導電パターン形成筐体、アンテナ装置、導通検査方法、導通検査治具およびアンテナ装置の製造方法
【課題】表面上に導電パターンが形成された筐体において、容易に導電パターンの断線をチェックするための技術を提供する。
【解決手段】絶縁体からなる筐体1と、筐体1の表面上に形成されている導電パターン2とを備えており、筐体1には、筐体1を貫通し、連続する導電パターン2の互いに異なる位置に電気的に接続する導電部材(4、5)が2つ以上設けられている導電パターン形成筐体10を提供する。
【解決手段】絶縁体からなる筐体1と、筐体1の表面上に形成されている導電パターン2とを備えており、筐体1には、筐体1を貫通し、連続する導電パターン2の互いに異なる位置に電気的に接続する導電部材(4、5)が2つ以上設けられている導電パターン形成筐体10を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電パターン形成筐体、アンテナ装置、導通検査方法、導通検査治具およびアンテナ装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、筐体の表面上に、印刷等により導電パターンを形成した電子装置が開発されている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1には、非電導性の被印刷体に貫通孔を形成する第1工程と、該貫通孔に電導性を有する接点部材を配置する第2工程と、前記被印刷体の一方の面に、前記接点部材の一方の端面の一部に重なるように導電性インクまたは金属粉末含有インクによってアンテナパターンを印刷する第3工程と、該第3工程において形成されたアンテナパターンの表面にメッキを施す第4工程と、を有し、前記第4工程において形成されたメッキの一部が前記接点部材に電気的に接続される印刷アンテナの製造方法が記載されている。また、前記第4工程において形成されたメッキの表面に、化粧コートを印刷する工程を行うことも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−166379号公報(2010年7月29日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような導電パターンには断線のおそれがある。また、導電パターンと接点部材とが導通しないおそれもある。しかしながら、導電パターンの表面がコートされていたり、導電パターン自体の脆さのために、断線や、接続状態等のチェックが困難な場合がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、表面上に導電パターンが形成された筐体において、容易に導電パターンの断線等をチェックするための技術を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意検討の結果、表面上に導電パターンが形成された筐体において、筐体自体の構成を後述のようにすることにより、導電パターンの断線等を容易にチェックし得ることを見出し、発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明に係る導電パターン形成筐体は、絶縁体からなる筐体と、該筐体の表面上に形成されている導電パターンとを備えており、該筐体には、該筐体を貫通し、連続する該導電パターンの互いに異なる位置に電気的に接続する導電部材が2つ以上設けられていることを特徴としている。
【0009】
上記の構成によれば、連続する導電パターン上の一つの位置と、他の位置とに対して、異なる導電部材を介して同時に通電することができるため、当該一つの位置と、他の位置との間に断線等が生じていないかを容易に検査することができる。特に、導電部材が筐体を貫通するように設けられているため、導電パターンが形成されている領域とは異なる位置から通電することができる。これにより、例え、導電パターンの表面に通電するのが困難である場合であっても、容易に断線等をチェックすることができる導電パターン形成筐体を提供することができる。
【0010】
また、導電部材を介して通電を行った際、当該導電部材と導電パターンとの間の接続状態によって、通電状態が変化するため、導電部材と導電パターンとの間の接続状態についても容易にチェックすることができる。
【0011】
すなわち、他の観点からみれば、導電部材と導電パターンとの間の接続状態を、直接導電パターンに通電することなく、導電部材を介した導通検査のみでチェックすることができる導電パターン形成筐体を提供することができる。
【0012】
本発明に係る導電パターン形成筐体は、上記導電パターンと上記導電部材とが互いに異なる導電体材料からなることが好ましい。
【0013】
上記の構成によれば、筐体を貫通する導電部材と、筐体の表面上に設けられる導電パターンとをそれぞれ好適に形成することができる。例えば、導電部材を、金属のピン、板金等から、導電パターンを、導電ペーストが塗布されてなる導電膜、可撓性を有する導電膜、メッキ等から構成することができる。
【0014】
本発明に係る導電パターン形成筐体は、上記導電パターンの上記筐体とは反対側の面が、絶縁体材料によって被覆されていることが好ましい。
【0015】
上記の構成によれば、導電パターンの筐体とは反対側の面が、絶縁体材料によって被覆されている。これにより、導電パターンの損傷、剥離、周囲の導体との不要な導通等の防止、導電パターンの目隠し等を実現することができる。
【0016】
そして、本発明に係る導電パターン形成筐体によれば、導電部材が筐体を貫通するように設けられているため、導電パターンが形成されている領域とは異なる位置から通電することができる。それゆえ、導電パターンの筐体とは反対側の面が絶縁体材料によって被覆されていたとしても、容易に断線等をチェックすることができる導電パターン形成筐体を提供することができる。
【0017】
本発明に係る導電パターン形成筐体は、上記導電部材が、上記導電パターンが設けられている領域から上記筐体上の上記絶縁体材料によって被覆されていない領域まで上記筐体を貫通するものであることが好ましい。
【0018】
上記の構成によれば、導電部材が、導電パターンが設けられている領域から、筐体上の絶縁体材料によって被覆されていない領域まで筐体を貫通するように設けられているため、絶縁体材料によって被覆されていない領域から通電することができる。それゆえ、容易に断線等をチェックすることができる導電パターン形成筐体を提供することができる。
【0019】
本発明に係る導電パターン形成筐体は、上記導電部材が、上記筐体にインサート成形されていることが好ましい。
【0020】
上記の構成によれば、導電部材が筐体にインサート成形されているため、導電パターン形成筐体を好適に製造することができる。例えば、インサート成形された導電部材上に導電パターンを印刷法によって形成すれば、容易に導電部材と導電パターンとの間の導通をとることができる。
【0021】
本発明に係る導電パターン形成筐体では、上記導電パターンは、上記筐体の表面上に導電ペーストが塗布されてなるものであることが好ましい。
【0022】
上記の構成によれば、導電パターンを、容易に、自由な形状に形成することができる。
【0023】
本発明に係るアンテナ装置は、本発明に係る導電パターン形成筐体を備え、上記導電パターンがアンテナエレメントであることを特徴としている。
【0024】
上記の構成によれば、アンテナエレメントの断線等を容易にチェックすることができるので、アンテナエレメントの断線等のリスクが低い高品質なアンテナ装置を提供することができる。
【0025】
本発明に係るアンテナ装置は、無線回路を備え、該無線回路と上記導電パターンとが上記導電部材を介して電気的に接続されていることが好ましい。
【0026】
上記の構成によれば、導電パターンからなるアンテナエレメントと無線回路とが、導電部材を介して電気的に接続される。ここで、導電部材を利用した導電パターンの断線等をチェックするとき、同時に、導電部材を介した導電パターンへの導通が検査される。それゆえ、導電パターンの断線に加えて、導電パターンと無線回路との間の導通についても併せて容易にチェックすることができるアンテナ装置を提供することができる。
【0027】
本発明に係るアンテナ装置は、少なくとも一つの上記導電部材が、上記無線回路および上記アンテナ装置のグランドの何れにも電気的に接続していないものであってもよい。
【0028】
上記の構成のように、本発明に係るアンテナ装置は、必要に応じて、無線回路にもグランドにも電気的に接続されていない導電部材という、本発明に特徴的な構成を有する場合がある。
【0029】
このような導電部材を設けることによって、導電パターンにおける断線等のチェックをより好適に行うことができる。
【0030】
本発明に係るアンテナ装置は、少なくとも一つの上記導電部材が、上記アンテナ装置のグランドに接続しているものであってもよい。
【0031】
上記の構成によれば、導電パターンからなるアンテナエレメントとアンテナ装置のグランドとが、導電部材を介して電気的に接続される。ここで、導電部材を利用した導電パターンの断線等をチェックするとき、同時に、導電部材を介した導電パターンへの導通が検査される。それゆえ、導電パターンの断線に加えて、導電パターンとグランドとの間の導通についても併せて容易にチェックすることができるアンテナ装置を提供することができる。
【0032】
本発明に係る導通検査方法は、本発明に係る導電パターン形成筐体に対して、任意の2つの上記導電部材間に電流が流れるか否かを検査する検査工程を包含することを特徴としている。
【0033】
導電部材は、筐体を貫通し、連続する導電パターンの互いに異なる位置に電気的に接続するものであるため、上記の構成によれば、任意の2つの導電部材間に電流が流れるか否かを検査することにより、連続する導電パターンにおいて断線等が生じているか否かを容易にチェックすることができる。
【0034】
本発明に係るアンテナ装置の製造方法は、本発明に係るアンテナ装置を製造する方法であって、上記導電パターン形成筐体を、当該アンテナ装置に組み込む組込工程と、該組込工程の前に、上記導電パターン形成筐体に対して、任意の2つの上記導電部材間に電流が流れるか否かを検査する検査工程とを包含することを特徴としている。
【0035】
上記の構成によれば、導電パターン形成筐体に対して、任意の2つの導電部材間に電流が流れるか否かを検査するため、導電パターン形成筐体における断線等を容易にチェックすることができる。それゆえ、アンテナエレメントの断線等のリスクが低い高品質なアンテナ装置を提供することができる。
【0036】
本発明に係る導通検査治具は、本発明に係る導電パターン形成筐体に当接させて用いる導通検査治具であって、当該導電パターン形成筐体が備える上記導電部材の各々に対応する端子部を備えており、当該導電パターン形成筐体に当接したときに、上記各端子部が上記各導電部材に接続するように上記各端子部が配置されていることを特徴としている。
【0037】
上記の構成によれば、導通検査治具が導電パターン形成筐体に当接されたときに、各端子部が各導電部材に接続するため、導通検査治具を導電パターン形成筐体に当接させるだけで、任意の2つの導電部材間に電流が流れるか否かを容易に検査することができる。よって、本発明に係る導通検査治具を用いれば、導電パターンにおいて断線等が生じているか否かを容易にチェックすることができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、表面上に導電パターンが形成された筐体において、容易に導電パターンの断線をチェックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態(実施形態1)に係る導電パターン形成筐体の構成を概略的に示す模式図であり、(a)は、導電パターン形成筐体の表面を示し、(b)は、導電パターン形成筐体の裏面を示す。
【図2】本発明の一実施形態(実施形態1)に係る導電パターン形成筐体の、図1(a)においてAで示す部分の側方断面図である。
【図3】本発明の一実施形態(実施形態1)に係る導通検査治具の構成を概略的に示す模式図である。
【図4】本発明の一実施形態(実施形態1)に係るアンテナ装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態(実施形態1)に係るアンテナ装置の構成を概略的に示す斜視図である。
【図6】導電部材の構成のバリエーションを示す側方断面図である。
【図7】導電部材の構成のバリエーションを示す側方断面図である。
【図8】本発明の一実施形態(実施形態2)に係る導電パターン形成筐体の構成を概略的に示す模式図であり、(a)は、導電パターン形成筐体の表面を示し、(b)は、導電パターン形成筐体の裏面を示す。
【図9】本発明の一実施形態(実施形態2)に係るアンテナ装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態(実施形態3)に係る導電パターン形成筐体の構成を概略的に示す模式図であり、(a)は、導電パターン形成筐体の表面を示し、(b)は、導電パターン形成筐体の裏面を示す。
【図11】本発明の一実施形態(実施形態3)に係るアンテナ装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
〔実施形態1〕
以下、図1〜7を参照して本発明の一実施形態(実施形態1)について説明する。
【0041】
(導電パターン形成筐体)
図1は、本実施形態に係る導電パターン形成筐体10の構成を概略的に示す模式図であり、(a)は、導電パターン形成筐体10の表面を示し、(b)は、導電パターン形成筐体10の裏面を示す。また、図2は、図1(a)のAで示す部分の側方断面図である。
【0042】
本明細書において、導電パターン形成筐体とは、表面上に導電パターンが形成されている筐体を指す。このような導電パターン形成筐体は、電子装置に組み込むことができ、電子装置に対して、アンテナエレメント、信号伝送経路、電力伝送経路等を提供する電子部品として利用可能である。
【0043】
本実施形態に係る導電パターン形成筐体10は、筐体1、導電パターン2、保護層3、導電部材4および導電部材5を備えている。
【0044】
筐体1は、絶縁体からなり、例えば、電子装置の筐体を構成している。電子装置の筐体とは、電子装置が備える電子部品を格納する部材を指す。本実施形態では、筐体1は板状の形状を有しているがこれに限定されず、構成する電子装置に応じた形状を有していればよい。
【0045】
(導電パターン)
導電パターン2は、筐体1の表面上に形成されている導電体である。導電パターン2は、例えば、導電ペーストが筐体1の表面上に塗布されてなる導電膜であってもよいし、フレキシブルプリント基板等の可撓性を有する導電膜であってもよいし、メッキ等によって構成されていてもよい。後述するように、本実施形態において、導電パターン2は、アンテナエレメントとして使用されるが、本発明はこれに限定されず、電子装置内において、導電パターン2が形成された領域に配置された部材を電気的に接続するために用いてもよい。
【0046】
導電パターン2を、導電ペーストが筐体1の表面上に塗布されてなる導電膜として構成する場合、導電ペーストとしては、粘性を有する導電体材料であり、少なくとも、金属粉および溶剤からなるものであり、好ましくは、金属粉、バインダー樹脂および溶剤からなるものを用いることができる。導電ペーストが塗布されてなる導電膜は、例えば、乾燥により溶剤が除去されていてもよく、溶剤が一部残留していてもよい。導電ペーストの塗布方法としては種々の方法を採ることができるが、好適には、筐体1および導電部材4の形状に適合するように、可撓性を有する印刷版を用いた印刷(例えば、フレキソ印刷、オフセット印刷、シルク印刷、パッド印刷等)により塗布することが好ましい。
【0047】
導電パターン2を、導電ペーストを塗布することにより形成することにより、導電パターンを薄くすることが可能であり、また、容易に曲面的な形状とすることができるので、設計の自由度をより向上させることができる。
【0048】
また、可撓性を有する印刷版を用いた印刷(フレキソ印刷、オフセット印刷、シルク印刷、パッド印刷等)により、導電ペーストを塗布することにより、筐体等の形状に合わせて首尾よく導電パターンの印刷を行うことができ、構造物の大量生産等にも寄与することができる。
【0049】
なお、導電パターン2を、フレキシブルプリント基板のような可撓性を有する導電膜から構成した場合であっても、導電パターン2を、自由な形状に固定することができるので、設計の自由度を向上させることができる。
【0050】
すなわち、導電パターン2を、フレキシブルプリント基板等の可撓性を有する導電膜、または、導電ペーストが塗布されてなる導電膜等の、それ自体では保形性を有さない(自己保形性を有さない)導電膜によって構成することにより、設計の自由度を向上させることができる。
【0051】
また、メッキによって導電パターン2を構成してもよい。
【0052】
(保護層)
保護層3は、導電パターン2の表面(導電パターン2の筐体1とは反対側の面)を被覆する絶縁体材料である。保護層3を設けることによって、導電パターン2が損傷(断線、剥離等)することを防ぐことができるとともに、導電パターン2を目隠しすることができる。また、保護層3によって、導電パターン2の表面(導電パターン2の筐体1とは反対側の面)は、外部から絶縁される。但し、本発明において、保護層3は必須の構成要素ではなく、保護層3を設けなくともよい。
【0053】
本実施形態において、保護層3は、アンテナの性能に影響を与えない材質のものであり、導電パターン2を保護するだけの強度を有するものであればよい。ここでアンテナの性能に影響を与えないとは、保護層3の有無でアンテナの性能が著しく劣化しないものである。
【0054】
保護層3は、貼り付け、塗布、噴き付けなどで導電パターン2上に設けられるものであればよく、例えば、コーティング剤(例えば、樹脂溶液)によって形成されるものを好適に用いることができる。また、このコーティング剤の塗布は、筐体1の塗装を兼ねていてもよい。また、保護層3はシート状のものであって、シールのように貼り付けたり熱や圧力で圧着できるものであってもよい。
【0055】
(導電部材)
本実施形態に係る導電パターン形成筐体10では、筐体1には、筐体1を貫通し、連続する導電パターン2の互いに異なる位置に電気的に接続する導電部材が2つ以上設けられている(導電部材4および5)。
【0056】
導電部材4および5は、例えば、金属等の導電体からなる部材である。図2に示すように、導電部材4の形状は、例えば、柱状であり得、好ましくは、ピン形状であり得る。これにより、筐体1を貫通する導電部材4を好適に構成することができる。なお、円柱状に限られず、角柱状であってもよい。また、その太さも均一でなくてもよい。また、図2に示すように、筐体1から突出していてもよいし、筐体1から凹んだ状態であってもよい。導電部材5の形状も同様である。
【0057】
そして、導電部材4の導電パターン2側の面4aは、導電パターン2と接触しており、導電部材4と導電パターン2とは電気的に接続されている。また、導電部材4の導電パターン2とは反対側の面4bは、導電パターン2に通電するための電極となる。導電部材5も同様である。
【0058】
また、導電部材4および5は、筐体1にインサート成形されていてもよい。これにより、筐体1に対して導電部材4および5を容易に貫通させることができる他、防水性を向上させることもできる。また、導電部材4および5が筐体1にインサート成形されている状態で、導電パターン2を印刷法等により形成することにより、導電部材4および5と導電パターン2との電気的な接続を良好なものにすることができる。
【0059】
そして、図1に示すように、導電部材4および5は、それぞれ、連続する導電パターン2の互いに異なる位置に電気的に接続するようになっている。また、導電部材4および5は、導電パターン2が設けられている領域から筐体1上の保護層3によって被覆されていない領域まで貫通している。したがって、導電部材4および5を介して通電することによって、導電パターン2の複数箇所に対して、導電パターンが設けられている位置とは異なる位置、特に、保護層3が設けられていない領域から容易に通電を行うことができる。
【0060】
(導通検査方法)
そして、本実施形態に係る導電パターン形成筐体10に対して、任意の2つの導電部材間に電流が流れるか否かを検査する検査工程を実行することによって、容易に、導電パターン2の断線をチェックすることができる。
【0061】
すなわち、導電部材4および5に対して、公知の導通テスター等を用いて、筐体1の裏面側から通電して導電部材4および5の間に電流が流れるか否かを検査することにより、導電パターン2における導電部材4および5の間に断線が生じているか否かをチェックすることができる。また、このとき、導電部材4および5と導電パターン2との間の導通性も同時にチェックすることができる。
【0062】
本発明に係る導電部材がない場合、導電パターン2の断線等をチェックするためには、例えば、導電パターン2の表面に対して導通テスター等の端子を当てる必要があり、導電パターン2を損傷するおそれがある。また、保護層3が形成された後は、断線等をチェックすることができない。これに対し、本発明に係る導電部材を設けた場合には、導電パターン2の表面に対して導通テスター等の端子を当てる必要がなく、保護層3が形成された後でも断線等をチェックすることができる。特に、本実施形態のように、導電部材が何れも筐体1の裏面に貫通している場合には、筐体1の裏面からのみ通電させればよいので、作業性が向上する。
【0063】
検査工程は、例えば、公知の導通テスターを用いればよいが、図3に示すような導通検査治具90を用いてもよい。導通検査治具90は、当接面91、端子部92および93ならびに検査回路94を備えている。当接面91は、導電パターン形成筐体10に当接するための面であり、例えば、導電パターン形成筐体10に嵌合するような形状を有していてもよい。端子部92および93は、それぞれ、導電部材4および5に対応するものであり、当接面91が導電パターン形成筐体10に当接したときに、端子部92および93は、それぞれ、導電部材4および5に接続するようになっている。そして、検査回路94は、端子部92および93を介して導電部材4および5に電気的に接続して、導電部材4および5の間に電流が流れるか否かを判定する。このような導通検査治具90を用いることにより、容易に検査工程を実行することができる。
【0064】
なお,検査工程において、通電する導電部材は任意の2つを選ぶことができ、例えば、後述するような、他の回路またはグランドと接続する導電部材を選択してもよいし、他の回路またはグランドと接続しない導電部材を選択してもよい。
【0065】
(アンテナ装置)
本実施形態において、導電パターン形成筐体10は、アンテナ装置100に組み込まれ、導電パターン2は、アンテナ装置100のアンテナエレメントとして動作する。以下、アンテナ装置100について説明する。
【0066】
図4は、アンテナ装置100の構成を概略的に示すブロック図である。図5は、アンテナ装置100の構成を概略的に示す斜視図である。なお、図5では、アンテナ装置100の一部を切り開いて断面を示している。
【0067】
アンテナ装置100は、導電パターン形成筐体10に加えて、接続部20、無線回路30および図示しないグランド40を備えている。図4に示すように、導電パターン2は、導電部材4を介して無線回路30に接続されている。より詳しくは、図5に示すように、導電部材4は、無線回路30と電気的に接続している接続部20と電気的に接続している。接続部20は、例えば、導電体のバネ構造を有しており、導電部材4の面4bに導電体を押しつけることにより、導電部材4と電気的に接続する。また、導電部材5は、無線回路30およびグランド40の何れにも接続していない。すなわち、本実施形態において、導電部材5は、導通性のチェックのためのみに使用される。ただし、導電部材5はアンテナの一部となっているため、アンテナからの電波の放射には寄与する。
【0068】
このようなアンテナ装置100を製造する方法において、導電パターン形成筐体10を、アンテナ装置100に組み込む前に、導電パターン形成筐体10に対して、上述した導通検査方法を実行することにより、アンテナエレメントの断線等のリスクが低い高品質なアンテナ装置を提供することができる。
【0069】
(導電部材の変形例)
以上では、導電パターン形成筐体10が備える導電部材として、図2に示すようなピン形状の導電部材4および5を用いる場合について説明したが、導電パターン形成筐体10が備える導電部材はこれに限定されない。
【0070】
例えば、図6(a)および(b)に示すように、導電部材4(および5)は、フランジ部分4cを備え、「工」型、「王」型の断面を有していてもよい。これにより、防水性をより向上させることができる。
【0071】
また、図6(c)に示すように、導電部材4(および5)は、板金によって構成されていてもよい。
【0072】
また、図6(d)に示すように、導電部材4(および5)は、予め筐体1上に導電パターン2を形成した後に、筐体1に挿入されてなるもの(アウトサート成形)であってもよい。この場合、4dの位置で、導電パターン2と導電部材4とが電気的に接続する。
【0073】
また、図6(e)(f)に示すように、導電部材4(および5)の導電パターン2とは反対側の部位には、他の導電体との接続のためのバネ4eまたは4fが設けられていてもよい。なお、図6(e)は、導電部材4がピン形状である場合、図6(f)は、導電部材4が板金である場合をそれぞれ示す。
【0074】
また、導電部材が貫通する先(面4bが配置される位置)は、筐体1の裏面に限定されず、図7(a)に示すように、筐体1の側面であってもよいし、図7(b)に示すように、筐体1における導電パターン2が形成されているのと同じ面であって、保護層3が設けられていない領域であってもよい。導電部材がこのような位置に貫通するものであっても、上述した導通検査は可能である。
【0075】
なお、上述したように、導電部材は、金属のピン、板金等から構成され、導電パターンは、導電ペーストが塗布されてなる導電膜、可撓性を有する導電膜、メッキ等から構成される。このように、導電パターン2と導電部材とを、互いに異なる導電体材料から構成することにより、導電部材および導電パターンをそれぞれ好適に形成することができる。
【0076】
〔実施形態2〕
続いて、図8および図9を参照して本発明の他の実施形態(実施形態2)について説明する。以下、実施形態1と同様の部材については同一の部材番号を付し、説明を省略する。また、実施形態1において説明した変形例は、同様に、本実施形態に対しても適用可能である。
【0077】
図8は、本実施形態に係る導電パターン形成筐体11の構成を概略的に示す模式図であり、(a)は、導電パターン形成筐体11の表面を示し、(b)は、導電パターン形成筐体11の裏面を示す。また、図9は、本実施形態に係るアンテナ装置101の構成を概略的に示すブロック図である。
【0078】
図8に示すように、本実施形態では、実施形態1とは異なり、導電部材5の代わりに導電部材6が設けられている。図9に示すように、導電部材6は、アンテナ装置101のグランド40に接続している。すなわち、本実施形態において、導電パターン2は、導電部材4を介して無線回路30に接続し、導電部材6を介してグランド40に接続する逆Fアンテナとして動作する。
【0079】
そして、本実施形態においても、上述した導通検査方法により、例え、保護層3が形成された後であっても、導電パターン2の導電部材4と導電部材6との間における断線を容易に検出することができるともに、導電部材4および6が、導電パターン2に良好に電気的に接続されているか否かを容易に判定することができる。これにより、導電パターン2の断線や接続不良等のリスクを好適に軽減することができる。
【0080】
このように、本発明では、アンテナ装置において、全ての導電部材が、無線回路、グランド等に電気的に接続されるようになっていてもよい。
【0081】
〔実施形態3〕
続いて、図10および図11を参照して本発明のさらに他の実施形態(実施形態3)について説明する。以下、実施形態1および実施形態2と同様の部材については同一の部材番号を付し、説明を省略する。
【0082】
図10は、本実施形態に係る導電パターン形成筐体12の構成を概略的に示す模式図であり、(a)は、導電パターン形成筐体12の表面を示し、(b)は、導電パターン形成筐体12の裏面を示す。また、図11は、本実施形態に係るアンテナ装置102の構成を概略的に示すブロック図である。
【0083】
図10に示すように、本実施形態では、実施形態2に対して、導電部材5および7が追加されている。すなわち、本実施形態において、導電パターン2は、導電部材4を介して無線回路30に接続し、導電部材6を介してグランド40に接続する逆Fアンテナとして動作する。そして、導電部材5および7が設けられていることにより、例え、保護層3が形成された後であっても、導電パターン2上において、導電部材5から導電部材7に亘る領域について断線を容易に検出することができる。また、実施形態2と同様に、導電部材4および6が、導電パターン2に良好に電気的に接続されているか否かを容易に判定することができる。これにより、導電パターン2の断線や接続不良等のリスクを好適に軽減することができる。
【0084】
なお、導通検査治具を用いて導通検査を行う場合には、導通検査治具としては、導電部材4〜7に対応する位置に設けられた4個の端子部を備えた導通検査治具を用いることが好ましい。
【0085】
このように、本発明では、導電パターン形成筐体に導電部材を3つ以上設けてもよい。
【0086】
(その他)
また、筐体1において、各導電部材を配置する貫通部分(孔)は、メッキされていてもよく、メッキされていなくともよい。
【0087】
また、各導電部材を配置する位置は、導電パターン2の端部に限定されない。各導電部材は、導通検査をしたい位置に配置すればよく、例えば、図8および図10に示すように、導電パターン2における任意の位置に配置することができる。
【0088】
また、別の実施形態において、筐体1における各貫通部分(孔)に導電部材を配置せず、導通検査を行うための導通検査治具として当該貫通部分に挿入するための端子ピンを備えた導通検査治具を用い、導通検査時には、筐体1の貫通部分へ当該端子ピンを挿入することによって、導通検査を実施するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、アンテナ装置およびアンテナ装置が備える電子部品の製造分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0090】
1 筐体
2 導電パターン
3 保護層
4〜7 導電部材
10〜12 導電パターン形成筐体
20 接続部
30 無線回路
40 グランド
90 導通検査治具
91 当接面
92、93 端子部
94 検査回路
100〜102 アンテナ装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電パターン形成筐体、アンテナ装置、導通検査方法、導通検査治具およびアンテナ装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、筐体の表面上に、印刷等により導電パターンを形成した電子装置が開発されている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1には、非電導性の被印刷体に貫通孔を形成する第1工程と、該貫通孔に電導性を有する接点部材を配置する第2工程と、前記被印刷体の一方の面に、前記接点部材の一方の端面の一部に重なるように導電性インクまたは金属粉末含有インクによってアンテナパターンを印刷する第3工程と、該第3工程において形成されたアンテナパターンの表面にメッキを施す第4工程と、を有し、前記第4工程において形成されたメッキの一部が前記接点部材に電気的に接続される印刷アンテナの製造方法が記載されている。また、前記第4工程において形成されたメッキの表面に、化粧コートを印刷する工程を行うことも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−166379号公報(2010年7月29日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような導電パターンには断線のおそれがある。また、導電パターンと接点部材とが導通しないおそれもある。しかしながら、導電パターンの表面がコートされていたり、導電パターン自体の脆さのために、断線や、接続状態等のチェックが困難な場合がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、表面上に導電パターンが形成された筐体において、容易に導電パターンの断線等をチェックするための技術を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意検討の結果、表面上に導電パターンが形成された筐体において、筐体自体の構成を後述のようにすることにより、導電パターンの断線等を容易にチェックし得ることを見出し、発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明に係る導電パターン形成筐体は、絶縁体からなる筐体と、該筐体の表面上に形成されている導電パターンとを備えており、該筐体には、該筐体を貫通し、連続する該導電パターンの互いに異なる位置に電気的に接続する導電部材が2つ以上設けられていることを特徴としている。
【0009】
上記の構成によれば、連続する導電パターン上の一つの位置と、他の位置とに対して、異なる導電部材を介して同時に通電することができるため、当該一つの位置と、他の位置との間に断線等が生じていないかを容易に検査することができる。特に、導電部材が筐体を貫通するように設けられているため、導電パターンが形成されている領域とは異なる位置から通電することができる。これにより、例え、導電パターンの表面に通電するのが困難である場合であっても、容易に断線等をチェックすることができる導電パターン形成筐体を提供することができる。
【0010】
また、導電部材を介して通電を行った際、当該導電部材と導電パターンとの間の接続状態によって、通電状態が変化するため、導電部材と導電パターンとの間の接続状態についても容易にチェックすることができる。
【0011】
すなわち、他の観点からみれば、導電部材と導電パターンとの間の接続状態を、直接導電パターンに通電することなく、導電部材を介した導通検査のみでチェックすることができる導電パターン形成筐体を提供することができる。
【0012】
本発明に係る導電パターン形成筐体は、上記導電パターンと上記導電部材とが互いに異なる導電体材料からなることが好ましい。
【0013】
上記の構成によれば、筐体を貫通する導電部材と、筐体の表面上に設けられる導電パターンとをそれぞれ好適に形成することができる。例えば、導電部材を、金属のピン、板金等から、導電パターンを、導電ペーストが塗布されてなる導電膜、可撓性を有する導電膜、メッキ等から構成することができる。
【0014】
本発明に係る導電パターン形成筐体は、上記導電パターンの上記筐体とは反対側の面が、絶縁体材料によって被覆されていることが好ましい。
【0015】
上記の構成によれば、導電パターンの筐体とは反対側の面が、絶縁体材料によって被覆されている。これにより、導電パターンの損傷、剥離、周囲の導体との不要な導通等の防止、導電パターンの目隠し等を実現することができる。
【0016】
そして、本発明に係る導電パターン形成筐体によれば、導電部材が筐体を貫通するように設けられているため、導電パターンが形成されている領域とは異なる位置から通電することができる。それゆえ、導電パターンの筐体とは反対側の面が絶縁体材料によって被覆されていたとしても、容易に断線等をチェックすることができる導電パターン形成筐体を提供することができる。
【0017】
本発明に係る導電パターン形成筐体は、上記導電部材が、上記導電パターンが設けられている領域から上記筐体上の上記絶縁体材料によって被覆されていない領域まで上記筐体を貫通するものであることが好ましい。
【0018】
上記の構成によれば、導電部材が、導電パターンが設けられている領域から、筐体上の絶縁体材料によって被覆されていない領域まで筐体を貫通するように設けられているため、絶縁体材料によって被覆されていない領域から通電することができる。それゆえ、容易に断線等をチェックすることができる導電パターン形成筐体を提供することができる。
【0019】
本発明に係る導電パターン形成筐体は、上記導電部材が、上記筐体にインサート成形されていることが好ましい。
【0020】
上記の構成によれば、導電部材が筐体にインサート成形されているため、導電パターン形成筐体を好適に製造することができる。例えば、インサート成形された導電部材上に導電パターンを印刷法によって形成すれば、容易に導電部材と導電パターンとの間の導通をとることができる。
【0021】
本発明に係る導電パターン形成筐体では、上記導電パターンは、上記筐体の表面上に導電ペーストが塗布されてなるものであることが好ましい。
【0022】
上記の構成によれば、導電パターンを、容易に、自由な形状に形成することができる。
【0023】
本発明に係るアンテナ装置は、本発明に係る導電パターン形成筐体を備え、上記導電パターンがアンテナエレメントであることを特徴としている。
【0024】
上記の構成によれば、アンテナエレメントの断線等を容易にチェックすることができるので、アンテナエレメントの断線等のリスクが低い高品質なアンテナ装置を提供することができる。
【0025】
本発明に係るアンテナ装置は、無線回路を備え、該無線回路と上記導電パターンとが上記導電部材を介して電気的に接続されていることが好ましい。
【0026】
上記の構成によれば、導電パターンからなるアンテナエレメントと無線回路とが、導電部材を介して電気的に接続される。ここで、導電部材を利用した導電パターンの断線等をチェックするとき、同時に、導電部材を介した導電パターンへの導通が検査される。それゆえ、導電パターンの断線に加えて、導電パターンと無線回路との間の導通についても併せて容易にチェックすることができるアンテナ装置を提供することができる。
【0027】
本発明に係るアンテナ装置は、少なくとも一つの上記導電部材が、上記無線回路および上記アンテナ装置のグランドの何れにも電気的に接続していないものであってもよい。
【0028】
上記の構成のように、本発明に係るアンテナ装置は、必要に応じて、無線回路にもグランドにも電気的に接続されていない導電部材という、本発明に特徴的な構成を有する場合がある。
【0029】
このような導電部材を設けることによって、導電パターンにおける断線等のチェックをより好適に行うことができる。
【0030】
本発明に係るアンテナ装置は、少なくとも一つの上記導電部材が、上記アンテナ装置のグランドに接続しているものであってもよい。
【0031】
上記の構成によれば、導電パターンからなるアンテナエレメントとアンテナ装置のグランドとが、導電部材を介して電気的に接続される。ここで、導電部材を利用した導電パターンの断線等をチェックするとき、同時に、導電部材を介した導電パターンへの導通が検査される。それゆえ、導電パターンの断線に加えて、導電パターンとグランドとの間の導通についても併せて容易にチェックすることができるアンテナ装置を提供することができる。
【0032】
本発明に係る導通検査方法は、本発明に係る導電パターン形成筐体に対して、任意の2つの上記導電部材間に電流が流れるか否かを検査する検査工程を包含することを特徴としている。
【0033】
導電部材は、筐体を貫通し、連続する導電パターンの互いに異なる位置に電気的に接続するものであるため、上記の構成によれば、任意の2つの導電部材間に電流が流れるか否かを検査することにより、連続する導電パターンにおいて断線等が生じているか否かを容易にチェックすることができる。
【0034】
本発明に係るアンテナ装置の製造方法は、本発明に係るアンテナ装置を製造する方法であって、上記導電パターン形成筐体を、当該アンテナ装置に組み込む組込工程と、該組込工程の前に、上記導電パターン形成筐体に対して、任意の2つの上記導電部材間に電流が流れるか否かを検査する検査工程とを包含することを特徴としている。
【0035】
上記の構成によれば、導電パターン形成筐体に対して、任意の2つの導電部材間に電流が流れるか否かを検査するため、導電パターン形成筐体における断線等を容易にチェックすることができる。それゆえ、アンテナエレメントの断線等のリスクが低い高品質なアンテナ装置を提供することができる。
【0036】
本発明に係る導通検査治具は、本発明に係る導電パターン形成筐体に当接させて用いる導通検査治具であって、当該導電パターン形成筐体が備える上記導電部材の各々に対応する端子部を備えており、当該導電パターン形成筐体に当接したときに、上記各端子部が上記各導電部材に接続するように上記各端子部が配置されていることを特徴としている。
【0037】
上記の構成によれば、導通検査治具が導電パターン形成筐体に当接されたときに、各端子部が各導電部材に接続するため、導通検査治具を導電パターン形成筐体に当接させるだけで、任意の2つの導電部材間に電流が流れるか否かを容易に検査することができる。よって、本発明に係る導通検査治具を用いれば、導電パターンにおいて断線等が生じているか否かを容易にチェックすることができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、表面上に導電パターンが形成された筐体において、容易に導電パターンの断線をチェックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態(実施形態1)に係る導電パターン形成筐体の構成を概略的に示す模式図であり、(a)は、導電パターン形成筐体の表面を示し、(b)は、導電パターン形成筐体の裏面を示す。
【図2】本発明の一実施形態(実施形態1)に係る導電パターン形成筐体の、図1(a)においてAで示す部分の側方断面図である。
【図3】本発明の一実施形態(実施形態1)に係る導通検査治具の構成を概略的に示す模式図である。
【図4】本発明の一実施形態(実施形態1)に係るアンテナ装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態(実施形態1)に係るアンテナ装置の構成を概略的に示す斜視図である。
【図6】導電部材の構成のバリエーションを示す側方断面図である。
【図7】導電部材の構成のバリエーションを示す側方断面図である。
【図8】本発明の一実施形態(実施形態2)に係る導電パターン形成筐体の構成を概略的に示す模式図であり、(a)は、導電パターン形成筐体の表面を示し、(b)は、導電パターン形成筐体の裏面を示す。
【図9】本発明の一実施形態(実施形態2)に係るアンテナ装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態(実施形態3)に係る導電パターン形成筐体の構成を概略的に示す模式図であり、(a)は、導電パターン形成筐体の表面を示し、(b)は、導電パターン形成筐体の裏面を示す。
【図11】本発明の一実施形態(実施形態3)に係るアンテナ装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
〔実施形態1〕
以下、図1〜7を参照して本発明の一実施形態(実施形態1)について説明する。
【0041】
(導電パターン形成筐体)
図1は、本実施形態に係る導電パターン形成筐体10の構成を概略的に示す模式図であり、(a)は、導電パターン形成筐体10の表面を示し、(b)は、導電パターン形成筐体10の裏面を示す。また、図2は、図1(a)のAで示す部分の側方断面図である。
【0042】
本明細書において、導電パターン形成筐体とは、表面上に導電パターンが形成されている筐体を指す。このような導電パターン形成筐体は、電子装置に組み込むことができ、電子装置に対して、アンテナエレメント、信号伝送経路、電力伝送経路等を提供する電子部品として利用可能である。
【0043】
本実施形態に係る導電パターン形成筐体10は、筐体1、導電パターン2、保護層3、導電部材4および導電部材5を備えている。
【0044】
筐体1は、絶縁体からなり、例えば、電子装置の筐体を構成している。電子装置の筐体とは、電子装置が備える電子部品を格納する部材を指す。本実施形態では、筐体1は板状の形状を有しているがこれに限定されず、構成する電子装置に応じた形状を有していればよい。
【0045】
(導電パターン)
導電パターン2は、筐体1の表面上に形成されている導電体である。導電パターン2は、例えば、導電ペーストが筐体1の表面上に塗布されてなる導電膜であってもよいし、フレキシブルプリント基板等の可撓性を有する導電膜であってもよいし、メッキ等によって構成されていてもよい。後述するように、本実施形態において、導電パターン2は、アンテナエレメントとして使用されるが、本発明はこれに限定されず、電子装置内において、導電パターン2が形成された領域に配置された部材を電気的に接続するために用いてもよい。
【0046】
導電パターン2を、導電ペーストが筐体1の表面上に塗布されてなる導電膜として構成する場合、導電ペーストとしては、粘性を有する導電体材料であり、少なくとも、金属粉および溶剤からなるものであり、好ましくは、金属粉、バインダー樹脂および溶剤からなるものを用いることができる。導電ペーストが塗布されてなる導電膜は、例えば、乾燥により溶剤が除去されていてもよく、溶剤が一部残留していてもよい。導電ペーストの塗布方法としては種々の方法を採ることができるが、好適には、筐体1および導電部材4の形状に適合するように、可撓性を有する印刷版を用いた印刷(例えば、フレキソ印刷、オフセット印刷、シルク印刷、パッド印刷等)により塗布することが好ましい。
【0047】
導電パターン2を、導電ペーストを塗布することにより形成することにより、導電パターンを薄くすることが可能であり、また、容易に曲面的な形状とすることができるので、設計の自由度をより向上させることができる。
【0048】
また、可撓性を有する印刷版を用いた印刷(フレキソ印刷、オフセット印刷、シルク印刷、パッド印刷等)により、導電ペーストを塗布することにより、筐体等の形状に合わせて首尾よく導電パターンの印刷を行うことができ、構造物の大量生産等にも寄与することができる。
【0049】
なお、導電パターン2を、フレキシブルプリント基板のような可撓性を有する導電膜から構成した場合であっても、導電パターン2を、自由な形状に固定することができるので、設計の自由度を向上させることができる。
【0050】
すなわち、導電パターン2を、フレキシブルプリント基板等の可撓性を有する導電膜、または、導電ペーストが塗布されてなる導電膜等の、それ自体では保形性を有さない(自己保形性を有さない)導電膜によって構成することにより、設計の自由度を向上させることができる。
【0051】
また、メッキによって導電パターン2を構成してもよい。
【0052】
(保護層)
保護層3は、導電パターン2の表面(導電パターン2の筐体1とは反対側の面)を被覆する絶縁体材料である。保護層3を設けることによって、導電パターン2が損傷(断線、剥離等)することを防ぐことができるとともに、導電パターン2を目隠しすることができる。また、保護層3によって、導電パターン2の表面(導電パターン2の筐体1とは反対側の面)は、外部から絶縁される。但し、本発明において、保護層3は必須の構成要素ではなく、保護層3を設けなくともよい。
【0053】
本実施形態において、保護層3は、アンテナの性能に影響を与えない材質のものであり、導電パターン2を保護するだけの強度を有するものであればよい。ここでアンテナの性能に影響を与えないとは、保護層3の有無でアンテナの性能が著しく劣化しないものである。
【0054】
保護層3は、貼り付け、塗布、噴き付けなどで導電パターン2上に設けられるものであればよく、例えば、コーティング剤(例えば、樹脂溶液)によって形成されるものを好適に用いることができる。また、このコーティング剤の塗布は、筐体1の塗装を兼ねていてもよい。また、保護層3はシート状のものであって、シールのように貼り付けたり熱や圧力で圧着できるものであってもよい。
【0055】
(導電部材)
本実施形態に係る導電パターン形成筐体10では、筐体1には、筐体1を貫通し、連続する導電パターン2の互いに異なる位置に電気的に接続する導電部材が2つ以上設けられている(導電部材4および5)。
【0056】
導電部材4および5は、例えば、金属等の導電体からなる部材である。図2に示すように、導電部材4の形状は、例えば、柱状であり得、好ましくは、ピン形状であり得る。これにより、筐体1を貫通する導電部材4を好適に構成することができる。なお、円柱状に限られず、角柱状であってもよい。また、その太さも均一でなくてもよい。また、図2に示すように、筐体1から突出していてもよいし、筐体1から凹んだ状態であってもよい。導電部材5の形状も同様である。
【0057】
そして、導電部材4の導電パターン2側の面4aは、導電パターン2と接触しており、導電部材4と導電パターン2とは電気的に接続されている。また、導電部材4の導電パターン2とは反対側の面4bは、導電パターン2に通電するための電極となる。導電部材5も同様である。
【0058】
また、導電部材4および5は、筐体1にインサート成形されていてもよい。これにより、筐体1に対して導電部材4および5を容易に貫通させることができる他、防水性を向上させることもできる。また、導電部材4および5が筐体1にインサート成形されている状態で、導電パターン2を印刷法等により形成することにより、導電部材4および5と導電パターン2との電気的な接続を良好なものにすることができる。
【0059】
そして、図1に示すように、導電部材4および5は、それぞれ、連続する導電パターン2の互いに異なる位置に電気的に接続するようになっている。また、導電部材4および5は、導電パターン2が設けられている領域から筐体1上の保護層3によって被覆されていない領域まで貫通している。したがって、導電部材4および5を介して通電することによって、導電パターン2の複数箇所に対して、導電パターンが設けられている位置とは異なる位置、特に、保護層3が設けられていない領域から容易に通電を行うことができる。
【0060】
(導通検査方法)
そして、本実施形態に係る導電パターン形成筐体10に対して、任意の2つの導電部材間に電流が流れるか否かを検査する検査工程を実行することによって、容易に、導電パターン2の断線をチェックすることができる。
【0061】
すなわち、導電部材4および5に対して、公知の導通テスター等を用いて、筐体1の裏面側から通電して導電部材4および5の間に電流が流れるか否かを検査することにより、導電パターン2における導電部材4および5の間に断線が生じているか否かをチェックすることができる。また、このとき、導電部材4および5と導電パターン2との間の導通性も同時にチェックすることができる。
【0062】
本発明に係る導電部材がない場合、導電パターン2の断線等をチェックするためには、例えば、導電パターン2の表面に対して導通テスター等の端子を当てる必要があり、導電パターン2を損傷するおそれがある。また、保護層3が形成された後は、断線等をチェックすることができない。これに対し、本発明に係る導電部材を設けた場合には、導電パターン2の表面に対して導通テスター等の端子を当てる必要がなく、保護層3が形成された後でも断線等をチェックすることができる。特に、本実施形態のように、導電部材が何れも筐体1の裏面に貫通している場合には、筐体1の裏面からのみ通電させればよいので、作業性が向上する。
【0063】
検査工程は、例えば、公知の導通テスターを用いればよいが、図3に示すような導通検査治具90を用いてもよい。導通検査治具90は、当接面91、端子部92および93ならびに検査回路94を備えている。当接面91は、導電パターン形成筐体10に当接するための面であり、例えば、導電パターン形成筐体10に嵌合するような形状を有していてもよい。端子部92および93は、それぞれ、導電部材4および5に対応するものであり、当接面91が導電パターン形成筐体10に当接したときに、端子部92および93は、それぞれ、導電部材4および5に接続するようになっている。そして、検査回路94は、端子部92および93を介して導電部材4および5に電気的に接続して、導電部材4および5の間に電流が流れるか否かを判定する。このような導通検査治具90を用いることにより、容易に検査工程を実行することができる。
【0064】
なお,検査工程において、通電する導電部材は任意の2つを選ぶことができ、例えば、後述するような、他の回路またはグランドと接続する導電部材を選択してもよいし、他の回路またはグランドと接続しない導電部材を選択してもよい。
【0065】
(アンテナ装置)
本実施形態において、導電パターン形成筐体10は、アンテナ装置100に組み込まれ、導電パターン2は、アンテナ装置100のアンテナエレメントとして動作する。以下、アンテナ装置100について説明する。
【0066】
図4は、アンテナ装置100の構成を概略的に示すブロック図である。図5は、アンテナ装置100の構成を概略的に示す斜視図である。なお、図5では、アンテナ装置100の一部を切り開いて断面を示している。
【0067】
アンテナ装置100は、導電パターン形成筐体10に加えて、接続部20、無線回路30および図示しないグランド40を備えている。図4に示すように、導電パターン2は、導電部材4を介して無線回路30に接続されている。より詳しくは、図5に示すように、導電部材4は、無線回路30と電気的に接続している接続部20と電気的に接続している。接続部20は、例えば、導電体のバネ構造を有しており、導電部材4の面4bに導電体を押しつけることにより、導電部材4と電気的に接続する。また、導電部材5は、無線回路30およびグランド40の何れにも接続していない。すなわち、本実施形態において、導電部材5は、導通性のチェックのためのみに使用される。ただし、導電部材5はアンテナの一部となっているため、アンテナからの電波の放射には寄与する。
【0068】
このようなアンテナ装置100を製造する方法において、導電パターン形成筐体10を、アンテナ装置100に組み込む前に、導電パターン形成筐体10に対して、上述した導通検査方法を実行することにより、アンテナエレメントの断線等のリスクが低い高品質なアンテナ装置を提供することができる。
【0069】
(導電部材の変形例)
以上では、導電パターン形成筐体10が備える導電部材として、図2に示すようなピン形状の導電部材4および5を用いる場合について説明したが、導電パターン形成筐体10が備える導電部材はこれに限定されない。
【0070】
例えば、図6(a)および(b)に示すように、導電部材4(および5)は、フランジ部分4cを備え、「工」型、「王」型の断面を有していてもよい。これにより、防水性をより向上させることができる。
【0071】
また、図6(c)に示すように、導電部材4(および5)は、板金によって構成されていてもよい。
【0072】
また、図6(d)に示すように、導電部材4(および5)は、予め筐体1上に導電パターン2を形成した後に、筐体1に挿入されてなるもの(アウトサート成形)であってもよい。この場合、4dの位置で、導電パターン2と導電部材4とが電気的に接続する。
【0073】
また、図6(e)(f)に示すように、導電部材4(および5)の導電パターン2とは反対側の部位には、他の導電体との接続のためのバネ4eまたは4fが設けられていてもよい。なお、図6(e)は、導電部材4がピン形状である場合、図6(f)は、導電部材4が板金である場合をそれぞれ示す。
【0074】
また、導電部材が貫通する先(面4bが配置される位置)は、筐体1の裏面に限定されず、図7(a)に示すように、筐体1の側面であってもよいし、図7(b)に示すように、筐体1における導電パターン2が形成されているのと同じ面であって、保護層3が設けられていない領域であってもよい。導電部材がこのような位置に貫通するものであっても、上述した導通検査は可能である。
【0075】
なお、上述したように、導電部材は、金属のピン、板金等から構成され、導電パターンは、導電ペーストが塗布されてなる導電膜、可撓性を有する導電膜、メッキ等から構成される。このように、導電パターン2と導電部材とを、互いに異なる導電体材料から構成することにより、導電部材および導電パターンをそれぞれ好適に形成することができる。
【0076】
〔実施形態2〕
続いて、図8および図9を参照して本発明の他の実施形態(実施形態2)について説明する。以下、実施形態1と同様の部材については同一の部材番号を付し、説明を省略する。また、実施形態1において説明した変形例は、同様に、本実施形態に対しても適用可能である。
【0077】
図8は、本実施形態に係る導電パターン形成筐体11の構成を概略的に示す模式図であり、(a)は、導電パターン形成筐体11の表面を示し、(b)は、導電パターン形成筐体11の裏面を示す。また、図9は、本実施形態に係るアンテナ装置101の構成を概略的に示すブロック図である。
【0078】
図8に示すように、本実施形態では、実施形態1とは異なり、導電部材5の代わりに導電部材6が設けられている。図9に示すように、導電部材6は、アンテナ装置101のグランド40に接続している。すなわち、本実施形態において、導電パターン2は、導電部材4を介して無線回路30に接続し、導電部材6を介してグランド40に接続する逆Fアンテナとして動作する。
【0079】
そして、本実施形態においても、上述した導通検査方法により、例え、保護層3が形成された後であっても、導電パターン2の導電部材4と導電部材6との間における断線を容易に検出することができるともに、導電部材4および6が、導電パターン2に良好に電気的に接続されているか否かを容易に判定することができる。これにより、導電パターン2の断線や接続不良等のリスクを好適に軽減することができる。
【0080】
このように、本発明では、アンテナ装置において、全ての導電部材が、無線回路、グランド等に電気的に接続されるようになっていてもよい。
【0081】
〔実施形態3〕
続いて、図10および図11を参照して本発明のさらに他の実施形態(実施形態3)について説明する。以下、実施形態1および実施形態2と同様の部材については同一の部材番号を付し、説明を省略する。
【0082】
図10は、本実施形態に係る導電パターン形成筐体12の構成を概略的に示す模式図であり、(a)は、導電パターン形成筐体12の表面を示し、(b)は、導電パターン形成筐体12の裏面を示す。また、図11は、本実施形態に係るアンテナ装置102の構成を概略的に示すブロック図である。
【0083】
図10に示すように、本実施形態では、実施形態2に対して、導電部材5および7が追加されている。すなわち、本実施形態において、導電パターン2は、導電部材4を介して無線回路30に接続し、導電部材6を介してグランド40に接続する逆Fアンテナとして動作する。そして、導電部材5および7が設けられていることにより、例え、保護層3が形成された後であっても、導電パターン2上において、導電部材5から導電部材7に亘る領域について断線を容易に検出することができる。また、実施形態2と同様に、導電部材4および6が、導電パターン2に良好に電気的に接続されているか否かを容易に判定することができる。これにより、導電パターン2の断線や接続不良等のリスクを好適に軽減することができる。
【0084】
なお、導通検査治具を用いて導通検査を行う場合には、導通検査治具としては、導電部材4〜7に対応する位置に設けられた4個の端子部を備えた導通検査治具を用いることが好ましい。
【0085】
このように、本発明では、導電パターン形成筐体に導電部材を3つ以上設けてもよい。
【0086】
(その他)
また、筐体1において、各導電部材を配置する貫通部分(孔)は、メッキされていてもよく、メッキされていなくともよい。
【0087】
また、各導電部材を配置する位置は、導電パターン2の端部に限定されない。各導電部材は、導通検査をしたい位置に配置すればよく、例えば、図8および図10に示すように、導電パターン2における任意の位置に配置することができる。
【0088】
また、別の実施形態において、筐体1における各貫通部分(孔)に導電部材を配置せず、導通検査を行うための導通検査治具として当該貫通部分に挿入するための端子ピンを備えた導通検査治具を用い、導通検査時には、筐体1の貫通部分へ当該端子ピンを挿入することによって、導通検査を実施するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、アンテナ装置およびアンテナ装置が備える電子部品の製造分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0090】
1 筐体
2 導電パターン
3 保護層
4〜7 導電部材
10〜12 導電パターン形成筐体
20 接続部
30 無線回路
40 グランド
90 導通検査治具
91 当接面
92、93 端子部
94 検査回路
100〜102 アンテナ装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁体からなる筐体と、
該筐体の表面上に形成されている導電パターンとを備えており、
該筐体には、該筐体を貫通し、連続する該導電パターンの互いに異なる位置に電気的に接続する導電部材が2つ以上設けられていることを特徴とする導電パターン形成筐体。
【請求項2】
上記導電パターンと上記導電部材とが互いに異なる導電体材料からなることを特徴とする請求項1に記載の導電パターン形成筐体。
【請求項3】
上記導電パターンの上記筐体とは反対側の面が、絶縁体材料によって被覆されていることを特徴とする請求項1または2に記載の導電パターン形成筐体。
【請求項4】
上記導電部材が、上記導電パターンが設けられている領域から上記筐体上の上記絶縁体材料によって被覆されていない領域まで上記筐体を貫通するものであることを特徴とする請求項3に記載の導電パターン形成筐体。
【請求項5】
上記導電部材が、上記筐体にインサート成形されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の導電パターン形成筐体。
【請求項6】
上記導電パターンは、上記筐体の表面上に導電ペーストが塗布されてなるものであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の導電パターン形成筐体。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載の導電パターン形成筐体を備え、
上記導電パターンがアンテナエレメントであることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項8】
無線回路を備え、
該無線回路と上記導電パターンとが上記導電部材を介して電気的に接続されていることを特徴とする請求項7に記載のアンテナ装置。
【請求項9】
少なくとも一つの上記導電部材が、上記無線回路および上記アンテナ装置のグランドの何れにも電気的に接続していないことを特徴とする請求項8に記載のアンテナ装置。
【請求項10】
少なくとも一つの上記導電部材が、上記アンテナ装置のグランドに接続していることを特徴とする請求項8または9に記載のアンテナ装置。
【請求項11】
請求項1〜6の何れか1項に記載の導電パターン形成筐体に対して、任意の2つの上記導電部材間に電流が流れるか否かを検査する検査工程を包含することを特徴とする導通検査方法。
【請求項12】
請求項7〜10の何れか1項に記載のアンテナ装置を製造する方法であって、
上記導電パターン形成筐体を、当該アンテナ装置に組み込む組込工程と、
該組込工程の前に、上記導電パターン形成筐体に対して、任意の2つの上記導電部材間に電流が流れるか否かを検査する検査工程とを包含することを特徴とするアンテナ装置の製造方法。
【請求項13】
請求項1〜6の何れか1項に記載の導電パターン形成筐体に当接させて用いる導通検査治具であって、
当該導電パターン形成筐体が備える上記導電部材の各々に対応する端子部を備えており、
当該導電パターン形成筐体に当接したときに、上記各端子部が上記各導電部材に接続するように上記各端子部が配置されていることを特徴とする導通検査治具。
【請求項1】
絶縁体からなる筐体と、
該筐体の表面上に形成されている導電パターンとを備えており、
該筐体には、該筐体を貫通し、連続する該導電パターンの互いに異なる位置に電気的に接続する導電部材が2つ以上設けられていることを特徴とする導電パターン形成筐体。
【請求項2】
上記導電パターンと上記導電部材とが互いに異なる導電体材料からなることを特徴とする請求項1に記載の導電パターン形成筐体。
【請求項3】
上記導電パターンの上記筐体とは反対側の面が、絶縁体材料によって被覆されていることを特徴とする請求項1または2に記載の導電パターン形成筐体。
【請求項4】
上記導電部材が、上記導電パターンが設けられている領域から上記筐体上の上記絶縁体材料によって被覆されていない領域まで上記筐体を貫通するものであることを特徴とする請求項3に記載の導電パターン形成筐体。
【請求項5】
上記導電部材が、上記筐体にインサート成形されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の導電パターン形成筐体。
【請求項6】
上記導電パターンは、上記筐体の表面上に導電ペーストが塗布されてなるものであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の導電パターン形成筐体。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載の導電パターン形成筐体を備え、
上記導電パターンがアンテナエレメントであることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項8】
無線回路を備え、
該無線回路と上記導電パターンとが上記導電部材を介して電気的に接続されていることを特徴とする請求項7に記載のアンテナ装置。
【請求項9】
少なくとも一つの上記導電部材が、上記無線回路および上記アンテナ装置のグランドの何れにも電気的に接続していないことを特徴とする請求項8に記載のアンテナ装置。
【請求項10】
少なくとも一つの上記導電部材が、上記アンテナ装置のグランドに接続していることを特徴とする請求項8または9に記載のアンテナ装置。
【請求項11】
請求項1〜6の何れか1項に記載の導電パターン形成筐体に対して、任意の2つの上記導電部材間に電流が流れるか否かを検査する検査工程を包含することを特徴とする導通検査方法。
【請求項12】
請求項7〜10の何れか1項に記載のアンテナ装置を製造する方法であって、
上記導電パターン形成筐体を、当該アンテナ装置に組み込む組込工程と、
該組込工程の前に、上記導電パターン形成筐体に対して、任意の2つの上記導電部材間に電流が流れるか否かを検査する検査工程とを包含することを特徴とするアンテナ装置の製造方法。
【請求項13】
請求項1〜6の何れか1項に記載の導電パターン形成筐体に当接させて用いる導通検査治具であって、
当該導電パターン形成筐体が備える上記導電部材の各々に対応する端子部を備えており、
当該導電パターン形成筐体に当接したときに、上記各端子部が上記各導電部材に接続するように上記各端子部が配置されていることを特徴とする導通検査治具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−96834(P2013−96834A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239814(P2011−239814)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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