説明

密封器具

【課題】 開口部をもったプラスチックフィルム袋の開口部を、必要に応じ熱溶断・溶着することで密封し、容易にエアクッションや密封袋を作ることができる密封器具を提供する。
【解決手段】 プラスチックフィルム袋の開口部を簡単に手で束ね、その束ねた部分をアーム先端部の間に挟み込み、さらにその奥の圧縮部で圧縮し固める。固められたプラスチックフィルム袋を、ヒーターを備えたヒーターアームがスプリングの力により回転し、そのヒーターの加熱により溶断と同時に溶断部を溶着しながら切り離し、密封袋を容易に作ることを特徴とする密封器具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は日常生活で身の回りにあるショッピング袋等の開口部をもったプラスチックフィルム袋の開口部を、必要に応じ熱溶断・溶着することにより密封し、容易にエアクッションや密封袋を作る密封器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プラスチックフィルムによる密閉された袋は、エア緩衝材やクッションとして使用されているが、予め空気を入れたものを機械的に量産したり、逆止弁を付けて使用時に空気を入れるものが知られている。また単に開口部を直線状のシールで密封するものがある。
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−255246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
日常生活において、商品を郵送や宅配便等で送る際、壊れやすい品物の緩衝や、容器と品物の隙間を埋めるのに新聞紙等を丸め使用している場合が多い。いずれも少量使用のため欲しいときに、緩衝効果が大きく見栄えの良いエア緩衝材が手元にない場合が多い。また、プラスチックフィルム袋の中に品物を入れて保管したりする場合にも容易に密封できるものがあればいい。
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
支軸を支点に2本のアームの先端が開閉自在となるように構成し、先端部より支軸寄りには互いに対峙する略半円形の凹部を形成し、主アームの先端部にヒーターを備えたヒーターアームを内設し、かつそれが回動するのに十分な中空部をもち、その中空部の開口部から前後にスライドし、ヒーターアームを往復回転させる機能を備えたスライドアームを設け、主アームの握り部の内部にヒーター加熱用の電池の収納部を設ける。
以上を特徴とする密封器具である。
【発明の効果】
【0006】
普段の日常生活では入手しにくいエア緩衝材やクッションを、本発明により、どこの家庭でも日常的に使用され多くあるショッピング袋やビニール袋等のプラスチックフィルム袋を利用して、いつどこでも容易に作ることが可能になる。本発明は緩衝材やクッションの目的だけでなく、中に食品等を入れて保存するための密封袋にも使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】 本発明の全体斜視図
【図2】 本発明の使用前の状態を示す側面図
【図3】 本発明の使用時の状態を示す側面図
【図4】 本発明の使用時の具体例を示す部分斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(イ)開閉自在なアームA先端部(1)、アームB先端部(2)の支軸(15)近くに略半円形の圧縮部(3)を設ける。
(ロ)アームA先端部(1)の中空部にヒーターアーム(7)を設ける。
(ハ)ヒーターアーム(7)には分離された電極A(14A)と電極B(14B)が取り付けられ、それぞれの先端を繋いだヒーター(10)を設ける。
(ニ)アームB(5)の支軸近くにスライドアーム(6)が取り付けられ、その片側はアームA先端部(1)の中空部に挿入するように設ける。
(ホ)アームA(4)の内部に、ヒーター加熱用の電池収納部を設ける。
本発明は以上のような構成である。
本発明を使用するときは、プラスチックフィルム袋(16)の開口部を簡単に手で束ね、束ねた部分を図4に示すアームA先端部(1)とアームB先端部(2)の間に挟み込み、さらにその奥にある圧縮部(3)に位置まで押し込む。次に図3に示すように、押し込んだ状態でアームA(4)とアームB(5)を握り締めると圧縮部(3)はさらに束ねられた部分を圧縮し固める。アームB(5)の支軸近くにはスライドアーム(6)が設けられており、アームB(5)の握り締めに伴い矢印方向にアームA先端部(1)から引き抜かれるよう動く。スライドアーム(6)の引き抜きにより、それまでスライドアーム(6)により押し下げられていたヒーターアーム7が、ヒーターアーム用スプリングング(11)の反発により時計回り方向に回転する。ほぼ同時にアームA(4)とアームB(5)の握り締めによりスイッチ押え(8)がヒーター通電スイッチ(9)を押えONとし、電池(13)から電流を流しヒーター(10)を加熱する。ヒーターアーム(7)はヒーターアーム用スプリング(11)により、圧縮部(3)で固められたプラスチックフィルム袋(16)を加熱されたヒーター(10)で溶断と同時に溶断部を溶着しながら切り離す。溶断が終わりアームA(4)とアームB(5)を緩めると、アーム用スプリング(12)により開き、同時にスイッチ押え(8)とヒーター通電スイッチ(9)が離れ、電流はOFFとなり加熱が止められる。さらにスライドアーム(6)が、図2に示すように矢印方向に進み、その先端がヒーターアーム(7)を下方に押し下げる。
【符号の説明】
【0009】
(1) アームA先端部 (10) ヒーター
(2) アームB先端部 (11) ヒーターアーム用スプリング
(3) 圧縮部 (12) アーム用スプリング
(4) アームA (13) 電池
(5) アームB (14A)電極A
(6) スライドアーム (14B)電極B
(7) ヒーターアーム (15) 支軸
(8) スイッチ押え、 (16) プラスチックフィルム袋
(9) ヒーター通電スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支軸を支点に2本のアームの先端が開閉自在となるように構成し、先端部より支軸寄りには互いに対峙する略半円形の凹部を形成し、主アームの先端部にヒーターを備えたヒーターアームを内設し、かつそれが回動するのに十分な中空部をもち、その中空部の開口部から前後にスライドし、ヒーターアームを往復回転させる機能を備えたスライドアームを設け、主アームの握り部の内部にヒーター加熱用の電池の収納部を設けたことを特徴とする密封器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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