説明

小口径配管の検査方法

【課題】小口径配管の溶接部の内部に生じるSCCを非破壊で簡易に検出可能な小口径配管の検査方法および検査装置を提供する。
【解決手段】探触子から超音波を出力する(ステップS1)。具体的には送信部から表面SH波による超音波を測定対象物である溶接部に対して出力する。そして、探触子30に含まれる受信部を介して計測部により測定対象物である溶接部からのエコーを計測する(ステップS2)。そして、計測部で計測された結果が制御部に入力され、良品サンプルデータと計測結果とを比較する(ステップS3)。そして、次に良品サンプルデータの包絡線を越えるエコー波形が存在するかどうかを判定する(ステップS4)。ステップS4において、良品サンプルデータの包絡線を越えるエコー波形が存在する場合には不良判定とする(ステップS5)。一方、ステップS4において良品サンプルデータの包絡線を越えるエコー波形が存在しない場合には良品判定とする(ステップS6)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラントのプロセス制御用導圧配管等のような小口径配管の溶接部の内部に生じる応力腐食割れ(SCC)を非破壊で検出する検査方法および検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所等のプラントの安全・安定運転の観点から、プラントの高経年化対策として効率的なプラント設備の検査技術の開発が望まれている。
【0003】
従来より、原子力プラント等のプラント設備の1つとして、たとえば加圧水型軽水炉(PWR)1次系冷却材配管に接続され、プロセス計測・化学サンプリング等に多く用いられる小口径のステンレス鋼(SUS)配管(計装配管)のような小口径配管を検査し、配管の健全性を確認することが行なわれている。たとえば、プロセス制御用導圧配管等を挙げることができる。
【0004】
この点で、小口径配管の外面に生じる傷については、外観目視点検および外面からの浸透探傷検査により確認することが可能である。あるいは漏洩検査等により確認することも可能である。
【0005】
しかしながら、漏洩検査等により傷を確認する場合、小口径配管に内包される気体あるいは流体が漏洩した場合の影響は比較的小さいことも考えられるが、計測・制御機能として重要度が高いプラント設備たとえば原子力プラント等も存在するため漏洩する前の初期段階において傷を確認することは重要である。
【0006】
特に近年においては、小口径配管の傷が外面から生じる場合のみならず内部から生じる場合があることも発見されており、内部から生じる傷であるいわゆる応力腐食割れ(SCC)を早期に確認することは重要な課題となっている。ここで、応力腐食割れ(SCC)とは、引張り応力と腐食環境の相互作用で、材料にき裂が発生し、その亀裂が時間と共に進展するという現象である。たとえば、ステンレス鋼(SUS)配管同士を接合する際に溶接による加熱が行われることにより、材質中の炭素がクロムと結合し、結晶粒界に沿ってクロムカーバイトが析出する。そうするとその近傍に沿ってクロム欠乏域ができ、耐食性が低下する。クロム欠乏域が発達した組織において引っ張り応力が加わっていると、高温純水中でも、酸素濃度が高い場合には、結晶粒界に沿って局部的な腐食が発生しSCCにまで発展することになる。なお、この引っ張り応力としては、材質内に蓄積している残留応力、たとえば、溶接の歪、材料の冷間加工、機械切削などが影響して応力として働く可能性がある。
【0007】
この点で、従来においては、上述したプラント設備のプロセス制御用導圧配管のような小口径配管の溶接部の内部に生じるSCCを非破壊で検出するために放射線透過検査あるいは超音波探傷検査等が行なわれていた。
【0008】
たとえば、特開平6−130001号公報には、放射線透過検査により配管を検査する配管の検査装置が開示されている。
【特許文献1】特開平6−130001号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、放射線透過検査等は、大きなサイズの傷については検査を実行することによりその傷の確認が可能であるが、サイズの小さい傷については検査が難しいという問題がある。また、当該検査等は大掛かりな検査であるため、実用的ではない。また、従来の超音波探傷検査等においては、検査から得られる信号と雑音(ノイズ)との判別ができなかったため口径が1インチを下回るような小口径配管の溶接部の内部に生じる応力腐食割れ(SCC)等の検出は難しいという問題があった。
【0010】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、小口径配管の溶接部に生じるSCCを非破壊で簡易に検出可能な小口径配管の検査方法および検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る小口径配管の検査装置は、小口径配管の検査装置であって、小口径配管に対して超音波を出力するとともに、小口径配管からのエコーを受信する探触子と、探触子から検出されるエコーを計測する計測部と、計測部からの計測結果に基づいて小口径配管の良否を判定する制御部とを備える。制御部は、計測部から計測されたエコーが予め設定された閾値線を越えるか否かに基づいて良否を判定する。
【0012】
好ましくは、閾値線は、複数の良品サンプルの小口径配管の各々に対して、超音波を出力して受信した複数の良品サンプルの小口径配管の複数のエコーを重畳して、重畳したエコーに基づく包絡線により生成される。
【0013】
本発明に係る小口径配管の検査方法は、小口径配管の検査方法であって、探触子から小口径配管に対して超音波を出力するステップと、小口径配管からのエコーを受信するステップと、受信したエコーを計測するステップと、計測結果に基づいて小口径配管の良否を判定するステップとを備える。判定するステップは、複数の良品サンプルの小口径配管に対して超音波を出力して受信した複数の良品サンプルの小口径配管のエコーに基づく包絡線を生成するステップと、包絡線を越える探触子から検出されるエコーが存在するか否かに基づいて良否を判定する。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る小口径配管の検査装置および検査方法は、小口径配管に対して超音波を出力して、そのエコーを計測して、閾値線(包絡線)を越えるエコーが存在するか否かに基づいて小口径配管の良否を検出するため簡易に検査が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については同一符号を付しその説明は繰返さない。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態に従う検査装置1の概略図である。
図1を参照して、ここでは、本発明の実施の形態に従う検査装置1と、小口径配管200が示され、本例においては、一例として検査装置1がステンレス鋼(SUS)配管である小口径配管200の配管同士を自動溶接機を用いて接合する際の溶接部100に生じる応力腐食割れ(SCC)を非破壊で検出する場合について説明する。なお、本願明細書で説明する小口径配管は、1インチ以下の口径を有する配管であるものとする。
【0017】
なお、小口径配管200の溶接部100のSCCを検出する場合について以下説明するが、これに限られず、それ以外のSCCを検出することも当然に可能である。
【0018】
具体的には、検査装置1は、本発明の実施の形態に従う検査装置1は、探触子30と接続され探触子30を用いて測定対象物(溶接部100)に対する計測を実行するための計測部5と、検査装置1全体を制御する制御部10と、情報を表示するための表示部15と、検査装置1において用いられる制御プログラム等を記憶するためのメモリ20と、検査装置1を操作するための操作部25と、計測部5と電気的に結合され、測定対象物に対して超音波を出力する送信部31と、送信部31から出力される超音波の測定対象物からのエコーを受信する受信部32とで構成される探触子30とを備える。なお、本例においては、小口径配管200の中心軸Xが示され、送信部31の先端から溶接部100までの中心軸Xの進行方向の距離Pが探傷距離に設定されているものとする。
【0019】
図2は、本発明の実施の形態に従う探触子30を説明する図である。
図2を参照して、探触子30は、超音波である表面SH波を送信する送信部31と、測定対象物からの表面SH波の反射波であるエコーを受信する受信部32とを含む。
【0020】
そして、本例においては、その配置関係として一例として小口径配管200の中心軸Xと送信部31および受信部32とをそれぞれ結ぶ線が所定角度、本例においては90°に設定されている場合が示されている。
【0021】
図3は、本発明の実施の形態に従う小口径配管の検査方法を説明するフロー図である。
図3を参照して、探傷検査を開始する(スタート)(ステップS0)場合には、探触子30から超音波を出力する(ステップS1)。具体的には、上述したように送信部31から表面SH波(Shear Horizontal:探傷面に水平で表面近傍を伝搬する横波)による超音波を測定対象物である溶接部100に対して出力する。
【0022】
そして、次に測定対象物からのエコーを計測する(ステップS2)。具体的には、探触子30に含まれる受信部32を介して計測部5により測定対象物である溶接部100からのエコーが計測される。
【0023】
そして、計測部で計測された結果が制御部10に入力され、良品サンプルデータと計測結果とを比較する(ステップS3)。
【0024】
そして、次に良品サンプルデータの包絡線を越えるエコー波形が存在するかどうかを判定する(ステップS4)。なお、良品サンプルデータの包絡線については、予め複数の良品サンプルに対して同様の条件下でエコーを計測し、その計測結果から設定されるものである。
【0025】
ステップS4において、良品サンプルデータの包絡線を越えるエコー波形が存在する場合には不良判定とする(ステップS5)。一方、ステップS4において良品サンプルデータの包絡線を越えるエコー波形が存在しない場合には良品判定とする(ステップS6)。
【0026】
図4は、送信部31から送信される表面SH波に対する測定対象物からのエコー波形を説明する図である。
【0027】
図4(a)には、溶接部100が送信部31からの表面SH波を受けて、そのエコー波形が受信部32で測定された場合の一例図が示されている。縦軸は、超音波エコー高さ(強度)を示している。また、横軸は、エコー路程(単に路程とも称する)である。
【0028】
図4(b)には、複数の良品サンプルに対して送信部31からの表面SH波を送信した場合に受信部32で測定された複数のエコー波形が示されている。そして、この複数のエコー波形について重畳した波形に対して包絡線表示(MA表示)される場合が示されている。なお、ここでは、複数の良品サンプルに対する探傷距離は全て同一であるものとする。
【0029】
ここで、1つの良品サンプルの結果に基づいて包絡線表示するのではなく、複数の良品サンプルに対して表面SH波を送信して、受信した結果を重畳して包絡線表示するのは、良品サンプルであってもエコーは一定ではなく対象物等のばらつき等によりエコーにばらつき(ノイズエコー)が生じる可能性が高いからである。当該方式により、良品サンプルのばらつき等も考慮した包絡線を設定することが可能である。
【0030】
図4(c)には良品サンプルデータの包絡線を越えるエコー波形が存在する場合が示されている。ここで、測定対象物の内面にSCCがあるような場合には、良品サンプルの溶接部からのエコー波形とは異なり、異なる路程付近において強度が急峻に立ち上がることになる。すなわち良品サンプルの包絡線を越えるエコー波形が存在することになる。
【0031】
この包絡線を越えるか否かを検出することにより、溶接部100の内面にSCCが存在するかどうかを特定することが可能となる。
【0032】
図5は、3/8インチの小口径配管の良品サンプルに対して表面SH波を送信した場合の包絡線表示を説明する図である。
【0033】
図5(a)は、3/8インチの小口径配管の良品サンプルについて、配管の厚さが1.25mmのSUS304に対して表面SH波を送信した場合の複数のエコー波形の包絡線表示が示されている。なお、ここでは、良品サンプル数として67本の小口径配管を用いてそれぞれの溶接部100の両側具体的には溶接部に対して一方側および他方側たとえば右側および左側に探触子30を配置して同じ条件で表面SH波を送信する探傷検査を実行した場合が示されている。すなわち、データ数としては134個のエコー波形を包絡線表示した場合が示されている。探傷距離としては5mmに設定し、表面SH波としては、周波数5MHzの狭帯域のものを用いて実験した。なお、送信部31と受信部32との角度Xについては90°に設定した。
【0034】
図5(b)は、3/8インチの小口径配管の良品サンプルについて、配管の厚さが1.65mmのSUS316に対して表面SH波を送信した場合の複数のエコー波形の包絡線表示が示されている。なお、ここでは、良品サンプル数として60本の小口径配管を用いてそれぞれの溶接部100の両側具体的には溶接部に対して一方側および他方側たとえば右側および左側に探触子30を配置して同じ条件で表面SH波を送信する探傷検査を実行した場合が示されている。すなわち、データ数としては120個のエコー波形を包絡線表示した場合が示されている。探傷距離としては5mmに設定し、表面SH波としては、周波数5MHzの狭帯域のものを用いて実験した。なお、送信部31と受信部32との角度Xについては90°に設定した。
【0035】
図6は、3/8インチの測定対象物である小口径配管に対して表面SH波を送信した場合の包絡線表示を説明する図である。
【0036】
図6(a)は、3/8インチの小口径配管の配管の厚さが1.25mmのSUS304に対して表面SH波を送信した場合のエコー波形が示されている。探傷距離としては5mmに設定し、表面SH波としては、周波数5MHzの狭帯域のものを用いて実験した。なお、送信部31と受信部32との角度Xについては90°に設定した。
【0037】
ここでは、図6(a)に示されるように強度が急峻に立ち上がるエコーが測定されたことが示されている。
【0038】
したがって、図5(a)の良品サンプルの複数のエコー波形の包絡線表示を重畳した場合、包絡線の範囲を越えたエコーが測定されることになるため測定対象物の内面にSCCがあると判断することができる。
【0039】
図6(b)は、3/8インチの小口径配管の配管の厚さが1.65mmのSUS316に対して表面SH波を送信した場合のエコー波形が示されている。探傷距離としては5mmに設定し、表面SH波としては、周波数5MHzの狭帯域のものを用いて実験した。なお、送信部31と受信部32との角度Xについては90°に設定した。
【0040】
ここでも図6(b)に示されるように強度が急峻に立ち上がるエコーが測定されたことが示されている。
【0041】
したがって、図5(b)の良品サンプルの複数のエコー波形の包絡線表示を重畳した場合、包絡線の範囲を越えたエコーが測定されることになるため測定対象物の内面にSCCがあると判断することができる。
【0042】
実際に当該実験を行なった結果、3/8インチの小口径配管の配管の厚さが1.25mmのSUS304に対して深さ0.1mm以上のSCCに対して97%の検出性能を確認することができた。また、1.65mmのSUS306に対して深さ1.1mm以上のSCCに対して100%の検出性能を確認することができた。また、SCCのみならず、溶接不良に対しても同様の検出結果を得ることが可能であり、未溶着深さが0.1mm以上である場合にほぼ90%の検出性能を確認することができた。
【0043】
なお、検出したい損傷形態が配管溶接不良あるいは内面のSCC等である場合には、それらの損傷形態を特定化し、それに対応する探触子の種類を最適化した上で多数の良品サンプルからのエコー波形を検出して、重畳した波形に対して包絡線表示することにより、より精度の高いSCCの検出を実行することが可能である。たとえば超音波の種類、縦波、横波および二次クリーピング波等を出力する探触子の中から適切な探触子を選択することが可能である。
【0044】
また、発生部位の形状(配管寸法・配管材料・部位の形態(突き合わせ溶接部・ソケット部)等)を1つに限定することにより、正常な形状からのエコー波形パターンを多数取込んだ精度の高い包絡線を形成して、精度の高いSCCの検出が可能である。
【0045】
なお、本願発明の包絡線表示によるSCCの検出は、自動溶接機を用いて配管同士を接合する際の溶接部に対して有用に活用することができる。その理由としては、溶接部の熱影響部位付近の超音波探傷を実施する場合、溶接金属からの林状エコー(ノイズ)と、SCC等の傷からのエコー(有意なシグナル)の分離が必要となる。林状エコーの路程およびエコーの高さ(強度)は、ある一定の分布を有する。また、傷として想定するSCCについてもある一定の分布を有する。このノイズと、シグナルの分布は、溶接の施工方式に従って分布範囲が異なる。
【0046】
具体的には、溶接施工を自動溶接で実行しないような場合には、突き合わせ溶接部に段差が生じたり、溶け込み量、溶接金属の余盛り・ビード幅などの形状が様々であるため、溶接金属の3次元形状のばらつきが大きくなるため結果的にノイズの分布範囲が広範となる可能性がある。また、溶接残留応力、応力腐食割れの発生位置、発生方向等もばらつきを有するため結果的にシグナルの分布範囲も広範になる可能性がある。そうすると、シグナルとノイズの真の分布が重なることとなり、シグナルとノイズの分離が非常に難しくなる可能性がある。
【0047】
従来においては、3/8インチの小口径配管のような小さな材料では、ノイズとシグナルとの分離は不確かさの低減が困難であったために不可能と考えられてきたが、たとえば、自動溶接機を用いて溶接施工の手順が管理されているような場合には、溶接形状のばらつきあるいは残留応力等のばらつき等の分布も一定となるためノイズとシグナルの分布範囲もある限定された範囲に分布するとともに、ノイズとシグナルの路程の分布状況が異なるため不確かさを低減することが可能となり、シグナルとノイズの分離が実行可能となる。そして、より不確かさを低減するために多数の良品サンプルに従う複数のエコー波形を検出してこの包絡線表示を越えるか越えないかを判定基準としたものである。当該方式により形状等のばらつき等も含めた上での精度の高い探傷検査を実行することが可能となる。
【0048】
本方式は、非破壊検査であるため小口径配管を分解することなく、配管の健全性を確認することができる。また、高経年化プラントの信頼性の向上ならびに配管取替え・保守費用の低減効果を期待することができる。また当該検査装置は、非常に小型化することが可能であるため、他の非破壊検査において大規模な設備を用いなければならない場合と比較して簡易に当該検査を実行することが可能であり、また、異常の判定においても特殊な技能および経験を要する方式で行なわれていたが簡単な判定ロジックで容易に非破壊検査を実行することが可能であるという効果がある。
【0049】
また、図2の構成においては、一例として送信部31と受信部32との配置関係において測定対象物の中心と送信部31および受信部32とを結ぶ線の関係が互いに90°となるように配置される場合について説明したが、超音波は配管材料を立体角で伝わり傷等の測定対象からの反射波も立体角で返ってくることになる。また、傷の発生部位にも分布があり送信と受信の配置角度を変化させることにより配管内の波の通過範囲を三次元的に変化させることによって最適な検出精度を得る配置条件に設定することも可能である。
【0050】
また、従来最終的には計器の誤動作として検知するしかなかった内面からの傷による配管の破損を予防することが可能であるため設備の経年劣化による高経年化後の安全・安定運転に万全を期すことができる。また小口径配管内面の検出が安価になるとともにメンテナンスも容易である。
【0051】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態に従う検査装置1の概略図である。
【図2】本発明の実施の形態に従う探触子30を説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態に従う小口径配管の検査方法を説明するフロー図である。
【図4】送信部31から送信される表面SH波に対する測定対象物からのエコー波形を説明する図である。
【図5】3/8インチの小口径配管の良品サンプルに対して表面SH波を送信した場合の包絡線表示を説明する図である。
【図6】3/8インチの測定対象物である小口径配管に対して表面SH波を送信した場合の包絡線表示を説明する図である。
【符号の説明】
【0053】
1 検査装置、5 計測部、10 制御部、15 表示部、20 メモリ、25 操作部、30 探触子、31 送信部、32 受信部、100 溶接部、200 小口径配管。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小口径配管の検査装置であって、
前記小口径配管に対して超音波を出力するとともに、前記小口径配管からのエコーを受信する探触子と、
前記探触子から検出されるエコーを計測する計測部と、
前記計測部からの計測結果に基づいて前記小口径配管の良否を判定する制御部とを備え、
前記制御部は、前記計測部から計測されたエコーが予め設定された閾値線を越えるか否かに基づいて良否を判定する、小口径配管の検査装置。
【請求項2】
前記閾値線は、複数の良品サンプルの小口径配管の各々に対して、前記超音波を出力して受信した複数の良品サンプルの小口径配管の複数のエコーを重畳して、重畳したエコーに基づく包絡線により生成される、請求項1に記載の小口径配管の検査装置。
【請求項3】
小口径配管の検査方法であって、
探触子から前記小口径配管に対して超音波を出力するステップと、
前記小口径配管からのエコーを受信するステップと、
前記受信したエコーを計測するステップと、
計測結果に基づいて前記小口径配管の良否を判定するステップとを備え、
前記判定するステップは、複数の良品サンプルの小口径配管に対して超音波を出力して受信した前記複数の良品サンプルの小口径配管のエコーに基づく包絡線を生成するステップと、前記包絡線を越える前記探触子から検出されるエコーが存在するか否かに基づいて良否を判定する、小口径配管の検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−26061(P2008−26061A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−196930(P2006−196930)
【出願日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 株式会社電気評論社、電気評論、第492号(第91巻第1号)、平成18年1月20日発行
【出願人】(000156938)関西電力株式会社 (1,442)
【Fターム(参考)】