説明

局所殺虫性組成物

フィプロニル、ピレスロイド及び所望により昆虫成長制御剤の組合せを、種々の昆虫及び害虫に対して寄生虫駆除効果がある用量及び割合で、並びに動物の皮膚への局所的な塗布のために有用な、好ましくは小さな表面積に局所化された剤形で含有する、動物、特にイヌ及びネコを含む哺乳動物用の局所組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、引用によりその全体が本明細書に取り込まれる、2010年1月21日に出願された米国仮特許出願番号61/297,194号及び2009年9月22日に出願された米国仮特許出願番号61/244,788号に関連し、及びこれらの優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、動物、特にイヌ及びネコを含む哺乳動物において、寄生虫又はダニの侵襲の治療又は予防に有効な組合せである、フィプロニル及びピレスロイドを含有する局所又は噴霧式の殺虫性組成物に関する。更に、本発明は、動物、特に哺乳動物における、昆虫、寄生虫又はダニの侵襲の治療又は予防に同じく有効な組合せである、フィプロニル、ピレスロイド及び昆虫成長制御剤を含有する局所又は噴霧式殺虫性組成物に関する。本発明は、また、フィプロニル、ピレスロイド及び追加的に昆虫成長制御剤を含有する殺虫性組成物の局所的な皮膚適用のための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
本発明の背景
動物の昆虫又は害虫の侵襲を治療又は予防するための既存製品は、シャンプー剤、殺虫首輪、飲み薬、動物の環境を処理するようにデザインされた組成物、局所治療薬等を含む。異なった治療形態は特有の利益及び不利益を与える。しかし、大多数は実質的な不利益を与える。例えば、シャンプー剤は、治療剤が動物の全体表にわたって適用され、次いでリンスされるが、これはその動物及びその所有者にとって一般的に不快であり、短期間の、一過性の治療を与えるだけである。殺虫首輪は、動物がその首輪を、しばしば数カ月間に及ぶ期間の間、物理的に装着することを要求するが、これは動物にとって不愉快で、煩わしいことである。更に、経口投与される治療剤は副作用の可能性を増加させやすく、動物に投与することがより困難である。一方、動物の周囲及び居住環境の処理は、その処理が家具、カーペット、寝具等の脱色を引き起こしかもしれない、及び不快な臭気を産生するかもしれないという事実のために、しばしば望ましくない。従って、動物の体表全部にわたって治療効果を維持しながら、より小さな部分で動物に塗布することができる局所治療剤を得ることが望ましい。
【0004】
以前開発された局所組成物は、複数の殺虫剤を混合している。一般的な薬剤は、アリルピラゾール誘導体、昆虫成長制御剤、ピレスロイド、ノズロスポリン酸誘導体、ネオニコチノイド、ホルムアミド、アバメクチン等である。本明細書に挙げられた化合物の全ては、異なった作用メカニズムを持ち、従って、異なった方法で侵襲を治療及び予防する。その結果として、種々の化合物が治療に関連した様々な異なった副作用を有する。種々の薬剤は様々な濃度で組み合わせられてもよい。一般に、より高濃度の活性成分は、より高い殺虫率、及びより好結果の治療をもたらす。しかし、より高濃度の活性成分の使用は、製造するのがより高価であり、かつ動物が治療からくる副作用を被るより高い可能性をもたらす。治療の副作用は、皮膚の脱色、局所的な脱毛、かゆみ、発赤、過度の唾液分泌、及び、いくつかの事例では、神経毒性を含む。
【0005】
先行技術中で公知の局所治療剤は、概して、活性成分が標的害虫を有効に駆除する前までの活性持続期間を持つ。例えば、昆虫成長制御剤(例えば、幼若ホルモン様物質)は、未成熟な害虫の発達を効果的に阻害し、それらが増殖しないようにすることによって標的害虫を根絶する。昆虫成長制御剤が害虫の侵襲を究極的に制御することにおいて有効であるとしても、全ての害虫を殺虫するためには、更に時間が必要とされるが、これによって、動物宿主が、他の動物及び人と同様に、侵襲の影響を受けなければならない時間が長くなる。害虫を死に導く過度興奮を引き起こすフィプロニルとして知られるアリルピラゾール誘導体のような即効性薬剤でさえ、作用の出現には時間がかかる。概して、即効性薬剤が宿主動物に症状の緩和を提供するためには、数時間が必要であろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それゆえ、先行技術に弱点があるとすれば、副作用のリスクを最小化するように低濃度の既知化学物質を用い、高い殺虫率を有し、かつ従来よりも優れた、好ましくは最初1時間の治療時間内で、殺菌率を有する局所殺虫治療剤を得ることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の概要
本発明は、昆虫又はダニの侵襲を治療及び予防するための、新規な局所組成物、更には、宿主動物、特に哺乳動物に組成物を塗る工程を備える殺害虫方法に関連する。本発明の局所殺虫性組成物は、活性成分のフィプロニル及びピレスロイドの低濃度を含有し、更に付加的に昆虫成長制御剤を含有してもよく、活性剤のそれぞれは、一般に局所組成物の全重量の20%(w/w)よりも低い濃度で、組成物中に存在する。このような低濃度により、副作用のリスクを最小化する。活性成分のこれらの新規組合せは、フィプロニル及び/又は昆虫成長制御剤の単独又はピレスロイドなしでの治療よりも、より高くかつより速い害虫(例えば、ノミ及びダニ)の殺虫率を有するということが、更に知見されてきた。本発明の組成物は、有機溶媒を更に含有し、及び所望により酸化防止剤を含有してもよい。
【0008】
本発明の1つの実施態様は、約1%及び約20%(w/w)の間のフィプロニルと、約1%及び約20%(w/w)の間のピレスロイドと、約1%及び約20%(w/w)の間の昆虫成長制御剤と、約65%及び約85%(w/w)の間の有機溶媒と、約2%と約10%(w/w)の間の酸化防止剤とを含有する局所組成物に関連する。より限定すると、局所組成物のこの特定の実施態様は、約5%及び約15%(w/w)の間のフィプロニルと、約2%及び約10%(w/w)の間のピレスロイドと、約70%及び約80%(w/w)の間の有機溶媒と、約3%及び約8%の酸化防止剤とを含有する。最も限定すると、本発明の組成物のこの実施態様は、約8%及び約11%(w/w)の間のフィプロニルと、約4%及び約6%(w/w)の間のピレスロイドと、約75%及び約80%(w/w)の間の有機溶媒と、約4%及び約6%(w/w)の間酸化防止剤とを含有する。
【0009】
局所組成物の第2の実施態様は、約1%及び約20%(w/w)の間のフィプロニルと、約1%及び約20%(w/w)の間のピレスロイドと、約1%及び約20%(w/w)の間の昆虫成長制御剤と、約55%及び約80%(w/w)の間の有機溶媒と、約2%と約10%(w/w)の間の酸化防止剤とを含有する局所組成物に関する。より限定すると、本発明の組成物のこの実施態様は、約5%及び約15%(w/w)の間のフィプロニルと、約2%及び約10%(w/w)の間のピレスロイドと、約4%及び約15%(w/w)の間の昆虫成長抑制剤と、約60%及び約75%(w/w)の間の有機溶媒と、約3%及び約8%の酸化防止剤とを含有する。最も限定すると、本発明の組成物のこの実施態様は、約8%及び約11%(w/w)の間のフィプロニルと、約4%及び約6%(w/w)の間のピレスロイドと、約7%及び約11%(w/w)の間の昆虫成長制御剤と、約65%及び約70%(w/w)の間の有機溶媒と、約4%及び約6%(w/w)の間の酸化防止剤とを含有する。
【0010】
局所組成物の第3の実施態様は、約1%及び約20%(w/w)の間のフィプロニルと、約1%及び約20%(w/w)の間のピレスロイドと、約60%及び約85%(w/w)の間の有機溶媒とを含有する局所組成物に関する。より限定すると、本発明の組成物のこの実施態様は、約5%及び約15%(w/w)の間のフィプロニルと、約8%及び約18%(w/w)の間のピレスロイドと、約65%及び約80%(w/w)の間の有機溶媒とを含有する。最も限定すると、本発明の組成物のこの実施態様は、約8%及び約11%(w/w)の間のフィプロニルと、約14%及び約16%(w/w)の間のピレスロイドと、約70%及び約75%(w/w)の間の有機溶媒とを含有する。
【0011】
局所組成物の第4の実施態様は、約1%及び約20%(w/w)の間のフィプロニルと、約1%及び約20%(w/w)の間のピレスロイドと、約1%及び約20%(w/w)の間の昆虫成長制御剤と、約55%及び約75%(w/w)の間の有機溶媒とを含有する。より限定すると、本発明の組成物のこの実施態様は、約5%及び約15%(w/w)の間のフィプロニルと、約8%及び約18%(w/w)の間のピレスロイドと、約5%及び約16%(w/w)の間の昆虫成長制御剤と、約60%及び約70%(w/w)の間の有機溶媒とを含有する。最も限定すると、本発明の組成物のこの実施態様は、約8%及び約11%(w/w)の間のフィプロニルと、約14%及び約16%(w/w)の間のピレスロイドと、約11%及び約14%(w/w)の間の昆虫成長制御剤と、約60%及び約65%(w/w)の間の有機溶媒とを含有する。
【0012】
局所組成物の第5の実施態様は、約1%及び約20%(w/w)の間のフィプロニルと、約1%及び約20%(w/w)の間のピレスロイドと、約1%及び約20%(w/w)の間の昆虫成長制御剤と、約65%及び約85%(w/w)の間の有機溶媒と、約2%及び約10%(w/w)の間の酸化防止剤とを含有する。より限定すると、本発明の組成物のこの実施態様は、約5%及び約15%(w/w)の間のフィプロニルと、約2%及び約10%(w/w)の間のピレスロイドと、約2%及び約10%(w/w)の間の昆虫成長制御剤と、約70%及び約85%(w/w)の間の有機溶媒と、約3%及び約8%(w/w)の間の酸化防止剤とを含有する。最も限定すると、本発明の組成物のこの実施態様は、約8%及び約11%(w/w)の間のフィプロニルと、約4%及び約6%(w/w)の間のピレスロイドと、約3%及び約6%(w/w)の間の昆虫成長制御剤と、約75%及び約80%(w/w)の間の有機溶媒と、約4%及び約6%(w/w)の間の酸化防止剤とを含有する。
【0013】
局所組成物の第6の実施態様は、約1%及び約20%(w/w)の間のフィプロニルと、約1%及び約20%(w/w)の間のピレスロイドと、約1%及び約20%(w/w)の間の昆虫成長制御剤と、約55%及び約80%(w/w)の間の有機溶媒とを含有する。より限定すると、本発明の組成物のこの実施態様は、約5%及び約15%の間のフィプロニルと、約8%及び約18%(w/w)の間のピレスロイドと、約2%及び約10%(w/w)の間の昆虫成長制御剤と、約60%及び約75%(w/w)の間の有機溶媒とを含有する。最も限定すると、本発明の組成物のこの実施態様は、約8%及び約11%の間のフィプロニルと、約14%及び約16%(w/w)の間のピレスロイドと、約3%及び約6%(w/w)の間の昆虫成長制御剤と、約65%及び約70%(w/w)の間の有機溶媒とを含有する。
【0014】
また、本発明は、動物、特にイヌの上の害虫の侵襲を除去及び防止する方法を更に提供する。その方法は、動物の2つの肩の間に、動物の体重あたり約0.5mg/kgから約10mg/kgまでの範囲の活性成分の用量を届けるために十分なボリュームで、局所組成物の限局した皮膚塗布をする工程を備える。
【0015】
他に定義されなければ、本明細書において使用される全ての技術的及び科学的用語は、出願時に、この発明が属する技術の分野における通常の知識を有する者によって一般に理解されるのと同じ意味を持つ。特に定義されれば、そのときは、本明細書において与えられる定義は、他の辞書的な又は非本質的な定義よりも優先する。更に、文脈によって要求されなければ、単数形の用語は複数形を包含し、複数形の用語は単数形を包含する。本明細書において、他に明言されなければ、「又は」の使用は「及び/又は」を意味する。本明細書に参照される全ての特許及び刊行物は参照により本明細書に組み入れられる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
発明の詳細な説明
本発明により提供される組成物は、動物、特に哺乳動物(好ましくは、イヌ及びネコ)の、昆虫、寄生虫又はダニの侵襲を治療し、また、3か月まで継続する長期の治療効果によって、将来の侵襲を防止するための、ある種の活性化合物の組合せを用いる局所殺虫性組成物である。このようにして、この組成物は存在する害虫を根絶し、生き残った害虫が成長及び増殖することを防止する。この組成物は、成長サイクルを停止させ、害虫が更に卵を産むのを防止する。本発明の組成物は、多くの害虫、特に飼いならされた動物の上に見つかるノミ及びダニの治療に有用である。この組成物は、低濃度のフィプロニル及びピレスロイドを含有し、更に昆虫成長制御剤を含有してもよい。更に、本発明は、部分的に、ピレスロイドを追加することなく、フィプロニル及びピレスロイドの組合せを含有する組成物で宿主動物を治療することは、フィプロニル及び昆虫成長制御剤を単独で又は組み合わせて治療をするのに比べて、最初の24時間以内に劇的に高い殺虫率をもたらすという知見に基づく。
【0017】
本発明の局所組成物はフィプロニルを含有する。フィプロニル化合物はフェニルピラゾール系の殺ダニ剤である。フィプロニル化合物は、広いスペクトルのダニの種類に対して効果を有するフェニルピラゾール系殺ダニ剤であり、米国特許第5,232,940に最初に開示された。フィプロニルは、中枢神経系の構成要素である、GABA受容体及びグルタミン酸ゲート塩素チャネル(GluCl)を通る塩化物イオンの通過を遮断することで、中枢神経系を撹乱させることによって、その効果を達成する。この撹乱は、汚染された神経及び筋肉の過興奮を引き起こし、最終的な死をもたらす。この化合物はゆっくり作用する殺ダニ剤であり、従って、宿主のみならず、接触した宿主のダニをも標的とするために使用することができる。フィプロニルは、5−アミノ−1−[2,6−ジクロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−[(1−R,S)(トリフルオロメチル)スルフィニル]−1H−ピラゾール−3−カルボニトリル、5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)−4−[(トリフルオロメチル)スルフィニル]ピラゾール−3−カルボニトリル及びフルオシアノベンピラゾール[CAS No. 120068−37−3]としても知られる。フィプロニルは、一般に、液体又は固体の結晶物質若しくは粉末のいずれかで利用可能である。フィプロニルは、典型的には、局所組成物の全重量の約1%と約20%(w/w)との間で含有する。いくつかの実施態様では、フィプロニルは、局所組成物の約20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%又は1%(w/w)含有する。例えば、局所組成物中に存在するフィプロニルの量は、全組成物の約5%から約15%(w/w)までの範囲であってよく、好ましくは約7%から12%(w/w)までの範囲である。最も好ましくは、局所組成物中に存在するフィプロニルの量は、全組成物の約8%から約11%(w/w)までの範囲であってよい。例示的な実施態様では、局所組成物中に存在するフィプロニルの量は、全組成物の9.8%(w/w)である。フィプロニルの化学構造は以下に示される。
【0018】
【化1】

【0019】
本発明の局所組成物は、ピレスロイド系化合物も含む。一般に、ピレスロイドは自然発生ピレトリンに関連する合成殺虫剤の1クラスである。ピレスロイドは天然のピレトリンよりも効果が高く、哺乳動物に対する毒性が低い傾向がある。ピレスロイドは、ニューロン膜においてナトリウムチャネルを開いたままにすることによって作用する軸索毒である。ナトリウムチャネルは、ナトリウムイオンが膜を出入りすることを許す親水性の内部を持つ膜タンパク質である。ナトリウムチャネルが開いたままであるとき、ナトリウムイオンの流入が過剰興奮という結果になり、害虫は麻痺した状態になる。ピレスロイドは典型的には局所組成物の全重量の約1%と約20%(w/w)との間で含有する。いくつかの実施態様では、ピレスロイドは、局所組成物の約20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、又は1%(w/w)含有する。例えば、局所組成物中に存在するピレスロイドの量は、全組成物の約1%から約18%(w/w)、好ましくは約3%から約16%(w/w)までの範囲内であってよい。別の実施態様では、局所組成物中に存在するピレスロイドの量は、全組成物の重量の約1%から約10%(w/w)までの範囲内であってよい。また別の実施態様では、局所組成物中に存在するピレスロイドの量は、全組成物の約4%から約6%(w/w)までの範囲内であってよい。更に別の実施態様では、局所組成物中に存在するピレスロイドの量は、全組成物の約10%から約16%(w/w)までの範囲内であってよい。また別の実施態様では、局所組成物中に存在するピレスロイドの量は、全組成物の約14%から約16%(w/w)までの範囲内であってよい。ピレスロイドの好適な限定することのない例は、ペルメトリン、シペルメトリン、シフェノトリン、エトフェンプロックス、フェンバレラート及びシフルトリンを包含する。個別にみていくと、シフェノトリンはピレスロイドエステル殺虫剤として分類される。シフェノトリンは、(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1RS,3RS;1RS,3SR)−2,2−ジメチル−3−(2−メチルプロプ−1−エニル)シクロプロパンカルボキシラート、d−trans−シフェノトリン,d−シフェノトリン,ゴキラートTM(GokilahtTM)、(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル−(1RS)−cis−trans−2,2−ジメチル−3−(2−メチルプロプ−1−エニル)シクロプロパンカルボキシラート、(±)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(±)−cis−trans−クリサンテマート及びシアノ(3−フェノキシフェニル)メチル 2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシラートとしても知られる。販売されている市販のゴキラートTM(GokilahtTM)製品は、シフェノトリン及びピリプロキシフェンの両方を混合している。本発明のシフェノトリン製品は、組成物にS−メトプレン及びピリプロキシフェンの両方を混合することによって、効果を減少させ、副作用の可能性を増大させるという発見に基づき、それらのS−メトプレンを含まない処方において、活性化合物のピリプロキシフェンのみを混合してよいことが注目されるべきである。シフェノトリンの化学構造は以下に示される。
【0020】
【化2】

【0021】
例示的な実施態様では、イヌでの害虫の侵襲の治療のために有効な、局所組成物中に存在するシフェノトリンの量は、全組成物の5.0%(w/w)である。
【0022】
エトフェンプロックス(エトフェンプロックス)は、ethofenprox、ethophenprox、1−エトキシ−4−[2−メチル−1−[[3−(フェノキシ)フェニル]メトキシ]プロパン−2−イル]ベンゼン、2−(4−エトキシフェニル)−2−メチルプロピル 3−フェノキシベンジルエーテル、3−フェノキシベンジル 2−(4−エトキシフェニル)−2−メチルプロピルエーテル、C076840、2−(4−エトキシフェニル)−2−メチルプロピル−3−フェノキシベンジルエーテル、1−((2−(4−エトキシフェニル)−2−メチルプロポキシ)メチル)−3−フェノキシベンゼン、アルファ−((p−エトキシ−ベータ,ベータ−ジメチルフェネチル)オキシ)−m−フェノキシトルエンとも呼ばれる。エトフェンプロックス(エトフェンプロックス)に対するCAS登録番号は、80844−07−1である。エトフェンプロックスは、ネコでの害虫の駆除に有効なピレスロイドであることが知られている。エトフェンプロックスの化学構造は以下に示される。
【0023】
【化3】

【0024】
例示的な実施態様では、ネコでの害虫の侵襲の治療のために有効な、局所組成物中に存在するエトフェンプロックスの量は、全組成物の15.0%(w/w)である。
【0025】
本発明の局所組成物は、昆虫成長制御剤(IGR)を付加的に含んでもよい。IGRは先に存在する害虫を殺すことについて有効ではない。それらは増殖及びさらなる侵襲を防ぐ。IGRは、一般的には、害虫種の成長及び発達を妨害し、害虫が成熟及び増殖できないようにすることができる化合物である。IGRは、典型的には、局所組成物の全重量の約20%(w/w)未満含有する。いくつかの実施態様では、IGRは、局所組成物の約19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.1%又は0%(w/w)含有する。例えば、局所組成物中に存在するIGRの量は、全組成物重量の0%から約20%(w/w)までの範囲内であってよく、好ましくは、IGRは全組成物の約2%から約15%までの範囲内である。別の実施態様では、局所組成物中に存在するIGRの量は、全組成物の約4%から約12%(w/w)までの範囲内であってよい。また別の実施態様では、局所組成物中に存在するIGRの量は、全組成物の約7%から約14%(w/w)までの範囲内であってよい。更に別の実施態様では、局所組成物中に存在するIGRの量は、全組成物の約8%から約12%(w/w)までの範囲内であってよい。さらなる実施態様では、局所組成物中に存在するIGRの量は、全組成物の約2%から約9%(w/w)までの範囲内であってよい。また別の実施態様では、局所組成物中に存在するIGRの量は、全組成物の約3%から約5%(w/w)までの範囲内であってよい。IGRは幼若ホルモン様物質、キチン合成阻害薬等を含んでもよいが、これらに限定されない。昆虫成長制御剤の好適な限定することのない例は、ビストリフルロン、ブプロフェジン、クロルフルアズロン、シロマジン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、ノビフルムロン、ペンフルロン、テフルベンズロン、トルフルムロン、エポフェノナン、フェノキシカルブ、ヒドロプレン、キノプレン、メトプレン、ピリプロキシフェン、トリプレン及びこれらの組合せを包含する。好ましい実施態様では、昆虫成長制御剤はS−メトプレンである。一般に、メトプレンは化合物のR−及びS−エナンチオマーのラセミ混合物であるが、S−エナンチオマーのみが幼弱ホルモン類似物質として活性である。幼弱ホルモン類似物質は、害虫の中に発見された天然の幼弱ホルモンの真似をすることによって、治療効果を発揮する。幼弱ホルモンは、成虫に羽化するために、蛹の間は存在してはならず、そのため、メトプレンで処理された幼虫は、蛹から成虫の害虫に成功裡に変態することができない。この作用は害虫の自然なライフサイクルを破壊し、成熟及び増殖を妨げる。S−メトプレンは、イソプロピル(2E,4E,7S)−11−メトキシ−3,7,11−トリメチル−2,4−ドデカジエノアートとしても知られる。他の活性成分は即時、短期間の害虫駆除に最初に有効であるが、S−メトプレンは、様々な市販製品として利用可能であり、長期間の害虫の侵襲を制御するのに有用である。S−メトプレンで処理するための害虫殺虫時間は、処理される種の典型的な寿命に依存して変動する。他の化合物とは異なり、一般に、S−メトプレンは人に対して非毒性と考えられ、このことによって、貯水槽並びに肉、ミルク、キノコ、ピーナッツ、コメ及び穀類を含む多数の食品の処理に使用されている。例示的な実施態様では、動物における害虫の侵襲の治療のために有効な、局所組成物中に存在するS−メトプレンの濃度は、8.8%(w/w)である。
【0026】
別の実施態様(すなわち、S−メトプレンを含まない本発明の実施態様)では、昆虫成長制御剤は、4−フェノキシフェニル 2−(2−ピリジルオキシ)プロピルエーテル及びナイラーTM(NylarTM)としても知られる、幼弱ホルモン類似物質であるピリプロキシフェンであってよい。ピリプロキシフェンの化学構造は以下に示される。
【0027】
【化4】

【0028】
例示的な実施態様では、動物における害虫の侵襲の治療のために有効な、局所組成物中に存在するピリプロキシフェンの量は、全組成物の2.0%(w/w)である。
【0029】
本発明の局所組成物は、非水性であり、有機溶媒も含有する。一般に、有機溶媒は、固体、液体又は気体を溶かすことができる、炭素を含有する化学物質と定義される。その技術分野における通常の知識を有する者は、広い種類の溶媒が本発明に組み込まれてもよいことがわかるが、溶媒は、一般に、1から40の誘電率、低沸点(100℃未満)をもち、水の密度よりも小さい密度(20℃で1.0未満)をもち、かつ概して水に可溶でなければならない。更に、有機溶媒は、イヌ又はネコを含む動物の皮膚に塗布されたときに、皮膚の炎症を最小限にしなければならない。有機溶媒の好適な例は、クエン酸アセチルトリブチル、ジメチルエステルのような脂肪酸エステル、アジピン酸ジイソブチル、アセトン、アセトニトリル、ベンジルアルコール、ブチルジグリコール、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジプロピレングリコール n−ブチルエーテル、エタノール、イソプロパノール、メタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、モノメチルアセトアミド、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、液状ポリオキシエチレングリコール、プロピレングリコール、N−メチルピロリドンのような2−ピロリドン類、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール、フタル酸ジエチル、エトキシジグリコール又はこれらの組合せを包含するが、これらに限定されない。好ましい実施態様では、有機溶媒は、ジエチレングリコールモノエチルエーテルを包含する。
【0030】
更に、一般に、有機溶媒は、局所組成物の約55%から約85%(w/w)の間で含有する。いくつかの実施態様では、有機溶媒は、全組成物の約85%、約80%、約75%、約70%、約65%、約60%又は約55%(w/w)含有する。例えば、局所組成物中に存在する有機溶媒の量は、好ましくは組成物の約60%から約80%(w/w)までの範囲である。別の実施態様では、局所組成物中の有機溶媒の量は、全組成物の約60%から約75%(w/w)までの範囲である。また別の実施態様では、局所組成物中の有機溶媒の量は、全組成物の約70%から約80%(w/w)までの範囲である。更に別の実施態様では、局所組成物中の有機溶媒の量は、60%から70%(w/w)である。
【0031】
局所組成物は、更に、酸化防止剤を含有してもよい。酸化防止剤は、一般に、他の分子の酸化を遅くする又は防止することができる化合物と定義される。酸化は、電子をオリジナルの基質から酸化剤に移動する化学反応である。酸化反応はフリーラジカルを産生することができ、これが細胞にダメージを与える連鎖反応を開始する。酸化防止剤は、フリーラジカル中間体を除去することによりこれらの連鎖反応を終結させ、及びそれら自身が酸化されることによって他の酸化反応を阻害する。局所組成物中では、酸化防止剤は、様々な成分が酸化プロセスによって分解されることを防止する、安定化剤として作用する。それに加えて、シフェノトリンを含む、ピレスロイドを混合した市販の組成物の多くが、動物が、知覚異常症(概して、穿痛感、痒み及び刺痛を含む皮膚感覚)を含む副作用をこうむるということを、報告している。しかし、局所組成物に酸化防止剤を含有することは、シフェノトリンを含む治療計画に伴う望まれない副作用を防止することを助ける。本発明の局所組成物は結晶化阻害剤を含有しないということが、注目されるべきである。
【0032】
本発明に混合される酸化防止剤は、一般に、本明細書に記載した有機溶媒と混和性でなければならない。酸化防止剤は、また、動物の皮膚に塗られたときに、動物、とりわけ、イヌ又はネコ、の皮膚に炎症を起こしてはならない。更に、酸化防止剤は天然であっても合成であってもよい。好適な酸化防止剤は、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、アノキサマー、N−アセチルシステイン、ベンジルイソシアナート、m−アミノ安息香酸、o−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸(PABA)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、カフェイン酸、カンタキサンチン、アルファ−カロテン、ベータ−カロテン、ベータ−カロテン、ベータ−アポ−カロテン酸、カルノソール、カルバクロール、カテキン類、没食子酸セチル、クロロゲン酸、クエン酸及びその塩、クローブエキス、コーヒービーンエキス、p−クマリン酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(DPPD)、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、2,6−ジ−tert−ブチルフェニル、没食子酸ドデシル、エデト酸、エラグ酸、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、エスクレチン、エスクリン、6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン、没食子酸エチル、エチルマルトール、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ユーカリプタスエキス、オイゲノール、フェルラ酸、フラボノイド類、(例えば、カテキン、エピカテキン、没食子酸エピカテキン、エピガロカテキン(EGC)、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、ポリフェノールエピガロカテキン−3−ガラート)、フラボン類(例えば、アピゲニン、クリシン、ルテオリン)、フラボノール類(例えば、ダチセチン、ミリセチン、ダエムフェロ)、フラバノン類、フラキセチン、エチン、フマル酸、没食子酸、ゲンチアンエキス、グルコン酸、グリシン、ガヤク樹脂(gum guaiacum)、ヘスペレチン、アルファ−ヒドロキシベンジルホスフィン酸、ヒドロキシシナモン酸、ヒドロキシグルタル酸、ハイドロキノン、N−ヒドロキシコハク酸、ヒドロキシトリロソール、ヒドロキシ尿素、米ふすまエキス、乳酸及びその塩、レシチン、クエン酸レシチン、R−アルファ−リポ酸、ルテイン、リコペン、リンゴ酸、マルトール、5−メトキシトリプタミン、没食子酸メチル、クエン酸モノグリセリド、クエン酸モノイソプロピル、モリン、ベータ−ナフトフラボン、ノルジヒドログアイアレチン酸(NDGA)、没食子酸オクチル、オキサロ酸、クエン酸パルミチル、チアジン、ホスファチジルコリン、リン酸、リン酸エステル類、フィチン酸、フィチルビクロメル(phytylubichromel)、ピメントエキス、没食子酸プロピル、ポリリン酸、クェルセチン、trans−レスベラトロール、ローズマリーエキス、ロズマリン酸、セージエキス、セサモール、シリマリン、シナピン酸、コハク酸、クエン酸ステアリル、シリンガ酸、酒石酸、チモール、トコフェロール類(例えば、アルファ−、ベータ−、ガンマ−及びデルタ−トコフェロール)、トコトリエノール類(例えば、アルファ−、ベータ−、ガンマ−及びデルタ−トコトリエノール類)、チロソール、バニラ酸、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール(即ち、イオノックス 100)、2,4−(トリス−3’,5’−ビ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−メシチレン(即ち、イオノックス 330)、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン、ユビキノン、tert−ブチルハイドロキノン(TBHQ)、チオジプロピオン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、トリプタミン、チラミン、尿酸、ビタミンK及びその誘導体、ビタミンQ10、小麦胚芽油、ゼアキサンチン、又はこれらの組合せを包含するが、これらに限定されない。当業者は、組成物に混合される酸化防止剤(ここに挙げられたものを包含する。)は、化合物の遊離形態に加えて、すべての潜在的な塩及びエステルを包含するということが理解できる。好ましくは、酸化防止剤は、酢酸トコフェロール、リノール酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、アスコルビルトコフェロールリン酸、ジオレイルトコフェロールメチルシラノール、トコフェルソラン、及びトコフェロールリノール酸/オレイン酸等のビタミンE化合物を包含する。例示的な実施態様では、酸化防止剤はニコチン酸トコフェロール[CAS No. 43119−47−7]を包含する。
【0033】
また、酸化防止剤は、全局所組成物の約10%(w/w)未満含有する。いくつかの実施態様では、酸化防止剤は、全組成物の約9%,8%,7%,6%,5%,4%,3%,2%,1%,0.1%,又は0%(w/w)含有する。例えば、局所組成物中に存在する酸化防止剤の量は、全組成物の約2%から約10%(w/w)の範囲であってよく、好ましくは、酸化防止剤は全組成物の約3%から約6%までの範囲である。別の実施態様では、局所組成物中に存在する酸化防止剤の量は、全組成物の、約4%から約6%(w/w)の範囲である。例示的な実施態様では、局所組成物中に存在する酸化防止剤の量は5.3%(w/w)である。
【0034】
局所組成物は、それらがここの活性薬剤に混合されている結果として組成物に添加される不活性な添加剤を更に含有してもよい。例えば、組成物のフィプロニル成分は、95%溶液で提供される。これは、フィプロニル成分のボリュームの95%が活性フィプロニル化合物であり、残りの5%は、結果的に組成物に持ち込まれる不活性な添加剤であることを意味する。そのように、殺虫剤は100%純粋な濃度でなくてよく、また、他の成分とともに購入されてもよい。当業者は、不活性な添加剤は、結合剤、充填剤、非発泡性崩壊剤、発泡性崩壊剤、防腐剤、希釈剤、滑剤、pH調整剤、安定化剤等を包含するがこれらに限定されないということを理解するだろう。しかし、不活性の添加剤は、典型的に、活性成分の一部として混合され、一般に局所組成物の物理的特性に影響を与えない、全局所組成物ボリュームの小さなパーセンテージ(概して1%未満)を構成するということが理解されるべきである。
【0035】
局所組成物の活性成分は、純粋濃度(100%濃度)の形態又は剤形中付加的な添加剤で希釈された組成物(すなわち、組成物中の活性成分の量は99.99%以下であり、残余は不活性の添加剤である)の形態で提供されてもよいということが理解されるべきである。当業者は、局所組成物に添加される活性成分の体積は、希釈を説明するため、及び最終的な局所組成物が適正な最終濃度の各活性成分を含有することを保証するために、調節される必要があることを理解するだろう。当業者は、また、局所組成物の様々な成分は、粉末、ブリケット、溶液又は懸濁液、ペレット、乳剤、エアロゾル、クリーム、ゲル、軟膏等を含む、非限定的な様々な剤形で提供されてもよいということを理解するだろう。
【0036】
更に、本発明の局所組成物は、局所組成物の様々な活性成分をお互いに接触させて、動物の皮膚への塗布のために好適な局所調合物を調製することよって製造され得る。本発明は、様々な医薬処方を包含するが、本発明の局所組成物は、概して、液体の溶液又は懸濁液を志向している。本発明の製剤は、公知の標準的な技術によって製造されてもよい。例えば、所望の局所組成物が液体の溶液である一つの実施態様では、組成物は、フィプロニル及びピレスロイド成分を持ってきて、溶媒系と接触させて、成分が溶解するまで穏やかに加熱及び撹拌することによって製造される。好ましい実施態様では、フィプロニル、ピレスロイド及び溶媒系を含有する局所組成物は、更に酸化防止剤と接触されてもよく、この組合せはその後撹拌されて、局所組成物を生成する。当業者は、局所組成物の様々な成分は、溶液が適切に撹拌及び混合される限り、相互に、所望の任意の順序で、接触及び混合されてもよいということを理解するだろう。
【0037】
局所組成物の物理的特性は、所望の物理的特性に依存して変化してもよい。しかし、局所組成物は、動物の皮膚に塗布することができ、局所組成物の活性成分が宿主動物によって吸収されることを可能とするために適切な停止を与えなければならない。好ましくは、本発明の局所組成物は、低い粘度をもつ。粘度は、流体中の内部摩擦による流動抵抗の尺度であり、センチストローク(cSt)で測定される。より低いcSt測定値は、流体中の小さな分子摩擦のため、流体がより少ない抵抗で流れることを意味する。粘度がより低いほど、より早く流体が流れる。高粘度の物質は、本質的に、濃厚でゼラチン状であり、流速が遅い。低粘度の物質は流速が速く、例は室温の水(20℃の水は約1cStの粘度をもつ。1cSt=1mm/秒)である。本発明の局所組成物は、典型的には、約0.01mm/秒から約100mm/秒までの範囲の粘度をもつ。より好ましい実施態様では、局所組成物は、約1mm/秒から約30mm/秒までの範囲の粘度をもつ。更に好ましい実施態様では、局所組成物は、約4mm/秒から約20mm/秒までの範囲の粘度をもつ。
【0038】
本発明の基本的な局所組成物は、フィプロニルを全局所組成物の約1%と約20%(w/w)の範囲内の濃度で、ピレスロイドを全局所組成物の約1%と約20%(w/w)の範囲内の濃度で、及び有機溶媒を全局所組成物の約55%と約85%(w/w)の範囲内の濃度で、含有する。基本的な局所組成物について、約8%から約11%(w/w)のフィプロニル、約3%から約16%(w/w)のピレスロイド及び約60%から約80%(w/w)の有機溶媒を、治療される動物のタイプに依存して、使用することが好ましい。基本的な局所組成物は、また、IGRを組成物の1%と20%(w/w)の間の濃度で、好ましくは全組成物の2%と12%(w/w)の間の濃度で、更に含有してもよい。更に好ましくは、IGRは、全組成物の4%と12%(w/w)の間の濃度で、組成物中に存在する。また、基本的な局所組成物は、全組成物の0%と約10%(w/w)の間の濃度で、好ましくは、全組成物の約4%と約6%(w/w)の間の濃度で、酸化防止剤を更に含有してもよい。
【0039】
好ましい実施態様では、本発明は、9.97%(w/w) フィプロニル、5.3%(w/w) シフェノトリン、79.43%(w/w) ジエチレングリコールモノエチルエーテル及び5.3%(w/w) ニコチン酸トコフェロールを含有する局所組成物を提供する。この局所組成物は、任意の哺乳動物を治療するために使用され得るが、イヌを治療するためが非常に望ましい。
【0040】
本発明の別の好ましい実施態様は、9.97%(w/w) フィプロニル、5.3%(w/w) シフェノトリン、9.21%(w/w) S−メトプレン、70.22%(w/w) ジエチレングリコールモノエチルエーテル及び5.3%(w/w) ニコチン酸トコフェロールを含有する局所組成物を含む。この局所組成物は、任意の哺乳動物を治療するために使用され得るが、イヌを治療するためが非常に望ましい。
【0041】
また別の好ましい実施態様では、本発明は、9.97%(w/w) フィプロニル、15.89%(w/w) エトフェンプロックス及び74.14%(w/w) ジエチレングリコールモノエチルエーテルを含有する局所組成物を提供する。この局所組成物は、任意の哺乳動物を治療するために使用され得るが、ネコを治療するためが非常に望ましい。
【0042】
更に別の好ましい実施態様では、本発明は、9.97%(w/w) フィプロニル、15.89%(w/w) エトフェンプロックス、12.36%(w/w) S−メトプレン及び61.78%(w/w) ジエチレングリコールモノエチルエーテルを含有する局所組成物を提供する。この局所組成物は、任意の哺乳動物を治療するために使用され得るが、ネコを治療するためが非常に望ましい。
【0043】
また別の好ましい実施態様では、本発明は、9.97%(w/w) フィプロニル、5.3%(w/w) シフェノトリン、4%(w/w) ピリプロキシフェン、75.43%(w/w) ジエチレングリコールモノエチルエーテル及び5.3%(w/w) ニコチン酸トコフェロールを含有する組成物を提供する。この局所組成物は、任意の哺乳動物を治療するために使用され得るが、イヌを治療するためが非常に望ましい。
【0044】
また別の好ましい実施態様では、本発明は、9.97%(w/w) フィプロニル、15.89%(w/w) エトフェンプロックスエトフェンプロックス、4.4%(w/w) ピリプロキシフェン及び69.74%(w/w)ジエチレングリコールモノエチルエーテルを含有する局所組成物を提供する。この局所組成物は、任意の哺乳動物を治療するために使用され得るが、ネコを治療するためが非常に望ましい。
【0045】
また、本発明は、約1%から20%(w/w)までのフィプロニル及び約1%から20%(w/w)までのピレスロイドを含有する局所組成物を、動物の両肩の間の局所的な皮膚に塗布する工程を備える、動物の上の害虫の蛹及び成虫を殺す方法を包含する。本発明の組成物を使用する方法は、好ましくは、基礎局所組成物の局所的な塗布を包含し、その組成物は、好ましくは、7%(w/w)から約12%(w/w)までのフィプロニル及び約3%から約16%(w/w)までのピレスロイドを含有し、更にIGRを、好ましくは全組成物の約4%から12%(w/w)までの濃度範囲で含有してもよい。
【0046】
この発明に従う組成物及び方法は、動物、特にイヌ及びネコへの塗布を志向し、一般に、皮膚への堆積によって塗布される(「spot−on」又は「pour−on」塗布)。治療は、典型的には、10cm未満、特に5及び10cmの表面領域への局所的な塗布を含む。概して、局所組成物は、塗布領域をなめると唾液分泌過多のような一時的な副作用を引き起こすかもしれないから、動物が塗布領域をなめられない領域に塗布されるべきである。特に、塗布は二点にすることが好ましく、好ましくは、動物の両肩の間に局在化される。局所組成物が塗布された後に、組成物は、具体的には、動物の体全体に、拡散し、その後、結晶化、又は外観(具体的には、白っぽい堆積物や埃っぽい外見がない)若しくは動物の被毛の感覚を変化させることなく、乾燥する。更に、本発明の方法は、本発明の局所組成物を動物の皮膚に4週間毎に塗布して、害虫の侵襲の連続的な治療及び予防を確実にすることを志向している。典型的には、複数の活性成分が宿主動物に一つの調合物の形で塗布される。
【0047】
本発明の好ましい実施態様では、動物の上の昆虫及び害虫の蛹及び成虫を殺す方法は、9.97%(w/w) フィプロニル、5.3%(w/w) シフェノトリン、79.43%(w/w) ジエチレングリコールモノエチルエーテル及び5.%(w/w) ニコチン酸トコフェロールを含有する局所組成物を、動物の両肩の間の局所的な皮膚に塗布する工程を備える。この方法は、任意の動物を治療するために使用され得るが、イヌを治療するためが非常に望ましい。
【0048】
本発明の別の好ましい実施態様では、イヌ又はネコの上の昆虫及び害虫の蛹及び成虫を殺す方法は、9.97%(w/w) フィプロニル、5.3%(w/w) シフェノトリン、9.21%(w/w) S−メトプレン、70.22%(w/w) ジエチレングリコールモノエチルエーテル及び5.3%(w/w) ニコチン酸トコフェロールを含有する局所組成物を、動物の両肩の間の局所的な皮膚に塗布する工程を備える。この方法は、任意の動物を治療するために使用され得るが、イヌを治療するためが非常に望ましい。
【0049】
本発明のまた別の好ましい実施態様では、動物の上の昆虫及び害虫の蛹及び成虫を殺す方法は、9.97%(w/w) フィプロニル、15.89%(w/w) エトフェンプロックス及び74.14%(w/w) ニコチン酸トコフェロールを含有する局所組成物を、動物の両肩の間の局所的な皮膚に塗布する工程を備える。この方法は、任意の動物を治療するために使用され得るが、ネコを治療するためが非常に望ましい。
【0050】
本発明のまた別の好ましい実施態様では、動物の上の昆虫及び害虫の蛹及び成虫を殺す方法は、9.97%(w/w) フィプロニル、15.89%(w/w) エトフェンプロックス、12.36%(w/w) S−メトプレン及び77.67%(w/w) ジエチレングリコールモノエチルエーテルを含有する局所組成物を、動物の両肩の間の局所的な皮膚に塗布する工程を備える。この方法は、任意の動物を治療するために使用され得るが、ネコを治療するためが非常に望ましい。
【0051】
本発明のまた別の好ましい実施態様では、動物の上の昆虫及び害虫の蛹及び成虫を殺す方法は、9.97%(w/w) フィプロニル、5.3%(w/w) シフェノトリン、4.0%(w/w) ピリプロキシフェン、75.43%(w/w) ジエチレングリコールモノエチルエーテル及び5.3%(w/w) ニコチン酸トコフェロールを含有する局所組成物を、動物の両肩の間の局所的な皮膚に塗布する工程を備える。この方法は、任意の動物を治療するために使用され得るが、イヌを治療するためが非常に望ましい。
【0052】
本発明のまた別の好ましい実施態様では、動物の上の昆虫及び害虫の蛹及び成虫を殺す方法は、9.97% (w/w) フィプロニル、15.89%(w/w) エトフェンプロックス、4.4%(w/w) ピリプロキシフェン及び85.63% (w/w) ジエチレングリコールモノエチルエーテルを含有する局所組成物を、動物の両肩の間の局所的な皮膚に塗布する工程を備える。この方法は、任意の動物を治療するために使用され得るが、ネコを治療するためが非常に望ましい。
【0053】
本発明の他の実施態様では、昆虫を殺す方法は、宿主動物の体重の約0.1mg/kgから約40mg/kgまでの範囲の活性成分フィプロニルの用量を送達するために十分な体積で塗布されるように行われる。好ましい実施態様では、フィプロニルの用量は宿主動物の体重の約2mg/kgから約20mg/kgの範囲である。より好ましい実施態様では、局所組成物の塗布は、宿主動物の体重の約5mg/kgから約15mg/kgまでの範囲のピレスロイドの用量を送達するために十分な体積を含む。
【0054】
別の実施態様では、昆虫を殺す方法は、宿主動物の体重の約0.1mg/kgから約40mg/kgまでの範囲の活性成分ピレスロイドの用量を送達するために十分な体積で塗布されるように行われる。好ましい実施態様では、ピレスロイドの用量は宿主動物の体重の約0.5mg/kgから約20mg/kgの範囲である。より好ましい実施態様では、局所組成物の塗布は、宿主動物の体重の約0.5mg/kgから約10mg/kgまでの範囲のピレスロイドの用量を送達するために十分な体積を含む。
【0055】
別の実施態様では、昆虫を殺す方法は、局所組成物がIGRを更に含有し、宿主動物の体重の約0.1mg/kgから約40mg/kgまでの範囲の昆虫成長制御性活性成分の用量を送達するために十分な体積で塗布されるように行われる。好ましい実施態様では、昆虫成長制御剤の用量は宿主動物の体重の約0.2mg/kgから約20mg/kgの範囲である。より好ましい実施態様では、局所組成物の塗布は、宿主動物の体重の約0.5mg/kgから約10mg/kgまでの範囲の昆虫成長制御剤の用量を送達するために十分な体積を含む。
【0056】
当業者は、上記により与えられた用量の範囲は、広い範囲内で変化してもよいおおよその値であるということを理解するだろう。用量の変化は、実際には、局所組成物は、所定の用量及び体積で、ある範囲内の体重の動物に塗布されるという事実のせいである。結果として、動物に実際に塗布される用量は、毒性又は効果の減少に関するリスクを増大させることなく、好ましい用量に関して、0.1〜10倍変化させてもよい。
【0057】
組成物の各成分は、広い範囲の害虫及び寄生虫に対して有効であるが、組成物は、ノミ(Ctenocephalides属の種を含む)及びダニ(Rhipecephalus、Ixodes及びTrichodectes各属の種を含む)の治療のために特に開発された。更に、塗布の頻度は、侵襲の重篤度と同様に、個々の動物の必要に従って変化させてもよい。ノミの治療は、週1回繰り返してもよく、又はノミの侵襲若しくはフレアアップの1回の急性治療のために残しておいてもよい。本発明の一実施態様では、ノミの治療は、約4週間、5週間又は6週間ごとに繰り返されてもよい。別の実施態様では、害虫の侵襲の1回治療のために、局所組成物が宿主動物に塗布される。ダニの治療に関して、局所組成物の塗布スケジュールは、治療されるダニのタイプに依存して変化する。麻痺性ダニ(Ixodes species)の治療は他の種よりも頻繁にすることが一般に推奨される。本発明の実施態様では、麻痺性ダニは、1から4週間までの頻度で治療されるが、治療は二週間ごとが好ましい。ダニの他の属は、一般に、ノミの侵襲の治療に類似の、好ましくはおよそ4から6週間までの範囲の、治療スケジュールを持つ。別の実施態様では、局所組成物は、ダニの侵襲の治療のために、1回限り塗布される。
【0058】
本明細書に記載された発明は、様々な改変及び代替反復(alternative iterations)が可能であるが、その特定の実施態様は可成り詳細に上記に記載されている。しかし、局所組成物の詳細な説明は、本発明を特定の開示された実施態様に限定することを意図していないということが理解されるべきである。むしろ、本発明は、請求項の文言によって定められる発明の要旨及び範囲内に落ちるような全ての改変、均等物及び選択物をカバーすることを意図していると理解されるべきである。
【0059】
定義
本明細書中で使用されるように、「約」及び「およそ」のの用語は、値が統計的に意味のある範囲内であることを示す。そのような範囲は、与えられた値又は範囲の典型的には20%以内、より典型的には10%以内、更に典型的には5%以内であり得る。「約」及び「およそ」の用語によって包含される許容可能な変量は、試験の特定の系に依存し、当業者によって容易に理解される
【0060】
本明細書中で使用されるように、「w/w」の用語は、「重量によって(by weight)」の語句を示し、混合物又は溶液中の特定の物質の濃度を記載するために使用される。
【0061】
本明細書中で使用されるように、「mL/kg」の用語は、体重1kgあたりの組成物のミリリットルを示す。
【0062】
本明細書中で使用されるように、「a.i.」は活性成分(active ingredient)を示す。
【0063】
本明細書中で使用されるように、害虫の侵襲のような状態の「治療」又は状態を「治療する」の用語は、存在する状態を抑制すること、若しくはその進展を阻止すること、又はその状態を改善すること、若しくは退縮を引き起こすことを包含する。昆虫又は害虫の侵襲のような状態を「予防すること」又は状態の「予防」は、状態の進展又は発達を、それが始まる前に、実質的に阻止又は抑制することを包含する。本明細書において侵襲を治療又は予防する組成物は、好ましくは少なくとも90%以上の効果を示す。
【0064】
本明細書中で使用されるように、「殺虫剤」又は「殺虫性」の用語は、害虫の侵襲を予防し、減少し、又は除去することができる、薬剤又は薬剤を含有する組成物をいう。本発明の好ましい殺虫剤は、フィプロニル、シフェノトリン及びエトフェンプロックスを含有する。
【0065】
本明細書中で使用されるように、「昆虫成長制御剤」又は「IGR」の用語は、害虫が決して成熟して成虫にならず、増殖不能になるように、害虫のライフサイクルを中断又は抑制することができる薬剤をいう。本発明の好ましいIGRは、S−メトプレン及びピリプロキシフェンを包含する。
【0066】
本明細書中で使用されるように、「動物」の用語は哺乳動物、特にコンパニオンアニマルをいい、イヌ、ネコ、ウサギ、フェレット、ウマ及びハムスターを包含するが、これらに限定はされない。
【0067】
本明細書中で使用されるように、「害虫」及び「昆虫」の用語は任意の外部寄生虫をいい、ノミ、マダニ、ハエ、ヒツジシラミバエ、カ及びダニを包含するが、これらに限定はされない。
【0068】
以下の実施例は、本発明を更に具体的に説明及び解説しようとするものである。それゆえ、本発明は、これらの実施例中のどんな詳細にも限定されてはならない。
【実施例】
【0069】
実施例1 − イヌ用のフィプロニル/シフェノトリン局所殺虫性組成物の製造方法
【表1】

【0070】
ジエチレングリコールモノエチルエーテル及びニコチン酸トコフェロールが容器に入れられ、50℃の温度に加熱された(約1時間)。加熱後、フィプロニル及びシフェノトリンがその容器に加えられ、全ての成分が、均一な溶液が形成されるまで混合された(約1時間)。
【0071】
実施例2 − イヌ用のフィプロニル/S−メトプレン/シフェノトリン局所殺虫性組成物の製造方法
【表2】

【0072】
ジエチレングリコールモノエチルエーテル及びニコチン酸トコフェロールが容器に入れられ、50℃の温度に加熱された(約1時間)。加熱後、フィプロニル、シフェノトリン及びS−メトプレンがその容器に加えられ、全ての成分が、均一な溶液が形成されるまで混合された(約1時間)。
【0073】
実施例3 − ネコ用のフィプロニル/エトフェンプロックス局所殺虫性組成物の製造方法
【表3】

【0074】
ジエチレングリコールモノエチルエーテルが容器に入れられ、50℃の温度に加熱された(約1時間)。加熱後、フィプロニル及びエトフェンプロックスがその容器に加えられ、全ての成分が、均一な溶液が形成されるまで混合された(約1時間)。
【0075】
実施例4 − ネコ用のフィプロニル/エトフェンプロックス/S−メトプレン局所殺虫性組成物の製造方法
【表4】

【0076】
ジエチレングリコールモノエチルエーテルが容器に入れられ、50℃の温度に加熱された(約1時間)。加熱後、フィプロニル、エトフェンプロックス及びS−メトプレンがその容器に加えられ、全ての成分が、均一な溶液を形成するまで混合された(約1時間)。
【0077】
実施例5 − イヌの上のノミ及びダニの治療についての、フィプロニルを含有する局所組成物並びにフィプロニル及びシフェノトリンを含有する局所組成物の効果の評価
二重盲検、管理下試験が、実施例1と似た方法で調製されたフィプロニル及びシフェノトリンを含有する局所組成物での治療と、フィプロニルのみを含有する組成物での治療との間の、ダニ及びノミに対する殺虫率における相違を示すために行われた。
【0078】
合計で18匹のイヌが3つの治療グループにランダムに分けられた。グループAは、対照グループであり、ノミ及びダニに対するいかなる治療も受けず、活性剤治療計画に対する比較のポイントとして使用された。グループBは、8.38%(w/w) フィプロニル及び4.76%(w/w) シフェノトリンの組合せのフィプロニル/シフェノトリン局所組成物を用いる治療を受けた活性剤治療グループである。最後に、グループCは、8.8%(w/w) フィプロニルのみを用いる治療を受けた活性剤治療グループである。全ての活性剤治療について、局所塗布は、本発明に従った方法でイヌに展開及び塗布された。実験に参加した全てのイヌは、まず、ノミ及びダニの両方の侵襲を受けているとみなされた。実験は、全ての治療グループが適当な治療を施され、それから塗布の後、1時間の時点で、又は4時間の時点で観察されるようにデザインされた。塗布後の観察期間の間、イヌは、そのイヌの体の所定の領域に、所定の期間の間、1片の試験紙と接触させられた。その紙は、死亡したダニ及びノミが紙にくっつき、治療による害虫の減少率を測定するために、対照グループ(グループA)との比較のために、死亡したダニ及びノミの数が計数できるようにデザインされた。また、観察領域内でイヌの上に残っているダニ及びノミの数も計算された。
【0079】
それぞれのグループ(グループA、グループB及びグループC)のイヌは、第1日目に、ダニ及びノミによる侵襲がされ、2つの活性剤治療グループ(グループB及びグループC)は、その後、第0日目に治療を受けた。プロトコールは、活性剤局所組成物での最初の治療の後の、その後の侵襲に関する2回の治療の効果を試験するようにデザインされた。最初の侵襲の後、イヌは、およそ4週間の期間にわたり、第30日まで観察されながら、4回間隔をあけて、各週の最初の日(第7、14、21及び28日)に、再びノミによって侵襲された。後の侵襲のそれぞれについて、各治療グループのイヌは、侵襲後1時間、侵襲後4時間、侵襲後1日(24時間)、及び侵襲後2日(48時間)の、ノミ(Ctenophalides felis)及びダニ(Rhipicephalus sanguineus)に対する殺虫率を測定するために観察された。第1表及び第2表中の値は、それぞれ、後の侵襲後の各治療グループのイヌの上に存在していたダニ及びノミの数における、平均減少パーセントを表し、グループB(フィプロニル及びシフェノトリン)の治療結果をグループC(フィプロニル)と比較する。
【0080】
【表5】

【0081】
第1表は、上記した2つの治療グループの平均ダニ殺虫率についての情報を提供する。グループBのイヌは、8.38% フィプロニル及び4.76% シフェノトリンの組合せを用いて治療され、治療後1時間及び4時間(第0日)、並びに全ての再侵襲期間(第7、14、21及び28日)の後、グループC(8.8%フィプロニルを用いた治療)と比べて、著しく高い平均ダニ殺虫率が得られた。従って、第1表は、フィプロニル及びシフェノトリンの組合せを用いる治療が、最初の治療後1時間及び4時間の時点並びに後の再侵襲後に、ダニに対する著しく高い平均殺虫率及び殺虫スピードをもたらすことを説明する。第1表は、また、フィプロニル及びシフェノトリンの組合せを用いる治療が、ダニの侵襲の治療及び予防に対する殺虫性組成物の塗布後30日までの長期間の効果を提供することを説明する。
【0082】
【表6】

【0083】
第2表から明らかなように、8.38% フィプロニル及び4.76% シフェノトリンの組合せで治療されたイヌ(グループB)は、それに続く侵襲時期(第7、14、21及び28日)の全てについて、侵襲後1時間及び4時間の時点で、より高い平均ノミ殺虫率を得た。全ての再侵襲間隔で、フィプロニル及びシフェノトリンで治療されたイヌ(グループB)は、再侵襲後の1時間及び4時間の時点で存在するノミの数において、より大きな平均減少率を得た。かくして、この実施例の結果は、フィプロニル及びシフェノトリンの組合せを用いる治療が、治療後1時間及び4時間の時点で、著しく大きな平均殺虫率及び殺虫の早さをもたらし、治療後30日間にわたる長期間の治療効果を提供することを示す。
【0084】
第1表及び第2表に示される実験データは、フィプロニル及びシフェノトリンの組合せを用いる治療が、フィプロニル単独での治療と比べて、治療後1時間及び4時間の時点で、ノミ及びダニに対するより大きな平均殺虫率及び殺虫の早さをもたらすということを示す。更に、第1表及び第2表は、フィプロニル及びシフェノトリンの組合せによる優れた殺虫率が、その治療後に4回、ノミ及びダニの両方を用いて宿主イヌに再侵襲した後、局所組成物の最初の塗布後30日まで持続したということを示す。
【0085】
実施例6 − イヌの上のノミ及びダニの治療についての、フィプロニル及びS−メトプレンを含有する局所組成物並びにフィプロニル、S−メトプレン及びシフェノトリンを含有する局所組成物の効果の評価
二重盲検、ランダム化、単一施設、管理下試験が、イヌの上のダニ及びノミの治療における、実施例2と同様の方法で調製されたシフェノトリンで強化されたフィプロニル及びS−メトプレンの局所組成物の効果を示すために、シフェノトリンで強化されていないフィプロニル及びS−メトプレンの局所組成物と比べて、行われた。
【0086】
試験はイヌの13グループについて行われた。合計78匹のイヌに対して、各グループは6匹のイヌから構成された。イヌは体重によって分類され、4つの体重カテゴリーにランダムに振り分けられた。A(4lbs〜22.9lbs)、B(23lbs〜44.9lbs)、C(45lbs〜88.9lbs)及びD(25lbs〜35.9lbs.)。コントロールのイヌ(グループ1)は、軽、中及び重体重を代表するように選択され、寄生虫数を多い方に偏らすことなく、許容可能な数のノミ及びダニを有していた。それぞれの重量カテゴリ(A、B、C、D)の中で、イヌはグループ2、3又は4にランダムに振り分けられ、かくしてそれぞれの重量カテゴリー(A、B、C、D)の内部で3つのグループ(2、3、4)を形成した。第3表に示されるように、3種類の局所組成物が、各グループのイヌに1種類ずつ、局所に塗布された。フィプロニル及びS−メトプレンの局所製品(1つはこの試験のために再調剤されたものであり、1つは市販のものである)のそれぞれは、9.8% フィプロニル及び8.8% S−メトプレンから構成されていた。フィプロニル、S−メトプレン及びシフェノトリンの局所製品は、9.8% フィプロニル、8.8% S−メトプレン及び5.0% シフェノトリンから構成されていた。治療されたイヌに与えられた用量ボリュームは、通常の用量(すなわち、重量23lbs未満のイヌに対して0.67mL、重量23lbsと44.9lbsとの間のイヌに対して1.67mL、及び重量45lbsと88.9lbsとの間のイヌに対して2.69mL)に従った。イヌの第4のサブグループ(D)は、重量89〜132lbsのグループにおける上限でイヌに塗布される、計算された最小量の活性成分の用量を与える0.67mL/kgの体積用量の検体を用いて治療された。
【0087】
【表7】

【0088】
3種類の活性治療剤が、試験の開始時に1回、各グループに適用された(第0日)。イヌは、治療後第30日まで観察されながら、およそ4週間の期間の間、5つのインターバル(第−1、7、14、21及び28日)で、ノミ(Ctenophalides felis)及びダニ(Rhipicephalus sanguineus、Dermacentor variabilis及びHaemaphysalis elliptica)を用いて侵襲された。最初の治療後の各侵襲について、各治療グループのイヌは、侵襲後1時間、侵襲後4時間、侵襲後1日(24時間)及び2日(48時間)の時点でのダニの殺虫率を測定するために、観察された。ダニは、試験される動物の各領域(すなわち、足、尾及び肛門の領域を含む後脚の外側、両肩を含まない水平領域、胸から後脚の内側までの腹部領域、前脚及び足を含む両肩、首全体及び頭領域、並びに肩甲骨から尾の基部までの鰻線)において被毛をかき分け、触診した後に直接観察により発見された。治療/再侵襲後24時間及び48時間の自邸での、ダニについての各治療の効果(%)は、第4表及び第5表に示される。
【0089】
ノミの計数は、治療後48時間(すなわち、第2日)及び各再侵襲後48時間(すなわち、第9、16、23及び30日)の時点でのみ行われた。動物の毛衣に存在するノミを回収するために、目の詰んだ櫛が使用された。櫛をかける方法は、試験される動物の各領域(すなわち、足、尾及び肛門の領域を含む後脚の外側、両肩を含まない水平領域、胸から後脚の内側までの腹部領域、前脚及び足を含む両肩、首全体及び頭領域、並びに肩甲骨から尾の基部までの鰻線)において、数回の櫛のストロークによった。各回の櫛のストロークは、被毛のパターンに従って、同じ方向で行われた。動物の毛衣のある部分から次への移動は、毛衣の領域が取りこぼされないように、互いに重なるストロークによった。ノミについての治療の効果は、第6表に示される。
【0090】
【表8】

【0091】
第4表に示されるように、既存のダニ(第−1日の侵襲)に対する効果は、最初の治療後24及び48時間の時点で、全ての検体にとって、イレギュラーであった。全体的にみて、シフェノトリンで強化された治療(グループ3A、3B、3C及び3D)についてのより高い平均ダニ殺虫率が、イヌの体重クラスの全てにおいて、記録されたダニの両方の種に対して、侵襲後24時間の時点で観察された。用量範囲に従って治療された異なるイヌの体重クラスについて、ダニに対するシフェノトリンで強化されたフィプロニル治療の効果は、治療後48時間で、>90%又は僅かに90%を下回った。第4表は、また、フィプロニル/IGR及びシフェノトリンの組合せを用いる治療は、ダニの侵襲の治療及び予防について、その組成物の適用後30日までの、長期の効果を提供するということを示す。
【0092】
【表9】

【0093】
第5表は、強化された局所組成物が、特に、シフェノトリンを含有しない組成物(グループ2及び4)と比べて、新規のダニに対する、より優れた即時の効果を一貫して提供することを示す。再侵襲後1及び4時間の時点でダニを殺す/撃退する効果が、第7及び21日にダニの両方の種について、第28日にR. sanguineusについて、観察された。かくして、第5表は、フィプロニル及びシフェノトリンの組合せを用いる治療が、最初の治療後とそれに続く再侵襲後の1時間及び4時間の時点で、ダニに対する著しく高い殺虫率及び殺虫速さをもたらすということを示している。
【0094】
【表10】

【0095】
第6表は、市販のフィプロニル/IGR組成物の効果が中重量範囲のイヌに対して100%を維持できなかったのに対し、シフェノトリンで強化された組成物の効果が、試験を通じて(すなわち、第30日まで)、全ての体重のイヌについて、100%であったことを示す。
【0096】
要約すると、治療後48時間及び再侵襲後48時間の時点で測定された、ノミに対する強化された製剤の効果は、100%であった。シフェノトリンで強化された製剤は、シフェノトリンを含有しない市販のフィプロニル/IGR製剤と比べて、しばしば、より効果的であった。新規なダニの侵襲に対する治療後30日を超える残留効果は、体重グループのすべてにおいて、90%をよく超えていたが、試験の最終週では、市販製品について、体重グループの半分において、90%よりもずっと少なかった。5% シフェノトリンを用いる製剤の強化は、第7及び21日の新規なダニ(D. variabilis及びR. sanguineus)及び第28日のR. sanguineusに対統計学的にする即時の効果を改善した。強化製剤を2種類のフィプロニルのみの検体と比較することは、強化された検体は再侵襲後の1及び4時間の時点において大きな撃退作用を提供したということを示す。
【0097】
実施例7 − ネコの上のノミ及びダニの治療についての、フィプロニル/S−メトプレンを含有する局所組成物及びフィプロニル/S−メトプレン/エトフェンプロックスを含有する局所組成物の効果の評価
二重盲検、ランダム化、単一施設、管理下試験が、ネコの上のダニ及びノミの治療における、エトフェンプロックスで強化されたフィプロニル/IGR局所組成物の効果を示すために、エトフェンプロックスで強化されていないフィプロニル/IGR局所組成物と比較して、行われた。9.8% フィプロニル及び11.8% S−メトプレンを含有する試験的な局所製剤は、15% エトフェンプロックスを添加することによって強化された。この強化組成物は、エトフェンプロックスで強化されていない2種類のフィプロニル/S−メトプレン製剤とともに、既存のノミ及びダニに対する効果を評価された。
【0098】
試験はネコの7グループについて行われた。合計42匹のネコに対して、各グループは6匹の猫から構成された。ネコは7グループにランダムに振り分けられた。エトフェンプロックステクニカル活性剤(97% a.i.)が、15%の率で、基本フィプロニル/メトプレン製剤(9.8% フィプロニル、11.8% S−メトプレン)に添加され、強化製剤を与えた。エトフェンプロックスを含有しない2種類のフィプロニル−メトプレン製剤は、9.8% フィプロニル及び11.8% S−メトプレンを含有していた。一方のフィプロニル/メトプレン製剤は、試験のために再調剤され、もう一方は市販品であり、この試験では陽性コントロールとして利用された。強化製剤が0.50mL単位用量で6匹の治療されたネコのグループ(グループ2A)に適用された。強化されていない製剤が0.50mL単位用量でそれぞれ6匹のネコからなる2つのグループ(グループ3A及び4A)に適用された。それぞれ6匹のネコからなる、3つの付加的なグループが、体重20lbのネコを0.5mLの用量ボリューム(およそ、0.055mL/kg)で治療することに匹敵する、最小用量で、検体を適用することによって治療された。強化された製剤が、この用量で、グループ2Bに投与され、強化されていない製剤がこの用量でグループ3B及び4Bに投与された。全ての治療されたネコの体重仕様は、10lb+/−5lbであった。6匹のネコからなる7番目のグループ(グループ1)は、非治療対照として利用された。第7表は、この試験におけるネコのグループ分け、治療及び用量を説明する。
【0099】
【表11】

【0100】
ネコは、約4週間の期間の間、治療後30日まで監視をしながら、第−1、7、14、21及び28日に100匹のノミ(Ctenophalides felis)及び50匹のダニ(第7日にRhipicephalus turanicus;第−1、21及び28日にDermacentor variabilis;第14日にHaemaphysalis elliptica)によって侵襲された。防虫性の証拠として殺す速さを測定するために、ダニの計数は、ダニを撹乱し又は除去することなく、治療の日(第0日)及び同様に第8、15、22及び28日の再侵襲の後、検体の塗布後1時間及び24時間の時点で行われた。ダニの計数は、治療後及び各再侵襲の後、24時間及び48時間の時点でも行われた。ダニは、試験される動物の各領域(すなわち、足、尾及び肛門の領域を含む後脚の外側、両肩を含まない水平領域、胸から後脚の内側までの腹部領域、前脚及び足を含む両肩、首全体及び頭領域、並びに肩甲骨から尾の基部までの鰻線)において、被毛をかきわけ、触診した後に直接観察により発見された。治療及び再侵襲の後24時間及び48時間の時点での、ダニについての各治療の効果(%)は、第8表に示される。治療及び再侵襲の後1時間及び4時間の時点での、ダニについてのそれぞれの治療の効果(%)は、第9表に示される。
【0101】
【表12】

【0102】
第8表に示されるように、全ラベル用量(0.5mL)を用いた全3つの検体は、治療及び再侵襲の後48時間の時点で、ダニを殺す/撃退することについて90%の効果を達成する/超えることによって、同様に働く。ほとんど全ラベル用量を受けるグループのみ、時たま、治療の後又は再侵襲の後、24時間の時点でも、ダニに対する十分な効果(=/>90%)が示された。最小用量で治療したグループ(グループ2B、3B及び4B)は、第4週における陽性対照グループ(グループ4B)を除いて、48時間の時点で、ノミに対して、90%の効果又は僅かに90%を下回る(すなわち、少なくとも85%〜89%の間)効果を達成した。
【0103】
【表13】

【0104】
第9表は、治療後1時間及び4時間の時点での、及び再侵襲後の、ダニを殺虫/撃退する効果が、基本的なフィプロニル−メトプレン製剤のエトフェンプロックスによる増強に起因する即時の効果における改善を示さないということを説明する。ダニに対して示される即時の効果は、3つの場合(4時間の時点でのカウント)についてのみ妥当(≧90%)であり、これらの3つのイベントが製剤又は用量に一貫して関連しているようにはみえない。
【0105】
【表14】

【0106】
第10表は、0.055mL/kgの最小用量でネコに施された3つの治療は、すべて、ノミに対する90%を超える即時の効果並びに4週間(グループ2B及び3B)及び3週間(グループ4B)にわたる>90%の持続する効果を有していたということを説明する。また、第10表は、0.50mL/ネコの用量でネコに施された3つの治療は、すべて、ノミに対する、>90%の即時(第2日)及び4週間持続する効果を有していた。
【0107】
要約すると、全ラベル用量でのみ投与されたとき(グループ2A及び4A)、試験の終わりにおいて、全部及び半分の用量の両方で、ノミに及びダニ対する90%又はよりよい効果を提供する唯一の検体は、増強されたフィプロニル−メトプレン(グループ2)及び陽性対照検体(グループ4)であった。試験の4週間目において、両方とも、ノミ及びダニに対する十分な効果を提供した。
【0108】
実施例8: 増強されたフィプロニル、S−メトプレン及びシフェノトリン組成物に対する、フィプロニル及びS−メトプレン組成物の試験
二重盲検、管理下試験が、フィプロニル及びS−メトプレンを含有する局所組成物を用いた治療と、実施例2に類似の方法で調製されたフィプロニル、S−メトプレン及びシフェノトリンを含有する強化された局所組成物を用いる治療との間の、ダニ及びノミに対する殺虫率における相違を示すために行われた。
【0109】
合計で18匹のイヌが3つの治療グループにランダムに分けられた。グループAは、対照グループであり、治療を受けなかった。グループBは、9.8% フィプロニル、8.8% S−メトプレン及び5% シフェノトリンの強化された組合せを用いる治療を受けた活性剤治療グループである。グループCは、9.8% フィプロニル及び8.8% S−メトプレンの組合せを用いる治療を受けた活性剤治療グループである。全ての治療について、局所組成物は、本発明に従った方法でイヌに展開及び塗布された。実験に参加した全てのイヌは、まず、ノミ及びダニの両方の侵襲を受けているとみなされた。実験は、全ての治療グループが適当な治療を施され、それから塗布の後、1時間の時点及び4時間の時点で観察されるようにデザインされた。塗布後の観察期間の間、イヌは、そのイヌの体の所定の領域に、所定の期間の間、1片の試験紙と接触させられた。その紙は、死亡したダニ及びノミが紙にくっつき、治療による害虫の減少率を測定するために、対照グループ(グループA)との比較のために、死亡したダニ及びノミの数が計数できるようにデザインされた。また、観察領域内でイヌの上に残っているダニ及びノミの数も計算された。実験の結果は第11表に示される。
【0110】
【表15】

【0111】
第11表から明らかなように、グループB(シフェノトリンを含有する治療)は、グループC(シフェノトリンなしの治療)と比較して、治療の最初の1時間内のダニ及びノミの殺虫数において、大きな減少が認められた。グループAを侵襲されたイヌの上に存在するダニ及びノミの数に対する平均ベースラインとして用いて、グループBのイヌは、1時間後に、そのイヌの皮膚上に存在するダニ及びノミの平均数において、それぞれ、87.6%及び75.5%の減少が認められた。一方、グループCのイヌは、1時間後に、そのイヌの皮膚上に存在するダニ及びノミの平均数において、それぞれ、8.4%及び12.3%の減少が認められた。
【0112】
更に、4時間の時点では、グループBのイヌは、動物の皮膚上に残ったダニ及びノミの数における平均減少率が、それぞれ、96.4%及び95.9%であった。グループCのイヌは、平均減少率が94.6%及び76.3%であった。かくして、動物の上のダニにおける平均減少率は類似していたが、イヌの皮膚上のノミにおける平均減少率は、著しく高かった(グループBで95.9% vs グループCで76.3%)。最終的に、グループBについての、紙の上で死亡した死亡ダニ及びノミの全数は、グループCと比較して、高かった。治療グループBは、治療グループCについてのダニ29.7及びノミ49.0という全平均殺虫率に比べて、4時間の過程で、平均で、ダニ44.5及びノミ59.5という全殺虫率を示した。したがって、フィプロニル、S−メトプレン及びシフェノトリンの組合せでの治療は、1時間後の著しく高い平均殺虫率を得ることができ、治療後数時間の間、ダニ及びノミに対する高い平均殺虫率を維持した。
【0113】
本明細書中に開示され及び主張された組成物及び方法の全ては、本開示を参照して、過度の実験をすることなく、作れ、及び実施することができる。この発明の組成物及び方法は、好ましい実施態様の観点で記載されているが、当業者にとっては、本発明の発想、要旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載された組成物並びに方法及び方法中の工程又は工程の順序に変更を適用してもよいことが明らかである。より具体的には、化学的及び生理学的に関連する薬剤は、同一又は類似の結果が達成される限り、本明細書に記載された薬剤と置換してもよい。当業者にとって明らかな類似した置換及び改変の全ては、以下の請求項によって定義される発明の要旨、範囲及び発想の範囲内であるとみなされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
8%から11%(w/w)のフィプロニルと、3%から16%(w/w)のピレスロイドと、60%から80%(w/w)の有機溶媒とを含有する局所殺虫性組成物。
【請求項2】
8%から11%(w/w)のフィプロニルと、4%から6%(w/w)のピレスロイドと、70%から80%(w/w)の有機溶媒とを含有する、請求項1に記載の局所殺虫性組成物。
【請求項3】
前記ピレスロイドがシフェノトリンである、請求項2に記載の局所殺虫性組成物。
【請求項4】
8%から11%(w/w)のフィプロニルと、14%から16%のピレスロイドと、60%から75%(w/w)の有機溶媒とを含有する、請求項1に記載の局所殺虫性組成物
【請求項5】
前記ピレスロイドがエトフェンプロックスである、請求項4に記載の局所殺虫性組成物。
【請求項6】
前記有機溶媒がジエチレングリコールモノエチルエーテルである、請求項1に記載の局所殺虫性組成物。
【請求項7】
更に、酸化防止剤を含有する、請求項1に記載の局所殺虫性組成物。
【請求項8】
前記酸化防止剤が4%から6%(w/w)の濃度で前記組成物中に存在する、請求項7に記載の局所殺虫性組成物。
【請求項9】
前記酸化防止剤がニコチン酸トコフェロールである、請求項7に記載の局所殺虫性組成物。
【請求項10】
更に、昆虫成長制御剤を含有する、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項11】
前記昆虫成長制御剤が2%から15%(w/w)の濃度で前記組成物中に存在する、請求項10に記載の局所組成物。
【請求項12】
前記昆虫成長制御剤が3%から5%(w/w)の濃度で前記組成物中に存在する、請求項10に記載の局所組成物。
【請求項13】
前記昆虫成長制御剤がピリプロキシフェンである、請求項12に記載の局所組成物。
【請求項14】
前記昆虫成長制御剤が8%から12%(w/w)の濃度で前記組成物中に存在する、請求項10に記載の局所組成物。
【請求項15】
前記昆虫成長制御剤がS−メトプレンである、請求項14に記載の局所組成物。
【請求項16】
8%から11%(w/w)のフィプロニルと、3%から16%(w/w)のピレスロイドと、2%から15%(w/w)の昆虫成長制御剤と、60%から80%(w/w)の有機溶媒とを含有する局所殺虫性組成物
【請求項17】
a. 8%から11%(w/w)のフィプロニル;
b. 4%から6%(w/w)のシフェノトリン;
c. 75%から80%(w/w)の有機溶媒;及び
d. 4%から6%(w/w)の酸化防止剤
を含有する局所殺虫性組成物。
【請求項18】
a. 8%から11%(w/w)のフィプロニル;
b. 4%から6%(w/w)のシフェノトリン;
c. 8%から12%(w/w)のS−メトプレン;
d. 65%から70%(w/w)の有機溶媒;及び
e. 4%から6%(w/w)の酸化防止剤
を含有する局所殺虫性組成物。
【請求項19】
a. 8%から11%(w/w)のフィプロニル;
b. 14%から16%(w/w)のエトフェンプロックス;及び
c. 70%から75%(w/w)の有機溶媒
を含有する局所殺虫性組成物。
【請求項20】
a. 8%から11%(w/w)のフィプロニル;
b. 14%から16%(w/w)のエトフェンプロックス;
c. 11%から13%(w/w)のS−メトプレン;及び
d. 60%から65%(w/w)の有機溶媒
を含有する局所殺虫性組成物。
【請求項21】
a. 8%から11%(w/w)のフィプロニル;
b. 4%から6%(w/w)のシフェノトリン;
c. 3%から5%(w/w)のピリプロキシフェン;
d. 75%から80%(w/w)の有機溶媒;及び
e. 4%から6%(w/w)の酸化防止剤
を含有する局所殺虫性組成物。
【請求項22】
a. 8%から11%(w/w)のフィプロニル;
b. 14%から16%(w/w)のエトフェンプロックス;
c. 3%から5%(w/w)のピリプロキシフェン;及び
d. 65%から70%(w/w)の有機溶媒
を含有する局所殺虫性組成物。
【請求項23】
8%から11%(w/w)のフィプロニル、3%から16%(w/w)のピレスロイド及び60%から80%(w/w)の有機溶媒を含有する局所組成物を、動物の両肩の間の局所的な皮膚に塗布する工程を備える、動物の上の昆虫及び害虫の蛹及び成虫を殺す方法。
【請求項24】
前記局所組成物が4%から6%(w/w)のピレスロイドを含有する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記動物が哺乳動物である、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記哺乳動物がイヌ又はネコを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記局所組成物が昆虫成長制御剤を更に含有する、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記昆虫成長制御剤が、2%から15%(w/w)の濃度で、前記組成物中に存在する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記局所組成物が4%から6%(w/w)の酸化防止剤を更に含有する、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
8%から11%(w/w)のフィプロニル、3%から16%(w/w)のピレスロイド、2%から15%(w/w)の昆虫成長制御剤及び60%から80%(w/w)の有機溶媒を含有する局所組成物を、動物の両肩の間の局所的な皮膚に塗布する工程を備える、動物の上の昆虫及び害虫の蛹及び成虫を殺す方法。
【請求項31】
a. 8%から11%(w/w)のフィプロニル;
b. 4%から6%(w/w)のシフェノトリン;
c. 70%から80%(w/w)の有機溶媒;及び
d. 4%から6%(w/w)の酸化防止剤
を含有する局所組成物を、動物の両肩の間の局所所的な皮膚に塗布する工程を備える、動物の上の昆虫及び害虫の蛹及び成虫を殺す方法。
【請求項32】
前記有機溶媒がジエチレングリコールモノエチルエーテルである、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記組成物が3%から5%(w/w)のピリプロキシフェンを更に含有する、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記組成物が8%から12%(w/w)のS−メトプレンを更に含有する、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記酸化防止剤がニコチン酸トコフェロールである、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
a. 8%から11%(w/w)のフィプロニル;
b. 4%から6%(w/w)のシフェノトリン;
c. 8%から12%(w/w)のS−メトプレン;
d. 70%から80%(w/w)の有機溶媒;及び
e. 4%から6%(w/w)の酸化防止剤
を含有する局所組成物を、動物の両肩の間の局所的な皮膚に塗布する工程を備える、動物の上の昆虫及び害虫の蛹及び成虫を殺す方法。
【請求項37】
前記動物が哺乳動物である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記哺乳動物がイヌ又はネコを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
a. 8%から11%(w/w)のフィプロニル;
b. 4%から6%(w/w)のシフェノトリン;
c. 3%から5%(w/w)のピリプロキシフェン;
d. 70%から80%(w/w)の有機溶媒;及び
e. 4%から6%(w/w)の酸化防止剤
を含有する局所組成物を、動物の両肩の間の局所的な皮膚に塗布する工程を含む、動物の上の昆虫又は害虫の蛹又は成虫を殺す方法。
【請求項40】
a. 8%から11%(w/w)のフィプロニル;
b. 14%から16%(w/w)のエトフェンプロックス;及び
c. 60%から75%(w/w)の有機溶媒
を含有する局所組成物を、動物の両肩の間の局所的な皮膚に塗布する工程を含む、動物の上の昆虫又は害虫の蛹又は成虫を殺す方法。
【請求項41】
前記有機溶媒がジエチレングリコールモノエチルエーテルである、請求項35に記載の方法。
【請求項42】
前記組成物が2%から15%(w/w)の昆虫成長制御剤を更に含有する、請求項35に記載の方法。
【請求項43】
前記昆虫成長制御剤がピリプロキシフェン又はS−メトプレンを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
a. 8%から11%(w/w)のフィプロニル;
b. 14%から16%(w/w)のエトフェンプロックス;
c. 11%から14%(w/w)のS−メトプレン;及び
d. 60%から75%(w/w)の有機溶媒
を含有する局所組成物を、動物の両肩の間の局所的な皮膚に塗布する工程を含む、動物の上の昆虫又は害虫の蛹又は成虫を殺す方法。
【請求項45】
a. 8%から11%(w/w)のフィプロニル;
b. 14%から16%(w/w)のエトフェンプロックス;
c. 3%から5%(w/w)のピリプロキシフェン;及び
d. 60%から75%(w/w)の有機溶媒
を含有する局所組成物を、動物の両肩の間の局所的な皮膚に塗布する工程を含む、動物の上の昆虫又は害虫の蛹又は成虫を殺す方法。
【請求項46】
a. 有機溶媒を容器に加え、約50℃の温度に加熱する工程と
b. フィプロニル及びピレスロイドを前記溶媒に加え、その後混合して溶液とする工程と
を備える、8%から11%(w/w)のフィプロニル、3%から16%(w/w)のピレスロイド、及び60%から80%(w/w)の有機溶媒を含有する局所殺虫性組成物を製造する方法。
【請求項47】
a.有機溶媒を容器に加え、約50℃の温度に加熱する工程と、
b.フィプロニル、ピレスロイド及び昆虫成長制御剤を前記溶媒に加え、その後混合して溶液とする工程と
を備える、8%から11%(w/w)のフィプロニル、3%から16%(w/w)のピレスロイド、2%〜15%(w/w)の昆虫成長調節剤及び60%から80%(w/w)の有機溶媒を含有する局所殺虫性組成物を製造する方法。
【請求項48】
a. 容器に溶媒及び酸化防止剤を加え、約50℃の温度に加熱して加熱混合物を形成する工程と
b. フィプロニル及びピレスロイドを前記加熱混合物に加え、その後混合して溶液とする工程と
を備える、8%から11%(w/w)のフィプロニル、3%から16%(w/w)のピレスロイド、60%から80%(w/w)の有機溶媒及び4%から6%(w/w)の酸化防止剤を含有する局所殺虫性組成物を製造する方法。

【公表番号】特表2013−505271(P2013−505271A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529984(P2012−529984)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/049857
【国際公開番号】WO2011/038024
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(512071167)
【Fターム(参考)】