで、その結果得られる第2室14内のヘリウム濃度を測定することができる。
【0021】
ヘリウムだけが透過性部材40を通過して、イオンポンプ34内の圧力を増大させる。ヘリウム圧力の増加は、ヘリウム圧力の増加と漏れ流量とに比例するイオンポンプ電流の増加をもたらす。透過性部材40を通過するヘリウムを除いて、ヘリウム検出アセンブリ30では、第2室14におけるポンプ速度が本質的にゼロであるとともに、従来技術の装置の場合のように第2室14からガスが除去されることは無い。ヘリウム検出アセンブリ30はヘリウムの漏れを検出するが、ヘリウムを排気することは無いので、大規模漏れは、従来技術の方法と比較して、より正確に、より高い信頼度で、かつよりすぐれた感度で検出される。
【0022】
図1の実施形態において、イオンポンプ電流を測定しかつ大規模漏れの有無を確認した後、処理は完了する。漏れ検出器24が第2弁22を介して第2室14に接続された図2の実施形態において、ヘリウム検出アセンブリ30により大規模漏れが検出されない場合、漏れ検出器24は小規模漏れを検出するために使用することができる。第2弁22を開き、そして、第2室14を、漏れ検出器24を動作させるに適した圧力レベルまで排気する。次に、漏れ検出器24を、テストピース12における小規模漏れの有無を検出するために使用する。
【0023】
本発明の第3実施形態に係る漏れ検出装置の概略ブロック図を図3に示している。図2および図3の対応する部材は同一の参照番号で示している。図3の実施形態において、イオンポンプ34とイオンポンプ制御部36とは省略され、ハウジング42は、導管60により漏れ検出器24のテスト口に接続されている。
大規模漏れテストを行うため、テストピース12を第1室10内に配置するとともに、第1弁16を閉鎖する。第2弁22を開き、そして、第2室14を、漏れ検出器24の一部である真空ポンプで真空排気する。次に、第2弁22を閉鎖するとともに第1弁16を開く。これにより、第1室10と第2室14との間で圧力を同一にすることができる。テストピース12から漏れるヘリウムは、透過性部材40と、ハウジング42と、導管60とを通過して漏れ検出器24へ至る。ヘリウムは漏れ検出器24により検出されて、漏れの有無が確認される。大規模漏れ検出の間、第2弁22は閉鎖されているので、透過性部材40を通過するヘリウムによるものを除いて、第2室14内の圧力は保持される。その結果、ヘリウムは迅速に排気されず検出することができる。
【0024】
本発明の実施形態に係る漏れ検出方法の簡単なフローチャートを図4に示す。この方法は、図1〜図3に示し、かつ上述した漏れ検出装置を参照に説明する。ステップ100において、テストピース12は第1室10内に配置される。ステップ102において、第1室10と第2室14との間の弁16は閉鎖される。次に、ステップ104において、弁22を開くとともに、第2室14を真空排気する。ステップ106において、弁22は閉鎖されるとともに、第1室と第2室との間の弁16を開く。これにより、第1室10内のガスが第2室14内部へ膨張することを許容し、これにより、第1室および第2室内の圧力を同一にする。図1Aに示すように、装置が加熱部材50を含む場合、加熱部材に通電して、透過性部材40のヘリウム透過度を増大させてもよい。ステップ108において、第2弁22を閉鎖した状態で、第2室14内のヘリウムは検知される。図1および図2の実施形態においては、ステップ108にて、ヘリウムはイオンポンプ34により検知される。図3の実施形態においては、ステップ108にて、ヘリウムは漏れ検出器24により検知される。ステップ110において、透過性部材40を通過し検知されたヘリウムに基づき、テストピース12内に大規模漏れが存在するかどうか確認される。図1の実施形態においては、大規模漏れ検出ステップ110で、処理が完了する。図2および図3の実施形態においては、ステップ112において、弁22は開かれるとともに、第2室14は、小規模漏れ検出が可能となる程度の低いレベルまで真空排気される。透過性部材40を加熱するための加熱部材50を含む実施形態の場合、ステップ112にて、加熱部材への通電をオフにしてもよい。ステップ114において、漏れ検出器24により漏れテストが行われ、そして、小規模漏れの有無はステップ116において検出される。
【0025】
図2および図3の漏れ検出装置に使用するのに適した従来技術の漏れ検出器の一例を図5に示す。テスト口230は、粗引き弁232を介して、粗引きポンプ234に結合されている。テスト口230は更に、テスト弁236を介して、高真空ポンプ240のフォアライン238へ結合されている。真空ポンプ240は、ターボ分子ポンプ、拡散ポンプ、または、軸方向ポンプステージと分子吸収ステージとを含むハイブリッドターボ分子ポンプであってもよい。フォアライン238は更に、要求される動作圧力をフォアライン238において維持するフォアポンプ242に結合されている。真空ポンプ240の入口は質量分光管244の入口に結合されている。
【0026】
動作時において、粗引きポンプ234はまず、テスト口230と第2室14とを100mTorr〜300mTorr の範囲の圧力まで排気する。次に、テスト弁236を開き、テスト口230を介して吸引されたヘリウムトレースガスが、真空ポンプ240を介して分光管244へ逆方向に通過する。真空ポンプ240は、サンプル中におけるより重いガスに対して、はるかに低い逆流流量を有しているので、分光管244からのこれらのガスがブロックされ、これにより、トレースガスが効率的に分離される。
【0027】
種々例示的で非限定的な実施形態およびその局面について説明したが、変更および変形は当業者には自明であろう。そのような変更および変形は、本開示に包含されることが意図されており、本開示は、本発明の例示および説明のためのものであって本発明の限定するものではない。本発明の範囲は添付特許請求の範囲の適切な構成およびその均等物により定められるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1実施形態に係る漏れ検出装置の概略ブロック図である。
【図1A】図1の漏れ検出装置の簡略化した部分断面図であり、透過性部材を示している。
【図2】本発明の第2実施形態に係る漏れ検出装置の概略ブロック図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係る漏れ検出装置の概略ブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る漏れ検出方法の簡略化したフローチャートである。
【図5】従来技術の漏れ検出器の概略ブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレースガスを収容するテストピースを受け入れるよう構成された密封可能な第1室と、
密封可能な第2室と、
前記第1室と前記第2室との間に結合された第1弁と、
テスト口を有する漏れ検出器と、
前記第2室と前記漏れ検出器の前記テスト口との間に結合されたトレースガス透過性部材と、
入口を有する真空ポンプと、
前記第2室と前記真空ポンプの前記入口との間に結合された第2弁と、
を含むことを特徴とする漏れ検出装置。
【請求項2】
前記漏れ検出器がイオンポンプを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記透過性部材がヘリウムを透過可能であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記透過性部材が石英部材を含み、
前記装置が、前記石英部材と熱接触する加熱部材と、前記加熱部材を制御するよう構成された制御部とを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
トレースガスを収容するテストピースを受け入れるよう構成された密封可能な第1室と、
密封可能な第2室と、
前記第1室と前記第2室との間に結合された第1弁と、
テスト口および真空ポンプを含む漏れ検出器と、
前記第2室と前記漏れ検出器の前記テスト口との間に結合された第2弁と、
前記第2室と前記漏れ検出器の前記テスト口との間に結合されたトレースガス透過性部材と、
を含むことを特徴とする漏れ検出装置。
【請求項6】
前記第2弁は、前記第2室内が比較的高い圧力のときに閉鎖され、前記第2弁は、前記第2室内が比較的低い圧力のときに開かれることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記透過性部材が石英部材を含み、
前記装置が、前記石英部材と熱接触する加熱部材と、前記加熱部材を制御するよう構成された制御部とを更に含むことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記透過性部材のトレースガス透過度が制御可能であることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記透過性部材がヘリウムを透過可能であることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項10】
密封可能な第1室、密封可能な第2室、および前記第1室と前記第2室との間に結合された第1弁を設けることと、
前記第1弁を閉鎖した状態で、トレースガスを収容するテストピースを前記第1室内に配置することと、
前記第1弁を閉鎖した状態で、前記第2室を真空排気することと、
前記第1弁を開いて、前記第1室内のガスを前記第2室内へと膨張させることと、
前記第2室に結合されたトレースガス透過性部材を設けることと、
前記透過性部材を通過した当該トレースガスを検知することにより前記テストピース内の漏れを検出することと
を含むことを特徴とする漏れ検出方法。
【請求項11】
前記第1弁を開いた状態で前記第2室を真空排気することと、
前記第2室から排気される前記トレースガスを検知して小規模漏れを検出することとを、更に含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2室内が比較的高い圧力のとき、前記透過性部材を高いトレースガス透過度に制御することと、
前記第2室内が比較的低い圧力のとき、前記透過性部材を低いトレースガス透過度に制御することとを、更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記透過性部材を制御することが、前記透過性部材を加熱することを含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記透過性部材を通過した前記トレースガスを検知することが、イオンポンプで前記トレースガスを検知することと、
イオンポンプ電流を監視することとを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記透過性部材を通過した前記トレースガスを検知することが、質量分光計を含む漏れ検出器で前記トレースガスを検知することを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記第2室から排気されたガスを検知することは、漏れ検出器で前記トレースガスを検知することを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項17】
トレースガスを収容するテストピースを受け入れるよう構成された密封可能な第1室と、
密封可能な第2室と、
前記第1室と前記第2室との間に結合された第1弁と、
テスト口および真空ポンプを含む第1漏れ検出器と、
前記第2室と前記第1漏れ検出器の前記テスト口との間に結合された第2弁と、
テスト口を有する第2漏れ検出器と、
前記第2室と前記第2漏れ検出器の前記テスト口との間に結合されたトレースガス透過性部材と、
を含むことを特徴とする漏れ検出装置。
【請求項18】
前記第2弁は、前記第2室内が比較的高い圧力のときに閉鎖され、前記第2弁は、前記第2室内が比較的低い圧力のときに開かれることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記透過性部材が石英部材を含み、
前記装置は更に、前記石英部材と熱接触する加熱部材と、前記加熱部材を制御するよう構成された制御部とを含むことを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記透過性部材のトレースガス透過度は制御可能であることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項21】
前記透過性部材がヘリウムを透過可能であることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項22】
前記第2漏れ検出器がイオンポンプを含むことを特徴とする請求項17に記載の装置。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−501947(P2007−501947A)
【公表日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533666(P2006−533666)
【出願日】平成16年6月9日(2004.6.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/018413
【国際公開番号】WO2004/111598
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(599060928)バリアン・インコーポレイテッド (81)
【Fターム(参考)】