寝姿勢と体圧分布が至適になるように弾力性に分布を持たせた敷き寝具およびその製造方法
【課題】ふとんを使用する個人の仰臥位と側臥位の寝姿勢と体圧分布を測定しながら、寝具を使用する本人にとって至適な寝姿勢と体圧分布になるような弾力性分布を求めること。そして、この弾力性分布を持った敷き寝具を製造する方法である。
【解決手段】弾力性の異なる多くのブロックを並べた測定用の敷きふとんに被験者を寝かせ、仰臥位と側臥位の寝姿勢測定装置と体圧分布測定装置によって寝姿勢と体圧分布を測定しながら、至適になるようにブロックを入れ替えて、至適な体圧分布と寝姿勢になるような弾力性分布を求める。この至適な体圧分布と寝姿勢になるような弾力性分布を持った敷き寝具を、敷き寝具の必要箇所を切り取って、この部分に同じ大きさの弾力性の異なる断片を入れ替えることによって製造する。
【解決手段】弾力性の異なる多くのブロックを並べた測定用の敷きふとんに被験者を寝かせ、仰臥位と側臥位の寝姿勢測定装置と体圧分布測定装置によって寝姿勢と体圧分布を測定しながら、至適になるようにブロックを入れ替えて、至適な体圧分布と寝姿勢になるような弾力性分布を求める。この至適な体圧分布と寝姿勢になるような弾力性分布を持った敷き寝具を、敷き寝具の必要箇所を切り取って、この部分に同じ大きさの弾力性の異なる断片を入れ替えることによって製造する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、敷き寝具およびその作成に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
ふとんは寝姿勢と体圧分布が重要であると漠然と言われてきた。弾力性の大き過ぎる寝具では、腰部が落ち込み寝姿勢が悪くなり、腰痛の原因になる。一方、寝姿勢での体重分布に応じて弾力性の大きさを対応させ体重を支持すると、寝姿勢は良くなるが、体圧分布が悪くなる。寝姿勢と体圧分布は二律背反の関係とされているので、3枚に分けた敷きふとんのうち腰部の一枚を固いふとんにする程度で、体圧分布と寝姿勢の両方とも至適なように調整する敷き寝具はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般の健常人はもとより高齢者・病人・身体障害者の寝具には、蓐瘡や腰痛の防止、サニタリー性などの課題が山積しており、快適な睡眠、蓐瘡防止、腰痛防止等のためには、至適な体圧分布と寝姿勢を提供する寝具が重要である。体圧分布と寝姿勢は体格、体重など個人の特性と寝具の弾力性によって異なっており、寝具とそれを使用する個人との関係で測定され、寝具を用いる本人に至適なように調節されなければならない。本発明が解決しようとする課題は二律背反の関係と思われている寝姿勢と体圧分布の両者とも至適なように調整する寝具の作り方である。
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、次の項目である。
1.寝姿勢と体圧分布を両者とも至適なように調整する方法
2.そのために必要な弾力性分布を敷き寝具に持たせる方法
【課題を解決するための手段】
【0005】
ふとんを使用する個人の仰臥位と側臥位の寝姿勢と体圧分布を測定しながら、寝具を使用する本人にとって至適な寝姿勢と体圧分布になるような弾力性分布を求め、この弾力性分布を持った敷き寝具を製造する。
【0006】
具体的には、弾力性の異なる多くのブロックを並べた測定用の敷きふとんに被験者を寝かせ、仰臥位と側臥位の寝姿勢測定装置と体圧分布測定装置によって寝姿勢と体圧分布を測定しながら、至適になるようにブロックを入れ替えて、至適な体圧分布と寝姿勢になるような弾力性分布を求める。この至適な体圧分布と寝姿勢になるような弾力性分布を持った敷き寝具を、敷き寝具の必要箇所を切り取って、この部分に同じ大きさの異なる弾力性の断片を入れ替えることによって製造する。
【0007】
1.寝姿勢と体圧分布を両者とも至適なように調整する方法
1)弾力性の大き過ぎる寝具では、腰部が落ち込み寝姿勢が悪くなり、腰痛の原因になる。一方、体重分布(頭部、胸部、腰部、大腿、下腿)に応じて弾力性の大きさを対応させるという考えで腰部分だけ硬いふとんにして支持すると、寝姿勢は良くなるが、体圧分布が悪くなる。
【0008】
2)無呼吸症候群のためには側臥位が良いとされているが、一様な硬さのふとんでは、側臥位では下になった上腕の圧迫のため側臥位を長く保てない。
【0009】
3)下肢の踵部、仙骨部等は、特に蓐瘡が出来易い場所であり、なんらかの対策が必要とされている。
【0010】
以上の3点に対する具体的な対策としては、敷きふとんの弾力性を部位によって細かく変えることで解決できる。上記の1)に対しては、最大重量部から少し外して支えることで、寝姿勢を悪くしないで体圧分布を改善出来る。2)に対しては、側臥位での肩部の弾力性を大きくすることで、肩の沈み込みが良くなり、長時間に亘って無理なく側臥位を保つことが出来て、無呼吸症候群の改善に適切な寝姿勢にする。なお、肩部の敷きふとんの至適な弾力性は、枕の高さと関係しており、枕の至適な高さは単に頚椎部の形状測定のみでは決められない。枕は敷きふとんの弾力性分布との関係で議論されなければならない。枕の高さの至適値は硬いふとんでは高く、弾力性の大きなふとんでは低くなる。仰臥位と側臥位での条件を満たすことが必要であるが、側臥位での値は次のようになる。
枕の高さ=(肩幅−頭部幅)/2−寝具の沈込み量」。
3)に対しては、蓐瘡が出来易い場所の弾力性を大きくして、体圧を低く抑える。
このように、寝姿勢と体圧分布を両者とも至適なように調整するには、敷きふとんの弾力性を部位によって細かく変える「弾力性に分布を持たせた敷き寝具」とすることで解決できる。
【0011】
寝姿勢と体圧分布は二律背反の関係と思われていたが、弾力性分布を変えられる敷き寝具によって、寝姿勢を悪くしないで体圧分布を改善することが出来る。寝姿勢及び体圧分布を測定して、身長、体重など個人の特性に応じた弾力性分布を持たせた使用する個人ごとに最適な寝具を提供することが出来る。使用する個人ごとに最適な寝具を提供することが出来、蓐瘡の予防と治療、無呼吸症候群の改善にも大きな効果が期待される。
【0012】
2.寝姿勢と体圧分布を両者とも至適なように調整する弾力性分布の測定装置
1)弾力性分布を任意に変えられる測定用の敷き寝具
弾力性の異なる多くのブロックを並べて敷きふとんの形状にしたもので、寝姿勢と体圧分布を測定しながら、至適な弾力性分布になるようにブロックを入れ替る。
【0013】
2)寝姿勢測定装置(図2、図3、図4、図5、図6)
(2.1) 仰臥位での寝姿勢の定義
寝具に仰臥位で寝かせた人体を横から見て、上下の厚さの中央の水平面からの高さを足先から頭頂までを結んだ線を、足先からの距離の関数として仰臥位寝姿勢曲線と定義する。水平な硬い台に仰臥位で寝かせた場合を仰臥位基準寝姿勢曲線と定義する。
【0014】
(2.2) 仰臥位での寝姿勢の測定方法
仰臥位での寝姿勢は次の手順で測定する。
・被測定者を次の項に記載する測定装置の水平な測定台に仰臥位で寝かせ、人体正面の正中線の上方に水平に設置した測定装置の人体上面の測定器で、人体正面中央表面の台からの寸法を頭頂から恥骨部までを足先からの距離の関数として測定する。
・右または左の下肢前面中央表面の台からの寸法を鼠経部から足先までを足先からの距離の関数として測定する。
・これを、頭頂から足先までを繋いで足先からの距離の関数として仰臥位前面の曲線とする。
・次いで、人体下面の正中線の下方に水平に設置した次に記載する測定装置の人体下面の測定器で、人体下面中央表面の台からの寸法を頭頂から恥骨部までを足先からの距離の関数として測定する。
・右または左の下肢下面中央の台表面からの寸法を大腿から足先までを足先からの距離の関数として人体下面の測定器で測定する。
・これを、頭頂から足先までを繋いで足先からの距離の関数として仰臥位下面の曲線とする。
・仰臥位前面の曲線と仰臥位下面の曲線とを平均した足先からの距離の関数を、平板における仰臥位寝姿勢とし、仰臥位基準寝姿勢曲線とする。
・仰臥位前面の曲線から仰臥位下面の曲線を減じた足先からの距離の関数は人体の上下の厚さであり、これを仰臥位基準寝姿勢の基準厚さ関数とする。
・被測定者を測定装置の水平な測定台の上に敷いた実際の寝具に仰臥位で寝かせ、前記1から7と同じ手順に従って人体前面の曲線と人体下面の曲線を足先からの距離の関数として測定する。人体前面の曲線と人体下面の曲線を平均した関数を、実際の寝具の仰臥位寝姿勢曲線とする。
・仰臥位寝姿勢曲線を簡易に求めたい場合は、被測定者を実際の寝具に寝かせ、この時の仰臥位の人体前面の曲線を足先からの距離の関数として測定し、仰臥位基準寝姿勢の基準厚さ関数の値を減じ、実際の寝具の仰臥位寝姿勢近似曲線とする。
この実際の寝姿勢曲線を寝姿勢至適曲線と比較して寝姿勢の評価に用いる。至適寝姿勢曲線を直線として、この差を補正すれば至適な寝姿勢になる。
【0015】
(2.3)仰臥位の形状を測定する測定装置
仰臥位で寝かせた被測定者の上方に水平に設置した、被測定者の身長より長い棒状の材料に等間隔に孔を明け、この孔に一定の長さの細い棒を被測定者の身体に接するまで差し入れ、棒材の上に残った長さを棒材の上に設置した目盛板の目盛りを読むことで、被測定者の水平面からの距離を測定する仰臥位の人体上面の形状測定装置とする。
並びに水平な測定台に仰臥位で寝かせた被測定者の正中線および左右の下肢の中央の線の位置に測定台に等間隔に孔を明け、この孔に一定の長さの細い棒を、被測定者の身体に接するまで下から差し入れ、残った長さを測定することで、被測定者の水平面からの距離を測定する仰臥位の人体下面の形状測定装置とする。
【0016】
実際のふとんに寝た場合の寝姿勢を測定する場合は測定台の上にふとんを敷いて、ふとんを貫通して測定棒を孔に差し入れ測定するが、この際の人体下面の測定棒の入れ方は、次の手順による。
・測定台に敷きふとんを敷き、細い先の尖った針を、測定台に垂直になるように案内具を用いて、測定台の孔に下からふとんを貫通させて差し入れ、針の先をふとんから出す。
・上から人体下面の測定棒の端面を針の先に刺し、そのまま下へ測定棒のストッパーの位置までふとんに押し込む。
・測定台の全部の孔に測定棒を設置し、被測定者をふとんの上に寝させる。
・測定台の下に出ている測定棒の長さを測る。
・測定する際、ふとんと人体との間に、隙間のできる箇所は、測定棒を人体に接するまで突き上げて測定する。
ベッドが体重により変形する場合などは、図5に示すように床面または下部に設けた基準面から測定する。
【0017】
(2.4) 側臥位の寝姿勢の定義
下肢を伸ばした姿勢の側臥位で寝具に寝かせた人体を横から見て、上半身の正中線曲線の水平面からの高さ、下肢の中央の水平面からの高さを足先から頭頂までを結んだ線を、足先からの距離の関数として側臥位の寝姿勢と定義する。
【0018】
(2.5) 側臥位の寝姿勢の測定方法
被測定者を立位で背面の正中線に指標を付けてから寝具に下肢を伸ばした姿勢の側臥位で寝かせ、上半身の正中線曲線の水平面からの寸法を足先からの距離の関数として測定し、下記のT字型の測定装置を足の間に挟んで下肢部の正中線曲線を足先からの距離の関数として計測し、これを頭頂から足先までを繋いで側臥位の寝姿勢とする。このとき、頭部には中央線に指標を付けられるようにキャップを被せる。側臥位の寝姿勢の至適値を直線とし、差を補正すれば至適な寝姿勢になる。
【0019】
(2.6)側臥位の寝姿勢の測定装置
股下から足先までの長さの断面がT字型をした柔軟性のある板から成り、足の間に挟んで下肢部の中央線を計測する測定器具を考案した。
【0020】
3)体圧分布測定装置
縦30mm横30mm程度のピッチで体圧を測定できる「体圧分布測定装置」を使用する。
【0021】
3.必要な弾力性分布を敷き寝具に持たせる方法
敷きふとんに弾力性分布を持たせる方法は、敷きふとんまたはマットレスの一部分または数か所の部分を切り取り、切り取った部分と同じ大きさの弾力性の異なる敷きふとんまたはマットレスの断片を入れ替えることによって、弾力性分布を持たせたることによって可能である。ふとんの中綿の充填量を分布させることによっても可能である。
敷きふとんまたはマットレスの弾力性を変えたい部分(一部分または数か所の部分)を切り取り、切り取った部分と同じ大きさの弾力性の異なる敷きふとんまたはマットレスの断片と入れ替えることによって、任意の弾力性分布を持たせた敷き寝具を作成する方法を考案した。入れ替えただけでも良いが、入れ替えた部分を本体と接着するか、全体に底板を入れるか、まき綿で全体を包むことによって、切り取った部分を接着しないでも済ませること出来る。
【0022】
4.弾力性分布を持たせた敷き寝具
下記の敷き寝具はカバーで包む。
1)個人個人に合わせたオーダーメイドの寝具(寝具1)
「弾力性分布を任意に変えられる測定用の敷き寝具」、「寝姿勢の測定装置」、「体圧分布測定装置」を使用して、仰臥位寝姿勢、側臥位寝姿勢および体圧分布が至適な値になるように、敷き寝具の弾力性を調整し、その個人に至適な弾力性分布になる敷き寝具とする。
【0023】
2)標準の弾力性分布を持った寝具(寝具2)
前項の方法によって、多くの「個人に平均して至適な弾力性分布になる敷き寝具」を作り、標準の弾力性分布を持った敷き寝具とする。
【0024】
3)底板のついた寝具(寝具3)
切り取った断片を入れ替えた部分を本体と接着しないで、全体に底板を入れた弾力性分布を持った敷き寝具。
【0025】
4)巻き綿で包んだ寝具(寝具4)
切り取った断片を入れ替えた部分を本体と接着しないで、まき綿で全体を包んだ弾力性分布を持った敷き寝具。
【0026】
5)ふとんの中綿の充填量を分布させた寝具(寝具5)
ふとんの中綿の充填量を分布させて、弾力性分布を持たせた敷き寝具。
桟立てを設けて仕切り、中綿を入れることも出来る。
【0027】
6)三つ折りに出来る寝具(寝具6)
収納し易いように、上記の寝具を三つ折りにしたもの。
【発明の効果】
【0028】
高齢者は病気や身体の障害を伴う場合が多くなるので、ベッドやふとんと過ごす時間が長くなってくる。寝姿勢や体圧分布が悪くなると腰痛になったり、褥創ができたりする。本発明は、一般人や高齢者に対して、腰痛や褥創を防止して快適な睡眠がとれるように、寝姿勢や体圧分布を使う本人に適したものに調整できる。また、脊椎損傷者などの褥創の手術後に、術部の弾力性を大きくして体圧を掛けない寝具として効果があり、高齢者および脊椎損傷者の敷き寝具に適用できる。また、無呼吸症候群のためには側臥位が良いとされているが、一様な硬さのふとんでは、側臥位では下になった上腕の圧迫のため側臥位を長く保てない。側臥位での肩部の弾力性を大きくすることで、肩の沈み込みが良くなり、長時間に亘って無理なく側臥位を保つことが出来て、無呼吸症候群の改善に適切な寝姿勢にすることが出来る。
寝姿勢の測定方法と測定装置によって、寝具を使用する本人の仰臥位および側臥位の寝姿勢を実際に測定することができ、寝姿勢と体圧分布は二律背反の関係と思われていたが、弾力性分布を変えられる敷き寝具によって、寝姿勢を悪くしないで体圧分布を改善することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の「寝姿勢と体圧分布を至適なように調整する方法」、「弾力性分布を敷き寝具に持たせる方法」について説明する。
【実施例1】
【0030】
図1は、弾力性分布を任意に変えられる測定用の敷き寝具である。実施例1は、全体の大きさを
幅100cm、長さ200cmとし、各ブロックの大きさを10cm×10cm×10cmの立方体とする。ブロックの弾力性は210、190、160、130、100、70、40mm/decadeの7段階に分ける。
【実施例2】
【0031】
個人個人に合わせたオーダーメイドの寝具である。(寝具1)
入れ替える部分のブロックの弾力性は210、190、160、130、100、70、40mm/decadeの7段階に分ける。以下の寝具2から寝具5も同じ。尚、以下の実施例の敷き寝具は布またはメッシュのカバーで包む。説明図ではカバーは省略してある。
【実施例3】
【0032】
標準の弾力性分布を持った敷き寝具である。(寝具2)
【実施例4】
【0033】
底板の付いた寝具である。(寝具3)
【実施例5】
【0034】
巻き綿で包んだ寝具である。(寝具4)
【実施例6】
【0035】
ふとんの中綿の充填量を分布させた寝具である。(寝具5)
【実施例7】
【0036】
三つ折りに出来る寝具である。(寝具6)
【産業上の利用可能性】
【0037】
健常者はもとより無呼吸症候群等の改善に適切な寝姿勢にすることが出来るため、一般家庭及び病院などで広く利用できる寝具である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】弾力性分布を任意に変えられる測定用の敷き寝具の説明図である。(実施例1)
【図2】仰臥位の基準寝姿勢測定装置の説明図である。水平な台に仰臥位で寝た被測定者の水平面からの距離を測定する人体上面、下面の形状測定装置。
【図3】実際の敷き寝具に寝た時の仰臥位の寝姿勢測定装置の説明図である。敷きふとんに仰臥位で寝た被測定者の水平面からの距離を測定する人体上面、下面の形状測定装置。
【図4】変形するベッドに寝た時の寝姿勢測定装置の説明図である。変形するベッドに仰臥位で寝た被測定者の水平面からの距離を測定する人体上面、下面の形状測定装置。
【図5】側臥位の基準寝姿勢測定装置の説明図である。水平な台に側臥位で寝た被測定者の水平面からの距離を測定する人体上面、下面の形状測定装置。
【図6】実際の敷き寝具に寝た時の側臥位の寝姿勢測定装置の説明図である。敷きふとんに側臥位で寝た被測定者の水平面からの距離を測定する人体上面、下面、正中線の形状測定装置。
【図7】個人個人に合わせたオーダーメイドの敷き寝具の説明図である。(実施例2)以下の実施例の敷き寝具は布またはメッシュのカバーで包む。説明図ではカバーは省略してある。
【図8】標準の弾力性分布を持った敷き寝具の説明図である。(実施例3)
【図9】巻き綿で包んだ寝具の説明図である。(実施例4)
【図10】底板の付いた寝具である。体圧分布と寝姿勢を調節できる寝具の底の面全体に亘る1枚のブロックを入れることによって、型崩れしないようにし、収納時などに取り扱い易いようにした寝具の説明図である。(実施例5)
【図11】ふとんの中綿の充填量を分布させて体圧分布と寝姿勢を調節する寝具の説明図である。(実施例6)
【図12】収納時などに取り扱い易いように、三つ折りに出来る寝具の説明図である。(実施例7)
【符号の説明】
【0039】
1.弾力性の異なるブロック(弾力性は210、190、160、130、100、70、40mm/decade
の7段階に分ける)
2.枠体
3.仰臥位上面の測定棒。
4.仰臥位上面の測定装置本体。
5.支持金具。
6.測定台。
7.仰臥位下面の測定棒。
8.敷きふとんに寝たときの仰臥位下面の測定棒、上端にストッパー付き。
9.敷きふとん。
10.ベッド
11.測定台(ベッド)
12.変形するベッドの場合は、床面からの高さを測定する。
13.側臥位上面の測定棒
14.側臥位上面の測定装置本体
15.側臥位上面の支持金具
16.角枕
17.側臥位の測定台
18.側臥位下面の測定棒
19.指標
20.下肢部の指標
21.枕
22.敷き寝具の本体(弾力性130mm/decade)
23.入れ替えブロック(弾力性210mm/decade)
24.入れ替えブロック(弾力性190mm/decade)
25.入れ替えブロック(弾力性160mm/decade)
26.入れ替えブロック(弾力性130mm/decade)
27.入れ替えブロック(弾力性100mm/decade)
28.入れ替えブロック(弾力性70mm/decade)
29.入れ替えブロック(弾力性40mm/decade)
30.底板
31.巻き綿
32.桟立て(側生地に繋げる)
33.敷き寝具の本体
34.充填量の大きい部分
35.充填量の小さい部分
【技術分野】
【0001】
本発明は、敷き寝具およびその作成に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
ふとんは寝姿勢と体圧分布が重要であると漠然と言われてきた。弾力性の大き過ぎる寝具では、腰部が落ち込み寝姿勢が悪くなり、腰痛の原因になる。一方、寝姿勢での体重分布に応じて弾力性の大きさを対応させ体重を支持すると、寝姿勢は良くなるが、体圧分布が悪くなる。寝姿勢と体圧分布は二律背反の関係とされているので、3枚に分けた敷きふとんのうち腰部の一枚を固いふとんにする程度で、体圧分布と寝姿勢の両方とも至適なように調整する敷き寝具はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般の健常人はもとより高齢者・病人・身体障害者の寝具には、蓐瘡や腰痛の防止、サニタリー性などの課題が山積しており、快適な睡眠、蓐瘡防止、腰痛防止等のためには、至適な体圧分布と寝姿勢を提供する寝具が重要である。体圧分布と寝姿勢は体格、体重など個人の特性と寝具の弾力性によって異なっており、寝具とそれを使用する個人との関係で測定され、寝具を用いる本人に至適なように調節されなければならない。本発明が解決しようとする課題は二律背反の関係と思われている寝姿勢と体圧分布の両者とも至適なように調整する寝具の作り方である。
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、次の項目である。
1.寝姿勢と体圧分布を両者とも至適なように調整する方法
2.そのために必要な弾力性分布を敷き寝具に持たせる方法
【課題を解決するための手段】
【0005】
ふとんを使用する個人の仰臥位と側臥位の寝姿勢と体圧分布を測定しながら、寝具を使用する本人にとって至適な寝姿勢と体圧分布になるような弾力性分布を求め、この弾力性分布を持った敷き寝具を製造する。
【0006】
具体的には、弾力性の異なる多くのブロックを並べた測定用の敷きふとんに被験者を寝かせ、仰臥位と側臥位の寝姿勢測定装置と体圧分布測定装置によって寝姿勢と体圧分布を測定しながら、至適になるようにブロックを入れ替えて、至適な体圧分布と寝姿勢になるような弾力性分布を求める。この至適な体圧分布と寝姿勢になるような弾力性分布を持った敷き寝具を、敷き寝具の必要箇所を切り取って、この部分に同じ大きさの異なる弾力性の断片を入れ替えることによって製造する。
【0007】
1.寝姿勢と体圧分布を両者とも至適なように調整する方法
1)弾力性の大き過ぎる寝具では、腰部が落ち込み寝姿勢が悪くなり、腰痛の原因になる。一方、体重分布(頭部、胸部、腰部、大腿、下腿)に応じて弾力性の大きさを対応させるという考えで腰部分だけ硬いふとんにして支持すると、寝姿勢は良くなるが、体圧分布が悪くなる。
【0008】
2)無呼吸症候群のためには側臥位が良いとされているが、一様な硬さのふとんでは、側臥位では下になった上腕の圧迫のため側臥位を長く保てない。
【0009】
3)下肢の踵部、仙骨部等は、特に蓐瘡が出来易い場所であり、なんらかの対策が必要とされている。
【0010】
以上の3点に対する具体的な対策としては、敷きふとんの弾力性を部位によって細かく変えることで解決できる。上記の1)に対しては、最大重量部から少し外して支えることで、寝姿勢を悪くしないで体圧分布を改善出来る。2)に対しては、側臥位での肩部の弾力性を大きくすることで、肩の沈み込みが良くなり、長時間に亘って無理なく側臥位を保つことが出来て、無呼吸症候群の改善に適切な寝姿勢にする。なお、肩部の敷きふとんの至適な弾力性は、枕の高さと関係しており、枕の至適な高さは単に頚椎部の形状測定のみでは決められない。枕は敷きふとんの弾力性分布との関係で議論されなければならない。枕の高さの至適値は硬いふとんでは高く、弾力性の大きなふとんでは低くなる。仰臥位と側臥位での条件を満たすことが必要であるが、側臥位での値は次のようになる。
枕の高さ=(肩幅−頭部幅)/2−寝具の沈込み量」。
3)に対しては、蓐瘡が出来易い場所の弾力性を大きくして、体圧を低く抑える。
このように、寝姿勢と体圧分布を両者とも至適なように調整するには、敷きふとんの弾力性を部位によって細かく変える「弾力性に分布を持たせた敷き寝具」とすることで解決できる。
【0011】
寝姿勢と体圧分布は二律背反の関係と思われていたが、弾力性分布を変えられる敷き寝具によって、寝姿勢を悪くしないで体圧分布を改善することが出来る。寝姿勢及び体圧分布を測定して、身長、体重など個人の特性に応じた弾力性分布を持たせた使用する個人ごとに最適な寝具を提供することが出来る。使用する個人ごとに最適な寝具を提供することが出来、蓐瘡の予防と治療、無呼吸症候群の改善にも大きな効果が期待される。
【0012】
2.寝姿勢と体圧分布を両者とも至適なように調整する弾力性分布の測定装置
1)弾力性分布を任意に変えられる測定用の敷き寝具
弾力性の異なる多くのブロックを並べて敷きふとんの形状にしたもので、寝姿勢と体圧分布を測定しながら、至適な弾力性分布になるようにブロックを入れ替る。
【0013】
2)寝姿勢測定装置(図2、図3、図4、図5、図6)
(2.1) 仰臥位での寝姿勢の定義
寝具に仰臥位で寝かせた人体を横から見て、上下の厚さの中央の水平面からの高さを足先から頭頂までを結んだ線を、足先からの距離の関数として仰臥位寝姿勢曲線と定義する。水平な硬い台に仰臥位で寝かせた場合を仰臥位基準寝姿勢曲線と定義する。
【0014】
(2.2) 仰臥位での寝姿勢の測定方法
仰臥位での寝姿勢は次の手順で測定する。
・被測定者を次の項に記載する測定装置の水平な測定台に仰臥位で寝かせ、人体正面の正中線の上方に水平に設置した測定装置の人体上面の測定器で、人体正面中央表面の台からの寸法を頭頂から恥骨部までを足先からの距離の関数として測定する。
・右または左の下肢前面中央表面の台からの寸法を鼠経部から足先までを足先からの距離の関数として測定する。
・これを、頭頂から足先までを繋いで足先からの距離の関数として仰臥位前面の曲線とする。
・次いで、人体下面の正中線の下方に水平に設置した次に記載する測定装置の人体下面の測定器で、人体下面中央表面の台からの寸法を頭頂から恥骨部までを足先からの距離の関数として測定する。
・右または左の下肢下面中央の台表面からの寸法を大腿から足先までを足先からの距離の関数として人体下面の測定器で測定する。
・これを、頭頂から足先までを繋いで足先からの距離の関数として仰臥位下面の曲線とする。
・仰臥位前面の曲線と仰臥位下面の曲線とを平均した足先からの距離の関数を、平板における仰臥位寝姿勢とし、仰臥位基準寝姿勢曲線とする。
・仰臥位前面の曲線から仰臥位下面の曲線を減じた足先からの距離の関数は人体の上下の厚さであり、これを仰臥位基準寝姿勢の基準厚さ関数とする。
・被測定者を測定装置の水平な測定台の上に敷いた実際の寝具に仰臥位で寝かせ、前記1から7と同じ手順に従って人体前面の曲線と人体下面の曲線を足先からの距離の関数として測定する。人体前面の曲線と人体下面の曲線を平均した関数を、実際の寝具の仰臥位寝姿勢曲線とする。
・仰臥位寝姿勢曲線を簡易に求めたい場合は、被測定者を実際の寝具に寝かせ、この時の仰臥位の人体前面の曲線を足先からの距離の関数として測定し、仰臥位基準寝姿勢の基準厚さ関数の値を減じ、実際の寝具の仰臥位寝姿勢近似曲線とする。
この実際の寝姿勢曲線を寝姿勢至適曲線と比較して寝姿勢の評価に用いる。至適寝姿勢曲線を直線として、この差を補正すれば至適な寝姿勢になる。
【0015】
(2.3)仰臥位の形状を測定する測定装置
仰臥位で寝かせた被測定者の上方に水平に設置した、被測定者の身長より長い棒状の材料に等間隔に孔を明け、この孔に一定の長さの細い棒を被測定者の身体に接するまで差し入れ、棒材の上に残った長さを棒材の上に設置した目盛板の目盛りを読むことで、被測定者の水平面からの距離を測定する仰臥位の人体上面の形状測定装置とする。
並びに水平な測定台に仰臥位で寝かせた被測定者の正中線および左右の下肢の中央の線の位置に測定台に等間隔に孔を明け、この孔に一定の長さの細い棒を、被測定者の身体に接するまで下から差し入れ、残った長さを測定することで、被測定者の水平面からの距離を測定する仰臥位の人体下面の形状測定装置とする。
【0016】
実際のふとんに寝た場合の寝姿勢を測定する場合は測定台の上にふとんを敷いて、ふとんを貫通して測定棒を孔に差し入れ測定するが、この際の人体下面の測定棒の入れ方は、次の手順による。
・測定台に敷きふとんを敷き、細い先の尖った針を、測定台に垂直になるように案内具を用いて、測定台の孔に下からふとんを貫通させて差し入れ、針の先をふとんから出す。
・上から人体下面の測定棒の端面を針の先に刺し、そのまま下へ測定棒のストッパーの位置までふとんに押し込む。
・測定台の全部の孔に測定棒を設置し、被測定者をふとんの上に寝させる。
・測定台の下に出ている測定棒の長さを測る。
・測定する際、ふとんと人体との間に、隙間のできる箇所は、測定棒を人体に接するまで突き上げて測定する。
ベッドが体重により変形する場合などは、図5に示すように床面または下部に設けた基準面から測定する。
【0017】
(2.4) 側臥位の寝姿勢の定義
下肢を伸ばした姿勢の側臥位で寝具に寝かせた人体を横から見て、上半身の正中線曲線の水平面からの高さ、下肢の中央の水平面からの高さを足先から頭頂までを結んだ線を、足先からの距離の関数として側臥位の寝姿勢と定義する。
【0018】
(2.5) 側臥位の寝姿勢の測定方法
被測定者を立位で背面の正中線に指標を付けてから寝具に下肢を伸ばした姿勢の側臥位で寝かせ、上半身の正中線曲線の水平面からの寸法を足先からの距離の関数として測定し、下記のT字型の測定装置を足の間に挟んで下肢部の正中線曲線を足先からの距離の関数として計測し、これを頭頂から足先までを繋いで側臥位の寝姿勢とする。このとき、頭部には中央線に指標を付けられるようにキャップを被せる。側臥位の寝姿勢の至適値を直線とし、差を補正すれば至適な寝姿勢になる。
【0019】
(2.6)側臥位の寝姿勢の測定装置
股下から足先までの長さの断面がT字型をした柔軟性のある板から成り、足の間に挟んで下肢部の中央線を計測する測定器具を考案した。
【0020】
3)体圧分布測定装置
縦30mm横30mm程度のピッチで体圧を測定できる「体圧分布測定装置」を使用する。
【0021】
3.必要な弾力性分布を敷き寝具に持たせる方法
敷きふとんに弾力性分布を持たせる方法は、敷きふとんまたはマットレスの一部分または数か所の部分を切り取り、切り取った部分と同じ大きさの弾力性の異なる敷きふとんまたはマットレスの断片を入れ替えることによって、弾力性分布を持たせたることによって可能である。ふとんの中綿の充填量を分布させることによっても可能である。
敷きふとんまたはマットレスの弾力性を変えたい部分(一部分または数か所の部分)を切り取り、切り取った部分と同じ大きさの弾力性の異なる敷きふとんまたはマットレスの断片と入れ替えることによって、任意の弾力性分布を持たせた敷き寝具を作成する方法を考案した。入れ替えただけでも良いが、入れ替えた部分を本体と接着するか、全体に底板を入れるか、まき綿で全体を包むことによって、切り取った部分を接着しないでも済ませること出来る。
【0022】
4.弾力性分布を持たせた敷き寝具
下記の敷き寝具はカバーで包む。
1)個人個人に合わせたオーダーメイドの寝具(寝具1)
「弾力性分布を任意に変えられる測定用の敷き寝具」、「寝姿勢の測定装置」、「体圧分布測定装置」を使用して、仰臥位寝姿勢、側臥位寝姿勢および体圧分布が至適な値になるように、敷き寝具の弾力性を調整し、その個人に至適な弾力性分布になる敷き寝具とする。
【0023】
2)標準の弾力性分布を持った寝具(寝具2)
前項の方法によって、多くの「個人に平均して至適な弾力性分布になる敷き寝具」を作り、標準の弾力性分布を持った敷き寝具とする。
【0024】
3)底板のついた寝具(寝具3)
切り取った断片を入れ替えた部分を本体と接着しないで、全体に底板を入れた弾力性分布を持った敷き寝具。
【0025】
4)巻き綿で包んだ寝具(寝具4)
切り取った断片を入れ替えた部分を本体と接着しないで、まき綿で全体を包んだ弾力性分布を持った敷き寝具。
【0026】
5)ふとんの中綿の充填量を分布させた寝具(寝具5)
ふとんの中綿の充填量を分布させて、弾力性分布を持たせた敷き寝具。
桟立てを設けて仕切り、中綿を入れることも出来る。
【0027】
6)三つ折りに出来る寝具(寝具6)
収納し易いように、上記の寝具を三つ折りにしたもの。
【発明の効果】
【0028】
高齢者は病気や身体の障害を伴う場合が多くなるので、ベッドやふとんと過ごす時間が長くなってくる。寝姿勢や体圧分布が悪くなると腰痛になったり、褥創ができたりする。本発明は、一般人や高齢者に対して、腰痛や褥創を防止して快適な睡眠がとれるように、寝姿勢や体圧分布を使う本人に適したものに調整できる。また、脊椎損傷者などの褥創の手術後に、術部の弾力性を大きくして体圧を掛けない寝具として効果があり、高齢者および脊椎損傷者の敷き寝具に適用できる。また、無呼吸症候群のためには側臥位が良いとされているが、一様な硬さのふとんでは、側臥位では下になった上腕の圧迫のため側臥位を長く保てない。側臥位での肩部の弾力性を大きくすることで、肩の沈み込みが良くなり、長時間に亘って無理なく側臥位を保つことが出来て、無呼吸症候群の改善に適切な寝姿勢にすることが出来る。
寝姿勢の測定方法と測定装置によって、寝具を使用する本人の仰臥位および側臥位の寝姿勢を実際に測定することができ、寝姿勢と体圧分布は二律背反の関係と思われていたが、弾力性分布を変えられる敷き寝具によって、寝姿勢を悪くしないで体圧分布を改善することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の「寝姿勢と体圧分布を至適なように調整する方法」、「弾力性分布を敷き寝具に持たせる方法」について説明する。
【実施例1】
【0030】
図1は、弾力性分布を任意に変えられる測定用の敷き寝具である。実施例1は、全体の大きさを
幅100cm、長さ200cmとし、各ブロックの大きさを10cm×10cm×10cmの立方体とする。ブロックの弾力性は210、190、160、130、100、70、40mm/decadeの7段階に分ける。
【実施例2】
【0031】
個人個人に合わせたオーダーメイドの寝具である。(寝具1)
入れ替える部分のブロックの弾力性は210、190、160、130、100、70、40mm/decadeの7段階に分ける。以下の寝具2から寝具5も同じ。尚、以下の実施例の敷き寝具は布またはメッシュのカバーで包む。説明図ではカバーは省略してある。
【実施例3】
【0032】
標準の弾力性分布を持った敷き寝具である。(寝具2)
【実施例4】
【0033】
底板の付いた寝具である。(寝具3)
【実施例5】
【0034】
巻き綿で包んだ寝具である。(寝具4)
【実施例6】
【0035】
ふとんの中綿の充填量を分布させた寝具である。(寝具5)
【実施例7】
【0036】
三つ折りに出来る寝具である。(寝具6)
【産業上の利用可能性】
【0037】
健常者はもとより無呼吸症候群等の改善に適切な寝姿勢にすることが出来るため、一般家庭及び病院などで広く利用できる寝具である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】弾力性分布を任意に変えられる測定用の敷き寝具の説明図である。(実施例1)
【図2】仰臥位の基準寝姿勢測定装置の説明図である。水平な台に仰臥位で寝た被測定者の水平面からの距離を測定する人体上面、下面の形状測定装置。
【図3】実際の敷き寝具に寝た時の仰臥位の寝姿勢測定装置の説明図である。敷きふとんに仰臥位で寝た被測定者の水平面からの距離を測定する人体上面、下面の形状測定装置。
【図4】変形するベッドに寝た時の寝姿勢測定装置の説明図である。変形するベッドに仰臥位で寝た被測定者の水平面からの距離を測定する人体上面、下面の形状測定装置。
【図5】側臥位の基準寝姿勢測定装置の説明図である。水平な台に側臥位で寝た被測定者の水平面からの距離を測定する人体上面、下面の形状測定装置。
【図6】実際の敷き寝具に寝た時の側臥位の寝姿勢測定装置の説明図である。敷きふとんに側臥位で寝た被測定者の水平面からの距離を測定する人体上面、下面、正中線の形状測定装置。
【図7】個人個人に合わせたオーダーメイドの敷き寝具の説明図である。(実施例2)以下の実施例の敷き寝具は布またはメッシュのカバーで包む。説明図ではカバーは省略してある。
【図8】標準の弾力性分布を持った敷き寝具の説明図である。(実施例3)
【図9】巻き綿で包んだ寝具の説明図である。(実施例4)
【図10】底板の付いた寝具である。体圧分布と寝姿勢を調節できる寝具の底の面全体に亘る1枚のブロックを入れることによって、型崩れしないようにし、収納時などに取り扱い易いようにした寝具の説明図である。(実施例5)
【図11】ふとんの中綿の充填量を分布させて体圧分布と寝姿勢を調節する寝具の説明図である。(実施例6)
【図12】収納時などに取り扱い易いように、三つ折りに出来る寝具の説明図である。(実施例7)
【符号の説明】
【0039】
1.弾力性の異なるブロック(弾力性は210、190、160、130、100、70、40mm/decade
の7段階に分ける)
2.枠体
3.仰臥位上面の測定棒。
4.仰臥位上面の測定装置本体。
5.支持金具。
6.測定台。
7.仰臥位下面の測定棒。
8.敷きふとんに寝たときの仰臥位下面の測定棒、上端にストッパー付き。
9.敷きふとん。
10.ベッド
11.測定台(ベッド)
12.変形するベッドの場合は、床面からの高さを測定する。
13.側臥位上面の測定棒
14.側臥位上面の測定装置本体
15.側臥位上面の支持金具
16.角枕
17.側臥位の測定台
18.側臥位下面の測定棒
19.指標
20.下肢部の指標
21.枕
22.敷き寝具の本体(弾力性130mm/decade)
23.入れ替えブロック(弾力性210mm/decade)
24.入れ替えブロック(弾力性190mm/decade)
25.入れ替えブロック(弾力性160mm/decade)
26.入れ替えブロック(弾力性130mm/decade)
27.入れ替えブロック(弾力性100mm/decade)
28.入れ替えブロック(弾力性70mm/decade)
29.入れ替えブロック(弾力性40mm/decade)
30.底板
31.巻き綿
32.桟立て(側生地に繋げる)
33.敷き寝具の本体
34.充填量の大きい部分
35.充填量の小さい部分
【特許請求の範囲】
【請求項1】
敷きふとんまたはマットレスの一部分または数か所の部分を切り取り、切り取った部分と同じ大きさの弾力性の異なる敷きふとんまたはマットレスの断片を入れ替えることによって、弾力性分布を持たせた敷きふとんまたはマットレス。
【請求項2】
以下の一部または全部の機能を持たせ、請求項1の方法かふとんの中綿の充填量を分布させて作った敷きふとんまたはマットレス。
1.側臥位で寝たとき、肩の部分の弾力性を大きく(軟らかく)して側臥位を保持し易いようにする。
2.重量の大きな腰部の最大重量部の弾力性を大きく(軟らかく)し、最大重量部から少し外れた部分の弾力性を小さく(硬く)することで、体圧分布を悪くしないで、寝姿勢を良くする。
3.蓐瘡の出来易い場所、踵部等の弾力性を大きく(軟らかく)して、体圧分布を良くする。
【請求項3】
請求項1または請求項2の敷きふとんまたはマットレスに底板を付けるか、巻き綿で包んだ敷きふとんまたはマットレス。
【請求項4】
弾力性の異なる多数のブロックを並べて敷きふとんを構成し、その上に被測定者を寝かせて、寝姿勢と体圧分布が至適になるようにブロックを入れ替えて敷きふとんの至適な弾力性分布を求める測定用の敷きふとん。
【請求項1】
敷きふとんまたはマットレスの一部分または数か所の部分を切り取り、切り取った部分と同じ大きさの弾力性の異なる敷きふとんまたはマットレスの断片を入れ替えることによって、弾力性分布を持たせた敷きふとんまたはマットレス。
【請求項2】
以下の一部または全部の機能を持たせ、請求項1の方法かふとんの中綿の充填量を分布させて作った敷きふとんまたはマットレス。
1.側臥位で寝たとき、肩の部分の弾力性を大きく(軟らかく)して側臥位を保持し易いようにする。
2.重量の大きな腰部の最大重量部の弾力性を大きく(軟らかく)し、最大重量部から少し外れた部分の弾力性を小さく(硬く)することで、体圧分布を悪くしないで、寝姿勢を良くする。
3.蓐瘡の出来易い場所、踵部等の弾力性を大きく(軟らかく)して、体圧分布を良くする。
【請求項3】
請求項1または請求項2の敷きふとんまたはマットレスに底板を付けるか、巻き綿で包んだ敷きふとんまたはマットレス。
【請求項4】
弾力性の異なる多数のブロックを並べて敷きふとんを構成し、その上に被測定者を寝かせて、寝姿勢と体圧分布が至適になるようにブロックを入れ替えて敷きふとんの至適な弾力性分布を求める測定用の敷きふとん。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−140(P2006−140A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−176570(P2004−176570)
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(596028893)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(596028893)
【Fターム(参考)】
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