説明

小片部材の移載定置装置

【課題】 装置の小型化および高速処理が可能になる小片部材の移載定置装置を提供すること。
【解決手段】 小片部材の移載定置装置10に、ロール状フィルムAから小片状フィルムA1を切断する金型切刃37と、小片状フィルムA1をシート状電子基板Bが設置されている位置に搬送するヘッドユニット移動機構30と、小片状フィルムA1をシート状電子基板Bに固定する固定用ヒータ39とを設けた。そして、ヘッドユニット移動機構30に小片状フィルムA1を保持する吸引用ポート38を設けるとともに、金型切刃37および固定用ヒータ39を吸引用ポート38と一体にした。また、金型切刃37がロール状フィルムAから小片状フィルムA1を切断すると同時に、吸引用ポート38が小片状フィルムA1を保持するようにした。さらに、小片状フィルムA1の状態を変化させる状態変更ユニット40を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム状またはシート状の定置対象部材から小片部材を切り取って被定置対象部材に固定する小片部材の移載定置装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、フレキシブルプリント基板を作成する際には、導体パターンが形成された樹脂製のベースフィルムの導体パターン形成面に絶縁体からなるカバーレイフィルムを貼り付けて導体パターンを保護している。このような場合に、カバーレイフィルムを所定の形状に切断して、ベースフィルムに貼り合わせる移載定置装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この移載定置装置(カバーレイフィルム貼り合わせ装置)には、ベースフィルム供給装置、仮圧着装置、積層フィルム回収装置およびカバーレイフィルム裁断・供給装置等の各種の装置が備わっている。そして、カバーレイフィルムをベースフィルムに貼り合わせる際には、ベースフィルム供給装置によって間欠的に繰り出されたベースフィルムに、カバーレイフィルム裁断・供給装置によって所定形状に裁断されて搬送されてくるカバーレイフィルムを仮圧着装置によって仮圧着して積層フィルムを形成している。
【0004】
このカバーレイフィルム裁断・供給装置は、カバーレイフィルムを裁断するカバーレイフィルム裁断装置と、移動可能な移動クランパと吸着パッドからなるカバーレイフィルム供給装置とで構成されており、カバーレイフィルム裁断装置によって短冊状に裁断されたカバーレイフィルムを吸着パッドで吸着してベースフィルムの所定位置まで搬送する。また、仮圧着装置は、仮圧着テーブルと、仮圧着テーブルを受ける緩衝機構とを備えており、仮圧着テーブルと緩衝機構との間にベースフィルムとカバーレイフィルムとを配置した状態で仮圧着テーブルを緩衝機構側に移動させることにより、ベースフィルムにカバーレイフィルムを仮圧着する。そして、形成された積層フィルムは積層フィルム回収装置によって回収される。
【発明の概要】
【0005】
しかしながら、前述した従来のカバーレイフィルム貼り合わせ装置では、カバーレイフィルムの裁断、裁断されたカバーレイフィルムの搬送、カバーレイフィルムのベースフィルムへの仮圧着がそれぞれ異なる装置によって行われるため、装置が大型になるとともに、処理速度が遅くなっていた。
【0006】
本発明は、このような問題に対処するためになされたもので、その目的は、装置の小型化および高速処理が可能になる小片部材の移載定置装置を提供することである。
【0007】
前述した目的を達成するため、本発明に係る小片部材の移載定置装置の構成上の特徴は、フィルム状またはシート状の定置対象部材から小片部材を切断する切断手段と、小片部材を被定置対象部材が設置されている位置に搬送する搬送手段と、小片部材を被定置対象部材に固定する固定手段とを備えた小片部材の移載定置装置であって、搬送手段が、小片部材を保持する保持手段を備えており、切断手段および固定手段を保持手段と一体にしたことにある。
【0008】
本発明に係る小片部材の移載定置装置は、切断手段と、搬送手段と、固定手段とを備えることによって、フィルム状またはシート状の定置対象部材から小片部材を切断して被定置対象部材に固定できるようにしている。そして、搬送手段が備える保持手段と、切断手段および固定手段とを一体にしている。すなわち、保持手段、切断手段および固定手段をそれぞれ別の装置に設けるのではなく、搬送手段が備える移動部材に、切断手段、固定手段および保持手段を含ませ、これらの各手段を一緒に移動させるように構成している。したがって、小片部材の移載定置装置を小型化できるとともに、搬送手段が備える保持手段の移動範囲の中で、定置対象部材からの小片部材の切断、切断された小片部材の保持、小片部材の搬送および小片部材の被定置対象部材への固定のすべての処理を行うことができる。この結果、高速処理が可能になる。
【0009】
また、本発明に係る小片部材の移載定置装置の他の構成上の特徴は、切断手段が定置対象部材から小片部材を切断すると同時に、保持手段が小片部材を保持するようにしたことにある。これによると、切断手段により定置対象部材から小片部材を切断する処理と、切断された小片部材を保持手段が保持する処理とが同時に行われるため、さらに、処理時間の短縮が可能になる。
【0010】
また、本発明に係る小片部材の移載定置装置のさらに他の構成上の特徴は、搬送手段によって搬送される小片部材に対して、付加部材の追加または不要部材の除去を行うか、もしくは小片部材の状態を変化させる状態変更手段を設けたことにある。これによると、定置対象部材から切断された小片部材が被定置対象部材に固定される前に、小片部材に対して何らかの処理が必要な場合には、この状態変更手段によってその処理を行うことができる。この場合の処理としては、小片部材に対して別の小部材を貼り付けたり、小片部材からバリ等の不要部分を除去したり、小片部材の姿勢を修正したりするなど、小片部材の種類に応じて適宜設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態に係る小片部材の移載定置装置を示した斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る小片部材の移載定置装置が備えるヘッドユニットを示した断面図である。
【図3】小片部材の移載定置装置の要部を示した斜視図である。
【図4】ヘッドユニットをロール状フィルムの上方に位置させた状態を示した説明図である。
【図5】(a)はヘッドユニットを下降させる状態を示し、(b)はロール状フィルムを示した説明図である。
【図6】(a)はヘッドユニットの一方の金型切刃でロール状フィルムを切断する状態を示し、(b)はそのときのロール状フィルムを示した説明図である。
【図7】(a)は一方の金型切刃を上昇させ他方の金型切刃でロール状フィルムを切断する状態を示し、(b)はそのときのロール状フィルムを示した説明図である。
【図8】(a)は他方の金型切刃を上昇させるとともにヘッドユニットを上昇させる状態を示し、(b)はそのときのロール状フィルムを示した説明図である。
【図9】(a)はヘッドユニットをシート状電子基板の上方で位置合わせする状態を示し、(b)はシート状電子基板の上面を示した説明図である。
【図10】(a)はヘッドユニットの一方の金型で小片状フィルムをシート状電子基板に固定する状態を示し、(b)はそのときのシート状電子基板の上面を示した説明図である。
【図11】一方の金型を上昇させた状態を示した説明図である。
【図12】(a)は他方の金型で小片状フィルムをシート状電子基板に固定する状態を示し、(b)はそのときのシート状電子基板の上面を示した説明図である。
【図13】他方の金型切刃を上昇させるとともにヘッドユニットを上昇させる状態を示した説明図である。
【図14】ヘッドユニットをシート状電子基板に対して下降させ一方の金型で小片状フィルムをシート状電子基板に固定する状態を示した説明図である。
【図15】ヘッドユニットをシート状電子基板に対して下降させ他方の金型で小片状フィルムをシート状電子基板に固定する状態を示した説明図である。
【図16】本発明の第2実施形態に係る小片部材の移載定置装置が備えるヘッドユニットを示した断面図である。
【図17】本発明の第3実施形態に係る小片部材の移載定置装置が備えるヘッドユニットを示した断面図である。
【図18】本発明の第4実施形態に係る小片部材の移載定置装置が備えるヘッドユニットを示した断面図である。
【図19】(a)は、本発明の第5実施形態に係る小片部材の移載定置装置が備えるヘッドユニットを示した断面図であり、(b)はその要部を示した部分拡大図である。
【図20】本発明の第6実施形態に係る小片部材の移載定置装置が備えるヘッドユニットを示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図面を用いて説明する。図1は、同実施形態で用いられる小片部材の移載定置装置10を示している。この小片部材の移載定置装置10は、本発明に係る定置対象部材としてのロール状フィルムAから本発明に係る小片部材としての小片状フィルムA1を切断するとともに、その切断した小片状フィルムA1を搬送して本発明に係る被定置対象部材としてのシート状電子基板Bの上面における所定部分に固定するための装置である。小片部材の移載定置装置10は、基台(図示せず)と、基板移動機構15と、フィルム移動機構20と、ヘッドユニット移動機構30(本発明に係る搬送手段)と、状態変更ユニット40とを備えている。
【0013】
基板移動機構15は、基台の上方でシート状電子基板BをX方向(図1に矢印Xで示した方向で左右方向)に移動させて予め設定された設置部に設置するための装置であり、フィルム移動機構20は、基台の上面に基板移動機構15と平行して配置されロール状フィルムAをX方向に間欠的に移動させて各部分を予め設定された設置部に設置するための装置である。また、ヘッドユニット移動機構30は、基台の上方に配置された一対のヘッドユニット31a,31bをそれぞれロール状フィルムAおよびシート状電子基板Bの上方でY方向(図1に矢印Yで示した方向で前後方向)およびZ方向(図1に矢印Zで示した方向で上下方向)に移動させるための装置である。
【0014】
そして、状態変更ユニット40は、フィルム移動機構20の所定の部分に設置され一対のヘッドユニット31a,31bによって搬送される小片状フィルムA1に対して後述する所定の処理を施すための装置であり、本発明に係る状態変更手段を構成する。基板移動機構15は、基台の上面に配置された一対のXレール16a,16bと、上面にシート状電子基板Bが設置される平面板状の移動テーブル17と、移動テーブル17の下面四隅に設けられ、それぞれXレール16a,16bに係合した状態で摺動することにより移動テーブル17をXレール16a,16bに沿って移動可能にする係合摺動部18a,18b(2個しか図示せず)とを備えている。
【0015】
また、図示していないが、基板移動機構15には搬送モータを備えた基板駆動装置が備わっており、移動テーブル17は、この基板駆動装置の駆動によりXレール16a,16bに沿って移動する。すなわち、Xレール16a,16bは、基台上で、移動テーブル17の前後方向の長さに合わせて前後方向に一定間隔を保って左右方向に延びており、基板駆動装置は搬送モータの作動により移動テーブル17を移動させて移動テーブル17の上面に設置されるシート状電子基板Bを順次設置部に搬送する。そして、設置部においてシート状電子基板Bへの小片状フィルムA1の装着が終了すると、そのシート状電子基板Bを下流側に搬送する。
【0016】
フィルム移動機構20は、基板移動機構15の後方に基板移動機構15と平行して配置されており、基台の上面に一定間隔を保って配置された一対のXレール21a,21bと、Xレール21a,21bに沿って移動可能な移動テーブルユニット22と、Xレール21a,21bの長手方向の両端側にそれぞれ配置されたロール状フィルム巻き出しユニットおよびロール状フィルム廃棄部巻き取りユニット(図示せず)とを備えている。移動テーブルユニット22は、平面視が長方形の底面部23の上面における幅方向(前後方向)の中央部に上方に突出する台状のフィルム支持部24を形成して本体部分が構成されている。そして、本体部分の左右両端にそれぞれ壁面状のロール状フィルム固定ユニット25,26が形成されている。
【0017】
ロール状フィルム固定ユニット25,26は、左右対称の構造をしており、底面部23の両端面からそれぞれ上方に延びる板状の壁面状固定部25a,26aと、壁面状固定部25a,26aの上面に対して進退するように上下移動する四角棒状の棒状移動部25b,26bとで構成されている。そして、壁面状固定部25a,26aの上面における幅方向の中央に、壁面状固定部25a,26aと棒状移動部25b,26bとの間に隙間を形成するフィルム挿通スリット25c,26cが設けられている。フィルム挿通スリット25c,26cは、幅がフィルム支持部24の幅と同じに設定され、下端部の高さがフィルム支持部24の上面の高さと同じに設定されている。
【0018】
そして、壁面状固定部25a,26aの上端両側部分の高さは、フィルム支持部24の上面の高さよりもやや高くなっており、両高さの差(フィルム挿通スリット25c,26cの高さ)は、ロール状フィルムAの厚みよりもやや短い長さになっている。また、フィルム支持部24およびフィルム挿通スリット25c,26cの幅は、ロール状フィルムAの幅よりもやや大きく設定されている。このため、ロール状フィルムAを、フィルム挿通スリット25cとフィルム挿通スリット26cとに挿通させた状態で、フィルム支持部24上に設置し、棒状移動部25b,26bをそれぞれ下方に移動させることにより、ロール状フィルムAにおける移動テーブルユニット22の両端に位置する部分をフィルム支持部24上に固定することができる。
【0019】
また、移動テーブルユニット22には、棒状移動部25b,26bを昇降させるための昇降装置(図示せず)が備わっており、この昇降装置の作動により、棒状移動部25bは壁面状固定部25aに対して、棒状移動部26bは壁面状固定部26aに対してそれぞれ進退する。そして、底面部23の下面四隅には、Xレール21a,21bに係合した状態で摺動することにより移動テーブルユニット22をXレール21a,21bに沿って移動可能にする係合摺動部27a,27b,27c(3個しか図示せず)が設けられている。また、図示していないが、移動テーブルユニット22には搬送モータを備えた駆動装置が備わっており、移動テーブルユニット22は、この駆動装置の搬送モータの駆動によりXレール21a,21bに沿って移動する。
【0020】
ロール状フィルム巻き出しユニットは、Xレール21a,21bの上流側(左側)に配置されており、処理前のロール状フィルムAの巻回部の中心を軸回り方向に回転可能に支持する支持軸部と、その支持軸部を回転駆動させる送出し駆動装置とを備えている。そして、送出し駆動装置の駆動により、ロール状フィルムAを間欠的に移動テーブルユニット22のフィルム支持部24の上面に送り出す。ロール状フィルム廃棄部巻き取りユニットは、Xレール21a,21bの下流側(右側)に配置されており、小片状フィルムA1が切断されて廃棄される処理後のロール状フィルム廃棄部A2を外周面に巻き取っていく巻き取り軸部と、その巻き取り軸部を回転駆動させる巻取り駆動装置とを備えている。そして、巻取り駆動装置の駆動により、巻き取り軸部がロール状フィルム廃棄部A2を順次巻き取っていく。
【0021】
ヘッドユニット移動機構30は、左右に設けられた一対の移動機構30a,30bで構成されており、それぞれ基台の前後両側に掛け渡された状態でXレール16a,16bおよびXレール21a,21bの上方に一定間隔を保って配置されている。移動機構30a,30bは、ともに基台の上面におけるXレール16a,16bとXレール21a,21bとの外側部分から上方に延びる脚部32a,32bと、脚部32a,32bの上端側部分に掛け渡されてXレール16a,16bとXレール21a,21bとの上方で一定間隔を保った状態で前後方向に延びる棒状の一対のYレール33a,33bとを備えている。
【0022】
そして、移動機構30aのYレール33a,33bに移動軸部34aを介してヘッドユニット31aが前後方向に移動可能な状態で取り付けられ、移動機構30bのYレール33a,33bに移動軸部34bを介してヘッドユニット31bが前後方向に移動可能な状態で取り付けられている。移動軸部34a,34bには、それぞれY軸モータ(図示せず)を備えたY軸駆動装置が設けられており、ヘッドユニット31aは移動軸部34aとともに、ヘッドユニット31bは移動軸部34bとともに、それぞれY軸駆動装置の駆動により個別に前後方向に移動する。
【0023】
また、ヘッドユニット31a,31bには、それぞれヘッドユニット31a,31bをZ軸方向(上下方向)に移動可能させるヘッドユニット昇降軸35a,35bを備えたZ軸駆動装置およびヘッドユニット31a,31bをR方向(図1に矢印Rで示した方向でZ軸周り方向)に回転させるR方向駆動装置も備わっている。このため、ヘッドユニット31a,31bは、Y軸駆動装置の駆動により前後方向に移動するとともに、Z軸駆動装置の駆動によりヘッドユニット昇降軸35a,35bに沿って上下方向に移動し、さらに、R方向駆動装置の駆動によりZ軸周りに回転する。
【0024】
また、ヘッドユニット31a,31bはそれぞれ4個の別体からなる金型36(図2(2個しか図示していない)参照)を備えており、各金型36は、昇降ガイド部36aを介してヘッドユニット31a,31bの本体に設けられた基台部36bの下面に対してそれぞれ個別に進退可能になっている。すなわち、昇降ガイド部36aには、それぞれ昇降駆動部(図示せず)が備わっており、各金型36は、それぞれの昇降駆動部の駆動により基台部36bに対して昇降する。また、各金型36の下面には、図2および図3に示したように、本発明に係る切断手段としての4つの金型切刃37が取り付けられており、各金型36の内部には、本発明に係る保持手段としての吸引用ポート38および本発明に係る固定手段としての固定用ヒータ39が備わっている。
【0025】
金型切刃37は、トムソン型の切断刃で構成されており、各金型切刃37はそれぞれ小片状フィルムA1の外周部と同形のL形の枠状に形成されている。また、吸引用ポート38は、管状体で構成されており、上端部は吸引装置(図示せず)に接続されている。吸引用ポート38は、吸引装置の作動により、図2に示したように、金型切刃37によってロール状フィルムAから切断された小片状フィルムA1を金型切刃37の内部に保持し、吸引装置の作動が停止することにより小片状フィルムA1を解放する。固定用ヒータ39は、通電により発熱する棒状のヒータで構成されており、ヒータ昇降装置(図示せず)の作動により、金型36内で上下移動し、最下部に位置したときには下端部が金型36の下面から下方に突出する。
【0026】
このため、ヘッドユニット31a,31bは、基板移動機構15によって搬送されるシート状電子基板Bおよびフィルム移動機構20によって搬送されるロール状フィルムAの上方でシート状電子基板Bおよびロール状フィルムAに対して相対的にどの方向にも移動でき、各金型36は、それぞれ個別にヘッドユニット31a,31bの本体に対して昇降できる。また、吸引用ポート38は、吸引装置の作動によって生じる吸引力で小片状フィルムA1を吸着してピックアップし、ヘッドユニット31a,31bの移動によってシート状電子基板Bの上方に移動したのちに吸引装置による吸引が解除されることにより小片状フィルムA1解放する。さらに、固定用ヒータ39は、金型36に対して昇降でき、通電により小片状フィルムA1を加熱できる。
【0027】
また、ヘッドユニット31a,31bには、シート状電子基板Bの上面の状態を検出する基板用状態検出ユニット29が備わっている。基板用状態検出ユニット29は、例えば、CCDカメラからなる基板認識カメラで構成することができ、ヘッドユニット31a,31bの側面に固定され、ヘッドユニット31a,31bとともに移動する。この基板用状態検出ユニット29は、シート状電子基板Bの設置位置の確認や、シート状電子基板Bの上面おける小片状フィルムA1を固定する部分、例えば、導体パターンの位置の確認のためなどに用いられる。
【0028】
状態変更ユニット40は、移動テーブルユニット22の底面部23における基板移動機構15側部分の長手方向の略中央上面に設置されて移動テーブルユニット22とともに移動することができ、状態変更部41と、状態検出部42とを備えている。状態変更部41は、例えば、吸引用ポート38に吸着され、ヘッドユニット31a,31bによって搬送される小片状フィルムA1の一部に剥離用の小フィルムを貼り付ける場合に用いられる剥離用フィルム貼り付け装置で構成することができる。この剥離用フィルム貼り付け装置は、上下に延びる筒状の供給部の下方から上面に向かって順次小フィルムを送り出す機構を備えている。状態検出部42は、例えば、CCDカメラからなる小片状フィルム認識カメラで構成することができ、吸引用ポート38に吸着された小片状フィルムA1の状態の確認のためなどに用いられる。
【0029】
小片部材の移載定置装置10には、前述した装置の他、CPU、ROMやRAMからなる記憶装置、画像処理装置、入力装置およびセンサ等からなる各種の検出装置等、小片部材の移載定置装置10を作動するために必要な各種の装置が備わっている。記憶装置には、小片部材の移載定置装置10が備える各装置を作動させるための各種のプログラムや、シート状電子基板B、ロール状フィルムAおよび小片状フィルムA1の位置や形状に関するデータ等の各種のデータが記憶されている。
【0030】
画像処理装置は、基板用状態検出ユニット29および状態検出部42に接続されており、基板用状態検出ユニット29および状態検出部42の撮影画像を画像処理して、画像データとして記憶装置に記憶させる。入力装置は、記憶装置に記憶されたプログラムを選択するための入力や、各種のデータ等の入力に用いられる。また、検出装置は、搬送モータ等の各種のモータの回転数を検出して、移動テーブル17および移動テーブルユニット22の位置や、ヘッドユニット31a,31bのX、Y、Z、R方向の位置を認識する。そして、CPUは、記憶装置が記憶するプログラムや各種のデータ、入力装置の入力データおよび検出装置の検出値等に基づいて、小片部材の移載定置装置10が備える各装置を作動させる。
【0031】
このように構成された小片部材の移載定置装置10を用いて、シート状電子基板Bの表面に小片状フィルムA1を固定する場合の処理は、CPUが、前述した各種のプログラムを実行することによって行われる。この場合、まず、シート状電子基板Bが設置された移動テーブル17をヘッドユニット31a,31bの移動範囲の下方に搬送するとともに、移動テーブルユニット22をヘッドユニット31a,31bの移動範囲の下方に搬送する。ついで、ロール状フィルムAの所定部分(小片状フィルムA1を切断する部分)を移動テーブルユニット22のフィルム支持部24の上面に繰り出す。
【0032】
そして、ロール状フィルム固定ユニット25,26でロール状フィルムAにおけるフィルム支持部24の上面両端に位置する部分を固定したのちに、図4に示したように、ヘッドユニット31a,31bの一方(以下、ヘッドユニット31aとして説明する。)をロール状フィルムAにおける小片状フィルムA1を切断する部分の上方に位置させる。つぎに、吸引装置を作動させてロール状フィルムAの上面の空気を吸引用ポート38で吸引しながら図5(a)に示したようにヘッドユニット31aを下降させる。図5(b)は、ロール状フィルムAを上方から見た状態を示している。
【0033】
ついで、図6(a)に示したように、金型36の一方を基台部36bや他の金型36に対して下降させて、金型切刃37でロール状フィルムAを切断する。ここでは、説明の便宜上、金型36は2個とする。また、以下、一方の金型36を金型36A、他方の金型36を金型36Bとして説明する。図6(b)は、ロール状フィルムAにおける切断対象部分である小片状フィルムA1を示している。つぎに、図7(a)に示したように、金型36Aを上昇させ、金型36Bを下降させる。これによって、切断された小片状フィルムA1は吸引用ポート38に吸引されて金型36Aの金型切刃37の内部に保持された状態で、金型36Aとともに上昇し、金型36Bの金型切刃37はロール状フィルムAの他の部分から小片状フィルムA1を切断する。
【0034】
また、図7(b)に示したように、ロール状フィルムAには、小片状フィルムA1が切断され取出されたのちの孔A3と小片状フィルムA1の切断線とが形成される。そして、図8(a)に示したように、金型36Bを上昇させることによって、切断されたもう一方の小片状フィルムA1は吸引用ポート38に吸引されて金型36Bの金型切刃37の内部に保持された状態で、金型36Bとともに上昇する。これによって、図8(b)に示したように、ロール状フィルムAには、小片状フィルムA1が切断され取出されたのちの二つの孔A3が形成される。
【0035】
つぎに、ヘッドユニット31aは、2個の小片状フィルムA1を保持したまま、状態変更ユニット40の上方に移動したのちに下降して、状態変更部41の上面に供給された剥離用の小フィルム(図示せず)に小片状フィルムA1を接触させることにより、小片状フィルムA1に剥離用の小フィルムを貼り付ける。そして、状態検出部42で、吸引用ポート38に吸着された小片状フィルムA1の状態を確認する。ついで、ヘッドユニット31aは、図9(a)に示したように、シート状電子基板Bの上方に移動する。図9(b)は、シート状電子基板Bの上面の状態を示している。
【0036】
つぎに、R方向駆動装置を駆動させることによってヘッドユニット31aを回転させ、金型36Aが保持する小片状フィルムA1の向きを、シート状電子基板Bにおける小片状フィルムA1を固定する部分の向きに合わせる。シート状電子基板Bにおける小片状フィルムA1を固定する部分は、例えば、電極パターンの上面であり、表面に小片状フィルムA1を固定することによって、この電極パターンを保護する。また、シート状電子基板Bにおける小片状フィルムA1を固定する部分は、予め、基板用状態検出ユニット29によって撮像され、画像データとして記憶装置に記憶されており、この画像データと金型36Aの回転方向の位置とを比較しながら、R方向駆動装置が駆動する。
【0037】
つぎに、図10(a)に示したように、金型36Aが下降して、小片状フィルムA1をシート状電子基板Bの電極パターンに重ねる。このとき、固定用ヒータ39が下降して、小片状フィルムA1の所定部分を押圧しながら加熱することにより、小片状フィルムA1をシート状電子基板Bに固定する。この場合、小片状フィルムA1の複数個所、例えば、図10(b)に示したように、2か所の熱圧着点B1で小片状フィルムA1を固定することが好ましい。ついで、図11に示したように、小片状フィルムA1をシート状電子基板B上に残したまま固定用ヒータ39を上昇させるとともに、金型36Aを上昇させる。
【0038】
つぎに、R方向駆動装置を駆動させることによってヘッドユニット31aを回転させ、金型36Bが保持する小片状フィルムA1の向きを、シート状電子基板Bにおける次の小片状フィルムA1を固定する部分の向きに合わせる。そして、図12(a)に示したように、金型36Bが下降して、小片状フィルムA1をシート状電子基板Bの電極パターンに重ねる。このとき、固定用ヒータ39が下降して、小片状フィルムA1の所定部分を押圧しながら加熱することにより、小片状フィルムA1をシート状電子基板Bに固定する。
【0039】
これによって、図12(b)に示したように、2個の小片状フィルムA1がそれぞれ2か所の熱圧着点B1でシート状電子基板Bに固定される。そして、図13に示したように、金型36Bを上昇させる。このとき、吸引装置の作動を停止する。この操作を繰り返すことにより、シート状電子基板Bに全ての小片状フィルムA1が固定される。そして、シート状電子基板Bへの小片状フィルムA1の固定が終了すると、新たなシート状電子基板Bを移動テーブル17に設置するとともに、ロール状フィルムAの次の部分を移動テーブルユニット22のフィルム支持部24の上面に繰り出し、前述した処理が繰り返される。
【0040】
なお、図10に示した処理を行う際に、この処理に代えて図14に示した処理を行うこともできる。すなわち、図10に示した処理では、金型36Aだけを下降させるとともに、金型36Aの固定用ヒータ39を下降させて、小片状フィルムA1をシート状電子基板Bに固定しているが、ヘッドユニット31a全体をシート状電子基板Bの上面まで下降させて、金型36Aの固定用ヒータ39を下降させてもよい。同様に、図12に示した処理を行う際に、この処理に代えて図15に示した処理を行うこともできる。
【0041】
すなわち、図12に示した処理では、金型36Bだけを下降させるとともに、金型36Bの固定用ヒータ39を下降させて、小片状フィルムA1をシート状電子基板Bに固定しているが、ヘッドユニット31a全体をシート状電子基板Bの上面まで下降させて、金型36Bの固定用ヒータ39を下降させてもよい。また、双方の金型36A,36Bで同時にロール状フィルムAから2個の小片状フィルムA1を切断したり、双方の金型36A,36Bで同時に2個の小片状フィルムA1をシート状電子基板Bに固定したりすることもできる。
【0042】
このように、本実施形態に係る小片部材の移載定置装置10では、ヘッドユニット31aに、金型切刃37、吸引用ポート38および固定用ヒータ39を一体的に設けている。そして、このヘッドユニット31aが、ロール状フィルムAおよびシート状電子基板Bに対して相対的に移動可能になっている。したがって、小片部材の移載定置装置10を小型化できるとともに、ヘッドユニット31aの一連の移動の中で、ロール状フィルムAからの小片状フィルムA1の切断、切断された小片状フィルムA1の保持、小片状フィルムA1の搬送、小片状フィルムA1への小フィルムの貼り付け、小片状フィルムA1の保持状態の確認および小片状フィルムA1のシート状電子基板Bへの固定のすべての処理を行うことができる。この結果、高速処理が可能になる。
【0043】
また、金型切刃37によるロール状フィルムAからの小片状フィルムA1の切断と、吸引用ポート38による小片状フィルムA1の吸引とを同時に行うため、さらに、処理時間の短縮が可能になる。さらに、ロール状フィルムAとシート状電子基板Bとの間に、状態変更部と、状態検出部42とを備えた状態変更ユニット40を設けているため、吸引用ポート38に吸着された小片状フィルムA1に剥離用の小フィルムを貼り付けて、小フィルムが貼り付けられた小片状フィルムA1をシート状電子基板Bに搬送することができる。この結果、後工程での小片状フィルムA1またはその一部のシート状電子基板Bからの剥離がスムーズに行える。
【0044】
また、ヘッドユニット31aが、個別に上下移動が可能になった4個の金型36を備えており、各金型36に、それぞれ金型切刃37、吸引用ポート38および固定用ヒータ39が設けられている。これによると、ロール状フィルムAから複数の小片状フィルムA1を切断する際に、各金型36の回転方向の角度を調節しながら順番に各小片状フィルムA1を切断できるとともに、各小片状フィルムA1を固定する際に、各金型36の回転方向の角度を調節しながら順番に各小片状フィルムA1をシート状電子基板Bに固定できる。この結果、ロール状フィルムAの無駄(ロール状フィルム廃棄部A2)を少なくすることができるとともに、シート状電子基板Bにおける小片状フィルムA1を固定する部分の配置が複雑な場合であっても容易に対応できる。
【0045】
(第2実施形態)
図16は、本発明の第2実施形態に係る小片部材の移載定置装置が備えるヘッドユニット51を示している。このヘッドユニット51では、固定手段として、前述した固定用ヒータ39に代えて超音波発振器59が設けられている。この超音波発振器59は、シート状電子基板Bに対して小片状フィルムA1を押圧しながら超音波を発振することにより、シート状電子基板Bに小片状フィルムA1を固定するものである。このヘッドユニット51を備えた小片部材の移載定置装置のそれ以外の部分の構成については、前述した小片部材の移載定置装置10と同一である。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。また、ヘッドユニット51を備えた小片部材の移載定置装置の作用効果についても、前述した小片部材の移載定置装置10の作用効果と同様である。
【0046】
(第3実施形態)
図17は、本発明の第3実施形態に係る小片部材の移載定置装置が備えるヘッドユニット61を示している。このヘッドユニット61では、保持手段として、第1実施形態における吸引用ポート38に代えて金型66の下面に取り付けられた粘着保持部材68が用いられている。この粘着保持部材68は金型66の下面における固定用ヒータ69が進退する開口を除いた部分に設けられており、この粘着保持部材68の下面は粘着性を有する面で構成されている。このため、金型66を下降させて粘着保持部材68で小片状フィルムA1を押圧することにより、小片状フィルムA1は粘着保持部材68に粘着して保持される。
【0047】
このヘッドユニット61を備えた小片部材の移載定置装置のそれ以外の部分の構成については、前述した小片部材の移載定置装置10と同一である。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。このヘッドユニット61を備えた小片部材の移載定置装置によると、保持手段の構造が簡単になり、小片部材の移載定置装置の低コスト化も図れる。このヘッドユニット61を備えた小片部材の移載定置装置のそれ以外の作用効果については、前述した小片部材の移載定置装置10の作用効果と同様である。
【0048】
(第4実施形態)
図18は、本発明の第4実施形態に係る小片部材の移載定置装置が備えるヘッドユニット71を示している。このヘッドユニット71では、固定手段として、第3実施形態における固定用ヒータ69に代えて超音波発振器79が設けられている。このヘッドユニット71を備えた小片部材の移載定置装置のそれ以外の部分の構成については、前述したヘッドユニット61を備えた小片部材の移載定置装置と同一である。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。また、ヘッドユニット71を備えた小片部材の移載定置装置の作用効果についても、前述したヘッドユニット61を備えた小片部材の移載定置装置の作用効果と同様である。
【0049】
(第5実施形態)
図19(a)は、本発明の第5実施形態に係る小片部材の移載定置装置が備えるヘッドユニット81を示している。このヘッドユニット81では、保持手段として、第3実施形態における粘着保持部材68に代えて金型切刃87の内周面に形成された鋸刃状保持部88(図19(b)参照)が用いられている。この鋸刃状保持部88は金型切刃87の内周面に上下に設けられた複数の凹部と凸部とからなる凹凸面で構成されている。このため、金型86を下降させて金型切刃87でロール状フィルムAから小片状フィルムA1を切断すると、小片状フィルムA1の外周部が鋸刃状保持部88の凹部に係合して小片状フィルムA1は金型切刃87に保持される。
【0050】
このヘッドユニット81を備えた小片部材の移載定置装置のそれ以外の部分の構成については、前述した第3実施形態に係る小片部材の移載定置装置と同一である。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。このヘッドユニット81を備えた小片部材の移載定置装置によると、保持手段の構造がさらに簡単になるとともに、小片部材の移載定置装置の低コスト化が図れる。このヘッドユニット81を備えた小片部材の移載定置装置のそれ以外の作用効果については、前述した第3実施形態に係る小片部材の移載定置装置の作用効果と同様である。
【0051】
(第6実施形態)
図20は、本発明の第6実施形態に係る小片部材の移載定置装置が備えるヘッドユニット91を示している。このヘッドユニット91では、固定手段として、第5実施形態における固定用ヒータ69に代えて超音波発振器99が設けられている。このヘッドユニット91を備えた小片部材の移載定置装置のそれ以外の部分の構成については、前述した第5実施形態におけるヘッドユニット81を備えた小片部材の移載定置装置と同一である。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。また、ヘッドユニット91を備えた小片部材の移載定置装置の作用効果についても、前述したヘッドユニット81を備えた小片部材の移載定置装置の作用効果と同様である。
【0052】
また、本発明に係る小片部材の移載定置装置は、前述した各実施形態に限定するものでなく、適宜変更して実施することができる。例えば、前述した実施形態では、状態変更手段としての状態変更部41を、小片状フィルムA1に剥離用の小フィルムを貼り付ける場合に用いられる剥離用フィルム貼り付け装置で構成しているが、この状態変更手段としては、小片状フィルムA1に他の部材、液体または気体を付加する付加装置、小片状フィルムから不要部、液体、気体または静電気材の除去を行う除去装置、小片状フィルムの姿勢を修正する姿勢修正装置等で構成することができる。
【0053】
状態変更部41が小フィルム以外の部材を付加する付加装置である場合には、剥離用フィルム貼り付け装置と同様の装置を用いることができる。状態変更部41が液体や気体を付加する付加装置である場合には、小片状フィルムA1をシート状電子基板Bに貼り合わせるときの濡れ性を向上させて小片状フィルムA1のシート状電子基板Bへの適正な固定ができるようにすることができる。また、状態変更部41が不要部を除去する除去装置である場合には、小片状フィルムA1の外周部に発生したバリや小片状フィルムA1に付着した異物等を除去することができる。この場合、状態変更部41としては、超音波を用いた異物除去装置を用いることができる。
【0054】
さらに、状態変更部41が液体、気体または静電気材を除去する除去装置である場合には、小片状フィルムA1に付着する余分な液体や小片状フィルムに含まれる気体や静電気を除去することにより、小片状フィルムA1のシート状電子基板Bへの適正な貼り合せを可能にすることができる。また、状態変更部41が小片状フィルムA1の姿勢を修正する姿勢修正装置である場合には、吸引用ポート38に保持された小片状フィルムA1の姿勢を適正な状態に修正することができる。この場合、状態変更部41を棒状の押圧部等で構成することができる。さらに、前述した各実施形態では、基板用状態検出ユニット29および状態検出部42をCCDカメラで構成しているが、これに代えてレーザセンサ等の検出装置を用いてもよい。
【0055】
また、ロール状フィルムAおよびシート状電子基板Bを構成する材料としては、固定用ヒータ39,69や超音波発振器59等で接合(固定)が可能な樹脂材料を用いることが好ましいが、固定方法として他の方法を用いる場合には、樹脂材料以外の材料を用いることができる。例えば、ロール状フィルムAとシート状電子基板Bとを接着により固定する場合には、ロール状フィルムAおよびシート状電子基板Bを構成する材料は、特に限定されない。この場合、固定手段としては棒状の押圧部等を用いる。
【0056】
さらに、第5実施形態および第6実施形態では、保持部を金型切刃87の内周面に形成された鋸刃状保持部88で構成し、この鋸刃状保持部88の凹部に小片状フィルムA1の外周部を係合させることにより小片状フィルムA1を保持しているが、この係合に代えて金型切刃87の内周面に発生する摩擦の保持力により小片状フィルムA1を保持することもできる。この場合、鋸刃状保持部88は不要になるか、または、鋸刃状ではなく緩やかな凹凸面で構成することができる。また、本発明に係る小片部材の移載定置装置を構成するそれ以外の各部分の構成についても、適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0057】
10…小片部材の移載定置装置、30…ヘッドユニット移動機構、31a,31b,51,61,71,81,91…ヘッドユニット、33a,33b…Yレール、34a,34b…移動軸部、35a,35b…ヘッドユニット昇降軸、37,87…金型切刃、38…吸引用ポート、39,69…固定用ヒータ、40…状態変更ユニット、59,79,99…超音波発振器、68…粘着保持部材、88…鋸刃状保持部、A…ロール状フィルム、A1…小片状フィルム、B…シート状電子基板。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0058】
【特許文献1】特許第4097679号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム状またはシート状の定置対象部材から小片部材を切断する切断手段と、
前記小片部材を被定置対象部材が設置されている位置に搬送する搬送手段と、
前記小片部材を前記被定置対象部材に固定する固定手段と
を備えた小片部材の移載定置装置であって、
前記搬送手段が、前記小片部材を保持する保持手段を備えており、前記切断手段および前記固定手段を前記保持手段と一体にしたことを特徴とする小片部材の移載定置装置。
【請求項2】
前記切断手段が前記定置対象部材から小片部材を切断すると同時に、前記保持手段が前記小片部材を保持するようにした請求項1に記載の小片部材の移載定置装置。
【請求項3】
前記搬送手段によって搬送される小片部材に対して、付加部材の追加または不要部材の除去を行うか、もしくは前記小片部材の状態を変化させる状態変更手段を設けた請求項1または2に記載の小片部材の移載定置装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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