対物レンズホルダ、対物レンズ駆動装置、光ピックアップ装置、および対物レンズ駆動装置の製造方法
【課題】コイルの組み込みが容易な小型の対物レンズホルダ等を提供する。
【解決手段】本発明のＯＢＬホルダ２１は、対物レンズ３１が装着される円形の開口部が設けられた主面部５６と、主面部５６の周辺部から下方に一体的に連続する４つの側壁部とを備えている。この側壁部としては、紙面上の奥側で長手方向の第１側壁部５２、紙面上の手前側で第１側壁部５２に対向する第２側壁部５３、紙面上で右側に設けられた短手方向の第３側壁部５４、および紙面上で左側端部に設けられた第４側壁部５５が含まれている。そして、対物レンズよりも側方側に、フォーカスコイル２９、３０を収納可能な収納領域２２、２３が配置されている。
【解決手段】本発明のＯＢＬホルダ２１は、対物レンズ３１が装着される円形の開口部が設けられた主面部５６と、主面部５６の周辺部から下方に一体的に連続する４つの側壁部とを備えている。この側壁部としては、紙面上の奥側で長手方向の第１側壁部５２、紙面上の手前側で第１側壁部５２に対向する第２側壁部５３、紙面上で右側に設けられた短手方向の第３側壁部５４、および紙面上で左側端部に設けられた第４側壁部５５が含まれている。そして、対物レンズよりも側方側に、フォーカスコイル２９、３０を収納可能な収納領域２２、２３が配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、対物レンズが取り付けられる対物レンズホルダ、対物レンズホルダがアクチュエータフレームに変位可能に支持される対物レンズ駆動装置、光ピックアップ装置、および対物レンズ駆動装置の製造方法に関する。特に本発明は、フォーカスコイルが内蔵される対物レンズホルダ等に関する。
【背景技術】
【０００２】
光ディスクに対して光学的に信号の読み取り、あるいは書き込みを行う光学ヘッドにおける対物レンズ駆動装置においては、対物レンズ（Ｏｂｊｅｃｔｉｖｅ ｌｅｎｓ）が取り付けられた対物レンズホルダ（以下、ＯＢＬホルダと称する）をアクチュエータフレームに対して変位可能に支持されている。また、フォーカスコイル及びトラッキングコイル、あるいは必要に応じてチルトコイルをＯＢＬホルダに装着すると共に、これらの駆動コイルの有効領域を磁気回路により形成される所定の磁界内に配置することにより各駆動コイルに供給する信号に応じて対物レンズを駆動する構成となっている。
【０００３】
従来から存在する対物レンズ駆動装置の構造は、例えば下記特許文献１に記載されている。この文献の図２およびその説明箇所を参照すると、レンズホルダー１の側面に、トラッキングコイル５、第１フォーカスコイル７、第２フォーカスコイル８、第１チルトコイル１１および第２チルトコイル１２が設けられている。そして、これらの各コイルに所定の制御信号が入力される事によって、フォーカス制御、トラッキング制御およびチルト制御が行われる。
【０００４】
また、図２および図３を参照して、第１チルトコイル１１および第２チルトコイル１２はレンズホルダー１の側面全周を巻くように形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２００８−１５２８３１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、上記した特許文献１では、第１チルトコイル１１および第２チルトコイル１２がレンズホルダー１の側面全体を巻回しているので、レンズホルダーが組み込まれる光ピックアップ装置の小型化の為に、レンズホルダー１の側面から内部にレーザー光を取り込むことが困難な問題があった。
【０００７】
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、コイルの組み込みが容易な小型の対物レンズホルダ等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明の対物レンズホルダは、光ピックアップ装置の対物レンズ駆動装置に移動可能に支持される対物レンズホルダであって、対物レンズが固定される固定部が設けられた主面部と、長手方向で対向する第１側壁部および第２側壁部と、短手方向で対向する第３側壁部および第４側壁部と、を備え、前記固定部よりも一方側で、前記第１側壁部、前記第２側壁部および前記第３側壁部に囲まれて第１フォーカスコイルが収納される第１収納領域と、前記固定部よりも他方側で、前記第１側壁部、前記第２側壁部および前記第４側壁部に囲まれて第２フォーカスコイルが収納される第２収納領域と、を備えることを特徴とする。
【０００９】
更に、本発明の対物レンズ駆動装置は、上記構成の対物レンズホルダが、アクチュエータフレームに移動可能に支持されることを特徴とする。
【００１０】
更にまた、本発明の光ピックアップ装置は、上記構成の対物レンズ駆動装置をハウジングに搭載したことを特徴とする。
【００１１】
更に、本発明の対物レンズ駆動装置の製造方法は、上記構成の対物レンズホルダを用意する工程と、前記第１フォーカスコイルを中央部から周辺部に向かってスライドさせて前記第１収納領域に収納すると共に、前記第２フォーカスコイルを中央部から周辺部に向かってスライドさせて前記第２収納領域に収納する工程と、前記第１フォーカスコイルおよび前記第２フォーカスコイルに接着剤を供給することにより、前記両フォーカスコイルを前記対物レンズホルダに固着する工程と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【００１２】
本発明によれば、対物レンズの内部で、第１フォーカスコイルを収納する第１収納領域を対物レンズの一方側に設け、第２フォーカスコイルを収納する第２収納領域を対物レンズの他方側に設けている。これにより、対物レンズの下方に、立ち上げミラーを配置する空間が確保されると共に、レンズホルダの側壁の一部に切り欠き部を設け、この切り欠き部を介してレーザー光をレンズホルダの内部に導くことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【００１３】
【図１】本発明の光ピックアップ装置を示す平面図である。
【図２】本発明の対物レンズ駆動装置を示す図であり、（Ａ）は対物レンズ駆動装置を全体的に示す平面図であり、（Ｂ）はアクチュエータ可動部を拡大して示す平面図である。
【図３】本発明の対物レンズホルダを示す図であり、（Ａ）は各種コイル等が組み込まれた状態の対物レンズホルダを示す斜視図であり、（Ｂ）はフォーカスコイルが収納される収納領域を拡大して示す斜視図である。
【図４】本発明の対物レンズホルダを示す図であり、（Ａ）は各種コイルが組み込まれた状態の対物レンズホルダを下方から見た状態を示す斜視図であり、（Ｂ）はこの状態でフォーカスコイルが収納される収納領域を示す斜視図である。
【図５】本発明の対物レンズホルダを示す図であり、（Ａ）は収納領域を上方から見た斜視図であり、（Ｂ）は収納領域を下方から見た斜視図である。
【図６】（Ａ）および（Ｂ）は、本発明の対物レンズホルダにフォーカスコイルを収納する方法を示す図である。
【図７】本発明の対物レンズホルダに収納されたフォーカスコイルに接着剤を供給する工程を示す断面図である。
【図８】本発明の対物レンズホルダを示す図であり、（Ａ）は対物レンズホルダを示す斜視図であり、（Ｂ）はフォーカスコイルが巻回されたボビンを示す斜視図であり、（Ｃ）は対物レンズホルダを示す平面図である。
【図９】本発明の対物レンズホルダにフォーカスコイルを収納する方法を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００１４】
＜第１の実施の形態：光ピックアップ装置＞
図１は本実施形態の光ピックアップ装置１００の概略を示す平面図である。
【００１５】
光ピックアップ装置１００は、一例としてＣＤ（Ｃｏｍｐａｃｔ Ｄｉｓｃ）規格、ＤＶＤ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｖｅｒｓａｔｉｌｅ Ｄｉｓｃ）規格、およびＢＤ（Ｂｌｕ−ｒａｙ Ｄｉｓｃ）規格の各光ディスクに対応する構成となっており、対物レンズ駆動装置５０および各種光学部品がハウジング５１に設置されて構成されている。光ピックアップ装置の概略的機能は、光ディスクの情報記録層に対して所定の規格のレーザー光を照射し、この情報記録層で反射したレーザー光を受光することで、光ディスクからの情報の読出しまたは書き込みを行うことにある。
【００１６】
対物レンズ駆動装置５０（アクチュエータ）は、対物レンズ（Ｏｂｊｅｃｔｉｖｅ ｌｅｎｓ）ホルダ（以下、ＯＢＬホルダ）２１を移動可能に保持する。ＯＢＬホルダ２１は、上記した各規格の何れかまたは全てに対応する対物レンズ３１が装着される。
【００１７】
レーザーユニット１はレーザーダイオードを備え、このレーザーダイオードから上記した規格のレーザー光が放射される。具体的には、ＢＤに適した青紫色（青色）波長帯３９５ｎｍ〜４２０ｎｍ（例えば４０５ｎｍの波長）のレーザ光、ＤＶＤに適した赤色波長帯６４５ｎｍ〜６７５ｎｍ（例えば６５０ｎｍの波長）のレーザ光、またはＣＤに適した赤外波長帯７６５ｎｍ〜８０５ｎｍ（例えば７８０ｎｍの波長）のレーザ光が、レーザーダイオードから放射される。
【００１８】
レーザーユニット１から放射されたレーザー光は、回折格子６で０次光、＋１次光、−１次光に分離されてハーフミラー１３で反射された後に、１／４波長板９およびコリメートレンズ１２を通過し、不図示の立ち上げミラーで反射されて対物レンズ３１で光ディスクの情報記録層に合焦される。また、レーザーユニット１から放射されたレーザー光の一部はハーフミラー１３を透過してＦＭＤ２０で検出され、この検出に基づいてレーザーユニット１の出力が調整される。そして、光ディスクの情報記録層で反射した戻り光のレーザー光は、立ち上げミラー、コリメートレンズ１２、１／４波長板９、ハーフミラー１３を透過し、その後、第１プレート１６および第２プレート１９で不要な非点収差が打ち消され、所望の非点収差が付与された後に、光検出器１７（ＰＤＩＣ）で検出される。光検出器１７で検出された信号に基づいて、ＯＢＬホルダ２１のコイルに制御信号が供給され、フォーカスコイル、トラッキングコイル、またはチルトコイルに制御電流が供給される。この結果、フォーカス制御、トラッキング制御及びラジアルチルト制御が行われる。ここで、後述する対物レンズ駆動装置５０の場合、フォーカスコイルがチルトコイルの機能を兼ねており、チルトコイルが省かれている。
【００１９】
ここで、図１に示すＤｔ方向とはタンジェンシャル方向であり、Ｄｒ方向とはトラッキング方向（光ディスクのラジアル方向）であり、Ｄｆ方向とはフォーカス方向である。これらの各方向は互いに直交している。
【００２０】
＜第２の実施の形態：対物レンズ駆動装置＞
図２を参照して、上記した光ピックアップ装置に組み込まれる対物レンズ駆動装置５０を説明する。図２（Ａ）は対物レンズ駆動装置５０を示す平面図であり、図２（Ｂ）はアクチュエータ可動部４０を拡大して示す平面図である。
【００２１】
図２（Ａ）を参照して、対物レンズ駆動装置５０（アクチュエータ）は、アクチュエータ可動部４０とアクチュエータフレーム４１とから成る。また、アクチュエータ可動部４０はＯＢＬホルダ２１と、支持ワイヤ４５から構成される。アクチュエータフレーム４１は、珪素鋼板等の磁性金属材料から形成され、部分的に直角に曲折加工されることで、後述するヨークが形成される。
【００２２】
アクチュエータ可動部４０は、支持ワイヤ４５によりアクチュエータフレーム４１に対してフォーカス方向（Ｄｆ方向）、トラッキング方向（Ｄｒ方向）及びラジアルチルト方向（Ｄｒｔ方向）に変位可能に弾性的に支持される。支持ワイヤ４５は、一端がＯＢＬホルダ２１の側壁に固定され、他端がアクチュエータフレーム４１に固定された固定基板４４に固定される。前記固定基板４４は支持ワイヤ４５を制振させるダンパー材が充填される補助部材４３に接着され、該補助部材４３と共にアクチュエータフレーム４１にねじ止め固定される。支持ワイヤ４５は、アクチュエータフレーム４１の１つの側面に対して例えば３本ずつ架設され、アクチュエータ可動部４０を空中状態で機械的に支持すると共に、アクチュエータ可動部４０に備えられる各コイルに供給される電流が流れる接続手段としても機能している。
【００２３】
図２（Ｂ）を参照して、アクチュエータ可動部４０は、ＯＢＬホルダ２１と、ＯＢＬホルダ２１の上面に固定された対物レンズ３１と、ＯＢＬホルダ２１の側壁部の外側の面に巻回されたトラッキングコイル３６−３９と、ＯＢＬホルダ２１に内蔵されたフォーカスコイル２９、３０とを主要に備える。
【００２４】
ＯＢＬホルダ２１の側壁部外側に配置された各トラッキングコイル３６−３９に面するアクチュエータフレーム４１の各ヨークに、マグネット３２−３５が配置されている。各マグネット３２−３５の、各トラッキングコイル３６−３９に対向する面は同一の極性（例えばＮ極）である。また、各マグネット３２−３５は、トラッキングコイル３６−３９の有効領域に対して有効磁束を発生させる。この様な構成でトラッキングコイル３６−３９に電流を供給すると、トラッキングコイル３６−３９に電流が流れることで発生する磁界と、マグネット３２−３５で生成される磁界で形成される磁気回路との協働により、ＯＢＬホルダ２１はＤｔ方向に変位する。
【００２５】
対物レンズ３１を挟む箇所のＯＢＬホルダ２１の内部には、Ｄｆ方向に巻回軸を有する２つのフォーカスコイル２９、３０が配置されており、マグネット３２−３５は、フォーカスコイル２９、３０の有効領域に対しても有効磁束を発生させている。従って、フォーカスコイル２９、３０に対して電流を供給すると、フォーカスコイル２９、３０に電流が流れることで発生する磁界と、マグネット３２−３５で生成される磁界で形成される磁気回路との協働により、ＯＢＬホルダ２１はＤｆ方向に変位する。尚、本形態では、フォーカスコイル２９、３０に、チルト方向に対する制御を行うための制御信号を付与することで、ＯＢＬホルダ２１をチルト方向（Ｄｒｔ方向）に制御している。
【００２６】
バックヨーク４６は、アクチュエータフレーム４１の端部を直角に曲折加工させた部位でありマグネット３２、３３が、内側の側面に固着されている。更に、バックヨークのＤｒ方向の両端部を更に直角に曲折させてサブヨーク４７が形成されている。このような形状のバックヨーク４６およびサブヨーク４７を設けることにより、各トラッキングコイル３６、３７に有効に作用する有効磁束を強めることができ、ＯＢＬホルダ２１のＤｔ方向の感度を向上させるのに有効である。
【００２７】
対向ヨーク４８、４９は、バックヨーク４６等と同様に、アクチュエータフレームを直角に曲折させた部位であり、夫々がフォーカスコイル２９、３０に挿入する位置に設けられている。対向ヨーク４８、４９をこのように配置することで、フォーカスコイル２９、３０及び各トラッキングコイル３６−３９に有効に作用する有効磁束を強めることができ、ＯＢＬホルダ２１のＤｆ方向、Ｄｒ方向及びＤｒｔ方向の感度を向上させるのに有効である。
【００２８】
更に本形態では、フォーカスコイル２９およびフォーカスコイル３０は、Ｄｒ方向に沿って対物レンズ３１の側方に配置されており、支持部２４でその位置が固定されている。この事項は本形態の特徴であり、図３以降の図を参照して後述する。
【００２９】
＜第３の実施の形態：対物レンズホルダ＞
図３を参照して、ＯＢＬホルダ２１にフォーカスコイル２９、３０およびトラッキングコイル３６−３９が備えられる構成を説明する。図３（Ａ）は各コイルが備えられた状態のＯＢＬホルダ２１を示す斜視図であり、図３（Ｂ）はフォーカスコイル２９が収納される収納領域２２を拡大して示す斜視図である。
【００３０】
ＯＢＬホルダ２１の概略的形状は、下方に開口部が設けられた筐体形状である。具体的には、ＯＢＬホルダ２１は、対物レンズ３１が装着される円形の開口部が設けられた主面部５６と、主面部５６の周辺部から下方に一体的に連続する４つの側壁部とを備えている。この側壁部としては、紙面上の奥側で長手方向の第１側壁部５２、紙面上の手前側で第１側壁部５２に対向する第２側壁部５３、紙面上で右側に設けられた短手方向の第３側壁部５４、および紙面上で左側端部に設けられた第４側壁部５５が含まれている。第１側壁部５２および第２側壁部５３の主面はＤｒ方向に対して平行であり、第３側壁部５４および第４側壁部５５の主面はＤｔ方向に対して平行である。
【００３１】
第１側壁部５２の外側の主面には、ボビン５７、５８が設けられており、これらのボビンには夫々トラッキングコイル３６、３７が巻回されている。また、第２側壁部５３の外側の主面には、ボビン５９、６０が設けられており、これらのボビンには夫々トラッキングコイル３８、３９が巻回されている。各ボビン５７−６０は、Ｄｒ方向において対物レンズ３１よりも外側の領域に配置されている。この理由は、ＯＢＬホルダ２１を、小型の光ピックアップに収納させると、対物レンズ３１の直下に立ち上げミラーが配置されると共に、前記立ち上げミラーへの光路を確保する空間７０をＯＢＬホルダ２１の第１側壁部５２及びあるいは第２側壁部５３の中央から下方の領域に設ける必要があり、この領域にコイル等の部品を収納させるためのマージンが無いからである。
【００３２】
各ボビンに巻回されるトラッキングコイル３６−３９は、１本の細長いエナメル線等の絶縁被膜が形成された導線から成り、その一端は、第３側壁部５４の一部を突出させた絡げ部６１に絡げられ、他端は第４側壁部５５に設けた絡げ部６１に絡げられる。ここで、各トラッキングコイル３６−３９は、Ｄｔ方向に巻回軸を有し、全体として角を丸めた四角形状を呈するように、ボビン５７−６０に巻回されている。また、トラッキングコイル３６−３９は、ＯＢＬホルダ２１自身を磁気作用によって駆動させるための駆動コイルであり、このような機能は後述するフォーカスコイル２９、３０も同様である。
【００３３】
絡げ部６１は、第３側壁部５４に３つ配置されており、２つはフォーカスコイル２９を構成するエナメル線等の絶縁被膜が形成された導線の両端が夫々絡げられ、１つにはトラッキングコイル３６−３９の端部が絡げられる。同様に、第４側壁部５５にも３つの絡げ部６１が設けられ、２つの絡げ部６１にはフォーカスコイル３０を構成する導線の両端部が絡げられ、１つの絡げ部６１にはトラッキングコイル３６−３９の他の端部が絡げられる。これらの絡げ部に絡げられた導線には、図２（Ａ）に示した支持ワイヤ４５が夫々接続される。
【００３４】
フォーカスコイル２９、３０は、Ｄｆ方向に巻回軸を有し、全体として角を丸めた四角形状を呈するように導線が巻回されて構成され、ＯＢＬホルダ２１の内部に収納されている。フォーカスコイル２９は第３側壁部５４側の端部に設けられた収納領域２２に配置さており、フォーカスコイル３０は第４側壁部５５側に設けられた収納領域２３に配置されている。即ち、フォーカスコイル２９は対物レンズ３１よりも＋Ｄｒ側に設けられており、フォーカスコイル３０は対物レンズ３１よりも−Ｄｒ側に設けられている。フォーカスコイル２９、３０を収納する収納領域２２、２３が、対物レンズ３１の外周端部よりも外側の端部に設けられる理由は、上記したボビン５７−６０を端部に配置する理由と同様である。ここで、平面視での収納領域２２、２３の大きさは、収納されるフォーカスコイル２９、３０の外形と同等か若干大きい程度に設定される。
【００３５】
更に、収納領域２２の上部は主面部により覆われること無く、開口部の状態となっている（第１開口部）。同様に、収納領域２３の上部も開口部（第２開口部）となっている。これにより、フォーカスコイル２９の内部に図２（Ｂ）に示す対向ヨーク４９を配した状態で、ＯＢＬホルダ２１のＤｆ方向への移動が許容され、また、ＯＢＬホルダ２１の軽量化が図られている。
【００３６】
本形態では、後述するように、収納領域２２、２３に面する各側壁部の一部を内部に突出させて支持部２４等としており、この支持部２４等でフォーカスコイル２９、３０を支持している。フォーカスコイル２９、３０が支持部２４等により支持される構成は、収納領域２２、２３で同様である。
【００３７】
尚、上記した各フォーカスコイル２９、３０およびトラッキングコイル３６−３９は、ボビン５７−６０から供給される接着剤を介して、ＯＢＬホルダ２１に固着される。
【００３８】
更にまた、対物レンズが配置される主面部５６の上面は、収納領域２２、２３が設けられる箇所の各側壁部の上端部よりも上方に配置されている。これにより、対物レンズ３１の下方の領域を大きく確保し、レーザー光を反射させる立ち上げミラーをこの領域に配置することが可能となる。
【００３９】
主面部５６の＋Ｄｒ方向の端部から下方に第５側壁部７１が連続しており、この第５側壁部７１の一部を＋Ｄｒ方向に突起させることで、フォーカスコイル２９を支持する支持部が形成されている。同様に、図３（Ａ）では隠れているが、主面部５６の−Ｄｒ方向の端部から下方に第６側壁部７２が連続しており、この第６側壁部７２の側壁に、フォーカスコイル３０を支持するための支持部が設けられる。
【００４０】
図３（Ｂ）を参照して、フォーカスコイル２９は、第１側壁部５２、第２側壁部５３および第３側壁部５４に囲まれる収納領域２２に収納されている。また、フォーカスコイル２９の上端は、支持部２４Ａ−２４Ｇにより支持されている。支持部２４Ａ−２４Ｇはホルダの側壁部を、収納領域２２の内側に向かって突出させた部位である。
【００４１】
具体的には、支持部２４Ａ、２４Ｂは、第５側壁部７１の側面を＋Ｄｒ方向に部分的に突起させた部位であり、支持部２４Ａ、２４Ｂの下端がフォーカスコイル２９の上面に接触している。また、支持部２４Ａ、２４Ｂの＋Ｄｒ方向の端部は、フォーカスコイル２９の内側側面よりも＋Ｄｒ方向に突出している。
【００４２】
支持部２４Ｃ，２４Ｄは、収納領域２２に面する第２側壁部５３上端部の両端部付近を＋Ｄｔ方向に突出させた部位であり、支持部２４Ｃ，２４Ｄの下面が、フォーカスコイル２９の上面に接触している。
【００４３】
支持部２４Ｅは、第３側壁部５４の上端部を−Ｄｒ方向に突出させた部位であり、支持部２４Ｅの下面がフォーカスコイル２９の上面を支持している。また、支持部２４Ｅの−Ｄｒ方向の端部は、フォーカスコイル２９の内面よりも−Ｄｒ方向に突出している。
【００４４】
支持部２４Ｆ，２４Ｇは、収納領域２２に面する第１側壁部５２上端部の両端部付近を−Ｄｔ方向に突出させた部位であり、支持部２４Ｆ，２４Ｇの下面が、フォーカスコイル２９の上面に接触している。
【００４５】
図４を参照して、次に、各フォーカスコイル２９、３０を下方から支える支持部２５の構成を説明する。図４（Ａ）はＯＢＬホルダ２１を下方から見た斜視図であり、図４（Ｂ）は収納領域２３にフォーカスコイル３０が収納される状態を示す斜視図である。尚、図４（Ａ）では、図３（Ａ）に示すＯＢＬホルダ２１を、対物レンズ３１の中心を通過すると共にＤｒ方向に対して平行な線（点線で示す線）を軸にして１８０度回転させた状態を示している。
【００４６】
図４（Ａ）を参照して、収納領域２２、２３に収納されたフォーカスコイル２９，３０の−Ｄｆ側の端部は、各側壁部の一部を内側に突出させた支持部２５で支持されている。ここで、紙面上における、フォーカスコイル２９の右側側壁、上側側壁および下側側壁は、第３側壁部５４、第２側壁部５３および第１側壁部５２の内側側面に接触している。一方、紙面上における、フォーカスコイル３０の左側側壁、上側側壁および下側側壁は、第４側壁部５５、第２側壁部５３および第１側壁部５２の内側側面に接触している。
【００４７】
図４（Ｂ）を参照して、収納領域２３に収納されるフォーカスコイル３０の紙面上における上面（底面）は、支持部２５Ａ−２５Ｄにより支持されている。具体的には、収納領域２３に面する第４側壁部５５の−Ｄｆ方向の端部を−Ｄｒ方向に突出させることで支持部２５Ａ、２５Ｂが構成される。支持部２５Ａ、２５Ｂの−Ｄｒ方向の端部は、トラッキングコイル３６の内側側面よりも−Ｄｒ側に突出している。これにより、使用状況下に於いて衝撃等によりＯＢＬホルダ２１が−Ｄｒ方向に過度に変位すると、支持部２５Ａ、２５Ｂが対向ヨーク４９（図２（Ｂ）参照）に接触するので、フォーカスコイル３０が対向ヨーク４９に接触することによる変形が防止される。
【００４８】
また、収納領域２３に面する第１側壁部５２の−Ｄｆ方向の中央部付近の端部を−Ｄｔ方向に突出させて支持部２５Ｃが構成されている。更に、収納領域２３に面する第２側壁部５３の−Ｄｆ方向の中央部付近の端部を＋Ｄｔ方向に突出させて支持部２５Ｄが構成されている。
【００４９】
一方、フォーカスコイル３０の−Ｄｒ側の側壁部は、ＯＢＬホルダ２１の側壁部に接触していない。即ち、フォーカスコイル３０の紙面上右側にはＯＢＬホルダ２１の側壁部が設けられていない。これは、本形態では、フォーカスコイル３０は、収納領域２３に対して＋Ｄｒ方向にスライドすることで挿入されるからである。
【００５０】
図５を参照して、各種コイルが備えられる前の状態の収納領域２３を説明する。ここで、図５（Ａ）はレンズホルダの収納領域２２を示す斜視図であり、図５（Ｂ）は、図５（Ａ）に示すレンズホルダを、Ｄｒ軸を回転軸として１８０度回転させた状態を示す斜視図である。
【００５１】
図５（Ａ）を参照して、収納領域２２に面する第１側壁部５２の上端には２つの支持部２４Ｆ、２４Ｇが設けられており、下端付近には１つの支持部２５Ｃが設けられている。ここで、Ｄｒ方向に関して、支持部２５Ｃは、支持部２４Ｆと支持部２４Ｇとの間に配置されている。これにより、収納領域２２に収納されるフォーカスコイル２９がこれらの支持部により安定して支持される。この事項は、第２側壁部５３に設けられる支持部２４Ｄ、２４Ｃ（図５（Ｂ）参照）に関しても同様である。
【００５２】
したがって、フォーカスコイル２９の設置においてもフォーカスコイル３０の設置と同様に、収納領域２２に収納されるフォーカスコイル２９の底面は、支持部２５Ａ−２５Ｄにより支持されている。具体的には、収納領域２２に面する第３側壁部５４の−Ｄｆ方向の端部を−Ｄｒ方向に突出させることで支持部２５Ａ、２５Ｂが構成される。支持部２５Ａ、２５Ｂの−Ｄｒ方向の端部は、トラッキングコイル３７の内側側面よりも−Ｄｒ側に突出している。これにより、使用状況下に於いて衝撃等によりＯＢＬホルダ２１が−Ｄｒ方向に過度に変位すると、支持部２５Ａ、２５Ｂが対向ヨーク４８（図２（Ｂ）参照）に接触するので、フォーカスコイル２９が対向ヨーク４８に接触することによる変形が防止される。
【００５３】
また、収納領域２２に面する第１側壁部５２の−Ｄｆ方向の中央部付近の端部を−Ｄｔ方向に突出させて支持部２５Ｃが構成されている。更に、収納領域２２に面する第２側壁部５３の−Ｄｆ方向の中央部付近の端部を＋Ｄｔ方向に突出させて支持部２５Ｄが構成されている。
【００５４】
一方、フォーカスコイル２９の−Ｄｒ側の側壁部は、ＯＢＬホルダ２１の側壁部に接触していない。即ち、フォーカスコイル２９の紙面上左側にはＯＢＬホルダ２１の側壁部が設けられていない。これは、本形態では、フォーカスコイル２９は、収納領域２２に対して＋Ｄｒ方向にスライドすることで挿入されるからである。
【００５５】
次に図６および図７を参照して、上記した構成の対物レンズ駆動装置の製造方法を説明する。
【００５６】
先ず、図６（Ａ）に示すような形状を備えたＯＢＬホルダ２１を用意する。ＯＢＬホルダ２１は、液晶ポリマー（Ｌｉｑｕｉｄ Ｃｒｙｓｔａｌ Ｐｏｌｙｍｅｒ）などの樹脂材料を、モールド金型のキャビティに注入することにより形成される。ＯＢＬホルダ２１は、４つの側壁部を有し、第１側壁部５２および第２側壁部５３に、トラッキングコイルを巻回するためのボビン５７−６０が側壁部と一体で設けられている。
【００５７】
次に、各ボビン５７−６０に導線を巻回することでトラッキングコイル３６−３９を形成する。トラッキングコイル３６−３９は、１本の導線から成り、ボビン５９、５８、５７、６０の順番で自動化された機械により巻回される。トラッキングコイル３６−３９と成る導線の一端は、第３側壁部５４に設けられた絡げ部６１に絡げられる。また、この導線の他端は、第４側壁部５５に設けられた絡げ部６１に絡げられる。
【００５８】
次に、ＯＢＬホルダ２１にフォーカスコイル２９、３０を収納する。図６（Ａ）はＯＢＬホルダ２１の内部にフォーカスコイル２９、３０を収納させるステップを示す斜視図であり、図６（Ｂ）は収納領域２３にフォーカスコイル３０をスライドして挿入するステップを示す斜視図である。
【００５９】
上記したように、本形態のＯＢＬホルダ２１では、図６（Ａ）に示す対物レンズ３１の上方の領域は、立ち上げミラーを配置するためにも、またレーザー光の光路を確保するためにも、空間を確保する必要がある。即ち、この領域にフォーカスコイルを配置することができない。
【００６０】
このことから、本形態では、対物レンズ３１よりも側方の部分で、ＯＢＬホルダ２１内部にフォーカスコイル２９、３０を収納させる必要がある。ここでは、先ず、ＯＢＬホルダ２１の中央部付近にフォーカスコイル２９、３０を暫定的に収納させる。ＯＢＬホルダ２１内部の中央部付近の領域は、フォーカスコイル２９、３０を一時的に収容可能な程度の大きさである。
【００６１】
次に、図６（Ｂ）を参照して、ＯＢＬホルダ２１の収納領域２３に向かってフォーカスコイル３０をスライドさせる。具体的には、フォーカスコイル３０の上端を支持部２５Ａ−２５Ｄに接触させ、フォーカスコイル３０の下端を支持部２４Ａ−２４Ｇ（図５（Ａ）参照）に接触させつつ、＋Ｄｒ方向にフォーカスコイル３０をスライドさせる。このスライドは、フォーカスコイル３０の＋Ｄｒ側の外側側面が、ＯＢＬホルダ２１の第４側壁部５５の内側側面に接触するまで行われる。これにより、収納領域にフォーカスコイル３０が仮止めされる。
【００６２】
同様に、図６（Ａ）を参照して、ＯＢＬホルダ２１の右側に設けた収納領域２２に、フォーカスコイル２９をスライドした後に仮留する。
【００６３】
次に、図７を参照して、フォーカスコイル３０をＯＢＬレンズホルダに固着するために接着剤を供給する。
【００６４】
具体的には、トラッキングコイル３６が巻回されるボビン５７は、第１側壁部５２から円筒状に外側に突出する筒状部６５と、筒状部６５の外側の端部を拡大させた鍔部６６とを備えている。そして、筒状部６５の内部は、ホルダと外部とを連通させる連通孔６３となっており、また、筒状部６５の一部を貫通して貫通孔６４が設けられている。この構成は、他のボビンも同様である。
【００６５】
本工程では、連通孔６３に液状の接着剤を供給する。連通孔６３に供給された接着剤６８は、フォーカスコイル３０を構成する導線同士の間に含浸される。また、接着剤６８の一部は、第１側壁部５２の内壁とフォーカスコイル３０との間にも進入する。同様に、第２側壁部５３に設けたボビン６０（図６（Ｂ）参照）からもフォーカスコイル３０に対して接着剤を供給する。ボビン５７とボビン６０とは、フォーカスコイル２９を挟む位置で対称的に配置されているので、両ボビンから供給された接着剤は、フォーカスコイル２９に対して一様に含浸される。同様に、フォーカスコイル２９に対しても、ボビン５８，５９（図６（Ａ）参照）を経由して接着剤が供給される。
【００６６】
また、連通孔６３に供給された接着剤の一部は、トラッキングコイルにも供給される。具体的には、ボビン５７の連通孔６３に液状の接着剤６８を供給すると、供給された接着剤６８は、貫通孔６４を経由して、鍔部６６と第２側壁部５３に囲まれる空間に浸入する。そして、浸入した接着剤は、トラッキングコイル３８を構成する導線同士の間隙に含浸される。接着剤６８をトラッキングコイル３８に供給する上記方法は、他のボビンでも同様である。
【００６７】
その後、接着剤６８を硬化させる。接着剤６８が、光線照射や加熱等のエネルギーを付与することで硬化するタイプであれば、エネルギーを接着剤６８に付与する。このようにすることで、図６（Ｂ）を参照して、フォーカスコイル３０を構成する導線同士が固化され、フォーカスコイル３０が第１側壁部５２、第２側壁部５３および第４側壁部５５に固定される。同様に、フォーカスコイル３０の固化および固着が行われる。更に、トラッキングコイル３６−３９の形状が固化されると共に、各トラッキングコイル３６−３９が各ボビン５７−６０に固着される。
【００６８】
上記の工程を経て、図３に構成を示すＯＢＬホルダ２１が製造される。また、図２を参照して、ＯＢＬホルダ２１を支持ワイヤ４５を経由してアクチュエータフレーム４１に固定することにより、対物レンズ駆動装置５０が製造される。更に、図１を参照して、かかる構成の対物レンズ駆動装置５０を、他の光学素子と共にハウジング５１に組み込むことによって、光ピックアップ装置１００が製造される。
【００６９】
＜第４の実施の形態：他の形態の対物レンズホルダ＞
図８および図９を参照して、他の形態のＯＢＬホルダ２１Ａを説明する。本形態で説明するＯＢＬホルダ２１Ａの基本的な構造は、第３の実施の形態で上記したものと同様であり、相違点はフォーカスコイル２９、３０がボビン２６、２７に巻かれていることにある。
【００７０】
図８を参照して、ＯＢＬホルダ２１Ａの構成を説明する。図８（Ａ）はＯＢＬホルダ２１Ａを全体的に示す斜視図であり、図８（Ｂ）はフォーカスコイル２９が巻かれたボビン２６を示す斜視図であり、図８（Ｃ）はＯＢＬホルダ２１Ａを部分的に示す平面図である。
【００７１】
上記した第３の実施の形態では、図４（Ａ）等を参照して、導線を巻回することで形成されたフォーカスコイル２９、３０を、ＯＢＬホルダ２１の所定箇所に配置していた。
【００７２】
本形態では、完成製品の品質を更に良好にするために、図８（Ｂ）に示すように、フォーカスコイル２９をボビン２６に巻回された状態で用意し、この状態のフォーカスコイル２９をＯＢＬホルダ２１Ａの内部に収納させている。
【００７３】
具体的には、図８（Ｂ）を参照して、ボビン２６は概略的には上底部と下底部を有さない箱型形状を呈し、その側面部にフォーカスコイル２９を構成する導線が巻回されている。また、ボビン２６の側面部は上端部および下端部よりも中間部付近が内側に窪む形状を呈し、この窪む部分にフォーカスコイルが巻回されている。更に、ボビン２６の外形形状は、図８（Ａ）に示すＯＢＬホルダ２１の収納領域２２の内側部分と同程度の大きさであり、ボビン２６を収納領域２２に嵌め込むことにより、ＯＢＬホルダ２１Ａ内部に於けるフォーカスコイル２９の位置は正確に固定される。なお、ボビン２６は、ＯＢＬホルダ２１Ａと同様の樹脂材料や金属材料から構成されても良いが、比較的比重の小さい材料を採用することによりＯＢＬホルダ２１Ａ全体の軽量化に寄与する。
【００７４】
ボビン２６の側辺中間部に於いて、上下端部付近を＋Ｄｒ側に鈎状に突出させて絡げ部６１Ａ、６１Ｃが形成されている。絡げ部６１Ａにはフォーカスコイル２９を構成する導線の一端が絡げられ、絡げ部６１Ｃにはこの導線の他端が絡げられる。一方、トラッキングコイルの一端が絡げられる絡げ部６１Ｂは、ＯＢＬホルダ２１Ａの第３側壁部５４を突出させた絡げ部６１Ｂに絡げられている。
【００７５】
また、Ｄｒ方向で対向するボビン２６の内壁の中央部付近を内側に突出させて突出部４２が設けられている。ここでは、ボビン２６の上端から下端に到るまで連続した突出部４２が直線状に形成されている。この様に突出部４２を設けることにより、図８（Ｃ）を参照して、使用状況下に於いてＯＢＬホルダ２１ＡのＤｒ方向での可動量を規制することができる。具体的には、使用状況下に於いてトラッキングコイル３７、３８に電流が流れることにより、ＯＢＬホルダ２１ＡがＤｒ方向に沿って移動し、この移動量が所定以上になると突出部４２の何れかが対向ヨーク４８に接触し、Ｄｒ方向での過度の移動が抑制される。
【００７６】
また、図８（Ａ）で紙面上左側に設けられるフォーカスコイル３０も、フォーカスコイル２９と同様に、ボビン２７に巻回された状態で収納領域２３に収納されている。ここで、ボビン２６とボビン２７とはＯＢＬホルダ２１Ａに嵌め込まれる方向が異なるのみで形状は同様である。これにより、１種類のボビンのみを２つ用意すれば、フォーカスコイル２９、３０を組み込むことができるので、ボビンを採用することによるコスト上昇が抑制される。
【００７７】
図９を参照して、上記したフォーカスコイル２９、３０をＯＢＬホルダ２１Ａに組み込む方法を説明する。
【００７８】
先ず、フォーカスコイル２９はボビン２６に巻回された状態で用意され、ＯＢＬホルダ２１Ａの中央部付近から＋Ｄｒ方向にスライドしながら収納領域２２に収納される。このスライドは、ボビン２６の＋Ｄｒ側の外側の側面が、ＯＢＬホルダ２１Ａの第３側壁部５４の内側の側面に当接するまで行われる。これにより、収納領域２２に於いて、ボビン２６の外側の側面が、第１側壁部５２、第３側壁部５４および第２側壁部５３に当接して固定される。また、ボビン２６とＯＢＬホルダ２１Ａの内壁との間に接着剤を供給することで、ボビン２６の位置が固定される。また、ボビン２６の＋Ｄｒ側に突出する絡げ部６１Ａ、６１Ｃは、第３側壁部５４から＋Ｄｒ側に突出する。
【００７９】
フォーカスコイル３０もフォーカスコイル２９と同様の要領でＯＢＬホルダ２１Ａの収納領域２３に固定される。具体的には、フォーカスコイル３０が巻かれたボビン２７をＯＢＬホルダ２１Ａの中央部付近に配置した後に、第４側壁部５５の内側側面に到るまで−Ｄｒ方向にボビン２７をスライドさせる。これにより、収納領域２３に於いて、ボビン２７の側面が、第４側壁部５５、第１側壁部５２および第２側壁部５３の内側側面に当接してその位置が決定される。
【００８０】
上記のように、フォーカスコイル２９、３０を、ボビン２６、２７に巻回された状態で、ＯＢＬホルダ２１Ａに組み込むことにより、フォーカスコイル２９、３０を部品の位置決め精度でＯＢＬホルダ２１Ａに組み込むことが可能となり、位置精度が向上する。
【００８１】
更に、専用の治具を使用すること無く、フォーカスコイル２９、３０をＯＢＬホルダ２１Ａに組み込むことができるので、製造コストの低減に寄与する。
【符号の説明】
【００８２】
１ レーザーユニット
６ 回折格子
９ １／４波長板
１２ コリメートレンズ
１３ ハーフミラー
１６ 第１プレート
１７ 光検出器
１９ 第２プレート
２０ ＦＭＤ
２１，２１Ａ ＯＢＬホルダ
２２ 収納領域
２３ 収納領域
２４，２４Ａ，２４Ｂ，２４Ｃ，２４Ｄ，２４Ｅ，２４Ｆ，２４Ｇ 支持部
２５，２５Ａ，２５Ｂ，２５Ｃ，２５Ｄ 支持部
２６ ボビン
２７ ボビン
２９ フォーカスコイル
３０ フォーカスコイル
３１ 対物レンズ
３２ マグネット
３３ マグネット
３４ マグネット
３５ マグネット
３６ トラッキングコイル
３７ トラッキングコイル
３８ トラッキングコイル
３９ トラッキングコイル
４０ アクチュエータ可動部
４１ アクチュエータフレーム
４２ 突出部
４３ 補助部材
４４ 固定基板
４５ 支持ワイヤ
４６ バックヨーク
４７ サブヨーク
４８ 対向ヨーク
４９ 対向ヨーク
５０ 対物レンズ駆動装置
５１ ハウジング
５２ 第１側壁部
５３ 第２側壁部
５４ 第３側壁部
５５ 第４側壁部
５６ 主面部
５７ ボビン
５８ ボビン
５９ ボビン
６０ ボビン
６１，６１Ａ，６１Ｂ，６１Ｃ 絡げ部
６３ 連通孔
６４ 貫通孔
６５ 筒状部
６６ 鍔部
６８ 接着剤
７０ 空間
７１ 第５側壁部
７２ 第６側壁部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、対物レンズが取り付けられる対物レンズホルダ、対物レンズホルダがアクチュエータフレームに変位可能に支持される対物レンズ駆動装置、光ピックアップ装置、および対物レンズ駆動装置の製造方法に関する。特に本発明は、フォーカスコイルが内蔵される対物レンズホルダ等に関する。
【背景技術】
【０００２】
光ディスクに対して光学的に信号の読み取り、あるいは書き込みを行う光学ヘッドにおける対物レンズ駆動装置においては、対物レンズ（Ｏｂｊｅｃｔｉｖｅ ｌｅｎｓ）が取り付けられた対物レンズホルダ（以下、ＯＢＬホルダと称する）をアクチュエータフレームに対して変位可能に支持されている。また、フォーカスコイル及びトラッキングコイル、あるいは必要に応じてチルトコイルをＯＢＬホルダに装着すると共に、これらの駆動コイルの有効領域を磁気回路により形成される所定の磁界内に配置することにより各駆動コイルに供給する信号に応じて対物レンズを駆動する構成となっている。
【０００３】
従来から存在する対物レンズ駆動装置の構造は、例えば下記特許文献１に記載されている。この文献の図２およびその説明箇所を参照すると、レンズホルダー１の側面に、トラッキングコイル５、第１フォーカスコイル７、第２フォーカスコイル８、第１チルトコイル１１および第２チルトコイル１２が設けられている。そして、これらの各コイルに所定の制御信号が入力される事によって、フォーカス制御、トラッキング制御およびチルト制御が行われる。
【０００４】
また、図２および図３を参照して、第１チルトコイル１１および第２チルトコイル１２はレンズホルダー１の側面全周を巻くように形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２００８−１５２８３１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、上記した特許文献１では、第１チルトコイル１１および第２チルトコイル１２がレンズホルダー１の側面全体を巻回しているので、レンズホルダーが組み込まれる光ピックアップ装置の小型化の為に、レンズホルダー１の側面から内部にレーザー光を取り込むことが困難な問題があった。
【０００７】
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、コイルの組み込みが容易な小型の対物レンズホルダ等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明の対物レンズホルダは、光ピックアップ装置の対物レンズ駆動装置に移動可能に支持される対物レンズホルダであって、対物レンズが固定される固定部が設けられた主面部と、長手方向で対向する第１側壁部および第２側壁部と、短手方向で対向する第３側壁部および第４側壁部と、を備え、前記固定部よりも一方側で、前記第１側壁部、前記第２側壁部および前記第３側壁部に囲まれて第１フォーカスコイルが収納される第１収納領域と、前記固定部よりも他方側で、前記第１側壁部、前記第２側壁部および前記第４側壁部に囲まれて第２フォーカスコイルが収納される第２収納領域と、を備えることを特徴とする。
【０００９】
更に、本発明の対物レンズ駆動装置は、上記構成の対物レンズホルダが、アクチュエータフレームに移動可能に支持されることを特徴とする。
【００１０】
更にまた、本発明の光ピックアップ装置は、上記構成の対物レンズ駆動装置をハウジングに搭載したことを特徴とする。
【００１１】
更に、本発明の対物レンズ駆動装置の製造方法は、上記構成の対物レンズホルダを用意する工程と、前記第１フォーカスコイルを中央部から周辺部に向かってスライドさせて前記第１収納領域に収納すると共に、前記第２フォーカスコイルを中央部から周辺部に向かってスライドさせて前記第２収納領域に収納する工程と、前記第１フォーカスコイルおよび前記第２フォーカスコイルに接着剤を供給することにより、前記両フォーカスコイルを前記対物レンズホルダに固着する工程と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【００１２】
本発明によれば、対物レンズの内部で、第１フォーカスコイルを収納する第１収納領域を対物レンズの一方側に設け、第２フォーカスコイルを収納する第２収納領域を対物レンズの他方側に設けている。これにより、対物レンズの下方に、立ち上げミラーを配置する空間が確保されると共に、レンズホルダの側壁の一部に切り欠き部を設け、この切り欠き部を介してレーザー光をレンズホルダの内部に導くことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【００１３】
【図１】本発明の光ピックアップ装置を示す平面図である。
【図２】本発明の対物レンズ駆動装置を示す図であり、（Ａ）は対物レンズ駆動装置を全体的に示す平面図であり、（Ｂ）はアクチュエータ可動部を拡大して示す平面図である。
【図３】本発明の対物レンズホルダを示す図であり、（Ａ）は各種コイル等が組み込まれた状態の対物レンズホルダを示す斜視図であり、（Ｂ）はフォーカスコイルが収納される収納領域を拡大して示す斜視図である。
【図４】本発明の対物レンズホルダを示す図であり、（Ａ）は各種コイルが組み込まれた状態の対物レンズホルダを下方から見た状態を示す斜視図であり、（Ｂ）はこの状態でフォーカスコイルが収納される収納領域を示す斜視図である。
【図５】本発明の対物レンズホルダを示す図であり、（Ａ）は収納領域を上方から見た斜視図であり、（Ｂ）は収納領域を下方から見た斜視図である。
【図６】（Ａ）および（Ｂ）は、本発明の対物レンズホルダにフォーカスコイルを収納する方法を示す図である。
【図７】本発明の対物レンズホルダに収納されたフォーカスコイルに接着剤を供給する工程を示す断面図である。
【図８】本発明の対物レンズホルダを示す図であり、（Ａ）は対物レンズホルダを示す斜視図であり、（Ｂ）はフォーカスコイルが巻回されたボビンを示す斜視図であり、（Ｃ）は対物レンズホルダを示す平面図である。
【図９】本発明の対物レンズホルダにフォーカスコイルを収納する方法を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００１４】
＜第１の実施の形態：光ピックアップ装置＞
図１は本実施形態の光ピックアップ装置１００の概略を示す平面図である。
【００１５】
光ピックアップ装置１００は、一例としてＣＤ（Ｃｏｍｐａｃｔ Ｄｉｓｃ）規格、ＤＶＤ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｖｅｒｓａｔｉｌｅ Ｄｉｓｃ）規格、およびＢＤ（Ｂｌｕ−ｒａｙ Ｄｉｓｃ）規格の各光ディスクに対応する構成となっており、対物レンズ駆動装置５０および各種光学部品がハウジング５１に設置されて構成されている。光ピックアップ装置の概略的機能は、光ディスクの情報記録層に対して所定の規格のレーザー光を照射し、この情報記録層で反射したレーザー光を受光することで、光ディスクからの情報の読出しまたは書き込みを行うことにある。
【００１６】
対物レンズ駆動装置５０（アクチュエータ）は、対物レンズ（Ｏｂｊｅｃｔｉｖｅ ｌｅｎｓ）ホルダ（以下、ＯＢＬホルダ）２１を移動可能に保持する。ＯＢＬホルダ２１は、上記した各規格の何れかまたは全てに対応する対物レンズ３１が装着される。
【００１７】
レーザーユニット１はレーザーダイオードを備え、このレーザーダイオードから上記した規格のレーザー光が放射される。具体的には、ＢＤに適した青紫色（青色）波長帯３９５ｎｍ〜４２０ｎｍ（例えば４０５ｎｍの波長）のレーザ光、ＤＶＤに適した赤色波長帯６４５ｎｍ〜６７５ｎｍ（例えば６５０ｎｍの波長）のレーザ光、またはＣＤに適した赤外波長帯７６５ｎｍ〜８０５ｎｍ（例えば７８０ｎｍの波長）のレーザ光が、レーザーダイオードから放射される。
【００１８】
レーザーユニット１から放射されたレーザー光は、回折格子６で０次光、＋１次光、−１次光に分離されてハーフミラー１３で反射された後に、１／４波長板９およびコリメートレンズ１２を通過し、不図示の立ち上げミラーで反射されて対物レンズ３１で光ディスクの情報記録層に合焦される。また、レーザーユニット１から放射されたレーザー光の一部はハーフミラー１３を透過してＦＭＤ２０で検出され、この検出に基づいてレーザーユニット１の出力が調整される。そして、光ディスクの情報記録層で反射した戻り光のレーザー光は、立ち上げミラー、コリメートレンズ１２、１／４波長板９、ハーフミラー１３を透過し、その後、第１プレート１６および第２プレート１９で不要な非点収差が打ち消され、所望の非点収差が付与された後に、光検出器１７（ＰＤＩＣ）で検出される。光検出器１７で検出された信号に基づいて、ＯＢＬホルダ２１のコイルに制御信号が供給され、フォーカスコイル、トラッキングコイル、またはチルトコイルに制御電流が供給される。この結果、フォーカス制御、トラッキング制御及びラジアルチルト制御が行われる。ここで、後述する対物レンズ駆動装置５０の場合、フォーカスコイルがチルトコイルの機能を兼ねており、チルトコイルが省かれている。
【００１９】
ここで、図１に示すＤｔ方向とはタンジェンシャル方向であり、Ｄｒ方向とはトラッキング方向（光ディスクのラジアル方向）であり、Ｄｆ方向とはフォーカス方向である。これらの各方向は互いに直交している。
【００２０】
＜第２の実施の形態：対物レンズ駆動装置＞
図２を参照して、上記した光ピックアップ装置に組み込まれる対物レンズ駆動装置５０を説明する。図２（Ａ）は対物レンズ駆動装置５０を示す平面図であり、図２（Ｂ）はアクチュエータ可動部４０を拡大して示す平面図である。
【００２１】
図２（Ａ）を参照して、対物レンズ駆動装置５０（アクチュエータ）は、アクチュエータ可動部４０とアクチュエータフレーム４１とから成る。また、アクチュエータ可動部４０はＯＢＬホルダ２１と、支持ワイヤ４５から構成される。アクチュエータフレーム４１は、珪素鋼板等の磁性金属材料から形成され、部分的に直角に曲折加工されることで、後述するヨークが形成される。
【００２２】
アクチュエータ可動部４０は、支持ワイヤ４５によりアクチュエータフレーム４１に対してフォーカス方向（Ｄｆ方向）、トラッキング方向（Ｄｒ方向）及びラジアルチルト方向（Ｄｒｔ方向）に変位可能に弾性的に支持される。支持ワイヤ４５は、一端がＯＢＬホルダ２１の側壁に固定され、他端がアクチュエータフレーム４１に固定された固定基板４４に固定される。前記固定基板４４は支持ワイヤ４５を制振させるダンパー材が充填される補助部材４３に接着され、該補助部材４３と共にアクチュエータフレーム４１にねじ止め固定される。支持ワイヤ４５は、アクチュエータフレーム４１の１つの側面に対して例えば３本ずつ架設され、アクチュエータ可動部４０を空中状態で機械的に支持すると共に、アクチュエータ可動部４０に備えられる各コイルに供給される電流が流れる接続手段としても機能している。
【００２３】
図２（Ｂ）を参照して、アクチュエータ可動部４０は、ＯＢＬホルダ２１と、ＯＢＬホルダ２１の上面に固定された対物レンズ３１と、ＯＢＬホルダ２１の側壁部の外側の面に巻回されたトラッキングコイル３６−３９と、ＯＢＬホルダ２１に内蔵されたフォーカスコイル２９、３０とを主要に備える。
【００２４】
ＯＢＬホルダ２１の側壁部外側に配置された各トラッキングコイル３６−３９に面するアクチュエータフレーム４１の各ヨークに、マグネット３２−３５が配置されている。各マグネット３２−３５の、各トラッキングコイル３６−３９に対向する面は同一の極性（例えばＮ極）である。また、各マグネット３２−３５は、トラッキングコイル３６−３９の有効領域に対して有効磁束を発生させる。この様な構成でトラッキングコイル３６−３９に電流を供給すると、トラッキングコイル３６−３９に電流が流れることで発生する磁界と、マグネット３２−３５で生成される磁界で形成される磁気回路との協働により、ＯＢＬホルダ２１はＤｔ方向に変位する。
【００２５】
対物レンズ３１を挟む箇所のＯＢＬホルダ２１の内部には、Ｄｆ方向に巻回軸を有する２つのフォーカスコイル２９、３０が配置されており、マグネット３２−３５は、フォーカスコイル２９、３０の有効領域に対しても有効磁束を発生させている。従って、フォーカスコイル２９、３０に対して電流を供給すると、フォーカスコイル２９、３０に電流が流れることで発生する磁界と、マグネット３２−３５で生成される磁界で形成される磁気回路との協働により、ＯＢＬホルダ２１はＤｆ方向に変位する。尚、本形態では、フォーカスコイル２９、３０に、チルト方向に対する制御を行うための制御信号を付与することで、ＯＢＬホルダ２１をチルト方向（Ｄｒｔ方向）に制御している。
【００２６】
バックヨーク４６は、アクチュエータフレーム４１の端部を直角に曲折加工させた部位でありマグネット３２、３３が、内側の側面に固着されている。更に、バックヨークのＤｒ方向の両端部を更に直角に曲折させてサブヨーク４７が形成されている。このような形状のバックヨーク４６およびサブヨーク４７を設けることにより、各トラッキングコイル３６、３７に有効に作用する有効磁束を強めることができ、ＯＢＬホルダ２１のＤｔ方向の感度を向上させるのに有効である。
【００２７】
対向ヨーク４８、４９は、バックヨーク４６等と同様に、アクチュエータフレームを直角に曲折させた部位であり、夫々がフォーカスコイル２９、３０に挿入する位置に設けられている。対向ヨーク４８、４９をこのように配置することで、フォーカスコイル２９、３０及び各トラッキングコイル３６−３９に有効に作用する有効磁束を強めることができ、ＯＢＬホルダ２１のＤｆ方向、Ｄｒ方向及びＤｒｔ方向の感度を向上させるのに有効である。
【００２８】
更に本形態では、フォーカスコイル２９およびフォーカスコイル３０は、Ｄｒ方向に沿って対物レンズ３１の側方に配置されており、支持部２４でその位置が固定されている。この事項は本形態の特徴であり、図３以降の図を参照して後述する。
【００２９】
＜第３の実施の形態：対物レンズホルダ＞
図３を参照して、ＯＢＬホルダ２１にフォーカスコイル２９、３０およびトラッキングコイル３６−３９が備えられる構成を説明する。図３（Ａ）は各コイルが備えられた状態のＯＢＬホルダ２１を示す斜視図であり、図３（Ｂ）はフォーカスコイル２９が収納される収納領域２２を拡大して示す斜視図である。
【００３０】
ＯＢＬホルダ２１の概略的形状は、下方に開口部が設けられた筐体形状である。具体的には、ＯＢＬホルダ２１は、対物レンズ３１が装着される円形の開口部が設けられた主面部５６と、主面部５６の周辺部から下方に一体的に連続する４つの側壁部とを備えている。この側壁部としては、紙面上の奥側で長手方向の第１側壁部５２、紙面上の手前側で第１側壁部５２に対向する第２側壁部５３、紙面上で右側に設けられた短手方向の第３側壁部５４、および紙面上で左側端部に設けられた第４側壁部５５が含まれている。第１側壁部５２および第２側壁部５３の主面はＤｒ方向に対して平行であり、第３側壁部５４および第４側壁部５５の主面はＤｔ方向に対して平行である。
【００３１】
第１側壁部５２の外側の主面には、ボビン５７、５８が設けられており、これらのボビンには夫々トラッキングコイル３６、３７が巻回されている。また、第２側壁部５３の外側の主面には、ボビン５９、６０が設けられており、これらのボビンには夫々トラッキングコイル３８、３９が巻回されている。各ボビン５７−６０は、Ｄｒ方向において対物レンズ３１よりも外側の領域に配置されている。この理由は、ＯＢＬホルダ２１を、小型の光ピックアップに収納させると、対物レンズ３１の直下に立ち上げミラーが配置されると共に、前記立ち上げミラーへの光路を確保する空間７０をＯＢＬホルダ２１の第１側壁部５２及びあるいは第２側壁部５３の中央から下方の領域に設ける必要があり、この領域にコイル等の部品を収納させるためのマージンが無いからである。
【００３２】
各ボビンに巻回されるトラッキングコイル３６−３９は、１本の細長いエナメル線等の絶縁被膜が形成された導線から成り、その一端は、第３側壁部５４の一部を突出させた絡げ部６１に絡げられ、他端は第４側壁部５５に設けた絡げ部６１に絡げられる。ここで、各トラッキングコイル３６−３９は、Ｄｔ方向に巻回軸を有し、全体として角を丸めた四角形状を呈するように、ボビン５７−６０に巻回されている。また、トラッキングコイル３６−３９は、ＯＢＬホルダ２１自身を磁気作用によって駆動させるための駆動コイルであり、このような機能は後述するフォーカスコイル２９、３０も同様である。
【００３３】
絡げ部６１は、第３側壁部５４に３つ配置されており、２つはフォーカスコイル２９を構成するエナメル線等の絶縁被膜が形成された導線の両端が夫々絡げられ、１つにはトラッキングコイル３６−３９の端部が絡げられる。同様に、第４側壁部５５にも３つの絡げ部６１が設けられ、２つの絡げ部６１にはフォーカスコイル３０を構成する導線の両端部が絡げられ、１つの絡げ部６１にはトラッキングコイル３６−３９の他の端部が絡げられる。これらの絡げ部に絡げられた導線には、図２（Ａ）に示した支持ワイヤ４５が夫々接続される。
【００３４】
フォーカスコイル２９、３０は、Ｄｆ方向に巻回軸を有し、全体として角を丸めた四角形状を呈するように導線が巻回されて構成され、ＯＢＬホルダ２１の内部に収納されている。フォーカスコイル２９は第３側壁部５４側の端部に設けられた収納領域２２に配置さており、フォーカスコイル３０は第４側壁部５５側に設けられた収納領域２３に配置されている。即ち、フォーカスコイル２９は対物レンズ３１よりも＋Ｄｒ側に設けられており、フォーカスコイル３０は対物レンズ３１よりも−Ｄｒ側に設けられている。フォーカスコイル２９、３０を収納する収納領域２２、２３が、対物レンズ３１の外周端部よりも外側の端部に設けられる理由は、上記したボビン５７−６０を端部に配置する理由と同様である。ここで、平面視での収納領域２２、２３の大きさは、収納されるフォーカスコイル２９、３０の外形と同等か若干大きい程度に設定される。
【００３５】
更に、収納領域２２の上部は主面部により覆われること無く、開口部の状態となっている（第１開口部）。同様に、収納領域２３の上部も開口部（第２開口部）となっている。これにより、フォーカスコイル２９の内部に図２（Ｂ）に示す対向ヨーク４９を配した状態で、ＯＢＬホルダ２１のＤｆ方向への移動が許容され、また、ＯＢＬホルダ２１の軽量化が図られている。
【００３６】
本形態では、後述するように、収納領域２２、２３に面する各側壁部の一部を内部に突出させて支持部２４等としており、この支持部２４等でフォーカスコイル２９、３０を支持している。フォーカスコイル２９、３０が支持部２４等により支持される構成は、収納領域２２、２３で同様である。
【００３７】
尚、上記した各フォーカスコイル２９、３０およびトラッキングコイル３６−３９は、ボビン５７−６０から供給される接着剤を介して、ＯＢＬホルダ２１に固着される。
【００３８】
更にまた、対物レンズが配置される主面部５６の上面は、収納領域２２、２３が設けられる箇所の各側壁部の上端部よりも上方に配置されている。これにより、対物レンズ３１の下方の領域を大きく確保し、レーザー光を反射させる立ち上げミラーをこの領域に配置することが可能となる。
【００３９】
主面部５６の＋Ｄｒ方向の端部から下方に第５側壁部７１が連続しており、この第５側壁部７１の一部を＋Ｄｒ方向に突起させることで、フォーカスコイル２９を支持する支持部が形成されている。同様に、図３（Ａ）では隠れているが、主面部５６の−Ｄｒ方向の端部から下方に第６側壁部７２が連続しており、この第６側壁部７２の側壁に、フォーカスコイル３０を支持するための支持部が設けられる。
【００４０】
図３（Ｂ）を参照して、フォーカスコイル２９は、第１側壁部５２、第２側壁部５３および第３側壁部５４に囲まれる収納領域２２に収納されている。また、フォーカスコイル２９の上端は、支持部２４Ａ−２４Ｇにより支持されている。支持部２４Ａ−２４Ｇはホルダの側壁部を、収納領域２２の内側に向かって突出させた部位である。
【００４１】
具体的には、支持部２４Ａ、２４Ｂは、第５側壁部７１の側面を＋Ｄｒ方向に部分的に突起させた部位であり、支持部２４Ａ、２４Ｂの下端がフォーカスコイル２９の上面に接触している。また、支持部２４Ａ、２４Ｂの＋Ｄｒ方向の端部は、フォーカスコイル２９の内側側面よりも＋Ｄｒ方向に突出している。
【００４２】
支持部２４Ｃ，２４Ｄは、収納領域２２に面する第２側壁部５３上端部の両端部付近を＋Ｄｔ方向に突出させた部位であり、支持部２４Ｃ，２４Ｄの下面が、フォーカスコイル２９の上面に接触している。
【００４３】
支持部２４Ｅは、第３側壁部５４の上端部を−Ｄｒ方向に突出させた部位であり、支持部２４Ｅの下面がフォーカスコイル２９の上面を支持している。また、支持部２４Ｅの−Ｄｒ方向の端部は、フォーカスコイル２９の内面よりも−Ｄｒ方向に突出している。
【００４４】
支持部２４Ｆ，２４Ｇは、収納領域２２に面する第１側壁部５２上端部の両端部付近を−Ｄｔ方向に突出させた部位であり、支持部２４Ｆ，２４Ｇの下面が、フォーカスコイル２９の上面に接触している。
【００４５】
図４を参照して、次に、各フォーカスコイル２９、３０を下方から支える支持部２５の構成を説明する。図４（Ａ）はＯＢＬホルダ２１を下方から見た斜視図であり、図４（Ｂ）は収納領域２３にフォーカスコイル３０が収納される状態を示す斜視図である。尚、図４（Ａ）では、図３（Ａ）に示すＯＢＬホルダ２１を、対物レンズ３１の中心を通過すると共にＤｒ方向に対して平行な線（点線で示す線）を軸にして１８０度回転させた状態を示している。
【００４６】
図４（Ａ）を参照して、収納領域２２、２３に収納されたフォーカスコイル２９，３０の−Ｄｆ側の端部は、各側壁部の一部を内側に突出させた支持部２５で支持されている。ここで、紙面上における、フォーカスコイル２９の右側側壁、上側側壁および下側側壁は、第３側壁部５４、第２側壁部５３および第１側壁部５２の内側側面に接触している。一方、紙面上における、フォーカスコイル３０の左側側壁、上側側壁および下側側壁は、第４側壁部５５、第２側壁部５３および第１側壁部５２の内側側面に接触している。
【００４７】
図４（Ｂ）を参照して、収納領域２３に収納されるフォーカスコイル３０の紙面上における上面（底面）は、支持部２５Ａ−２５Ｄにより支持されている。具体的には、収納領域２３に面する第４側壁部５５の−Ｄｆ方向の端部を−Ｄｒ方向に突出させることで支持部２５Ａ、２５Ｂが構成される。支持部２５Ａ、２５Ｂの−Ｄｒ方向の端部は、トラッキングコイル３６の内側側面よりも−Ｄｒ側に突出している。これにより、使用状況下に於いて衝撃等によりＯＢＬホルダ２１が−Ｄｒ方向に過度に変位すると、支持部２５Ａ、２５Ｂが対向ヨーク４９（図２（Ｂ）参照）に接触するので、フォーカスコイル３０が対向ヨーク４９に接触することによる変形が防止される。
【００４８】
また、収納領域２３に面する第１側壁部５２の−Ｄｆ方向の中央部付近の端部を−Ｄｔ方向に突出させて支持部２５Ｃが構成されている。更に、収納領域２３に面する第２側壁部５３の−Ｄｆ方向の中央部付近の端部を＋Ｄｔ方向に突出させて支持部２５Ｄが構成されている。
【００４９】
一方、フォーカスコイル３０の−Ｄｒ側の側壁部は、ＯＢＬホルダ２１の側壁部に接触していない。即ち、フォーカスコイル３０の紙面上右側にはＯＢＬホルダ２１の側壁部が設けられていない。これは、本形態では、フォーカスコイル３０は、収納領域２３に対して＋Ｄｒ方向にスライドすることで挿入されるからである。
【００５０】
図５を参照して、各種コイルが備えられる前の状態の収納領域２３を説明する。ここで、図５（Ａ）はレンズホルダの収納領域２２を示す斜視図であり、図５（Ｂ）は、図５（Ａ）に示すレンズホルダを、Ｄｒ軸を回転軸として１８０度回転させた状態を示す斜視図である。
【００５１】
図５（Ａ）を参照して、収納領域２２に面する第１側壁部５２の上端には２つの支持部２４Ｆ、２４Ｇが設けられており、下端付近には１つの支持部２５Ｃが設けられている。ここで、Ｄｒ方向に関して、支持部２５Ｃは、支持部２４Ｆと支持部２４Ｇとの間に配置されている。これにより、収納領域２２に収納されるフォーカスコイル２９がこれらの支持部により安定して支持される。この事項は、第２側壁部５３に設けられる支持部２４Ｄ、２４Ｃ（図５（Ｂ）参照）に関しても同様である。
【００５２】
したがって、フォーカスコイル２９の設置においてもフォーカスコイル３０の設置と同様に、収納領域２２に収納されるフォーカスコイル２９の底面は、支持部２５Ａ−２５Ｄにより支持されている。具体的には、収納領域２２に面する第３側壁部５４の−Ｄｆ方向の端部を−Ｄｒ方向に突出させることで支持部２５Ａ、２５Ｂが構成される。支持部２５Ａ、２５Ｂの−Ｄｒ方向の端部は、トラッキングコイル３７の内側側面よりも−Ｄｒ側に突出している。これにより、使用状況下に於いて衝撃等によりＯＢＬホルダ２１が−Ｄｒ方向に過度に変位すると、支持部２５Ａ、２５Ｂが対向ヨーク４８（図２（Ｂ）参照）に接触するので、フォーカスコイル２９が対向ヨーク４８に接触することによる変形が防止される。
【００５３】
また、収納領域２２に面する第１側壁部５２の−Ｄｆ方向の中央部付近の端部を−Ｄｔ方向に突出させて支持部２５Ｃが構成されている。更に、収納領域２２に面する第２側壁部５３の−Ｄｆ方向の中央部付近の端部を＋Ｄｔ方向に突出させて支持部２５Ｄが構成されている。
【００５４】
一方、フォーカスコイル２９の−Ｄｒ側の側壁部は、ＯＢＬホルダ２１の側壁部に接触していない。即ち、フォーカスコイル２９の紙面上左側にはＯＢＬホルダ２１の側壁部が設けられていない。これは、本形態では、フォーカスコイル２９は、収納領域２２に対して＋Ｄｒ方向にスライドすることで挿入されるからである。
【００５５】
次に図６および図７を参照して、上記した構成の対物レンズ駆動装置の製造方法を説明する。
【００５６】
先ず、図６（Ａ）に示すような形状を備えたＯＢＬホルダ２１を用意する。ＯＢＬホルダ２１は、液晶ポリマー（Ｌｉｑｕｉｄ Ｃｒｙｓｔａｌ Ｐｏｌｙｍｅｒ）などの樹脂材料を、モールド金型のキャビティに注入することにより形成される。ＯＢＬホルダ２１は、４つの側壁部を有し、第１側壁部５２および第２側壁部５３に、トラッキングコイルを巻回するためのボビン５７−６０が側壁部と一体で設けられている。
【００５７】
次に、各ボビン５７−６０に導線を巻回することでトラッキングコイル３６−３９を形成する。トラッキングコイル３６−３９は、１本の導線から成り、ボビン５９、５８、５７、６０の順番で自動化された機械により巻回される。トラッキングコイル３６−３９と成る導線の一端は、第３側壁部５４に設けられた絡げ部６１に絡げられる。また、この導線の他端は、第４側壁部５５に設けられた絡げ部６１に絡げられる。
【００５８】
次に、ＯＢＬホルダ２１にフォーカスコイル２９、３０を収納する。図６（Ａ）はＯＢＬホルダ２１の内部にフォーカスコイル２９、３０を収納させるステップを示す斜視図であり、図６（Ｂ）は収納領域２３にフォーカスコイル３０をスライドして挿入するステップを示す斜視図である。
【００５９】
上記したように、本形態のＯＢＬホルダ２１では、図６（Ａ）に示す対物レンズ３１の上方の領域は、立ち上げミラーを配置するためにも、またレーザー光の光路を確保するためにも、空間を確保する必要がある。即ち、この領域にフォーカスコイルを配置することができない。
【００６０】
このことから、本形態では、対物レンズ３１よりも側方の部分で、ＯＢＬホルダ２１内部にフォーカスコイル２９、３０を収納させる必要がある。ここでは、先ず、ＯＢＬホルダ２１の中央部付近にフォーカスコイル２９、３０を暫定的に収納させる。ＯＢＬホルダ２１内部の中央部付近の領域は、フォーカスコイル２９、３０を一時的に収容可能な程度の大きさである。
【００６１】
次に、図６（Ｂ）を参照して、ＯＢＬホルダ２１の収納領域２３に向かってフォーカスコイル３０をスライドさせる。具体的には、フォーカスコイル３０の上端を支持部２５Ａ−２５Ｄに接触させ、フォーカスコイル３０の下端を支持部２４Ａ−２４Ｇ（図５（Ａ）参照）に接触させつつ、＋Ｄｒ方向にフォーカスコイル３０をスライドさせる。このスライドは、フォーカスコイル３０の＋Ｄｒ側の外側側面が、ＯＢＬホルダ２１の第４側壁部５５の内側側面に接触するまで行われる。これにより、収納領域にフォーカスコイル３０が仮止めされる。
【００６２】
同様に、図６（Ａ）を参照して、ＯＢＬホルダ２１の右側に設けた収納領域２２に、フォーカスコイル２９をスライドした後に仮留する。
【００６３】
次に、図７を参照して、フォーカスコイル３０をＯＢＬレンズホルダに固着するために接着剤を供給する。
【００６４】
具体的には、トラッキングコイル３６が巻回されるボビン５７は、第１側壁部５２から円筒状に外側に突出する筒状部６５と、筒状部６５の外側の端部を拡大させた鍔部６６とを備えている。そして、筒状部６５の内部は、ホルダと外部とを連通させる連通孔６３となっており、また、筒状部６５の一部を貫通して貫通孔６４が設けられている。この構成は、他のボビンも同様である。
【００６５】
本工程では、連通孔６３に液状の接着剤を供給する。連通孔６３に供給された接着剤６８は、フォーカスコイル３０を構成する導線同士の間に含浸される。また、接着剤６８の一部は、第１側壁部５２の内壁とフォーカスコイル３０との間にも進入する。同様に、第２側壁部５３に設けたボビン６０（図６（Ｂ）参照）からもフォーカスコイル３０に対して接着剤を供給する。ボビン５７とボビン６０とは、フォーカスコイル２９を挟む位置で対称的に配置されているので、両ボビンから供給された接着剤は、フォーカスコイル２９に対して一様に含浸される。同様に、フォーカスコイル２９に対しても、ボビン５８，５９（図６（Ａ）参照）を経由して接着剤が供給される。
【００６６】
また、連通孔６３に供給された接着剤の一部は、トラッキングコイルにも供給される。具体的には、ボビン５７の連通孔６３に液状の接着剤６８を供給すると、供給された接着剤６８は、貫通孔６４を経由して、鍔部６６と第２側壁部５３に囲まれる空間に浸入する。そして、浸入した接着剤は、トラッキングコイル３８を構成する導線同士の間隙に含浸される。接着剤６８をトラッキングコイル３８に供給する上記方法は、他のボビンでも同様である。
【００６７】
その後、接着剤６８を硬化させる。接着剤６８が、光線照射や加熱等のエネルギーを付与することで硬化するタイプであれば、エネルギーを接着剤６８に付与する。このようにすることで、図６（Ｂ）を参照して、フォーカスコイル３０を構成する導線同士が固化され、フォーカスコイル３０が第１側壁部５２、第２側壁部５３および第４側壁部５５に固定される。同様に、フォーカスコイル３０の固化および固着が行われる。更に、トラッキングコイル３６−３９の形状が固化されると共に、各トラッキングコイル３６−３９が各ボビン５７−６０に固着される。
【００６８】
上記の工程を経て、図３に構成を示すＯＢＬホルダ２１が製造される。また、図２を参照して、ＯＢＬホルダ２１を支持ワイヤ４５を経由してアクチュエータフレーム４１に固定することにより、対物レンズ駆動装置５０が製造される。更に、図１を参照して、かかる構成の対物レンズ駆動装置５０を、他の光学素子と共にハウジング５１に組み込むことによって、光ピックアップ装置１００が製造される。
【００６９】
＜第４の実施の形態：他の形態の対物レンズホルダ＞
図８および図９を参照して、他の形態のＯＢＬホルダ２１Ａを説明する。本形態で説明するＯＢＬホルダ２１Ａの基本的な構造は、第３の実施の形態で上記したものと同様であり、相違点はフォーカスコイル２９、３０がボビン２６、２７に巻かれていることにある。
【００７０】
図８を参照して、ＯＢＬホルダ２１Ａの構成を説明する。図８（Ａ）はＯＢＬホルダ２１Ａを全体的に示す斜視図であり、図８（Ｂ）はフォーカスコイル２９が巻かれたボビン２６を示す斜視図であり、図８（Ｃ）はＯＢＬホルダ２１Ａを部分的に示す平面図である。
【００７１】
上記した第３の実施の形態では、図４（Ａ）等を参照して、導線を巻回することで形成されたフォーカスコイル２９、３０を、ＯＢＬホルダ２１の所定箇所に配置していた。
【００７２】
本形態では、完成製品の品質を更に良好にするために、図８（Ｂ）に示すように、フォーカスコイル２９をボビン２６に巻回された状態で用意し、この状態のフォーカスコイル２９をＯＢＬホルダ２１Ａの内部に収納させている。
【００７３】
具体的には、図８（Ｂ）を参照して、ボビン２６は概略的には上底部と下底部を有さない箱型形状を呈し、その側面部にフォーカスコイル２９を構成する導線が巻回されている。また、ボビン２６の側面部は上端部および下端部よりも中間部付近が内側に窪む形状を呈し、この窪む部分にフォーカスコイルが巻回されている。更に、ボビン２６の外形形状は、図８（Ａ）に示すＯＢＬホルダ２１の収納領域２２の内側部分と同程度の大きさであり、ボビン２６を収納領域２２に嵌め込むことにより、ＯＢＬホルダ２１Ａ内部に於けるフォーカスコイル２９の位置は正確に固定される。なお、ボビン２６は、ＯＢＬホルダ２１Ａと同様の樹脂材料や金属材料から構成されても良いが、比較的比重の小さい材料を採用することによりＯＢＬホルダ２１Ａ全体の軽量化に寄与する。
【００７４】
ボビン２６の側辺中間部に於いて、上下端部付近を＋Ｄｒ側に鈎状に突出させて絡げ部６１Ａ、６１Ｃが形成されている。絡げ部６１Ａにはフォーカスコイル２９を構成する導線の一端が絡げられ、絡げ部６１Ｃにはこの導線の他端が絡げられる。一方、トラッキングコイルの一端が絡げられる絡げ部６１Ｂは、ＯＢＬホルダ２１Ａの第３側壁部５４を突出させた絡げ部６１Ｂに絡げられている。
【００７５】
また、Ｄｒ方向で対向するボビン２６の内壁の中央部付近を内側に突出させて突出部４２が設けられている。ここでは、ボビン２６の上端から下端に到るまで連続した突出部４２が直線状に形成されている。この様に突出部４２を設けることにより、図８（Ｃ）を参照して、使用状況下に於いてＯＢＬホルダ２１ＡのＤｒ方向での可動量を規制することができる。具体的には、使用状況下に於いてトラッキングコイル３７、３８に電流が流れることにより、ＯＢＬホルダ２１ＡがＤｒ方向に沿って移動し、この移動量が所定以上になると突出部４２の何れかが対向ヨーク４８に接触し、Ｄｒ方向での過度の移動が抑制される。
【００７６】
また、図８（Ａ）で紙面上左側に設けられるフォーカスコイル３０も、フォーカスコイル２９と同様に、ボビン２７に巻回された状態で収納領域２３に収納されている。ここで、ボビン２６とボビン２７とはＯＢＬホルダ２１Ａに嵌め込まれる方向が異なるのみで形状は同様である。これにより、１種類のボビンのみを２つ用意すれば、フォーカスコイル２９、３０を組み込むことができるので、ボビンを採用することによるコスト上昇が抑制される。
【００７７】
図９を参照して、上記したフォーカスコイル２９、３０をＯＢＬホルダ２１Ａに組み込む方法を説明する。
【００７８】
先ず、フォーカスコイル２９はボビン２６に巻回された状態で用意され、ＯＢＬホルダ２１Ａの中央部付近から＋Ｄｒ方向にスライドしながら収納領域２２に収納される。このスライドは、ボビン２６の＋Ｄｒ側の外側の側面が、ＯＢＬホルダ２１Ａの第３側壁部５４の内側の側面に当接するまで行われる。これにより、収納領域２２に於いて、ボビン２６の外側の側面が、第１側壁部５２、第３側壁部５４および第２側壁部５３に当接して固定される。また、ボビン２６とＯＢＬホルダ２１Ａの内壁との間に接着剤を供給することで、ボビン２６の位置が固定される。また、ボビン２６の＋Ｄｒ側に突出する絡げ部６１Ａ、６１Ｃは、第３側壁部５４から＋Ｄｒ側に突出する。
【００７９】
フォーカスコイル３０もフォーカスコイル２９と同様の要領でＯＢＬホルダ２１Ａの収納領域２３に固定される。具体的には、フォーカスコイル３０が巻かれたボビン２７をＯＢＬホルダ２１Ａの中央部付近に配置した後に、第４側壁部５５の内側側面に到るまで−Ｄｒ方向にボビン２７をスライドさせる。これにより、収納領域２３に於いて、ボビン２７の側面が、第４側壁部５５、第１側壁部５２および第２側壁部５３の内側側面に当接してその位置が決定される。
【００８０】
上記のように、フォーカスコイル２９、３０を、ボビン２６、２７に巻回された状態で、ＯＢＬホルダ２１Ａに組み込むことにより、フォーカスコイル２９、３０を部品の位置決め精度でＯＢＬホルダ２１Ａに組み込むことが可能となり、位置精度が向上する。
【００８１】
更に、専用の治具を使用すること無く、フォーカスコイル２９、３０をＯＢＬホルダ２１Ａに組み込むことができるので、製造コストの低減に寄与する。
【符号の説明】
【００８２】
１ レーザーユニット
６ 回折格子
９ １／４波長板
１２ コリメートレンズ
１３ ハーフミラー
１６ 第１プレート
１７ 光検出器
１９ 第２プレート
２０ ＦＭＤ
２１，２１Ａ ＯＢＬホルダ
２２ 収納領域
２３ 収納領域
２４，２４Ａ，２４Ｂ，２４Ｃ，２４Ｄ，２４Ｅ，２４Ｆ，２４Ｇ 支持部
２５，２５Ａ，２５Ｂ，２５Ｃ，２５Ｄ 支持部
２６ ボビン
２７ ボビン
２９ フォーカスコイル
３０ フォーカスコイル
３１ 対物レンズ
３２ マグネット
３３ マグネット
３４ マグネット
３５ マグネット
３６ トラッキングコイル
３７ トラッキングコイル
３８ トラッキングコイル
３９ トラッキングコイル
４０ アクチュエータ可動部
４１ アクチュエータフレーム
４２ 突出部
４３ 補助部材
４４ 固定基板
４５ 支持ワイヤ
４６ バックヨーク
４７ サブヨーク
４８ 対向ヨーク
４９ 対向ヨーク
５０ 対物レンズ駆動装置
５１ ハウジング
５２ 第１側壁部
５３ 第２側壁部
５４ 第３側壁部
５５ 第４側壁部
５６ 主面部
５７ ボビン
５８ ボビン
５９ ボビン
６０ ボビン
６１，６１Ａ，６１Ｂ，６１Ｃ 絡げ部
６３ 連通孔
６４ 貫通孔
６５ 筒状部
６６ 鍔部
６８ 接着剤
７０ 空間
７１ 第５側壁部
７２ 第６側壁部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
光ピックアップ装置の対物レンズ駆動装置に移動可能に支持される対物レンズホルダであって、
対物レンズが固定される固定部が設けられた主面部と、長手方向で対向する第１側壁部および第２側壁部と、短手方向で対向する第３側壁部および第４側壁部と、を備え、
前記固定部よりも一方側で、前記第１側壁部、前記第２側壁部および前記第３側壁部に囲まれて第１フォーカスコイルが収納される第１収納領域と、
前記固定部よりも他方側で、前記第１側壁部、前記第２側壁部および前記第４側壁部に囲まれて第２フォーカスコイルが収納される第２収納領域と、
を備えることを特徴とする対物レンズホルダ。
【請求項２】
前記第１収納領域および前記第２収納領域で、前記第１側壁部、前記第２側壁部、前記第３側壁部または前記第４側壁部の内壁から内側に突出して、前記第１フォーカスコイルおよび第２フォーカスコイルを支持する支持部を有することを特徴とする請求項１に記載の対物レンズホルダ。
【請求項３】
前記支持部の内側の端部は、前記第１フォーカスコイルおよび前記第２フォーカスコイルの内部側面よりも内側に突出することを特徴とする請求項２に記載の対物レンズホルダ。
【請求項４】
前記第１収納領域が配置された部分に、前記主面部により覆われない第１開口部が設けられ、
前記第２収納領域が配置された部分に、前記主面部により覆われない第２開口部が設けられることを特徴とする請求項１から請求項３の何れかに記載の対物レンズホルダ。
【請求項５】
前記主面部の一方側の端部と連続して前記第１開口部に面する第５側壁部と、
前記主面部の他方側の端部と連続して前記第１開口部に面する第６側壁部と、を有し、
前記第５側壁部および前記第６側壁部の側面を突出させて前記第１フォーカスコイルまたは前記第２フォーカスコイルを支持する支持部を設けることを特徴とする請求項１から請求項４の何れかに記載の対物レンズホルダ。
【請求項６】
前記対物レンズが配置された部分の前記第１側壁部または前記第２側壁部を部分的に切り欠いて、切り欠き部を設けることを特徴とする請求項１から請求項５の何れかに記載の対物レンズホルダ。
【請求項７】
前記第１フォーカスコイルおよび前記第２フォーカスコイルは、フォーカスボビンに巻回された状態で、夫々が前記第１収納領域および前記第２収納領域に収納されることを特徴とする請求項１から請求項６の何れかに記載の対物レンズホルダ。
【請求項８】
前記フォーカスボビンの対向する内壁を内側に部分的に突出させた突出部を設けることを特徴とする請求項７に記載の対物レンズホルダ。
【請求項９】
前記フォーカスコイルを構成する巻線の端部が絡げられる絡げ部を、前記フォーカスボビンの側壁に設けたことを特徴とする請求項７または請求項８に記載の対物レンズホルダ。
【請求項１０】
請求項１から請求項９の何れかに記載された対物レンズホルダが、アクチュエータフレームに移動可能に支持されることを特徴とする対物レンズ駆動装置。
【請求項１１】
請求項１０に記載の対物レンズ駆動装置をハウジングに搭載したことを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項１２】
請求項１から請求項９の何れかに記載の対物レンズホルダを用意する工程と、
前記第１フォーカスコイルを中央部から周辺部に向かってスライドさせて前記第１収納領域に収納すると共に、前記第２フォーカスコイルを中央部から周辺部に向かってスライドさせて前記第２収納領域に収納する工程と、
前記第１フォーカスコイルおよび前記第２フォーカスコイルに接着剤を供給することにより、前記両フォーカスコイルを前記対物レンズホルダに固着する工程と、
を具備することを特徴とする対物レンズ駆動装置の製造方法。
【請求項１３】
前記収納する工程では、
前記第１フォーカスコイルおよび前記第２フォーカスコイルは、フォーカスボビンに巻回された状態で、夫々が前記第１収納領域および前記第２収納領域に収納されることを特徴とする請求項１２に記載の対物レンズ駆動装置の製造方法。
【請求項１】
光ピックアップ装置の対物レンズ駆動装置に移動可能に支持される対物レンズホルダであって、
対物レンズが固定される固定部が設けられた主面部と、長手方向で対向する第１側壁部および第２側壁部と、短手方向で対向する第３側壁部および第４側壁部と、を備え、
前記固定部よりも一方側で、前記第１側壁部、前記第２側壁部および前記第３側壁部に囲まれて第１フォーカスコイルが収納される第１収納領域と、
前記固定部よりも他方側で、前記第１側壁部、前記第２側壁部および前記第４側壁部に囲まれて第２フォーカスコイルが収納される第２収納領域と、
を備えることを特徴とする対物レンズホルダ。
【請求項２】
前記第１収納領域および前記第２収納領域で、前記第１側壁部、前記第２側壁部、前記第３側壁部または前記第４側壁部の内壁から内側に突出して、前記第１フォーカスコイルおよび第２フォーカスコイルを支持する支持部を有することを特徴とする請求項１に記載の対物レンズホルダ。
【請求項３】
前記支持部の内側の端部は、前記第１フォーカスコイルおよび前記第２フォーカスコイルの内部側面よりも内側に突出することを特徴とする請求項２に記載の対物レンズホルダ。
【請求項４】
前記第１収納領域が配置された部分に、前記主面部により覆われない第１開口部が設けられ、
前記第２収納領域が配置された部分に、前記主面部により覆われない第２開口部が設けられることを特徴とする請求項１から請求項３の何れかに記載の対物レンズホルダ。
【請求項５】
前記主面部の一方側の端部と連続して前記第１開口部に面する第５側壁部と、
前記主面部の他方側の端部と連続して前記第１開口部に面する第６側壁部と、を有し、
前記第５側壁部および前記第６側壁部の側面を突出させて前記第１フォーカスコイルまたは前記第２フォーカスコイルを支持する支持部を設けることを特徴とする請求項１から請求項４の何れかに記載の対物レンズホルダ。
【請求項６】
前記対物レンズが配置された部分の前記第１側壁部または前記第２側壁部を部分的に切り欠いて、切り欠き部を設けることを特徴とする請求項１から請求項５の何れかに記載の対物レンズホルダ。
【請求項７】
前記第１フォーカスコイルおよび前記第２フォーカスコイルは、フォーカスボビンに巻回された状態で、夫々が前記第１収納領域および前記第２収納領域に収納されることを特徴とする請求項１から請求項６の何れかに記載の対物レンズホルダ。
【請求項８】
前記フォーカスボビンの対向する内壁を内側に部分的に突出させた突出部を設けることを特徴とする請求項７に記載の対物レンズホルダ。
【請求項９】
前記フォーカスコイルを構成する巻線の端部が絡げられる絡げ部を、前記フォーカスボビンの側壁に設けたことを特徴とする請求項７または請求項８に記載の対物レンズホルダ。
【請求項１０】
請求項１から請求項９の何れかに記載された対物レンズホルダが、アクチュエータフレームに移動可能に支持されることを特徴とする対物レンズ駆動装置。
【請求項１１】
請求項１０に記載の対物レンズ駆動装置をハウジングに搭載したことを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項１２】
請求項１から請求項９の何れかに記載の対物レンズホルダを用意する工程と、
前記第１フォーカスコイルを中央部から周辺部に向かってスライドさせて前記第１収納領域に収納すると共に、前記第２フォーカスコイルを中央部から周辺部に向かってスライドさせて前記第２収納領域に収納する工程と、
前記第１フォーカスコイルおよび前記第２フォーカスコイルに接着剤を供給することにより、前記両フォーカスコイルを前記対物レンズホルダに固着する工程と、
を具備することを特徴とする対物レンズ駆動装置の製造方法。
【請求項１３】
前記収納する工程では、
前記第１フォーカスコイルおよび前記第２フォーカスコイルは、フォーカスボビンに巻回された状態で、夫々が前記第１収納領域および前記第２収納領域に収納されることを特徴とする請求項１２に記載の対物レンズ駆動装置の製造方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【公開番号】特開２０１３−６５３８６（Ｐ２０１３−６５３８６Ａ）
【公開日】平成２５年４月１１日（２０１３．４．１１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−２６４２１２（Ｐ２０１１−２６４２１２）
【出願日】平成２３年１２月２日（２０１１．１２．２）
【出願人】（０００００１８８９）三洋電機株式会社 (18,308)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年４月１１日（２０１３．４．１１）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年１２月２日（２０１１．１２．２）
【出願人】（０００００１８８９）三洋電機株式会社 (18,308)
【Ｆターム（参考）】
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