説明

工程管理支援方法、工程管理支援プログラム、および、工程管理支援装置

【課題】プロジェクトにおける進捗状況の判定結果を早い段階に提供すること。
【解決手段】ワークフロー111、および、ワークフロー111を実施するための計画操作列113の入力を受け付け、ワーク単位で操作される部分計画操作列104を計画操作列113から抽出する計画操作列取得工程と、ワークツール109を介して入力された実績操作列を取得し、ワーク単位で操作される部分実績操作列106を実績操作列から抽出する実績操作列取得工程と、部分計画操作列104と部分実績操作列106との差異をもとに、ワークの進捗状況を判定する進捗状況判定工程と、差異をもとにした進捗状況の判定結果を、ワークと関連づけて表示装置110の表示画面に表示する判定結果表示工程と、を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工程管理支援方法、工程管理支援プログラム、および、工程管理支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ワーク・ブレークダウン・ストラクチャーは、プロジェクトを構成するエンジニアリングワークなどワーク全体を個別のワーク単位に展開してプロジェクト管理を支援する。ワークの進捗状況は、開始、進行中、および、終了のいずれかとなる。
【0003】
プロジェクト全体の進捗管理は、個別に設定したワークの進捗状況を集計した値と、プロジェクト全体に総括したステータスとを比較することで実施される。または、プロジェクト全体の進捗管理は、各ワーク単位における成果物の全体成果物に対する割合を進捗率とすることで実施される。
【0004】
特許文献1には、ソフトウェア開発プロジェクトにおいて、ワーク単位の成果物の相互参照関係や設計仕様書などのドキュメント成果物の内容を書式やキーワードレベルで正当性を判定し、一連のワークフローにおける進捗率を把握することを特徴とする提案がある。
【特許文献1】特開2002−14811号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術では、ワークフローにおけるワーク単位の成果物を対象に進捗状況を判定するため、ワークの作業途中の進捗状況を把握することができない。そのため、作業を行っているにもかかわらず、成果物が作成されるまでは、進捗状況を判定することができなかった。また、ワークの作業としては進んでいても、その作業が成果物に反映されにくいときなどには、進捗状況が遅れているという誤った判定結果が出ることもあった。
【0006】
そこで本発明は、前記した問題点を克服し、プロジェクトにおける進捗状況の判定結果を早い段階に提供することを、主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ワークツールを介してワークの手順を順に示すワークフローを実施することで成果物を作成する作業の進捗状況を提示する工程管理支援方法であって、コンピュータが、前記ワークフロー、および、前記ワークフローを実施するための計画操作列の入力を受け付け、ワーク単位で操作される部分計画操作列を前記計画操作列から抽出して記憶手段に記憶する計画操作列取得工程と、前記ワークツールを介して入力された実績操作列を取得し、ワーク単位で操作される部分実績操作列を前記実績操作列から抽出して記憶手段に記憶する実績操作列取得工程と、前記部分計画操作列と前記部分実績操作列との差異をもとに、ワークの前記進捗状況を判定する進捗状況判定工程と、前記差異をもとにした前記進捗状況の判定結果を、ワークと関連づけて表示装置の表示画面に表示する判定結果表示工程と、を実行することを特徴とする。その他の手段は、後記する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、エンジニアリングワークなどのプロジェクトにおけるワークで利用するワークツールで工程作業者が発行する実績操作を収集・分析して、ワークの遅滞や異常といった進捗状況を把握する。これにより、作業管理者が進捗状況をいち早く把握することができる。よって、ワークの遅滞や異常に対するより迅速な対応策を講じることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0010】
図1(a)は、本実施形態における工程作業者の操作画面を示す画面図である。ワークツール画面は、機械部品101aに対する配管101bの設計ワークを行うための3次元CADツールの作業領域101xと、配管設計ワークの進捗状況を表示する表示領域101cと、配管設計ワークに関連した他のワークの進捗状況を表示する表示領域101dと、を併せて表示する。
【0011】
進捗状況では、ワークの工程がワークA、ワークB、ワークCという順に定義されている。例えば、ワークAは、形状の輪郭線を2次元スケッチの機能を使ってスケッチを作成する作業である。ワークBは、ワークAのスケッチ作成作業で作成された輪郭線をある回転軸を基準に回転させる、または、輪郭線に高さをつけて厚み付けさせる立体化作業である。ワークCは、ワークBで作成された個々の立体に対して集合演算して一つにあわせる作業である。
【0012】
そして、進捗状況の表示は、「警告:自作業ワークBが15%遅延」101eという吹き出し表示と、その吹き出しの先に表示される「ワークB」のハッチング領域である。この表示を参照することにより、工程作業者は、自分が現在行っているワークBの作業が計画より15%分の時間だけ遅延していることを認識する。このように、計画時間に対して、遅延時間の割合を百分率で提示して警告する。
【0013】
図1(b)は、図1(a)の各ワークに対応する操作列を示す説明図である。
【0014】
例えば、形状の輪郭線作成するワークAは、点座標や中心と半径といったパラメータを指定して平面上に描画する2次元スケッチの操作により実現される。よって、ワークAは、直線を描画する操作a、円弧を描画する操作b、長方形を描画する操作cなどから構成される操作列と対応している。このように、ワークに対応する操作列を、部分計画操作列104とする。
【0015】
なお、ワークに対応した部分計画操作列104に含まれる操作は、所定のワークだけでしか使われない操作、または、所定のワークだけでなく他のワークでも使われる操作のいずれかに分類される。例えば、ワークAでしか使わない操作は、操作a、操作b、操作cである。一方、部分計画操作列Aと部分計画操作列Bと部分計画操作列Cで共通に使う操作は、操作j、操作k、操作lとなる。
【0016】
図2は、本実施形態における工程作業者が操作画面に対して行う予定の計画操作を示す説明図である。部分計画操作列104は、計画操作を期間ごとに列挙したものである。ワークA、ワークB、ワークCに、それぞれ部分計画操作列104が対応している。
【0017】
図3は、本実施形態における工程作業者が操作画面に対して実際に行った実績操作を示す説明図である。各操作は、次の操作へと切り替わるタイミングを抽出することで、操作時間を取得する。そして、実績操作列の入力ストリームから、所定期間の部分実績操作列106が切り出される。図3はワークAに対応する部分実績操作列106が切り出された例を示している。このように、部分実績操作列106および部分実績操作列106を構成する実績操作を収集し分析することで、リアルタイムに進捗状況を判定する。
【0018】
例えば、ワークAを行う工程作業者の実績操作において、前半(1段目の操作a〜操作j)および後半(3段目の操作l〜操作k)は、図2に示す計画操作とほぼ一致している。しかし、中盤の操作cの操作時間が、計画操作の操作時間よりも長くかかってしまった。このとき、図3の操作cのアイコンの右側の黒塗り領域103aに、計画された操作時間からの延長時間を示す。
【0019】
以上図1から図3を参照して説明したように、本実施形態では、エンジニアリングワークなどのプロジェクトにおけるワークで利用するワークツールで工程作業者が発行する実績操作から、ワークの遅滞や異常といった進捗状況を把握させることを特徴とする。
【0020】
図1の表示画面内にワークツールの作業画面と進捗状況表示画面とを同時に表示する。これにより、工程作業者は、作業の進捗を確認しながら、ワークを進めることができる。また、作業管理者が進捗状況をいち早く把握することができ、ワークの遅滞や異常に対するより迅速な対応策を講じることができる。
【0021】
また、関連作業の進捗状況表示画面を同時に表示し、本画面は、ワーク管理者側でも表示可能とし、どの工程作業者がどの作業でどういう進捗状況下を把握することができる。よって、関連するワークの工程作業者が自分に関係するワークの進捗状況を確認できるので、自分の作業に対する影響を考慮しながら作業を効率的に進めることができる。
【0022】
図4は、本実施形態の設計支援システムを示す構成図である。工程管理支援装置101は、演算処理を行う際に用いられる記憶手段としてのメモリと、前記演算処理を行う演算処理装置とを少なくとも備えるコンピュータとして構成される。なお、メモリは、RAM(Random Access Memory)などにより構成される。演算処理は、CPU(Central Processing Unit)によって構成される演算処理装置が、メモリ上のプログラムを実行することで、実現される。
【0023】
工程管理支援装置101は、CADやCAEなどのワークツール109とネットワークで接続される。工程管理支援装置101は、記憶装置102、計画操作列取得手段103、実績操作列取得手段105、進捗状況判定手段107、判定結果表示手段108から構成される。記憶装置102は、部分計画操作列104、および、部分実績操作列106を記憶する。
【0024】
工程管理支援装置101は、ワークフロー111と、成果物に関する成果物仕様112と、ワークツール109における計画操作列113とを入力として受け付ける。ワークフロー111は、上流のワークAから下流のワークBへのワークの流れを表現するフローチャートや作業D、作業Eは作業Cに含まれるといったワークの構造を展開形式で表現するワーク・ブレークダウン・ストラクチャーで表現される。
【0025】
成果物仕様112は、例えば、製品構成(BOM)、部品仕様、見積物量、部品仕様、実績のCAD(Computer Aided Design)やCAE(Computer Aided Engineering)データなどの工程管理以前に利用可能な製品成果物の仕様である。計画操作列113は、CADやCAEといったワークツール109の操作の一覧である。
【0026】
計画操作列取得手段103は、工程管理支援装置101に入力されたデータをもとに、ワークフロー111のワーク単位で操作される部分計画操作列104を抽出して記憶手段102に記憶する。実績操作列取得手段105は、計画操作列113に対する操作の実操作時間や実使用頻度といった実績操作列113bをネットワーク経由で収集し、部分実績操作列106を抽出して記憶手段に記憶する。
【0027】
進捗状況判定手段107は、計画操作列113と実績操作列とを照合することにより、各操作列の実操作時間や実使用頻度を分析し、計画操作列113の進捗状況を判定する。判定結果表示手段108は、進捗状況判定手段107の判定結果を、表示装置110の図1に示す表示画面にて工程管理者および工程作業者に提示する。
【0028】
以下、本実施形態における各処理の具体的な処理の流れについてフローチャートを用いて説明する。
【0029】
図5は、進捗状況の提示処理全体を示すフローチャートである。計画操作列取得手段103は、ワークツール109の計画操作列113を取得する(S11)。そして、取得した計画操作列113を構成する各操作にIDを付与する。表1は、計画操作列113の例を示す。各レコードは、操作IDと操作名とを1:1で対応付けている。
【表1】

【0030】
計画操作列取得手段103は、取得した計画操作列113からワークツール109の操作階層構造に従って部分計画操作列104を抽出する(S12)。そのため、まず、ワークツール109の操作の階層構造を抽出する。次に、抽出した操作の階層構造に対応して、階層構造インデックスを付与する。階層構造インデックスは、例えば、章立て番号のように、1−1−2といった階層が深くなるにつれて番号を割り振ることである。そして、階層構造インデックスごとに部分計画操作列104を抽出する。
【0031】
なお、ワークツール109の操作階層構造を用いる代わりに、入力された操作階層構造をもとに、階層構造インデックスを作成してもよい。また、既にワークと対応づけられた部分計画操作列104が存在するときには、S12で部分計画操作列104を抽出する代わりに、入力されたワークに対応づけられている部分計画操作列104を取得してもよい。さらに、過去の部分実績操作列106を部分計画操作列104の代わりに用いてもよい。
【0032】
計画操作列取得手段103は、部分計画操作列104を構成する操作とワークとを対応付ける(S13)。そして、計画操作列取得手段103は、部分計画操作列104のパターン化(S14)を適宜行う。なお、パターン化とは、1つのワークに対応する部分計画操作列104が複数存在するときに、その複数の部分計画操作列104を1つのワークに対応させることを指す。
【0033】
例えば、図2のワークAでは、「操作a」→「操作b」→「操作c」→「操作b」→「操作j」…と続くが、「操作b」→「操作j」の代わりに、「操作j」→「操作b」としても、同じ成果物が得られるとする。そのとき、「操作b」→「操作j」とする第1パターン、および、「操作j」→「操作b」とする第2パターンを、ワークAに対応づける。なお、1つのワークに対応させる複数のパターンは、例えば第1パターンに対するユーザからの修正により第2パターンを作成することとしてもよい。これにより、複数のパターンを効率よく作成できる。
【0034】
計画操作列取得手段103は、抽出した部分計画操作列104を比較対象として登録する(S15)。
【0035】
実績操作列取得手段105は、ワークツール109の実績操作列を取得する(S21)。取得した実績操作の取得順に、「加工」などの実績操作の内容と、実操作時間とを対応づける。実操作時間は、取得した実績操作における投入時間から終了時間までの時間とする。
【0036】
実績操作列取得手段105は、取得した実績操作列から所定の抽出ルールに従って部分実績操作列106を抽出する(S22)。実績操作列取得手段105は、抽出した部分実績操作列106を比較対象として登録する(S23)。所定の抽出ルールとは、例えば、ユーザが明示的に入力した部分実績操作列106の開始および終了の時刻の間となる期間において行われた部分実績操作列106を抽出する旨のルールである。別の抽出ルールとして、例えば、部分計画操作列104の先頭に位置する操作が実績操作として入力されたとき、その実績操作を部分実績操作列106の開始点とするルールである。
【0037】
進捗状況判定手段107は、S15の部分計画操作列106と、S23の部分実績操作列106とを比較する(S31)。以下、S31の比較方法について、3つ例示する。
【0038】
第1の比較方法では、操作時間に着目する。比較対象の操作名が同じ、かつ、実績操作時間が計画操作時間のあらかじめ設定した基準範囲内であれば、計画操作と実績操作とが一致と判定する。また、比較対象の操作名が同じ、しかし、実績操作時間が計画操作時間のあらかじめ設定した基準範囲外であれば、計画と実績とが不一致と判定する。
【0039】
第2の比較方法では、操作回数に着目する。比較対象の実績操作列と、計画操作列113の各操作の操作回数(操作頻度)があらかじめ設定した基準範囲内で、かつ、実績操作時間が計画操作時間のあらかじめ設定した基準範囲内であれば、計画と実績とが一致と判定する。
【0040】
第3の比較方法では、若干の操作順序ミスを許容する。比較対象の操作名が違っても、実績操作が計画操作列内の別の順番位置に同じ操作が存在する場合、それらを比較対象とし、実績操作時間と計画操作時間とが基準範囲内で同じであれば、計画と実績操作とが一致と判定する。
【0041】
進捗状況判定手段107は、S31の比較結果より、進捗状況をワークに対応づけて提示するように判定結果表示手段108に指示する(S32)。
【0042】
図6は、図5のS13を詳細に説明するフローチャートである。進捗状況判定手段107は、ワークフロー111に属する全てのワークを順に選択するループ制御を行う(S101〜S106)。進捗状況判定手段107は、ワークツール109の計画操作列113に属する全ての操作を順に選択するループ制御を行う(S102〜S105)。
【0043】
進捗状況判定手段107は、ワークに対して操作の種別を判定する(S103)。なお、操作の種別は、例えば、ファイルの読み込みや保存終了といった、いくつかのワークで共通に使用する「共通操作」やある特定のワークのみで使用する「特定操作」などである。これらの種別をワークで作成する成果物仕様112から判定して種別分けする。
【0044】
進捗状況判定手段107は、操作の種別に応じて、ワークと操作とを対応付ける(S104)。例えば、配管部品作成というワークの場合、「配管の接続始終点設定」操作、「配管の厚み設定」操作、「曲げ位置の設定」操作などは、「特定操作」として、ワークに対応付けられる。
【0045】
図7は、図5のS31を詳細に説明するフローチャートである。進捗状況判定手段107は、登録された全ての部分計画操作列104、および、全ての部分実績操作列106から、注目する1つの部分計画操作列104、および、1つの部分実績操作列106を選択するループ制御を行う(S201〜S209)。
【0046】
進捗状況判定手段107は、注目する部分計画操作列104の操作、および、注目する部分実績操作列106の操作を先頭から順に選択するループ制御を行う(S202〜S208)。進捗状況判定手段107は、選択した双方の操作が同じ操作内容か否かを判定する(S203)。S203でYesならS204に進み、S203でNoならS206に進む。
【0047】
進捗状況判定手段107は、選択した操作の実操作時間が、基準範囲内か否かを判定する(S204)。S204でYesならS206に進み、S204でNoなら警告として「実操作時間エラー」の旨を提示する(S205)。
【0048】
進捗状況判定手段107は、部分実績操作列106における選択した操作の使用回数が、部分計画操作列104における選択した操作の使用回数と比べて、基準範囲内か否かを判定する(S206)。S206でYesならS208に進み、S206でNoなら警告として「実操作回数エラー」の旨を提示する(S207)。以上説明した警告メッセージ(S205,S207)が、図5の進捗状況の判定結果の提示(S32)に相当する。
【0049】
以下、本実施形態の進捗管理方法と、比較例の進捗管理方法とを比較する。
【0050】
第1の比較例として、ワーク・ブレークダウン・ストラクチャーの粒度、すなわち、ワークに展開できる細かさが進捗管理を行う単位とする方法がある。このとき、プロジェクトにおいて定義されたワーク進行中における進捗状況の把握は、ワーク担当者あるいはワーク管理者の主観的な進捗率を百分率表現するか、あるいは双方における人的なやり取りに依っていた。
【0051】
第2の比較例として、エンジニアリングワークを行うワークツールなどと統合し、ワーク単位における成果物の内容の正当性やワークフロー全体における成果物の完了率から進捗状況を把握する方法や、ワーク単位で使用したワークの正当性により進捗状況を判定する方法がある。
【0052】
第3の比較例として、特開2004−21534号公報には、ワーク単位の成果物の完了情報を取得し、プロジェクト全体において完了情報の有無から、完了率を算出して進捗率を把握する旨の提案がある。
【0053】
第4の比較例として、特開平10−11507号公報には、ワークフロー111におけるワーク単位の完了情報を工程作業者ごとに時間軸上に表示し、各工程作業者のスケジュールを管理する旨の提案がある。
【0054】
これらの第1から第4の比較例では、成果物が作成された後に、その成果物をもとにした進捗状況を判定するため、判定時期が遅くなってしまう。一方、本実施形態の進捗管理方法では、成果物が作成される前の実績操作に対しても進捗状況を判定できるため、判定時期が早い。
【0055】
第5の比較例として、特開平09−223164号公報には、ワーク単位の作業の実行履歴を取得し、正しい実行手順と照合して作業の後戻りを判定することで進捗状況を把握する旨の提案がある。
【0056】
この第5の比較例では、ワークフロー単位の実行履歴を正しいワークフロー111の実行手順とワークに適用した設計などのワークの照合により、ワークフロー111の後戻りを判定できるが、ワーク単位でワークが終了して初めてワークが適正かどうかを判定するので、判定の精度がよくない。一方、本実施形態の進捗管理方法では、ワークを構成する操作単位で進捗状況を判定できるため、判定の精度がよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態に関する工程作業者の操作画面を示す画面図である。
【図2】本発明の一実施形態に関する工程作業者が操作画面に対して行う予定の計画操作を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施形態に関する工程作業者が操作画面に対して実際に行った実績操作を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施形態に関する設計支援システムを示す構成図である。
【図5】本発明の一実施形態に関する進捗状況の提示処理全体を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に関する進捗状況の提示処理の詳細を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態に関する進捗状況の提示処理の詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
101 工程管理支援装置
102 記憶装置
103 計画操作列取得手段
104 部分計画操作列
105 実績操作列取得手段
106 部分実績操作列
107 進捗状況判定手段
108 判定結果表示手段
109 ワークツール
110 表示装置
111 ワークフロー
112 成果物仕様
113 計画操作列

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークツールを介してワークの手順を順に示すワークフローを実施することで成果物を作成する作業の進捗状況を提示する工程管理支援方法であって、
コンピュータが、
前記ワークフロー、および、前記ワークフローを実施するための計画操作列の入力を受け付け、ワーク単位で操作される部分計画操作列を前記計画操作列から抽出して記憶手段に記憶する計画操作列取得工程と、
前記ワークツールを介して入力された実績操作列を取得し、ワーク単位で操作される部分実績操作列を前記実績操作列から抽出して記憶手段に記憶する実績操作列取得工程と、
前記部分計画操作列と前記部分実績操作列との差異をもとに、ワークの前記進捗状況を判定する進捗状況判定工程と、
前記差異をもとにした前記進捗状況の判定結果を、ワークと関連づけて表示装置の表示画面に表示する判定結果表示工程と、
を実行することを特徴とする工程管理支援方法。
【請求項2】
前記進捗状況判定工程は、前記部分計画操作列と前記部分実績操作列との前記差異を抽出するときに、双方の操作列を構成する操作内容の不一致を前記差異とみなすことを特徴とする請求項1に記載の工程管理支援方法。
【請求項3】
前記進捗状況判定工程は、前記部分計画操作列と前記部分実績操作列との前記差異を抽出するときに、双方の操作列を構成する操作の時間の不一致を前記差異とみなすことを特徴とする請求項1に記載の工程管理支援方法。
【請求項4】
前記進捗状況判定工程は、前記部分計画操作列と前記部分実績操作列との前記差異を抽出するときに、双方の操作列を構成する操作の使用回数の不一致を前記差異とみなすことを特徴とする請求項1に記載の工程管理支援方法。
【請求項5】
前記進捗状況判定工程は、前記部分計画操作列と前記部分実績操作列との前記差異を抽出するときに、過去の前記部分実績操作列を前記部分計画操作列とみなすことを特徴とする請求項1に記載の工程管理支援方法。
【請求項6】
前記判定結果表示工程は、前記ワークツールの成果物を作成するための作業画面と、その作業画面で実施されているワークの前記進捗状況を表示する画面と、を併せて表示することを特徴とする請求項1に記載の工程管理支援方法。
【請求項7】
前記判定結果表示工程は、前記進捗状況の判定結果において異常と判定されたワークと他のワークとを区別して表示し、異常と判定されたワークに関係する他工程作業者のワークを表示することを特徴とする請求項1に記載の工程管理支援方法。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の工程管理支援方法を、コンピュータに実行させるための工程管理支援プログラム。
【請求項9】
ワークツールを介してワークの手順を順に示すワークフローを実施することで成果物を作成する作業の進捗状況を提示する工程管理支援装置であって、
前記ワークフロー、および、前記ワークフローを実施するための計画操作列の入力を受け付け、ワーク単位で操作される部分計画操作列を前記計画操作列から抽出して記憶手段に記憶する計画操作列取得手段と、
前記ワークツールを介して入力された実績操作列を取得し、ワーク単位で操作される部分実績操作列を前記実績操作列から抽出して記憶手段に記憶する実績操作列取得手段と、
前記部分計画操作列と前記部分実績操作列との差異をもとに、ワークの前記進捗状況を判定する進捗状況判定手段と、
前記差異をもとにした前記進捗状況の判定結果を、ワークと関連づけて表示装置の表示画面に表示する判定結果表示手段と、
を有することを特徴とする工程管理支援装置。
【請求項10】
前記進捗状況判定手段は、前記部分計画操作列と前記部分実績操作列との前記差異を抽出するときに、双方の操作列を構成する操作内容の不一致を前記差異とみなすことを特徴とする請求項9に記載の工程管理支援装置。
【請求項11】
前記進捗状況判定手段は、前記部分計画操作列と前記部分実績操作列との前記差異を抽出するときに、双方の操作列を構成する操作の時間の不一致を前記差異とみなすことを特徴とする請求項9に記載の工程管理支援装置。
【請求項12】
前記進捗状況判定手段は、前記部分計画操作列と前記部分実績操作列との前記差異を抽出するときに、双方の操作列を構成する操作の使用回数の不一致を前記差異とみなすことを特徴とする請求項9に記載の工程管理支援装置。
【請求項13】
前記進捗状況判定手段は、前記部分計画操作列と前記部分実績操作列との前記差異を抽出するときに、過去の前記部分実績操作列を前記部分計画操作列とみなすことを特徴とする請求項9に記載の工程管理支援装置。
【請求項14】
前記判定結果表示手段は、前記ワークツールの成果物を作成するための作業画面と、その作業画面で実施されているワークの前記進捗状況を表示する画面と、を併せて表示することを特徴とする請求項9に記載の工程管理支援装置。
【請求項15】
前記判定結果表示手段は、前記進捗状況の判定結果において異常と判定されたワークと他のワークとを区別して表示し、異常と判定されたワークに関係する他工程作業者のワークを表示することを特徴とする請求項9に記載の工程管理支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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