説明

小物入れ容器

【目的】種々の小物を収容する球形または略球形を基本形状とした小物入れに関して、適宜な錘材を利用して安定性を向上すると共に独特な動きも実現して従来にない趣味性を満足する新製品を提供する。
【構成】少なくとも下部容器1bが半球形状である上下に2分割された球形または略球形の容器1であって、下部容器1bの底部に錘取付け部が形成されており、取付けられた錘2の重量によって球形または略球形の容器1全体が外部からの力によっては容易に転がらず、ゆらゆら揺れ動くように配慮されている小物入れ容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の小物を収容する球形または略球形を基本形状とした小物入れに関して、適宜な錘材を利用して安定性を向上すると共に独特な動きも実現して従来にない趣味性を満足する新製品を提供しようとするものである。
【背景技術】
【0002】
お菓子や小型のキャラクター人形その他の各種小物類を収容するためのケース類は様々な形状や形式のものが広く提案されている。
【0003】
キャラクター人形その他の趣味的な小物品を収容して少額コインにより販売する専用の自動販売機(所謂「ガチャポン」)により販売するためのプラスチック製球形状容器も主に使い捨ての容器として広く普及している。
また、単に球形の容器ということでは以下のようなものが存在している。
【特許文献1】実用新案登録第3068417号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来一般の小物用容器においては、その底面部を平坦状とすることで安定に置かれるように配慮されているが、それゆえに容器自体が何らかの動作を行って興味を惹かれるというようなものではない。また、底面が曲面状となっている球形容器などにおいてはコロコロと転がってしまって平坦面上に安定的に載せておくことが困難である。
【0005】
さらに所謂「ガチャポン」用の容器に関しては、これを小物入れなどに転用することはなく、そのまま廃棄されるなどしてゴミ問題を生じており、リサイクルその他によって問題の解消を図ることが必要となってきている。
実用新案登録代3068417号のものは、上部を装飾品を入れて密封状態として用いるので小物入れとしての利用性が低いものとなっており、外観をキャラクター模様などでペイントして装飾することも困難である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記したような従来技術における課題を解消すべく研究を重ねて提案されたものであり、上下に2分割される球形状容器の底部分に適切な重さの錘を仕込むことで重心を低くして転がり難くすると共にゆらゆらとしたユニークな動作をする小物入れ容器を提案するものであって、具体的には以下のごとくである。
【0007】
(1) 少なくとも下部容器が半球形状である上下に2分割された球形または略球形の容器であって、下部容器の底部に錘取付け部が形成されており、取付けられた錘の重量によって球形または略球形の容器全体が外部からの力によっては容易に転がらず、ゆらゆら揺れ動くように配慮されていることを特徴とする小物入れ容器。
【0008】
(2) 球形または略球形の容器の外面にキャラクターの顔や胴体、手足を記載して1つのキャラクター形状容器となるようにしたことを特徴とする前記(1)項に記載の小物入れ容器。
【0009】
(3) 錘が磁石であることにより鉄板上などにおいて磁力による付着が可能であることを特徴とする前記(1)項または(2)項に記載の小物入れ容器。
【0010】
(4) 小物入れ容器内に同様な形状の小型サイズの小物入れが多層的に収容されていることを特徴とする前記(1)項〜(3)項の何れか1つに記載の小物入れ容器。
【0011】
(5) 容器に収容した物品を外部から観察できるように少なくとも容器の一部分が透明素材によって形成されていることを特徴とする前記(1)項〜(4)項の何れか1つに記載の小物入れ容器。
【0012】
(6) 小物入れ容器に収容した物品をディスプレイするためのスタンド部材と組合わせていることを特徴とする前記(1)項〜(5)項の何れか1つに記載の小物入れ容器。
【発明の効果】
【0013】
少なくとも下部容器が半球形状である上下に2分割された球形または略球形の容器であって、下部容器の底部に錘取付け部が形成されており、取付けられた錘の重量によって球形または略球形の容器全体が外部からの力によっては容易に転がらず、ゆらゆら揺れ動くように配慮されていることで、平坦面上での安定した設置が困難な球形状の小物入れでありながら、実用に耐える使用ができるものとなし得る。
【0014】
球形または略球形の容器の外面にキャラクターの顔や胴体、手足を記載して1つのキャラクター形状容器となるようにしたことで、さまざまなキャラクターデザインを容器の外観表面に利用しながら、その形状や動きの面白さをキャラクターデザインに活かした小物入れを実現することができるようになる。
【0015】
錘が磁石であることにより鉄板上などにおいて磁力による付着が可能であることで、磁力を利用した固定ができる場所ではよりしっかりとした固定関係が形成できるようになり、また、磁力を利用したさまざまな遊びが本発明容器を介して行うことができるようになる。
【0016】
小物入れ容器内に同様な形状の小型サイズの小物入れが多層的に収容されていることで、いろいろなサイズの小物入れ容器を一まとめのセットとすることができ、様々な用途に応じた使用が可能となると共に各容器の外観のキャラクターデザインなどを統一したり関連付けしたものとすることで、趣味性や娯楽性に優れた商品展開を図ることが可能となる。
【0017】
容器に収容した物品を外部から観察できるように少なくとも容器の一部分が透明素材によって形成されていることで、本発明の小物入れ容器内に収容した各種物品のディスプレイ用具として利用することができる容器となし得る。
【0018】
小物入れ容器に収容した物品をディスプレイするためのスタンド部材と組合わせていることで、通常の小物入れ容器と同様の安定した状態で平坦面上などに置いて使用できるようになり、収容した各種小物類のディスプレイ部材として優れたものとなし得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
上記してきたような本発明の具体的な実施態様の若干例を添付する図面を利用しながら説明する。
すなわち、図1は本発明の小物入れ容器1の外観形状と内部構造とを示したものである。ここでの小物入れ容器1は上下2個に分割して使用するものであり、その外観形状は図示のように略真球状のものとなっている。
【0020】
小物入れ容器1の素材はプラスチック樹脂性であり、十分な強度を持ちながら軽量性も兼ね備え、しかも外観表面を滑らかに仕上げて適宜なペイント等による装飾を施すにも優れたものとなっている。
【0021】
小物入れ容器1のサイズは適宜に選択することが可能であるが、球形状の直径を75mm前後のものとすれば、現在「ガチャポン」と言われて普及しているタイプのコイン式自動販売機において用いる各種商品用容器と兼用するものとして使用可能である。
【0022】
小物入れ容器1の上部1aと下部1bとは両者を組合わせて球形の外観形状を構成させるものであるが、その組合わせ手法は多様に採用することができる。すなわち、図示するように印籠式に嵌め込みするもの、ねじ式にひねり込むもの、ヒンジ式に開閉可能とするものなどである。
【0023】
また、錘部分2は下部容器1bの下部に形成されるもので、錘2の素材としてはプラスチック樹脂よりも遥かに比重のある金属を採用すればよい。また、小物入れ容器1に各種小物を収容する際の邪魔にならないように錘2を取り付けた場合でも下部容器1bの底部は平坦状になるようにしておくべきである。
【0024】
錘2の重さは小物入れ容器1のある程度の小物類を入れても球形の小物入れ容器1が容易に転がることがないように十分に重心が低くなるべく調整されるべきであるが、いたずらに容器1全体の重量を増加させることはないように配慮すべきである。
【0025】
また、下部容器1bの外観状は全体がプラスチック樹脂で構成されているように見せるために錘2の外側を同様のプラスチック樹脂素材などで覆うようにすべきである。
【0026】
このような本発明の小物入れ容器1は、お菓子やキャラクター玩具その他の各種小物類を収容するケースとして利用できることはもちろん、球形の容器1そのものが重心の偏ったものであることから転がしたり投げたりすると意外性のある動きを示して玩具的に遊ぶ対象とすることができる。
【0027】
また、球形を基本形状とする小物入れ容器1であるにもかかわらず、錘2によってその重心を低いものとされていることから容易に転がることがないものとなっており、下部容器1bのみあるいは上部容器1aを透明プラスチック素材などで形成することによって、各種の小物品をディスプレイする器具としても利用できる。この際にも外部からわずかな力を加えることで容器1がゆらゆらと不安定に動くことになり、見る者の興味を一層惹くことができる。
【0028】
また、所謂ガチャポン(カプセルトイ)類の容器として採用することもできるが、この場合には容器自体に付加価値があることになるので、使い捨てされることがなく環境に優しい商品展開となる。
【0029】
さらに、容器1の外観に各種キャラクター表情等をプリントして装飾する場合でも、図2にその若干例を示すように、基本形状の球形はあらゆるキャラクターをデフォルメして表現させるに相応しい外観形状となっているので、幅広い商品展開が可能となるものである。
【0030】
このように各種キャラクター形状を表面にプリントすると、下部容器1bに取付けた錘2のおかげで本発明の小物入れ容器1は外部から力を加えても容易に転がることなくその場でゆらゆらと起上がり小法師のようにユーモラスな動きをすることになるので、そのまま置物的に使用することも可能である。
【0031】
また、基本形状を球形としながらキャラクターの手足などの突部を設け、場合によっては若干の可動部分などを設けることにより娯楽性を増すこともできる。
【0032】
さらに、錘2として用いる金属部材に磁石を採用すると鉄板上などにおいて磁力をも加味した載置状態が実現し、複数の本発明の小物入れ容器1、1を用いると内蔵された磁石同士による引力や斥力を使った面白い遊びを各種実現するなど娯楽性に幅を持たせることが可能となるものである。
【0033】
さらにまた、同型の本発明による小物入れ容器1でありながらそのサイズが異なる大小2種や大中小3種などの各容器1をセットとし、大きなサイズの容器1に順次小さなサイズの容器1を入れていくように組合わせることも可能で、容器1の中に容器1があり、さらにその中にも容器1があるなどというように意外性のある面白い商品展開を図ることま可能となる。
【0034】
また、本発明の小物入れ容器1を上記したやうにディスプレイ部材としても用いようとする際には、場合によってはゆらゆらとした動きが相応しくないことも考えられるので、下部容器1bの底部分に取付けて安定した設置状態を実現するための各種スタンド部材を組合わせるようにすることも望ましい。
【0035】
上記してきた本発明の小物入れ容器1はその基本素材が軽量のプラスチック素材であり、重心を下げるために下部容器1bの底に配設する錘2の重量も容器全体が重く感じられることがないように調整されているので、それなりの力を加えてやれば転がすことが可能である。しかし錘2によって重心が偏っているので平坦面などを転がす場合であってもその転がり速度や方向に一見して不自然な変化を生じることになり、このような意外性を楽しむことも可能である。このような意外性のある動作は基本形状を球形とする本発明の小物入れ容器1をボールに見立ててキャッチボールのようにして遊ぶ場合にも実現されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0036】
以上のような次第であって、上記してきたような本発明の小物入れ容器は基本形状を球形とする2分割容器に錘を内蔵して偏心させることで不安定な底部形状でありながら転がり難くなり各種小物入れ容器として使用するに足るものとなし得ることになる。
【0037】
さらに起き上がり小法師的なユーモラスな動きを実現し、外観にキャラクター形状等を応用することでそれ自体としての装飾性を持たせたり、玩具的な面白さを付加することも可能である。
【0038】
したがって、従来にない新規な小物入れ容器として魅力ある商品展開を図ることが可能であり、市場に新たな需要を喚起するものとして産業上の利用可能性において優れた発明であると理解される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明による小物入れ容器の基本的な構造の1例を断面図的に示した説明図面である。
【図2】外観形状に各種キャラクター表現を用いる場合の若干例を示した説明図面である。
【符号の説明】
【0040】
1 本発明の小物入れ容器
1a 上部小物入れ容器
1b 下部小物入れ容器
2 錘

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも下部容器が半球形状である上下に2分割された球形または略球形の容器であって、下部容器の底部に錘取付け部が形成されており、取付けられた錘の重量によって球形または略球形の容器全体が外部からの力によっては容易に転がらず、ゆらゆら揺れ動くように配慮されていることを特徴とする小物入れ容器。
【請求項2】
球形または略球形の容器の外面にキャラクターの顔や胴体、手足を記載して1つのキャラクター形状容器となるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の小物入れ容器。
【請求項3】
錘が磁石であることにより鉄板上などにおいて磁力による付着が可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の小物入れ容器。
【請求項4】
小物入れ容器内に同様な形状の小型サイズの小物入れが多層的に収容されていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の小物入れ容器。
【請求項5】
容器に収容した物品を外部から観察できるように少なくとも容器の一部分が透明素材によって形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1つに記載の小物入れ容器。
【請求項6】
小物入れ容器に収容した物品をディスプレイするためのスタンド部材と組合わせていることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1つに記載の小物入れ容器。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2006−137461(P2006−137461A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−328721(P2004−328721)
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【出願人】(591049527)株式会社サカモト (29)
【Fターム(参考)】