封緘ラベル

【課題】低コストで生産性に優れ、しかも貼付する商品の包装箱の外観を損なうことのない封緘ラベルの提供。
【解決手段】差込みフラップを有する包装箱に用いる封緘性を保持するためのラベルであって、ラベルは接着層付着部及び引抜き把持部からなる引抜き用セパレーターと接着層より構成され、ラベルの引抜き用セパレーターの一方面には剥離可能な接着層が付着してあり、ラベルの接着層面を差込みフラップに接着させた後に、引抜き用セパレーターを引き抜くことでフラップと包装箱が接着層を介して接着固定され、包装箱が封緘され、商品の封緘性の確保を可能とした。更に、引抜き用セパレーターの引抜き把持部に折返し用のミシン目等を設けることにより、折返し作業が容易になり、作業性の向上を可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、商品包装用の封緘ラベルに関し、更に詳しくは、差込みフラップを有する包装箱に用いる封緘ラベルに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来から、化粧品は店頭にて販売されることが多く、多くの包装箱にはバージン性が求められている。そこで、バージン性を確保するために包装箱にシュリンクフィルムを重ねて包装する方法や、包装箱の開封部分に封緘ラベルを貼る方法、また、包装箱の開放部分であるフラップと包装箱内部を糊付けする方法等が用いられている。
【０００３】
しかし、上記の方法では、例えばシュリンク包装の場合はシュリンク資材のコストアップが、封緘ラベルの場合は見栄えの問題が、糊付けの場合は生産時のコストアップや生産設備の問題があった。
【０００４】
また、上記の方法の問題点を解決するため、種々検討され、低コストの封緘ラベル（特許文献１）や開封容易で糊付け不要な封緘用紙箱（特許文献２）の提供がなされているが、化粧品の包装箱にとって最も重要な要素の一つである外観や見栄えといった問題は解決されていないのが現状である。
【特許文献１】特開平６−２７４１０４号公報
【特許文献２】実用新案登録第３０１８５５２号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本発明の課題は、上記のような問題点を解決し、低コストで生産性に優れ、しかも貼付する商品の包装箱の外観を損なうことのない封緘ラベルの提供である。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明者は、上記問題点を解決する為、封緘ラベルに着目し鋭意研究した結果、差込みフラップを有する包装箱に用いる封緘用ラベルであって、当該ラベルは接着層付着部及び引抜き把持部からなる引抜き用セパレーターと接着層より構成され、当該ラベルを差込みフラップに貼付させた後に、引抜き用セパレーターを引抜くことでフラップ上に残存する接着層が当該包装箱の内側と接着し固定されることを見出し本発明の完成に至った。
【０００７】
即ち、本発明は、差込みフラップを有する包装箱に用いる封緘性を保持するためのラベルであって、当該ラベルの引抜き用セパレーターの一方面には剥離可能な接着層が付着してあり、接着層面を差込みフラップに貼付させた後に、当該セパレーターを引抜くことでフラップと包装箱が接着層を介して接着固定され、包装箱が封緘される。更に、引抜き用セパレーターの引抜き把持部に折返し用の罫線又はミシン目又は折り目等を設けることにより、折返し作業が容易になり、作業性の向上を可能とした。
【発明の効果】
【０００８】
本発明の封緘ラベル（引抜き用セパレーター及び接着層）は、低コストでありながら、包装箱の外観を損なうことなく商品のバージン性を確保することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００９】
本発明の封緘ラベルは、化粧品等の差込みフラップを有する包装箱として最適である。
【００１０】
本発明に用いることができる封緘ラベルの材質は、引抜き用セパレーター及び接着層共に発明の効果を有する範囲においては特に制限はなく市販の両面テープに用いられている材質でもかまわない。例えば、接着層はアクリル樹脂系粘着剤等、引抜き用セパレーターは紙又はＰＥＴやＯＰＰ樹脂等が例示できる。
【００１１】
本発明に用いることができる封緘ラベルに関して、発明の効果を有する範囲において、大きさや形状は特に制限はなく、例えば、引抜き用セパレーターについては、当該引抜き用セパレーターの接着層付着部の大きさや形状は、接着層がフラップからはみ出さなければ問題はない。また、当該引抜き用セパレーターの引抜き把持部は、フラップを包装箱に差し込んだ後に引抜き可能であれば、長さや幅に制限はない。そして、当該引抜き用セパレーターの厚みに関してもミシン目等が設けやすく、且、引抜く際にチギレ等の不具合が発生しなければ良い。また、当該ミシン目に関して、折返しが容易で、引抜き易すければ特に形状の制限なく、罫線や折り目等が例示できる。一方、接着層の大きさについても、発明の効果を有する範囲において特に制限はなく、フラップからはみ出ない大きさであれば良い。そして、形状も円形又は三角形、四角形等自由に設定が可能で、厚みも包装箱の外観を損ねない範囲において任意に設定が可能である。
【実施例１】
【００１２】
以下に、本発明の実施例を示し説明する。図１は、使用前の本発明の封緘ラベルを表わし、台紙セパレーターに貼った状態を表した図。図２は、本発明の封緘ラベルの引抜き用セパレーターを表した図。図３は、使用前の本発明の封緘ラベルの断面図。図４は、本発明の封緘ラベルを用いて包装箱が封緘されるまでの仕組みを表した図。図５は、本発明の封緘ラベルをラベラー機械仕様にした例を表した図。
【００１３】
本発明の封緘ラベルは、図１に示すように、台紙セパレーター（３）に貼られた状態で準備される。そして、本発明の封緘ラベルは、引抜き用セパレーター（２）と剥離可能な接着層（４）からなる。また、図２に示すように、本発明の封緘ラベルの引抜き用セパレーターは、接着層付着部（２ａ）と引き抜き把持部（２ｂ）からなり、接着層付着部（２ａ）の台紙セパレーター側には剥離可能な接着層（４）が付着されている。ここで、本発明の封緘ラベルの引抜き用セパレーター（２）の引抜き把持部（２ｂ）にはミシン目（５）が設けられ、引抜き用セパレーターの引抜き把持部（２ｂ）の折返しがスムーズに行われるようにしてある。また、本発明の封緘ラベルの引抜き用セパレーター引抜き把持部（２ｂ）には接着層が塗布されていない。そして、本発明の封緘ラベルを機械にセッティングして使用する場合は、一般的には、台紙セパレーター（３）を外巻き仕様にしたものが用いられる。
【００１４】
次に、本発明の封緘ラベルを用いて化粧品等の包装箱を仕上げる工程について説明する。先ず、差込みフラップ（６ａ）を有した包装箱（６）を組立て、包装する商品を箱に収納して、図４に示すように、差込みフラップ部に本発明の封緘ラベルを貼付する。そして、本発明の封緘ラベルの引抜き用セパレーターの引抜き把持部（２ｂ）が包装箱（６）の外部に飛び出るように、当該引抜き把持部に設けたミシン目（５）に沿って折返す。その後、本発明の封緘ラベルの当該引抜き把持部（２ｂ）を引抜くことで、フラップに接着層（４）が残り、接する箱内部とフラップが接着層により接着固定され、バージン性を確保することができる。
【００１５】
上記の工程において、本発明の封緘ラベルの引抜き用セパレーターに設けるミシン目（５）により、差込みフラップを包装箱に差し込む際、当該引抜き用セパレーターの折返しを容易にすることが可能となる。また、引抜き用セパレーターに設けるミシン目（５）の位置は自由に設定が可能で、使用する包装箱の大きさに応じて任意に設定することが可能である。
【００１６】
本発明の封緘ラベルに用いる接着層に関し、接着層の中心層を樹脂性フィルム層として、その両面に接着層を設ける構造とすることも可能で、前記樹脂フィルムに「開封済」の文字を印刷することにより、包装箱を開封した際にフラップに付着した接着層に印字した文字が判読可能となり、バージン性機能を向上させることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【００１７】
本発明の封緘ラベルは、低コストでありながら、包装箱の外観を損なうことなく商品のバージン性を確保することが可能であるため、化粧品等の包装箱に広く応用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【００１８】
【図１】使用前の本発明の封緘ラベルを表わし、台紙セパレーターに貼った状態を表した図。
【００１９】
【図２】本発明の封緘ラベルの引抜き用セパレーターを表した図。
【００２０】
【図３】本発明の封緘ラベルの使用前断面図。
【００２１】
【図４】本発明の封緘ラベルを用いて包装箱が封緘されるまでの仕組みを表した図。
【００２２】
【図５】本発明の封緘ラベルをラベラー機械仕様にした例を表した図。
【符号の説明】
【００２３】
１本発明の封緘ラベル（接着層付着分）
２引抜き用セパレーター（接着層未付着分）
２ａ引抜き用セパレーター接着層付着部
２ｂ引抜き用セパレーター引抜き把持部
３台紙セパレーター
４接着層
５ミシン目
６包装箱
６ａ差込みフラップ

【特許請求の範囲】
【請求項１】
差込みフラップを有する包装箱に用いる封緘用ラベルであって、当該ラベルが接着層付着部及び引抜き把持部からなる引抜き用セパレーターと接着層より構成され、当該ラベルを差込みフラップに接着させた後に、引抜き用セパレーターを引抜き、フラップ上に残存する接着層が当該包装箱の内側と接着固定する機能を有したことを特徴とする封緘ラベル。
【請求項２】
引抜き用セパレーターの引抜き把持部に折り返し用罫線又はミシン目又は折り目が設けられていることを特徴とする請求項１記載の封緘ラベル。

【図２】