説明

尋常性座瘡の維持療法のためのアダパレン

本発明は、尋常性座瘡の治療中に患者の生物学的反応を維持するためにその患者に投与するための局所用薬剤の調製におけるアダパレンの使用を提供する。ここで、この局所用薬剤の投与パターンは、治療に有効な量のアダパレンを、少なくとも2週間に1回、少なくとも6ヶ月の間投与することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、尋常性座瘡の維持療法の方法に関する。
尋常性座瘡は、皮膚科診療の来診の20%を構成する一般的な皮膚障害であり、十代の人々の大部分に影響を与える。座瘡の管理は、特に、疾患の慢性化および治療に対する反応の多様性を考慮すると、困難な課題である。
【背景技術】
【0002】
座瘡の管理は、併用療法および長期の治療方針を必要とすることが多い。(例えば、Thiboutot D、「New treatments and therapeutic strategies for acne.」、Arch Family Med 2000;9:179-187;Gollnick H, Cunliffe W, Berson Dら、「Management of acne, a report from a Global Alliance to Improve Outcomes in Acne.」、J Am Acad Dermatol. 2003;49(l suppl):Sl-S37を参照)。座瘡病変は成功した治療法を打ち切った後に元に戻ることが明らかになっているため、維持療法が多くの座瘡患者に必要である。(Gollnick H, Cunliffe W, Berson Dら、「Management of acne, a report from a Global Alliance to Improve Outcomes in Acne.」、J Am Acad Dermatol. 2003;49(l suppl):Sl-S37;Thielitz A, Helmdach M, Ropke E-M, Gollnick H、「Lipid analysis of follicular casts from cyanoacrylate strips as a new method for studying therapeutic effects of antiacne agents.」、Br J Dermatol. 2001;145:19-27を参照)。
【0003】
急性の座瘡の治療のために様々な薬剤が利用できるにもかかわらず、尋常性座瘡を有する患者の維持療法の安全性および有効性に関する研究はほとんど無い。
【0004】
現在のところ、最も有効なコメド溶解性薬は、経口のイソトレチノインおよび局所のレチノイド類である。(Cunliffe WJ, Holland DB, Clark SM, Stables, GI、「Comedogenesis: some new aetiological, clinical and therapeutic strategies.」、Br J Dermatol. 2000;142:1084-1091を参照)。長期の治療に経口のイソトレチノインを選択することは、毒性および催奇形性の可能性に起因して実際的ではない。例えばレチノイド類などの局所の座瘡用薬剤は、皮膚刺激の増加を伴う場合があり、したがって可能性がある維持療法については忍容性に対する熟慮が必要である。特に無症候性の状態を治療する場合には、皮膚の副作用が治療遵守の確度を低下しうる。(Koo J、「How do you foster medication adherence for better acne vulgaris management?」、SKINmed. 2003; 2:229-33;およびHaider A, Shaw JC、「Treatment of acne vulgaris.」、JAMA. 2004;292:726-735を参照)。
【0005】
アダパレン〔6-[3-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェニル]-2-ナフトエ酸〕は、強力なレチノイド性および抗炎症特性を有するナフトエ酸誘導体である。アダパレンは、尋常性座瘡および他のレチノイド感受性の皮膚病(角質化、増殖、および分化のさまざまな障害を含む)の膏薬療法のために開発された。アダパレンは、主として、ケラチン生成細胞の分化を調節することによって作用(コメド溶解性作用および新たな面皰を予防)するが、抗炎症活性をも有する。
【0006】
アダパレンに関連して報告されている重篤でない副作用には、局所的な炎症反応の一般的な徴候および症状(紅斑、落屑、乾燥、灼熱感および刺激)、まれなケースである局所的なアレルギー反応(適用部位の浮腫、接触湿疹または皮膚炎)、または他の皮膚および皮膚付属器官の障害(非常にまれなケースである、色素沈着低下および色素沈着過剰、光過敏性反応、毛が薄くなる、毛が濃くなる、顔面がろう状になった後の皮膚のびらん)が含まれる。
【0007】
しかし、アダパレンおよび他の効果的なレチノイド類は、短期間(通常12週)の臨床実験で研究がされてきた。したがって、尋常性座瘡の維持療法の安全で有効な方法の開発が求められている。
【非特許文献1】Koo J、SKINmed. 2003; 2:229-33
【非特許文献2】Haider A, Shaw JC、JAMA. 2004;292:726-735
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、アダパレンを使用することによって、維持療法において尋常性座瘡を治療する効果的な方法を提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、短期間の研究と比較してより高い強度のアダパレンを使用することによる、優れた有効性と同程度の忍容性を有する尋常性座瘡の維持療法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、概して、尋常性座瘡の治療中に患者の生物学的反応を維持するためにその患者に投与するための局所用薬剤の調製におけるアダパレンの使用であって、この局所用薬剤の投与パターンが、治療に有効な量のアダパレンを、少なくとも2日に1回、少なくとも6ヶ月の間、好ましくは毎日1回、少なくとも6ヶ月の間、より好ましくは毎日1回、少なくとも12ヶ月の間投与する工程を含む使用を提供する。なお、プロトコルは、臨床治療の必要から、毎日1回、12ヶ月に亘る投与を指令した。
【0011】
好ましい方法では、この局所用薬剤を、罹患した皮膚に、少なくとも6ヶ月の間、好ましくは少なくとも9ヶ月の間、より好ましくは少なくとも12ヶ月の間適用する
本発明は、尋常性座瘡に罹患した患者の罹患した皮膚領域に、治療に有効な量のアダパレンを含む局所用薬剤(ここでは皮膚用製剤)を、少なくとも2日に1回、好ましくは毎日1回、少なくとも6ヶ月の間、より好ましくは少なくとも12ヶ月の間、局所的に適用する工程を含む、尋常性座瘡に罹患した患者のを治療する方法にも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
皮膚用製剤である本局所用薬剤は、罹患した皮膚領域に、晩、洗浄後に、好ましくは毎日1回適用することができる。好ましくは、本皮膚用製剤は、より高い強度、すなわち、少なくとも0.2重量%、より好ましくは少なくとも0.25重量%〜0.5重量%、最も好ましくは0.3重量%のアダパレンを含む水性ゲル組成物である。
【0013】
より具体的には、本発明は、尋常性座瘡の治療中に患者の生物学的反応を維持するためにその患者に投与するための局所用薬剤の調製におけるアダパレンの使用であって、この局所用薬剤の投与パターンが、0.3重量%のアダパレンを、毎日1回、少なくとも3ヶ月の間、好ましくは6ヶ月の間、より好ましくは12ヶ月に亘って投与する工程を含む使用を提供する。本発明は、患者の罹患した皮膚に、0.3重量%のアダパレンを含む局所用薬剤を、毎日1回、少なくとも3ヶ月の間、好ましくは6ヶ月の間、より好ましくは12ヶ月の間、局所的に適用する工程を含む尋常性座瘡の維持療法の方法にも関する。
【0014】
好ましくは、本局所用薬剤は、0.3重量%のアダパレンを含むゲル組成物であり、罹患した皮膚に少なくとも9ヶ月の間、好ましくは少なくとも12ヶ月の間適用される。この局所用薬剤は、罹患した皮膚が、20〜100個の非炎症性病変と、20〜50個の炎症性病変とを含み、活動期の結節もしくは嚢胞を含まない場合に特に有効である。本発明、その運用の有利性、およびその使用によって達成される特定の目的をより深く理解するために、本発明の好ましい態様が図示し説明した、図および記述を参照されたい。
【0015】
本発明は、0.3重量%のアダパレンを含有するゲル組成物を使用することによる、尋常性座瘡の維持療法の方法を提供する。このような製品は、特許協力条約による出願第PCT/EP03/03246号に記載されている。以下に、アダパレンゲル 0.3%を用いた座瘡の維持療法の臨床的な利点を明確に示す研究を詳細に記述する。
【実施例】
【0016】
実施例:アダパレン0.3重量%を含有するゲル組成物を用いた尋常性座瘡の維持療法の臨床試験
方法
[研究デザインおよび被験者]
本研究は、座瘡を有する12歳以上の被験者に毎日1回適用されるアダパレンゲル 0.3%の長期(最高で12ヶ月まで)の安全性についての、多施設共同、非盲検の研究である。主目的は安全性を評価することであり、第二の目的は、有効性を評価することであった。被験者らは、研究における処置を受ける前に書面によるインフォームドコンセントを提出した。被験者は、男性および女性(確実に非妊娠であり、不妊症であるか適切な避妊手順が用いられているかのいずれかである女性)であり、少なくとも20〜50個の炎症性病変(活動期の結節もしくは嚢胞を含まない)および20〜100個の非炎症性病変を有する。認定された被験者(n=551)が、米国内の20の独立機関に登録され、アダパレンゲル 0.3%を毎日1回、顔および胴体(適切な場合)に12ヶ月の間適用することを指示された。被験者は、ベースライン時、1週間後、および1ヶ月後、2ヶ月後、4ヶ月後、6ヶ月後、8ヶ月後、10ヶ月後、および12ヶ月後(あるいは期限前の最終来診時)に評価された。
【0017】
局所的な忍容性についての予測される徴候および症状(皮膚の炎症)が、各来診時に評価された:紅斑、落屑、乾燥、および刺激/灼熱感(いずれも、0[なし]から3[重度]までの尺度でランク付けされた)。研究期間中の有害事象および日常検査パラメータ(血液学的検査、血液生化学検査、および尿検査)が記録された。有効性データを、(非炎症性病変数、炎症性病変数、および合計の病変数における)ベースラインからの変化率および被験者の座瘡の評価(すなわち、6ヶ月後および12ヶ月後での改善評価)についてまとめた。
【0018】
登録された551名の被験者のうち、50.1%の被験者は女性であり、平均年齢は18.9歳であり、72.4%は白人、12.5%が黒人、12.5%がラテンアメリカ系、0.5%がアジア系、および2.0%が他の人種であった。ほとんどの被験者は油性肌であった(63.9%)。スキンフォトタイプIIIが最も一般的であった(35.2%)。
【0019】
本研究は、ヘルシンキ宣言およびGood Clinical Practice(GCP)に概要が示された倫理原則、ならびに地方条例の要請に従って行われた。本研究において、被験者全員が、参加する旨の文書によるインフォームドコンセントを、研究における処置の開始前に提出した。18歳以上の被験者はインフォームドコンセントに署名し、18歳未満の被験者は参加への同意に署名し且つその親または保護者がインフォームドコンセントに署名した。
【0020】
[有効性および安全性の変数]
表1は、本研究期間中の評価項目のフローチャートである。
【表1】

【0021】
試験責任医師(または責任のある被指名人)が、非炎症性病変数(開放面皰および閉鎖面皰)、および炎症性病変数(丘疹および膿疱)、ならびに結節数/嚢胞数の評価を行った。病変数は、顔だけから取った。被験者の座瘡の評価も記録した。
非炎症性病変および炎症性病変を、前額部、左右の頬、および下顎の輪郭より上の顎(鼻を含む)について計数した。合計病変数を、スポンサーが算出した。以下の定義を用いた:
非炎症性病変
・開放面皰:開いた毛包の下部に詰まった脂肪性物質の塊(ブラックヘッド)。
・閉鎖面皰:閉じた毛包の下部に詰まった脂肪性物質の塊(ホワイトヘッド)。
炎症性病変
・丘疹:直径1センチメートル未満の小さな硬い隆起。
・膿疱:黄色〜白色の滲出液を含有する小さな限局性の皮膚の隆起。
結節/嚢胞
通常1.0 cmより大きな直径の、限局性の隆起した病変。
【0022】
被験者は、被験者らの顔面の座瘡を、6ヶ月後、および12ヶ月後/期限前の最終的な来診時に、ベースラインの来診時と比較して、以下のスケールで評価した。
【表2】

【0023】
評価した安全性の変数は、局所的な忍容性(紅斑、落屑、乾燥、および刺激/灼熱感)、有害事象(AE)、および日常検査データ(血液学的検査、血液生化学検査、および尿検査)である。局所的なレチノイド類を用いた治療中に予測される副作用には、紅斑、落屑、乾燥、および刺激/灼熱感が含まれる。研究中、これらの予測される事象の経過を局所的な忍容性として評価した。
紅斑、落屑、乾燥、および刺激/灼熱感の評価は、以下の尺度で評価した。
【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【0024】
紅斑、落屑、乾燥は、試験責任医師によって評価された。刺激/灼熱感は、被験者との話し合い後に試験責任医師によって記録された。
【0025】
皮膚の炎症の徴候および症状の局所的な忍容性の目安については、予測される徴候および症状の重症度が、研究中の被験者の要請または試験担当医師の判断で参加が中断されるほどであった場合にのみ有害事象とみなした。炎症に対処するための投与計画の変更(例えば2日に1回の投与への変更など)は、研究中の被験者の参加の中断とはみなさなかった。
【0026】
[有害事象(AE)]
AEは、何らかの好ましくない意図されたものではない徴候(例えば、臨床的に関連する異常な検査所見を含む)、症状、または疾患〔時間的に(試験)薬剤の使用と関連がある疾患〕として、試験薬と関連しているか否かに関わらず定義した。新たな徴候、症状もしくは疾患の程度、または既にあった徴候、症状もしくは疾患の程度の臨床的に重要な増強はいずれもAEとみなした。これには、偶発的または意図的な過量投与または誤用後に被験者が被った新たな徴候または症状がいずれも含まれる。研究薬の有効性の欠如は、それが他の望ましくない医療上の出来事をもたらさない限り、AEには考慮しなかった。しかし、治療された疾患の臨床的に重要な悪化はAEとみなした。妊娠は、AEとはみなさないが、重要な医療事象である。
【0027】
AEの重症度は、軽度、中等度、または重度として評価した。AEと研究薬との関係は、関連あり(関連あるかもしれない、たぶん関連あり、または明らかに関連あり)または関連なし(関連しそうにない、または明らかに関連なし)として評価した。
【0028】
[重篤な有害事象(SAE)]
SEAは、いずれかの用量における、以下のいずれかの有害な医療上の出来事:
− 死亡に至った出来事
− 生命にかかわるものであった出来事(すなわち、被験者がその事象時に死亡する危険があった事象。しかし、その事象がより重篤であったと仮定したならば死亡の原因となりえた事象ではない。)
− 被験者の入院加療または現在の入院の長期化を必要とした出来事〔診断検査のためだけの入院(有害事象と関連がある場合であっても)、被験者が研究に参加する前に計画されたいずれかの処置のための待機的入院、またはデイケア施設への入院は、それ自体SEAを構成しない〕
− 持続的なまたは重要な身体障害/不能をもたらした出来事
− 先天性異常/出生異常、または
− 被験者を危険にさらすかまたは上記の結果を避けるために中断が必要となったいずれかの他の重要な医療上の事象
として定義した。
【0029】
[日常臨床検査]
血液および尿サンプルを、表1の研究フローチャートに明記されたスケジュールに従って採集した。以下の血液化学を評価した:タンパク質、アルブミン、グロブリン、A/G比率、(総)ビリルビン、アラニントランスアミナーゼ(ALT)、アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)、アルカリ燐酸塩、GGT、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)、尿素窒素、クレアチニン、尿酸、(総)コレステロール、トリグリセリド、およびブドウ糖。
【0030】
以下の血液パラメータを評価した:ヘマトクリット、ヘモグロビン、赤血球数、平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)、平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)、白血球数、および血小板数。
【0031】
以下の日常的な尿検査を行った:色、外観、比重、尿反応pH、ブドウ糖、タンパク質(定性的)、ケトン類、潜血、ビリルビン、亜硝酸塩、および白血球。
【0032】
[他の評価]
追加的な項目として、顔の油性が、以下の尺度で試験責任医師によって評価された。
【表7】

【0033】
[測定の妥当性]
有効性を、座瘡の改善を評価する現在の実務である、病変の計数によって評価した。
【0034】
安全性の尺度は、レチノイド類の既知のプロファイル、および臨床研究における安全性を報告するための標準的な手順(AEおよび検査値)に基づいた。
【0035】
[統計的分析]
本研究は非盲検研究であるため、記述的なデータの提示のみを行った。正式な統計的仮説検定は行わなかった。記述統計学のみを用いて全てのデータをまとめた。連続的な変数として、被験者の数(N)、平均値、標準偏差(SD)、中央値、最小値、および最大値を、各来診時に採集したデータ、および各ベースライン後の来診時に採集したベースラインからの変化/変化率に対して提示する。カテゴリー変数としては、各カテゴリーに対して頻度と割合を提示する。
【0036】
被験者の特性および有効性データについての全ての概要は、治療意図群(ITT)(この個体群は、研究薬剤が分配された、登録された全ての被験者からなる)に基づいた。安全性データはいずれも、安全性解析対象集団(研究薬剤を少なくとも1回適用した全ての被験者)に基づいた。
【0037】
解析対象の来診は、アルゴリズムにしたがって治療継続期間によりまとめられたデータに帰属した。同一の期間に複数の測定値が存在する場合には、目標とする検査日に最も近い測定値を分析に用いた。2つの測定値が目標日から同一の期間差のタイミングで取られた場合は、予定どうりの来診番号(症例記録用紙に記録された番号)のデータを分析に用いた。例えば、検査値が360日後および367日後に集められた場合、12ヶ月後の解析に360日後に集められたデータを用いる一方、終了時の解析に367日後に集められたデータを用いた。全てのデータを、解析のための来診の帰属に用いたが、1つの来診期間内の複数の観察結果に起因して、いくつかのデータは用いられなかった。
【0038】
治療を受けた全ての被験者の被験者データを研究の4つの四半期別にまとめた:「ベースライン時〜3ヶ月後前」、「3ヶ月後〜6ヶ月後前」、「6ヶ月後〜9ヶ月後前」、および「9ヶ月後〜12ヶ月後前」。各期間でリスクを負った被験者の数(すなわち、各期間の最初に利用可能であった被験者の数)を集計した。リスクを負った被験者の数は、各被験者の治療継続期間に基づいて判定した。これらの計算において各月は30日であるとみなし、7日間の来診時間枠を用いた。したがって、「ベースライン時〜3ヶ月後前」は1日後〜82日後、「3ヶ月後〜6ヶ月後前」は83日後〜172日後、「6ヶ月後〜9ヶ月後前」は173日後〜262日後、「9ヶ月後〜12ヶ月後前」は263日後〜352日後、および「1年後以降」は353日後以降である。
【0039】
同じ原則により、被験者の完了/中断を、被験者ごと、および4つの四半期別にまとめた。各四半期の中断率を、所与の期間の間リスクを負った被験者数で割った、その期間内に中断した被験者の数によって算出した。
【0040】
[安全性解析]
〔局所的な忍容性の評価〕
− 局所的な忍容性の変数(紅斑、落屑、乾燥、および刺激/灼熱感)を、各来診時の4つの得点による尺度(0=なし、3=重度)による重症度スコアによってまとめた。各被験者の「最悪」スコア、および「終了時」スコアをまとめた。ここで、「最悪」スコアは最も値が高いスコアであり、「終了時」は、ベースライン後の期間中の最後の観察時である。
− 局所的な忍容性データが、ベースライン時のスコアより悪かった(より高いスコアであった)被験者の数を、各ベースライン後の来訪時に一覧にした。各被験者の「最悪」スコアおよび「終了時」スコアは、ベースラインより高い値であっても一覧にした。
【0041】
〔有害事象〕
− 症例記録用紙(CRF)に記録された全てのAEを、データリストに示す。
− AEを、全ての被験者についてもまとめた。被験者1名は、例え2個以上の事象が報告された場合でも、身体ごとに1回だけ数に入れた。さらに、例え2回以上の発生が報告された場合でも、COSTART(有害反応用語のシソーラスのためのコード記号)ごとに1回だけ数に入れた。
− 四半期別のAEの発生率を、「ベースライン時〜3ヶ月後前」、「3ヶ月後〜6ヶ月後前」、「6ヶ月後〜9ヶ月後前」、および「9ヶ月後〜12ヶ月後前」についてまとめた。各期間のこのAEの発生率は、期間ごとに、リスクを負った被験者数で割った、その期間内にAEの発生があった被験者の数として算出した。
− AEの概要の表を、解析計画書(SAP)に載せる。
【0042】
〔検査値〕
各検査パラメータに対する記述統計を、各来診時に集められたデータおよび各ベースライン後の来診時のスクリーニングからの変化値に対して提示した。「終了時」は、ベースライン後の期間内の最後の観察に帰属させた。
スクリーニング時の検査データの終了時評価に対するシフト表を、数字による参照範囲が利用できる検査パラメータについて作成した。スクリーニング時に、終了時評価に対する検査参照範囲より低い範囲、範囲内、および高い範囲にある被験者の数をまとめた。
各臨床検査について、完全なデータリストを、いずれかの臨床検査結果が参照範囲外であった被験者のために提示する。
試験責任医師によってCRFページに記録された臨床的に重要なまたは臨床的に重要でない臨床検査結果の評価は、裏づけとなるデータリストと共に一覧にした。
【0043】
〔有効性評価〕
3つの病変タイプの数(非炎症性病変数、炎症性病変数、および合計病変数)を、各来診時でまとめ、さらに、各ベースライン後の来診時のベースラインからの変化/変化率を、ベースライン後の各来診時でまとめた。各来診時および終了時に観察されたデータをまとめた。ここで終了時は、治療期間中の入手可能な最後のデータの時点(試験が進められた最後の値である。)であり、ベースライン後のデータが入手可能でない場合には、ベースライン時が含まれるとみなした。病変データに対するサブグループの概要を、性別(男性対女性)、人種(白人対非白人)、および年齢群(18歳未満、18歳〜64歳)によって提示した。被験者による座瘡および顔の油性の評価をカテゴリー変数として来診ごとおよび終了時でまとめた。
【0044】
[結果]
〔患者の分布およびベースライン特性〕
551名の被験者を、米国内の研究施設20施設で登録した。表8に、被験者の登録の概要を示す。登録された551名の被験者のうち、362名(65.7%)は3ヶ月以上治療を受け、303名(55.0%)は6ヶ月以上治療を受け、166名(30.1%)は少なくとも1年間治療を受けた(353日以上)。
【表8】

【0045】
登録された551名の被験者のうち384名(69.7%)は、12ヶ月の間の治療を完了しなかった。最も頻度の高い2つの中断の理由は、経営上の措置であった:93名(16.9%)の被験者は「スポンサーの決定」により中断し、126名(22.9%)の被験者は「施設の閉鎖」により中断した。
【0046】
70名(12.7%)の被験者は、「追跡調査不能」により中断した。研究プロトコルに定義されているように、このカテゴリーは、臨床試験施設の担当者が被験者に、電話による接触に加えて手紙による接触を2回試みたが応答がなかった後にだけ利用可能であった。追跡調査不能となった被験者の数は、生命にかかわらない疾患(尋常性座瘡)を治療を受けている若い健康な患者からなる調査対象集団について予測される減少率と一致している。
【0047】
15名(12.7%)の被験者は、AEに起因して研究を中断した。これらのAEのうち11件(2.0%)は、研究の最初の3ヶ月の間に発生した。中断の理由にかかわらず、全ての被験者からのデータを、データ一覧に含めた。
【0048】
人口統計学的特性およびベースライン特性の概要を表9に示した。総計で、被験者の50.1%が男性で、平均年齢は18.9歳(11歳〜52歳の年齢範囲)であり、かつ、過半数である72.4%が白人であった。ほとんどの被験者(63.9%)は油性肌であった。スキンフォトタイプIIIが、もっとも一般的であった(35.2%)。
【表9】

【0049】
〔有効性評価〕
表10および図1は、非炎症性病変数、炎症性病変数、および合計病変数の変化率の中央値の概要である。
【表10】

【0050】
0.3重量%のアダパレンでの最高で12ヶ月までの治療は、病変数(非炎症性病変数、炎症性病変数、および合計病変数)において、1ヶ月後(病変数の計数が行われた第2回目のベースライン後の来診)から始まって、12ヶ月の間の治療の終了時まで、継続的な改善を示した。病変数の最も大幅な低下は、治療12ヶ月後にみられ、ベースラインから少なくとも75%の低下を達した。
【0051】
被験者の座瘡の評価の概要を表11に示す。全般的な改善が、被験者の座瘡の評価において観察された。評価の中央値は、6ヶ月後には「中程度の改善」であり、12ヶ月後には「顕著な改善」であった。
【表11】

【0052】
顔面の油性の評価は、6ヶ月後および12ヶ月後の両方の時点でベースラインより改善した。ベースライン時には、69名(12.6%)の被験者が油性ではなかったのに対し、6ヶ月後には130名(41.7%)の被験者が、さらに12ヶ月後には111名(66.1%)の被験者が油性ではなかった。
【0053】
したがって、以下の点が本研究から認められた。
− 非炎症性病変数、炎症性病変数、および合計病変数の継続的な低下が長期にわたって起こった。
− ベースラインからの中央値の低下が、全ての病変タイプについて12ヶ月後までに75%より大幅であった。
【0054】
[安全性評価]
〔曝露の程度〕
総勢551名の被験者が、本研究においてアダパレンゲル 0.3%の治療を受けた。平均治療継続期間は、190.2日であった。用いられた薬剤の平均合計量は、被験者1名あたり141.24グラム(1.5グラム〜639.4グラムの範囲)であった。平均の毎日の薬剤使用量は、被験者1名あたり0.7グラム/日(0.02グラム/日〜6.7グラム/日の範囲)であった。本明細書において、毎日の薬剤使用量(グラム/日)は、治療継続期間(日)で割った合計薬剤使用量(g)である。
【0055】
〔局所的な忍容性〕
予測される皮膚の徴候および症状(紅斑、落屑、乾燥、および刺激/灼熱感)を、各来診時に0(なし)から3(重度)の尺度で評価した。表12および図2は、予測される皮膚の徴候および症状がベースラインよりも悪化した被験者の割合を示している。
【表12】

【0056】
紅斑、落屑、乾燥、および刺激/灼熱感がベースライン時よりも悪化した被験者の割合は、1週間後に最も高く、その後継続的に低下した。
【0057】
局所的な皮膚炎症について予測される皮膚の徴候および症状は、重症度が軽度から中等度であった。重度のスコアを有する被験者はほとんどいなかった(表13)。
【表13】

【0058】
〔有害事象〕
登録された551名の被験者のうち244名(44.3%)には、1件以上のAEが生じた。全体として、142名(25.8%)の被験者に1件以上の皮膚性のAEが生じ、155名(28.1%)の被験者に1件以上の非皮膚性のAEが生じた。
重篤なAEが6名の被験者で報告された;いずれのAEも、試験薬との関連性がなかった。本研究では、死亡はなかった。
AEに起因する中断は、15名(2.7%)の被験者に生じた;いずれのAEも皮膚性のAEであり、1件は追加的に非皮膚性のAEが生じた。
薬剤に関連があるAEは、119名(21.6%)の被験者で報告された;このうち、117名(21.2%)の被験者で、薬剤に関連がある皮膚性のAEが報告された。
重篤なAEが生じた被験者の割合は、1.8%であった(10名の被験者に13件のAEが生じた)。いずれのAEも、試験薬との関連性がなかった。1件の事象だけが皮膚性であった(1名の被験者が陥入爪に感染した)。
【0059】
皮膚性のAEの発生率は、第一の四半期に最も高く〔111件(20.1%)の事象〕、第二の四半期には低下し〔23件(6.4%)の事象〕、残りの研究期間を通して低いままであった〔第三の四半期および第四の四半期に、それぞれ18件(5.9%)および10件(5.7%)の事象〕。皮膚性のAEの大部分は、試験薬と関連があった。したがって、試験薬に関連があるAEのプロファイルは、皮膚性のAEの同じプロファイルに追随した。同様に、中断に至った皮膚性のAEの大部分は、第一の四半期に生じた。
【0060】
非皮膚性のAEが生じた被験者の割合は、最初の2つの四半期〔第一の四半期:13.1%および第二の四半期:11.0%〕と、次の2つの四半期〔第三の四半期:12.5%、第四の四半期:17.2%〕との間で同程度であった。薬剤に関連がある非皮膚性のAEは、4名(0.7%)の被験者で報告された(2名は眼痛、1名は頭痛、および1名は肝酵素の上昇)。
【0061】
有害事象の全体的な概要、最も頻繁に報告された有害事象、試験薬に関連がある有害事象、および日焼けとしてコード化された有害事象の発生率を、表14〜17に示した。
【表14】

【表15】

【表16】

【表17】

【0062】
統括すると、本研究では、アダパレンゲル 0.3%が、尋常性座瘡の長期(1年)の治療において良好な忍容性を示した。
− 皮膚の炎症について予測される徴候および症状(紅斑、落屑、乾燥、および刺激/灼熱感)は、大部分が軽度または中等度であり、一過性であった。
− 大部分のAEは、第一の四半期に生じ、皮膚性であり、重症度において軽度または中等度であった。
− 臨床検査評価は、いかなる全身性の毒性の証拠を示すものでもなかった。
【0063】
[考察および総体的結論]
本研究は、アダパレンゲル 0.3%の長期(最高で12ヶ月まで)の安全性の、多施設共同、非盲検の研究である。主目的は安全性を評価することであり、第二の目的は、有効性を評価することであった。被験者は、男性および女性(確実に非妊娠であり、不妊症であるか適切な避妊手順が用いられているかのいずれかである)であり、年齢が12歳以上であり、少なくとも20〜50個の炎症性病変(結節もしくは嚢胞を含まない)および20〜100個の非炎症性病変を有する。認定された被験者(n=551)が、米国内の20の独立機関に登録され、アダパレンゲル 0.3%を毎日1回、顔および胴体(適切な場合)に12ヶ月の間適用することを指示された。被験者は、ベースライン時、1週間後、および1ヶ月後、2ヶ月後、4ヶ月後、6ヶ月後、8ヶ月後、10ヶ月後、および12ヶ月後(あるいは期限前の最終来診時)に評価された。
【0064】
局所的な皮膚の忍容性についての予測される徴候および症状(皮膚の炎症)が、各来診時に評価された:紅斑、落屑、乾燥、および刺激/灼熱感(いずれも、0[なし]から3[重度]までの尺度でランク付けされた)。研究期間を通して、有害事象および日常検査パラメータ(血液学的検査、血液生化学検査、および尿検査)が記録された。有効性データを、(非炎症性病変数、炎症性病変数、および合計の病変数における)ベースラインからの変化率および被験者の座瘡の評価で総括した。
【0065】
登録された551名の被験者のうち、362名(65.7%)は3ヶ月以上治療を受け、303名(55.0%)は6ヶ月以上治療を受け、166名(30.1%)は1年以上治療を受けた。最も頻度の高い2つの中断の理由は、経営上の措置によるものであった:93名(16.9%)の被験者は「スポンサーの決定」により中断し、126名(22.9%)の被験者は「施設の閉鎖」により中断した。15名(12.7%)の被験者は、AEに起因して研究を中断した。これらのAEのうち11件(2.0%)は、研究の最初の3ヶ月の間に発生した。中断の理由にかかわらず、全ての被験者からのデータを、データ一覧に含めた。
【0066】
被験者の50.1%が男性で、平均年齢は18.9歳であり、かつ、72.4%が白人であった(黒人12.5%、スペイン系12.5%、アジア系0.5%、およびその他2.0%)。ほとんどの被験者(63.9%)は油性肌であった。スキンフォトタイプIIIが、もっとも一般的であった(35.2%)。
【0067】
結論として、アダパレンゲル 0.3%が、尋常性座瘡患者の長期(1年)の治療において良好な忍容性を示し、かつ、有効であった。皮膚の炎症の徴候および症状(紅斑、落屑、乾燥、および刺激/灼熱感)は、大部分が軽度または中等度であり、一過性であった。SAEはほとんどなく、研究治療に関連するものはなかった。本研究で報告された大部分のAEは、軽度または中等度であった。四半期ごとのAEの発生は、大部分のAE(関連があるAE、皮膚性AE、SAE、および中断につながるAEを含む)が第一の四半期に生じ、試験薬剤に関連があるAEの発生は、一般的に時間とともに低下した。試験薬剤に関連があるAEのほとんど大部分は、皮膚性であった。
【0068】
皮膚の乾燥、皮膚の不快感、落屑、紅斑、掻痒、および刺激性皮膚炎は、いずれもアダパレン等のレチノイド類を用いた治療に関連がある徴候および症状である。薬剤に関連がある日焼けの観察は、臨床学的に有意ではないと考えられる。第一の四半期中および12ヶ月の間の間に何らかの日焼けがあった被験者の割合は低く(4%および5%)、尋常性座瘡の治療におけるアダパレンゲル 0.1%およびアダパレンゲル 賦形剤と比較したアダパレンゲル 0.3%の安全性および有効性についての12週間の研究(アダパレンゲル 0.3%およびアダパレンゲル 賦形剤の被験者に対してそれぞれ3%および5%)と同程度であった。上述の12週間の研究および本研究の第一の四半期の時期は、5月〜8月であり、日焼けが予測される夏期と一致していた。
【0069】
全ての被験者が、経営上の措置である「スポンサーの決定」および「施設の閉鎖」により中断した被験者を含めて、治療期間の間、有害事象および局所的な皮膚炎症(最初の3ヶ月の間)の最も高い発生率を伴う安全性データに寄与した。
【0070】
日常検査パラメータ(臨床化学検査、血液学的検査、および尿検査)は、全身性の毒性の証拠を全く示さなかった。研究期間中、予測されない臨床AEは生じなかった。肝酵素の上昇を示した1名の被験者は、試験責任医師により試験薬剤と関連があるかもしれないと考えられた。しかし、この被験者は、肝臓で代謝される4種の経口の併用薬(シタロプラム、ベンラファクシン、アルプラゾラム、およびアセトアミノフェン)を受けていた。さらに、これらの併用薬のうちの2種(ベンラファクシンおよびアセトアミノフェン)は、肝機能値の増加をもたらすことが知られている。
【0071】
安全性の知見は、レチノイド類の既知のプロファイルと一致した。予測されないAE(全身性のAEも皮膚性のAEも)あるいは蓄積毒性は、長期にわたって全く観察されなかった。この結果、アダパレンゲル 0.3%を用いた治療を受ける被験者にとって、12週間を超えて延長する治療は、実質的な追加的リスクを示唆するものではない。
【0072】
アダパレンゲル 0.3%の有効性は、非炎症性病変、炎症性病変、および全病変について実証された。アダパレンゲル 0.3%は、12ヶ月の間治療を受けた被験者において、合計病変数の75%より大幅な、継続的な低下を示した。
【0073】
結論として、アダパレンゲル 0.3%は、尋常性座瘡患者の長期(1年)の治療において良好な忍容性を示し、かつ、有効であった。
− 皮膚の炎症について予測される徴候および症状(紅斑、落屑、乾燥、および刺激/灼熱感)は、大部分が軽度または中等度であり、一過性であった。
− 大部分のAEは、第一の四半期に生じ、皮膚性であり、重症度において軽度または中等度であった。
− 臨床検査評価は、いかなる全身性の毒性の証拠を示すものでもなかった。
− 非炎症性病変数、炎症性病変数、および合計病変数の継続的な低下が長期にわたって起こった。ベースラインからの中央値の低下が、全ての病変タイプについて12ヶ月後までに75%より大幅であった。
【0074】
このように、本発明の基本的な新規な特徴を、その好適な実施態様に適用して示し、記述し、指摘してきたが、発明の形態および詳細についての様々な省略、置換、および変形、およびその運用が、本発明の本質から逸脱することなく当業者によってなされうることを理解されたい。例えば、実質的に同一の方法で実質的に同一の機能を発揮して同一の結果を達成する要素および/または方法の全ての組合せが本発明の範囲に包含されることが明示的に意図されている。さらに、開示された本発明の形態または実施例のいずれかに関連して示しかつ/あるいは記述された構造および/または要素および/または方法は、開示され、または記載され、または示唆された他の形態または実施例に一般的な設計上の選択として組み込まれうることが認識されるべきである。したがって、本明細書に添付した特許請求の範囲により示された範囲にのみ限られることが意図されている。
【0075】
全ての引用文献は、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】図1は、病変数の変化率の中央値の時間経過を示す。
【図2】図2は、局所的な皮膚炎症(ベースラインよりも悪化したもの、観察データ、最終スコア)の時間経過を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
尋常性座瘡の治療中に患者の生物学的反応を維持するために前記患者に投与するための局所用薬剤の調製におけるアダパレンの使用であって、前記局所用薬剤の投与パターンが、治療に有効な量のアダパレンを、少なくとも2日に1回、少なくとも6ヶ月に亘って投与する工程を含むものである、アダパレンの使用。
【請求項2】
前記局所用薬剤が水性ゲル組成物である、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記局所用薬剤が、少なくとも0.2重量%のアダパレンを含む、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
前記局所用薬剤が、0.25重量%〜0.5重量%のアダパレンを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
前記局所用薬剤が、罹患した皮膚領域に毎日1回適用される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
前記局所用薬剤が、罹患した皮膚に毎日1回、晩に、洗浄後に適用される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
前記局所用薬剤が、罹患した皮膚に少なくとも6ヶ月に亘って適用される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
前記局所用薬剤が、罹患した皮膚に少なくとも9ヶ月に亘って適用される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項9】
前記局所用薬剤が、罹患した皮膚に少なくとも12ヶ月に亘って適用される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
尋常性座瘡の治療中に患者の生物学的反応を維持するために前記患者に投与するための局所用薬剤の調製におけるアダパレンの使用であって、前記局所用薬剤の投与パターンが、0.3重量%のアダパレンを、毎日1回、少なくとも6ヶ月に亘って投与する工程を含む、使用。
【請求項11】
前記局所用薬剤がゲル組成物であり、罹患した皮膚に少なくとも9ヶ月に亘って適用される、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
前記局所用薬剤がゲル組成物であり、罹患した皮膚に少なくとも12ヶ月に亘って適用される、請求項10に記載の使用。
【請求項13】
罹患した皮膚が、20〜100個の非炎症性病変と、20〜50個の炎症性病変とを含み、活動期の結節もしくは嚢胞を含まない、請求項10に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−528538(P2008−528538A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552607(P2007−552607)
【出願日】平成18年1月23日(2006.1.23)
【国際出願番号】PCT/EP2006/001140
【国際公開番号】WO2006/079563
【国際公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(599045604)ガルデルマ・リサーチ・アンド・デヴェロップメント (117)
【Fターム(参考)】