説明

少なくとも1の特定のブロックコポリマーを含む化粧料組成物

本発明は、生理学的に許容できる媒体中に、少なくとも1の脂肪相、及び制限されたコンフォメーションを有する少なくとも1のロッドポリマー状ブロック構造に共有結合された、可変のコンフォメーションを有する、少なくとも1のコイルポリマー状ブロック構造を含む、ロッド−コイルタイプの少なくとも1のブロックコポリマーを含む化粧料組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1の脂肪相及び少なくとも1の特定のブロックコポリマーを含む化粧料組成物を提供することを目的とする。
【0002】
一般的に、ポリマーは、剤形、経時的なもち、及び/又は使用者にとっての快適さの点においてよりよい性質を化粧料組成物に与えるために、化粧料組成物においてしばしば使用される化合物である。
【0003】
即ち、多くの組成物及び、スプレー、ジェル又はフォームの形態で提供される、特にヘアスタイリング組成物と呼ばれる毛髪組成物は、樹脂又はポリマーを含む。
【0004】
それらは特に、高いガラス転移温度(Tg)を有するアクリルポリマーである。そのようなポリマーは、特にヘアスタイルに増加された形態保持を与える。しかし、それらの過度に高い脆弱性は、この形態保持の経時的な延長された持ちを保証することを可能にしない。そこで、一つの選択肢は、ガラス転移温度を下げることを可能にする「可塑性をもたせる」化合物とそれらを組み合わせることである。そうすると、不運なことに、ポリマーはべた付き効果及び/又はスタイリングの低下を呈する傾向、即ち、その機械的性質を部分的に失う傾向を有する。
【0005】
ポリマーはマニュキアの分野でもまた重要な成分を構成する。それらは、爪の表面において施与されるニスのフィルムの形成に特に貢献する。しかし、上記施与に関して、ポリマーを含むこの保護フィルムは、ニスで被覆された爪が日常生活において付される機械的な剥離に対して十分な耐性が常にあるわけではないことが分かっている。
【0006】
結果的に、化粧料組成物にポリマーにより機械的強度及びべた付かない効果の点に関してポリマーにより化粧料組成物に同時に満足できる性質を与えることのできる満足できる解決は現在のところ、ない。
【0007】
意外なことに、本発明者らは、ロッド−コイルタイプのブロックコポリマーを含む化粧料組成物は、これらの条件すべてを特異的に満足させることを可能にすることを見出した。
【0008】
本発明において考慮されるポリマーは、容易に毛髪に施与され、驚いたことに満足できるスタイリング能力を示し、簡単なシャンプーで容易に除去される。処理された毛髪をブラッシングすることは、粉末化効果をもたらさず、毛髪を柔軟にし、光沢をもたせ、べたつかせない。
【0009】
ロッド−コイルブロックコポリマーは、一方で、異方性のある構造に自己会合する傾向を特徴とする、ロッドを形成する1以上のポリマーブロックである「ロッドブロック」、及び他方で、ロッドブロックとは対照的に、多くのコンフォメーションに付される、ウールのランダムボールの形態にある1以上のポリマーブロックである「コイルブロック」を組み合わせたコポリマーである。これらの2つのタイプのブロック、ロッド及びコイルは、互いに共有結合で結合されている。
【0010】
これらのロッド−コイルブロックコポリマーは、ロッド及びコイルブロックそれぞれの大きな非相溶性のために、非常に高い非混和性を特徴とし、従ってかなり独立した相を有するマイクロ構造及びナノ構造を作ることにおいて明らかに有利である。
【背景技術】
【0011】
即ち、国際特許出願国際公開第99/47570号は、ロッド−コイルブロックコポリマーの2つのブロックのうち1つのみに選択的である溶媒中でのロッド−コイル型ブロックコポリマーの使用であって、当該ブロックを溶解させて、ロッド−コイルタイプのコポリマーが、溶解されていないブロックの領域及び溶解されたブロックの領域を有する組織化されたメソ構造へと自己集合することを可能とする使用を提供する。
【0012】
国際特許出願国際公開第99/47570号において提供されたロッドブロックはより特に、例えばその化学構造中にいくつかの芳香環系、例えばキノリン、ピリジン、チオフェン、及びベンズイミダゾールを有しているポリマーである。ロッドブロックの硬さを確保することを可能にするのは、これらの環系の間に生み出されるπ−πスタッキングともまた呼ばれるπ相互作用である。より特異的には、電子の非局在化による2つの芳香族基の間のπ結合の重複は、構造を安定化し、ロッドブロックの平行配列をもたらす最小エネルギ−を生み出す。このタイプのメソ構造は、一方で、高度に多様化された性質の活性物質をメソ構造の中にカプセル化するために、他方で、特に光学デバイス中の基材の表面に吸収層を形成するために、特に有利であると記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、そのようなロッド−コイルブロックコポリマーが、経時的なもち及び/又は機会的強度の点で改善された性質を有する化粧料組成物を製造することにおいて、化粧料の分野で有利に利益になることができるという本発明者らによる提示に基づく。
【0014】
即ち、これらのコポリマーは、フィルム形成性ポリマーとしてその機械的性質のために使用されることができる。それらは、単独で又は混合物として、あるいは他のポリマーとともに、マトリックス強化として、又は有利な分子、例えば着色剤、及び/又はUV安定化剤と共に、そのカプセル化のためのビヒクルとしてもまた使用されることができる。これらのコポリマーは、さらに表面活性化剤及び/又はレオロジー剤としてもまた使用されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
より特に、本発明は、その第一の側面に従うと、生理学的に許容できる媒体中に、
少なくとも1の脂肪相、及び
制限されたコンフォメーションを有する少なくとも1のロッドポリマー状ブロック構造に共有結合された可変のコンフォメーションを有する少なくとも1のコイルポリマー状ブロック構造を含む、ロッド−コイルタイプの少なくとも1のブロックコポリマー
を含む化粧料組成物に関する。
【0016】
本発明の別の形に従うと、ロッドポリマー状ブロックはその化学構造に、少なくとも1の、特に少なくとも2の、実際はもっと多くの芳香環系を有する。
【0017】
本発明の特定の実施態様に従うと、制限されたコンフォメーションを有するロッドポリマー状ブロック構造は、全体的に又は部分的に、特に完全に、このポリマー状ブロックに存在する芳香環系間のπ相互作用(π−πスタッキングともまたよばれる)により作られる。
【0018】
本発明は、その別の特徴に従うと、本発明に従うロッド−コイルブロックコポリマーを化粧料組成物においてレオロジー剤として使用することに関する。
【0019】
本発明は、その別の特徴に従うと、皮膚、表面にある体の成長物及び/又は毛髪をメイクアップする及び/又はケアするための方法であって、上で定義された化粧料組成物の施与の、少なくとも1の段階を含む方法に関する。
【0020】
ロッド−コイルブロックコポリマー
本発明に従う組成物は、ロッド-b-コイルブロックコポリマーともまたよばれる、少なくとも1のロッド−コイルブロックコポリマーを含む。
【0021】
上で特定されたように、これらのロッド−コイルコポリマーは、溶媒又は非溶媒媒体中でナノスコピックな配列を作り出すのに特に効果的であることが分かる。これは、ロッド−コイル分子構造が、2つのロッド及びコイルブロックのそれぞれの化学的性質、及び特にその非相溶性と同様に、ロッドブロック及びコイルブロックのサブミクロンスケ−ルの構造への相分離を含むからである。即ち、それらは、バルク又は溶媒媒体中で、種々の超分子構造へと自己会合できることが分かる。
【0022】
特定の形態の形成は、明らかにブロックの性質だけでなく、分子量、ブロックの相対的な長さ、溶媒の性質、ポリマーの濃度、添加物、温度及び/又はpHによっても制御されることができる。
【0023】
本発明に従うロッド−コイルブロックコポリマーは、少なくとも1の自己組織化されたロッドブロック及び少なくとも1のコイルブロックを含む。
【0024】
本発明に従う意味において、用語「ブロック」は、モノマー単位の繰り返し配列を意味し、この繰り返しは少なくとも2単位、特に3単位、特に少なくとも5単位に等しく、実際には、少なくとも7単位にさえ等しいところの配列を意味すると理解される。
【0025】
本発明のロッド−コイルブロックコポリマーは、種々の構造物、即ちABタイプのジブロック(ここでAはロッドブロック、Bはコイルブロックを意味する)、ABA、BAB又はABCタイプのトリブロック、又はマルチブロック、(AB)n又は(ABC)n(ここでCは性質がA及びBとは異なるロッド又はコイルブロックを表す) 提供されることができる。コポリマーは、ロッドブロックからなる骨格を有する分岐状コポリマー、又はロッドグラフトを有する分岐ポリマー、星形ポリマーであることもまたできる。
【0026】
本発明に従うロッド−コイルコポリマーの数平均総分子量は、一般的に700g/mol〜1 000 000g/mol、特に1000g/mol〜800 000g/mol、より特に2000g/mol〜500 000g/molの範囲である。
【0027】
ポリマーの総数平均分子量は、ブロックコポリマーの溶媒であるところの溶出液を使用してゲル透過クロマトグラフィーGPCにより決定される。標準化は、ホモポリマー標準による較正で行われる。
【0028】
本発明に従うコポリマーは、少なくとも1の架橋可能なブロックを含むことができる。本発明の別の形に従うと、本発明に従うコポリマーは、架橋されていない形で有利に使用される。
【0029】
ロッド−コイルブロックコポリマーは、低い分子量におけるその有利な機械的性質のために、及び必要な機械的性質を得るために高い分子量を有しなければならない「慣用の」ポリマーと比較して低いその粘度のために、特に有利であることがわかる。
【0030】
さらに、これらのポリマーは、化粧料の媒体、例えば水性、水性/有機性又は有機媒体中に有利に可溶又は分散可能であり得る。
【0031】
本発明の意味内で、ポリマーは、もし25℃において考慮下の溶媒中の5重量%において、液状溶液を形成するならば、それは可溶であると言える;もしポリマーが25℃における考慮下の溶媒中の5重量%において、細かな、一般的に球状の、1ミクロン未満であることができる、5〜400nm、特に10〜250nmの範囲で変動することができる平均サイズを有する粒子の安定な懸濁物を形成するならば、それは分散可能であると記載される。
【0032】
これらのポリマーは、脂肪相及び特に脂肪エステル又は鉱物オイル又はシリコーンオイルを含むメイクアップ組成物中で特に有利であることが分かる。
【0033】
これらのコポリマーは、スプレーの形態での施与と両立することもまた分かる。該コポリマーは、従ってこの理由から毛髪の分野での使用に一般的に有利である。
【0034】
最後になるが、該コポリマーが、両親媒性を有するとき、それらに所望される溶解性をそれらに与えるブロックにより、水溶性又は脂溶性媒体中に容易に保有されることができる。
【0035】
ロッドブロック
本発明に従うロッドブロックは、曲線持続性(persistence intrajectory)、即ち鎖の制限された自由度を意味する配向異方性(orientational anisotropy)を示す。
【0036】
ロッドブロックの擬似剛体(pseudorigid)、実際には剛体でさえあるコンフォメーションは、鎖に方向を課し、本発明に従うと、π−π又はスタッキングタイプの相互作用の存在、即ち当該単位のスタッキングにより得られる相互作用の存在に関連する非共有結合性の相互作用により、全体的に又は部分的に、一般的には完全に、与えられる。π−π相互作用以外の他の相互作用、例えば水素結合、及び/又は立体反発も存在し得る。
【0037】
π−πタイプの相互作用は、数において十分であり、及び/又は戦略的に配置されているときは、ロッドブロックを構成する種々のモノマーの、互いに空間における配置の可能性の数を顕著に制限することを可能にする。即ち、種々の可能なコンフォメーションを考慮すると、鎖の平均長はより大きい。モノマーの自由な結合に課せられるすべての制限は、平均して、鎖を伸ばす効果、即ち<R02>ロッドにより表され、以下の条件を満足することができる鎖の末端間の平均距離を増加させる効果を有する。
<Rロッド=CNL
ここで
Lはモノマーの長さを表す;
Cは、鎖に課された制限を表し、1より大きく、特に4〜10の範囲である、及び
Nはブロックを構成するモノマーの数を表す。
【0038】
本発明の特定の代替の形態に従うと、ロッドポリマー状構造の制限されたコンフォメーションが、全体的に又は部分的に、π−π相互作用により与えられる。
【0039】
そのような相互作用は、N、S、及び/又はOから選択された1以上のヘテロ原子を含むことができ、以下のタイプの1以上の官能基、エステル、アミド、及び/又は飽和又は不飽和、及び直鎖又は分岐状のC1〜C30アルキル基を有することができる、5又は6の炭素原子からなる、1以上の縮合した、又は非縮合の芳香環、例えばフェニルタイプ、を含むポリマーで観察される。
【0040】
これらの環は、例えば二重結合、三重結合、エステル結合、エーテル又はチオエーテル結合、アミド結合、アゾ結合、及び/又はイミン結合により分離されていることができる。
【0041】
そのようなロッドブロックは、特に「現代化学のトピックス」、第204巻、163〜222ページ、1999年、においてU Scherfにより特に記載されている。
【0042】
より特に、ロッド−ブロックを構成するポリマー状芳香族は、以下の一般式により表されることができる。
−[Ar]−
ここで
nは2〜1000の範囲、特に5〜700、特に20〜700の範囲であることができる、
Ar基は、1以上の芳香族単位又は芳香族単位の誘導体を表すことができ、該式を構成する組み合わされた芳香族単位は化学的性質が同じであるか又は異なっていることができる。
【0043】
本出願において、「芳香族単位」は、IUPACにより与えられる定義の意味において理解されるべきである。
【0044】
用語「芳香族単位の誘導体」は、特に、本発明の意味の中において、アリーレン基が置換されている、特に水素原子が、全体的に又は部分的に、弗素原子により置換されている化合物、及びこれらの化合物のイオンの形、もし適切であれば中和された形を意味すると理解される。
【0045】
制限なしに、これらのAr単位の例として、特に以下の基が挙げられ得る。
【0046】
【化1】

【0047】
【化2】


X及びZは、互いに独立して−0−、−NR−、−S−、−NRCO−、−OCONH−、−NHCONR−、−OCO−、−COO−、−OCOO−、−CONHNH−、−CONHNHCO−、−S02−、−C(CH3)2−、−CH2−、−CR=CR−、−CR=N−、−N=N−、−N=CRAr−及び− C≡C−から選択された単位を表す、
Yは−NR−、−O−又は−S−を表す、
R、R1、R2、R3、及びR4は、互いに独立して、水素原子、−R'、−OR'、−OCOR'、−COOR'、(R'は、直鎖又は分岐状のC1〜C50、特にC1〜C20のアルキル基、−CN、−N(CH3)2、N(C2H5)2を表す)、1以上のヘテロ原子、例えば0、N、S、Si、又は可溶化基を1以上含んでいることができる重縮合又は非重縮合の、芳香族又は非芳香族のC〜C50環を表す、
Arは特に以下、及びそれらの誘導体から選択された芳香族単位を表す、
【0048】
【化3】


ここでR及びYは上で定義された通りである。
【0049】
特定の実施態様に従うと、X及びZは互いに独立して、−0−、−NH−、−S−、−NHCO−、−OCONH−、−NHCONH−、−OCO−、−COO−、−OCOO−、−CONHNH−、CONHNHCO−、−S02−、−C(CH3)2−、−CH2−、−CH=CH−、−C(CN)=CN(CH3)2−、−CH=N−、−N=N−及び−C≡C−から選択された単位を表し、Yは−NH−、−0−又は−S−を表す。
【0050】
より具体的には、本発明に従うロッドブロックは、全体的又は部分的に、以下から選択された少なくとも1の単位から構成される。
下記式のポリ(パラ−フェニレンスルフィド)、
【0051】
【化4】

下記式のポリ(パラ−フェニレン)、
【0052】
【化5】

下記式のポリ(パラ−フェニレンビニレン)、
【0053】
【化6】

下記式の置換ポリ(パラ−フェニレンビニレン)、
【0054】
【化7】

下記式のポリ(パラ−フェニレンエチレン)、
【0055】
【化8】


下記式のポリ(パラ−フェニレンエーテル)、
【0056】
【化9】

下記式のポリ(ビフェニレンエーテル)、
【0057】
【化10】

下記式のポリアニリン、
【0058】
【化11】

下記式の芳香族ポリアザメチン、
【0059】
【化12】

及び
【0060】
【化13】

下記式の芳香族ポリアミド、
【0061】
【化14】


下記式の芳香族ポリヒドラジド
【0062】
【化15】

【0063】
【化16】

下記式の芳香族ポリエステル
【0064】
【化17】

下記式のポリピロール
【0065】
【化18】

下記式のポリフラン
【0066】
【化19】

下記式のポリ(チオフェンビニレン)
【0067】
【化20】

下記式のポリ(チオフェンエチニレン)
【0068】
【化21】

下記式のポリビチオフェン
【0069】
【化22】

ここで、n、Ar、R、R1、R2、R3、R4、X、Y、及びZは上で定義された通りである。
【0070】
上で定義されたように、上述の化合物の誘導体は、イオンの形で提供されることができる。この場合、R、R1、R2、R3、及びR4基は、互いに独立して、アニオン又はカチオン電荷を含む基であって、もし適切であれば、該電荷は中和され、カチオン電荷の場合、4級化されていることができる基を表すことができる。
【0071】
アニオン基は無機塩基、例えばLiOH、NaOH、KOH、Ca(OH)2又はNH40H又は有機塩基、例えば一級、二級、又は三級のアルキルアミン、例えばブチルアミン又はトリエチルアミンで中和されることができる。この一級、二級、又は三級のアルキルアミンは、窒素及び/又は酸素原子を含むことができ、即ち例えばアルコール官能基を含むことができ、例えば2−アミノ−2−メチルプロパノール又はトリエタノールアミンを含むことができる。
【0072】
カチオン基は酸、例えば硫酸又は塩酸、又は有機酸で中和されることができる。この有機酸は、1以上のカルボン酸、スルホン酸又はホスホン酸基を含むことができる。即ち、有機酸は直鎖、分岐又は環状の脂肪族酸又は芳香族の酸であることができる。これらの酸は、追加的に、O及びNから選択された1以上のヘテロ原子を例えばヒドロキシル基の形で含むことができる。
【0073】
アルキル基を有する酸の例は、酢酸CH3COOHである。
【0074】
ポリ酸の例はテレフタル酸である。
【0075】
ヒドロキシ酸の例はクエン酸及び酒石酸である。
【0076】
カチオン基は、可動性のハロゲンを有する化合物、例えば塩化又は臭化C1〜C12アルキル、特に臭化メチル又は塩化エチル、塩化酢酸ナトリウム又は環状スルホン例えばプロパンスルホンにより4級化された形の化合物の中で表されることもまたできる。
【0077】
特に、カルボン酸又はスルホン酸官能基は、水酸化ナトリウム、2−アミノ−2−メチルプロパノール又はトリエチルアミンにより中和されることができる。同様に、アミン基は塩酸、酢酸、又は乳酸で中和されることができる。
【0078】
上で定義されたように、R、R1、R2、R3、及びR4基は、互いに独立して、可溶化基を表すこともできる。
【0079】
用語「可溶化基」は、化粧料媒体、特にその脂肪相又はその水性相における、要求される溶解性又は分散性をポリマーに与えることのできる任意の化学単位を意味すると理解されるべきである。
【0080】
ポリマーは、考慮下の溶媒又は溶媒混合物中で安定な溶液又は分散物を形成するならば、可溶であると言える。
【0081】
ポリマーは、25℃において、考慮下の溶媒中で5重量%における溶液であるとき、透明な溶液を形成するならば、可溶であると言える。
【0082】
ポリマーは、25℃において、考慮下の溶媒中で5重量%において、細かい、一般的に球状の粒子の安定な分散物を形成するならば、分散可能であると言える。該分散物を構成する粒子の平均サイズは、1μm未満、より一般的に5〜400nm、特に10〜250nmであることができる。これらの粒子サイズは光散乱により測定される。
【0083】
脂肪相、特に脂肪エステル又は鉱物オイル及び/又はシリコーンオイルから構成される脂肪相中での溶解性又は分散性に寄与することのできる単位の例として、
シロキサン誘導体、例えばポリアルキルシロキサン、特にポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリアリールシロキサン、アルキルシロキサン、アルキルアリールシロキサン、又はアリールシロキサン、これらのシロキサンは変性されていてもいなくてもよく、かつ弗素、アルコキシ、又はアルコール官能基又はポリ(C〜C3アルキレンオキサイド)鎖を含んでいてもいなくてもよい、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、これらは、水素化されていてもいなくてもよい、ポリ(エチレンブチレン)又はポリイソブチレン、
直鎖又は分岐のC〜C30アルキル、及び
それらの混合物
が挙げられ得る。
【0084】
特定の代替の形態に従うと、これらのロッドブロックは、脂肪相に十分に可溶又は分散可能にすることのできる、1以上の可溶化基を有する。これらの可溶化基は、特にポリアルキルシロキサン、例えばポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリ(C2〜C3アルキレンオキサイド)単位を含むポリジメチルシロキサン、ポリ(C2〜C3アルキレンオキサイド)単位及びラウリル単位を含むポリジメチルシロキサン、パーフルオロ化単位を含むポリジメチルシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、例えばポリメチルフェニルシロキサン、非水素化ポリブタジエン、ポリ(エチレンブチレン)、直鎖又は分岐状のC12、C14、C16、C18又はC22アルキル、及びそれらの混合物から選択されることができる。
【0085】
ロッドブロックは、水への溶解性及び分散性に寄与することのできる可溶化基をもまた含むことができる。
【0086】
その例として、例えば以下の単位が挙げられ得る:
カルボキシル(−COOH)又はカルボキシレート(−COOM+)基、
スルホ(−S03H)又はスルホネート(−SO3M+)基、
ホスホノ(−PO (OH)2)又はホスホネ−ト(−PO(O)2M+2)基、
ここでMは、例えばアルカリ金属、例えばナトリウム、カリウム又は有機アミン、例えば一級、二級、又は三級アミンを表す、
アミン基:−NH2、−NHR又は−NR1R2、又はそれらの有機又は無機塩の1つ、
4級アンモニウム基、例えば:−N+R'3Z
ここでZは、例えばBr又はCl原子又は(C1〜C4)−アルキル−OS03を表し、R'は例えば同一又は異なる、直鎖又は分岐状の、C1〜C20アルキル基を表す、
ヒドロキシル基、
ポリ(C2〜C3アルキレンオキサイド)基、
及びそれらの混合物。
【0087】
上で特定されたように、これらの基は中和された形で使用されてもされなくてもよい。
【0088】
より特にこれらの可溶化基は、以下の単位から選択されることができる:−COOH、−CHCOOH、−(CH2)2COOH、−(CH2)3COOH、−OH、−CH20H、− (CH2)60H、− (CH2)S03H、− (CH2)2S03H、−(CH2)3S03H、−O (CH2)3SO3H、− (CH2)2N(CH3)(CH3)、−N (CH3)(CH3)、− O(CH2)3N(CH2CH3)2、− (CH2)2N(CH2CH3)2、− [(CH2)2O]xCH2CH2OH、− [(CH2)2O]xCH2CH2OCH3又は− [(CH2)2O]xCH2CH2OCH2CH3、ここでxは、0〜200の間の数を表す、それらのナトリウム塩及びアミン塩、特にそれらのトリエチルアミン塩及びトリブチルアミン塩。
【0089】
上述のすべての可溶化基は、スペーサーの基、例えば−R"−、−OR"−、−OCOR"−又は−COOR"−基、ここでR"は、直鎖又は分岐状のC1〜C20アルキレン基を表す、により環に結合されていることができる。
【0090】
当業者は、基の間での化学的な矛盾という危険を回避するために、種々の基を選択する。
より特に、ロッドブロックは、以下から選択されることができる:
ポリアリーレン、ポリ(アリーレンビニレン)、ポリ(アリーレンエチニレン)又はポリ(アリーレンエーテル、特にポリ(パラ−フェニレン)、ポリ(パラ−フェニレンビニレン)、ポリ(パラ−フェニレンエチニレン)、ポリ(パラ−フェニレンエーテル)、ポリ(パラ−フェニレンスルフィド)及びポリ(ビフェニレンエーテル)、
ポリキノリン、ポリキノキサリン、ポリピリジン、ポリ(ピリジンビニレン)、ポリ(ナフチレンビニレン)、ポリチオフェン、ポリ(チオフェンビニレン)、ポリ(チオフェンエチニレン)、ポリビスチオフェン、ポリフラン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリベンズイミダゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾオキサゾ−ル、ポリベンゾビスアゾール、芳香族ポリアミド、芳香族ポリヒドラジド、芳香族ポリアゾメチン、芳香族ポリエステル、芳香族ポリイミド、ポリカルバゾール、ポリフルオレン又はポリアントラセン
それらの誘導体又はそれらの混合物。
【0091】
特に、それらは、ポリアリーレン、ポリ(アリーレンビニレン)、ポリ(アリーレンエチニレン)、ポリ(アリーレンエーテル)、ポリアニリン、ポリピロール又はポリチオフェン、及びそれらの誘導体又は混合物であることができる。
【0092】
ロッドブロック、例えば
ポリ[2,5−ビス(4−メトキシフェニル)オキシカルボニル]スチレン、
ポリ(4'−オキシビフェニル)、
ポリ(フェニレンベンゾビスチアゾール)、
ポリ(1,4−(2,5−ジヘキシルフェニレン))、
ポリ(1,4−(2,5−ジヘキシルフェニレン)エチニレン)、
ポリ(1,4−(2,5ジヘキシルフェニレン)ビニレン)、
ポリ(3−ドデシルチオフェン)、
ポリ(3−オクチルチオフェン)、
ポリ[1,4−(2,5−ジ(ポリジメチルシロキサン)フェニレン)]、及び
それらのコポリマー
が、本発明に特に適する。
【0093】
本発明の文脈において、脂溶性又は脂肪に分散性のロッドブロックポリマーは特に有利である。
【0094】
本発明の特定の代替の形態に従うと、ロッドブロックの数平均分子量は、200g/mol〜1 000 000g/mol、特に250g/mol〜800 000g/mol、より特に250g/mol〜500 000g/molの範囲である。
【0095】
本発明の特定の代替の形態に従うと、ロッドブロックは、コポリマーの合計重量に対して少なくとも10重量%、特に少なくとも15重量%、特に少なくとも30重量%の割合で、かつ特に90重量%以下、特に85重量%以下、実際80重量%以下で存在する。
【0096】
この比は、所望される溶解性により特に調節されることができる。すなわち、コイルブロックが所望される媒体に可溶であるのに対して、ロッドブロックが可溶ではないとき、第一のタイプのコイルブロックの割合は、高い値に有利に調節されることができる。
【0097】
コイルブロック
上述されたロッドブロックと対照的に、コイルブロックはホモポリマー又はコポリマーから構成され、その鎖は、ランダムな変動可能な幾何コンフォメーションを有する。鎖を構成するモノマー間の化学結合の自由度は、ロッドブロックの場合より、コイルブロックの場合の方がかなり多く、そのことは、かなり多数の可能なコンフォメーションをもたらす。
【0098】
ロッドブロックと対照的に、コイルブロック中の鎖の末端間の平均距離、即ち<R02>コイルは、以下の関係を満足する。
<R0>コイル=NL2
ここでN及びLは上で定義されたとおりである。
【0099】
エチレン、ビニル、アリル、(メタ)アクリレート、及び/又は(メタ)アクリルアミド単位、及びそれらの誘導体を含むモノマーのラジカル重合から由来する1以上のホモポリマー又はコポリマーからなるブロックが、コイルブロックとして、本発明に特に適する。
【0100】
例えば、ビニル/(メタ)アクリレート、ビニル/(メタ)アクリルアミド、ビニル/(メタ)アクリレート/メタクリルアミド、オレフィン/ビニル及び(メタ)アクリレート/メタ)アクリルアミドコポリマーが本発明に適する。
【0101】
これらのポリマーの例として、特にビニルアセテート、スチレン、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、ポリ(エチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ビニルラウレート、ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、クロトン酸、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、スチレンスルホン酸、ジメチルジアリルアミン、ビニルピリジン、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート又はジメチルアミノプロピル (メタ)アクリルアミド、及びそれらの塩に基づくホモポリマー又はコポリマーが挙げられ得る。
【0102】
それらは:
ポリウレタン及び/又はポリウレアのタイプの重縮合体、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリアミド又はこれらのコポリマー、例えばポリウレタン/ウレア及びポリエステル/アミド;
開環により得られたポリマー、例えばポリ(エチレンオキサイド)又はポリ(プロピレンオキサイド)タイプのポリエーテル、及びそれらのポリ(エチレンオキサイド)/ポリ(プロピレンオキサイド)コポリマー、ポリエステル、例えばポリカプロラクトン、ポリ(乳酸)又はポリ(ヒドロキシアルカノエート)、又はポリオキサゾリン、例えばポリ(2−メチルオキサゾリン)又はポリ(2−エチルオキサゾリン)、
シロキサン(コ)ポリマー、例えばポリアルコキシシロキサン(特にポリジメチルシロキサン)、ポリアルキルアリールシロキサン又はポリアリールシロキサン、これらは変性されていてもいなくてもよく、弗素、ヒドロキシル、アルコキシ官能基及び/又はポリ(C2〜C3アルキレンオキサイド)鎖を含んでいてもいなくてもよい、
メタセシスにより得られたポリマー、例えばポリ(ノルボルネン)及びそのコポリマー;
カチオン重合により得られたポリマー、例えばポリ(ビニルアルキルエーテル)、例えばポリ(ビニルメチルエーテル)、
これらの種々のタイプのポリマーのコポリマー、例えばポリシロキサン/ポリ(エチレンオキサイド);及び
それらの塩及び誘導体
であることもまたできる。
【0103】
これらのポリマーは、適切であれば、特に、それらが配合されることを意図されている化粧料組成物の媒体の1つ、例えば水、アルコール、炭素を含むオイル、エステル、フッ素化オイル、シリコーンオイル、及び/又は任意の他の脂肪物質中における可溶性、又は分散性を与えるために、官能化されていることができる。
【0104】
脂溶性コイルコポリマーは、より特に本発明に適切である。
【0105】
コイルブロックを形成する、水に不溶であり、かつ脂溶性のポリマーの代表として以下、
ポリジメチルシロキサン(PDMS)、
ポリ(C2〜C3アルキレンオキサイド)単位を含むポリジメチルシロキサン、ポリ(C2〜C3アルキレンオキサイド)単位及びラウリル単位を含むポリジメチルシロキサン、シリコーン又はシリコーン誘導体に可溶であるパーフルオロ化された単位を含むポリジメチルシロキサン、
ポリアルキルアリールシロキサン、例えばポリメチルフェニルシロキサン、
水素化されていてもいなくてもよいポリブタジエン、鉱油に可溶であるポリイソブチレン及び(エチレン/ブチレン)コポリマー、
〜C30の炭素鎖を有するアルキドポリエステル;
〜C30の炭素鎖を有するポリアミド;
ビニルラウレートに基づくビニルポリマー;
ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、又はラウリル(メタ)アクリレートに基づくポリ(メタ)アクリレート、
が挙げられ得る。
【0106】
水及び/又はエタノールに可溶又は分散可能であるブロックであって、親水性ノニオン、アニオン、及び/又はカチオン性単位を含むことのできるブロックもまた、コイルブロックとして本発明に適する。アニオン基又はカチオン基を含むポリマーは、中和された、又はされていない形態で、又はカチオン単位の場合、4級化された、又はされていない形態で使用されることができる。
【0107】
中和は、ロッドブロックについて上で議論された中和と同じ又は異なっていることができる。アニオン基は、例えば無機塩基、例えばLiOH、NaOH、KOH、 Ca(OH)2又はNH40H、又は上で定義された有機塩基で中和されることができる。カチオン基の中和に関しては、酸、例えば硫酸又は塩酸、又は上で定義された有機酸で行われることができる。さらに、カチオン基は、上で定義されたように、4級化されることができる。
【0108】
ノニオン性単位を含むポリマーの代表として、特にエチレンオキシド、メチルオキサゾリン、エチルオキサゾリン、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタムに基づくポリマー、及びポリ(エチレンポリオキシド)(メタ)アクリレート、ポリ(エチレンオキサイド)、又はポリ(エチレンオキサイド)/ポリ(プロピレンオキサイド)コポリマーに基づくポリマーが挙げられ得る。
【0109】
アニオン性ポリマーとして、クロトン酸、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、又はスチレンスルホン酸に基づくラジカルホモポリマー又はコポリマー、スルホン脂肪族ポリエステル、スルホン脂肪族ポリアミド及びそれらの塩が挙げられ得る。
【0110】
カチオン性ポリマーとして、ジメチルジアリルアミン、ビニルピリジン、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、又はジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドに基づくラジカルホモポリマー又はコポリマー、三級アミン脂肪族ポリエステル、三級アミン脂肪族ポリアミド及びそれらの塩が挙げられ得る。
【0111】
コイルブロックの合成に関しては特に、Dunodにより2002年に出版された文書「ポリマーの化学と物理化学」を参照されたい。
【0112】
本発明に従うコポリマーにおいて、コイルブロックの数平均分子量は、500g/mol〜1 000 000g/mol、特に500g/mol〜800 000g/mol、より特に500g/mol〜500 000g/molの範囲であり得る。
【0113】
本発明に従うロッドコイル(ロッド-b-コイルとしてもまた公知である)ブロックコポリマーの例として、
ジブロック:ロッド-b-コイル
ポリジメチルシロキサン-b-ポリ(p−フェニレンエーテル)、
ポリジメチルシロキサン-b-ポリ[2,5−ビス(4−メトキシフェニル)−オキシカルボニル]スチレン、
ポリ(エチレン/ブチレン)-b-ポリ(4'−オキシビフェニル)、
(C12炭素鎖を有するアルキドポリエステル)-b-ポリ(ビフェニル−4'−ビフェニルカルボキシレート)、
ポリ(ビニルラウレート)-b-ポリ(フェニレンベンゾビスチアゾール)、
ポリイソプレン-b-ポリ(1,4−(2,5−ジヘキシルフェニレン))、
ポリ(ジメチルシロキサン)-b-ポリ(2,5−(3−(エトキシエチル)チオフェン))、
ポリジメチルシロキサン-b-ポリ(3−ドデシルチオフェン)、
ポリ(ビニルラウレート)-b-ポリ(3−オクチルチオフェン)、
ポリ(ビニルラウレート)-b-ポリ[1,4−(2,5−ジ(ポリジメチルシロキシル)フェニレン)]、
トリブロック:コイル-b-ロッド-b-コイル
ポリジメチルシロキサン-b-ポリ(p−フェニレンエーテル)-b-ポリジメチルシロキサン、
ポリジメチルシロキサン-b-ポリ(1,4−(2,5−ジヘキシルフェニレン)エチニレン)-b-ポリジメチルシロキサン、
ポリ(エチレン/ブチレン)-b-ポリ(1,4−(2,5−ジヘキシルフェニレン)エチニレン)-b-ポリ(エチニレン/ブチレン)、
(C12炭素鎖を有するアルキドポリエステル)-b-ポリ(ビフェニル−4’−ビフェニルカルボキシレート)-b-(C12炭素鎖を有するアルキドポリエステル)、
ポリ(ビニルラウレート)-b-ポリ(4’−オキシビフェニル)-b-ポリ(ビニルラウレート)、
ポリ(オレイルアクリレート)-b-ポリ(2,5−ヘキシルチオフェン))-b-ポリ(オレイルアクリレート)、
ポリジメチルシロキサン-b-ポリ(3−ドデシルチオフェン)-b-ポリジメチルシロキサン
又は前記の構造から生じるロッド-b-コイル-b-ロッドトリブロック、例えばポリ(1,4−(2,5−ジヘキシルフェニレン)エチニレン)-b-ポリ(エチレン/ブチレン)-b-ポリ(1,4−(2,5−ジヘキシルフェニレン)エチニレン)
が挙げられ得る。
【0114】
以下もまた本発明に適する。
ジブロック:ロッド-b-コイル
ポリ(エチレンオキサイド)-b-ポリ(p−フェニレンエーテル)、
ポリ(エチレンオキサイド)-b-ポリ[2,5−ビス(4−メトキシフェニル)オキシカルボニル]スチレン、
ポリ(エチレンオキサイド)-b-ポリ(4’−オキシビフェニル)、
ポリビニルカプロラクタム-b-ポリ(ビフェニル−4’−ビフェニルカルボキシレート)、
ポリビニルカプロラクタム-b-ポリ(フェニレンベンゾビスチアゾール)、
ポリ(アクリル酸)-b-ポリ(1,4−(2,5−ジヘキシルフェニレン))
ポリスチレンスルホネートb-ポリ(1,4−(2,5−ジヘキシルフェニレン))、
ポリ(アクリル酸−コ−メチルメタクリレート)-b-ポリ(1,4−(2,5−ジヘキシルフェニレン))、
ポリ(アクリル酸−コ−ブチルアクリレート)-b-ポリ(フェニレンベンゾビスチアゾール)、
ポリジメチルシロキサン-b-ポリ(1,4−(2,5−ジカルボキシビフェニル))、
ポリ(エチレングリコール)-b-ポリ(1,4−(2,5−ジカルボキシビフェニル))、
ポリジメチルシロキサン-b-ポリ(2,5−(3−(カルボキシチオフェン))、
ポリ(エチレングリコール)-b-ポリ(2,5−(3−カルボキシチオフェン))、
ポリ(エチレングリコール)-b-ポリ(2,5−(3−(エトキシエチル)チオフェン))、
及びそれらのナトリウム又はアミン塩、
トリブロック:コイル-b-ロッド-b-コイル
ポリ(アクリル酸)-b-ポリ(1,4−(2,5−ジヘキシルフェニレン)-b-ポリ(アクリル酸)、
ポリスチレンスルホネートb-ポリ(1,4−(2,5−ジヘキシルフェニレン))-b-ポリスチレンスルホネート、
ポリ(アクリル酸−コ−MMA)-b-ポリ(1,4−(2,5−ジヘキシルフェニレン)-b-ポリ(アクリル酸−コ−MMA)、
ポリ(アクリル酸−コ−ブチルアクリレート)-b-(フェニレンベンゾビスチアゾール)-b-ポリ(アクリル酸−コ−ブチルアクリレート)、
ポリ(エチレングリコール)-b-ポリ(1,4−(2,5−ジカルボキシビフェニル))-b-ポリ(エチレングリコール)、
ポリ(エチレンオキサイド)-b-ポリ(p−フェニレンエーテル)-b-ポリ(エチレンオキサイド)、
ポリ(エチレンオキサイド)-b-ポリ(1,4−(2,5−ジヘキシルフェニレン)エチニレン)-b-ポリ(エチレンオキサイド)、
ポリ(エチレングリコール)-b-(2,5−(3−カルボキシチオフェン))-b-ポリ(エチレングリコール)、
ポリ(アクリル酸−コ−ブチルアクリレート)-b-ポリ(2,5−(3−(エトキシエチル)チオフェン))-b-ポリ(アクリル酸−コ−ブチルアクリレート)、
ポリジメチルシロキサン-b-ポリ(2,5−(3−(エトキシエチル)チオフェン))-b-ポリジメチルシロキサン、
ポリジメチルシロキサン-b-ポリ(1,4−(2,5−ジカルボキシビフェニル))-b-ポリジメチルシロキサン
ポリ(エチレン/ブチレン)-b-ポリ(1,4−(2,5−ジカルボキシビフェニル))-b-ポリ(エチレン/ブチレン) 及び
それらのナトリウム又はアミン塩、
前記の構造から得られるロッド-b-コイル-b-ロッドトリブロック、例えば:
ポリ(p−フェニレンエーテル)-b-(エチレンオキサイド)-b-ポリ(p−フェニレンエーテル)、
ポリ(2,5−(3−カルボキシチオフェン))-b-ポリジメチルシロキサン-b-ポリ(2,5−(3−カルボキシチオフェン))、及び
それらのナトリウム又はアミン塩。
【0115】
これらの種々のブロックのすべての組み合わせもまた適する。
【0116】
以下のロッド−コイルブロックコポリマー:
ジブロック:ロッド-b-コイル
ポリジメチルシロキサン-b-ポリ[2,5−ビス(4−メトキシフェニル)−オキシカルボニル]スチレン、
ポリ(エチレン/ブチレン)-b-ポリ(4'−オキシビフェニル)、
C12の炭素鎖を有するアルキドポリエステル-b-ポリ(ビフェニル−4'−ビフェニルカルボキシレート)、
ポリ(ビニルラウレート)-b-ポリ(フェニレンベンゾビスチアゾール)、
ポリイソプレン-b-ポリ(1,4−(2,5−ジヘキシルフェニレン))、

トリブロック:コイル-b-ロッド-b-コイル
ポリジメチルシロキサン-b-ポリ(1,4−(2,5−ジヘキシルフェニレン)エチニレン)-b-ポリジメチルシロキサン、
ポリ(エチレン/ブチレン)-b-ポリ(1,4−(2,5−ジヘキシルフェニレン)エチニレン)-b-ポリ(エチレン/ブチレン)、
C12の炭素鎖を有するアルキドポリエステル-b-ポリ(ビフェニル−4'−ビフェニルカルボキシレート)-b-C12の炭素鎖を有するアルキドポリエステル
ポリ(ビニルラウレート)-b-ポリ(4'−オキシビフェニル)-b-ポリ(ビニルラウレート)、
ポリ(オレイルアクリレート)-b-ポリ(2,5−ヘキシルチオフェン))-b-ポリ(オレイルアクリレート)、及び
それらの塩又は誘導体
が、本発明に特に非常に適する。
【0117】
より特に、ロッド−コイルブロックポリマーは、架橋されていない形で使用される。
【0118】
本発明に従うロッド−コイルブロックポリマーは、種々の合成ルートにより得られる。
【0119】
合成ルートは、ロッドブロックの官能性末端及びコイルブロックの官能性末端の間の縮合による反応を含む、2つの予め形成されたロッド及びコイル前駆体の間の反応であり得る。合成ルートは、特にC−C、C=C又はC≡C結合の形成に関する。
【0120】
別の代替の形態に従うと、ロッド−コイルブロックコポリマーを構成する2つのブロックの形成は、すでに構築された他のブロックの存在下、インシチューで行われることができる。例えばもしコイルブロックがラジカルルートにより得られることのできるポリマーであるならば、コイルブロックのために考慮下のモノマーの制御されたラジカル重合を開始できる1の官能基でロッドブロックの両端の内の1つを官能化することで十分である。同様に、ロッドブロックの形成は、コイルブロックの存在下、このブロックの反応性官能基上でインシチューで行われることができる。
【0121】
前駆体の官能基、官能基の分布に依存して、ジブロック、トリブロック、マルチブロック、分岐状ポリマー又は星型ポリマーが得られ得る。
【0122】
例えば、縮合が、重合又は、A−X−AのタイプのモノマーとB−X'−Bモノマー、又はA−X−Bタイプのいくつかのモノマーとの反応によるいくつかの連続する炭素炭素カップリング反応を含むいくつかの特定の場合には、以下のカップリング技術の1つが使用され得る。ここでX及びX’の両方は、上でXと定義されている。
Stilleカップリング、該カップリングは、SnR3官能基により置換された芳香族とハロゲン化された芳香族誘導体の間のPdをベ−スとする触媒を含むカップリングである。
鈴木カップリング、該カップリングは、パラジウム錯体に触媒される、ハロゲン官能基(例えば臭素)及びホウ酸の間のカップリング反応である。
薗頭−Heckカップリング、該カップリングは、Cu及びPdの錯体、及び塩基により触媒される、芳香族上のアセチレン官能基及びハロゲン原子(臭素又はヨウ素)により置換された芳香族官能基との間の結合の形成から由来する。
【0123】
このカップリングは、以下のプロトコルによる、ポリ(フェニレンエチニレン)ロッドからなるロッド−コイルジブロックポリマーの合成について、特に下に記載される。
a) エステル官能基によるロッドの官能化、
これは
【0124】
【化23】

の存在下で行われる、
及び
b) エステル末端の酸への転化、続く酸末端のロッド及びOH末端のコイル、例えば

HO−(CH2CH2O)nH

間のエステル化によるロッド−コイルの製造、該方法は参考文献、Macromol. Rapid Commun. 第19巻、275〜281ページに従う。
【0125】
この縮合は、ウィティッヒ−ホーナー反応、即ち、芳香族アルデヒドと、例えば、P(OR3)、特にP(OEt)3を用いてCH2Brで官能化された芳香族誘導体から製造された芳香族エステルのホスホネートとのカップリングに従うC=C二重結合の形成によってもまた行われることができる。
【0126】
このテクニックは、ロッド−コイルトリブロックコポリマーの合成について、Advanced Materials、第13巻、第18号、1363ページ、2001年を参照して、下に説明される。下式の様に、そのロッド構造は、ポリ(フェニレンビニレン)(PPV)からなり、そのコイル構造はポリ(エチレンオキサイド)である。
【0127】
【化24】

【0128】
この縮合は、
一級又は二級アミンとアルデヒドとの縮合反応によるC=N(イミン)結合の形成、
例えば「Advanced Organic Chemisty」、M. B. Smith及びJ. March、Wiley Interscience、第5版、に記載された標準的な方法、及び「Macromolecules」、第32巻、1999年、7688〜7691ページに記載され、以下のように図示されたプロトコルに従う標準的な方法に従う、エーテル、エステル、アミド、ケトン、又はアミン結合の形成、
【0129】
【化25】

化学的又は電気化学的酸化、例えばニッケル又はパラジウム錯体を有する触媒によるジハロゲン化されたチオフェンの重縮合
によってもまた行われることができる。このテクニックは、所望される官能基を含むモノマーの添加によるロッド及び/又はコイル単位の前もっての官能化を必要とするかもしれない。
【0130】
別のタイプの特定のカップリングは、芳香環形成により行われることができる。このタイプのカップリングは、特にポリフェニルキノリンの場合、要求される。
【0131】
この特定の場合、ロッド−ブロックカップリングは、以下のようなプロトコルに特に従って、アセチル末端コイル及びポリキノリンロッドブロック間のキノリン官能基の形成により行われる。
【0132】
【化26】

【0133】
本発明に従う化粧料組成物において、ロッド−コイルブロックコポリマーは、ナノ構造の形で、又はレオロジー剤、即ちそれを含む生理学的に許容される媒体上に、所望される配合物に適する粘度を与えることができる剤、として、自己会合と両立する濃度において使用される。
【0134】
これらの濃度は一般的に、臨界ミセル濃度、又は臨界ベシクル濃度より大きい濃度である。これらの臨界ミセル濃度又は臨界ベシクル濃度は、それより下の濃度では、コポリマーが個々の分子として又は溶液中で鎖として存在し、それより上では、集合したものとしてその中に存在することを特徴とする。これらの臨界濃度の値は、10−9 mol/l〜10−4 mol/lの範囲である。
【0135】
組成物の合計重量に対して0.5〜90重量%、特に0.7〜85重量%、より特に0.8〜75重量%のコポリマーの範囲であるコポリマーの濃度が、非常に特に適する。
【0136】
生理学的に許容される媒体
用語「生理学的に許容される媒体」は、ヒトの皮膚、口唇、又は表面にある体の成長物に施与されることができる非毒性の媒体を意味すると理解されるべきである。生理学的に許される媒体は、環境温度及び大気圧における流動性又は非流動性の点において、その上に組成物が施与されなければならない基材の性質、及び組成物が包装されることを意図された条件に一般的に適合されている。
【0137】
脂肪相
本発明に従う組成物は、少なくとも1の脂肪相、特に環境温度(25℃)及び大気圧において液状である少なくとも1の脂肪物質及び/又は環境温度及び大気圧において固体であるところの少なくとも1の脂肪物質、例えばワックス、ペースト状脂肪物質、ガム、及びこれらの混合物を含む。脂肪相は有機性のオイル及び/又は親油性有機溶媒をゲル化させる及び構造化させる剤をもまた追加的に含み得る。
【0138】
組成物は、例えば、組成物の合計重量に対して5%未満、特に1%未満の水を含むことができ、特に無水の形態であり得る連続脂肪相を有することができる。
【0139】
本発明に従う組成物の脂肪相は、特に液状脂肪物質として、少なくとも1の揮発性又は非揮発性のオイル又はそれらの混合物の一つを含むことができる。
【0140】
用語「揮発性オイル」は本発明の意味内において、環境温度及び大気圧において、皮膚と接触したとき1時間未満内に蒸発することのできる任意のオイルを意味すると理解される。本発明の揮発性オイルは揮発性の化粧料オイルであり、それは環境温度において液状であり、環境温度及び大気圧においてゼロではない蒸気圧を有し、該蒸気圧は特に0.01mm〜300mmHg(1.33Pa〜40000Pa)の範囲であり、好ましくは0.3mmHg(30Pa)より高い。
【0141】
用語「非揮発性オイル」は、皮膚の上で環境温度及び大気圧において少なくとも数時間残り、特に0.01mmHg(1.33Pa)未満の蒸気圧を有するオイルを意味するために使用される。
【0142】
これらの揮発性又は非揮発性オイルは炭化水素オイル、特に植物起源のオイル、シリコーンオイル、又はそれらの混合物であり得る。用語「炭化水素オイル」は、主に水素及び炭素原子を含み、場合によって酸素、窒素、硫黄及び/又はリン原子を含んでいてもよいオイルを意味するために使用される。
【0143】
揮発性の炭化水素オイルは、8〜16の炭素原子を含む炭化水素オイル、そして特にC8〜C16の分岐状アルカン、例えば石油起源のC8〜C16のイソアルカン(イソパラフィンとしてもまた公知である)、例えばイソドデカン(2,2,4,4,6−ペンタメチルヘプタンとしてもまた公知である)、イソデカン、イソヘキサデカン、そして例えば商標名Isopars(商標)又はPermetyls(商標)の商品名で販売されているオイル、C〜C16の分岐状エステル、例えばネオペンタン酸イソヘキシル、及びそれらの混合物から選択され得る。他の揮発性の炭化水素オイル、例えば石油の留出物、特にShellによりShell Solt(商標)の名前で販売されているものもまた使用され得る。
【0144】
揮発性オイルとして、揮発性のシリコーン、例えば揮発性の直鎖又は環状シリコーンオイル、特に≦8センチストーク(8×10-6m2/s)の粘度を有し、特に2〜7の珪素原子を含むもの、これらのシリコーンは任意的に1〜10の炭素原子を含むアルキル又はアルコキシ基を含んでいてもよい、を使用することが可能である。本発明において使用されることができる揮発性オイルとして特にオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0145】
本発明に従う組成物は、1以上のシリコーンオイルをもまた、一般的に少量、即ち溶媒相の10重量%未満であることができる量で含むことができる。シリコーンオイルは、特に揮発性又は非揮発性のオイルであることができ、例えばジメチコーン、フェニルジメチコーン、アルキルジメチコーン、ジメチコーンコポリオール、又はシクロメチコーンであることができる。
【0146】
本発明に従う組成物中に揮発性オイルは、組成物の合計重量に対して0.1〜98重量%の範囲の含有量において、特に1〜65重量%、より特に2〜50重量%の範囲の含有量において存在し得る。
【0147】
非揮発性オイルは特に、非揮発性の炭化水素オイル、適切な場合にはフッ素化されていてもよい、及び/又は非揮発性のシリコーンオイルから選択され得る。
【0148】
非揮発性の炭化水素オイルとして、特に以下のものが挙げられ得る:
動物起源の炭化水素オイル、
植物起源の炭化水素オイル、例えば脂肪酸エステル及びグリセロールにより構成されるトリグリセリド、ここで該脂肪酸はC4〜C24の範囲の種々の鎖の長さを有し得、該鎖は、直鎖又は分岐状であってもよく、そして飽和又は不飽和であってもよい;これらのオイルは特に以下のオイルである:小麦胚芽、ヒマワリ、グレープシード、ゴマ種、トウモロコシ、アプリコット、ひまし、シア、アボガド、オリーブ、大豆、スイートアーモンド、パーム、セイヨウアブラナ、綿実、ヘーゼルナッツ、マカデミア、ホホバ、アルファルファ、ケシの実、カボチャ種、胡麻、キュウリ、黒スグリ種、月見草、キビ、セイヨウアブラナ、キビ、大麦、キノア、ライ麦、サフラワー、ククイナッツ、パッションフラワー、又はマスクローズ(musk rose)オイル;シアバター;又はカプリル/カプリン酸のトリグリセリド、例えばStearineries Dubois社により販売されているもの、又はDynamit Nobel社によりMiglyol810(商標)、812(商標)、及び818(商標)の名前で販売されているもの、
10〜40の炭素原子を有する合成エーテル、
鉱物又は合成起源の直鎖又は分岐状の炭化水素、例えばミネラルオイル、ポリデセン、水素ポリイソブテン例えばParleam、スクワラン、及びこれらの混合物、
合成エステル、例えば式R1COOR2のオイル、ここでR1は1〜40の炭素原子を含む直鎖又は分岐の脂肪酸残基を表し、R2は炭化水素鎖、特に、R1+R2は≧10であるならば、1〜40の炭素原子を含む分岐状の炭化水素鎖を表し、例えばプルセリンオイル(オクタン酸セトステアリル)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、C12〜C15アルキル安息香酸エステル、ラウリル酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、イソステアリン酸イソステアリル、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸、又はリシノール酸のアルコール又はポリアルコールエステル、例えばジオクタン酸プロピレングリコール;ヒドロキシルエステル、例えば乳酸イソステアリル、リンゴ酸ジイソステアリル;ポリオールエステル、及びペンタエリスリトールエステル;
12〜26の炭素原子を有する分岐状及び/又は不飽和の炭素鎖を有する、環境温度において液状であるところの脂肪族アルコール、例えばオクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2-ヘキシルデカノール、2-ブチルオクタノール及び2-ウンデシルペンタデカノール;
高級脂肪酸例えばオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、及びこれらの混合物。
【0149】
本発明の組成物において使用され得る非揮発性シリコーンオイルは、非揮発性のポリジメチルシロキサン(PDMS)、ペンダント状であるアルキル又はアルコキシ基、及び/又はシリコーン鎖の末端にあるアルキル又はアルコキシ基を含むポリジメチルシロキサン(各基は2〜24の炭素原子を含む)、フェニル化シリコーン、例えばフェニルトリメチコーン、フェニルジメチコーン、フェニル(トリメチルシロキシ)ジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコーン、ジフェニル(メチルジフェニル)トリシロキサン及び(2−フェニルエチル)トリメチルシロキシシリケートであり得る。
【0150】
非揮発性のオイルは本発明の組成物中において、該組成物の合計重量に対して0.01〜90重量%、特に0.1〜85重量%、より特に1〜70重量%の範囲の濃度で存在し得る。
【0151】
より一般的に、環境温度及び大気圧において液体であるところの脂肪質物質は、脂肪相の重量に対して0.01〜90重量%、特に0.1〜85重量%の濃度で存在し得る。
【0152】
環境温度及び大気圧において固体である脂肪物質に関して、それはワックス、ペースト状の脂肪質、及びガム、及びこれらの混合物から選択され得る。この固体の脂肪物質は、脂肪相の合計重量に対して0.01〜50重量%、特に0.1〜40重量%、より特に0.2〜30重量%の割合で存在し得る。
【0153】
即ち、本発明の組成物は環境温度においてペースト状であるところの脂肪質物質を少なくとも1含み得る。
【0154】
本発明の意味の中において用語「ペースト状脂肪物質」とは、20℃〜55℃、特に25℃〜45℃の範囲の融点、及び/又は、60ヘルツ(Hz)において回転するスピンドルを装備されたContraves TV又はRheomat 80を用いて測定されて、0.1Pa.s〜40Pa.s(1ポイズ〜400ポイズ)、特に0.5Pa.s〜25Pa.sの範囲の40℃における粘度を有する脂肪物質を意味すると理解される。当業者は特に、試験されるペースト状化合物の粘度を測定することができるために、MS-r3及びMS-r4スピンドルから、粘度を測定することを可能にするスピンドルをその常識に基づいて選択することができる。
【0155】
より特に、これらの脂肪物質は炭化水素化合物であることができ、場合によってポリマー状タイプのものであってもよい。該脂肪物質は、シリコーン化合物から選択され得る;該脂肪は、炭化水素、及び/又はシリコーン化合物の混合物の形態で提供されてもよい。種々のペースト状脂肪物質の混合物の場合、優先的に炭化水素(主に炭素及び水素の原子を含み、場合によってエステル基を含んでいてもよい)のペースト状化合物が好ましくは使用される。
【0156】
本発明に従う組成物中で使用されることのできるペースト状化合物の中で、18Pa.s〜21Pa.s、好ましくは19Pa.s〜20.5Pa.sの範囲の粘度、及び/又は30℃〜55℃の融点を有する、ラノリン及びラノリン誘導体、例えばアセチル化ラノリン、オキシプロピレン化ラノリン、又はイソプロピルラノレート、及びこれらの混合物が挙げられる。脂肪酸又は脂肪族アルコールのエステル、特に20〜65の炭素原子を含むもの(約20〜35℃のオーダーの融点及び/又は0.1Pa.s〜40Pa.sの範囲の40℃における粘度)、例えば、クエン酸トリイソステアリル又はクエン酸セチル;プロピオン酸アラキジル;ポリ(ビニルラウレート);コレステロールのエステル、例えば植物起源のトリグリセリド例えば水素化された植物油、粘性を有するポリエステル、及びこれらの混合物を使用することもまた可能である。植物起源のトリグリセリドとして、水素化されたひまし油の誘導体、例えばRheox製の「Thixinr(商標)」をもまた使用することができる。
【0157】
シリコーンのペースト状脂肪質物質、例えば高分子量のポリジメチルシロキサン(PDMS)及び特に8〜24の炭素原子を有するアルキル又はアルコキシタイプのペンダント状鎖及び20〜55℃の融点を有するもの、例えばステアリルジメチコーン、特にDow Corning社によりDC2503(商標)及びDC25514(商標)の商標名で販売されているもの、及びこれらの混合物を挙げることもまた可能である。
【0158】
ペースト状の脂肪質物質は本発明の組成物中に、該組成物の合計重量に対して0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜45重量%、より好ましくは0.2〜30重量%の含有量で存在し得る。
【0159】
本発明に従う組成物は追加的にワックスを含み得る。ワックスは環境温度(25℃)において固体であり得、液体/固体の可逆的な状態の変化を有し、30℃より高く200℃までであるところの融解温度を有し、0.5MPaより高い硬度を有し、及び固体状態において異方性である結晶組織を示す。それは炭化水素ワックス、フッ素化されたワックス及び/又はシリコーンワックスであり得、そして動物、植物、鉱物又は合成起源であり得る。例えば蜜蝋、カルナウバロウ、キャンデリラワックス、パラフィンワックス、水素化されたひまし油ワックス、シリコーンワックス、マイクロクリスタリンワックス及びこれらの混合物から選択され得る。
【0160】
特に、ワックスは水中ワックス型のエマルジョンの形態で存在し得る。
【0161】
ワックスは本発明の組成物中に、該組成物の合計重量に対して0.01〜50重量%、特に0.1〜30重量%、特に0.2〜20重量%の含有量において存在し得る。
【0162】
水性相
本発明に従う組成物は、水性相を構成する、少なくとも1の水性媒体を含むことができる。
【0163】
水性相は基本的に水から構成され得るか、又は水及び少なくとも1の水と混和性の有機溶媒(25℃における50重量%超の水における混和性)の混合物から構成されることができる。
【0164】
即ち、本発明に従う組成物は、環境温度において揮発性である少なくとも1の有機溶媒からなる有機相を構成する少なくとも1の有機溶媒媒体を含むことができる。
【0165】
これらの有機溶媒は、化粧料組成物が爪への施与を意図されているとき、より特に考慮される。
【0166】
環境温度において揮発性又は非揮発性である有機溶媒として、以下のものが挙げられ得る:
環境温度において液状であるケトン類、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン、又はアセトン;
環境温度において液状であるアルコール類、例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、2−ブトキシエタノール、又はシクロヘキサノール;
環境温度において液状であるグリコール類、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ペンチレングリコール、又はグリセロール;
環境温度において液状であるプロピレングリコールエーテル類、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、又はジプロピレングリコールモノ(n−ブチル)エーテル;
短鎖エステル類(全部で3〜8の炭素原子を有する)、例えばエチルアセテート、メチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、アリールアセテート、又はイソペンチルアセテート;
環境温度において液状であるアルカン類、例えばデカン、ヘプタン、オクタン、ドデカン、シクロヘキサン、又はイソドデカン;及び
これらの混合物。
【0167】
上述の有機化合物は、組成物の合計重量に対して0.5〜99重量%の割合で存在することができる。
【0168】
生理学的に許容できる媒体が、かなりな量の有機相を含むとき、後者は、組成物の合計重量に対して30〜99重量%、特に60〜90重量%の割合で存在することができる。
【0169】
界面活性剤
本発明に従う組成物は、組成物の総重量に対して特に、0.1〜30重量%、よりよく5重量%〜15重量%の範囲の割合で存在する乳化するための界面活性剤をもまた追加的に含み得る。
【0170】
これらの界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、両性、又はノニオン性である界面活性剤から選択され得る。界面活性剤の(乳化する)性質及び機能の定義については、書類「カーク−オスマー化学技術の百科事典」(Encyclopedia of Chemical Technology、Kirk−Othmer)、第22巻、333〜432ページ、第3版、1979年、ワイリーを参照されたい。アニオン性及びノニオン性界面活性剤については、この参考文献の特に347〜377ページを参照されたい。
【0171】
本発明に従う組成物において好ましく使用される界面活性剤は、
ノニオン性界面活性剤、例えば脂肪酸及び脂肪アルコール、
及び/又はアニオン性界面活性剤
から選択される。
【0172】
粒子相
本発明の組成物は、組成物の合計重量に対して0.01〜40重量%、特に0.01〜30重量%、特に0.05〜20重量%の割合で存在することのできる追加の粒子相をもまた含み得る。
【0173】
特に、少なくとも1の顔料、及び/又は少なくとも1の真珠光沢剤、及び/又は化粧料組成物において使用される少なくとも1の追加のフィラーを含み得る。
【0174】
用語「顔料」は、液状親水性相に不溶であり、組成物を着色する及び/又は不透明にすることを意図された、白又は着色された、無機又は有機の粒子を意味すると理解されるべきである。用語「フィラー」は無色又は白色の、無機又は合成の、ラメラ又は非ラメラの粒子を意味すると理解されるべきである。「真珠光沢剤」は、特に、ある軟体動物により、その殻の中で生産される、あるいは合成される真珠光沢の粒子であると理解されるべきである。
【0175】
顔料は、組成物の重量に対して、0.01〜25重量%、特に0.01〜15重量%、より特に0.02〜5重量%の濃度で組成物中に存在し得る。
【0176】
本発明において使用されることのできる無機顔料として、チタン、ジルコニウム、又はセリウムの酸化物、亜鉛、鉄、又はクロムの酸化物、第二鉄青、マンガン紫、群青、及びクロム水和物が挙げられ得る。本発明において使用されることのできる有機顔料の中では、カーボンブラック、D&Cタイプの顔料、コチニールカーミン、バリウム、ストロンチウム、カルシウム又はアルミニウムに基づくレーキ、又は欧州特許出願公開第542669号、第787730号、第787731号、及び国際特許出願国際公開第96/08537号に開示されているジケトピロロピロール(DPP)を含む。これらの顔料の量及び/又は選択は、一般的に、考慮下の化粧料組成物に存在するロッド-コイルの量を考慮して調節される。
【0177】
真珠光沢剤は、組成物の合計量に対して0.01〜25重量%、特に0.01〜15重量%、及び特に0.02〜5重量%の割合で組成物中に存在することができる。
【0178】
真珠光沢顔料は、白色真珠光沢顔料、例えば酸化チタン又はオキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカ、着色真珠光沢顔料、例えば酸化鉄で酸化チタン被覆されたマイカ、特に第二鉄青又は酸化クロムで酸化チタン被覆されたマイカ、又は上述のタイプの有機顔料で酸化チタン被覆されたマイカ、及びオキシ塩化ビスマスに基づく真珠光沢顔料から選ばれることができる。
【0179】
追加のフィラーは組成物の合計重量に対して0.01〜40重量%、特に0.01〜30重量%、特に0.02〜20重量%の割合で存在することができる。その量は、一般的に、ロッド−コイルポリマーの量を考慮に入れることによってもまた調節される。
【0180】
それらは、球状フィラー、例えばタルク、ステアリン酸亜鉛、マイカ、カオリン、ポリアミド(Nylon(商標))のパウダー(Oragasol(商標)、Atochem社)、ポリエチレンパウダー、テトラフロロエチレンポリマー(Teflon(商標))のパウダー、スターチ、窒化ホウ素、ポリマー状微小球、例えばポリ(ビニリデンクロライド)/アクリロニトリルのポリマー状微小球、例えば、Expancel(商標)(Nobel Industrie社)、アクリル酸コポリマー(Polytrap(商標)、Dow Corning社製)、シリコーン樹脂マイクロビーズ(例えばTospearls(商標)、Toshiba社)及びオルガノポリシロキサンエラストマーの微小球であることができる。
【0181】
組成物は、水溶性または脂溶性の染料をも、組成物総重量の総重量に対して、0.01〜6重量%、特に0.01〜3重量%の範囲の含有量で含んでいてもよい。例えば脂溶性の染料は、スーダンレッド、DCレッド17、DCグリーン6、β−カロチン、大豆油、スーダンブラウン、DCイエロー11、DCバイオレット2、DCオレンジ5、及びキノリンイエローである。水溶性の染料は、例えばアオゲイトウジュース(beetroot juice)、及びメチレンブルーにより構成されていてもよい。
【0182】
本発明に従う組成物は、考慮下の分野、より特に化粧料及び皮膚科学の分野で慣用的に使用される任意の成分をもまた追加的に含んでいてもよい。これらの成分は、特にビタミン、抗酸化剤、増粘剤、微量元素、柔軟剤、封鎖剤、香料、塩基性化剤または酸性化剤、保存剤、UV遮蔽剤、親水性もしくは親油性活性剤、及びこれらの混合物から選ばれる。これらの種々の成分の量は、考慮下の分野で慣用的に使用される量であり、例えば組成物総重量の0.01〜20重量%である。
【0183】
もちろん、当業者は、本発明に従う組成物の有利な性質が問題の添加により害されない、又は実質的に不利益に影響を受けないように、これ又はこれらの任意的な追加化合物及び/又はそれらの量を気をつけて選択する。
【0184】
本発明の組成物は、化粧料又は皮膚科学において慣用的に使用される製造方法に従って得られることができる。本組成物は油性溶液、又は水中油型エマルジョン(direct emulsion)又は逆エマルジョン(inverse emulsion)の形態で提供されることができる。
【0185】
それはスティックとして又は皿に注型成形された製品の形態、例えば口紅又はリップバーム、キャストファンデーション、コンシーラー、顔色を「整えるため」、及び/又は「美しくするため」の製品、アイシャドウ、又はフェースパウダーの形態で提供されることもできる。
【0186】
それは、爪、皮膚、及び/又は口唇をケアするため及び/又はメイクアップするための製品の形態で提供されることができる。
【0187】
それは、ラッカー、スプレー、ジェル、ムース、シャンプー、及びコンディショナーの形態であるか否かに関わらず、毛髪をケアする及び/又はスタイリングするための毛髪製品の形態で提供されることができる。
【0188】
それは、エアロゾル装置において一般的に使用される任意の液化可能なガスであり得る噴射剤の存在下、配合されることができる。
【実施例】
【0189】
以下の組成物の実施例は、例として与えられ、制限する性質ではない。
【0190】
実施例1:ロッド−コイルコポリマーの製造:PDMS-b-(ポリビフェニル)
1) トシレート化されたPDMSの製造
20mlのジクロロメタン中の10.1g(2.15 mmol、1当量)のPDMS(Mn4670)及び1.5mlのトリエチルアミンが、25mlの滴下ロートを装備された100mlの3つ口フラスコに導入される。反応媒体は、アルゴン下において保たれ、氷浴で0℃において攪拌され、維持される。
【0191】
10mlのジクロロメタン中の836mgのp−トルエンスルホニル塩化物(TsCl)(4.4 mmol、2当量)が約20分に渡って上記反応混合物に滴加される。反応媒体は、即ち、添加の終点後4時間、0℃に維持される。混合物は均一のままである。
【0192】
生成物は、大過剰のメタノールから沈殿される。トシレート化されたPDMSポリマー(7g)が白色オイルの形で回収される。
【0193】
2)トシレート化されたPDMSのジヒドロキシビフェニルとのカップリング
段階1)で得られた、6.04gのトシレート化されたPDMS(1.25mol)、868mgのK2C03、及び474mgの1,4−ジヒドロキシビフェニルが70mlのTHF及び130mlのエタノールに混合される。混合物は24時間、還流(70℃)に至らせられる。冷却後、水/ CH2Cl2で抽出が行われる。過剰のジヒドロキシビフェニルは無機物質のように水に溶解される。CH2Cl2中の溶液の生成物を大過剰のメタノールから沈殿させることにより追加の精製が行われる。6gの黄色オイルが得られる。
【0194】
3) ブロモビフェニルのカップリング
段階2)の結果で得られた6gの生成物が、860mgのK2C03及び431lのブロモビフェニルの存在下、50mlのTHF及び90mlのメチルエチルケトン(MEK)の混合物に導入される。混合物は4時間、還流に至らせられる。冷却後、水/CH2Cl2で抽出が行われる。追加の精製は、CH2Cl2中の溶液の生成物を氷冷された大過剰のエーテルから沈殿させることにより行われる。5gの期待されたロッド−コイルコポリマーがオイルの形で得られる。
【0195】
実施例2:スタイリング製品の製造
実施例1のコポリマーが、揮発性のシリコーン、Dow又はRhodiaによりシクロメチコーンD5の名前で販売されているデカメチルシクロシロキサン、に1重量%の割合で溶解される。
【0196】
溶液はロ−ションの形で毛髪に施与される。
【0197】
配合物は、毛髪にべた付きのない光沢効果を与えることを可能にする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理学的に許容される媒体中に、
少なくとも1の脂肪相、及び
制限されたコンフォメーションを有する少なくとも1のロッドポリマー状ブロック構造に共有結合された、可変のコンフォメーションを有する少なくとも1のコイルポリマー状ブロック構造を含む、ロッド−コイルタイプの少なくとも1のブロックコポリマー
を含む化粧料組成物。
【請求項2】
制限されたコンフォメーションを有する上記ロッドポリマー状の構造が、その化学構造中に少なくとも1の、特に少なくとも2の芳香環系を有するところの、請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項3】
ロッドポリマー状の構造の制限されたコンフォメーションが、π-π相互作用により全体的又は部分的に与えられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化粧料組成物。
【請求項4】
コイルブロック中の鎖の末端間の平均距離、即ち<R02>コイルが、下記式を満足することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化粧料組成物、
<R02>コイル=NL2
ここでLは、モノマーの長さを表す、及び
Nはブロックを構成するモノマーの数を表す。
【請求項5】
コイルブロックが、エチレン、ビニル、アリル、(メタ)アクリレート、及び/又は(メタ)アクリルアミド単位、及びそれらの誘導体を含むモノマーのラジカル重合から由来する1以上のコポリマー又はホモポリマーからなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
【請求項6】
コイルポリマーが、
ビニル/(メタ)アクリレート、ビニル/(メタ)アクリルアミド、ビニル/(メタ)アクリレート/メタクリルアミド、オレフィン/ビニル及び(メタ)アクリレート/メタ)アクリルアミドコポリマー、
ビニルアセテート、スチレン、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、ポリ(エチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ビニルラウレート、ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、クロトン酸、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、スチレンスルホン酸、ジメチルジアリルアミン、ビニルピリジン、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、又はジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドに基づくホモポリマー又はコポリマー、
ポリウレタン及び/又はポリウレアのタイプの重縮合体、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリアミド又はそれらのコポリマー、例えばポリウレタン/ウレア及びポリエステル/アミド、
開環により得られたポリマー、例えばポリ(エチレンオキサイド)又はポリ(プロピレンオキサイド)タイプのポリエーテル、及びそれらのポリ(エチレンオキサイド)/ポリ(プロピレンオキサイド)コポリマー;ポリエステル、例えばポリカプロラクトン;及びポリオキサゾリン、例えばポリ(2−メチルオキサゾリン)又はポリ(2−エチルオキサゾリン)、
シロキサン(コ)ポリマー、例えばポリジメチルシロキサン(PDMS)及びポリメチルフェニルシロキサン、
メタセシスにより得られるポリマー、例えばポリ(ノルボルネン)及びそのコポリマー、
カチオン重合により得られたポリマー、例えばポリ(ビニルアルキルエーテル)、
これらの種々のタイプのポリマーのコポリマー、例えばポリシロキサン/ポリ(エチレンオキサイド);及び
それらの塩及び誘導体
から選択されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
【請求項7】
コイルブロックの数平均分子量が、500g/mol〜1 000 000g/mol、特に500g/mol〜800 000 g/mol、より特に500g/mol〜500 000g/molの範囲であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
【請求項8】
ロッドポリマー状構造が、以下の式を満足する、鎖の末端間の平均距離、<R02>ロッドを示すことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化粧料組成物、
<R02>ロッド=CNL2
ここで
Lはモノマーの長さを表す;
Cは、鎖に課された制限を表し、Cは1より大きく、特に4〜10の範囲である、及び
Nはブロックを構成するモノマーの数を表す。
【請求項9】
ロッドブロックが、下式の少なくとも1の芳香族の構造を含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化粧料組成物、
−[Ar]−n
ここで
nは2〜1000の範囲、特に5〜700、特に20〜700の範囲であることができる、
Ar基は、1以上の芳香族単位又は芳香族単位の誘導体を表し、上式を構成する組み合わされた複数のAr単位は化学的性質が同じであるか又は異なる。
【請求項10】
ロッドブロックが、
ポリアリーレン、ポリ(アリーレンビニレン)、ポリ(アリーレンエチニレン)又はポリ(アリーレンエーテル)、特にポリ(パラ−フェニレン)、ポリ(パラ−フェニレンビニレン)、ポリ(パラ−フェニレンエチニレン)、ポリ(パラ−フェニレンエーテル)、ポリ(パラ−フェニレンスルフィド)及びポリ(ビフェニレンエーテル)、
ポリキノリン、ポリキノキサリン、ポリピリジン、ポリ(ピリジンビニレン)、ポリ(ナフチレンビニレン)、ポリチオフェン、ポリ(チオフェンビニレン)、ポリ(チオフェンエチニレン)、ポリビスチオフェン、ポリフラン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリベンズイミダゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾビスアゾール、芳香族ポリアミド、芳香族ポリヒドラジド、芳香族ポリアゾメチン、芳香族ポリエステル、芳香族ポリイミド、ポリカルバゾール、ポリフルオレン、又はポリアントラセン、及び
それらのコポリマー
から選択されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
【請求項11】
ロッドブロックが、
ポリ[2,5−ビス(4−メトキシフェニル)オキシカルボニル]スチレン、
ポリ(4'−オキシビフェニル)、
ポリ(フェニレンベンゾビスチアゾール)、
ポリ(1,4−(2,5−ジヘキシルフェニレン))、
ポリ(1,4−(2,5−ジヘキシルフェニレン)エチニレン)、
ポリ(1,4−(2,5ジヘキシルフェニレン)ビニレン)、
ポリ(3−ドデシルチオフェン)、
ポリ(3−オクチルチオフェン)、
ポリ[1,4−(2,5−ジ(ポリジメチルシロキサン)フェニレン)]、及び
それらの混合物
から選択されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
【請求項12】
ロッドブロックが脂溶性又は脂肪に分散性であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
【請求項13】
ロッドブロックが、組成物を脂肪相に分散可能又は可溶にすることのできる可溶化基を1以上有することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
【請求項14】
可溶化基が、ポリアルキルシロキサン、例えばポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリ(C2〜C3アルキレンオキサイド)単位を含むポリジメチルシロキサン、ポリ(C2〜C3アルキレンオキサイド)単位及びラウリル単位を含むポリジメチルシロキサン、パーフルオロ化された単位を含むポリジメチルシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、例えばポリメチルフェニルシロキサン、非水素化ポリブタジエン、ポリ(エチレンブチレン)、直鎖又は分岐状のC12、C14、C16、C18又はC22アルキル、及びそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項13に記載の化粧料組成物。
【請求項15】
ロッドブロックの数平均分子量が、200g/mol〜1 000 000g/mol、特に250g/mol〜800 000g/mol、より特に250g/mol〜500 000g/molの範囲であることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
【請求項16】
ロッドブロックが、コポリマーの合計重量に対して少なくとも10重量%、特に少なくとも15重量%、特に少なくとも30重量%の割合で、かつ特に90重量%以下、特に85重量%以下、80重量%以下さえの割合で存在することを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
【請求項17】
ロッド−コイルコポリマーの総数平均分子量が、700g/mol〜1000 000g/mol、特に1000g/mol〜800 000g/mol、より特に2000g/mol〜500 000g/molの範囲であることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
【請求項18】
ジブロック:ロッド-b-コイル
ポリジメチルシロキサン-b-ポリ[2,5−ビス(4−メトキシフェニル)−オキシカルボニル]スチレン、
ポリ(エチレン/ブチレン)-b-ポリ(4'−オキシビフェニル)、
C12の炭素鎖を有するアルキドポリエステル-b-ポリ(ビフェニル−4'−ビフェニルカルボキシレート)、
ポリ(ビニルラウレート)-b-ポリ(フェニレンベンゾビスチアゾール)、.
ポリイソプレン-b-ポリ(1,4−(2,5−ジヘキシルフェニレン))、及び
トリブロック:コイル-b-ロッド-b-コイル
ポリジメチルシロキサン-b-ポリ(1,4−(2,5−ジヘキシルフェニレン)エチニレン)-b-ポリジメチルシロキサン、
ポリ(エチレン/ブチレン)-b-ポリ(1,4−(2,5−ジヘキシルフェニレン)エチニレン)-b-ポリ(エチレン/ブチレン)、
C12の炭素鎖を有するアルキドポリエステル-b-ポリ(ビフェニル−4'−ビフェニルカルボキシレート)-b-C12の炭素鎖を有するアルキドポリエステル
ポリ(ビニルラウレート)-b-ポリ(4'−オキシビフェニル)-b-ポリ(ビニルラウレート)、
ポリ(オレイルアクリレート)-b-ポリ(2,5−ヘキシルチオフェン))-b-ポリ(オレイルアクリレート)、及び
それらの塩又は誘導体、
から選択された、少なくとも1のロッドコイルブロックコポリマーを含むことを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
【請求項19】
組成物の合計重量に対して0.5〜90重量%、特に0.7〜85重量%、より特に0.8〜75重量%のロッドコイルブロックコポリマーを含むことを特徴とする、請求項1〜18のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
【請求項20】
上記脂肪相が、環境温度及び大気圧において液状である少なくとも1の脂肪物質及び/又は環境温度及び大気圧において固体であるところの少なくとも1の脂肪物質を含むことを特徴とする、請求項1〜19のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
【請求項21】
環境温度及び大気圧において液状である上記脂肪物質が、少なくとも1の揮発性又は非揮発性オイル又はそれらの混合物の1つを含むことを特徴とする、請求項20に記載の化粧料組成物。
【請求項22】
上記非揮発性オイルが、脂肪相の総重量に対して0.01〜90重量%、特に0.1〜85重量%に相当することを特徴とする、請求項21に記載の化粧料組成物。
【請求項23】
環境温度及び大気圧において固体である上記脂肪物質が、ワックス、ペースト状脂肪物質、ガム、及びこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項20〜22のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項24】
上記脂肪相が、組成物の合計重量に対して0.01〜50重量%、特に0.1〜40重量%、特に0.2〜30重量%の割合で少なくとも1の固体脂肪物質を含むことを特徴とする、請求項20〜23のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
【請求項25】
少なくとも1の水性相を含むことを特徴とする、請求項1〜24のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
【請求項26】
無水であることを特徴とする、請求項1〜24のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
【請求項27】
上記組成物が、組成物の合計重量に対して0.01〜40重量%、特に0.01〜30重量%、特に0.05〜20重量%の割合で粒子相を追加的に含むことを特徴とする、請求項1〜26のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
【請求項28】
上記粒子相が、少なくとも1の顔料及び/又は少なくとも1の真珠光沢剤、及び/又は少なくとも1の追加のフィラーを含むことを特徴とする、請求項27に記載の化粧料組成物。
【請求項29】
水中油型エマルジョン又は逆相エマルジョンの形で提供されることを特徴とする、請求項1〜25、及び27又は28のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
【請求項30】
スティックとして又は皿に、キャスト成形された製品の形で提供されることを特徴とする、請求項1〜29のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
【請求項31】
皮膚、及び/又は口唇のメイクアップ製品及び/又はケア製品の形態で提供されることを特徴とする、請求項1〜30のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
【請求項32】
爪をケアする及び/又はメイクアップするための製品の形態で提供されることを特徴とする、請求項1〜28のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
【請求項33】
毛髪をケアする及び/又はスタイリングするための製品の形態で提供されることを特徴とする、請求項1〜28のいずれか1項に記載の化粧料組成物。
【請求項34】
請求項1〜19のいずれか1項に記載のロッドコイルコポリマーを、少なくとも1の脂肪相を含む化粧料組成物においてレオロジー剤として使用する方法。
【請求項35】
請求項1〜33のいずれか1項に記載の化粧料組成物を施与する少なくとも1の段階を含む、皮膚、表面にある体の成長物、及び/又は毛髪をメイクアップする及び/又はケアするための方法。

【公表番号】特表2007−537239(P2007−537239A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−512581(P2007−512581)
【出願日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【国際出願番号】PCT/IB2005/001304
【国際公開番号】WO2005/110350
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(595100370)ロレアル (108)
【氏名又は名称原語表記】L′OREAL
【Fターム(参考)】