説明

対話型教材作成支援プログラム、教材作成装置、対話型教材、対話型教材作成支援プログラムを記録したコンピュータにより読み取り可能な記録媒体、対話型教材を記録したコンピュータにより読み取り可能な記録媒体、対話型教材作成システム、及び対話型教材作成方法

【課題】
設問に対する解答群の中から解答を選択する型式の対話型教材を、コンピュータの専門家ではない教材作成者でも簡単に作成できるようにする。
【解決手段】
設問群を入力する設問群入力欄521,各設問の設問文を入力する設問文入力欄541,設問に対する解答群を入力する解答群入力欄5511とともに、少なくとも選択された解答に関連する事項を入力する解答関連事項入力欄を表示部に表示し、それら各欄にデータを入力させる入力画面表示処理と、入力された前記データに基づいてデータファイルを作成するデータファイル作成処理と、前記データファイルに基づき、設問文,解答群を表示して、その解答群から解答を選択するよう促す表示処理手順,選択された解答に関連する事項を表示する表示処理手順を含む表示制御ファイルを作成する表示制御ファイル作成処理とを行わせることによって、上記対話型教材を作成することを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自然科学,社会科学及び人文科学を学習するための対話型教材作成支援プログラム、教材作成装置、対話型教材、対話型教材作成支援プログラムを記録したコンピュータにより読み取り可能な記録媒体、対話型教材を記録したコンピュータにより読み取り可能な記録媒体、対話型教材作成システム、及び対話型教材作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
教育分野においてシステム化が進んでおり、様々な電子教材作成ツールが開発されている。例えば特開平11−133846号公報(特許文献1)には、学習目標、画面の流れのシナリオ、教材構造知識、マルチメディア素材等の教材知識を作成する教材作成支援システムが開示されている。
【0003】
ところで、医歯学生,臨床研修医等にとって臨床症例を理解することは重要であるが、実習や研修で経験できる症例には限りがある。そこで、臨床シミュレーション教材を活用して数多くの症例を仮想体験することにより、その臨床経験の不足を補うことが望ましい。
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている教材作成支援システムは、対話しながら医学・歯学等医療関係の学習を行うシミュレーション教材の作成に適用していない。
【0005】
また、特に臨床シミュレーション教材を作成するためにはコンピュータと臨床教育との双方に精通していることが必要であり、そのような教材作成者は稀であることから、医歯学全般を網羅するシミュレーションのシナリオを多数用意することが困難である。
【0006】
さらに、シミュレーション教材をコンピュータの専門家と臨床教育の専門家との共同作業で作成することも可能であるが、その際には経費と打ち合わせ時間とを要する上に、教材作成者の意図した通りのものを作成することが困難なことが多い。
【0007】
【特許文献1】特開平11−133846号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明は、設問に対する解答群の中から解答を選択する型式の対話型教材を、コンピュータの専門家ではない教材作成者でも簡単に作成することができる対話型教材作成支援プログラム、教材作成装置、対話型教材、対話型教材作成支援プログラムを記録したコンピュータにより読み取り可能な記録媒体、対話型教材を記録したコンピュータにより読み取り可能な記録媒体、対話型教材作成システム、及び対話型教材作成方法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明に係る対話型教材作成支援プログラム、教材作成装置、対話型教材、対話型教材作成支援プログラムを記録したコンピュータにより読み取り可能な記録媒体、対話型教材を記録したコンピュータにより読み取り可能な記録媒体、対話型教材作成システム、及び対話型教材作成方法は、それぞれ次の構成からなる。
【0010】
請求項1に記載した対話型教材作成支援プログラムは、各種のデータを入力するための入力部と、表示部とを備えた教材作成装置に、対話型教材を作成する機能を実現させるためのものであり、
設問群を入力する設問群入力欄,各設問の設問文を入力する設問文入力欄,設問に対する解答群を入力する解答群入力欄とともに、少なくとも選択された解答に関連する事項を入力する解答関連事項入力欄を表示部に表示し、それら各欄にデータを入力させる入力画面表示処理と、
入力された前記データに基づいてデータファイルを作成するデータファイル作成処理と、
前記データファイルに基づき、設問文,解答群を表示して、その解答群から解答を選択するよう促す表示処理手順,選択された解答に関連する事項を表示する表示処理手順を含む表示制御ファイルを作成する表示制御ファイル作成処理とを行わせることによって、上記対話型教材を作成することを特徴としている。
【0011】
この構成によれば、各設問に対して、設問文と、設問文に対する複数の解答からなる解答群と、各解答に関連する事項とを入力することにより、設問文、解答群を表示して解答の選択を促し、選択された解答に関連する事項を表示する処理を、設問群の各設問に対して行う対話型教材を作成できる。すなわち、入力画面表示処理により表示された各欄に、設問文、解答群等の各項目を入力するだけで対話型教材を作成することができる。
【0012】
請求項2に記載の対話型教材作成支援プログラムは、各種のデータを入力するための入力部と、表示部とを備えた教材作成装置に、対話型教材を作成する機能を実現させるためのものであり、
設問群をシナリオとしてそのシナリオ名を入力するシナリオ名入力欄,シナリオを構成する設問群を入力する設問群入力欄,各設問の設問文を入力する設問文入力欄,設問に対する解答群を入力する解答群入力欄とともに、選択された解答に対応する医療行為の結果を入力する医療行為結果入力欄,選択された解答に対応する医療行為の必要性等の解説を入力する選択解答解説入力欄,及び選択されなかった解答に対応する医療行為の必要性等の解説を入力する非選択解答解説入力欄を表示部に表示し、それら各欄にデータを入力させる入力画面表示処理と、
入力された前記データを前記シナリオ名に対応させてデータファイルを作成するデータファイル作成処理と、
前記データファイルに基づき、設問群,設問文,解答群を表示して、その解答群から解答を選択するよう促す表示処理手順,選択された解答に対応する医療行為の結果及び選択された解答に対応する解説を表示する表示処理手順,選択されなかった解答に対応する解説を表示する表示処理手順を含む表示制御ファイルを作成する表示制御ファイル作成処理とを行わせることによって、上記対話型教材を作成することを特徴としている。
【0013】
上記の構成によれば、必要数の設問を作成してシナリオを構成し、各設問に対して、設問文と、設問文に対して行い得る医療行為を示した複数の解答からなる解答群と、各解答に示された医療行為により得られる医療行為結果と、各解答が選択された際に表示される解説と、各解答が選択されなかった際に表示される解説とを入力することにより、設問文、解答群を表示して解答の選択を促し、選択された解答に対応する医療行為結果、解説を表示するとともに選択されなかった解答に対応する解説を表示する処理を、設問群の各設問に対して行う対話型教材が作成される。すなわち、入力画面表示処理により表示部に表示された各欄に、設問文、解答群等の各項目を入力するだけで対話型教材を作成することができる。
【0014】
請求項3に記載の対話型教材作成支援プログラムは、請求項1又は2に記載した入力画面表示処理が、各設問について一つの解答を選択したときに医療行為結果入力欄に入力されたデータ等を表示させる一問一答形式、又は複数の解答を選択させる複数選択形式の設問種別を選択させる種別選択欄を表示部に表示して、その種別選択欄で、最大選択数を指定する最大選択数指定欄を表示部に表示することを特徴としている。この構成によると、各設問に対して最大選択数を設定することができる。
【0015】
請求項4に記載の対話型教材作成支援プログラムは、請求項3に記載した設問種別には設問に関連する関連事項の解説が含まれ、入力画面表示処理が設問の関連事項解説を入力する関連事項解説入力欄を表示することを特徴としている。
【0016】
請求項5に記載の対話型教材作成支援プログラムは、請求項1〜4に記載の入力画面表示処理は、各解答に対して加減点される得点を入力する得点入力欄を表示し、前記表示処理手順には、点数を保持する手順,前記各解答の得点を前記点数に加減算する手順が含まれることを特徴としている。
【0017】
この構成によると、対話型教材を使用した学習者が解答を選択した場合及び選択しなかった場合に、解答に対して設定されている得点が加減算されるため、一問一答,複数選択のいずれの設問であっても点数が正確に計算される。
【0018】
請求項6に記載の対話型教材作成支援プログラムは、請求項1〜5のいずれかに記載の入力画面表示処理が、各々の設問に対して、選択されなければならない解答を指定する必須解答指定欄,該必須解答に対応する解説を入力する必須解説入力欄,選択されてはならない解答を指定する除外解答指定欄,該除外解答に対応する解説を入力する除外解説入力欄,解答が選択される順序を指定する解答順序指定欄,該解答順序に対応する解説を入力する解答順序解説入力欄を表示し、前記表示処理手順には、必須解答が選択されなかった場合、除外解答が選択された場合、解答が解答順序を過って選択された場合に、それぞれ必須解説,除外解説,解答順序解説を表示する手順が含まれていることを特徴としている。
【0019】
この構成によると、対話型教材を使用した学習者が、選択すべき解答を選択しなかった場合、選択してはならない解答を選択した場合、解答を選択する順序を過った場合に、即座に警告が表示される。
【0020】
請求項7に記載の対話型教材作成支援プログラムは、請求項1〜6のいずれかに記載の入力画面表示処理が、設問に必要な静止画,動画等の画像を指定する画像指定欄を表示し、前記表示処理手順には、前記設問と併せて前記画像を表示部に表示する手順が含まれることを特徴としている。この構成によると、設問毎に適切な画像が付与される。
【0021】
請求項8に記載の教材作成装置は、請求項1〜7のいずれかに記載した対話型教材作成支援プログラムを実行する処理装置と、その対話型教材作成支援プログラムを実行することによって生成したデータファイル及び表示制御ファイルを記憶する記憶装置とを有して構成されている。この構成によれば、教材作成装置だけで対話型教材を作成することができる。
【0022】
請求項9に記載の教材作成装置は、請求項8に記載した教材作成装置が、電気通信回線を介してサーバ装置に接続されており、その教材作成装置の処理装置に、データファイル及び表示制御ファイルをサーバ装置に送信するファイル送信処理を行わせることを特徴としている。
この構成によれば、作成した対話型教材をサーバ装置に送信することにより、種々の対話型教材がサーバ装置上に蓄積されるとともに、電気通信回線を介して学習者に供給できるようになる。
【0023】
請求項10に記載のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体は、請求項1〜9のいずれかに記載した対話型教材作成支援プログラムを記録したことを特徴としている。
【0024】
請求項11に記載した対話型教材は、各種のデータを入力するための入力部と、表示部とを備えた教材作成装置によって対話型教材作成支援プログラムを実行することにより作成されたものであり、
設問群を入力する設問群入力欄,各設問の設問文を入力する設問文入力欄,設問に対する解答群を入力する解答群入力欄とともに、少なくとも選択された解答に関連する事項を入力する解説関連事項入力欄にそれぞれ入力された設問群,設問文,解答群及び少なくとも選択された解答に関連する事項を含む入力データに基づいて作成されたデータファイルと、 このデータファイルに基づき、設問群,設問文,解答群を表示部に表示して、その表示された解答群から解答を選択するよう促す表示処理手順,選択された解答に関連する事項を表示する表示処理手順を含む表示制御ファイルとを有してなることを特徴としている。
【0025】
請求項12に記載の対話型教材は、請求項11に記載の対話型教材を、独立して実行することが可能な実行可能ファイルとしているので、例えばクライアント側コンピュータにおいて容易に実行させることができる。これにより、対話型教材を実行させるための他のプログラム等をインストールする等の煩雑な作業を行うことなく、速やかに学習することができる。
【0026】
請求項13に記載のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体は、請求項11又は12に記載の対話型教材を記録したことを特徴としている。
【0027】
請求項14に記載した対話型教材作成システムは、各種のデータを入力するための入力部と、表示部とを備えた1又は2以上のクライアント側コンピュータが、電気通信回線を介してホスト側コンピュータに接続されており、
上記ホスト側コンピュータには、設問群を入力する設問群入力欄,各設問の設問文を入力する設問文入力欄,設問に対する解答群を入力する解答群入力欄とともに、少なくとも選択された解答に関連する事項を入力する解説関連事項入力欄を表示部に表示し、それら各欄にデータを入力させる入力画面表示処理と、入力された前記データに基づいてデータファイルを作成するデータファイル作成処理と、前記データファイルに基づき、設問群,設問文,解答群を表示して、その表示された解答群から解答を選択するよう促す表示処理手順,選択された解答に関連する事項を表示する表示処理手順を含む表示制御ファイルを作成する表示制御ファイル作成処理とを行わせるための対話型教材作成支援プログラムが、上記クライアント側コンピュータから実行可能に設定されていることを特徴としている。
この構成によれば、各クライアント側コンピュータにそれぞれ対話型教材作成支援プログラムを実行可能に設定することなく、対話型教材の作成を行うことができる。
【0028】
請求項15に記載の対話型教材作成システムは、請求項14に記載したホスト側コンピュータには、対話型教材の作成に供する素材が、クライアント側コンピュータから利用可能に蓄積されるようになっており、
クライアント側コンピュータに、対話型教材の作成に必要な素材をホスト側コンピュータにアップロードする素材アップロード手段を設けた構成になっている。
【0029】
請求項16に記載の対話型教材作成システムは、請求項14又は15に記載したホスト側コンピュータに、対話型教材の作成を許された者であることを示す識別情報毎に、対話型教材を蓄積するための個別サーバ領域が形成されており、そのホスト側コンピュータに、クライアント側コンピュータから入力された識別情報が対話型教材の作成を許された者であることを示すものか否かを判別する識別情報判別手段と、その識別情報が対話型教材の作成を許された者であると判別したときには、クライアント側コンピュータから入力された識別情報に対応する個別サーバ領域への接続のみを許容する接続許容手段とを設けた構成になっている。
【0030】
請求項17に記載の対話型教材作成システムは、請求項16に記載した対話型教材の作成を許された者であることを示す識別情報が、他の個別サーバ領域に関連付けられており、その識別情報が対話型教材の作成を許された者であると判別したときには、クライアント側コンピュータから入力された識別情報に対応する個別サーバ領域及び関連付けられている他の個別サーバ領域への接続が許容されることを特徴としている。
【0031】
請求項18に記載の対話型教材作成システムは、請求項14〜17のいずれかに記載のホスト側コンピュータに、対話型教材の使用を許された者であることを示す識別情報に対応して、対話型教材を蓄積する共通サーバ領域が形成されており、そのホスト側コンピュータに、クライアント側コンピュータから入力された識別情報が対話型教材の使用を許された者であることを示すものか否かを判別する識別情報判別手段と、その識別情報が対話型教材の使用を許された者であると判別したときには、上記共通サーバ領域への接続のみを許容する接続許容手段を設けた構成になっている。
【0032】
請求項19に記載の対話型教材作成システムは、請求項14〜17のいずれかに記載のホスト側コンピュータには、対話型教材の使用を許された者であることを示す識別情報に対応して、複数の対話型教材を蓄積する共通サーバ領域が形成されているとともに、それら複数の対話型教材がグループ化されており、そのホスト側コンピュータに、クライアント側コンピュータから入力された識別情報が対話型教材の使用を許された者であることを示すものか否かを判別する識別情報判別手段と、その識別情報が対話型教材の使用を許された者であると判別したときには、上記共通サーバ領域内の一のグループ化された複数の対話型教材への接続のみを許容する接続許容手段を設けた構成になっている。
【0033】
請求項20に記載の対話型教材作成システムは、請求項16〜19のいずれかに記載の個別サーバ領域に蓄積された対話型教材を共通サーバ領域に複製する複製手段を、ホスト側コンピュータに設けたことを特徴としている。
【0034】
請求項21に記載の対話型教材作成方法は、設問群を入力する設問群入力欄,各設問の設問文を入力する設問文入力欄,設問に対する解答群を入力する解答群入力欄とともに、少なくとも選択された解答に関連する事項を入力する解答関連事項入力欄を表示部に表示し、それら各欄にデータを入力させる入力画面表示処理と、入力された前記データに基づいてデータファイルを作成するデータファイル作成処理と、前記データファイルに基づき、設問文,解答群を表示して、その解答群から解答を選択するよう促す表示処理手順,選択された解答に関連する事項を表示する表示処理手順を含む表示制御ファイルを作成する表示制御ファイル作成処理とを行わせる対話型教材作成支援プログラムをホスト側コンピュータに実行可能に設定しておき、クライアント側コンピュータから入力された識別情報に基づき、そのクライアント側コンピュータを電気通信回線を介してホスト側コンピュータに接続し、対話型教材作成支援プログラムを実行することにより対話型教材を作成することを内容としている。
【発明の効果】
【0035】
請求項1〜21に記載の発明によれば、設問に対する解答群の中から解答を選択する形式の対話型教材をコンピュータの専門家ではない教材作成者でも簡単に作成することができる。
請求項1〜21に記載の発明で得られる共通の効果に加え、各請求項に記載の発明によれば、次の各効果を得ることができる。
【0036】
請求項1に記載した発明によれば、各設問に対して、設問文と、設問文に対する複数の解答からなる解答群と、各解答に関連する事項とを入力することにより、設問文、解答群を表示して解答の選択を促し、選択された解答に関連する事項を表示する処理を、設問群の各設問に対して行う対話型教材を作成できる。すなわち、入力画面表示処理により表示された各欄に、設問文、解答群等の各項目を入力するだけで対話型教材を作成することができる。
【0037】
請求項2に記載した発明によれば、必要数の設問を作成してシナリオを構成し、各設問に対して、設問文と、設問文に対して行い得る医療行為を示した複数の解答からなる解答群と、各解答に示された医療行為により得られる医療行為結果と、各解答が選択された際に表示される解説と、各解答が選択されなかった際に表示される解説とを入力することにより、設問文、解答群を表示して解答の選択を促し、選択された解答に対応する医療行為結果、解説を表示するとともに選択されなかった解答に対応する解説を表示する処理を、設問群の各設問に対して行う対話型教材が作成される。すなわち、入力画面表示処理により表示された各欄に、設問文、解答群等の各項目を入力するだけで対話型教材を作成することができる。
すなわち、設問,設問種別,解答群,解答の最大選択数等を各入力欄に入力するのみにより、設問,解答等を自在に作成してシナリオを構成することにより、実際の医療現場において起こり得る様々な状況を再現した臨床シミュレーションのための対話型教材を簡単に作成することができる。
【0038】
請求項3に記載した発明によれば、入力画面表示処理が、各設問について一つの解答を選択したときに医療行為結果入力欄に入力されたデータ等を表示させる一問一答形式、又は複数の解答を選択させる複数選択形式の設問種別を選択させる種別選択欄を表示部に表示して、その種別選択欄で、最大選択数を指定する最大選択数指定欄を表示部に表示できるので、各設問に対して最大選択数を設定することができる。
【0039】
請求項5に記載した発明によれば、対話型教材を使用した学習者が解答を選択した場合及び選択しなかった場合に、解答に対して設定されている得点が加減算されるため、一問一答形式,複数選択形式のいずれの設問であっても点数を正確に計算することができる。
【0040】
請求項6に記載した発明によれば、学習者が選択すべき解答を選択しなかった場合、選択してはならない解答を選択した場合、解答を選択する順序を過って選択した場合に即座に警告を表示することにより、学習者に誤りを即座に意識させるとともに、各設問間に矛盾が生じることを防止してシナリオの流れを忠実に再現することができる。
【0041】
請求項7に記載した発明によれば、設問に必要な静止画,動画等の画像を指定する画像指定欄を表示し、その設問と併せて前記画像を表示することができるので、設問毎に適切な画像を表示することができる。
【0042】
請求項8に記載した発明によれば、対話型教材作成支援プログラムを実行する処理装置と、その対話型教材作成支援プログラムを実行することによって生成したデータファイル及び表示制御ファイルを記憶する記憶装置とを有しているので、教材作成装置だけで対話型教材を作成することができる。
【0043】
請求項9に記載した発明によれば、教材作成装置が、電気通信回線を介してサーバ装置に接続されており、その教材作成装置の処理装置に、データファイル及び表示制御ファイルをサーバ装置に送信するファイル送信処理を行わせているので、作成した対話型教材をサーバ装置に送信してサーバ装置上に蓄積できるとともに、電気通信回線を介して学習者に供給することができるようになる。
【0044】
請求項12に記載した発明によれば、対話型教材を、独立して実行することが可能な実行可能ファイルとしているので、例えばクライアント側コンピュータにおいて容易に実行させることができる。これにより、対話型教材を実行させるための他のプログラム等をインストールする等の煩雑な作業を行うことなく、速やかに学習することができる。
【0045】
請求項14に記載した発明によれば、各クライアント側コンピュータにそれぞれ対話型教材作成支援プログラムを実行可能に設定することなく、対話型教材の作成を行うことができる。
【0046】
請求項15に記載した発明によれば、クライアント側コンピュータに、対話型教材の作成に必要な素材をホスト側コンピュータにアップロードする素材アップロード手段を設けたことにより、対話型教材に必要な画像を選択して使用することができる。
【0047】
請求項18に記載した発明によれば、各個別サーバ領域のいずれかに対話型教材が蓄積されことにより、その対話型教材を共通サーバ領域に複製することができるので、学習者への対話型教材の提供を迅速に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第一の実施形態に係る対話型教材作成システムの全体構成を示す説明図、図2は、シナリオ作成手順を示すフローチャートである。
【0049】
本発明の第一の実施形態に係る対話型教材作成システム(以下、たんに「システム」ともいう。)1は、図1に示すように、ホスト側コンピュータであるサーバ装置3に、LAN(Local Area Network),インターネット等のネットワーク、すなわち電気通信回線を介してクライアント側コンピュータである教材作成装置(以下、「教材作成端末」という。)2及び学習端末4が接続された構成になっている。
【0050】
教材作成端末2は、表示部21、入力部22、処理装置23及び対話型教材作成支援プログラムやデータ等を記憶する記憶装置24を有して構成されている。
表示部21は液晶等で形成されたディスプレイであり、対話型教材を作成するために必要なデータを入力する各欄(設問入力欄、解答群入力欄等)の表示を行うものである。
入力部22は、データ等の入力を行うキーボードやマウス等である。
【0051】
本実施形態における「対話型教材」は、上記した各種のデータを入力するための入力部22と、表示部21とを備えた教材作成端末2によって対話型教材作成支援プログラムを実行することにより作成されるものであり、それは、設問群を入力する設問群入力欄,各設問の設問文を入力する設問文入力欄,設問に対する解答群を入力する解答群入力欄とともに、少なくとも選択された解答に関連する事項を入力する解答関連事項入力欄にそれぞれ入力された設問群,設問文,解答群及び少なくとも選択された解答に関連する事項を含む入力データに基づいて作成されたデータファイルと、このデータファイルに基づき、設問群,設問文,解答群を表示部に表示して、その表示された解答群から解答を選択するよう促す表示処理手順,選択された解答に関連する事項を表示する表示処理手順を含む表示制御ファイルとを有してなる。
すなわち、以下に詳述する適切な医療行為を学習するためのものに限られず、自然科学,社会科学及び人文科学を学習することができるものである。
なお、本実施形態における「医療行為」は、医師,歯科医師,看護師,歯科衛生士,臨床検査技師,歯科技工士等の医療従事者が業として行う行為、及び同行為に関連して医療従事者が行う、医療機関並びに一般社会における言動,判断,思考を含む概念である。
【0052】
処理装置23は、対話型教材作成支援プログラムを実行することにより、入力画面表示制御処理、データファイル作成処理、表示制御ファイル作成処理等を行うようになっている。
「入力画面表示処理」は、設問群を入力する設問群入力欄,各設問の設問文を入力する設問文入力欄,設問に対する解答群を入力する解答群入力欄とともに、少なくとも選択された解答に関連する事項を入力する解答関連事項入力欄を表示部に表示し、それら各欄にデータを入力させることを内容とした処理である。
さらに詳しくは、図5,7に示すように、設問群をシナリオとしてそのシナリオ名を入力するシナリオ名入力欄,シナリオを構成する設問群を入力する設問群入力欄,各設問の設問文を入力する設問文入力欄,設問に対する解答群を入力する解答群入力欄とともに、選択された解答に対応する医療行為の結果を入力する医療行為結果入力欄,選択された解答に対応する医療行為の必要性等の解説を入力する選択解答解説入力欄,及び選択されなかった解答に対応する医療行為の必要性等の解説を入力する非選択解答解説入力欄を表示し、それら各欄にデータを入力させることを内容とした処理である。
なお、上記した「解答関連事項入力欄」は、本実施形態においては、医療行為結果入力欄,選択解答解説入力欄,非選択解答解説入力欄を含む概念である。
【0053】
「データファイル作成処理」は、入力された前記データに基づいてデータファイルを作成することを内容とした処理であり、より詳しくは、上記した入力画面表示処理において入力されたデータを前記シナリオ名に対応させてデータファイルを作成している。
【0054】
「表示制御ファイル作成処理」は、データファイルに基づき、設問文,解答群を表示して、その解答群から解答を選択するよう促す表示処理手順,選択された解答に関連する事項を表示する表示処理手順を含む表示制御ファイルを作成することを内容とした処理である。
詳しくは、データファイルに基づき、設問群,設問文,解答群を表示して、その解答群から解答を選択するよう促す表示処理手順,選択された解答に対応する医療行為の結果及び選択された解答に対応する解説を表示する表示処理手順,選択されなかった解答に対応する解説を表示する表示処理手順を含む表示制御ファイルを作成する表示制御ファイル作成処理とを行わせている。
【0055】
また、処理装置23は、上記したデータファイル及び表示制御ファイルをサーバ装置3に送信するファイル送信処理を行う機能を有している。
換言すると、上記したデータファイル及び表示制御ファイルからなる対話型教材をサーバ装置3にアップロードするファイルアップロード機能を有している。
アップロードする対話型教材は、下記の記憶装置24に記憶されているものや、一時ファイルとなっているものである。
【0056】
記録装置24は、大容量のハードディスク等をコンピュータにより読み取り可能な記録媒体としたものであり、その記録媒体に、詳細を後述する対話型教材作成支援プログラムを磁気的に記録するとともに、その対話型教材作成支援プログラムにより作成した対話型教材を記録している。
記録媒体としては、上記したハードディスクに限るものではなく、フロッピィーディスク,コンパクトディスク,ディジタルビデオディスク,光磁気ディスク,可搬型ハードディスク,可搬型メモリ等のものが含まれる。
【0057】
なお、上記システム1においては、教材作成端末2を電気通信回線に1台だけ接続したものとして説明しているが、2台以上の教材作成端末2を接続した構成にしてもよいことは勿論である。
【0058】
上記した教材作成端末2は、Webページを作成するための言語であるHTML(HyperText Markup Language)等により作成された画面を表示するとともに、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語による簡易プログラムを実行することができるWebブラウザを有している。
【0059】
サーバ装置3は、電気通信回線を介してデータファイル等のデータの配信を行うWebサーバ31、教材データベースサーバ32、履歴データベースサーバ33よりなる。
教材データベースサーバ32は、1の学習目的を達成するための設問群からなるシナリオを保持するシナリオテーブル、登録された用語を保持する用語テーブル、設問作成に使用する静止画,動画等の素材を保持する素材テーブルを有するデータベースサーバである。
【0060】
また、履歴データベースサーバ33は、対話型教材の使用を許された者である学習者が対話型教材により学習を行った際の各設問における得点等の得点履歴を保持する得点履歴テーブルを有するデータベースサーバである。
さらに、履歴データベースサーバ33では、各学習者の対話型教材の実行日時とその時の得点等を保持した学習者の理解度評価テーブル、得点履歴テーブルに格納されたデータから計算された各設問の正解率等を保持する設問の難易度評価テーブルが設けられている。
【0061】
学習端末4は、教材作成端末2のものと同様の、表示部、入力部、処理装置、記憶装置を有する情報処理端末であり、処理装置では教材作成端末2により作成された対話型教材の実行が可能である。
【0062】
上記したシステム1によれば、教材作成に必要な設問、解答等に関する各データを入力したり、表示される画像を指定したりすることにより、対話型教材の作成が行える。
対話型教材作成支援プログラムは、アプリケーションソフトの開発に用いられ、特にGUI処理に優れた言語である、VisualBasic(登録商標)、Java(登録商標)等により作成され、対話型教材作成に必要なデータの入力欄を表示し、その入力欄に入力されたデータを項目毎に整理してXML(eXtensible MarkupLanguage)等のデータファイルに変換し、同時に、HTML、JavaScript(登録商標)等のブラウザ上でデータファイルを読み込んで動作するファイル等を作成するものである。
【0063】
以下に、本システムを用いて対話型教材を作成する手順について説明する。まず、シナリオを作成する手順について、上記した図2とともに、図3〜図12を参照して説明する。図3は、図2の設問作成ステップのフローチャート、図4は、シナリオ作成画面の説明図、図5は、シナリオ名入力画面の説明図、図6は、設問作成画面の説明図、図7は、シナリオ作成中のシナリオ作成画面(一問一答形式(単一選択)、複数選択形式)の説明図、図8は、シナリオ作成中のプレビュー画面の説明図、図9は、シナリオ作成中のシナリオ作成画面(位置選択形式)の説明図、図10は、シナリオ作成中の選択領域編集画面の説明図、図11は、シナリオ作成中のシナリオ作成画面(関連事項解説)の説明図、図12は、シナリオ作成画面に入力されたデータの項目表である。
【0064】
図2に示すように、対話型教材の作成を許された者である教材作成者は、以下のステップS1〜S7に沿って対話型教材を作成する。
ステップS1はシナリオ名作成ステップである。対話型教材作成支援プログラムを起動すると、処理装置23により入力画面表示処理が実行され、表示部21に図4に示すようなシナリオ作成画面5が表示される。シナリオ作成画面5は、メニュー選択部51、設問入力/表示部52、画像選択/表示部53、設問文入力/表示部54、解答入力/表示部55、解説入力/表示部57よりなる。
【0065】
メニュー選択部51の「ファイル」をクリックするとコマンドリストが表示され、そのリストから「新規作成」を選択すると、図5に示すシナリオ名入力画面591が新規に作成された別ウィンドウにて表示される。シナリオ名入力画面591は、シナリオ名を入力するシナリオ名入力欄5911、OKボタン5912、キャンセルボタン5913を有している。
【0066】
シナリオ名入力欄5911に例えば「症例1」というシナリオ名を入力してOKボタン5912をクリックすると、新規シナリオ「症例1」に必要な各データを格納する「症例1」という名前のフォルダが作成され、同時に「症例1」フォルダ内にデータファイルが作成される。そして、シナリオ名入力画面591のウィンドウが閉じられる。また、キャンセルボタン5913をクリックすると、上記フォルダ、データファイルは作成されずにシナリオ名入力画面591のウィンドウが閉じられる。
【0067】
ステップS2は設問群作成ステップであり、ステップS3は設問群作成ステップS2により作成された各設問について詳細を設定する設問作成ステップである。図3に示すように、設問作成ステップS3は、設問名・設問種別入力ステップS31、設問詳細作成ステップS32、解答群作成ステップS33、解答作成ステップS34、及びプレビュー作成ステップS35からなる。なお、設問名・設問種別入力ステップS31は設問群作成ステップS2と同時に行われる。
【0068】
設問群作成ステップS2では、メニュー選択部51の「編集」をクリックすると表示されるコマンドリストから「設問追加」を選択すると、図6に示す設問作成画面592が新規に作成された別ウィンドウにて表示される。設問作成画面592は、設問名を入力する設問名入力欄5921、「単一選択」、「複数選択」、「位置選択」、「関連事項解説」の中から一つの設問種別を選択する設問種別選択欄5922、OKボタン5923、キャンセルボタン5924を有している。
【0069】
設問名入力欄5921に例えば「現症」という設問名を入力し、設問種別選択欄5922において「複数選択」を選択してOKボタン5923をクリックすると設問「現症」が作成される。図7に示すように、設問入力/表示部52の設問群入力欄521に「現症」と「現症(解説)」とが表示され、設問種別表示部522に「複数選択」と「解説」とが表示されるとともに、データファイル作成処理が実行される。すなわち、設問毎に設定された設問種別等のデータが上記の「症例1」フォルダ内のデータファイルに格納される。そして、設問作成画面592のウィンドウが閉じられる。設問群入力欄521には「現症」という設問とともに、その設問に対する解説である「現症(解説)」という設問も表示されているが、設問、解説の作成は同画面上で行われる。また、OKボタン5923の替わりにキャンセルボタン5924をクリックした場合は、設問は作成されずに上記別ウィンドウが閉じられる。なお、作成された設問群は、設問群入力欄521上において各設問の設問名をマウスでドラッグすることにより、各設問の順序を入れ替えることができる。
【0070】
設問詳細作成ステップS32では、始めに、設問群入力欄521において設問名をクリックすることにより、詳細を作成する設問を選択する。設問詳細作成ステップS32については設問種別毎に説明する。
【0071】
その設問の設問種別が一問一答形式(単一選択)、複数選択形式であった場合は、シナリオ作成画面5は図7に示すようなレイアウトとなる。設問文入力ボタン542をクリックすると設問文入力欄541が表示され、その設問文入力欄541に例えば「ステータス・・・選択してください。」という医療行為に対する設問文を入力する。また、ボタン名入力ボタン543をクリックするとボタン名入力欄(図示せず)が表示され、そのボタン名入力欄に例えば「次へ」というボタン名を入力する。
【0072】
画像セットボタン532をクリックすると画像リストを有する画像指定欄(図示せず)が表示され、その画像リストから使用したい画像を選択すると、画像表示部531に選択された画像が、画像名表示部533に画像名がそれぞれ表示される。なお、1つの設問に対して、複数の画像を指定することができる。
【0073】
最大選択数指定欄561に最大選択数を入力することができる。このとき最大選択数変更ボタン562をクリックすることによっても数値を上下させることも可能である。なお、最大選択数を解答数と等しくすることにより選択数を無制限とすることもできる。また、最大選択数は選択数の単なる上限であり、必ずしも学習者による選択数が最大選択数と等しくなる必要はない。
【0074】
次に、解答群作成ステップS33、解答作成ステップS34を説明する。解答作成ステップS34では、解答文入力ステップS341と解答詳細作成ステップS342よりなる。
【0075】
解答群作成ステップS33では、解答追加ボタン5512をクリックすることにより、新規解答が追加され、解答群入力欄5511にその解答の解答文が表示される。なお、解答を作成した段階では解答文は設定されていないので、予め設定された規定文が表示されている。解答を削除する場合は、解答文をクリックすることによりその解答が選択された状態にして解答削除ボタン5513をクリックすると、その解答が解答群入力欄5511から削除される。
【0076】
解答文入力ステップS341では、解答文の入力を行う。解答群入力欄5511に表示された解答文をクリックすると、その解答文が編集可能な状態になるので、例えば「左右上顎・・・測る」という医療行為を示す解答文を入力する。
【0077】
解答詳細作成ステップS342では、解答の詳細として、医療行為結果、選択時や非選択時の解説、選択時や非選択時の得点等の入力を行う。始めに、解答文をクリックすることにより詳細を作成したい解答が選択された状態にする。
【0078】
設問が「検査」のような即座な反応を有する医療行為に関するものであり、選択後に即座に検査結果を表示したい場合に、その解答に対する医療行為結果入力欄571に医療行為結果を入力する。例えば、「左右上顎・・・測る」の解答文に対して「最深部で3mmでした」との医療行為結果を入力すると、実行時に上記「左右上顎・・・測る」の解答が選択された時に「最深部で3mmでした。」との医療行為結果が表示される。なお、選択直後に即座に表示すべき情報が無い場合には、医療行為結果入力欄571には何も入力しない。
【0079】
選択時解説入力欄572に解答の選択時に表示する選択時解説を入力する。選択時得点入力欄573には、点数計算を行うため、解答の選択時に点数として加算される選択時得点を入力する。また同様に、各解答に対して、非選択時解説入力欄574に解答の非選択時に表示する非選択時解説を入力し、非選択時得点入力欄575に解答の非選択時に点数として加算される非選択時得点を入力する。
【0080】
このとき、選択時解説入力欄572、非選択時解説入力欄574に何も入力されなかった場合は、それぞれ選択された時、選択されなかった時に解説表示を行わず、同様に、選択時得点入力欄573、非選択時得点入力欄575に何も入力されなかった場合は、それぞれ選択された時、選択されなかった時に得点の加算は行われない。なお、選択時得点、非選択時得点は加点に限らず、減点であっても構わない。
【0081】
さらに、この設問において必ず選択されなければならない解答(必須解答)が存在する場合に、必須解説入力ボタン544をクリックすると、必須解答指定欄(図示せず)、必須解説入力欄(図示せず)がそれぞれ表示される。必須解答指定欄には解答群が表示されていて、その中から必須解答を指定する。必須解説入力欄には、必須解答が選択されなかった際に表示する解説を入力する。
【0082】
同様に、この設問において絶対に選択されてはならない解答(除外解答)が存在する場合に、除外解説入力ボタン545をクリックすると、除外解答指定欄(図示せず)、除外解説入力欄(図示せず)がそれぞれ表示される。除外解答指定欄には解答群が表示されていて、その中から除外解答を指定する。除外解説入力欄には、除外解答が選択された際に表示する解説を入力する。
【0083】
さらに同様に、この設問において解答の選択されるべき順序(解答順序)が存在する場合に、解答順序解説入力ボタン546をクリックすると、解答順序指定欄(図示せず)、解答順序解説入力欄(図示せず)がそれぞれ表示される。解答順序指定欄には解答群が表示されていて、各解答の選択されるべき順序を指定する。解答順序解説入力欄には、各解答が解答順序を過って選択された際に表示する解説を入力する。
【0084】
次に、設問種別が「位置選択」であった場合について説明する。シナリオ作成画面5は図9に示すようなレイアウトとなる。画像選択ボタン5523をクリックすることにより表示された画像リストの中から表示したい画像を選択すると、選択された画像が位置選択画像表示部5521に、画像名が選択画像名表示部5522に表示される。
【0085】
編集ボタン5524をクリックすると図10に示す選択領域編集画面554が別ウィンドウにて表示される。領域指定欄5545には画像選択ボタン5523により選択された画像が表示される。そして、追加ボタン5541により領域を追加すると、領域名表示部5543に領域名が、領域色表示部5544に画像中に領域を表示する領域色がそれぞれ表示される。
【0086】
領域色を変更する場合には領域色表示部5544をクリックすることにより色のパレットが表示され、パレット上の使用したい色をクリックすると領域色が選択される。また、領域名を変更する場合は、領域名表示部5543をクリックすると領域名表示部5543上において領域名のテキスト編集が可能となる。
【0087】
また、領域名表示部5543をクリックしてその領域が選択された状態にし、領域指定欄5545上の複数の座標をクリックすると、それらのクリックされた点が自動的に結ばれ、二次元の多角形状の選択領域が作成される。
【0088】
なお、領域が設定されている場合は、領域名表示部5543がクリックされると選択された領域が領域指定欄5545上に表示される。一方、全表示ボタン5546がクリックされると、設定されている全領域が同時に領域指定欄5545上に表示される。
【0089】
さらに、設定されている領域を削除する場合は、領域名表示部5543をクリックしてその領域が選択された状態にし、削除ボタン5542をクリックすることにより、領域名表示部5543、領域色表示部5544においてその領域が削除される。
【0090】
なお、選択領域編集画面554とシナリオ作成画面5とは常に同期がとられ、選択領域編集画面554上での編集に応じてシナリオ作成画面5の内容は随時、同様に書き換えられている。なお、シナリオ作成画面5の選択領域名リスト表示部5525には、領域名表示部5543、領域色表示部5544と同様の内容が表示される。
【0091】
最後に、設問種別が「関連事項解説」であった場合について説明する。シナリオ作成画面5は図11に示すようなレイアウトとなる。関連事項解説入力欄553に関連事項解説を入力することにより、シナリオ中に関連事項解説や説明文を挿入する。この設問種別は解説を表示するのみのものであり、解答を促すものではない。
【0092】
なお、プレビュー作成ボタン582をクリックすることにより、随時プレビュー画面を作成することができる。プレビュー作成ボタン582をクリックすると、処理装置23によりデータファイル作成処理、表示制御ファイル作成処理が実行される。すなわち、そのクリック時に入力されている全データがデータファイル内に格納されるとともに、そのデータファイルを読み込んで動作する表示制御ファイルが作成される。そして、図8に示すように、それらのファイルは実行されてシナリオ作成画面5上に表示される。そのとき、作成画面表示ボタン581をクリックすることにより、再びプレビュー作成ボタン582をクリックする直前の作成画面を表示させることができる。
【0093】
S4はデータ変換ステップであり、S5は保存ステップである。
メニュー選択部51の「ファイル」をクリックすると表示されるコマンドリストから「保存」を選択すると、処理装置23によりデータファイル作成処理、表示制御ファイル作成処理が実行される。すなわち、上記と同様に、各欄に入力されている全データが図12に示すように項目毎に抽出されてデータファイルに格納され、同時に、そのデータファイルを読み込んで動作する表示制御ファイルが作成される。そして、それらのファイルは記憶装置24の補助記憶装置に保存される。なお、この変換ステップS4、保存ステップS5は各欄の入力毎に行われてもよい。
【0094】
ステップS6は実行テストステップである。実行テストステップS6では、保存ステップS5により保存された表示制御ファイルを起動し、一通りの実行テストを行う。このステップは省略することも可能であるが、下記のアップロードステップS7を行う前には必ず行われることが望ましい。
【0095】
S7はアップロードステップである。メニュー選択部51より「ツール」をクリックすると表示されるコマンドリストの中から「アップロード」を選択すると、処理装置23によりファイル送信処理が実行される。すなわち、作成したデータファイル及び表示制御ファイルが教材データベースサーバ32にFTP(File Transfer Protocol)等の通信により送信されて、教材データベースサーバ32のデータベースに格納される。これにより、作成された対話型教材がネットワークを介して配信可能となる。
【0096】
以上のステップにより、処理装置23によって表示部21に表示されたシナリオ作成画面5等の各欄に、設問文、解答群、医療行為結果、解説等の、対話型教材に必要な項目を入力することにより、コンピュータの知識がなくても容易に対話型教材を作成することができる。
【0097】
なお、上記ステップの他に、本形態には用語登録機能が付加されている。シナリオ作成画面5のメニュー選択部51の「ツール」をクリックして「用語集」を選択すると、新規の別ウィンドウにて用語入力欄(図示せず)が表示される。その用語入力欄に、用語、読み、症例、作成者、英語、説明等を入力することにより用語が登録される。このとき、必要に応じて各用語に説明に必要な画像を登録することもできる。なお、登録された用語は解答者により必要な時に検索されて表示される。
【0098】
また、以前に作成された既存シナリオを後から修正することもできる。その際には、メニュー選択部51の「ファイル」をクリックすると表示されるコマンドリストから「開く」選択して、さらに、表示されたファイルリストから既に上記ステップにより作成されているシナリオファイルが格納されているフォルダを選択する。それにより、データファイルから各々のデータが抽出されて、各欄に表示され、上記S2〜S7のステップを再度行うことができる。
【0099】
次に、作成されたシナリオを実行する手順について、図13〜図16に基づいて説明する。図13は、プログラム実行時のシナリオ実行画面の図、図14は、プログラム実行時の履歴表示時のシナリオ実行画面の図、図15は、用語検索画面の図、図16は、得点履歴表示画面の図である。
【0100】
上記のようにして作成された対話型教材を実行すると、以下に示す表示処理等の各処理が処理装置により行われ、以下に示すシナリオ実行画面等の各画面が出力装置に表示される。また、入力部により解答の選択等が行われる。
【0101】
始めに、シナリオ名のリストを有するシナリオ選択画面(図示せず)が表示される。そのリストは、例えば、卒前学生レベル、卒直後臨床研修医レベル、一般歯科医師レベル、専門医レベルのような教材レベル毎に区分けされた、各々のシナリオを示すシナリオ名のリストである。そして、いずれかのシナリオが選択されると、設問が開始される。その際の実行画面の1例として、図13に複数選択の設問の実行例であるシナリオ実行画面8を示す。シナリオ実行画面8は、画像表示/再生部82、設問表示部83、解答表示部84を有し、右側上部には得点履歴を表示する得点履歴ボタン811、用語集を表示する用語集ボタン812、操作方法等の説明を表示するヘルプボタン813、シナリオを終了させる終了ボタン814が常に表示され、また、左側中央部には解答ボタン851、履歴表示ボタン852が常に表示されている。
【0102】
画像表示部821には設問や解答、解説に適した画像が表示され、画像番号表示部822には表示されている画像の番号が表示される。このとき、戻るボタン823、進むボタン824により、表示される画像を変更することができる。また、選択されている画像が動画だった場合には、再生ボタン825、停止ボタン826、巻戻しボタン827により動画の再生、停止、巻戻しを行うことができる。また、拡大ボタン828により、静止画または動画の拡大を行うことができる。
【0103】
設問表示部83は、設問文が表示される設問文表示部831、選択状況表示部832、完了ボタン833よりなる。選択状況表示部832には選択可能な解答数が表示されていて、完了ボタン833をクリックすることにより選択は完了する。なお、完了ボタン833に表示されている文字は、ボタン名入力欄に入力された文字である。また、最大選択数指定欄561に入力された数より多い解答数を選択することはできないが、その数に満たない場合でも解答を完了することができる。
【0104】
解答表示部84は、解答選択部841と選択解答・医療行為結果表示部842からなる。解答選択部841に表示された解答文をクリックすると、選択解答・医療行為結果表示部842に解答文及びそれに対する医療行為結果が表示され、解答選択部841から選択された解答文は削除される。
【0105】
解答例を具体的に説明すると、設問文表示部831に表示されている「ステータスおよびデンタルX線写真を撮影しました。次に行う行為として有効と考えられるものを5つ選択してください」の設問に対して、解答選択部841には以下の解答文が表示されている。
(1)左右上顎前歯部(犬歯から犬歯)のポケットを測る
(2)左右上顎前歯部(犬歯から犬歯)打診を行う
(3)歯髄診断(電気診断)
(4)歯肉の触診
(5)治療を始める
(6)前歯部口蓋部から穿刺吸引する
(7)咬合診査
(8)薬を出して診察を終える
【0106】
この設問は8つの選択肢のなかから5つを選択させるものである。学習者が、例えば、解答(1)(2)(3)(4)(5)を順に選択していったとすると、選択解答・医療行為結果表示部842に、解答(1)の解答文、それに対する医療行為結果である「最深部で3mmでした」、解答(2)の解答文、それに対する医療行為結果である「右上顎中切歯と、左上顎中切歯、側切歯が垂直水平とも多少ひびくようです」等、医療行為結果が次々に表示されていく。
【0107】
そして、完了ボタン833がクリックされると解説に移り、解答(1)〜(5)に対してそれぞれ「歯周病の有無を調べるのに必要です」等の解説が表示されてそれぞれ選択された解答に設定された選択時得点が加算される。
また、例えば出題者が選択してほしかった解答が解答(6)であったならば、解答(6)を選択しなかったことに対して「顎骨に欠損を認める嚢胞性病変を疑う場合には必要な検査です」等の解説が表示されて、解答(6)に設定された非選択時得点が加算される。
【0108】
解説表示後に再び完了ボタン833がクリックされると、次の問題の設問文、解答群等が表示されて上記の手順が繰り返され、最終的に総合得点が表示される。このとき同時に「保存」ボタン、「印刷」ボタン、「終了」ボタンが表示され、「保存」ボタン押下時には上記の設問、解答、解説、得点等が適当なフォーマットに変換されて学習端末4の補助記憶装置に記憶される。「印刷」ボタンをクリックすると上記と同様にフォーマット変換されたデータが印刷される。そして最後に「終了」ボタンをクリックすると、ポップアップウィンドウにより得点等の履歴をアップデートするか否か質問され、アップデートすることを選択した場合には得点等の履歴が履歴データベースサーバ33に送信される。
【0109】
上記に説明した設問は複数選択であるが、設問が一問一答形式(単一選択)であった場合も上記と同様であり、設問が位置選択であった場合も選択肢が文字ではなく画像の領域で設定されること以外、上記と同様である。
【0110】
また、設問が位置選択であった場合は解答選択部841に画像が表示されて、その画像上の座標をクリックすることにより位置座標による解答が行われ、その解答に対する医療行為結果が表示される。
【0111】
また、設問が関連事項解説であった場合は解答選択部841にその解説文が表示される。
【0112】
履歴表示ボタン852をクリックすると、図14に示すように、解答表示部84に履歴として設問文、選択された解答文、解答文に対する医療行為結果が時間軸に沿って表示された履歴表示部843が表示される。そして、解答ボタン851をクリックすると、履歴表示ボタン852のクリック直前の解答画面が再度表示される。
【0113】
なお、図15は、シナリオ実行画面8の用語集ボタン812にリンクされた用語検索画面91である。用語検索画面91は全て表示ボタン911、頭文字選択部912、用語選択部913、用語表示部914、用語解説表示部915よりなる。すべて表示ボタン911がクリックされると用語選択部913には登録されている用語が全て表示され、頭文字選択部912による頭文字がクリックされると、選択された文字を頭文字とする用語が表示される。用語選択部913上の用語がクリックされると用語表示部914にその用語が表示され、用語解説表示部915に用語解説が表示される。
【0114】
図16は、シナリオ実行画面8の得点履歴ボタン811にリンクされた得点履歴表示画面92である。得点履歴表示画面92は、実施日表示部921、解答者表示部922、得点表示部923よりなる。
【0115】
本形態では、各設問について解答文を選択すると医療行為結果が表示され、完了ボタン833をクリックすると解説が表示されるようなシナリオを作成したが、これに限らず、解答文を選択すると医療行為結果が表示されるが解説は全設問が終了した後にまとめて表示させたり、いくつかの設問が終了した後の指定された段階でまとめて解説を表示させたりすることも可能である。
【0116】
また、シナリオ作成に際して、必ずしもステップ(1)〜(7)の手順に沿う必要はなく、状況に応じた順序で各ステップを行うことができる。
【0117】
なお、本発明の対話型教材作成支援プログラムをWebサーバ31上に格納しておくことにより、そのプログラムをネットワークを介して実行し、対話型教材を作成することもできる。その際は、作成者が設問や解説に用いる画像等の素材を用意する必要がなく、サーバ装置3に置かれた素材や他の教材作成者が有する素材等を用いてシナリオを手軽に作成することができる。
【0118】
さらに、対話型教材は、Webブラウザ上で実行されるものに限らず、Java(登録商標)等のアプリケーションとして作成されて、Webブラウザ等からダウンロードされたりCD−ROM等で配布されたりすることによりネットワークを介さず独立して実行されるものでもよい。
【0119】
本形態によると、学生が設問に対して選択した各解答について、それが適切であったか不適切であったか等をその選択した解答に応じて解説することができる。また、本来選択すべきであったにもかかわらず学生が選択しなかった解答についてもその必要性を解説することができるため、その項目が選択すべきであったこと、なぜ選択すべきであったか等を学生のその解答に応じて教えることができる。
【0120】
また、本形態は、問診や診査等の回数や診断行為、処置行為等の選択数を自在に設定し、選択させることができる等、シナリオを自由に設定できるため、臨床経験が得難い医歯部学生、研究員の学習、さらには、車両の運転練習、営業の練習等、経験が重要視される分野において有用である。
【0121】
次に、本発明の第二の実施形態に係る対話型教材作成システムについて、図面を参照して説明する。図17は、本発明の第二の実施形態に係る対話型教材作成システムの全体構成を示す説明図、図18は、ホスト側コンピュータのWebサーバと教材データベースサーバの概略構成を示すブロック図である。
【0122】
本発明の第二の実施形態に係る対話型教材作成システムAは、図17に示すように、ホスト側コンピュータであるサーバ装置10に、LAN(Local Area Network),インターネット等のネットワーク、すなわち電気通信回線を介してクライアント側コンピュータである教材作成端末11及び学習端末12が接続された構成になっている。
【0123】
本実施形態における「対話型教材」は、設問に対する解答群の中から解答を選択する形式のものであり、前述した第一の実施形態において説明したものと同様に、自然科学,社会科学及び人文科学を学習するためのものである。
「クライアント側コンピュータ」は、教材作成端末11と学習端末12を含む概念のものである。
すなわち、教材作成端末11と学習端末12は、これらの設置場所等に応じて異なる名称を付しているものであり、それらの端末を使用するときに、特定の利用者が、自己に付与された下記の識別情報を入力部から入力することにより、その教材作成端末を学習端末として、また、同様にして学習端末を教材作成端末として使用することができる構成になっている。
なお、教材作成端末11を、対話型教材の作成のみを行うことができる構成にし、また、学習端末12を、対話型教材を用いた学習のみを行うことができる構成にしてもよい。
【0124】
「特定の利用者」は、利用の態様に関連付けられたアカウント等の識別情報を、詳細を後述する例えばサーバ装置10の管理者等から有償又は無償で予め付与されるものである。
「利用の態様」は、対話型教材の作成、対話型教材の使用、対話型教材のクライアント側コンピュータへのダウンロード、又はそれらの組み合わせを許された者である。
「識別情報」は、識別情報Iと識別情報IIとに区分されており、それらのうち識別情報Iは、対話型教材の作成、及びその対話型教材のクライアント側コンピュータへのダウンロードを許されていることを示し、また、識別情報IIは、対話型教材の使用を許されていることを示している。
【0125】
教材作成端末11は、表示部11a、入力部11b、処理装置11c及びデータ等を記憶する記憶装置11dを有して構成されており、特定の利用者が、自己に付与された識別情報を入力部11bから入力し、サーバ装置10が、その入力された識別情報が真性のものであるか否かを判定し、この判定結果が真性のものであるときにのみ使用できるようになっている。
【0126】
表示部11aは液晶等からなるディスプレイであり、対話型教材を作成するために必要なデータを入力する各欄(設問入力欄、解答群入力欄等)の表示とともに、Webページを作成するための言語であるHTML(HyperText Markup Language)等により作成された画面等の表示を行えるようになっている。
入力部11bは、上記した各欄へのデータや識別情報等の入力を行えるものであり、キーボードの他、マウス,タッチパネルやペンタブレット等の公知の構成のものを含む。
【0127】
処理装置11cは、本教材作成端末11の制御中枢となるものであり、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語による簡易プログラム等を実行することができるWebブラウザを有しているとともに、次の機能を備えている。
・対話型教材の作成に必要な素材をホスト側コンピュータにアップロードする機能(素材アップロード手段)。
「対話型教材の作成に必要な素材」は、第一の実施形態において説明したものと同じく、設問作成に使用する静止画,動画等の素材のことである。
【0128】
次に、サーバ装置10について説明する。
サーバ装置10は、図17に示すように、Webサーバ13、教材データベースサーバ14及び履歴データベースサーバ15よりなる。
【0129】
教材データベースサーバ14は所謂ファイルサーバであり、図18に示すように、個別サーバ領域14a,14b,14cと、共通サーバ領域14dとが区画形成されている。
個別サーバ領域14a,14b,14cは、上記した識別情報Iに一対一で対応付けられており、それぞれ対話型教材の作成を許されていることを示す識別情報Iを付与された特定の利用者のみが接続できるようになっている。
本実施形態において「対話型教材」は、第一の実施形態において説明した、模擬病状に対する診査,診断,処置等の医療行為を問う設問とともに、その設問に対して想定される医療行為が複数列挙された解答群の中から解答を選択することにより適切な医療行為を学習するためのものである。
【0130】
個別サーバ領域14a,14b,14cには、それぞれ1の学習目的を達成するための設問群からなるシナリオを保持するシナリオテーブル19a、登録された用語を保持する用語テーブル19b、設問作成に使用する静止画,動画等の素材を保持する素材テーブル19cがそれぞれ格納されているとともに、作成した対話型教材20…が蓄積されている。
なお、本実施形態においては3つの個別サーバ領域を区画形成した構成を例として説明しているが、これに限るものではなく、対話型教材を作成することができる特定の利用者、すなわち、対話型教材を作成することができることを示す識別情報に応じて区画形成されるようになっている。
換言すると、対話型教材の作成を許された者であることを示す識別情報とサーバ領域とが一対一の関係になっている。
【0131】
共通サーバ領域14dは、識別情報IIに対応づけられており、対話型教材の使用を許されている特定の利用者、及びシステム管理者だけが接続できるようになっている。この共通サーバ領域14dには、各個別サーバ領域14a,14b,14cに蓄積された対話型教材の複製が作成されるようになっている。
換言すると、識別情報IIを付与されている複数からなる特定の利用者は、共通サーバ領域14dにのみ接続できるようになっている。
【0132】
次に、Webサーバ13について説明する。
Webサーバ13は、第一の実施形態において詳述したものと同等の構成からなる対話型教材作成支援プログラムが実行可能に設定されている。「実行可能に設定」とは、インストールやセットアップとほぼ同義である。
対話型教材作成支援プログラムは、VisualBasic(登録商標),Java(登録商標)等により作成され、対話型教材の作成に必要なデータの入力欄を表示し、その入力欄に入力されたデータを項目毎に整理してXML(eXtensible MarkupLanguage)等のデータファイルに変換し、同時に、HTML,JavaScript(登録商標)等のブラウザ上でデータファイルを読み込んで動作するファイル等を作成するものであることは、第一の実施形態において説明したとおりである。
【0133】
上記の対話型教材作成支援プログラムを実行することにより、Webサーバ13、従ってまたホスト側コンピュータは、次のような機能を実現する。
・設問に対する解答群の中から解答を選択する形式の対話型教材を作成する機能(教材作成手段13a)。
具体的には、設問群を入力する設問群入力欄,各設問の設問文を入力する設問文入力欄,設問に対する解答群を入力する解答群入力欄とともに、少なくとも選択された解答に関連する事項を入力する解答関連事項入力欄を表示部に表示し、それら各欄にデータを入力させる入力画面表示処理と、入力された前記データに基づいてデータファイルを作成するデータファイル作成処理と、前記データファイルに基づき、設問群,設問文,解答群を表示して、その表示された解答群から解答を選択するよう促す表示処理手順,選択された解答に関連する事項を表示する表示処理手順を含む表示制御ファイルを作成する表示制御ファイル作成処理とを行わせるようになっている。
【0134】
本実施形態における対話型教材は、設問群を入力する設問群入力欄,各設問の設問文を入力する設問文入力欄,設問に対する解答群を入力する解答群入力欄とともに、少なくとも選択された解答に関連する事項を入力する解答関連事項入力欄にそれぞれ入力された設問群,設問文,解答群及び少なくとも選択された解答に関連する事項を含む入力データに基づいて作成されたデータファイルと、このデータファイルに基づき、設問群,設問文,解答群を表示部に表示して、その表示された解答群から解答を選択するよう促す表示処理手順,選択された解答に関連する事項を表示する表示処理手順を含む表示制御ファイルとを有してなるものであり、それらのファイルは、Webサーバ13,教材作成端末11及び学習端末12において実行可能な所謂実行形式にして形成されている。
【0135】
敷衍すると、対話型教材は、一の学習目的を達成するための設問群をシナリオとしてそのシナリオ名を入力するシナリオ名入力欄、シナリオを構成する設問群を入力する設問群入力欄、各設問の設問文を入力する設問文入力欄、設問に対する解答群を入力する解答群入力欄を表示し、さらに、選択された解答に対応する医療行為の結果を入力する医療行為結果入力欄、選択された解答に対応する医療行為の必要性等の解説を入力する選択解答解説入力欄、及び選択されなかった解答に対応する医療行為の必要性等の解説を入力する非選択解答解説入力欄を表示して、各データを入力させる入力画面表示処理と、入力された前記データを前記シナリオ名に対応させたデータファイルと、このデータファイルに基づき、前記設問文、前記解答群を表示して前記解答群から解答を選択するよう促す表示処理手順、選択された解答に対応する医療行為の結果及び選択された解答に対応する解説を表示する表示処理手順、選択されなかった解答に対応する解説を表示する表示処理手順を含む表示制御ファイルとからなり、それらのファイルは、Webサーバ13,教材作成端末11及び学習端末12において実行可能な所謂実行形式にして形成されている。
【0136】
・作成した対話型教材を、識別情報Iに対応する個別サーバ領域32a,32b,32cに格納する機能(教材格納手段13b)。
上述した図4に示すように、メニュー選択部51の「ファイル」をクリックすると表示されるコマンドリストから「保存」を選択すると、データファイル作成処理、表示制御ファイル作成処理が実行される。
すなわち、上述した場合と同様にして、各欄に入力されている全データが図12に示すように項目毎に抽出されてデータファイルに格納され、同時に、そのデータファイルを読み込んで動作する表示制御ファイルが作成されて、識別情報Iに対応する個別サーバ領域32a,32b,32cのいずれかに格納される。
【0137】
・個別サーバ領域のいずれかに格納された対話型教材を、教材作成端末11にダウンロードする機能(教材ダウンロード手段13c)。
すなわち、自らが作成した対話型教材については、これをダウンロードして使用することができるようにしている。
【0138】
Webサーバ13は、上記した機能の他、次のような機能を実現するようになっている。
・クライアント側コンピュータから入力された識別情報が対話型教材の作成を許された者であることを示すものか否かを判別する機能(第一の識別情報判別手段13d)。
【0139】
・その識別情報が対話型教材の作成を許された者であると判別したときには、クライアント側コンピュータから入力された識別情報に対応する個別サーバ領域への接続のみを許容する機能(第一の接続許容手段13e)。
具体的には、入力部11bから入力された識別情報が、真正のものであるか否かを判定し、この判定結果が真正のものであるときにのみ、その教材作成端末11からの接続を許容するようになっている。これにより、各端末からの不正なアクセスを防止できる。
【0140】
また、対話型教材の作成を許された者であることを示す識別情報が、これに対応する個別サーバ領域とともに、これとは異なる他の個別サーバ領域に関連付けられているときには、上記識別情報が対話型教材の作成を許された者であると判別したときには、その識別情報に対応する個別サーバ領域及び関連付けられている他の個別サーバ領域への接続が許容されるようになっている。
この場合、第一の接続許容手段13eは、識別情報が対話型教材の作成を許された者であると判別したときには、その識別情報に対応する個別サーバ領域及び関連付けられている他の個別サーバ領域への接続を許容する機能を有するものとする。
【0141】
・クライアント側コンピュータから入力された識別情報が対話型教材の使用を許された者であることを示すものか否かを判別する機能(第二の識別情報判別手段13f)。
・その識別情報が対話型教材の使用を許された者であると判別したときには、上記共通サーバ領域への接続のみを許容する機能(第二の接続許容手段13g)。
ホスト側コンピュータに蓄積されている複数の対話型教材がグループ化されている場合、その識別情報が対話型教材の使用を許された者であると判別したときには、上記共通サーバ領域内の一のグループ化された複数の対話型教材への接続のみを許容する機能を有する。
「グループ」は、例えば大学別によるもの等である。
【0142】
・各個別サーバ領域のいずれかに対話型教材が蓄積されたか否かを判定する機能(蓄積判定手段13h)。
・いずれかの個別サーバ領域に蓄積された対話型教材を共通サーバ領域に複製する機能(複製手段13i)。
複製するタイミングは、個別サーバ領域32a,32b,32cに対話型教材が蓄積されたときから評価され、所定時間が経過した後に行われるようにしている。
「評価」は、一人又は二人以上の有識者によって行なわれ、ある一定以上の評価を得られた対話型教材だけを、共通サーバ領域に複製している。これにより、識別情報IIを付与された特定の利用者は、厳選された対話型教材だけを使用した質のよい学習を行うことができるようになる。
【0143】
なお、本実施形態においては、ある一定以上の評価を得られた対話型教材だけを、共通サーバ領域に複製しているが、蓄積判定手段13hにより、各個別サーバ領域のいずれかに対話型教材が蓄積されたと判定されたときに、その判定に係る対話型教材を共通サーバ領域に自動的に複製するようにしてもよい。このような機能を設けることにより、識別情報IIを付与されている特定の利用者は、作成した対話型教材を利用した学習を時間的な遅れを生じることなく行うことができる。
【0144】
履歴データベースサーバ15は、学習者が対話型教材により学習を行った際の各設問における得点等の得点履歴を保持する得点履歴テーブルを有するものである。
履歴データベースサーバ15では、各学習者の対話型教材の実行日時とその時の得点等を保持した学習者の理解度評価テーブル、得点履歴テーブルに格納されたデータから計算された各設問の正解率等を保持する設問の難易度評価テーブルが設けられている。
このような履歴データベースサーバ15を設けていることにより、識別情報IIを付与された特定の利用者は、自己の学習の進捗状況を客観的に把握することができるとともに、対話型教材の良し悪しをも判断することができる。
【0145】
学習端末12は、PDA16,ノートタイプやデスクトップタイプのパソコン16,17,18であり、上述した教材作成端末11の構成と同じく、表示部16a,17a,18a,入力部,処理装置及び記憶装置(いずれも図示しない)を有した構成になっており、処理装置ではWebサーバ13により作成された対話型教材の実行が可能である。
【0146】
なお、本実施形態に係るシステムAを用いて対話型教材を作成する手順については、第一の実施形態において説明したものとほぼ同等のものであるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
【0147】
ところで、本発明は上述した各実施形態に限るものではなく、次のような変形実施が可能である。
第一の実施形態において説明した対話型教材作成装置2は、システム1をなす構成の一部になっていることを前提とした機能を備えたものとしているが、サーバ装置3に接続することなく、本発明を単独で実施する機能を保持させることができる。具体的には、次のとおりである。
【0148】
対話型教材作成装置2内の記憶装置24の記憶領域を、対話型教材の作成を許された者であることを示す識別情報毎に、対話型教材を蓄積する個別記憶領域と、対話型教材の使用を許された者であることを示す識別情報に対応して、対話型教材を蓄積する共通記憶領域とに区画形成しておくことを前提として次のような機能を設ける。
・入力部から入力された識別情報が対話型教材の作成を許された者であることを示すものか否かを判別する機能(第一の識別情報判別手段)。
・識別情報が対話型教材の作成を許された者であると判別したときには、入力部から入力された識別情報に対応する個別記憶領域への接続のみを許容する機能(第一の接続許容手段)。
【0149】
・入力部から入力された識別情報が対話型教材の使用を許された者であることを示すものか否かを判別する機能(第二の識別情報判別手段)。
・その識別情報が対話型教材の使用を許された者であると判別したときには、上記共通サーバ領域への接続のみを許容する機能(第二の接続許容手段)。
【0150】
・設問に対する解答群の中から解答を選択する形式の対話型教材を作成する機能(教材作成手段)。
・作成した対話型教材を、識別情報Iに対応する個別記憶領域に格納する機能(教材格納手段)。
・各個別記憶領域のいずれかに対話型教材が蓄積されたか否かを判定する機能(蓄積判定手段)。
・いずれかの個別記憶領域に対話型教材が蓄積されたと判定したときには、その判定に係る対話型教材を共通記憶領域に複製する機能(複製手段)。
【0151】
以上の構成によれば、サーバ装置を用いることなく、対話型教材の作成を許された複数の者により、単一の教材作成装置を共通に使用することができるとともに、その教材作成装置を学習端末としても使用することができる。
【0152】
上記実施形態においては、共通サーバ領域と個別サーバ領域とを、単一の教材データベースサーバ内に区画形成した例について説明したが、複数の教材データベースサーバに、それぞれ共通サーバ領域や個別サーバ領域を形成した構成にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る対話型教材作成支援システムの全体構成を示す説明図である。
【図2】シナリオ作成手順のフローチャートである。
【図3】図2に示す設問作成ステップのフローチャートである。
【図4】シナリオ作成画面の説明図である。
【図5】シナリオ名入力画面の説明図である。
【図6】設問作成画面の説明図である。
【図7】シナリオ作成中のシナリオ作成画面(単一選択、複数選択)の説明図である。
【図8】シナリオ作成中のプレビュー画面の説明図である。
【図9】シナリオ作成中のシナリオ作成画面(位置選択)の説明図である。
【図10】シナリオ作成中の選択領域編集画面の説明図である。
【図11】シナリオ作成中のシナリオ作成画面(関連事項解説)の説明図である。
【図12】シナリオ作成画面に入力されたデータの項目表である。
【図13】プログラム実行時のシナリオ実行画面の説明図である。
【図14】プログラム実行時の履歴表示時のシナリオ実行画面の説明図である。
【図15】用語検索画面の説明図である。
【図16】得点履歴表示画面の説明図である。
【図17】本発明の第二の実施形態に係る対話型教材作成支援システムの全体構成を示す説明図である。
【図18】ホスト側コンピュータのWebサーバと教材データベースサーバの概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0154】
1,A 対話型教材作成システム
2,11 教材作成装置(クライアント側コンピュータ)
3,10 サーバ装置(ホスト側コンピュータ)
4,12 学習端末(クライアント側コンピュータ)
5 シナリオ作成画面
11a,21 表示部
11b,22 入力部
11c,23 処理装置
11d,24 記憶装置
13,31 Webサーバ
14,32 教材データベースサーバ
14a,14b,14c 個別サーバ領域
14d 共通サーバ領域
15,33 履歴データベースサーバ
521 設問群入力欄
541 設問文入力欄
5511 解答群入力欄
553 関連事項解説入力欄
5545 領域指定欄
561 最大選択数指定欄
571 医療行為結果入力欄
572 選択解答解説入力欄
573 選択時得点入力欄
574 非選択解答解説入力欄
575 非選択時得点入力欄
5911 シナリオ名入力欄
5921 設問名入力欄
5922 設問種別選択欄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種のデータを入力するための入力部と、表示部とを備えた教材作成装置に、対話型教材を作成する機能を実現させるための対話型教材作成支援プログラムであって、
設問群を入力する設問群入力欄,各設問の設問文を入力する設問文入力欄,設問に対する解答群を入力する解答群入力欄とともに、少なくとも選択された解答に関連する事項を入力する解答関連事項入力欄を表示部に表示し、それら各欄にデータを入力させる入力画面表示処理と、
入力された前記データに基づいてデータファイルを作成するデータファイル作成処理と、
前記データファイルに基づき、設問文,解答群を表示して、その解答群から解答を選択するよう促す表示処理手順,選択された解答に関連する事項を表示する表示処理手順を含む表示制御ファイルを作成する表示制御ファイル作成処理とを行わせることによって、上記対話型教材を作成することを特徴とする対話型教材作成支援プログラム。
【請求項2】
各種のデータを入力するための入力部と、表示部とを備えた教材作成装置に、対話型教材を作成する機能を実現させるための対話型教材作成支援プログラムであって、
設問群をシナリオとしてそのシナリオ名を入力するシナリオ名入力欄,シナリオを構成する設問群を入力する設問群入力欄,各設問の設問文を入力する設問文入力欄,設問に対する解答群を入力する解答群入力欄とともに、選択された解答に対応する医療行為の結果を入力する医療行為結果入力欄,選択された解答に対応する医療行為の必要性等の解説を入力する選択解答解説入力欄,及び選択されなかった解答に対応する医療行為の必要性等の解説を入力する非選択解答解説入力欄を表示部に表示し、それら各欄にデータを入力させる入力画面表示処理と、
入力された前記データを前記シナリオ名に対応させてデータファイルを作成するデータファイル作成処理と、
前記データファイルに基づき、設問群,設問文,解答群を表示して、その解答群から解答を選択するよう促す表示処理手順,選択された解答に対応する医療行為の結果及び選択された解答に対応する解説を表示する表示処理手順,選択されなかった解答に対応する解説を表示する表示処理手順を含む表示制御ファイルを作成する表示制御ファイル作成処理とを行わせることによって、上記対話型教材を作成することを特徴とする対話型教材作成支援プログラム。
【請求項3】
入力画面表示処理は、各設問について一つの解答を選択したときに医療行為結果入力欄に入力されたデータ等を表示させる一問一答形式、又は複数の解答を選択させる複数選択形式の設問種別を選択させる種別選択欄を表示部に表示して、その種別選択欄で、最大選択数を指定する最大選択数指定欄を表示部に表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の対話型教材作成支援プログラム。
【請求項4】
設問種別には設問に関連する関連事項の解説が含まれ、入力画面表示処理が設問の関連事項解説を入力する関連事項解説入力欄を表示することを特徴とする請求項3に記載の対話型教材作成支援プログラム。
【請求項5】
入力画面表示処理は、各解答に対して加減点される得点を入力する得点入力欄を表示し、前記表示処理手順には、点数を保持する手順,前記各解答の得点を前記点数に加減算する手順が含まれることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の対話型教材作成支援プログラム。
【請求項6】
入力画面表示処理は、各々の設問に対して、選択されなければならない解答を指定する必須解答指定欄,該必須解答に対応する解説を入力する必須解説入力欄,選択されてはならない解答を指定する除外解答指定欄,該除外解答に対応する解説を入力する除外解説入力欄,解答が選択される順序を指定する解答順序指定欄,該解答順序に対応する解説を入力する解答順序解説入力欄を表示し、前記表示処理手順には、必須解答が選択されなかった場合、除外解答が選択された場合、解答が解答順序を過って選択された場合に、それぞれ必須解説,除外解説,解答順序解説を表示する手順が含まれることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の対話型教材作成支援プログラム。
【請求項7】
入力画面表示処理は、設問に必要な静止画,動画等の画像を指定する画像指定欄を表示し、前記表示処理手順には、前記設問と併せて前記画像を表示部に表示する手順が含まれることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の対話型教材作成支援プログラム。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載された対話型教材作成支援プログラムを実行する処理装置と、その対話型教材作成支援プログラムを実行することによって生成したデータファイル及び表示制御ファイルを記憶した記憶装置とを有することを特徴とする教材作成装置。
【請求項9】
請求項8に記載した教材作成装置が、電気通信回線を介してサーバ装置に接続されており、その教材作成装置の処理装置に、データファイル及び表示制御ファイルをサーバ装置に送信するファイル送信処理を行わせることを特徴とする対話型教材作成システム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の対話型教材作成支援プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータにより読み取り可能な記録媒体。
【請求項11】
各種のデータを入力するための入力部と、表示部とを備えた教材作成装置によって対話型教材作成支援プログラムを実行することにより作成された対話型教材であって、
設問群を入力する設問群入力欄,各設問の設問文を入力する設問文入力欄,設問に対する解答群を入力する解答群入力欄とともに、少なくとも選択された解答に関連する事項を入力する解答関連事項入力欄にそれぞれ入力された設問群,設問文,解答群及び少なくとも選択された解答に関連する事項を含む入力データに基づいて作成されたデータファイルと、このデータファイルに基づき、設問群,設問文,解答群を表示部に表示して、その表示された解答群から解答を選択するよう促す表示処理手順,選択された解答に関連する事項を表示する表示処理手順を含む表示制御ファイルとを有していることを特徴とする対話型教材。
【請求項12】
請求項11に記載の対話型教材は、独立して実行可能な実行可能ファイルにして形成されていることを特徴とする対話型教材。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の対話型教材を記録したことを特徴とするコンピュータにより読み取り可能な記録媒体。
【請求項14】
各種のデータを入力するための入力部と、表示部とを備えた1又は2以上のクライアント側コンピュータが、電気通信回線を介してホスト側コンピュータに接続されており、
上記ホスト側コンピュータには、設問群を入力する設問群入力欄,各設問の設問文を入力する設問文入力欄,設問に対する解答群を入力する解答群入力欄とともに、少なくとも選択された解答に関連する事項を入力する解答関連事項入力欄を表示部に表示し、それら各欄にデータを入力させる入力画面表示処理と、入力された前記データに基づいてデータファイルを作成するデータファイル作成処理と、前記データファイルに基づき、設問群,設問文,解答群を表示して、その表示された解答群から解答を選択するよう促す表示処理手順,選択された解答に関連する事項を表示する表示処理手順を含む表示制御ファイルを作成する表示制御ファイル作成処理とを行わせるための対話型教材作成支援プログラムが、上記クライアント側コンピュータから実行可能に設定されていることを特徴とする対話型教材作成システム。
【請求項15】
ホスト側コンピュータには、対話型教材の作成に供する素材が、クライアント側コンピュータから利用可能に蓄積されるようになっており、
クライアント側コンピュータに、対話型教材の作成に必要な素材をホスト側コンピュータにアップロードする素材アップロード手段を設けたことを特徴とする請求項14に記載の対話型教材作成システム。
【請求項16】
対話型教材の作成を許された者であることを示す識別情報毎に、対話型教材を蓄積するための個別サーバ領域がホスト側コンピュータに形成されており、
そのホスト側コンピュータに、クライアント側コンピュータから入力された識別情報が対話型教材の作成を許された者であることを示すものか否かを判別する識別情報判別手段と、
その識別情報が対話型教材の作成を許された者であると判別したときには、クライアント側コンピュータから入力された識別情報に対応する個別サーバ領域への接続のみを許容する接続許容手段とを設けていることを特徴とする請求項14又は15に記載の対話型教材作成システム。
【請求項17】
対話型教材の作成を許された者であることを示す識別情報が、これに対応する個別サーバ領域とともに、これとは異なる他の個別サーバ領域に関連付けられており、
上記識別情報が対話型教材の作成を許された者であると判別したときには、その識別情報に対応する個別サーバ領域及び関連付けられている他の個別サーバ領域への接続が許容されることを特徴とする請求項16に記載の対話型教材作成システム。
【請求項18】
ホスト側コンピュータには、対話型教材の使用を許された者であることを示す識別情報に対応して、対話型教材を蓄積する共通サーバ領域が形成されており、
そのホスト側コンピュータに、クライアント側コンピュータから入力された識別情報が対話型教材の使用を許された者であることを示すものか否かを判別する識別情報判別手段と、その識別情報が対話型教材の使用を許された者であると判別したときには、上記共通サーバ領域への接続のみを許容する接続許容手段を設けたことを特徴とする請求項14〜17のいずれかに記載の対話型教材作成システム。
【請求項19】
ホスト側コンピュータには、対話型教材の使用を許された者であることを示す識別情報に対応して、複数の対話型教材を蓄積する共通サーバ領域が形成されているとともに、それら複数の対話型教材がグループ化されており、
そのホスト側コンピュータに、クライアント側コンピュータから入力された識別情報が対話型教材の使用を許された者であることを示すものか否かを判別する識別情報判別手段と、
その識別情報が対話型教材の使用を許された者であると判別したときには、上記共通サーバ領域内の一のグループ化された複数の対話型教材への接続のみを許容する接続許容手段を設けたことを特徴とする請求項14〜17のいずれかに記載の対話型教材作成システム。
【請求項20】
請求項16〜19のいずれかに記載の個別サーバ領域に蓄積された対話型教材を共通サーバ領域に複製する複製手段を、ホスト側コンピュータに設けたことを特徴とする対話型教材作成システム。
【請求項21】
設問群を入力する設問群入力欄,各設問の設問文を入力する設問文入力欄,設問に対する解答群を入力する解答群入力欄とともに、少なくとも選択された解答に関連する事項を入力する解答関連事項入力欄を表示部に表示し、それら各欄にデータを入力させる入力画面表示処理と、入力された前記データに基づいてデータファイルを作成するデータファイル作成処理と、前記データファイルに基づき、設問文,解答群を表示して、その解答群から解答を選択するよう促す表示処理手順,選択された解答に関連する事項を表示する表示処理手順を含む表示制御ファイルを作成する表示制御ファイル作成処理とを行わせる対話型教材作成支援プログラムをホスト側コンピュータに実行可能に設定しておき、
クライアント側コンピュータから入力された識別情報に基づき、そのクライアント側コンピュータを電気通信回線を介してホスト側コンピュータに接続し、対話型教材作成支援プログラムを実行することにより対話型教材を作成することを特徴としている対話型教材作成方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−163357(P2006−163357A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−244544(P2005−244544)
【出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(504179255)国立大学法人 東京医科歯科大学 (228)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】