居住装置
【課題】 居住空間内のユーザが所定の機器を使用する各モードにおいて上質な空間環境を享受することができる居住装置を提供する。
【解決手段】 ユーザの居住空間である居間R1と、居間R1内を照明して光出力を調整自在な照明器具1と、居間R1内でユーザが使用する他動運動機器2、映像機器3、スピーカ機器4と、所定の機器を使用する1乃至複数のモードを設定するモード設定スイッチ6bを具備するコントロールパネル6と、コントロールパネル6で設定したモードに応じて、照明器具1の光出力を制御する制御手段であるセンターサーバ101とを備える。
【解決手段】 ユーザの居住空間である居間R1と、居間R1内を照明して光出力を調整自在な照明器具1と、居間R1内でユーザが使用する他動運動機器2、映像機器3、スピーカ機器4と、所定の機器を使用する1乃至複数のモードを設定するモード設定スイッチ6bを具備するコントロールパネル6と、コントロールパネル6で設定したモードに応じて、照明器具1の光出力を制御する制御手段であるセンターサーバ101とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、居住装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、部屋に存在する人の状態に応じて、部屋内の照明をシーン制御するシステムがあり、例えば、暗い室内に人が入室したとき、人の動きを検知して入室用の照明シーンによって室内を明るくするシーンコントロールスイッチがある。(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−249921号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の構成では、人の状態(入室、退出等)に合わせたシーン制御を行うものであり、部屋内の機器(運動機器、視聴覚機器等)を使用する際に、部屋内の空間(居住空間)自体を当該機器を使用するに適した状態にシーン制御するものではなかった。すなわち、人が空間内で機器を使用する際に、その機器を使用することに適した上質な空間環境を形成することができなかった。
【0004】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、居住空間内のユーザが所定の機器を使用する各モードにおいて上質な空間環境を享受することができる居住装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、ユーザの居住空間と、居住空間内を照明して光出力を調整自在な照明器具と、居住空間内でユーザが使用する1乃至複数の機器と、所定の機器を使用する1乃至複数のモードを設定するモード設定手段と、モード設定手段で設定したモードに応じて、照明器具の光出力を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
この発明によれば、所定の機器を使用するモードを設定し、各モードに適した居住空間の照明環境を与えるので、居住空間内のユーザは各モードにおいて上質な空間環境を享受することができる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1において、前記制御手段は、前記照明器具の光出力を、前記設定したモードにおいて所定の機器の使用に適した光温度に制御することを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、照明器具の光温度によって、各モードにおける居住空間が機器の使用に適した空間に形成され、機器の使用による効果を向上させることができる。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2において、前記機器は、ユーザに対して他動的な運動を行わせる他動運動機器であり、前記モード設定手段は、設定可能なモードとして、他動運動機器を使用するフィットネスモードを具備し、前記制御手段は、フィットネスモードの設定時に、前記照明器具が出力する光の色温度をユーザの身体活性度が向上する色温度に制御することを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、照明器具の照明によって、居住空間が身体活性度を高める空間に形成され、他動運動機器を用いた運動の効果を向上させることができる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項3において、映像を表示する映像機器を備え、前記制御手段は、フィットネスモードの設定時に、前記照明器具が出力する光の色温度をユーザの身体活性度が向上する色温度に制御するとともに、他動運動機器を用いた運動に関する情報を映像機器に表示することを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、映像機器に表示された他動運動機器を用いた運動に関する情報を見ながら運動を行うことで、運動の効率が向上する。
【0013】
請求項5の発明は、請求項4において、前記他動運動機器を用いた運動に関する情報は、他動運動機器を用いた運動方法であることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、他動運動機器を使用するユーザは、映像機器に表示される内容を参照して他動運動機器を用いることにより、正しい動きで運動を行うことができる。
【0015】
請求項6の発明は、請求項5において、前記制御手段は、前記映像機器に表示する他動運動機器を用いた運動に他動運動機器の動きが追従するように、他動運動機器の動作を制御することを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、他動運動機器を使用するユーザは、映像機器に表示される内容に合わせて、リアルタイムで正しい動きの運動を行うことができる。したがって、指導者がいない場所で他動運動機器を使用する場合でも、映像機器に表示される内容を参照して体を動かすことで、正しい動きをすることができ、他動運動機器の使い勝手が向上するとともに、他動運動機器を用いて効果的な運動を行うことができる。
【0017】
請求項7の発明は、請求項3乃至6いずれかにおいて、前記他動運動機器は、ユーザが跨いで着座する鞍状の座席部と、当該座席部を揺動させる駆動部とを具備して、乗馬運動を模した運動負荷をユーザに与える乗馬型の運動機器からなることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、乗馬型の運動機器を用いた運動の効果を向上させることができる。また、乗馬型の他動運動機器の場合、運動中の乗り方(体の動かし方や座る位置など)によって運動の効果が大きく左右され、他動運動を行ったにも関わらず、所望の運動効果が得られない場合が発生する。しかし、映像機器に表示される動画の運動内容に、乗馬型の他動運動機器の動きを追従させるように、他動運動機器の動作を制御すれば、映像機器に表示された動画の運動内容を見ながら体を動かすことによって、正しい動きをすることができ、所望の運動効果を得ることができる。
【0019】
請求項8の発明は、請求項3において、前記他動運動機器を使用するユーザの体動を検出する体動検出手段と、映像を表示する映像機器とを備え、前記他動運動機器は、ユーザが跨いで着座する鞍状の座席部と、当該座席部を揺動させる駆動部とを具備して、乗馬運動を模した運動負荷をユーザに与える乗馬型の運動機器からなり、前記制御手段は、フィットネスモードの設定時に、前記照明器具が出力する光の色温度をユーザの身体活性度が向上する色温度に制御するとともに、体動検出手段が検出したユーザの腰部の軌跡を映像機器に表示することを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、照明器具の照明によって、居住空間が身体活性度を高める空間に形成され、乗馬型の運動機器を用いた運動の効果を向上させることができる。さらに、乗馬型の運動機器を使用するユーザは、映像機器に表示された自身の腰部の軌跡を見ることで、運動時の体動を視覚的に把握することができる。
【0021】
請求項9の発明は、請求項2乃至8いずれかにおいて、前記機器は、映像を表示する映像機器と、居住空間の天井に設置されたスピーカ機器とであり、前記モード設定手段は、設定可能なモードとして、映像機器およびスピーカ機器を使用する映像視聴モードを具備し、前記制御手段は、映像視聴モードの設定時に、前記照明器具が出力する光の色温度を映像視聴に適した色温度に制御することを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、照明器具の照明によって、居住空間が映像視聴に適した空間に形成され、ユーザの視聴覚に対してより効果的な演出を行うことができる。
【0023】
請求項10の発明は、請求項9において、居住空間内で前記映像機器を収納する収納領域を他の領域と仕切る扉を開閉可能に駆動する駆動手段を備え、映像視聴モードの設定時に、駆動手段は扉を開制御することを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、通常は映像機器を扉で居住空間から隠蔽しておき、必要なときのみ扉を開いて映像機器を居住空間内に対面させるので、そのときどきのモードに適した空間環境を形成できる。
【0025】
請求項11の発明は、請求項9において、前記映像機器を収納する第1の収納領域と、第1の収納領域に隣接して設けられた第2の収納領域と、第1の収納領域と第2の収納領域とのいずれかを切替自在に他の領域と仕切る扉とを備え、扉が第1の収納領域を隠蔽する状態から第2の収納領域を隠蔽する状態に切り替えられた場合、前記モード設定手段は、映像視聴モードを設定することを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、通常は映像機器を扉で居住空間から隠蔽しておき、必要なときのみ扉を開いて映像機器を居住空間内に対面させるので、そのときどきのモードに適した空間環境を形成できる。
【0027】
請求項12の発明は、請求項2において、前記機器は机であり、居住空間内で机を配置した領域を他の領域と仕切る扉を開閉可能に駆動する駆動手段を備えて、前記モード設定手段は、設定可能なモードとして、机を使用する勉強モードを具備し、勉強モードの設定時に、前記制御手段は、照明器具が出力する光の色温度を勉強に適した色温度に制御し、駆動手段は、扉を開制御することを特徴とする。
【0028】
この発明によれば、照明器具の照明によって、居住空間が集中力の高まる空間に形成され、勉強の効果を向上させることができる。さらに、通常は机を扉で居住空間から隠蔽しておき、必要なときのみ扉を開いて机を居住空間内に対面させるので、そのときどきのモードに適した空間環境を形成できる。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように、本発明では、所定の機器を使用するモードを設定し、各モードに適した居住空間の照明環境を与えるので、居住空間内のユーザが所定の機器を使用する各モードにおいて上質な空間環境を享受することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0031】
(実施形態)
図1は本発明に係る居住装置の概略構成を示し、個人の住宅Aの各部屋においてイーサネット(登録商標)によりLAN201が構築され、当該LAN201が住宅盤300内に収納された情報ブレーカと呼ばれるセキュリティ機器300aを介してWANを構成するインターネット202に接続されている。そして、住宅Aの居間R1は、照明器具1、他動運動機器2、映像機器3、スピーカ機器4、コントロールパネル6が配置された居住空間であり、居間R1内のユーザは活動量計5を携行しており、照明器具1、他動運動機器2、映像機器3、スピーカ機器4、活動量計5、コントロールパネル6、後述の扉9の開閉用モータドライバ9aはLAN201を介してセキュリティ機器300aとの間で通信可能に構成される。ここで、セキュリティ機器300aは、宅内の機器に対する不正アクセスと思われるパケットを自動破棄する機能などを備えている。なお、照明器具1、他動運動機器2、映像機器3、スピーカ機器4、コントロールパネル6、モータドライバ9aには、図示しない電力線系統から動作電源が供給されている。
【0032】
一方、居住空間における後述のシーン制御サービスを提供する事業者Bには、住宅A内のユーザに当該サービスを提供するためのセンターサーバ101と、他動運動機器2を用いた運動プログラムの運動内容を示す動画や、映画音楽等の様々なコンテンツの動画を配信するための映像配信サーバ102が設置されている。また、本実施形態では、照明器具1、他動運動機器2、映像機器3、スピーカ機器4、活動量計5、コントロールパネル6、モータドライバ9aを連動して制御する制御手段を、センターサーバ101で構成している。
【0033】
ここにおいて、居住空間である居間R1と、センターサーバ101と、映像配信サーバ102と、居間R1内に配置されるとともにLAN201、インターネット202を介してセンターサーバ101および映像配信サーバ102と通信可能な照明器具1、他動運動機器2、映像機器3、スピーカ機器4、活動量計5、コントロールパネル6、開閉用モータドライバ9aとで、居住装置を構成している。
【0034】
居間R1は、図2に示すように、部屋の略中央にソファー8が置かれて、ソファー8に対向する壁面に設けられた収納領域の前面には扉9,9が両引き戸構成で設置されており、扉9,9は、モータドライバ9aが図示しないモータを駆動することによって開閉される。そして、図3に示すように扉9,9が開状態の場合には、収納領域G1が居間R1内に対面し、図4に示すように扉9,9が閉状態の場合には、収納領域G1の両側に設けられた収納領域G2が居間R1内に対面する。収納領域G1には映像機器3が収納され、映像機器3の両側には照明器具1としてLED照明器具11が取り付けられており、収納領域G2はラック500で構成され、ラック500内には照明器具1たるLED照明器具12が取り付けられている。
【0035】
そして、扉9,9を開けた状態では、ラック500およびLED照明器具12が扉9,9によって居間R1内から隠蔽され、映像機器3およびLED照明器具11が居間R1内に対面する(図3参照)。一方、扉9,9を閉めた状態では、映像機器3およびLED照明器具11が扉9,9によって居間R1内から隠蔽され、ラック500およびLED照明器具12が居間R1内に対面する(図4参照)。
【0036】
また、居間R1の天井には、照明器具1としてLED照明器具13が設置されるとともにスピーカ機器4が設置され、居間R1の床面には、他動運動機器2が配置されており、さらに居間R1の壁面にはコントロールパネル6が設置されている。
【0037】
このような居間R1の壁面はケナフ素材の繊維ボードを構造用壁下地ボードとして用いており、ケナフ素材の有する調湿作用や消臭作用によって居間R1内を快適な空間にでき、さらに床面は木質感のある防汚フロアで構成することによって、上質感と手入れの簡便化を図っている。
【0038】
LED照明器具11〜13は、図5に示すように、LED素子1aと、点灯制御部1bと、外部との間で赤外線を用いた通信を行う赤外線通信部1cとで構成され、点灯制御部1bは、赤外線通信部1cを介して受信した点灯制御信号に基づいて、LED素子1aの調光度および色温度を制御する。
【0039】
他動運動機器2はユーザに対して他動的な運動を行わせるものであり、本実施形態では、例えば、ユーザが跨いで着座する鞍状の座席部を揺動運動させることによって、乗馬運動を模した運動負荷を与える乗馬型の運動機器を用いている。図6は他動運動機器2の概略的なブロック図を示し、マイクロコンピュータよりなる制御部2aと、鞍状の座席部2bを揺動運動させる駆動部2cと、外部との間で赤外線を用いた通信を行う赤外線通信部2dと、電源のオン/オフ操作や、運動メニューの選択操作や、座席部2bを揺動させる速さや運動時間などの選択操作を行うための操作部2eと、座席部2bを様々なパターンで揺動させるための動作プログラムを記憶した記憶部2fとを備えている。
【0040】
乗馬型の他動運動機器2では、鞍型の座席部2bに座る位置やその時の姿勢を変えることで、鍛える部位を変えることができ、例えば基本乗り、ウエスト乗り、ヒップ乗りなどの乗り方がある。基本乗りとは、座席部2bの真ん中の一番深くなっている所に座って、背筋を伸ばし、足の指のつけ根を足置き2gに置く乗り方であり、内ももの引き締めに効果がある。またウエスト乗りとは、足を前方に浮かせ、上半身を後方に反らせた状態で座って、腹筋や太ももの内側の筋肉に力を入れて、バランスをとる乗り方であり、ウエストの引き締めに効果がある。またヒップ乗りとは、足を後方に浮かせて、上半身を前方に傾斜させた状態で座り、大殿筋や中殿筋、背筋、太ももの内側の筋肉に力を入れて、バランスをとる乗り方であり、ヒップや太ももの後側の引き締めに効果がある。
【0041】
映像機器3はネットワーク接続機能を備えたテレビジョン装置からなり、インターネット202およびLAN201を介して映像配信サーバ102から配信された映像を画面3b上に表示する。また映像機器3は、リモコン装置3aから送信される赤外線のような光信号からなるワイヤレス信号を受信するワイヤレス受信部(図示せず)を備え、操作に応じてリモコン装置3aから送信されたワイヤレス信号をワイヤレス受信部が受信し、当該ワイヤレス信号に応じて表示するチャンネルや音量切り替えを行ったり、ネットワークを介して映像配信サーバ102にアクセスし、映像配信サーバ102に蓄積された映像を送信させることができる。なお、映像機器3は、扉9,9を開けた状態で、他動運動機器2に座ったユーザや、ソファー8に座ったユーザから目視可能な位置に設置されているものとする。
【0042】
スピーカ機器4は、図7に示すように、居間R1内においてソファー8(に座ったユーザH)の上方の天井に複数設けた音出力用天井板4aにより天井面の平面視における複数箇所から室内に音を出力できるようになっている。
【0043】
居間R1の天井面は図8に示すように天井板を複数枚並べて天井下地用構造材401に取り付けることで構成してある。これら天井面を構成する天井板としては、励振器4b(エキサイタ)により直接振動させられて音を発生させる音出力用天井板4aと、音を発生させない普通天井板400のうちいずれかが使用され、天井面の大部分は普通天井板400で構成してあり、天井面の複数箇所を部分的に音出力用天井板4aで構成してある。
【0044】
音出力用天井板4aは、ケナフ材、合板、その他の木材、鉄、アルミニウム等の金属、ロックウール材、石膏等で形成してある。音出力用天井板4aの上面の外周には矩形状をした枠体4cを固着してあり、枠体4cはアルミニウム、鉄等の金属や、樹脂、木材等で形成してある。音出力用天井板4aの上面の枠体4cに囲まれた部分に前記励振器4bを設けてあり、また枠体4cの上端部に囲まれた部分を覆うように裏板4dを設けてある。そして音出力用天井板4a、励振器4b、枠体4c、裏板4dで音出力用天井板ユニット4kを構成し、これにより音信号が励振器4bに入力されることで振動板としての音出力用天井板4aを直接振動させて室内に向けて音を発生するようにしてある。なお励振器4bは音出力用天井板4a一枚に対して1個だけ設けられる。
【0045】
音出力用天井板4a及び普通天井板400を取り付ける天井下地用構造材401は一定間隔で平行に並設した長尺な梁401aからなり、これら梁401aの下面側に掛け渡すようにして音出力用天井板4a及び普通天井板400は取付けられる。梁401aに上記音出力用天井板ユニット4kを取付けるには、梁401aの下面側に矩形状をした固定用枠402を固着し、この固定用枠402の下面側に矩形状の枠体4cの上面側をスペーサー用インシュレータ403を介在させてねじ具404により固着する。固定用枠402はアルミニウム、鉄等の金属や、樹脂、木材等で形成してある。このように枠体4cを固定用枠402にスペーサー用インシュレータ403を介在させて固着することで、音出力用天井板4aの音を発生させるための振動が固定用枠402側に伝わらず、音出力用天井板4aを振動させて音を発生させるに当たって高音質の音を発生させることができる。
【0046】
また普通天井板400は上記音出力用天井板4aとは縁をきった状態で梁401aに取り付けられる。普通天井板400を梁401aに取り付けるには、普通天井板400の上面の端部に固着した野縁405を梁401aに上端部を固着した吊り木406の下端部に固着する。
【0047】
梁401aに固定した固定用枠402に音出力用天井板4aの上面に設けた枠体4cを取付けるため、隣接する普通天井板400に音出力用天井板4aを取付ける必要がなく、このため、音を発生させる音出力用天井板4aの振動が普通天井板400側に伝わらないように、図8に示すように音出力用天井板4aと普通天井板400との間に隙間を設けて両者が非接触の状態とすることができ、音出力用天井板4aが音を発生させるために振動した際、該振動が隣接する普通天井板400に伝わらず、この点でも天井面の一部を構成する音出力用天井板4aを振動させて音を発生させるに当たって高音質の音を発生させることができる。なお、上記普通天井板400及び音出力用天井板4aで構成された天井面の全体には、前述の音出力用天井板4aと普通天井板400との間の隙間を含めてクロス等の天井面仕上げ材407が貼着される。
【0048】
図7に示すように平面視において矩形の天井面の対向する一対の端縁間の中間を通過する線を中心線aとし、中心線aと平行な方向を前後方向とすると、上記励振器4bは天井面において前記中心線aを中心に線対称となるよう前後に1対ずつ計4個設けてある。また平面視矩形の天井面の前後の端縁間の中間を通過する線を中心線bとすると、前記前後一対の励振器4bは中心線bを中心にして線対称となっており、これにより居間R1に居るユーザHが四方の壁のうちいずれの壁の方を向いたとしても、ユーザHにとっては天井面における前後の左右両側部分に励振器4bが位置することとなる。
【0049】
図9は本実施形態のスピーカ機器4のブロック図である。スピーカ機器4は、LAN201を介して音信号が入力されるアンプ装置4eと、前記天井に複数設けた音出力用天井板ユニット4kを備えている。
【0050】
アンプ装置4eは、LAN201に接続して通信を行うネットワーク通信部4fと、ネットワーク通信部4fから入力された音信号を復調処理する音処理部4gと、音処理部4gを介して入力された音信号を増幅するアンプ部4hと、音処理部4g及びアンプ部4hを制御する制御部4iを備え、音処理部4g及びアンプ部4hで処理した音信号を前記各励振器4bに割り振って出力する。なおアンプ部4hと各励振器4bを接続する配線4jは例えば天井裏などを通して室内に露出しないように配線される。
【0051】
また、アンプ装置4eは1個のアンプ部4hから4個の励振器4bに対して音信号を割り振って入力するものであり、音処理部4gは入力された音信号をモノラル信号またはステレオ信号またはサラウンド信号のいずれかの音信号とした上でアンプ部4hに入力するものであり、4個の音出力用天井板ユニット4kからモノラルまたはステレオまたはサラウンドのいずれかの形態の音が出力される。
【0052】
住宅盤300は、主幹開閉器および分岐開閉器を内蔵して、宅内の分岐回路に電力を供給するとともに、宅内のLAN201に接続されるセキュリティ機器300aが図示しないルータを介してインターネット202に接続されている。
【0053】
ネットアダプタ310は、LANケーブル203を介してセキュリティ機器300aに接続されるとともに、小電力無線を利用してワイヤレス中継器320との間で無線電波によって通信を行うものである。またワイヤレス中継器320は、ネットアダプタ310との間で無線電波を用いた通信を行うとともに、照明器具1、他動運動機器2や後述する活動量計5との間で赤外線を用いた通信を行うものである。すなわち、ワイヤレス中継器320の通信可能エリア内に存在する他動運動機器2や活動量計5から、送信元および送信先のIDを含む赤外線信号が送信され、この赤外線信号をワイヤレス中継器320が受信すると、ワイヤレス中継器320は受信した赤外線信号の通信プロトコルを変換して無線電波により送信する。そして、ネットアダプタ310が、ワイヤレス中継器320から送信された無線電波を受信すると、無線電波により送信された信号のプロトコル変換を行い、送信先のIDが示すネットワーク機器(映像機器3やセンターサーバ101など)へ信号を送信する。
【0054】
活動量計5は、扁平な装置本体5a(器体)に図10に示す回路構成要素を内蔵したもので、装置本体5aを測定対象者のベルト等に装着して使用される。ここで、装置本体5aに内蔵される回路構成要素としては、例えば3軸の加速度センサ5bと、この加速度センサ5bの出力信号をA/D変換して得た検出データをもとに、当該活動量計5を装着したユーザの運動状態を演算する演算処理部5cと、時刻データを演算処理部5cに与える計時部5dと、入力操作部5eと、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性メモリからなり、演算処理部5cの演算結果や検出データや個人の属性データなどを記憶するための記憶部5fと、例えば液晶表示器からなる表示部5gと、ワイヤレス中継器320との間で赤外線通信を行う赤外線通信部5hと、電池BTを電源として各回路要素の動作に必要な所定の電圧を得る定電圧回路5iとを備えている。
【0055】
入力操作部5eは、当該活動量計5の動作パターンを運動強度測定パターン、体動軌跡測定パターン、データ設定パターン、データ表示パターン、データ送信パターン、体動軌跡送信パターン等に切り替えるパターン切替操作や、表示部5gに表示される表示画面でのカーソル操作や確認操作、或いは、データ設定パターンにおいて活動量の算出に用いる個人の属性データ(例えば年齢、性別、身長、体重、目的、健康状態(既往症歴)、地域)を入力するデータ入力操作に用いられる。
【0056】
活動量計5の演算処理部5cは、活動量計5に予め組み込まれたプログラムに基づいて、例えばユーザが歩いた歩数や消費カロリーなどを算出するためのデータ処理を行うものであり、入力操作部5eを用いてデータ設定パターンに切り替えられると、表示部5gの表示を制御してデータ入力画面を表示させ、当該データ入力画面において、上記属性データの入力をユーザに促すためのガイダンスなどを表示させ、入力操作部5eを用いて属性データが入力されると、入力データを記憶部5fに書き込み、以後の演算処理では記憶部5fから読み込んだ属性データを運動強度などの活動量の演算に使用するようになっている。
【0057】
また演算処理部5cの動作パターンが、入力操作部5eを用いて運動強度測定パターンに切り替えられると、演算処理部5cは、加速度センサ5bから検出データを取り込む取込周期を活動量の測定に必要な周期(例えば約12秒)に設定し、当該取込周期が経過する毎に加速度センサ5bから取り込んだ加速度の検出データに基づいて、運動強度(Mets)の算出処理や歩数を求める処理などを行うとともに、活動量(運動強度や歩数など)の算出結果を記憶部5fに書き込む処理を行い、且つ、算出結果を表示部5gにリアルタイムで表示するようになっている。尚、METsとは、身体活動の“強さ”を安静時の何倍に相当するかで表す単位であり、アメリカスポーツ医学界で用いられている。
【0058】
ここにおいて、演算処理部5cは、所定の周期毎に取り込んだ加速度センサ5bの検出データをもとに、一定時間の加速度の変動平均(標準偏差値)を求める演算機能と、この変動平均から、運動強度を求める演算機能とを備えており、運動強度を変化させた状態で呼気ガス計測装置により測定した酸素消費量と、加速度分散値との関係式が予め求められて演算処理部5cに組み込まれており、演算処理部5cではこの関係式を用いて、加速度分散値から運動強度を求めている。
【0059】
また演算処理部5cの動作パターンが、入力操作部5eを用いて体動軌跡測定パターンに切り替えられると、演算処理部5cは、検出データの取込周期を体動軌跡の測定に必要な周期(例えば20m秒)に設定し、所定の測定期間(例えば1分間)が経過するまでの間、上記取込周期が経過する毎に、加速度センサ5bから取り込んだ加速度の検出データを記憶部5fに蓄積し、測定期間が経過すると、体動軌跡測定パターンを終了して元のパターンに復帰する。
【0060】
さらに演算処理部5cの動作パターンが、入力操作部5eを用いてデータ表示パターンに切り替えられると、演算処理部5cは、記憶部5fに記憶されているデータや演算処理結果に基づいて、個人の属性データや活動量の測定結果などを表示部5gに表示させる処理を行う。
【0061】
さらに演算処理部5cの動作パターンが、入力操作部5eを用いてデータ送信パターンに切り替えられると、演算処理部5cは、体動軌跡測定パターン時に検出された測定期間分の検出データや運動強度測定パターン時に算出された活動量の算出結果を記憶部5fから読み出し、読み出した検出データや活動量の算出結果を赤外線通信部5hからセンターサーバ101宛に送信させる。この時、活動量計5の赤外線通信部5hから送信されたデータはワイヤレス中継器320に受信され、さらにワイヤレス中継器320から電波信号でネットアダプタ310に送信され、ネットアダプタ310からLAN201を経由してセキュリティ機器300aに送信されるとともに、インターネット202を経由してセンターサーバ101に送信される。
【0062】
またさらに、演算処理部5cの動作パターンが、入力操作部5eを用いて体動軌跡送信パターンに切り替えられるか、或いは、赤外線通信部5hが受信した外部からの切替信号に応じて体動軌跡送信パターンに切り替えられると、演算処理部5cは、検出データの取込周期を体動軌跡の測定に必要な周期(例えば20m秒)に設定し、上記取込周期が経過する毎に、加速度センサ5bから取り込んだ加速度の検出データを赤外線通信部5hからセンターサーバ101宛に送信させる。
【0063】
コントロールパネル6(モード設定手段)は、図11に示すように、LAN201に接続して通信を行うネットワーク通信部6aと、居間R1の空間としてのモード設定を行うモード設定スイッチ6bと、設定内容等を表示するモニタ部6cと、モード設定スイッチ6bが設定したモードに応じて制御信号をネットワーク通信部6aを介して送信するとともに、設定内容等をモニタ部6cに表示させる制御部6dとで構成される。
【0064】
本居住装置では、映像機器3、スピーカ機器4、モータドライバ9aが、LANケーブル203を介してセキュリティ機器300aに接続されており、インターネット202およびLAN201を介して、センターサーバ101、映像配信サーバ102から配信された映像を映像機器3の画面上に表示するとともにスピーカ機器4から音声を出力したり、センターサーバ101からの指示によってモータドライバ9aが扉9を開閉することができる。また照明器具1、他動運動機器2、活動量計5はそれぞれワイヤレス中継器320およびネットアダプタ310を介してLAN201に接続されており、LAN201およびインターネット202を介してセンターサーバ101に接続されるので、センターサーバ101との間でデータの送受信が行えるようになっている。さらには、コントロールパネル6が、LANケーブル203を介してセキュリティ機器300aに接続されており、上記各機器の動作を制御することができる。なお、照明器具1、他動運動機器2、映像機器3、スピーカ機器4、活動量計5、コントロールパネル6、モータドライバ9a、ネットアダプタ310、ワイヤレス中継器320にはそれぞれ個別のローカルIPアドレスが割り当てられており、センターサーバ101と各機器との間で相互に通信が行えるようになっている。
【0065】
ここで、本システムにより事業者Bが提供するシーン制御サービスを住宅Aの居間R1内のユーザが利用する場合について以下に説明する。コントロールパネル6においてモード設定スイッチ6bを切り替えることによって、居間R1の空間としてのモードに、団欒モード、フィットネスモード、映像視聴モードの3つのモードのいずれかを選択的に設定できる。
【0066】
まず、団欒モード時は、コントロールパネル6からセンターサーバ101へ団欒モード信号が送信され、団欒モード信号を受信したセンターサーバ101は、LED照明器具13へ点灯制御信号を送信し、LED照明器具13は、居間R1内のユーザがくつろぎを感じることができる色温度2000〜4000K[ケルビン](例えば、3000K)で点灯する。すなわち、LED照明器具13の照明によって、居間R1がくつろぎの空間に形成される。
【0067】
次に、フィットネスモード時は、コントロールパネル6からセンターサーバ101へフィットネスモード信号が送信され、フィットネスモード信号を受信したセンターサーバ101は、LED照明器具13へ点灯制御信号を送信し、LED照明器具13は、居間R1内のユーザの身体活性度を高める色温度6000〜8000K(例えば、6700K)で点灯する。すなわち、LED照明器具13の照明によって、居間R1が身体活性度を高める空間に形成され、他動運動機器2等を用いた運動の効果を向上させることができる。
【0068】
また、映像配信サーバ102には、他動運動機器2を用いた複数種類の運動プログラムについて、各々の運動内容を示す動画が蓄積されている。さらに、他動運動機器2の記憶部2fには、映像配信サーバ102に蓄積された複数種類の動画にそれぞれ対応して、動画の運動内容と同様の動きで座席部2bを動かすように駆動部2cを制御するための複数種類の動作プログラムが予め登録されている。ここで、フィットネスモード信号を受信したセンターサーバ101は、映像配信サーバ102からインターネット202及びLAN201を介して他動運動機器2に動作プログラムを送信し、他動運動機器2の制御部2aが、赤外線通信部2dにより受信された動作プログラムを記憶部2fに記憶させるようにしても良く、映像配信サーバ102に蓄積された動画ファイルを更新した場合に、更新された動画ファイルの運動内容に合わせて、動作プログラムを更新することによって、動画ファイルの更新や追加にも容易に対応することができる。
【0069】
そして、センターサーバ101は、ユーザが携行している活動量計5の動作パターンをデータ送信パターンに切り替えるためのパターン切替信号を送信する。このパターン切替信号は、インターネット202およびセキュリティ機器300aを介してネットアダプタ310に送られ、ネットアダプタ310からワイヤレス中継器320を介して活動量計5にワイヤレス送信される。この時、活動量計5の演算処理部5cは、赤外線通信部5hが受信したモード切替信号に基づいて、動作パターンをデータ送信パターンに切り替え、運動強度測定パターン時に算出された所定期間(例えば1日)の活動量の算出結果を記憶部5fから読み出し、読み出した活動量の算出結果を赤外線通信部5hからセンターサーバ101宛に送信する。
【0070】
次に、センターサーバ101は、活動量の算出結果に基づいて、目標活動量を達成するための推奨動作プログラムを指定するプログラム指定信号を他動運動機器2へ送信するとともに、扉開信号をモータドライバ9aへ送信する。プログラム指定信号を受信した他動運動機器2では、制御部2aが、プログラム指定信号によって指定された動作プログラムを記憶部2fから読み出して始動準備を行い、扉開信号を受信したモータドライバ9aは、扉9を開状態にして、映像機器3を居間R1内に対面させる。したがって、通常は映像機器3を扉9で居間R1内から隠蔽しておき、必要なときのみ扉9を開いて映像機器3を居間3内に対面させるので、そのときどきのモードに適した空間環境を形成できる。
【0071】
さらに、センターサーバ101は、映像配信サーバ102から映像機器3へ、上記指定した運動プログラムに対応する動画ファイルを映像機器3へ配信させる。映像機器3では、映像配信サーバ102からインターネット202及びLAN201を介して配信された動画ファイルを図示しないメモリに記憶し、動画ファイルのダウンロードが完了すると、センターサーバ101は、インターネット202およびLAN201を介して映像機器3の表示を制御し、画面3b上に運動開始を促すメッセージ(例えば「活動量計を腰に付けて座席部に座り、準備ができたらスタートボタンを押して下さい」といったメッセージ)を表示させる。
【0072】
そして、運動開始を促すメッセージを見たユーザが、例えばベルト等を用いて活動量計5を腰に装着する。なお、活動量計5の取付位置によって体動軌跡の測定結果が異なってしまうので、活動量計5が所定の位置(例えば腰部の中心付近)に取り付けられるように、活動量計5の取付位置や取付方法を説明する案内画面を映像機器3に表示させるのも好ましい。そして、活動量計5を腰に装着したユーザが他動運動機器2の座席部2bに座り、リモコン装置3aを用いて動画の再生を開始する操作を行うと、リモコン装置3aから送信された再生開始要求を映像機器3が受信し、この再生開始要求が映像機器3からLAN201およびインターネット202を介してセンターサーバ101に送信される。
【0073】
センターサーバ101は、映像機器3からの再生開始要求を受信すると、映像機器3に対してダウンロードした動画ファイルの再生を開始させる映像制御信号を送信するとともに、当該動画ファイルに対応した動作プログラムを他動運動機器1に実行させるための機器制御信号を他動運動機器2へ送信する。この時、センターサーバ101からインターネット202を経由して送信された映像制御信号が映像機器3に送信されるとともに、機器制御信号がセキュリティ機器300aからネットアダプタ310およびワイヤレス中継器320を介して他動運動機器2に送信される。そして、映像機器3が、映像配信サーバ102からダウンロードした動画ファイルの再生を開始するとともに、他動運動機器2の制御部2aが、前記指定された動作プログラムにしたがって駆動部2cを制御することで、映像機器3に表示される運動内容に合わせて座席部2bを動かすことができる。ここにおいて、センターサーバ101により、ネットワークを介して接続された他動運動機器2の動作を制御する制御手段が構成され、センターサーバ101では、他動運動機器2が動作を開始するタイミングを制御することによって、映像機器3に表示する動画の運動内容に他動運動機器2の動作を追従させることができる。
【0074】
このように、LAN201およびインターネット202を介して他動運動機器2および映像機器3に接続されたセンターサーバ101が、映像機器3に動画ファイルを再生させるとともに、映像機器3に表示される動画の運動内容に他動運動機器2の動きを追従させるように、他動運動機器2の動作を制御しているので、他動運動機器2を使用するユーザは、映像機器3に表示される動画の運動内容に合わせて、リアルタイムで正しい動きの運動を行うことができる。したがって、指導者がいない場所で他動運動機器2を使用する場合でも、映像機器3に表示された動画の運動内容に合わせて体を動かすことで、正しい動きをすることができ、他動運動機器2の使い勝手が向上するとともに、他動運動機器2を用いて効果的な運動を行うことができる
さらに、他動運動機器2は動作を開始すると、赤外線通信部2dよりセンターサーバ101へ動作開始を知らせる制御状態信号を送信させる。この制御状態信号は、ワイヤレス中継器320、ネットアダプタ310、セキュリティ機器300a、および、インターネット202を介してセンターサーバ101に送信され、センターサーバ101では他動運動機器2から送られた制御状態信号をもとに、他動運動機器2が動作を開始したことを検出すると、活動量計5に対して動作パターンを体動軌跡送信パターンに切り替えるためのパターン切替信号を送信する。このパターン切替信号は、インターネット202およびセキュリティ機器300aを介してネットアダプタ310に送られ、ネットアダプタ310からワイヤレス中継器320を介して活動量計5にワイヤレス送信される。この時、活動量計5の演算処理部5cは、赤外線通信部5hが受信したパターン切替信号に基づいて、動作モードを体動軌跡送信パターンに切り替え、記憶部5fに蓄積された過去の体動軌跡の測定データを消去するとともに、検出データの取込周期を例えば20m秒に設定し、当該取込周期が経過する毎に、加速度センサ5bから取り込んだ加速度の検出データを赤外線通信部5hからセンターサーバ101宛に送信する。なお本実施形態では、センターサーバ101から活動量計5へパターン切替信号を送信することで、活動量計5の動作モードを体動軌跡送信モードに切り替えているが、活動量計5を装着するユーザが入力操作部5eを操作することで、動作モードを体動軌跡送信モードに切り替えるようにしても良い。
【0075】
センターサーバ101では、活動量計5へパターン切替信号を送信した後に、当該活動量計5から送信された加速度の検出データを受信すると、この検出データを2回積分して位置を算出し、算出した位置を繋ぎ合わせることで、活動量計5が取り付けられたユーザの腰の時間的な変化を示す体動軌跡を求めている。ここにおいて、活動量計5は3軸の加速度センサ5bを備えているので、センターサーバ101では、活動量計5の検出出力(すなわちX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の加速度検出値)をもとに、骨盤が前後方向に傾斜する動きを示す体動軌跡C1や、上方から見た時の腰部の動きを示す体動軌跡C2を求めるとともに、これらの体動軌跡C1,C2((図12(a)参照)を映像機器3の画面3b上に表示させる画面データを作成し、インターネット202を介して映像機器3に送信する。
【0076】
そして、映像機器3では、運動内容を示す動画中に、体動軌跡C1,C2を同時表示させており、他動運動機器2を使用したユーザは自身の運動姿勢を視覚的に把握することができる。このように、センターサーバ101が活動量計6から受信した検出データをもとにユーザの体動軌跡C1,C2を示す動画像をリアルタイムで作成して、映像機器3に送信することで、映像機器3の画面上に運動内容を示す動画とともに、運動中の体動軌跡C1,C2を示す動画像を表示させており、運動中のユーザは、運動内容を示す動画を見ながら、他動運動を行うとともに、運動中の体動軌跡をその場で確認できるから、自己の体動の悪い点が把握しやすくなり、より良い姿勢になるようにバランスの取り方などを自分で矯正することが容易になる。
【0077】
なお、乗馬型の他動運動機器2の場合、運動中の乗り方(体の動かし方や座る位置など)によって運動の効果が大きく左右されるため、他動運動機器2を使用する際の体動軌跡を映像機器3に表示させることによって、ユーザに対し運動中の乗り方の良否を判断する材料を提示して、運動中の乗り方を直すきっかけを与えることができ、正しい乗り方での使用をユーザに促すことにより、他動運動による効果を向上させることが出来る。またセンターサーバ101では、活動量計5の検出データを元に、上方から見たときの腰部の体動軌跡を映像機器3に表示させているので、ユーザは上方から見たときの腰部の体動軌跡を把握することができ、且つ、ユーザの骨盤が前後方向に傾斜する軌跡を映像機器3に表示させているので、骨盤の前後方向への揺動動作を確認することができる。
【0078】
ところで、センターサーバ101が、体動軌跡の測定結果を映像機器3に表示させる際に、図13に示すように骨盤が前後方向に傾斜する動きを示す理想的な体動軌跡C5や、腰部の動きを上方から見た時の理想的な体動軌跡C6を、実際の体動軌跡C3,C4と対比させるように表示しても良く、他動運動機器2のユーザは、自身の体動軌跡と理想的な体動軌跡とを比較することによって、自身の体動の悪い点を客観的に評価することができる。ここで、実際の体動軌跡C3,C4と対比させる理想的な体動軌跡C5,C6としては、他動運動機器2の座席部2bの動きをもとに、座席部2bに座った人の動きをシミュレーションして得た軌跡を用いても良いし、予め他動運動機器2の使用に習熟した複数のユーザの体動軌跡を測定し、その体動軌跡をもとに決定(例えば平均処理などを施して決定)した標準軌跡を用いても良い。
【0079】
なお、本実施形態では「基本乗り」で他動運動を行った際の体動軌跡C1,C2を測定する場合について説明しているが、「ウエスト乗り」や「ヒップ乗り」で体動軌跡C1,C2を測定するようにしても良い。図12(b)は、「ウエスト乗り」で他動運動を行った際の骨盤の前後方向の動きを示す体動軌跡C1、腰部の動きを示す体動軌跡C2であり、「基本乗り」に比べて骨盤の動き、腰部の動きとも前後の振幅が小さく、後傾した状態で運動を行っていることが判る。また図12(c)は、「ヒップ乗り」で他動運動を行った際の骨盤の動きを示す体動軌跡C1、腰部の動きを示す体動軌跡C2であり、「基本乗り」に比べて骨盤の動き、腰部の動きとも前後の振幅が小さく、前傾した状態で運動を行っていることが判る。
【0080】
そして、映像機器3による動画の再生が終了すると、他動運動機器2も動作を停止し、映像機器3には終了画面が表示されて、初期状態(例えば、メニュー画面)に戻る。
【0081】
次に、映像視聴モード時は、コントロールパネル6からセンターサーバ101へ映像視聴モード信号が送信され、映像視聴モード信号を受信したセンターサーバ101は、扉開信号をモータドライバ9aへ送信する。扉開信号を受信したモータドライバ9aは、扉9を開状態にして、映像機器3およびLED照明器具11を居間R1内に対面させる。したがって、通常は映像機器3を扉9で居間R1内から隠蔽しておき、必要なときのみ扉9を開いて映像機器3を居間3内に対面させるので、そのときどきのモードに適した空間環境を形成できる。
【0082】
また、映像配信サーバ102には、様々なコンテンツの動画(映画、音楽等)が蓄積されており、ユーザが、リモコン装置3aを用いて映像機器3からセンターサーバ101にアクセスさせる操作を行い、提供可能な動画プログラムを紹介するWebページを映像機器3の画面上に表示させる。そして、ユーザが、映像機器3に表示された動画プログラムの一覧から所望の動画プログラムを決定し、当該動画プログラムを配信させる操作をリモコン装置3aを用いて行うと、映像機器3からLAN201およびインターネット202を介してセンターサーバ101へ所望の動画ファイルの配信要求が送信され、この配信要求を受け取ったセンターサーバ101は、映像配信サーバ102から要求元の映像機器3へ、指定された動画プログラムのファイルを配信させる。映像機器3では、映像配信サーバ102からインターネット202及びLAN201を介して配信された動画ファイルを図示しないメモリに記憶しており、動画ファイルのダウンロードが完了すると、動画の再生準備が完了したことを示すメッセージを画面上に表示する。そして、再生準備の完了を示すメッセージを見たユーザが、リモコン装置3aを用いて動画の再生を開始する操作を行うと、リモコン装置3aから送信された再生開始要求を映像機器3が受信し、この再生開始要求が映像機器3からLAN201およびインターネット202を介してセンターサーバ101に送信される。
【0083】
センターサーバ101は、映像機器3からの再生開始要求を受信すると、映像機器3に対してダウンロードした動画ファイルの再生を開始させる映像制御信号を送信するとともに、当該動画ファイルの内容および進行に同期した照明をLED照明器具11,13に実行させるための点灯制御信号を、LED照明器具11,13へ送信する。この時、センターサーバ101からインターネット202を経由して送信された映像制御信号が映像機器3に送信されるとともに、点灯制御信号がLED照明器具11,13に送信される。そして、映像機器3が、映像配信サーバ102からダウンロードした動画ファイルの再生を開始するとともに、LED照明器具11,13の点灯制御部1bが、赤外線通信部1cの受信した点灯制御信号に基づいてLED素子1aの光温度、調光度を制御することで、映像機器3に表示される内容および進行に合わせて、居間R1の照明環境を変化させ、ユーザの視聴覚に対してより効果的な演出を行い、臨場感を高めることができる。
【0084】
ここにおいて、センターサーバ101により、ネットワークを介して接続された照明器具1の光出力を制御する制御手段が構成され、センターサーバ101では、照明器具1の光出力を変化させるタイミングを制御することによって、映像機器3に表示させる動画の内容および進行に照明器具1の光出力(光温度、調光度)を追従させることができる。
【0085】
そして、映像機器3による動画の再生が終了すると、LED照明器具11,13も同期動作を停止し、映像機器3には終了画面が表示されて、初期状態(例えば、メニュー画面)に戻る。
【0086】
このように、本実施形態では、居間R1の空間としての環境を団欒モード、フィットネスモード、映像視聴モードの3つのモードのいずれかから選択し、各モードに適した居住空間の照明環境を与えるとともに、各モードで使用する各機器の制御を行うので、居間R1内のユーザは各モードにおいて上質な空間環境を享受することができる。
【0087】
また、コントロールパネル6に扉9の開閉検知を行うセンサを接続し、ユーザが扉9を開けた場合に映像視聴モードに切り替えてもよく、さらに各モードの切り替えをコントロールパネル6で行う以外に、リモコン装置3aによって映像機器3経由で行ってもよい。
【0088】
また、上記実施形態では居間R1内の空間を居住装置として例示したが、ダイニングやキッチン等の他の空間でも同様に空間としてのモード設定を行い、設定されたモードに応じた照明器具の色温度、調光度に制御してもよい。
【0089】
例えば、ダイニングであれば、食事モード、ホームバーモード、勉強モードの3つのモードを選択可能に用意し、食事モード時は、ダイニング内のユーザがくつろぎを感じることができる色温度3000〜4000K(例えば、3000K)で照明を点灯させて、ダイニングをくつろぎの空間に形成し、ホームバーモード時は、ダイニング内のユーザが落ち着きを感じることができる色温度2000〜3000K(例えば、2800K)で照明を点灯させて、ダイニングを落ち着きのある空間に形成し、勉強モード時は、ダイニング内のユーザの覚醒度が高まる色温度6000〜8000K(例えば、6700K)で照明を点灯させて、ダイニングを集中力の高まる空間に形成する。
【0090】
さらに、ダイニングの壁面に設けられた収納領域の前面には、図14(a)に示すようにモータ駆動で開閉制御される4枚の引き戸構成の扉91〜94を設置し、扉91〜94は、モータドライバがモータを駆動することによって個別に開閉される。そして、図14(b)に示すように一端の扉91が開状態の場合には、一端の収納領域G11がダイニング内に対面し、図14(c)に示すように中央の2枚の扉92,93が開状態の場合には、中央の収納領域G12がダイニング内に対面し、図14(d)に示すように他端の扉94が開状態の場合には、他端の収納領域G13がダイニング内に対面する。
【0091】
そして、収納領域G11にはワインボトルやワイングラス等を収納するラック501が設置され、収納領域G12には勉強机502が設置され、収納領域G13には日用品を収納するラック503が設置されており、ホームバーモード時は、扉91を開状態に制御してワインボトルやワイングラス等が収納されたラック501をダイニング内に対面させ、さらには図示しない屋外照明やイルミネーションを点灯させたり、勉強モード時には扉92,93を開状態に制御して収納領域G12内の勉強机502をダイニング内に対面させ、さらには勉強机502に配置したスタンド照明が点灯することで、各モードに適したダイニングの形態に連動制御してもよい。
【0092】
また本実施形態では、他動運動機器2として、ユーザに乗馬を模した運動を行わせる乗馬型の運動機器を例に説明したが、他動運動機器2を乗馬型のものに限定する趣旨のものではなく、ユーザの体の所定部位に負荷をかけて他動的な運動を行わせる運動機器(例えば座ったままの姿勢で歩行運動を実現できる機器など)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の居住装置の概略構成を示す図である。
【図2】同上の居間の構成を示す図である。
【図3】同上の収納領域の状態を示す図である。
【図4】同上の収納領域の別の状態を示す図である。
【図5】同上の照明器具のブロック構成を示す図である。
【図6】同上の他動運動機器のブロック構成を示す図である。
【図7】同上のスピーカ機器の概略構成を示す図である。
【図8】同上のスピーカ機器の断面を示す図である。
【図9】同上のスピーカ機器のブロック構成を示す図である。
【図10】同上の活動量計のブロック構成を示す図である。
【図11】同上のコントロールパネルのブロック構成を示す図である。
【図12】(a)〜(c)は体動軌跡の表示例を示す図である。
【図13】同上の実際の体動軌跡と理想的な体動軌跡を対比させる表示例を示す図である。
【図14】(a)〜(d)はダイニングにおける収納領域の状態を示す図である。
【符号の説明】
【0094】
R1 居間
1 照明器具
2 他動運動機器
3 映像機器
4 スピーカ機器
5 活動量計
6 コントロールパネル
6b モード設定スイッチ
101 センターサーバ
102 映像配信サーバ
【技術分野】
【0001】
本発明は、居住装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、部屋に存在する人の状態に応じて、部屋内の照明をシーン制御するシステムがあり、例えば、暗い室内に人が入室したとき、人の動きを検知して入室用の照明シーンによって室内を明るくするシーンコントロールスイッチがある。(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−249921号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の構成では、人の状態(入室、退出等)に合わせたシーン制御を行うものであり、部屋内の機器(運動機器、視聴覚機器等)を使用する際に、部屋内の空間(居住空間)自体を当該機器を使用するに適した状態にシーン制御するものではなかった。すなわち、人が空間内で機器を使用する際に、その機器を使用することに適した上質な空間環境を形成することができなかった。
【0004】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、居住空間内のユーザが所定の機器を使用する各モードにおいて上質な空間環境を享受することができる居住装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、ユーザの居住空間と、居住空間内を照明して光出力を調整自在な照明器具と、居住空間内でユーザが使用する1乃至複数の機器と、所定の機器を使用する1乃至複数のモードを設定するモード設定手段と、モード設定手段で設定したモードに応じて、照明器具の光出力を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
この発明によれば、所定の機器を使用するモードを設定し、各モードに適した居住空間の照明環境を与えるので、居住空間内のユーザは各モードにおいて上質な空間環境を享受することができる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1において、前記制御手段は、前記照明器具の光出力を、前記設定したモードにおいて所定の機器の使用に適した光温度に制御することを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、照明器具の光温度によって、各モードにおける居住空間が機器の使用に適した空間に形成され、機器の使用による効果を向上させることができる。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2において、前記機器は、ユーザに対して他動的な運動を行わせる他動運動機器であり、前記モード設定手段は、設定可能なモードとして、他動運動機器を使用するフィットネスモードを具備し、前記制御手段は、フィットネスモードの設定時に、前記照明器具が出力する光の色温度をユーザの身体活性度が向上する色温度に制御することを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、照明器具の照明によって、居住空間が身体活性度を高める空間に形成され、他動運動機器を用いた運動の効果を向上させることができる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項3において、映像を表示する映像機器を備え、前記制御手段は、フィットネスモードの設定時に、前記照明器具が出力する光の色温度をユーザの身体活性度が向上する色温度に制御するとともに、他動運動機器を用いた運動に関する情報を映像機器に表示することを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、映像機器に表示された他動運動機器を用いた運動に関する情報を見ながら運動を行うことで、運動の効率が向上する。
【0013】
請求項5の発明は、請求項4において、前記他動運動機器を用いた運動に関する情報は、他動運動機器を用いた運動方法であることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、他動運動機器を使用するユーザは、映像機器に表示される内容を参照して他動運動機器を用いることにより、正しい動きで運動を行うことができる。
【0015】
請求項6の発明は、請求項5において、前記制御手段は、前記映像機器に表示する他動運動機器を用いた運動に他動運動機器の動きが追従するように、他動運動機器の動作を制御することを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、他動運動機器を使用するユーザは、映像機器に表示される内容に合わせて、リアルタイムで正しい動きの運動を行うことができる。したがって、指導者がいない場所で他動運動機器を使用する場合でも、映像機器に表示される内容を参照して体を動かすことで、正しい動きをすることができ、他動運動機器の使い勝手が向上するとともに、他動運動機器を用いて効果的な運動を行うことができる。
【0017】
請求項7の発明は、請求項3乃至6いずれかにおいて、前記他動運動機器は、ユーザが跨いで着座する鞍状の座席部と、当該座席部を揺動させる駆動部とを具備して、乗馬運動を模した運動負荷をユーザに与える乗馬型の運動機器からなることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、乗馬型の運動機器を用いた運動の効果を向上させることができる。また、乗馬型の他動運動機器の場合、運動中の乗り方(体の動かし方や座る位置など)によって運動の効果が大きく左右され、他動運動を行ったにも関わらず、所望の運動効果が得られない場合が発生する。しかし、映像機器に表示される動画の運動内容に、乗馬型の他動運動機器の動きを追従させるように、他動運動機器の動作を制御すれば、映像機器に表示された動画の運動内容を見ながら体を動かすことによって、正しい動きをすることができ、所望の運動効果を得ることができる。
【0019】
請求項8の発明は、請求項3において、前記他動運動機器を使用するユーザの体動を検出する体動検出手段と、映像を表示する映像機器とを備え、前記他動運動機器は、ユーザが跨いで着座する鞍状の座席部と、当該座席部を揺動させる駆動部とを具備して、乗馬運動を模した運動負荷をユーザに与える乗馬型の運動機器からなり、前記制御手段は、フィットネスモードの設定時に、前記照明器具が出力する光の色温度をユーザの身体活性度が向上する色温度に制御するとともに、体動検出手段が検出したユーザの腰部の軌跡を映像機器に表示することを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、照明器具の照明によって、居住空間が身体活性度を高める空間に形成され、乗馬型の運動機器を用いた運動の効果を向上させることができる。さらに、乗馬型の運動機器を使用するユーザは、映像機器に表示された自身の腰部の軌跡を見ることで、運動時の体動を視覚的に把握することができる。
【0021】
請求項9の発明は、請求項2乃至8いずれかにおいて、前記機器は、映像を表示する映像機器と、居住空間の天井に設置されたスピーカ機器とであり、前記モード設定手段は、設定可能なモードとして、映像機器およびスピーカ機器を使用する映像視聴モードを具備し、前記制御手段は、映像視聴モードの設定時に、前記照明器具が出力する光の色温度を映像視聴に適した色温度に制御することを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、照明器具の照明によって、居住空間が映像視聴に適した空間に形成され、ユーザの視聴覚に対してより効果的な演出を行うことができる。
【0023】
請求項10の発明は、請求項9において、居住空間内で前記映像機器を収納する収納領域を他の領域と仕切る扉を開閉可能に駆動する駆動手段を備え、映像視聴モードの設定時に、駆動手段は扉を開制御することを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、通常は映像機器を扉で居住空間から隠蔽しておき、必要なときのみ扉を開いて映像機器を居住空間内に対面させるので、そのときどきのモードに適した空間環境を形成できる。
【0025】
請求項11の発明は、請求項9において、前記映像機器を収納する第1の収納領域と、第1の収納領域に隣接して設けられた第2の収納領域と、第1の収納領域と第2の収納領域とのいずれかを切替自在に他の領域と仕切る扉とを備え、扉が第1の収納領域を隠蔽する状態から第2の収納領域を隠蔽する状態に切り替えられた場合、前記モード設定手段は、映像視聴モードを設定することを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、通常は映像機器を扉で居住空間から隠蔽しておき、必要なときのみ扉を開いて映像機器を居住空間内に対面させるので、そのときどきのモードに適した空間環境を形成できる。
【0027】
請求項12の発明は、請求項2において、前記機器は机であり、居住空間内で机を配置した領域を他の領域と仕切る扉を開閉可能に駆動する駆動手段を備えて、前記モード設定手段は、設定可能なモードとして、机を使用する勉強モードを具備し、勉強モードの設定時に、前記制御手段は、照明器具が出力する光の色温度を勉強に適した色温度に制御し、駆動手段は、扉を開制御することを特徴とする。
【0028】
この発明によれば、照明器具の照明によって、居住空間が集中力の高まる空間に形成され、勉強の効果を向上させることができる。さらに、通常は机を扉で居住空間から隠蔽しておき、必要なときのみ扉を開いて机を居住空間内に対面させるので、そのときどきのモードに適した空間環境を形成できる。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように、本発明では、所定の機器を使用するモードを設定し、各モードに適した居住空間の照明環境を与えるので、居住空間内のユーザが所定の機器を使用する各モードにおいて上質な空間環境を享受することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0031】
(実施形態)
図1は本発明に係る居住装置の概略構成を示し、個人の住宅Aの各部屋においてイーサネット(登録商標)によりLAN201が構築され、当該LAN201が住宅盤300内に収納された情報ブレーカと呼ばれるセキュリティ機器300aを介してWANを構成するインターネット202に接続されている。そして、住宅Aの居間R1は、照明器具1、他動運動機器2、映像機器3、スピーカ機器4、コントロールパネル6が配置された居住空間であり、居間R1内のユーザは活動量計5を携行しており、照明器具1、他動運動機器2、映像機器3、スピーカ機器4、活動量計5、コントロールパネル6、後述の扉9の開閉用モータドライバ9aはLAN201を介してセキュリティ機器300aとの間で通信可能に構成される。ここで、セキュリティ機器300aは、宅内の機器に対する不正アクセスと思われるパケットを自動破棄する機能などを備えている。なお、照明器具1、他動運動機器2、映像機器3、スピーカ機器4、コントロールパネル6、モータドライバ9aには、図示しない電力線系統から動作電源が供給されている。
【0032】
一方、居住空間における後述のシーン制御サービスを提供する事業者Bには、住宅A内のユーザに当該サービスを提供するためのセンターサーバ101と、他動運動機器2を用いた運動プログラムの運動内容を示す動画や、映画音楽等の様々なコンテンツの動画を配信するための映像配信サーバ102が設置されている。また、本実施形態では、照明器具1、他動運動機器2、映像機器3、スピーカ機器4、活動量計5、コントロールパネル6、モータドライバ9aを連動して制御する制御手段を、センターサーバ101で構成している。
【0033】
ここにおいて、居住空間である居間R1と、センターサーバ101と、映像配信サーバ102と、居間R1内に配置されるとともにLAN201、インターネット202を介してセンターサーバ101および映像配信サーバ102と通信可能な照明器具1、他動運動機器2、映像機器3、スピーカ機器4、活動量計5、コントロールパネル6、開閉用モータドライバ9aとで、居住装置を構成している。
【0034】
居間R1は、図2に示すように、部屋の略中央にソファー8が置かれて、ソファー8に対向する壁面に設けられた収納領域の前面には扉9,9が両引き戸構成で設置されており、扉9,9は、モータドライバ9aが図示しないモータを駆動することによって開閉される。そして、図3に示すように扉9,9が開状態の場合には、収納領域G1が居間R1内に対面し、図4に示すように扉9,9が閉状態の場合には、収納領域G1の両側に設けられた収納領域G2が居間R1内に対面する。収納領域G1には映像機器3が収納され、映像機器3の両側には照明器具1としてLED照明器具11が取り付けられており、収納領域G2はラック500で構成され、ラック500内には照明器具1たるLED照明器具12が取り付けられている。
【0035】
そして、扉9,9を開けた状態では、ラック500およびLED照明器具12が扉9,9によって居間R1内から隠蔽され、映像機器3およびLED照明器具11が居間R1内に対面する(図3参照)。一方、扉9,9を閉めた状態では、映像機器3およびLED照明器具11が扉9,9によって居間R1内から隠蔽され、ラック500およびLED照明器具12が居間R1内に対面する(図4参照)。
【0036】
また、居間R1の天井には、照明器具1としてLED照明器具13が設置されるとともにスピーカ機器4が設置され、居間R1の床面には、他動運動機器2が配置されており、さらに居間R1の壁面にはコントロールパネル6が設置されている。
【0037】
このような居間R1の壁面はケナフ素材の繊維ボードを構造用壁下地ボードとして用いており、ケナフ素材の有する調湿作用や消臭作用によって居間R1内を快適な空間にでき、さらに床面は木質感のある防汚フロアで構成することによって、上質感と手入れの簡便化を図っている。
【0038】
LED照明器具11〜13は、図5に示すように、LED素子1aと、点灯制御部1bと、外部との間で赤外線を用いた通信を行う赤外線通信部1cとで構成され、点灯制御部1bは、赤外線通信部1cを介して受信した点灯制御信号に基づいて、LED素子1aの調光度および色温度を制御する。
【0039】
他動運動機器2はユーザに対して他動的な運動を行わせるものであり、本実施形態では、例えば、ユーザが跨いで着座する鞍状の座席部を揺動運動させることによって、乗馬運動を模した運動負荷を与える乗馬型の運動機器を用いている。図6は他動運動機器2の概略的なブロック図を示し、マイクロコンピュータよりなる制御部2aと、鞍状の座席部2bを揺動運動させる駆動部2cと、外部との間で赤外線を用いた通信を行う赤外線通信部2dと、電源のオン/オフ操作や、運動メニューの選択操作や、座席部2bを揺動させる速さや運動時間などの選択操作を行うための操作部2eと、座席部2bを様々なパターンで揺動させるための動作プログラムを記憶した記憶部2fとを備えている。
【0040】
乗馬型の他動運動機器2では、鞍型の座席部2bに座る位置やその時の姿勢を変えることで、鍛える部位を変えることができ、例えば基本乗り、ウエスト乗り、ヒップ乗りなどの乗り方がある。基本乗りとは、座席部2bの真ん中の一番深くなっている所に座って、背筋を伸ばし、足の指のつけ根を足置き2gに置く乗り方であり、内ももの引き締めに効果がある。またウエスト乗りとは、足を前方に浮かせ、上半身を後方に反らせた状態で座って、腹筋や太ももの内側の筋肉に力を入れて、バランスをとる乗り方であり、ウエストの引き締めに効果がある。またヒップ乗りとは、足を後方に浮かせて、上半身を前方に傾斜させた状態で座り、大殿筋や中殿筋、背筋、太ももの内側の筋肉に力を入れて、バランスをとる乗り方であり、ヒップや太ももの後側の引き締めに効果がある。
【0041】
映像機器3はネットワーク接続機能を備えたテレビジョン装置からなり、インターネット202およびLAN201を介して映像配信サーバ102から配信された映像を画面3b上に表示する。また映像機器3は、リモコン装置3aから送信される赤外線のような光信号からなるワイヤレス信号を受信するワイヤレス受信部(図示せず)を備え、操作に応じてリモコン装置3aから送信されたワイヤレス信号をワイヤレス受信部が受信し、当該ワイヤレス信号に応じて表示するチャンネルや音量切り替えを行ったり、ネットワークを介して映像配信サーバ102にアクセスし、映像配信サーバ102に蓄積された映像を送信させることができる。なお、映像機器3は、扉9,9を開けた状態で、他動運動機器2に座ったユーザや、ソファー8に座ったユーザから目視可能な位置に設置されているものとする。
【0042】
スピーカ機器4は、図7に示すように、居間R1内においてソファー8(に座ったユーザH)の上方の天井に複数設けた音出力用天井板4aにより天井面の平面視における複数箇所から室内に音を出力できるようになっている。
【0043】
居間R1の天井面は図8に示すように天井板を複数枚並べて天井下地用構造材401に取り付けることで構成してある。これら天井面を構成する天井板としては、励振器4b(エキサイタ)により直接振動させられて音を発生させる音出力用天井板4aと、音を発生させない普通天井板400のうちいずれかが使用され、天井面の大部分は普通天井板400で構成してあり、天井面の複数箇所を部分的に音出力用天井板4aで構成してある。
【0044】
音出力用天井板4aは、ケナフ材、合板、その他の木材、鉄、アルミニウム等の金属、ロックウール材、石膏等で形成してある。音出力用天井板4aの上面の外周には矩形状をした枠体4cを固着してあり、枠体4cはアルミニウム、鉄等の金属や、樹脂、木材等で形成してある。音出力用天井板4aの上面の枠体4cに囲まれた部分に前記励振器4bを設けてあり、また枠体4cの上端部に囲まれた部分を覆うように裏板4dを設けてある。そして音出力用天井板4a、励振器4b、枠体4c、裏板4dで音出力用天井板ユニット4kを構成し、これにより音信号が励振器4bに入力されることで振動板としての音出力用天井板4aを直接振動させて室内に向けて音を発生するようにしてある。なお励振器4bは音出力用天井板4a一枚に対して1個だけ設けられる。
【0045】
音出力用天井板4a及び普通天井板400を取り付ける天井下地用構造材401は一定間隔で平行に並設した長尺な梁401aからなり、これら梁401aの下面側に掛け渡すようにして音出力用天井板4a及び普通天井板400は取付けられる。梁401aに上記音出力用天井板ユニット4kを取付けるには、梁401aの下面側に矩形状をした固定用枠402を固着し、この固定用枠402の下面側に矩形状の枠体4cの上面側をスペーサー用インシュレータ403を介在させてねじ具404により固着する。固定用枠402はアルミニウム、鉄等の金属や、樹脂、木材等で形成してある。このように枠体4cを固定用枠402にスペーサー用インシュレータ403を介在させて固着することで、音出力用天井板4aの音を発生させるための振動が固定用枠402側に伝わらず、音出力用天井板4aを振動させて音を発生させるに当たって高音質の音を発生させることができる。
【0046】
また普通天井板400は上記音出力用天井板4aとは縁をきった状態で梁401aに取り付けられる。普通天井板400を梁401aに取り付けるには、普通天井板400の上面の端部に固着した野縁405を梁401aに上端部を固着した吊り木406の下端部に固着する。
【0047】
梁401aに固定した固定用枠402に音出力用天井板4aの上面に設けた枠体4cを取付けるため、隣接する普通天井板400に音出力用天井板4aを取付ける必要がなく、このため、音を発生させる音出力用天井板4aの振動が普通天井板400側に伝わらないように、図8に示すように音出力用天井板4aと普通天井板400との間に隙間を設けて両者が非接触の状態とすることができ、音出力用天井板4aが音を発生させるために振動した際、該振動が隣接する普通天井板400に伝わらず、この点でも天井面の一部を構成する音出力用天井板4aを振動させて音を発生させるに当たって高音質の音を発生させることができる。なお、上記普通天井板400及び音出力用天井板4aで構成された天井面の全体には、前述の音出力用天井板4aと普通天井板400との間の隙間を含めてクロス等の天井面仕上げ材407が貼着される。
【0048】
図7に示すように平面視において矩形の天井面の対向する一対の端縁間の中間を通過する線を中心線aとし、中心線aと平行な方向を前後方向とすると、上記励振器4bは天井面において前記中心線aを中心に線対称となるよう前後に1対ずつ計4個設けてある。また平面視矩形の天井面の前後の端縁間の中間を通過する線を中心線bとすると、前記前後一対の励振器4bは中心線bを中心にして線対称となっており、これにより居間R1に居るユーザHが四方の壁のうちいずれの壁の方を向いたとしても、ユーザHにとっては天井面における前後の左右両側部分に励振器4bが位置することとなる。
【0049】
図9は本実施形態のスピーカ機器4のブロック図である。スピーカ機器4は、LAN201を介して音信号が入力されるアンプ装置4eと、前記天井に複数設けた音出力用天井板ユニット4kを備えている。
【0050】
アンプ装置4eは、LAN201に接続して通信を行うネットワーク通信部4fと、ネットワーク通信部4fから入力された音信号を復調処理する音処理部4gと、音処理部4gを介して入力された音信号を増幅するアンプ部4hと、音処理部4g及びアンプ部4hを制御する制御部4iを備え、音処理部4g及びアンプ部4hで処理した音信号を前記各励振器4bに割り振って出力する。なおアンプ部4hと各励振器4bを接続する配線4jは例えば天井裏などを通して室内に露出しないように配線される。
【0051】
また、アンプ装置4eは1個のアンプ部4hから4個の励振器4bに対して音信号を割り振って入力するものであり、音処理部4gは入力された音信号をモノラル信号またはステレオ信号またはサラウンド信号のいずれかの音信号とした上でアンプ部4hに入力するものであり、4個の音出力用天井板ユニット4kからモノラルまたはステレオまたはサラウンドのいずれかの形態の音が出力される。
【0052】
住宅盤300は、主幹開閉器および分岐開閉器を内蔵して、宅内の分岐回路に電力を供給するとともに、宅内のLAN201に接続されるセキュリティ機器300aが図示しないルータを介してインターネット202に接続されている。
【0053】
ネットアダプタ310は、LANケーブル203を介してセキュリティ機器300aに接続されるとともに、小電力無線を利用してワイヤレス中継器320との間で無線電波によって通信を行うものである。またワイヤレス中継器320は、ネットアダプタ310との間で無線電波を用いた通信を行うとともに、照明器具1、他動運動機器2や後述する活動量計5との間で赤外線を用いた通信を行うものである。すなわち、ワイヤレス中継器320の通信可能エリア内に存在する他動運動機器2や活動量計5から、送信元および送信先のIDを含む赤外線信号が送信され、この赤外線信号をワイヤレス中継器320が受信すると、ワイヤレス中継器320は受信した赤外線信号の通信プロトコルを変換して無線電波により送信する。そして、ネットアダプタ310が、ワイヤレス中継器320から送信された無線電波を受信すると、無線電波により送信された信号のプロトコル変換を行い、送信先のIDが示すネットワーク機器(映像機器3やセンターサーバ101など)へ信号を送信する。
【0054】
活動量計5は、扁平な装置本体5a(器体)に図10に示す回路構成要素を内蔵したもので、装置本体5aを測定対象者のベルト等に装着して使用される。ここで、装置本体5aに内蔵される回路構成要素としては、例えば3軸の加速度センサ5bと、この加速度センサ5bの出力信号をA/D変換して得た検出データをもとに、当該活動量計5を装着したユーザの運動状態を演算する演算処理部5cと、時刻データを演算処理部5cに与える計時部5dと、入力操作部5eと、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性メモリからなり、演算処理部5cの演算結果や検出データや個人の属性データなどを記憶するための記憶部5fと、例えば液晶表示器からなる表示部5gと、ワイヤレス中継器320との間で赤外線通信を行う赤外線通信部5hと、電池BTを電源として各回路要素の動作に必要な所定の電圧を得る定電圧回路5iとを備えている。
【0055】
入力操作部5eは、当該活動量計5の動作パターンを運動強度測定パターン、体動軌跡測定パターン、データ設定パターン、データ表示パターン、データ送信パターン、体動軌跡送信パターン等に切り替えるパターン切替操作や、表示部5gに表示される表示画面でのカーソル操作や確認操作、或いは、データ設定パターンにおいて活動量の算出に用いる個人の属性データ(例えば年齢、性別、身長、体重、目的、健康状態(既往症歴)、地域)を入力するデータ入力操作に用いられる。
【0056】
活動量計5の演算処理部5cは、活動量計5に予め組み込まれたプログラムに基づいて、例えばユーザが歩いた歩数や消費カロリーなどを算出するためのデータ処理を行うものであり、入力操作部5eを用いてデータ設定パターンに切り替えられると、表示部5gの表示を制御してデータ入力画面を表示させ、当該データ入力画面において、上記属性データの入力をユーザに促すためのガイダンスなどを表示させ、入力操作部5eを用いて属性データが入力されると、入力データを記憶部5fに書き込み、以後の演算処理では記憶部5fから読み込んだ属性データを運動強度などの活動量の演算に使用するようになっている。
【0057】
また演算処理部5cの動作パターンが、入力操作部5eを用いて運動強度測定パターンに切り替えられると、演算処理部5cは、加速度センサ5bから検出データを取り込む取込周期を活動量の測定に必要な周期(例えば約12秒)に設定し、当該取込周期が経過する毎に加速度センサ5bから取り込んだ加速度の検出データに基づいて、運動強度(Mets)の算出処理や歩数を求める処理などを行うとともに、活動量(運動強度や歩数など)の算出結果を記憶部5fに書き込む処理を行い、且つ、算出結果を表示部5gにリアルタイムで表示するようになっている。尚、METsとは、身体活動の“強さ”を安静時の何倍に相当するかで表す単位であり、アメリカスポーツ医学界で用いられている。
【0058】
ここにおいて、演算処理部5cは、所定の周期毎に取り込んだ加速度センサ5bの検出データをもとに、一定時間の加速度の変動平均(標準偏差値)を求める演算機能と、この変動平均から、運動強度を求める演算機能とを備えており、運動強度を変化させた状態で呼気ガス計測装置により測定した酸素消費量と、加速度分散値との関係式が予め求められて演算処理部5cに組み込まれており、演算処理部5cではこの関係式を用いて、加速度分散値から運動強度を求めている。
【0059】
また演算処理部5cの動作パターンが、入力操作部5eを用いて体動軌跡測定パターンに切り替えられると、演算処理部5cは、検出データの取込周期を体動軌跡の測定に必要な周期(例えば20m秒)に設定し、所定の測定期間(例えば1分間)が経過するまでの間、上記取込周期が経過する毎に、加速度センサ5bから取り込んだ加速度の検出データを記憶部5fに蓄積し、測定期間が経過すると、体動軌跡測定パターンを終了して元のパターンに復帰する。
【0060】
さらに演算処理部5cの動作パターンが、入力操作部5eを用いてデータ表示パターンに切り替えられると、演算処理部5cは、記憶部5fに記憶されているデータや演算処理結果に基づいて、個人の属性データや活動量の測定結果などを表示部5gに表示させる処理を行う。
【0061】
さらに演算処理部5cの動作パターンが、入力操作部5eを用いてデータ送信パターンに切り替えられると、演算処理部5cは、体動軌跡測定パターン時に検出された測定期間分の検出データや運動強度測定パターン時に算出された活動量の算出結果を記憶部5fから読み出し、読み出した検出データや活動量の算出結果を赤外線通信部5hからセンターサーバ101宛に送信させる。この時、活動量計5の赤外線通信部5hから送信されたデータはワイヤレス中継器320に受信され、さらにワイヤレス中継器320から電波信号でネットアダプタ310に送信され、ネットアダプタ310からLAN201を経由してセキュリティ機器300aに送信されるとともに、インターネット202を経由してセンターサーバ101に送信される。
【0062】
またさらに、演算処理部5cの動作パターンが、入力操作部5eを用いて体動軌跡送信パターンに切り替えられるか、或いは、赤外線通信部5hが受信した外部からの切替信号に応じて体動軌跡送信パターンに切り替えられると、演算処理部5cは、検出データの取込周期を体動軌跡の測定に必要な周期(例えば20m秒)に設定し、上記取込周期が経過する毎に、加速度センサ5bから取り込んだ加速度の検出データを赤外線通信部5hからセンターサーバ101宛に送信させる。
【0063】
コントロールパネル6(モード設定手段)は、図11に示すように、LAN201に接続して通信を行うネットワーク通信部6aと、居間R1の空間としてのモード設定を行うモード設定スイッチ6bと、設定内容等を表示するモニタ部6cと、モード設定スイッチ6bが設定したモードに応じて制御信号をネットワーク通信部6aを介して送信するとともに、設定内容等をモニタ部6cに表示させる制御部6dとで構成される。
【0064】
本居住装置では、映像機器3、スピーカ機器4、モータドライバ9aが、LANケーブル203を介してセキュリティ機器300aに接続されており、インターネット202およびLAN201を介して、センターサーバ101、映像配信サーバ102から配信された映像を映像機器3の画面上に表示するとともにスピーカ機器4から音声を出力したり、センターサーバ101からの指示によってモータドライバ9aが扉9を開閉することができる。また照明器具1、他動運動機器2、活動量計5はそれぞれワイヤレス中継器320およびネットアダプタ310を介してLAN201に接続されており、LAN201およびインターネット202を介してセンターサーバ101に接続されるので、センターサーバ101との間でデータの送受信が行えるようになっている。さらには、コントロールパネル6が、LANケーブル203を介してセキュリティ機器300aに接続されており、上記各機器の動作を制御することができる。なお、照明器具1、他動運動機器2、映像機器3、スピーカ機器4、活動量計5、コントロールパネル6、モータドライバ9a、ネットアダプタ310、ワイヤレス中継器320にはそれぞれ個別のローカルIPアドレスが割り当てられており、センターサーバ101と各機器との間で相互に通信が行えるようになっている。
【0065】
ここで、本システムにより事業者Bが提供するシーン制御サービスを住宅Aの居間R1内のユーザが利用する場合について以下に説明する。コントロールパネル6においてモード設定スイッチ6bを切り替えることによって、居間R1の空間としてのモードに、団欒モード、フィットネスモード、映像視聴モードの3つのモードのいずれかを選択的に設定できる。
【0066】
まず、団欒モード時は、コントロールパネル6からセンターサーバ101へ団欒モード信号が送信され、団欒モード信号を受信したセンターサーバ101は、LED照明器具13へ点灯制御信号を送信し、LED照明器具13は、居間R1内のユーザがくつろぎを感じることができる色温度2000〜4000K[ケルビン](例えば、3000K)で点灯する。すなわち、LED照明器具13の照明によって、居間R1がくつろぎの空間に形成される。
【0067】
次に、フィットネスモード時は、コントロールパネル6からセンターサーバ101へフィットネスモード信号が送信され、フィットネスモード信号を受信したセンターサーバ101は、LED照明器具13へ点灯制御信号を送信し、LED照明器具13は、居間R1内のユーザの身体活性度を高める色温度6000〜8000K(例えば、6700K)で点灯する。すなわち、LED照明器具13の照明によって、居間R1が身体活性度を高める空間に形成され、他動運動機器2等を用いた運動の効果を向上させることができる。
【0068】
また、映像配信サーバ102には、他動運動機器2を用いた複数種類の運動プログラムについて、各々の運動内容を示す動画が蓄積されている。さらに、他動運動機器2の記憶部2fには、映像配信サーバ102に蓄積された複数種類の動画にそれぞれ対応して、動画の運動内容と同様の動きで座席部2bを動かすように駆動部2cを制御するための複数種類の動作プログラムが予め登録されている。ここで、フィットネスモード信号を受信したセンターサーバ101は、映像配信サーバ102からインターネット202及びLAN201を介して他動運動機器2に動作プログラムを送信し、他動運動機器2の制御部2aが、赤外線通信部2dにより受信された動作プログラムを記憶部2fに記憶させるようにしても良く、映像配信サーバ102に蓄積された動画ファイルを更新した場合に、更新された動画ファイルの運動内容に合わせて、動作プログラムを更新することによって、動画ファイルの更新や追加にも容易に対応することができる。
【0069】
そして、センターサーバ101は、ユーザが携行している活動量計5の動作パターンをデータ送信パターンに切り替えるためのパターン切替信号を送信する。このパターン切替信号は、インターネット202およびセキュリティ機器300aを介してネットアダプタ310に送られ、ネットアダプタ310からワイヤレス中継器320を介して活動量計5にワイヤレス送信される。この時、活動量計5の演算処理部5cは、赤外線通信部5hが受信したモード切替信号に基づいて、動作パターンをデータ送信パターンに切り替え、運動強度測定パターン時に算出された所定期間(例えば1日)の活動量の算出結果を記憶部5fから読み出し、読み出した活動量の算出結果を赤外線通信部5hからセンターサーバ101宛に送信する。
【0070】
次に、センターサーバ101は、活動量の算出結果に基づいて、目標活動量を達成するための推奨動作プログラムを指定するプログラム指定信号を他動運動機器2へ送信するとともに、扉開信号をモータドライバ9aへ送信する。プログラム指定信号を受信した他動運動機器2では、制御部2aが、プログラム指定信号によって指定された動作プログラムを記憶部2fから読み出して始動準備を行い、扉開信号を受信したモータドライバ9aは、扉9を開状態にして、映像機器3を居間R1内に対面させる。したがって、通常は映像機器3を扉9で居間R1内から隠蔽しておき、必要なときのみ扉9を開いて映像機器3を居間3内に対面させるので、そのときどきのモードに適した空間環境を形成できる。
【0071】
さらに、センターサーバ101は、映像配信サーバ102から映像機器3へ、上記指定した運動プログラムに対応する動画ファイルを映像機器3へ配信させる。映像機器3では、映像配信サーバ102からインターネット202及びLAN201を介して配信された動画ファイルを図示しないメモリに記憶し、動画ファイルのダウンロードが完了すると、センターサーバ101は、インターネット202およびLAN201を介して映像機器3の表示を制御し、画面3b上に運動開始を促すメッセージ(例えば「活動量計を腰に付けて座席部に座り、準備ができたらスタートボタンを押して下さい」といったメッセージ)を表示させる。
【0072】
そして、運動開始を促すメッセージを見たユーザが、例えばベルト等を用いて活動量計5を腰に装着する。なお、活動量計5の取付位置によって体動軌跡の測定結果が異なってしまうので、活動量計5が所定の位置(例えば腰部の中心付近)に取り付けられるように、活動量計5の取付位置や取付方法を説明する案内画面を映像機器3に表示させるのも好ましい。そして、活動量計5を腰に装着したユーザが他動運動機器2の座席部2bに座り、リモコン装置3aを用いて動画の再生を開始する操作を行うと、リモコン装置3aから送信された再生開始要求を映像機器3が受信し、この再生開始要求が映像機器3からLAN201およびインターネット202を介してセンターサーバ101に送信される。
【0073】
センターサーバ101は、映像機器3からの再生開始要求を受信すると、映像機器3に対してダウンロードした動画ファイルの再生を開始させる映像制御信号を送信するとともに、当該動画ファイルに対応した動作プログラムを他動運動機器1に実行させるための機器制御信号を他動運動機器2へ送信する。この時、センターサーバ101からインターネット202を経由して送信された映像制御信号が映像機器3に送信されるとともに、機器制御信号がセキュリティ機器300aからネットアダプタ310およびワイヤレス中継器320を介して他動運動機器2に送信される。そして、映像機器3が、映像配信サーバ102からダウンロードした動画ファイルの再生を開始するとともに、他動運動機器2の制御部2aが、前記指定された動作プログラムにしたがって駆動部2cを制御することで、映像機器3に表示される運動内容に合わせて座席部2bを動かすことができる。ここにおいて、センターサーバ101により、ネットワークを介して接続された他動運動機器2の動作を制御する制御手段が構成され、センターサーバ101では、他動運動機器2が動作を開始するタイミングを制御することによって、映像機器3に表示する動画の運動内容に他動運動機器2の動作を追従させることができる。
【0074】
このように、LAN201およびインターネット202を介して他動運動機器2および映像機器3に接続されたセンターサーバ101が、映像機器3に動画ファイルを再生させるとともに、映像機器3に表示される動画の運動内容に他動運動機器2の動きを追従させるように、他動運動機器2の動作を制御しているので、他動運動機器2を使用するユーザは、映像機器3に表示される動画の運動内容に合わせて、リアルタイムで正しい動きの運動を行うことができる。したがって、指導者がいない場所で他動運動機器2を使用する場合でも、映像機器3に表示された動画の運動内容に合わせて体を動かすことで、正しい動きをすることができ、他動運動機器2の使い勝手が向上するとともに、他動運動機器2を用いて効果的な運動を行うことができる
さらに、他動運動機器2は動作を開始すると、赤外線通信部2dよりセンターサーバ101へ動作開始を知らせる制御状態信号を送信させる。この制御状態信号は、ワイヤレス中継器320、ネットアダプタ310、セキュリティ機器300a、および、インターネット202を介してセンターサーバ101に送信され、センターサーバ101では他動運動機器2から送られた制御状態信号をもとに、他動運動機器2が動作を開始したことを検出すると、活動量計5に対して動作パターンを体動軌跡送信パターンに切り替えるためのパターン切替信号を送信する。このパターン切替信号は、インターネット202およびセキュリティ機器300aを介してネットアダプタ310に送られ、ネットアダプタ310からワイヤレス中継器320を介して活動量計5にワイヤレス送信される。この時、活動量計5の演算処理部5cは、赤外線通信部5hが受信したパターン切替信号に基づいて、動作モードを体動軌跡送信パターンに切り替え、記憶部5fに蓄積された過去の体動軌跡の測定データを消去するとともに、検出データの取込周期を例えば20m秒に設定し、当該取込周期が経過する毎に、加速度センサ5bから取り込んだ加速度の検出データを赤外線通信部5hからセンターサーバ101宛に送信する。なお本実施形態では、センターサーバ101から活動量計5へパターン切替信号を送信することで、活動量計5の動作モードを体動軌跡送信モードに切り替えているが、活動量計5を装着するユーザが入力操作部5eを操作することで、動作モードを体動軌跡送信モードに切り替えるようにしても良い。
【0075】
センターサーバ101では、活動量計5へパターン切替信号を送信した後に、当該活動量計5から送信された加速度の検出データを受信すると、この検出データを2回積分して位置を算出し、算出した位置を繋ぎ合わせることで、活動量計5が取り付けられたユーザの腰の時間的な変化を示す体動軌跡を求めている。ここにおいて、活動量計5は3軸の加速度センサ5bを備えているので、センターサーバ101では、活動量計5の検出出力(すなわちX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の加速度検出値)をもとに、骨盤が前後方向に傾斜する動きを示す体動軌跡C1や、上方から見た時の腰部の動きを示す体動軌跡C2を求めるとともに、これらの体動軌跡C1,C2((図12(a)参照)を映像機器3の画面3b上に表示させる画面データを作成し、インターネット202を介して映像機器3に送信する。
【0076】
そして、映像機器3では、運動内容を示す動画中に、体動軌跡C1,C2を同時表示させており、他動運動機器2を使用したユーザは自身の運動姿勢を視覚的に把握することができる。このように、センターサーバ101が活動量計6から受信した検出データをもとにユーザの体動軌跡C1,C2を示す動画像をリアルタイムで作成して、映像機器3に送信することで、映像機器3の画面上に運動内容を示す動画とともに、運動中の体動軌跡C1,C2を示す動画像を表示させており、運動中のユーザは、運動内容を示す動画を見ながら、他動運動を行うとともに、運動中の体動軌跡をその場で確認できるから、自己の体動の悪い点が把握しやすくなり、より良い姿勢になるようにバランスの取り方などを自分で矯正することが容易になる。
【0077】
なお、乗馬型の他動運動機器2の場合、運動中の乗り方(体の動かし方や座る位置など)によって運動の効果が大きく左右されるため、他動運動機器2を使用する際の体動軌跡を映像機器3に表示させることによって、ユーザに対し運動中の乗り方の良否を判断する材料を提示して、運動中の乗り方を直すきっかけを与えることができ、正しい乗り方での使用をユーザに促すことにより、他動運動による効果を向上させることが出来る。またセンターサーバ101では、活動量計5の検出データを元に、上方から見たときの腰部の体動軌跡を映像機器3に表示させているので、ユーザは上方から見たときの腰部の体動軌跡を把握することができ、且つ、ユーザの骨盤が前後方向に傾斜する軌跡を映像機器3に表示させているので、骨盤の前後方向への揺動動作を確認することができる。
【0078】
ところで、センターサーバ101が、体動軌跡の測定結果を映像機器3に表示させる際に、図13に示すように骨盤が前後方向に傾斜する動きを示す理想的な体動軌跡C5や、腰部の動きを上方から見た時の理想的な体動軌跡C6を、実際の体動軌跡C3,C4と対比させるように表示しても良く、他動運動機器2のユーザは、自身の体動軌跡と理想的な体動軌跡とを比較することによって、自身の体動の悪い点を客観的に評価することができる。ここで、実際の体動軌跡C3,C4と対比させる理想的な体動軌跡C5,C6としては、他動運動機器2の座席部2bの動きをもとに、座席部2bに座った人の動きをシミュレーションして得た軌跡を用いても良いし、予め他動運動機器2の使用に習熟した複数のユーザの体動軌跡を測定し、その体動軌跡をもとに決定(例えば平均処理などを施して決定)した標準軌跡を用いても良い。
【0079】
なお、本実施形態では「基本乗り」で他動運動を行った際の体動軌跡C1,C2を測定する場合について説明しているが、「ウエスト乗り」や「ヒップ乗り」で体動軌跡C1,C2を測定するようにしても良い。図12(b)は、「ウエスト乗り」で他動運動を行った際の骨盤の前後方向の動きを示す体動軌跡C1、腰部の動きを示す体動軌跡C2であり、「基本乗り」に比べて骨盤の動き、腰部の動きとも前後の振幅が小さく、後傾した状態で運動を行っていることが判る。また図12(c)は、「ヒップ乗り」で他動運動を行った際の骨盤の動きを示す体動軌跡C1、腰部の動きを示す体動軌跡C2であり、「基本乗り」に比べて骨盤の動き、腰部の動きとも前後の振幅が小さく、前傾した状態で運動を行っていることが判る。
【0080】
そして、映像機器3による動画の再生が終了すると、他動運動機器2も動作を停止し、映像機器3には終了画面が表示されて、初期状態(例えば、メニュー画面)に戻る。
【0081】
次に、映像視聴モード時は、コントロールパネル6からセンターサーバ101へ映像視聴モード信号が送信され、映像視聴モード信号を受信したセンターサーバ101は、扉開信号をモータドライバ9aへ送信する。扉開信号を受信したモータドライバ9aは、扉9を開状態にして、映像機器3およびLED照明器具11を居間R1内に対面させる。したがって、通常は映像機器3を扉9で居間R1内から隠蔽しておき、必要なときのみ扉9を開いて映像機器3を居間3内に対面させるので、そのときどきのモードに適した空間環境を形成できる。
【0082】
また、映像配信サーバ102には、様々なコンテンツの動画(映画、音楽等)が蓄積されており、ユーザが、リモコン装置3aを用いて映像機器3からセンターサーバ101にアクセスさせる操作を行い、提供可能な動画プログラムを紹介するWebページを映像機器3の画面上に表示させる。そして、ユーザが、映像機器3に表示された動画プログラムの一覧から所望の動画プログラムを決定し、当該動画プログラムを配信させる操作をリモコン装置3aを用いて行うと、映像機器3からLAN201およびインターネット202を介してセンターサーバ101へ所望の動画ファイルの配信要求が送信され、この配信要求を受け取ったセンターサーバ101は、映像配信サーバ102から要求元の映像機器3へ、指定された動画プログラムのファイルを配信させる。映像機器3では、映像配信サーバ102からインターネット202及びLAN201を介して配信された動画ファイルを図示しないメモリに記憶しており、動画ファイルのダウンロードが完了すると、動画の再生準備が完了したことを示すメッセージを画面上に表示する。そして、再生準備の完了を示すメッセージを見たユーザが、リモコン装置3aを用いて動画の再生を開始する操作を行うと、リモコン装置3aから送信された再生開始要求を映像機器3が受信し、この再生開始要求が映像機器3からLAN201およびインターネット202を介してセンターサーバ101に送信される。
【0083】
センターサーバ101は、映像機器3からの再生開始要求を受信すると、映像機器3に対してダウンロードした動画ファイルの再生を開始させる映像制御信号を送信するとともに、当該動画ファイルの内容および進行に同期した照明をLED照明器具11,13に実行させるための点灯制御信号を、LED照明器具11,13へ送信する。この時、センターサーバ101からインターネット202を経由して送信された映像制御信号が映像機器3に送信されるとともに、点灯制御信号がLED照明器具11,13に送信される。そして、映像機器3が、映像配信サーバ102からダウンロードした動画ファイルの再生を開始するとともに、LED照明器具11,13の点灯制御部1bが、赤外線通信部1cの受信した点灯制御信号に基づいてLED素子1aの光温度、調光度を制御することで、映像機器3に表示される内容および進行に合わせて、居間R1の照明環境を変化させ、ユーザの視聴覚に対してより効果的な演出を行い、臨場感を高めることができる。
【0084】
ここにおいて、センターサーバ101により、ネットワークを介して接続された照明器具1の光出力を制御する制御手段が構成され、センターサーバ101では、照明器具1の光出力を変化させるタイミングを制御することによって、映像機器3に表示させる動画の内容および進行に照明器具1の光出力(光温度、調光度)を追従させることができる。
【0085】
そして、映像機器3による動画の再生が終了すると、LED照明器具11,13も同期動作を停止し、映像機器3には終了画面が表示されて、初期状態(例えば、メニュー画面)に戻る。
【0086】
このように、本実施形態では、居間R1の空間としての環境を団欒モード、フィットネスモード、映像視聴モードの3つのモードのいずれかから選択し、各モードに適した居住空間の照明環境を与えるとともに、各モードで使用する各機器の制御を行うので、居間R1内のユーザは各モードにおいて上質な空間環境を享受することができる。
【0087】
また、コントロールパネル6に扉9の開閉検知を行うセンサを接続し、ユーザが扉9を開けた場合に映像視聴モードに切り替えてもよく、さらに各モードの切り替えをコントロールパネル6で行う以外に、リモコン装置3aによって映像機器3経由で行ってもよい。
【0088】
また、上記実施形態では居間R1内の空間を居住装置として例示したが、ダイニングやキッチン等の他の空間でも同様に空間としてのモード設定を行い、設定されたモードに応じた照明器具の色温度、調光度に制御してもよい。
【0089】
例えば、ダイニングであれば、食事モード、ホームバーモード、勉強モードの3つのモードを選択可能に用意し、食事モード時は、ダイニング内のユーザがくつろぎを感じることができる色温度3000〜4000K(例えば、3000K)で照明を点灯させて、ダイニングをくつろぎの空間に形成し、ホームバーモード時は、ダイニング内のユーザが落ち着きを感じることができる色温度2000〜3000K(例えば、2800K)で照明を点灯させて、ダイニングを落ち着きのある空間に形成し、勉強モード時は、ダイニング内のユーザの覚醒度が高まる色温度6000〜8000K(例えば、6700K)で照明を点灯させて、ダイニングを集中力の高まる空間に形成する。
【0090】
さらに、ダイニングの壁面に設けられた収納領域の前面には、図14(a)に示すようにモータ駆動で開閉制御される4枚の引き戸構成の扉91〜94を設置し、扉91〜94は、モータドライバがモータを駆動することによって個別に開閉される。そして、図14(b)に示すように一端の扉91が開状態の場合には、一端の収納領域G11がダイニング内に対面し、図14(c)に示すように中央の2枚の扉92,93が開状態の場合には、中央の収納領域G12がダイニング内に対面し、図14(d)に示すように他端の扉94が開状態の場合には、他端の収納領域G13がダイニング内に対面する。
【0091】
そして、収納領域G11にはワインボトルやワイングラス等を収納するラック501が設置され、収納領域G12には勉強机502が設置され、収納領域G13には日用品を収納するラック503が設置されており、ホームバーモード時は、扉91を開状態に制御してワインボトルやワイングラス等が収納されたラック501をダイニング内に対面させ、さらには図示しない屋外照明やイルミネーションを点灯させたり、勉強モード時には扉92,93を開状態に制御して収納領域G12内の勉強机502をダイニング内に対面させ、さらには勉強机502に配置したスタンド照明が点灯することで、各モードに適したダイニングの形態に連動制御してもよい。
【0092】
また本実施形態では、他動運動機器2として、ユーザに乗馬を模した運動を行わせる乗馬型の運動機器を例に説明したが、他動運動機器2を乗馬型のものに限定する趣旨のものではなく、ユーザの体の所定部位に負荷をかけて他動的な運動を行わせる運動機器(例えば座ったままの姿勢で歩行運動を実現できる機器など)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の居住装置の概略構成を示す図である。
【図2】同上の居間の構成を示す図である。
【図3】同上の収納領域の状態を示す図である。
【図4】同上の収納領域の別の状態を示す図である。
【図5】同上の照明器具のブロック構成を示す図である。
【図6】同上の他動運動機器のブロック構成を示す図である。
【図7】同上のスピーカ機器の概略構成を示す図である。
【図8】同上のスピーカ機器の断面を示す図である。
【図9】同上のスピーカ機器のブロック構成を示す図である。
【図10】同上の活動量計のブロック構成を示す図である。
【図11】同上のコントロールパネルのブロック構成を示す図である。
【図12】(a)〜(c)は体動軌跡の表示例を示す図である。
【図13】同上の実際の体動軌跡と理想的な体動軌跡を対比させる表示例を示す図である。
【図14】(a)〜(d)はダイニングにおける収納領域の状態を示す図である。
【符号の説明】
【0094】
R1 居間
1 照明器具
2 他動運動機器
3 映像機器
4 スピーカ機器
5 活動量計
6 コントロールパネル
6b モード設定スイッチ
101 センターサーバ
102 映像配信サーバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの居住空間と、
居住空間内を照明して光出力を調整自在な照明器具と、
居住空間内でユーザが使用する1乃至複数の機器と、
所定の機器を使用する1乃至複数のモードを設定するモード設定手段と、
モード設定手段で設定したモードに応じて、照明器具の光出力を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする居住装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記照明器具の光出力を、前記設定したモードにおいて所定の機器の使用に適した光温度に制御することを特徴とする請求項1記載の居住装置。
【請求項3】
前記機器は、ユーザに対して他動的な運動を行わせる他動運動機器であり、前記モード設定手段は、設定可能なモードとして、他動運動機器を使用するフィットネスモードを具備し、前記制御手段は、フィットネスモードの設定時に、前記照明器具が出力する光の色温度をユーザの身体活性度が向上する色温度に制御することを特徴とする請求項2記載の居住装置。
【請求項4】
映像を表示する映像機器を備え、前記制御手段は、フィットネスモードの設定時に、前記照明器具が出力する光の色温度をユーザの身体活性度が向上する色温度に制御するとともに、他動運動機器を用いた運動に関する情報を映像機器に表示することを特徴とする請求項3記載の居住装置。
【請求項5】
前記他動運動機器を用いた運動に関する情報は、他動運動機器を用いた運動方法であることを特徴とする請求項4記載の居住装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記映像機器に表示する他動運動機器を用いた運動に他動運動機器の動きが追従するように、他動運動機器の動作を制御することを特徴とする請求項5記載の居住装置。
【請求項7】
前記他動運動機器は、ユーザが跨いで着座する鞍状の座席部と、当該座席部を揺動させる駆動部とを具備して、乗馬運動を模した運動負荷をユーザに与える乗馬型の運動機器からなることを特徴とする請求項3乃至6いずれか記載の居住装置。
【請求項8】
前記他動運動機器を使用するユーザの体動を検出する体動検出手段と、映像を表示する映像機器とを備え、
前記他動運動機器は、ユーザが跨いで着座する鞍状の座席部と、当該座席部を揺動させる駆動部とを具備して、乗馬運動を模した運動負荷をユーザに与える乗馬型の運動機器からなり、
前記制御手段は、フィットネスモードの設定時に、前記照明器具が出力する光の色温度をユーザの身体活性度が向上する色温度に制御するとともに、体動検出手段が検出したユーザの腰部の軌跡を映像機器に表示することを特徴とする請求項3記載の居住装置。
【請求項9】
前記機器は、映像を表示する映像機器と、居住空間の天井に設置されたスピーカ機器とであり、前記モード設定手段は、設定可能なモードとして、映像機器およびスピーカ機器を使用する映像視聴モードを具備し、前記制御手段は、映像視聴モードの設定時に、前記照明器具が出力する光の色温度を映像視聴に適した色温度に制御することを特徴とする請求項2乃至8いずれか記載の居住装置。
【請求項10】
居住空間内で前記映像機器を収納する収納領域を他の領域と仕切る扉を開閉可能に駆動する駆動手段を備え、映像視聴モードの設定時に、駆動手段は扉を開制御することを特徴とする請求項9記載の居住装置。
【請求項11】
前記映像機器を収納する第1の収納領域と、第1の収納領域に隣接して設けられた第2の収納領域と、第1の収納領域と第2の収納領域とのいずれかを切替自在に他の領域と仕切る扉とを備え、扉が第1の収納領域を隠蔽する状態から第2の収納領域を隠蔽する状態に切り替えられた場合、前記モード設定手段は、映像視聴モードを設定することを特徴とする請求項9記載の居住装置。
【請求項12】
前記機器は机であり、居住空間内で机を配置した領域を他の領域と仕切る扉を開閉可能に駆動する駆動手段を備えて、前記モード設定手段は、設定可能なモードとして、机を使用する勉強モードを具備し、勉強モードの設定時に、前記制御手段は、照明器具が出力する光の色温度を勉強に適した色温度に制御し、駆動手段は、扉を開制御することを特徴とする請求項2記載の居住装置。
【請求項1】
ユーザの居住空間と、
居住空間内を照明して光出力を調整自在な照明器具と、
居住空間内でユーザが使用する1乃至複数の機器と、
所定の機器を使用する1乃至複数のモードを設定するモード設定手段と、
モード設定手段で設定したモードに応じて、照明器具の光出力を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする居住装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記照明器具の光出力を、前記設定したモードにおいて所定の機器の使用に適した光温度に制御することを特徴とする請求項1記載の居住装置。
【請求項3】
前記機器は、ユーザに対して他動的な運動を行わせる他動運動機器であり、前記モード設定手段は、設定可能なモードとして、他動運動機器を使用するフィットネスモードを具備し、前記制御手段は、フィットネスモードの設定時に、前記照明器具が出力する光の色温度をユーザの身体活性度が向上する色温度に制御することを特徴とする請求項2記載の居住装置。
【請求項4】
映像を表示する映像機器を備え、前記制御手段は、フィットネスモードの設定時に、前記照明器具が出力する光の色温度をユーザの身体活性度が向上する色温度に制御するとともに、他動運動機器を用いた運動に関する情報を映像機器に表示することを特徴とする請求項3記載の居住装置。
【請求項5】
前記他動運動機器を用いた運動に関する情報は、他動運動機器を用いた運動方法であることを特徴とする請求項4記載の居住装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記映像機器に表示する他動運動機器を用いた運動に他動運動機器の動きが追従するように、他動運動機器の動作を制御することを特徴とする請求項5記載の居住装置。
【請求項7】
前記他動運動機器は、ユーザが跨いで着座する鞍状の座席部と、当該座席部を揺動させる駆動部とを具備して、乗馬運動を模した運動負荷をユーザに与える乗馬型の運動機器からなることを特徴とする請求項3乃至6いずれか記載の居住装置。
【請求項8】
前記他動運動機器を使用するユーザの体動を検出する体動検出手段と、映像を表示する映像機器とを備え、
前記他動運動機器は、ユーザが跨いで着座する鞍状の座席部と、当該座席部を揺動させる駆動部とを具備して、乗馬運動を模した運動負荷をユーザに与える乗馬型の運動機器からなり、
前記制御手段は、フィットネスモードの設定時に、前記照明器具が出力する光の色温度をユーザの身体活性度が向上する色温度に制御するとともに、体動検出手段が検出したユーザの腰部の軌跡を映像機器に表示することを特徴とする請求項3記載の居住装置。
【請求項9】
前記機器は、映像を表示する映像機器と、居住空間の天井に設置されたスピーカ機器とであり、前記モード設定手段は、設定可能なモードとして、映像機器およびスピーカ機器を使用する映像視聴モードを具備し、前記制御手段は、映像視聴モードの設定時に、前記照明器具が出力する光の色温度を映像視聴に適した色温度に制御することを特徴とする請求項2乃至8いずれか記載の居住装置。
【請求項10】
居住空間内で前記映像機器を収納する収納領域を他の領域と仕切る扉を開閉可能に駆動する駆動手段を備え、映像視聴モードの設定時に、駆動手段は扉を開制御することを特徴とする請求項9記載の居住装置。
【請求項11】
前記映像機器を収納する第1の収納領域と、第1の収納領域に隣接して設けられた第2の収納領域と、第1の収納領域と第2の収納領域とのいずれかを切替自在に他の領域と仕切る扉とを備え、扉が第1の収納領域を隠蔽する状態から第2の収納領域を隠蔽する状態に切り替えられた場合、前記モード設定手段は、映像視聴モードを設定することを特徴とする請求項9記載の居住装置。
【請求項12】
前記機器は机であり、居住空間内で机を配置した領域を他の領域と仕切る扉を開閉可能に駆動する駆動手段を備えて、前記モード設定手段は、設定可能なモードとして、机を使用する勉強モードを具備し、勉強モードの設定時に、前記制御手段は、照明器具が出力する光の色温度を勉強に適した色温度に制御し、駆動手段は、扉を開制御することを特徴とする請求項2記載の居住装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−259715(P2009−259715A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−109611(P2008−109611)
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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