説明

屋外機器排気ルーバ腐食防止カバー

【課題】排気ファンの風力を利用して、集めた水滴を吹き飛ばしたり、蒸散させたりすることにより、屋外機器の金属製筐体の側面に一体として設けられているルーバの腐食を防止することを可能とした排気ルーバ腐食防止カバーを提供する。
【解決手段】排気ファンの排気の排気口に設けられるルーバが金属製筐体の側面に一体として設けられている屋外機器において、排気ファンの風力が強い位置に凹部を形成した曲線状部材と、曲線状部材の端部を支持する枠部材と、枠部材の上端部及び両側端部に筐体側に屈曲するように延設した囲い壁とを有する、ルーバを覆うカバー部と、カバー部の囲い壁の先端部分を、筐体の外壁面に密着するように取り付けるための取付部とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動機等の屋外機器の筐体の外側に取り付けるカバーに係り、特に金属製の
屋外機器の筐体に一体として設けられたルーバの腐食を防止することができる屋外機器排気ルーバ腐食防止カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図6に示すように、屋外に設置される電動機や室外機等の屋外機器100には、内部で発生する熱を放熱させるための排気ファン101が設けられると共に、筐体102には排気ファン101の排気を阻害しないように、また、筐体102内部に雨水等が入り込まないように、ルーバ103が一体として設けられている。
【0003】
このような屋外機器としては、例えば、特許文献1の特開平10−311638公報「屋外設置用キャビネット型通信装置」等が提案されている。
この「屋外設置用キャビネット型通信装置」には、キャビネット状の本体部に外気排気ファン用のルーバを設けて、収容している電子機器の熱を効率的に排熱するように構成されたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−311638公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ルーバ103が一体として設けられる、屋外機器100の筐体102は、耐久性や耐熱性などの観点から、金属製である場合が多い。ルーバ103は、屋外に面して設置されるため、その先端には雨水等による水滴が滞留しやすく、腐食しやすい。そして、ルーバ103が腐食してしまうと、錆によって排気・排熱が妨げられたり、排気ファン101のモータ内部への水滴の侵入を防ぐことができなくなってしまう。腐食したルーバ103を補修するためには、ルーバ103が筐体102と一体となって設けられているため、内部に収められた機器から筐体102を取り外す必要があり、補修が大掛かりとなるといった問題があった。また、筐体102全体を交換しようとすると、経済的な負担が大きくなるという問題があった。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するために提案されたものである。すなわち、本発明の目的は、ルーバ103に雨水等が掛かることを防ぐだけでなく、排気ファン101の風力の強い部分に凹部を形成した曲線状部材を設け、水滴の滴下・蒸散を促すことによって、ルーバ103が腐食することを防止する排気ルーバ腐食防止カバーを提供することにある。
【0007】
上記の目的を達成するための本発明の第1の排気ルーバ腐食防止カバーは、排気ファン(101)の排気口に設けられるルーバ(103)が金属製筐体(102)の側面に一体として設けられている屋外機器(100)において、前記排気ファン(101)の風力が強い位置に凹部を形成した曲線状部材(12、13、14)と、該曲線状部材の端部を支持する枠部材(16)と、該枠部材(16)の上端部及び両側端部に前記筐体(102)側に屈曲するように延設した囲い壁(20)とを有する前記ルーバ(103)を覆うカバー部(50)と、該カバー部(50)の囲い壁(20)の先端部分を、前記筐体(102)の外壁面に密着するように取り付けるための取付部(70)と、を備えた、ことを特徴とする。
【0008】
前記曲線状部材は、前記排気ファン(101)の回転軸に垂直な鉛直断面において、略U字状である羽板(12、13)又は/及び略W字状である羽板(14)からなり、該羽板は前記筐体(102)側が斜め上方になるように傾斜したものでもよい。
【0009】
前記カバー部(50)は、さらに前記曲線状部材(12、14)の凹部前面に接し、略鉛直方向に延びるように配設された導水部(90)を有してもよい。
また、前記取付部(70)により、前記筐体(102)に着脱可能に取付けられてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の排気ルーバ腐食防止カバーは、排気ファンの風力が強い位置に水滴を集めるように凹部を形成した曲線状部材を有するカバー部を備えることにより、ルーバに雨水等の水滴が掛かるのを防ぐと共に、排気ルーバ腐食防止カバーに付着した水滴の滴下・蒸散を促し、ルーバ周辺の湿度を下げ、ルーバの腐食を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1の排気ルーバ腐食防止カバーを正面斜め上方から視認した概略斜視図である。
【図2】実施例1の排気ルーバ腐食防止カバーを筐体に取り付けた際の概略図であり、(a)は右側面図、(b)は図1のX−X部分の断面図である。
【図3】実施例1の排気ルーバ腐食防止カバーの、図2(a)のY−Y部分の断面図である。
【図4】実施例1の排気ルーバ腐食防止カバーの通気孔部分の曲線状部材の凹部の位置と、排気ファンの風力との対応関係を示す説明図である。
【図5】実施例2の排気ルーバ腐食防止カバーの概略図であって、(a)は正面斜め上方から視認した概略斜視図、(b)は排気ルーバ腐食防止カバーを筐体に取り付けた際の(a)Z−Z部分の断面図である。
【図6】従来の屋外機器の構成の一部を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0012】
以下、本発明の排気ルーバ腐食防止カバーの実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は実施例1の排気ルーバ腐食防止カバー1を正面斜め上方から視認した概略斜視図である。図2は実施例1の排気ルーバ腐食防止カバー1を筐体102に取り付けた際の概略図であり、(a)は右側面図、(b)は図1のX−X部分の断面図である。図3は実施例1の排気ルーバ腐食防止カバー1の、図2(a)のY−Y部分の断面図である。
図1、図2に示すように、実施例1の排気ルーバ腐食防止カバー1は、排気ファン101のルーバ103と対面するように排気ファン101の回転軸に対して略垂直に配設される通気部10と、通気部10の上端部及び両側端部に筐体102側に屈曲するように周設された囲い壁20とからなる、ルーバ103を覆うカバー部50と、カバー部50を筐体102に取り付けるために、カバー部50の囲い壁20の先端部の壁面に固着される取付部70とから構成される。
【0013】
通気部10は、複数の曲線状部材12(12a〜c)、13、14(14a〜e)と、これらの曲線状部材12〜14を支持する枠状部材16とからなる。
曲線状部材12〜14は、図1、図2に示すように、短手方向の長さが等しい略矩形状の板を屈曲させたような形状であり、長手方向に平行な断面が略U字状である羽板12、13と略W字状である羽板14とからなる。図1に示すように、略U字状の羽板12a、略W字状の羽板14a〜e、略U字状の羽板13は、上から順にその中心が鉛直方向に並ぶように設けられており、略U字状の羽板12b、12cは、略U字状の羽板12aと略W字状の羽板14aとの空間を埋めるように左右に並ぶように設けられている。
また、図2に示すように、各羽板12〜14は、その短手方向がルーバ103の短手方向と略平行であり、筐体102側が鉛直方向上方となるように傾斜して設けられている。そして、各羽板12〜14は筐体102の外壁面から等間隔の位置に設けられている。
【0014】
枠状部材16は、図2(b)、図3に示すように略矩形の板状であり、その中央部には略円形の通気孔16xが設けられている。通気孔16xは図2(b)に示すように側面視平行四辺形の、円柱を斜めに押しつぶしたような形状をしており、その中心線はルーバ103の短手方向と略平行である。
図2、図3に示すように、略U字状の羽板12aと略W字状の羽板14a〜eは、その長手方向両端部の筐体102側が、通気孔16xの内壁面によって支持されている。略U字状の羽板12b、12cにおいては、その長手方向両端部のうち、通気孔16xの中央側の端部は略U字状の羽板12aの下壁面に、外側の端部の筐体102側部分は略U字状の羽板12a等と同様に通気孔16xの内壁面によって支持されている。また、略U字状の羽板13は、その長手方向両端部とも略W字状の羽板14eの下壁面によって支持されている。
また、曲線状部材12〜14の短手方向の下端側部分は、図2に示すように枠状部材16の前面から突出するように形成されている。
【0015】
囲い壁20は、図1、2に示すように、略矩形の板状である庇部22と、対面する略平行四辺形の板状である側壁部24とからなる。
図2に示すように、庇部22は、本体部10の枠状部材16の上端縁部から筐体102側に斜め上方に延ばすようにして設けられる。また、側壁部24は、庇部22の両端部から下方に、かつ、本体部10の側端部から立ち上がるように延設されている。
【0016】
庇部22の傾きは、図2に示すように、ルーバ103の傾きと略同じである。庇部22の短手方向の長さは、筐体102から突出しているルーバ103の短手方向の長さよりも長く、また、庇部22の下端部と筐体102との水平方向の距離は、側壁部24の短手方向の長さと同じである。この距離は、本体部10がルーバ103の先端に接触せず、かつ、排気ファン101の風力を利用できるように(詳細は後述する)、本体部10が排気ファン101から離れすぎることのないような大きさとなっている。
【0017】
カバー部50の素材は限定されず、金属製でも樹脂製でもよい。筐体102に収容される機器により、排気される気体の温度が異なるので、例えば電動機のように熱風が出る場合には金属製として、室外機のように温風である場合には樹脂製としてもよい。
【0018】
取付部70は、図1、図2に示すように、筐体102表面に対面する、囲い壁20の先端壁面全体に固着される略コの字状の樹脂磁石である。取付部70の樹脂磁石の表面は、滑らかに形成されており、本体部10及び囲い壁20からなるカバーを筐体102に密着させることができる。この取付部70によって、排気ルーバ腐食防止カバー1は、金属性の筐体102のルーバ103を覆うように着脱可能に後付けすることができる。
【0019】
図4は、実施例1の排気ルーバ腐食防止カバー1の通気孔16xの筐体102側部分の、曲線状部材12〜14の凹部の位置と、排気ファン101の風力との対応関係を示す説明図である。
排気ファン101の風力は、回転する羽根の形状にもよるが、一般的に回転軸がある中心部及び羽根の外側部分は弱く(図4の薄い灰色部分)、羽根の中央から外側の部分が強くなる(図4の濃い灰色に着色したドーナツ状部分)。
排気ルーバ腐食防止カバー1では、図4に示したように、羽板12〜14の形状を略U字状又は略W字状の曲線状部材として、風力の強い部分(濃い灰色部分)に対応する位置に各羽板12〜14の凹部が形成されている。なお、排気ファン101の風はルーバ103によりその方向や風力が若干変化するので、その変化も考慮して、風力のより強い位置に凹部がくるように、使用される排気ファン101に合わせて、曲線状部材を形成することが好ましい。
【0020】
実施例1の排気ルーバ腐食防止カバー1によれば、金属製の筐体102に設けられたルーバ103に雨水やごみ等が掛かるのを防ぐことができる。
羽板12〜14を前方に傾斜させるだけでなく、屈曲させ凹部に水滴を集め、滴下させることができるので、水滴が滞留しにくい構造となっている。また、曲線状の凹部に水滴を集めることにより、集まる水の量が少ない場合でも、表面張力の影響を受けにくく、水滴が滞留しにくい。よって、ルーバ103周辺の湿度を上がるのを防ぐことができる。
【0021】
さらに、前述したように、排気ファン101の風力の強い部分に凹部を形成して水滴に集めるので、風を利用して水滴を吹き飛ばしたり、排気ファン101による熱風又は温風により水滴を蒸散させることが可能となる。このように排気ファン101の風を利用することによって、ルーバ103周辺の湿度を効果的に下げることができる。
【0022】
排気ルーバ腐食防止カバー1の取付部70は樹脂磁石であるので、筐体102に着脱可能に容易に取り付けることができ、筐体102の表面の塗装を傷つけにくい。排気ルーバ腐食防止カバー1を、雨天時には取付けてルーバ103を保護し、晴天時には取り外してルーバ103周囲の風通しをよくすることができる。よって、さらに効果的にルーバ103の腐食を防ぐことができ、取り外した際にはルーバ103の状態を、目視により容易に点検することができる。また、脱着可能であるので、排気ルーバ腐食防止カバー1の裏側に水滴やごみ等が付着した場合でも拭き取ることができ、もし排気ルーバ腐食防止カバー1が腐食しても、新しいものと簡単に交換できる。
【0023】
このように、実施例1の排気ルーバ腐食防止カバー1によれば、ルーバ103の腐食を防止し、筐体102の補修費用を削減することができる。排気ルーバ腐食防止カバー1は、簡単な構造であり、容易に製造できるので、経済的である。脱着も容易であり、費用が掛からない。
【0024】
通気部10、囲い壁20の形状、素材、構成、大きさ等は、上述したものに限られず、通気部10の曲線状部材12〜14が、排気ファン101の風力が強い部分に水滴を集めるような構成であり、排気ファン101の排気が阻害されないものであればよい。
例えば、曲線状部材を、略W字状の羽板部材のみ、または、略U字状の羽板部材のみで構成してもよい。排気ファン101による排気を阻害しない程度に、羽板である曲線状部材12〜14の凹部の先端側の曲率を大きくして、より水滴の流速が早くなるように集めて、より滴下しやすい構造としてもよい。
また、本体部10の曲線状部材12〜14は羽板であるが、略U字状又は/及び略W字状の線状部材として、狭い間隔で網目状に配設して、水滴の侵入を防ぎ、かつ、水滴の滴下・蒸散を促進するようにしてもよい。
【0025】
通気部10の通気孔16の形状も実施例1の排気ルーバ腐食防止カバー1のように円形に限られず、例えば矩形でも良い。
また、排気ルーバ腐食防止カバー1の側壁部24は平板状であるが、排気・通気を良くするために、例えばルーバ等を設けてもよい。カバー部50の形状も排気ルーバ腐食防止カバー1のような箱形に限られず、屋外機器100の排気ファン101やルーバ103の形状に合わせたものとすることができる。
【0026】
取付部70の形状、素材、構成、大きさ等も、上述したものに限られず、排気ルーバ腐食防止カバー1を筐体102に後付けできればよい。
排気ルーバ腐食防止カバー1の取付部70には、樹脂磁石を用いたが、筐体内に収容されている機器が磁力の影響を受ける場合には、他の取付方法を用いる。例えば、筐体102本体に連結部を設け、スライド式で取り付けるようにしたり、排気ルーバ腐食防止カバー1に筐体102本体の上面や側面を利用して固定するようにしてもよい。なお、排気ルーバ腐食防止カバー1は、筐体102の外壁面に密着するように設けることが好ましい。
カバー部50を樹脂製とする場合には、透明にして、取り付けたままの状態で排気ルーバ腐食防止カバー1の裏面やルーバ103の状況を目視で把握できるようにすることが好ましい。
【実施例2】
【0027】
図5は、実施例2の排気ルーバ腐食防止カバー2の概略図であって、(a)は正面斜め上方から視認した概略斜視図、(b)は排気ルーバ腐食防止カバー2を筐体102に取り付けた際の(a)Z−Z部分の断面図である。
図5に示すように、実施例2の排気ルーバ腐食防止カバー2は、実施例1の排気ルーバ腐食防止カバー1に、さらに導水部90が取り付けられている。また、排気ルーバ腐食防止カバー2は、排気ルーバ腐食防止カバー1の曲線状部材12aの、突出部分の長さが異なるだけで、その他の部分については、実施例1と同様なので、図面に同じ符号を付し、説明は省略する。
【0028】
導水部90は、図5に示すように、流水材92と集水材94とからなる。また、実施例2の排気ルーバ腐食防止カバー2の曲線状部材12a´は、実施例1の曲線状部材12aよりも突出部分の長さが、短くなっている。
【0029】
流水材92は細い直線状の上端部を丸くした柱部材であり、柱部材の背面上部は略U字状の羽板12a´の凹部前面に固設されており、柱部材の下面は羽板12a´のすぐ下方にある略W字状の羽板14aの凸部上面に固設されている。また、流水材92の上端部は曲線状部材12の上側湾曲面よりもわずかに上方に突出するように設けられている。
【0030】
集水材94は、上端部及び下端部を丸くした、細い湾曲した二本の柱状部材である。二本の柱状部材は、それぞれ、略U字状の羽板12bの凹部前面と各曲線状部材14a〜eの左側凹部前面、略U字状の羽板12cの凹部前面と各曲線状部材14a〜eの右側凹部前面に接して架設される。集水材94の上端部も流水材92同様、最上部の曲線状部材14の上側湾曲面よりもわずかに上部に突出するように設けられる。また、集水材94の下端部は、最下部の曲線状部材14eの下側湾曲面より下方に突出し、正面視で本体部10の枠状部材16の前面に延びるように設けられている。
【0031】
実施例2の排気ルーバ腐食防止カバー2は、導水部90を設け、羽板12〜14の凹部に集まり、前方に流れてきた水滴が導水部90の側面を伝う等して、自重により流れ落ちる構成となっている。よって、排気ルーバ腐食防止カバー1よりもさらに効果的にルーバ103の腐食を防ぐことができる。
具体的には、流水材92は、羽板12a´の凹部の前方に流れてくる水滴を、その下方に設けられている羽板14aの上面に運ぶ役割を担う。また、集水材94は、羽板12b、12c、14a〜eの凹部の前方に流れてくる水滴を上方から順に集めて、集水材94の下端部先端から下方の地面等へ滴下させる役割を担う。
流水材92、集水材94は、羽板12、14が何かにぶつかる等して変形してしまうのを防ぐ、補強材としての役目も担う。
【0032】
カバー部50、取付部70の形状、素材、構成、大きさ等は、実施例1と同様、上述したものに限られない。また、導水部90の形状、素材、構成、大きさ等も、上述したものに限られず、通気部10の曲線状部材12、14の凹部に集められた水滴が自重により流れ落ちるのを助ける構造であればよい。
例えば、導水部90の上端の突出部分の、水平方向の断面が平面視で滴形状となるようにしてもよい。さらに、水滴が伝わりやすいように、導水部90の両側面の長手方向に溝をつけてもよい。また、集水材94の、曲線状部材14eの下方に突出している部分の背面側と枠状部材16の前面とに、例えば、棒状の支持部材を配設して、集水材94による補強の効果を高める構成としても良い。
【0033】
なお、本発明は上述した発明の実施の形態に限定されず、排気ルーバ腐食防止カバーに掛かる雨水等の水滴を排気ファンの風力の強い部分に集め、水滴の滴下・蒸散を促すことができれば、図示したような構成に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の屋外機器排気ルーバ腐食防止カバーは、ルーバのカバーに限らず、その通気部の構成を屋外機器の筐体本体のルーバの形状として利用することができる。また、本発明の水滴の滴下を促す曲線状部材や導水部の構成については、排気部だけでなく、吸気部に使用することも可能である。
【符号の説明】
【0035】
1,2 屋外機器排気ルーバ腐食防止カバー
10 通気部
12、13、14 曲線状部材
16 通気孔
20 囲い壁
22 庇部
24 側壁部
50 カバー部
70 取付部
90 導水部
92 流水部
94 集水部
100 屋外機器
101 排気ファン
102 筐体
103 ルーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気ファン(101)の排気口に設けられるルーバ(103)が金属製筐体(102)の側面に一体として設けられている屋外機器(100)において、
前記排気ファン(101)の風力が強い位置に凹部を形成した曲線状部材(12、13、14)と、該曲線状部材の端部を支持する枠部材(16)と、該枠部材(16)の上端部及び両側端部に前記筐体(102)側に屈曲するように延設した囲い壁(20)とを有する前記ルーバ(103)を覆うカバー部(50)と、
該カバー部(50)の囲い壁(20)の先端部分を、前記筐体(102)の外壁面に密着するように取り付けるための取付部(70)と、を備えた、ことを特徴とする排気ルーバ腐食防止カバー。
【請求項2】
前記曲線状部材は、前記排気ファン(101)の回転軸に垂直な鉛直断面において、略U字状である羽板(12、13)又は/及び略W字状である羽板(14)からなり、該羽板は前記筐体(102)側が斜め上方になるように傾斜した、ことを特徴とする請求項1に記載の排気ルーバ腐食防止カバー。
【請求項3】
前記カバー部(50)は、さらに前記曲線状部材(12、14)の凹部前面に接し、略鉛直方向に延びるように配設された導水部(90)を有する、ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の排気ルーバ防止カバー。
【請求項4】
前記取付部(70)により、前記筐体(102)に着脱可能に取付けられる、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の排気ルーバ腐食防止カバー。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−21046(P2013−21046A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151629(P2011−151629)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】