説明

対話型活動装置で使用する標的

【課題】着用者の動きを追跡する際に対話型ゲームを支援するために着用できる服装品を提供する。
【解決手段】服装品101は、対象の位置の変化を検出するための1台以上のカメラ205または他の検出装置を使用する対話型ゲームによって容易に追跡できるデザイン、パターンまたは反射性材料で形成された1つ以上の追跡マーク103を含むことができる。服装品101は例えば帽子、シャツ、ジャケット、ズボン、手袋および靴などの形態を取ることができる。別途着用しなければならない特殊用途の装置を使用するのではなく、服装品101に追跡マーク103を備えたことにより、プレーヤーは対話型ゲームで遊ぶ際に、より自然な感覚を楽しむことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着用することができ、着用者を識別しまたは着用者の動きを追跡するために検出可能な追跡用標的の使用に関する。本発明の様々な局面を、特に装置の動作が着用者の動きに応じて制御される対話型ゲームまたは訓練装置での使用に応用することが可能である。また本発明の様々な局面を、情報を着用者と関連づけるために使用することもできる。
【背景技術】
【0002】
近年コンピュータがますます高度かつ高性能になっている。コンピュータの能力が増大するにつれて、ユーザーの識別またはユーザーの身体運動の検出に基づいてフィードバックを行うバーチャルリアリティ装置が普及している。これらの装置をここでは対話型活動装置(インタラクティブアクティビティデバイス)と呼ぶことにするが、その中には例えば、ユーザーがゲームの目標を達成するために自分の腕、脚、頭または全身の位置を移動するような対話型電子ゲームが含まれる。対話型活動装置にはまた、広範囲のスポーツ選手または労働者の望ましいスキルを向上させるために使用される対話型電子訓練装置が含まれる。例えばある種の対話型電子訓練装置で用いると、ユーザーは身体のある部分の特定の動きを練習してそれに対するフィードバックを受け取り、自分が望ましい仕方で動いているかどうかを知ることができる。
【0003】
対話型活動装置の普及は進んでいるが、これらの装置を利用するためにユーザーが使用するツールは依然としてかなり原始的なものである。そのため多くの対話型活動装置において、装置がユーザーの位置を追跡するために、扱いにくく、場合によっては不快感を与える付属品をユーザーが着用する必要がある。例えばある対話型活動装置は、赤外線を反射するために前面に目立つ反射板を備えたベルトをユーザーが着用することを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の様々な実施形態が、対話型活動装置のユーザーが簡便かつ快適に使用でき、しかも対話型装置によって正確に検出できる追跡用標的を有利に提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の一局面に係る発明は、対話型活動装置で追跡マークを認識するための方法であって、着用品に表示された追跡マークを映すためのカメラを含む前記対話型活動装置を提供することと、前記カメラからの画像を受け取り、前記画像中の前記追跡マークを識別するための追跡マーク認識モジュールを提供することと、前記追跡マーク認識モジュールを用いて、前記カメラによって提供された前記画像から、前記着用品に表示された前記追跡マークを認識することと、前記対話型活動装置が、前記追跡マーク認識モジュールによる前記追跡マークの認識に基づく機能の少なくとも1つの特徴によって、前記対話型活動装置の動作を行うこととを含み、前記追跡マークは、前記着用品上で、隠蔽状態と露出状態との間で変換可能であり、前記隠蔽状態の前記追跡マークは、前記着用品の外側に、視認可能なようには露出しておらず、前記露出状態の前記追跡マークは、前記着用品の前記外側に、視認可能なように露出しており、前記隠蔽状態の前記追跡マークの画像は、前記追跡マーク認識モジュールによって受け取られず、これにより、前記隠蔽状態の前記追跡マークは、前記追跡マーク認識モジュールによって、識別されず、認識されず、前記露出状態の前記追跡マークの画像は、前記追跡マーク認識モジュールによって受け取られ、これにより、前記露出状態の前記追跡マークは、前記追跡マーク認識モジュールによって、識別され、認識されることを特徴とする方法である。
【0006】
前記認識することは、前記追跡マークから定性情報を認識することを含んでもよく、この場合、前記動作を行うことは、前記追跡マークからの前記定性情報を認識したことに応答して、前記機能の特徴による前記動作を行うことを含んでもよい。
前記定性情報は、指示として認識されてもよい。
前記指示は、前記対話型活動装置を止める指示と、前記対話型活動装置のタイプまたは特性を変更する指示と、前記対話型活動装置に英数字情報を入力する指示とよりなる群から選択されるものであってもよい。
【0007】
シルクスクリーニング、パッド印刷、熱転写、染料の昇華、染色、縫い込み、接着剤による接着、含浸、エッチング、ステープルによる取り付け、およびリベットによる取り付けよりなる群から選択される技術により、前記着用品の構造に、前記追跡マークが組み込まれていてもよい。
前記着用品は、履き物、シャツ、ズボン、ジャケット、ショーツ、ソックス、帽子およびバンドよりなる群から選択されるものであってもよい。
【0008】
前記追跡マークは、前記追跡マーク認識モジュールによって認識され得る色を有していてもよい。
前記追跡マークは、前記追跡マーク認識モジュールによって認識され得る形状を有していてもよい。
前記追跡マークは、前記追跡マーク認識モジュールによって認識され得る反射性を有していてもよい。
【0009】
前記追跡マーク認識モジュールは、種類の異なる追跡マークを認識し得るものであってもよい。
前記追跡マークは、電磁放射の1種以上の周波数に渡る信号を送信する電子装置を含んでもよい。
前記信号は、光の信号、赤外線信号、および電波信号よりなる群から選択されるものであってもよい。
【0010】
前記着用品は、スピードおよび/または方向を検出するための少なくとも1つの加速度計を含んでもよい。
前記少なくとも1つの加速度計には、当該少なくとも1つの加速度計によって検出された情報を送信するための送信機が接続されていてもよい。
前記対話型活動装置の対話型活動は、コンピュータゲームを含んでもよい。
【0011】
前記動作を行うことは、前記追跡マーク認識モジュールによる前記追跡マークの認識に基づいて、新しいゲームを開くことを含んでもよい。
前記動作を行うことは、前記追跡マーク認識モジュールによる前記追跡マークの認識に基づいて、ユーザの前記追跡マークに結びついたゲームの好みにアクセスすることを含んでもよい。
【0012】
前記コンピュータゲームは、ユーザに、ネットワーク上で、第二のユーザと遊ぶゲームにアクセスさせるものであってもよい。
本発明のいくつかの実施形態は、服装品の上に表示された追跡マークの形態を取った追跡用標的を含む服装品を採用する。前記服装品は、前記追跡用標的が部分的または完全に隠されている1つの形態から、前記追跡マークが対話型活動装置によって検出できるように目立つ形で表示される別の形態に変換することができる。その代わりに、またはそれに追加して前記服装品は、対話型活動装置に対しては良く反射して見えるが、普通に見た場合には余り反射して見えない材料で作られた、追跡マークの形態の追跡用標的を含んでいてもよい。
【0013】
本発明の更に別の実施形態は、ユーザーの動きを検出するための電子的な標的を備えた服装品を含んでいてもよい。例えば服装品は、ユーザーがある表面を踏んだこと、または履き物が表面に加えた圧力の程度、またはその両方を示す加速度計を備えた履き物であってもよい。更にあるタイプの電子標的は光、赤外線または超音波信号のような電磁気信号を発射してその位置(およびユーザーの身体部分の位置)を対話型活動装置に示す。更にまたある種の電子標的は、例えば電波による3角測量を利用してその位置を求め、次にその位置(およびユーザーの身体部分の位置)を対話型活動装置に送信することができる。
【0014】
本発明の上記の要約および以下で詳細に説明する好適な実施形態は、本発明の特許請求の範囲に関して限定的ではなく単なる例としてここに含める添付の図面を参照しながら読むことにより、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の1つの実施形態による追跡マークを使用する服装品を示す。
【図2】図1に示した服装品を対話型コンピュータゲームと共に使用している状況を示す。
【図3A】本発明の別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特にシャツの前面の立面図であり、前記服装品が隠された状態を示す。
【図3B】図3Aに示した服装品の袖の第一の部分的な斜視図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図3C】図3Aに示した服装品の袖の第二の部分的な斜視図であり、露出状態の前記服装品を示す。
【図4】本発明の更に別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特にシャツの前面の立面図である。
【図5A】本発明の別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特にシャツの前面の立面図である。
【図5B】図5Aに示した服装品の袖の第一の部分的な斜視図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図5C】図5Aに示した服装品の袖の第二の部分的な斜視図であり、露出状態の前記服装品を示す。
【図5D】本発明の別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特にズボンの前面の立面図を示す。
【図6A】本発明の更に別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特にシャツの第一の前面の立面図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図6B】図6Aに示した服装品の第二の前面の立面図であり、露出状態の前記服装品を示す。
【図6C】本発明の別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特にズボンの第一の前面の立面図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図6D】図6Cに示した服装品の第二の前面の立面図であり、露出状態の前記服装品の一方の脚の部分を示す。
【図7A】本発明の更に別の実施形態による2つのタイプの服装品、特に追跡マークを装着したシャツおよび追跡マークを装着したズボンの前面の立面図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図7B】図7Aに示した服装品の袖の第一の部分的な斜視図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図7C】図7Aに示した服装品の袖の第二の部分的な斜視図であり、露出状態の前記服装品を示す。
【図8A】本発明の別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特にドレスの前面の立面図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図8B】図8Aに示した服装品の斜視図であり、露出状態の前記服装品を示す。
【図9A】本発明の更に別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特にシャツの第一の前面の立面図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図9B】図9Aに示した服装品の袖の第一の部分的斜視図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図9C】図9Aに示した服装品の袖の第二の部分的斜視図である。
【図9D】図9Aに示した服装品の袖の第三の部分的斜視図であり、露出状態の前記服装品を示す。
【図9E】図9Aに示した服装品の第二の前面の立面図であり、露出状態の前記服装品を示す。
【図10A】本発明の更に別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特にシャツの第一の前面の立面図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図10B】図10Aに示した服装品の袖の第一の部分的斜視図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図10C】図10Aに示した服装品の袖の第二の部分的斜視図である。
【図10D】図10Aに示した服装品の袖の第三の部分的斜視図であり、露出状態の前記服装品を示す。
【図10E】図10Aに示した服装品の第二の前面の立面図であり、露出状態の前記服装品を示す。
【図11A】本発明の更に別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特にシャツの前面の立面図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図11B】図11Aに示した服装品の前面の立面図であり、露出状態の前記服装品を示す。
【図12A】本発明の更に別の実施形態による2つのタイプの服装品、特に追跡マークを装着したシャツおよび追跡マークを装着したズボンの前面の立面図であり、隠蔽状態の前記2つのタイプの服装品を示す。
【図12B】図12Aに示した2つのタイプの服装品の前面の立面図であり、露出状態の前記2つのタイプの服装品を示す。
【図13A】本発明の更に別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特にシャツの第一の前面の立面図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図13B】図13Aに示した服装品の第二の前面の立面図であり、露出状態の前記服装品の一方の袖を示す。
【図13C】本発明の別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特にズボンの第一の前面の立面図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図13D】図13Cに示した服装品の第二の前面の立面図であり、露出状態の前記服装品の一方の脚の部分を示す。
【図14A】本発明の更に別の実施形態による2つのタイプの服装品、特に追跡マークを装着したシャツおよび追跡マークを装着したズボンの斜視図である。
【図14B】図14Aに示した服装品の袖の部分的斜視図であり、前記袖が露出した状態を示す。
【図14C】図14Aに示した服装品の脚の部分の部分的斜視図であり、前記脚の部分が露出した状態を示す。
【図15A】本発明の更に別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特にシャツの前面の立面図である。
【図15B】図15Aに示した服装品の袖の第一の部分的斜視図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図15C】図15Aに示した服装品の袖の第二の部分的斜視図であり、露出状態の前記服装品を示す。
【図16A】本発明の更に別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特にシャツの第一の斜視図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図16B】図16Aに示した服装品の第二の斜視図である。
【図16C】図16Aに示した服装品の第三の斜視図であり、露出状態の前記服装品を示す。
【図17A】本発明の更に別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特に靴の斜視図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図17B】図17Aに示した服装品の側面の立面図であり、露出状態の前記服装品を示す。
【図18A】本発明の別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特に靴の第一の斜視図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図18B】図18Aに示した服装品の第二の斜視図であり、露出状態の前記服装品を示す。
【図19A】本発明の更に別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特に靴の第一の斜視図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図19B】図19Aに示した服装品の第二の斜視図である。
【図19C】図19Aに示した服装品の第三の斜視図であり、露出状態の前記服装品を示す。
【図20A】本発明の別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特に靴の第一の側面の立面図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図20B】図20Aに示した服装品の第二の側面の立面図であり、露出状態の前記服装品を示す。
【図21A】本発明の別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特にソックスの第一の側面の立面図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図21B】図21Aに示した服装品の第二の側面の立面図であり、露出状態の前記服装品を示す。
【図22A】本発明の更に別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特にソックスの第一の斜視図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図22B】図22Aに示した服装品の第二の斜視図であり、露出状態の前記服装品を示す。
【図23A】本発明の更に別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特に帽子の第一の側面の立面図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図23B】図23Aに示した服装品の斜視図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図23C】図23Aに示した服装品の第二の側面の立面図であり、露出状態の前記服装品を示す。
【図24A】本発明の更に別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特に帽子の第一の側面の立面図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図24B】図24Aに示した服装品の斜視図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図24C】図24Aに示した服装品の第二の側面の立面図であり、露出状態の前記服装品を示す。
【図25A】本発明の更に別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特にズボンの前面の立面図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図25B】図25Aに示した服装品の第一の斜視図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図25C】図25Aに示した服装品の第二の斜視図である。
【図25D】図25Aに示した服装品の第三の斜視図であり、露出状態の前記服装品を示す。
【図25E】本発明の更に別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特にシャツの前面の立面図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図25F】図25Eに示した服装品の背面の立面図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図25G】図25Eに示した服装品の袖の斜視図であり、露出状態の前記服装品を示す。
【図26A】本発明の更に別の実施形態による2つのタイプの服装品、特に追跡マークを装着したシャツおよび追跡マークを装着したズボンの斜視図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図26B】図26Aに示した服装品の袖の第一の部分的斜視図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図26C】図26Aに示した服装品の袖の第二の部分的斜視図であり、露出状態の前記服装品を示す。
【図27A】本発明の更に別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特にバンドの第一の斜視図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図27B】図27Aに示した服装品の第二の斜視図である。
【図27C】図27Aに示した服装品の第三の斜視図であり、露出状態の前記服装品を示す。
【図28A】本発明の更に別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特にバンドの第一の斜視図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図28B】図28Aに示した服装品の側面の立面図である。
【図28C】図28Aに示した服装品の第二の斜視図であり、露出状態の前記服装品を示す。
【図29A】本発明の別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特にバンドの斜視図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図29B】図29Aに示した服装品の上面図であり、露出状態の前記服装品を示す。
【図30A】本発明の別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特にバンドの斜視図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図30B】図30Aに示した服装品の側面の立面図であり、露出状態の前記服装品を示す。
【図31A】本発明の更に別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特にバンドの第一の斜視図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図31B】図31Aに示した服装品の第二の斜視図である。
【図31C】図31Aに示した服装品の第三の斜視図であり、露出状態の前記服装品を示す。
【図32A】本発明の更に別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特にバンドの第一の斜視図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図32B】図32Aに示した服装品の第二の斜視図である。
【図32C】図32Aに示した服装品の第三の斜視図であり、露出状態の前記服装品を示す。
【図33A】本発明の更に別の実施形態による追跡マークを装着した服装品、特にバンドの第一の斜視図であり、隠蔽状態の前記服装品を示す。
【図33B】図33Aに示した服装品の追加のバンドの第二の斜視図である。
【図33C】図33Aに示した服装品の第三の斜視図である。
【図33D】図33Aに示した服装品の第四の斜視図であり、露出状態の前記追加のバンドを示す。
【図34A】本発明の更に別の実施形態による服装品、特に追跡マークを装着したズボンおよび追跡マークを装着したバンドの前面の立面図であり、露出状態の前記ズボンの一方の脚の部分を示す。
【図34B】図34Aに示したバンドの第一の斜視図である。
【図34C】図34Aに示したバンドの第二の斜視図である。
【図35】本発明の様々な実施形態による追跡マークを備えた服装品を製造する方法を説明するフローチャートである。
【図36】本発明の様々な実施形態による対話型装置と組み合わせたカメラの使用を示す。
【図37】逆反射の作用の図式的な表現である。
【図38】本発明の更に別の実施形態で使用されるカメラを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の様々な実施形態において使用できる追跡マークの形態での複数の追跡用標的を使用する1着の服装品(アパレル)の一例を示す。この図から分かるように、シャツ101は胸の追跡マーク103、左袖口の追跡マーク105および右袖口の追跡マーク107を含む。これらの追跡マーク103〜107の各々は、図1に示した十字型のように見分けやすい外見を有していてもよい。更に各追跡マーク103〜107はシャツ101の前面(つまりシャツ101を着たユーザーの前面)に向かい、着用者が使用する対話型活動装置の1つ以上のカメラが捉えた映像の中に追跡マーク103〜107が現れるようにする。
【0017】
図示した実施形態では、シャツ101の追跡マーク103〜107以外の残りの部分は、追跡マーク103〜107とシャツ101の残りの部分との間のコントラストを良くするために、追跡マーク103〜107とは異なる色とすることができる。例えば追跡マーク103〜107は明るい白で、シャツ101の残りの部分は濃い青、茶または黒とすることができる。追跡マーク103〜107とシャツ101の背景との間のこの強いコントラストは、カメラを使用する対話型活動装置が追跡マーク103〜107をシャツ101の背景から識別する助けになる。更に追跡マーク103〜107の見分けやすい十字形が、これらのマーク103〜107を認識しシャツ101の背景から識別する上で適切にプログラムされた対話型活動装置の助けとなり得る。例えばカメラ(1台または複数)が撮影した他の形状から十字型を識別するように対話型活動装置がプログラムされている場合、十字型の追跡マーク103〜107は有用である。
【0018】
当業者であれば理解できるように、追跡マーク103〜107は様々な方法を使用してシャツ101に適用できる。例えば追跡マーク103〜107はシャツ101に縫いつけ、任意の適切な接着剤を使ってシャツ101に接着し、またはシャツ101の材料の中に織り込みもしくは編み込むことができる。更に追跡マーク103〜107はパッド印刷技術を使用してシャツ101に印刷することができる。追跡マーク103〜107はまた、シャツ101に熱転写し、シャツ101に染料を昇華し、または単純にシャツ101の材料を染色してもよい。更に、追跡マーク103〜107をシャツ101上に糊付けし、例えば熱形成によりシャツ101に染料を含浸させ、またはシャツ101の材料内に食刻(エッチング)してもよい。更にまた、追跡マーク103〜107はピン、止め針(ステープル)またはリベットのような任意の適切な固定メカニズムを使用して、機械的に恒久的に取り付けてもよい。またそれが望ましいときは、各追跡マーク103〜107をそれぞれ異なる方法を使用してシャツ101に適用することもできることも理解できるはずである。例えば、胸の追跡マーク103はシャツ101に縫いつけ、左袖口および右袖口の追跡マーク105,107はシャツ101の袖にシルクスクリーンで転写することもできる。
対話型活動装置での追跡マークの使用
本発明の1実施形態によるシャツ101の使用方法を図2に示す。この図でわかるように、ユーザー201はシャツ101を身につけ、図示の実施形態の場合は対話型ゲームである対話型活動装置203の前に立つ。もっと具体的には、ユーザー201は対話型コンピュータゲーム203に対して規定されたプレー領域の中に立つ。対話型コンピュータゲーム203は1対のビデオカメラとディスプレーモニター207とを含む。対話型コンピュータゲーム203は処理装置209をも含む。処理装置209は追跡マーク認識モジュール211と応答モジュール213とを有する。追跡マーク認識モジュール211は、カメラ205からの映像を受け取る。これらの映像から、追跡マーク認識モジュール211はカメラ205の視野内にある1つ以上の追跡マークを認識し、認識された追跡マークの動きがもしもあればそれを判定する。
【0019】
例えば追跡マーク認識モジュール211は、カメラ205で得られた映像内の特定の色を有するピクセルを、その映像内の他の色のピクセルから識別することにより、追跡マークを認識するアルゴリズムを採用することができる。あるいはその代わりに、追跡マーク認識モジュール211は、追跡マークに対応するピクセルの明るさをカメラ205で得られた映像内の他のピクセルから識別することにより、追跡マークを認識することもできる。更にまた認識モジュール211は、特定の形状に構成された比較的一様な明るさ、陰影または色のピクセルを識別することにより、追跡マークを認識することもできる。このようにして対話型活動装置は、十字型に構成された追跡マークに対応するピクセルを、別の形状に構成された類似の色、明るさまたは陰影のピクセルから認識することができる。
【0020】
追跡マーク認識モジュール211が1個以上の追跡マークを認識すると、それは次に認識された追跡マークの動きを判定する。認識された追跡マークの動きを判定するアルゴリズムは当該技術で周知のものであり、従ってここでは詳しく述べない。例えば追跡マーク認識モジュール211は、撮像された追跡マークの3次元的な位置を求めるための「シティブロック」方法を使用することができる。この方法は追跡マークの全面積について、カメラ205で得られた画像内のマーク上の特定箇所の位置を、別のカメラ205で同時に得られた画像内の追跡マーク上の同じ箇所の位置と比較する。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態では、追跡マーク認識モジュール211は更に追跡マークの検出された動きから、ユーザーの手足の動きも判定する。例えば逆運動解析を利用して、追跡マーク認識モジュール211は1つの追跡マーク(ユーザーの手首に装着)の別の固定した追跡マーク(ユーザーの肘に装着)の周囲での回転の検出結果に基づいて、ユーザーが右前腕を動かしたと判定できる。逆運動解析の利用も当該技術で周知のものであるからここでは詳しく述べない。
【0022】
追跡マークの検出された動きに基づいて、応答モジュール213は次に対応する応答をモニター207上に表示する。例えば対話型活動装置は対話型ゲームであってもよい。ゲームの目的が、バーチャルなサッカーボールがバーチャルなゴールに入るのをブロックするためにプレーヤーが自分の位置を決めることであれば、追跡マーク103〜107のいずれかの運動によりその追跡マークがバーチャルなサッカーボールとバーチャルなゴールとの間の位置に来るかどうかを、応答モジュール213が判定する。追跡マーク103〜107の1つがバーチャルなサッカーボールとバーチャルなゴールとの間のバーチャルな位置に来たと応答モジュール213が判定すると、応答モジュール213はプレーヤー201から離れる方向に動くサッカーボールを表示して、プレーヤーがうまくボールをブロックしたことを示すことができる。一方、追跡マーク103〜107の運動によりバーチャルなサッカーボールとバーチャルなゴールとの間に追跡マークが入らなかったと応答モジュール213が判定すると、応答モジュール213はプレーヤー201がバーチャルサッカーゲームで相手に得点を許したことを示すスコア表示器に表示させる。
【0023】
本発明の様々な実施形態において、追跡マーク認識モジュール211は1個以上の追跡マークから定性的な情報を認識できると言うことに注意すべきである。従ってユーザーは、特定の番号またはパターンのような特殊な追跡マークを表示する服装品を着用できる。この番号またはパターンを認識すると、追跡マーク認識モジュール211は対話型活動装置の動作に1つ以上の特別な機能を与えることができる。
【0024】
例えば、対話型活動装置203がバーチャルサッカーのゴールブロックゲームである場合、ユーザーは、ゴールで高いシュートをブロックするのが特に上手なサッカープレーヤーの番号を付けたシャツを着用してもよい。追跡マーク認識モジュール211がその番号を認識すると、ゲーム203はバーチャルゴールへの高いバーチャルシュートをうまくブロックする上でのユーザーの要件を緩和することができる。あるいはまた、重りを手に有するかまたは身体に取り付けてエクササイズをユーザーが行うのを補助する訓練プログラムを対話型活動装置203が提供する場合は、追跡マーク認識モジュール211は重りの重量をその色から認識することができ、ゲーム203はそれに従って訓練プログラムを調整することができる。
【0025】
更にまた、対話型活動装置203はその定性的な情報を利用して、対話型活動装置203の様々な機能に着用者がアクセスするのを可能にし、または着用者による当該アクセスを禁止することができる。例えば対話型活動装置203がゲームである場合は、装置203は特定の追跡マークを付けた着用者に特定のゲーム環境(これは特定のゲーム「レベル」を含んでもよい)へのアクセスを許すことができる。更に装置203は着用者に、着用者のマークに対する集計へのアクセスを許すことができる。従ってゲームが例えばバスケットボールのシミュレーションゲームであれば、特定のプロバスケットボール選手のユニフォーム番号に対応する追跡マークを着用すれば、着用者は自分自身のゲームの集計結果および/またはそのプロバスケットボール選手の実際の成績の集計にアクセスすることができる。
【0026】
また追跡マークからの定性的な情報を使用して、着用者が行っているゲーム内でゲームを開くこともできる。このように、特定の追跡マークをつけたゲームプレーヤーは、そのマークを使って、自分が現在すでに行っているゲームの中に組み込まれた別のタイプの電子ゲームを開くことができる。特定の追跡マークをつけたゲームプレーヤーは例えば、自分が現在すでに行っているゲームの中に組み込まれた新しいゲームをあらかじめ見ることができる。更に追跡マークを使って、ネットワーク上で特定のプレーヤーと遊ぶゲームにアクセスし、または着用者の追跡マークと結びついた好みのゲームもしくは事前に保存された他の情報にアクセスすることもできる。
【0027】
更に対話型活動装置203は、特定の追跡マークを身につけた人に、例えば追跡マークによって表される定性的情報に基づいて、特定のネットワークサイト(インターネットのページなど)へのアクセスを許すことができる。この場合も、対話型活動装置203がゲームである場合は、特定の追跡マークを付けたユーザーは、そのマークが表す定性的情報を利用して、特定のゲームグループまたは他のゲームプレーヤーに対応するネットワークサイトにアクセスすることができる。
【0028】
これらの実施形態のうちのいくつかでは、対話型活動装置203は、かかる定性的な情報を得るためだけに追跡マークを使用することもできる。すると、ゲーム203は、通常の赤外線、可視光または音による位置決めおよび運動検出テクニックなど、追跡マークによる以外の方法を使ってユーザーの位置または動きを判定する。
定性的情報を受動的に提供することに加えて、追跡マークは移動したときに定性的情報を提供することもできる。例えば追跡マーク認識モジュール211は1つ以上の追跡マークの特定の動きまたは運動を、文字情報または指示情報として認識することができる。そのため本発明の実施形態のうちのいくつかでは、ユーザーは1つ以上の追跡マークの特定の運動を起こし、そして追跡マーク認識モジュールはこれらの運動を、例えばゲームを終わらせる、ゲームのタイプもしくは特性を変更する、英数字情報を入力する、またはその他の定性的情報を提供するなどの指示として認識する。
追跡マークを装着した服装品
シャツ101上の様々な追跡マーク103〜107は、外部に配設され、プレーヤー201がシャツ101を着用すると一般に露出されることになる。上で述べたように、追跡マーク103〜107はシャツ101の他の部分に対して比較的高いコントラストを有するように形成でき、または追跡マーク103〜107は例えば特定の形状、色もしくは反射率を有するように形成できる。追跡マーク103〜107は従って、シャツ101の目立つ特徴となりうる。そのため、プレーヤー201が対話型コンピュータゲーム203で遊んでいないか、またはプレーヤー201が公共の場所にいるときは、シャツ101に比較的通常の外観を与えるために、プレーヤー201は追跡マーク103〜107を隠すことを選択できる。
【0029】
そのうえ、プレーヤー201が対話型コンピュータゲーム203のプレー領域内にいるときは、追跡マーク103〜107の位置はコンピュータゲーム203によって検出および追跡される。ある状況の下では、追跡マークを装着した服装品を着た他の個人もプレー領域内にいる可能性がある。しかし当該他の個人は対話型コンピュータゲーム203によって検出されずにいたいと思うかも知れない。例えば他の個人は、対話型コンピュータゲーム203に参加する準備をしているかも知れず、または他の個人はディスプレーモニター207を見て、対話型コンピュータゲーム203によって課せられた様々な課題を解決して進むプレーヤー201の能力を評価しようとするかもしれない。他の個人がプレー領域内にいる場合、他の個人の服装品上の追跡マークが対話型コンピュータゲーム203によって誤って検出されてしまい、その結果プレーヤー201のゲームプレーに影響を与える可能性がある。そこで、他の個人は対話型コンピュータゲーム203による誤検出を制限するために、様々な追跡マークを隠したいと考える可能性がある。
【0030】
以下では、着用品および少なくとも1つの追跡マークの形態を有する追跡用標的をそれぞれ含む様々なタイプの服装品を開示する。前記着用品は本発明の様々な実施形態の範囲内で大幅に異なるものであってもよく、例えばシャツ、ズボン、ソックス、帽子およびリストバンドを含み、また前記着用品は、追跡マークを選択的に隠して見えないようにし、または選択的に露出するように構成できる。そこでプレーヤー201または他の個人は公共の場所では追跡マークを隠し、または対話型コンピュータゲーム203によって検出されるのを防ぐために追跡マークを隠すことができる。同様に対話型コンピュータゲーム203による検出が望まれる場合は、プレーヤー201または他の個人は追跡マークを露出することもできる。
【0031】
対話型コンピュータゲーム203のいくつかの応用は、手の位置を検出することを要求する場合がある。例えばバレーボールの試合を模擬する用途では、バレーボールをセットまたはヒットするゲームプレーが含まれるであろう。そこで袖に取り付けた追跡マークと組み合わせたシャツの形態の服装品を使用して、対話型コンピュータゲーム203に腕または手の位置に関する正確なデータを与えることができる。シャツは胴の部分に配設された1つ以上の追跡マークも含み、対話型コンピュータゲーム203に身体の位置に関するデータを与えることができる。
【0032】
長袖シャツ301と1対の追跡マーク303とを有する服装品を図3A〜図3Cに示す。シャツ101では追跡マーク103〜107が、外部に配設されて、プレーヤー201がシャツ101を着たときに一般に露出されるのと異なり、個人は追跡マーク303を選択的に隠しまたは露出することができる。図3Aおよび図3Bを参照して、追跡マーク303はシャツ301の袖305内に配設され、それにより追跡マーク303が一般に目に見えず対話型コンピュータゲーム203によって検出できないように隠された状態にシャツ301を構成することができる。しかし図3Cでは、追跡マーク303の1つが袖305の一方の中に規定された複数の開口307を通して突出するように示してある。つまり図3Cはシャツ301が露出した状態を示し、そのとき追跡マーク303は露出され、一般に対話型コンピュータゲーム203によって検出可能である。
【0033】
袖305の各々は2層の同軸構成の材料で形成され、シャツ301が隠蔽された状態になっているときに追跡マーク303は各層の間に位置する。1対のタブ309が追跡マーク303に固定され、シャツ301を隠蔽された状態から露出した状態に変換するために使われる。各タブ309の端部が袖305の各々において手首の開口から延びている。シャツ301を隠蔽された状態から露出した状態に変換するには、個人はタブ309をつかんで外に向かって引っ張ることにより、追跡マーク303を手首の開口に向かって引き出し、追跡マーク303が外向きに曲がって開口307から突出するようにする。
【0034】
追跡マーク303は、複数の細長片が袖305の中で大略的に円形または円筒形の形状で配列された構造を有する。それに加えて追跡マーク303は、シャツ301が露出した状態のときは外側に向かって曲がり、シャツ301が隠蔽状態になるとほぼ平面の状態に戻るような材料で形成される。従って布、ゴムまたは各種ポリマー材料のような様々な柔軟な材料を使用して追跡マーク303を形成できる。追跡マーク303が対話型コンピュータゲーム203によって検出できることを保証するために、各追跡マーク303はシャツ301の他の部分に対して比較的高いコントラストを有するように形成でき、または各追跡マーク303は特定の色、パターン、形状もしくは反射率を有することができる。
【0035】
タブ309もまた、シャツ301が露出状態のときに追跡マーク303の検出可能な部分を形成し、それによって追跡マーク303の検出可能な全面積を増加することができる。隠蔽状態では図3Aおよび図3Bに示すように、タブ309の比較的小さな部分が手首の開口から外に延びる。しかし露出状態では図3Cに示すように、タブ309のかなり大きな部分が手首の開口から外に延びて手の一部を覆う。タブ309の端に形成された開口を指の回りに配置して、シャツ301を露出状態に保持することができる。個人がシャツ301を露出状態から隠蔽状態に変換しようとするときは、開口を指から外せば追跡マーク303は開口307内に戻ってほぼ隠された状態になる。
【0036】
図3A〜図3Cに示し上で説明されたように、追跡マーク303はシャツ301の手首の開口に隣接して配設される。服装品内に埋め込まれた追跡マークを選択的に隠蔽または露出するためにタブを利用するという一般的な考えは、シャツの他の部分、例えば肘の部分、肩の部分または胴にも適用できる。従って追跡マーク303の一般的な構造をシャツの他の部分に適用し、対話型コンピュータゲーム203に他の部分の位置に関するデータを与えることができる。更にまたこの一般的な構造は、ズボンのような他のタイプの服装品にも応用することができる。例えば追跡マーク303の一般的な構造をズボンの裾の開口に隣接する部位に適用して、対話型コンピュータゲーム203に足または足首の位置に関するデータを与えることができる。従って当業者であれば、シャツ303に関して開示した一般的構造が人体の様々な部位および様々なタイプの服装品に適用できることを理解するであろう。
【0037】
上で述べたことに基づいて、シャツ301と追跡マーク303とは隠蔽された状態から露出した状態に変換できる対話型ゲーム用服装品を提供する。隠蔽状態では、追跡マーク303は実質的に隠されて見えず、対話型コンピュータゲーム203によって検出できない。しかし露出状態では、追跡マーク303は露出して対話型コンピュータゲーム203によって追跡可能となる。以下、隠蔽された状態から露出した状態に変換できるその他の服装品について説明する。
【0038】
本発明による別のタイプの服装品で、シャツ401と追跡マーク403とを含むものを図4に示す。追跡マーク403は、シャツ401の右袖405および左袖407上に位置する。図4に示すように、右袖405は追跡マーク403の1つを実質的に隠す隠蔽状態にある。しかし左袖407は、追跡マーク403の1つが見えて対話型コンピュータゲーム203によって追跡可能である露出状態にある。
【0039】
袖405および407はアコーディオンのように伸縮する蛇腹構造を有している。蛇腹構造は、シャツ401の肩の部分の方とシャツ401の手首の開口の方とに交互に向く表面を有する。肩の部分に向いている各表面は、シャツ401の残りの部分とほぼ同様の色、組織および反射率のような特性を有するように形成されている。手首の開口に向いている各表面は、対話型コンピュータゲーム203によって検出および追跡可能な特性、例えばコントラスト、色、形状または反射率を有する追跡マーク403を含む。
【0040】
右袖405は図4では隠蔽状態で図示されている。そのため右袖405の蛇腹構造は圧縮されて、追跡マークを有する表面は見えないように隠され、他の表面は見えるようになされている。個人は右袖405の手首の開口を取り囲むストラップ409を使用して、右袖405を隠蔽状態に維持することができる。右袖405と違い、左袖407は図4では露出状態にあるとして図示されている。従って左袖407の蛇腹構造は伸びており、追跡マークを有する表面が露出して対話型コンピュータゲーム203によって追跡可能となる。個人は左袖407の手首の開口を取り囲むストラップ409を使用して、左袖407を隠蔽状態に維持することができる。
【0041】
シャツ401は、右袖407の上に配設された追跡マーク403を、左袖407の上に配設された追跡マーク403から独立に隠蔽または露出することができるように構成されている。当業者は、追跡マーク403を独立に隠蔽および露出できることが、対話型コンピュータゲーム203の具体的な応用にとって利点を有することを理解できるであろう。例えばボーリングのゲームを模擬する用途は、1つの追跡マーク403が検出可能であり、それにより対話型コンピュータゲーム203にボールをつかんで放る手だけに関するデータを供給する場合にのみ、最も効果的である。
【0042】
シャツ401を隠蔽された状態から露出した状態に変換するときは、袖405および407が半袖状態から長袖状態に効果的に変換される。言葉を換えればシャツ401を隠蔽された状態から露出した状態に変換するプロセスで、袖405および407の長さが増加する。図5A〜図5Cは同様の服装品、特に追跡マーク503を有するシャツ501であり、隠蔽された状態から露出した状態に変換する間に1対の袖505もまた長さが増加する。袖505は各々、アコーディオンのように伸縮する蛇腹構造を有している。図5Aおよび図5Bに示したように袖505が圧縮されると、追跡マーク503は隠される。図5Cに示したように袖505が伸びると、追跡マーク503は露出し、対話型コンピュータゲーム203によって追跡可能となる。
【0043】
1対の引きひも507および親指用開口509はそれぞれ、シャツ501を隠蔽状態および露出状態に保持するために使用される。引きひも507は袖505の周囲に延設され、通常の仕方で締め付けまたは緩めることができる。締め付けると引きひもは袖505が伸びるのを効果的に防止し、そしてシャツ501を露出状態にする。あるいは袖505内の弾力性のある要素またはストラップがシャツ501を隠蔽状態に保持することを防止できる。袖505が伸びて追跡要素503が露出すると、親指または他の指を各親指用開口509内に入れて袖505が収縮するのを防止する。従って親指用開口509を使用してシャツ501を露出状態に保持することができる。
【0044】
図5Dには、追跡マーク(図示せず)を有するズボン511としての同様の構造を有する服装品を示す。ズボン511の脚の部分は、シャツ501の袖505と同様の仕方で作用することによって拡大し、追跡マークを露出し、また収縮して追跡マークを隠す。シャツ501は親指用開口509を含んでシャツ501を露出した状態に保持するが、足の下で延びる1対のストラップをズボン511内で使用して、脚の部分を露出状態に保持する。
【0045】
シャツ601および追跡マーク603を有する服装品を図6Aおよび図6Bに示す。シャツ601は複数の開口607を規定する弾力性のある材料で形成されている袖605を含む。追跡マーク603は開口607の背後に配設されている。図6Aに示すように、シャツ601は隠蔽状態にあり、そのとき開口607は実質的に閉じており、追跡マーク603は対話型コンピュータゲーム203によって検出することができない。図6Bに示すように袖605が広げられると、袖605を形成する材料が拡大して開口607が開き、それにより追跡マーク603が露出する。袖605の各々の中に形成された親指用開口609もまた個人の指を受け入れて、袖605を拡大し露出した状態に保持することができる。個人がシャツ601を隠蔽状態に変化させたいときは、親指を親指用開口609から外せばよく、すると袖605の弾力性により図6Aに示したように開口607が閉じる。
【0046】
シャツ601の一般的な構造を有する別のタイプの服装品を図6Cおよび図6Dに、追跡マーク613を含むズボン611として図示する。図6Cに示す隠蔽状態では、2本の脚部分615が圧縮され、脚部分615内に規定された複数の開口617が閉じて追跡マーク613を隠す。図6Dでは脚部分615の一方が拡大して露出状態となり、追跡マーク613を露出する。各脚部分615は、ズボン611を露出状態に保持するために足の下に延設されたストラップ619を含む。
【0047】
図7A〜図7Cを参照して、シャツ701と追跡マーク703とを含む服装品が開示される。シャツ701は2層の同軸構成の材料で形成された袖705を含む。袖705の開口部に隣接して、最外層の材料は複数の開口707を含む。追跡マーク703は円筒形の構造を有し、袖705を形成する材料の各層の間に配設されている。図7Aおよび図7Bに示す隠蔽状態では、追跡マーク703は袖705の肘部分に位置し、開口707を通して見ることができない。シャツ701を隠蔽状態から露出状態に変換するには、個人は追跡マーク703を手首の開口に向かって移動し、それにより図7Cに示すように追跡マーク703を、開口707を通して露出させる。同様にシャツ701を露出状態から隠蔽状態に変換するには、追跡マーク703を開口707から離れるように移動する。シャツ701、および特に袖705を形成する材料は、追跡マーク703が開口707に隣接する位置に置かれたときに開口707を開くように伸展する弾力性のある材料であればよい。
【0048】
ズボン711および追跡マーク713を含む服装品も図7Aに開示されている。ズボン711はシャツ701と同じように作用する。従って追跡マーク713は両脚部分715を形成する材料の各層の間に配設されている。ズボン711を露出状態にするには、追跡マーク713を下向きにずらし、両脚部分715内に規定された複数の開口717の背後に位置させる。図8Aおよび図8Bに別のタイプの服装品、特に追跡マーク803を有するドレス801を示す。図8Aに示す隠蔽状態では、ドレス801の対向する両側に配設された1対のジッパー805が追加の材料と追跡マーク803とを隠している。ドレス801を隠蔽状態から露出状態に変換するには、ジッパー805を開いて追加の材料と追跡マーク803とを露出させる。
【0049】
図9A〜図9Eに示す別のシャツ901は取り外し可能な袖903を含む。袖903の各々はシャツ901の残りの部分とほぼ同様の色、生地および反射率のような特性を有する第一の表面905を含み、一般に対話型コンピュータゲーム203によって追跡可能ではない。袖903の各々はまた、対話型コンピュータゲーム203によって追跡可能な追跡マーク909を含む反対側の第二の表面907を含む。図9Aおよび図9Bに示す隠蔽状態では、袖903はシャツ901の手首、前腕および肘の部分を形成しており、第一の表面905は外側に面する。シャツ901を隠蔽状態から露出状態に変換するには、図9Cおよび図9Dに示すように袖905を手首の開口に向かって巻いていき、第二の表面907と追跡マーク909とを露出する。従って露出状態では図9Eに示すように、各々の袖903は手首の開口に向かって巻かれており、追跡マーク909は外側に面する。
【0050】
シャツ901は一般に、露出した袖905の表面を反転することにより隠蔽状態から露出状態に変換するように作用する。図10A〜図10Eは同じように作用する服装品で、シャツ1001と追跡マーク1003とを含むものを示す。シャツ1001は各々の袖に結びついた1対の袖口領域1005を含む。各袖口領域1005は材料が重なり合う部分と、前記重なり合う部分を互いに固定するファスナー1007とを含む。ファスナー1007は、例えばスナップ、ボタン、フックおよびループを備えたファスナー、または磁石による固定システムなどの構成をとることができる。図10Aおよび図10Bは、シャツ1001が隠蔽状態にあり、袖口領域1005が追跡マーク1003を隠すという、ほぼ従来の外観を示す状態を図示する。袖口領域1005は、シャツ1001が隠蔽状態のときは外側に面する第一の表面を有する。シャツ1001を隠蔽状態から露出状態に変換するには、図10Cおよび図10Dに示すようにファスナー1007および材料の重なり合った部分を切り離す。すると袖口領域1005は裏返しになって追跡マーク1003が露出する。この追跡マーク1003は第一の表面と反対側の第二の表面上に位置し、ファスナー1007はシャツ1001を図10Eに示された露出状態にするように固定しなおされる。シャツ1001を露出状態から隠蔽状態に変換するには、これと逆の手順を行う。
【0051】
シャツ1001は、胴の部分に配設されたフラップ1009も含む。フラップ1009の第一の表面はシャツ1001の他の部分と同様の特性を有するが、フラップ1009の第二の表面は対話型コンピュータゲーム203によって追跡可能な追跡マーク1011を含む。シャツ1001を隠蔽状態から露出状態に変換するには、フラップ1009を裏返して追跡マーク1011を露出する。ファスナー1007と同様のファスナーを使用して、フラップ1009を隠蔽状態または露出状態に固定できる。
【0052】
図11Aおよび図11Bは少なくとも2層の同軸状の材料で形成された1対の袖1103を有するシャツ1101を示す。各々の袖1103は内側層1107の上に延設された外側層を含む。図11Aに示す隠蔽された状態では、外側層1105が内側層1107を覆い、内側層1107上に配設された追跡マーク1109を隠す。シャツ1103を図11Bに示す露出状態に変換するには、外側層1105を袖1103の肘に向かってまくり上げ、内側層1107と追跡マーク1109とを露出する。更に各内側層1107は、親指の上に延びて内側層1107と追跡マーク1109とを手に関して固定する親指用開口を含むことができる。
【0053】
シャツ1101はまた、シャツ1101の胴の部分内に配設され開口1113を有するフラップ1111を含む。フラップ1111はシャツ1101の胴の部分の上に配設され他の追跡マーク1115を覆う。隠蔽状態では、フラップ1111は追跡マーク1115を覆い、プレーヤーの頭は開口1113を通って延びる。開口1113に隣接してシャツ1101の肩の部分上に配設された磁気ファスナーを使用して、フラップ1111を隠蔽状態に固定できる。露出状態では、フラップ1111を頭の上まで引き上げて、プレーヤーの右腕を開口1113に通し、それにより追跡マーク1115を露出する。
【0054】
シャツ1101を隠蔽状態から露出状態に変換するための一般的な操作は、材料を巻き上げまたは畳んで追跡マーク1109を露出することを含む。図12Aおよび12Bに示すシャツ1201とズボン1211とを含み、他のタイプの服装品でも同様の操作を使用できる。追跡マーク1203はシャツ1201の胴の部分1205に配設されている。胴の部分1205には、互いに同軸的に配列された外側層1207と内側層1209とが含まれる。隠蔽状態では、外側層1207が内側層1209の上に延び、追跡マーク1203を覆う。シャツ1201の隠蔽状態から露出状態への変換は外側層1207を下向きに折り返すことで行われ、それにより内側層1209と追跡マーク1203とを露出する。ズボン1211はシャツ1201と同様に作用する。一般に、ズボン1211の脚の領域に配設される追跡マーク1213は、各々追跡マーク1213の1つを含む内側層1219から離れるように外側層1217を折り返すことにより露出される。
【0055】
図13Aおよび図13Bには、シャツ1301および追跡マーク1303を含む別の服装品構造を示す。シャツ1301は、各々第一の表面1307と第二の表面1309とを有する1対の袖1305を含む。隠蔽状態では、第一の表面1307が外側に面して第一の表面1307が個人の腕に接触する表面を形成するように、下の袖1305が畳まれる。その結果、同軸状の2層を形成する材料の畳まれた要素から各袖1305が形成され、追跡マーク1303は隠蔽状態では自分自身の上に折り返された第二の表面1309の上に位置する。シャツ1301を隠蔽状態から露出状態に変換するためには、単に袖1305を曲がった状態から広げて、第一の表面1307が腕と隣接し第二の表面1309が外側に面するようにして、追跡マーク1303を露出する。
【0056】
ズボン1311と追跡マーク1313とを有する服装品を図13Cおよび図13Dに示す。シャツ1301と同様の仕方で、ズボン1311は、各々第一の表面1317と第二の表面1319とを有する脚の部分1315を有する。図13Cは第一の表面1317だけが見えるように脚の部分1315が畳まれている隠蔽状態を示す。図13Dでは第一の表面1317が脚に隣接して、追跡マーク1313の一方を含む第二の表面1319が外側に向くように、脚部分1315の一方が曲がった状態から広げられる。その結果、ズボン1311は脚部分1313を広げるだけで隠蔽状態から露出状態に変換できる。同様に、脚部分1313を再度畳むだけでズボン1311を露出状態から隠蔽状態に変換できる。
【0057】
服装品を隠蔽状態から露出状態に変換できる他の一般的な手順は、追跡マークを露出するように服装品を伸展することに関する。例えばシャツ1401と追跡マーク1403とを有する服装品を図14Aおよび図14Bに示す。シャツ1401は、外側層1407および内側層1409という同軸の2層の材料を備えた2本の袖1405を含む。外側層1407は内側層1409の上に延設され、対話型コンピュータゲーム203によって一般に検出可能でない材料で形成されている。内側層1409の第一の部分は外側層1407から外に延び、シャツ1401の袖口を形成している。しかしシャツ1401が図14Aに示すように隠蔽状態にあるときは、追跡マーク1403は外側層1407によって隠された内側層1409の第二の部分上に位置する。シャツ1401を隠蔽状態から露出状態に変換するには、図14Bに示すように内側層1409を外側に延ばし、それにより内側層1409の第二の部分を外側層1407から外に延ばして追跡マーク1403を露出する。袖口を形成する内側層1409の領域は開口を含むが、この開口を親指の周囲に配置して、内側層1409が収縮しまた外側層1407の中に延びるのを防止することができる。従って、内側層1409を延ばすことによりシャツ1401が隠蔽状態から露出状態に変換される。
【0058】
図14Aおよび図14Cは、同様の構造を有するズボン1411と追跡マーク1413とを示す。ズボン1411は、各々外側層1417と内側層1419とで形成される脚の部分1415を有する。追跡マーク1413は内側層1419の上に配設されている。図14Aではズボン1411は隠蔽状態にあり、追跡マーク1413は露出していない。ズボン1411を隠蔽状態から露出状態に変換するには、図14Cに示すように内側層1419を外に向かって延ばして追跡マーク1413を露出させる。内側層1419の一部を足の回りに配置することにより、ズボン1411を露出状態に保持することができる。
【0059】
シャツ1501と追跡マーク1503とを含む服装品の一部が延ばされて追跡マーク1503を露出させる別の実施形態を図15A〜図15Cに示す。シャツ1501は袖口1507を有する1対の袖1505を含む。各袖口1507はうねを付けた構造を有するニットまたは弾力のある材料で形成されている。図15Aおよび図15Bに示すように、袖口1507を個人の手首の回りに延ばすと、袖口1507はほぼ通常の外観を有し、追跡マーク1503は隠されている。袖口1507が手の上に延ばされると、袖口1507の中の様々なうねが分かれて図15Cに示すように追跡マーク1503が現れる。
【0060】
図16A〜図16Cはシャツ1601と追跡マーク1603とを有する服装品を示す。図16Aに示す隠蔽状態では、シャツ1601はフード1605を含むベストの一般的構造を有する。シャツ1601を隠蔽状態から露出状態に変換するには、ジッパー線1607に沿ってフード1605のジッパーを外し、図16Bに示すように追跡マーク1603を含む1対の袖1609を現す。それに加えて、追跡マーク1603はフード1605の他の内側位置に配設されており、図16Cに示すようにシャツ1601が露出状態にあるときは、個人の背中に沿って延びる。
【0061】
図3A〜図16Cを参照して開示された上記の服装品は、追跡マークを選択的に隠し、また露出するために利用できるシャツとズボンとの様々な例を提供する。いくつかの実施形態では、追跡マークを隠蔽および露出する構造が、例えばシャツに関して開示された。当業者は、例えばズボン、コート、靴またはソックスのような他のタイプの服装品にも同様の構造を適用できることを理解するであろう。従って、追跡マークを隠蔽および露出する様々な構造は、構造が服装品の中に組み込まれる仕方の例を示すためにのみ説明したものであり、本発明を服装品のいかなる特定のタイプに制限するものでもない。更に上の説明は一般に、服装品を隠蔽状態から露出状態に変換する仕方に関する指示を与える。当業者は、服装品を露出状態から隠蔽状態に変換するためには逆のプロセスを使用すればよいことを理解するであろう。
【0062】
対話型コンピュータゲーム203のいくつかの応用は、足首や脚の位置ではなく足の位置の検出を必要とするであろう。例えばサッカーの試合を模擬する応用では、サッカーボールを蹴ることを伴うゲームプレーを含むであろう。そこで靴およびソックスを含む履き物の形態の服装品を、追跡マークと共に使用して、対話型コンピュータゲーム203に足の位置に関する正確なデータを供給することができる。
【0063】
追跡マーク1703を有する靴1701を図17Aおよび図17Bに示す。靴1701は上部1705と靴底1707とを含む。上部1705は足を快適にかつ確実に受け止めるように構成され、それにより靴1701を足に固定する。靴底1707は上部1705の下の部分に取り付けられ、中底および外底という2つの主要要素を含むことができる。中底は地面からの反力を減衰させてエネルギーを吸収し、地面から足および脚への衝撃を緩和する。外底は地面を捕捉して摩擦力を与えるための耐摩耗性のある要素である。従って一般に、靴1701は例えば運動に使用されるランニングシューズまたは練習用シューズのような通常の靴の構成を有する。
【0064】
上部1705は、足の甲の部分に対応する甲領域1709を含む。言い換えれば、甲領域1709はつま先部分から足首の開口にかけて、上部1705の上面に沿って延びる。甲領域1709内の上部1705を形成する材料は、追跡マーク1703を選択的に隠しまたは露出するために使用できるフラップ1711を形成している。図17Aは隠蔽状態の靴1701を示しており、ここでフラップ1711は追跡マーク1703の上に延びている。個人が追跡マーク1703を露出しようとする場合、フラップ1711を足首の開口に向かって引っ張り、例えば磁気ファスナーまたはフックとループとによるファスナーで固定する。従って図17Bに示すようにフラップ1711を追跡マーク1703の領域から除去することで、靴1701を露出状態とすることができる。同様に、フラップ1711の位置を戻すことにより靴1701を隠蔽状態に戻すことができる。
【0065】
追跡マーク1703の具体的な位置は、本発明の範囲内で変えることができる。1つの実施形態では、追跡マーク1703を上部1705のフラップ1711に覆われた部分の上だけに位置させてもよい。従ってフラップ1711を引き戻すことにより、追跡マーク1703を含む上部1705の第二の層を露出することになる。別の実施形態では、追跡マーク1703をフラップ1711の下側(下面)と上部1705のフラップ1711に覆われた部分の上とに位置させてもよい。従ってフラップ1711を引き戻すことにより、上部1705の第二の層とフラップ1711の下側との両方にある追跡マーク1703を露出することになる。本発明の更に別の実施形態では、靴1701の別の領域、例えば踵、中央側または側面などにフラップ1711を配設することができる。
【0066】
靴1701および追跡マーク1703と同様の構造を有する靴1801および追跡マーク1803を図18Aおよび図18Bに示す。靴1801は上部1805と靴底1807とを含む。上部1805は、追跡マーク1803を選択的に覆い、また露出するためのフラップ1811を規定する甲部分1809を有する。フラップ1711の場合は隠蔽状態で甲領域1705をゆるやかに覆ったが、フラップ1811は、追跡マーク1803の上にフラップ1811を固定するジッパー1813を含む。更に靴1801はフラップ1811の下側(下面)に追跡マーク1803の位置を含むように示されている。
【0067】
別の靴1901と追跡マーク1903とを図19A〜図19Cに示す。靴1901は上部1905と靴底1907とを含む。上部1905は、追跡マーク1903を甲領域1909上で露出するために折り返せる1対のフラップ1911を有する甲領域1909を含む。図19Aは隠蔽状態にある靴1901を示すが、このときフラップ1911は、追跡マーク1903の上に延びて、追跡マーク1903が対話型コンピュータゲーム203によって検出されるのを防止する。靴1901を露出状態に変換するには、図18Bおよび図19Cに示すようにフラップ1911を折り返す。
【0068】
フラップ1911の位置を隠蔽状態および露出状態に保持するために、例えば磁気ファスナー1913を利用できる。磁気ファスナー1913の一部が両方のフラップ1911上にあり、磁気ファスナーの対応する部分が靴1901の足首開口に隣接して配設された状態が示されている。靴1901が隠蔽状態のときは、各フラップ1911の上にある磁気ファスナー1913の各部分が互いに引き合い、フラップ1911を追跡マーク1903上の位置に保持する。靴1901が露出状態のときは、各フラップ1911の上にある磁気ファスナー1913の各部分が、足首開口に隣接して位置する部分を吸引し、フラップ1911を露出状態に固定することができる。
【0069】
別の靴2001と種々の追跡マーク2003とを図20A〜図20Bに示す。靴2001は上部2005と靴底2007とを含む。上部2005は、靴2001の踵部から延びる引きひも2011に機械的に結合された複数のスリット2009を含む。追跡マーク2003はスリット2009の背後に配設されている。隠蔽状態では、スリット2009の各縁は図20Aに示すように互いに接触して追跡マーク2003を隠す。靴2001を隠蔽状態から露出状態に変換するには、引きひも2011の一部をかかとの領域から引き出す。この動作によりスリット2009の各縁が引き離され、図20Bに示すように追跡マーク2003を現す。このように引きひも2011の位置を操作することにより追跡マーク2003を現すことができる。
【0070】
靴に加えてソックスも追跡マークと関連して使用し、対話型コンピュータゲーム203に足の位置に関するデータを供給することができる。図21Aおよび図21Bにソックス2101および追跡マーク2103を示す。ソックス2101は足と反対方向に面する外面2105を含み、ソックス2101は一般に足と接触する内面2107を含む。追跡マーク2103が内面2107の足首の部分に配設される。図21Aに示す隠蔽状態では、足首領域は足首に沿って延び、追跡マーク2103が足首に隣接して見えないように隠されるようにする。ソックス2101を隠蔽状態から露出状態に変換するには、図21Bに示すように足首領域を下に折り曲げ、足首領域を効果的に外側に向かわせ、追跡マーク2103を露出させる。本発明のいくつかの実施形態では、追跡マーク2103を外面2105上に配設し、靴を履くことで効果的な隠蔽状態が得られるようにしてもよい。
【0071】
図22Aおよび図22Bに別のソックス2201および追跡マーク2203を示す。ソックス2201は同軸状に配列された外側層2205と内側層2207とを有する足首領域を含む。追跡マーク2203が外側層2205と内側層2207との隣接する表面上に配設されている。図22Aに示す隠蔽状態では、各層2205および2207が足首に沿って上に延び、追跡マーク2203を効果的に隠す。ソックス2201を露出状態に変換するには、図22Bに示すように外部領域2205を下に折り曲げる。
【0072】
追跡マークを備えた履き物を使用して足の位置に関するデータを供給することができるが、対話型コンピュータゲーム203の応用によっては頭の位置を検出する必要があるであろう。例えばサッカーの試合を模擬する応用では、サッカーボールに運動の向きを与えるために頭を使用するゲームプレーが含まれるであろう。そのため、帽子またはヘッドバンドのようなかぶり物の形態を取る服装品を追跡マークとの関連で使用して、対話型コンピュータゲーム203に頭の位置に関する正確なデータを供給することができる。
【0073】
帽子2301と種々の追跡マーク2303とを図23A〜図23Cに示す。帽子2301は一般に円筒形の構造を有し、頭の周囲に延びる引きひも2305を含む。図23Aおよび図23Bに示す隠蔽状態では、帽子2301は頭の頂部を露出させ、追跡マーク2303を隠すために閉じられる複数のスリット2307を含む。帽子2301を露出状態に変換するには、帽子2301が頭の頂部まで伸びるように引きひも2305を締める。帽子2301を伸ばすことにより、スリット2307が分離して図23Cに示すように追跡マーク2303が露出する。
【0074】
別の帽子2401と種々の追跡マーク2403とを図24A〜図24Cに示す。帽子2401は、頭の後ろの部分に対応する領域内に配設された要素2405を含む。図24Aおよび図24Bに示す隠蔽状態では複数のスリット2407が閉じた状態となり、追跡マーク2403を隠す。帽子2401を露出状態に変換するには、要素2405を介して帽子2401の部分を引き、図24Cに示すように帽子2401が頭を覆って伸びるようにする。帽子2401を伸ばすことは、スリット2407を分離して追跡マーク2403を露出する作用をする。
【0075】
ここでシャツおよびズボンの実施形態の別の例を説明する。図25A〜図25Dはズボン2501と追跡マーク2503とを示す。ズボン2501は脚の部分2505を含み、各々の脚の部分2505はX字型の構造を形成する1対の独立したV型ストラップ2507を有する。各ストラップ2507はフックとループとを含むファスナーのような解放可能なファスナーでズボン2501に固定される。図25Aおよび図25Bに示す隠蔽状態では、ストラップ2507は脚の部分2505の裏の領域に配設され、追跡マーク2503はストラップ2507によって隠される。より詳しくは、追跡マークはストラップ2507の隠された領域上に配設され、追跡マーク2503はストラップ2507の下側の脚の部分2505の領域上に配設される。ズボン2501を隠蔽状態から露出状態に変換するには、ストラップ2507を取り外して、図25Cに示すように脚の部分2505の前面部分の回りに延ばす。これにより脚の部分2505に隣接していたストラップ2507の領域が露出され、その結果、図25Dに示すように追跡マーク2503が露出する。
【0076】
同様の構造を、図25E〜図25Gに示されるシャツ2511および追跡マーク2513のような他の服装品に適用することができる。シャツ2511は各々V字型の2本のストラップ2517を有する2本の袖2515を含む。隠蔽状態のシャツ2511を図25Eおよび図25Fに示す。ストラップ2517をシャツ2511の裏側領域から取り外し、袖2515の回りに巻き付けて、その後シャツ2511の前面部分に再度取り付けることにより、図25Gに示すように追跡マーク2513を露出してシャツ2511を露出状態にすることができる。
【0077】
織られた構造を有し、シャツ2601と追跡マーク2603とを含む服装品を図26A〜図26Cに示す。シャツ2601は要素2607を組み込む仕方で織られた2本の袖2605を含み、要素2607は袖2605の構造の中に織り込まれており、追跡マーク2603を含む。作動時は、要素2607は1つの織り線とほぼ等しい距離にわたって双方向に平行移動する。
【0078】
そのため要素2607を平行移動させるプロセスにより、袖2605の他の部分の下にあった要素2607の領域が露出される。図26Aおよび図26Bに示す隠蔽状態では、要素2607は第一の位置にあり追跡マーク2603は隠されている。シャツ2601を露出状態に変換するには、要素2607を袖2605に対して相対的に移動して、要素2607の追跡マーク2603を含む部分を露出する。他の追跡マークを有するズボン2611で使用できる同様の構成を図26Aに示す。
【0079】
対話型コンピュータゲーム203の多くの応用が、個人の動きを効果的に追跡するために腕や脚を含む四肢の位置に関するデータを必要とするであろう。シャツ、ズボンおよび履き物を含む上で述べた様々なタイプの服装品を利用して、対話型コンピュータゲーム203に四肢の位置に関するデータを与えることができる。しかし個人によっては、追跡マークを備えたリストバンドや足首バンドのようなバンド構造を使用する方を好むかも知れない。以下では、図示のために手首や足首に関して述べる各種のバンドの例を説明する。しかし当業者は、ここで述べるバンドの一般的な構造は手首や足首への応用に限定されず、例えば肘、膝および上腕のような他の身体部分にも適用できることを理解するであろう。
【0080】
追跡マーク2703を有するバンド2701の形態の服装品を図27A〜図27Cに示す。バンド2701は第一の表面2705と反対側の第二の表面2707とを含む。第一の表面2705は、一般に対話型コンピュータゲーム203によって追跡できない特性を有する。第二の表面2707は追跡マーク2703を含み、対話型コンピュータゲーム203によって追跡できる、例えばコントラスト、色、形状または反射率などの特性を有するように形成されている。そのため個人は図27Aに示すように、バンド2701を、第一の表面2705が外側に面し、第二の表面2707が身体と接するように身につけることにより、バンド2701を隠蔽状態で装着することができる。バンド2701を露出状態に変換するためには、個人は図27Bおよび図27Cに示すようにバンド2701を反転させて第二の表面2707を露出するだけでよい。
【0081】
追跡マーク2803を有するバンド2801の形態の別の服装品の実施形態を図28A〜図28Cに示す。バンド2801は第一の表面2805と反対側の第二の表面2807とを有する。第一の表面2805だけが外側に面するようにバンド2801の構造を折りたたみ、または第二の表面2807が露出するようにバンド2801を広げることができる。第一の表面2805は、一般に対話型コンピュータゲーム203によって追跡できない特性を有し、第二の表面2807は追跡マーク2803を含む。個人は図28Aに示したようにバンド2801を折りたたむことでバンド2801を隠蔽状態で装着することができる。バンド2801を露出状態に変換するには、個人は図28Bおよび図28Cに示したようにバンド2801を広げて第二の表面2807を露出するだけでよい。
【0082】
図29Aおよび図29Bは、バンド2901と追跡マーク2903とを含む服装品を示す。バンド2901は弾力性のある材料2907で連結された複数の部分2905を含み、追跡マーク2903が弾力性のある材料2907上に配設されている。各部分2905は協働して、指の周囲にしっかりと延びる寸法を有するリングを形成する。バンド2901に外向きの圧力を加えると、弾力性のある材料2907が延びてバンド2901は例えば手首の周囲に配置される。図29Aに示すように追跡マーク2903が露出しない状態とするため、バンド2901を指の上に隠蔽状態で装着することができる。バンド2901を隠蔽状態から露出状態に変換するには、図29Bに示されるように弾力性のある材料2907を伸ばしてバンド2901を身体の別の部分の周囲に着け、それにより追跡マーク2903を露出させる。
【0083】
バンド3001と追跡マーク3003とを含む服装品を図30Aおよび図30Bに示す。バンド3001は弾力性のある材料3007で連結された複数の部分3005を含み、追跡マーク3003が弾力性のある材料3007上に配設されている。各部分3005は中央領域で曲がる構造を有する。バンド3001に内向きの圧力を加えることにより、各部分3005は分離して放射状に外側に突出する。バンド3001は図30Aに示すように隠蔽状態で身につけることができる。バンド3001を隠蔽状態から露出状態に変換するには、図30Bに示されるように各部分3005を曲げて、弾力性のある材料3007を各部分3005の間で露出させる。
【0084】
バンド3101と追跡マーク3103とを含む服装品を図31A〜図31Cに示す。バンド3101は膨らますことのできる構造3107によって連結された複数の部分3105を含み、追跡マーク3103は膨らますことのできる構造3107の上に配設されている。膨らますことのできる構造3107内の流体圧力を高めることで、バンド3101は寸法が増大して、各部分3105は分離して追跡マーク3103を露出させる。図31Aに示すように、バンド3101は隠蔽状態で身に付けることができる。バンド3101を隠蔽状態から露出状態に変換するには、図31Bに示されるように部分3105の1つを持ち上げて、膨らますことのできる構造3107の入り口3109を露出させる。次に個人は入り口3109に空気を吹き込んでバンド3101を膨らまして追跡マーク3103を露出させ、図31Cに示すようにバンド3101を露出状態にする。
【0085】
図32A〜図32Cはバンド3201と追跡マーク3203とを有する服装品を示す。バンド3201は個人の手首、足首または他の身体部分の回りに延びる円筒形要素3205を含む。バンド3201はまた、要素3205から取り外すことのできるフラップ3207も含む。フラップ3207は第一の表面3209と反対側の第二の表面3211とを含む。第一の表面3209は、一般に対話型コンピュータゲーム203によって追跡できない特性を有する。第二の表面3211は追跡マーク3203を含み、対話型コンピュータゲーム203によって追跡できる、例えばコントラスト、色、形状または反射率などの特性を有するように形成されている。そのため個人は図32Aに示すように、バンド3201を第一の表面3209が外側に面するように隠蔽状態で装着することができる。バンド3201を露出状態に変換するためには、個人は図32Bおよび32Cに示すようにフラップ3207の向きを反転させて第二の表面3211を外側に向け、それによりバンド3201を露出状態にするだけでよい。
【0086】
追跡マーク3303を有するバンド3301の形態の別の服装品の実施形態を、図33A〜図33Dに示す。バンド3301は上で述べたバンド2801に類似した構造を有するが、しかしこの場合、複数の追加のバンド3305がバンド3301内に配設されている。図33Bに示されている追加のバンド3305は追跡マーク3303を有し、対話型コンピュータゲーム203によって追跡できる。バンド3301は図33Cに示すように、追加のバンド3305をその中に配置させて隠蔽状態で身に付けることができる。バンド3301を露出状態に変換するには、図33Cに示すようにバンド3301を開いて追加のバンド3305を現す。次に図33Dに示すように、追加のバンド3305を四肢の周囲に巻いて追跡マーク3303を露出させる。
【0087】
図34A〜図34Cに示すように様々なタイプの服装品を組み合わせることができ、またこの図では追跡マーク3403を有するズボン3401と追跡マーク3413を有する1対のバンド3411とを示す。ズボン3401は1対の裾の折り返し領域3405を含む。バンド3411は裾の折り返し領域3405の周囲に延び、裾の折り返し領域3405上に配設された追跡マーク3403を隠すように構成される。従って隠蔽状態では、バンド3411は裾の折り返し領域3405の周囲に延びている。ズボン3401とバンド3411とを露出状態に変換するには、バンド3411を裾の折り返し領域3405から取り外して追跡マーク3403を露出させる。各バンドを裾の折り返し領域3405から取り外すことにより、バンド3411において裾の折り返し領域3405と接触していた側に配設された追跡マーク3413をも露出させる。バンド3411は例えば手首に取り付けることができ、対話型コンピュータゲーム203の使用時に追跡マーク3413は外側を向く。
追跡マークのタイプ
以下で詳細に説明するように、非常に多様な材料およびメカニズムを使用して、対話型活動装置で使用する追跡用標的を形成することができる。いくつかの追跡用標的は、例えば1つ以上の周波数の電磁輻射を反射するだけの受動的追跡マークであってもよい。電磁輻射は環境電磁波であっても、また対話型活動装置から放射されたものであってもよい。例えば本発明の上記の実施形態では、追跡マークは識別可能な色、明るさまたは陰影の形状を服装品上に作ることで形成することができる。
【0088】
本発明のいくつかの実施形態では、追跡マークは1つ以上の特定の周波数を反射し、他の周波数を吸収する染料またはその他の着色材料のような通常の反射性材料で形成できる。その代わりに、またはそれに加えて、追跡マークを逆反射性材料で形成してもよい。当該技術で知られているように、逆反射性の表面は鏡面層と、鏡面層上の逆反射性シート層とを含む。逆反射性シート層は微小な立方体もしくはプリズム素子から形成でき、または透明なビーズから形成できる。入射光がビーズに当たると、それは中心軸(鏡面層と垂直)に向かって反射される。そして入射光が鏡面層から反射されると、入射光線と一般に平行な方向にビーズから出る。従って、逆反射性表面は一般に入射光を最初と同じ方向に反射する。もちろん、入射光の方向と反射された光線の方向との間には多少のずれがあるであろう。このずれを観測角度と呼ぶ。
【0089】
逆反射性の材料に光透過性の色つきフィルムが積層されていてもよい。
本発明の上記の実施形態の多くにおいて、追跡マークは実質的に2次元的な表面で形成されている。しかし本発明の様々な実施形態が3次元の追跡マークを使用できることに注意すべきである。例えばピラミッド型または半球状などの盛り上がった形状を、本発明の様々な実施形態の追跡マークとして使用できる。3次元の追跡マークは、対話型活動装置がマークを様々な角度および方向から見ることができると言う点で有利である。
【0090】
追跡用標的はまた、能動的なものであってもよい。能動的な追跡用標的は、例えば1つ以上の電磁輻射の信号を発信する電子装置である。例えば能動的な追跡用標的は、光の信号、赤外線信号、超音波信号または電波信号を対話型活動装置に送信することができる。この信号は対話型活動装置によって受信され、例えば3角測量を利用して追跡用標的の位置を求めるために使用される。
【0091】
更にまた、本発明の様々な実施形態による能動的な追跡用標的のいくつかはユーザーの動きを検出し、次に、検出された情報を対話型活動装置に送信することができる。例えば本発明のある実施形態によれば、履き物のような服装品はユーザーの腕、脚または他の四肢のスピードおよび/もしくは方向の検出、または更にユーザー自身のスピードおよび/もしくは方向の検出のために1つ以上の加速度計を含んでもよい。履き物の中に配設された加速度計はまた、例えばユーザーがある表面を脚で踏んだときに、ユーザーが表面を踏む力を検出するために使うこともできる。これらのタイプの追跡用標的の場合、加速度計によって検出された情報を対話型活動装置に送信してユーザーの運動を知るために、加速度計を送信機と結合してもよい。
【0092】
本発明の様々な実施形態において、いくつかの追跡用標的は能動的であるのに加えてインテリジェントであってもよい。このタイプの追跡用標的は、例えばそれ自身の対話型活動装置に対する相対的な位置を求め、その位置情報を対話型活動装置に直接与えることができる。例えば現在、電磁信号を使用して電子装置の位置を3角測量で数インチ以内の精度で求めることのできる電子装置がある。従ってこれらのタイプの電子装置を使用して、ユーザーの手、腕、足、脚もしくは他の身体部分の位置、または更にユーザー自身の位置を求めることができる。位置情報は次に対話型活動装置に送信することができる。対話型活動装置はその位置情報を使って、ユーザーの動きを求めることができる。
追跡マークを備えた服装品の製造方法
本発明の各種実施形態による、追跡マークを備えたシャツ101のような服装品の製造方法を図35に示す。図示した実施形態では、その方法はゲームで使用される服装品を製造するためのものであるが、この方法は任意のタイプの対話型装置203のための服装品を製造するために採用できることが理解できるはずである。この図からわかるように、工程3501で、服装品の製造者は追跡マークを備えた服装品が使用される対話型ゲーム203を分析する。より詳しくは、服装品製造者は、対話型ゲーム203がユーザーの動きを適切に追跡できるようにするために服装品が有するべき追跡マークのタイプを決める。適切な追跡マークのタイプに関するこの情報は、対話型ゲーム203の製造者から直接得るか、または対話型ゲーム203の要素、例えば対話型ゲーム203のソフトウェアコード(例えば追跡マーク認識モジュール211のソフトウェアコード)を調べることにより得られる。
【0093】
例えば図1に示すように、シャツ101は対話型ゲーム203が追跡マークとして容易に認識できる特定の形状(すなわち十字形)を供う。本発明の別の実施形態では、対話型ゲームは特定の形状ではなく特定の色の追跡マークを識別することができる。例えば本発明のある実施形態では、対話型ゲームは特定の形状を有する追跡マークよりも、服装品の青の地に対して赤い色を有する追跡マークを容易に識別できる。その代わりに、またはそれに加えて、ある種の対話型ゲームは、追跡マークをその上に配設した服装品に対して、比較的高いコントラストを有するだけの追跡マークよりも、反射性の追跡マークの方をより良く識別できる。例えば本発明のある実施形態では、対話型ゲームは赤外線、可視光または超音波発信器のような電磁気信号の送信器を、これらの電磁波の反射を検出するための1つ以上の検出器と共に使用することができる。その場合、適切なタイプの電磁波を特に反射する材料で追跡マークを形成することができる。
【0094】
更にある種の対話型ゲームはプレーヤーの位置だけを追跡する。これらのゲームの場合、服装品の中央に1つの追跡マークを取り付けるだけでよい。また対話型ゲームは、プレーヤーの四肢の各々の動きを実際に追跡することもできる。このタイプの対話型ゲームでは、服装品はシャツの袖の各々、またはズボンの各々の脚部分に1つ取り付けた複数の追跡マークを必要とするかも知れない。
【0095】
製造者が服装品に適用すべき適切な追跡マーク(1つまたは複数)を決定すると、製造者は工程3503でそれらの追跡マークを有する服装品を製造する。上で詳しく説明したように、製造者は元来追跡マークを含むように服装品を製造するか、または服装品を製造した後に服装品に追跡マークを付加することができる。次に工程3505で、製造者は服装品を、製造者が検討した対話型ゲームを行おうとする着用者が利用できるようにする。そして工程3507で、プレーヤー201は追跡マークを備えた服装品を製造者から入手する。工程3509で、プレーヤー201は前記追跡マークを備えた服装品の着用を開始し、工程3511で前記追跡マークを備えた服装品を着用して、製造者が検討した対話型ゲームを行う。
【0096】
上で説明したように、前記追跡マークを使用する服装品は任意の望みのタイプであってもよい。例えば本発明のある実施形態では、服装品は長袖シャツのようなシャツ、ジャケット、ズボン、ショーツ、ソックスおよび帽子を含むことができる。服装品は更に履き物を含むこともできる。更にまた服装品は、重りまたはスポーツ用具のような手に持つ物体、プレーヤーの手首、胸もしくは足首の回りに装着するバンド、またはプレーヤーが既に保有する服装品に取り付けられるステッカーなどでもよい。
逆反射性の追跡マーク
図37は本発明の更に別の実施形態を示すが、これは対話型ゲームがプレーヤーの動きを追跡するのを補助するための1つ以上の逆反射性の追跡マークを使用する。この図からわかるように、プレーヤー3701は胸の追跡マーク3705を備えたシャツ3703を着用する。追跡マーク3705は逆反射性の材料で構成される。当該技術で知られているように、逆反射性の材料は光をその発生源に向かって反射する材料である。
【0097】
逆反射の具体的な作用を、図38を参照して簡単に説明する。当業者であれば理解できるように、物質による反射は典型的には2つの仕方のいずれかで行われる。第一に、表面が入射光を拡散的に反射する場合がある。すなわち、入射光が散乱性の表面に特定の角度で入射すると、その表面は入射光を多くの方向に反射し、入射光の明確な反射を生じない。第二に、表面が鏡面反射を行う場合がある。このタイプの表面では、入射光が表面に特定の角度で入射すると、表面は入射光を反対側の角度に反射する。しかし逆反射性の表面では、入射光は一般的に入射方向と同じ方向に反射される。
【0098】
当該技術で知られているように、逆反射性の表面は鏡面層3803と、鏡面層3803を覆う逆反射性シート層とを含む。逆反射性シート層は微小な立方体もしくはプリズム素子から形成でき、または図38に示す球体3805のような透明なビーズから形成できる。この図から分かるように、入射光線3807がビーズ3805に当たると、それはビーズ3805の中心軸(鏡面層3803と垂直)に向かって反射される。そして入射光線3807が鏡面層3803から反射されると、入射光線3807と一般に平行な方向にビーズ3805から出る。従って、逆反射性表面は一般に入射光を最初と同じ方向に反射する。もちろん、入射光線の方向と対応する反射された光線の方向との間には多少のずれがあるであろう。このずれを観測角度と呼ぶ。
【0099】
ここで図37に戻り、プレーヤー3701が使用する対話型ゲームはカメラ3707を使用して、追跡マーク3705の逆反射性の利点を生かす。カメラ3707は、その上に光源3711を取り付けたスタンド3709を含む。入射光3713のビームが光源3711から出ると、追跡マーク3705は入射光3713を反射光3715のビームとして反射する。反射光のビーム3715の方向は光源3711に戻る方向である。カメラのレンズ3717は光源3711に比較的近いので、光源3711から反射された光の観測角度の範囲内である。
【0100】
従ってカメラのレンズ3717は、光源3711からの光の逆反射性の追跡マーク3705による反射光を撮像する。しかし当業者であれば理解できるように、観測角度の外側に立つ他の観測者には、逆反射性の追跡マーク3705からの反射光3715は見えない。これらの観測者には、追跡マーク3705は少し光るマークとして見えるだけである。しかも逆反射性の追跡マーク3705の強い反射性のために、追跡マーク3705の映像はシャツ3703が作る背景のような周囲の背景からはっきりと識別される。これにより対話型コンピュータゲームが追跡マーク3705をその背景から識別することが助けられる。
【0101】
もちろん、カメラ3707が光源3711から反射された光の観測角度の範囲内に入るためには、光源3711をカメラ3707のスタンド3709の上に取り付ける必要はないことが理解されるであろう。当業者には明白なように、逆反射性追跡マーク3705からの反射光の観測角度内に入る領域は、光源3711から追跡マーク3705までの距離に依存する。カメラ3707が観測角度の領域内に入るか否かは、逆反射性追跡マーク3705とカメラ3707との距離にも依存する。
【0102】
図39はカメラ3901の一実施形態を示すが、これは典型的にはカメラ3901によって捉えられた映像が、逆反射性追跡マークからの反射光の観測角度の範囲内からの光を含むことを保証するものである。カメラ3901はカメラレンズ3903と光源3905とを含む。図39に示すように、光源3905はレンズ3903を取り囲む。従って光源3905からの光は全て逆反射されてカメラレンズ3903に向かう。つまりほとんど全ての状況の下で、カメラレンズ3903は光源3905から反射された光の観測角度の範囲内に入る。もちろん、当業者であれば理解するように、レンズ3903と光源3905との半径方向の距離は逆反射性の追跡マークへの予想される距離に基づいて修正できる。ほとんど全ての状況において、対話型コンピュータゲームは典型的にはゲームを行う区域の奥行きを指定する。従ってレンズ3903と光源3905との間の間隔を決める際、ゲームを行う区域の奥行きを考慮に入れることができる。
【0103】
図37および図39に示した光源/レンズの構成に加えて、様々な他の構成が可能であることに注意すべきである。例えば光源3905はカメラレンズ3903を部分的に取り囲むだけでもよい。または光源3905をカメラのマウント以外の異なる支持の上に取り付けることもできる。光源3905とカメラレンズ3903とに対して広範囲の配置および取り付け方の選択肢が別々に使用可能であり、それでもカメラレンズ3903を、光源3905からの逆反射性の標的で反射された光の観測角度の範囲内に維持する。
結論
これまでの説明から、本発明の他の実施形態で、上記の説明、特許請求の範囲および図面を含む本願の1つ以上の要素を様々な組み合わせまたはその部分的な組み合わせで組み込んだものがいかようにも可能であることが理解されるであろう。本願によれば、本発明の各種形態の別の組み合わせを単独で、またはここで説明した1つ以上の要素もしくは工程との組み合わせで、本発明の変形や変更、または本発明の一部として使用できることが、当業者には明白であろう。ここに含まれる本発明の説明は、かかる変形や変更を全て含むものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対話型活動装置で追跡マークを認識するための方法であって、
着用品に表示された追跡マークを映すためのカメラを含む前記対話型活動装置を提供することと、
前記カメラからの画像を受け取り、前記画像中の前記追跡マークを識別するための追跡マーク認識モジュールを提供することと、
前記追跡マーク認識モジュールを用いて、前記カメラによって提供された前記画像から、前記着用品に表示された前記追跡マークを認識することと、
前記対話型活動装置が、前記追跡マーク認識モジュールによる前記追跡マークの認識に基づく機能の少なくとも1つの特徴によって、前記対話型活動装置の動作を行うこととを含み、
前記追跡マークは、前記着用品上で、隠蔽状態と露出状態との間で変換可能であり、
前記隠蔽状態の前記追跡マークは、前記着用品の外側に、視認可能なようには露出しておらず、
前記露出状態の前記追跡マークは、前記着用品の前記外側に、視認可能なように露出しており、
前記隠蔽状態の前記追跡マークの画像は、前記追跡マーク認識モジュールによって受け取られず、これにより、前記隠蔽状態の前記追跡マークは、前記追跡マーク認識モジュールによって、識別されず、認識されず、
前記露出状態の前記追跡マークの画像は、前記追跡マーク認識モジュールによって受け取られ、これにより、前記露出状態の前記追跡マークは、前記追跡マーク認識モジュールによって、識別され、認識されることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23A】
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【図23B】
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【図23C】
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【図24A】
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【図24B】
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【図24C】
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【図25A】
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【図25B】
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【図25C】
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【図25D】
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【図25E】
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【図25F】
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【図25G】
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【図26A】
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【図26B】
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【図26C】
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【図27A】
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【図27B】
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【図27C】
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【図28A】
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【図28B】
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【図28C】
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【図29A】
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【図29B】
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【図30A】
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【図30B】
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【図31A】
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【図31B】
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【図31C】
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【図32A】
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【図32B】
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【図32C】
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【図33A】
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【図33B】
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【図33C】
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【図33D】
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【図34A】
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【図34B】
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【図34C】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公開番号】特開2011−172938(P2011−172938A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−48017(P2011−48017)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【分割の表示】特願2008−95369(P2008−95369)の分割
【原出願日】平成15年10月30日(2003.10.30)
【出願人】(505424859)ナイキ インターナショナル リミテッド (249)
【Fターム(参考)】