展開アンテナ
【課題】本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、その目的とするところは、従来の展開アンテナよりも低重量で大型の展開アンテナを提供すること。
【解決手段】第1のケーブル23により格子状に構成された第1のネットワーク21(以下第1NW)と、第1NW上に設けられた電波反射膜16と、第1NWに設けられ、第1のケーブルより伸縮性の大きい第2のケーブル25によって構成された第2のネットワーク22(以下第2NW)と、第2NWの外周部に周方向に対して所定間隔で設けられた複数の支持部27と、これら支持部に連結され、軸心線方向に伸縮可能に構成された複数のフレーム2と、これらフレームを伸展させ、上記支持部を第2NWの径方向外側に押し広げることで、第2NWを介して第1NWを展開するワイヤー駆動装置11と、上記複数のフレーム間に渡設され、第1NWに張力を付与した時にフレームに生じる座屈モードの腹となる部分と節となる部分とを連結するケーブル15とを具備する。
【解決手段】第1のケーブル23により格子状に構成された第1のネットワーク21(以下第1NW)と、第1NW上に設けられた電波反射膜16と、第1NWに設けられ、第1のケーブルより伸縮性の大きい第2のケーブル25によって構成された第2のネットワーク22(以下第2NW)と、第2NWの外周部に周方向に対して所定間隔で設けられた複数の支持部27と、これら支持部に連結され、軸心線方向に伸縮可能に構成された複数のフレーム2と、これらフレームを伸展させ、上記支持部を第2NWの径方向外側に押し広げることで、第2NWを介して第1NWを展開するワイヤー駆動装置11と、上記複数のフレーム間に渡設され、第1NWに張力を付与した時にフレームに生じる座屈モードの腹となる部分と節となる部分とを連結するケーブル15とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳んだ状態で人工衛星等に搭載し、宇宙空間で展開させる展開アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
人工衛星等に搭載される展開アンテナを宇宙空間に搬送する場合、搬送手段としてアリアン、H−IIA等のロケットを用いている。しかしながら、ロケットの貨物収容空間は、スペースが限定されているため、大型の展開アンテナを搬送する際には、小さく折り畳んだ状態でロケット内に収容し、ロケットが宇宙空間に到達した後に、この展開アンテナを展開している。
【0003】
このような展開アンテナの中には、複数の基本構造を組み合わせることにより構成されるものがある。そのような展開アンテナの場合には、組み合わせる基本構造の数次第で、大型の展開アンテナを構成することができる。
【0004】
図12は従来の展開アンテナの基本構造を示す斜視図、図13は従来の展開アンテナの基本構造を分解して示す斜視図である。
【0005】
図12と図13に示すように、この展開アンテナの基本構造は、アンテナ反射面として機能するケーブルネットワーク100を有している。このケーブルネットワーク100は、サーフェスケーブル101、金属メッシュ102、バックケーブル103、タイケーブル104により構成され、複数のスタンドオフ105によって骨組構造としての展開トラス106に支持されている。
【0006】
この展開トラス106は、台形形状に形成された8つの平面リンク機構107により構成されている。これら平面リンク機構107は、中心軸部材108を共有することで、その周囲に放射状に等配されており、スライドヒンジ109を上記中心軸部材108の軸心線方向に沿って摺動させることで、展開トラス106を収納、展開できるようになっている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0007】
また、展開トラスとして、軸心線方向に伸縮可能な6つの平面リンク機構を放射状に配置した構成も知られている。この構成では、上記複数の平面リンク機構をその軸心線方向に伸縮駆動することで、展開トラスの収納、展開を行っている。
【0008】
平面リンク機構の伸縮駆動には、展開トラスの周囲に配設された環状のケーブルを用いている。このケーブルは、各平面リンク機構の先端部に移動自在に接続されており、モータの回転によってケーブルの巻き取り量を調整することで、平面リンク機構を同期して伸縮させている。
【非特許文献1】目黒 在、三次 仁、安藤 和秀:モジュール化ケーブルメッシュ展開構造による大型衛星通信アンテナの構築、電子情報通信学会B−II分冊「次世代衛星通信技術小特集」電子情報通信学会論文誌、B−II,Vol.j76−B−II,No5,1993.5,pp.476−484.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上述のケーブルネットワーク100は、可撓性を有する柔軟なケーブルによって構成されており、自らの力ではアンテナ反射面としての形状を維持することができない。
【0010】
そのため、展開トラス106の上面をパラボラ面を最小誤差近似した近似球面形状に形成しており、その上にスタンドオフ105を介して上記ケーブルネットワーク100を貼り付けることで、ケーブルネットワーク100をパラボラ面形状に維持している。
【0011】
しかしながら、この方法を用いた場合、ケーブルネットワーク100の形状が展開トラス106の形状に大きく依存することになる。そのため、ケーブルネットワーク100に高精度の鏡面精度を持たせるためには、展開トラス106の剛性をケーブルネットワーク100の張力に負けないように大きくする必要がある。
【0012】
しかしながら、展開トラス106の剛性を大きくするためには、展開トラス106を構成する各部材を太くする必要があり、全体重量が増大するという問題がある。
【0013】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、その目的とするところは、従来の展開アンテナよりも低重量で大型の展開アンテナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決し目的を達成するために、本発明の展開アンテナは次のように構成されている。
【0015】
(1)複数の第1の索条体によって格子状に構成された第1のネットワークと、上記第1のネットワーク上に設けられた電波反射膜と、上記第1のネットワークに設けられ、上記第1の索条体より伸縮性の大きい複数の第2の索条体によって構成された第2のネットワークと、この第2のネットワークの外周部にその周方向に対して所定間隔で設けられた複数の外周固定点と、これら外周固定点に連結され、その軸心線方向に伸縮可能に構成された複数の伸縮部材と、これら伸縮部材を伸展させ、上記複数の外周固定点を上記第2のネットワークの外周方向に押し広げることで、上記第2のネットワークを介して上記第1のネットワークに張力を付与し、上記第1のネットワークを展開する伸展手段と、上記複数の伸縮部材間に渡設され、上記第1のネットワークに張力を付与したときに上記伸縮部材に生じる座屈モードの腹に対応する部分と節に対応する部分とを連結する連結手段とを具備することを特徴とする。
【0016】
(2)(1)に記載された展開アンテナであって、上記連結手段はケーブルであることを特徴とする。
【0017】
(3)(2)に記載された展開アンテナであって、上記ケーブルを収容する収容手段をさらに具備することを特徴とする。
【0018】
(4)(1)に記載された展開アンテナであって、上記第1のネットワークは、上記第1の索条体の長さによって、展開時にほぼパラボラ面となるように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、展開トラスの剛性を重量を増加することなく高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら本発明を実施するために最良の形態について説明する。
【0021】
まず、図1〜図9を用いて本発明の第1の実施の形態を説明する。
【0022】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る展開アンテナの構成を示す斜視図、図2は同実施の形態に係る展開トラスの構成を示す斜視図である。
【0023】
図1と図2に示すように、本発明の展開アンテナは展開トラス1を有している。この展開トラス1は複数、本実施の形態では6本のフレーム2(伸縮部材)によって構成されており、これらフレーム2の基端部を1つに連結することで放射状に等配されている。
【0024】
図3は同実施の形態に係るフレームの構成を示す構成図である。
【0025】
図3に示すように、各フレーム2は複数、本実施の形態では5つの平面リンク3によって構成されている。これら平面リンク3は、フレーム2の軸心線方向に沿って並設されており、隣り合う平面リンク3同士は、互いに鏡像体となるように、すなわち、表裏反転するように連結されている。
【0026】
図4は同実施の形態に係る平面リンクの構成を示す概略図である。
【0027】
図4に示すように、各平面リンク3は、第1〜第5のリンク4a〜4eを有している。これら第1〜第5のリンク4a〜4eは、外形、及び肉厚が等しい中空丸軸からなり、その長さはそれぞれ決められた値に設定されている。このうち、第1〜第4のリンク4a〜4dは、回転ヒンジ5により連結されることで矩形枠状の連鎖を構成しており、その内側には第5のリンク4eが配置されている。
【0028】
この第5のリンク4eの一端部は、回転ヒンジ6を介して第1のリンク4aの一端部に回転可能に連結され、他端部はスライドヒンジ7を介して第1のリンク4aと対向する第3のリンク4cにスライド可能に連結されている。なお、第5のリンク4eとスライドヒンジ7は、回転ヒンジ8によって回転可能に連結されている。
【0029】
上記スライドヒンジ7の所定位置には、環状のワイヤー9が接続されている。このワイヤー9は、第3のリンク4cの軸心線方向両側にそれぞれ設けられた小プーリ10間に掛け渡されており、その中途部はワイヤー駆動装置11(伸展手段)によって保持されている。
【0030】
図5は同実施の形態に係るワイヤー駆動装置の構成を示す概略図である。
【0031】
図5に示すように、このワイヤー駆動装置11は、モータ12を有しており、その駆動軸には大プーリ13が固定されている。この大プーリ13には、上記ワイヤー9が巻き取られており、上記モータ12によって大プーリ13を回転させることで、ワイヤー9をスライドヒンジ7と共に第3のリンク4cの軸心線方向に進退できるようになっている。
【0032】
図4に示すように、上記構成の平面リンク3において、スライドヒンジ7を第3のリンク4cの軸心線方向に移動させると、第5のリンク4eが第1〜第4のリンク4a〜4dで構成される連鎖の内側で回転ヒンジ6周りに回転し、第5のリンク4eに連結された第1のリンク4aを第3のリンク4cの軸心線方向と傾斜する方向に移動させる。すなわち、各平面リンク3は、図4中に実線と一点鎖線で示すように、フレーム2の軸心線方向(図4における左右方向)に対する長さを変化させる。
【0033】
そのため、本実施の形態のフレーム2は、隣り合う平面リンク3が互いに鏡像体となるよう連結されているため、各平面リンク3のスライドヒンジ7を移動させることで、図6と図7に示すように、展開トラス1を展開、収納できるようになっている。
【0034】
図2に示すように、隣り合うフレーム2の間には複数、本実施の形態では6本のケーブル15が渡設されている。これらのケーブル15は、フレーム2に生じる座屈モードの節に対応する部分同士、及び座屈モードの節に対応する部分と腹に対応する部分とをそれぞれ連結している。
【0035】
本実施の形態で想定する座屈モードでは、各フレーム2の先端部が節となり、中途部が腹となるため、隣り合うフレーム2の先端部同士を2本のケーブル15で襷掛け状に連結し、隣り合うフレーム2の先端部と中途部とをそれぞれ2本のケーブル15で襷掛け状に連結している。
【0036】
上記構成の展開トラス1には、アンテナ展開構造物としてのケーブルネットワーク20が支持されている(図1参照)。
【0037】
図8は同実施の形態に係るケーブルネットワークの構成を示す斜視図である。
【0038】
図8に示すように、このケーブルネットワーク20は、第1のネットワーク21(太線で示す部分)と第2のネットワーク22(細線で示す部分)によって構成されている。
【0039】
第1のネットワーク21は、伸縮性の小さい複数の第1のケーブル23(第1の索条体)をノード24により結合することで三角格子状に構成されており、その一方の面は搭載面21aをなしている。
【0040】
この搭載面21aは、各第1のケーブル23の長さによって、全ての第1のケーブル23を張設した時に略パラボラ面形状となるよう形成されており、その上には金属メッシュ等の電波反射素材からなる電波反射膜16(図1参照)が貼り付けられている。
【0041】
なお、本実施の形態では、第1のケーブル23同士の接続にノード24を用いているが、これに限定されるものではなく、第1のケーブル23の端部同士を単に結束するだけでもよい。
【0042】
一方、第2のネットワーク22は、上記第1のケーブル23よりも伸縮性の大きい複数の第2のケーブル25をノード26により結合することで、網目状、本実施の形態では三角格子状に構成されている。
【0043】
なお、本実施の形態では、第2のケーブル25同士の接続にノード26を用いているが、これに限定されるものではなく、第2のケーブル25の端部同士を単に結束するだけでもよい。
【0044】
第2のネットワーク22の外周部には、その周方向に対して等配された複数、本実施の形態では6つの支持部27(外周固定点)が設けられている(4つのみ図示)。これら支持部27は、展開トラス1を構成する6本のフレーム2の先端部とそれぞれ連結しており、各フレーム2を軸心線方向に伸展することで、第2のネットワーク22を介して第1のネットワーク21を展開できるようになっている。
【0045】
次に、上記構成の展開アンテナを使用する際の作用について説明する。
【0046】
上記構成の展開アンテナを打ち上げる場合、図7に示すように、展開トラス1を小さく折り畳んでロケットのフェアリングに収納しておく。
【0047】
ロケットが打ち上げられ、衛星がロケットから分離されて所定の軌道に達したら、展開アンテナを展開させるためにモータ12でワイヤー9を駆動し、全てのスライドヒンジ7を第3のリンク4cの軸心線に沿って第4のリンク4d側に移動させる。
【0048】
これによって、各フレーム2は、図6に示すように、その軸心線方向に徐々に伸展してゆき、第2のネットワークの支持部27を放射状に押し広げる。そして、図2に示すように、展開トラス1の各フレーム2が完全に伸展すると、第2のネットワーク22を介して付与される張力によって、第1のネットワーク21はパラボラ面形状に展開する。
【0049】
このとき、各フレーム2の先端部には、第1、第2のネットワーク21、22に付与される張力と略同じ大きさの圧縮力が軸心線方向に対して作用している。そのため、ケーブルネットワーク20を展開する際には、この圧縮力によって各フレーム2に座屈が発生することになる。
【0050】
しかしながら、本発明の展開アンテナでは、上述したように、隣り合うフレーム2に生じる座屈モードの節に対応する部分と腹に対応する部分とをケーブル15によって連結している。そのため、座屈モードの腹に対応する部分の変位が、節に対応する部分に連結されたケーブル15よって制限されるから、各フレーム2に生じる座屈そのものが抑制され、フレーム2の座屈破壊を防止することができる。
【0051】
発明者は、上述した効果を証明するために、3種類の展開トラスI〜IIIを用意し、座屈実験を行った。この座屈実験は、展開トラスI〜IIIにケーブルネットワークを掛け、このケーブルネットワークに張力を付与することで、展開トラスI〜IIIを構成するフレームの座屈荷重を調べたものである。なお、展開トラスI〜IIIの構造は、下記の通りである。
【0052】
展開トラスIは、本実施の形態に係る展開トラスと同じ構造であって、第1〜第5のリンク2a〜2eの外形は約20[mm]、第1〜第5のリンク4a〜4eの肉厚は約0.5[mm]、展開トラスの総重量は約27.1[kg]である。
【0053】
展開トラスIIは、本実施の形態に係る展開トラスからケーブル15を取り除いた構造であって、第1〜第5のリンク4a〜4eの外形は約20[mm]、第1〜第5のリンク2a〜2eの肉厚は約0.5[mm]、展開トラスの総重量は約27.1[kg]である。
【0054】
展開トラスIIIは、本実施の形態に係る展開トラスからケーブル15を取り除いた構造であって、第1〜第5のリンク4a〜4eの外形は約25[mm]、第1〜第5のリンク4a〜4eの肉厚は約0.5[mm]、展開トラスの総重量は約28.5[kg]である。すなわち、フレームIIIは、フレームIIを構成する第1〜第5のリンク4a〜4eの外形を約5[mm]太くしたものである。
【0055】
図9は実験結果を示すグラフである。なお、グラフの横軸はケーブルネットワークに付与する張力の値を示し、縦軸はフレームに作用する圧縮力の値を示している。
【0056】
図9に示すように、フレームIIの座屈荷重が約3[kgf]であるのに対し、本発明のフレームIの座屈荷重は11[kgf]となることがわかった。すなわち、フレームに生じる座屈モードの節となる部分と腹となる部分をケーブル15で連結することにより、座屈荷重が約8[kgf]も大きくなることが明らかとなった。
【0057】
一方、フレームIIIの座屈荷重は約12[kgf]であり、本発明のフレームIの座屈荷重よりも大きい。しかしながら、フレームIIIは、各リンクの外形を太くしているため、総重量が約11.4[kg]も重くなっている。
【0058】
この実験結果により、本発明の展開アンテナのように、隣り合うフレームに作用する座屈モードの腹となる部分と節となる部分をケーブル15で連結することで、展開トラス1の重量を増大させることなく、フレーム2の座屈荷重を飛躍的に大きくできることが確認された。
【0059】
次に、図10と図11を用いて本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0060】
図10は本発明の第2の実施の形態に係る展開トラスの構造を示す斜視図、図11は同実施の形態に係るドラムの構成を示す概略図である。
【0061】
図10と図11に示すように、本実施の形態に係る展開アンテナは、ケーブル15を巻き取って収容するためのドラム50(収容手段)を備えている。このドラム50は、各フレーム2に回転可能に設けられており、その外周面には上記ケーブル15が巻き取られる溝51が形成されている。
【0062】
このような構成にすれば、展開アンテナの収納時にケーブル15をドラム50に巻き取っておくことで、ケーブル15同士が絡み合うのを防止することができる。なお、展開アンテナの展開時には、各フレーム2の伸展に伴って、各ケーブル15が各ドラム50から引き出されるようになっている。
【0063】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0064】
具体的には、フレーム2を伸展させる際に、その駆動手段としてスライドヒンジ7を移動させるワイヤー駆動装置11を用いたが、これに限定されるものではなく、例えば平面リンク3を構成する回転ヒンジ5、6、8のうち、全部あるいは一部にモータの駆動軸を連結することで、平面リンク3を伸縮するような構成にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る展開アンテナの構成を示す斜視図。
【図2】同実施の形態に係る展開トラスの構成を示す斜視図。
【図3】同実施の形態に係るフレームの構成を示す構成図。
【図4】同実施の形態に係る平面リンクの構成を示す概略図。
【図5】同実施の形態に係るワイヤー駆動装置の構成を示す概略図。
【図6】同実施の形態に係る展開トラスの展開途中、或いは収納途中の状態を示す斜視図。
【図7】同実施の形態に係る展開トラスの収納状態を示す斜視図。
【図8】同実施の形態に係るケーブルネットワークの構成を示す斜視図。
【図9】実験結果を示すグラフ。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る展開トラスの構成を示す斜視図。
【図11】同実施の形態に係るドラムの構成を示す概略図。
【図12】従来の展開アンテナの基本構造を示す斜視図。
【図13】従来の展開アンテナの基本構造を分解して示す斜視図。
【符号の説明】
【0066】
2…フレーム(伸縮部材)、11…ワイヤー駆動装置(伸展手段)、15…ケーブル(連結手段)、16…電波反射膜、21…第1のネットワーク、22…第2のネットワーク、23…第1のケーブル(第1の索条体)、25…第2のケーブル(第2の索条体)、27…支持部(外周固定点)、50…ドラム(収容手段)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳んだ状態で人工衛星等に搭載し、宇宙空間で展開させる展開アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
人工衛星等に搭載される展開アンテナを宇宙空間に搬送する場合、搬送手段としてアリアン、H−IIA等のロケットを用いている。しかしながら、ロケットの貨物収容空間は、スペースが限定されているため、大型の展開アンテナを搬送する際には、小さく折り畳んだ状態でロケット内に収容し、ロケットが宇宙空間に到達した後に、この展開アンテナを展開している。
【0003】
このような展開アンテナの中には、複数の基本構造を組み合わせることにより構成されるものがある。そのような展開アンテナの場合には、組み合わせる基本構造の数次第で、大型の展開アンテナを構成することができる。
【0004】
図12は従来の展開アンテナの基本構造を示す斜視図、図13は従来の展開アンテナの基本構造を分解して示す斜視図である。
【0005】
図12と図13に示すように、この展開アンテナの基本構造は、アンテナ反射面として機能するケーブルネットワーク100を有している。このケーブルネットワーク100は、サーフェスケーブル101、金属メッシュ102、バックケーブル103、タイケーブル104により構成され、複数のスタンドオフ105によって骨組構造としての展開トラス106に支持されている。
【0006】
この展開トラス106は、台形形状に形成された8つの平面リンク機構107により構成されている。これら平面リンク機構107は、中心軸部材108を共有することで、その周囲に放射状に等配されており、スライドヒンジ109を上記中心軸部材108の軸心線方向に沿って摺動させることで、展開トラス106を収納、展開できるようになっている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0007】
また、展開トラスとして、軸心線方向に伸縮可能な6つの平面リンク機構を放射状に配置した構成も知られている。この構成では、上記複数の平面リンク機構をその軸心線方向に伸縮駆動することで、展開トラスの収納、展開を行っている。
【0008】
平面リンク機構の伸縮駆動には、展開トラスの周囲に配設された環状のケーブルを用いている。このケーブルは、各平面リンク機構の先端部に移動自在に接続されており、モータの回転によってケーブルの巻き取り量を調整することで、平面リンク機構を同期して伸縮させている。
【非特許文献1】目黒 在、三次 仁、安藤 和秀:モジュール化ケーブルメッシュ展開構造による大型衛星通信アンテナの構築、電子情報通信学会B−II分冊「次世代衛星通信技術小特集」電子情報通信学会論文誌、B−II,Vol.j76−B−II,No5,1993.5,pp.476−484.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上述のケーブルネットワーク100は、可撓性を有する柔軟なケーブルによって構成されており、自らの力ではアンテナ反射面としての形状を維持することができない。
【0010】
そのため、展開トラス106の上面をパラボラ面を最小誤差近似した近似球面形状に形成しており、その上にスタンドオフ105を介して上記ケーブルネットワーク100を貼り付けることで、ケーブルネットワーク100をパラボラ面形状に維持している。
【0011】
しかしながら、この方法を用いた場合、ケーブルネットワーク100の形状が展開トラス106の形状に大きく依存することになる。そのため、ケーブルネットワーク100に高精度の鏡面精度を持たせるためには、展開トラス106の剛性をケーブルネットワーク100の張力に負けないように大きくする必要がある。
【0012】
しかしながら、展開トラス106の剛性を大きくするためには、展開トラス106を構成する各部材を太くする必要があり、全体重量が増大するという問題がある。
【0013】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、その目的とするところは、従来の展開アンテナよりも低重量で大型の展開アンテナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決し目的を達成するために、本発明の展開アンテナは次のように構成されている。
【0015】
(1)複数の第1の索条体によって格子状に構成された第1のネットワークと、上記第1のネットワーク上に設けられた電波反射膜と、上記第1のネットワークに設けられ、上記第1の索条体より伸縮性の大きい複数の第2の索条体によって構成された第2のネットワークと、この第2のネットワークの外周部にその周方向に対して所定間隔で設けられた複数の外周固定点と、これら外周固定点に連結され、その軸心線方向に伸縮可能に構成された複数の伸縮部材と、これら伸縮部材を伸展させ、上記複数の外周固定点を上記第2のネットワークの外周方向に押し広げることで、上記第2のネットワークを介して上記第1のネットワークに張力を付与し、上記第1のネットワークを展開する伸展手段と、上記複数の伸縮部材間に渡設され、上記第1のネットワークに張力を付与したときに上記伸縮部材に生じる座屈モードの腹に対応する部分と節に対応する部分とを連結する連結手段とを具備することを特徴とする。
【0016】
(2)(1)に記載された展開アンテナであって、上記連結手段はケーブルであることを特徴とする。
【0017】
(3)(2)に記載された展開アンテナであって、上記ケーブルを収容する収容手段をさらに具備することを特徴とする。
【0018】
(4)(1)に記載された展開アンテナであって、上記第1のネットワークは、上記第1の索条体の長さによって、展開時にほぼパラボラ面となるように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、展開トラスの剛性を重量を増加することなく高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら本発明を実施するために最良の形態について説明する。
【0021】
まず、図1〜図9を用いて本発明の第1の実施の形態を説明する。
【0022】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る展開アンテナの構成を示す斜視図、図2は同実施の形態に係る展開トラスの構成を示す斜視図である。
【0023】
図1と図2に示すように、本発明の展開アンテナは展開トラス1を有している。この展開トラス1は複数、本実施の形態では6本のフレーム2(伸縮部材)によって構成されており、これらフレーム2の基端部を1つに連結することで放射状に等配されている。
【0024】
図3は同実施の形態に係るフレームの構成を示す構成図である。
【0025】
図3に示すように、各フレーム2は複数、本実施の形態では5つの平面リンク3によって構成されている。これら平面リンク3は、フレーム2の軸心線方向に沿って並設されており、隣り合う平面リンク3同士は、互いに鏡像体となるように、すなわち、表裏反転するように連結されている。
【0026】
図4は同実施の形態に係る平面リンクの構成を示す概略図である。
【0027】
図4に示すように、各平面リンク3は、第1〜第5のリンク4a〜4eを有している。これら第1〜第5のリンク4a〜4eは、外形、及び肉厚が等しい中空丸軸からなり、その長さはそれぞれ決められた値に設定されている。このうち、第1〜第4のリンク4a〜4dは、回転ヒンジ5により連結されることで矩形枠状の連鎖を構成しており、その内側には第5のリンク4eが配置されている。
【0028】
この第5のリンク4eの一端部は、回転ヒンジ6を介して第1のリンク4aの一端部に回転可能に連結され、他端部はスライドヒンジ7を介して第1のリンク4aと対向する第3のリンク4cにスライド可能に連結されている。なお、第5のリンク4eとスライドヒンジ7は、回転ヒンジ8によって回転可能に連結されている。
【0029】
上記スライドヒンジ7の所定位置には、環状のワイヤー9が接続されている。このワイヤー9は、第3のリンク4cの軸心線方向両側にそれぞれ設けられた小プーリ10間に掛け渡されており、その中途部はワイヤー駆動装置11(伸展手段)によって保持されている。
【0030】
図5は同実施の形態に係るワイヤー駆動装置の構成を示す概略図である。
【0031】
図5に示すように、このワイヤー駆動装置11は、モータ12を有しており、その駆動軸には大プーリ13が固定されている。この大プーリ13には、上記ワイヤー9が巻き取られており、上記モータ12によって大プーリ13を回転させることで、ワイヤー9をスライドヒンジ7と共に第3のリンク4cの軸心線方向に進退できるようになっている。
【0032】
図4に示すように、上記構成の平面リンク3において、スライドヒンジ7を第3のリンク4cの軸心線方向に移動させると、第5のリンク4eが第1〜第4のリンク4a〜4dで構成される連鎖の内側で回転ヒンジ6周りに回転し、第5のリンク4eに連結された第1のリンク4aを第3のリンク4cの軸心線方向と傾斜する方向に移動させる。すなわち、各平面リンク3は、図4中に実線と一点鎖線で示すように、フレーム2の軸心線方向(図4における左右方向)に対する長さを変化させる。
【0033】
そのため、本実施の形態のフレーム2は、隣り合う平面リンク3が互いに鏡像体となるよう連結されているため、各平面リンク3のスライドヒンジ7を移動させることで、図6と図7に示すように、展開トラス1を展開、収納できるようになっている。
【0034】
図2に示すように、隣り合うフレーム2の間には複数、本実施の形態では6本のケーブル15が渡設されている。これらのケーブル15は、フレーム2に生じる座屈モードの節に対応する部分同士、及び座屈モードの節に対応する部分と腹に対応する部分とをそれぞれ連結している。
【0035】
本実施の形態で想定する座屈モードでは、各フレーム2の先端部が節となり、中途部が腹となるため、隣り合うフレーム2の先端部同士を2本のケーブル15で襷掛け状に連結し、隣り合うフレーム2の先端部と中途部とをそれぞれ2本のケーブル15で襷掛け状に連結している。
【0036】
上記構成の展開トラス1には、アンテナ展開構造物としてのケーブルネットワーク20が支持されている(図1参照)。
【0037】
図8は同実施の形態に係るケーブルネットワークの構成を示す斜視図である。
【0038】
図8に示すように、このケーブルネットワーク20は、第1のネットワーク21(太線で示す部分)と第2のネットワーク22(細線で示す部分)によって構成されている。
【0039】
第1のネットワーク21は、伸縮性の小さい複数の第1のケーブル23(第1の索条体)をノード24により結合することで三角格子状に構成されており、その一方の面は搭載面21aをなしている。
【0040】
この搭載面21aは、各第1のケーブル23の長さによって、全ての第1のケーブル23を張設した時に略パラボラ面形状となるよう形成されており、その上には金属メッシュ等の電波反射素材からなる電波反射膜16(図1参照)が貼り付けられている。
【0041】
なお、本実施の形態では、第1のケーブル23同士の接続にノード24を用いているが、これに限定されるものではなく、第1のケーブル23の端部同士を単に結束するだけでもよい。
【0042】
一方、第2のネットワーク22は、上記第1のケーブル23よりも伸縮性の大きい複数の第2のケーブル25をノード26により結合することで、網目状、本実施の形態では三角格子状に構成されている。
【0043】
なお、本実施の形態では、第2のケーブル25同士の接続にノード26を用いているが、これに限定されるものではなく、第2のケーブル25の端部同士を単に結束するだけでもよい。
【0044】
第2のネットワーク22の外周部には、その周方向に対して等配された複数、本実施の形態では6つの支持部27(外周固定点)が設けられている(4つのみ図示)。これら支持部27は、展開トラス1を構成する6本のフレーム2の先端部とそれぞれ連結しており、各フレーム2を軸心線方向に伸展することで、第2のネットワーク22を介して第1のネットワーク21を展開できるようになっている。
【0045】
次に、上記構成の展開アンテナを使用する際の作用について説明する。
【0046】
上記構成の展開アンテナを打ち上げる場合、図7に示すように、展開トラス1を小さく折り畳んでロケットのフェアリングに収納しておく。
【0047】
ロケットが打ち上げられ、衛星がロケットから分離されて所定の軌道に達したら、展開アンテナを展開させるためにモータ12でワイヤー9を駆動し、全てのスライドヒンジ7を第3のリンク4cの軸心線に沿って第4のリンク4d側に移動させる。
【0048】
これによって、各フレーム2は、図6に示すように、その軸心線方向に徐々に伸展してゆき、第2のネットワークの支持部27を放射状に押し広げる。そして、図2に示すように、展開トラス1の各フレーム2が完全に伸展すると、第2のネットワーク22を介して付与される張力によって、第1のネットワーク21はパラボラ面形状に展開する。
【0049】
このとき、各フレーム2の先端部には、第1、第2のネットワーク21、22に付与される張力と略同じ大きさの圧縮力が軸心線方向に対して作用している。そのため、ケーブルネットワーク20を展開する際には、この圧縮力によって各フレーム2に座屈が発生することになる。
【0050】
しかしながら、本発明の展開アンテナでは、上述したように、隣り合うフレーム2に生じる座屈モードの節に対応する部分と腹に対応する部分とをケーブル15によって連結している。そのため、座屈モードの腹に対応する部分の変位が、節に対応する部分に連結されたケーブル15よって制限されるから、各フレーム2に生じる座屈そのものが抑制され、フレーム2の座屈破壊を防止することができる。
【0051】
発明者は、上述した効果を証明するために、3種類の展開トラスI〜IIIを用意し、座屈実験を行った。この座屈実験は、展開トラスI〜IIIにケーブルネットワークを掛け、このケーブルネットワークに張力を付与することで、展開トラスI〜IIIを構成するフレームの座屈荷重を調べたものである。なお、展開トラスI〜IIIの構造は、下記の通りである。
【0052】
展開トラスIは、本実施の形態に係る展開トラスと同じ構造であって、第1〜第5のリンク2a〜2eの外形は約20[mm]、第1〜第5のリンク4a〜4eの肉厚は約0.5[mm]、展開トラスの総重量は約27.1[kg]である。
【0053】
展開トラスIIは、本実施の形態に係る展開トラスからケーブル15を取り除いた構造であって、第1〜第5のリンク4a〜4eの外形は約20[mm]、第1〜第5のリンク2a〜2eの肉厚は約0.5[mm]、展開トラスの総重量は約27.1[kg]である。
【0054】
展開トラスIIIは、本実施の形態に係る展開トラスからケーブル15を取り除いた構造であって、第1〜第5のリンク4a〜4eの外形は約25[mm]、第1〜第5のリンク4a〜4eの肉厚は約0.5[mm]、展開トラスの総重量は約28.5[kg]である。すなわち、フレームIIIは、フレームIIを構成する第1〜第5のリンク4a〜4eの外形を約5[mm]太くしたものである。
【0055】
図9は実験結果を示すグラフである。なお、グラフの横軸はケーブルネットワークに付与する張力の値を示し、縦軸はフレームに作用する圧縮力の値を示している。
【0056】
図9に示すように、フレームIIの座屈荷重が約3[kgf]であるのに対し、本発明のフレームIの座屈荷重は11[kgf]となることがわかった。すなわち、フレームに生じる座屈モードの節となる部分と腹となる部分をケーブル15で連結することにより、座屈荷重が約8[kgf]も大きくなることが明らかとなった。
【0057】
一方、フレームIIIの座屈荷重は約12[kgf]であり、本発明のフレームIの座屈荷重よりも大きい。しかしながら、フレームIIIは、各リンクの外形を太くしているため、総重量が約11.4[kg]も重くなっている。
【0058】
この実験結果により、本発明の展開アンテナのように、隣り合うフレームに作用する座屈モードの腹となる部分と節となる部分をケーブル15で連結することで、展開トラス1の重量を増大させることなく、フレーム2の座屈荷重を飛躍的に大きくできることが確認された。
【0059】
次に、図10と図11を用いて本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0060】
図10は本発明の第2の実施の形態に係る展開トラスの構造を示す斜視図、図11は同実施の形態に係るドラムの構成を示す概略図である。
【0061】
図10と図11に示すように、本実施の形態に係る展開アンテナは、ケーブル15を巻き取って収容するためのドラム50(収容手段)を備えている。このドラム50は、各フレーム2に回転可能に設けられており、その外周面には上記ケーブル15が巻き取られる溝51が形成されている。
【0062】
このような構成にすれば、展開アンテナの収納時にケーブル15をドラム50に巻き取っておくことで、ケーブル15同士が絡み合うのを防止することができる。なお、展開アンテナの展開時には、各フレーム2の伸展に伴って、各ケーブル15が各ドラム50から引き出されるようになっている。
【0063】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0064】
具体的には、フレーム2を伸展させる際に、その駆動手段としてスライドヒンジ7を移動させるワイヤー駆動装置11を用いたが、これに限定されるものではなく、例えば平面リンク3を構成する回転ヒンジ5、6、8のうち、全部あるいは一部にモータの駆動軸を連結することで、平面リンク3を伸縮するような構成にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る展開アンテナの構成を示す斜視図。
【図2】同実施の形態に係る展開トラスの構成を示す斜視図。
【図3】同実施の形態に係るフレームの構成を示す構成図。
【図4】同実施の形態に係る平面リンクの構成を示す概略図。
【図5】同実施の形態に係るワイヤー駆動装置の構成を示す概略図。
【図6】同実施の形態に係る展開トラスの展開途中、或いは収納途中の状態を示す斜視図。
【図7】同実施の形態に係る展開トラスの収納状態を示す斜視図。
【図8】同実施の形態に係るケーブルネットワークの構成を示す斜視図。
【図9】実験結果を示すグラフ。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る展開トラスの構成を示す斜視図。
【図11】同実施の形態に係るドラムの構成を示す概略図。
【図12】従来の展開アンテナの基本構造を示す斜視図。
【図13】従来の展開アンテナの基本構造を分解して示す斜視図。
【符号の説明】
【0066】
2…フレーム(伸縮部材)、11…ワイヤー駆動装置(伸展手段)、15…ケーブル(連結手段)、16…電波反射膜、21…第1のネットワーク、22…第2のネットワーク、23…第1のケーブル(第1の索条体)、25…第2のケーブル(第2の索条体)、27…支持部(外周固定点)、50…ドラム(収容手段)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1の索条体によって格子状に構成された第1のネットワークと、
上記第1のネットワーク上に設けられた電波反射膜と、
上記第1のネットワークに設けられ、上記第1の索条体より伸縮性の大きい複数の第2の索条体によって構成された第2のネットワークと、
この第2のネットワークの外周部にその周方向に対して所定間隔で設けられた複数の外周固定点と、
これら外周固定点に連結され、その軸心線方向に伸縮可能に構成された複数の伸縮部材と、
これら伸縮部材を伸展させ、上記複数の外周固定点を上記第2のネットワークの外周方向に押し広げることで、上記第2のネットワークを介して上記第1のネットワークに張力を付与し、上記第1のネットワークを展開する伸展手段と、
上記複数の伸縮部材間に渡設され、上記第1のネットワークに張力を付与したときに上記伸縮部材に生じる座屈モードの腹に対応する部分と節に対応する部分とを連結する連結手段と、
を具備することを特徴とする展開アンテナ。
【請求項2】
上記連結手段はケーブルであることを特徴とする請求項1記載の展開アンテナ。
【請求項3】
上記ケーブルを収容しておく収容手段をさらに具備することを特徴とする請求項2記載の展開アンテナ。
【請求項4】
上記第1のネットワークは、上記第1の索条体の長さによって、展開時にほぼパラボラ面となるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の展開アンテナ
【請求項1】
複数の第1の索条体によって格子状に構成された第1のネットワークと、
上記第1のネットワーク上に設けられた電波反射膜と、
上記第1のネットワークに設けられ、上記第1の索条体より伸縮性の大きい複数の第2の索条体によって構成された第2のネットワークと、
この第2のネットワークの外周部にその周方向に対して所定間隔で設けられた複数の外周固定点と、
これら外周固定点に連結され、その軸心線方向に伸縮可能に構成された複数の伸縮部材と、
これら伸縮部材を伸展させ、上記複数の外周固定点を上記第2のネットワークの外周方向に押し広げることで、上記第2のネットワークを介して上記第1のネットワークに張力を付与し、上記第1のネットワークを展開する伸展手段と、
上記複数の伸縮部材間に渡設され、上記第1のネットワークに張力を付与したときに上記伸縮部材に生じる座屈モードの腹に対応する部分と節に対応する部分とを連結する連結手段と、
を具備することを特徴とする展開アンテナ。
【請求項2】
上記連結手段はケーブルであることを特徴とする請求項1記載の展開アンテナ。
【請求項3】
上記ケーブルを収容しておく収容手段をさらに具備することを特徴とする請求項2記載の展開アンテナ。
【請求項4】
上記第1のネットワークは、上記第1の索条体の長さによって、展開時にほぼパラボラ面となるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の展開アンテナ
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−80577(P2006−80577A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−318847(P2003−318847)
【出願日】平成15年9月10日(2003.9.10)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年9月10日(2003.9.10)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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