説明

対象物の処理方法

【課題】 対象物の処理スループットを向上させる。
【解決手段】 本発明は、投影光学系(40)により撮像素子(50)に投影された対象物を撮像する撮像部(1)と、前記撮像部で前記対象物を撮像する際に用いる撮像条件を設定するために前記対象物の計測を行う計測部(2)と、を有する顕微鏡における対象物の処理方法において、対象物(15)を前記計測部により計測を行う位置から前記撮像部により撮像を行う位置へ搬送することに並行して、前記計測部における前記対象物の計測結果を用いて前記撮像部で前記対象物を撮像する際に用いる撮像条件の設定を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顕微鏡における対象物の処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
顕微鏡を含む計測装置に関する従来のシステムとして、特許文献1及び2に記載のものがある。特許文献1では、ウエハ表面のキズや汚れを目視で観察するマクロ検査を行った後に、特徴が確認された箇所を顕微鏡で精査するミクロ検査を行っている。構成としては、キャリアとミクロ検査部との間に、ウエハを回転・傾斜可能なマクロ検査部を設けている。ウエハ検査はマクロ検査装置とミクロ検査装置の別々の装置によって行うことが多いが、こうした構成とすることによって検査工程の簡易化を実現している。
【0003】
また、特許文献2では、対象物を同一光軸上に挟んだ対物レンズと焦点設定用対物レンズを有し、焦点設定用対物レンズで予備計測を行った後に対物レンズで本計測を行っている。これによって対象物のガラス層の厚さが変更されても高精度に対物レンズの焦点設定を行うことができる。
【0004】
このように、顕微鏡を含む計測装置では、対象物の諸特性を予め計測することによって観測条件を決定して本計測するシステム構成がとられることが多い。この理由としては、予備計測の結果から予め観測条件を決定しておくことによって、本計測する際に観測以外の作業をできるだけ削減することが出来るからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特登録02915864
【特許文献2】特登録03715013
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、近年、顕微鏡を用いて大量の対象物を処理する際に、特許文献1及び2のような各対象物の予備計測と本計測(撮像)を順次処理するものよりも短時間で処理することが求められている。
【0007】
そこで、本発明は、対象物の処理スループットを向上させることが可能な顕微鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の側面は、投影光学系により撮像素子に投影された対象物を撮像する撮像部と、前記撮像部で前記対象物を撮像する際に用いる撮像条件を設定するために前記対象物の計測を行う計測部と、を有する顕微鏡における対象物の処理方法において、対象物を前記計測部により計測を行う位置から前記撮像部により撮像を行う位置へ搬送することに並行して、前記計測部における前記対象物の計測結果を用いて前記撮像部で前記対象物を撮像する際に用いる撮像条件の設定を行うことを特徴とする。
【0009】
本発明の第2の側面は、投影光学系により撮像素子に投影された検体を含む対象物を撮像する撮像部と、前記撮像部で前記対象物を撮像する際に用いる撮像条件を設定するために前記対象物の計測を行う計測部と、を有する顕微鏡における対象物の処理方法において、前記対象物を撮像する際に用いる撮像条件を設定するために、前記計測部において前記対象物の位置、姿勢、厚さ、うねり、透過量、反射光量の計測、前記検体の形状寸法の計測のうち少なくとも1つを行い、前記計測部での計測に並行して、前記撮像部において前記対象物とは異なる対象物の撮像を行うことを特徴とする。
【0010】
本発明の第3の側面は、投影光学系により撮像素子に投影された対象物を撮像する撮像部と、前記撮像部で前記対象物を撮像する際に用いる撮像条件を設定するために前記対象物の計測を行う計測部と、を有する顕微鏡における対象物の処理方法において、前記計測部における前記対象物の計測と並行して前記撮像部における前記対象物とは異なる対象物の撮像を行い、前記撮像部で前記対象物を撮像する際に用いる撮像条件として、前記撮像部で前記対象物を撮像する際の前記対象物の位置または姿勢、前記対象物に照明する光の光量または波長、前記対象物を撮像する際の撮像領域、撮像時間、視野遮蔽領域、光路長補正量のうち少なくとも1つを設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、計測部から撮像部へ対象物を搬送する間に撮像条件を設定する動作を行うことで、対象物の処理スループットを向上することが可能となる。また、撮像部における撮像と計測部における計測を並行して処理することで、ある対象物の撮像中に、次の対象物の予備計測を並行して行うことができる。これにより、対象物の処理スループットを向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態に係る顕微鏡のシステム構成例
【図2】本発明の第1実施形態に係る顕微鏡の計測シーケンス例
【図3】本発明の第2実施形態に係る顕微鏡のシステム構成例
【図4】本発明の第2実施形態に係る顕微鏡の計測シーケンス例
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の好ましい実施の形態では、まず対象物を撮像する際に使用する撮像条件を設定するために対象物を計測部で計測した後、対象物の撮像部への搬送と並行して撮像条件の設定を行う。これにより、対象物の処理スループットを向上することができる。更に好ましくは、その後、撮像部での対象物の撮像と並行して次の対象物を撮像する際に使用する撮像条件を設定するために、次の対象物を計測部で計測する。このことによって、対象物の処理スループットをより一層向上することができる。
【0014】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る顕微鏡におけるシステム構成例について図面を用いて説明する。
【0015】
図1と図2に、対象物の撮像と予備計測を並行処理するシステム構成について示す。図1と図2に示すように、対象物を撮像する撮像部1は、第1対象物10を照明する第1照明ユニット20、投影ユニット40を介して得られる投影像を撮像する第1撮像ユニット50と第1撮像ユニット50で得られた画像を処理する第1画像処理系51を含んで構成される。ここで、第1撮像ユニット50は、複数の撮像素子(CCDやCMOSおよび光電管等で、その形状はエリアセンサやラインセンサ等)が並べられたものや、1つの撮像素子によって構成されたものを用いることができる。
【0016】
第1対象物10は、第1カバーガラス11と第1検体12及び第1スライドガラス13から構成される(ここで、カバーガラスは無くても構わない)。第1照明ユニット20は、第1光源21と第1光源21からの光束を整形する第1コリメータ22及び、例えばレンズやミラーを含む第1照明光学系23等から構成される。第1光源21には、水銀ランプやLED等が用いられる。投影ユニット40は、投影光学系41と鏡筒43から構成される。投影光学系41には、レンズのみで構成される光学系やレンズとミラーとを組み合わせた光学系が含まれる。また、レンズやミラーなどの位置や姿勢を調整して光学系の収差などの補正を行う光学素子の駆動調整機構42を用いることができる。さらに、光路長補正用の平行平板44などの光学素子を鏡筒43内部や鏡筒43と第1撮像ユニット50との間や鏡筒43と第1対象物10との間などの光路中に出し入れできる機構を設けることもできる。これにより、例えばカバーガラスの厚さが変更されたときに光路長補正することができる。カバーガラスの厚さが薄い場合には厚い平行平板を配置し、カバーガラスの厚さが厚い場合には薄い平行平板を配置するなどする。
【0017】
計測部2は、変位計60や第2照明ユニット25、第2撮像ユニット61や第2画像処理系62、変位信号処理系63等を含んで構成される。計測部2では、第2対象物15の予備計測を行うことで、撮像部1で第2対象物15を撮像する際に用いる撮像条件を決定するためのパラメータを検出する。
【0018】
第2対象物15は、第2カバーガラス16と第2検体17と第2スライドガラス18から構成される(ここで、カバーガラスは無くても構わない)。第2照明ユニット25は、第2光源26、第2光源26からの光束を整形する第2コリメータ27及び、例えばレンズやミラーを含む第2照明光学系28等から構成される。画像処理系62は、第2撮像ユニット61で得られた画像を処理する。ここで、第2撮像ユニット61は、複数の撮像素子(CCDやCMOSおよび光電管等で、その形状はエリアセンサやラインセンサ等)が並べられたものや、1つの撮像素子によって構成されたものを用いることができる。
【0019】
こうした装置構成からなる撮像部1における撮像と、計測部2における計測を並行処理することによって、複数の対象物を連続処理する際の処理スループットを向上することができる。並行処理を行うための制御は、制御部100が行う。
【0020】
また、撮像部1と計測部2の間での対象物の搬送は、回転粗動ステージ71と、第1微動ステージ72及び第2微動ステージ73を含む搬送装置70によって行われる。第1微動ステージ72及び第2微動ステージ73は、真空吸着や機械的な方法によって対象物をそれぞれ保持する。第1微動ステージ72及び第2微動ステージ73は、リニアモータ等によって、回転粗動ステージ71に対してx、y、z方向に移動する。回転粗動ステージ71の駆動源には、リニアモータやUSM、ACモータ、DCモータ等を用いることができる。ここでは粗微動型ステージによる搬送装置を示すが、回転粗動ステージ71の位置決め精度で十分であれば、微動ステージを用いない構成であってもよい。また、回転粗動ステージ71と、第1微動ステージ72及び第2微動ステージ73には、照明ユニットからの光が対象物に照明されるように開口が設けられている。
【0021】
複数の対象物を連続処理する際のシーケンスを図2(a)〜(e)に示す。(a)Step1では、対象物Aを第1微動ステージ72上へ搬入して、計測部2により予備計測を行う。この際、対象物Aを例えばプレパラートAとすれば、その位置や姿勢及びうねり等を変位計60を用いて計測する。変位計60には、レーザー変位計や超音波変位計あるいはプレパラートへ光を斜入射させた反射光をセンサ内部に取り込む光学式の変位計等を用いることができる。プレパラートを構成するカバーガラスの厚さや透過または反射光量やプレパラートに含まれる検体の形状寸法を第2照明ユニット25や第2撮像ユニット61で計測する。
【0022】
(b)Step2では、搬送装置70を回転させてプレパラートAを撮像部1へ搬送した後、プレパラートBを第2微動ステージ73上へ搬入する。ここで、制御部100により、これらの動作と並行してStep1で予備計測を行ったプレパラートAの撮像条件を設定する。ここで、撮像条件の設定とは例えば、変位計60を用いたプレパラートAのうねり計測結果をもとにプレパラートの位置や姿勢を第1微動ステージ72を用いて調整して投影光学系41の合焦点位置へと調整することをいう。また、第2照明ユニット25と第2撮像ユニット61から得られた透過光量あるいは反射光量をもとに第1照明ユニット20の照明光量や波長および撮像時間や視野遮蔽領域の調整を行うことも含む。さらには、プレパラートに含まれる検体の存在領域を撮像素子で処理する撮像領域に設定することや、レンズやミラーなどの位置や姿勢の駆動調整機構42を用いて収差などの補正を行うことなどが挙げられる。ここで、プレパラートに含まれる検体の存在領域のみを撮像領域として処理すれば、必要な画素の画像処理だけで済むため、さらなる計測スループットの向上を実現できる。このため、第1撮像ユニット50には、部分読み出し可能なアドレス回路により制御されるCMOSセンサを採用することが有効である。検体の存在領域はプレパラートAの透過光量あるいは反射光量から特定することができる。その存在領域を撮像領域として、それに応じた位置にある画素からの信号のみを処理して画像を取得する。
【0023】
次の(c)Step3において、プレパラートAの撮像と並行してプレパラートBを予備計測する。そして、プレパラートAの撮像とプレパラートBの予備計測が終了した後、搬送装置70を回転させることと並行して撮像部1における撮像条件をプレパラートBに合わせて設定する。この際、搬送装置70に配線等が設けられている場合、巻きつかないようにStep2とは回転方向を逆にすることや、スリップリングを用いることが有効である。
【0024】
次に、(d)Step4でプレパラートAを搬出してプレパラートCを搬入する。(e)Step5でプレパラートBの撮像とプレパラートCの予備計測を並行して行った後、搬送装置70を回転させることと並行して撮像部1における撮像条件をプレパラートCに合わせて設定する。その後は、Step4とStep5の処理を繰り返し行う。
【0025】
このように、撮像と予備計測とを並行して行うこと、更には搬送と撮像条件の設定とを並行して行うことで、スループットの向上を図ることができる。
【0026】
(第2実施形態)
第2実施形態について図3と図4を用いて説明する。ここで示すシステム構成は、第1実施形態とは主に対象物の搬送装置や計測部の構成が異なる。
【0027】
計測部2は、第3照明ユニット30やシャックハルトマン・センサ37、第2撮像ユニット61や第2画像処理系62、変位信号処理系63等を含んで構成される。計測部2では、第2対象物15の予備計測を行うことで、撮像部1で第2対象物15を撮像する際に用いる撮像条件を決定するためのパラメータを検出する。
【0028】
第2対象物15は、第2カバーガラス16と第2検体17と第2スライドガラス18から構成される。第3照明ユニット30は、例えば第3光源31、第3光源31からの光束を整形する第3コリメータ32及びビームスプリッタ34、凸レンズ35や凹レンズ36などを含む第3照明光学系33から構成される。ここで、凸レンズ35や凹レンズ36は、照明光の拡大あるいは縮小して収差補正するためのものであり、図示の個数や構成に限定されるものではない。画像処理系62は、第2撮像ユニット61で得られた画像を処理する。
【0029】
搬送装置は、図3に示すように第1搬送装置75と第2搬送装置78を有し、それぞれ第1粗動ステージ76と第1微動ステージ72、第2粗動ステージ79と第2微動ステージ73から構成される。第1粗動ステージ76と第2粗動ステージ79はマグネットを有しており、固定子81に設けられたコイルとによりローレンツ型の平面モータを構成している。第1微動ステージ72及び第2微動ステージ73は、リニアモータ等によって、それぞれ第1粗動ステージ76及び第2粗動ステージ79に対してx、y、z方向に移動する。ここでは、粗微動構成としたが、コイルが複数積層された固定子を用いることで、微動ステージを用いない構成であってもよい。また、第1粗動ステージ76と第2粗動ステージ79側にコイルを用い、固定子81側にマグネットを用いた構成でもよい。さらに、上述したローレンツ型の平面モータではなく、平面パルスモータを用いてもよい。
【0030】
固定子81、第1粗動ステージ76及び第2粗動ステージ79、第1微動ステージ72及び第2微動ステージ73には、照明ユニットからの光が対象物に照明されるように開口が設けられている。その他の点は、第1実施形態と同じなので説明は省略する。
【0031】
複数の対象物を連続処理する際のシーケンスを、図4(a)〜(e)に示す。(a)Step1では、対象物Aを搬送装置上へ搬入して予備計測を行う。この際、対象物AをプレパラートAとすれば、そのうねり等を第3照明ユニット30とシャックハルトマン・センサ37等を用いて計測する。そして、プレパラートを構成するカバーガラスの厚さや透過または反射光量を第3照明ユニット30や第2撮像ユニット61等を用いて計測する。(b)Step2では、第1搬送装置75と第2搬送装置78を水平移動し位置を交換させてプレパラートAを撮像部1へ搬送した後、プレパラートBを計測部2へ搬入する。ここで、制御部100によって、これらの動作と並行してStep1で予備計測を行ったプレパラートAの撮像条件を設定する。
【0032】
次の(c)Step3では、制御部100によってプレパラートAの撮像と並行してプレパラートBを予備計測する。そして、プレパラートAの撮像とプレパラートBの予備計測が終了した後、第1搬送装置75と第2搬送装置78を水平移動し位置を交換すると並行して撮像部1における撮像条件をプレパラートBに合わせて設定する。この際、第1搬送装置75と第2搬送装置78に配線等が設けられている場合、巻きつかないようにStep2とは移動方向を逆にすることが有効である。
【0033】
次に、(d)Step4でプレパラートAを搬出してプレパラートCを搬入する。(e)Step5でプレパラートBの撮像とプレパラートCの予備計測を制御部100によって並行して行った後、第1搬送装置75と第2搬送装置78を水平移動し位置を交換することと撮像部1における撮像条件をプレパラートCに合わせて設定することを並行して行う。
【0034】
その後は、Step4とStep5の処理を繰り返し行う。上記実施形態では搬送装置としてステージを用いたが、ベルトコンベアやロボットハンド等を用いて搬送することも考えられる。
【0035】
以上のように、第1実施形態ではプレパラートの移動には回転ステージを用い、予備計測には変位計を用いた構成を説明した。また、第2実施形態ではプレパラートの移動には平面モータを用い、予備計測にはシャックハルトマン・センサを用いた構成を説明した。しかしながら、プレパラートの移動には回転ステージを用い、予備計測にはシャックハルトマン・センサを用いた構成や、プレパラートの移動には平面モータを用い、予備計測には変位計を用いた構成でもよい。
【0036】
本発明の思想を考慮すれば、一方の対象物の撮像と他方の対象物の予備計測とを並行して行うことができれば、プレパラートの移動や予備計測の構成は特に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0037】
1 撮像部
2 計測部
10 第1対象物
15 第2対象物
20 第1照明ユニット
25 第2照明ユニット
30 第3照明ユニット
40 投影ユニット
50 第1撮像ユニット
61 第2撮像ユニット
100 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影光学系により撮像素子に投影された対象物を撮像する撮像部と、前記撮像部で前記対象物を撮像する際に用いる撮像条件を設定するために前記対象物の計測を行う計測部と、を有する顕微鏡における対象物の処理方法において、
対象物を前記計測部により計測を行う位置から前記撮像部により撮像を行う位置へ搬送することに並行して、前記計測部における前記対象物の計測結果を用いて前記撮像部で前記対象物を撮像する際に用いる撮像条件の設定を行うことを特徴とする対象物の処理方法。
【請求項2】
前記撮像条件は、前記撮像部で前記対象物を撮像する際の前記対象物の位置または姿勢、前記対象物に照明する光の光量または波長、前記対象物を撮像する際の撮像領域、撮像時間、視野遮蔽領域、光路長補正量のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の対象物の処理方法。
【請求項3】
投影光学系により撮像素子に投影された検体を含む対象物を撮像する撮像部と、前記撮像部で前記対象物を撮像する際に用いる撮像条件を設定するために前記対象物の計測を行う計測部と、を有する顕微鏡における対象物の処理方法において、
前記対象物を撮像する際に用いる撮像条件を設定するために、前記計測部において前記対象物の位置、姿勢、厚さ、うねり、透過光量、反射光量の計測、前記検体の形状寸法の計測のうち少なくとも1つを行い、
前記計測部での計測に並行して、前記撮像部において前記対象物とは異なる対象物の撮像を行うことを特徴とする対象物の処理方法。
【請求項4】
前記対象物は、更にカバーガラスを含み、
前記計測部では、前記対象物の位置、姿勢、厚さ、うねり、透過光量、反射光量の計測、前記検体の形状寸法の計測、前記カバーガラスの厚さの計測のうち少なくとも1つを行うことを特徴とする請求項3に記載の対象物の処理方法。
【請求項5】
前記撮像条件は、前記撮像部で前記対象物を撮像する際の前記対象物の位置または姿勢、前記対象物に照明する光の光量または波長、前記対象物を撮像する際の撮像領域、撮像時間、視野遮蔽領域、光路長補正量のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項3または4に記載の対象物の処理方法。
【請求項6】
投影光学系により撮像素子に投影された対象物を撮像する撮像部と、前記撮像部で前記対象物を撮像する際に用いる撮像条件を設定するために前記対象物の計測を行う計測部と、を有する顕微鏡における対象物の処理方法において、
前記計測部における前記対象物の計測と並行して前記撮像部における前記対象物とは異なる対象物の撮像を行い、
前記撮像部で前記対象物を撮像する際に用いる撮像条件として、前記撮像部で前記対象物を撮像する際の前記対象物の位置または姿勢、前記対象物に照明する光の光量または波長、前記対象物を撮像する際の撮像領域、撮像時間、視野遮蔽領域、光路長補正量のうち少なくとも1つを設定することを特徴とする対象物の処理方法。
【請求項7】
前記対象物はプレパラートであることを特徴とする請求項1乃至6に記載の顕微鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−123416(P2012−123416A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−54672(P2012−54672)
【出願日】平成24年3月12日(2012.3.12)
【分割の表示】特願2010−183047(P2010−183047)の分割
【原出願日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】