説明

導電性ポリイミド繊維及びその利用

【課題】 本発明の課題は、導電性ポリイミド繊維を得ることである。
【解決手段】 電気抵抗値が1010Ω以下であることを特徴とする導電性ポリイミド繊維。導電性ポリイミド繊維は、導電性フィラーを含むことが好ましい。導電性フィラーは、炭素系微粉末材料であることが好ましい。導電性ポリイミド繊維の繊度は、0.1dtex以上30dtex以下であることが好ましい。本発明の導電性ポリイミド繊維の、好ましい具体的用途としては、不織布、耐熱性フィルター、織布、耐熱性防護服、電気・電子材料を挙げることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は導電性ポリイミド繊維及びその利用に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリイミド繊維は一般の有機高分子樹脂の繊維に比較して高温安定性及び耐薬品性に優れることから、排ガス処理用の耐熱性バグフィルターを構成するフェルトや耐熱服用途の織布、更には、各種電気絶縁材料の基材用途の基布や補強材として広く用いられている。
【0003】
従来のポリイミド繊維としては、有機溶剤可溶性のポリイミド樹脂を乾式紡糸法により紡糸したポリイミド繊維が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、例えば応用事例としてポリイミド繊維を用いたフェルトに帯電防止作用を有する導電性物質および縮合多環多核芳香族樹脂、溶剤可溶性常温硬化型フッ素樹脂またはフッ素系エラストマ−を被覆した帯電紡糸性のある濾過材が知られている。(例えば、特許文献2参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公昭63−27444号公報(1988年6月3日公開)
【特許文献2】特開平7−265623号公報(1995年10月17日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1の発明のポリイミド繊維では、集塵用のバグフィルター用途に使用した際には、ポリイミド繊維内部の静電気力により集塵機能が発現するものの、集塵煤を除去する際に加圧空気でフィルター内部から加圧して、フィルター外部に付着している塵・埃を振い落とし収集する機構で集塵している。ところが、長年使用していると加圧空気によっても除去できない塵・埃がフィルター表面に堆積してフィルターの目詰まりを引き起こし圧力損失が増大する問題が明らかになった。この現象はポリイミド繊維の静電気力により集塵された堆積物がその静電気力により繊維表面に強固に固着する。また、ポリイミド繊維は電気絶縁性が高く、乾燥雰囲気で粉体を濾過する場合、粉体との間の摩擦により帯電し、蓄積した静電気が放電することにより粉塵爆発の恐れがある。そのため特許文献2では帯電防止作用を有する導電性物質を被覆した材料が用いられている。しかし、焼却炉等の高温に曝されるバグフィルターに使用した場合、高温の熱風によって導電性被覆剤が少しずつ劣化し繊維表面から剥がれ、長期使用には問題があった。上記の問題点から、集塵用のバグフィルター用途には静電気を帯びていない繊維を用いることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記問題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、電気伝導性を有するポリイミド繊維を用いることで本件問題を解決できることを見出した。すなわち本願発明は、以下のものである。
(1)電気抵抗値が1010Ω以下であることを特徴とする導電性ポリイミド繊維。
(2)さらに導電性フィラーを含むことを特徴とする(1)の導電性ポリイミド繊維。
(3)導電性フィラーが炭素系微粉末材料である(2)の導電性ポリイミド繊維。
(4)繊度が0.1dtex以上30dtex以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかの導電性ポリイミド繊維。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかの導電性ポリイミド繊維を含む不織布。
(6)上記(1)〜(4)のいずれかの導電性ポリイミド繊維を含む耐熱性フィルター。
(7)上記(1)〜(4)のいずれかの導電性ポリイミド繊維を含む織布。
(8)上記(1)〜(4)のいずれかの導電性ポリイミド繊維を含む耐熱性防護服。
(9)上記(1)〜(4)のいずれかの導電性ポリイミド繊維を用いた電気・電子材料。
【発明の効果】
【0008】
本願発明の導電性ポリイミド繊維は高い導電率を有し静電気除去作用を有し、バグフィルターの問題であった堆積物除去に効果を奏する。更には、耐熱性に優れ、ポリイミド繊維の弱点である加水分解耐性を必要とする条件下での使用も可能である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本願発明の導電性ポリイミド繊維は、電気抵抗値が1010Ω以下であることを特徴とする導電性ポリイミド繊維である。
【0010】
本願発明における電気抵抗値とは、導電性ポリイミド繊維を20本束にした状態で、1cm間隔で電気抵抗値を測定した場合の値を示し、電気抵抗値が小さい程、導電率の高いポリイミド繊維であることを意味する。本願発明のバグフィルター用途に好適な導電性ポリイミド繊維としては、電気抵抗値が1010Ω以下であることが、繊維を脱離する際に好ましい。電気抵抗値は、5×109Ω以下であることがさらに好ましく、1×109Ω以下Ω以下であることがより好ましい。電気抵抗値が小さい程、脱離が起きやすくなるので好ましい。
【0011】
また、本願発明のポリイミド繊維の電気抵抗値を低下させる方法としては、導電性フィラーを含むことが好ましく、導電性フィラーとしては例えば、炭素系微粉末材料であるカーボンブラック、カーボンナノ粒子、グラフェン、カーボン繊維を微粉末状に成形した導電性フィラーや、銅、亜鉛、錫、金、銀、チタン、ニッケル、シリコン等の金属の微粒子からなる導電性フィラー、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化銅、酸化ニッケル等からなる金属酸化物の微粒子からなる導電性フィラー、ITO(インジュウム、錫合金の酸化物)等の合金の微粒子からなる導電性フィラー等のフィラーが用いられる。特に、本願発明の導電性ポリイミド繊維においては、高温での物質変化が起きにくく、加水分解条件下での電気伝導度の安定性を向上させるには導電性フィラーとして、炭素系微粒子材料を用いることが最も好ましい。
【0012】
電気抵抗値を1010Ω以下に制御し、さらに導電性ポリイミド繊維の強度を維持する上では、本願発明における導電性フィラーの含有率は、導電性ポリイミド繊維の全重量に対して0.5重量%以上50重量%以下であることが好ましく、3.0重量%以上30重量%以下であることがさらに好ましい。
【0013】
本願発明におけるポリイミド繊維は、繊度が0.1dtex以上30dtex以下の繊維であることが、ポリイミド繊維をバグフィルターに加工する際の、基布用のフィラメントから、濾布用のステープルファイバーに使用することができるので好ましい。特に、基布用のフィラメント用繊維として用いる場合には、10dtex以上30dtex以下の繊維を用いることが基布の強度を高めることができるので好ましく、ステープルファイバーとして用いるには、0.1dtex以上10dtex以下の繊度が好ましく、このような繊維を用いることでフィルターの比表面積が大きくなり集塵性能を高めることができるので好ましい。
【0014】
本願発明における導電性ポリイミド繊維は、導電性フィラーを混合したポリアミド酸溶液からなる紡糸原液を乾式紡糸法もしくは、湿式紡糸法で紡糸した導電性ポリイミド繊維である。上記方法を用いることが繊維径を自在にコントロールできるので好ましい。
【0015】
本願発明における導電性フィラーを混合したポリアミド酸溶液からなる紡糸原液の調製方法を下記に詳述する。
【0016】
本願発明における導電性フィラーを混合したポリアミド酸溶液とは、有機溶剤中で酸二無水物及びジアミンを反応させて得られるポリアミド酸溶液に導電性フィラーを分散した有機溶剤溶液である。酸二無水物及びジアミンの反応比率は、酸二無水物の使用量をaモル、ジアミンの使用量をbモルとした場合に、モル比(a/b)が、0.80以上1.00未満となるように反応させることが最終的に得られる導電性ポリイミド繊維の加水分解耐性を向上させることができ、長期使用にも耐えうる繊維となるので好ましい。特に好ましい範囲は、モル比が0.90以上1.00未満となるように反応させることがより好ましい。このようなモル比で反応させることでポリアミド酸溶液からポリイミドへのイミド化の際に分子量の低下が起きず、更に、導電性ポリイミド繊維の加水分解耐性が向上するので好ましい。また、導電性フィラーの混合方法としては、導電性フィラーを分散した有機溶剤中で酸二無水物とジアミンを反応させてポリアミド酸を重合する方法や、ポリアミド酸溶液の溶液粘度が23℃において1000ポイズ以下の状態で有機溶剤に分散した導電性フィラー分散溶液を添加する方法、更には、ポリアミド酸溶液を重合した後に導電性フィラー分散溶液を混合する方法を用いることができる。特に本願発明の導電性ポリイミド繊維の樹脂中の導電性フィラーを均一に分散する為には、導電性フィラーを分散した有機溶剤中で酸二無水物とジアミンを反応させてポリアミド酸を重合する方法を用いることが導電性フィラーが均一に分散するので好ましい。
【0017】
本願発明における酸二無水物とは、例えば、ピロメリット酸二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3´,4,4´−テトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'―ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3,4―ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2´−ヘキサフルオロプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3',4,4'―ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4'―オキシジフタル酸二無水物、3,3',4,4'―ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラカルボキシブタン二無水物が用いられる。
【0018】
特に、最終的に得られるポリイミド樹脂の耐熱性、加水分解耐性を向上させるためには、芳香族系の酸二無水物である、ピロメリット酸二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、3,3',4,4'―ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3,4―ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'―ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4'―オキシジフタル酸二無水物、3,3',4,4'―ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物が好適に用いられる。
【0019】
本願発明におけるジアミンとは、例えば、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、(4−アミノフェノキシフェニル)(3−アミノフェノキシフェニル)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、3,3’−ジアミノベンズアニリド、3,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノベンズアニリド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)]エタン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)]プロパン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3’−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3’−ヘキサフルオロプロパン、2,2−[4−(4−アミノフェノキシフェニル)][4−(3−アミノフェノキシフェニル)] −1,1,1,3,3,3’−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−P−アミノベンゾエート、ポリ(テトラメチレン/3−メチルテトラメチレンエーテル)グリコールビス(4−アミノベンゾエート)、トリメチレン―ビス(4−アミノベンゾエート)、p-フェニレン−ビス(4−アミノベンゾエート)、m−フェニレン−ビス(4−アミノベンゾエート)、ビスフェノールA−ビス(4−アミノベンゾエート)が用いられる。
【0020】
特に、最終的に得られるポリイミド樹脂の耐熱性や、加水分解耐性を向上させるためには、芳香族系のジアミンである、4,4−ジアミノジフェニルエーテル、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンが好適に用いられる。
【0021】
特に本願発明に用いられるポリアミド酸溶液は、耐熱性、加水分解耐性、耐薬品性が優れることから下記の組み合わせのポリアミド酸溶液が好ましく用いられる。
1.ピロメリット酸二無水物と4,4−ジアミノジフェニルエーテルからなるポリアミド酸溶液。
2.ピロメリット酸二無水物と4,4−ジアミノジフェニルエーテル、p−フェニレンジアミンからなるポリアミド酸溶液。
3.3,3',4,4'―ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンからなるポリアミド酸溶液。
4.3,3',4,4'―ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4−ジアミノジフェニルエーテル及び、p−フェニレンジアミンからなるポリアミド酸溶液。
5.3,3',4,4'―ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物と4,4−ジアミノジフェニルエーテル及び、p−フェニレンジアミンからなるポリアミド酸溶液。
6.3,3',4,4'―ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンからなるポリアミド酸溶液。
7.3,3',4,4'―ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物と4,4−ジアミノジフェニルエーテル及び、p−フェニレンジアミンからなるポリアミド酸溶液。
8.3,3',4,4'―ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物と4,4−ジアミノジフェニルエーテル及び、p−フェニレンジアミンからなるポリアミド酸溶液。
【0022】
また、上記ポリアミド酸溶液の合成に用いられる有機溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ―ブチロラクトン等の有機極性アミド系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等の水溶性エーテル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、アセトニトリル、プロピオニトリル等の水溶性ニトリル系溶剤、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が用いられる。これらの溶剤を単独で使用しても、2種以上を混合して用いても良い。
【0023】
特に、本願発明では、乾燥温度の観点からN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキソラン、アセトンが好適に用いられる。
【0024】
本願発明のポリアミド酸溶液のポリマー濃度としては、固形分濃度として1〜50重量%、特に好ましくは10〜30重量%である。本願発明における固形分濃度とは、固形分濃度=(ポリアミド酸溶液中の酸二無水物重量+ポリアミド酸溶液中のジアミン重量)÷(ポリアミド酸溶液の重量)×100の算出式から算出される値である。
【0025】
本願発明の導電性フィラーとしては例えば、炭素系微粉末材料であるカーボンブラック、カーボンナノ粒子、グラフェン、カーボン繊維を微粉末状に成形した導電性フィラーや、銅、亜鉛、錫、金、銀、チタン、ニッケル、シリコン等の金属の微粒子からなる導電性フィラー、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化銅、酸化ニッケル等からなる金属酸化物の微粒子からなる導電性フィラー、ITO(インジュウム、錫合金の酸化物)等の合金の微粒子からなる導電性フィラー等のフィラーが用いられる。特に、本願発明の導電性ポリイミド繊維においては、高温での物質変化が起きにくく、加水分解条件下での電気伝導度の安定性を向上させるには導電性フィラーとして、炭素系微粒子材料を用いることが最も好ましい。
本願発明における導電性フィラーの含有率は、最終的に得られる導電性ポリイミド繊維の全重量に対して0.5重量%以上50重量%以下で含む様にポリアミド酸溶液中の導電性フィラーの添加量を調整することが好ましく、更に好ましくは、3.0重量%以上30重量%以下で含有する様に調整することが電気抵抗値を好ましい範囲に制御でき、導電性ポリイミド繊維の繊維強度を高い状態で保持できるので好ましい。
【0026】
尚、ポリアミド酸溶液の粘度は、B型粘度計で測定した場合に、23℃で100ポイズ以上10000ポイズ以下の粘度を有することが紡糸したときに安定して紡糸できるので好ましい。特に好ましくは、粘度は200ポイズ以上6000ポイズ以下、特に好ましい溶液粘度は500ポイズ以上4000ポイズ以下に制御することが紡糸を安定化させる上で好ましい。また、本願発明においてポリアミド酸溶液に化学イミド化剤を混合して一部イミド化を行う場合、溶剤への溶解性が低下するので上記粘度よりも高い紡糸原液となる。
【0027】
このような粘度に制御するためには、上記の酸二無水物とジアミンのモル比を適宜変更することにより溶液粘度を調整することができる。特に本願発明において好ましいポリアミド酸溶液の重合方法は、ジアミンを有機溶剤に溶解した溶液中に、酸二無水物をモル比で0.80以下の条件で添加し反応させる。次いで、酸二無水物を有機溶剤に溶解した溶液を攪拌しながら添加しポリアミド酸溶液の粘度が上記の範囲内になるように粘度を調整することで適した粘度のポリアミド酸溶液を作製することができる。
【0028】
尚、ポリアミド酸の重合条件としては、不活性ガス雰囲気下で−20〜60℃、好ましくは0〜50℃で反応させることで、目的とするポリアミド酸溶液を重合することができる。
【0029】
本願発明の紡糸原液は、ポリアミド酸及び導電性フィラーに加えて、化学イミド化剤、酸化防止剤、難燃剤、消泡剤、潤滑材、着色剤等を1種あるいは2種以上、混合しておくこともできる。
【0030】
本願発明における化学イミド化剤とは、イミド化触媒と脱水縮合剤を混合したイミド化剤である。イミド化触媒としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、キノリン、イソキノリン等の3級アミン類や、m−アミノ安息香酸や、p−アミノ安息香酸等の安息香酸類、p-ヒドロキシベンゼンスルホン酸、p-アミノフェノール、p-ヒドロキシベンズアルデヒド等のヒドロキシ類、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシフェニル酢酸等のヒドロキシ酸類等である。本願発明においては、イミド化の効率が良い、3級アミン類を用いることが特に好ましい。特に好ましくは、3級アミン類の中でもトリエチルアミン、ピリジン、ピコリンを用いることが好ましい。
上記の脱水縮合剤としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸等の脂肪族カルボン酸無水物や、無水安息香酸等の芳香族カルボン酸無水物、更には、濃硫酸、無水硫酸、発煙硫酸等の無機酸を用いることができる。特に取扱いが容易なことから無水酢酸が好ましく用いられる。
【0031】
化学イミド化剤を添加する場合には、ポリアミド酸のアミド基1モルに対して、イミド化触媒を0.01モル以上3.00モル以下の割合で混合した後に、脱水縮合剤を0.01モル以上0.50モル以下の割合で混合し、攪拌混合することでポリアミド酸溶液の一部をイミド化することが好ましい。イミド化触媒は、0.01モル以上混合することでイミド化が効率良く起きるので好ましい。脱水縮合剤は、0.01モル以上混合することでイミド化を進めることができ、0.50モル以下の割合で混合することでイミド化したポリアミド酸溶液が溶剤に溶解できるので好ましい。特に好ましくは、イミド化触媒を0.05モル以上0.7モル以下の割合で混合し、脱水縮合剤を0.05モル以上0.40モル以下の割合で混合することが好ましい。化学イミド化剤は、溶液温度を10℃以上150℃以下の温度範囲で添加することが好ましく、より好ましくは、20℃以上100℃以下の温度範囲で添加することが好ましい。加熱する温度が高すぎる場合には脱水縮合剤が揮発して効率が低下するので好ましくない。
【0032】
本願発明の紡糸方法について下記に詳述する。
本願発明においては、乾式紡糸方法もしくは、湿式紡糸方法が好適に用いられる。
乾式紡糸方法とは、高温に加熱した紡糸塔上部に取り付けた紡糸口金から、紡糸塔内部の高温気流中に紡糸原液を放出し、繊維状になった紡糸原液の表面から溶剤を気流中に揮発させて紡糸繊維を得る方法である。但し、本願発明においては紡糸塔から得られる繊維はポリアミド酸を含む繊維であり、完全にイミド化させる必要がある。イミド化の方法としては、得られた紡糸繊維を高温に加熱することでイミド化する加熱イミド化方法、上記化学イミド化剤中に浸漬してイミド化を行う化学イミド化方法、更には、熱イミド化方法と化学イミド化方法等を併用する方法が用いられる。
【0033】
湿式紡糸方法では、多数の吐出口を有する紡糸口金を、紡糸原液中に含まれる有機溶剤と水からなる紡糸浴溶液中に浸漬して使用する。湿式紡糸方法では、まず、この紡糸口金から紡糸浴溶液中に紡糸原液を押し出して繊維形状とする(すなわち紡糸繊維を形成する)。次に、紡糸繊維内部に含まれる溶剤を、水や沸騰水を用いて抽出除去した後、この紡糸繊維に付着した水分を乾燥させて紡糸繊維を得る方法である。
上記の乾式紡糸方法や、湿式紡糸方法で得られる紡糸繊維はポリアミド酸を含む繊維であり、完全にイミド化させる必要がある。イミド化の方法としては、得られた紡糸繊維を高温に加熱することでイミド化する加熱イミド化方法、上記化学イミド化剤中に浸漬してイミド化を行う化学イミド化方法、更には、熱イミド化方法と化学イミド化方法等を併用する方法が用いられる。
【0034】
本願発明における加熱イミド化方法での加熱方法は公知公用の加熱方式を採用することができる。例えば、遠赤外線を用いた輻射加熱炉や、熱風による加熱炉、マイクロ波を用いた加熱炉、更には、加熱ロール方式の加熱炉であってもよく、加熱方式には特に限定がない。加熱温度は、少なくとも150℃以上の温度で加熱することが好ましく、加熱温度についてはポリイミド樹脂の種類により適宜選定することが好ましい。例えば、ピロメリット酸二無水物及び、4,4−ジアミノジフェニルエーテルから成るポリアミド酸の場合には、200℃、300℃、400℃と温度を上げて加熱することが好ましく、完全にイミド化を行う為には400℃以上の温度で加熱することが好ましい。
【0035】
また、本願発明の導電性ポリイミド繊維は、延伸処理を施すことが好ましく、延伸方法は公知公用の装置や公知公用の延伸方法を用いることができる。延伸処理は乾式紡糸及び、湿式紡糸を行う過程で延伸する方法や、イミド化を行う際に加熱と同時に行うこともできる。イミド化を行う際に延伸処理を行う場合には、加熱温度は140℃以上300℃以下の温度範囲で延伸処理を行うことが好ましい。特に好ましくは、150℃以上250℃以下で行うことが好ましい。延伸温度が140℃以上の場合には紡糸繊維の弾性率が低下して容易に延伸しやすくなり、300℃以下の温度で行うことで紡糸繊維の端子切れが生じないので好ましい。更に、トウ全体を均一に短時間で加熱して、延伸強度をトウ全体で均一にかけるためにも、上記温度範囲で延伸処理を行うことが好ましい。延伸時の加熱は遠赤外線を用いた輻射加熱炉や、熱風による加熱炉、マイクロ波を用いた加熱炉、更には、加熱ロールを内部に含むロール式加熱炉を用いることができる。特に、紡糸繊維を一定の張力で引伸ばすためにもロール式加熱炉を用いることが好ましい。
本願発明における延伸倍率は1.0倍以上3.0倍以下の範囲で延伸することが好ましい。上記の範囲内に制御することで最終的に得られる導電性ポリイミド繊維の破断伸度が10%以上100%以下、破断強度が、1.0cN/dtex以上8.0cN/dtexの範囲に制御できるので好ましい。
破断伸度を10%以上100%以下に制御することにより導電性ポリイミド繊維を織布に成形した際に、繊維同士のこすれに対して強く破れにくくなるので好ましい。また、破断強度が1.0cN/dtex以上8.0cN/dtexの範囲に制御することにより導電性ポリイミド繊維を織布に成形する際の端子(繊維)の破断が生じにくくなるので好ましい。
【0036】
本願発明の導電性ポリイミド繊維は、マルチフィラメントとして得られるため、その繊維を用いて織布に成型することができ、例えば耐熱服や、耐熱性フィルター等の用途に好適に用いることができる。特に、本願発明のポリイミド繊維は、耐熱性が非常に高く、このような用途には好適に用いることができる。
【0037】
また、マルチフィラメントを公知公用の方法でテクスチャード加工した後に、一定の長さに切り揃えてステープルファイバーに加工し、ニードルパンチ装置等を用いることで不織布に加工することもできる。当該不織布を用いて耐熱性のマットや、バグフィルターを作製することができる。特に、本願発明のポリイミド繊維は耐熱性、加水分解耐性に優れ、導電性を有するので塵・埃等からなるケーキの剥離性能に大変優れるので、バグフィルター等の用途に好適に用いることができる。
更には、導電性を有するポリイミド繊維であるため電気・電子材料には広く用いることができる。特に、ポリイミド樹脂からなる導電性繊維であるため導電性に加えて屈曲性等の機械強度にも優れ、更には難燃性に優れ、銅よりも比重が小さいために軽量であるという特徴を有する。例えば携帯電話の屈曲を必要とするヒンジ部分の導体配線材料として用いることができる。更には、高電圧を流す為の銅線代替の電線材料として用いることもできる。更には、導電性を有するため電磁波を吸収する効果があり、フレキシブルプリント配線版の裏面に貼り付けることで電磁波吸収材料として用いることもできる。
特にウエラブルな電子機器用途の導電性材料として用いることもできる。
【実施例】
【0038】
以下本発明を実施例により説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0039】
<繊度>
Sa(本)からなるポリイミド繊維のトウを10cmに切断したものの重量(Sb(g))を測定して下記算出式により繊度を算出した。
繊度(dtex)=Sb÷Sa×100000
<破断伸度及び破断強度>
株式会社A&D社製 テンシロン万能試験装置(RTC―1210A)を用いて、JIS―L1015に準拠して測定を行った。
【0040】
<電気抵抗値>
得られたポリイミド繊維を20本束にした状態で、1cmの間隔で抵抗値を三和電気計器社製のテスター(MG1000)で測定した。
【0041】
(合成例1)
チッソ置換を行った100Lの反応装置に、溶液を攪拌するための攪拌翼を取りつけた反応装置内で反応を行った。反応装置内に、N,N−ジメチルホルムアミドを37.71kg、カーボンブラック粒子(ケッチェンブラック粒子)を48g投入して攪拌した。攪拌中には超音波振動装置で溶液中のカーボンブラック粒子を分散させた。この分散溶液中に4,4'−ジアミノジフェニルエーテル4.59kgを投入して完全に溶解した。
この溶液中に、ピロメリット酸二無水物4.75kgを投入して20分間均一攪拌を行った。この溶液に、ピロメリット酸二無水物0.25kgをN,N−ジメチルホルムアミド4.75kgに溶解した溶液を少量ずつ添加して、紡糸原液の粘度が、23℃の条件で、B型粘度計で測定した場合に3100ポイズになった時点で添加を終えた。均一な粘度になった後に、引き続き1時間均一攪拌を行い紡糸原液Aを得た。ポリアミド酸溶液の固形分濃度は18.5%であった。
(合成例2)
チッソ置換を行った100Lの反応装置に、溶液を攪拌するための攪拌翼を取りつけた反応装置内で反応を行った。反応装置内に、N,N−ジメチルホルムアミドを39.6kg、カーボンブラック粒子(ケッチェンブラック粒子)を479g投入して攪拌した。攪拌中には超音波振動装置で溶液中のカーボンブラック粒子を分散させた。この分散溶液中に4,4'−ジアミノジフェニルエーテル4.59kgを投入して完全に溶解した。
この溶液中に、ピロメリット酸二無水物4.75kgを投入して20分間均一攪拌を行った。この溶液に、ピロメリット酸二無水物0.25kgをN,N−ジメチルホルムアミド4.75kgに溶解した溶液を少量ずつ添加して、紡糸原液の粘度が、23℃の条件で、B型粘度計で測定した場合に2800ポイズになった時点で添加を終えた。均一な粘度になった後に、引き続き1時間均一攪拌を行い紡糸原液Bを得た。ポリアミド酸溶液の固形分濃度は18.5%であった。
(合成例3)
チッソ置換を行った100Lの反応装置に、溶液を攪拌するための攪拌翼を取りつけた反応装置内で反応を行った。反応装置内に、N,N−ジメチルホルムアミドを41.71kg、カーボンブラック粒子(ケッチェンブラック粒子)を959g投入して攪拌した。攪拌中には超音波振動装置で溶液中のカーボンブラック粒子を分散させた。この分散溶液中に4,4'−ジアミノジフェニルエーテル4.59kgを投入して完全に溶解した。
この溶液中に、ピロメリット酸二無水物4.75kgを投入して20分間均一攪拌を行った。この溶液に、ピロメリット酸二無水物0.25kgをN,N−ジメチルホルムアミド4.75kgに溶解した溶液を少量ずつ添加して、紡糸原液の粘度が、23℃の条件で、B型粘度計で測定した場合に2600ポイズになった時点で添加を終えた。均一な粘度になった後に、引き続き1時間均一攪拌を行い紡糸原液Cを得た。ポリアミド酸溶液の固形分濃度は18.5%であった。
(合成例4)
チッソ置換を行った100Lの反応装置に、溶液を攪拌するための攪拌翼を取りつけた反応装置内で反応を行った。反応装置内に、N,N−ジメチルホルムアミドを43.83kg、カーボンブラック粒子(ケッチェンブラック粒子)を1440g投入して攪拌した。攪拌中には超音波振動装置で溶液中のカーボンブラック粒子を分散させた。この分散溶液中に4,4'−ジアミノジフェニルエーテル4.59kgを投入して完全に溶解した。
この溶液中に、ピロメリット酸二無水物4.75kgを投入して20分間均一攪拌を行った。この溶液に、ピロメリット酸二無水物0.25kgをN,N−ジメチルホルムアミド4.75kgに溶解した溶液を少量ずつ添加して、紡糸原液の粘度が、23℃の条件で、B型粘度計で測定した場合に2400ポイズになった時点で添加を終えた。均一な粘度になった後に、引き続き1時間均一攪拌を行い紡糸原液Dを得た。ポリアミド酸溶液の固形分濃度は18.5%であった。
(合成例5)
チッソ置換を行った100Lの反応装置に、溶液を攪拌するための攪拌翼を取りつけた反応装置内で反応を行った。反応装置内に、N,N−ジメチルホルムアミドを45.94kg、カーボンブラック粒子(ケッチェンブラック粒子)を1920g投入して攪拌した。攪拌中には超音波振動装置で溶液中のカーボンブラック粒子を分散させた。この分散溶液中に4,4'−ジアミノジフェニルエーテル4.59kgを投入して完全に溶解した。
この溶液中に、ピロメリット酸二無水物4.75kgを投入して20分間均一攪拌を行った。この溶液に、ピロメリット酸二無水物0.25kgをN,N−ジメチルホルムアミド4.75kgに溶解した溶液を少量ずつ添加して、紡糸原液の粘度が、23℃の条件で、B型粘度計で測定した場合に2300ポイズになった時点で添加を終えた。均一な粘度になった後に、引き続き1時間均一攪拌を行い紡糸原液Eを得た。ポリアミド酸溶液の固形分濃度は18.5%であった。
(合成例6)
(実施例1〜5)
合成例1〜5で得られた紡糸原液A〜Eを用いて乾式紡糸装置で紡糸を行った。紡糸塔上部に取り付けられた紡糸口金(孔数は10孔)から紡糸原液を吐出し、紡糸塔内の温度を200℃に調整して紡糸を行った。紡糸原液の吐出量は紡糸繊維の乾燥後の繊度が3.0dtexに近くなる様に吐出量を調整した。紡糸口金は孔の直径が0.30mmφの物を用いた。紡糸塔の下部で紡糸繊維同士が融着しない程度に乾燥していることを確認してから、ボビンに巻き取った。巻き取り速度は600m/分とした。このときの紡糸繊維の残存溶剤割合(紡糸繊維中の溶剤重量割合)は35%であった。
【0042】
紡糸繊維を180℃に加熱したヒーターロール加熱装置で1.5倍に延伸させながら乾燥させて金属製ボビンに巻き取り、その繊維を200℃で20分間、300℃で20分間、400℃20分間で加熱・焼成し導電性ポリイミド繊維を得た。
また、得られたポリイミド繊維の電気抵抗値、破断強度、破断伸度の測定を行った。測定結果を表1に示す。得られたポリイミド繊維は破断強度、破断伸度共に優れたものであり、特に破断強度保持率が大きく、加水分解耐性に優れることが明らかになった。
【0043】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気抵抗値が1010Ω以下であることを特徴とする導電性ポリイミド繊維。
【請求項2】
さらに導電性フィラーを含むことを特徴とする請求項1記載の導電性ポリイミド繊維。
【請求項3】
導電性フィラーが炭素系微粉末材料である請求項2記載の導電性ポリイミド繊維。
【請求項4】
繊度が0.1dtex以上30dtex以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電性ポリイミド繊維。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電性ポリイミド繊維を含む不織布。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電性ポリイミド繊維を含む耐熱性フィルター。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電性ポリイミド繊維を含む織布。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電性ポリイミド繊維を含む耐熱性防護服。
【請求項9】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電性ポリイミド繊維を用いた電気・電子材料。

【公開番号】特開2010−209484(P2010−209484A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−54946(P2009−54946)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】