説明

屋根材の取り付け部材の連結構造、そのような構造に用いられる取り付け部材及びそのような一対の取り付け部材を連結部材を用いて連結する方法

【課題】止水性の高い樋状の屋根材の取り付け部材の連結構造を提供する。
【解決手段】屋根材の取り付け部材の連結構造は、一対の屋根材の取り付け部材10a、10bであって、それぞれの取り付け部材10a、10bが、屋根材が固定される長尺で樋状の取り付け本体11、及び取り付け本体10a、10bにおける長手方向の少なくとも一方の端部を建物の構造材に固定する固定部20を有する、一対の取り付け部材10a、10bと、一対の取り付け部材同士を連結する樋状の連結部材30であって、一対の取り付け部材それぞれの取り付け本体11における一方の端部同士を突き合わせた状態で、突き合わされた一方の端部同士の外側を固定される屋根材とは反対の方向から覆うようにして、一対の取り付け部材10a、10bを連結する連結部材30と、を備え、固定部20は連結部材30に結合される切り込み23を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋根材の取り付け部材の連結構造、そのような構造に用いられる取り付け部材及びそのような一対の取り付け部材を連結部材を用いて連結する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の屋根は、複数の屋根材が並べられて構成されている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されるように、建物の屋根には、複数の長尺の屋根材が長手方向に延びる側部同士を突き合わせて、建物の構造材の上に並べて配置されているものがある。
【0004】
そして、屋根材は、特許文献1に開示されているような取り付け部材を用いて、建物の構造材に固定される。
【0005】
特許文献1に開示される取り付け部材は、長尺で樋状の形を有しており、一対の屋根材の側部同士が突き合わされた状態で、その突き合わされた側部同士を樋状の凹部内に収容している。そのため、取り付け部材は、雨水等が一対の屋根材の側部同士の間から取り付け部材内に侵入しても、雨水等を流す樋として機能する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−26807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、屋根材の長手方向の寸法が、取り付け部材の長さよりも長い場合には、複数の取り付け部材が連結されて用いられる。
【0008】
この際、2つの取り付け部材それぞれの端部同士を突き合わせた連結部に隙間があると、取り付け部材内を流れる雨水等が、この連結部から外へ漏れるおそれがある。
【0009】
そこで、本明細書では、上述した問題を解決しうる屋根材の取り付け部材の連結構造を提供することを目的とする。
【0010】
また、本明細書では、上述した問題を解決しうる屋根材の取り付け部材の連結構造に用いられる取り付け部材を提供することを目的とする。
【0011】
更に、本明細書では、そのような一対の取り付け部材を連結部材を用いて連結する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本明細書に開示する取り付け部材の連結構造によれば、一対の屋根材の取り付け部材であって、それぞれの上記取り付け部材が、屋根材が固定される長尺で樋状の取り付け本体、及び上記取り付け本体における長手方向の少なくとも一方の端部を建物の構造材上に支持する支持部を有する、一対の取り付け部材と、上記一対の取り付け部材同士を連結する樋状の連結部材であって、上記一対の取り付け部材それぞれの上記一方の端部同士を突き合わせた状態で、突き合わされた上記一方の端部同士の外側を固定される屋根材とは反対の方向から覆うようにして、上記一対の取り付け部材を連結する連結部材と、を備え、上記支持部は上記連結部材に結合される結合部を有する。
【0013】
また、本明細書に開示する取り付け部材によれば、屋根材が固定される長尺で樋状の取り付け本体と、上記取り付け本体における少なくとも長手方向の一方の端部を、建物の構造材上に支持する支持部と、を備え、上記支持部は、一方の上記取り付け本体における上記一方の端部と他方の上記取り付け本体における上記一方の端部とを突き合わせて連結するための結合部を有する。
【0014】
更に、本明細書に開示する一対の屋根材の取り付け部材を連結部材を用いて連結する方法によれば、一対の屋根材の取り付け部材であって、それぞれの上記取り付け部材が、屋根材が固定される長尺で樋状の取り付け本体、及び上記取り付け本体における長手方向の少なくとも一方の端部を建物の構造材上に支持する支持部を有し、上記支持部が上記一対の取り付け部材それぞれの上記一方の端部同士を突き合わせて連結するための結合部を有する一対の取り付け部材を、上記一対の取り付け部材同士を連結する樋状の連結部材であって、上記一対の取り付け部材それぞれの上記一方の端部同士を突き合わせた状態で、突き合わされた上記一方の端部同士の外側を固定される屋根材とは反対の方向から覆うようにして、上記一対の取り付け部材を連結する連結部材を用いて連結する方法であって、一方の上記取り付け部材の上記結合部を上記連結部材の一方の側に結合し、他方の上記取り付け部材の上記結合部を上記連結部材の他方の側に結合する。
【発明の効果】
【0015】
上述した本明細書に開示する樋状の屋根材の取り付け部材の連結構造によれば、屋根材の取り付け部材の連結部の止水性が高められる。
【0016】
また、上述した本明細書に開示する樋状の取り付け部材によれば、高い止水性を有する屋根材の取り付け部材の連結構造が得られる。
【0017】
更に、上述した本明細書に開示する一対の樋状の屋根材の取り付け部材を連結部材を用いて連結する方法によれば、高い止水性を有する屋根材の取り付け部材の連結構造が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(A)は、第1実施形態の屋根材の取り付け部材の連結構造を用いる屋根構造の一例を示す図であり、(B)は、第1実施形態の屋根材の取り付け部材の連結構造を有する屋根構造の他の一例を示す図である。
【図2】本明細書に開示する屋根材の取り付け部材の連結構造の第1実施形態を示す斜視図である。
【図3】(A)は、第1実施形態の取り付け部材の連結構造の端面図であり、(B)は、平面図であり、(C)は、側面図である。
【図4】第1実施形態の取り付け部材の連結構造に屋根材が固定された屋根構造の一実施形態を示す図である。
【図5】本明細書に開示する屋根材の取り付け部材の連結構造の第2実施形態を示す斜視図である。
【図6】(A)は、第2実施形態の取り付け部材の連結構造の端面図であり、(B)は、平面図であり、(C)は、側面図である。
【図7】本明細書に開示する屋根材の取り付け部材の連結構造の第3実施形態を示す斜視図である。
【図8】(A)は、第3実施形態の取り付け部材の連結構造の端面図であり、(B)は、平面図であり、(C)は、側面図である。
【図9】第3実施形態の取り付け部材の連結構造に屋根材が固定された屋根構造の一実施形態を示す図である。
【図10】(A)〜(D)は、一対の取り付け部材を連結部材を用いて連結する方法の第1実施形態を示す図である。
【図11】(A)〜(E)は、一対の取り付け部材を連結部材を用いて連結する方法の第2実施形態を示す図である。
【図12】(A)〜(E)は、一対の取り付け部材を連結部材を用いて連結する方法の第3実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本明細書で開示する屋根材の取り付け部材の連結構造の好ましい第1実施形態を、図を参照して説明する。但し、本発明の技術範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
【0020】
図1(A)は、第1実施形態の屋根材の取り付け部材の連結構造を用いる屋根構造の一例を示す図であり、図1(B)は、第1実施形態の屋根材の取り付け部材の連結構造を有する屋根構造の他の一例を示す図である。図2は、本明細書に開示する屋根材の取り付け部材の連結構造の第1実施形態を示す斜視図である。図3(A)は、第1実施形態の取り付け部材の連結構造の端面図であり、図3(B)は、平面図であり、図3(C)は側面図である。ここで、図3(A)は、図3(B)のX−X線断面図である。
【0021】
図1(A)に示すように、複数の長尺の屋根材60が、本実施形態の屋根材の取り付け部材の連結構造1(以下、単に連結構造1ともいう)を用いて、その長手方向に延びる側部同士を突き合わせた状態で建物の屋根構造を形成している。1つの屋根材60の長手方向の寸法は、1つの取り付け部材10a、10bの長さよりも長いので、2つの取り付け部材10a、10bが連結されて用いられている。
【0022】
図2に示すように、連結構造1は、一対の長尺の屋根材の取り付け部材10a、10bと、一対の取り付け部材同士を連結する連結部材30と、を備える。
【0023】
連結構造1は長尺であり、その長手方向は、取り付け部材10a、10bの長手方向と一致している。また、連結構造1の長手方向は、屋根材60の長手方向と一致している。本明細書では、図2及び図3に示す連結構造1は、その全体を示すために図1(A)に示されるものよりも短く描かれている。
【0024】
一対の取り付け部材10a、10bそれぞれは、同じ形状を有している。そこで、以下に述べる取り付け部材10aに関する説明は、取り付け部材10bに対しても適宜適用される。
【0025】
取り付け部材10aは、屋根材60が固定される長尺で樋状の取り付け本体11、及び取り付け本体11における長手方向の少なくとも一方の端部を建物の構造材上に支持する取り付け支持部20を有する。
【0026】
取り付け本体11の長手方向は、取り付け部材10aの長手方向と一致している。また、本実施形態では、取り付け支持部20は、取り付け本体11の長手方向の全体に亘って設けられている。取り付け支持部20の長手方向も、取り付け部材10aの長手方向と一致している。即ち、取り付け支持部20は、取り付け本体11の長手方向の全体を建物の構造材上に支持する。また、取り付け支持部20は、例えば、ビス等を用いて所定の間隔で建物の構造材に接合されて、取り付け本体11を建物の構造材上に固定する。
【0027】
まず、取り付け本体11について、以下に説明する。
【0028】
取り付け本体11は、板状の底部11aと、底部11aの両端に底部11aとは反対の方向に向かって延びるように垂設された板状の側部11bとを有する。底部11aと一対の側部11bは、上方に開口した樋状の空間を形成する。底部11a及び側部11bも長尺であり、その長手方向は、取り付け本体11の長手方向と一致する。
【0029】
また、取り付け本体11は、屋根材60を取り付けるための屋根材保持部12を有する。屋根材保持部12は、底部11aの略中央に底部11aとは反対の方向に向かって垂設された屋根材受け部12bと、側部11bの端部から底部11a側に向かって折り返すように形成された当接部12aとを有する。屋根材保持部12を用いて屋根材60が取り付け本体11に取り付けられる構成については後述する。
【0030】
次に、取り付け支持部20について、以下に説明する。
【0031】
取り付け支持部20は、取り付け本体11の幅方向の両端部それぞれに設けられている。取り付け支持部20は、底部11aの幅方向の端部それぞれから外方に向かって延出している。ここで、取り付け本体11の幅方向は、取り付け本体11の長手方向と直交する方向であり、同様に、底部11aの幅方向は、底部11aの長手方向と直交する方向である。
【0032】
図2及び図3(A)に示すように、取り付け支持部20は、底部11aの幅方向の端部から側部11bとは反対の方向に向かって斜めに延びる傾斜部21と、傾斜部21の端部から底部11aの幅方向の外方に向かって水平に延びる板状の水平部22とを有する。水平部22は、底部11aと平行に延びている。
【0033】
そして、傾斜部21は、連結部材30に結合される結合部を有する。本実施形態では、傾斜部21の結合部は、切り込み23を有する。切り込み23は、取り付け支持部20の長手方向に延びている。
【0034】
図3(B)に示すように、切り込み23を連結構造1の上方から見た形状は、縦長の矩形形状を有する。
【0035】
また、水平部22は、取り付け本体11を建物の構造材上に支持する。また、水平部22には、取り付け本体11を建物の構造材上に固定する際に、ビス等で貫通穴を開けるための位置の目印となる溝24が、取り付け支持部20の長手方向に延びるように設けられている。
【0036】
次に、連結部材30について、以下に説明する。
【0037】
連結部材30は、樋状の形状を有する。連結部材30は、一対の取り付け部材10a、10bそれぞれの取り付け本体11における一方の端部同士を突き合わせた状態で、突き合わされた一方の端部同士の外側を固定される屋根材とは反対の方向から覆うようにして、一対の取り付け部材10a、10bを連結する。
【0038】
連結部材30は、底板31と、底板31の両端に底板31とは反対の方向に向かって延びるように垂設された側板32とを有する。底板31と一対の側板32は、上方に開口した樋状の空間を形成する。樋状の連結部材30の開口の向きが、樋状の一対の取り付け本体11それぞれの開口の向きと一致している。連結部材30は横長であり、その長手方向は、連結構造1の長手方向と一致する。樋状の形状を有する連結部材30は、同様に樋状の形状を有する取り付け本体11を、内部に収容し得る寸法を有している。
【0039】
連結部材30の底板31の両端に垂設された側板32それぞれの基部が、取り付け支持部20の切り込み23に差し込まれて、一対の取り付け部材10a、10bが、連結部材30を用いて連結される。切り込み23の長さは、側板32の長手方向の寸法の半分の寸法である。また、切り込みの幅は、側板32の厚さに対応している。
【0040】
連結部材30の底板31は、取り付け本体11の板状の底部11aの下側に密接するように配置される。また、連結部材30の側板32は、取り付け本体11の板状の側部11bの外側に密接するように配置される。このように、樋状の連結部材30は、その開口の向き一致させて、一対の樋状の取り付け部材10a、10bと重ね合わされる。
【0041】
このように、連結部材30は、取り付け本体11の突き合わせた一方の端部それぞれの外側と密接することが、連結構造1の止水性を高める上で好ましい。
【0042】
連結構造1では、突き合わされた一方の端部と連結部材30との間には、止水性を有するシール材71(図10参照)が配置されることが、連結構造1の止水性を更に高める上で好ましい。シール材71としては、コーキング材のようなペースト状のものを連結部材30の内側に塗布することができる。また、シール材71として、パッキング材のような弾性を有するものを、連結部材30の内側にその周縁にそって環状に配置しても良い。
【0043】
取り付け支持部20の傾斜部21の傾斜によって建物の構造材と取り付け本体11の底部11aとの間に形成される隙間は、連結部材30の底板31、又は底板31及びシール材71が収まることを許容する寸法を有することが好ましい。
【0044】
このように、連結構造1では、一対の取り付け部材10a、10bの連結部が、連結部材30によって連結されている。
【0045】
図4は、第1実施形態の取り付け部材の連結構造に屋根材が固定された屋根構造の一実施形態を示す図である。
【0046】
屋根構造5では、一対の屋根材60a、60bは、その長手方向に延びる側部同士を突き合わせた状態で、連結構造1に取り付けられている。そして、連結構造1は、ビス70を用いて建物の構造材80に固定されている。このようにして、上述した連結構造1を用いて、一対の屋根材60a、60bが建物の構造材80に固定される。
【0047】
連結構造1の取り付け支持部20は、その溝24の部分に所定の間隔でビス70が打ち込まれて、建物の構造材80上に接合される。ビス70としては、例えば、ドリルビスを用いることができる。
【0048】
図4に示す屋根構造5では、屋根材60a、60bは、上面材62と下面材63とこれらを連結するリブ64とからなる複層部材である。そのため、上面材62と下面材63とリブ64とで囲まれた多数の中空部61が形成されており、屋根材60a、60bに剛性を付与されると共に、中空部61により断熱作用が発揮される。
【0049】
また、屋根材60a、60bは、その端部において下方に延在する引っ掛け部65を有しており、建物の構造材80に固定された取り付け部材10a、10bに引っ掛け部65を挿入して固定される。
【0050】
屋根材保持部12は、屋根材60a、60bの引っ掛け部65の内側に位置する内面65aに当接する当接部12aと、屋根材60a、60bの端面であって引っ掛け部65の外側に位置する外面65bを受ける屋根材受け部12bとから構成されている。屋根材受け部12bは、取り付け本体11の底部11aの略中央から垂直方向上方に延在している。また、当接部12aは、屋根材受け部12bとは所定の距離離れると共に、側部11bから内側に向かって引っ掛け部65の内面65aの形状に対応するように延びている。引っ掛け部65を当接部12aと屋根材受け部12bとの間に挿入することにより、当接部12aがその弾性によって引っ掛け部65の内面65aを屋根材受け部12bに向けて付勢し、引っ掛け部65の外面65bを屋根材受け部12bが受けることにより引っ掛け部65が固定されて、屋根材保持部12が屋根材60a、60bを保持するようになる。
【0051】
また、引っ掛け部65の先端部は鍵型に形成されており、屋根材保持部12に挿入すると、引っ掛け部65が抜け出るのを防止するようになっている。
【0052】
また、図1(B)に示すように、上述した連結構造1の長手方向の一方の端部は押縁81によって塞がれると共に、屋根材60の端部は押縁81によって上方から押えられ得る。この押縁81は、取り付け部材10aのビス穴13を用いて、取り付け部材10aに固定される。
【0053】
また、連結構造1は、屋根の勾配と共に傾いた屋根の構造材80上に固定されているので、その長手方向は水平ではなく鉛直方向に傾いている。そのため、図4に示す屋根材60a、60bの突き合わされた端部同士の隙間から樋状の取り付け部材10a内部に侵入した雨水等は、屋根の高い方から低い方へ向かって取り付け本体11内を流れていく。連結構造1の低い方へ流れた水は、図示しない排水手段(例えば、屋根の低いほうの端部に配置される樋など)を用いて屋外に排出される。ここで、一対の取り付け部材10a、10bは、その連結部の外側が、樋状の連結部材30によって覆われているので、取り付け部材の連結部分から雨水等が漏れることが防止される。
【0054】
取り付け部材10a、10bの形成材料は、特に限定しないが耐久性と加工容易性の観点から、金属製とするのがよく、特にアルミニウムが好適である。また、取り付け部材10a、10bは長手方向において同一断面で形成されており、押出し成形により任意の長さで作製することが可能である。
【0055】
連結部材30の形成材料は、特に限定しないが、取り付け部材10a、10bと同様の形成材料を用いることができる。例えば、取り付け部材10a、10bの形成材料としてアルミニウムを用いる場合には、電蝕を防止する観点から連結部材30の形成材料も同じアルミニウムを用いることが好ましい。
【0056】
屋根材60a、60bの形成材料としては、特に限定されずに各種の材料を適宜用いることができる。例えば、屋根材の形成材料が透光性を有すると、屋根の意匠性を向上する観点から好ましい。透光性を有する屋根材の形成材料としては、合成樹脂又はガラスを用いることができる。合成樹脂としては、具体的には、ポリカーボネート、アクリル、塩化ビニル等が挙げられる。特に、ポリカーボネートは、強度及び成型性のバランスが良く、好適に用いられ得る。
【0057】
上述した本実施形態の屋根材の取り付け部材の連結構造によれば、屋根材の取り付け部材の連結部の止水性が高められる。
【0058】
次に、上述した屋根材の取り付け部材の連結構造の第2及び第3実施形態を、図5〜図9を参照しながら以下に説明する。他の実施形態について特に説明しない点については、上述の第1実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、同一の構成要素には同一の符号を付してある。
【0059】
図5は、本明細書に開示する屋根材の取り付け部材の連結構造の第2実施形態を示す斜視図である。図6(A)は、第2実施形態の取り付け部材の連結構造の端面図であり、図6(B)は、平面図であり、図6(C)は、側面図である。ここで、図6(A)は、図6(B)のY−Y線断面図である。
【0060】
本実施形態の取り付け部材の連結構造2は、上述した第1実施形態とは、取り付け支持部25の構造が異なっている。連結構造2では、取り付け支持部25は、底部11aの幅方向の端部それぞれから側部11bとは反対の方向に向かって延びる垂直部26と、垂直部26の端部に垂設された板状の水平部27とを有する。水平部27は、板状の底部11aに対して平行に延びている。また、水平部27は、垂直部26に対して内方に延びる部分と、外方に延びる部分とを有する。外方に延びる部分の長さは、内方に延びる部分よりも長い。また、この外方に延びる部分には、取り付け本体11を建物の構造材上に支持して固定する際に、ビス等で貫通穴を開けるための位置の目印となる溝29が、取り付け支持部25の長手方向に延びるように設けられている。なお、取り付け支持部25が、取り付け本体11の幅方向の両端部それぞれに設けられている点は、上述した第1実施形態と同様である。
【0061】
また、連結構造2は、上述した第1実施形態とは、結合部の切り込みが設けられている位置が異なっている。連結構造2では、切り込み28は、上述した垂直部26に設けられている。切り込み28は、取り付け支持部25の長手方向に延びている。
【0062】
図6(C)に示すように、切り込み28を連結構造2の側方から見た形状は、横長の矩形形状を有する。
【0063】
連結構造2の連結部材30は、上述した第1実施形態と同様の構造を有する。
【0064】
連結構造2では、連結部材30の底板31の両端部それぞれが、取り付け支持部25の切り込み28に差し込まれて、一対の取り付け部材10a、10bが、連結部材30を用いて連結される。切り込み28に差し込まれる底板31の部分は、底板31における側板32と接続している部分の近傍である。
【0065】
取り付け支持部25の垂直部26の長さによって建物の構造材と取り付け本体11の底部11aとの間に形成される隙間は、連結部材30の底板31、又は底板31及びシール材71が収まることを許容する寸法を有することが好ましい。
【0066】
本実施形態の他の構造は、上述した第1実施形態と同様である。
【0067】
上述した本実施形態の屋根材の取り付け部材の連結構造によれば、上述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0068】
次に、本明細書に開示する屋根材の取り付け部材の連結構造の第3実施形態について、図を参照しながら、以下に説明する。
【0069】
図7は、本明細書に開示する屋根材の取り付け部材の連結構造の第3実施形態を示す斜視図である。図8(A)は、第3実施形態の取り付け部材の連結構造の端面図であり、図8(B)は、平面図であり、図8(C)は、側面図である。ここで、図8(A)は、図8(B)のZ−Z線断面図である。
【0070】
本実施形態の取り付け部材の連結構造3は、取り付け部材40a、40bの構造が、上述した第1実施形態とは異なっている。
【0071】
一対の取り付け部材40a、40bそれぞれは、同じ形状を有している。そこで、以下に述べる取り付け部材40aに関する説明は、取り付け部材40bに対しても適宜適用される。
【0072】
取り付け部材40aは、屋根材60が固定される長尺で樋状の取り付け本体41、及び取り付け本体41における長手方向の少なくとも一方の端部を建物の構造材上に支持する取り付け支持部50を有する。
【0073】
取り付け本体41の長手方向は、取り付け部材40aの長手方向と一致している。また、本実施形態では、取り付け支持部50は、取り付け本体41の長手方向の全体に亘って設けられている。取り付け支持部50の長手方向も、取り付け部材40aの長手方向と一致している。即ち、取り付け支持部50は、取り付け本体41の長手方向の全体を建物の構造材上に支持する。
【0074】
まず、取り付け本体41について、以下に説明する。
【0075】
取り付け本体41は、板状の底部41aと、底部41aの両端に底部41aとは反対の方向に向かって延びるように垂設された板状の側部41bとを有する。底部41aと一対の側部41bは、上方に開口した樋状の空間を形成する。底部41a及び側部41bも長尺であり、その長手方向は、取り付け本体41の長手方向と一致する。
【0076】
また、取り付け本体41は、屋根材60を取り付けるための屋根材保持部42及びボルト固定部45を有する。屋根材保持部42は、側部41bの端部から外方に向かって水平に延びている。屋根材保持部42は、取り付け本体41の長手方向の全体に亘って形成される。
【0077】
また、ボルト固定部45は、底部41aの略中央に設けられており、取り付け本体41の長手方向の全体に亘って形成される。図8(A)に示すように、ボルト固定部45は、ボルトの頭を収容可能な形状を有しており、その上部にはボルト本体が挿通するスリット45aが設けられている。屋根材保持部42及びボルト固定部45を用いて屋根材60が取り付け本体41に取り付けられる構成については後述する。
【0078】
次に、取り付け支持部50について、以下に説明する。
【0079】
取り付け支持部50は、取り付け本体41の幅方向の両端部それぞれに設けられている。取り付け支持部50は、底部41aの幅方向の端部それぞれから外方に向かって延出している。
【0080】
取り付け支持部50は、底部41aの幅方向の端部から外方に向かって延びる板状の第1水平部51と、第1水平部51の端部から側部41bとは反対の方向に向かって垂直に延びる垂直部52と、垂直部52の端部から外方に向かって延びる板状の第2水平部53とを有する。第1水平部51及び第2水平部53は、板状の底部41aに対して平行に延びている。
【0081】
第2水平部53には、取り付け本体41を建物の構造材上に支持して固定する際に、ビス等で貫通穴を開けるための位置の目印となる溝55が、取り付け支持部50の長手方向に延びるように設けられている。
【0082】
図7に示すように、連結部材35は、樋状の形状を有する。連結部材35は、一対の取り付け部材40a、40bそれぞれの取り付け本体41における一方の端部同士を突き合わせた状態で、突き合わされた一方の端部同士の外側を固定される屋根材とは反対の方向から覆うようにして、一対の取り付け部材40a、40bを連結する。
【0083】
連結部材35は、底板36と、底板36の両端に底板36とは反対の方向に向かって延びるように垂設された側板37とを有する。連結部材35の構造は、上述した第1実施形態と同様である。
【0084】
そして、第1水平部51には、連結部材35に結合される結合部を有する。本実施形態では、第1水平部51の結合部は、切り込み54を有する。切り込み54は、取り付け支持部50の長手方向に延びている。
【0085】
図7に示すように、切り込み54の形状は、縦長の矩形形状を有する。
【0086】
連結部材35の底板36の両端に垂設された側板37それぞれの基部が、取り付け支持部50の切り込み54に差し込まれて、一対の取り付け部材40a、40bが、連結部材35を用いて連結される。
【0087】
連結構造3では、取り付け本体41における突き合わされた一方の端部と連結部材35との間には、止水性を有するシール材が配置されることが、連結構造3の止水性を更に高める上で好ましい。
【0088】
取り付け支持部50の垂直部52の長さによって建物の構造材と取り付け本体41の底部41aとの間に形成される隙間は、連結部材35の底板36、又は底板36及びシール材が収まることを許容する寸法を有することが好ましい。
【0089】
このように、連結構造3では、一対の取り付け部材40a、40bの連結部が、連結部材35によって連結されている。
【0090】
図9は、第3実施形態の取り付け部材の連結構造に屋根材が固定された屋根構造の一実施形態を示す図である。
【0091】
屋根構造6では、取り付け部材40aは、屋根材60a、60bの端部上面に配置される板状の屋根材押え部43と、屋根材押え部43を取り付け本体41から支持する支持部46と、屋根材60a、60bの端部下面を取り付け本体41側から保持する上述した屋根材保持部42とを有する。支持部46が屋根材押え部43と取り付け本体41とを連結しているので、屋根材押え部43が屋根材60a、60bの端部を下方に向けて押圧することができる。そのため、取り付け部材40aは、屋根材押え部43と取り付け本体41とにより屋根材60a、60bの端部を挟持し、屋根材60a、60bを保持することができる。また、一対の屋根材保持部42が、屋根材60a、60bの端部下面を支えることにより、屋根材60a、60bが確実に保持される。
【0092】
連結構造3では、支持部46はボルトにより実現されており、図9に示すように、ボルト頭部46aを下方にして、ネジ山が形成されたボルト本体46bを上方に向けて配置している。支持部46の長さは、取り付け部材40aに屋根材60a、60bを配置した場合の高さよりも長く、少なくともボルト本体46bの端部が屋根材60a、60bの上面材62から突出するようになっている。
【0093】
取り付け本体41の底部41aの内面中央には、ボルト頭部46aを固定する上述したボルト固定部45が設けられている。ボルト固定部45は支持部46のボルト頭部46aの断面形状に合わせて形成されており、ボルト固定部45の上部にはボルト本体46bを挿通するため、ボルト本体46bの幅と略同じ幅のスリット45aが設けられている。支持部46は、取り付け部材40aの長手方向の端部よりボルト頭部46aをボルト固定部45の内部に挿入し、ボルト本体46bをスリット45aから出た状態で所定の位置まで長手方向に沿って移動させ、直立させる。支持部46の移動を可能にすることによって、後述する屋根押え部43に形成されたボルト孔44の所定の位置に合わせることができ、ボルト本体46bを容易にボルト孔44に挿通させることができる。もし、ボルト頭部46aが取り付け本体41に溶接固定されていると、支持部46は移動できずボルト本体46bとボルト孔44との位置がずれた場合、屋根押え部43に再度孔を開ける必要があり、作業効率が下がる。
【0094】
本実施形態の支持部46の上方端部には、屋根材押え部43と、屋根材押え部43を固定するためのナット及び座金47とが配置されている。屋根材押え部43は、屋根材60a、60bや取り付け本体41と実質的に同じ長さを有する長尺の板であって、支持部46のボルト本体46bを挿通するためのボルト孔44が所定の位置に形成されている。ボルト孔44の数は、屋根材60a、60bを保持するのに必要な支持部46の数だけ形成される。取り付け部材40aは、屋根材60a、60bを取り付け本体41と屋根材押え部43との間に介装した後、ナット及び座金47をボルト本体46bに螺合することにより、屋根材60a、60bを保持することができる。
【0095】
上述した本実施形態の屋根材の取り付け部材の連結構造によれば、上述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0096】
また、本実施形態では、屋根材60a、60bの突き合わされた端部同士の隙間が屋根材押え部43によって覆われているので、雨水等が、樋状の取り付け部材10a内部に侵入することが防止される。
【0097】
次に、上述した一対の取り付け部材を連結部材を用いて連結する方法の好ましい第1実施形態を、図面を参照して、以下に説明する。
【0098】
本実施形態の方法は、上述した第1実施形態の連結構造1を形成する方法の一例である。
【0099】
まず、図10(A)に示すように、連結部材30を、建物の構造材80上に配置する。そして、連結部材30の内面に、止水性を有するペースト状のシール材71が塗布される。このようにして、後述する取り付け部材10aと連結部材30との間及び後述する取り付け部材10bと連結部材30との間に、シール材71が配置される。
【0100】
そして、取り付け部材10bを、連結部材30の上方から連結部材30に向かって降ろして、その取り付け支持部20の切り込み23に連結部材30の一方の側における側板32それぞれを差し込み、取り付け部材10bを連結部材30の一方の側に結合する。連結部材30の内面に塗布されたペースト状のシール材71は、連結部材30と取り付け部材10bとを接着する。
【0101】
更に、取り付け部材10bの取り付け支持部20を、建物の構造材80上に接合する。取り付け支持部20の建物の構造材80に対する接合は、例えば、ドリルビス(図示せず)を溝24に所定の間隔で打ち込むことにより行うことができる。このようにして、取り付け部材10bの取り付け本体11が、取り付け支持部20を用いて、建物の構造材80上に固定される。
【0102】
次に、図10(B)に示すように、取り付け部材10aを、連結部材30の上方から連結部材30に向かって降ろして、その取り付け支持部20の切り込み23に連結部材30の他方の側における側板32それぞれを差し込み、取り付け部材10aを連結部材30の他方の側に結合する。連結部材30の内面に塗布されたペースト状のシール材71は、連結部材30と取り付け部材10aとを接着する。
【0103】
そして、取り付け部材10aの取り付け支持部20を、建物の構造材80上に接合する。取り付け支持部20の建物の構造材80に対する接合は、例えば、ドリルビス(図示せず)を溝24に所定の間隔で打ち込むことにより行うことができる。この状態を、図10(C)に示す。このようにして、取り付け部材10aの取り付け本体11が、取り付け支持部20を用いて、建物の構造材80上に固定される。
【0104】
次に、図10(D)に示すように、連結部材30の側板32と取り付け本体11との間に止水性を有するシール材72を塗布する。また、取り付け部材10aと取り付け部材10bとの間にもシール材72を塗布する。
【0105】
このようにして、一対の取り付け部材10a、10bが連結部材30を用いて連結された連結構造1が形成される。同様の連結構造1が、建物の構造材80上に複数形成されても良い。
【0106】
そして、屋根材を連結構造1に取り付けることにより、屋根構造が形成される。
【0107】
上述した本実施形態の方法によれば、連結部材30の内面に配置されたシール材71がずれることなく、取り付け部材10a、10bを連結部材30に結合できるので、連結構造1の止水性が損なわれない。また、このように止水性を損なう懸念がないので、作業の施工性が良い。
【0108】
次に、上述した一対の取り付け部材を連結部材を用いて連結する方法の好ましい第2実施形態を、図面を参照して、以下に説明する。本実施形態の方法は、上述した第1実施形態の連結構造1を形成する方法の他の例である。
【0109】
まず、図11(A)に示すように、取り付け部材10bを、建物の構造材80上に配置する。
【0110】
そして、取り付け部材10bの取り付け支持部20を、建物の構造材80上に接合する。取り付け支持部20の建物の構造材80に対する接合は、例えば、ドリルビス(図示せず)を溝24に所定の間隔で打ち込むことにより行うことができる。このようにして、取り付け部材10bの取り付け本体11が、取り付け支持部20を用いて、建物の構造材80上に固定される。
【0111】
次に、図11(B)に示すように、内面に止水性を有するペースト状のシール材71が塗布された連結部材30を、建物の構造材80上に固定された取り付け部材10bの側方から取り付け部材10bに向かって移動させて、取り付け部材10bの取り付け支持部20の切り込み23に、連結部材30の一方の側における側板32それぞれを差し込み、取り付け部材10bを連結部材30の一方の側に結合する。
【0112】
次に、図11(C)に示すように、取り付け部材10aを、連結部材30の側方から連結部材30に向かって移動させて、取り付け部材10aの取り付け支持部20の切り込み23に連結部材30の他方の側における側板32それぞれを差し込み、取り付け部材10aを連結部材30の他方の側に結合する。
【0113】
そして、取り付け部材10aの取り付け支持部20を、建物の構造材80上に接合する。取り付け支持部20の建物の構造材80に対する接合は、例えば、ドリルビス(図示せず)を溝24に所定の間隔で打ち込むことにより行うことができる。この状態を、図11(D)に示す。このようにして、取り付け部材10aの取り付け本体11が、取り付け支持部20を用いて、建物の構造材80上に固定される。
【0114】
次に、図11(E)に示すように、連結部材30の側板32と取り付け本体11との間に止水性を有するシール材72を塗布する。また、取り付け部材10aと取り付け部材10bとの間にもシール材72を塗布する。
【0115】
このようにして、一対の取り付け部材10a、10bが連結部材30を用いて連結された連結構造1が形成される。同様の連結構造1が、建物の構造材80上に複数形成されても良い。
【0116】
そして、屋根材を連結構造1に取り付けることにより、屋根構造が形成される。
【0117】
次に、上述した一対の取り付け部材を連結部材を用いて連結する方法の好ましい第3実施形態を、図面を参照して、以下に説明する。本実施形態の方法は、上述した第2実施形態の連結構造2を形成する方法の一例である。
【0118】
まず、図12(A)に示すように、取り付け部材10bを、建物の構造材80上に配置する。
【0119】
そして、取り付け部材10bの取り付け支持部25を、建物の構造材80上に接合する。取り付け支持部25の建物の構造材80に対する取り付け部材10aのは、例えば、ドリルビス(図示せず)を溝29に所定の間隔で打ち込むことにより行うことができる。このようにして、取り付け部材10bの取り付け本体11が、取り付け支持部25を用いて、建物の構造材80上に固定される。
【0120】
次に、図12(B)に示すように、内面に止水性を有するペースト状のシール材71が塗布された連結部材30を、建物の構造材80上に固定された取り付け部材10bの側方から取り付け部材10bに向かって移動させて、取り付け部材10bの取り付け支持部25の切り込み28に、連結部材30の一方の側における底板31の両端部それぞれを差し込み、取り付け部材10bを連結部材30の一方の側に結合する。
【0121】
次に、図12(C)に示すように、取り付け部材10aを、連結部材30の側方から連結部材30に向かって移動させて、取り付け部材10aの取り付け支持部25の切り込み28に連結部材30の他方の側における底板31の両端部それぞれを差し込み、取り付け部材10aを連結部材30の他方の側に結合する。
【0122】
そして、取り付け部材10aの取り付け支持部25を、建物の構造材80上に接合する。取り付け支持部25の建物の構造材80に対する接合は、例えば、ドリルビス(図示せず)を溝29に所定の間隔で打ち込むことにより行うことができる。この状態を、図12(D)に示す。このようにして、取り付け部材10aの取り付け本体11が、取り付け支持部25を用いて、建物の構造材80上に固定される。
【0123】
次に、図12(E)に示すように、連結部材30の側板32と取り付け本体11との間に止水性を有するシール材72を塗布する。また、取り付け部材10aと取り付け部材10bとの間にもシール材72を塗布する。
【0124】
このようにして、一対の取り付け部材10a、10bが連結部材30を用いて連結された連結構造2が形成される。同様の連結構造2が、建物の構造材80上に複数形成されても良い。
【0125】
そして、屋根材を連結構造2に取り付けることにより、屋根構造が形成される。
【0126】
また、上述した第3実施形態の連結構造3は、本実施形態の方法と同じ手順を用いて形成することができる。
【0127】
本発明では、上述した実施形態の屋根材の取り付け部材の連結構造、そのような構造に用いられる取り付け部材及びそのような一対の取り付け部材を連結部材を用いて連結する方法は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。また、一の実施形態が有する構成要件は、他の実施形態にも適宜適用することができる。
【0128】
例えば、上述した連結構造の実施形態では、一対の取り付け部材が連結部材を用いて連結されていたが、3つ以上の取り付け部材が、複数の連結部材を用いて連結されていても良い。連結構造が3つの取り付け部材を有する場合、真ん中の取り付け部材は、その長手方向の両端部それぞれが、連結部材を用いて、他の取り付け部材と連結される。
【0129】
また、上述した連結構造では、取り付け部材の取り付け本体には、その長手方向の全体に亘って取り付け支持部が設けられていたが、取り付け支持部は、取り付け部材の長手方向における少なくとも一方の端部に設けられていれば良い。または、取り付け支持部は、取り付け部材の長手方向における少なくとも両方の端部に設けられていれば良い。
【符号の説明】
【0130】
1、2、3 連結構造
5、6 屋根構造
10a、10b 取り付け部材
11 取り付け本体
11a 底部
11b 側部
12 屋根材保持部
12a 当接部
12b 屋根材受け部
13 ビス穴
20 取り付け支持部
21 傾斜部
22 水平部
23 切り込み(結合部)
24 溝
25 取り付け支持部
26 垂直部
27 水平部
28 切り込み(結合部)
29 溝
30 連結部材
31 底板
32 側板
35 連結部材
36 底板
37 側板
40a、40b 取り付け部材
41 取り付け本体
41a 底部
41b 側部
42 屋根材保持部
43 屋根材押さえ部
44 ボルト孔
45 ボルト固定部
45a スリット
46 支持部
46a ボルト頭部
46b ボルト本体
47 ナット及び座金
50 取り付け支持部
51 第1水平部
52 垂直部
53 第2水平部
54 切り込み(結合部)
55 溝
60、60a、60b 屋根材
61 中空部
62 上面材
63 下面材
64 リブ
65 引っ掛け部
65a 内面
65b 外面
66 当接部
67 受け部
70 ビス
71、72 シール材
80 建物の構造材
81 押縁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の屋根材の取り付け部材であって、それぞれの前記取り付け部材が、屋根材が固定される長尺で樋状の取り付け本体、及び前記取り付け本体における長手方向の少なくとも一方の端部を建物の構造材に固定する固定部を有する、一対の取り付け部材と、
前記一対の取り付け部材同士を連結する樋状の連結部材であって、前記一対の取り付け部材それぞれの前記一方の端部同士を突き合わせた状態で、突き合わされた前記一方の端部同士の外側を固定される屋根材とは反対の方向から覆うようにして、前記一対の取り付け部材を連結する連結部材と、
を備え、
前記固定部は前記連結部材に結合される結合部を有する、取り付け部材の連結構造。
【請求項2】
前記連結部材は、突き合わされた前記一方の端部それぞれの外側と密接する請求項1に記載の取り付け部材の連結構造。
【請求項3】
前記連結部材は、底板と、前記底板の両端に垂設された側板とを有する請求項1又は2に記載の取り付け部材の連結構造。
【請求項4】
前記固定部の前記結合部は、前記底板の両端に垂設された前記側板それぞれが差し込まれる切り込みを有する請求項3に記載の取り付け部材の連結構造。
【請求項5】
前記固定部の前記結合部は、前記底板の両端部それぞれが差し込まれる切り込みを有する請求項3に記載の取り付け部材の連結構造。
【請求項6】
突き合わせた前記一方の端部と前記連結部材との間には、シール材が配置される請求項1〜5の何れか一項に記載の取り付け部材の連結構造。
【請求項7】
屋根材が固定される長尺で樋状の取り付け本体と、
前記取り付け本体における少なくとも長手方向の一方の端部を、建物の構造材に固定する固定部と、
を備え、
前記固定部は、一方の前記取り付け本体における前記一方の端部と他方の前記取り付け本体における前記一方の端部とを突き合わせて連結するための結合部を有する屋根材の取り付け部材。
【請求項8】
一対の屋根材の取り付け部材であって、それぞれの前記取り付け部材が、屋根材が固定される長尺で樋状の取り付け本体、及び前記取り付け本体における長手方向の少なくとも一方の端部を建物の構造材に固定する固定部を有し、前記固定部が前記一対の取り付け部材それぞれの前記一方の端部同士を突き合わせて連結するための結合部を有する一対の取り付け部材を、前記一対の取り付け部材同士を連結する樋状の連結部材であって、前記一対の取り付け部材それぞれの前記一方の端部同士を突き合わせた状態で、突き合わされた前記一方の端部同士の外側を固定される屋根材とは反対の方向から覆うようにして、前記一対の取り付け部材を連結する連結部材を用いて連結する方法であって、
一方の前記取り付け部材の前記結合部を前記連結部材の一方の側に結合し、
他方の前記取り付け部材の前記結合部を前記連結部材の他方の側に結合する方法。
【請求項9】
前記連結部材は、底板と、前記底板の両端に垂設された側板とを有し、前記固定部の前記結合部は、前記底板の両端に垂設された前記側板それぞれが差し込まれる切り込みを有し、
一方の前記取り付け部材を前記連結部材に結合する際には、一方の前記取り付け部材を、前記連結部材の上方から前記連結部材に向かって降ろして、一方の前記取り付け部材の前記固定部の前記切り込みに前記連結部材の一方の側における前記側板それぞれを差し込み、
他方の前記取り付け部材を前記連結部材に結合する際には、他方の前記取り付け部材を、前記連結部材の上方から前記連結部材に向かって降ろして、他方の前記取り付け部材の前記固定部の前記切り込みに前記連結部材の他方の側における前記側板それぞれを差し込む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記連結部材は、底板と、前記底板の両端に垂設された側板とを有し、前記固定部の前記結合部は、前記底板の両端に垂設された前記側板それぞれが差し込まれる切り込みを有し、
一方の前記取り付け部材を前記連結部材に結合する際には、前記連結部材を、一方の前記取り付け部材の側方から一方の前記取り付け部材に向かって移動させて、一方の前記取り付け部材の前記固定部の前記切り込みに、前記連結部材の一方の側における前記側板それぞれを差し込み、
他方の前記取り付け部材を前記連結部材に結合する際には、他方の前記取り付け部材を、前記連結部材の側方から前記連結部材に向かって移動させて、他方の前記取り付け部材の前記固定部の前記切り込みに前記連結部材の他方の側における前記側板それぞれを差し込む請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記連結部材は、底板と、前記底板の両端に垂設された側板とを有し、前記固定部の前記結合部は、前記底板の両端部それぞれが差し込まれる切り込みを有し、
一方の前記取り付け部材を前記連結部材に結合する際には、前記連結部材を、一方の前記取り付け部材の側方から一方の前記取り付け部材に向かって移動させて、一方の前記取り付け部材の前記固定部の前記切り込みに、前記連結部材の一方の側における前記底板の両端部それぞれを差し込み、
他方の前記取り付け部材を前記連結部材に結合する際には、他方の前記取り付け部材を、前記連結部材の側方から前記連結部材に向かって移動させて、他方の前記取り付け部材の前記固定部の前記切り込みに前記連結部材の他方の側における前記底板の両端部それぞれを差し込む請求項8に記載の方法。
【請求項12】
一方の前記取り付け部材と前記連結部材との間及び他方の前記取り付け部材と前記連結部材との間に、シール材を配置する請求項8〜11の何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
一方の前記取り付け部材を、前記連結部材の一方の側に結合した後に、一方の前記取り付け部材の固定部を、建物の構造材に固定し、
他方の前記取り付け部材を、前記連結部材の他方の側に結合した後に、他方の前記取り付け部材の固定部を、建物の構造材に固定する請求項8〜12の何れか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−113034(P2013−113034A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261635(P2011−261635)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000108719)タキロン株式会社 (421)
【Fターム(参考)】