小物整理箱
【課題】製作が容易で安価であり廃棄する際にも問題を生じない小物整理箱を提供する。
【解決手段】長方形状の片面段ボールを中芯側を内側にして波形頂部の延びる方向と直交する折り目線にて直角に折り曲げてコ状溝形に、その両側面をそれぞれ外側に二つ折りして重ね合わせて接着剤で接着する。コ状溝形の両端部に位置する中芯の波形底部で形成されるコ状溝にその溝に嵌まる形状の端面板12を嵌め込み、端面板とコ状溝との接触部を接着剤で接着してトレー状箱を形成する。トレー状箱の内側には中芯の波形により形成される任意位置のコ状溝にその溝に嵌まる形状の仕切り片11を1乃至複数個嵌め込んで内部を区分する。
【解決手段】長方形状の片面段ボールを中芯側を内側にして波形頂部の延びる方向と直交する折り目線にて直角に折り曲げてコ状溝形に、その両側面をそれぞれ外側に二つ折りして重ね合わせて接着剤で接着する。コ状溝形の両端部に位置する中芯の波形底部で形成されるコ状溝にその溝に嵌まる形状の端面板12を嵌め込み、端面板とコ状溝との接触部を接着剤で接着してトレー状箱を形成する。トレー状箱の内側には中芯の波形により形成される任意位置のコ状溝にその溝に嵌まる形状の仕切り片11を1乃至複数個嵌め込んで内部を区分する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、事務机の引出し内等に収納して小物類を整理するのに好適な小物整理箱であって、材料に片面ダンボールを巧みに利用した小物整理箱に関する。
【背景技術】
【0002】
事務用机の机面板の下側には多くの場合、底が浅くて面積の広い引出しが取り付けられている。また、袖部に多段式引出しが装備されている場合も、最上段の引出しは深さが浅く作られている場合が多い。この浅い引出しは筆記具、消しゴム等の小物類の収納に利用されるが、小物類は種類が多いため引出し内に整然と整理するには困難が伴う。
【0003】
こうしたことから引出し内に入れて小物類を整理するための小物整理箱が提案されている。例えば特許文献1には、上面を開口した整理箱本体と断面T字状の仕切り板とからなる小物整理箱が開示されている。この小物整理箱の箱本体の底板面には摺動溝が形成してあり、仕切り板本体の下端部に形成した底板を摺動させて整理箱の内部を無段階に仕切れる構成にしてある。しかし、この小物整理箱の場合、硬質の合成樹脂等で製作されるため高価であり、耐用年数が経過して廃棄する際にも問題を生ずる。
【0004】
より安価で廃棄の際に問題を生じない小物整理箱として図12に示すような引出し整理箱40が市販されている。この整理箱40は厚紙を折り曲げて製作したトレー状長方形箱41の内面に片面段ボールをコ状に折り曲げて貼り付けたものである。片面段ボールの波形状中芯を仕切板42の取付け溝として利用することができ、任意位置の溝に厚紙製仕切板42を嵌め込むことにより箱内を好みの区画に分割することができる。しかし、この整理箱40の場合、トレー状長方形箱は厚紙を折り曲げて製作するため製作に手間がかかり製作コストが高くなる。また、箱のサイズが固定で調整できないため引出し等の中に上手く納まらない場合がある。
【特許文献1】実開平5−58353号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術のこうした問題点を解決するためになされたもので、その課題は製作が容易で安価であり、引出し等に入れる直前に箱の長さを調整できる紙製の小物整理箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための手段を後述する実施形態の参照符号を付して記述すると、請求項1に記載の発明は、1枚のライナー2の片面に波形状の中芯3を貼り合わせた長方形状の片面段ボール1を、中芯3側を内側にして波形頂部4の延びる方向と直交する折り目線にて直角に折り曲げてコ状溝形にし、その両側面をそれぞれ外側に二つ折りして重ね合わせて接着剤で接着してコ状溝形トレー10とし、そのコ状溝形トレー10の開口両端部に位置する中芯3の波形底部5で形成されるコ状溝にその溝に嵌まる形状の端面板12を嵌め込み、その端面板12とコ状溝との接触部を接着剤で接着してトレー状箱を形成し、そのトレー状箱の内側に中芯3の波形により形成される任意位置のコ状溝にその溝形状に等しい仕切り片11を1乃至複数個嵌め込んでなることを特徴とする小物整理箱である。
【0007】
このような構成の小物整理箱はトレー状箱部分の材料として広く、安価に流通している片面段ボールを採用しているため材料費が安く、製作も容易である利点を有する。また、片面段ボールの中芯の波形底部により形成されるコ状溝を仕切板嵌入溝として使用できるため特別の仕切板嵌入溝を構成する必要のない利点を有し、複数枚の仕切り片により小物整理箱内を任意の区画に仕切ることができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、小物整理箱において、端面板12としてコ状溝形トレー10に嵌め込んだときに上辺となる線に対して対称に製作した2枚続きの端面紙片14をその線を折り目として折り目内側に輪状ゴム紐15を通した状態で折り重ねて接着したゴム紐付き端面板12aを使用し、そのゴム紐付き端面板12aをコ状溝形トレー10の両端部のコ状溝に嵌め込み、その状態で輪状ゴム紐15を伸長させてコ状溝形トレー10の両側面外側の波形底部、底面裏側を通って張り渡すことによりトレー状箱を形成してなることを特徴とする小物整理箱である。
【0009】
このような構成の小物整理箱は、トレー状箱を形成する際の端面板と波形溝との接着の手間が省け、短時間で組み立てることができる。また、トレー状箱の素材が片面段ボールであるので、引出し等に入れる前に中芯の波形底部に沿ってハサミで切断して納まりやすい長さに調整することができる。更に、小物整理箱の使用を止める際はゴム紐を外して両側面を折りたたみコンパクトに保管することもできる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の小物整理箱に、上方より四角トレー状の上蓋21を被せてなる小物整理箱である。
【0011】
このような構成の小物整理箱は、事務机の引出し内等に収納して小物類を整理するために使用できる他、小物類を収納して机上や棚上に置いておく整理箱としても使用できる利点を有する。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の小物整理箱を、角筒状に形成したスリーブ状外箱31内に摺動可能に挿入してなる小物整理箱である。
【0013】
このような構成の小物整理箱は小物類を収納して机上や棚上に置いておく整理箱として使用できる他、複数種類の菓子等を収納して販売するための包装箱としても使用できる利点を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明に係る小物整理箱は、何れもトレー状の箱部分の材料として片面段ボールを採用していることに特徴がある。片面段ボール1は図1に示すような断面構造をしたもので、ライナー2と呼ばれる厚手の紙の片面に中芯3と呼ばれる波形に成形した紙を貼り付けたものである。中芯3の波形頂部(段頂)4と底部との高低差(段の高さ)は3〜5mmである。中芯3は片面段ボール1の面に直角方向から加わる衝撃力の吸収と圧力に対する強度を高める役割を果たし、ライナー2は面に平行に加わる力に抗する役割を果たす。中芯3の両側にライナー2を貼り付けた両面段ボールは輸送用の外装箱に広く採用されており、片面段ボールは外装箱に入れた内容物を衝撃から保護するために用いられることが多い。段ボールに使用されるライナーと中芯原紙の品質はJISに規定されている。
【0015】
以下、本発明に係る片面段ボールを使用した小物整理箱の構成例を実施形態に分けて説明する。
(第1の実施形態)
図2は、第1の実施形態に係る小物整理箱6の完成後の斜視図である。この小物整理箱6は、主として事務机の引出し内等に収納して小物類を整理するために用いるものである。小物整理箱6の長手方向両側面と底部が片面段ボールにより構成されている。この小物整理箱6を製作するには、図3に示すような波形頂部4に直交する方向の長さが小物整理箱6の長手方向長さに等しく、幅は小物整理箱6の底面の幅に側面高さの4倍を加えた長さの長方形片面段ボール8を準備する。
【0016】
次に、幅方向両端から小物整理箱6の側面高さの2倍の距離に設けた2つの折り目線A1−A2、A3−A4に沿って中芯3を内側にして折り曲げ、両端部を起立させる。次に、起立させた両端部をその1/2の高さの位置に設けた折り目線B1−B2、B3−B4に沿って中芯3を外側にして折り曲げる。そして起立部を重ね合わせた状態で接着剤で貼り合わせる。こうすることで図4に示すような、長手方向両端が開口したコ状溝形トレー10が出来上がる。なお、製作手順としてコ状溝形トレー10の側面となる部分を先に折り曲げと接着で形成し、その後で側面となる部分を折り曲げて起立させてもよい。
【0017】
続いて、図4に示すようなコ状溝形トレー10の内側断面形状(コ状溝に嵌まる形状)の厚紙製仕切り片11を複数枚製作し、その2枚をコ状溝形トレー10の長手方向両端部に位置する中芯3の波形底部5で形成されるコ状溝に端面板12として嵌め込む。その状態で端面板12の縁部と中芯3との接触部を接着剤で接着して固定する。これにより両端の閉じたトレー状箱が完成する。波形底部5で形成されるコ状溝は仕切板嵌入溝として機能するので、任意の溝に仕切り片11を嵌め込むことにより図2に示したような小物整理箱6が完成する。
【0018】
このような構成の小物整理箱6は片面段ボール1の中芯3の波形底部5で形成されるコ状溝を仕切板嵌入溝として使用できるため特別の仕切板嵌入溝を構成する必要のない利点を有し、複数枚の仕切り片11により小物整理箱6内を任意の区画に仕切ることができる。またトレー状箱部分の材料として広く、安価に流通している片面段ボールを採用しているため材料費が安く、製作も容易である利点を有する。
【0019】
(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態に係る小物整理箱6aの完成後の斜視図である。この小物整理箱6aは、端面板12の取り付け方のみが第1の実施形態に係る小物整理箱6と異なる。本実施形態では端面板12を接着剤を用いてコ状溝形トレー10に接着固定するのではなく、ゴム紐15を用いてコ状溝形トレー10に固定する。図7の(1)はそのゴム紐15の付いたゴム紐付き端面板12aの斜視図、図7の(2)はその組立て方の説明図である。ゴム紐15は輪状になっている。ゴム紐付き端面板12aは、コ状溝形トレー10に嵌め込んだときに上辺となる線に対して対称に製作した2枚続きの端面紙片14をその線を折り目として折り目内側に輪状ゴム紐15を通した状態で折り重ね、重ね面を接着して構成してある。
【0020】
端面板12aを取り付ける際は、最初にゴム紐付き端面板12aをコ状溝形トレー10の両端部に位置する中芯3の波形底部5で形成されるコ状溝に嵌め込む。その状態でゴム紐15を伸長させ、コ状溝形トレー10の両側面外側の波形底部、底面裏側を通って張り渡す。ゴム紐15の収縮力により端面板12aは固定され、両端の閉じたトレー状箱が完成する。
【0021】
このような構成の小物整理箱6aは、端面板12aの固定に接着剤を使用しないため接着の手間が省け短時間で組み立てることができる。また、トレー状箱の素材が片面段ボールであるので、引出し等に入れる前に中芯3の波形底部5に沿ってハサミで切断して納まりやすい長さに調整することができる。更に、小物整理箱6aの使用を止める際はゴム紐15を外して両側面を折りたたみコンパクトに保管することができる。
【0022】
(第3の実施形態)
図8は、第3の実施形態に係る小物整理箱20の完成後の斜視図である。この小物整理箱20は、第1の実施形態に係る小物整理箱6の上に図9に示す四角トレー状の上蓋21を被せたものである。図8では上蓋21は透視で描いてある。四角トレー状の上蓋21は厚紙製で従来の方法で製作することができる。第2の実施形態に係る小物整理箱6aに四角トレー状の上蓋21を被せて構成してもよい。
【0023】
このような構成の小物整理箱は、事務机の引出し内等に収納して小物類を整理するために使用できる他、小物類を収納して机上や棚上に置いておく整理箱としても使用できる利点を有する。
【0024】
(第4の実施形態)
図10は、第4の実施形態に係る小物整理箱30の完成後の斜視図である。この小物整理箱30は、第1の実施形態に係る小物整理箱6を図11に示す角筒状に形成したスリーブ状外箱31内に摺動可能に挿入したものである。スリーブ状外箱31は厚紙製で、従来の方法で製作することができる。第2の実施形態に係る小物整理箱6aをスリーブ状外箱31内に摺動可能に挿入して構成してもよい。
【0025】
このような構成の小物整理箱は小物類を収納して机上や棚上に置いておく整理箱として使用できる他、複数種類の菓子等を収納して販売するための包装箱としても使用できる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】片面段ボールの断面構造である。
【図2】第1の実施形態に係る小物整理箱の斜視図である。
【図3】第1の実施形態に係る小物整理箱の底面、側面を構成する片面段ボールの展開図である。
【図4】第1の実施形態に係る小物整理箱の底面、側面を構成するコ状溝形トレーの斜視図である。
【図5】仕切り片の斜視図である。
【図6】第2の実施形態に係る小物整理箱の斜視図である。
【図7】第2の実施形態に係る小物整理箱のゴム紐付き端面板の構成図である。
【図8】第3の実施形態に係る小物整理箱の斜視図である。
【図9】四角トレー状の上蓋の斜視図である。
【図10】第4の実施形態に係る小物整理箱の斜視図である。
【図11】スリーブ状外箱の斜視図である。
【図12】片面段ボールを一部に使用した従来の小物整理箱の例である。
【符号の説明】
【0027】
図面中、1は片面段ボール、2はライナー、3は中芯、4は波形頂部、5は波形底部、6、6a、20、30は小物整理箱、8は長方形状の片面段ボール、10はコ状溝形トレー、11は仕切り片、11a端面板、12aはゴム紐付き端面板、15はゴム紐、21は四角トレー状の上蓋、31はスリーブ状外箱を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、事務机の引出し内等に収納して小物類を整理するのに好適な小物整理箱であって、材料に片面ダンボールを巧みに利用した小物整理箱に関する。
【背景技術】
【0002】
事務用机の机面板の下側には多くの場合、底が浅くて面積の広い引出しが取り付けられている。また、袖部に多段式引出しが装備されている場合も、最上段の引出しは深さが浅く作られている場合が多い。この浅い引出しは筆記具、消しゴム等の小物類の収納に利用されるが、小物類は種類が多いため引出し内に整然と整理するには困難が伴う。
【0003】
こうしたことから引出し内に入れて小物類を整理するための小物整理箱が提案されている。例えば特許文献1には、上面を開口した整理箱本体と断面T字状の仕切り板とからなる小物整理箱が開示されている。この小物整理箱の箱本体の底板面には摺動溝が形成してあり、仕切り板本体の下端部に形成した底板を摺動させて整理箱の内部を無段階に仕切れる構成にしてある。しかし、この小物整理箱の場合、硬質の合成樹脂等で製作されるため高価であり、耐用年数が経過して廃棄する際にも問題を生ずる。
【0004】
より安価で廃棄の際に問題を生じない小物整理箱として図12に示すような引出し整理箱40が市販されている。この整理箱40は厚紙を折り曲げて製作したトレー状長方形箱41の内面に片面段ボールをコ状に折り曲げて貼り付けたものである。片面段ボールの波形状中芯を仕切板42の取付け溝として利用することができ、任意位置の溝に厚紙製仕切板42を嵌め込むことにより箱内を好みの区画に分割することができる。しかし、この整理箱40の場合、トレー状長方形箱は厚紙を折り曲げて製作するため製作に手間がかかり製作コストが高くなる。また、箱のサイズが固定で調整できないため引出し等の中に上手く納まらない場合がある。
【特許文献1】実開平5−58353号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術のこうした問題点を解決するためになされたもので、その課題は製作が容易で安価であり、引出し等に入れる直前に箱の長さを調整できる紙製の小物整理箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための手段を後述する実施形態の参照符号を付して記述すると、請求項1に記載の発明は、1枚のライナー2の片面に波形状の中芯3を貼り合わせた長方形状の片面段ボール1を、中芯3側を内側にして波形頂部4の延びる方向と直交する折り目線にて直角に折り曲げてコ状溝形にし、その両側面をそれぞれ外側に二つ折りして重ね合わせて接着剤で接着してコ状溝形トレー10とし、そのコ状溝形トレー10の開口両端部に位置する中芯3の波形底部5で形成されるコ状溝にその溝に嵌まる形状の端面板12を嵌め込み、その端面板12とコ状溝との接触部を接着剤で接着してトレー状箱を形成し、そのトレー状箱の内側に中芯3の波形により形成される任意位置のコ状溝にその溝形状に等しい仕切り片11を1乃至複数個嵌め込んでなることを特徴とする小物整理箱である。
【0007】
このような構成の小物整理箱はトレー状箱部分の材料として広く、安価に流通している片面段ボールを採用しているため材料費が安く、製作も容易である利点を有する。また、片面段ボールの中芯の波形底部により形成されるコ状溝を仕切板嵌入溝として使用できるため特別の仕切板嵌入溝を構成する必要のない利点を有し、複数枚の仕切り片により小物整理箱内を任意の区画に仕切ることができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、小物整理箱において、端面板12としてコ状溝形トレー10に嵌め込んだときに上辺となる線に対して対称に製作した2枚続きの端面紙片14をその線を折り目として折り目内側に輪状ゴム紐15を通した状態で折り重ねて接着したゴム紐付き端面板12aを使用し、そのゴム紐付き端面板12aをコ状溝形トレー10の両端部のコ状溝に嵌め込み、その状態で輪状ゴム紐15を伸長させてコ状溝形トレー10の両側面外側の波形底部、底面裏側を通って張り渡すことによりトレー状箱を形成してなることを特徴とする小物整理箱である。
【0009】
このような構成の小物整理箱は、トレー状箱を形成する際の端面板と波形溝との接着の手間が省け、短時間で組み立てることができる。また、トレー状箱の素材が片面段ボールであるので、引出し等に入れる前に中芯の波形底部に沿ってハサミで切断して納まりやすい長さに調整することができる。更に、小物整理箱の使用を止める際はゴム紐を外して両側面を折りたたみコンパクトに保管することもできる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の小物整理箱に、上方より四角トレー状の上蓋21を被せてなる小物整理箱である。
【0011】
このような構成の小物整理箱は、事務机の引出し内等に収納して小物類を整理するために使用できる他、小物類を収納して机上や棚上に置いておく整理箱としても使用できる利点を有する。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の小物整理箱を、角筒状に形成したスリーブ状外箱31内に摺動可能に挿入してなる小物整理箱である。
【0013】
このような構成の小物整理箱は小物類を収納して机上や棚上に置いておく整理箱として使用できる他、複数種類の菓子等を収納して販売するための包装箱としても使用できる利点を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明に係る小物整理箱は、何れもトレー状の箱部分の材料として片面段ボールを採用していることに特徴がある。片面段ボール1は図1に示すような断面構造をしたもので、ライナー2と呼ばれる厚手の紙の片面に中芯3と呼ばれる波形に成形した紙を貼り付けたものである。中芯3の波形頂部(段頂)4と底部との高低差(段の高さ)は3〜5mmである。中芯3は片面段ボール1の面に直角方向から加わる衝撃力の吸収と圧力に対する強度を高める役割を果たし、ライナー2は面に平行に加わる力に抗する役割を果たす。中芯3の両側にライナー2を貼り付けた両面段ボールは輸送用の外装箱に広く採用されており、片面段ボールは外装箱に入れた内容物を衝撃から保護するために用いられることが多い。段ボールに使用されるライナーと中芯原紙の品質はJISに規定されている。
【0015】
以下、本発明に係る片面段ボールを使用した小物整理箱の構成例を実施形態に分けて説明する。
(第1の実施形態)
図2は、第1の実施形態に係る小物整理箱6の完成後の斜視図である。この小物整理箱6は、主として事務机の引出し内等に収納して小物類を整理するために用いるものである。小物整理箱6の長手方向両側面と底部が片面段ボールにより構成されている。この小物整理箱6を製作するには、図3に示すような波形頂部4に直交する方向の長さが小物整理箱6の長手方向長さに等しく、幅は小物整理箱6の底面の幅に側面高さの4倍を加えた長さの長方形片面段ボール8を準備する。
【0016】
次に、幅方向両端から小物整理箱6の側面高さの2倍の距離に設けた2つの折り目線A1−A2、A3−A4に沿って中芯3を内側にして折り曲げ、両端部を起立させる。次に、起立させた両端部をその1/2の高さの位置に設けた折り目線B1−B2、B3−B4に沿って中芯3を外側にして折り曲げる。そして起立部を重ね合わせた状態で接着剤で貼り合わせる。こうすることで図4に示すような、長手方向両端が開口したコ状溝形トレー10が出来上がる。なお、製作手順としてコ状溝形トレー10の側面となる部分を先に折り曲げと接着で形成し、その後で側面となる部分を折り曲げて起立させてもよい。
【0017】
続いて、図4に示すようなコ状溝形トレー10の内側断面形状(コ状溝に嵌まる形状)の厚紙製仕切り片11を複数枚製作し、その2枚をコ状溝形トレー10の長手方向両端部に位置する中芯3の波形底部5で形成されるコ状溝に端面板12として嵌め込む。その状態で端面板12の縁部と中芯3との接触部を接着剤で接着して固定する。これにより両端の閉じたトレー状箱が完成する。波形底部5で形成されるコ状溝は仕切板嵌入溝として機能するので、任意の溝に仕切り片11を嵌め込むことにより図2に示したような小物整理箱6が完成する。
【0018】
このような構成の小物整理箱6は片面段ボール1の中芯3の波形底部5で形成されるコ状溝を仕切板嵌入溝として使用できるため特別の仕切板嵌入溝を構成する必要のない利点を有し、複数枚の仕切り片11により小物整理箱6内を任意の区画に仕切ることができる。またトレー状箱部分の材料として広く、安価に流通している片面段ボールを採用しているため材料費が安く、製作も容易である利点を有する。
【0019】
(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態に係る小物整理箱6aの完成後の斜視図である。この小物整理箱6aは、端面板12の取り付け方のみが第1の実施形態に係る小物整理箱6と異なる。本実施形態では端面板12を接着剤を用いてコ状溝形トレー10に接着固定するのではなく、ゴム紐15を用いてコ状溝形トレー10に固定する。図7の(1)はそのゴム紐15の付いたゴム紐付き端面板12aの斜視図、図7の(2)はその組立て方の説明図である。ゴム紐15は輪状になっている。ゴム紐付き端面板12aは、コ状溝形トレー10に嵌め込んだときに上辺となる線に対して対称に製作した2枚続きの端面紙片14をその線を折り目として折り目内側に輪状ゴム紐15を通した状態で折り重ね、重ね面を接着して構成してある。
【0020】
端面板12aを取り付ける際は、最初にゴム紐付き端面板12aをコ状溝形トレー10の両端部に位置する中芯3の波形底部5で形成されるコ状溝に嵌め込む。その状態でゴム紐15を伸長させ、コ状溝形トレー10の両側面外側の波形底部、底面裏側を通って張り渡す。ゴム紐15の収縮力により端面板12aは固定され、両端の閉じたトレー状箱が完成する。
【0021】
このような構成の小物整理箱6aは、端面板12aの固定に接着剤を使用しないため接着の手間が省け短時間で組み立てることができる。また、トレー状箱の素材が片面段ボールであるので、引出し等に入れる前に中芯3の波形底部5に沿ってハサミで切断して納まりやすい長さに調整することができる。更に、小物整理箱6aの使用を止める際はゴム紐15を外して両側面を折りたたみコンパクトに保管することができる。
【0022】
(第3の実施形態)
図8は、第3の実施形態に係る小物整理箱20の完成後の斜視図である。この小物整理箱20は、第1の実施形態に係る小物整理箱6の上に図9に示す四角トレー状の上蓋21を被せたものである。図8では上蓋21は透視で描いてある。四角トレー状の上蓋21は厚紙製で従来の方法で製作することができる。第2の実施形態に係る小物整理箱6aに四角トレー状の上蓋21を被せて構成してもよい。
【0023】
このような構成の小物整理箱は、事務机の引出し内等に収納して小物類を整理するために使用できる他、小物類を収納して机上や棚上に置いておく整理箱としても使用できる利点を有する。
【0024】
(第4の実施形態)
図10は、第4の実施形態に係る小物整理箱30の完成後の斜視図である。この小物整理箱30は、第1の実施形態に係る小物整理箱6を図11に示す角筒状に形成したスリーブ状外箱31内に摺動可能に挿入したものである。スリーブ状外箱31は厚紙製で、従来の方法で製作することができる。第2の実施形態に係る小物整理箱6aをスリーブ状外箱31内に摺動可能に挿入して構成してもよい。
【0025】
このような構成の小物整理箱は小物類を収納して机上や棚上に置いておく整理箱として使用できる他、複数種類の菓子等を収納して販売するための包装箱としても使用できる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】片面段ボールの断面構造である。
【図2】第1の実施形態に係る小物整理箱の斜視図である。
【図3】第1の実施形態に係る小物整理箱の底面、側面を構成する片面段ボールの展開図である。
【図4】第1の実施形態に係る小物整理箱の底面、側面を構成するコ状溝形トレーの斜視図である。
【図5】仕切り片の斜視図である。
【図6】第2の実施形態に係る小物整理箱の斜視図である。
【図7】第2の実施形態に係る小物整理箱のゴム紐付き端面板の構成図である。
【図8】第3の実施形態に係る小物整理箱の斜視図である。
【図9】四角トレー状の上蓋の斜視図である。
【図10】第4の実施形態に係る小物整理箱の斜視図である。
【図11】スリーブ状外箱の斜視図である。
【図12】片面段ボールを一部に使用した従来の小物整理箱の例である。
【符号の説明】
【0027】
図面中、1は片面段ボール、2はライナー、3は中芯、4は波形頂部、5は波形底部、6、6a、20、30は小物整理箱、8は長方形状の片面段ボール、10はコ状溝形トレー、11は仕切り片、11a端面板、12aはゴム紐付き端面板、15はゴム紐、21は四角トレー状の上蓋、31はスリーブ状外箱を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚のライナーの片面に波形状の中芯を貼り合わせた長方形状の片面段ボールを、前記中芯側を内側にして波形頂部の延びる方向と直交する折り目線にて直角に折り曲げてコ状溝形にし、その両側面をそれぞれ外側に二つ折りして重ね合わせて接着剤で接着してコ状溝形トレーとし、該コ状溝形トレーの開口両端部に位置する中芯の波形底部で形成されるコ状溝にその溝に嵌まる形状の端面板を嵌め込み、該端面板とコ状溝との接触部を接着剤で接着してトレー状箱を形成し、該トレー状箱の内側に中芯の波形により形成される任意位置のコ状溝にその溝に嵌まる形状の仕切り片を1乃至複数個嵌め込んでなることを特徴とする小物整理箱。
【請求項2】
請求項1に記載の小物整理箱において、前記端面板として前記コ状溝形トレーに嵌め込んだときに上辺となる線に対して対称に製作した2枚続きの端面紙片をその線を折り目として折り目内側に輪状ゴム紐を通した状態で折り重ねて接着したゴム紐付き端面板を使用し、該ゴム紐付き端面板をコ状溝形トレーの両端部のコ状溝に嵌め込み、その状態で輪状ゴム紐を伸長させてコ状溝形トレーの両側面外側の波形底部、底面裏側を通って張り渡すことにより前記トレー状箱を形成してなることを特徴とする小物整理箱。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の小物整理箱に、上方より四角トレー状の上蓋を被せてなる小物整理箱。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の小物整理箱を、角筒状に形成したスリーブ状外箱内に摺動可能に挿入してなる小物整理箱。
【請求項1】
1枚のライナーの片面に波形状の中芯を貼り合わせた長方形状の片面段ボールを、前記中芯側を内側にして波形頂部の延びる方向と直交する折り目線にて直角に折り曲げてコ状溝形にし、その両側面をそれぞれ外側に二つ折りして重ね合わせて接着剤で接着してコ状溝形トレーとし、該コ状溝形トレーの開口両端部に位置する中芯の波形底部で形成されるコ状溝にその溝に嵌まる形状の端面板を嵌め込み、該端面板とコ状溝との接触部を接着剤で接着してトレー状箱を形成し、該トレー状箱の内側に中芯の波形により形成される任意位置のコ状溝にその溝に嵌まる形状の仕切り片を1乃至複数個嵌め込んでなることを特徴とする小物整理箱。
【請求項2】
請求項1に記載の小物整理箱において、前記端面板として前記コ状溝形トレーに嵌め込んだときに上辺となる線に対して対称に製作した2枚続きの端面紙片をその線を折り目として折り目内側に輪状ゴム紐を通した状態で折り重ねて接着したゴム紐付き端面板を使用し、該ゴム紐付き端面板をコ状溝形トレーの両端部のコ状溝に嵌め込み、その状態で輪状ゴム紐を伸長させてコ状溝形トレーの両側面外側の波形底部、底面裏側を通って張り渡すことにより前記トレー状箱を形成してなることを特徴とする小物整理箱。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の小物整理箱に、上方より四角トレー状の上蓋を被せてなる小物整理箱。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の小物整理箱を、角筒状に形成したスリーブ状外箱内に摺動可能に挿入してなる小物整理箱。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−6421(P2010−6421A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−168070(P2008−168070)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(594097594)藤徳紙器株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(594097594)藤徳紙器株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
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