工具および情報処理装置
【課題】メンテナンス時期を正確かつ確実にユーザに告知する。
【解決手段】センサ部64は空圧工具の打ち込み時の実打信号を検出する。制御部54は、検出した実打信号に基づいてメモリ部48に既に記憶されている実打回数を加算して更新し、更新後の累積実打回数と予め設定された基準メンテナンス回数とを比較する。比較した結果、累積実打回数が基準メンテナンス回数を超える場合には、空圧工具のメンテナンスが必要であると判断する。発光部62は、制御部54からの指示により発光点滅することで、空圧工具がメンテナンス時期であることをユーザに警告する。これにより、ユーザは確実かつ正確に工具のメンテナンス時期を把握することができる。
【解決手段】センサ部64は空圧工具の打ち込み時の実打信号を検出する。制御部54は、検出した実打信号に基づいてメモリ部48に既に記憶されている実打回数を加算して更新し、更新後の累積実打回数と予め設定された基準メンテナンス回数とを比較する。比較した結果、累積実打回数が基準メンテナンス回数を超える場合には、空圧工具のメンテナンスが必要であると判断する。発光部62は、制御部54からの指示により発光点滅することで、空圧工具がメンテナンス時期であることをユーザに警告する。これにより、ユーザは確実かつ正確に工具のメンテナンス時期を把握することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は工具に関し、詳しくは工具の通電時間や実打回数を検出して工具のメンテナンス時期を判断し、メンテナンスが必要であると判断されたときにはユーザにその旨を告知するものである。
【0002】
また本発明は情報処理装置に関し、詳しくは工具の発光部から発光されるメンテナンス情報に基づいた発光信号を受光部により受光して表示部にメンテナンス情報を表示するものである。
【背景技術】
【0003】
住宅建築の躯体・外装・内装の施工においてはねじや釘などの止具を連続的に供給する空圧工具や電動工具が広く利用されている。これらの工具を構成する部品は所定の耐久性を有しているが、止具の実打回数の増加やモータの通電時間の経過に伴って、ドライバの先端部が磨耗したり、ドライバピストンの衝撃を吸収するバンパの衝撃吸収効果が低下してしまう場合がある。そのため、例えば、工具の実打回数が数十万回に達したときにはオーバーホール等のメンテナンス作業を行い、故障した部品の交換を行っている。さらには、定期的に注油を行うことでエアモータの焼付けを防止している。
【0004】
メンテナンス時期を知るためには工具の実打回数やモータの通電時間を把握する必要がある。工具の実打回数を把握する工具としては、ドライバの往復動作を検出する近接センサと、近接センサにより検出された検出信号に基づいて工具の実打回数を計数する計数回路とを備えた工具が提案されている。計数回路により計数された工具の実打回数は液晶表示装置に表示される(特許文献1参照)。これにより、ユーザは、液晶表示装置に表示された実打回数を読み取ることで、メンテナンス時期か否かを判断することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平09−174460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示される工具では以下のような問題がある。すなわち、工具の実打回数は、液晶表示装置に表示されるだけなので、メンテナンス時期であるか否かはユーザ自身が判断しなければならない。そのため、ユーザ自身がメンテナンスが必要とされる実打回数を把握しなければならず、メンテナンス時期を誤って判断してしまったり、ユーザの失念によりメンテナンス時期を忘れてしまうおそれもある。工具のメンテナンス時期が経過してしまった場合には、他の部品にも影響を及ぼし故障箇所が増大してしまい、部品交換コストが余計にかかってしまうという問題もある。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題を解決するものであり、その目的は、メンテナンス時期を正確かつ確実にユーザに告知する工具および工具からメンテナンス情報を簡易に取得する情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る工具は上記課題を解決するために、工具本体のメンテナンス時期の判断に用いられるメンテナンス情報を検出する検出手段と、検出手段により検出されたメンテナンス情報と予め設定された基準メンテナンス情報との比較結果に基づいて、工具本体がメンテナンス時期であるか否かを判断する制御手段と、制御手段により工具本体のメンテナンス時期であると判断された場合に、工具本体がメンテナンス時期であることをユーザに告知する告知手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の工具においては、検出手段により工具本体のメンテナンス情報が検出される。メンテナンス情報は、工具本体が空圧工具の場合には例えば実打回数であり、電動工具の場合には例えば実打回数やモータの通電時間、バッテリーの交換回数などである。検出されたメンテナンス情報は制御手段に供給される。
【0010】
制御手段は、メンテナンス情報と、予め記憶部に記憶されている基準メンテナンス情報(閾値)とを比較する。基準メンテナンス情報は、例えば、工具の耐久による部品交換時期を警告する際の基準となる実打回数や、注油が必要となる注油回数などである。制御手段は、比較結果に基づいて工具本体がメンテナンス時期であるか否かを判断する。例えば、メンテナンス情報が基準メンテナンス以上または超える場合にはメンテナンスが必要であると判断する。この判断結果に基づく情報は告知手段に供給される。
【0011】
告知手段は、制御手段の判断結果に基づいて工具本体がメンテナンス時期であることをユーザに告知する。例えば、告知手段が発光部により構成されている場合には、この発光部を点滅発光させてその旨をユーザに告知する。また、告知手段がスピーカにより構成されている場合には、音声やブザー音によりユーザにその旨を告知する。これにより、ユーザは、告知手段の告知により、工具の各部品が耐久時間に達する前に工具の部品交換時期や注油時期を把握できる。
【0012】
ここで、本発明においてメンテナンスとは、工具が規定の実打回数や規定の通電時間に達したときに行われるホーバーホールやエアモータの注油作業など、工具の保守、点検、管理、修理などの全般の作業を含むものである。
【0013】
また本発明に係る情報処理装置は、工具本体のメンテナンス時期の判断に用いられるメンテナンス情報を検出する検出手段と、検出手段により検出されたメンテナンス情報と予め設定された基準メンテナンス情報との比較結果に基づいて工具本体がメンテナンス時期であるか否かを判断する工具制御手段と、工具制御手段により工具本体のメンテナンス時期であると判断された場合に工具本体がメンテナンス時期であることをユーザに告知する告知手段とを備え、当該告知手段がメンテナンス情報を発光信号として発光する発光手段により構成される工具からメンテナンス情報を取得する情報処理装置であって、発光手段から発光される発光信号を受光する受光手段と、受光手段により受光された発光信号を復号処理して、メンテナンス情報に基づく画像信号を生成する情報処理制御手段と、情報処理制御手段により生成された画像信号に基づいてメンテナンス情報を画面に表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、制御手段がメンテナンス情報に基づいて工具のメンテナンス時期を判断し、告知手段がこの判断結果に基づいてメンテナンス時期を告知するので、ユーザは確実かつ正確に工具のメンテナンス時期を把握することができる。これにより、メンテナンス時期の徒過を防止でき、事前に部品のメンテナンスを行うことで部品故障箇所の拡大を防止できる。
【0015】
また本発明の情報処理装置によれば、工具の発光部から発光される発光信号を情報処理装置の受光部で受光し、発光信号に基づいたメンテナンス情報を表示部に表示するので、ユーザは簡易かつ迅速に工具のメンテナンス情報を取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る空圧工具の構成を示す図である。
【図2】制御基板の構成を示す斜視図である。
【図3】空圧工具のブロック構成を示す図である。
【図4】空圧工具の動作の一例を示すフローチャートである(その1)。
【図5】空圧工具の動作の一例を示すフローチャートである(その2)。
【図6】空圧工具の動作の一例を示すフローチャートである(その3)。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る情報処理装置の構成を示す図である。
【図8】情報処理装置のブロック構成を示す図である。
【図9】発光部から発光される点滅信号の構成を示す図である。
【図10】情報処理装置の使用例を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る空圧工具の構成を示す図である。
【図12】電動工具の動作の一例を示すフローチャートである(その1)。
【図13】電動工具の動作の一例を示すフローチャートである(その2)。
【図14】モータの時間測定処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。
<空圧工具の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る空圧工具10Aの構成例を示す図である。
空圧工具10Aは、工具本体12と制御基板50Aとを備えている。工具本体12は、図示しない打撃機構と、ノーズ部24と、コンタクト部26と、図示しないねじ締め込み機構とを備える。打撃機構は、打撃シリンダと、打撃シリンダ内に摺動自在に設けられた打撃ピストンと、打撃ピストンに一体に結合されたドライバビットとを備える。そして、図1に示すように、トリガ16が操作されると、圧縮エアを貯留するエアチャンバ20から打撃シリンダ内に圧縮エアが供給され、ドライバビットが打ち込み動作する。エアチャンバ20は、把持部18の内部に形成されている。
【0018】
ノーズ部24は、ねじ(止具)を被締込部材に射出するための射出口を有する。安全装置としてのコンタクト部26は、ノーズ部24に摺動可能に配置されると共にねじの打ち込み側に突出するように付勢され、コンタクト部26を押し付けたときにのみトリガ16の構成が有効となるように構成されている。
【0019】
ねじ締め込み機構は、エアモータの動力によってドライバビットを締め込み作動させるものである。すなわち、打撃機構の作動開始とほぼ同時に、図1に示すエアチャンバ20から流入した圧縮空気の一部は、エアモータ22に供給され、ドライバビットをその軸心回りに回転させる。そして、回転するドライバビットにより、射出口に位置するねじは、図示しない被締込部材例えば石膏ボード等に締め込まれる。
【0020】
また工具本体12は、工具本体12のメンテナンス時期(部品交換時期)を制御する制御基板50Aを収容するための収容ボックス32を有する。収容ボックス32は、マガジン30の前方上部とエアモータ22の前方下部との間の空間部に設けられている。
【0021】
図2は制御基板50Aの構成例を示す図である。制御基板50Aは、図2に示すように、基板本体52と、メモリ部48と、制御部(工具制御手段)54と、複数のインタフェース(挿込口、以下I/Fという)68と、電池66と、センサ部64と、発光部62とを有する。なお、制御基板50AのI/F68に接続される情報処理装置100については後述する。
【0022】
基板本体52は、図示しない配線パターンが形成された例えばポリイミド等の材料からなる基体であって、工具本体12の収容ボックス32(図1参照)内部に配置されている。I/F68は、基板本体52の主面52aの角部のそれぞれに設けられる。制御部54は、マイクロコンピュータから構成され、工具本体12の実打回数を計数したり、工具本体12のメンテナンス時期を判断するものである。
【0023】
メモリ部48は、記憶手段の一例であり、不揮発性の半導体メモリ(例えば、フラッシュメモリ)から構成されている。メモリ部48には、工具本体12のメンテナンス情報が記憶されている。メンテナンス情報としては、例えば、空圧工具10Aの累積実打回数やメンテナンス時期を警告する際の基準となる基準実打回数、注油の時期を警告する際の基準となる基準注油回数、空圧工具10Aの製造番号、製造日時等のデータが記憶される。なお、メモリ部48は制御部54に組み込んで一体化して構成しても良い。
【0024】
電池66は、ボタン形状をなし、工具本体12(図1参照)内部に配置される。電池66にはリード線66aの一端が接続され、リード線66aの他端はI/F68を介して基板本体52に接続されている。電池66は、センサ部64により工具本体12の実打が検出されたときにのみ制御部54等に電力を供給するように構成される。これにより、電池66の消耗が削減され、電池66の交換回数を削減できる。また電池66を用いることで空圧工具10Aの軽量化を図ることができる。
【0025】
センサ部64は、検出手段の一例であり、例えば衝撃センサや加速度センサから構成されている。センサ部64にはリード線64aの一端が接続され、リード線64aの他端はI/F68を介して基板本体52に接続されている。センサ部64はその平面部64bが工具本体12の打込方向D(図1参照)に対して垂直となるように収容ボックス32に収容される。これにより、工具本体12の実打を正確に検出することができる。なお、工具本体12の実打回数を検出する方法としては、上述したセンサ部64を用いる以外にも、図1に示したトリガ16やコンタクト部26、図示しないフィード部にセンサ(スイッチ)を取り付けることで、工具本体12の実打回数を検出しても良い。
【0026】
発光部62は、告知手段および発光手段の一例であり、例えばLED等から構成され、工具本体12の把持部18の下方の位置(エアモータ22上面部)に取り付けられている(図1参照)。発光部62にはリード線62aの一端が取り付けられ、リード線62aの他端はI/F68を介して基板本体52に接続されている。これにより、空圧工具10Aを天井面や床面、壁面等のどの方向に傾けて使用した場合でも、ユーザは発光部62の発光を容易に視認することができる。発光部62の取り付け位置は、ユーザが視認できるような位置であれば上述した位置以外にも取り付けることが可能である。
【0027】
次に、制御基板50Aを含む空圧工具10Aのブロック構成について説明する。図3は、空圧工具10Aのブロック構成を示す図である。空圧工具10Aのセンサ部64は、図3に示すように、工具本体12が実打されたときの衝撃や加速度などを検出して検出信号を生成し、生成した検出信号を制御部54および電池66のそれぞれに供給する。電池66は、供給された検出信号に基づいて電力を発生して制御部54に供給する。
【0028】
制御部54は、CPU(Central Processing Unit)56とROM(Read Only Memory)58とRAM(Random Access Memory)60とから構成されている。ROM58は、工具本体12のメンテナンス時期を判断するための各種のプログラムや処理に必要なデータなどを記憶する。RAM60は、CPU56で各種の処理を行うときに得られたデータを一時的に記憶保持するなど、主に各種の処理の作業領域として用いられる。CPU56は、ROM58に記憶されているプログラムを実行して工具本体12のメンテナンスの警告、管理等の制御を行う。
【0029】
制御部54は、電池66から供給された電力により起動した後、センサ部64から供給された検出信号が実打であるか非実打であるかを判断する。判断方法としては、例えば予め閾値(電圧値)をROM58に記憶し、この閾値と検出信号の値(電圧値)とを比較して検出信号が閾値以上の場合には実打であると判断する。また、検出信号の継続時間の長さによって判断しても良い。制御部54は、実打であると判断した検出信号を計数し、計数した累積実打回数が所定の基準メンテナンス回数を超える場合には、発光部62を発光させるための制御信号を生成して発光部62に供給する。
【0030】
発光部62は、制御部54から供給された制御信号に基づいて所定パターンで発光し、工具本体12がメンテナンス時期であることをユーザに警告する。このとき、例えば注油時期を警告する場合には点滅パターンを早くし、オーバーホール等のメンテナンス時期を警告する場合には注油時期の点滅パターンよりも遅く手滅させても良い。これにより、どのような警告内容であるかをユーザは容易に識別できる。告知手段は、発光部62に代えて、音声やブザー音を出力させるスピーカであっても良い。
【0031】
また、制御基板50Aのメモリ部48に記憶した実打回数等のメンテナンス情報を後述する情報処理装置100により読み出す場合、制御部54は、メモリ部48に記憶したメンテナンス情報を読み出して、読み出したメンテナンス情報に基づく送信信号を生成して発光部62に供給する。
【0032】
発光部62は、制御部54から供給された送信信号を赤外線を用いた点滅信号(発光信号)に変換して、変換した点滅信号を送信(発光)する。点滅信号としては、例えば搬送波周波数により変調されたものが用いられる。
【0033】
<空圧工具の動作>
次に、空圧工具10Aのメンテナンス時期を警告する場合の制御部54の動作の一例について説明する。図4は、空圧工具10Aのメンテナンス時期を警告する場合の制御部54の動作を示すフローチャートである。
【0034】
ステップS10で制御部54は、センサ部64から供給された検出信号を検出する。制御部54では、センサ部64から供給された検出信号の波形から実打であるか非実打(空打ち等)であるかを判断する。本例では、センサ部64から供給された検出信号が実打であるものとする。検出信号を検出したらステップS20に進む。
【0035】
ステップS20で制御部54は、メモリ部48に予め記憶された実打回数を更新する。制御部54は、センサ部64から検出信号が供給されたとき、メモリ部48から実打回数を読み出し、読み出した実打回数の値に+1(インクリメント)を加算して実打回数を更新する。更新した実打回数は、累積実打回数として再度メモリ部48に記憶される。制御部54は、実打回数を更新したらステップS30に進む。
【0036】
ステップS30で制御部54は、累積実打回数と予め設定された注油回数(基準メンテナンス情報)とを比較して実打回数が注油回数を超えたか否かを判断する。制御部54は、メモリ部48から更新された累積実打回数と予め記憶された注油回数(閾値)とを読み出して、累積実打回数と注油回数とを比較する。注油回数が例えば2000本に設定されている場合には、更新した累積実打回数が2000本を越えたか否かを判断する。制御部54は、累積実打回数が注油回数を超えたと判断した場合には図5に示すステップS32に進み、累積実打回数が注油回数未満と判断した場合にはステップS40に進む。
【0037】
図5は、注油時期を警告する場合の制御部54の動作を示すフローチャートである。ステップS32で制御部54は、累積実打回数が注油回数を超えたと判断した場合には注油作業が必要であることをユーザに警告する警告処理を行う。警告処理において制御部54は、発光部62に発光点滅させる制御信号を供給して発光部62を所定パターンで発光点滅させる。発光部62を点滅させる時間は任意に設定できる。
【0038】
ステップS34で制御部54は、「累積実打回数」と「注油回数+10回」とを比較し、「累積実打回数」が「注油回数+10回」を超えたか否かを判断する。これにより、累積実打回数が注油回数に達してから「+10回」の間だけ発光部62が点滅するので、ユーザはこの間に確実に発光部62による警告に気付くことができる。例えば注油回数が2000回に設定されている場合には、累積実打回数が2010回に達するまでの間、発光部62が点滅する。なお、加算する累積実打回数は「+10回」に限定されることはない。例えば「+10回」よりも多い回数を加算すれば、累積実打回数が規定の注油回数に達してからも長い実打回数の間、ユーザに注油作業が必要であることを警告できる。制御部54は、「累積実打回数」が「注油回数+10回」を超えたと判断した場合にはステップS36に進む。一方、「累積実打回数」が「注油回数+10回」未満と判断した場合にはステップS10に戻り、再度検出信号を検出する。
【0039】
ステップS36で制御部54は注油回数の数値を更新する。制御部54は、メモリ部48から注油回数を読み出し、例えば注油回数が2000回に設定されている場合には、注油回数を倍の4000回に更新し、更新した注油回数をメモリ部48に記憶する。これにより、累積実打回数が4000回に到達したときに再び発光部62が点滅する。なお、新たに設定する注油回数は、経年劣化を考慮して累積実打回数が増加するに伴い、注油回数間隔が短くなるように設定しても良い。制御部54は、注油回数の数値を更新したらステップS38に進む。
【0040】
ステップS38で制御部54は、警告解除処理を行う。警告解除処理において制御部54は、所定時間の間だけ発光部62を点滅させた後、発光部62の発光点滅を停止させる。発光が停止したらステップS10に戻る。
【0041】
図4に戻り、ステップS40で制御部54は、累積実打回数と予め設定されたメンテナンス回数(基準メンテナンス情報)とを比較して実打回数が注油回数を超えたか否かを判断する。例えば、メンテナンス回数が20万回に設定されている場合には更新した実打回数が20万回を越えたか否かを判断する。実打回数がメンテナンス回数を超えた場合には図6に示すステップS42に進む。一方、実打回数がメンテナンス回数未満の場合にはステップS10に戻り、再度検出信号を検出する。
【0042】
図6は、メンテナンス時期を警告する場合の制御部54の動作を示すフローチャートである。図5と共通する動作については簡略化して説明する。ステップS42で制御部54は、オーバーホール作業が必要であることをユーザに警告する警告処理を行う。警告処理において制御部54は、発光部62に発光点滅させる制御信号を供給して、発光部62を所定パターンで発光点滅させる。
【0043】
ステップS44で制御部54は、「累積実打回数」と「メンテナンス回数+10回」とを比較し、「累積実打回数」が「メンテナンス回数+10回」を超えたか否かを判断する。これにより、累積実打回数がメンテナンス回数に達してから「+10回」の間だけ発光部62が点滅するので、ユーザはこの間に確実に発光部62による警告に気付くことができる。例えばメンテナンス回数が20万回に設定されている場合には、累積実打回数が20万10回に達するまでの間、発光部62が点滅する。制御部54は、「累積実打回数」が「メンテナンス回数+10回」を超えたと判断した場合にはステップS46に進む。一方、「累積実打回数」が「メンテナンス回数+10回」未満と判断した場合にはステップS10に戻り、再度検出信号を検出する。
【0044】
ステップS46で制御部54はメンテナンス回数の数値を更新する。制御部54は、メモリ部48からメンテナンス回数を読み出し、例えばメンテナンス回数が20万回に設定されている場合には、メンテナンス回数を倍の40万回に更新し、更新したメンテナンス回数をメモリ部48に記憶する。これにより、累積実打回数が40万回に到達したときに再び発光部62が点滅する。制御部54は、メンテナンス回数の数値を更新したらステップS48に進む。
【0045】
ステップS48で制御部54は、警告解除処理を行う。警告解除処理において制御部54は、所定時間の間だけ発光部62を点滅させた後、発光部62の点滅を停止させる。警告解除処理が終了したらステップS10に戻り、再度検出信号を検出する。このような制御部54の動作により、規定の注油回数やメンテナンス回数に実打回数が到達したときに発光部62を点滅させて警告するので、ユーザはメンテナンス時期を的確に把握することができる。
【0046】
以上説明したように、本実施の形態によれば、空圧工具10Aの累積実打回数が予め設定されたメンテナンス回数や注油回数に到達したときに、発光部62が発光点滅することで空圧工具10Aがメンテナンス時期であることを警告するので、ユーザは確実かつ正確に工具のメンテナンス時期を把握できる。これにより、メンテナンス時期の徒過を防止でき、事前に部品の修理を行うことで部品故障箇所の拡大を防止できる。その結果、修理等の余計なコストがかからなくて済む。
【0047】
[第2の実施の形態]
次に、上述した空圧工具10Aの制御基板50Aから空圧工具10Aの実打回数を読み出すための情報処理装置100の構成について説明する。なお、上述した第1の実施の形態で説明した空圧工具10Aの構成については省略する。
【0048】
<情報処理装置の構成>
次に、上述した空圧工具10Aの制御基板50Aから空圧工具10Aの実打回数を読み出すための情報処理装置100の構成について説明する。図7は、情報処理装置100の構成例を示す斜視図である。情報処理装置100は、装置本体102と受信装置120とを備える。装置本体102と受信装置120とはケーブル126を介して互いに電気的に接続されている。
【0049】
装置本体102は、偏平な直方体形状からなる筐体を有し、筐体表面には表示部104と操作部118とが設けられている。表示部104は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)やEL(Electro Luminescence)等から構成され、制御基板50Aから読み出した空圧工具10Aの実打回数や製造番号、購入日時等の固有情報を画面に表示する。
【0050】
操作部118は、装置本体102の電源をオン/オフする電源ボタン106と、カーソルを左方向に移動する左移動ボタン108と、カーソルを右方向に移動する右移動ボタン110と、画面中のカーソルを改行する改行ボタン112と、コマンドを選択する選択ボタン114とから構成されている。なお、入力装置としては、表示部104と操作部118とを一体に組み合わせたタッチパネルを用いても良い。
【0051】
受信装置120は、受光部124とカバー部材122とを有する。受光部124は、例えばフォトダイオードから構成されている。受光部124の後端部にはケーブル126の一端が接続され、ケーブル126の他端がコネクタ128を介して装置本体102に着脱可能に接続されている。
【0052】
カバー部材122は、外乱光による影響を無くすためのものであり、外部からの信号を侵入させないような材料から構成される。このカバー部材122は、略お椀形状をなし、受光部124の外周部を囲むようにして受光部124の基端部に取り付けられている。
【0053】
次に、情報処理装置100のブロック構成について説明する。図8は、情報処理装置100のブロック構成を示す図である。バス144には、操作部118、信号処理部140、制御部(情報処理制御手段)130および表示部104のそれぞれが接続されている。
【0054】
操作部118は、ユーザのボタン操作に基づいた操作信号を生成し、生成した操作信号を制御部130に供給する。操作部118では、例えば空圧工具10Aに格納される全てのメンテナンス情報を表示させる指示や、メンテナンス情報のうち一部の例えば実打回数のみを表示させる指示、情報処理装置100の電源をオン/オフする指示などがユーザにより入力される。
【0055】
受光部124は、空圧工具10A側の発光部62から発光された点滅信号(図3参照)を受光し、受光した点滅信号を電気信号に変換する。そして、受光部124は、電気信号に変換した点滅信号を増幅等の処理を施して制御部130に供給する。
【0056】
ここで、発光部62から発光される点滅信号の構成について説明する。図9(A)は点滅信号の構成例を示す図であり、図9(B)は開始信号の構成例を示す図であり、図9(C)はデータコードの構成例を示す図であり、図9(D)は終了信号の構成例を示す図である。
【0057】
点滅信号は、図9(A)に示すように、開始信号と、データコードと、チェックサムコードと、終了信号とから構成されている。開始信号は、点滅信号の先頭を示すマーカであり、データコードとは信号の波形が大きく異なるように構成され、容易に開始信号であることを識別できるようになっている。開始信号は、図9(B)に示すように、デューティ比が2:1に設定され、例えば8msの期間オン状態が続き、その後4msの期間オフ状態となるように設定される。
【0058】
データコードは、空圧工具10Aの実打回数等のデータからなり、第1バイト〜第n−1バイトのデータで構成されている。データコードは、図9(C)に示すように、ビットが“0”の場合にはオンとオフのデューティ比が1:1に設定され、ビットが“1”の場合にはオンとオフのデューティ比が1:3に設定される。
【0059】
チェックサムは、データコードの誤り検出に用いられるアルゴリズムであり、第1バイト〜第n−1バイトまでの総和の下位バイトから構成されている。
【0060】
終了信号は、点滅信号の終了を示すマーカであり、データコードとは信号の波形が大きく異なるように構成され、容易に終了信号であることを識別できるようになっている。終了信号は、図9(D)に示すように、デューティ比が1:16となるように設定され、例えば1msの期間オン状態が続き、その後16ms以上の期間オフ状態となるように設定される。
【0061】
図8に戻り、制御部130は、CPU132とROM134とRAM136とから構成されている。制御部130は、受光部124から供給された点滅信号の搬送周波数成分を抽出等して復号処理を行い、メンテナンス情報に基づく画像信号を生成する。制御部130は、生成した画像信号を表示部104に供給する。
【0062】
また、制御部130は、操作部118から供給された操作信号に基づく制御信号を生成して表示部104等に供給して各種処理を行う。例えば、情報処理装置100の電源のオン/オフを制御したり、表示部104の画面上に表示するメンテナンス情報等の表示制御を行う。
【0063】
表示部104は、制御部130のCPU132から供給された画像信号に基づく画像を画面に表示する。表示部104の画面上には、工具本体12のメモリ部48から読み出された空圧工具10Aの例えば累積実打回数や製造番号等のメンテナンス情報が表示される。
【0064】
<情報処理装置の使用例>
次に、情報処理装置100の使用例について説明する。図10(A)は情報処理装置100の使用例を示す図であり、図10(B)はその要部Sの拡大図である。
【0065】
図10(A)および図10(B)に示すように、空圧工具10Aから累積実打回数を読み出す場合、まず装置本体102の電源ボタン106を押して情報処理装置100の電源をオンにする(図8参照)。そして、受信装置120のカバー部材122を工具本体12の発光部62を囲むようにして工具本体12に押し当てる(または近接させる)。カバー部材122を工具本体12に押し当てたら、工具本体12側に設けられた図示しないスイッチを押して、工具本体12の発光部62を発光点滅させる。または、ねじや釘などのファスナーを取り除き空打ちした衝撃波形をメモリ部48やROM58に認識しておき、その空打ちが連続して数回発生させた場合に発光点滅させるなど、通常実打では起こりえない操作にて発光点滅させる。このような動作により、工具本体12から空圧工具10Aの実打回数を読み出して、情報処理装置100の表示部104に表示させる。
【0066】
従来では、空圧工具10Aから実打回数などを読み出す場合には、これらの情報は工具本体12の記憶装置に格納されるため、情報の確認方法が非常に困難であった。そこで、工具本体12の基板に有線を介して治具を接続し、基板から情報を取得する方法も提案されているが、この場合には工具本体12を分解して基板を取り出し、基板上のコネクタに治具の有線を接続しなければならなく、作業効率が悪いという問題があった。
【0067】
これに対し、本実施の形態によれば、工具本体12のメンテナンス時期を警告するための発光部62を利用して実打回数等のメンテナンス情報を発光するので、工具本体12を分解して制御基板50Aを取り出す必要がなく、作業効率を大幅に向上させることができる。これにより、例えば、顧客に工具を販売する営業活動等において、情報処理装置100を顧客のところまで持参し、顧客の工具から実打回数などのメンテナンス情報を読み出すことで、工具の部品交換時期等をその場で判断することができ、工具の販売促進につなげることができる。
【0068】
[第3の実施の形態]
次に、上述した空圧工具10Aに代えて電動工具10Bを用いた場合について説明する。なお、上述した第1の実施の形態で説明した空圧工具10Aおよび制御基板50A等と共通する構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0069】
<電動工具の構成>
図11は、第3の実施の形態に係る電動工具10Bのブロック構成を示す図である。電動工具10Bは、制御基板50Bと、電池66と、発光部62と、センサ部64と、モータ70と、バッテリー72とを備える。制御基板50Bは、CPU56、ROM58およびRAM60から構成される制御部54と、メモリ部48と、タイマー部142と、複数のI/F68とを有する。
【0070】
メモリ部48は不揮発性の半導体メモリから構成され、このメモリ部48には電動工具10Bのモータ通電時間や電動工具10Bのメンテナンス時期を警告する際の基準となるメンテナンス時間、実打回数、注油回数等のデータが記憶される。
【0071】
モータ70はI/F68を介して制御部54に接続され、トリガ操作によりモータ70が回転駆動したときに生成される駆動信号を制御部54に供給する。また、モータ70は、モータ70の回転駆動が停止されたときに生成される停止信号が制御部54に供給する。制御部54は、モータ70から供給される駆動信号および停止信号のそれぞれに基づく制御信号をタイマー部142に供給する。
【0072】
タイマー部142は、制御部54から供給される制御信号に基づいてモータ通電時間を計測する。計測されたモータ通電時間はメモリ部48に既に記憶されているモータ通電時間に加算されて再度メモリ部48に記憶される。すなわち、メモリ部48には累積されたモータ通電時間が記憶される。
【0073】
バッテリー72はI/F68を介して制御部54やモータ70に接続される。制御部54は、バッテリー72の電動工具10Bへの装着時または電動工具10Bからの取り外し時の動作をトリガとして、バッテリー72の交換回数を計数する。
【0074】
このように構成された電動工具10Bは、図示しないハウジング内部にモータ70が内蔵され、トリガを引き操作するとモータ70が作動し、モータ70により回転駆動伝達部を介してドライバビットが回転することでネジ止め作業を行う。
【0075】
<電動工具の動作>
次に、電動工具10Bのメンテナンス時期を警告する場合の動作の一例について説明する。図12は、電動工具10Bの動作を示すフローチャートである。
【0076】
ステップS100で制御部54はモータのオン動作を検出する。制御部54は、モータ70から供給される駆動信号に基づいてモータのオン状態を検出し、モータ70の駆動に基づいた制御信号をタイマー部142に供給する。ステップS110でタイマー部142は、制御部54から供給された制御信号に基づいてモータの通電時間の計測を開始してステップS120に進む。
【0077】
ステップS120で制御部54は、センサ部64から供給された電動工具10Bの実打に基づいた検出信号を検出してステップS130に進む。ステップS130で制御部54は、メモリ部48に予め記憶された実打回数を更新する。実打回数の更新が終了したらステップS140に進む。ステップS140で制御部54は、モータの通電時間を更新する。この処理の詳細な動作については後述する。
【0078】
ステップS150で制御部54は、累積実打回数と予め設定された注油回数とを比較して実打回数が注油回数を超えたか否かを判断する。制御部54は、累積実打回数が注油回数を超えたと判断した場合には図5に示したステップS32〜S38の処理を行う。一方、累積実打回数が注油回数未満と判断した場合にはステップS160に進む。
【0079】
ステップS160で制御部54は、累積実打回数と予め設定されたメンテナンス回数とを比較して累積実打回数が注油回数を超えたか否かを判断する。実打回数がメンテナンス回数を超えた場合には図6に示したステップS42〜S48の処理を行う。一方、実打回数がメンテナンス回数未満の場合にはステップS170に進む。
【0080】
ステップS170で制御部54は、モータ通電時間と予め設定されたメンテナンス時間とを比較してモータ通電時間がメンテナンス時間を超えたか否かを判断する。制御部54は、メモリ部48から更新されたモータ通電時間と予め記憶されたメンテナンス時間(閾値)とを読み出して、モータ通電時間とメンテナンス時間とを比較する。制御部54は、モータ通電時間がメンテナンス時間を超えたと判断した場合には図13に示すステップS172に進み、モータ通電時間がメンテナンス時間未満と判断した場合にはステップS100に戻る。
【0081】
図13は、メンテナンス時期を警告する場合の電動工具10Bの動作を示すフローチャートである。ステップS172で制御部54は、モータ通電時間がメンテナンス時間を超えたと判断した場合にはメンテナンス作業が必要であることをユーザに警告する警告処理を行う。警告処理において制御部54は、発光部62に発光点滅させる制御信号を供給して、発光部62を所定パターンで発光点滅させる。
【0082】
ステップS174で制御部54は、「モータ通電時間」と「メンテナンス時間+10回」とを比較し、「モータ通電時間」が「メンテナンス時間+10回」を超えたか否かを判断する。これにより、モータ通電時間がメンテナンス時間に達してから「+10回」の間だけ発光部62が点滅するので、ユーザはこの間に確実に発光部62による警告に気付くことができる。制御部54は、「モータ通電時間」が「メンテナンス時間+10回」を超えたと判断した場合にはステップS176に進む。一方、「モータ通電時間」が「メンテナンス時間+10回」未満と判断した場合にはステップS100に戻る。
【0083】
ステップS176で制御部54はメンテナンス時間の数値を更新する。制御部54は、メンテナンス時間の数値を更新したらステップS178に進む。
【0084】
ステップS178で制御部54は、警告解除処理を行う。警告解除処理において制御部54は、所定時間の間だけ発光部62を点滅させた後、発光部62の点滅を停止させる。警告解除処理が終了したらステップS100に戻る。このような制御部54の動作により、規定のメンテナンス時間にモータ通電時間が到達したときに発光部62を点滅させて警告するので、ユーザはメンテナンス時期を的確に把握することができる。
【0085】
図14は、上述したステップS110,S140の詳細な動作を示すフローチャートである。ステップS200でタイマー部142は、モータの通電を検出するとモータ通電時間M_timeを加算して行く。ステップS210で制御部54は、モータ通電時間M_timeが所定の更新時間、本例では60秒経過したか否かを判断する。
【0086】
ステップS220で制御部54は、モータ通電時間M_timeが所定の更新時間を経過したと判断すると、メモリ部48からモータ総通電時間Total_M_timeを読み出す。
ステップS230で制御部54は、モータ総通電時間Total_M_timeを加算して、ステップS240でメモリ部48に記憶されたモータ総通電時間Total_M_timeを更新する。
【0087】
以上説明したように、本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様に、電動工具10Bの累積実打回数が予め設定されたメンテナンス回数や注油回数に到達したときやモータ通電時間がメンテナンス時間に到達したときに、発光部62が発光点滅することで電動工具10Bがメンテナンス時期であることを警告するので、ユーザは確実かつ正確に工具のメンテナンス時期を把握できる。これにより、メンテナンス時期の徒過を防止でき、事前に部品の修理を行うことで部品故障箇所の拡大を防止できる。
【0088】
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
【符号の説明】
【0089】
10・・・空圧工具、32・・・収容ボックス、50・・・制御基板、54・・・制御部、62・・・発光部、64・・・センサ部、64a・・・平面部、70・・・モータ、100・・・情報処理装置、104・・・表示部、124・・・受光部、130・・・制御部、140・・・信号処理部、142・・・タイマー部
【技術分野】
【0001】
本発明は工具に関し、詳しくは工具の通電時間や実打回数を検出して工具のメンテナンス時期を判断し、メンテナンスが必要であると判断されたときにはユーザにその旨を告知するものである。
【0002】
また本発明は情報処理装置に関し、詳しくは工具の発光部から発光されるメンテナンス情報に基づいた発光信号を受光部により受光して表示部にメンテナンス情報を表示するものである。
【背景技術】
【0003】
住宅建築の躯体・外装・内装の施工においてはねじや釘などの止具を連続的に供給する空圧工具や電動工具が広く利用されている。これらの工具を構成する部品は所定の耐久性を有しているが、止具の実打回数の増加やモータの通電時間の経過に伴って、ドライバの先端部が磨耗したり、ドライバピストンの衝撃を吸収するバンパの衝撃吸収効果が低下してしまう場合がある。そのため、例えば、工具の実打回数が数十万回に達したときにはオーバーホール等のメンテナンス作業を行い、故障した部品の交換を行っている。さらには、定期的に注油を行うことでエアモータの焼付けを防止している。
【0004】
メンテナンス時期を知るためには工具の実打回数やモータの通電時間を把握する必要がある。工具の実打回数を把握する工具としては、ドライバの往復動作を検出する近接センサと、近接センサにより検出された検出信号に基づいて工具の実打回数を計数する計数回路とを備えた工具が提案されている。計数回路により計数された工具の実打回数は液晶表示装置に表示される(特許文献1参照)。これにより、ユーザは、液晶表示装置に表示された実打回数を読み取ることで、メンテナンス時期か否かを判断することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平09−174460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示される工具では以下のような問題がある。すなわち、工具の実打回数は、液晶表示装置に表示されるだけなので、メンテナンス時期であるか否かはユーザ自身が判断しなければならない。そのため、ユーザ自身がメンテナンスが必要とされる実打回数を把握しなければならず、メンテナンス時期を誤って判断してしまったり、ユーザの失念によりメンテナンス時期を忘れてしまうおそれもある。工具のメンテナンス時期が経過してしまった場合には、他の部品にも影響を及ぼし故障箇所が増大してしまい、部品交換コストが余計にかかってしまうという問題もある。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題を解決するものであり、その目的は、メンテナンス時期を正確かつ確実にユーザに告知する工具および工具からメンテナンス情報を簡易に取得する情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る工具は上記課題を解決するために、工具本体のメンテナンス時期の判断に用いられるメンテナンス情報を検出する検出手段と、検出手段により検出されたメンテナンス情報と予め設定された基準メンテナンス情報との比較結果に基づいて、工具本体がメンテナンス時期であるか否かを判断する制御手段と、制御手段により工具本体のメンテナンス時期であると判断された場合に、工具本体がメンテナンス時期であることをユーザに告知する告知手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の工具においては、検出手段により工具本体のメンテナンス情報が検出される。メンテナンス情報は、工具本体が空圧工具の場合には例えば実打回数であり、電動工具の場合には例えば実打回数やモータの通電時間、バッテリーの交換回数などである。検出されたメンテナンス情報は制御手段に供給される。
【0010】
制御手段は、メンテナンス情報と、予め記憶部に記憶されている基準メンテナンス情報(閾値)とを比較する。基準メンテナンス情報は、例えば、工具の耐久による部品交換時期を警告する際の基準となる実打回数や、注油が必要となる注油回数などである。制御手段は、比較結果に基づいて工具本体がメンテナンス時期であるか否かを判断する。例えば、メンテナンス情報が基準メンテナンス以上または超える場合にはメンテナンスが必要であると判断する。この判断結果に基づく情報は告知手段に供給される。
【0011】
告知手段は、制御手段の判断結果に基づいて工具本体がメンテナンス時期であることをユーザに告知する。例えば、告知手段が発光部により構成されている場合には、この発光部を点滅発光させてその旨をユーザに告知する。また、告知手段がスピーカにより構成されている場合には、音声やブザー音によりユーザにその旨を告知する。これにより、ユーザは、告知手段の告知により、工具の各部品が耐久時間に達する前に工具の部品交換時期や注油時期を把握できる。
【0012】
ここで、本発明においてメンテナンスとは、工具が規定の実打回数や規定の通電時間に達したときに行われるホーバーホールやエアモータの注油作業など、工具の保守、点検、管理、修理などの全般の作業を含むものである。
【0013】
また本発明に係る情報処理装置は、工具本体のメンテナンス時期の判断に用いられるメンテナンス情報を検出する検出手段と、検出手段により検出されたメンテナンス情報と予め設定された基準メンテナンス情報との比較結果に基づいて工具本体がメンテナンス時期であるか否かを判断する工具制御手段と、工具制御手段により工具本体のメンテナンス時期であると判断された場合に工具本体がメンテナンス時期であることをユーザに告知する告知手段とを備え、当該告知手段がメンテナンス情報を発光信号として発光する発光手段により構成される工具からメンテナンス情報を取得する情報処理装置であって、発光手段から発光される発光信号を受光する受光手段と、受光手段により受光された発光信号を復号処理して、メンテナンス情報に基づく画像信号を生成する情報処理制御手段と、情報処理制御手段により生成された画像信号に基づいてメンテナンス情報を画面に表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、制御手段がメンテナンス情報に基づいて工具のメンテナンス時期を判断し、告知手段がこの判断結果に基づいてメンテナンス時期を告知するので、ユーザは確実かつ正確に工具のメンテナンス時期を把握することができる。これにより、メンテナンス時期の徒過を防止でき、事前に部品のメンテナンスを行うことで部品故障箇所の拡大を防止できる。
【0015】
また本発明の情報処理装置によれば、工具の発光部から発光される発光信号を情報処理装置の受光部で受光し、発光信号に基づいたメンテナンス情報を表示部に表示するので、ユーザは簡易かつ迅速に工具のメンテナンス情報を取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る空圧工具の構成を示す図である。
【図2】制御基板の構成を示す斜視図である。
【図3】空圧工具のブロック構成を示す図である。
【図4】空圧工具の動作の一例を示すフローチャートである(その1)。
【図5】空圧工具の動作の一例を示すフローチャートである(その2)。
【図6】空圧工具の動作の一例を示すフローチャートである(その3)。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る情報処理装置の構成を示す図である。
【図8】情報処理装置のブロック構成を示す図である。
【図9】発光部から発光される点滅信号の構成を示す図である。
【図10】情報処理装置の使用例を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る空圧工具の構成を示す図である。
【図12】電動工具の動作の一例を示すフローチャートである(その1)。
【図13】電動工具の動作の一例を示すフローチャートである(その2)。
【図14】モータの時間測定処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。
<空圧工具の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る空圧工具10Aの構成例を示す図である。
空圧工具10Aは、工具本体12と制御基板50Aとを備えている。工具本体12は、図示しない打撃機構と、ノーズ部24と、コンタクト部26と、図示しないねじ締め込み機構とを備える。打撃機構は、打撃シリンダと、打撃シリンダ内に摺動自在に設けられた打撃ピストンと、打撃ピストンに一体に結合されたドライバビットとを備える。そして、図1に示すように、トリガ16が操作されると、圧縮エアを貯留するエアチャンバ20から打撃シリンダ内に圧縮エアが供給され、ドライバビットが打ち込み動作する。エアチャンバ20は、把持部18の内部に形成されている。
【0018】
ノーズ部24は、ねじ(止具)を被締込部材に射出するための射出口を有する。安全装置としてのコンタクト部26は、ノーズ部24に摺動可能に配置されると共にねじの打ち込み側に突出するように付勢され、コンタクト部26を押し付けたときにのみトリガ16の構成が有効となるように構成されている。
【0019】
ねじ締め込み機構は、エアモータの動力によってドライバビットを締め込み作動させるものである。すなわち、打撃機構の作動開始とほぼ同時に、図1に示すエアチャンバ20から流入した圧縮空気の一部は、エアモータ22に供給され、ドライバビットをその軸心回りに回転させる。そして、回転するドライバビットにより、射出口に位置するねじは、図示しない被締込部材例えば石膏ボード等に締め込まれる。
【0020】
また工具本体12は、工具本体12のメンテナンス時期(部品交換時期)を制御する制御基板50Aを収容するための収容ボックス32を有する。収容ボックス32は、マガジン30の前方上部とエアモータ22の前方下部との間の空間部に設けられている。
【0021】
図2は制御基板50Aの構成例を示す図である。制御基板50Aは、図2に示すように、基板本体52と、メモリ部48と、制御部(工具制御手段)54と、複数のインタフェース(挿込口、以下I/Fという)68と、電池66と、センサ部64と、発光部62とを有する。なお、制御基板50AのI/F68に接続される情報処理装置100については後述する。
【0022】
基板本体52は、図示しない配線パターンが形成された例えばポリイミド等の材料からなる基体であって、工具本体12の収容ボックス32(図1参照)内部に配置されている。I/F68は、基板本体52の主面52aの角部のそれぞれに設けられる。制御部54は、マイクロコンピュータから構成され、工具本体12の実打回数を計数したり、工具本体12のメンテナンス時期を判断するものである。
【0023】
メモリ部48は、記憶手段の一例であり、不揮発性の半導体メモリ(例えば、フラッシュメモリ)から構成されている。メモリ部48には、工具本体12のメンテナンス情報が記憶されている。メンテナンス情報としては、例えば、空圧工具10Aの累積実打回数やメンテナンス時期を警告する際の基準となる基準実打回数、注油の時期を警告する際の基準となる基準注油回数、空圧工具10Aの製造番号、製造日時等のデータが記憶される。なお、メモリ部48は制御部54に組み込んで一体化して構成しても良い。
【0024】
電池66は、ボタン形状をなし、工具本体12(図1参照)内部に配置される。電池66にはリード線66aの一端が接続され、リード線66aの他端はI/F68を介して基板本体52に接続されている。電池66は、センサ部64により工具本体12の実打が検出されたときにのみ制御部54等に電力を供給するように構成される。これにより、電池66の消耗が削減され、電池66の交換回数を削減できる。また電池66を用いることで空圧工具10Aの軽量化を図ることができる。
【0025】
センサ部64は、検出手段の一例であり、例えば衝撃センサや加速度センサから構成されている。センサ部64にはリード線64aの一端が接続され、リード線64aの他端はI/F68を介して基板本体52に接続されている。センサ部64はその平面部64bが工具本体12の打込方向D(図1参照)に対して垂直となるように収容ボックス32に収容される。これにより、工具本体12の実打を正確に検出することができる。なお、工具本体12の実打回数を検出する方法としては、上述したセンサ部64を用いる以外にも、図1に示したトリガ16やコンタクト部26、図示しないフィード部にセンサ(スイッチ)を取り付けることで、工具本体12の実打回数を検出しても良い。
【0026】
発光部62は、告知手段および発光手段の一例であり、例えばLED等から構成され、工具本体12の把持部18の下方の位置(エアモータ22上面部)に取り付けられている(図1参照)。発光部62にはリード線62aの一端が取り付けられ、リード線62aの他端はI/F68を介して基板本体52に接続されている。これにより、空圧工具10Aを天井面や床面、壁面等のどの方向に傾けて使用した場合でも、ユーザは発光部62の発光を容易に視認することができる。発光部62の取り付け位置は、ユーザが視認できるような位置であれば上述した位置以外にも取り付けることが可能である。
【0027】
次に、制御基板50Aを含む空圧工具10Aのブロック構成について説明する。図3は、空圧工具10Aのブロック構成を示す図である。空圧工具10Aのセンサ部64は、図3に示すように、工具本体12が実打されたときの衝撃や加速度などを検出して検出信号を生成し、生成した検出信号を制御部54および電池66のそれぞれに供給する。電池66は、供給された検出信号に基づいて電力を発生して制御部54に供給する。
【0028】
制御部54は、CPU(Central Processing Unit)56とROM(Read Only Memory)58とRAM(Random Access Memory)60とから構成されている。ROM58は、工具本体12のメンテナンス時期を判断するための各種のプログラムや処理に必要なデータなどを記憶する。RAM60は、CPU56で各種の処理を行うときに得られたデータを一時的に記憶保持するなど、主に各種の処理の作業領域として用いられる。CPU56は、ROM58に記憶されているプログラムを実行して工具本体12のメンテナンスの警告、管理等の制御を行う。
【0029】
制御部54は、電池66から供給された電力により起動した後、センサ部64から供給された検出信号が実打であるか非実打であるかを判断する。判断方法としては、例えば予め閾値(電圧値)をROM58に記憶し、この閾値と検出信号の値(電圧値)とを比較して検出信号が閾値以上の場合には実打であると判断する。また、検出信号の継続時間の長さによって判断しても良い。制御部54は、実打であると判断した検出信号を計数し、計数した累積実打回数が所定の基準メンテナンス回数を超える場合には、発光部62を発光させるための制御信号を生成して発光部62に供給する。
【0030】
発光部62は、制御部54から供給された制御信号に基づいて所定パターンで発光し、工具本体12がメンテナンス時期であることをユーザに警告する。このとき、例えば注油時期を警告する場合には点滅パターンを早くし、オーバーホール等のメンテナンス時期を警告する場合には注油時期の点滅パターンよりも遅く手滅させても良い。これにより、どのような警告内容であるかをユーザは容易に識別できる。告知手段は、発光部62に代えて、音声やブザー音を出力させるスピーカであっても良い。
【0031】
また、制御基板50Aのメモリ部48に記憶した実打回数等のメンテナンス情報を後述する情報処理装置100により読み出す場合、制御部54は、メモリ部48に記憶したメンテナンス情報を読み出して、読み出したメンテナンス情報に基づく送信信号を生成して発光部62に供給する。
【0032】
発光部62は、制御部54から供給された送信信号を赤外線を用いた点滅信号(発光信号)に変換して、変換した点滅信号を送信(発光)する。点滅信号としては、例えば搬送波周波数により変調されたものが用いられる。
【0033】
<空圧工具の動作>
次に、空圧工具10Aのメンテナンス時期を警告する場合の制御部54の動作の一例について説明する。図4は、空圧工具10Aのメンテナンス時期を警告する場合の制御部54の動作を示すフローチャートである。
【0034】
ステップS10で制御部54は、センサ部64から供給された検出信号を検出する。制御部54では、センサ部64から供給された検出信号の波形から実打であるか非実打(空打ち等)であるかを判断する。本例では、センサ部64から供給された検出信号が実打であるものとする。検出信号を検出したらステップS20に進む。
【0035】
ステップS20で制御部54は、メモリ部48に予め記憶された実打回数を更新する。制御部54は、センサ部64から検出信号が供給されたとき、メモリ部48から実打回数を読み出し、読み出した実打回数の値に+1(インクリメント)を加算して実打回数を更新する。更新した実打回数は、累積実打回数として再度メモリ部48に記憶される。制御部54は、実打回数を更新したらステップS30に進む。
【0036】
ステップS30で制御部54は、累積実打回数と予め設定された注油回数(基準メンテナンス情報)とを比較して実打回数が注油回数を超えたか否かを判断する。制御部54は、メモリ部48から更新された累積実打回数と予め記憶された注油回数(閾値)とを読み出して、累積実打回数と注油回数とを比較する。注油回数が例えば2000本に設定されている場合には、更新した累積実打回数が2000本を越えたか否かを判断する。制御部54は、累積実打回数が注油回数を超えたと判断した場合には図5に示すステップS32に進み、累積実打回数が注油回数未満と判断した場合にはステップS40に進む。
【0037】
図5は、注油時期を警告する場合の制御部54の動作を示すフローチャートである。ステップS32で制御部54は、累積実打回数が注油回数を超えたと判断した場合には注油作業が必要であることをユーザに警告する警告処理を行う。警告処理において制御部54は、発光部62に発光点滅させる制御信号を供給して発光部62を所定パターンで発光点滅させる。発光部62を点滅させる時間は任意に設定できる。
【0038】
ステップS34で制御部54は、「累積実打回数」と「注油回数+10回」とを比較し、「累積実打回数」が「注油回数+10回」を超えたか否かを判断する。これにより、累積実打回数が注油回数に達してから「+10回」の間だけ発光部62が点滅するので、ユーザはこの間に確実に発光部62による警告に気付くことができる。例えば注油回数が2000回に設定されている場合には、累積実打回数が2010回に達するまでの間、発光部62が点滅する。なお、加算する累積実打回数は「+10回」に限定されることはない。例えば「+10回」よりも多い回数を加算すれば、累積実打回数が規定の注油回数に達してからも長い実打回数の間、ユーザに注油作業が必要であることを警告できる。制御部54は、「累積実打回数」が「注油回数+10回」を超えたと判断した場合にはステップS36に進む。一方、「累積実打回数」が「注油回数+10回」未満と判断した場合にはステップS10に戻り、再度検出信号を検出する。
【0039】
ステップS36で制御部54は注油回数の数値を更新する。制御部54は、メモリ部48から注油回数を読み出し、例えば注油回数が2000回に設定されている場合には、注油回数を倍の4000回に更新し、更新した注油回数をメモリ部48に記憶する。これにより、累積実打回数が4000回に到達したときに再び発光部62が点滅する。なお、新たに設定する注油回数は、経年劣化を考慮して累積実打回数が増加するに伴い、注油回数間隔が短くなるように設定しても良い。制御部54は、注油回数の数値を更新したらステップS38に進む。
【0040】
ステップS38で制御部54は、警告解除処理を行う。警告解除処理において制御部54は、所定時間の間だけ発光部62を点滅させた後、発光部62の発光点滅を停止させる。発光が停止したらステップS10に戻る。
【0041】
図4に戻り、ステップS40で制御部54は、累積実打回数と予め設定されたメンテナンス回数(基準メンテナンス情報)とを比較して実打回数が注油回数を超えたか否かを判断する。例えば、メンテナンス回数が20万回に設定されている場合には更新した実打回数が20万回を越えたか否かを判断する。実打回数がメンテナンス回数を超えた場合には図6に示すステップS42に進む。一方、実打回数がメンテナンス回数未満の場合にはステップS10に戻り、再度検出信号を検出する。
【0042】
図6は、メンテナンス時期を警告する場合の制御部54の動作を示すフローチャートである。図5と共通する動作については簡略化して説明する。ステップS42で制御部54は、オーバーホール作業が必要であることをユーザに警告する警告処理を行う。警告処理において制御部54は、発光部62に発光点滅させる制御信号を供給して、発光部62を所定パターンで発光点滅させる。
【0043】
ステップS44で制御部54は、「累積実打回数」と「メンテナンス回数+10回」とを比較し、「累積実打回数」が「メンテナンス回数+10回」を超えたか否かを判断する。これにより、累積実打回数がメンテナンス回数に達してから「+10回」の間だけ発光部62が点滅するので、ユーザはこの間に確実に発光部62による警告に気付くことができる。例えばメンテナンス回数が20万回に設定されている場合には、累積実打回数が20万10回に達するまでの間、発光部62が点滅する。制御部54は、「累積実打回数」が「メンテナンス回数+10回」を超えたと判断した場合にはステップS46に進む。一方、「累積実打回数」が「メンテナンス回数+10回」未満と判断した場合にはステップS10に戻り、再度検出信号を検出する。
【0044】
ステップS46で制御部54はメンテナンス回数の数値を更新する。制御部54は、メモリ部48からメンテナンス回数を読み出し、例えばメンテナンス回数が20万回に設定されている場合には、メンテナンス回数を倍の40万回に更新し、更新したメンテナンス回数をメモリ部48に記憶する。これにより、累積実打回数が40万回に到達したときに再び発光部62が点滅する。制御部54は、メンテナンス回数の数値を更新したらステップS48に進む。
【0045】
ステップS48で制御部54は、警告解除処理を行う。警告解除処理において制御部54は、所定時間の間だけ発光部62を点滅させた後、発光部62の点滅を停止させる。警告解除処理が終了したらステップS10に戻り、再度検出信号を検出する。このような制御部54の動作により、規定の注油回数やメンテナンス回数に実打回数が到達したときに発光部62を点滅させて警告するので、ユーザはメンテナンス時期を的確に把握することができる。
【0046】
以上説明したように、本実施の形態によれば、空圧工具10Aの累積実打回数が予め設定されたメンテナンス回数や注油回数に到達したときに、発光部62が発光点滅することで空圧工具10Aがメンテナンス時期であることを警告するので、ユーザは確実かつ正確に工具のメンテナンス時期を把握できる。これにより、メンテナンス時期の徒過を防止でき、事前に部品の修理を行うことで部品故障箇所の拡大を防止できる。その結果、修理等の余計なコストがかからなくて済む。
【0047】
[第2の実施の形態]
次に、上述した空圧工具10Aの制御基板50Aから空圧工具10Aの実打回数を読み出すための情報処理装置100の構成について説明する。なお、上述した第1の実施の形態で説明した空圧工具10Aの構成については省略する。
【0048】
<情報処理装置の構成>
次に、上述した空圧工具10Aの制御基板50Aから空圧工具10Aの実打回数を読み出すための情報処理装置100の構成について説明する。図7は、情報処理装置100の構成例を示す斜視図である。情報処理装置100は、装置本体102と受信装置120とを備える。装置本体102と受信装置120とはケーブル126を介して互いに電気的に接続されている。
【0049】
装置本体102は、偏平な直方体形状からなる筐体を有し、筐体表面には表示部104と操作部118とが設けられている。表示部104は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)やEL(Electro Luminescence)等から構成され、制御基板50Aから読み出した空圧工具10Aの実打回数や製造番号、購入日時等の固有情報を画面に表示する。
【0050】
操作部118は、装置本体102の電源をオン/オフする電源ボタン106と、カーソルを左方向に移動する左移動ボタン108と、カーソルを右方向に移動する右移動ボタン110と、画面中のカーソルを改行する改行ボタン112と、コマンドを選択する選択ボタン114とから構成されている。なお、入力装置としては、表示部104と操作部118とを一体に組み合わせたタッチパネルを用いても良い。
【0051】
受信装置120は、受光部124とカバー部材122とを有する。受光部124は、例えばフォトダイオードから構成されている。受光部124の後端部にはケーブル126の一端が接続され、ケーブル126の他端がコネクタ128を介して装置本体102に着脱可能に接続されている。
【0052】
カバー部材122は、外乱光による影響を無くすためのものであり、外部からの信号を侵入させないような材料から構成される。このカバー部材122は、略お椀形状をなし、受光部124の外周部を囲むようにして受光部124の基端部に取り付けられている。
【0053】
次に、情報処理装置100のブロック構成について説明する。図8は、情報処理装置100のブロック構成を示す図である。バス144には、操作部118、信号処理部140、制御部(情報処理制御手段)130および表示部104のそれぞれが接続されている。
【0054】
操作部118は、ユーザのボタン操作に基づいた操作信号を生成し、生成した操作信号を制御部130に供給する。操作部118では、例えば空圧工具10Aに格納される全てのメンテナンス情報を表示させる指示や、メンテナンス情報のうち一部の例えば実打回数のみを表示させる指示、情報処理装置100の電源をオン/オフする指示などがユーザにより入力される。
【0055】
受光部124は、空圧工具10A側の発光部62から発光された点滅信号(図3参照)を受光し、受光した点滅信号を電気信号に変換する。そして、受光部124は、電気信号に変換した点滅信号を増幅等の処理を施して制御部130に供給する。
【0056】
ここで、発光部62から発光される点滅信号の構成について説明する。図9(A)は点滅信号の構成例を示す図であり、図9(B)は開始信号の構成例を示す図であり、図9(C)はデータコードの構成例を示す図であり、図9(D)は終了信号の構成例を示す図である。
【0057】
点滅信号は、図9(A)に示すように、開始信号と、データコードと、チェックサムコードと、終了信号とから構成されている。開始信号は、点滅信号の先頭を示すマーカであり、データコードとは信号の波形が大きく異なるように構成され、容易に開始信号であることを識別できるようになっている。開始信号は、図9(B)に示すように、デューティ比が2:1に設定され、例えば8msの期間オン状態が続き、その後4msの期間オフ状態となるように設定される。
【0058】
データコードは、空圧工具10Aの実打回数等のデータからなり、第1バイト〜第n−1バイトのデータで構成されている。データコードは、図9(C)に示すように、ビットが“0”の場合にはオンとオフのデューティ比が1:1に設定され、ビットが“1”の場合にはオンとオフのデューティ比が1:3に設定される。
【0059】
チェックサムは、データコードの誤り検出に用いられるアルゴリズムであり、第1バイト〜第n−1バイトまでの総和の下位バイトから構成されている。
【0060】
終了信号は、点滅信号の終了を示すマーカであり、データコードとは信号の波形が大きく異なるように構成され、容易に終了信号であることを識別できるようになっている。終了信号は、図9(D)に示すように、デューティ比が1:16となるように設定され、例えば1msの期間オン状態が続き、その後16ms以上の期間オフ状態となるように設定される。
【0061】
図8に戻り、制御部130は、CPU132とROM134とRAM136とから構成されている。制御部130は、受光部124から供給された点滅信号の搬送周波数成分を抽出等して復号処理を行い、メンテナンス情報に基づく画像信号を生成する。制御部130は、生成した画像信号を表示部104に供給する。
【0062】
また、制御部130は、操作部118から供給された操作信号に基づく制御信号を生成して表示部104等に供給して各種処理を行う。例えば、情報処理装置100の電源のオン/オフを制御したり、表示部104の画面上に表示するメンテナンス情報等の表示制御を行う。
【0063】
表示部104は、制御部130のCPU132から供給された画像信号に基づく画像を画面に表示する。表示部104の画面上には、工具本体12のメモリ部48から読み出された空圧工具10Aの例えば累積実打回数や製造番号等のメンテナンス情報が表示される。
【0064】
<情報処理装置の使用例>
次に、情報処理装置100の使用例について説明する。図10(A)は情報処理装置100の使用例を示す図であり、図10(B)はその要部Sの拡大図である。
【0065】
図10(A)および図10(B)に示すように、空圧工具10Aから累積実打回数を読み出す場合、まず装置本体102の電源ボタン106を押して情報処理装置100の電源をオンにする(図8参照)。そして、受信装置120のカバー部材122を工具本体12の発光部62を囲むようにして工具本体12に押し当てる(または近接させる)。カバー部材122を工具本体12に押し当てたら、工具本体12側に設けられた図示しないスイッチを押して、工具本体12の発光部62を発光点滅させる。または、ねじや釘などのファスナーを取り除き空打ちした衝撃波形をメモリ部48やROM58に認識しておき、その空打ちが連続して数回発生させた場合に発光点滅させるなど、通常実打では起こりえない操作にて発光点滅させる。このような動作により、工具本体12から空圧工具10Aの実打回数を読み出して、情報処理装置100の表示部104に表示させる。
【0066】
従来では、空圧工具10Aから実打回数などを読み出す場合には、これらの情報は工具本体12の記憶装置に格納されるため、情報の確認方法が非常に困難であった。そこで、工具本体12の基板に有線を介して治具を接続し、基板から情報を取得する方法も提案されているが、この場合には工具本体12を分解して基板を取り出し、基板上のコネクタに治具の有線を接続しなければならなく、作業効率が悪いという問題があった。
【0067】
これに対し、本実施の形態によれば、工具本体12のメンテナンス時期を警告するための発光部62を利用して実打回数等のメンテナンス情報を発光するので、工具本体12を分解して制御基板50Aを取り出す必要がなく、作業効率を大幅に向上させることができる。これにより、例えば、顧客に工具を販売する営業活動等において、情報処理装置100を顧客のところまで持参し、顧客の工具から実打回数などのメンテナンス情報を読み出すことで、工具の部品交換時期等をその場で判断することができ、工具の販売促進につなげることができる。
【0068】
[第3の実施の形態]
次に、上述した空圧工具10Aに代えて電動工具10Bを用いた場合について説明する。なお、上述した第1の実施の形態で説明した空圧工具10Aおよび制御基板50A等と共通する構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0069】
<電動工具の構成>
図11は、第3の実施の形態に係る電動工具10Bのブロック構成を示す図である。電動工具10Bは、制御基板50Bと、電池66と、発光部62と、センサ部64と、モータ70と、バッテリー72とを備える。制御基板50Bは、CPU56、ROM58およびRAM60から構成される制御部54と、メモリ部48と、タイマー部142と、複数のI/F68とを有する。
【0070】
メモリ部48は不揮発性の半導体メモリから構成され、このメモリ部48には電動工具10Bのモータ通電時間や電動工具10Bのメンテナンス時期を警告する際の基準となるメンテナンス時間、実打回数、注油回数等のデータが記憶される。
【0071】
モータ70はI/F68を介して制御部54に接続され、トリガ操作によりモータ70が回転駆動したときに生成される駆動信号を制御部54に供給する。また、モータ70は、モータ70の回転駆動が停止されたときに生成される停止信号が制御部54に供給する。制御部54は、モータ70から供給される駆動信号および停止信号のそれぞれに基づく制御信号をタイマー部142に供給する。
【0072】
タイマー部142は、制御部54から供給される制御信号に基づいてモータ通電時間を計測する。計測されたモータ通電時間はメモリ部48に既に記憶されているモータ通電時間に加算されて再度メモリ部48に記憶される。すなわち、メモリ部48には累積されたモータ通電時間が記憶される。
【0073】
バッテリー72はI/F68を介して制御部54やモータ70に接続される。制御部54は、バッテリー72の電動工具10Bへの装着時または電動工具10Bからの取り外し時の動作をトリガとして、バッテリー72の交換回数を計数する。
【0074】
このように構成された電動工具10Bは、図示しないハウジング内部にモータ70が内蔵され、トリガを引き操作するとモータ70が作動し、モータ70により回転駆動伝達部を介してドライバビットが回転することでネジ止め作業を行う。
【0075】
<電動工具の動作>
次に、電動工具10Bのメンテナンス時期を警告する場合の動作の一例について説明する。図12は、電動工具10Bの動作を示すフローチャートである。
【0076】
ステップS100で制御部54はモータのオン動作を検出する。制御部54は、モータ70から供給される駆動信号に基づいてモータのオン状態を検出し、モータ70の駆動に基づいた制御信号をタイマー部142に供給する。ステップS110でタイマー部142は、制御部54から供給された制御信号に基づいてモータの通電時間の計測を開始してステップS120に進む。
【0077】
ステップS120で制御部54は、センサ部64から供給された電動工具10Bの実打に基づいた検出信号を検出してステップS130に進む。ステップS130で制御部54は、メモリ部48に予め記憶された実打回数を更新する。実打回数の更新が終了したらステップS140に進む。ステップS140で制御部54は、モータの通電時間を更新する。この処理の詳細な動作については後述する。
【0078】
ステップS150で制御部54は、累積実打回数と予め設定された注油回数とを比較して実打回数が注油回数を超えたか否かを判断する。制御部54は、累積実打回数が注油回数を超えたと判断した場合には図5に示したステップS32〜S38の処理を行う。一方、累積実打回数が注油回数未満と判断した場合にはステップS160に進む。
【0079】
ステップS160で制御部54は、累積実打回数と予め設定されたメンテナンス回数とを比較して累積実打回数が注油回数を超えたか否かを判断する。実打回数がメンテナンス回数を超えた場合には図6に示したステップS42〜S48の処理を行う。一方、実打回数がメンテナンス回数未満の場合にはステップS170に進む。
【0080】
ステップS170で制御部54は、モータ通電時間と予め設定されたメンテナンス時間とを比較してモータ通電時間がメンテナンス時間を超えたか否かを判断する。制御部54は、メモリ部48から更新されたモータ通電時間と予め記憶されたメンテナンス時間(閾値)とを読み出して、モータ通電時間とメンテナンス時間とを比較する。制御部54は、モータ通電時間がメンテナンス時間を超えたと判断した場合には図13に示すステップS172に進み、モータ通電時間がメンテナンス時間未満と判断した場合にはステップS100に戻る。
【0081】
図13は、メンテナンス時期を警告する場合の電動工具10Bの動作を示すフローチャートである。ステップS172で制御部54は、モータ通電時間がメンテナンス時間を超えたと判断した場合にはメンテナンス作業が必要であることをユーザに警告する警告処理を行う。警告処理において制御部54は、発光部62に発光点滅させる制御信号を供給して、発光部62を所定パターンで発光点滅させる。
【0082】
ステップS174で制御部54は、「モータ通電時間」と「メンテナンス時間+10回」とを比較し、「モータ通電時間」が「メンテナンス時間+10回」を超えたか否かを判断する。これにより、モータ通電時間がメンテナンス時間に達してから「+10回」の間だけ発光部62が点滅するので、ユーザはこの間に確実に発光部62による警告に気付くことができる。制御部54は、「モータ通電時間」が「メンテナンス時間+10回」を超えたと判断した場合にはステップS176に進む。一方、「モータ通電時間」が「メンテナンス時間+10回」未満と判断した場合にはステップS100に戻る。
【0083】
ステップS176で制御部54はメンテナンス時間の数値を更新する。制御部54は、メンテナンス時間の数値を更新したらステップS178に進む。
【0084】
ステップS178で制御部54は、警告解除処理を行う。警告解除処理において制御部54は、所定時間の間だけ発光部62を点滅させた後、発光部62の点滅を停止させる。警告解除処理が終了したらステップS100に戻る。このような制御部54の動作により、規定のメンテナンス時間にモータ通電時間が到達したときに発光部62を点滅させて警告するので、ユーザはメンテナンス時期を的確に把握することができる。
【0085】
図14は、上述したステップS110,S140の詳細な動作を示すフローチャートである。ステップS200でタイマー部142は、モータの通電を検出するとモータ通電時間M_timeを加算して行く。ステップS210で制御部54は、モータ通電時間M_timeが所定の更新時間、本例では60秒経過したか否かを判断する。
【0086】
ステップS220で制御部54は、モータ通電時間M_timeが所定の更新時間を経過したと判断すると、メモリ部48からモータ総通電時間Total_M_timeを読み出す。
ステップS230で制御部54は、モータ総通電時間Total_M_timeを加算して、ステップS240でメモリ部48に記憶されたモータ総通電時間Total_M_timeを更新する。
【0087】
以上説明したように、本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様に、電動工具10Bの累積実打回数が予め設定されたメンテナンス回数や注油回数に到達したときやモータ通電時間がメンテナンス時間に到達したときに、発光部62が発光点滅することで電動工具10Bがメンテナンス時期であることを警告するので、ユーザは確実かつ正確に工具のメンテナンス時期を把握できる。これにより、メンテナンス時期の徒過を防止でき、事前に部品の修理を行うことで部品故障箇所の拡大を防止できる。
【0088】
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
【符号の説明】
【0089】
10・・・空圧工具、32・・・収容ボックス、50・・・制御基板、54・・・制御部、62・・・発光部、64・・・センサ部、64a・・・平面部、70・・・モータ、100・・・情報処理装置、104・・・表示部、124・・・受光部、130・・・制御部、140・・・信号処理部、142・・・タイマー部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具本体のメンテナンス時期の判断に用いられるメンテナンス情報を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記メンテナンス情報と予め設定された基準メンテナンス情報との比較結果に基づいて、前記工具本体がメンテナンス時期であるか否かを判断する制御手段と、
前記制御手段により前記工具本体のメンテナンス時期であると判断された場合に、前記工具本体がメンテナンス時期であることをユーザに告知する告知手段と
を備えることを特徴とする工具。
【請求項2】
前記検出手段により検出された前記メンテナンス情報を記憶する記憶手段を有し、
前記制御手段は、前記検出手段により前記メンテナンス情報が検出される毎に前記記憶手段に記憶されている前記メンテナンス情報を加算して更新する
ことを特徴とする請求項1に記載の工具。
【請求項3】
前記工具本体は、圧縮空気により打撃機構を往復移動させて止具を打ち出す圧縮空気駆動工具であり、
前記メンテナンス情報は、前記圧縮空気駆動工具の実打回数であり、
前記基準メンテナンス情報は、前記圧縮空気駆動工具の部品交換時期に対応した実打回数または前記圧縮空気駆動工具の注油時期に対応した注油回数であり、
前記検出手段は、前記圧縮空気駆動工具の実打回数を検出する衝撃センサまたは加速度センサから構成された
ことを特徴とする請求項1または2に記載の工具。
【請求項4】
前記工具本体は、前記衝撃センサまたは加速度センサを収容する収容部を有し、
前記衝撃センサまたは前記加速度センサは、当該平面が前記止具の打ち込み方向に対して垂直となるようにして前記収容部に収容される
ことを特徴とする請求項3に記載の工具。
【請求項5】
前記工具本体は、モータにより打撃機構のドライバを往復移動させて止具を打ち出す電動工具であり、
前記メンテナンス情報は、前記モータの通電時間であり、
前記基準メンテナンス情報は、前記電動工具の部品交換時期に対応したモータの通電時間であり、
前記電動工具は、前記モータの通電時間を計測するタイマー部をさらに有する
ことを特徴とする請求項1に記載の工具。
【請求項6】
工具本体のメンテナンス時期の判断に用いられるメンテナンス情報を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記メンテナンス情報と予め設定された基準メンテナンス情報との比較結果に基づいて前記工具本体がメンテナンス時期であるか否かを判断する工具制御手段と、前記工具制御手段により前記工具本体のメンテナンス時期であると判断された場合に前記工具本体がメンテナンス時期であることをユーザに告知する告知手段とを備え、当該告知手段が前記メンテナンス情報を発光信号として発光する発光手段により構成される工具から前記メンテナンス情報を取得する情報処理装置であって、
前記発光手段から発光される前記発光信号を受光する受光手段と、
前記受光手段により受光された前記発光信号を復号処理して、前記メンテナンス情報に基づく画像信号を生成する情報処理制御手段と、
前記情報処理制御手段により生成された画像信号に基づいて前記メンテナンス情報を画面に表示する表示手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項1】
工具本体のメンテナンス時期の判断に用いられるメンテナンス情報を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記メンテナンス情報と予め設定された基準メンテナンス情報との比較結果に基づいて、前記工具本体がメンテナンス時期であるか否かを判断する制御手段と、
前記制御手段により前記工具本体のメンテナンス時期であると判断された場合に、前記工具本体がメンテナンス時期であることをユーザに告知する告知手段と
を備えることを特徴とする工具。
【請求項2】
前記検出手段により検出された前記メンテナンス情報を記憶する記憶手段を有し、
前記制御手段は、前記検出手段により前記メンテナンス情報が検出される毎に前記記憶手段に記憶されている前記メンテナンス情報を加算して更新する
ことを特徴とする請求項1に記載の工具。
【請求項3】
前記工具本体は、圧縮空気により打撃機構を往復移動させて止具を打ち出す圧縮空気駆動工具であり、
前記メンテナンス情報は、前記圧縮空気駆動工具の実打回数であり、
前記基準メンテナンス情報は、前記圧縮空気駆動工具の部品交換時期に対応した実打回数または前記圧縮空気駆動工具の注油時期に対応した注油回数であり、
前記検出手段は、前記圧縮空気駆動工具の実打回数を検出する衝撃センサまたは加速度センサから構成された
ことを特徴とする請求項1または2に記載の工具。
【請求項4】
前記工具本体は、前記衝撃センサまたは加速度センサを収容する収容部を有し、
前記衝撃センサまたは前記加速度センサは、当該平面が前記止具の打ち込み方向に対して垂直となるようにして前記収容部に収容される
ことを特徴とする請求項3に記載の工具。
【請求項5】
前記工具本体は、モータにより打撃機構のドライバを往復移動させて止具を打ち出す電動工具であり、
前記メンテナンス情報は、前記モータの通電時間であり、
前記基準メンテナンス情報は、前記電動工具の部品交換時期に対応したモータの通電時間であり、
前記電動工具は、前記モータの通電時間を計測するタイマー部をさらに有する
ことを特徴とする請求項1に記載の工具。
【請求項6】
工具本体のメンテナンス時期の判断に用いられるメンテナンス情報を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記メンテナンス情報と予め設定された基準メンテナンス情報との比較結果に基づいて前記工具本体がメンテナンス時期であるか否かを判断する工具制御手段と、前記工具制御手段により前記工具本体のメンテナンス時期であると判断された場合に前記工具本体がメンテナンス時期であることをユーザに告知する告知手段とを備え、当該告知手段が前記メンテナンス情報を発光信号として発光する発光手段により構成される工具から前記メンテナンス情報を取得する情報処理装置であって、
前記発光手段から発光される前記発光信号を受光する受光手段と、
前記受光手段により受光された前記発光信号を復号処理して、前記メンテナンス情報に基づく画像信号を生成する情報処理制御手段と、
前記情報処理制御手段により生成された画像信号に基づいて前記メンテナンス情報を画面に表示する表示手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−196763(P2012−196763A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−159064(P2012−159064)
【出願日】平成24年7月17日(2012.7.17)
【分割の表示】特願2008−132313(P2008−132313)の分割
【原出願日】平成20年5月20日(2008.5.20)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年7月17日(2012.7.17)
【分割の表示】特願2008−132313(P2008−132313)の分割
【原出願日】平成20年5月20日(2008.5.20)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】
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