説明

導電性複合繊維

【課題】帯電ブラシによる接触帯電方法にて、2本の帯電ブラシを設けることなく、1本のみで、電子写真装置の感光体・転写体等の被帯電体を均一に帯電する接触帯電ブラシを可能にする導電糸を提供すること。
【解決手段】導電性粒子を含有した繊維形成性ポリマーよりなる導電層を該導電層より溶解速度が速い糸断面で連続して存在している繊維形成性ポリマーよりなる非導電層にて、複数個に分割されており、該導電性粒子を含有した導電層の構成単位が0.04dtex〜1.5dtexである導電性複合繊維。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真装置(複写機、ファクシミリ、プリンター等)に用いる現像用ブラシ、接触帯電ブラシ、クリーナー用ブラシ、除電用ブラシに適した導電性複合糸に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、ファクシミリ、プリンター等の電子写真装置において、感光体・転写体等の被帯電体を帯電する方法として接触帯電装置が使われている。接触帯電装置としては、ロール型、ブレード型があるが、近年機械的に簡易であり、コスト的にも有利である帯電ブラシによる帯電方式が、実用化されつつある。この帯電ブラシによる帯電では、被帯電体表面にブラシ部分を均一に帯電させる必要があり、パイル密度を上げたり、繊維の形状を工夫したりする手段が提案されている。しかし、パイル密度を上げることは、基布の糸径から自ずと制限されていた。本問題点を改善し帯電ブラシによる接触帯電方法による電子写真装置の感光体・転写体等の被帯電体を均一に帯電する方法としては、特開平8−44153に提案されているように、一つの感光ドラムに対し、複数の帯電ブラシを設ける方法が提案されている。特開平8−44153によると、初めの帯電ブラシでは被帯電体の帯電状態が不均一であっても後のブラシで均一にすることが出来る。しかし、この方法であると、2本のブラシが必要であり、機械的にも複雑となるばかりか、ブラシ型帯電装置のコスト有利性が損なわれる。
【0003】
【特許文献1】特開平8−44153号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は帯電ブラシによる接触帯電方法にて、2本の帯電ブラシを設けることなく、1本のみで、電子写真装置の感光体・転写体等の被帯電体を均一に帯電する接触帯電ブラシを可能にする導電糸を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、接触帯電ブラシによる画像形成装置の感光体・転写体等の被帯電体を均一に帯電する方法として帯電ブラシのパイルに用いる導電糸の繊度を小さくしてパイルの糸密度を大きくすることが良いことに着目し、本発明に至った。すなわち本発明は導電性粒子を含有した導電層を該導電層より溶解速度が速い糸断面で連続して存在している非導電層にて、複数個に分割されており、該導電性粒子を含有した導電層の構成単位が0.04dtex〜1.5dtex、好ましくは0.05dtex〜1.2dtex更に好ましくは0.05dtex〜1.0dtexである導電性複合繊維である。本導電糸の非導電層を後加工により溶解して、単糸0.04dtex〜1.5dtex、好ましくは0.05dtex〜1.2dtex更に好ましくは0.05dtex〜1.0dtexの導電層(導電糸)のみのパイルとしてブラシの糸密度を向上させる。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、最終形態は0.04dtex〜1.5dtex、好ましくは0.05dtex〜1.2dtex更に好ましくは0.05dtex〜1.0dtexの導電糸をパイルとしたブラシとなり、パイル密度も多くなるため2本の帯電ブラシを必要とせず1本のみで非導電体を均一に帯電出来画質を向上させることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の電子写真装置において、感光体・転写体等の被帯電体を帯電する帯電ブラシを提供する導電性複合繊維である。本発明の導電性複合繊維は図1〜図4を代表例として示すような糸断面で導電性粒子を含有した導電層を該導電層より溶解速度が速い糸断面で連続して存在している非導電層にて、複数個に分割されており、該導電性粒子を含有した導電層の構成単位が0.04dtex〜1.5dtex、好ましくは0.05dtex〜1.2dtex更に好ましくは0.05dtex〜1.0dtexである導電性複合繊維である。
【0008】
導電性粒子を含有した導電層の構成単位が1.5dtexより大きいと、画質は向上しない。
導電性粒子を含有した導電層が0.04dtex未満であると、糸が細すぎて、ブラシにした場合、毛倒れあるいはへたりが発生し、画質は向上しない。
【0009】
本発明に使用する繊維形成性ポリマーは非導電層を形成する繊維形成性ポリマーが導電層を形成する繊維形成性ポリマーより、溶解速度が速いことが必要である。溶解速度は、非導電層を形成するポリマーの溶解速度が、導電層を形成するポリマーの溶解速度より10倍以上、好ましくは17倍以上、更に好ましくは25倍以上が良好である。導電層と非導電層に使用する繊維形成性ポリマーの組み合わせは上述した溶解速度になる組み合わせであればよい。組み合わせの一例として、アルカリ溶液に対して溶解しないポリアミドを導電層とし、アルカリ溶液に溶解するアルカリ易溶ポリエステルを非導電層とする組み合わせ、導電層をポリエステルとし、非導電層がアルカリ易溶ポリエステルとし、アルカリ溶液に対する溶解速度が30倍違う組み合わせ、水に不溶なポリアミドを導電層、水に可溶な水溶性ポリマーを非導電層とする組み合わせ、水に不溶なポリエステルを導電層とし、水に可溶な水溶性ポリマーを非導電層とする組み合わせ、酸に不溶なポリエステルを導電層とし、酸に溶解するポリアミドを非導電層とする組み合わせ、が考えられるがこれら組み合わせは一例であり、この組み合わせに限らない。
【0010】
導電層、非導電層に使用する、ポリアミドは例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、及びこれらを主成分とする共重合ポリアミドがよく知られているが、これだけにこだわらず、繊維形成能のあるポリアミドであれば良い。
【0011】
導電層に使用するポリエステルは、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが知られているが溶解速度が非導電層の1/10以下好ましくは1/17以下更に好ましくは1/25以下のポリエステルで有れば特に規定はしない。該組み合わせのうちで非導電層が水溶性ポリエステル、あるいはナイロンの場合では、導電層はポリエチレンテレフタレートあるいはポリブチレンテレフタレートを主成分とする共重合ポリエステルであってもよい。
【0012】
非導電層に使用するポリマーは、導電層より溶解速度が速ければよいが、アルカリ易溶ポリエステル、水溶性ポリマーが知られている。
【0013】
アルカリ易溶ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンオキシベンゾエード等の共重合体、変性体などが挙げられる。特にポリエステルに1重量%〜60重量%程度、好ましくは2重量%〜30重量%、最も好ましくは9重量%〜13重量%のポリアルキレンオキシド類を共重合したもの、或いはテレフタル酸に対して5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩を2mol%〜10mol%共重合したものはアルカリ水溶液により容易に分解されるので好ましい。
【0014】
水溶性ポリマーとしては多数あるが、例えばポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキ
シド/ポリプロピレンオキシド共重合体、それらの誘導体。ポリビスプロポキシエタンアジパミド、ポリビスプロポキシピペラジンアジパミドなどの水溶性ポリアミドなどがあげられる。
【0015】
導電性粒子に使用されている導電性カーボンブラックは、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどが知られている。導電性皮膜を有する酸化チタンの導電性皮膜は、アンチモンをドーピングした酸化錫や酸化インジュームが知られている。導電性粒子の含有率は、帯電ブラシの導電性の要求性能より導電層中8重量%〜80重量%が好ましく、より好ましくは10重量%〜75重量%である。
【0016】
導電性粒子を含有する導電層と易溶性の非導電層の比率は特に指定はしないが導電層の繊度及び非導電層の易溶性より、面積比率で導電層:非導電層での割合が10:1〜1:5が望ましく更に好ましくは8:1〜1:3である。
【0017】
本発明の導電性繊維の比抵抗は、ブラシの要求性能より10Ω・cm〜1013Ω・cmであることが望ましい。本発明でいう比抵抗は、複合繊維の抵抗値を測定して(数1)にて計算した値を用いる。
ρ=R・S/L・・・(数1)
ρ:比抵抗 R:複合繊維の抵抗測定値 S:複合繊維中の導電層の総断面積 L:抵抗測定をした複合繊維の長さ
【0018】
導電性粒子を含有した導電層を糸断面で連続して存在している該導電層より溶解速度が速い非導電層にて、複数個に分割された導電性複合繊維を後処理により非導電層を溶解して0.04dtex〜1.5dtexとする。
【0019】
後加工処理剤は、導電層と非導電層のポリマーの組み合わせにより変わる。導電層が導電性粒子を含有するポリアミドで非導電層がアルカリ易溶性ポリエステルである場合は、苛性ソーダなどのアルカリ溶液であり、このアルカリ溶液に漬け込み加熱することにより非導電層を溶解し、0.04dtex〜1.5dtexの導電層のみの導電糸とする。
【0020】
導電層が導電性粒子を含有するポリエステルで非導電層がアルカリ易溶性ポリエステルである場合は後加工処理剤は苛性ソーダなどのアルカリ溶液であり、このアルカリ溶液に漬け込み加熱することにより非導電層を溶解し、0.04dtex〜1.5dtexの導電層のみの導電糸とする。
【0021】
導電層が導電性粒子を含有するポリアミドで非導電層が水易溶性ポリマーである場合は後加工処理剤は不要で、水に漬け込み加熱することでよく、この処理により非導電層を溶解し、0.04dtex〜1.5dtexの導電層のみの導電糸とする。
【0022】
導電層が導電性粒子を含有するポリエステルで非導電層が水易溶性ポリマーである場合は後加工処理剤は不要で、水に漬け込み加熱することでよく、この処理により非導電層を溶解し、0.04dtex〜1.5dtexの導電層のみの導電糸とする。
【0023】
導電層が導電性粒子を含有するポリエステルで非導電層がポリアミドである場合は、後加工処理剤は蟻酸、塩酸などの酸であり、酸に漬け込み非導電層を溶解し、0.04dtex〜1.5dtexの導電層のみの導電糸とする。後加工による細繊化は、該複合導電糸を使用してブラシ用基布のパイル織を製造した後に行うことが好ましいが、ブラシ製造後に細繊化しても良い。
【0024】
さらに詳細に説明する。
該導電性繊維の導電層に使用するポリマーと導電性粒子の混合はは二軸混練機など公知の方法で混練することが出来る。得られた導電性樹脂と、本導電性樹脂より溶解速度の速い樹脂を溶融して、例えば図1に示す断面形状となるように紡糸口金より吐出する。
【0025】
吐出した複合導電糸を冷風にて冷却した後、油剤を付与して公知の巻き取り機にて巻き取りマルチフィラメントの未延伸糸を得る。巻き取り速度は導電層、非導電層の組み合わせ、比率に適性なるスピードであれば良いが、糸質、及び巻き取り易さなどより、600m/min〜1200m/minが望ましい。
【0026】
得られた未延伸糸を、70℃〜120℃の熱をかけながら延伸をして、延伸糸を得る。得られた導電糸をパイル織等で例えば糸密度12.4kf/cm〜31.0kf/cmの帯電ブラシ用基布とし、その基布を後処理することにより、溶解速度の速い非導電層を溶解して、0.04dtex〜1.5dtexの導電性粒子含有の導電層のみとする。
【0027】
例えば、図1に示す4分割の場合であるとパイルの前記一例で記載した分割前の糸密度は分割後の糸密度は49.6kf/cm〜124kf/cmとなる。該加工処理により0.04dtex〜1.5dtexとした導電性粒子含有の導電層をパイルとしたパイル織であるブラシ用基布の裏面に、導電性バックコート剤を塗布し、金属の芯材に両面テープ等で貼りつけブラシを作る。
【0028】
ブラシ状にした後起毛処理、シャーリング処理を行いブラシが帯電ブラシとなる。本発明の導電糸はパイル織とした後に非導電層を溶解して、導電層を分割させて糸密度を上げるので、細繊の導電糸によりブラシの糸密度を多くでき、均一帯電ができ画質も向上する。
また、本ブラシはクリーニングブラシとしても使用できる。
【実施例】
【0029】
以下、実施例によって本発明を詳細に説明する。なお、実施例における比抵抗は導電性繊維全フィラメントを10cm採取してその両端1cmに導電ペーストを塗布しアルミ箔を電極として測定し数1より算出した値を用いた。抵抗測定機は、ヒューレットパッカード製ハイレジスタンスメーター4339Bを使用した。
評価は、下記実施例、比較例の方法にて作ったブラシを画像形成装置に組み込み、テスト画像を印刷して、目視にて評価した。評価結果は画質向上みとめられ画質良好なら○、画質向上が認められるが、画質若干良好ではないなら△〜×、画質向上もせず、画質不良なら×とした。
【0030】
(実施例1)
ナイロン12にカーボンブラックを27wt%を二軸混練機にて混練し導電性ナイロン12のチップを得た。得られた導電性ナイロン12のチップと、アルカリ易溶PETを、275℃にて溶融して、導電性粒子を含有する導電層と非導電層の比率が糸断面の面積比率を2:1とした図1に示す断面形状となるように紡糸口金より吐出する。吐出した複合導電糸を室温の風にて冷却した後、油剤を付与し800m/minで巻き取り機にて巻き取り194.0dtex/28fの未延伸糸を得る。得られた未延伸糸を、80℃の熱をかけながら延伸をして、100℃でセットして、92.4dtex/28fの延伸糸を得た。得られた導電性複合繊維の比抵抗は、3×10Ω・cmであった。得られた導電性複合繊維をパイル長3mm幅14mmのパイル織として、パイル密度21.7kf/cmのブラシ用基布を得た。該基布を2%oms苛性ソーダ溶液に浸漬し加熱して98℃としてアルカリ易溶PETを溶解し、1フィラメントの導電性複合繊維を4分割し、基布中のパイル密度を4倍の86.8kf/cmとした。溶解処理時間は20分であり、導電層のナイロンは溶解しなかった。分割後の導電糸繊度は0.55dtexである。該ブラ
シ用基布に、導電性バックコート剤を塗布し、金属の芯材に両面テープで貼りつけ、ブラシとした。ブラシ状にした後に起毛処理、シャーリング処理を行い帯電ブラシとした。
本帯電ブラシを画像形成装置に組み込んで画像出しをして画像にて評価をした。
評価結果を表1の実施例1に示す。
【0031】
(実施例2)
ナイロン12にカーボンブラックを27wt%二軸混練機にて混練し導電性ナイロン12のチップを得た。得られた導電性ナイロン12のチップと、アルカリ易溶PETを、275℃にて溶融して、導電性粒子を含有する導電層と非導電層の比率が糸断面の面積比率を2:1とした図2に示す断面形状となるように紡糸口金より吐出する。吐出した複合導電糸を室温の風にて冷却した後、油剤を付与し800m/minで巻き取り機にて巻き取り388.1dtex/28fの未延伸糸を得る。得られた未延伸糸を、80℃の熱をかけながら延伸をして、100℃でセットして、184.8dtex/28fの延伸糸を得た。得られた導電性複合繊維の比抵抗は、5×10Ω・cmであった。得られた導電性複合繊維をパイル長3mm幅14mmのパイル織として、パイル密度21.7kf/cmのブラシ用基布を得た。該基布を98℃の2%oms苛性ソーダ溶液に浸漬し加熱して98℃としてアルカリ易溶PETを溶解し、1フィラメントの導電性複合繊維を8分割し、基布中のパイル密度を8倍の173.6kf/cmとした。溶解処理時間は20分であり、導電層のナイロンは溶解しなかった。分割後の導電糸繊度は0.55dtexである。該ブラシ用基布に、導電性バックコート剤を塗布し、金属の芯材に両面テープで貼りつけ、ブラシとした。ブラシ状にした後に起毛処理、シャーリング処理を行い帯電ブラシとした。
本帯電ブラシを画像形成装置に組み込んで画像出しをして画像にて評価をした。
評価結果を表1の実施例2に示す。
【0032】
(実施例3)
PETにカーボンブラックを26wt%二軸混練機にて混練し導電性PETのチップを得た。得られた導電性チップと、アルカリ易溶PETを、295℃にて溶融して、導電性粒子を含有する導電層と非導電層の比率が糸断面の面積比率を2:1とした図1に示す断面形状となるように紡糸口金より吐出する。吐出した複合導電糸を室温の風にて冷却した後、油剤を付与し1000m/minで巻き取り機にて巻き取り277.2dtex/28fの未延伸糸を得る。得られた未延伸糸を、80℃の熱をかけながら延伸をして、100℃でセットして、92.4dtex/28fの延伸糸を得た。得られた導電性複合繊維の比抵抗は、7×10Ω・cmであった。得られた導電性複合繊維をパイル長3mm幅14mmのパイル織として、パイル密度21.7kf/cmのブラシ用基布を得た。該基布を2%oms苛性ソーダ溶液に浸漬し加熱し98℃としてアルカリ易溶PETを溶解し、1フィラメントの導電性複合繊維を4分割し、基布中のパイル密度を4倍の86.8kf/cmとした。溶解処理時間は20分であり、導電層のPETの溶解率は0.8%であった。分割後の導電糸繊度は0.55dtexである。該ブラシ用基布に、導電性バックコート剤を塗布し、金属の芯材に両面テープで貼りつけ、ブラシとした。ブラシ状にした後に起毛処理、シャーリング処理を行い帯電ブラシとした。
本帯電ブラシを画像形成装置に組み込んで画像出しをして画像にて評価をした。
評価結果を表1の実施例3に示す。
【0033】
(実施例4)
PETにカーボンブラックを26wt%を二軸混練機にて混練し導電性PETのチップを得た。得られた導電性チップと、アルカリ易溶ポリエステルを、295℃にて溶融して、導電性粒子を含有する導電層と非導電層の比率が糸断面の面積比率を2:1とした図2に示す断面形状となるように紡糸口金より吐出する。吐出した複合導電糸を室温の風にて冷却した後、油剤を付与し1000m/minで巻き取り機にて巻き取り554.4dt
ex/28fの未延伸糸を得る。得られた未延伸糸を、84℃の熱をかけながら延伸をして、100℃でセットして、92.4dtex/28fの延伸糸を得た。得られた導電性複合繊維の比抵抗は、8×10Ω・cmであった。得られた導電性複合繊維をパイル長3mm幅14mmのパイル織として、パイル密度21.7kf/cmのブラシ用基布を得た。該基布を2%oms苛性ソーダ溶液に浸漬し加熱し98℃としてアルカリ易溶PETを溶解し、1フィラメントの導電性複合繊維を8分割出来、基布中のパイル密度を8倍の173.6kf/cmとした。溶解処理時間は20分で導電層のPETの溶解率は0.81%であった。分割後の導電糸繊度は0.28dtexである。該ブラシ用基布に、導電性バックコート剤を塗布し、金属の芯材に両面テープで貼りつけ、ブラシとした。ブラシ状にした後に起毛処理、シャーリング処理を行い帯電ブラシとした。
本帯電ブラシを画像形成装置に組み込んで画像出しをして画像にて評価をした。
評価結果を表1の実施例4に示す。
【0034】
(実施例5)
ナイロン12にカーボンブラックを27wt%二軸混練機にて混練し導電性ナイロン12のチップを得た。得られた導電性ナイロン12のチップと、ポリエチレンオキシドを、265℃にて溶融して、導電性粒子を含有する導電層と非導電層の比率が糸断面の面積比率を2:1とした図1に示す断面形状となるように紡糸口金より吐出する。吐出した複合導電糸を室温の風にて冷却した後、油剤を付与し800m/min巻き取り機にて巻き取り194dtex/28fの未延伸糸を得る。得られた未延伸糸を、80℃の熱をかけながら延伸をして、100℃でセットして、92.4dtex/28fの延伸糸を得た。得られた導電性複合繊維の比抵抗は、6×10Ω・cmであった。得られた導電性複合繊維をパイル長3mm幅14mmのパイル織として、パイル密度21.7kf/cmのブラシ用基布を得た。該基布を水に浸漬し加熱して98℃としてポリエチレンオキシドを溶解し、1フィラメントの導電性複合繊維を4分割し、基布中のパイル密度を4倍の86.8kf/cmとした。溶解処理時間は20分であり、導電層のナイロンは溶解しなかった。分割後の導電糸繊度は0.55dtexである。該ブラシ用基布に、導電性バックコート剤を塗布し、金属の芯材に両面テープで貼りつけ、ブラシとした。ブラシ状にした後に起毛処理、シャーリング処理を行い帯電ブラシとした。
本帯電ブラシを画像形成装置に組み込んで画像出しをして画像にて評価をした。
評価結果を表1の実施例5に示す。
【0035】
(実施例6)
ナイロン12にカーボンブラックを27wt%二軸混練機にて混練し導電性ナイロン12のチップを得た。得られた導電性ナイロン12のチップと、ポリエチレンオキシドを、265℃にて溶融して、導電性粒子を含有する導電層と非導電層の比率が糸断面の面積比率を2:1とした図2に示す断面形状となるように紡糸口金より吐出する。吐出した複合導電糸を室温の風にて冷却した後、油剤を付与し800m/min巻き取り機にて巻き取り194dtex/28fの未延伸糸を得る。得られた未延伸糸を、80℃の熱をかけながら延伸をして、100℃でセットして、92.4dtex/28fの延伸糸を得た。得られた導電性複合繊維の比抵抗は、5×10Ω・cmであった。得られた導電性複合繊維をパイル長5mm幅14mmのパイル織として、パイル密度21.7kf/cmのブラシ用基布を得た。該基布を水に浸漬し加熱し98℃としてポリエチレンオキシドを溶解し、1フィラメントの導電性複合繊維を8分割し、基布中のパイル密度を8倍の173.6kf/cmとした。溶解処理時間は20分である、このとき導電層のポリエチレンオキシドは溶解しなかった分割後の導電糸繊度は0.28dtexであった。該ブラシ用基布に、導電性バックコート剤を塗布し、金属の芯材に両面テープで貼りつけ、ブラシとした。ブラシ状にした後に起毛処理、シャーリング処理を行い帯電ブラシとした。
本帯電ブラシを画像形成装置に組み込んで画像出しをして画像にて評価をした。
評価結果を表1の実施例6に示す。
【0036】
(実施例7)
PETにカーボンブラックを26wt%を二軸混練機にて混練し導電性PETのチップを得た。得られた導電性チップと、ポリエチレンオキシドを、285℃にて溶融して、導電性粒子を含有する導電層と非導電層の比率が糸断面の面積比率を2:1とした図1に示す断面形状となるように紡糸口金より吐出する。吐出した複合導電糸を室温の風にて冷却した後、油剤を付与し1000m/minで巻き取り機にて巻き取り277.2dtex/28fの未延伸糸を得る。得られた未延伸糸を、84℃の熱をかけながら延伸をして、100℃でセットして、92.3dtex/28fの延伸糸を得た。得られた導電性複合繊維の比抵抗は、6×10Ω・cmであった。得られた導電性複合繊維をパイル長3mm幅14mmのパイル織として、パイル密度21.7kf/cmのブラシ用基布を得た。該基布を水に浸漬し加熱し98℃としてポリエチレンオキシドを溶解し、1フィラメントの導電性複合繊維を4分割し、基布中のパイル密度を4倍の86.8kf/cmとした。溶解処理時間は40分であり、導電層のPETは溶解しなかった。分割後の導電糸繊度は0.55dtexである。該ブラシ用基布に、導電性バックコート剤を塗布し、金属の芯材に両面テープで貼りつけ、ブラシとした。ブラシ状にした後に起毛処理、シャーリング処理を行い帯電ブラシとした。
本帯電ブラシを画像形成装置に組み込んで画像出しをして画像にて評価をした。
評価結果を表1の実施例7に示す。
【0037】
(実施例8)
PETにカーボンブラックを26wt%を二軸混練機にて混練し導電性PETのチップを得た。得られた導電性チップと、ポリエチレンオキシドを、285℃にて溶融して、導電性粒子を含有する導電層と非導電層の比率が糸断面の面積比率を2:1とした図2に示す断面形状となるように紡糸口金より吐出する。吐出した複合導電糸を室温の風にて冷却した後、油剤を付与し1000m/minで巻き取り機にて巻き取り277.2dtex/28fの未延伸糸を得る。得られた未延伸糸を、84℃の熱をかけながら延伸をして、100℃でセットして、92.3dtex/28fの延伸糸を得た。得られた導電性複合繊維の比抵抗は、7×10Ω・cmであった。得られた導電性複合繊維をパイル長3mm幅14mmのパイル織として、パイル密度21.7kf/cmのブラシ用基布を得た。該基布を水に浸漬し加熱して98℃としてポリエチレンオキシドを溶解し、1フィラメントの導電性複合繊維を8分割し、基布中のパイル密度を8倍の173.6kf/cmとした。溶解処理時間は40分であり、導電層のPETは溶解しなかった。分割後の導電糸繊度は0.28dtexである。該ブラシ用基布に、導電性バックコート剤を塗布し、金属の芯材に両面テープで貼りつけ、ブラシとした。ブラシ状にした後に起毛処理、シャーリング処理を行い帯電ブラシとした。
本帯電ブラシを画像形成装置に組み込んで画像出しをして画像にて評価をした。
評価結果を表1の実施例8に示す。
【0038】
(実施例9)
PETにカーボンブラックを26wt%を二軸混練機にて混練し導電性PETのチップを得た。得られた導電性チップと、ナイロン6を、275℃にて溶融して、導電性粒子を含有する導電層と非導電層の比率が糸断面の面積比率を2:1とした図1に示す断面形状となるように紡糸口金より吐出する。吐出した複合導電糸を室温の風にて冷却した後、油剤を付与し1000m/minで巻き取り機にて巻き取り277.2dtex/28fの未延伸糸を得る。得られた未延伸糸を、84℃の熱をかけながら延伸をして、100℃でセットして、92.7dtex/28fの延伸糸を得た。得られた導電性複合繊維の比抵抗は、8×10Ω・cmであった。得られた導電性複合繊維をパイル長3mm幅14mmのパイル織として、パイル密度21.7kf/cmのブラシ用基布を得た。該基布を蟻酸に浸漬しナイロン6を溶解し、1フィラメントの導電性複合繊維を4分割し、基布中
のパイル密度を4倍の86.8kf/cmとした。溶解処理時間は15分であり、導電層のPETは溶解しなかった。分割後の導電糸繊度は0.55dtexである。該ブラシ用基布に、導電性バックコート剤を塗布し、金属の芯材に両面テープで貼りつけ、ブラシとした。ブラシ状にした後に起毛処理、シャーリング処理を行い帯電ブラシとした。
本帯電ブラシを画像形成装置に組み込んで画像出しをして画像にて評価をした。
評価結果を表1の実施例9に示す。
【0039】
(実施例10)
PETにカーボンブラックを26wt%を二軸混練機にて混練し導電性PETのチップを得た。得られた導電性チップと、ナイロン6を、275℃にて溶融して、導電性粒子を含有する導電層と非導電層の比率が糸断面の面積比率を2:1とした図2に示す断面形状となるように紡糸口金より吐出する。吐出した複合導電糸を室温の風にて冷却した後、油剤を付与し1000m/minで巻き取り機にて巻き取り277.2dtex/28fの未延伸糸を得る。得られた未延伸糸を、84℃の熱をかけながら延伸をして、100℃でセットして、92.3dtex/28fの延伸糸を得た。得られた導電性複合繊維の比抵抗は、6×10Ω・cmであった。得られた導電性複合繊維をパイル長3mm幅14mmのパイル織として、パイル密度21.7kf/cmのブラシ用基布を得た。該基布を蟻酸に浸漬し、ナイロン6を溶解し、1フィラメントの導電性複合繊維を8分割し、基布中のパイル密度を8倍の173.6kf/cmとした。溶解処理時間は15分であり、導電層のPETは溶解しなかった。分割後の導電糸繊度は0.28dtexである。該ブラシ用基布に、導電性バックコート剤を塗布し、金属の芯材に両面テープではりつけ、ブラシとした。ブラシ状にした後に起毛処理、シャーリング処理を行い帯電ブラシとした。
本帯電ブラシを画像形成装置に組み込んで画像出しをして画像にて評価をした。
評価結果を表1の実施例10に示す。
【0040】
(比較例1)
ナイロン12にカーボンブラックを27wt%二軸混練機にて混練し導電性ナイロン12のチップを得た。得られた導電性ナイロン12のチップと、アルカリ易溶PETを、275℃にて溶融して、導電性粒子を含有する導電層と非導電層の比率が糸断面の面積比率を1:2とした図5に示す断面形状となるように紡糸口金より吐出する。吐出した複合導電糸を室温の風にて冷却した後、油剤を付与し800m/min巻き取り機にて巻き取り50.4dtex/50fの未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を、80℃の熱をかけながら延伸をして、100℃でセットして、24.0dtex/50fの延伸糸を得た。得られた導電性複合繊維の比抵抗は、6×10Ω・cmであった。得られた導電性複合繊維をパイル長3mm幅14mmのパイル織として、パイル密度23.3kf/cmのブラシ用基布を得た。該基布を2%oms苛性ソーダ溶液に浸漬し加熱して98℃としてアルカリ易溶PETを溶解し、1フィラメントの導電性複合繊維を8分割し、基布中のパイル密度を8倍の186.4kf/cmとした。溶解処理時間は20分であり、導電層のナイロンは溶解しなかった。分割後の導電糸繊度は0.02dtexである。該ブラシ用基布に、導電性バックコート剤を塗布し、金属の芯材に両面テープで貼りつけ、ブラシとした。ブラシ状にした後に起毛処理、シャーリング処理を行い帯電ブラシとした。
本帯電ブラシを画像形成装置に組み込んで画像出しをして画像にて評価をした。
評価結果を表1の比較例1に示す。
【0041】
(比較例2)
PETにカーボンブラックを26wt%二軸混練機にて混練し導電性PETのチップを得た。得られた導電性PETのチップと、アルカリ易溶PETを、295℃にて溶融して、導電性粒子を含有する導電層と非導電層の比率が糸断面の面積比率を1:2とした図1に示す断面形状となるように紡糸口金より吐出する。吐出した複合導電糸を室温の風にて冷却した後、油剤を付与し1000m/min巻き取り機にて巻き取り72dtex/5
0fの未延伸糸を得る。得られた未延伸糸を、84℃の熱をかけながら延伸をして、140℃でセットして、24dtex/50fの延伸糸を得た。得られた導電性複合繊維の比抵抗は、7×10Ω・cmであった。得られた導電性複合繊維をパイル長3mm幅14mmのパイル織として、パイル密度23.3kf/cmのブラシ用基布を得た。該基布を2%oms苛性ソーダ溶液に浸漬し加熱して98℃としてアルカリ易溶PETを溶解し、1フィラメントの導電性複合繊維を8分割し、基布中のパイル密度を8倍の186.4kf/cmとした。溶解処理時間は20分であり、導電層のPETは溶解しなかった。分割後の導電糸繊度は0.02dtexである。該ブラシ用基布に、導電性バックコート剤を塗布し、金属の芯材に両面テープで貼りつけ、ブラシとした。ブラシ状にした後に起毛処理、シャーリング処理を行い帯電ブラシとした。
本帯電ブラシを画像形成装置に組み込んで画像出しをして画像にて評価をした。
評価結果を表1の比較例2に示す。
【0042】
(比較例3)
ナイロン12にカーボンブラックを27wt%二軸混練機にて混練し導電性ナイロン12のチップを得た。得られた導電性ナイロン12のチップと、アルカリ易溶PETを、275℃にて溶融して、導電性粒子を含有する導電層と非導電層の比率が糸断面の面積比率を2:1とした図1に示す断面形状となるように紡糸口金より吐出する。吐出した複合導電糸を室温の風にて冷却した後、油剤を付与し800m/min巻き取り機にて巻き取り317.5dtex/14fの未延伸糸を得る。得られた未延伸糸を、80℃の熱をかけながら延伸をして、100℃でセットして、151.2dtex/14fの延伸糸を得た。得られた導電性複合繊維の比抵抗は、3×10Ω・cmであった。得られた導電性複合繊維をパイル長3mm幅14mmのパイル織として、パイル密度15.5kf/cmのブラシ用基布を得た。該基布を2%oms苛性ソーダ溶液に浸漬し加熱して98℃としてアルカリ易溶PETを溶解し、1フィラメントの導電性複合繊維を4分割し、基布中のパイル密度を4倍の62.0kf/cmとした。溶解処理時間は20分であり、このとき導電層のナイロンは溶解しなかった。分割後の導電糸繊度は1.8dtexである。該ブラシ用基布に、導電性バックコート剤を塗布し、金属の芯材に両面テープで貼りつけ、ブラシとした。ブラシ状にした後に起毛処理、シャーリング処理を行い帯電ブラシとした。
本帯電ブラシを画像形成装置に組み込んで画像出しをして画像にて評価をした。
評価結果を表1の比較例3に示す。
【0043】
(比較例4)
PETにカーボンブラックを26wt%二軸混練機にて混練し導電性ポリエステルのチップを得た。得られた導電性ポリエステルのチップと、アルカリ易溶PETを、295℃にて溶融して、導電性粒子を含有する導電層と非導電層の比率が糸断面の面積比率を2:1とした図1に示す断面形状となるように紡糸口金より吐出する。吐出した複合導電糸を室温の風にて冷却した後、油剤を付与し1000m/minで巻き取り機にて巻き取り453.6dtex/14fの未延伸糸を得る。得られた未延伸糸を、84℃の熱をかけながら延伸をして、140℃でセットして、151.2dtex/14fの延伸糸を得た。得られた導電性複合繊維の比抵抗は、4×10Ω・cmであった。得られた導電性複合繊維をパイル長3mm幅14mmのパイル織として、パイル密度15.5kf/cmのブラシ用基布を得た。該基布を2%oms苛性ソーダ溶液に浸漬し加熱してアルカリ易溶PETを溶解し、1フィラメントの導電性複合繊維を4分割し、基布中のパイル密度を4倍の62.0kf/cmとした。溶解時間は20分であり、導電層のPETは溶解しなかった。分割後の導電糸繊度は1.8dtexである。該ブラシ用基布に、導電性バックコート剤を塗布し、金属の芯材に両面テープで貼りつけ、ブラシとした。ブラシ状にした後に起毛処理、シャーリング処理を行い帯電ブラシとした。
本帯電ブラシを画像形成装置に組み込んで画像出しをして画像にて評価をした。
評価結果を表1の比較例4に示す。
【0044】
(比較例5)
ナイロン12にカーボンブラックを27wt%を二軸混練機にて混練し導電性ナイロン12のチップを得た。得られた導電性ナイロン12のチップと、ナイロン12を、285℃にて溶融して、導電性粒子を含有する導電層と非導電層の比率が糸断面の面積比率を2:1とした図1に示す断面形状となるように紡糸口金より吐出する。吐出した複合導電糸を室温の風にて冷却した後、油剤を付与し800m/minで巻き取り機にて巻き取り194.0dtex/28fの未延伸糸を得る。得られた未延伸糸を、80℃の熱をかけながら延伸をして、100℃でセットして、92.4dtex/28fの延伸糸を得た。得られた導電性複合繊維の比抵抗は、3×10Ω・cmであった。得られた導電性複合繊維をパイル長3mm幅14mmのパイル織として、パイル密度21.7kf/cmのブラシ用基布を得た。該基布を2%oms苛性ソーダ溶液に浸漬し加熱して98℃として溶解処理をしたが、比導電層、導電層共に溶解しなかったので、パイル密度21.7kf/cmの該ブラシ用基布に、導電性バックコート剤を塗布し、金属の芯材に両面テープで貼りつけ、ブラシとした。ブラシ状にした後に起毛処理、シャーリング処理を行い帯電ブラシとした。
本帯電ブラシを画像形成装置に組み込んで画像出しをして画像にて評価をした。
評価結果を表1の比較例4に示す。
【0045】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明はIT産業の一端である電子写真装置(複写機、ファクシミリ、プリンター等)
中に組み込まれている現像用ブラシ、接触帯電ブラシ、クリーナー用ブラシの接触素子として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明および比較例の4分割型導電性複合繊維の横断面図である。
【図2】本発明に用いる8分割型導電性複合繊維の横断面図である。
【図3】本発明に用いる16分割型導電性複合繊維の横断面図である。
【図4】本発明に用いる11分割型導電性複合繊維の横断面である。
【図5】比較例の8分割型導電性複合繊維の横断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1:導電性粒子を含有した導電層
2:導電層より溶解速度の速い非導電層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性粒子を含有した繊維形成性ポリマーよりなる導電層を該導電層より溶解速度が速い糸断面で連続して存在している繊維形成性ポリマーよりなる非導電層にて、複数個に分割されており、該導電性粒子を含有した導電層の構成単位が0.04dtex〜1.5dtexである導電性複合繊維。
【請求項2】
導電層が導電性粒子を含有するポリアミドで非導電層がアルカリ易溶性ポリエステルである請求項1記載の導電性複合繊維。
【請求項3】
導電層が導電性粒子を含有するポリエステルで非導電層がアルカリ易溶性ポリエステルである請求項1記載の導電性複合繊維。
【請求項4】
導電層が導電性粒子を含有するポリアミドで非導電層が水易溶性ポリマーである請求項1記載の導電性複合繊維。
【請求項5】
導電層が導電性粒子を含有するポリエステルで非導電層が水易溶性ポリマーである請求項1記載の導電性複合繊維。
【請求項6】
導電層が導電性粒子を含有するポリエステルで非導電層がポリアミドである請求項1記載の導電性複合繊維。
【請求項7】
導電層に含まれる導電性粒子がカーボンブラックあるいは導電性皮膜を有する酸化チタン粒子である請求項1記載の導電性複合繊維。
【請求項8】
導電層に含まれる導電性粒子の含有量が、8重量%〜80重量%である請求項1記載の導電性複合繊維。
【請求項9】
導電性粒子を含有する導電層と非導電層の比率が糸断面の面積比率で、10:1〜1:5である特許請求項1記載の導電性複合繊維。
【請求項10】
前記導電性複合繊維の比抵抗値が10Ω・cm〜1013Ω・cmである請求項1記載の導電性複合繊維。
【請求項11】
非導電層を形成するポリマーの溶解速度が導電層を含有したポリマーの溶解速度の10倍以上である請求項1記載の導電性複合繊維。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−124902(P2006−124902A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−281975(P2005−281975)
【出願日】平成17年9月28日(2005.9.28)
【出願人】(305037123)KBセーレン株式会社 (97)
【Fターム(参考)】