説明

局所陰圧療法用の装置

創傷にTNP療法を提供する装置および方法が記載され、この装置は、創傷を覆って創腔を形成する密封膜と、創腔に動作可能に関連づけられた吸引管路の一端と、吸引管路の遠位端に提供され、創腔に真空を提供する真空手段と、創腔と流体連通する空気ブリード手段とを備える。空気ブリードポート部材のさまざまな実施形態も記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、局所陰圧(topical negative pressure:TNP)療法に関し、具体的には、限定はされないが、創傷ドレッシング(wound dressing)の内側の陰圧の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
TNP療法は、創傷の治癒に対するTNP療法の有益な効果により、またさらにはTNP療法が提供する治癒の促進のために、近年、非常に重要と考えられている。
【0003】
TNP療法用の装置は、専門的な病院環境での使用にしか現実には適さない極めて複雑な装置から、家庭または職場で個々の患者が使用することができる、それよりもずっと小型で単純な携帯型装置に至るまで、多岐にわたる。
【0004】
TNP療法の基本原理は、創傷の周囲の患者の無傷の皮膚に接着された薄い柔軟な密封フィルムによって、創傷を覆う閉じた空洞を形成し、この閉じた空洞内に吸引管路の一端を入れ、この管路を、例えば柔軟なフィルムに対して密封し、吸引管路の遠位端を、例えば電気駆動式の真空ポンプなどの真空源に接続して、創腔内に、周囲の大気圧よりも低い圧力を生み出すことである。当業者には知られているとおり、低い圧力は、例えば創傷への血流の増大、組織のより速い肉芽化を含む多くの有益な治療効果を、創傷に対して生み出す。
【0005】
前述のとおり、TNP療法は、さまざまな装置によって提供することができる。しかしながら、大まかに言って、より複雑な装置は、TNP療法によるより集中的でより多様な治療を必要とするより大きくより深刻な創傷に対して使用される傾向がある。このようなより大きな創傷の治療の文脈において有用な装置の例を次に示す。
【0006】
同時係属中の特許文献1では、創傷を吸引、洗滌および清浄するための装置、創傷ドレッシングおよび方法が説明されている。非常に概括的に述べると、本発明は、創傷を吸引するための局所陰圧(TNP)療法を行い、併せて創傷を洗滌および/または清浄するための別の流体をさらに供給し、創傷滲出液および洗滌流体の両方を含む流体を次いで吸引手段によって排出し、有害な材料から有益な材料を分離する手段を通して循環することによる、創傷の治療を説明している。創傷治癒に有益な材料は、創傷ドレッシングを通って再循環され、創傷治癒に有害な材料は廃棄物収集袋または容器に廃棄される。
【0007】
同時係属中の特許文献2では、創傷の吸引、洗滌および清浄を使用して創傷を清浄するための装置、創傷ドレッシングおよび方法が説明されている。やはり非常に概括的に述べると、本文献で説明された本発明は、創傷の吸引、洗滌および清浄に関してWO2004/037334と同様の装置を利用するが、創傷部位/ドレッシングに戻される有益な材料の温度を制御して、例えば創傷に最も有効な治療効果を有する最適な温度になるようにする加熱手段を設ける重要な追加的ステップをさらに含む。
【0008】
同時係属中の特許文献3では、創傷を吸引、洗滌および/または清浄するための装置および方法が説明されている。やはり非常に概括的に述べると、本文献は上記の2つの文献で述べたものと同様の装置を説明しているが、創傷治癒を促進するように創傷部位/ドレッシングに生理活性物質を供給および投与するための手段を設ける追加的ステップを含む。
【0009】
上記の引用文献の内容は、参照によって本明細書に含まれる。
【0010】
しかしながら、上記の装置は複雑であり、装置を操作し、保守する方法についての専門知識を有する人間を必要とし、比較的に重く、かさ張り、例えば患者が容易に病院環境外に持ち出せるようには適合されていないため、上記の装置および方法は一般に、患者が入院したときにしか使用できない。
【0011】
以上の例は主に、より大きな創傷の治療に関するが、患者がそれ以外は健康で、動きまわることができ、家庭、職場など臨床環境外での治療を希望し、TNP療法を提供することが望ましいが、創腔内の条件を制御する必要がある、比較的に小さな創傷の治療に対するニーズもある。適当な装置の一例が、本発明と所有者が同一の本発明の発明者らの同時係属の特許文献4に記載されている。この文献の内容は参照によって本明細書に包含される。
【0012】
比較的に表面積が小さいより小さな創傷の意外な問題点は、それらの創傷では一般に、創傷の周囲の無傷の組織(flesh)の面積が相対的に大きく、したがって、密封フィルムまたはドレープ(drape)が密封する創傷の周囲の密封縁が大きいことがあり、ドレッシングのこの領域から内部への空気の漏入を軽減しやすいため、それらの創傷が、比較的に密封しやすいことである。第2に、たとえ、当業者によく知られている密封フィルムが、空気、水蒸気などのガスの通過をある程度許す半透膜型の材料である傾向があるといっても、それらのフィルムは、単位面積当たりの質量流量で定義されまたは測定される限られた程度でガスを通過させるに過ぎない。したがって、創傷の上方の密封フィルムの面積は比較的に小さいため、可能なガスの流量は小さい。創傷の上および周囲の密封が非常に良好であることがあるため、漏入によってすぐには減退しない真空を創腔内に生み出すことは容易であり、したがって、吸引管路を流体がほとんどまたは全く流れないことがあり、創傷を覆って真空が存在する間は、創傷滲出物を、例えば廃物キャニスタ(waste canister)に輸送することができず、創傷滲出物が創傷のところに停滞する可能性があり、このことは、大気圧に対する陰圧のレベルが小さいときに特にそうである。TNP療法の1つの重要な特徴は、望ましいことに、創傷滲出流体が創傷部位から運び去られることである。これを効率的に達成することに失敗すると、感染の危険が増大し、最悪の場合には、創傷滲出物が創腔内へ逆流する可能性がある。
【0013】
しかしながら、創傷が大きいかまたは小さいかに関わらず、臨床医は、細菌が感染を引き起こすことを防ぐために創傷を密封しようと努力し、何とかしてそれを達成しようとするのが現実である。より大きな創傷は、より大量の流体を生成し、したがって、流体で創腔が満たされやすい。さらに、吸引管路が滲出物流体で満たされる可能性があり、その結果、滲出物の粘性抗力と創傷と真空源との間の高度差とにより、創傷と真空源の間に圧力差が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】国際公開第2004/037334号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2005/04670号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2005/105180号パンフレット
【特許文献4】英国特許出願GB0712736.8号明細書
【特許文献5】GB0712735.0
【特許文献6】国際特許出願PCT/US2007/074374
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、限定はされないが、特に携帯型TNP療法装置において、上記のような問題を軽減すること、ならびに、創傷から創傷滲出物が確実に流出することを促進する装置および方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第1の態様によれば、創傷にTNP療法を提供する装置であって、使用時に創傷を覆って創腔を形成する密封膜と、使用時に創腔に動作可能に関連づけられる一端を有する吸引管路と、吸引管路の遠位端に提供され、使用時に創腔に真空を提供する真空手段と、使用時に創腔と流体連通する空気ブリード(air bleed)手段とを備える装置が提供される。
【0017】
本明細書において、用語「真空」は、周囲大気圧未満の圧力を意味する。
【0018】
希望に応じて空気ブリードをオンおよびオフにすることができる点において、空気ブリード手段を切替え可能とすることができる。この点に関して、空気ブリード手段は、創腔と連通する一端を有し、管路に関連づけられたフィルタと、創腔内の真空の影響下で、フィルタが、周囲大気から創腔へ空気を受け入れることを可能にするクランプまたは弁とを有する第2の管路によって提供することができる。管路内への空気流は、使用者/患者または臨床医が制御する管路上のクランプまたはオン/オフ弁によって制御することができる。例えば、吸引管が滲出物でいっぱいであるように見えるが、滲出物が移動していないことを患者が観察したときに、空気ブリードを受け入れることができる。周囲の空気に対して管路を開くと、管路内の流体が流動して、滲出物を、使用時に特定のTNP装置に関連づけられる例えば廃物キャニスタ内へ放出する。
【0019】
この空気ブリード手段は、大気圧よりも200mmHg低い圧力で、系内への最大1l/分の最大流量を提供することができる。好ましくは、この流量を最大0.5l/分とすることができる。より好ましくは、この流量を最大0.2l/分とすることができる。さらにより好ましくは、系内への0.05l/分の最大流量を提供することができる。最も重要な因子は、創傷が完全には乾燥しない終始一貫した流量を達成することであり、創傷の完全乾燥は、ブリード空気の流入流量が大きすぎる場合に起こる可能性がある。
【0020】
ブリード流量の制御は、ブリード空気を受け入れることができるフィルタの面積を制御することによって達成することができる。
【0021】
空気ブリードによって病原体が創腔に入る危険を最小化するために、フィルタの使用は望ましく、有利である。
【0022】
前述の第2の管路上の調整器を使用して、内部への空気ブリードの一定だが制御された流量を達成することもできる。
【0023】
あるいは、空気ブリード手段を密封ドレープに関連づけることもでき、密封ドレープには、空気ブリードポートを取り付けることができるように、開口を形成することができる。このような空気ブリードポートは、真空によりそこを通して周囲の空気が創腔内へ引き込まれるフィルタ部分または開口を有することができる。このような空気ブリードポートは、周囲大気に対して永続的に開いておくことができるが、フィルタ部分が含まれるため、創腔または吸引管路内への空気の流量を、フィルタ細孔のサイズに基づく低い流量に限定することができる。実際、このような空気ブリードポートは、通常はより大きな創傷で起こるTNPドレッシング内への空気の漏入の代わりとなる。患者が上に載ってしまった場合に患者を傷つけないように、適当な空気ブリードポートは、軟質プラスチック材料の成形によって製造することができる。製造時に、空気ブリードポートに、接着剤層およびシリコーン処理紙の適当な保護層を提供することができ、使用するために必要となるまで、それらを保持することができる。
【0024】
ドレッシングの漏れをチェックし、かつ/またはオン/オフ機構の働きをすることができるように、このような空気ブリードポートを、適当な密封テープで密封することができる。
【0025】
空気ブリード機構は、例えば本発明と所有者が同一の特許文献5に基づく本発明の発明者らの同時係属特許文献6に記載された、2つの接着ドレープまたは密封膜層間に挟み込まれた適当なグロメット(grommet)に差し込まれた第2の管路によって提供することができる。これらの文献の内容は参照によって本明細書に包含される。
【0026】
適当なフィルタは、例えば0.2または0.1または0.02ミクロンのフィルタとすることができ、これらのフィルタはさらに、何らかの理由で大気中へ逆方向に細菌が放出される可能性がある場合に、それを防ぐことができるという追加の利点を有する。
【0027】
本発明の利点は、所定の細孔径および面積のフィルタ要素を使用することによって、創腔内への周囲空気の所望の低流量を精密に制御することができ、さらに、フィルタ要素自体が、潜在的に有害な細菌の進入を防ぐことである。対照的に、従来の弁は、必要な低流量の制御に対する感度が不十分であり、有害な細菌が創傷に侵入することも阻止しない。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態では、製造時に、上記の空気ブリードポートなどの空気ブリードポートに、ドレープまたは密封膜材料を提供することができ、空気ブリードポートは、このドレープまたは柔軟な密封膜に接着され、または溶接される。
【0029】
本発明の全ての実施形態では、ドレッシングおよび創腔内へのブリード空気流の流量が、フィルタの細孔径および周囲大気に露出するフィルタの面積に関するフィルタの特性のみによって制御される。
【0030】
本発明の第2の態様によれば、局所陰圧ドレッシングとともに使用する空気ブリードポート部材が提供される。
【0031】
本発明の第3の態様によれば、創傷に局所陰圧療法を提供する方法であって、創傷を覆って創腔を形成する密封膜を提供するステップと、創腔に動作可能に関連づけられる一端を有する吸引管路を提供するステップと、吸引管路の遠位端に提供され、創腔に真空を提供する真空手段を提供するステップと、創腔と流体連通する空気ブリード手段を提供するステップとを含む方法が提供される。
【0032】
次に、本発明をより完全に理解することができるように、添付図面だけを参照して、いくつかの例を、実例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】TNP療法が提供されている創傷および本発明の一実施形態を概略的に示す断面図である。
【図2】空気ブリード管路とフィルタとをそれとともに有する密封膜の概略実施形態の断面図である。
【図3】本発明のいくつかの実施形態を使用する装置で使用されるグロメットの透視図である。
【図4A】密封膜に取り付ける空気ブリードポートの一実施形態を示す図である。
【図4B】密封膜に取り付ける空気ブリードポートの一実施形態を示す図である。
【図4C】密封膜に取り付ける空気ブリードポートの一実施形態を示す図である。
【図4D】密封膜に取り付ける空気ブリードポートの一実施形態を示す図である。
【図5】密封膜に取り付けられた代替空気ブリードポート部材を有する第2の創傷の概略断面図である。
【図6A】図5に示した空気ブリードポートを示す図である。
【図6B】図5に示した空気ブリードポートの断面図である。
【図6C】図5に示した空気ブリードポートを示す図である。
【図6D】図5に示した空気ブリードポートを示す図である。
【図7A】図5に示したドレッシングとともに使用する他の代替空気ブリードポートを示す図である。
【図7B】図5に示したドレッシングとともに使用する他の代替空気ブリードポートの断面図である。
【図7C】図5に示したドレッシングとともに使用する他の代替空気ブリードポートを示す図である。
【図7D】図5に示したドレッシングとともに使用する他の代替空気ブリードポートを示す図である。
【図7E】図5に示したドレッシングとともに使用する他の代替空気ブリードポートを示す図である。
【図7F】図5に示したドレッシングとともに使用する他の代替空気ブリードポートを示す図である。
【図8A】図1に示したドレッシングに対して適した代替空気ブリードポートの断面図である。
【図8B】図1に示したドレッシングに対して適した代替空気ブリードポートを示す図である。
【図8C】図1に示したドレッシングに対して適した代替空気ブリードポートを示す図である。
【図8D】図1に示したドレッシングに対して適した代替空気ブリードポートを示す図である。
【図8E】図1に示したドレッシングに対して適した代替空気ブリードポートの断面図である。
【図9A】本発明に基づくポート部材の他の実施形態の断面図である。
【図9B】本発明に基づくポート部材の他の実施形態の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
次に図面を参照する。同じ特徴は、共通の参照符号で示される。
【0035】
図1は、創傷にTNP療法を提供する本発明に基づく装置12が張り付けられた創傷10の概略断面図を示す。創傷10は、創傷10を覆い、創傷の縁の周囲の無傷の組織16に対して密封されて創腔17を画定する密封膜14を有する。吸引管路18が提供され、この管路は、穴のあいた排液管部分20と、排液管部分20に取り付けられ、それが貫通する24で密封膜14に対して密封された単一ルーメン(lumen)部分22とを有する。管路18の遠位端は、適当な真空ポンプ26に接続される。密封膜14は、膜14を通して創腔17にアクセスし、32で膜14に対して密封された短い第2の管路部分30を備える。管路30は、管路30の軟質プラスチック材料を、流れに対して閉じまたは開くことができるピンチクランプ34を備える。管路30のこの端部には、空気入口38と、空気出口40と、中間にフィルタ要素42とを有する小さなプラスチック材料ハウジング36がある。したがって、入口38から入った空気が、出口40および管路30を通って流れるためには、フィルタ要素42を通り抜けなければならない。提供された真空によって、密封膜14が創傷表面上へ引っ張り下ろされ、それにより創傷の面積全体から吸引排液管路部分20へ創傷滲出物が流れることが妨げられることを防ぐために、任意選択で、創傷表面10に隣接して、多孔質圧縮抵抗性創傷充填材層(図示せず)を配置することができる。しかしながら、小面積創傷を示すことが意図された図1では、密封膜が、提供された真空下で創傷表面と接触しないように十分に教示される場合、このような創傷充填材が不要な場合がある。
【0036】
動作時、真空ポンプがオンにされ、創腔17内に真空が生み出される。創腔がうまく密封されており、漏入が全くまたはほとんどない場合には、管路22に沿った空気/流体流がほとんどまたは全く生じないため、真空ポンプ26に関連づけられた廃液容器(図示せず)まで、創傷滲出液が、管路部分22に沿って輸送されない可能性がある。この場合には、ピンチクランプ34を開いて、フィルタ要素42を通した創腔17内への空気ブリードを許し、したがって創腔17および管路22を通ってポンプ26へ向かう流体流を刺激し、その結果、管路22を、閉塞していない自由に流れる状態に保つことができる。ピンチクランプ34は、空気ブリードの流量に対しては全く影響を及ぼさず、ただ単に、管路30を流れが通るかまたは通らないかだけを制御し、流量制御は全て、フィルタ要素42の細孔径と面積とによって決まる。
【0037】
この場合、フィルタ42は、細孔径0.2ミクロンの抗菌フィルタである。
【0038】
創腔が特によく密封されている場合には、真空ポンプ26が動いている間、一定の空気ブリードが提供されるように、ピンチクランプを開いたままにして、管路30が永続的に開通しているようにすることができる。
【0039】
図2は、本発明に基づく装置とともに使用するドレッシング100であって、密封膜部分102と、フィルタハウジング106を有し、その中にフィルタ108を有する管路部分104とを備えるドレッシング100の概略断面図を示す。ドレッシング100は、管路部分104に関連づけられたフランジ部分110のところで、管路部分104が膜部材114に接着剤層112によって取り付けられた単一体として製造することができる。接着剤層112の下面116は、保護シリコーン処理紙の層118によって、知られている方式で保護されている。このドレッシング部分では、膜114が創傷を覆い、膜114の縁のところで接着剤層112によって無傷の組織に接着される。任意選択で、管路104は、図1に示した実施形態と同様の同じ目的の例えばピンチクランプを備えることができる。
【0040】
図3は、グロメット部材202に差し込まれてはいるが、図1および2に示したタイプの管路200を示す。このグロメット部材は、テーパの付いた縁208、210のところで接続する2つの曲面204、206を有する。管路200とグロメットとからなるこのアセンブリは、接着剤でコーティングされた2つの薄い柔軟な膜材料層212、214間にグロメット部材を挟み込むことによって、ドレッシングに組み込まれ、その場合には、本発明と所有者が同一の本発明の発明者らの前述の同時係属特許文献6に論じられているとおり、膜材料の接着剤でコーティングされた表面(図示せず)が互いに向かい合い、面204、206に接着する。PCT/US2007/074374に記載のグロメットの他の実施形態を利用することもできる。
【0041】
図4は、密封膜(図示せず)に取り付ける空気ブリードポート部材300の各種図を示す。図4Aはポート部材の断面図、図4Bはポート部材の平面図、図4Cは立面図、図4Dはポート部材300の透視図を示す。ポート部材300は、それを貫通する開口304を中心に有する成形されたボディ部分302と、それを貫通する空気ポート308を有する上キャップ部分306と、ボディ部分とキャップ部分との間に挟み込まれたフィルタ要素部材310とを備える。キャップ部分306はさらに、空気ポート308と流体連通した円形の凹み312を有し、フィルタ要素310は、凹み312の領域に対して露出している。ボディ部分の底面314は、その表面に接着剤層316を有し、接着剤層316は、使用されるまで保護紙層318によって保護され、保護紙層318は、使用前に、突き出たフィンガタブ320によって取り除かれる。
【0042】
空気ブリードポート部材を使用するためには、創傷を覆う膜(図示せず)に、開口304のサイズと同程度の穴(図示せず)を開け、保護紙層318を取り除き、膜の穴と開口304が互いに連通するように、空気ブリードポート300を密封膜の上面に接着する。
【0043】
好ましい一構造では、空気ブリードポート300を、製造時にポート300と膜を互いに接着または溶接して(溶接する場合、接着剤層316は使用されない)、ドレッシング膜の一部として提供することができる。
【0044】
図5は、創傷の形状およびサイズと概ね一致するようにカットされた例えばポリウレタン発泡体材料などの多孔質弾性圧縮可能創傷充填要素502をその中に有する創傷500を示す。創傷500は、創傷500の周囲の無傷の組織506に接着された図1に示した膜と同様の接着剤付きの柔軟な密封膜504で覆われている。膜504は、膜504に形成され、それを覆って空気ブリードポート510が接着された開口508を有する。ポート510は、フランジの付いたベース部分516に開口514を有するドーム形の形状512を有し、開口514は、膜504の開口508と一致するように作られている。ポート510は、真空ポンプ524および間に位置する廃物キャニスタ(図示せず)に接続された吸引管路522を受け取るソケット部分520を有する。ソケット部分520は、フィルタ要素532をその中に接着する周囲の凹み530を有する空気ブリード穴528を覆わない程度に、吸引管路522の端部を受け取る。創傷表面500、膜504および空気ブリードポート510は、それらの間に、密封された空洞534を形成する。
【0045】
動作時、真空ポンプ524が、空洞534内に所定の真空レベルを生成し、それにより、周囲の超過空気圧および開口508、514によって、膜504が、多孔質弾性圧縮可能創傷充填要素502上へ押し下げられ、弾性圧縮可能発泡体材料502の上面と直接に接触し、そのようにして、真空ポンプ524は、創傷充填要素502内に浸透した創傷滲出物を廃物キャニスタ(図示せず)に吸引する。創傷滲出物が吸引されている間、空気ブリード穴528およびフィルタ532が、創傷滲出物の吸引が滞ることを防ぐ、制御された流量の管路522内への連続する空気ブリードを可能にする。何らかの理由で空気ブリードを止めたい場合には、穴およびフィルタ532の上に一片の無孔接着テープを置く単純な処置によって、空気ブリードを終了させることができる。
【0046】
図6は、図5の空気ブリードポート510を示す。図6Aはポートの上面図、図6Bは、図6Aの線6B-6Bで切った断面図、図6Cは、図6Aの左側の矢印6Bの方向から見た図、図6Dは側立面図を示す。空気ブリードポート510は一般に、中空ドーム形部分512と、中空部分542内へ通じる通路540を有するソケット部分520とを有するドーム形をした円形の形態を有する。ポートは、柔軟な密封膜に接着するための接着剤層544を有する平らなフランジ部分516を備え、接着剤層は、使用されるまで、シリコーン処理紙の層(図示せず)によって、知られている方式で保護される。フランジ部分516の下面は、その中に、中空部分542を露出させる開口514を有する。ソケット部分は、使用時に、図5を参照して説明した吸引管路を受け取り、さらに、図5に示したフィルタ部材を受け取る凹部530の中心に空気ブリード穴528を有する。フィルタ部材の細孔径、およびある程度ではあるが穴528のサイズは、創腔534(図5参照)内の所望の圧力での吸引管路内への空気ブリードの流量を制御する。ポート510は、例えばポリウレタン、ポリプロピレンなどの軟質プラスチック材料から成形することができる。
【0047】
図6を参照して説明したポートは、前述の密封膜に接着することができ、あるいは、予め準備された密封膜とポートの単一体として、前述の密封膜に接着または溶接することができる。
【0048】
図6の実施形態に基づくポートの重要な利点は、最初に創傷充填要素を創傷内に配置した後に、接着剤付き膜材料を無傷の組織に接着し、膜に開口を開け、膜にポートを接着し(または予め形成されたポート/膜を創傷に取り付け)、吸引管路をソケット部分520に差し込むだけでよいため、創傷に取り付けるのが特に容易なことである。吸引管路を密封膜に対して密封する必要はなく、TNP療法被覆を達成するためのステップの数がかなり減る。
【0049】
図7は、やはり図5を参照して説明したドレッシングとともに使用することができる空気ブリードポート600を示す。図7Aはポートの上面図、図7Bは、図7Aの線7B-7Bで切った断面図、図7Cは図7Aのポートの側立面図、図7Dは図7Aのポートの下面図、図7Eはポートの透視図、図7Fは、図7Aの左側の矢印7Bの方向からポートを見た図を示す。ポート600は、フランジ部分602と、このフランジ周縁部分の内側に位置する浅いドーム形ボディ部分604と、ソケット部分606とを有する概ね円形の形態を有する。浅いドーム形ボディ部分604は中空ではなく、剛性に対する補助物としてボディ部分の上面に形成された長さの異なる広がったいくつかの指状の窪み608を有する。これらの窪みは、下側に残る所定の厚さの材料610を除いて、ほぼドーム形部分の全厚にわたって延びる。下側では、窪みと窪みの間の空間が、真空が存在し、創傷滲出物が集まることができる空間612を生み出し、集まった創傷滲出物は、図6のポートと同じ方式でソケット部分606に接続された関連する吸引管路(図示せず)によって吸引される。ソケット部分606は、ソケット部分を貫通し、開口616に通じる通路614を有し、開口616は、使用時に、密封膜の協働開口に接続する。ソケット部分は、空気ブリード穴620と、図6のポートと同じ方式でフィルタ要素(図示せず)を受け取る凹部622とを有する。図6と同様に、吸引管路は、空気ブリード穴620を塞がないように、空気ブリード穴620までしか通路614に挿入されない。
【0050】
このポートも、密封膜の表面に接着され、あるいは、密封膜にポートを単一体として付着または溶接することによって予め準備することができる。ポート部材600が、フランジ部分602の下側に接着剤層を有する場合、接着剤層は、柔軟な密封膜(図示せず)に張り付ける直前に使用者によって取り除かれるシリコーン処理紙またはPEフィルム(図示せず)の保護層を備えることができる。
【0051】
使用時、図7のポートは、創腔内の真空により、超過周囲空気圧によって、密封膜およびポートが、多孔質弾性圧縮可能創傷充填要素上へ押し下げられて、図5を参照して示し、説明した吸引引管路への創傷滲出物の直通経路を提供する、図6のポートと同じ方式で動作する。
【0052】
弾性圧縮可能創傷充填要素を上で説明したが、創傷充填要素は、所望の最大真空が提供されたときに、多孔質であり続けさえすればよく、さらに弾性圧縮可能である必要はない。図7の空気ブリードポートは、図6のポートと同じ利点を有する。
【0053】
図8は、図1に示したタイプの創傷ドレッシングとともに使用するのに一般に適した空気ブリードポート700を示す。図8Aは図8Aのポートの立断面図、図8Bはポートの透視図、図8Cは、線8Cに沿った図8Aのポートの立面図、図8Dは図8Aのポートの上面図、図8Eは、吸引管路の一部が挿入されてはいるが、図8Bの断面図と同様の断面図を示す。ポート700は、その上に概ね円筒形の壁部分704を有する環状ベースフランジ部分702を備える。ベローズ(bellows)部分708上に支持された首部分706を受け取るある角度をなす管状吸引管路が、壁部分704の頂部に提供される。壁部分704は、空気ブリード穴710と、前述の他の実施形態と同様にフィルタ要素(図示せず)を受け取る周囲の凹み712とを備える。ポート700は、柔軟な軟質プラスチック材料から成形され、ベローズ部分708は、吸引管路714(図8E参照)が所定の位置にあるときに、首部分706が容易に動き、曲がることを可能にする。ポート700は、図1に示したタイプのドレッシングとともに使用することができ、その場合には、創傷床と密封膜718との間に形成された創腔716内へ吸引管路が延びる。管路714の端部720は、多孔質創傷充填要素など、創腔内の所望の任意の品目に関連づけることができ、管路714の他端722は、廃物キャニスタおよび真空手段(ともに図示せず)に接続される。フランジ部分702の下面724は、環状ベース部分702の開口730と一致する開口を有する密封膜718に接着するための接着剤層(図示せず)を備える。管状首部分706は、吸引管路714の外面によって密封される内径を有する。
【0054】
動作時、管路714を通して、創腔が所望の圧力まで排気され、同時に、穴710および凹み712内のフィルタを通過する小さいが連続する空気ブリードが、吸引管路714内の無流動状態によって創傷滲出物が停滞することを防ぐ。柔軟なベローズ部分708は、管路714を、空気ブリード穴710から離隔した状態に維持し、したがって、空気ブリード穴が、創腔内の真空のために、管路表面によって塞がれることを防ぐ。
【0055】
上記の実施形態と同様に、ポート700は、柔軟な密封膜に接着し、溶接することによって、密封膜との単一体として提供することができる。
【0056】
空気ブリードポート部材の他の実施形態を図9に示す。空気ブリードポート部材800は、図9Bに円形として示され(しかし円形である必要はなく、例えば長方形とすることができる)、その外周縁に塗布された環状接着剤層804を有するフィルタ膜のパッチ802を備え、接着剤は、使用されるまで保護紙806によって保護される。接着剤層は、接着剤でコーティングされた要素部分を通した空気ブリードを防ぐ。したがって、接着剤でコーティングされたフィルタ膜部分810の面積を制御することによって、コーティングされていない部分808を通した空気ブリード流量を、創傷ドレッシング内の所与の圧力において、正確なレベルに制御することができる。したがって、所与のサイズのフィルタ膜のパッチを、さまざまな幅または面積の接着剤環で予めコーティングしておくことができ、それにより、使用者/臨床医は、意図された圧力における適当な空気ブリード流量を選択することができる。
【0057】
空気ブリード流量および関連する圧力または圧力範囲が表面に印刷された空気ブリードポートを無菌包装することができる。
【0058】
あるいは、上記の他の実施形態と同様に、図9の空気ブリードポート部材を、柔軟な密封膜のより大きな基層に予め接着し、または溶接することもできる。
【0059】
図9のポートが柔軟な密封膜に溶接される場合には、溶接ビードの周縁の内側のフィルタ膜の面積が、空気ブリード流量を決めることになる。したがって、柔軟な密封膜に溶接された、異なる空気ブリード流量を有するある範囲の複数の空気ブリードポート部材を準備することができ、柔軟な密封膜は、空気ブリードが起こるフィルタ膜部分の下方の密封膜内に形成された開口を有する。ポートが柔軟な密封膜に溶接される場合には、溶接部周縁の外側の接着剤層は存在しても、または存在しなくてもよい。
【0060】
本明細書の説明および特許請求の範囲の全体を通じて、語「備える(comprise)」および「含む(contain)」、ならびにこれらの語の異形、例えば「備える(comprising)」および「備える(comprises)」は、「限定はされないが、(それを)含む」ことを意味し、他の部分、付加物、構成要素、完全体またはステップを除外する(除外しない)ことは意図されていない。
【0061】
本明細書の説明および特許請求の範囲の全体を通じて、文脈がそうではないことを要求しない限り、単数は複数を包含する。具体的には、不定冠詞が使用されている場合、文脈がそうではないことを要求しない限り、本明細書は、単数だけでなく複数も企図すると理解すべきである。
【0062】
本発明の特定の態様、実施形態または例に関連し記載された特徴、完全体、特性、化合物、化学的部分または化学基は、適合する限りにおいて、本明細書に記載された他の任意の態様、実施形態または例にも適用可能であることを理解されたい。
【符号の説明】
【0063】
10 創傷
12 装置
14 密封膜
16 無傷の組織
17 創腔
18 吸引管路
20 排液管部分
22 単一ルーメン部分
24 密封膜上の密封位置
26 真空ポンプ
30 第2の管路
32 密封膜上の密封位置
34 ピンチクランプ
36 プラスチック材料ハウジング
38 空気入口
40 空気出口
42 フィルタ要素
100 ドレッシング
102 密封膜部分
104 管路部分104
106 フィルタハウジング
108 フィルタ
110 フランジ部分
112 接着剤層
114 膜部材
116 接着剤層の下面
118 保護シリコーン処理紙の層
200 管路
202 グロメット部材
204 曲面
206 曲面
208 テーパの付いた縁
210 テーパの付いた縁
212 膜材料層
214 膜材料層
300 空気ブリードポート部材
302 ボディ部分
304 開口
306 上キャップ部分
308 空気ポート
310 フィルタ要素部材
312 円形の凹み
314 ボディ部分の底面
316 接着剤層
318 保護紙層
320 フィンガタブ
500 創傷
502 多孔質弾性圧縮可能創傷充填要素
504 密封膜
506 無傷の組織
508 膜の開口
510 空気ブリードポート
512 中空ドーム形部分
514 ポートの開口
516 フランジ付きベース部分
520 ソケット部分
522 吸引管路
524 真空ポンプ
528 空気ブリード穴
530 ソケット部分の凹み
532 フィルタ要素
534 創腔
540 通路
542 中空部分
544 接着剤層
600 空気ブリードポート
602 フランジ部分
604 ボディ部分
606 ソケット部分
608 指状の窪み
610 下側に残る材料
612 空間
614 通路
616 開口
620 空気ブリード穴
622 凹部
700 空気ブリードポート
702 ベースフランジ部分
704 壁部分
706 首部分
708 ベローズ部分
710 空気ブリード穴
712 凹み
714 吸引管路
716 創腔
718 密封膜
720 管路の端部
722 管路の端部
724 フランジ部分の下面
730 ベース部分の開口
800 空気ブリードポート部材
802 フィルタ膜のパッチ
804 環状接着剤層
806 保護紙
808 接着剤でコーティングされていないフィルタ膜部分
810 接着剤でコーティングされたフィルタ膜部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
創傷に局所陰圧療法を提供する装置であって、創傷を覆って創腔を形成する密封膜と、使用時に前記創腔に動作可能に関連づけることができる一端を有する吸引管路と、前記吸引管路の遠位端に提供され、使用時に前記創腔に真空を提供する真空手段と、使用時に前記創腔と流体連通する空気ブリード手段とを備える装置。
【請求項2】
前記空気ブリード手段が、前記空気ブリードをオンおよびオフにすることができる点において切替え可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記空気ブリード手段が第2の管路によって提供され、前記第2の管路が、使用時に前記創腔と連通する一端と、前記第2の管路の遠位端の空気ブリード手段とを有する、請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記空気ブリード手段が、所定の細孔径を有するフィルタ要素である、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記フィルタ要素が、周囲大気にアクセス可能な所定の面積を有する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記吸引管路が、オン/オフクランプまたは弁手段を備える、請求項3から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記空気ブリード手段が、前記密封膜に関連づけられた空気ブリードポート部材の形態である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記空気ブリードポート部材が、前記密封膜に接着されており、使用時に、前記膜の開口を通して前記創腔と連通することができる、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記空気ブリードポート部材が、それを通して空気ブリードが起こるフィルタ要素を含む、請求項7または請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記密封膜と空気ブリードポート部材とが単一体として製造された、請求項7から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記フィルタ要素が0.2ミクロンの細孔径を有する、請求項4から6、9および10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記フィルタ要素が抗菌性である、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記空気ブリード流量が0.5l/分未満である、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記空気ブリード流量が0.2l/分未満である、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記流量が0.05l/分未満である、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記フィルタ要素が、前記空気ブリードポート部材の凹みの中に保持された、請求項7から15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記凹みが、その中に、前記フィルタ要素によって覆われた空気ブリード穴を有する、請求項7に記載の装置。
【請求項18】
前記空気ブリードポート部材が、前記吸引管路を受け取る機構を有する、請求項7から17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記吸引管路が、使用時に、前記空気ブリードポート部材を貫通して前記創腔内へ延びる、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記吸引管路が、前記空気ブリードポート部材で終端し、使用時に、前記創腔内への空気ブリードを可能にする、請求項18に記載の装置。
【請求項21】
局所陰圧ドレッシング用の空気ブリードポート部材であって、ベース部分と、ボディ部分と、吸引管路を受け取るソケット部分と、空気ブリード穴と、フィルタ要素を受け取って前記空気ブリード穴を覆う、前記空気ブリード穴に関連づけられた機構とを備える空気ブリードポート部材。
【請求項22】
前記ベース部分が、ドレッシングの柔軟な密封膜に取り付けられるように適合された、請求項21に記載のポート部材。
【請求項23】
前記ソケット部分が、前記ソケット部分を貫通する吸引管路を受け取るように適合された、請求項21または22に記載のポート部材。
【請求項24】
前記ソケット部分が、前記ソケット部分内で終端する吸引管路を受け取るように適合された、請求項21または22に記載のポート部材。
【請求項25】
前記ベース部分が、使用時に、密封された創腔と連通するための開口をその中に有する、請求項21から24のいずれか一項に記載のポート部材。
【請求項26】
前記開口が、使用時に、吸引された創傷滲出物を直接に受け取る、請求項25に記載のポート部材。
【請求項27】
創傷に局所陰圧療法を提供する方法であって、創傷を覆って創腔を形成する密封膜を提供するステップと、前記創腔に動作可能に関連づけられる一端を有する吸引管路を提供するステップと、前記吸引管路の遠位端に提供され、前記創腔に真空を提供する真空手段を提供するステップと、前記創腔と流体連通する空気ブリード手段を提供するステップとを含む方法。
【請求項28】
前記空気ブリード手段が、前記密封膜内に提供された空気ブリードポート内のフィルタである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記空気ブリード流量が、1l/分未満に制御される、請求項27または請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記流量が、0.5l/分未満に制御される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記流量が、0.2l/分未満に制御される、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記流量が、0.05l/分未満に制御される、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記空気ブリード流量が、前記創傷が完全に乾燥することを防ぐ流量に制御される、請求項27から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
フィルタ材の部分を備え、使用時により大きな基層に接着するため、前記フィルタ材が、部分的に接着剤でコーティングされている、空気ブリードポート部材。
【請求項35】
使用時にそこを通してブリードが起こる可能性がある前記フィルタ材の面積が、接着剤によって覆われた面積によって制御される、請求項34に記載の空気ブリードポート部材。
【請求項36】
前記フィルタ材の部分が円形である、請求項34または35に記載の空気ブリードポート部材。
【請求項37】
前記接着剤が、空気ブリードポート部材の周縁の周囲の環として塗布された、請求項36に記載の空気ブリードポート部材。
【請求項38】
前記環が所定の面積を有する、請求項37に記載の空気ブリードポート部材。
【請求項39】
柔軟な密封膜に溶接されたフィルタ材の部分を備え、空気ブリード流の面積が、閉じられた溶接ビードの内側の面積によって決定される空気ブリードポート部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図9A】
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【図9B】
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【公表番号】特表2011−505888(P2011−505888A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536536(P2010−536536)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【国際出願番号】PCT/GB2008/051118
【国際公開番号】WO2009/071933
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(391018787)スミス アンド ネフュー ピーエルシー (79)
【氏名又は名称原語表記】SMITH & NEPHEW PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】