説明

対局ゲームシステム及び対局ゲームプログラム

【課題】対局相手を容易に見つけることができる対局ゲームシステム及び対局ゲームプログラムを提供する。
【解決手段】所定のプログラムをロードすることにより対局ゲームを実行する対局ゲーム実行手段を有するサーバ装置に、前記対局ゲームのユーザーとして登録されたユーザーごとに、そのユーザーの代わりに前記対局ゲーム実行手段を操作する代行手段を設けるとともに、この代行手段によって前記対局ゲーム実行手段を操作する代行モードと、前記代行手段を動作させないで、前記ユーザーによって前記対局ゲーム実行手段を操作する本人モードとを切換制御するモード切換手段を設けてなる対局ゲームシステム及び対局ゲームプログラムであって、本人モードのユーザーが前記サーバ装置に対局開始を要求した場合に、少なくとも対局中ではない代行モードのユーザーとの対局を開始させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーと、このユーザーの対局者となるユーザーとの間で行う対局ゲームのシステム及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、インターネットなどの電気通信技術の高度化にともなって、将棋や囲碁、あるいはチェスと行った対局相手を必要とする対局ゲームが、インターネットを介することによって互いに離隔した二者間で実施可能となっている。すなわち、一方のユーザーはインターネットの所要のサイトで対局者を募集し、その募集に応答してきたユーザーと対局するものであって、対局者の募集を極めて容易に行うことができるようになっている。
【0003】
このような対局ゲームでは、ゲームが開始される場合に一方のユーザーに緊急な用事が発生しても途中でゲームを中断することが困難であり、また、明らかに敗色が濃厚なユーザーの投了の引き延ばしにつきあわされるといった不具合があり、これらの不具合を解消するために、ユーザーの選択によって、または所定の戦局に至った場合に、所要の代行プログラムを起動させ、この代行プログラムに対局ゲームを引き継がせることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−315968号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した対局ゲームでは、時間帯によっては対局者を見つけ出すために要する時間が長くなる場合があり、対局ゲームができないまま待機状態となっているユーザーに不快感を与えるおそれがあった。
【0005】
特に、上記した代行プログラムは、対局ゲームを途中から引き継ぐものでしかなく、待機状態を解消することができるものではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明の対局ゲームシステムでは、所定のプログラムをロードすることにより対局ゲームを実行する対局ゲーム実行手段を有するサーバ装置に、対局ゲームのユーザーとして登録されたユーザーごとに、そのユーザーの代わりに対局ゲーム実行手段を操作する代行手段を設けるとともに、この代行手段によって対局ゲーム実行手段を操作する代行モードと、代行手段を動作させないで、ユーザーによって対局ゲーム実行手段を操作する本人モードとを切換制御するモード切換手段を設けてなる対局ゲームシステムであって、本人モードのユーザーがサーバ装置に対局開始を要求した場合に、少なくとも対局中ではない代行モードのユーザーとの対局を開始させるように構成した。
【0007】
さらに、以下の点にも特徴を有するものである。すなわち、
(1)対局中に本人モードと代行モードとを随時切換可能としたこと。
(2)対局相手を選択する選択手段を設けたこと。
(3)対局中に、本人モードと代行モードのいずれであるかを表示するモード表示手段を設けたこと。
(4)代行モードのユーザーに対して対局が開始される場合には、そのユーザーに対局要求の通知を行う対局要求通知手段を設けたこと。
(5)対局終了時に代行モードのユーザーに対して、対局結果を通知する対局結果通知手段を設けたこと。
また、本発明の対局ゲームプログラムでは、ユーザー登録された複数のユーザーの一人を先手ユーザーとし、他の一人を後手ユーザーとして、先手ユーザーの入力ステップと、後手ユーザーの入力ステップとを交互に繰り返させる対局ゲームプログラムにおいて、先手ユーザーの入力ステップ及び/または後手ユーザーの入力ステップを、先手ユーザー及び/または後手ユーザーが使用する入力装置を介して入力された操作命令に基づいて実行する本人モードと、あらかじめ設定された思考ルーチンから得られた操作命令に基づいて実行する代行モードとを切換えるステップを有するとともに、本人モードにおけるユーザーによる対局ゲームの開始命令の入力ステップにともなって、少なくとも対局中ではない代行モードのユーザーを選択するステップを有することとした。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザーが本人モードと代行モードとのいずれか一方を選択して対局ゲームを行うように構成するとともに、本人モードのユーザーが対局開始を要求した場合には、少なくとも対局中ではない代行モードのユーザーとの対局を開始させることにより、対局の開始を要求したユーザーに対して遅滞なく対局相手を割り当てることができ、対局ゲームができないまま待機状態となることを防止できる。したがって、ユーザーは対局ゲームがしたいときにゲームを開始することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の対局ゲームシステム及び対局ゲームプログラムでは、対局ゲームのユーザーとして登録されたユーザーごとに、そのユーザーの代わりに対局ゲーム実行手段を操作する代行手段を有し、この代行手段によって対局ゲーム実行手段を操作する代行モードと、代行手段を動作させないで、ユーザーによって対局ゲーム実行手段を操作する本人モードとを切換可能としている対局ゲームシステム及び対局ゲームプログラムである。
【0010】
そして、特に、本人モードのユーザーが対局開始を要求した場合に、少なくとも対局中ではない代行モードのユーザーとの対局を開始させるように構成しているものである。
【0011】
したがって、対局を要求したユーザーに対して遅滞なく対局相手を割り当てることができ、対局ゲームができないまま待機状態となることを防止できるので、ユーザーに不快感を与えるおそれを解消できる。
【0012】
さらに、対局中に本人モードと代行モードとを随時切換可能とした場合には、本人モードで対局を開始したユーザーが、いつでも代行モードに切り替えることができるので、急用でゲームを中断する必要が生じた場合に、長期間の中断状態となったり、中途半端な状態でゲーム終了として対局相手のユーザーを興ざめさせたりするおそれを解消できる。
【0013】
また、対局相手を選択する選択手段を設けた場合には、希望の対局相手との対局を実現することができ、例えば前回の対局相手とのリベンジ戦を可能とすることもできる。
【0014】
特に、対局中に対局相手のユーザーが本人モードと代行モードのいずれであるかを表示するモード表示手段を設けた場合には、本人モードと代行モードでの思考の差を考慮して対局することができるとともに、対局相手が本人モードである場合には、ユーザーがある種の緊張感を味わうことができる。
【0015】
一方、代行モードのユーザーに対して対局が開始される場合に、そのユーザーに対局要求の通知を行う対局要求通知手段を設けた場合には、代行モードのユーザーが本人モードに切換えてゲームを行うこともでき、本人モード間での対局を可能とすることができる。
【0016】
さらに、対局終了時に代行モードのユーザーに対しては、対局結果を通知するように対局結果通知手段を設けた場合には、代行モードのユーザーに対局結果を確認させることができ、新たな対局が可能であることを間接的に通知することができる。
【0017】
以下において、図面に基づいて本実施形態について詳説する。図1は本実施形態の対局ゲームシステムのシステム構成概略図である。
【0018】
本実施形態の対局ゲームシステムでは、ハードディスクなどの記憶手段に対局ゲームプログラムを格納したサーバ装置10と、このサーバ装置10とインターネットなどの電気通信回線20を介して接続した第1ユーザー用クライアント装置31、及び第1ユーザー用クライアント装置31と同様に電気通信回線20を介してサーバ装置10に接続可能とした第2ユーザー用クライアント装置32とで構成している。
【0019】
第1・第2ユーザー用クライアント装置31,32は、図1では電気通信回線20を介してサーバ装置10に接続可能とした携帯電話としているが、携帯電話に限定するものではなく、電気通信回線20を介してサーバ装置10に接続可能となっていればデスクトップ型あるいはノート型のパーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)など、どのような電子機器を用いてもよい。
【0020】
第1ユーザー用クライアント装置31は、第1クライアントが使用するクライアント装置であって、第2ユーザー用クライアント装置32は、第2クライアントが使用するクライアント装置であるものとする。
【0021】
サーバ装置10は、ハードディスクに格納した対局ゲームプログラムをロードすることにより所定の対局ゲームを実行する対局ゲーム実行手段を有するようにしており、特に、対局ゲームプログラムには所要の思考ルーチンを設けて、ユーザーに代行して対局ゲームの操作入力を行う代行手段を有するようにしている。
【0022】
そして、ユーザーが代行手段を動作させず、第1ユーザー用クライアント装置31あるいは第2ユーザー用クライアント装置32を用いてサーバ装置10に所要の操作情報の入力を行うことができるようにしている。
【0023】
このように、代行手段によって対局ゲーム実行手段を操作している状態を代行モードと呼び、代行手段を動作させないで、ユーザーによって対局ゲーム実行手段を操作する操作情報を入力している状態を本人モードと呼んでいる。
【0024】
代行モードと本人モードとは、ユーザーが第1ユーザー用クライアント装置31あるいは第2ユーザー用クライアント装置32を用いてサーバ装置10に切換命令を入力することによって切換自在とするために、サーバ装置10には、代行モードと本人モードとの適宜の切換制御を行うことができるモード切換手段を設けている。
【0025】
上記したサーバ装置10には、対局ゲームプログラムを利用するユーザーの情報を記憶したユーザー情報記憶手段であるユーザー情報用データベース(図示せず)を構築している。
【0026】
ユーザー情報用データベースには、あらかじめ設定したユーザーの接続確認用のID及びパスワード、さらにはハンドルネームを登録するとともに、ユーザーが使用している第1ユーザー用クライアント装置31や第2ユーザー用クライアント装置32で電子メールを受信するための電子メールアドレスを登録している。
【0027】
また、ユーザー情報用データベースにはユーザーのランクを登録するとともに、対局成績を登録している。ここで、ランクとは対局ゲームの技能の程度を示すものであって、いわゆる「級」あるいは「段」の情報を登録している。
【0028】
さらに、ユーザー情報用データベースには各ユーザーの状態情報を記録している。状態情報とは、ユーザーが対局ゲームの実行中なのか非実行中なのかの情報であり、さらに、ユーザーが本人モードを選択しているか、あるいは代行モードを選択しているかを記録している。
【0029】
なお、本実施形態の対局ゲームシステムでは、代行モードで対局ゲームが終了した場合には代行モードを維持するようにしており、ユーザーがモード切換手段で本人モードへの切換えを行わない限り、代行モードを維持するようにしている。
【0030】
さらに、本人モードで対局ゲームが終了し、その後、ユーザーがサーバ装置10への接続を終了させた場合には、サーバ装置10は、自動的に本人モードを代行モードに切換えるようにしている。
【0031】
以下において、図2のフローチャートに基づいて、サーバ装置10にインストールされた対局ゲームプログラムに基づくサーバ装置10の動作について説明する。
【0032】
なお、説明の便宜上、第1ユーザーが対局相手を捜しているものとし、第1ユーザー用クライアント装置30を用いてサーバ装置10にアクセスした場合について説明する。そして、この第1ユーザーと対局する第2ユーザーは代行モードであるとする。また、説明の便宜上、対局ゲームは将棋であるとする。
【0033】
まず、第1ユーザーが第1ユーザー用クライアント装置31を用いてサーバ装置10にアクセス要求を行うと(ステップS1)、サーバ装置10は、第1ユーザー用クライアント装置31に対してID・パスワード入力画面情報を送信する(ステップS2)。
【0034】
第1ユーザー用クライアント装置31では、受信したID・パスワード入力画面情報に基づいて出力画面にID・パスワード入力画面を表示し、ユーザーはID・パスワード入力画面に基づいてあらかじめ登録されているID及びパスワードの入力を行って、サーバ装置10に送信する(ステップS3)。
【0035】
サーバ装置10は、受信したID情報及びパスワード情報に基づいてユーザー認証を行い、適正なユーザーであった場合に、第1ユーザー用クライアント装置31に対してメニュー画面情報を送信する(ステップS4)。
【0036】
第1ユーザー用クライアント装置31では、受信したメニュー画面情報に基づいて出力画面にメニュー画面を表示する(ステップS5)。
【0037】
第1ユーザーがメニュー画面に設けられた「対局相手の選択」ボタン(図示せず)を選択すると、第1ユーザー用クライアント装置31はサーバ装置10に対して対局の開始要求があることを通知する(ステップS6)。
【0038】
対局の開始要求の通知を受けたサーバ装置10では、対局の開始要求を行っている第1ユーザーと同一ランクであって、似通った対局成績のユーザーであり、しかも、その時点で少なくとも対局中ではない代行モードのユーザーをユーザー情報用データベースから抽出し(ステップS7)、抽出された複数のユーザーのハンドルネーム情報で構成した対局相手リストを生成して、第1ユーザー用クライアント装置31に送信する(ステップS8)。
【0039】
このように第1ユーザーからの対局要求に基づいて、少なくとも対局中ではない代行モードのユーザーから対局相手の抽出を行うことにより、第1ユーザーを待たせることなく対局相手を提示することができる。したがって、第1ユーザーが長時間待機状態となることを防止できるので、第1ユーザーに不快感を与えるおそれを解消できる。
【0040】
第1ユーザー用クライアント装置31では、受信した対局相手リストを出力画面に表示し、第1ユーザーは、対局を希望するハンドルネームのユーザーを選択して、選択結果をサーバ装置10に送信している(ステップS9)。
【0041】
このように、第1ユーザーに対して複数の対局相手から所望の相手を選択できるようにしておくことにより、例えば前回の対局相手を選択してリベンジ戦を行うこともでき、第1ユーザーの意欲を向上させることができる。
【0042】
特に、上記したように対局中ではないユーザーはできるだけ代行モードとなるようにしておくことにより、対局相手リストに挙げられるユーザーの数を多くすることができ、第1ユーザーの選択肢を広げることができる。
【0043】
サーバ装置10では、第1ユーザー用クライアント装置31から対局相手の選択結果が入力されると、選択された対局相手である第2ユーザーが使用している第2ユーザー用クライアント装置32に対して、対局要求があったことを通知する対局要求通知メールを送信する(ステップS10)。
【0044】
第2ユーザーは、第2ユーザー用クライアント装置32によって対局要求通知メールを受信し(ステップS11)、都合さえあえば第2ユーザー用クライアント装置32を用いてサーバ装置10にアクセスして、第2ユーザー自身も本人モードとして対局可能としている。なお、本実施形態では、対局要求通知メールを受信した第2ユーザーは、代行モードのままとしている。
【0045】
このように代行モードの第2ユーザーに対して対局要求通知メールを送信することによって、第2ユーザーにも本人モードで対局する機会を提供することができ、第2ユーザーが本人モードに切換えることによって本人モード間での対局を可能とすることができる。
【0046】
また、第1ユーザーは本人モードの対局相手と対局できない場合でも、少なくとも代行モードの対局相手と対局することができ、第1ユーザーの対局要求を満たすことができる。
【0047】
第2ユーザーへの対局要求通知メールの送信後、サーバ装置10は、対局ゲームにおける先手及び後手の設定などの初期設定条件を入力させるための初期設定条件入力画面情報を第1ユーザー用クライアント装置31に送信する(ステップS12)。
【0048】
第1ユーザー用クライアント装置31は、受信した初期設定条件入力画面情報の初期設定条件入力画面を出力画面に表示し、所要の初期設定条件を入力してサーバ装置10に送信する(ステップS13)。第1ユーザーは先手と後手のいずれか一方の選択権を有するようにしており、第1ユーザーが先手ユーザーとなった場合には、第2ユーザーが自動的に後手ユーザーとなり、第1ユーザーが後手ユーザーとなった場合には、第2ユーザーが自動的に先手ユーザーとなるようにしている。
【0049】
このような初期設定条件入力ステップを設けることによって、対局要求通知メールを受信した第2ユーザーが本人モードでの対局を希望している場合に、第2ユーザーが第2ユーザー用クライアント装置32をサーバ装置10に接続して本人モードとなるまでの時間を稼ぐことができ、徒に第1ユーザーを待機させることを防止できる。
【0050】
サーバ装置10は、第1ユーザー用クライアント装置31から送信された所要の初期設定条件を受信すると、その初期設定条件に基づいてゲーム実行処理を行う(ステップS14)。
【0051】
次いで、サーバ装置10は第1ユーザーが本人モードであるかを確認し(ステップS15)、第1ユーザー用クライアント装置31が本人モードでサーバ装置10に接続されている場合には、サーバ装置10は第1ユーザー用クライアント装置31に送信する入力待受画面情報を作成し、第1ユーザー用クライアント装置31への送信を行う(ステップS16)。
【0052】
第1ユーザー用クライアント装置31は受信した入力待受画面情報に基づいて出力画面に図3に示す入力待受画面40を表示する(ステップS17)。
【0053】
入力待受画面40には、ゲームの所定の局面を表示する局面表示部41と、第1ユーザーの指し手情報を入力するための指し手情報入力部42と、指し手情報入力部42に入力した指し手情報をサーバ装置10に送信するための送信ボタン43を設けている。
【0054】
指し手情報入力部42には、プルダウンメニューボタンで所要の指し手情報を選択入力可能とした入力欄を必要数設けており、適宜の選択を行って送信ボタン43を選択することにより、第1ユーザー用クライアント装置31は指し手情報をサーバ装置10に送信している。
【0055】
さらに、入力待受画面40にはモード切換ボタン44を設けており、モード切換ボタン44が選択されることによって第1ユーザー用クライアント装置31はサーバ装置10にモード切換命令を送信し、サーバ装置10は後述するように、第1ユーザーのモードを本人モードから代行モードに随時切換えられるようにしている。
【0056】
このように入力待受画面40にモード切換ボタン44を設けていることによって、第1ユーザーはゲームの継続が困難な自体が発生した場合に、容易に代行モードに切換えることができる。
【0057】
さらに、入力待受画面40には、第2ユーザーが代行モードであるか本人モードであるかを表示する第2ユーザーモード表示部45を設けている。この第2ユーザーモード表示部45がモード表示手段である。
【0058】
この第2ユーザーモード表示部45において第2ユーザーが代行モードであるか本人モードであるかが表示されることによって、第1ユーザーは第2ユーザーの本人モードと代行モードでの思考の差を考慮して対局することができるとともに、対局相手が本人モードである場合には、第1ユーザーがある種の緊張感を味わうことができる。
【0059】
第1ユーザー用クライアント装置31の出力画面に表示された入力待受画面40において第1ユーザーがモード切換ボタン44を選択することなく(ステップS18)、指し手情報入力部42において一手分の指し手情報を入力し、送信ボタン43を選択することによって、第1ユーザー用クライアント装置31はサーバ装置10に指し手情報を送信する(ステップS19)。
【0060】
第1ユーザー用クライアント装置31からの指し手情報を受信したサーバ装置10は、指し手情報が投了でない限り、ステップS14のゲーム実行処理を実行するようにしている(ステップS20)。
【0061】
本実施形態では、第2ユーザーが代行モードであるので、サーバ装置10はステップS14のゲーム実行処理において第2ユーザーの代わりに所要の指し手を指し、第1ユーザーのモードを確認して、第1ユーザーが本人モードである場合に、局面を進めた入力待受画面情報を作成し、第1ユーザー用クライアント装置31への送信を行う(ステップS16)。
【0062】
この処理を繰り返すことによって、第1ユーザーはゲームを進めるようにしている。
【0063】
一方、対局の途中で第1ユーザーが代行モードに切換える場合、すなわち、ステップS18において代行モードを選択した場合には、サーバ装置10は、ユーザー情報用データベースに記録されている第1ユーザーのモード情報を代行モードに切換え、第1ユーザーの代わりに次の一手分の指し手情報を入力し(ステップS21)、終局でないか判定して(ステップS20)、終局でない場合にステップS14のゲーム実行処理を実行するようにしている。
【0064】
ゲーム実行処理の後、ステップS15において第1ユーザーは代行モードとなっていることによって、サーバ装置10は局面を進めた入力待受画面情報を作成することなく、第1ユーザーの代わりに次の一手分の指し手情報を入力するようにしている(ステップS21)。
【0065】
このように代行モードの場合には、サーバ装置10が所定の思考ルーチンに基づいて対局を進めることができるので、第2ユーザーが本人モードであった場合に、中途半端な状態で対局終了となって第2ユーザーを興ざめさせたりするおそれを解消できる。
【0066】
また、第1ユーザーは、終局が見えた場合に代行モードに切換えることによって、第2ユーザーの不適当な指し手によって不当につきあわされるおそれを解消でき、興味が持てる部分だけで対局を楽しむことができる。
【0067】
サーバ装置10は、ステップS20において終局を検出すると、サーバ装置10は代行モードの第2ユーザーが使用している第2ユーザー用クライアント装置32に対して、対局が終了したことを通知する終局通知メールを送信する(ステップS23)。
【0068】
第2ユーザーは、第2ユーザー用クライアント装置32によって終局通知メールを受信し(ステップS24)、第2ユーザー自身が非対局中であることを認識できる。したがって、第2ユーザーは新たな対局の要求が可能であることを認識できる。なお、終局通知メールでは、対局が終了したことだけでなく対局結果を合わせて通知するようにして、第2ユーザーが対局成績を確認できるようにしている。
【0069】
さらに、終局時に第1ユーザーも代行モードであった場合には、サーバ装置10は第1ユーザーが使用している第1ユーザー用クライアント装置31に対して、対局が終了したことを通知する終局通知メールを送信する(ステップS23)。
【0070】
第1ユーザーは、第1ユーザー用クライアント装置31によって終局通知メールを受信し(ステップS25)、必要に応じて第1ユーザー用クライアント装置31でサーバ装置10にアクセスして、メニュー画面による選択によって対局結果を確認可能としているとともに、対局再現を選択することによって対局経過の確認を行うことができるようにしている。
【0071】
また、メニュー画面では、一度代行モードとした対局が終了していない場合に、メニュー画面から本人モードに切換え可能としており、代行モードと本人モードの切換えを自在とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明に係る対局ゲームシステムのシステム構成概略図である。
【図2】本発明に係る対局ゲームシステムのシステムフローを示したフローチャートである。
【図3】入力待受画面の説明図である。
【符号の説明】
【0073】
10 サーバ装置
20 電気通信回線
31 第1ユーザー用クライアント装置
32 第2ユーザー用クライアント装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のプログラムをロードすることにより対局ゲームを実行する対局ゲーム実行手段を有するサーバ装置に、
前記対局ゲームのユーザーとして登録されたユーザーごとに、そのユーザーの代わりに前記対局ゲーム実行手段を操作する代行手段を設けるとともに、
この代行手段によって前記対局ゲーム実行手段を操作する代行モードと、前記代行手段を動作させないで、前記ユーザーによって前記対局ゲーム実行手段を操作する本人モードとを切換制御するモード切換手段を設けてなる対局ゲームシステムであって、
本人モードのユーザーが前記サーバ装置に対局開始を要求した場合に、少なくとも対局中ではない代行モードのユーザーとの対局を開始させるように構成した対局ゲームシステム。
【請求項2】
対局中に本人モードと代行モードとを随時切換可能としたことを特徴とする請求項1記載の対局ゲームシステム。
【請求項3】
対局相手を選択する選択手段を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の対局ゲームシステム。
【請求項4】
対局中に、本人モードと代行モードのいずれであるかを表示するモード表示手段を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の対局ゲームシステム。
【請求項5】
代行モードのユーザーに対して対局が開始される場合には、そのユーザーに対局要求の通知を行う対局要求通知手段を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の対局ゲームシステム。
【請求項6】
対局終了時に代行モードのユーザーに対して、対局結果を通知する対局結果通知手段を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の対局ゲームシステム。
【請求項7】
ユーザー登録された複数のユーザーの一人を先手ユーザーとし、他の一人を後手ユーザーとして、前記先手ユーザーの入力ステップと、前記後手ユーザーの入力ステップとを交互に繰り返させる対局ゲームプログラムにおいて、
前記先手ユーザーの入力ステップ及び/または前記後手ユーザーの入力ステップを、前記先手ユーザー及び/または前記後手ユーザーが使用する入力装置を介して入力された操作命令に基づいて実行する本人モードと、あらかじめ設定された思考ルーチンから得られた操作命令に基づいて実行する代行モードとを切換えるステップを有するとともに、
前記本人モードにおける前記ユーザーによる対局ゲームの開始命令の入力ステップにともなって、少なくとも対局中ではない前記代行モードのユーザーを選択するステップを有することを特徴とする対局ゲームプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−95110(P2006−95110A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−285474(P2004−285474)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】