尿採集システムのための調節可能なドレインループ
【課題】尿採集システムおよび/またはモニタリングシステムのための調節可能な長さのドレインチューブを形成するためのデバイスを提供すること。
【解決手段】ドレインチューブ12において選択的に調節可能なループ14を形成するためのクリップ100であって、該クリップは、基部;該基部から延びる、少なくとも一対のアームであって、該アームは、ドレインチューブの少なくとも第1セクションを、該ドレインチューブの第2セクションに隣り合う関係において調節可能に保持するように構成された内部把持表面を形成する、少なくとも一対のアーム、を備える、クリップ。
【解決手段】ドレインチューブ12において選択的に調節可能なループ14を形成するためのクリップ100であって、該クリップは、基部;該基部から延びる、少なくとも一対のアームであって、該アームは、ドレインチューブの少なくとも第1セクションを、該ドレインチューブの第2セクションに隣り合う関係において調節可能に保持するように構成された内部把持表面を形成する、少なくとも一対のアーム、を備える、クリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.技術分野
本開示は、尿採集システムおよび/またはモニタリングシステムに関し、より詳細には、尿採集システムとともに使用するための調節可能なドレインチューブループを形成するためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術の背景
尿採集システムおよび/またはモニタリングシステムは周知であり、カテーテルを挿入した患者から尿を採集するために一般的に使用されている。尿採集システムは、患者に対して操作可能に接続されたカテーテル、上記流体を採集するための流体レザバ、および上記カテーテルを上記レザバと接続するドレインチューブからなる。代表的には、尿採集システムは、多くの手術手順を行う前、その間およびその後に、特に、患者が歩行できないかまたは設備を通常通りに扱うために十分明晰でない場合に、使用される。
【0003】
尿採集システムにおいて、上記カテーテルを上記流体レザバに接続するためにより長くかつ必須のドレインチューブを提供することが望ましい。上記ドレインチューブにおいて余分の長さがあることで、上記カテーテルおよび流体レザバ接続に圧力を加えることなく、上記患者を位置移動(repositioning)することが可能になる。圧力が存在すると、患者に大きな疼痛を引き起こし得る。患者は、ベッドシーツが汚れて、交換することが必要となった場合、特定の試験が行われる場合、および患者の筋肉の萎縮を防止するためを含め、入院の間に数え切れないほど何回も位置移動することが必要であり得る。ドレインチューブは、装着される患者の位置移動を可能にするために十分過剰なチュービングを伴う通常の長さで製造される。留め具は、標準的なドレインチューブの各端部に配置され、上記チューブ自体が、短くなってしまわないようにされる。
【0004】
しかし、上記ドレインチューブにおける過剰な長さは、しばしば、尿が流れるとともに問題を引き起こす。尿メーターおよび流体レザバは、概して、患者の付近にあるベッドの骨組みまたはベッドの柵に固定される。上記ドレインチューブは、ベッドにおいて水平面に位置した患者に接続された上記カテーテル端部から始まる。上記ドレインチューブは、ベッドの端から垂れ下がり得、上記流体レザバに入るために上がって戻る前に、ベッドの骨組みより下に下がる(図1)。このドレインチューブの構成は、尿を重力に逆らって流れることを余儀なくさせ、患者の膀胱に対して背圧を引き起こす。仰向けになった患者の膀胱によって引き起こされる尿力学的安静時膀胱圧(水柱を4〜8インチ上昇させる圧力(約996パスカル〜1993パスカルに等しい))は、この背圧に勝ることができない。この背圧は、尿の流れを制限し得、患者の不快感、膀胱拡張、漏れなどを潜在的に引き起こす。
【0005】
従って、ドレインチューブの長さが、ドレインチューブの長さ全体を流体レザバより上に維持しながら調節され得るように、尿採集システムおよび/またはモニタリングシステムのための調節可能な長さのドレインチューブを形成するためのデバイスを有することは有益である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(要旨)
本開示によれば、クリップは、ドレインチューブにおいて選択的に調節可能なループを形成するために提供される。一実施形態において、上記クリップは、基部と、上記基部から延びている少なくとも一対のアームを備える。上記アームは、ドレインチューブの少なくとも第1セクションを、上記ドレインチューブの第2セクションに対して隣り合う関係において調節可能に保持するように構成された内部把持表面を形成する。上記クリップはまた、上記クリップをベッドまたはベッドシーツに留めるための手段(例えば、留め具ループ、安全ピン、補強クリップ(secondary clip)など)を備え得る。
【0007】
別の実施形態において、尿採集システムのドレインチューブにおいて調節可能なループを維持するためのデバイスが開示され、このデバイスは、ドレインチューブの第1セクションおよび第2セクションを互いに隣り合う関係において保持するための少なくとも1つの凹部を規定する基部を備える。上記デバイスは、このデバイスをベッドまたはベッドシーツに留めるための手段を備え得る。上記基部は、上記ドレインチューブの第1セクションおよび第2セクションを互いに隣り合う関係においてスライド可能に保持するための2つの凹部を規定し得る。
【0008】
別の実施形態において、尿採集システムと共に使用するためのドレインチューブが提供され、このチューブは、上記チューブの2つのセクションが互いに隣り合う関係にあるループを形成するチューブ、および上記チューブの2つのセクションを互いに隣り合う関係において調節可能に保持するように構成された保持デバイスを備える。上記デバイスは、クリップ、バンドまたは複数のバンドからなる群より選択される。上記デバイスはまた、ベッドまたはベッドシーツに上記ループを留めるための手段を備え得る。上記ループを留めるための手段は、上記保持デバイスと一体化して形成され得る。
【0009】
別の実施形態において、尿採集システムおよび/またはモニタリングシステムのドレインチューブにおいて背圧が形成されないようにする方法が提供され、この方法は、調節可能なループが形成されたドレインチューブを提供する工程、および上記調節可能なループを、上記尿採集システムおよび/またはモニタリングシステムへの入り口より上の水平面に位置づける工程を包含する。
【0010】
上記に加えて、本願発明は、以下を提供する:
(項目1) ドレインチューブにおいて選択的に調節可能なループを形成するためのクリップであって、該クリップは、
基部;
該基部から延びる、少なくとも一対のアームであって、該アームは、ドレインチューブの少なくとも第1セクションを、該ドレインチューブの第2セクションに隣り合う関係において調節可能に保持するように構成された内部把持表面を形成する、少なくとも一対のアーム、
を備える、クリップ。
【0011】
(項目2) ベッドまたはベッドシーツに前記クリップを留めるための手段をさらに備える、項目1に記載のクリップ。
【0012】
(項目3) 尿採集システムのドレインチューブにおいて調節可能なループを維持するためのデバイスであって、該デバイスは、
ドレインチューブの第1セクションおよび第2セクションを、互いに隣り合う関係において保持するための少なくとも1つの凹部を規定する基部、
を備える、デバイス。
【0013】
(項目4) ベッドまたはベッドシーツに前記デバイスを留めるための手段をさらに備える、項目3に記載のデバイス。
【0014】
(項目5) 前記基部は、前記ドレインチューブの第1セクションおよび第2セクションを、互いに隣り合う関係においてスライド可能に保持するための2つの凹部を規定する、項目3に記載のデバイス。
【0015】
(項目6) 尿採集システムと共に使用するためのドレインチューブであって、該ドレインチューブは、
該チューブの2つのセクションが互いに隣り合う関係にあるループを形成するチューブ;および
該ドレインチューブの2つのセクションを互いに隣り合う関係において調節可能に保持するように構成された保持デバイス、
を備える、ドレインチューブ。
【0016】
(項目7) 前記保持デバイスは、クリップ、バンドまたは複数のバンドからなる群より選択される、項目6に記載のドレインチューブ。
【0017】
(項目8) ベッドまたはベッドシーツに前記ループを留めるための手段をさらに備える、項目6に記載のドレインチューブ。
【0018】
(項目9) 前記ループを留めるための手段は、前記保持デバイスと一体化して形成される、項目8に記載のドレインチューブ。
【0019】
(項目10) 尿採集システムおよび/またはモニタリングシステムのドレインチューブにおいて背圧が形成されないようにする方法であって、該方法は、
調節可能なループが形成されたドレインチューブを提供する工程;および
該調節可能なループを、該尿採集および/またはモニタリングデバイスへの入り口より上の水平面に位置づける工程、
を包含する、方法。
【0020】
(摘要)
開示されるのは、尿採集システムおよび/またはモニタリングシステムのドレインチューブにおいて調節可能なループを維持するためのデバイスである。ドレインチューブにおいて作成されるループの大きさの調節がドレインチューブの有効長を変化させるようなクリップ、バンドまたは複数のバンドは、調節可能なループを維持する。さらに開示されるのは、尿採集システムおよび/またはモニタリングシステムのドレインチューブにおいて背圧が発生しないようにするための方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(図面の詳細な説明)
尿採集システムのための本開示の調節可能なドレインチューブループの実施形態が、図面を参照しながらここで詳細に記載される。ここで類似の参照番号は、いくつかの図面の各々において同一の要素または対応する要素を示す。
【0022】
図1は、ドレインチューブ12および流体レザバ、ならびに/または尿メーター16を有する尿採集システム10を図示する。ドレインチューブ12は、カテーテル端部13および接続端部15を備える。ドレインチューブ12のカテーテル端部13は、患者に装着されるかまたは患者内に位置づけられたカテーテル(示さず)と操作可能に接続するように構成されている。接続端部15は、流体レザバ16のポート17に操作可能に接続するように構成されている。ポート17は、レザバ16の頂部に位置づけられる。流体レザバ16は、患者の姿勢に調和した位置において支持体19によってベッドの骨組み18に固定される。尿採集システムに関連して使用されるドレインチューブで習慣的であるように、ドレインチューブ12は、ベッドの水平面に位置した患者を流体レザバ16に接続するために十分であるよりも長い。尿採集システム10は、ドレインチューブ12における余分のゆとり14aが、流体レザバ16のポート17より下に下がるようにしておく従来の実践を採用する。この構成において、尿がドレインチューブ12を通って流体レザバ16へと排出される場合、尿は、ポート17を通って流体レザバ16へと入るためには上に上がって移動しなければならない。背圧は、レザバ16へと入るために重力に逆らって移動しなければならない尿から生じる。生じた背圧は、患者の不快感、膀胱拡張、および尿道漏れ(meatal leakage)を含め、深刻な状況をもたらし得る。
【0023】
ここで図2および図3を参照すると、本開示に従って構築された調節可能なドレインチューブループを採用する尿採集システム20が図示される。図1に図示される従来の尿採集システムの実践のように、流体レザバ、および/または尿メーター16は、支持体19によってベッドの骨組み18からぶら下がっている。ドレインチューブ12が流体レザバ16のポート17より下に下がるようにしている従来の排出実践とは異なり、尿採集システム20におけるドレインチューブ12は、完全に、流体レザバ16のポート17より上に維持されている。調節可能なループ14は、ドレインチューブ12において形成され、その構成は、クリップ100によって維持される。ドレインチューブ12の有効長、すなわち、調節可能なループ14を除いたカテーテル端部13と接続端部15との間のドレインチューブ12の長さは、調節可能なループ14の大きさを変化させることによって調節され得る。調節可能なループ14は、ドレインチューブ12の余分な長さが、流体レザバ16のポート17より上に、ベッドの上で実質的に平坦に置かれることを可能にする。このようにして、ドレインチューブ12の長さ全体は、流体レザバ16のポート17の入り口より下に下がらないようにされる。この構成は、上記ドレインチューブ12において引き起こされる背圧を緩和または最小にする。この背圧は、ドレインチューブ12が、流体レザバ16のポート17の入り口より下にぶら下がるようになっている従来の実践を採用する場合に生じる。シートクリップ101は、クリップ100に固定され、調節可能なループ14をベッドに固定する。
【0024】
図4および5は、概して100と示される本開示の調節可能なループクリップの一実施形態を図示する。クリップ100は、一体的に成形された一部品のプラスチッククリップまたはコネクタとして構築される。これらのクリップは、金属、プラスチックなどから形成され得る。クリップ100は、基部102、長手方向に向かい合わせになったアーム104および106(これらは、基部102から延びている)、および留め具フープ110(これもまた、基部102から延びている)を備える。向かい合わせになったアーム104、106は、ドレインチューブ12の隣り合うセクションを、互いに並置されたかまたは隣り合う関係において弾性的に係合、把持および保持するように構築されかつそのような寸法にされる。向かい合わせになったアーム104、106の各々は、内部把持表面108を形成するために互いに鏡像の関係において基部102から延びる。把持表面108は、ドレインチューブ12の異なるセクションを受容するために構成された凹部AおよびBを規定する。
【0025】
ここで図6を参照すると、はじめに、調節可能なループ14は、ドレインチューブ12の余分の長さを使用して形成される。わずかにねじって、次にドレインチューブ12の2つのセクションを重ねることによって、調節可能なループ14は、ドレインチューブ12において形成され得る。ドレインチューブ12の生じる隣り合うセクションは、次いで、1つずつクリップ100の凹部A、Bに挿入される。ループ14の最初の大きさ、よってドレインチューブ12の有効長は、ドレインチューブ12のそれぞれのセクションを、クリップ100の凹部A、Bに挿入する前に調節され得る。この構成において、ループが大きくなると、短くされた有効ドレインチューブ長を生じ、ループが小さくなると、上記ドレインチューブは、より長い有効長を有するようになる。
【0026】
ここで図7および図8を参照すると、ドレインチューブ12の長さは、ドレインチューブ12において形成される調節可能なループ14の寸法を変化させることによって調節され得る。調節可能なループ14の大きさを減少させることによって、ドレインチューブ12の長さは、増大され得る(図7)。ドレインチューブ12における調節可能なループ14は、単純に、ドレインチューブ12のセクションをクリップ100の凹部A、Bの内部から外して、カテーテル端部13およびドレインチューブ12のコネクタ端部15を、長手軸方向において反対方向に引っ張ることによって、小さくされる。ドレインチューブ12において形成される生じたより小さなループは、ドレインチューブ12の隣り合うセクションをクリップ100の凹部A、Bに再度挿入することによって維持され得る。調節可能なループ14は、カテーテル端部13およびドレインチューブ12のコネクタ端部15を長手軸方向に互いに向かって押して調節可能なループ14の幅を拡げることによって、より大きくされ得る(図8)。
【0027】
ドレインチューブ12の有効長を調節する代替手段において、クリップ100をドレインチューブ12から外して、ループ14の寸法を変化させる代わりに、クリップ100は、ドレインチューブ12の少なくとも1つのセクションを少なくとも1つの凹部A、Bの内部に選択的に位置づけ可能にするように構成され得る。このようにすると、調節可能なループ14の寸法を変化させる場合に、ドレインチューブ12の何れのセクションも、クリップ100から外す必要がなくなる。
【0028】
クリップ100はさらに、ループ14を患者のベッドまたはベッドシーツに固定するのを補助するための留め具フープ110を備える。留め具フープ110は、基部102と一体的に形成される。留め具フープ110は、流体レザバ16のポート17によって規定される水平面より上に調節可能なループ14を固定するために、留め手段(すなわち、安全ピン、紐、シーツ鋲(sheet tack)またはクリップ)と組み合わせて使用され得る。図2および図3において認められるように、シーツクリップ101は、クリップ100の留め具フープ110に取り付けられ、調節可能なループ14がベッドシーツまたは他の物体に固定されるようになる。シーツクリップおよび他の留め手段は当該分野で周知であり、留め具フープ110が任意のこのような公知のクリップを固定して係合するように構成され得ることが想定される。代替的実施形態において、クリップ100は、代わりに、クリップ100の基部102と一体的に形成されるシーツクリップ101を備え得る。
【0029】
ここで図9および図10を参照すると、本開示の代替的実施形態は、概して200として示される。クリップ200は、クリップ100と実質的に類似であるが、構築および操作において差異を同定するために必要な程度に詳細に議論されるにすぎない。
【0030】
図9および10において認められるように、クリップ200は、基部202および長手軸方向に向かい合わせになったアーム204および206(これは、基部202から延びる)を備える。向かい合わせになったアーム204、206は、ドレインチューブ12の隣り合うセクションを、並置したまたは隣り合う関係において互いに弾性的に係合、把持および保持するように構築されかつそのような寸法にされる。向かい合わせになったアーム204、206の各々は、鏡像の関係において互いに内部把持表面208を形成するように、基部202から延びる。把持表面208は、ドレインチューブ12のセクションを受容するために構成された凹部AおよびBを規定する。クリップ100とは異なり、クリップ200は、ベッドまたはベッドシーツにドレインチューブ12を固定するための留めループを包含しない。従って、さらなる留め具は、ドレインチューブ12において形成された調節可能なループ14をベッドまたはベッドシーツに固定するために、ドレインチューブ12とともに使用され得る。
【0031】
ここで図11および図12を参照すると、本開示の代替的実施形態が、概して300として示される。クリップ300は、クリップ200に実質的に類似であるが、構築および操作において差異を同定するために必要な程度に詳細に議論されるにすぎない。
【0032】
図11および図12において認められるように、クリップ300は、基部302、ならびにドレインチューブ12の隣り合うセクションを互いに並置したかまたは隣り合う関係において弾性的に係合、把持および保持するように構築されかつそのような寸法にされている向かい合ってほぼC字型のアーム304および306を備える。上記向かい合ってほぼC字型のアーム304、306の各々は、鏡像の関係において互いに、内部把持表面308、310を形成するように、向かい合った一対の可撓性曲線アームを有する。図9および図10において図示されるクリップ200のように、クリップ300は、ドレインチューブ12の調節可能なループ14をベッドまたはベッドシーツに固定するための留め具を備えない。従って、ドレインチューブ12をベッドまたはベッドシーツに固定するため、および調節可能なチューブ12が流体レザバ16のポート17より下に下がらないように、さらなる留め具が備えられなければならない。
【0033】
ここで図13および図14を参照すると、本開示に従って構築された調節可能なドレインチューブループは、概して440として示される。調節可能なドレインチューブループ440は、可撓性バンド400によって維持される。可撓性バンド400は、一対の環402、403と、環402、403を接続する弾性コード404とを備える。環402、403は、ドレインチューブ12をスライド可能に係合するような大きさにされる一方で、弛緩した位置にある(図13)。ドレインチューブ12の有効長が増大されなければならない事象において、可撓性バンド400は、制限された動きを許容する一方で、弛緩した位置にある。しかし、可撓性バンド400は、ドレインチューブ12をその元のループ状でない長さに伸ばすために引っ張られ得る(図14)。このようにして、弾性コード404は、ドレインチューブ12を伸ばすために引っ張られる一方で、環402、403はまた、弾性コード404によって付与される引っ張り力によって影響され、わずかに変形する。この変形は、環402、403がドレインチューブ12を把持しかつ可撓性バンド400が弛緩した位置にスライドして戻らないようにすることを可能にする。一旦弾性コード404を引っ張るように付与された力が取り払われると、調節可能なループ440は、ドレインチューブ12に戻る。
【0034】
ここで図15〜17を参照すると、本開示に従って構築された調節可能なドレインチューブループの代替的構成が示される。図15〜図17は、ドレインチューブ12において調節可能なドレインチューブループを維持するための1つ以上のバンド500を備える。バンド500は、ドレインチューブ12の交差するセクションの周りに、水平方向において(図17)、垂直方向において(図16)、または水平方向および垂直方向の両方において(図15)、位置づけられる。バンド500は、任意の材料(プラスチック、ゴム、布および金属が挙げられる)で構築され得る。バンド500は、材料の単一のストランドまたは複数のストランドで構築される。バンド500は、ドレインチューブ12をスライド可能に係合するような大きさにされる。バンド500は、ドレインチューブ12と解放可能に係合可能であり得る。ドレインチューブ12の有効長は、代替的実施形態に関して上に記載されるようにバンド500によって形成される調節可能なループの大きさを変化させることによって調節され得る。留め具ループなしで調節可能なループを維持するための他の実施形態のように、図15〜図17において示される調節可能なドレインチューブループはまた、ドレインチューブ12をベッドまたはベッドシーツに取り付けるためにシーツクリップまたは他の留め具を備えなければならない。代替的実施形態において、バンド500は、ドレインチューブ12をベッドまたはベッドシーツに取り付けるために、留め手段を備え得る。
【0035】
種々の改変が本明細書中に開示される実施形態に対してなされ得ることが理解される。従って、上記の説明は、限定として解釈されるべきではなく、単に好ましい実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者は、添付の特許請求の範囲の範囲および趣旨の範囲内で他の改変を想定する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、尿採集システムの側面図である。このシステムは、病院のベッドの骨組みに固定されかつ採集レザバより下に上記チューブを吊り下げる従来の実践を使用するための尿採集デバイスを備える。
【図2】図2は、病院のベッドの骨組みに固定された尿採集デバイスおよび本開示に従って構築されたクリップで構成されたドレインチューブを備える尿採集デバイスを備える、尿採集システムの斜視図である。
【図3】図3は、図2の尿採集システムの平面図である。
【図4】図4は、本開示に従って構築されたクリップの一実施形態の側面図である。
【図5】図5は、図5において示される実施形態の平面図である。
【図6】図6は、ドレインチューブにおいて調節可能なループを形成するために使用される、図4および図5において示される実施形態の側面からの斜視図である。
【図7】図7は、ドレインチューブにおいて調節可能なループを形成するために使用される図6において示される実施形態の上面からの斜視図であり、ドレインチューブの有効長を延ばすプロセスを図示する。
【図8】図8は、ドレインチューブにおいて調節可能なループを形成するために使用される図6において示される実施形態の上面からの斜視図であり、ドレインチューブの有効長を短くするプロセスを図示する。
【図9】図9は、本開示に従って構築されたクリップの代替的実施形態の側面図である。
【図10】図10は、図9において示される実施形態の平面図である。
【図11】図11は、本開示に従って構築されたクリップの別の実施形態の側面図である。
【図12】図12は、図11において示される実施形態の平面図である。
【図13】図13は、本開示に従って構築された調節可能なドレインチューブループの一実施形態の側面図である。
【図14】図14は、調節可能なループが完全に拡げられた、図13において示される実施形態の側面図である。
【図15】図15は、本開示に従って構築された調節可能なドレインチューブループの代替的実施形態の側面図である。
【図16】図16は、本開示に従って構築された調節可能なドレインチューブループの別の代替的実施形態の側面図である。
【図17】図17は、本開示に従って構築された調節可能なドレインチューブループのなお別の代替的実施形態の側面図である。
【技術分野】
【0001】
1.技術分野
本開示は、尿採集システムおよび/またはモニタリングシステムに関し、より詳細には、尿採集システムとともに使用するための調節可能なドレインチューブループを形成するためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術の背景
尿採集システムおよび/またはモニタリングシステムは周知であり、カテーテルを挿入した患者から尿を採集するために一般的に使用されている。尿採集システムは、患者に対して操作可能に接続されたカテーテル、上記流体を採集するための流体レザバ、および上記カテーテルを上記レザバと接続するドレインチューブからなる。代表的には、尿採集システムは、多くの手術手順を行う前、その間およびその後に、特に、患者が歩行できないかまたは設備を通常通りに扱うために十分明晰でない場合に、使用される。
【0003】
尿採集システムにおいて、上記カテーテルを上記流体レザバに接続するためにより長くかつ必須のドレインチューブを提供することが望ましい。上記ドレインチューブにおいて余分の長さがあることで、上記カテーテルおよび流体レザバ接続に圧力を加えることなく、上記患者を位置移動(repositioning)することが可能になる。圧力が存在すると、患者に大きな疼痛を引き起こし得る。患者は、ベッドシーツが汚れて、交換することが必要となった場合、特定の試験が行われる場合、および患者の筋肉の萎縮を防止するためを含め、入院の間に数え切れないほど何回も位置移動することが必要であり得る。ドレインチューブは、装着される患者の位置移動を可能にするために十分過剰なチュービングを伴う通常の長さで製造される。留め具は、標準的なドレインチューブの各端部に配置され、上記チューブ自体が、短くなってしまわないようにされる。
【0004】
しかし、上記ドレインチューブにおける過剰な長さは、しばしば、尿が流れるとともに問題を引き起こす。尿メーターおよび流体レザバは、概して、患者の付近にあるベッドの骨組みまたはベッドの柵に固定される。上記ドレインチューブは、ベッドにおいて水平面に位置した患者に接続された上記カテーテル端部から始まる。上記ドレインチューブは、ベッドの端から垂れ下がり得、上記流体レザバに入るために上がって戻る前に、ベッドの骨組みより下に下がる(図1)。このドレインチューブの構成は、尿を重力に逆らって流れることを余儀なくさせ、患者の膀胱に対して背圧を引き起こす。仰向けになった患者の膀胱によって引き起こされる尿力学的安静時膀胱圧(水柱を4〜8インチ上昇させる圧力(約996パスカル〜1993パスカルに等しい))は、この背圧に勝ることができない。この背圧は、尿の流れを制限し得、患者の不快感、膀胱拡張、漏れなどを潜在的に引き起こす。
【0005】
従って、ドレインチューブの長さが、ドレインチューブの長さ全体を流体レザバより上に維持しながら調節され得るように、尿採集システムおよび/またはモニタリングシステムのための調節可能な長さのドレインチューブを形成するためのデバイスを有することは有益である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(要旨)
本開示によれば、クリップは、ドレインチューブにおいて選択的に調節可能なループを形成するために提供される。一実施形態において、上記クリップは、基部と、上記基部から延びている少なくとも一対のアームを備える。上記アームは、ドレインチューブの少なくとも第1セクションを、上記ドレインチューブの第2セクションに対して隣り合う関係において調節可能に保持するように構成された内部把持表面を形成する。上記クリップはまた、上記クリップをベッドまたはベッドシーツに留めるための手段(例えば、留め具ループ、安全ピン、補強クリップ(secondary clip)など)を備え得る。
【0007】
別の実施形態において、尿採集システムのドレインチューブにおいて調節可能なループを維持するためのデバイスが開示され、このデバイスは、ドレインチューブの第1セクションおよび第2セクションを互いに隣り合う関係において保持するための少なくとも1つの凹部を規定する基部を備える。上記デバイスは、このデバイスをベッドまたはベッドシーツに留めるための手段を備え得る。上記基部は、上記ドレインチューブの第1セクションおよび第2セクションを互いに隣り合う関係においてスライド可能に保持するための2つの凹部を規定し得る。
【0008】
別の実施形態において、尿採集システムと共に使用するためのドレインチューブが提供され、このチューブは、上記チューブの2つのセクションが互いに隣り合う関係にあるループを形成するチューブ、および上記チューブの2つのセクションを互いに隣り合う関係において調節可能に保持するように構成された保持デバイスを備える。上記デバイスは、クリップ、バンドまたは複数のバンドからなる群より選択される。上記デバイスはまた、ベッドまたはベッドシーツに上記ループを留めるための手段を備え得る。上記ループを留めるための手段は、上記保持デバイスと一体化して形成され得る。
【0009】
別の実施形態において、尿採集システムおよび/またはモニタリングシステムのドレインチューブにおいて背圧が形成されないようにする方法が提供され、この方法は、調節可能なループが形成されたドレインチューブを提供する工程、および上記調節可能なループを、上記尿採集システムおよび/またはモニタリングシステムへの入り口より上の水平面に位置づける工程を包含する。
【0010】
上記に加えて、本願発明は、以下を提供する:
(項目1) ドレインチューブにおいて選択的に調節可能なループを形成するためのクリップであって、該クリップは、
基部;
該基部から延びる、少なくとも一対のアームであって、該アームは、ドレインチューブの少なくとも第1セクションを、該ドレインチューブの第2セクションに隣り合う関係において調節可能に保持するように構成された内部把持表面を形成する、少なくとも一対のアーム、
を備える、クリップ。
【0011】
(項目2) ベッドまたはベッドシーツに前記クリップを留めるための手段をさらに備える、項目1に記載のクリップ。
【0012】
(項目3) 尿採集システムのドレインチューブにおいて調節可能なループを維持するためのデバイスであって、該デバイスは、
ドレインチューブの第1セクションおよび第2セクションを、互いに隣り合う関係において保持するための少なくとも1つの凹部を規定する基部、
を備える、デバイス。
【0013】
(項目4) ベッドまたはベッドシーツに前記デバイスを留めるための手段をさらに備える、項目3に記載のデバイス。
【0014】
(項目5) 前記基部は、前記ドレインチューブの第1セクションおよび第2セクションを、互いに隣り合う関係においてスライド可能に保持するための2つの凹部を規定する、項目3に記載のデバイス。
【0015】
(項目6) 尿採集システムと共に使用するためのドレインチューブであって、該ドレインチューブは、
該チューブの2つのセクションが互いに隣り合う関係にあるループを形成するチューブ;および
該ドレインチューブの2つのセクションを互いに隣り合う関係において調節可能に保持するように構成された保持デバイス、
を備える、ドレインチューブ。
【0016】
(項目7) 前記保持デバイスは、クリップ、バンドまたは複数のバンドからなる群より選択される、項目6に記載のドレインチューブ。
【0017】
(項目8) ベッドまたはベッドシーツに前記ループを留めるための手段をさらに備える、項目6に記載のドレインチューブ。
【0018】
(項目9) 前記ループを留めるための手段は、前記保持デバイスと一体化して形成される、項目8に記載のドレインチューブ。
【0019】
(項目10) 尿採集システムおよび/またはモニタリングシステムのドレインチューブにおいて背圧が形成されないようにする方法であって、該方法は、
調節可能なループが形成されたドレインチューブを提供する工程;および
該調節可能なループを、該尿採集および/またはモニタリングデバイスへの入り口より上の水平面に位置づける工程、
を包含する、方法。
【0020】
(摘要)
開示されるのは、尿採集システムおよび/またはモニタリングシステムのドレインチューブにおいて調節可能なループを維持するためのデバイスである。ドレインチューブにおいて作成されるループの大きさの調節がドレインチューブの有効長を変化させるようなクリップ、バンドまたは複数のバンドは、調節可能なループを維持する。さらに開示されるのは、尿採集システムおよび/またはモニタリングシステムのドレインチューブにおいて背圧が発生しないようにするための方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(図面の詳細な説明)
尿採集システムのための本開示の調節可能なドレインチューブループの実施形態が、図面を参照しながらここで詳細に記載される。ここで類似の参照番号は、いくつかの図面の各々において同一の要素または対応する要素を示す。
【0022】
図1は、ドレインチューブ12および流体レザバ、ならびに/または尿メーター16を有する尿採集システム10を図示する。ドレインチューブ12は、カテーテル端部13および接続端部15を備える。ドレインチューブ12のカテーテル端部13は、患者に装着されるかまたは患者内に位置づけられたカテーテル(示さず)と操作可能に接続するように構成されている。接続端部15は、流体レザバ16のポート17に操作可能に接続するように構成されている。ポート17は、レザバ16の頂部に位置づけられる。流体レザバ16は、患者の姿勢に調和した位置において支持体19によってベッドの骨組み18に固定される。尿採集システムに関連して使用されるドレインチューブで習慣的であるように、ドレインチューブ12は、ベッドの水平面に位置した患者を流体レザバ16に接続するために十分であるよりも長い。尿採集システム10は、ドレインチューブ12における余分のゆとり14aが、流体レザバ16のポート17より下に下がるようにしておく従来の実践を採用する。この構成において、尿がドレインチューブ12を通って流体レザバ16へと排出される場合、尿は、ポート17を通って流体レザバ16へと入るためには上に上がって移動しなければならない。背圧は、レザバ16へと入るために重力に逆らって移動しなければならない尿から生じる。生じた背圧は、患者の不快感、膀胱拡張、および尿道漏れ(meatal leakage)を含め、深刻な状況をもたらし得る。
【0023】
ここで図2および図3を参照すると、本開示に従って構築された調節可能なドレインチューブループを採用する尿採集システム20が図示される。図1に図示される従来の尿採集システムの実践のように、流体レザバ、および/または尿メーター16は、支持体19によってベッドの骨組み18からぶら下がっている。ドレインチューブ12が流体レザバ16のポート17より下に下がるようにしている従来の排出実践とは異なり、尿採集システム20におけるドレインチューブ12は、完全に、流体レザバ16のポート17より上に維持されている。調節可能なループ14は、ドレインチューブ12において形成され、その構成は、クリップ100によって維持される。ドレインチューブ12の有効長、すなわち、調節可能なループ14を除いたカテーテル端部13と接続端部15との間のドレインチューブ12の長さは、調節可能なループ14の大きさを変化させることによって調節され得る。調節可能なループ14は、ドレインチューブ12の余分な長さが、流体レザバ16のポート17より上に、ベッドの上で実質的に平坦に置かれることを可能にする。このようにして、ドレインチューブ12の長さ全体は、流体レザバ16のポート17の入り口より下に下がらないようにされる。この構成は、上記ドレインチューブ12において引き起こされる背圧を緩和または最小にする。この背圧は、ドレインチューブ12が、流体レザバ16のポート17の入り口より下にぶら下がるようになっている従来の実践を採用する場合に生じる。シートクリップ101は、クリップ100に固定され、調節可能なループ14をベッドに固定する。
【0024】
図4および5は、概して100と示される本開示の調節可能なループクリップの一実施形態を図示する。クリップ100は、一体的に成形された一部品のプラスチッククリップまたはコネクタとして構築される。これらのクリップは、金属、プラスチックなどから形成され得る。クリップ100は、基部102、長手方向に向かい合わせになったアーム104および106(これらは、基部102から延びている)、および留め具フープ110(これもまた、基部102から延びている)を備える。向かい合わせになったアーム104、106は、ドレインチューブ12の隣り合うセクションを、互いに並置されたかまたは隣り合う関係において弾性的に係合、把持および保持するように構築されかつそのような寸法にされる。向かい合わせになったアーム104、106の各々は、内部把持表面108を形成するために互いに鏡像の関係において基部102から延びる。把持表面108は、ドレインチューブ12の異なるセクションを受容するために構成された凹部AおよびBを規定する。
【0025】
ここで図6を参照すると、はじめに、調節可能なループ14は、ドレインチューブ12の余分の長さを使用して形成される。わずかにねじって、次にドレインチューブ12の2つのセクションを重ねることによって、調節可能なループ14は、ドレインチューブ12において形成され得る。ドレインチューブ12の生じる隣り合うセクションは、次いで、1つずつクリップ100の凹部A、Bに挿入される。ループ14の最初の大きさ、よってドレインチューブ12の有効長は、ドレインチューブ12のそれぞれのセクションを、クリップ100の凹部A、Bに挿入する前に調節され得る。この構成において、ループが大きくなると、短くされた有効ドレインチューブ長を生じ、ループが小さくなると、上記ドレインチューブは、より長い有効長を有するようになる。
【0026】
ここで図7および図8を参照すると、ドレインチューブ12の長さは、ドレインチューブ12において形成される調節可能なループ14の寸法を変化させることによって調節され得る。調節可能なループ14の大きさを減少させることによって、ドレインチューブ12の長さは、増大され得る(図7)。ドレインチューブ12における調節可能なループ14は、単純に、ドレインチューブ12のセクションをクリップ100の凹部A、Bの内部から外して、カテーテル端部13およびドレインチューブ12のコネクタ端部15を、長手軸方向において反対方向に引っ張ることによって、小さくされる。ドレインチューブ12において形成される生じたより小さなループは、ドレインチューブ12の隣り合うセクションをクリップ100の凹部A、Bに再度挿入することによって維持され得る。調節可能なループ14は、カテーテル端部13およびドレインチューブ12のコネクタ端部15を長手軸方向に互いに向かって押して調節可能なループ14の幅を拡げることによって、より大きくされ得る(図8)。
【0027】
ドレインチューブ12の有効長を調節する代替手段において、クリップ100をドレインチューブ12から外して、ループ14の寸法を変化させる代わりに、クリップ100は、ドレインチューブ12の少なくとも1つのセクションを少なくとも1つの凹部A、Bの内部に選択的に位置づけ可能にするように構成され得る。このようにすると、調節可能なループ14の寸法を変化させる場合に、ドレインチューブ12の何れのセクションも、クリップ100から外す必要がなくなる。
【0028】
クリップ100はさらに、ループ14を患者のベッドまたはベッドシーツに固定するのを補助するための留め具フープ110を備える。留め具フープ110は、基部102と一体的に形成される。留め具フープ110は、流体レザバ16のポート17によって規定される水平面より上に調節可能なループ14を固定するために、留め手段(すなわち、安全ピン、紐、シーツ鋲(sheet tack)またはクリップ)と組み合わせて使用され得る。図2および図3において認められるように、シーツクリップ101は、クリップ100の留め具フープ110に取り付けられ、調節可能なループ14がベッドシーツまたは他の物体に固定されるようになる。シーツクリップおよび他の留め手段は当該分野で周知であり、留め具フープ110が任意のこのような公知のクリップを固定して係合するように構成され得ることが想定される。代替的実施形態において、クリップ100は、代わりに、クリップ100の基部102と一体的に形成されるシーツクリップ101を備え得る。
【0029】
ここで図9および図10を参照すると、本開示の代替的実施形態は、概して200として示される。クリップ200は、クリップ100と実質的に類似であるが、構築および操作において差異を同定するために必要な程度に詳細に議論されるにすぎない。
【0030】
図9および10において認められるように、クリップ200は、基部202および長手軸方向に向かい合わせになったアーム204および206(これは、基部202から延びる)を備える。向かい合わせになったアーム204、206は、ドレインチューブ12の隣り合うセクションを、並置したまたは隣り合う関係において互いに弾性的に係合、把持および保持するように構築されかつそのような寸法にされる。向かい合わせになったアーム204、206の各々は、鏡像の関係において互いに内部把持表面208を形成するように、基部202から延びる。把持表面208は、ドレインチューブ12のセクションを受容するために構成された凹部AおよびBを規定する。クリップ100とは異なり、クリップ200は、ベッドまたはベッドシーツにドレインチューブ12を固定するための留めループを包含しない。従って、さらなる留め具は、ドレインチューブ12において形成された調節可能なループ14をベッドまたはベッドシーツに固定するために、ドレインチューブ12とともに使用され得る。
【0031】
ここで図11および図12を参照すると、本開示の代替的実施形態が、概して300として示される。クリップ300は、クリップ200に実質的に類似であるが、構築および操作において差異を同定するために必要な程度に詳細に議論されるにすぎない。
【0032】
図11および図12において認められるように、クリップ300は、基部302、ならびにドレインチューブ12の隣り合うセクションを互いに並置したかまたは隣り合う関係において弾性的に係合、把持および保持するように構築されかつそのような寸法にされている向かい合ってほぼC字型のアーム304および306を備える。上記向かい合ってほぼC字型のアーム304、306の各々は、鏡像の関係において互いに、内部把持表面308、310を形成するように、向かい合った一対の可撓性曲線アームを有する。図9および図10において図示されるクリップ200のように、クリップ300は、ドレインチューブ12の調節可能なループ14をベッドまたはベッドシーツに固定するための留め具を備えない。従って、ドレインチューブ12をベッドまたはベッドシーツに固定するため、および調節可能なチューブ12が流体レザバ16のポート17より下に下がらないように、さらなる留め具が備えられなければならない。
【0033】
ここで図13および図14を参照すると、本開示に従って構築された調節可能なドレインチューブループは、概して440として示される。調節可能なドレインチューブループ440は、可撓性バンド400によって維持される。可撓性バンド400は、一対の環402、403と、環402、403を接続する弾性コード404とを備える。環402、403は、ドレインチューブ12をスライド可能に係合するような大きさにされる一方で、弛緩した位置にある(図13)。ドレインチューブ12の有効長が増大されなければならない事象において、可撓性バンド400は、制限された動きを許容する一方で、弛緩した位置にある。しかし、可撓性バンド400は、ドレインチューブ12をその元のループ状でない長さに伸ばすために引っ張られ得る(図14)。このようにして、弾性コード404は、ドレインチューブ12を伸ばすために引っ張られる一方で、環402、403はまた、弾性コード404によって付与される引っ張り力によって影響され、わずかに変形する。この変形は、環402、403がドレインチューブ12を把持しかつ可撓性バンド400が弛緩した位置にスライドして戻らないようにすることを可能にする。一旦弾性コード404を引っ張るように付与された力が取り払われると、調節可能なループ440は、ドレインチューブ12に戻る。
【0034】
ここで図15〜17を参照すると、本開示に従って構築された調節可能なドレインチューブループの代替的構成が示される。図15〜図17は、ドレインチューブ12において調節可能なドレインチューブループを維持するための1つ以上のバンド500を備える。バンド500は、ドレインチューブ12の交差するセクションの周りに、水平方向において(図17)、垂直方向において(図16)、または水平方向および垂直方向の両方において(図15)、位置づけられる。バンド500は、任意の材料(プラスチック、ゴム、布および金属が挙げられる)で構築され得る。バンド500は、材料の単一のストランドまたは複数のストランドで構築される。バンド500は、ドレインチューブ12をスライド可能に係合するような大きさにされる。バンド500は、ドレインチューブ12と解放可能に係合可能であり得る。ドレインチューブ12の有効長は、代替的実施形態に関して上に記載されるようにバンド500によって形成される調節可能なループの大きさを変化させることによって調節され得る。留め具ループなしで調節可能なループを維持するための他の実施形態のように、図15〜図17において示される調節可能なドレインチューブループはまた、ドレインチューブ12をベッドまたはベッドシーツに取り付けるためにシーツクリップまたは他の留め具を備えなければならない。代替的実施形態において、バンド500は、ドレインチューブ12をベッドまたはベッドシーツに取り付けるために、留め手段を備え得る。
【0035】
種々の改変が本明細書中に開示される実施形態に対してなされ得ることが理解される。従って、上記の説明は、限定として解釈されるべきではなく、単に好ましい実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者は、添付の特許請求の範囲の範囲および趣旨の範囲内で他の改変を想定する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、尿採集システムの側面図である。このシステムは、病院のベッドの骨組みに固定されかつ採集レザバより下に上記チューブを吊り下げる従来の実践を使用するための尿採集デバイスを備える。
【図2】図2は、病院のベッドの骨組みに固定された尿採集デバイスおよび本開示に従って構築されたクリップで構成されたドレインチューブを備える尿採集デバイスを備える、尿採集システムの斜視図である。
【図3】図3は、図2の尿採集システムの平面図である。
【図4】図4は、本開示に従って構築されたクリップの一実施形態の側面図である。
【図5】図5は、図5において示される実施形態の平面図である。
【図6】図6は、ドレインチューブにおいて調節可能なループを形成するために使用される、図4および図5において示される実施形態の側面からの斜視図である。
【図7】図7は、ドレインチューブにおいて調節可能なループを形成するために使用される図6において示される実施形態の上面からの斜視図であり、ドレインチューブの有効長を延ばすプロセスを図示する。
【図8】図8は、ドレインチューブにおいて調節可能なループを形成するために使用される図6において示される実施形態の上面からの斜視図であり、ドレインチューブの有効長を短くするプロセスを図示する。
【図9】図9は、本開示に従って構築されたクリップの代替的実施形態の側面図である。
【図10】図10は、図9において示される実施形態の平面図である。
【図11】図11は、本開示に従って構築されたクリップの別の実施形態の側面図である。
【図12】図12は、図11において示される実施形態の平面図である。
【図13】図13は、本開示に従って構築された調節可能なドレインチューブループの一実施形態の側面図である。
【図14】図14は、調節可能なループが完全に拡げられた、図13において示される実施形態の側面図である。
【図15】図15は、本開示に従って構築された調節可能なドレインチューブループの代替的実施形態の側面図である。
【図16】図16は、本開示に従って構築された調節可能なドレインチューブループの別の代替的実施形態の側面図である。
【図17】図17は、本開示に従って構築された調節可能なドレインチューブループのなお別の代替的実施形態の側面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドレインチューブにおいて選択的に調節可能なループを形成するためのクリップであって、該クリップは、
基部;
該基部から延びる、少なくとも一対のアームであって、該アームは、ドレインチューブの少なくとも第1セクションを、該ドレインチューブの第2セクションに隣り合う関係において調節可能に保持するように構成された内部把持表面を形成する、少なくとも一対のアーム、
を備える、クリップ。
【請求項2】
ベッドまたはベッドシーツに前記クリップを留めるための手段をさらに備える、請求項1に記載のクリップ。
【請求項3】
尿採集システムのドレインチューブにおいて調節可能なループを維持するためのデバイスであって、該デバイスは、
ドレインチューブの第1セクションおよび第2セクションを、互いに隣り合う関係において保持するための少なくとも1つの凹部を規定する基部、
を備える、デバイス。
【請求項4】
ベッドまたはベッドシーツに前記デバイスを留めるための手段をさらに備える、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記基部は、前記ドレインチューブの第1セクションおよび第2セクションを、互いに隣り合う関係においてスライド可能に保持するための2つの凹部を規定する、請求項3に記載のデバイス。
【請求項6】
尿採集システムと共に使用するためのドレインチューブであって、該ドレインチューブは、
該チューブの2つのセクションが互いに隣り合う関係にあるループを形成するチューブ;および
該ドレインチューブの2つのセクションを互いに隣り合う関係において調節可能に保持するように構成された保持デバイス、
を備える、ドレインチューブ。
【請求項7】
前記保持デバイスは、クリップ、バンドまたは複数のバンドからなる群より選択される、請求項6に記載のドレインチューブ。
【請求項8】
ベッドまたはベッドシーツに前記ループを留めるための手段をさらに備える、請求項6に記載のドレインチューブ。
【請求項9】
前記ループを留めるための手段は、前記保持デバイスと一体化して形成される、請求項8に記載のドレインチューブ。
【請求項10】
尿採集システムおよび/またはモニタリングシステムのドレインチューブにおいて背圧が形成されないようにする方法であって、該方法は、
調節可能なループが形成されたドレインチューブを提供する工程;および
該調節可能なループを、該尿採集および/またはモニタリングデバイスへの入り口より上の水平面に位置づける工程、
を包含する、方法。
【請求項1】
ドレインチューブにおいて選択的に調節可能なループを形成するためのクリップであって、該クリップは、
基部;
該基部から延びる、少なくとも一対のアームであって、該アームは、ドレインチューブの少なくとも第1セクションを、該ドレインチューブの第2セクションに隣り合う関係において調節可能に保持するように構成された内部把持表面を形成する、少なくとも一対のアーム、
を備える、クリップ。
【請求項2】
ベッドまたはベッドシーツに前記クリップを留めるための手段をさらに備える、請求項1に記載のクリップ。
【請求項3】
尿採集システムのドレインチューブにおいて調節可能なループを維持するためのデバイスであって、該デバイスは、
ドレインチューブの第1セクションおよび第2セクションを、互いに隣り合う関係において保持するための少なくとも1つの凹部を規定する基部、
を備える、デバイス。
【請求項4】
ベッドまたはベッドシーツに前記デバイスを留めるための手段をさらに備える、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記基部は、前記ドレインチューブの第1セクションおよび第2セクションを、互いに隣り合う関係においてスライド可能に保持するための2つの凹部を規定する、請求項3に記載のデバイス。
【請求項6】
尿採集システムと共に使用するためのドレインチューブであって、該ドレインチューブは、
該チューブの2つのセクションが互いに隣り合う関係にあるループを形成するチューブ;および
該ドレインチューブの2つのセクションを互いに隣り合う関係において調節可能に保持するように構成された保持デバイス、
を備える、ドレインチューブ。
【請求項7】
前記保持デバイスは、クリップ、バンドまたは複数のバンドからなる群より選択される、請求項6に記載のドレインチューブ。
【請求項8】
ベッドまたはベッドシーツに前記ループを留めるための手段をさらに備える、請求項6に記載のドレインチューブ。
【請求項9】
前記ループを留めるための手段は、前記保持デバイスと一体化して形成される、請求項8に記載のドレインチューブ。
【請求項10】
尿採集システムおよび/またはモニタリングシステムのドレインチューブにおいて背圧が形成されないようにする方法であって、該方法は、
調節可能なループが形成されたドレインチューブを提供する工程;および
該調節可能なループを、該尿採集および/またはモニタリングデバイスへの入り口より上の水平面に位置づける工程、
を包含する、方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−275599(P2007−275599A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−102107(P2007−102107)
【出願日】平成19年4月9日(2007.4.9)
【出願人】(505471912)タイコ ヘルスケアー グループ リミテッド パートナーシップ (26)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月9日(2007.4.9)
【出願人】(505471912)タイコ ヘルスケアー グループ リミテッド パートナーシップ (26)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]