説明

尿石症を治療するための超音波医療用デバイスおよび方法

尿石症を治療し、結石43をアブレーションする超音波医療用デバイス11のための装置および方法。超音波医療用デバイス11は、近位端31、遠位端24、およびそれらの間の縦軸を有するワイヤ本体、並びに、ワイヤ本体の遠位端24から延びる複数のタイン65を有する超音波プローブ15を備える。超音波医療用デバイス11は、ワイヤ本体および複数のタイン65を取り囲むことができるシース36を具備する。超音波プローブ15は、シース36に挿入され、複数のタイン65が結石43の外面の少なくとも一部を取り囲むまで、超音波プローブ15を移動させる。超音波プローブ15に係合される超音波エネルギー源99は、超音波プローブ15に超音波エネルギーを供給し、超音波プローブ15の少なくとも一部に沿って超音波横振動を発生させ、結石43をアブレーションする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、医療用デバイスに関し、更に詳細には、尿石症を治療する超音波医療用デバイスのための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
尿石症は、尿中の結晶又は鉱物沈着物が結合し、結石を形成する症状である。結石(stones)は、結石(calculi)又は尿石とも称され、尿路又は膀胱中のどの場所でも見られる可能性があり、尿道の閉塞の原因となる。尿石症は、食事中のカルシウムとリンの不均衡によって起こる。結石は、刺激、不快感を引き起こし、二次感染の原因となる可能性があり、死に至る場合もある。尿石症の症状に関する結石の種類には、とりわけ、腎臓結石、シスチン腎臓結石、ストルバイト結石、尿酸塩結石、シュウ酸カルシウム結石、胆石、尿結石、膀胱結石、シスチン結石、キサンチン結石、リン酸カルシウム結石、地方性膀胱結石、シュウ酸塩結石、腎結石、尿酸結石、および、尿酸とカルシウムの結石が挙げられる。
【0003】
尿結石の症状の発現は、遺伝的素因に依存する可能性がある。幾つかの腎結石の病気の遺伝はよくあり、特発性高カルシウム尿症の小児の約70%もが結石の家族歴を有することを示す報告もある。シスチン尿症、アミノ酸輸送の常染色体劣性欠損は、シスチン腎臓結石に繋がる可能性がある。シュウ酸塩結石は、グリシン尿症の稀少な腎尿細管遺伝性欠損、並びに原発性高シュウ酸尿症の常染色体障害の結果として生成される可能性がある。プリン代謝における他の遺伝性障害は尿酸結石に繋がる。キサンチン結石は、キサンチン尿症の常染色体劣性障害から生成される。
【0004】
報告は、多数の食品が腎結石生成の一因となることを示している。シュウ酸カルシウム結石生成は、シュウ酸(塩)の高摂取の結果、起こり得る。尿酸、および、尿酸とカルシウム成分を含有する結石は、プリンの過剰摂取の結果、起こり得る。ケトン食療法、発作を低減するように処方される食事は、小児における尿酸結石およびカルシウム結石の形成のリスクを増加させる。蛋白質が動物源に由来する高蛋白食、ブドウ糖又はショ糖は、尿中カルシウムを増加させてキサンチン尿症を生じさせ、結石形成に繋がり得る。
【0005】
ビタミンAおよびビタミンDの過剰摂取は、カルシウム尿結石の一因となる可能性がある。流体の摂取が少ないと尿の濃縮が促進され、結石形成のリスクが増加する。薬物摂取は、結石形成の一因となる。抗癌剤は、濾過される尿酸量を増加させ、尿酸結石形成のリスクが増加する。糖質コルチコイドは、濾過されるカルシウム量を増加させて、キサンチン尿症を生じさせ、カルシウム結石形成に繋がる。アロプリノールは、腫瘍崩壊が起きている患者の体内で濾過されるキサンチン量を増加させ、キサンチン結石の形成に繋がる。他の病気又は病気の治療に使用される医薬品は、結石形成リスクを増加させる。
【0006】
尿石症は、世界中の何百万人もの人が罹っている症状であり、犬、猫、子羊、子牛、牛、および馬を含む幾つかの動物によくある症状である。尿石症の研究量は十分ではないが、幾つかの傾向と共通性が見られる。研究は、尿石症の頻度は女性よりも男性の方が約4倍大きいことを示している。若い母集団の研究から、少年の方が少女よりも尿石症にかかりやすく、その頻度の比は約3〜約2であることが分かってきた。成人で尿石症のピークを示すのは、中年の年齢である。米国の小児では、尿石症の発生数は、入院患者数1000人当たり約1件〜入院患者数7600人当たり1件まで様々である。米国では地域的傾向が見られ、米国南東部は、他の米国地域よりも腎臓結石形成の頻度が高い。地域的傾向について考えられる要因は、気候、食事、遺伝、水分補給状態、および細菌コロニー形成に及ぶ。尿石症の頻度は、発展途上国の方が高く、発展途上国では食事蛋白質は、肉とは対照的に、ほとんど穀類種子又は植物源に由来する。
【0007】
膀胱および尿道を含む身体の様々な器官の中に結石が存在すると、痛みを伴う可能性がある。従来技術は、安全且つ効率的な方式で体内の結石を有効にアブレーションする課題に取り組んでこなかった。結石を除去する従来技術のデバイスは不十分であり、結石患者を不要な健康上のリスクに曝す。従来技術のデバイスは、体内の器官から結石を除去するために侵襲的技術と非侵襲的技術の両方を使用する。
【0008】
シェーン(Shene)らに付与された米国特許第4,696,299号明細書は、腎臓結石などの非侵襲的崩壊のための装置を開示している。シェーンらのデバイスは、身体に当てて位置決めされる楕円反射器を備え、それによって、楕円の第1の焦点に位置するスパークギャップで一連のスパークが放出される。スパークは、反射器内の水を通り、身体を通って移動し、結石に衝突して結石を崩壊させる一連の衝撃波を発生させる。シェーンらのデバイスは結石に直接、衝撃波を有効に集中させず、確実に衝撃波を結石にターゲティングすることに信頼性がない方法を使用する。シェーンらのデバイスを用いた結石の崩壊は、反射器を身体に当てて位置決めし、スパークを発生させる幾つかの試みを必要とし、時間のかかるプロセスであり、身体から容易に排出できるサイズまで結石を小さくしない。
【0009】
ディンザ(Dhindsa)に付与された米国特許第6,551,327号明細書は、改善されたバスケットを有する内視鏡的結石摘出デバイスを開示している。ディンザのデバイスは、シースを支持するハンドル、および結石摘出バスケットを支持するフィラメントを具備する。バスケットは、直径2ミリメートル未満の結石を保持する小さい開口部を備える結石保持部位を備える。ディンザのデバイスは、直径2ミリメートル未満の結石破片の摘出に最適化されており、器官から結石を除去するとき患者に痛みを与える。ディンザのデバイスは、慣用的な方法で体内を通して容易に除去できるサイズまで結石を小さくするように、結石を破砕する方法を提供しない。
【0010】
アングロ(Angulo)に付与された米国特許第4,474,180号明細書は、カテーテル、導波管、超音波トランスデューサ、および振動出力を備える腎臓結石を崩壊させるための装置を開示している。デバイスは、導波管の遠位端が腎臓結石に接触するまで、尿道などの身体の器官に挿入される。超音波トランスデューサは縦振動を付与し、それが導波管に伝達されて、結石を破砕する振動エネルギーを発生させる。アングロのデバイスは直径が大きく、アングロのデバイスを身体の小さい器官に挿入するとき、患者に痛みを与える。アングロのデバイスは、結石を粉砕する技術を使用するため、振動エネルギーを付与した後、結石の破片が器官の中に散乱し、除去するために、又はその後の治療のために破片を全て捕集することが困難である。
【0011】
従来技術のデバイスは、安全且つ効率的な方式で体内の結石を有効にアブレーションする課題を解決しない。従来技術のデバイスは、結石を有効に捕捉し、慣用的な方法で粒子を身体から排出できるサイズまで結石をアブレーションしない。従来技術のデバイスは、患者に痛みを与え、望ましい安全性が欠如している。従って、結石を捕捉し、結石を収容し、結石を有効にアブレーションして慣用的な方法で身体から容易に排出できる微粒子にし、且つ、患者に不要な痛みを与えない、尿石症を治療する超音波医療用デバイスが依然として当該技術分野で必要とされている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明の概要
本発明は、身体の器官の中にある結石を除去することにより尿石症を治療する超音波医療用デバイスのための装置および方法を提供する。超音波医療用デバイスは、近位端、遠位端、およびそれらの間の縦軸を有するワイヤ本体を具備し、結石に係合するように複数のタインがワイヤ本体の遠位端から延びる。超音波医療用デバイスは、また、ワイヤ本体および複数のタインを取り囲むことができるシースも具備する。
【0013】
本発明は、身体の器官の中にある少なくとも1つの結石をアブレーションするための超音波プローブである。超音波プローブは、近位端、遠位端、およびそれらの間の縦軸を有するワイヤ本体、並びに、ワイヤ本体に係合する複数のタインを備える。超音波プローブに係合される超音波エネルギー源は、超音波プローブに超音波エネルギーを供給し、超音波プローブの少なくとも一部に沿って超音波横振動を発生させ、結石をアブレーションする。
【0014】
本発明は、ワイヤ本体およびワイヤ本体の遠位端から延びる複数のタインを有する超音波プローブをシースに挿入する工程と、;シースの遠位端を越えて複数のタインを前進させることにより、複数のタインを圧潰位置から拡張位置に移動させる工程と;複数のタインが結石の外面の少なくとも一部を取り囲むまで超音波プローブを移動させる工程と;複数のタインの一部を圧縮し、結石に係合させる工程と;超音波プローブに超音波エネルギーを提供し、結石をアブレーションするために、超音波エネルギー源を作動させる工程とを含む、身体の器官の中にある結石をアブレーションする方法である。
【0015】
本発明は、身体の器官の中にある少なくとも1つの結石のサイズを小さくする方法である。ワイヤ本体に複数のタインが係合するワイヤ本体を有する超音波プローブを、生体適合性材料部材に挿入する。生体適合性部材の遠位端を越えて複数のタインを前進させることにより、複数のタインを圧潰位置から拡張位置に移動させる。複数のタインが少なくとも1つの結石の外面の少なくとも一部を取り囲むまで超音波プローブを移動させる。超音波エネルギー源を作動させ、超音波プローブに沿って超音波横振動を発生させ、結石のサイズを小さくする。
【0016】
本発明は、尿石症を治療するための装置および方法を提供する。ワイヤ本体の遠位端から複数のタインが延びるワイヤ本体を有する超音波プローブを、複数のタインが結石の外面の少なくとも一部を取り囲むように移動させる。超音波エネルギー源からの超音波エネルギーで結石をアブレーションする。本発明は、簡単で使用者にやさしく、時間効率が良く、信頼性があり、費用効率の良い、尿石症を治療するための超音波医療用デバイスを提供する。
【0017】
図面の簡単な説明
添付の図面を参照して本発明を更に説明するが、図面中、同様の構造は、幾つかの図を通して同様の番号で参照される。示される図面は、必ずしも一定の縮尺に従わず、代わりに本発明の原理を例示する際、全体的に強調されている。
【0018】
後述の図面は本発明の好ましい実施形態を記載するが、説明中に記載するように本発明の他の実施形態も想到される。この開示は、本発明の例示の実施形態を代表例として表し、限定するものではない。当業者は、本発明の原理の範囲および趣旨に入る他の多数の変更および実施形態を考案することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
詳細な説明
本発明は、ワイヤ本体およびワイヤ本体の遠位端から延びる複数のタインを有する超音波プローブ、並びに超音波プローブの一部を取り囲むシースを備える超音波医療用デバイスを使用して、身体の器官の中にある結石を除去するための装置および方法を提供する。複数のタインは、結石の外面の少なくとも一部を取り囲み、結石と連絡する超音波プローブの表面積を増加させる。複数のタインは、圧潰位置と拡張位置の間を移動可能である。本発明の好ましい実施形態では、複数のタインは、超音波プローブの遠位端で接合されている。超音波プローブに係合される超音波エネルギー源は、超音波プローブに超音波エネルギーを供給し、複数のタインを含む超音波プローブの少なくとも一部に沿って超音波横振動を発生させ、結石をアブレーションする。
【0020】
本明細書では以下の用語および定義を使用する:
本明細書で使用する場合、「アブレーションする(ablate)」は、生体物質を除去する、取り除く、破壊する又は取り去る動作を指す。本明細書で使用する場合、「アブレーション(ablation)」は、生体物質の除去、取り除くこと、破壊又は取り去ることを指す。
本明細書で使用する場合、「腹」は、超音波プローブの縦軸に沿った特定の位置又はその近位の、超音波プローブにより放出されるエネルギーが最大の部位を指す。
本明細書で使用する場合、「節」は、超音波プローブの縦軸に沿った特定の位置又はその近位の、超音波プローブにより放出されるエネルギーが最小の部位を指す。
本明細書で使用する場合、「プローブ」は、超音波エネルギー源により放出されるエネルギーをプローブの縦軸に沿って伝搬し、そのエネルギーを(プローブの「作用領域」に沿った複数の節と複数の腹によって定まる)特定の共振周波数の有効なキャビテーションエネルギーに変えることができるデバイスを指す。
本明細書で使用する場合、「横」は、プローブの縦軸に平行でないプローブの振動を指す。本明細書で使用する場合、「横波」は、プローブに沿って伝搬され、媒体の複数の点における撹乱の方向が波ベクトルに平行ではない波である。
本明細書で使用する場合、「生体物質」は、以下に限定されないが、類似細胞群、閉塞、プラーク、脈管内血餅又は血栓、フィブリン、石灰化プラーク、カルシウム沈着物、閉塞性沈着物、アステローム硬化性プラーク、脂肪沈着物、脂肪組織、アステローム硬化性コレステロール蓄積、繊維状物質蓄積、動脈狭窄、鉱物、高含水量組織、血小板、細胞破片、老廃物および他の閉塞性物質を含む物質の集合を指す。
【0021】
本発明の超音波医療用デバイスを図1に11で概略的に示す。超音波医療用デバイス11は、超音波エネルギーを発生させるための超音波エネルギー源又は発生器99に連結される超音波プローブ15を具備する。近位端87と遠位端86を備えるハンドル88は、トランスデューサをハンドル88内で取り囲む。超音波エネルギー源99に係合する第1の端部と超音波プローブ15の近位端31に連結される第2の端部を有するトランスデューサは、超音波エネルギーを超音波プローブ15に伝達する。コネクタ93および接合ワイヤ98は、超音波エネルギー源99をトランスデューサに係合させる。超音波プローブ15は、ワイヤ本体63の近位端31および遠位端24を有するワイヤ本体63を具備する。複数のタイン65がワイヤ本体63の遠位端24から延び、身体の器官の中にある結石の少なくとも一部を取り囲む。複数のタイン65はバスケット状の構造を形成する。本発明の好ましい実施形態では、バスケット67の近位端58にある複数のタイン65の近位端58は、ワイヤ本体63に溶接されており、複数のタイン65の遠位端66は接合されプローブ先端9となって終端する。近位端34と遠位端37を有するシース36は、超音波プローブ15の縦軸の少なくとも一部を取り囲む。超音波プローブ15の近位端31をハンドル88内のトランスデューサに係合させる継手33を図1に概略的に示す。本発明の好ましい実施形態では、継手は、迅速着脱システム(quick attachment−detachment system)である。迅速着脱システムを有する超音波プローブデバイスは、本譲受人の米国特許第6,695,782号明細書および同時係属中の特許出願である米国特許出願第10/268,487号明細書および米国特許出願第10/268,843号明細書に記載されており、これらの全ての特許および特許出願の内容全体が参照により本明細書に援用される。
【0022】
シース36は、身体の器官又は身体の器官に繋がる脈管構造に挿通されるほど十分に小さい、薄く可撓性のある中空のチューブである。患者は一般に、体を通るシース36の移動を感じない。所定の場所にくると、シース36は多数の試験又は他の治療処置の実施を可能にする。アブレーション用の超音波医療用デバイスおよびそれと一緒に使用するシースは、本譲受人の米国特許第6,524,251号明細書に開示されており、この特許の内容全体が参照により本明細書に援用される。当業者は、当該技術分野で既知の多くのシースは本発明と一緒に使用されることができ、それもやはり本発明の趣旨および範囲に入ることを認識する。
【0023】
本発明の一実施形態では、シース36はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で構成される。本発明の別の実施形態では、シース36はナイロンで構成される。本発明の別の実施形態では、シース36はポリマー材料で構成される。当業者は、シースは当該技術分野で既知の多くの材料で製造されることができ、それが本発明の趣旨および範囲に入ることを認識する。
【0024】
本発明の別の実施形態では、生体適合性材料部材が超音波プローブ15の縦軸の一部を取り囲む。生体適合性材料には、以下に限定されないが、カテーテル、バルーン、シースおよび類似の部材が挙げられる。当業者は、当該技術分野で周知の他の生体適合性材料部材が本発明の趣旨および範囲に入ることを認識するだろう。
【0025】
超音波プローブ15は、超音波プローブ15が身体の器官の中で、および器官に繋がり得る脈管構造を通って関節のように連接できるように超音波プローブ15に可撓性を付与する剛性を有する。超音波プローブ15は可撓性があるため、超音波プローブ15が、脈管構造内の領域に到達するように反り、撓み、曲がって脈管構造を通ることが可能であるが、さもなければ到達は困難である。本発明の一実施形態では、超音波プローブ15のワイヤ本体63の直径は、ワイヤ本体の縦軸に沿って第1の画定された間隔から第2の画定された間隔まで減少する。本発明の別の実施形態では、超音波プローブ15の直径は、2つより多くの画定された間隔で減少する。超音波プローブ15の直径は、移行部(transition)を横切って第1の画定された間隔から第2の画定された間隔まで減少する。本発明の一実施形態では、超音波プローブ15の移行部は先細りになっており、超音波プローブ15の縦軸に沿って超音波プローブ15の近位端31からワイヤ本体63の遠位端24まで直径が徐々に変化する。本発明の別の実施形態では、超音波プローブ15の移行部は階段状であり、超音波プローブ15の縦軸に沿って近位端31から遠位端24まで直径が変化する。画定される間隔および移行部は任意の数とすることができ、移行部は当該技術分野で既知の任意の形状とすることができ、それが本発明の趣旨および範囲に入ることを当業者は認識する。
【0026】
プローブ先端9は、以下に限定されないが、丸い形状、曲がった形状、ボール形、又は、より大きい形状を含む任意の形状とすることができる。本発明の好ましい実施形態では、プローブ先端9は脈管構造の損傷を防止するように平滑である。本発明の一実施形態では、超音波エネルギー源99は、超音波医療用デバイス11の物理的部分である。本発明の別の実施形態では、超音波エネルギー源99は超音波医療用デバイス11の物理的部分ではない。
【0027】
本発明の好ましい実施形態では、超音波プローブ15の断面はほぼ円形である。本発明の他の実施形態では、超音波プローブ15の断面の形状は、以下に限定されないが、正方形、台形、楕円形、三角形、平坦な箇所と類似の断面を有する円形が挙げられる。当業者は、当該技術分野で既知の他の幾何学的断面形状が本発明の趣旨および範囲に入ることを認識する。
【0028】
超音波プローブ15は脈管構造に挿入され、使用後に処分されてもよい。本発明の好ましい実施形態では、超音波プローブ15は、1回だけ使用し、且つ一人の患者だけに対するものである。本発明の好ましい実施形態では、超音波プローブ15は使い捨てである。本発明の別の実施形態では、超音波プローブ15は複数回使用できる。
【0029】
本発明の好ましい実施形態では、超音波プローブ15はチタン又はチタン合金を含む。チタンは、強度があり、可撓性、低密度、低放射線不透過(low radiopacity)であり、加工が容易で、構造材料として使用される金属である。チタンおよびその合金は、多くの環境で優れた耐食性を有し、良好な高温特性を有する。本発明の好ましい実施形態では、超音波プローブ15はチタン合金Ti−6Al−4Vを含む。Ti−6Al−4Vを構成する元素、および、Ti−6Al−4Vの代表的な元素重量パーセンテージは、チタン(約90%)、アルミニウム(約6%)、バナジウム(約4%)、鉄(最大約0.25%)、および酸素(最大約0.2%)である。本発明の別の実施形態では、超音波プローブ15はステンレス鋼を含む。本発明の別の実施形態では、超音波プローブ15はステンレス鋼の合金を含む。本発明の別の実施形態では、超音波プローブ15はアルミニウムを含む。本発明の別の実施形態では、超音波プローブ15は、アルミニウムの合金を含む。本発明の別の実施形態では、超音波プローブ15はチタンとステンレス鋼の組み合わせを含む。当業者は、超音波プローブは当該技術分野で既知の多くの材料で構成されることができ、それが本発明の趣旨および範囲に入ることを認識する。
【0030】
本発明の好ましい実施形態では、超音波プローブ15は小さい直径を有する。本発明の好ましい実施形態では、超音波プローブ15の直径は、超音波プローブ15の近位端31から遠位端24まで徐々に減少する。本発明の一実施形態では、超音波プローブ15のワイヤ本体63の遠位端24の直径は、約0.004インチである。本発明の別の実施形態では、超音波プローブ15のワイヤ本体63の遠位端24の直径は、約0.015インチである。本発明の他の実施形態では、超音波プローブ15のワイヤ本体63の遠位端24の直径は、約0.003インチ〜約0.025インチと様々である。当業者は、超音波プローブ15は、ワイヤ本体63の遠位端24で、約0.003インチより小さい直径、約0.025インチより大きい直径、および約0.003インチ〜約0.025インチの直径を有することができ、それが本発明の趣旨および範囲に入ることを認識する。
【0031】
本発明の一実施形態では、超音波プローブ15の近位端31の直径は、約0.012インチである。本発明の別の実施形態では、超音波プローブ15の近位端31の直径は約0.025インチである。本発明の他の実施形態では、超音波プローブ15の近位端31の直径は約0.003〜約0.025インチと様々である。当業者は、超音波プローブ15は超音波プローブ15の近位端31で約0.003インチより小さい直径、約0.025インチより大きい直径、および約0.003インチ〜約0.025インチの直径を有することができ、それが本発明の趣旨および範囲に入ることを認識する。
【0032】
本発明の一実施形態では、超音波プローブ15の直径は、ワイヤ本体63の近位端31から遠位端24までほぼ均一である。本発明の別の実施形態では、超音波プローブ15の直径は、ワイヤ本体63の近位端31から遠位端24まで徐々に減少する。本発明の一実施形態では、超音波プローブ15はワイヤである。本発明の一実施形態では、ワイヤ本体63の近位端31から遠位端24までの直径の徐々の変化は、少なくとも1つの移行部で起こり、各移行部の長さはほぼ等しい。本発明の別の実施形態では、ワイヤ本体63の近位端31から遠位端24までの直径の徐々の変化は複数の移行部で起こり、各移行部の長さは様々である。移行部とは、直径が第1の直径から第2の直径まで変わるセクションを指す。
【0033】
超音波プローブ15の物理的特性(即ち、長さ、断面形状、寸法など)および材料特性(即ち、降伏応力、弾性率など)は、横モードでの超音波プローブ15の動作に対して選択される。本発明の超音波プローブ15の長さは、横モードで共振するように選択される。本発明の一実施形態では、超音波プローブ15は、長さが約30センチメートル〜約300センチメートルである。当業者は、超音波プローブは約30センチメートルより短い長さ、約300センチメートルより長い長さ、および、約30センチメートル〜約300センチメートルの長さを有することができ、それが本発明の趣旨および範囲に入ることを認識する。
【0034】
ハンドル88は、超音波プローブ15の近位端31とコネクタ93の間に位置するトランスデューサを取り囲む。本発明の好ましい実施形態では、トランスデューサは、以下に限定されないが、ホーン、電極、絶縁体、バックナット、ワッシャー、圧電マイクロホン、および圧電駆動装置を具備する。トランスデューサは、超音波エネルギー源99によって提供される電気エネルギーの機械的エネルギーへの音響インピーダンス変換が可能である。トランスデューサで超音波医療用デバイス11の動作周波数を設定する。トランスデューサは、超音波エネルギー源99から受け取った超音波エネルギーを超音波プローブ15に伝達する。超音波エネルギー源99からのエネルギーは、超音波プローブ15の縦軸に沿って伝達され、超音波プローブ15を横モードで振動させる。トランスデューサは、超音波エネルギー源99によって提供される超音波エネルギーを伝搬できる音響量を形成するのに十分な拘束力で、超音波プローブ15に近位端31で係合することができる。
【0035】
図2は、複数のタイン65が圧潰位置にある本発明の超音波プローブ15の部分側面図を示す。複数のタイン65は遠位端66で接合されている。本発明の好ましい実施形態では、複数のタイン65は4つのタインを備える。本発明の好ましい実施形態では、複数のタイン65は圧潰位置(図2)と拡張位置(図3)の間を移動可能である。圧潰位置にある複数のタイン65の直径は、ワイヤ本体63の直径にほぼ等しい。複数のタイン65が圧潰位置にあるとき、複数のタイン65を含む超音波プローブ15をシース36に挿入する。
【0036】
本発明の好ましい実施形態では、複数のタイン65はワイヤ本体63の遠位端24に係合されている。複数のタイン65は溶接によってワイヤ本体63の遠位端24に係合してもよい。本発明の別の実施形態では、複数のタイン65はワイヤ本体63の遠位端24に機械的に固定されている。複数のタイン65をワイヤ本体63の遠位端24に係合させる他の機構には、以下に限定されないが、メカニカルファスナ、接着剤、グルー、リベット、ブラインドファスナ、メカニカルスナップおよび他のファスナが挙げられる。当業者は、複数のタインをワイヤ本体の遠位端に係合させる他の方法が当該技術分野で既知であり、それが本発明の趣旨および範囲に入ることを認識する。
【0037】
本発明の好ましい実施形態では、複数のタイン65は遠位端66で一緒に接合されている。複数のタイン65の遠位端66を接合するとバスケット状の構造が形成される。本発明の別の実施形態では、複数のタイン65は遠位端66で一緒に機械的に固定されている。複数のタイン65を一緒に遠位端66で接合する他の機構には、以下に限定されないが、接着剤、グルー、リベット、ブラインドファスナ、メカニカルスナップおよび他のファスナが挙げられる。当業者は、複数のタインを一緒に遠位端で接合する他の方法が当該技術分野で既知であり、それが本発明の趣旨および範囲に入ることを認識する。
【0038】
図3は、複数のタイン65が拡張位置にある、本発明の超音波プローブ15の部分側面図を示す。複数のタイン65は遠位端66で接合されている。複数のタイン65が拡張位置にあるとき、複数のタイン65はシース36の外側にある。拡張位置では、複数のタイン65の直径は、ワイヤ本体63の直径より大きい。
【0039】
図4は、超音波プローブ15の複数のタイン65の斜視端面図を示す。図4は、複数のタイン65が4つのタイン65を備える本発明の好ましい実施形態を示す。
【0040】
図5は、複数のタイン65が結石43を取り囲んでいる、身体の器官44の中にある本発明の超音波プローブ15の部分側面図を示す。複数のタイン65は、遠位端66で接合されている。結石43が身体の器官44の中にある状態で、超音波プローブ15の一部およびシース36を体内に挿入し、超音波プローブ15を結石に隣接するところに移動させる。複数のタイン65の隣接するタイン間、および複数のタイン65の内側に結石43を配置するように、超音波プローブ15を移動させる。結石43は、複数のタイン65内に受動的に拘束される。
【0041】
複数の結石43が身体の器官の中に見られ、尿石症の症状を引き起こす。本発明の一実施形態では、結石43は腎臓結石である。本発明の別の実施形態では、結石43は胆石である。結石43はまた、以下に限定されないが、シスチン腎臓結石、ストルバイト結石、尿酸塩結石、シュウ酸カルシウム結石、尿結石、膀胱結石、シスチン結石、キサンチン結石、リン酸カルシウム結石、地方性膀胱結石、シュウ酸塩結石、腎結石、クリキシバン結石、尿酸結石、および、尿酸とカルシウムの結石が挙げられる。
【0042】
最も一般的には、結石43は尿路内に見られる。尿路は、泌尿器系としても知られ、腎臓、尿管、膀胱および尿道からなる。腎臓は肋骨の下に背中に向かって位置する豆のような形状の2つの器官である。腎臓は、血液から余分な水と老廃物を除去し、それを尿に変える。腎臓は、また、血液中の塩と他の物質の安定なバランスを維持し、強い骨を作ることを助け、赤血球を形成することを助けるホルモンを生成する。尿を腎臓から膀胱に運ぶ尿管が各腎臓から延び、尿は膀胱に一時的に貯蔵される。膀胱は、下腹部の三角形の形状の室であり、その弾性の壁は伸張および拡張して尿を貯蔵し、尿が尿道を通って体外に出されて空になると、合わさって扁平になる。
【0043】
図6Aは、患者の腎臓77に挿入された超音波プローブ15を示す。特許出願の残りの部分では、本発明を腎臓77の結石43に関して記載する。本発明の好ましい実施形態では、ワイヤ本体63および複数のタイン65を備える超音波プローブを、尿道74を通して挿入し、膀胱75を通し、尿道76を上り、腎臓77の1つの中に移動させる。尿道74の長さがより小さいことを別にして、男性と女性の尿路は類似している。腎臓77の内側に入ると、複数のタイン65で結石43を取り囲むように超音波プローブ15を移動させ、結石43をアブレーションする。
【0044】
図6Bは、患者の背部を通して腎臓77に挿入された超音波プローブ15を示す。本発明のこの実施形態では、ワイヤ本体63および複数のタイン65を備える超音波プローブ15は、背部を通して腎臓77に挿入され、結石43を捕捉する。本発明のこの実施形態では、背部に小さい切開を施し、腎臓77に直接入るチャネルを作り出す。以下に限定されないが、脈管イントロデューサ又はトロカールを含むデバイスを使用して背部に挿入点を作り出し、腎臓77にアクセスすることができる。超音波プローブと一緒に使用する脈管イントロデューサは、本譲受人の同時係属中の特許出願である米国特許出願第10/080,787号明細書に記載されており、この出願の内容全体が参照により本明細書に援用される。
【0045】
本発明の超音波医療用デバイス11は、内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)法と共に又はその後に使用することができる。ERCPにより医療従事者は肝臓、胆嚢、胆管、および膵臓内の問題を診断することができる。ERCPは、主に、胆石、炎症性狭窄症、漏泄(leaks)および癌を含む胆管の症状を診断および治療するのに使用される。ERCP法では、内視鏡が胆管樹状構造および膵臓の導管が十二指腸に合流する箇所に達するまで、食道、胃、および十二指腸を通して内視鏡を案内する。内視鏡に小さいプラスチックチューブを通して導管の中に造影剤(dye)を注入し、X線を使用して胆石又は導管の狭窄が存在するかを決定することができる。
【0046】
胆石の位置を決定した後、超音波医療用デバイス11を使用してERCP法の間に見つかった胆石を除去することができる。慣用的な用具を使用して胆石又は障害を除去する場合、総胆管に遺残結石を有することはよくある。胆管からの結石の除去は、慣用的な用具を用いて実施する危険を伴う処置である。超音波医療用デバイス11は、患者の胆管の機能又は健康を損なうことなく、胆管から胆石を除去する安全な方法を提供する。
【0047】
図6Cは、複数のタイン65が結石43を取り囲み、シース36で圧縮されている、身体の器官44の中にある本発明の超音波プローブ15の部分側面図を示す。複数のタイン65は遠位端66で接合されている。複数のタイン65の一部は、シース36で圧縮されている。本発明の好ましい実施形態では、複数のタイン65が圧潰位置にあるとき、複数のタイン65の少なくとも1つは結石43の外面に係合する。
【0048】
複数のタイン65の一部はシース36で圧縮される。本発明の一実施形態では、シース36の近位端34を複数のタイン65の方に押すことにより、複数のタイン65の一部を超えてシース36を前進させる。本発明の一実施形態では、超音波プローブ15のワイヤ本体63は複数のマーカを備える。結石43がまだシース36の遠位端37の遠位にあるとき、シース36の近位端34の端部を超音波プローブ15上の複数のマーカと整列させることによって、シース36が複数のタイン65の一部を被覆し、複数のタイン65を圧縮することが可能になる。
【0049】
本発明の一実施形態では、超音波プローブ15のワイヤ本体63上の複数のマーカは、高放射線不透過性の材料で構成される。高放射線不透過性の材料はX線又は他の放射線をあまり通過させず、各マーカのところの超音波プローブ15のワイヤ本体63の部分が検出されることを可能にする。高放射線不透過性の材料は、各マーカのところの超音波プローブ15のワイヤ本体63の部分が視覚化されることを可能にし、診断および治療処置を容易にする。本発明の別の実施形態では、複数のマーカは、低放射線不透過性の材料で構成される。画像法における視認性が改善された超音波医療用デバイスは、本譲受人の同時係属中の特許出願である、米国特許出願第10/328,202号明細書および米国特許出願第10/207,468号明細書に記載されており、これらの特許出願の内容全体が参照により本明細書に援用される。当業者は、複数のマーカは当該技術分野で既知の多くの材料で構成されることができ、それが本発明の趣旨および範囲に入ることを認識する。
【0050】
本発明の別の実施形態では、結石43がまだシース36の遠位端37を越えるところにある時、超音波プローブ15をシース36の遠位端37の中に引き戻し、複数のタイン65を圧縮することが可能になる。本発明の一実施形態では、超音波プローブ15のワイヤ本体63上の少なくとも1つのマーカがシース36の近位端34の端部と整列するまで、超音波プローブ15を引き戻す。当業者は、当該技術分野で既知の複数のタインを圧縮する幾つかの方法があり、それが本発明の趣旨および範囲に入ることを認識する。
【0051】
複数のタイン65が圧縮され結石43と係合している状態で、超音波エネルギー源99を作動させ、超音波プローブ15を起動させる。超音波エネルギー源99は、ハンドル88内に位置するトランスデューサに約2ワット〜約15ワットの低電力電気信号を提供する。トランスデューサは、超音波エネルギー源99によって提供される電気エネルギーを機械的エネルギーに変換する。超音波医療用デバイス11の動作周波数はトランスデューサによって設定され、超音波エネルギー源99は、位相ロックループでトランスデューサの共振周波数を見出す。適切に配向および駆動されるトランスデューサの圧電性結晶の円筒状配列によって、ホーンは、超音波プローブ15の縦軸の少なくとも一部に沿って縦波を発生させる。超音波プローブ15の非直線の動的座屈により、縦波は、超音波プローブ15の縦軸の少なくとも一部に沿って横波に変換される。
【0052】
横波が超音波プローブ15の縦軸に沿って伝達される時、超音波プローブ15の縦軸に沿って超音波横振動が発生する。本発明の好ましい実施形態では、ワイヤ本体63および複数のタイン65を含む超音波プローブ15は、軸方向を横切る(平行でない)方向に振動する。超音波横振動は、複数のタイン65を含む超音波プローブ15に沿って伝搬する。超音波プローブ15の横の振動モードは、従来技術で開示されている軸方向(縦)の振動モードとは異なる。超音波プローブ15の縦軸に沿った超音波横振動により、超音波プローブ15の縦軸の一部に沿って複数の高エネルギー横振動の節(energetic transverse nodes)と複数の高エネルギー横振動の腹(energetic transverse anti−nodes)が発生する。
【0053】
図7は、複数のタイン65に沿った複数の横振動の節(transverse nodes)40と複数の横振動の腹(transverse anti−nodes)42を示す、本発明の超音波プローブ15の部分側面図を示す。横振動の節40は、最小のエネルギーと最小の振動を有する領域である。横振動の腹42、又は、最大のエネルギーと最大の振動を有する領域はまた、超音波プローブ15の部分に沿って繰り返し間隔で生じる。横振動の節40と横振動の腹42の数、および、超音波プローブ15の横振動の節40と横振動の腹42の間隔は、超音波エネルギー源99によって発生するエネルギーの周波数に依存する。横振動の節40と横振動の腹42の距離は、周波数の関数であり、超音波プローブ15を調整することによって影響を受ける可能性がある。適切に調整された超音波プローブ15では、横振動の腹42は、横振動の腹42の各側に隣接して位置する横節40間の距離の約半分の位置に見られる。
【0054】
複数のタイン65が結石43に係合している状態で、横波が超音波プローブ15に沿って複数のタイン65に伝達され、複数のタイン65を含む超音波プローブ15の表面と、複数のタイン65を含む超音波プローブ15の周囲媒体との相互作用により、周囲媒体中に音波が発生する。横波は超音波プローブ15に沿って伝達され、複数のタイン65を含む超音波プローブ15が横方向に振動する。超音波プローブ15の横方向の運動は、超音波プローブ15を取り囲む媒体中にキャビテーションを発生させ、結石43をアブレーションする。キャビテーションの過程で、横波は周囲媒体中に音響エネルギーを発生させる。キャビテーションとは、超音波プローブ15の迅速な運動により周囲媒体中に小さい空隙が形成され、その後、空隙が圧縮される過程である。空隙の圧縮によって音響エネルギーの波が発生し、これは結石43を溶解させるが、健康な組織には損傷効果を及ぼさない。圧力波からの音響エネルギーは結石43に伝達される。超音波プローブ15の複数のタイン65は、結石43と連絡する超音波プローブ15の表面積を増加させ、複数のタイン65は、結石43を破砕する超音波プローブ15の結石破壊効果を集中させる。
【0055】
本発明の好ましい実施形態では、結石43は、サイズが赤血球に匹敵する微粒子(直径約5ミクロン)に分解される。複数のタイン65は、超音波プローブ15の処置領域を拡張させ、結石43と連絡する超音波プローブ15の作用領域を大きくする。複数のタイン65で結石43の外面の少なくとも一部を取り囲むことにより、結石43と連絡する超音波プローブの表面積が増大し、音響エネルギーが結石43の外面に付与される。音響エネルギーは結石43の中に透過し、結石43は、慣用的な方法で身体から容易に排出される微粒子に破砕されるか、又は、単に溶解して血流中に入る。身体から微粒子を排出する慣用的な方法は、粒子を血流で腎臓に運ぶことを含み、粒子はそこで身体老廃物として排泄される。
【0056】
超音波エネルギー源99は、ワイヤ本体63および複数のタイン65に沿って超音波横振動を発生させる。超音波プローブ15は、ワイヤ本体63および複数のタイン65に沿った超音波横振動を支持することができる。本発明による超音波プローブ15の横振動モードは、従来技術で開示されている軸方向(又は縦)の振動モードとは異なる。本発明の超音波プローブ15は、軸方向に振動するのではなく、軸方向を横切る(平行でない)方向に振動する。
【0057】
超音波プローブを横振動させて生体物質をアブレーションすることは、本譲受人の米国特許第6,551,337号明細書、米国特許第6,652,547号明細書、および米国特許第6,660,013号明細書、並びに、本譲受人の同時係属中の特許出願である米国特許出願第09/917,471号明細書に記載されており、これらは、このような超音波プローブの設計パラメータ、およびアブレーション用の超音波デバイス中でのその使用を更に記載しており、これらの特許および特許出願の内容全体が参照により本明細書に援用される。
【0058】
図8は、結石43がアブレーションされた後、身体の器官の中にある本発明の超音波プローブ15の部分側面図を示す。シース36は複数のタイン65の一部を覆うように移動され、圧縮する。複数のタイン65の遠位端66は接合されている。
【0059】
本発明の別の実施形態では、音響エネルギーが結石43の外面に伝達され、結石43が身体から容易に排出されない複数の破片に破砕される時、音響エネルギーは結石43の中に透過する。結石43の複数の破片の直径は、シース36の内径より小さい。結石43の複数の破片が複数のタイン65内にある状態で、超音波プローブ15を身体の外側の方に引き戻し、結石43の破片を取り囲む複数のタイン65全部をシース36内に引く。超音波医療用デバイス11を身体の器官44から引き出し、結石43の複数の破片を身体の器官44から除去することが可能になる。
【0060】
図9は、超音波プローブ15が複数のワイヤ本体セグメント63および複数のタイン65を備える複数のセクションを備える、本発明の代替の実施形態を示す。複数のタイン65は、遠位端66で接合されている。図9に示される超音波プローブ15は、同時に、身体の器官44の中にある1つ以上の結石43を除去することを可能にする。図9に示される本発明の実施形態では、複数のタインが超音波プローブの遠位端に位置し、第2の複数のタイン65が超音波プローブ15の縦軸に沿って位置する。超音波プローブ15は、超音波プローブ15の遠位端に位置する複数のタイン65で第1の結石43を、超音波プローブ15の縦軸に沿って位置する第2の複数のタイン65で第2の結石43を捕捉することができる。
【0061】
本発明の好ましい実施形態では、超音波プローブ15の複数のタイン65は4つのタインを備える。図10Aに示される本発明の別の実施形態では、超音波プローブ15の複数のタイン65は5つのタインを備える。図10Aに示される実施形態は、大きい結石43をアブレーションするのに有効であり、結石43に接触するタイン65が多く、大きい結石43と連絡する超音波プローブ15の表面積が増大するため、超音波プローブ15の結石破壊効果が増大する。図10Bに示される本発明の別の実施形態では、超音波プローブ15の複数のタイン65は3つのタインを備える。図10Bに示される実施形態は、小さい又は中位のサイズの結石43をアブレーションするのに有効である。図10Cに示される本発明の別の実施形態では、超音波プローブ15の複数のタイン65は2つのタインを備える。図10Cに示される実施形態は、小さい結石43をアブレーションするのに有効である。当業者は、複数のタインは任意の数のタインで構成されることができ、それが本発明の趣旨および範囲に入ることを認識する。
【0062】
図11〜図20は、複数のタイン65が遠位端66で接合されていない、本発明の代替の実施形態を示す。図11〜図20Cは、複数のタイン65が遠位端66で接合されていないこと以外、図1〜図10Cに類似である。複数のタイン65が遠位端66で接合されていないため、複数のタイン65の各タインが他のタインとは独立に移動できる。この実施形態は、到達が困難な場所にある結石に到達しアブレーションするのに有効である。図1〜図10Cの超音波医療用デバイス11の構造および機能の説明は、図11〜図20Cに示される代替の実施形態に適用される。
【0063】
図11〜図20Cに示される代替の実施形態では、複数のタイン65は遠位端66で接合されておらず、遠位端66を結石43の方に移動させることにより、結石43を複数のタイン65内に取り囲む。結石43は複数のタイン65の遠位端66に入り、複数のタイン65が結石を取り囲む。図11〜図20Cに示される本発明の実施形態は、身体の様々な器官44に見られる大きい結石43に有用であり、結石43を複数のタイン65内に捕捉することは、遠位端66で接合されていない複数のタイン65を用いる方が容易である。
【0064】
本発明は、侵襲性が最小限の方式で、身体の器官44の中にある結石43をアブレーションする方法を提供する。ワイヤ本体63、および、ワイヤ本体63の遠位端24から延びる複数のタイン65を備える超音波プローブ15をシース36に挿入し、複数のタイン65を圧潰位置に移動させる。シース36の遠位端37を越えて複数のタインを前進させることにより、超音波プローブ15の複数のタインを圧潰位置から拡張位置に移動させる。複数のタイン65が結石43の外面の少なくとも一部を取り囲むまで、超音波プローブ15を移動させる。シース36で複数のタイン65の一部を圧縮し、結石43を複数のタイン65と係合させる。超音波エネルギー源99を作動させて超音波プローブ15に超音波エネルギーを提供し、結石43をアブレーションする。
【0065】
複数のタイン65およびワイヤ本体63を、軸方向を横切る方向に振動させる。複数のタイン65およびワイヤ本体63に沿った超音波横振動により、超音波プローブ15の縦軸の一部に沿って複数の高エネルギー横振動の節と、複数の高エネルギー横振動の腹が発生する。キャビテーションの過程で、横波は周囲流体中に音響エネルギーを発生させる。超音波プローブ15の迅速な運動により、小さい気泡が形成され、圧縮されて、結石43をアブレーションする作用をする音響エネルギーの波が発生する。
【0066】
本発明は、また、身体の器官44の中にある少なくとも1つの結石のサイズを小さくする方法も提供する。超音波プローブ15を生体適合性材料部材に挿入し、生体適合性材料部材は、複数のタイン65がワイヤ本体63に係合するワイヤ本体63を備える。生体適合性材料部材の遠位端37を越えて複数のタイン65を前進させることにより、超音波プローブ15の複数のタイン65を圧潰位置から拡張位置に移動させる。複数のタイン65が結石43の外面の少なくとも一部を取り囲むまで、超音波プローブ15を移動させる。超音波エネルギー源99を起動させ、超音波プローブ15に沿って超音波横振動を発生させる。
【0067】
本発明の代替の実施形態では、超音波プローブ15は、ねじりモードで振動する。ねじり振動モードでは、超音波プローブ15の縦軸の一部は、半径方向に非対称の断面を備え、超音波プローブ15の長さはねじりモードで共振するように選択される。ねじり振動モードでは、トランスデューサは、超音波エネルギー源99から受け取った超音波エネルギーを超音波プローブ15に伝達し、超音波プローブ15をねじり振動させる。超音波エネルギー源99は、超音波プローブ15の縦軸に沿ったねじり振動を発生させるのに使用される電気エネルギーを発生させる。ねじり振動は、プローブ先端9を含む超音波プローブ15の縦軸に沿って等間隔に離間した点が、超音波プローブ15の縦軸を中心に短い弧を描いて前後に振動するねじり揺動(torsional oscillation)である。複数のねじり振動の節(torsional nodes)のそれぞれの近位にあるセクションと、複数のねじり振動の節のそれぞれの遠位にあるセクションを、近位セクションが時計回り方向に振動し且つ遠位セクションが反時計回り方向に振動するようにして、又は、その逆にして、位相をずらして振動させる。ねじれ振動は、超音波医療用デバイス11の有効性を制限し得る超音波エネルギーの損失が最小限の、生体物質への超音波エネルギー移動を生じさせる。ねじり振動は、超音波プローブ15の縦軸に沿った回転と逆回転を生じさせ、それによって、超音波プローブ15の縦軸の一部に沿って複数のねじり振動の節と複数のねじり振動の腹が発生し、その結果、生体物質をアブレーションする超音波プローブ15を取り囲む媒体中に、半径方向に非対称の断面を備える超音波プローブ15の縦軸の一部に沿ったキャビテーションが起こる。ねじりモードで動作する超音波医療用デバイスのための装置および方法は、本譲受人の同時係属中の特許出願である米国特許出願第10/774,985号明細書に記載されており、この出願の内容全体が参照により本明細書に援用される。
【0068】
本発明の別の実施形態では、超音波プローブ15は、ねじりモードおよび横モードで振動する。トランスデューサは、超音波エネルギー源99からの超音波エネルギーを超音波プローブ15に伝達し、超音波プローブ15のねじり振動を発生させる。ねじり振動は、超音波プローブ15の作用領域に沿って横振動を誘導し、作用領域に沿って複数の節と複数の腹を発生させ、その結果、超音波プローブ15を取り囲む媒体中にキャビテーションが起こる。超音波プローブ15の作用領域は、ねじり振動と横振動の両方を経る。
【0069】
超音波プローブ15の物理的特性(即ち、長さ、直径など)および材料特性(即ち、降伏応力、弾性など)に応じて、ねじり振動により横振動が引き起こされる。弾性力に対する共通の剪断構成部品のため、ねじり振動モードと横振動モードの結合が可能である。トランスデューサの周波数が超音波プローブ15の横共振周波数に近いとき、横振動が誘導される。各ねじり振動モードに対して、多くの近い横振動モードが存在するため、ねじり振動モードと横振動モードの組み合わせが可能である。超音波プローブ15に張力を加えることにより、例えば、超音波プローブ15を曲げることにより、横振動が、ねじり振動と一致する。曲げによって、張力の変化による周波数の変化が起こる。ねじり振動モードと横振動モードでは、超音波プローブ15の作用領域は超音波プローブ15の縦軸に平行でない方向に振動し、近位セクションにある超音波プローブ15の縦軸に沿って等間隔に離間した点は、超音波プローブ15の縦軸を中心に短い弧を描いて前後に振動する。横モードとねじりモードで動作する超音波医療用デバイスのための装置および方法は、本譲受人の同時係属中の特許出願である米国特許出願第10/774,898号明細書に記載されており、この出願の内容全体が参照により本明細書に援用される。
【0070】
本発明の別の実施形態では、複数のタインを含む超音波プローブ15は縦方向に振動する。本発明の別の実施形態では、複数のタイン65を含む超音波プローブ15は縦方向と横方向に振動する。超音波プローブ15および複数のタイン65の縦方向および横方向の運動が一緒に作用し、結石43をより有効にアブレーションする。当業者は、超音波プローブは様々な方向に振動することができ、それが本発明の趣旨および範囲に入ることを認識する。
【0071】
本発明は、超音波医療用デバイスを使用して尿石症を治療するための装置および方法を提供する。身体の器官44の中にある結石43を超音波プローブ15の複数のタイン65で取り囲む。複数のタイン65およびワイヤ本体の周りに音響エネルギーの波を形成し、結石43をアブレーションする。本発明は、簡単、有効、安全で時間効率がよく信頼性のある、尿石症を治療するための装置および方法を提供する。
【0072】
本明細書に引用される特許、特許出願、および刊行された参照文献は全て、参照によりその内容全体が本明細書に援用される。好ましい実施形態を参照して本発明を詳細に示し、説明してきたが、当業者は、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の範囲から逸脱することなく、形態および詳細の様々な変更をなし得ることを理解する。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】ワイヤ本体およびワイヤ本体の遠位端から延び、遠位端で接合されている複数のタインを有する超音波プローブ、並びに超音波プローブの一部を取り囲むシースを有する、横モードで動作できる本発明の超音波医療用デバイスの側面図である。
【図2】複数のタインが遠位端で接合されており、圧潰位置にある、本発明の超音波プローブの部分側面図である。
【図3】複数のタインが遠位端で接合されており、拡張位置にある、本発明の超音波プローブの部分側面図である。
【図4】4つのタインを有する図3の複数のタインの好ましい実施形態の斜視端面図である。
【図5】複数のタインが結石を取り囲み、遠位端で接合されている、身体の器官の中にある本発明の超音波プローブの部分側面図である。
【図6A】患者の尿道を通して挿入され、腎臓の内側を移動して結石をアブレーションする本発明の超音波プローブの図である。
【図6B】患者の背部を通して挿入され、腎臓の内側を移動して結石をアブレーションする本発明の超音波プローブの図である。
【図6C】複数のタインが結石を取り囲み、遠位端で接合されている、身体の器官の中にある本発明の超音波プローブと、複数のタインの一部を圧縮するシースの部分側面図である。
【図7】複数のタインに沿った複数の横振動の節と複数の横振動の腹を示す、本発明の超音波プローブの複数のタインの組立分解側面図である。
【図8】シースが、遠位端で接合されている複数のタインの一部を圧縮し、結石がアブレーションされたことを示す、身体の器官の中にある本発明の超音波プローブの部分側面図である。
【図9】複数のワイヤ本体セグメントおよび遠位端で接合されている複数のタインを有する本発明の超音波プローブの代替の実施形態の部分側面図である。
【図10A】5つのタインを有する複数のタインを示す、本発明の代替の実施形態の斜視端面図である。
【図10B】3つのタインを有する複数のタインを示す、本発明の代替の実施形態の斜視端面図である。
【図10C】2つのタインを有する複数のタインを示す、本発明の代替の実施形態の斜視端面図である。
【図11】ワイヤ本体、および、ワイヤ本体の遠位端から延び、遠位端で接合されていない複数のタインを有する超音波プローブ、並びに超音波プローブの一部を取り囲むシースを有する、横モードで動作できる本発明の超音波医療用デバイスの代替の実施形態の側面図である。
【図12】複数のタインが遠位端で接合されておらず、圧潰位置にある、本発明の超音波プローブの代替の実施形態の部分側面図である。
【図13】複数のタインが遠位端で接合されておらず、拡張位置にある、本発明の超音波プローブの代替の実施形態の部分側面図である。
【図14】複数のタインが4つのタインを有し、接合されていない、代替の実施形態の斜視端面図である。
【図15】複数のタインが結石を取り囲み、遠位端で接合されていない、身体の器官の中にある本発明の超音波プローブの代替の実施形態の部分側面図である。
【図16】結石を取り囲み、遠位端で接合されていない複数のタインを有する、身体の器官の中にある本発明の超音波プローブと、複数のタインの一部を圧縮するシースの代替の実施形態の部分側面図である。
【図17】複数のタインに沿った複数の横振動の節と複数の横振動の腹を示す、本発明の超音波プローブの代替の実施形態の複数のタインの側面図である。
【図18】シースが、遠位端で接合されていない複数のタインの一部を圧縮し、結石がアブレーションされたことを示す、身体の器官の中にある本発明の超音波プローブの代替の実施形態の部分側面図である。
【図19】複数のワイヤ本体セグメント、一箇所で接合されている複数のタイン、および、超音波プローブの遠位端で接合されていない複数のタインを有する、本発明の超音波プローブの代替の実施形態の側面図である。
【図20A】複数のタインが5つのタインを有する、本発明の代替の実施形態の斜視端面図である。
【図20B】複数のタインが3つのタインを有する、本発明の代替の実施形態の斜視端面図である。
【図20C】複数のタインが2つのタインを有する、本発明の代替の実施形態の斜視端面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の器官の中にある結石を除去するための超音波医療用デバイスであって、
近位端、遠位端、およびそれらの間の縦軸を有するワイヤ本体と、
前記結石に係合するように前記ワイヤ本体の遠位端から延びる複数のタインと、
前記ワイヤ本体および前記複数のタインを取り囲むことができるシースと、
を備え、
超音波横振動が前記ワイヤ本体および前記複数のタインに沿って伝搬する、超音波医療用デバイス。
【請求項2】
前記複数のタインが、バスケット状の構造を形成する、請求項1に記載の超音波医療用デバイス。
【請求項3】
前記ワイヤ本体および前記複数のタインが、前記超音波医療用デバイスの超音波プローブを形成する、請求項1に記載の超音波医療用デバイス。
【請求項4】
前記複数のタインの遠位端が接合されている、請求項1に記載の超音波医療用デバイス。
【請求項5】
前記複数のタインの遠位端が接合されていない、請求項1に記載の超音波医療用デバイス。
【請求項6】
前記複数のタインの近位端が、前記ワイヤ本体に溶接されている、請求項1に記載の超音波医療用デバイス。
【請求項7】
前記複数のタインの近位端が、前記ワイヤ本体に機械的に固定されている、請求項1に記載の超音波医療用デバイス。
【請求項8】
前記複数のタインが、圧潰位置と拡張位置の間を移動可能である、請求項1に記載の超音波医療用デバイス。
【請求項9】
圧潰位置にある前記複数のタインの直径が、前記ワイヤ本体の直径にほぼ等しい、請求項1に記載の超音波医療用デバイス。
【請求項10】
前記シース内から前記複数のタインを取り出した後の拡張位置にある前記複数のタインの直径が、前記ワイヤ本体の直径より大きい、請求項1に記載の超音波医療用デバイス。
【請求項11】
前記複数のタインが、前記結石の外面の少なくとも一部を取り囲む、請求項1に記載の超音波医療用デバイス。
【請求項12】
前記複数のタインが、前記超音波医療用デバイスの結石破壊効果を集中させる、請求項1に記載の超音波医療用デバイス。
【請求項13】
前記複数のタインが前記結石に係合する、請求項1に記載の超音波医療用デバイス。
【請求項14】
前記ワイヤ本体上に複数のマーカを更に備える、請求項1に記載の超音波医療用デバイス。
【請求項15】
前記超音波プローブに係合され、超音波エネルギーを前記超音波プローブに供給する超音波エネルギー源を更に備える、請求項3に記載の超音波医療用デバイス。
【請求項16】
前記超音波横振動が、前記複数のタインを含む前記超音波プローブの少なくとも一部に沿って複数の横振動の節と複数の横振動の腹を提供する、請求項3に記載の超音波医療用デバイス。
【請求項17】
身体の器官の中にある少なくとも1つの結石をアブレーションするための超音波プローブであって、
近位端、遠位端、およびそれらの間の縦軸を有するワイヤ本体、並びに、
前記ワイヤ本体に係合する複数のタイン、
を備え、
前記超音波プローブに係合される超音波エネルギー源は、前記結石をアブレーションするように、前記超音波プローブの少なくとも一部に沿って超音波横振動を発生させながら、超音波エネルギーを前記超音波プローブに供給する、超音波プローブ。
【請求項18】
前記複数のタインが、前記ワイヤ本体の遠位端から延びる、請求項17に記載の超音波プローブ。
【請求項19】
前記複数のタインが、前記ワイヤ本体の近位端と遠位端の間で前記ワイヤ本体に係合する、請求項17に記載の超音波プローブ。
【請求項20】
前記超音波プローブの前記ワイヤ本体に係合する第2の複数のタインを更に備える、請求項17に記載の超音波プローブ。
【請求項21】
前記複数のタインの少なくとも1つが、前記ワイヤ本体の遠位端と近位端の間に位置する、請求項20に記載の超音波プローブ。
【請求項22】
前記超音波プローブが使い捨てである、請求項17に記載の超音波プローブ。
【請求項23】
前記超音波プローブが、一人の患者だけに対して1回だけ使用するためのものである、請求項17に記載の超音波プローブ。
【請求項24】
前記複数のタインが、圧潰位置と拡張位置の間を移動可能である、請求項17に記載の超音波プローブ。
【請求項25】
圧潰位置にある前記複数のタインの直径が、前記ワイヤ本体の直径にほぼ等しい、請求項17に記載の超音波プローブ。
【請求項26】
拡張位置にある前記複数のタインの直径が、前記ワイヤ本体の直径より大きい、請求項17に記載の超音波プローブ。
【請求項27】
前記複数のタインが、前記超音波プローブの結石破壊効果を集中させる、請求項17に記載の超音波プローブ。
【請求項28】
前記複数のタインが、少なくとも1つの結石に係合する、請求項17に記載の超音波プローブ。
【請求項29】
前記複数のタインの遠位端が接合されている、請求項17に記載の超音波プローブ。
【請求項30】
前記複数のタインの遠位端が接合されていない、請求項17に記載の超音波プローブ。
【請求項31】
前記複数のタインが、少なくとも1つ結石の外面の少なくとも一部を取り囲む、請求項17に記載の超音波プローブ。
【請求項32】
前記超音波横振動が、前記複数のタインを含む前記超音波プローブの少なくとも一部に沿って複数の横振動の節と複数の横振動の腹を生じさせる、請求項17に記載の超音波プローブ。
【請求項33】
身体の器官の中にある結石をアブレーションする方法であって、
ワイヤ本体および前記ワイヤ本体の遠位端から延びる複数のタインを有する超音波プローブをシースに挿入する工程と、
前記シースの遠位端を越えて前記複数のタインを前進させることにより、前記複数のタインを圧潰位置から拡張位置に移動させる工程と、
前記複数のタインが前記結石の外面の少なくとも一部を取り囲むまで前記超音波プローブを移動させる工程と、
前記結石に係合させるために前記複数のタインの一部を圧縮させる工程と、
超音波エネルギー源を作動させ、超音波エネルギーを前記超音波プローブに提供し、前記結石をアブレーションする工程と、
を含む方法。
【請求項34】
前記超音波プローブを押して前記シース内を貫通させ、前記シースの遠位端を越えて前記複数のタインを前進させることを更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記シースを引き戻し、前記シースの遠位端を越えて前記複数のタインを前進させることを更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記複数のタインの一部を前記シースの中に引き戻すことにより、前記複数のタインを圧縮することを更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記複数のタインの一部を覆うように前記シースを移動させることにより、前記複数のタインを圧縮することを更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記超音波エネルギー源で前記超音波プローブに沿って超音波横振動を発生させることを更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記超音波横振動が、前記超音波プローブの少なくとも一部に沿って複数の横振動の節と複数の横振動の腹を提供する、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
超音波プローブを前後に移動させ、前記結石を前記複数のタイン内に取り囲むことを更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項41】
前記超音波プローブをさっと動かし、前記結石を前記複数のタイン内に取り囲むことを更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項42】
前記超音波プローブを回転させ、前記結石を前記複数のタイン内に取り囲むことを更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項43】
前記超音波プローブを捩り、前記結石を前記複数のタイン内に取り囲むことを更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項44】
前記複数のタインの遠位端が接合されている、請求項33に記載の方法。
【請求項45】
前記複数のタインの遠位端が接合されていない、請求項33に記載の方法。
【請求項46】
前記シース内から前記複数のタインを取り出した後の前記拡張位置にある前記複数のタインの直径が、前記ワイヤ本体の直径より大きい、請求項33に記載の方法。
【請求項47】
前記圧潰位置にある前記複数のタインの直径が、前記ワイヤ本体の直径にほぼ等しい、請求項33に記載の方法。
【請求項48】
前記複数のタインで超音波プローブの結石破壊効果を集中させることを更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項49】
身体の器官の中にある結石のサイズを小さくする方法であって、
複数のタインが係合するワイヤ本体を備える超音波プローブを生体適合性材料部材に挿入する工程と、
前記生体適合性材料部材の遠位端を越えて前記複数のタインを前進させることにより、前記複数のタインを圧潰位置から拡張位置に移動させる工程と、
前記複数のタインが前記結石の外面の少なくとも一部を取り囲むまで、前記超音波プローブを移動させる工程と、
前記超音波プローブに沿って超音波横振動を発生させて、前記結石のサイズを小さくするために、超音波エネルギー源を作動させる工程と、
を含む方法。
【請求項50】
前記生体適合性材料部材が、カテーテル、バルーン、およびシースからなる群から選択される、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記複数のタインを圧縮し、前記結石に係合させることを更に含む、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
慣用的な方法で身体から排出できるサイズまで前記結石を小さくすることを更に含む、請求項49に記載の方法。
【請求項53】
前記生体適合性材料部材の内径より小さいサイズまで前記結石を小さくする工程、および、前記結石を、前記生体適合性材料部材を通して引き寄せ、身体から少なくとも1つの結石を除去する工程を更に含む、請求項49に記載の方法。
【請求項54】
前記超音波横振動を発生させ、前記超音波プローブの少なくとも一部に沿って複数の横振動の節と複数の横振動の腹を提供する工程を更に含む、請求項49に記載の方法。
【請求項55】
前記複数のタインで前記超音波プローブの結石破壊効果を集中させることを更に含む、請求項49に記載の方法。
【請求項56】
前記ワイヤ本体および前記複数のタインに沿って前記超音波横振動を提供することを更に含む、請求項49に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【公表番号】特表2007−536985(P2007−536985A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−513107(P2007−513107)
【出願日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【国際出願番号】PCT/US2004/014898
【国際公開番号】WO2005/112770
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(505236322)オムニソニックス メディカル テクノロジーズ インコーポレイテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】OMNISONICS MEDICAL TECHNOLOGIES,INC.
【Fターム(参考)】