説明

導電性微粒子の製造方法及び導電性微粒子

【課題】基材となる樹脂粒子との密着性の高い金属層を形成することができる導電性微粒子の製造方法を提供する。また、該導電性微粒子の製造方法を用いて製造される導電性微粒子を提供する。
【解決手段】樹脂粒子と酸化物微粒子との混合物を0.5〜100MPaの範囲内で加圧することにより、前記樹脂粒子の表面に前記酸化物微粒子を圧着する工程1と、
前記樹脂粒子の表面から酸化物微粒子を除去し、表面に複数の凹部を有する樹脂粒子を得る工程2と、前記表面に複数の凹部を有する樹脂粒子の表面に金属層を形成する工程3とを有し、前記凹部は、開口の平均直径が0.01〜1.0μmであり、かつ、前記樹脂粒子表面における前記凹部の面積占有率が20〜80%である導電性微粒子の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材となる樹脂粒子との密着性の高い金属層を形成することができる導電性微粒子の製造方法に関する。また、本発明は、該導電性微粒子の製造方法を用いて製造される導電性微粒子に関する。
【背景技術】
【0002】
基材粒子の表面に導電層を有する導電性微粒子は、例えば、異方性導電フィルムや異方性導電ペースト等の異方性導電材料や、Ball Grid Array(BGA)実装用はんだボール等の実装用接続材料に広く利用されている。
【0003】
異方性導電材料や実装用接続材料に用いられる導電性微粒子の接続信頼性は、導電性微粒子の導電層の密着性に大きく依存する。導電層の密着性が低い導電性微粒子を相対向する回路基板や電極端子の間に接続した場合、接続のために必要な圧力や熱に由来する応力によって導電層が割れやすくなる。その結果、接続端子間の導通不良や断線が起こりやすくなる。
しかしながら、導電性微粒子は、通常、基材粒子の表面への無電解めっき、又は、無電解めっきの後に電解めっきを行うことによって作製されるが、樹脂粒子のような有機基材粒子へ無電解めっきを適用する場合、形成しためっき膜と有機基材粒子との間に強い化学結合が形成され難いため、めっき膜の密着性が充分に得られないという問題があった。従って、めっき膜の密着性の改善が強く求められていた。
【0004】
めっき膜の密着性を改善するためには、基材粒子表面の粗化や極性基を付与するためのエッチング処理が一般的に利用されている。基材粒子表面を粗化することによって、粗化した基材粒子表面とめっき膜との間に「アンカー効果」という物理的な作用が働き、平滑な表面の場合に比べ密着性が向上される。また、基材表面への極性基の付与は、無電解めっき反応に必要な触媒核の吸着に有利であり、結果としてめっき膜の密着性の向上にも寄与する。
しかしながら、通常、エッチング処理は用いる基材の種類によって方法が異なり、条件を最適化させることが容易ではなく、オーバーエッチングやアンダーエッチングが起こりやすい。また、アクリル樹脂等、エッチングされ難い樹脂も少なくない。そのため、エッチング処理を行っても密着性に優れためっき膜を得られないことがあった。
【0005】
近年、エッチング処理の問題点を解消するために、例えば、特許文献1には、UVとオゾン水による不導体製品のめっき前処理方法が開示されている。しかしながら、この方法は、処理時間が長くなるという問題があった。特許文献2には、前処理方法として被めっき対象物である有機基材を酸化チタン(TiO)粉末の懸濁液に浸漬しながら紫外線を照射する方法が開示されており、酸化チタンの光触媒作用を利用して基材の表面を改質している。しかしながら、この方法では、表面改質反応は光照射された酸化チタン粒子と基材との接触時にのみ起こり、改質効率と改質の均一性に課題があった。また、酸化チタン微細粉末の懸濁液を利用するので、樹脂粒子に付着した酸化チタン微粒子を完全に除去できず、一部の酸化チタン微粒子が樹脂表面に残留するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第03/021105号パンフレット
【特許文献2】特開2005−256118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、基材となる樹脂粒子との密着性の高い金属層を形成することができる導電性微粒子の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、該導電性微粒子の製造方法を用いて製造される導電性微粒子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、樹脂粒子と酸化物微粒子との混合物を0.5〜100MPaの範囲内で加圧することにより、上記樹脂粒子の表面に上記酸化物微粒子を圧着する工程1と、上記樹脂粒子の表面から酸化物微粒子を除去し、表面に複数の凹部を有する樹脂粒子を得る工程2と、上記表面に複数の凹部を有する樹脂粒子の表面に金属層を形成する工程3とを有し、上記凹部は、開口の平均直径が0.01〜1.0μmであり、かつ、上記樹脂粒子表面における上記凹部の面積占有率が20〜80%である導電性微粒子の製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
【0009】
本発明者は、基材となる樹脂粒子の表面に酸化物微粒子を圧着した後、該酸化物微粒子を除去することで該樹脂粒子の表面に凹部を形成することにより、該樹脂粒子の表面に金属層を強く密着させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
本発明の導電性微粒子の製造方法では、まず、樹脂粒子と酸化物微粒子との混合物を0.5〜100MPaの範囲内で加圧することにより、上記樹脂粒子の表面に上記酸化物微粒子を圧着する工程1を行う。上記工程1では、0.5〜100MPaの範囲内の加圧によって樹脂粒子が膨潤し、膨潤した樹脂粒子に酸化物微粒子が入り込み、常圧に戻すことで酸化物微粒子が樹脂粒子の表面に固定される。
【0011】
上記樹脂粒子を構成する樹脂は特に限定されず、例えば、ポリオレフィン、(メタ)アクリル樹脂、アクリレートとジビニルベンゼンとの共重合樹脂、ポリアルキレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラニンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、フェニル樹脂等が挙げられる。
上記ポリオレフィンは特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル樹脂は特に限定されず、ポリメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0012】
上記樹脂粒子の10%K値の好ましい下限は1000N/mm、好ましい上限は15000N/mmである。上記10%K値が1000N/mm未満であると、樹脂粒子を圧縮変形させると、樹脂粒子が破壊されることがある。上記10%K値が15000N/mmを超えると、得られる導電性微粒子が電極を傷つけることがある。上記10%K値のより好ましい下限は2000N/mm、より好ましい上限は10000N/mmである。
なお、上記10%K値は、微小圧縮試験器(例えば、島津製作所社製、「PCT−200」)を用い、樹脂粒子を直径50μmのダイアモンド製円柱の平滑圧子端面で、圧縮速度2.6mN/秒、最大試験荷重10gの条件下で圧縮した場合の圧縮変位(mm)を測定し、下記式により求めることができる。
K値(N/mm)=(3/√2)・F・S−3/2・R−1/2
F:樹脂粒子の10%圧縮変形における荷重値(N)
S:樹脂粒子の10%圧縮変形における圧縮変位(mm)
R:樹脂粒子の半径(mm)
【0013】
上記樹脂粒子の平均粒子径は特に限定されないが、好ましい下限は0.5μm、好ましい上限は2000μmである。上記樹脂粒子の平均粒子径が0.5μm未満であると、上記樹脂粒子が凝集しやすくなり、凝集した上記樹脂粒子の表面に金属層を形成した導電性微粒子は、隣接する電極間を短絡させることがある。上記樹脂粒子の平均粒子径が2000μmを超えると、異方性導電材料として回路基板等に用いられる範囲を超えることがある。上記樹脂粒子の平均粒子径のより好ましい下限は1μm、より好ましい上限は1000μmである。
なお、本明細書において上記平均粒子径は、光学顕微鏡又は電子顕微鏡を用いて無作為に選んだ50個の粒子の粒子径を測定し、測定した粒子径を算術平均することにより求められたものである。
【0014】
上記樹脂粒子の平均粒子径の変動係数は特に限定されないが、10%以下であることが好ましい。上記変動係数が10%を超えると、得られる導電性微粒子の接続信頼性が低下することがある。
なお、上記変動係数とは、粒子径分布から得られる標準偏差を平均粒子径で除して得られる値を百分率(%)で示した数値である。
【0015】
上記樹脂粒子を製造する方法は特に限定されず、例えば、乳化重合、懸濁重合、シード重合、分散重合、分散シード重合等の重合法による方法が挙げられる。上記重合の際に高分子保護剤や界面活性剤等の添加剤を添加してもよい。
【0016】
本発明の導電性微粒子の製造方法では、上記酸化物微粒子によって上記樹脂粒子の表面に凹部を形成する。
上記酸化物微粒子を構成する酸化物は特に限定されないが、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化マンガン、酸化バナジウム、酸化スズ、酸化鉄、酸化コバルト、酸化銀、酸化ニッケル、酸化銅、酸化亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0017】
上記酸化物微粒子の平均粒子径は特に限定されないが、好ましい上限は上記樹脂粒子の平均粒子径の1/10である。上記酸化物微粒子の平均粒子径が上記樹脂粒子の平均粒子径の1/10を超えると、上記酸化物微粒子を上記樹脂粒子の表面に圧着することができなくなることがある。上記酸化物微粒子の平均粒子径のより好ましい上限は上記樹脂粒子の平均粒子径の1/50である。
【0018】
上記工程1において、上記樹脂粒子と上記酸化物微粒子とは、媒体に分散させることが好ましい。上記媒体に分散させることにより、上記樹脂粒子と上記酸化物微粒子とが均一に混ざり合い、高い効率で上記酸化物微粒子を上記樹脂粒子の表面に圧着することができる。
【0019】
上記媒体としては、常温常圧で上記樹脂粒子に対して貧溶媒である液状媒体及び/又は常温常圧で気体である加圧流体が好適である。液状の媒体を用いれば上記樹脂粒子を分散させることが極めて容易となり、また、常温常圧で上記樹脂粒子に対して貧溶媒であれば、上記樹脂粒子を変形させたり変質させたりすることもない。一方、常温常圧で気体である加圧流体を用いれば、得られる表面に酸化物微粒子が圧着した樹脂粒子を媒体から単離したり乾燥させたりする必要がない。
上記常温常圧で上記樹脂粒子に対して貧溶媒である液状媒体は特に限定されず、樹脂粒子を構成する樹脂に応じて適宜選択すればよいが、例えば、水や、アルコール等の有機溶剤等が挙げられる。
上記常温常圧で気体である加圧流体は特に限定されないが、二酸化炭素、窒素、酸素、空気、水素、アルゴン、ヘリウム、ネオンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好適である。
これらの媒体のなかでも、超臨界状態又は亜臨界状態の二酸化炭素が特に好適である。
上記超臨界状態又は亜臨界状態の二酸化炭素は、上記樹脂粒子に対して高い親和性を示す。樹脂粒子の良溶媒も上記超臨界状態又は亜臨界状態の二酸化炭素と同様に高い親和性を示すが、上記良溶媒は密度が高いことから、上記樹脂粒子を完全に溶解してしまったり、上記樹脂粒子の凝集や合一を促進したりすることがある。一方、上記超臨界状態又は亜臨界状態の二酸化炭素は上記樹脂粒子に対する親和性は高いものの、上記樹脂粒子を溶解するほどには密度が高くないことから、上記樹脂粒子を溶解することなく、上記樹脂粒子の表面近傍に浸透し、上記樹脂粒子の表面近傍を適度に膨潤させることができる。上記樹脂粒子の表面近傍を膨潤させることにより、上記酸化物微粒子が膨潤した樹脂粒子の表面近傍に入り込む。その後常温常圧に戻し、二酸化炭素を気体の状態にすることにより、上記酸化物微粒子が上記樹脂粒子の表面に打ち込まれたように固定された樹脂粒子が得られる。
【0020】
上記媒体を用いる場合、上記酸化物微粒子は、上記媒体中に直接分散させてもよいし、適当な分散媒に分散させた分散液を上記媒体中に分散させてもよい。
また、上記酸化物微粒子の上記媒体中での分散性を向上させるために、上記媒体中に分散安定剤を添加することが好ましい。上記分散安定剤としては、上記媒体と親和性の高い官能基を有する化合物が好適である。上記媒体が超臨界状態又は亜臨界状態の二酸化炭素である場合、上記親和性の高い官能基としては、例えば、カルボニル官能基、ケイ素含有官能基、ハロゲン化された原子団を有する官能基、炭素数が9以下の直鎖アルキル基等が挙げられる。
上記カルボニル官能基は特に限定されず、例えば、エステル基、カルボキシル基、カルボニル基、アミド基等が挙げられる。
上記ケイ素含有官能基は特に限定されず、例えば、シラノール基等が挙げられる。
上記ハロゲン化された原子団を有する官能基は特に限定されず、例えば、パーフルオロアルキル基等のフッ素含有官能基等が挙げられる。
上記分散安定剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0021】
上記工程1において、上記樹脂粒子と上記酸化物微粒子との混合物に加える圧力の下限は0.5MPa、上限は100MPaである。上記圧力が0.5MPa未満であると、上記樹脂粒子の表面を充分に膨潤させることができなかったり、運動エネルギーが不足したりして上記酸化物微粒子の圧着が不充分となり、充分な大きさの凹部を形成できなくなる。上記圧力が100MPaを超えると、上記樹脂粒子が溶解したり、凝集したりする。上記圧力の好ましい上限は50MPaである。上記工程1における加圧状態は、超臨界状態又は亜臨界状態であることが好ましく、上記媒体として二酸化炭素を用いる場合、この圧力範囲では常に超臨界状態又は亜臨界状態となる。
また、上記工程1において上記媒体を用いる場合、上記樹脂粒子と上記酸化物微粒子と上記媒体とを混合してから加圧してもよいし、上記樹脂粒子と上記酸化物微粒子との混合物に予め加圧した上記媒体を加えてもよい。
【0022】
上記工程1において、加圧する際の温度は特に限定されないが、好ましい上限は上記樹脂粒子を構成する樹脂のガラス転移温度よりも5℃低い温度である。上記加圧する際の温度が上記樹脂粒子を構成する樹脂のガラス転移温度よりも5℃低い温度を超えると、上記樹脂粒子の表面が溶解して凝集することがある。上記加圧する際の温度のより好ましい上限は上記樹脂粒子を構成する樹脂のガラス転移温度よりも10℃低い温度である。
また、上記樹脂粒子を構成する樹脂が結晶性樹脂である場合には、上記加圧する際の温度の好ましい上限は樹脂粒子を構成する樹脂の融点よりも5℃低い温度であり、より好ましい上限は樹脂粒子を構成する樹脂の融点よりも10℃低い温度である。
【0023】
上記樹脂粒子と上記酸化物微粒子との混合物を加圧した後、常温常圧に戻すことにより、樹脂粒子を変質させたり変形させたりすることなく、上記酸化物微粒子が表面に圧着した樹脂粒子を得ることができる。常温常圧に戻した後に、必要に応じてろ過及び洗浄処理を行ってもよい。
【0024】
本発明の導電性微粒子の製造方法では、次に、上記工程1で得られた酸化物微粒子が表面に圧着した樹脂粒子の表面から酸化物微粒子を除去し、表面に複数の凹部を有する樹脂粒子を得る工程2を行う。
上記工程2は、上記工程1で得られた酸化物微粒子が表面に圧着した樹脂粒子を、酸、アルカリ、又は、金属イオンと錯体を形成できる錯化剤の水溶液に浸漬することにより行われることが好ましい。
【0025】
上記酸は特に限定されず、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、又は、これらの混合物等が挙げられる。
上記アルカリは特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が挙げられる。
上記錯化剤は特に限定されず、上記酸化物微粒子の中の金属部分と錯体を形成できるものであれば適用可能である。例えば、エタノールアミン、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸等のアミン系錯化剤、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等のカルボン酸系錯化剤、11−メルカプトウンデカン酸等のチオカルボン酸系錯化剤等が挙げられる。
【0026】
上記凹部開口の平均直径の下限は0.01μm、上限は1.0μmである。上記凹部開口の平均直径がこの範囲外であると、得られる導電性微粒子が金属層の密着性に劣るものとなる。
また、上記凹部の深さは特に限定されないが、上記凹部開口の平均直径以下であることが好ましい。
【0027】
上記樹脂粒子表面における上記凹部の面積占有率の下限は20%、上限は80%である。上記凹部の面積占有率がこの範囲外であると、得られる導電性微粒子が金属層の密着性に劣るものとなる。上記凹部の面積占有率の好ましい下限は30%、好ましい上限は70%である。
なお、本明細書において上記凹部の面積占有率とは、得られた表面に複数の凹部を有する樹脂粒子100個について、それぞれの電子顕微鏡写真を画像処理することにより算出される、樹脂粒子の全表面積における凹部の占める割合の平均値をいう。
【0028】
本発明の導電性微粒子の製造方法では、次に、上記工程2で得られた表面に複数の凹部を有する樹脂粒子の表面に金属層を形成する工程3を行う。
【0029】
上記工程3において、上記表面に複数の凹部を有する樹脂粒子の表面に金属層を形成する方法としては、無電解めっき又は電解めっきが好適であり、無電解めっきのみ、又は、無電解めっきを行った後に電解めっきを行うことがより好適である。
上記無電解めっき過程としては、酸化物微粒子を除去し、表面に複数の凹部を形成された樹脂粒子に界面活性剤を吸着する工程、触媒化工程及び無電解めっき工程の順で行うことが好ましい。
【0030】
上記触媒化工程は、基材となる上記表面に複数の凹部を有する樹脂粒子の表面に無電解めっきの起点となる触媒を付与する工程である。上記触媒化工程では、例えば、センシタイジング工程と、アクチベイジング工程とが行われる。上記センシタイジング工程として、ラウリル硫酸ナトリウム等の界面活性剤を吸着させた上記表面に複数の凹部を有する樹脂粒子を二塩化錫溶液中で攪拌することにより、上記表面に複数の凹部を有する樹脂粒子の表面にSn2+イオンが吸着される。上記アクチベイジング工程として、Sn2+イオンが吸着した樹脂粒子を、二塩化パラジウム溶液中で攪拌することにより、樹脂粒子の表面にパラジウム触媒が付与される。なお、上記アクチベイジング工程では、樹脂粒子の表面で、Sn2++Pd2+→Sn4++Pdで示される反応が行われる。
【0031】
上記無電解めっき工程は、パラジウム触媒が付与された上記樹脂粒子を還元剤の存在下で、無電解めっき浴中に浸漬し、付与されたパラジウム触媒を起点として上記樹脂粒子の表面にめっき金属を析出させ、金属層を形成する工程である。
【0032】
上記金属層を構成する金属は特に限定されず、例えば、ニッケル、金、銀、銅、白金、亜鉛、鉄、錫、鉛、アルミニウム、コバルト、インジウム、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、又は、これらの合金等が挙げられる。
【0033】
上記金属層全体の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は0.01μm、好ましい上限は100μmである。上記金属層全体の厚さが0.01μm未満であると、上記金属層が割れやすくなったり、導電微粒子として充分に機能を発揮できなくなったりすることがある。上記金属層全体の厚さが100μmを超えると、得られる導電性微粒子の柔軟性が損なわれたり、得られる導電性微粒子が凝集しやすくなり、隣接する電極間の短絡を引き起こしたりすることがある。上記金属層全体の厚さのより好ましい下限は0.02μm、より好ましい上限は80μmである。
なお、上記金属層全体の厚さは、無作為に選んだ10個の導電性微粒子の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して厚さを測定し、測定値を算術平均した厚さである。
【0034】
本発明の導電性微粒子の製造方法を用いて製造される導電性微粒子もまた、本発明の1つである。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、基材となる樹脂粒子との密着性の高い金属層を形成することができる導電性微粒子の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、該導電性微粒子の製造方法を用いて製造される導電性微粒子を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
【0037】
(実施例1)
(1)表面に凹部を有する樹脂粒子の作製
ジビニルベンゼンとテトラメチロールメタンテトラアクリレートとを重量比1:1で共重合させた樹脂粒子(平均粒子径190μm)1gと、2重量%の酸化アルミニウム微粒子(平均粒子径0.5μm)水分散液20gの混合液を耐圧反応装置の反応器内に導入した。攪拌羽で混合液を攪拌しながら、200℃に昇温した。次に、二酸化炭素ガスを反応器内に導入し、反応器内の圧力を20MPaに調整し、200℃、20MPaのまま1時間保持した。次いで、反応器を室温近くまで冷却し、混合液を取り出した。得られた混合液をろ過し、洗浄し、乾燥させることにより、表面に酸化アルミニウム微粒子が圧着した樹脂粒子を得た。
得られた表面に酸化アルミニウム微粒子が圧着した樹脂粒子の表面及び断面を、エネルギー分散型X線検出器が備え付けられた走査型電子顕微鏡を用いて観察した。その結果、樹脂粒子の表面の全面に均一に、複数の酸化アルミニウム微粒子が埋まるように付着しており、酸化アルミニウム微粒子の粒子径の半分以上が樹脂粒子に埋め込まれていることを確認した。
次に、得られた表面に酸化アルミニウム微粒子が圧着した樹脂粒子を0.5mol/Lの塩酸に浸漬させ、樹脂粒子表面の酸化アルミニウム微粒子を溶解除去した。酸化アルミニウム微粒子が除去されたことにより、酸化アルミニウム微粒子が埋め込まれていた部分が凹部となり、表面に複数の凹部を有する樹脂粒子が得られた。形成された凹部の深さは凹部開口の直径以下であり、凹部の面積占有率は約50%であった。
【0038】
(2)導電性微粒子の作製
得られた表面に複数の凹部を有する樹脂粒子を0.1重量%のラウリル硫酸ナトリウムを含有する水溶液に5分間浸漬し、樹脂粒子の表面に界面活性剤を吸着させた。得られた界面活性剤を吸着した樹脂粒子を、塩化錫(SnCl)を2重量%含有する塩酸(塩化水素濃度10重量%)中で攪拌し、樹脂粒子の表面にSn2+イオンを吸着させた。次いで、ろ過、洗浄を行い、得られたSn2+イオンを吸着した樹脂粒子を、0.01重量%の塩化パラジウム(PdCl)水溶液中において、50℃で10分間攪拌し、樹脂粒子の表面にパラジウムを付与した。得られた表面にパラジウムを付与した樹脂粒子を無電解ニッケルめっき液に分散させ、攪拌することにより、樹脂粒子の表面に厚さ0.5μmのニッケル層を形成した。更に、電解めっきにより、得られたニッケル層上に厚さ5μmの銅層を形成し、導電性微粒子を得た。
【0039】
(実施例2)
用いた酸化アルミニウム微粒子水分散液中の酸化アルミニウム微粒子の濃度を10重量%に変更したこと以外は実施例1と同様にして表面に酸化アルミニウム微粒子が圧着した樹脂粒子を作製した。得られた表面に酸化アルミニウム微粒子が圧着した樹脂粒子の表面及び断面を、実施例1と同様にして観察した結果、樹脂粒子の表面の全面に均一に、複数の酸化アルミニウム微粒子が埋まるように付着しており、酸化アルミニウム微粒子の粒子径の半分以上が樹脂粒子に埋め込まれていることを確認した。得られた表面に酸化アルミニウム微粒子が圧着した樹脂粒子について、0.2mol/Lの塩酸を用い、実施例1と同様にして表面の酸化アルミニウム微粒子を溶解除去し、表面に複数の凹部を有する樹脂粒子を作製した。形成された凹部の深さは凹部開口の直径以下であり、凹部の面積占有率は約80%であった。更に、実施例1と同様にして樹脂粒子の表面にニッケル層、及び、得られたニッケル層上に銅層を形成して導電性微粒子を得た。
【0040】
(実施例3)
用いた酸化アルミニウム微粒子水分散液中の酸化アルミニウム微粒子の濃度を0.5重量%に変更したこと以外は実施例1と同様にして表面に酸化アルミニウム微粒子が圧着した樹脂粒子を作製した。得られた表面に酸化アルミニウム微粒子が圧着した樹脂粒子の表面及び断面を、実施例1と同様にして観察した結果、樹脂粒子の表面の全面に均一に、複数の酸化アルミニウム微粒子が埋まるように付着しており、酸化アルミニウム微粒子の粒子径の半分以上が樹脂粒子に埋め込まれていることを確認した。得られた表面に酸化アルミニウム微粒子が圧着した樹脂粒子について、0.2mol/Lの塩酸を用い、実施例1と同様にして表面の酸化アルミニウム微粒子を溶解除去し、表面に複数の凹部を有する樹脂粒子を作製した。形成された凹部の深さは凹部開口の直径以下であり、凹部の面積占有率は約20%であった。更に、実施例1と同様にして樹脂粒子の表面にニッケル層、及び、得られたニッケル層上に銅層を形成して導電性微粒子を得た。
【0041】
(実施例4)
用いた酸化アルミニウム微粒子水分散液中の酸化アルミニウム微粒子を平均粒子径が0.01μmのものに変更し、濃度を5重量%に変更したこと以外は実施例1と同様にして表面に酸化アルミニウム微粒子が圧着した樹脂粒子を作製した。得られた表面に酸化アルミニウム微粒子が圧着した樹脂粒子の表面及び断面を、実施例1と同様にして観察した結果、樹脂粒子の表面の全面に均一に、複数の酸化アルミニウム微粒子が埋まるように付着しており、酸化アルミニウム微粒子の粒子径の半分以上が樹脂粒子に埋め込まれていることを確認した。得られた表面に酸化アルミニウム微粒子が圧着した樹脂粒子について、0.2mol/Lの塩酸を用い、実施例1と同様にして表面の酸化アルミニウム微粒子を溶解除去し、表面に複数の凹部を有する樹脂粒子を作製した。形成された凹部の深さは凹部開口の直径以下であり、凹部の面積占有率は約70%であった。更に、実施例1と同様にして樹脂粒子の表面にニッケル層、及び、得られたニッケル層上に銅層を形成して導電性微粒子を得た。
【0042】
(実施例5)
用いた酸化アルミニウム微粒子水分散液中の酸化アルミニウム微粒子を平均粒子径が1μmのものに変更し、濃度を5重量%に変更したこと以外は実施例1と同様にして表面に酸化アルミニウム微粒子が圧着した樹脂粒子を作製した。得られた表面に酸化アルミニウム微粒子が圧着した樹脂粒子の表面及び断面を、実施例1と同様にして観察した結果、樹脂粒子の表面の全面に均一に、複数の酸化アルミニウム微粒子が埋まるように付着しており、酸化アルミニウム微粒子の粒子径の半分以上が樹脂粒子に埋め込まれていることを確認した。得られた表面に酸化アルミニウム微粒子が圧着した樹脂粒子について、実施例1と同様にして表面の酸化アルミニウム微粒子を溶解除去し、表面に複数の凹部を有する樹脂粒子を作製した。形成された凹部の深さは凹部開口の直径以下であり、凹部の面積占有率は約40%であった。更に、実施例1と同様にして樹脂粒子の表面にニッケル層、及び、得られたニッケル層上に銅層を形成して導電性微粒子を得た。
【0043】
(比較例1)
ジビニルベンゼンとテトラメチロールメタンテトラアクリレートとを重量比1:1で共重合させた樹脂粒子(平均粒子径190μm)を、表面に凹部を形成させずにそのまま基材粒子として用い、実施例1と同様にして表面にニッケル層、及び、得られたニッケル層上に銅層を形成して導電性微粒子を得た。
【0044】
(比較例2)
用いた酸化アルミニウム微粒子水分散液中の酸化アルミニウム微粒子の濃度を0.05重量%に変更したこと以外は実施例1と同様にして表面に酸化アルミニウム微粒子が圧着した樹脂粒子を作製した。得られた表面に酸化アルミニウム微粒子が圧着した樹脂粒子の表面及び断面を、実施例1と同様にして観察した結果、樹脂粒子の表面の全面に均一に、複数の酸化アルミニウム微粒子が埋まるように付着しており、酸化アルミニウム微粒子の粒子径の半分以上が樹脂粒子に埋め込まれていることを確認した。得られた表面に酸化アルミニウム微粒子が圧着した樹脂粒子について、実施例1と同様にして表面の酸化アルミニウム微粒子を溶解除去し、表面に複数の凹部を有する樹脂粒子を作製した。形成された凹部の深さは凹部開口の直径以下であり、凹部の面積占有率は約10%であった。更に、実施例1と同様にして樹脂粒子の表面にニッケル層、及び、得られたニッケル層上に銅層を形成して導電性微粒子を得た。
【0045】
(比較例3)
用いた酸化アルミニウム微粒子水分散液中の酸化アルミニウム微粒子の濃度を15重量%に変更したこと以外は実施例1と同様にして表面に酸化アルミニウム微粒子が圧着した樹脂粒子を作製した。得られた表面に酸化アルミニウム微粒子が圧着した樹脂粒子の表面及び断面を、実施例1と同様にして観察した結果、樹脂粒子の表面の全面に均一に、複数の酸化アルミニウム微粒子が埋まるように付着しており、酸化アルミニウム微粒子の粒子径の半分以上が樹脂粒子に埋め込まれていることを確認した。得られた表面に酸化アルミニウム微粒子が圧着した樹脂粒子について、0.2mol/Lの塩酸を用い、実施例1と同様にして表面の酸化アルミニウム微粒子を溶解除去し、表面に複数の凹部を有する樹脂粒子を作製した。形成された凹部の深さは凹部開口の直径以下であり、凹部の面積占有率は約90%であった。更に、実施例1と同様にして樹脂粒子の表面にニッケル層、及び、得られたニッケル層上に銅層を形成して導電性微粒子を得た。
【0046】
(比較例4)
用いた酸化アルミニウム微粒子水分散液中の酸化アルミニウム微粒子を平均粒子径が0.005μmのものに変更したこと以外は実施例1と同様にして表面に酸化アルミニウム微粒子が圧着した樹脂粒子を作製した。得られた表面に酸化アルミニウム微粒子が圧着した樹脂粒子の表面及び断面を、実施例1と同様にして観察した結果、樹脂粒子の表面の全面に均一に、複数の酸化アルミニウム微粒子が埋まるように付着しており、酸化アルミニウム微粒子の粒子径の半分以上が樹脂粒子に埋め込まれていることを確認した。得られた表面に酸化アルミニウム微粒子が圧着した樹脂粒子について、実施例1と同様にして表面の酸化アルミニウム微粒子を溶解除去し、表面に複数の凹部を有する樹脂粒子を作製した。形成された凹部の深さは凹部開口の直径以下であり、凹部の面積占有率は約50%であった。更に、実施例1と同様にして樹脂粒子の表面にニッケル層、及び、得られたニッケル層上に銅層を形成して導電性微粒子を得た。
【0047】
(比較例5)
用いた酸化アルミニウム微粒子水分散液中の酸化アルミニウム微粒子を平均粒子径が10μmのものに変更したこと以外は実施例1と同様にして表面に酸化アルミニウム微粒子が圧着した樹脂粒子を作製した。得られた表面に酸化アルミニウム微粒子が圧着した樹脂粒子の表面及び断面を、実施例1と同様にして観察した結果、樹脂粒子の表面の全面に均一に、複数の酸化アルミニウム微粒子が埋まるように付着しており、酸化アルミニウム微粒子の粒子径の半分以上が樹脂粒子に埋め込まれていることを確認した。得られた表面に酸化アルミニウム微粒子が圧着した樹脂粒子について、実施例1と同様にして表面の酸化アルミニウム微粒子を溶解除去し、表面に複数の凹部を有する樹脂粒子を作製した。形成された凹部の深さは凹部開口の直径以下であり、凹部の面積占有率は約25%であった。更に、実施例1と同様にして樹脂粒子の表面にニッケル層、及び、得られたニッケル層上に銅層を形成して導電性微粒子を得た。
【0048】
<評価>
実施例及び比較例で得られた導電性微粒子について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
【0049】
(1)金属層の密着性の評価
得られた導電性微粒子0.5gと、直径1.0mmのジルコニアボール20gと、エタノール20gとをポリ容器に入れ、ボールミル処理機を用いて、200rpmで10分間回転処理した。その後、ろ過し、乾燥させ、導電性微粒子を取り出した。取り出された導電性微粒子のうち200個を走査型電子顕微鏡で観察し、金属層の密着性を以下の基準で評価した。
○:金属層にひび割れ又は剥がれを有する導電性微粒子が200個中0個
△:金属層にひび割れ又は剥がれを有する導電性微粒子が200個中1〜10個
×:金属層にひび割れ又は剥がれを有する導電性微粒子が200個中11個以上
【0050】
(2)凹部開口の平均直径の評価
酸化物微粒子を除去した樹脂粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、200個の粒子における凹部開口の直径を測定し、その平均値を求めた。
【0051】
(3)実装時の金属層の割れの評価
得られた導電性微粒子112個を、赤外線リフロー装置を用い、はんだペーストを介して電極ランド上に実装した。リフローでは、ピーク温度200℃で3分間保持した。光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡を用いて、実装後の導電性微粒子を観察し、金属層の割れを以下の基準で評価した。
○:金属層に割れを有する導電性微粒子が112個中0個
△:金属層に割れを有する導電性微粒子が112個中1〜5個
×:金属層に割れを有する導電性微粒子が112個中6個以上
【0052】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明によれば、基材となる樹脂粒子との密着性の高い金属層を形成することができる導電性微粒子の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、該導電性微粒子の製造方法を用いて製造される導電性微粒子を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂粒子と酸化物微粒子との混合物を0.5〜100MPaの範囲内で加圧することにより、前記樹脂粒子の表面に前記酸化物微粒子を圧着する工程1と、
前記樹脂粒子の表面から酸化物微粒子を除去し、表面に複数の凹部を有する樹脂粒子を得る工程2と、
前記表面に複数の凹部を有する樹脂粒子の表面に金属層を形成する工程3とを有し、
前記凹部は、開口の平均直径が0.01〜1.0μmであり、かつ、前記樹脂粒子表面における前記凹部の面積占有率が20〜80%である
ことを特徴とする導電性微粒子の製造方法。
【請求項2】
酸化物微粒子は、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化マンガン、酸化バナジウム、酸化スズ、酸化鉄、酸化コバルト、酸化銀、酸化ニッケル、酸化銅、酸化亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の導電性微粒子の製造方法。
【請求項3】
前記凹部は、深さが直径以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の導電性微粒子の製造方法。
【請求項4】
工程2は、工程1で得られる酸化物微粒子が表面に圧着した樹脂粒子を、酸、アルカリ、又は、金属イオンと錯体を形成できる錯化剤の水溶液に浸漬することにより行われることを特徴とする請求項1、2又は3記載の導電性微粒子の製造方法。
【請求項5】
工程3は、無電解めっき又は電解めっきにより行われることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の導電性微粒子の製造方法。
【請求項6】
請求項1、2、3、4又は5記載の導電性微粒子の製造方法を用いて製造されることを特徴とする導電性微粒子。

【公開番号】特開2011−70944(P2011−70944A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−221276(P2009−221276)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】