説明

対称な解剖学的構造の自動表示

本発明は、対称的な解剖学的構造を表示領域内に表示するための方法に関する。この方法は、表示領域に基づいて対称的な解剖学的構造のズーム係数を自動的に計算すること、表示領域に基づいて対称的な解剖学的構造のパニング位置を自動的に計算すること、及び表示領域内に、計算されたズーム係数及びパニング位置に応じて対称的な解剖学的構造を表示すること、を有する。本発明はまた、システム、このシステムを有する医療画像形成ワークステーション、及び本発明による方法を行うために構成されたコンピュータプログラム製品にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示領域内に対称な解剖学的構造を表示するための方法に関する。
【0002】
本発明はさらに、対称な解剖学的構造を表示領域内に表示するシステムに関する。
【0003】
また、本発明は、このようなシステムを有する医療画像形成ワークステーションに関する。
【0004】
さらに、本発明は、コンピュータ装置によりロードされることになるコンピュータプログラム製品であって、表示領域内に対称な解剖学的構造を表示するための命令を有するものに関する。
【背景技術】
【0005】
このような方法及びシステムの実施例は、論文の「M. P. Revel, D. Petrover, A. Hernigou, C. Lefort, G. Meyer, G. Frija, Diagnosing Pulmonary Embolism with Four-Detector Row Helical CT: Prospective Evaluation of 216 Outpatients and Inpatients, Radiology, 234: 265-273, 2005」から知られている。この論文は、コンピュータ断層撮影(CT)画像データセットにおける肺実質及び脈管構造の解析を開示している。視覚化のため、ユーザは、当該画像とのパニング対話動作及びズーム対話動作を個別に実質組織毎に当該「視野」(FOV;Field of View)を選択しなければならない。これは、画像データセットを構成する画像スライスのスタック内の各スライスにつき行われなければならない。FOVはまた、通常、放射線専門医などのユーザが1つの視界内で同時に両方の実質組織を見たいときにも選択される必要がある。
【0006】
肺実質は、人の体内で対称的な解剖学的構造の例である。他の例は、例えば、磁気共鳴(MR)末梢血管造影法の検討を通じて視覚化された脚及びその脈管構造である。さらにもう1つの例は、例えばMR頸動脈血管造影法の検討により視覚化された頭部及びその血管構造、又は例えばMR胸部検討の最大強度投影(MIP)により視覚化された女性の胸である。
【0007】
適切なFOVを判定することは、診断を決定するための関心領域において非常に細かい部分を確認することに注意を払う放射線専門医にとって重要である。したがって、正しいFOVは、放射線専門医の検討に対する読取時間を短くすることができ、これにより、医療施設内の作業の流れを支援するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、冒頭の段落による方法、システム、医療画像形成ワークステーション及びコンピュータプログラム製品であって、改善された態様でFOVを判定するものを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するため、表示領域内に対称的な解剖学的構造を表示する方法は、・前記表示領域に基づいて前記対称的な解剖学的構造のズーム係数を自動的に計算すること、・前記表示領域に基づいて前記対称的な解剖学的構造のパニング位置を自動的に計算すること、及び・前記表示領域内に、当該計算されたズーム係数及びパニング位置に応じて前記対称的な解剖学的構造を表示すること、を有する。当該ズーム係数及びパニング位置に基づいてFOVを自動的に計算することにより、対称的な解剖学的構造は、ユーザの対話動作を必要とすることなく表示される。このようにして、放射線専門医は、関心領域における必要な細部を有する解剖学的構造を検討することができる。放射線専門医は、FOVを判定するようズーム及びパンニングを手動で行う必要がないので、対称的な解剖学的構造毎の読取時間が短くなる。したがって、放射線専門医の仕事の流れは改善する。
【0010】
本発明による方法の実施例において、前記対称的な解剖学的構造は、スライスのスタックを有する3D体積データセット内に含まれ、前記スライスのスタックのスライス毎に前記ズーム係数及び前記パニング位置を自動的に計算することを有する。スライス毎にFOVを自動的に計算することによって、ユーザは、当該スライスのスタックを迅速に検索し関心領域における必要な細部とともに各スライスを検討することができる。スライス毎にFOVを手動で調整する必要がないので、ユーザの対話動作が最小限となり、体積データセット毎の読取時間が短くなり、放射線専門医などのユーザの作業の流れが改善される。
【0011】
本発明による方法の他の実施例において、前記対称的な解剖学的構造は、互いに略対称的な少なくとも2つの基礎構造を有し、当該方法は、・少なくとも2つの基礎構造毎に個別に前記ズーム係数及び前記パニング位置を自動的に計算すること、及び・それぞれの計算されたズーム係数及びパニング位置に応じて前記少なくとも2つの基礎構造を個別に表示すること、を有する。基礎構造は、例えば肺の2つの実質組織又は女性の胸の2つの乳房である。基礎構造毎のFOVを自動的に計算することによって、ユーザは、同じ対称的な解剖学的構造の異なる視界の間を容易に行き来することができる。FOVは、基礎構造毎に手動で判定させられる必要はなく、仕事の流れをさらに改善する。
【0012】
本発明による方法の他の実施例において、前記ズーム係数及び前記パニング位置は、データベース内の対称的な解剖学的構造のインポートの間において計算される。当該構造のインポートの間にFOVを計算することによって、当該構造は、より速く表示させられる。これにより、より一層、検討にかかる読取時間が改善する。
【0013】
本発明による方法の他の実施例において、前記対称的な解剖学的構造及び/又は基礎構造は、ユーザインターフェースにより自動的に起動させられる。当該自動的に計算されたFOVを当該構造を表示するための専用のユーザインターフェースに設けることによって、ユーザは、FOVをいつ表示するか及びこのFOVによりどの構造を表示するかすなわち全体の構造又は基礎的構造を表示するかの主導権を持つ。
【0014】
さらに上記目的を達成するため、対称的な解剖学的構造を表示領域内に表示するためのシステムは、・計算器であって、*前記表示領域に基づいて前記対称的な解剖学的構造のズーム係数を自動的に計算すること、及び*前記表示領域に基づいて前記対称的な解剖学的構造のパニング位置を自動的に計算すること、を行う計算器と、・表示器であって、*前記表示領域内に、当該計算されたズーム係数及びパニング位置に応じて前記対称的な解剖学的構造を表示すること、を行う表示器と、を有するシステムである。
【0015】
本発明によるシステムの実施例は、請求項7ないし10に記述されている。
【0016】
さらに上記目的を達成するため、医療画像形成ワークステーションは、請求項6ないし10のいずれかに記載のシステムを有する。
【0017】
さらに上記目的を達成するため、表示領域内に対称的な解剖学的構造を表示するための命令を有する、コンピュータ装置によりロードされるコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータ装置は、処理ユニット及びメモリを有し、当該コンピュータプログラム製品は、ロードされた後、前記処理ユニットに、・前記表示領域に基づいて前記対称的な解剖学的構造のズーム係数を自動的に計算するタスク、・前記表示領域に基づいて前記対称的な解剖学的構造のパニング位置を自動的に計算するタスク、及び・前記表示領域内に、当該計算されたズーム係数及びパニング位置に応じて前記対称的な解剖学的構造を表示するタスク、を実行するための機能を供給する、製品としている。
【0018】
本発明による方法に関して述べたように、本発明によるシステム、医療画像形成ワークステーション及びコンピュータプログラム製品により同じ効果が発揮される。
【0019】
本発明のこれらの態様及びその他の態様は、次の図面により図示されるように以下に説明される実施例について明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】対称的構造の例を示す図。
【図2】本発明による方法を概略的に示す図。
【図3】2Dスライスのスタックとして分割された肺実質を概略的に示す図。
【図4】2進の体積データセットにおけるx位置の関数として分割されたボクセルの数のヒストグラムを示す図。
【図5】計算されたオブジェクトパラメータからパニング及びズームパラメータへの変換を示す図。
【図6】MR胸部検討のためのヒストグラム。
【図7a】受信データセットの例を示す図。
【図7b】両方の肺に対し最適化されたFOVを示す図。
【図7c】右の肺に対し最適化されたFOVを示す図。
【図7d】左の肺に対し最適化されたFOVを示す図。
【図8】本発明による方法を起動するためのユーザインターフェースを示す図。
【図9】本発明によるシステムを概略的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、対称的構造の例を示している。第1の対称的構造102は、磁気共鳴(MR)血管造影法の検討の最大強度投影(MIP)により視覚化されることのできる脚の動脈である。第2の対称的構造104は、MR頸動脈血管造影法の検討のSVR(Shaded Volume Rendering)により視覚化可能な頸動脈である。第3の対称的構造106は、MR胸部検討のMIPにより視覚化可能な女性の胸である。第4の構造108は、コンピュータ断層撮影(CT)胸郭検討により視覚化されることのできる肺である。本発明は、対称的な構造のこれらの例に適用可能である。但し、本発明は、MRイメージング装置、CTイメージング装置、慣例的X線画像形成装置などの医療用取込装置により当該対称的構造の画像を得ることにより視覚化される体の中の他の対称的構造にも適用可能である。
【0022】
図2は、本発明による方法を概略的に示している。ステップ202は、画像が受信される初期化ステップである。例えば、CT胸郭検討が受け付けられる。これは、2D画像のスライスからなる3D体積画像セットである。肺実質は、例えば文献のT. Bulow, R. Wiemker, T. Blaffert, C. Lorenz, S. Renisch, Automatic Extraction of the Pulmonary Artery Tree from Multi-Slice CT Data, SPIE, 5746: 730-740, 2005に記述されるような方法を用いることによってこの体積画像セットから分割される。これは、いわゆる2進体積データセットとなるものであり、当該実質組織に寄与するボクセルが1に等しい値を有し、当該実質組織に寄与しないボクセルが0に等しい値を有するものとなる。これは、図3に、2Dスライス304,306,208,310及び312のスタック302として概略的に視覚化されている。
【0023】
次のステップ204では、全ての実質組織、すなわち1の値を持つボクセルを含むx及びy次元(xmin,xmax,ymin,ymax)の分割境界は、当該2進体積データセットから判定される。これは、x及びyの境界付けボックスとも呼ばれる。
【0024】
右の肺か又は左の肺に対して視野(FOV)を設定するため、2進体積データセットは、両方の肺の間にある分離位置を判定するよう処理される。この分離位置xを判定するため、肺プロファイルは、最初にx方向において当該2進体積データセットにわたって進み、次にx位置毎に、各対応するyzスライスをとりかつ分割されたボクセルすなわちこのスライスにおいて1の値を持つボクセルの数を数えることによって復元される。その結果は、図4に示されるようなグラフとなり、これが2進体積データセットにおけるx位置の関数として分割されたボクセルの数のヒストグラムを示している。このヒストグラムは、プロファイルpの402を示している。分離位置xは、2つのピーク間に定められ、各ピークは、肺の一方に対応する。ピークからの分離位置xの計算は、ステップ206において行われる。ここで、プロファイルpは、次のように規定される平均化フィルタにより平滑化される。
【数1】

【0025】
ここで、nは、平均化フィルタのサイズである。次に、当該プロファイルの一次導関数は次の式により計算される。
【数2】

【0026】
当該プロファイルの導関数から、全てのゼロクロスzcが判定され、次の条件を満たす全てのポイントとなる。
【数3】

【0027】
最後に、最も中心寄りのゼロクロスzcは、分離位置xの404として認められる。
【0028】
同じ技術は、2Dにも適用可能である。これは、当該パラメータ(xmin,xmax,x,ymin,ymax)が分離スライス毎に計算されることを意味している。与えられた分割スライス304に対し、(xmin,xmax,ymin,ymax)は、x及びyにおける分割境界をとって計算される。当該プロファイルは、x毎にy方向におけるボクセルの数を数えることによって発生される。この後、3Dの場合におけものと同じ分離位置xの計算が適用可能である。
【0029】
ステップ208では、(x,y)パニング位置及び(x,y)ズーム係数の計算が、結果として得られる分離位置xからのスライス毎に始まる。所与のスライスに対する(xmin,xmax,x,ymin,ymax)の計算後の値(3Dか又は2Dによるもの)の場合、サイズ(L,L)を持つディスプレイに実質組織を合わせるようパニング及びズーム係数を計算する。このことは、図5に示されており、次のようにして計算される。最初に、各係数についての原点が計算される。両方の実質組織に対して、原点は、
【数4】

に設定される。
【0030】
左の実質組織に対して、原点は、
【数5】

に設定される。
【0031】
右の実質組織に対して、原点は、
【数6】

に設定される。
【0032】
原点を設定した後、オブジェクトの寸法o及びoは、オブジェクト全体を表示しながら可能な限り大きくズームするように、当該表示領域の範囲に計算されなければならない。これら個々のケースに対して、xのオブジェクト寸法は、次のように規定される。
両方の実質組織に対しては、
x,both=xmax−xmin
左の実質組織に対しては、
x,left=x−xmin
そして右の実質組織に対しては、
x,right=xmax−x
である。
【0033】
yのオブジェクトサイズは、
=ymax−ymin
と定義される。
【0034】
オブジェクトサイズから表示範囲への変換法は、次のように表示のアスペクト比に対処しなければならない。さらに、ステップ208においてはL=L?がチェックされる。
【0035】
x及びy方向の表示サイズが互いに等しい場合、x方向のExtend(伸長)を、x方向の原点及びy方向の原点のうちの最大値に等しいy方向のExtendに等しくなるように設定することにより、ステップ210において各Extendが計算される。すなわち、
Extend=Extend=max(o,o
である。
【0036】
ステップ212では、x方向のExtendがy方向のExtendよりも大きいかどうか、すなわちL>L?がチェックされる。これが肯定の場合、ステップ214では、x方向における原点がy方向における原点よりも大きいか、すなわちo>o?がチェックされる。これが肯定の場合、ステップ216では、x方向の原点がx方向の表示サイズよりも大きいか、すなわちo>L?がチェックされる。これが肯定である場合、Extendは、x方向のExtendをx方向の原点に等しく設定し、y方向のExtendを、x方向の表示サイズとx方向の原点との乗算結果で除算されたy方向の表示サイズに等しく設定することによって、ステップ218において計算される。すなわち、
Extend=o
Extend=L/L
である。
【0037】
ステップ216又はステップ214が否定であれば、Extendは、x方向のExtendを、y方向の表示サイズでx方向の表示サイズを除算した結果に等しく設定し、その結果とy方向の原点とを乗算することによって、ステップ220において計算される。そしてこのy方向のExtendは、y方向の原点に等しい。すなわち、
Extend=(L/L)o
Extend=o
である。
【0038】
ステップ212が否定であれば、x方向のExtendは、y方向のExtendよりも小さい、すなわち、L<Lである。そしてステップ222において、x方向の原点がy方向の原点よりも大きいか、すなわちo>o?がチェックされる。これが肯定であればステップ219が行われる。ステップ222が否定であれば、ステップ224においてy方向の原点がy方向の表示サイズよりも大きいか、すなわちo>L?がチェックされる。これが肯定であれば、ステップ220が行われる。ステップ224が否定であれば、ステップ218が行われる。Extendはズーム係数を決め、原点は、パニング位置を決め、本方法は、ステップ226で終了し、これに相応してスライスが示される。
【0039】
このようにして、ズーム係数及びパニング位置がスライス毎に計算される。ここでユーザがそのスライスの集合を検索することを望むとき、各スライスが自動的にズームされパニングされ、当該検討の高速読取が可能となる。
【0040】
本発明は、説明した例に限定されるものではない。例えば、図6に示されるような胸部MRデータセットにも適用可能である。図6は、例えば、胸部MRデータセット602及び604のために得られるようなプロファイル606及び分離位置608を示している。各胸の分割を伴う2進体積の場合、本発明が適用可能である。対称的な解剖学的構造を含むデータセットの標準表示のために必要なユーザ対話動作の軽減が良好に達成される。また、本発明によるこの方法を用いれば、対話動作時間が短くなる。視認可能なスライスだけでなく、視認不可能なスライスに対しても適切に、ズーム係数及びパニング位置が設定される。FOVが片方又は両方の肺における表示に対して設定された後に、残された対話動作は軸方向スライスを通じてスクロールすることだけである。幾つかの計算コストがFOVを判定するために必要であるが、このことは、ユーザの仕事の流れに悪い影響を及ぼさない。何故なら、全てのFOVは、データがデータベースにインポートされた時点で事前に計算されることが可能であるからである。
【0041】
本発明の出願前における受信データセットの例は、図7aに示される。図7bは、両方の肺に対して結果として得られる3DによるFOVを示している。図7cは、右の肺の結果として得られるFOVを示し、図7dは、左の肺の結果として得られるFOVを示している。図7bないし図7dに示されるように、FOVは、当該肺が表示領域全体をカバーするように設定される。
【0042】
本方法は、分割の後に2つの2進オブジェクトにより表わされることのできる全ての解剖学的構造に適用可能である。
【0043】
提案の方法は、3つのプリセットのうちの1つにFOVを設定するためにボタンを用いて実現可能である。図8には、一例のユーザインターフェース800が示される。それらの目的をグラフィックに表すボタンアイコン802,804及び806を用いて、ユーザは、複雑な表示対話動作を伴うことなく全ての3つのFOVの間の簡単な切り換えをなすことができる。例えば、アイコン802を押すと、フィールド808において両方の肺をカバーするFOVが表示されることになる。アイコン804を押すと、左の肺をカバーするFOVが表示され、アイコン806を押すと右の肺をカバーするFOVが表示されることになる。図9は、本発明によるシステムを概略的に示している。システム900は、本発明による方法を行うよう構成されたコンピュータ読取可能なソフトウェアを有するメモリ902を有する。システム900はさらに、ソフトウェアバス906を介してメモリ902に動作可能に接続される中央処理ユニット(cpu)904を有する。cpu1004は、本発明による方法を実行するための必要な計算を行う。その結果は、表示バッファ1008に転送され、このバッファは、表示装置910に動作可能に接続される。本発明による方法が行われるところのデータは、CTスキャナなどの医療取込装置914に接続されるデータベース912から検索される。検査対象の人からCTスキャナ914により得られるデータは、データベース912に送られる。本発明による方法は、このインポートの間又は例えばディスプレイ910によるユーザ対話動作により起動されるようにすることができる。
【0044】
なお、上述した実施例は、本発明を限定するというよりも例示するものであり、当業者であれば、添付の請求項の範囲を逸脱することなく数多くの代替え実施例を構成することができる筈である。請求項において、括弧内に付される参照符号はその請求項を限定するものと解釈してはならない。「有する」なる文言は、請求項に挙げられたもの以外の要素又はステップの存在を排除しない。要素の単数表現は、そのような要素の複数の存在を排除しない。本発明は、複数の個別の要素を有するハードウェアにより、また、適切にプログラムされたコンピュータによって、実現可能である。複数の手段を列挙するシステムの請求項において、これら手段のうちの幾つかを、同一アイテムのコンピュータ読取可能ソフトウェア又はハードウェアによって具現化することができる。或る特定の方策が相互に異なる従属請求項に挙げられているという点は、これら方策の組み合わせが活用できないことを示すものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域内に対称的な解剖学的構造を表示する方法であって、
・前記表示領域に基づいて前記対称的な解剖学的構造のズーム係数を自動的に計算すること、
・前記表示領域に基づいて前記対称的な解剖学的構造のパニング位置を自動的に計算すること、及び
・前記表示領域内に、当該計算されたズーム係数及びパニング位置に応じて前記対称的な解剖学的構造を表示すること、
を有する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記対称的な解剖学的構造は、スライスのスタックを有する3D体積データセット内に含まれ、前記スライスのスタックのスライス毎に前記ズーム係数及び前記パニング位置を自動的に計算することを有する方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記対称的な解剖学的構造は、互いに略対称的な少なくとも2つの基礎構造を有し、当該方法は、
・少なくとも2つの基礎構造毎に個別に前記ズーム係数及び前記パニング位置を自動的に計算すること、及び
・それぞれの計算されたズーム係数及びパニング位置に応じて前記少なくとも2つの基礎構造を個別に表示すること、
を有する、方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のうちいずれか1つに記載の方法であって、前記ズーム係数及び前記パニング位置は、データベース内の対称的な解剖学的構造のインポートの間において自動的に計算される、方法。
【請求項5】
請求項1ないし3のうちいずれか1つに記載の方法であって、前記対称的な解剖学的構造及び/又は基礎構造は、ユーザインターフェースにより自動的に起動させられる、方法。
【請求項6】
対称的な解剖学的構造を表示領域内に表示するためのシステムであって、
・計算器であって、
*前記表示領域に基づいて前記対称的な解剖学的構造のズーム係数を自動的に計算すること、及び
*前記表示領域に基づいて前記対称的な解剖学的構造のパニング位置を自動的に計算すること、
を行う計算器と、
・表示器であって、
*前記表示領域内に、当該計算されたズーム係数及びパニング位置に応じて前記対称的な解剖学的構造を表示すること、
を行う表示器と、
を有するシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムであって、前記対称的な解剖学的構造は、スライスのスタックを有する3D体積データセット内に含まれ、前記計算器は、さらに、前記スライスのスタックのスライス毎に前記ズーム係数及びパニング位置を自動的に計算する、システム。
【請求項8】
請求項6に記載のシステムであって、前記対称的な解剖学的構造は、互いに略対称的な少なくとも2つの基礎構造を有し、前記計算器は、さらに、少なくとも2つの基礎構造毎に個別に前記ズーム係数及びパニング位置を自動的に計算し、前記表示器は、さらに、それぞれの計算されたズーム係数及びパニング位置に応じて前記少なくとも2つの基礎構造を個別に表示する、システム。
【請求項9】
請求項6ないし9のうちいずれか1つに記載のシステムであって、データベース内の前記対称的な解剖学的構造のインポートにおいて前記ズーム係数又は前記パニング位置を自動的に計算するインポータをさらに有するシステム。
【請求項10】
請求項6ないし9のうちいずれか1つに記載のシステムであって、対称的な解剖学的構造及び/又は基礎構造を表示することを自動的に起動するためのユーザインターフェースをさらに有するシステム。
【請求項11】
請求項6ないし10のうちいずれか1つに記載のシステムを有する医療画像形成ワークステーション。
【請求項12】
表示領域内に対称的な解剖学的構造を表示するための命令を有する、コンピュータ装置によりロードされるコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータ装置は、処理ユニット及びメモリを有し、当該コンピュータプログラム製品は、ロードされた後、前記処理ユニットに、
・前記表示領域に基づいて前記対称的な解剖学的構造のズーム係数を自動的に計算するタスク、
・前記表示領域に基づいて前記対称的な解剖学的構造のパニング位置を自動的に計算するタスク、及び
・前記表示領域内に、当該計算されたズーム係数及びパニング位置に応じて前記対称的な解剖学的構造を表示するタスク、
を実行するための機能を供給する、
製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図7d】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−525858(P2010−525858A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504950(P2010−504950)
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際出願番号】PCT/IB2008/051575
【国際公開番号】WO2008/135880
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】