説明

密閉蓄電池の製造工程に用いるアダプター及び密閉蓄電池の製造法

【課題】 密閉蓄電池の製造法において、注液後、該電池を電槽化成又は初充電工程へ夫々搬送する間に注液口から外部に電解液が飛散することを防止するアダプターと該アダプターを用いて化成工程又は初充電工程において行われるミスト吸引に伴う電池内の電解液の減量を可及的に少なくする密閉蓄電池の製造法を提供する。
【解決手段】 蓄電池の蓋Aの上面に設けた排気筒Bに装着するに適した筒体内の下部に防沫還流機構11を設け、その上部をミスト案内兼ホース連結筒体1を装着する受容空間12を形成し、該筒体の下端に切欠き13を設けて成る密閉蓄電池の製造工程に用いられるアダプター10を、例えば、蓄電池に注液後搬送するに当たり、更には、例えば、化成工程において行われるミスト吸引時に当たり、該排気筒に装着して用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御弁式鉛蓄電池などの密閉蓄電池の製造工程に用いるアダプター及び密閉蓄電池の製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、制御弁式鉛蓄電池などの密閉蓄電池の製造法は、電解液の注液後該電池をコンベアやフォークリフトなどの搬送体により電槽化成又は初充電工程へ搬送し、化成又は初充電終了後、最終工程において注液口にゴム弁を被着すると共に排気栓を排気筒に装着して密閉して終了するものである。
上記の製造工程において、電槽化成時の終期に発生する酸素、水素等のガス発生に伴う電槽内の圧力の増大による電槽の膨張、変化の防止や酸霧、いわゆるミストが注液口から外部に飛散することを防止するため、注液口に吸引ホースを連結し、ミストを吸引装置により吸引することが、特開昭56-107471号公報(特許文献1)や特開2002-270217号公報(特許文献2)に開示されている。
しかし乍ら、上記特許文献1や2に記載の方法は、ミストを強制的に吸い込んでしまうため、化成後の電解液量の減少量が大きいという問題点があった。
そこで、本願の発明者は、図7に示すような、ミスト案内兼ホース連結筒体1を試作し、これを注液口と吸引ホースとの間に介在させてミストの吸引を試みた。
図7示のミスト案内兼ホース連結筒体1について以下詳述する。
該筒体Aは合成樹脂成形体であり、その下面の中心に通気筒1aとその外周に左右前後に連通孔1b,1b,…が穿設されており、これらの孔の上端は、該筒体1の上面に開口する筒状空間1cに開口しており、該筒状空間1cを囲繞する上部筒壁の内周面には、螺条1dが施された構成を有する。
而して、この筒体1は、蓄電池の電槽化成時や初充電時に当たり、制御弁式蓄電池の蓋Aに穿設した排気筒Bの中心に設けた筒状の注液口Cの上面に、その中心の通気筒1aを該注液口Cと整合させて載置する。このとき、該筒体1の下端外周面は、該蓋Aの上面から上方に突出し、該注液口Cの外周を囲繞する排気筒Bの周壁b1の下部内周面に施された排気栓を螺着するための螺筒部b2に嵌合され、該筒体1を直立状態に保持するようにした。
かくして、ミスト吸引に当たり、図示のように、該筒体1の該上部筒壁内の筒状空間1c内にミスト吸引装置から導出した吸引ホースDをその先端にコネクターEにより連結した合成樹脂製の連結筒Fをその外周面に施された螺条fにより該上部筒壁内周に螺合し、該筒体1に連結し、この状態で吸引装置を始動し、これにより、電池内に充電の末期に発生するミストが該注液口Cからこれに整合している通気筒1aを通り吸引ホースDにより吸引される。このとき、該筒体1の下端と該筒状注液口Cの上端との隙間から漏れるミストは、通気筒1aの外周の4つの通気孔1b,1b,…に流入し吸引される。
このように、該筒体1は、吸引ホースDを強固に保持しているので、不安なく安定良好な吸引作業ができる。尚、更に、直立状態の該筒体1の横方向の動揺を防止するため、該通気筒1aに係止用の合成樹脂製のパイプGを差し込み、その下端を該注液口Cに挿通して、電池内に臨むようにしてある。このようにして、該注液口Cの径より小径のパイプGの該注液口Cに挿通させることにより、該筒体1の左右動を阻止し、安定した状態に設定することができる。
【特許文献1】特開昭56-107471号公報
【特許文献2】特開2002-270217号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来のミスト兼ホース連結筒体1を用いた蓄電池の製造法では、上記の特許文献1や特許文献2に記載のように、化成工程や初充電工程において、吸引ホースを注液口に直接連通せしめる場合に比し、化成又は初充電前後の蓄電池の減液量を少なくすることができたが、まだ、不充分であった。
本発明は、蓄電池の製造工程において、その化成工程や初充電工程における吸引において、図7に示す筒体1を用いるに比し、減液量を低下せしめて優れた密閉蓄電池を製造することに在る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、請求項1に記載の通り、蓄電池の蓋の上面に設けた排気筒に装着するに適した筒体内の下部に防沫還流機構を設け、その上部をミスト案内兼ホース連結筒体を装着する受容空間を形成し、該筒体の下端に切欠きを設けたことを特徴とする密閉蓄電池の製造工程に用いられるアダプターに存する。
更に本発明は、上記のアダプターと該アダプターの上部の受容空間にミスト案内兼ホース連結筒体を装着して成る組立体に存する。
更に本発明は、上記のアダプターと上部に該ミスト案内兼ホース連結筒体を一体化して成る組立体に存する。
更に本発明は、請求項4に記載の通り、蓄電池の蓋の上面に設けた排気筒に装着するに適した筒体内の下部に防沫還流機構を設け、その上部の内周面に吸引ホースの先端の連結筒を螺着する螺条部を設け、更にその下端に切欠きを設けたことを特徴とする密閉蓄電池の製造工程に用いられるアダプターに存する。
更に本発明は、請求項5に記載の通り、蓄電池の蓋の上面に設けた排気筒に装着するに適した筒体内の下部に防沫還流機構を設け、その筒体内の中間部の仕切板の上面にその中心に設けた連通孔を囲繞して吸引ホース接続用の円筒状の連結筒を突設し、更に、該筒体の下端に切欠きを設けたことを特徴とする密閉蓄電池の製造工程に用いられるアダプターに存する。
更に本発明は、電解液の注液工程から排気筒に制御弁付き排気栓を排気筒に装着する密閉工程までの間の製造工程において、電池を搬送するに当たり、注液口を囲繞する排気筒に上記のアダプター又は上記の組立体を装着し、この状態で、該電池を次工程へ搬送することを特徴とする密閉蓄電池の製造法に存する。
更に本発明は、蓄電池の化成時又は初充電時に、請求項2又は3に記載の組立体を排気筒に装着した状態で化成又は初充電を行うことを特徴とする密閉蓄電池の製造法に存する。
【発明の効果】
【0005】
請求項1に係るアダプターによれば、蓄電池の化成工程中又は初充電工程中のミスと吸引に際し、その内部の防沫還流機構によりミストが付着捕集され、捕集された電解液を電池内に還流することができる。
請求項2に係る組立体を、蓋の上面に注液口を被包するように排気筒を設置した状態で吸引ホースを連結し、ミスト吸引を行って化成又は初充電を行うことにより、図7に示す試作品でミスト吸引をする場合と比較し、減液量を低下せしめることができる。
請求項3に係る組立体、若しくは請求項請求項4又は5に係るアダプターを、蓋の上面に注液口を被包するように排気筒に設置した状態で吸引ホースを連結し、ミスト吸引を行って化成又は初充電を行うことにより、図7に示す試作品でミスト吸引をする場合と比較し、減液量を低下せしめることができる。また、これら組立体又はアダプターによれば、ホースを連結する部分を一体化した構造としているため、部品点数を少なくすることができ、その製造コストを抑えることができる。
請求項6に係る蓄電池の製造法によれば、請求項1,4,5のいずれか1つに記載のアダプター又は請求項2又は3に記載の組立体を、蓄電池の組立工程から化成又は初充電工程への搬送時に、蓋の上面に注液口を被包するように設置することにより、以下の効果を奏する。即ち、蓄電池をフォークリフトで搬送中の動揺や振動により、更には所定場所においたときの衝撃により、内部の電解液が注液口より外部に飛散し、注液口の周辺を汚染したり、端子部に飛沫が付着したりして腐食を生ずることがあるが、これらを防止することができる。また、該アダプターの防沫還流機構によって、搬送中の動揺や振動により飛散した電解液を速やかに注液口内に還流することができるため、搬送中の電解液の減少を防止することができる。
また、請求項7に係る蓄電池の製造法によれば、請求項1,4,5のいずれか1つに記載のアダプター又は請求項2又は3に記載の組立体を、蓋の上面に注液口を被包するように排気筒に設置した状態で吸引ホースを連結し、ミスト吸引を行って化成又は初充電を行うことにより、減量のバラツキが少なく、品質の安定した蓄電池を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の実施形態例を添付図面につき説明する。
図1で10は、本発明の実施の1例のアダプターの斜視図、図2は図1のII-II線截断面を示す。該アダプター10は、合成樹脂成形体から成り、蓄電池を製造するに当たり、注液作業終了後、該電池をフォークリフトやコンベアなどで電槽化成又は初充電工程へ搬送する場合に用いたり、化成工程や初充電工程におけるミスト吸引時に用いる。
【0007】
該アダプター10は、円筒体から成り、少なくともその下部を蓄電池の蓋の上面に注液口を囲繞して突設した排気筒に装置するに適した外径とし、その筒体内の下部には、防沫還流機構11が設けられている。また、該筒体内の上部は、図5に示すミスト案内兼ホース連結筒体1を装入する上面開放の受容空間12が形成されており、その下端には、切欠き13を複数個、図示の例では2個、該筒体の円周上の対向位置に配設されている。尚、好ましくは、その各切欠き13により遊離片14が形成され、且つ遊離片の下縁は外方に突出する突起14aが形成されている。更に、該筒体の下部外周面には、先端が丸みを帯びた環状突起15を2条配設した。
【0008】
該防沫還流機構11は、筒体の中心軸線上に延びる芯11aとこれを中心にして螺旋状の排気通路を形成するべく、芯11aと筒体内壁との間で水平方向に延び且つ上下方向に螺旋状に空間を仕切る仕切板11bとから成る。
該アダプター10の筒体の中間部において、該防沫還流機構11の上方には、中心に連通孔16を穿設された水平仕切板17が形成され、該仕切板17は、その上方の前記の受容空間12の底面を形成している。
【0009】
また、該仕切板17の下面は、内側から外側に至るに従い下向きに傾斜した傾斜面17aに形成されている。該仕切板17の上面には、その外周面に、上端面を中心に向かうに従い下降傾斜する傾斜面18aとした三角状の突板18を円周方向に一定の間隔で3個配設されている。
また、該筒体の上部に、該受容空間12の内周面の上端部に、前記の筒体1を該受容空間12に挿入するときに案内する垂直リブ19が円周上に等間隔に3条形成され、その夫々の下端は、上記3個の各三角状突板18に連接している。
【0010】
上記構成のアダプター10は、蓄電池製造において、蓄電池に電解液を注液後化成工程へ搬送するとき、更には、化成終了後、初充電工程へ搬送するときに、図3に示すように、該アダプター10を蓄電池の蓋Aの排気筒Bに装着し、該排気筒B内の中心に位置する注液筒Cの上方及び外周を該アダプター10の筒体で被包する。この状態で、該電池を夫々上記の次工程に搬送することにより、例えばフォークリフトで所定個数の電池を載置したパレットを吊り上げ搬送し、次の工程に降ろすまでの搬送工程において生ずる動遥や衝撃などにより蓄電池の電解液が注液口から外部に飛散することが防止される。
【0011】
該アダプター10はまた、電槽化成工程や初充電工程におけるミスト吸引を行う場合にも、図4に示すように、蓄電池の蓋Aの該排気筒Bに装着して使用される。この装着において、該アダプター10の筒体の下部外周の2条の環状突起15は、排気筒Bの周壁の内面に当接するので、該アダプター10の直立状態を安定に保つべく作用する。また、該アダプター10の下端の左右の各切欠き13内の遊離片14は、その突起14aが排気筒Bの内周の螺条部b2と係合し、該アダプター10の直立状態を安定に保つと共にその突起分内方に折れ曲がり、切欠き空間を大きくする作用を有する。
【0012】
更に、該アダプター10はその上部の受容空間12内に、前記のミスト案内兼ホース連結筒体1を装入する。この装入時に、該受容空間12の底面に配設されている3個の三角状突板18,18,18の下向きの傾斜面18a,18a,18aは、挿入される該筒体1にセンタリング作用を与え、正しく中心軸上に位置せしめることができる一方、同時に、該筒体1の底面と該受容空間12の底面である仕切板17との間にクリアランス20を形成する作用を有する。
かくして、本発明の該アダプター10と該連結筒体1との組立体が構成される。
【0013】
かくして構成した組立体の該ミスト案内兼ホース連結筒体1に、図4に示すように、吸引装置から導出された吸引ホースDの先端に連結されている連結筒Fを該筒体1の上部内周面に施されている螺条1dに螺着し、この状態において、蓄電池の化成工程中又は初充電工程中ミスト吸引を行う。ここでは、アダプター10に連結筒体1を装入した跡に該連結筒体1の上部に連結筒Fを螺着しているが、アダプター10に、その上部に連結筒Fを羅着した連結筒体を挿入しても構わない。
この吸収作用で、特に充電の末期において発生するガスと共に水蒸気、酸霧などの混合気体は注液口Cから上昇し、該アダプター10に流入するが、その内部の防沫還流機構11の渦巻状の通路を上昇する過程で、渦巻状の仕切板11bやその上方の環状仕切板17に当たり、酸霧(ミスト)が付着捕集され、捕集された電解液は環状仕切板17の傾斜面17aに沿い下方に還流し芯11aに沿って流下し、電池内に還流する。該環状仕切板17の中心の連通孔16を通過した気体は、その上方のクリアランス20に流入し、拡散する間にその上方の該筒体1の底面に衝突したミストは捕集され、捕集された電解液は該連通孔16を介し還流する。一方、該ミスト案内兼ホース連結筒体1に中心の通気筒1aとその外周の連通孔1b,1b,…に流入し、該連結筒Fを介し吸引ホースDに吸引される。また、この吸引作用で、外気が該アダプター10の筒体の下端に配設した切欠き13,13により該アダプター10の防沫還流機構11内に流入し、注液口Cから上昇するミストと合流し、ミストを捕集する。而して、制御弁式鉛蓄電池の製造は、最終的に注液口Cにはゴム弁を被着され、該排気筒Bに排気栓を螺着することにより終了することは言うまでもない。
【0014】
図4に示すように、本発明の組立体を用いて、実際に、200Ah-2Vの制御弁式鉛蓄電池30個に対し同様に電槽化成中ミスト吸引を行った場合の夫々の電解液の減液量と、同じ型式の上記蓄電池の30個に対し図5に示す試作品であるミスト案内兼ホース連結筒体1を用い、同様に、電槽化成中ミスト吸引を30回行った場合の夫々の電解液の減液量を測定した。その測定結果は、表1及び表2に夫々示す通りであった。
【0015】
【表1】

【0016】
【表2】

【0017】
上記表1及び表2を比較し明らかなように、本発明の組立体を用いた場合は、図7に示す筒体1を用いた場合に比し、電解液の減液量は少なくなることが確認された。
【0018】
尚、上記の組立体は、そのまま、蓄電池の搬送時にも用いることができ、これにより、搬送時の電解液の飛散防止をもたらす。
【0019】
また、該アダプターと該ミスト案内兼ホース連結筒体とを予め結着材で一体化したり、一体成形により一体化して成る組立体に構成し、使用することができる。
【0020】
図5は、蓄電池の化成時又は初充電時に、本発明の変形例のアダプター10′を該蓋Aの該排気筒Bに装着した状態の断面図を示す。
該アダプター10′は、その筒体の上部の内周面に螺条部1d′を設けたもので、その他の構成は、図示の通り前記のアダプター10と変わりない。而して、蓄電池の化成時又は初充電時に、図示のように該螺条部1d′に吸引ホースDの先端の連結筒Fを螺着し、ミスト吸引を行えるようにしたものである。
【0021】
図6は、蓄電池の化成時又は初充電時に、本発明の他の変形例のアダプター10″を該蓋Aの該排気筒Bに装着した状態の断面図を示す。
該アダプター10″は、その筒体内の該仕切板17の中心の連通孔16を囲繞し、該仕切板17の上面から上方に突出せしめた円筒状の連結筒16aに吸引ホースDを直接嵌合接続し、ミスト吸引を行うようにしたものである。
【0022】
上記のアダプター10′及びアダプター10″を上記のように用いミスト吸引試験を夫々30回行った結果、図1に示す筒体1を用いた場合に比し、減液量の低下効果をもたらした。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の1例のアダプターの斜視図。
【図2】図1のII-II線截断面図。
【図3】電池の搬送時に図1示の該アダプターを電池の排気筒に装着した状態の断面図。
【図4】化成時又は初充電時に本発明の実施の1例の該アダプターとミスト案内筒との組立体を電池の排気筒に装着した状態の断面図。
【図5】化成時又は初充電時に本発明の変形例のアダプターを電池の排気筒に装着し連結した状態の断面図。
【図6】化成時又は初充電時に本発明の更に他の変形例の排気筒を電池のアダプターに装着した状態の断面図。
【図7】化成時又は初充電時にミスト案内兼ホース連結筒を電池の排気筒に装着した状態の断面図。
【符号の説明】
【0024】
10 アダプター
10′ アダプター
10″ アダプター
11 防沫還流機構
12 受容空間
13 切欠き
16 連通孔
17 仕切板
1 ミスト案内兼ホース連結筒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池の蓋の上面に設けた排気筒に装着するに適した筒体内の下部に防沫還流機構を設け、その上部をミスト案内兼ホース連結筒体を装着する受容空間を形成し、該筒体の下端に切欠きを設けたことを特徴とする密閉蓄電池の製造工程に用いられるアダプター。
【請求項2】
請求項1に記載のアダプターと該アダプターの上部の受容空間にミスト案内兼ホース連結筒体を装着して成る組立体。
【請求項3】
請求項1に記載のアダプターと上部に該ミスト案内兼ホース連結筒体を一体化して成る組立体。
【請求項4】
蓄電池の蓋の上面に設けた排気筒に装着するに適した筒体内の下部に防沫還流機構を設け、その上部の内周面に吸引ホースの先端の連結筒を螺着する螺条部を設け、更にその下端に切欠きを設けたことを特徴とする密閉蓄電池の製造工程に用いられるアダプター。
【請求項5】
蓄電池の蓋の上面に設けた排気筒に装着するに適した筒体内の下部に防沫還流機構を設け、その筒体内の中間部の仕切板の上面にその中心に設けた連通孔を囲繞して吸引ホース接続用の円筒状の連結筒を突設し、更に、該筒体の下端に切欠きを設けたことを特徴とする密閉蓄電池の製造工程に用いられるアダプター。
【請求項6】
電解液の注液工程から排気筒に制御弁付き排気栓を排気筒に装着する密閉工程までの間の製造工程において、電池を搬送するに当たり、注液口を囲繞する排気筒に請求項1,4,5のいずれか1つに記載のアダプター又は請求項2又は3に記載の組立体を装着し、この状態で、該電池を次工程へ搬送することを特徴とする密閉蓄電池の製造法。
【請求項7】
蓄電池の化成時又は初充電時に、請求項1,4,5のいずれか1つに記載のアダプター又は請求項2又は3に記載の組立体を排気筒に装着した状態で化成又は初充電を行うことを特徴とする密閉蓄電池の製造法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−153194(P2010−153194A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−329771(P2008−329771)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000005382)古河電池株式会社 (314)
【Fターム(参考)】