説明

尿素系感圧性接着剤

一般構造X−B−X(式中、Xはエチレン性不飽和基であり、Bはシリコーンを含まず、尿素基を含有する単位である)を有する反応性オリゴマーの重合により調製される非シリコーン尿素系接着剤が開示される。反応性オリゴマーは、ジアリールカーボネートを用いる鎖延長反応、続いてキャッピング反応を通してポリアミンから調製できる。光学接着剤物品を含む、接着剤物品は、開示した非シリコーン尿素系接着剤を用いて調製できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に接着剤の分野、具体的には非シリコーン尿素系である感圧性接着剤の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
接着剤は、種々の、標識、保持、保護、封止、及び遮蔽目的のために用いられている。接着剤テープは、一般に、裏材、又は基材、及び接着剤を含む。接着剤の1種である、感圧性接着剤は、多くの用途に特に好ましい。
【0003】
感圧性接着は、当業者には、室温で(1)攻撃的及び永久的粘着力、(2)指圧以下の圧力による接着力、(3)被着体を保持する十分な能力、及び(4)被着体からきれいに取り外すのに十分な貼着力、を含む特定の特性を有することが周知である。感圧性接着としてよく機能を果たすことがわかっている材料は、粘着力、引き剥がし接着力、及び剪断強度の望ましいバランスをもたらすのに必要な、粘弾特性を示すように設計され、配合されたポリマーである。感圧性接着剤の調製に最も一般的に用いられるポリマーは、天然ゴム、合成ゴム(例えば、スチレン/ブタジエンコポリマー(SBR)及びスチレン/イソプレン/スチレン(SIS)ブロックコポリマー)、種々の(メタ)アクリレート(例えば、アクリレート及びメタクリレート)コポリマー、及びシリコーンである。これらの部類の材料はそれぞれ、利点と不利点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
医療、電子、及び光学工業のような分野における、接着剤、特に感圧性接着剤の使用が増加している。これらの工業の要件により、従来よりの粘着力、引き剥がし接着力、及び剪断強度を超える感圧性接着剤に対して、更なる要求が課される。新しい部類の材料は、感圧性接着剤に対する次第に要求が厳しくなっている性能要件を満たすことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
非シリコーン尿素系接着剤、特に感圧性接着剤の部類が開示される。これらの尿素系接着剤は、硬化性非シリコーン尿素系反応性オリゴマーから調製される。反応性オリゴマーは、フリーラジカル重合可能な基を含有する。
【0006】
いくつかの実施形態では、本開示は、Xがエチレン性不飽和基を含み、Bが非シリコーンセグメント化尿素系単位を含む、少なくとも1つのX−B−X反応性オリゴマーを含有する、硬化した混合物を含む接着剤を含む。接着剤はまた、他のエチレン性不飽和モノマーを含んでもよい。尿素系単位は、ポリオキシアルキレン基を含有してもよい。
【0007】
1つの実施形態では、本開示は、Xがエチレン性不飽和基を含み、Bが非シリコーンセグメント化尿素系単位を含む、構造X−B−Xを含む重合可能な反応性オリゴマーを含む。反応性オリゴマーは、鎖延長及び/又はキャッピング反応を通じてポリアミンから調製してもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、本開示は、Xがエチレン性不飽和基を含み、Bが非シリコーンセグメント化尿素系単位を含む、少なくとも1つのX−B−X反応性オリゴマーと、反応開始剤とを含む硬化性反応混合物を含む接着剤を含む。硬化性反応混合物はまた、他のエチレン性不飽和モノマーを含んでもよい。
【0009】
また、Xがエチレン性不飽和基を含み、Bが非シリコーンセグメント化尿素系単位を含む、少なくとも1つのX−B−X反応性オリゴマーと、反応開始剤とを含む硬化性組成物を提供する工程と、前記硬化組成物を硬化させる工程とを含む、接着剤の調製方法も開示される。
【0010】
更に、接着剤物品も開示される。接着剤物品の中でも、Xがエチレン性不飽和基を含み、Bが非シリコーンセグメント化尿素系単位を含む、少なくとも1つのX−B−X反応性オリゴマーの硬化した反応生成物を含む感圧性接着剤と、基材とを含む接着剤物品が開示される。いくつかの実施形態では、基材は光学基材である。いくつかの物品はまた、第2の基材を含む。
【発明を実施するための形態】
【0011】
非シリコーン尿素系接着剤、特に非シリコーン尿素系感圧性接着剤は、非シリコーン含有尿素系反応性オリゴマーのフリーラジカル重合により調製される。反応性オリゴマーは、非シリコーンセグメント化尿素系ポリアミンを、エチレン性不飽和基でエンドキャッピングすることにより調製される。非シリコーン尿素系ポリアミンは、ポリアミンをカーボネートで鎖延長することにより調製される。いくつかの実施形態では、非シリコーン尿素系接着剤は、ポリオキシアルキレン(ポリエーテル)基を含有する。
【0012】
用語「接着剤」は、本明細書で使用するとき、2つの被着体をともに接着するのに有用なポリマー組成物を指す。接着剤の例は、加熱活性化接着剤及び感圧性接着剤である。
【0013】
加熱活性化接着剤は、室温で非粘着性であるが、高温で粘着性になり、基材に結合できるようになる。これらの接着剤は、通常、室温より高いTg(ガラス転移温度)又は融点(Tm)を有する。温度がTg又はTmより高い場合に、貯蔵弾性率は通常低下し、接着剤が粘着性になる。
【0014】
感圧性接着ポリマーは、当業者には、(1)攻撃的及び永久的粘着力、(2)指圧以下の圧力による接着力、(3)被着体を保持する十分な能力、及び(4)被着体からきれいに取り外すのに十分な貼着力を含む特性を有することが周知である。感圧性接着としてよく機能を果たすことがわかっている材料は、粘着力、引き剥がし接着力、及び剪断保持力の、望ましいバランスをもたらすのに必要な、粘弾性を示すように設計され配合されたポリマーである。特性の適正なバランスを得るのは、単純なプロセスではない。
【0015】
用語「非シリコーン」は、本明細書で使用する際、シリコーン単位を含まないセグメント化コポリマー、又はセグメント化コポリマーの単位を指す。用語シリコーン又はシロキサンは互換的に用いられ、ジアルキル又はジアリールシロキサン(−SiRO−)繰り返し単位を有する単位を指す。
【0016】
用語「尿素系」は、本明細書で使用するとき、少なくとも1つの尿素連結を含有する、セグメント化コポリマーである巨大分子を指す。
【0017】
用語「セグメント化コポリマー」は、連結したセグメントのコポリマーを指し、それぞれのセグメントは主に、単一構造単位又はある種の繰り返し単位を構成する。例えば、ポリオキシアルキレンセグメント化コポリマーは、以下の構造を有してもよい:
−CHCH(OCHCHOCHCH−A−CHCH(OCHCHOCHCH
(式中、Aは2ポリオキシアルキレンセグメント間の連結である)。
【0018】
用語「反応性オリゴマー」は、本明細書で使用するとき、末端フリーラジカル重合可能基及び連結した、少なくとも2つのセグメントを含有する、巨大分子を指す。「尿素系反応性オリゴマー」は、末端フリーラジカル重合可能基、及び尿素連結により、連結した少なくとも2つのセグメントを含有する巨大分子である。
【0019】
用語「アルキル」とは、飽和炭化水素である、アルカンのラジカルである一価の基を指す。アルキルは、直鎖、分枝状、環状、又はこれらの組み合わせであることができ、典型的には、1〜20個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1〜18個、1〜12個、1〜10個、1〜8個、1〜6個、又は1〜4個の炭素原子を含有する。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、及びエチルヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0020】
用語「アリール」とは、芳香族及び炭素環式である一価の基を指す。アリールは、芳香環に接続又は縮合した、1〜5個の環を有することができる。その他の環状構造は、芳香族、非芳香族、又はこれらの組み合わせであることができる。アリール基の例としては、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、アンスリル、ナフチル、アセナフチル、アントラキノニル、フェナンスリル、アントラセニル、ピレニル、ペリレニル、及びフルオレニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
用語「アルキレン」とは、アルカンのラジカルである、二価の基を指す。アルキレンは、直鎖、分枝状、環状、又はこれらの組み合わせであることができる。アルキレンは、多くの場合、1〜20個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、アルキレンは、1〜18個、1〜12個、1〜10個、1〜8個、1〜6個、又は1〜4個の炭素原子を含有する。アルキレンのラジカル中心は、同一炭素原子上に(すなわち、アルキリデン)又は異なる炭素原子上にあることができる。
【0022】
用語「ヘテロアルキレン」とは、チオ、オキシ、又は−NR−(式中、Rはアルキルである)によって接続された、少なくとも2つのアルキレン基を含む、二価の基を指す。ヘテロアルキレンは、直鎖、分枝状、環状、アルキル基によって置換される、又はこれらの組み合わせであってもよい。いくつかのヘテロアルキレンは、例えば、−CHCH(OCHCHOCHCH−のような、ヘテロ原子が酸素であるポリオキシアルキレンである。
【0023】
用語「アリーレン」とは、炭素環式かつ芳香族である、二価の基を指す。この基は、接続している、縮合している、又はこれらの組み合わせである1〜5個の環を有する。その他の環は、芳香族、非芳香族、又はこれらの組み合わせであることができる。いくつかの実施形態では、アリーレン基は、5個以下の環、4個以下の環、3個以下の環、2個以下の環、又は1個の芳香環を有する。例えば、アリーレン基は、フェニレンであることができる。
【0024】
用語「ヘテロアリーレン」は、炭素環式及び芳香族であり、硫黄、酸素、窒素、又はフッ素、塩素、臭素、若しくはヨウ素のような、ハロゲンのようなヘテロ原子を含有する二価の基を指す。
【0025】
用語「アラルキレン」とは、式−R−Ar(式中、Rはアルキレンであり、Arはアリーレンである)(すなわち、アルキレンがアリーレンに結合している)の2価の基を指す。
【0026】
用語「(メタ)アクリレート」は、アルコールのモノマー性アクリル酸又はメタクリル酸エステルを指す。本明細書では、アクリレートモノマーとメタクリレートモノマーをまとめて「(メタ)アクリレート」モノマーと言及される。
【0027】
用語「フリーラジカル重合可能」及び「エチレン性不飽和」は互換的に用いられ、フリーラジカル重合機序を介して重合できる炭素−炭素二重結合を含有する反応性基を指す。
【0028】
特に指示がない限り、「光学的に透明」は、可視光線スペクトル(約400〜約700nm)の少なくとも一部において高い光透過性を有し、低い曇り度を呈する、接着剤又は物品を指す。
【0029】
特に指示がない限り、「自己湿潤(self wetting)」は、非常に柔らかく、柔軟性があり、非常に低い積層圧で適用可能な接着剤を指す。このような接着剤は、表面への自然なウェットアウトを呈する。
【0030】
特に指示がない限り、「取り外し可能」は、比較的低い初期接着力を有し(適用後、基材から一時的に取り外し、再配置することができる)、経時的に接着力が上昇するが(十分に強い結合を形成するために)、「取り外し可能」なままであり、すなわち接着力が、基材から永続的にきれいに取り外し可能である点を超えて上昇しない接着剤を指す。
【0031】
非シリコーン尿素系ポリアミンを用いて、非シリコーン尿素系接着剤が調製される。非シリコーン尿素系ポリアミンの調製は、ポリアミンとカーボネートとの反応を通じて達成され得る。様々な異なる種類のポリアミンを用いることができる。いくつかの実施形態では、ポリアミンはポリオキシアルキレンである。このようなポリアミンはまた時に、ポリエーテルポリアミンとも言及される。
【0032】
ポリオキシアルキレンポリアミンは、例えば、ポリオキシエチレンポリアミン、ポリオキシプロピレンポリアミン、ポリオキシテトラメチレンポリアミン、又はこれらの混合物であってもよい。ポリオキシエチレンポリアミンは、例えば、高蒸気移動媒質が望ましい場合がある医療用途用接着剤を調製する際、特に有用である場合がある。
【0033】
多くのポリオキシアルキレンポリアミンが市販されている。例えば、ポリオキシアルキレンジアミンは、D−230、D−400、D−2000、D−4000、DU−700、ED−2001、及びEDR−148(Huntsman Chemical(Houston,TX)からJEFFAMINEという系列商品名で入手可能)のような商品名で入手可能である。ポリオキシアルキレントリアミンは、T−3000及びT−5000(Huntsman Chemical(Houston,TX)から入手可能)のような商品名で入手可能である。
【0034】
様々な異なるカーボネートがポリアミンと反応して、非シリコーン尿素系ポリアミンを得ることができる。好適なカーボネートとしては、アルキル、アリール、及び混合アルキル−アリールカーボネートが挙げられる。例としては、エチレンカーボネート、1,2−又は1,3−プロピレンカーボネート、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート、ジナフチルカーボネート、エチルフェニルカーボネート、ジベンジルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジヘキシルカーボネート等のようなカーボネートが挙げられる。いくつかの実施形態では、カーボネートは、例えば、ジフェニルカーボネートのようなジアリールカーボネートである。
【0035】
いくつかの実施形態では、ポリオキシアルキレンポリアミンは、非シリコーン尿素系ジアミンが得られるポリオキシアルキレンジアミンである。1つの特定の実施形態では、以下の反応スキームIに示すように(この場合Rはフェニルのようなアリール基であり、nは30〜40の整数である)、4等量のポリオキシアルキレンジアミンと3等量のカーボネートとの反応により、鎖延長された非シリコーン尿素系ジアミン及び6等量のアルコール副生成物が得られる。
【0036】
【化1】

【0037】
反応スキームIに示すような反応スキームは、時に、「鎖延長反応」と呼ばれる、なぜなら出発物質がジアミンであり、生成物がより長い鎖のジアミンであるためである。反応スキームIに示す鎖延長反応を用いて、用いられるジアミン及びカーボネートの等量を変化させることにより、より高又は低分子量を得ることができる。
【0038】
本開示の非シリコーン尿素系反応性オリゴマーは、一般構造X−B−Xを有する。この構造では、B単位は非シリコーン尿素系基であり、X基はエチレン性不飽和基である。
【0039】
B単位は非シリコーンであり、少なくとも1つの尿素基を含有し、またウレタン基、アミド基、エーテル基、カルボニル基、エステル基、アルキレン基、ヘテロアルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、アラルキレン基、又はこれらの組み合わせのような種々の他の基を含有してもよい。B単位の組成は、X−B−X反応性オリゴマーを形成するために用いられる、前駆体化合物の選択に起因する。
【0040】
本開示の非シリコーン尿素系反応性オリゴマーを調製するために、2つの異なる反応経路を用いることができる。最初の反応経路では、非シリコーン尿素系ジアミンのような、非シリコーン尿素系ポリアミンは、X−Z化合物と反応する。X−Z化合物のZ基はアミン反応性基であり、X基はエチレン性不飽和基である。カルボン酸、イソシアネート、エポキシ、アズラクトン、及び無水物を含む種々のZ基がこの反応経路に有用である。X基は、エチレン性不飽和基を含有し(すなわち、炭素−炭素二重結合)、Z基に連結する。X基とZ基との間の連結は単結合であってもよく、又はそれは連結基であってもよい。連結基は、アルキレン基、ヘテロアルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、アラルキレン基、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0041】
X−Z化合物の例としては、イソシアナトエチルメタクリレート;ビニルジメチルアズラクトン及びイソプロペニルジメチルアズラクトンのようなアルケニルアズラクトン、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、並びにアクリロイルエチル無水炭酸が挙げられる。いくつかの実施形態では、X−Z化合物はイソシアナトエチルメタクリレート、又はビニルジメチルアズラクトンである。
【0042】
いくつかの実施形態では、非シリコーン尿素系ジアミンは、以下の反応スキームIIに示すように(式中、R基は−CHCH−基のようなアルキレン連結基であり、nは30〜40の整数である)、イソシアネート官能性(メタ)アクリレートと反応する。
【0043】
【化2】

【0044】
いくつかの実施形態では、非シリコーン尿素系ジアミンは、以下の反応スキームIIIに示すように(式中、R基はメチル基のようなアルキル基であり、nは既に定義した通りである)、アズラクトンと反応する。
【0045】
【化3】

【0046】
本開示の非シリコーン尿素系反応性オリゴマーを得るための第2の反応経路は、2段階反応順序を伴う。第1段階では、非シリコーン尿素系ジアミンが、二官能性Z−W−Z化合物でキャッピングされる。Z−W−Z化合物のZ基は、アミン反応性基である。カルボン酸、イソシアネート、エポキシ、及びアズラクトンを含む種々のZ基が、この反応経路に有用である。典型的には、Zはイソシアネートである。Z−W−Z化合物のW基は、Z基を連結する連結基である。W基は、アルキレン基、ヘテロアルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、アラルキレン基、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0047】
有用なZ−W−Z化合物の例は、ジイソシアネートである。このようなジイソシアネートの例としては、芳香族ジイソシアネート、例えば、2,6−トルエンジイソシアネート、2,5−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、メチレンビス(o−クロロフェニルジイソシアネート)、メチレンジフェニレン−4,4’−ジイソシアネート、ポリカルボジイミド変性メチレンジフェニレンジイソシアネート、(4,4’−ジイソシアナト−3,3’,5,5’−テトラエチル)ビフェニルメタン、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメトキシビフェニル、5−クロロ−2,4−トルエンジイソシアネート、1−クロロメチル−2,4−ジイソシアナトベンゼン、芳香族−脂肪族ジイソシアネート、例えば、m−キシリレンジイソシアネート、テトラメチル−m−キシリレンジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、例えば、1,4−ジイソシアナトブタン、1,6−ジイソシアナトヘキサン、1,12−ジイソシアナトドデカン、2−メチル−1,5−ジイソシアナトペンタン、並びに脂環式ジイソシアネート、例えば、メチレン−ジシクロヘキシレン−4,4’−ジイソシアネート、及び3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
典型的には、Z−W−Z化合物は、1,6−ジイソシアナトヘキサン又はイソホロンジイソシアネートのような脂肪族又は脂環式ジイソシアネートである。
【0049】
例えば、非シリコーン尿素系ジアミンは、ジイソシアネートと反応して、非シリコーン尿素系ジイソシアネートを生じさせることができる。次いで、非シリコーン尿素系ジイソシアネートは、Y−X化合物と更に反応することができる。Y−X化合物のYは、アルコール、アミン、又はメルカプタンのような、イソシアネート反応性基である。典型的には、Y基はアルコールである。X基は、エチレン性不飽和基(すなわち、炭素−炭素二重結合)を含有し、Y基に連結する。X基とY基との間の連結は、単結合であってもよく、又はそれは連結基であってもよい。連結基は、アルキレン基、ヘテロアルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、アラルキレン基、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0050】
有用なY−X化合物の例としては、得られるエステルがヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと呼ばれるような、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、種々のブチルジオール、種々のヘキサンジオール、グリセロールのようなポリヒドロキシアルキルアルコールの、(メタ)アクリル酸モノエステルのようなヒドロキシル官能性(メタ)アクリレートが挙げられる。いくつかの実施形態では、Y−X化合物は、ヒドロキシルエチルアクリレートである。
【0051】
いくつかの実施形態では、非シリコーン尿素系ジアミンは、ジイソシアネートと反応して、非シリコーン尿素系ジイソシアネートを形成する。次いで、この非シリコーン尿素系ジイソシアネートは、以下の反応スキームIVに示すように(式中、OCN−R−NCOはイソホロンジイソシアネートであり、Rは−CHCH−基のようなアルキレン連結基であり、nは既に定義した通りであり、触媒はジブチル錫ジラウレートである)、ヒドロキシル官能性(メタ)アクリレートと反応する。
【0052】
【化4】

【0053】
非シリコーン尿素系感圧性接着剤は、エチレン性不飽和基Xを通してX−B−X反応性オリゴマーを重合させて、接着剤特性を有するポリマーを形成することにより、調製できる。ポリマーは、X−B−X反応性オリゴマーのみを含有してもよく、又は更なるモノマー又は反応性オリゴマーが組み込まれた、コポリマーであってもよい。本明細書で使用するとき、更なるモノマー又は反応性オリゴマーは、エチレン性不飽和材料と総称される。
【0054】
更なるモノマーの中でも、組み込むのに有用なモノマーは、エチレン性不飽和基を含有し、それ故反応性オリゴマーと共反応性であるモノマーである。このようなモノマーの例としては、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、アルファオレフィン、並びにビニル酸、アクリロニトリル、ビニルエステル、ビニルエーテル、スチレン、及びエチレン性不飽和オリゴマーのような、ビニル化合物が挙げられる。いくつかの例では、1種を超える更なるモノマーを用いてもよい。
【0055】
有用な(メタ)アクリレートの例としては、アルキル(メタ)アクリレート、芳香族(メタ)アクリレート、及びシリコーンアクリレートが挙げられる。接着剤組成物全体がシリコーンを含まないことが望ましい用途では、シリコーンアクリレートは一般に用いられない。アルキル(メタ)アクリレートモノマーは、アルキル基が1〜約20個の炭素原子(例えば、3〜18個の炭素原子)を含むものである。好適なアクリレートモノマーとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソ−オクチルアクリレート、オクタデシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、及びドデシルアクリレートが挙げられる。対応するメタクリレートも同様に有用である。芳香族(メタ)アクリレートの例は、ベンジルアクリレートである。
【0056】
有用な(メタ)アクリルアミドの例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、並びにN,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルメタクリルアミド。N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリルアミド、及びN,N−ジエチルアミノエチルメタクリルアミドのような置換(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
【0057】
更なるモノマーとして有用なアルファオレフィンとしては、一般に、6個以上の炭素原子を含むものが挙げられる。6個未満の炭素原子を有するアルファオレフィンは、周囲反応条件下で便利に取り扱うには揮発性が高すぎる傾向がある。好適なアルファオレフィンとしては、例えば、1−ヘキサン、1−オクタン、1−デセン等が挙げられる。
【0058】
有用なビニル化合物の例としては、アクリル酸、イタコン酸、メタクリル酸のようなビニル酸;アクリロニトリル及びメタアクリロニトリルのようなアクリロニトリル;酢酸ビニル、及びネオデカン酸、ネオノナン酸、ネオペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、又はプロピオン酸のようなカルボン酸のビニルエステル、並びにスチレン又はビニルトルエンのようなスチレンが挙げられる。有用である場合がある他のビニル化合物としては、N−ビニルカプロラクタム、塩化ビニリデン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、及び無水マレイン酸が挙げられる。いくつかの用途、例えば、電子用途では、酸性基を含まないビニル化合物を含むことが望ましい場合がある。
【0059】
尿素系反応性オリゴマーとの共重合に有用なエチレン性不飽和オリゴマーの例としては、例えば、国際公開第94/20583号に記載されているようなエチレン性不飽和シリコーンオリゴマー、及び米国特許第4,554,324号(Husmanら)に記載されているような、比較的高いガラス転移温度を有する巨大分子モノマーが挙げられる。接着剤組成物全体がシリコーンを含まないことが望ましい用途では、シリコーンオリゴマーは一般に用いられない。
【0060】
反応混合物はまた、必要に応じて、1種以上の架橋剤を含有してもよい。架橋剤が使用され、コポリマーの分子量及び強度を増大させる。好ましくは、架橋剤は、非シリコーン含有尿素系反応性オリゴマー及びいずれかの任意のモノマーと共重合するものである。架橋剤は化学的架橋(例えば、共有結合又はイオン結合)を生成できる。あるいは、例えば米国特許第4,554,324号(Husman)のスチレンマクロマーのような、硬質セグメント(すなわち、室温より高い、好ましくは70℃より高いTgを有するもの)の相分離による補強ドメインの形成に起因する熱的に可逆的な物理的架橋、及び/又は国際公開第99/42536号に記載のようなポリマーイオン性架橋のような酸/塩基相互作用(すなわち、同じポリマー内、又はポリマー間、又はポリマーと添加剤との間に官能性基を含むもの)を生じさせ得る。好適な架橋剤はまた、米国特許第4,737,599号(Kellen)、同第5,506,279号(Babuら)、及び同第6,083,856号(Josephら)に開示される。架橋剤は、紫外線への曝露時(例えば、約250ナノメートル〜約400ナノメートルの波長を有する照射)、コポリマーを架橋させる光架橋剤であってもよい。
【0061】
好適な架橋剤の例としては、多官能性エチレン性不飽和モノマーが挙げられる。このようなモノマーとしては、例えば、ジビニル芳香族、ジビニルエーテル、多官能性マレイミド、多官能性アクリレート、及びメタクリレート等、並びにこれらの混合物が挙げられる。特に有用なのは、ジビニルベンゼン及び多官能性(メタ)アクリレートのようなジビニル芳香族である。多官能性(メタ)アクリレートとしては、トリ(メタ)アクリレート及びジ(メタ)アクリレート(つまり、3つ又は2つの(メタ)アクリレート基を含む化合物)が挙げられる。典型的には、ジ(メタ)アクリレート架橋剤(つまり、2つの(メタ)アクリレート基を含む化合物)が用いられる。有用なトリ(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチルプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、及びペンタエリスリトールトリアクリレートが挙げられる。有用なジ(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、アルコキシル化1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、アルコキシル化シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、及びウレタンジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0062】
架橋剤は有効量で使用され、これは感圧性接着剤を架橋し、関心基材に対して必要な最終接着特性を生成するための、適正な貼着強度を与えるに十分な量であることを意味する。好ましくは、架橋剤はモノマー総量に基づいて約0.1部〜約10部の量で使用される。
【0063】
非シリコーン尿素系接着剤は、溶媒プロセス、無溶媒プロセス(例えば、連続無溶媒プロセス又は表面上若しくは成形型内での重合)、又はこれらの方法の組み合わせにより作製できる。
【0064】
非シリコーン尿素系接着剤の調製に好適なプロセスのいくつかとしては、反応器内において、非シリコーン尿素系反応性オリゴマーと、任意のエチレン性不飽和材料とをフリーラジカル重合させて、非シリコーン尿素系接着剤を形成することが挙げられる。次いで、非シリコーン尿素系接着剤を反応槽から取り出してもよい。あるいは、重合は反応体を連続的に混合し、反応体を表面(例えば、剥離ライナ又は基材)上又は成形型内に堆積させ、所定の位置で混合物を重合させることにより実行してもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、非シリコーン尿素系反応性オリゴマー、必要に応じて更なるモノマー、及び反応開始剤の混合物を表面上に堆積させ、反応開始剤を活性化し、表面上で接着剤を硬化させることが便利であると見出されている。混合物は溶媒を含有してもよく、含有しなくてもよい。溶媒を用いる場合、硬化した接着剤を、典型的には、乾燥させて、溶媒を取り除く。
【0066】
反応開始剤は、熱反応開始剤又は光反応開始剤のいずれであってもよい。利用できる好適な熱フリーラジカル反応開始剤としては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)のようなアゾ化合物;t−ブチルヒドロペルオキシドのようなヒドロペルオキシド;並びにベンゾイルペルオキシド及びシクロヘキサノンペルオキシドのような、ペルオキシドから選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない。有用な光反応開始剤としては、ベンゾインメチルエーテル若しくはベンゾインイソプロピルエーテルのようなベンゾインエーテル;アニソールメチルエーテルのような置換ベンゾインエーテル;2,2−ジエトキシアセトフェノン及び2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンのような置換アセトフェノン;2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノンのような置換アルファケトン;2−ナフタレンスルホニルクロリドのような芳香族スルホニルクロリド;並びに1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(エトキシカルボニル)オキシムのような光活性オキシム、又はベンゾフェノン誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。ベンゾフェノン誘導体及びそれを作製する方法は、当該技術分野において周知であり、例えば、米国特許第6,207,727号(Beckら)に記載されている。代表的なベンゾフェノン誘導体としては、対称ベンゾフェノン(例えば、ベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジフェニルベンゾフェノン、4,4’−ジメチルベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン);非対称ベンゾフェノン(例えば、クロロベンゾフェノン、エチルベンゾフェノン、ベンゾイルベンゾフェノン、ブロモベンゾフェノン);及びフリーラジカル重合可能なベンゾフェノン(例えば、アクリルオキシエトキシベンゾフェノン)が挙げられる。ベンゾフェノン自体は安価であり、コストが要因である場合が好ましいことがある。共重合可能なベンゾフェノンは、残留臭気又は揮発性が問題である場合、有用であることがあり、硬化中組成物に共有的に組み込まれる用途では好ましいことがある。有用な共重合可能な光反応開始剤の例は、例えば、米国特許第6,369,123号(Starkら)、同第5,407,971号(Everaertsら)、及び同第4,737,559号(Kellenら)に開示されている。共重合可能な光架橋剤は、直接フリーラジカルを発生させる、又は水素引抜き原子を引き抜いてフリーラジカルを発生させる。水素引抜き型光反応開始剤の例としては、例えば、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン等に基づくものが挙げられる。好適な共重合可能水素引き抜き架橋化合物の例としては、オルト位の芳香族ヒドロキシル基を持たない、モノエチレン性不飽和芳香族ケトンモノマーが挙げられる。好適なフリーラジカル生成共重合可能架橋剤の例としては、4−アクリルオキシベンゾフェノン(ABP)、パラ−アクリルオキシエトキシベンゾフェノン、及びパラ−N−(メタクリルオキシエチル)−カルバモイルエトキシベンゾフェノンからなる群から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない。熱及び放射線誘発重合の両方で、反応開始剤は、モノマーの総重量に基づいて、約0.05重量%〜約5.0重量%の量存在する。
【0067】
反応体に加えて、光学特性改質添加剤を反応性オリゴマー、及び任意の他のモノマーと混合してもよいが、ただしそれは重合反応に干渉しない。典型的な特性改変剤としては、形成される接着剤組成物の接着性能を改変するための、粘着化剤(粘着付与剤)及び可塑化剤(可塑剤)が挙げられる。用いられる場合、粘着付与剤及び可塑剤は、一般に、約5重量%〜約55重量%、約10〜約45重量%、又は更には約10重量%〜約35重量%の範囲の量存在する。
【0068】
有用な粘着付与剤及び可塑剤は、接着剤分野で便利に用いられるものである。好適な粘着化剤の例としては、テルペンフェノール樹脂、アルファメチルスチレン樹脂、ロジン誘導粘着付与剤、モノマー性アルコール、オリゴマー性アルコール、オリゴマー性グリコール、及びこれらの混合物が挙げられる。有用な可塑化樹脂の例としては、テルペンフェノール樹脂、ロジン誘導可塑剤、ポリグリコール、及びこれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、可塑剤はミリスチン酸イソプロピル又はポリプロピレングリコールである。
【0069】
また形成されるポリマー組成物を、更なる感圧性接着剤とブレンドして、組成物の特性を改変してもよい。いくつかの実施形態では、酸性(メタ)アクリレート感圧性接着剤のような酸性感圧性接着剤をブレンドして、非シリコーン尿素系接着剤コポリマー上の尿素基との酸−塩基相互作用を形成する。このポリマー間の酸−塩基相互作用は、ルイス酸−塩基型相互作用である。ルイス酸−塩基型相互作用は、電子受容体である1種の成分(酸)及び電子供与体である、他の成分(塩基)を必要とする。電子供与体は、非共有電子対を提供し、電子受容体は、更なる非共有電子対を収容し得る軌道系を供給する。この場合では、添加された(メタ)アクリレート感圧性接着剤ポリマー上の酸基、典型的には、カルボン酸基は、尿素基の非共有電子対と相互作用する。
【0070】
好適な(メタ)アクリレート感圧性接着剤の例としては、アルキル(メタ)アクリレートモノマーから調製される、(メタ)アクリレートコポリマーが挙げられ、ビニルモノマーのような更なるモノマーを含有してもよい。このようなアルキル(メタ)アクリレートモノマーの例は、アルキル基が約4個〜約12個の炭素原子を含むものであり、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソノニルアクリレート、イソデシル、アクリレート、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。所望により、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、酢酸ビニル、スチレン等のような、ホモポリマーとして、0℃を超えるTgを有する、他のビニルモノマー及びアルキル(メタ)アクリレートモノマーは、1種以上の低Tgアルキル(メタ)アクリレートモノマー、及び共重合可能な酸性モノマーと併用してもよいが、ただし得られる(メタ)アクリレートコポリマーのTgは約0℃未満である。
【0071】
(メタ)アクリレート感圧性接着剤が酸性コポリマーであるとき、酸性(メタ)アクリレートコポリマーは、典型的には、約2重量%〜約30重量%、又は約2重量%〜約15重量%の、共重合可能な酸性モノマーを含む、酸性モノマーに由来する。有用な酸性モノマーの例としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。
【0072】
使用されるとき、添加される感圧性接着剤を任意の好適な量用いて、組成物の所望の特性を得ることができる。例えば、添加される感圧性接着剤は、組成物の約5〜約60重量%の量添加してもよい。
【0073】
加えて、充填剤のような他の特性改変剤を必要に応じて添加してもよいが、ただし組み込まれる場合及びとき、このような添加剤は最終組成物の所望の特性に害を及ぼさない。ヒュームドシリカ、繊維(例えば、ガラス、金属、無機又は有機繊維)、カーボンブラック、ガラス又はセラミックビーズ/バブル、粒子(例えば、金属、無機、又は有機粒子)、ポリアラミド(例えば、DuPont Chemical Company(Wilmington,DE)から商品名KEVLARで入手可能なもの)等のような充填剤は、最大約30重量%の量添加してもよい。染料、不活性流体(例えば、炭化水素油)、色素、難燃剤、安定剤、酸化防止剤、相溶剤、抗菌剤(例えば、酸化亜鉛)、導電体、熱伝導体(例えば、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、及びニッケル粒子)等のような他の添加剤を、一般に組成物の総体積の約1〜約50%の量、これらの系にブレンドしてもよい。
【0074】
非シリコーン尿素系反応性オリゴマーの重合により形成される接着剤は、感圧性接着剤又は熱活性化接着剤であってもよい。一般に、感圧性接着剤が形成される。これらの感圧性接着剤は、広範な用途で有用である。
【0075】
感圧性接着剤ポリマーを生じさせるために、低分子量モノマーの代わりに反応性オリゴマーを用いることにより、重合後揮発性未反応材料、及び他の低分子量不純物を含まないポリマーが得られる。残留モノマー及び低分子量不純物は、医療及び電子用途のような特定の用途で問題となり得る。医療及び電子用途では、残留モノマー及び不純物は、例えば、望まない臭気、又は接触する基材/物品(例えば、ハードディスクドライブ)の可能性のある汚染を引き起こす恐れがある。加えて、シリコーンを含まない反応性オリゴマーの使用は、シリコーンの混入が問題である、電子工業のような特定の工業で望ましい。
【0076】
重合時接着剤を形成する接着剤又は、反応性混合物を、表面上にコーティングして、種々の接着剤物品を形成することができる。例えば、接着剤を、フィルム又はシート製品(例えば、装飾、反射、及びグラフィック)、印刷用粘着シート(labelstock)、テープ裏材(例えば、ポリマー性フィルム、金属フィルム、紙、クレープ加工紙、発泡体等)、剥離ライナ等に適用してもよい。基材は、所望の用途に応じて任意の好適な種類の材料であってもよい。
【0077】
接着剤は、連続又はバッチプロセスのいずれかにより、フィルム又はコーティングに成形してもよい。バッチプロセスの例は、フィルム又はコーティングが接着される基材と、接着剤フィルム又はコーティングを剥離することができる表面との間に、接着剤の一部を置き、複合構造を形成することである。次いで複合構造を、十分な温度及び圧力で圧縮して、冷却後所望の厚さの接着剤コーティング、又はフィルムを形成してもよい。あるいは、接着剤は、2つの剥離表面の間で圧縮され、冷却されて、積層用途で有用な接着剤転写テープを形成してもよい。
【0078】
連続式形成方法は、接着剤をフィルムダイから引き出す工程と、続いて引き出された接着剤を、移動しているプラスチックウェブ又は他の好適な基材に接触させる工程とを含む。関連する連続法は、接着剤を押出成形し、裏材材料をフィルムダイから共押出し、層状生成物を冷却して、接着剤テープを形成することを含む。他の連続式形成方法は、接着剤を、高速で移動しているプラスチックウェブ、又は他の好適な予形成基材に直接接触させる工程を含む。この方法を用いて、接着剤を、ロータリーロッドダイのような、可撓性ダイリップを有するダイを用いて移動している、予形成ウェブに適用する。これらの連続方法のいずれかにより形成した後、接着剤フィルム又は層を、直接法(例えば、冷却ロール又は水浴)及び間接法(例えば、空気又はガス衝突)の両方を用いて急冷することにより、固化させてもよい。
【0079】
接着剤はまた、溶媒系法を用いてコーティングしてもよい。例えば、接着剤を、ナイフコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、ロッドコーティング、カーテンコーティング、及びエアナイフコーティングのような方法によりコーティングしてもよい。接着剤混合物はまた、スクリーン印刷又はインクジェット印刷のような既知の方法により印刷してもよい。次いで、コーティングされた溶媒型接着剤を乾燥させて、溶媒を取り除く。典型的には、コーティングされた溶媒型接着剤を、オーブンにより供給されるような高温に供して、接着剤の乾燥を促進する。
【0080】
いくつかの実施形態では、接着剤の一方、又は両方の主表面に、微細構造化表面を付与することが望ましい場合もある。接着剤の少なくとも1つの表面上に微細構造化表面を有して、積層中に空気の放出を補助することが望ましい場合もある。接着剤層の一方又は両方の表面上に、微細構造化表面を有することが望ましい場合、接着剤コーティング又は層を、微細構造を有する用具又はライナ上に置いてもよい。次いで、ライナ又は用具を取り除いて、微細構造化表面を有する接着剤層を露出させてもよい。
【0081】
接着剤層の厚さは、少なくとも約1マイクロメートル、少なくとも5マイクロメートル、少なくとも10マイクロメートル、少なくとも15マイクロメートル、又は少なくとも20マイクロメートルである傾向がある。厚さは、約200マイクロメートル以下、約175マイクロメートル以下、約150マイクロメートル以下、又は約125マイクロメートル以下であることが多い。例えば、厚さは、1〜200マイクロメートル、5〜100マイクロメートル、10〜50マイクロメートル、20〜50マイクロメートル、又は1〜15マイクロメートルであってもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、感圧性接着剤は光学的に透明である。光学的に透明な接着剤を用いて、広範な光学物品を作製することができる。このような物品は、光学フィルム、基材、又はその両方を含んでもよい。このような用途としては、情報ディスプレイ、ウインドウカバー、グラフィック物品等が挙げられる。
【0083】
光学フィルムと、光学フィルムの少なくとも1つの主表面に隣接する、感圧性接着剤層とを含む物品が提供される。物品は更に、別の基材(例えば、感圧性接着剤層に永続的に又は一時的に付着する)、別の接着剤層、又はこれらの組み合わせを更に含んでもよい。本明細書で使用するとき、用語「隣接する」を用いて、直接接触する、又は1層以上の層により分離された2層を指すことができる。隣接する層は、直接接触することが多い。
【0084】
いくつかの実施形態では、得られる物品は光学素子であってもよく、又はそれを用いて光学素子を調製してもよい。本明細書で使用するとき、用語「光学素子」は、光学効果又は光学用途を有する物品を指す。光学素子は、例えば、電子ディスプレイ、建築用途、輸送用途、投影用途、フォトニクス用途、及びグラフィックス用途で用いることができる。好適な光学素子としては、スクリーン又はディスプレイ、陰極線管、偏光器、反射器等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0085】
任意の好適な光学フィルムを物品で用いることができる。本明細書で使用するとき、用語「光学フィルム」は、光学効果を生じさせるために用いることができるフィルムを指す。光学フィルムは、典型的には、単層又は多層であってもよいポリマー含有フィルムである。光学フィルムは可撓性であり、任意の好適な厚さであってもよい。光学フィルムは、電磁スペクトルのいくつかの波長(例えば、可視紫外の波長、又は電磁スペクトルの赤外領域)に対して、少なくとも部分的に透過性、反射性、抗反射性、偏光、光学的に透明、又は拡散性であることが多い。代表的な光学フィルムとしては、可視ミラーフィルム、着色ミラーフィルム、日射反射フィルム、赤外反射フィルム、紫外線反射フィルム、輝度強化フィルム及び二重輝度強化フィルムのような反射偏光フィルム、吸収偏光フィルム、光学的に透明なフィルム、薄色フィルム、並びに反射防止フィルムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0086】
いくつかの実施形態では、光学フィルムはコーティングを含む。一般に、コーティングを用いて、フィルムの機能を高める、又はフィルムに更なる機能を提供することができる。コーティングの例としては、例えば、ハードコート、防曇コーティング、耐引っ掻きコーティング、プライバシーコーティング、又はこれらの組み合わせが挙げられる。耐久性の高いハードコート、防曇コーティング、及び耐引っ掻きコーティングのようなコーティングは、例えば、タッチスクリーンセンサ、ディスプレイスクリーン、グラフィックス用途等のような用途において望ましい。プライバシーコーティングの例としては、例えば、視界をぼんやりさせるための、ぼやけた(blurry)若しくは濁ったコーティング、又は視野角を制限するためのルーバー付フィルムが挙げられる。
【0087】
いくつかの光学フィルムは、多層のポリマー含有材料(例えば、染料を含む又は含まないポリマー)、又は多層の金属含有材料及びポリマー材料のように、多層を有する。いくつかの光学フィルムは、異なる屈折率を有するポリマー材料の交互層を有する。他の光学フィルムは、ポリマー層と金属含有層を交互に有する。代表的な光学フィルムは、以下の特許に記載されている:米国特許第6,049,419号(Wheatleyら);同第5,223,465号(Wheatleyら);同第5,882,774号(Jonzaら);同第6,049,419号(Wheatleyら);米国再発行特許第34,605号(Schrenkら);米国特許第5,579,162号(Bjornardら)、及び同第5,360,659号(Arendsら)。
【0088】
物品に含まれる基材は、ポリマー材料、ガラス材料、セラミック材料、金属含有材料(例えば、金属又は金属酸化物)、又はこれらの組み合わせを含有してもよい。基材は、支持層、下塗り層、ハードコート層、装飾デザイン等のような材料の複数の層を含んでもよい。基材は、接着剤層に永続的に又は一時的に付着してもよい。例えば、剥離ライナを一時的に付着させ、次いで接着剤層を別の基材に付着させるために取り除いてもよい。
【0089】
基材は、例えば、可撓性、剛性、強度又は支持、反射率、抗反射率、偏光、又は透過率(例えば、異なる波長に対して選択的)を提供するような種々の機能を有してもよい。つまり、基材は、可撓性又は剛性;反射的又は非反射的;可視的に透明、着色されているが透過性、又は不透明(例えば、非透過性);及び偏光又は非偏光であってもよい。
【0090】
代表的な基材としては、液晶ディスプレイ又は陰極線管のような電子ディスプレイの外表面、ウインドウ又はグレージングの外表面、反射器、偏光器、回折格子、鏡又はレンズのような光学部品の外表面、装飾フィルムのような別のフィルム、又は別の光学フィルム等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0091】
ポリマー基材の代表的な例としては、ポリカーボネート、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート)、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリレート(例えば、ポリメチルメタクリレート)、ポリビニルアルコール、ポリエチレン及びポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、三酢酸セルロース、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー等を含有するものが挙げられる。
【0092】
他の実施形態では、基材は剥離ライナである。任意の好適な剥離ライナを用いてもよい。代表的な剥離ライナとしては、紙(例えば、クラフト紙)、又はポリマー材料(例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンのようなポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル等)から調製されたものが挙げられる。少なくともいくつかの剥離ライナは、シリコーン含有材料又はフルオロカーボン含有材料のような剥離剤の層でコーティングされる。代表的な剥離ライナとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム上にシリコーン剥離コーティングを有するCP Film(Martinsville,Va.)から、商品名「T−30」及び「T−10」として市販されているライナが挙げられるが、これらに限定されない。ライナは、その表面に微細構造を有することができ、それは接着剤に付与されて、接着剤層の表面上に微細構造を形成する。次いで、ライナを取り除いて、微細構造化表面を有する接着剤層を露出してもよい。
【0093】
剥離ライナを取り除いて、光学フィルムを別の基材に接着させてもよい(すなわち、剥離ライナの除去により、その後別の基材表面に結合できる接着剤層の表面を露出させる)。
【0094】
いくつかの実施形態では、接着剤は自己湿潤性であり、取り外し可能である。接着剤は、それが自然に基材をウエットアウトすることを可能にする、優れた適合性を呈する。表面の特性はまた、接着剤を再配置又は再加工のために繰り返し基材に結合させ、取り外すことを可能にする。接着剤の強い貼着強度は、永続的に取り外し可能であることに加えて、それに低温流を制限し、高温耐性を与える構造的一体性を与える。いくつかの実施形態では、以下の実施例の部分に記載する90°引き剥がし接着力試験により測定したとき、ガラス基材に結合した、接着剤でコーティングされた物品の初期取り外し性は、2.9ニュートン/デシメートル(75グラム/インチ)以下である。室温で1週間エージングしたとき、取り外し性は、以下の実施例の部分に記載する90°引き剥がし接着力試験により測定したとき、7.7ニュートン/デシメートル(200グラム/インチ)以下である。他の実施形態では、室温で少なくとも1週間エージングした後の取り外し性は、以下の実施例の部分に記載する90°引き剥がし接着力試験により測定したとき、15.4ニュートン/デシメートル(400グラム/インチ)以下、7.7ニュートン/デシメートル(200グラム/インチ)以下、又は更には3.9ニュートン/デシメートル(100グラム/インチ)以下である。
【0095】
自己湿潤性、及び取り外し特性が特に重要である、代表的な接着剤物品としては、例えば、グラフィック物品及び保護フィルムのような大型物品、並びに情報ディスプレイ装置が挙げられる。
【0096】
大型グラフィック物品又は保護フィルムは、典型的には、感圧性接着剤で裏打ちされた薄いポリマーフィルムを含む。これらの物品は、取り扱い及び基材表面上への適用が難しい場合がある。大型物品は、時に「湿式」適用プロセスと呼ばれるものにより、基材表面上に適用してもよい。湿式適用プロセスは、液体、典型的には水/界面活性剤溶液を、大型物品の接着剤側面上、及び所望により基材表面上に噴霧することを含む。この液体は、一時的に感圧性接着剤の「粘着性を低下」させて、よって設置者は、基材表面の上の所望の位置で大型物品を取り扱い、スライド、及び、再配置できる。また、この液体は、大型物品がくっつき合う、又は時期尚早に基材の表面上に接着した場合に、設置者が大型物品を引き離すことも可能にする。更には、接着剤に液体を適用すると、基材の表面上に確立される優れた接着性とともに、滑らかで気泡のない外観をもたらすことによって、設置済み大型物品の外観を向上させることができる。
【0097】
大型保護フィルムの例としては、日照調整フィルム、飛散保護フィルム、装飾フィルム等のような窓用フィルムが挙げられる。いくつかの場合、フィルムは、米国特許第5,360,659号(Arendsら)に記載のような、光学的に透明であるが、赤外を反射するフィルムのような、選択的透過性を有するマイクロ層フィルムのような、多層IRフィルム(すなわち、赤外反射フィルム)のような多層フィルムであってもよい。
【0098】
湿式適用プロセスは多くの場合うまく用いられているが、時間がかかり、面倒なプロセスである。「乾式」適用プロセスは、一般に、大型グラフィック物品を設置するために望ましい。自己湿潤性であり取り外し可能な接着剤を、乾式設置プロセスで適用してもよい。物品は、大きな基材に容易に付着するが、なぜならそれは自己湿潤性であり、必要に応じて容易に取り外し、再配置できるためである。
【0099】
情報ディスプレイ装置のような他の用途では、湿式適用プロセスを用いることができない。情報ディスプレイ装置の例としては、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、フロント及びリアプロジェクションディスプレイ、陰極線管及び標識を含む、広範な表示域構成を有する装置が挙げられる。このような表示域構成を、携帯情報端末、携帯電話、タッチスクリーン、腕時計、カーナビゲーションシステム、汎世界測位システム、測深器、計算機、電子書籍、CD又はDVDプレーヤー、投射型テレビスクリーン、コンピュータモニタ、ノートパソコンのディスプレイ、計器、計器パネルカバー、グラフィックディスプレイ(戸内及び戸外グラフィック、バンパーステッカー等を含む)反射シート等を含む、種々の持ち運び可能な及び持ち運びできない情報ディスプレイ装置で使用することができる。
【0100】
広範な情報ディスプレイ装置が、照射装置及び無照射装置の両方で用いられる。これらの装置の多くは、その構成の一部として、接着剤でコーティングされたフィルムのような接着剤物品を利用する。情報ディスプレイ装置で頻繁に用いられるある接着剤物品は、保護フィルムである。このようなフィルムは、頻繁に取り扱われる、又は露出した視聴画面を有する情報ディスプレイ装置上で頻繁に用いられる。
【0101】
いくつかの実施形態では、本開示の接着剤を用いて、このようなフィルムを情報ディスプレイ装置に付着させることができるが、なぜなら接着剤は光学的透明性、自己湿潤性、及び取り外し性を有するためである。接着剤特性の光学的透明性により、干渉することなく接着剤を通して情報を見ることが可能になる。自己湿潤性及び取り外し性の特徴により、フィルムをディスプレイ表面に容易に適用し、組立中必要に応じて取り外して再加工し、また情報ディスプレイ装置の実用寿命中に取り外して交換することが可能になる。
【実施例】
【0102】
これらの実施例は、単に例証のみを目的とし、追記された請求項の範囲を制限するものではない。本明細書の実施例及びその他の部分におけるすべての部、百分率、比などは特に注記がない限り、重量による。使用される溶媒及びその他の試薬は、特に記載のない限り、Sigma−Aldrich Chemical Company(Milwaukee, Wisconsin)より入手した。
【0103】
【表1】

【0104】
試験方法
90°引きはがし粘着力
厚さ51マイクロメートル(2mil)のPETフィルム上の厚さ51マイクロメートル(2mil)の接着剤コーティングを、2.54センチメートル×15センチメートルのストリップに切断した。次に、ストリップの上を2キログラムのローラーを一度通過させ、各ストリップを6.2センチメートル×23センチメートルの、清潔な溶媒洗浄されたガラス製試験片に付着させた。固着したアセンブリは、室温で約1分間放置後、90°剥離接着力について、90°引き剥がし試験アセンブリを備えるIMASS滑り/剥離試験機(型式SP2000、Instrumentors Inc.(Strongsville,OH)から市販されている)を用い、5秒間のデータ収集時間にわたって2.3メートル/分(90インチ/分)の速度で試験した。これらの試料を試験した。報告された剥離接着値は、3つの試料の各々からの剥離接着値の平均値である。データをグラム/インチ(幅)で測定し、ニュートン/デシメートル(N/dm)に変換した。
【0105】
ウェットアウト試験
厚さ127マイクロメートル(5mil)のPETフィルム上の厚さ51マイクロメートル(2mil)の接着剤コーティングを、12.7×12.7センチメートル(5×5インチ)の正方形のサンプルに切断した。7.6×7.6センチメートル(3×3インチ)の正方形に、各正方形のサンプルの裏側の中央に印をつけた。ライナを正方形のサンプルから取り外し、正方形のサンプルの1つの角部をイソプロパノールで洗浄した、ガラスクーポンの表面上に置いた。正方形のサンプルを、ガラス表面上に落とした。ウェットアウト時間を、ストップウォッチを用いて測定し、ウェットアウト全部が印をつけた正方形内のいずれかの部分に達したときに開始し、正方形内部が完全にウエットアウトしたときに終えた。ウェットアウト時間を記録し、時間(秒)/ウェットアウト面積(平方センチメートル)として記録した。
【0106】
分子量を決定するための滴定法
合成されたUBDAの分子量を決定するために、測定されたサンプル重量(約4〜6グラム)をジャー内に入れ、テトラヒドロフラン(サンプル重量の約3倍)を混合しながら添加して、均一な溶液を形成した。指標であるブロモフェノールブルー溶液を、色が深青色になるまで添加した。持続的に攪拌しながら、青から黄色への色の変化が終点に達したことを示すまで、1.0規定のHCl(aq)を添加することにより、サンプル溶液を滴定した。滴定したHClの終点の体積を記録し、分子量を計算した。
【0107】
合成例
合成実施例1:UBDA 8Kの調製
ポリアミン−1(4モル)のサンプルを、100℃で1時間真空下で脱気した。新たに粉砕したジフェニルカーボネート(3モル)を添加し、混合物を攪拌して、均一な混合物を得た。混合物を160℃で3時間真空下で加熱して、フェノール副生成物を除去した。得られた生成物は、分子量およそ8,000(上記方法を用いて、滴定により確認した)の尿素鎖延長ジアミンであった。
【0108】
合成実施例2:UBDA 12Kの調製
ポリアミン−1(6モル)のサンプルを、上記合成実施例1で記載した手順を用いて、ジフェニルカーボネート(5モル)のサンプルと反応させた。得られた生成物は、分子量およそ12,000(上記方法を用いて、滴定により確認した)の尿素鎖延長ジアミンであった。
【0109】
合成実施例3:Acアミンの調製
ポリアミン−1(1モル)のサンプルを、VDM(2モル)のサンプルと混合し、攪拌しながら一晩反応させた。
【0110】
(実施例1)
UBDA 8K(1モル)の攪拌したサンプルに、室温でVDM(2モル)のサンプルをゆっくりと添加した。混合物を攪拌し、一晩反応させた。光反応開始剤−1のサンプルを添加した(0.5重量%)。得られた混合物を、ナイフダイ上及び大理石床手動拡散塗布器上のPETと剥離ライナとの間を、サンプル上で実行される試験に適切な厚さに流延し、236W/cm(600W/インチ)の出力で、6メートル/分(20フィート/分)のベルト速度で、Fusion UV Systems,Inc.製のFusion UVランプを用いて高強度のUV曝露下で硬化させた。ガラスに対するウェットアウト試験、ガラスに対する90°引き剥がし接着力(初期及び70℃で1週間エージング後)を、上記試験方法を用いて実行した。結果を表1に示す。
【0111】
(実施例2)
UBDA 8K(1モル)の攪拌したサンプルに、室温でIEM(2モル)のサンプルをゆっくりと添加した。混合物を攪拌し、一晩反応させた。光反応開始剤−1のサンプルを添加した(0.5重量%)。得られた混合物を、ナイフダイ上及び大理石床手動拡散塗布器上のPETと剥離ライナとの間を、サンプル上で実行される試験に適切な厚さに流延し、40ワット、350ナノメートルの電球を10分間用いて低強度のUV曝露下で硬化させた。ガラスに対するウェットアウト試験、ガラスに対する90°引き剥がし接着力(初期及び70℃で1週間エージング後)を、上記試験方法を用いて実行した。結果を表1に示す。
【0112】
(実施例3)
UBDA 12K(1モル)の攪拌したサンプルに、室温でVDM(2モル)のサンプルをゆっくりと添加した。混合物を攪拌し、一晩反応させた。光反応開始剤−1のサンプルを添加した(0.5重量%)。得られた混合物を、ナイフダイ上及び大理石床手動拡散塗布器上のPETと剥離ライナとの間を、サンプル上で実行される試験に適切な厚さに流延し、40ワット、350ナノメートルの電球を10分間用いて低強度のUV曝露下で硬化させた。ガラスに対するウェットアウト試験、ガラスに対する90°引き剥がし接着力(初期及び70℃で1週間エージング後)を、上記試験方法を用いて実行した。結果を表1に示す。
【0113】
(実施例4)
UBDA 12K(1モル)の攪拌したサンプルに、室温でIEM(2モル)のサンプルをゆっくりと添加した。混合物を攪拌し、一晩反応させた。光反応開始剤−1のサンプルを添加した(0.5重量%)。得られた混合物を、ナイフダイ上及び大理石床手動拡散塗布器上のPETと剥離ライナとの間を、サンプル上で実行される試験に適切な厚さに流延し、40ワット、350ナノメートルの電球を、10分間用いて低強度のUV曝露下で硬化させた。ガラスに対するウェットアウト試験、ガラスに対する90°引き剥がし接着力(初期及び70℃で1週間エージング後)を、上記試験方法を用いて実行した。結果を表1に示す。
【0114】
比較例C1:
Acアミン及び光反応開始剤−2(0.5重量%)のサンプルを、ナイフダイ上及び大理石床手動拡散塗布器上のPETと剥離ライナとの間を、サンプル上で実行される試験に適切な厚さに流延し、236W/cm(600W/インチ)の出力で、6メートル/分(20フィート/分)のベルト速度で、Fusion UV Systems,Inc.製のFusion UVランプを用いて高強度のUV曝露下で硬化させた。ガラスに対するウェットアウト試験、ガラスに対する90°引き剥がし接着力(初期及び70℃で1週間エージング後)を、上記試験方法を用いて実行した。結果を表1に示す。
【0115】
【表2】

【0116】
(実施例5)
UBDA 8K(1モル)の攪拌したサンプルに、室温でIPDI(2モル、トルエン中固形分30%)のサンプルをゆっくりと添加した。混合物を攪拌し、一晩反応させた。この混合物にHEA(2モル)及びウレタン触媒ジブチル錫ジラウレート(0.5重量%)のサンプルを添加し、混合物を一晩攪拌した。光反応開始剤−1のサンプルを添加した(0.5重量%)。得られた混合物を、ナイフダイ上及び大理石床手動拡散塗布器上の厚さ127マイクロメートルのPETと剥離ライナとの間を、厚さ76マイクロメートル(3mil)に流延し、40ワット、350ナノメートルの電球を10分間用いて低強度のUV曝露下で硬化させた。
【0117】
(実施例6)
UBDA 8K(1モル)の攪拌したサンプルに、室温でVDM(2モル)のサンプルをゆっくりと添加した。混合物を攪拌し、一晩反応させた。これに、Acアミンのサンプルを添加して、75:25のVDMでキャッピングされたUBDA 8K:Acアミンの重量比を得た。光反応開始剤−2のサンプルを添加した(0.5重量%)。得られた混合物を、ナイフダイ上及び大理石床手動拡散塗布器上のPETと剥離ライナとの間を、サンプル上で実行される試験に適切な厚さに流延し、236W/cm(600W/インチ)の出力で、6メートル/分(20フィート/分)のベルト速度で、Fusion UV Systems,Inc.製のFusion UVランプを用いて高強度のUV曝露下で硬化させた。ガラスに対するウェットアウト試験、ガラスに対する90°引き剥がし接着力(初期及び70℃で1週間エージング後)を、上記試験方法を用いて実行した。結果を表2に示す。
【0118】
(実施例7)
UBDA 8K(1モル)の攪拌したサンプルに、室温でVDM(2モル)のサンプルをゆっくりと添加した。混合物を攪拌し、一晩反応させた。これに、IPMのサンプルを添加して、75:25のVDMでキャッピングされたUBDA 8K:IPMの重量比を得た。光反応開始剤−2のサンプルを添加した(0.5重量%)。得られた混合物を、ナイフダイ上及び大理石床手動拡散塗布器上のPETと剥離ライナとの間を、サンプル上で実行される試験に適切な厚さに流延し、236W/cm(600W/インチ)の出力で、6メートル/分(20フィート/分)のベルト速度で、Fusion UV Systems,Inc.製のFusion UVランプを用いて高強度のUV曝露下で硬化させた。ガラスに対するウェットアウト試験、ガラスに対する90°引き剥がし接着力(初期及び70℃で1週間エージング後)を、上記試験方法を用いて実行した。結果を表2に示す。
【0119】
(実施例8)
UBDA 8K(1モル)の攪拌したサンプルに、室温でVDM(2モル)のサンプルをゆっくりと添加した。混合物を攪拌し、一晩反応させた。これに、PPGのサンプルを添加して、75:25のVDMでキャッピングされたUBDA 8K:PPGの重量比を得た。光反応開始剤−2のサンプルを添加した(0.5重量%)。得られた混合物を、ナイフダイ上及び大理石床手動拡散塗布器上のPETと剥離ライナとの間を、サンプル上で実行される試験に適切な厚さに流延し、236W/cm(600W/インチ)の出力で、6メートル/分(20フィート/分)のベルト速度で、Fusion UV Systems,Inc.製のFusion UVランプを用いて高強度のUV曝露下で硬化させた。ガラスに対するウェットアウト試験、ガラスに対する90°引き剥がし接着力(初期及び70℃で1週間エージング後)を、上記試験方法を用いて実行した。結果を表2に示す。
【0120】
【表3】

【0121】
(実施例9)
上記実施例1に記載のようにサンプルを調製し、ガラスへの90°引き剥がし接着力(初期及び70℃で1週間、70℃で3週間、及び70℃で6週間のエージング後)を、上記試験方法を用いて実行したことにより、延長エージング試験を実行した。結果を表3に示す。
【0122】
【表4】

【0123】
(実施例10〜11)
工程1:接着剤前駆体溶液の調製
機械的攪拌器を装備した丸底フラスコに54.117グラム(27.33ミリモル)のポリアミン−1、続いて1,239グラム(20.64ミリモル)の尿素を添加した。液体を通して丸底の外に泡立てたゆっくりとした窒素パージを除いて、丸底フラスコを密閉した。反応物を160℃で24時間加熱し、その期間ジアミンは尿素と反応し、アンモニアが発生した。この反応から形成されたオリゴマージアミンを滴定して、分子量を8,213グラム/モルと決定した。窒素パージを停止し、次いで反応物を50℃に冷却し、7.2グラムの酢酸エチル、9グラムのイソプロピルアルコール、及び1.8グラムの1−メトキシ−2−プロパノールを添加し、混合物を30分間攪拌した。溶液を25℃にし、空気雰囲気で覆い、添加速度を制御しながら、2.044グラム(13.18ミリモル)のIEMを滴下し、反応混合物の温度を30℃未満に維持した。溶液を25℃にし、6.48グラムのTPGDA、7.2グラムのIPM、0.324グラムのベンゾフェノン、及び1.296グラムの光反応開始剤−2を溶液に添加した。
【0124】
工程2:感圧性接着剤の調製及び試験
実施例10では、容器内に、上記工程1で調製した20.04グラムの混合物、15.23グラムのIPM、64.73グラムのPSA−1、0.07グラムのベンゾフェノン、0.72グラムのTPGDA、及び0.07グラムの光反応開始剤−2を入れた。容器にふたをし、次いで5時間震盪して混合した。サンプルをコーティングし、実施例1と同じ方法で硬化させ、上記試験方法を用いてガラスに対する90°引き剥がし接着力(初期及び70℃1週間エージング後)を実行した。結果を表4に示す。観察されたウェットアウト速度は、サンプルが基本接着剤(PSA−1)に相当する湿潤速度を与えることを示した。
【0125】
実施例11では、容器内に、上記工程1で調製した16.62グラムの混合物、6.65グラムのIPM、76.73グラムのPSA−1、0.06グラムのベンゾフェノン、0.60グラムのTPGDA、及び0.06グラムの光反応開始剤−2を入れた。容器にふたをし、次いで5時間震盪して混合した。サンプルをコーティングし、実施例1と同じ方法で硬化させ、上記試験方法を用いてガラスに対する90°引き剥がし接着力(初期及び70℃1週間エージング後)を実行した。結果を表4に示す。観察されたウェットアウト速度は、サンプルが基本接着剤(PSA−1)に相当する湿潤速度を与えることを示した。
【0126】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのX−B−X反応性オリゴマー(式中、
Xは、エチレン性不飽和基を含み、
Bは非シリコーンセグメント化尿素系単位を含む)を含む、硬化した混合物を含む接着剤。
【請求項2】
前記非シリコーンセグメント化尿素系単位が、少なくとも1つの尿素基及び少なくとも1つのオキシアルキレン基を含む、請求項1に記載の接着剤。
【請求項3】
前記X−B−X反応性オリゴマーが、非シリコーンセグメント化尿素系ジアミンとZ−X材料(式中、Xはエチレン性不飽和基を含み、Zはアミン反応性基を含む)との反応生成物である、請求項1に記載の接着剤。
【請求項4】
前記非シリコーンセグメント化尿素系ジアミンが、ポリオキシアルキレンジアミンとジアリールカーボネートとの反応生成物である、請求項3に記載の接着剤。
【請求項5】
Zがイソシアネート、アズラクトン、無水物、又はこれらの組み合わせを含む、請求項3に記載の接着剤。
【請求項6】
前記ジアリールカーボネートがジフェニルカーボネートである、請求項4に記載の接着剤。
【請求項7】
前記X−B−X反応性オリゴマーが、非シリコーンセグメント化尿素系ジアミンとZ−W−Z材料(式中、Zはアミン反応性基を含み、Wは連結基を含む)、続いてY−X材料(式中、Xはエチレン性不飽和基を含み、YはZ反応性基を含む)との反応生成物である、請求項1に記載の接着剤。
【請求項8】
Z−W−Zがジイソシアネートを含み、Y−Xがヒドロキシル官能性(メタ)アクリレートを含む、請求項7に記載の接着剤。
【請求項9】
前記接着剤が、光学的に透明な接着剤である、請求項1に記載の接着剤。
【請求項10】
前記接着剤が自己湿潤性であり、取り外し可能な接着剤である、請求項1に記載の接着剤。
【請求項11】
前記接着剤が微細構造化接着剤である、請求項1に記載の接着剤。
【請求項12】
前記硬化した混合物がエチレン性不飽和材料を更に含む、請求項1に記載の接着剤。
【請求項13】
添加剤を更に含む請求項1に記載の接着剤であって、前記添加剤が、感圧性接着剤、可塑化剤、粘着化剤、又はこれらの混合物を含む接着剤。
【請求項14】
5〜60重量%の感圧性接着剤と、5〜55重量%の可塑剤とを含む、請求項13に記載の接着剤。
【請求項15】
構造X−B−Xの、式中Xはエチレン性不飽和基を含み、Bは非シリコーンセグメント化尿素系単位である、重合可能な反応性オリゴマー。
【請求項16】
前記非シリコーンセグメント化尿素系単位が、少なくとも1つの尿素基及び少なくとも1つのオキシアルキレン基を含む、請求項15に記載の反応性オリゴマー。
【請求項17】
少なくとも1つのX−B−X反応性オリゴマー(式中、
Xはエチレン性不飽和基を含み、Bは非シリコーンセグメント化尿素系単位を含む)と、
反応開始剤とを含む硬化性反応混合物。
【請求項18】
前記反応開始剤が光反応開始剤である、請求項17に記載の硬化性反応混合物。
【請求項19】
エチレン性不飽和材料を更に含む、請求項17に記載の硬化性反応混合物。
【請求項20】
少なくとも1つのX−B−X反応性オリゴマー(式中、Xはエチレン性不飽和基を含み、Bは非シリコーンセグメント化尿素系単位を含む)と、反応開始剤とを含む硬化組成物を提供する工程と、
前記硬化組成物を硬化させる工程とを含む接着剤の調製方法。
【請求項21】
前記X−B−X反応性オリゴマーが、非シリコーンセグメント化尿素系ジアミンとZ−X分子(式中、Xはエチレン性不飽和基を含み、Zはアミン反応性基を含む)との反応生成物である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記非シリコーンセグメント化尿素系ジアミンが、ポリオキシアルキレンジアミンとジアリールカーボネートとの反応生成物である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
Zがイソシアネート、アズラクトン、無水物、又はこれらの組み合わせを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記ジアリールカーボネートがジフェニルカーボネートである、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記X−B−X反応性オリゴマーが、非シリコーンセグメント化尿素系ジアミンとZ−W−Z材料(式中、Zはアミン反応性基を含み、Wは連結基を含む)、続いてY−X材料(式中、Xはエチレン性不飽和基を含み、YはZ反応性基を含む)との反応生成物である、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
Z−W−Zがジイソシアネートを含み、Y−Xがヒドロキシル官能性(メタ)アクリレートを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
少なくとも1つのX−B−X反応性オリゴマー(式中、Xはエチレン性不飽和基を含み、
Bは非シリコーンセグメント化尿素系単位を含む)の硬化した反応生成物を含む感圧性接着剤と、
基材とを含む接着剤物品。
【請求項28】
前記基材がテープ裏材、フィルム、シート、又は剥離ライナである、請求項27に記載の接着剤物品。
【請求項29】
前記フィルムが、可視ミラーフィルム、着色ミラーフィルム、日射反射フィルム、拡散フィルム、赤外反射フィルム、紫外線反射フィルム、輝度強化フィルム若しくは二重輝度強化フィルムのような反射偏光フィルム、吸収偏光フィルム、光学的に透明なフィルム、薄色フィルム、又は反射防止フィルムを含む、光学的活性フィルムを含む、請求項28に記載の接着剤物品。
【請求項30】
前記光学的活性フィルムが日照調整フィルムを含む、請求項29に記載の接着剤物品。
【請求項31】
前記光学的活性フィルムがコーティングされたフィルムを含み、前記コーティングがハードコート、防曇コーティング、耐引っ掻きコーティング、プライバシーコーティング、又はこれらの組み合わせを含む、請求項29に記載の接着剤物品。
【請求項32】
前記光学的活性フィルムがタッチスクリーンセンサーを含む、請求項29に記載の接着剤物品。
【請求項33】
前記非シリコーンセグメント化尿素系単位が、少なくとも1つの尿素基及び少なくとも1つのオキシアルキレン基を含む、請求項27に記載の接着剤物品。
【請求項34】
第2の基材を更に含む請求項27に記載の接着剤物品であって、前記第2の基材が、剛性表面、可撓性表面、テープ裏材、フィルム、シート、又は剥離ライナを含む、請求項27に記載の接着剤物品。

【公表番号】特表2011−508057(P2011−508057A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−540765(P2010−540765)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【国際出願番号】PCT/US2008/086596
【国際公開番号】WO2009/085662
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】