説明

導電性接点構成

【課題】より安価で大量生産ができ、熱放散が良好で境界抵抗の小さな導電性接点構成を提供する。
【解決手段】導電性接点構成10は、フォーク型ばね接点ユニット11と、導電性を有する態様でばね接点ユニット11に固定することのできるブレード接点ユニット12とからなる。フォーク型ばね接点ユニット11は、平面即ち板状の複数のばねフォーク接点15で構成されている。これらのばねフォーク接点15は、少なくともいくつかが互いに直接隣接するように担体16上に支持され、互いに接続されており、これによって担体16は少なくとも1つの導体のための接続ユニット14に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の記載に従った導電性接点構成に関する。
【背景技術】
【0002】
高比出力密度のシステムにおける導電性接点構成では、互いに接続される、又は互いに接続された接点ユニットの伝達抵抗を最小にすることによってジュール加熱を小さく保つ一方で、他の通電素子への放熱を良好に行って余熱を取り除くことが不可欠である。このような状況において、決定的なパラメータは、接点ユニットの材料とそのコーティングを選択すること、最大数の接点を有すること、適度な操作のしやすさと両立しうる接触力の大きさを決定すること、そして接点構成において最大限の質量と断面を保証することである。
【0003】
従来技術によると、高性能の用途に用いる導電性接点構成では、高い幾何学的精度で製造され、従って高価な接点ユニットが公知である。あるいは、接点構成には補足部品として高価で繊細なばね接点が設けられている。
【0004】
高性能の電流伝送を行う導電性接点構成が、ドイツ特許公開番号10 2008 031 571から公知である。この構成では、一方の極が複数のばね接点によって形成されており、これらのばね接点は共に差込み開口を構成し、各々が互いに離間した状態で、絶縁材料からなる接点支持部の取付開口内に支持されている。従って、この導電性接点構成は最適な電気接触も最適な放熱ももたらさない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】ドイツ特許公開番号10 2008 031 571
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、より安価で、大量に製造することでコスト効率が高く、境界抵抗が小さいほかに優れた放熱をもたらす前述のタイプの導電性接点構成を作製することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、請求項1に示される特徴が前述のタイプの導電性接点構成に設けられる。
【0008】
本発明に従った方策により、ばねフォーク接点を一列に配置することによって簡潔に製造でき、関連する又は計算された最大の電流伝送力に調節することのできる導電性接点構成が作製される。よって、平面ばねフォーク接点を、例えば簡潔な打ち抜き部品として大量に製造することができ、コスト効率が高い。このことは、この非常に多数の平面ばねフォーク接点を1つの担体(キャリア)に組み付けて共に保持し、これを接続ユニットに接続することにもあてはまる。この平面、即ち板状のばねフォーク接点の組み付け方法により、これらの接点の幾何学形状を、特定の用途の要件に合わせて、また嵌合相手の接点に関連させて容易に調節することができる。ばねフォーク接点の特徴は、素子が平面のために、1つの面におけるモデリングが比較的容易なことである。
【0009】
請求項2に記載の特徴に基づいて、個々のばねフォーク接点を、例えば管状の担体にいずれの数でも簡潔に通すことができ、次にこれらを固定又は接合して大規模な複合物を形成することができる。このタイプの担体は、高い充填密度を保ちながら非常に多数の接点をもたらし、また同時に熱輸送のための大きな質量をもたらす。
【0010】
請求項3の特徴に従って、ローラバニシ仕上げを用いた有利な製造方法が大規模な複合物を生じ、これにより、最小の境界抵抗が得られるように接続点を気密にし、冷間溶接することができる。
【0011】
請求項4及び請求項5の特徴に従って、互いに直接接触する一体型のパケット、又は隣接する複数のパケットで配置されるように個々のばねフォーク接点を担体上に保持させることができる。
【0012】
請求項6の特徴に基づいて、ばねフォーク接点を担体に通すことも、回転可能に固定された構成において達成される。
【0013】
請求項7の特徴に従った1つの好適な実施の形態によると、ばねフォーク接点のアセンブリが交互に異なる向きのばねを担体上に有することで、連続的な接触によってブレードを実質的により穏やかにばねフォーク接点ユニットに挿入することができるため、差込み力の低減が可能になる。ばねフォーク接点の2つのばね脚は長さが異なり、隣接するばねフォーク接点はその中心軸の周りに180°回転されていることが好ましい。
【0014】
例えばシート金属や打ち抜き金属として構成される個々のばねフォーク接点に担体を通すことにより、機能要素の更なる構成が必要に応じて可能になる。よって、例えば、ハウジング内でのばねフォークユニットのラッチ支持を確実にする1つ以上の接続ユニット及び要素を、中間要素及び/又は終端要素として必要に応じて担体に通すことができる。
【0015】
よって、例えば、請求項8の特徴に従って、ばねフォーク接点の端部側の対応領域、又はばねフォーク接点間に1つ以上の接続ユニットを配置することができる。例示的な実施の形態によると、このことは請求項9の特徴又は請求項10の特徴に従って達成される。軸方向の向きの場合、接続ユニットは生産の観点から技術的に簡単な態様で担体と一体化され、よって非常にコンパクトな設計を生じ、直角の向きの場合は、接続ユニットの軸と担体の軸との間で種々の任意の角度位置が可能となる。
【0016】
接続ユニットを、関連する導体(単数又は複数)のための波型をつけた(クリンプcrimpされた)要素又はスクリュー要素として提供することができる。また、2つ以上の接続要素を提供することにより、高電流レベルにおける2つ以上の端子への分割が都合よく可能になる。
【0017】
請求項11に記載の特徴に基づいて、ハウジングラッチ要素の選択可能な構成もばねフォーク接点の通しによって実現される。
【0018】
請求項12の特徴によると、フォーク型ばね接点ユニットと嵌まるブレード接点ユニットもまた平面かつ板状であるように構成されているため、設置スペースに応じて、ブレード接点の挿入方向に対して垂直か又はこれを横断するように接続ユニットを構成することができる。この平面かつ板状の形状は、端面から、そして長手方向にブレード接点を雌型接点デバイスに挿入する、という選択肢を提供する。これは、プラグインコネクタの大部分の多様な形状における使用に好都合である。直角の接点としての設計は、感電の危険から保護するもの及び/又は形状を保護するものによって操作中のユーザを保護しなくてはならない用途において好都合である。関連するグリップの開口がブレード接点の材料厚よりもはるかに大きくなるというようなことはない。
【0019】
ブレード接点は平らな素子であるため、改変が容易である。請求項13の特徴に従って、接点領域における種々の切抜きが可能であり、これに基づき、ばねフォークを連続的にスライドさせることによって差込みプロセスを更に最適化することができる。このことによって差込み力が更に低減され、ブレード接点のばねフォーク接点への穏やかな挿入ができる。
【0020】
請求項14の特徴によると、ブレード接点ユニットには、例えば接続ユニットの領域においてハウジングロック要素が設けられている。
【0021】
請求項15の特徴によると、ブレード接点ユニットを簡潔に製造することができる。
【0022】
本発明の更なる詳細を下記の説明から得ることができる。下記の説明では、図面に示す例示的な実施の形態に基づいて本発明を更に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の例示的な実施の形態による、電気接続された、即ち共に差し込まれた状態にあるフォーク型ばね接点ユニット及びブレード接点ユニットからなる導電性接点構成を示す斜視図である。
【図2】図1のフォーク型ばね接点ユニットであるが、変形例による組付け前の状態のものを示す図である。
【図3】例示的な実施の形態に従ったフォーク型ばね接点ユニットのばねフォーク接点を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2の例示的な実施の形態による、一つの組付け工程の状態にあるばね接点ユニットを示す図である。
【図5】本発明の第3の例示的な実施の形態による、組付け後の状態にあるばね接点ユニットを示す図である。
【図6】図1のばね接点ユニットの開放された前部領域を示すが、本発明の第4の例示的な実施の形態による拡大斜視図である。
【図7】図1によるばね接点ユニットと本発明の第5の例示的な実施の形態によるブレード接点ユニットとを有し、電気的に分離された状態にある接点構成を示す斜視図である。
【図8】図7と同様の接点構成を示しているが、本発明の第6の例示的な実施の形態によるブレード接点ユニットを備えており、共に差し込まれた、即ち電気的に接触した状態にある接点構成を示す図である。
【図9A】変形例によるブレード接点ユニットのブレード接点を示す斜視図である。
【図9B】変形例によるブレード接点ユニットのブレード接点を示す斜視図である。
【図10】本発明の第7の例示的な実施の形態によるばね接点ユニットを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
いくつかの例示的な実施の形態に従って図に示す導電性接点構成10、110、210、310、410、510は、具体的には、例えば電動自動車の場合のように、高い伝動力を扱う差込み接続に用いられる。
【0025】
図1は接点構成10を示している。この構成は本質的にフォーク型ばね接点ユニット11及びブレード接点ユニット12から構成されており、図1のユニット11及び12は互いに差し込まれた、即ち電気的に接触した状態で示されている。
【0026】
ばね接点ユニット11は、管状の担体16に通された平面かつ板状の多数のばねフォーク接点15と、図示しない導体のために同じく担体16に接続された接続ユニット14とを有する。
【0027】
ブレード接点ユニット12は、ばねフォーク接点15のスロット17に弾性的に、電気的に接触して受け入れられる平面かつ板状のブレード接点18と、導電状態にあり電気的に固定されてブレード接点18に接続された接続ユニット19とを有する。示される例示的な実施の形態では、接続ユニット14にはばねフォーク接点15が軸方向に並んで設けられており、接続ユニット19にはブレード接点18が軸方向に並んで設けられている。ばね接点ユニット11上の接続ユニット14には、導体にねじで取り付けるためにねじ付きピン21が設けられている。ブレードユニット12上の接続ユニット19はクリンプされたスリーブ22として構成され、これにより、関連する導体をブレード接点ユニット12にクリンプされた態様で接続することができる。
【0028】
図1によると、ここでは長方形として示されているブレード接点18は、短いほうの側面38が前にくるようにばねフォーク接点15のスロット17に挿入される。しかし、同一のブレード接点ユニット12を、2つの長い方の側面39、39’のうちの1つが前にくるようにばねフォーク接点15のスロット17に挿入することもできる。
【0029】
図2は、複数のばねフォーク接点15で構成されたばね接点ユニット11のアセンブリを示しており、これらのばねフォーク接点のうちの1つが図3に拡大図で示されている。この図によると、各ばねフォーク接点15はベース領域25を有し、この領域には穴(ボアホール)26の形をした切り抜きが設けられており、この領域から2つのばね脚27、28が突出し、これらの間に入口スロット17が形成されている。双方のばね脚27、28の自由端領域には接点又は接触面29、30が設けられており、これらは互いの方へ向かってスロット17内に突き出しており、ブレード接点18の両方の外側表面に電気的に接触する。スロット17のベースに隣接する一方の領域では、ばね脚27、28の外側エッジの各々に切欠き31、32がそれぞれ設けられており、これによって図示しないプラグインコネクタハウジングでのラッチ保持が容易になる。
【0030】
ばねフォーク接点15は、比較的薄い平面の金属板から好ましくは一体成形の打ち抜き部品として製造される。しかしながら、例えばレーザ切断や水ジェット切断など、他のよく知られた材料分離方法も好適である。
【0031】
図2からもわかるように、ばね接点ユニット11を製造するために、この例示的な実施の形態では同一の打ち抜き部品である非常に多数のばねフォーク接点15が、管状スリーブとして構成された担体16に通される。この例示的な実施の形態では、同じく穴24の設けられた接続ユニット14が担体16に通され、次に多数のばねフォーク接点15(ここでは同一数)がこの接続ユニット14の両側に通される。1つの変形例によると、図1に示す完全に組み立てられた状態のばね接点ユニット11とは異なり、スロットを形成する自由端が屈曲されることで互いの方へ向かい、従って長手方向の延びがより短くなったロック要素33、34が接続ユニット14の両側に配置されている。ロック要素33、34は、例えば、図示しないプラグインコネクタの絶縁ハウジングにおけるばね接点11のラッチ保持を容易にする。
【0032】
図1及び図2にみられるように、ばねフォーク接点15の2つのパケット36、37がばね接点ユニット11に設けられており、これらのばねフォーク接点(ここでは一例として7個)は互いのすぐそばに隣接している。双方のパケット36、37のばねフォーク接点15は、内側バニシ仕上げ処理によって担体16に固定して結合される。全てのばねフォーク接点15及び双方のパケット36、37は心合わせされている。
【0033】
図4は、本発明の他の例示的な実施の形態による接点構成110を示しており、この構成では、担体116は部品接続ユニット114と一体の部品である。管状の担体116は、接続ユニット114の、直径のより大きなクリンプされたスリーブ122内に軸方向に結合しているため、接続ユニット114はばねフォーク接点15の向きに対して垂直に配置される。この例示的な実施の形態では、15個の同一のばねフォーク接点15が担体116に通され、例えば内側バニシ仕上げによって単一のパケットとして互いに固定して接続され、ばね接点ユニット111が作製される。
【0034】
更なる例示的な実施の形態に従って図5に示す接点構成210では、非常に多数のばねフォーク接点15が管状の担体216に同様に通されて(図4のように)単一のパケットが形成され、ばね接点ユニット211が作製されている。接続ユニット214の目(輪)241が担体216の一方の側に取り付けられている。接続ユニット214は、目241の周辺領域に、クリンプされたスリーブ222を有し、スリーブの長手軸は都合のよいことに担体216の長手軸に対して垂直である。クリンプされたスリーブ222は担体216の部分的な領域を越えて延びており、従ってばねフォーク接点15のベース領域25まで延びている。接続ユニット214が担体216に固定される前に、クリンプされたスリーブが担体216の長手軸に対してある角度で位置するようにクリンプされたスリーブ222の長手軸を調節することができる。
【0035】
図6は更なる例示的な実施の形態によるばね接点ユニット311の構成を示しており、この構成は、個々に隣接するばねフォーク接点315が互い違いになった構成の形をとっており、ばね脚327、328の長さが様々である。この例示的な実施の形態311では、隣接するばねフォーク接点315は同一のものとして構成されているが、これらのばねフォーク接点315は長手方向の中心軸の周りに交互に180°回転されるように配置されている。これは、接点329、330が(パケット全体に関して)最終的に異なる面に位置することを意味する。
【0036】
示された全てのばね接点ユニット11に適用可能である、図6に示すこの例示的な実施の形態を用いると、ブレード接点ユニット12のブレード接点18の挿入方向への接触挿入に応答して接点329、330が順々に作動する。これは、挿入力、即ち差込み力が低減されるということである。即ち、連続的な接触のために、ブレード接点18は、ばねフォーク接点15、315のパケット又は隣接する複数のパケット内により穏やかに挿入される。もちろん、挿入方向、即ち差込み方向において互いにオフセットした2つよりも多くの接点329、330に基づいて、隣接するばねフォーク接点15、315を配置することもできる。
【0037】
更なる例示的な実施の形態に従って図7に示される接点構成310では、図1によるばね接点ユニット11がブレード接点ユニット312と組み合わされている。ブレード接点ユニット312は、一方ではクリンプされたスリーブ322を備えた接続ユニット319を有し、このスリーブは、ブレード接点318に対して軸方向に並ぶように位置している。このブレード接点ユニット312では、図1に示すものとは対照的に、接点の差込み方向は、ブレード接点ユニット312の長手軸に沿うようにではなく、むしろブレード接点ユニット312の長手方向を横切る方向になるよう選択されている。
【0038】
ブレード接点ユニット312と図1のブレード接点ユニット12の更なる違いは、ブレード接点318の形状にある。ブレード接点318は、クリンプされたスリーブ322から離れる方向に向いた端部のうちの1つに凹部343を有し、この凹部は挿入方向に導くブレード接点318の長手エッジ339から進み、従って長手エッジ339から短手エッジ338の方向に戻りエッジ345を生じる。これは、ばね接点ユニット11及びブレード接点ユニット312の挿入接続、即ち差込み接続の際、凹部343の寸法により、まず長手エッジ339の先端部が向かい合って位置するばねフォーク接点15のパケット37との接点接続を達成するのに対し、長手エッジ339の後端の戻りエッジ部分はばねフォーク接点15のもう一方の隣接パケット36との電気接点接続を達成することを意味する。これは、この時点で双方のユニット11、312間に生じている挿入力、即ち差込み力の減少を意味する。エッジ領域と、それらの丸みを帯びた接続部を、厚さ方向に階段状に構成することもできる。
【0039】
この設計では、クリンプされたスリーブ322の、ブレード接点318に接続された端部がブレード接点318の両側にロック要素346を有し、これらのロック要素は、例えば図示しないプラグインコネクタの絶縁ハウジングにおけるラッチ保持を容易にする。これらのロック要素は、クリンプされたスリーブ322と一体の部品である。
【0040】
図8には接点構成410が示されている。この構成のばね接点ユニット11は図7及び図1のばね接点ユニット11と同一であり、この構成のブレード接点ユニット412は図7のブレード接点ユニット312と同様であり、異なる点は、ブレード接点ユニット412がばね接点ユニット11の長手方向の延びに沿ってばね接点ユニット11に差込まれて接続されていることにある。この状況において、接続ユニット419の構成は図7の接続ユニット39と同一である。ここで、先端エッジは短手エッジ438の一部によって形成されており、凹部443のために、後端エッジは短手エッジ438の戻り部分によって形成されていることを除いて、ブレード接点418は図7のブレード接点318の形状に対応する。これは、ブレード接点418の一方の長い方の領域がばね接点ユニット11のばねフォーク接点15からの一方のパケット36(又は、ブレード接点ユニット412を長手軸周りに180°回転させた場合は37)との接触接続を達成し、ブレード接点418のもう一方の、短い方、即ち長手方向の戻り領域がもう一方のパケット37(又は、ブレード接点ユニット412を長手軸周りに180°回転させた場合は36)との接触接続を達成することを意味する。ここでも同様に、接続ユニット419はロック要素446を有する。
【0041】
図9A及び図9Bは、図7及び図8のブレード接点318、418の形状の変形例318’、418’を示している。図9Aによると、挿入方向に開放されている先端の、短手又は長手方向のエッジは、直線状で厚さ方向に段があり、他の部分で傾斜したエッジ348’によって形成されている。一方、図9Bによる変形例では、傾斜したエッジ449’は厚さ方向の中央部分が直線状になっており、中央部分以外の他の厚さ領域では共に階段状になっている。
【0042】
図10では、ばね接点ユニット511のみを示した接点構成510が示されており、前述の例示的な実施の形態に示したブレード接点ユニット18、318、418などをこのばね接点ユニット511に挿入して接続を生じることができる。ここではばねフォーク接点515を1つ以上のパケットとして受ける担体516が接続ユニット514によって回路基板550に固定して結合されているという点で、ばね接点ユニット511は前述のばね接点ユニット11、111、211、311とは異なっている。このために、ここでも同じく管状である担体516の2つの端部は、接続ユニット514の直角の取付ブラケット521、521’に固定して結合されている。このような関係において、担体516は取付ブラケット521、521’の短い脚551に固定して結合されているのに対し、取付ブラケット521、521’の長い脚552は導電性をもたせるように回路基板550の適切な位置に取り付けられている。
【0043】
図10に示す第7の例示的な実施の形態において、図6の例示的な実施の形態のばね接点ユニット311と一致するばね接点ユニット511のばねフォーク接点515には、短いばね脚527及び長いばね脚528が設けられているため、ここでも同様に、接点529、530は差込み方向へ様々に、即ち連続的に作動する面に位置する。他の点ではばね脚15が適用される。代わりとして、このばね接点ユニットにばねフォーク接点15を1つ又は2つのパケットで設けてもよいことは明らかである。
【0044】
このように、この例示的な実施の形態でさえも、隣接するばねフォーク接点515はその長手中心軸周りに交互に180°回転するように配置されているため、長さの異なるばね脚529、528の接点529、530が異なる面に位置している。即ち、短いばね脚527と長いばね脚528とが互いに隣接するように配置されている。
【0045】
図示しない例示的な実施の形態に従って、ばね接点ユニット11、11’及びブレード接点ユニット12、112、212、312、412の双方に対する差込み力の変更が決定される。また、ばねフォーク接点15、15’の2つのパケットの代わりに、2つのパケット36、37よりも多くのパケットを1つの担体に配置することもできる。また、両方向に供給されている電流を複数の導体間で分割して特定のユニット11、12に供給することができるように、ばね接点ユニット11とブレード接点ユニット12、112、212、312、412の双方に2つ以上の接続ユニット14、114を設けることができる。
【0046】
接続ユニット19、119などをブレード接点ユニット12、112などと一体化した設計は、いわゆるMIM(金属射出成形)処理を用いて実現可能である。
【符号の説明】
【0047】
10、110、210、310、410、510 導電性接点構成
11、111、211、311、511 フォーク型ばね接点ユニット
12、112、212、312、412 ブレード接点ユニット
14、114、214、514 接続ユニット
15、315、515 ばねフォーク接点
16、116、216、516 担体
17 ブレード受けスロット
26 穴
27、28、327、328 ばねフォーク脚
29、30、329、330 接点又は接触面
33、34、346、446 ロック要素
36、37 パケット
343、443 凹部
348’、449’ 傾斜面
550 回路基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーク型ばね接点ユニット(11、111、211、311、511)と、導電性を有するようにばね接点ユニット(11、111、211、311、511)に固定することのできるブレード接点ユニット(12、112、212、312、412)とからなる導電性接点構成(10、110、210、310、410、510)であって、前記フォーク型ばね接点ユニット(11、111、211、311、511)は平面即ち板状の複数のばねフォーク接点(15、315、515)で構成されており、前記ばねフォーク接点は、そのうちの少なくともいくつかが直接隣接するように担体(16、116、216、516)上に支持されて互いに接続されており、前記担体(16、116、216、516)が少なくとも1つの導体のために接続ユニット(14、114、214、514)に接続されているか又は回路基板(550)に接続されている、導電性の接点構成。
【請求項2】
前記ばねフォーク接点(15、15、515)には、好ましくは穴(26)の形の切り抜きが設けられており、前記穴(26)はばねフォーク脚(27、28;327、328)から離れるように配置されており、前記穴(26)によって前記ばねフォーク接点を好ましくは管の形の担体(16、116、216、516)に通して所定の位置に固定することができる、請求項1に記載の導電性の接点構成。
【請求項3】
前記ばねフォーク接点(15、315、515)が内側バニシ仕上げ処理によって前記担体(16、116、216、516)上に固定されている、請求項1又は請求項2に記載の導電性の接点構成。
【請求項4】
前記担体(16、116、216、516)上に固定された前記ばねフォーク接点(15、315、515)は全て、互いに直接隣接するように支持されている、請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の導電性の接点構成。
【請求項5】
前記担体(16、116、216、516)上に固定された前記ばねフォーク接点(15、315、515)は、間隔のあいたパケットとして前記担体上に固定されるように支持されている、請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の導電性の接点構成。
【請求項6】
前記ばねフォーク接点(15、315、515)の面が交替の向きに固定される接続を前記担体(16、116、216、516)上で実現するために、前記担体(16、116、216、516)の外部形状及びは前記ばねフォーク接点(15、315、515)の前記穴(26)の内部形状が設けられている、請求項1から5のいずれか1項に記載の導電性の接点構成。
【請求項7】
前記ばねフォーク接点(15、315、515)の前記ばねフォーク脚(27、28;327、328)には接点(29、30;329、330)又は接触領域が設けられており、前記接点又は接触領域は、ブレード受けスロット(17)内に突出しており、前記ブレード接点ユニット(12、112、212、312、412)の挿入方向において、前記2つのばねフォーク脚(27、28;327、228)に対して対称又は非対称にそれぞれのばねフォーク脚に配置されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の導電性の接点構成。
【請求項8】
前記接続ユニット(14、114、214)が、前記担体(60、116、216)の少なくとも1つの軸方向端部、及び/又はばねフォーク接点(15)の2つのパケット(36、37)間に設けられている、請求項1から7のいずれか1項に記載の導電性の接点構成。
【請求項9】
前記接続ユニット(14、114、214)が、前記担体(16、116、216、516)の軸方向の延びに沿うように、及び/又は前記担体(16、116、216、516)の軸方向に対して垂直になるように配置されている、請求項8に記載の導電性の接点構成。
【請求項10】
前記担体(16、116、216)の前記軸方向の延びに沿って配置された前記接続ユニット(14、114、214)が前記担体(16、116、216)と一体の部品である、請求項9に記載の導電性の接点構成。
【請求項11】
少なくとも1つのハウジングロック要素(33、34)が、前記担体(16、116、216)の少なくとも1つの軸方向端部、及び/又はばねフォーク接点(15)の2つのパケット(36、37)間に設けられている、請求項1から10のいずれか1項に記載の導電性の接点構成。
【請求項12】
前記ブレード接点ユニット(12、112、212、312、412)が平面かつ板状のブレード接点(18、318、418)を有し、前記ブレード接点(18、318、418)の上には、接続ユニット(19、319、419)が、前記ばね接点ユニット(11、111、211、311)への挿入方向に沿って、又は前記挿入方向を横断するように支持される、請求項1から11のいずれか1項に記載の導電性の接点構成。
【請求項13】
前記ブレード接点(18、318、418)の前記挿入方向には、1つ以上の凹部(343、443)及び/又は1つ以上の傾斜面(348’、449’)及び/又は屈曲領域が設けられている、請求項12に記載の導電性の接点構成。
【請求項14】
前記ブレード接点ユニット(12、112、212、312、412)にはハウジングロック要素(346、446)が設けられている、請求項12又は請求項13に記載の導電性の接点構成。
【請求項15】
前記ブレード接点(18、318、418)及び前記接続ユニット(19、319、419)は、互いに差し込まれることによって接続されるように構成されており、又は、前記ハウジングロック要素(346、446)と一体の部品として構成されており、前記一体性は例えば金属射出成形(MIM)処理を用いて実現される、請求項12から請求項14のうちいずれか1項に記載の導電性の接点構成。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−54234(P2012−54234A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186189(P2011−186189)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(597076152)アイティーティー マニュファクチュアリング エンタープライズィズ インコーポレイテッド (10)
【氏名又は名称原語表記】ITT Manufacturing Enterprises Inc.
【住所又は居所原語表記】1105 North Market Street Suite 1217 Wilmington Delaware 19801 United States of America
【Fターム(参考)】