説明

布帛の面仕上げ方法及びその製品

適用された所望の性能仕上げを有する基材を形成するための方法。この方法は、性能仕上げ剤が基材を通って反対の基材面にトランスパス(transpass)することを防ぐようなやり方で、選択した性能仕上げ剤を含むフォームを選択した基材面に適用することを含む。そのため、仕上げ剤の性能特性は仕上げ剤が適用された基材面においてのみ示される。さらにこの方法は、第2の面のみが第2の別の仕上げ剤の特性を示すようなやり方で、その第2の性能仕上げ剤を有する第2のフォームを基材の反対面に適用することを含んでもよい。仕上げ剤が基材を通ってトランスパスすることを制御するために使用される種々の条件には、仕上げ剤浴の化学的性質、フォーム特性、仕上げ剤浴のpH及び基材内部にある水分の凍結が、単独で及び/又は組み合わせて含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して布帛仕上げの分野に関する。より詳細には、布帛において仕上げ剤を適用した面のみにその仕上げ剤の性能特性が示されるように、個別の性能仕上げ剤を布帛の選択した面に提供するための布帛の仕上げ方法、及びその方法により形成された製品に関する。
【背景技術】
【0002】
性能仕上げ剤は、基材が個別かつ所望の効果を示すようにする目的で、布帛及び/又は基材に適用される。例えば、それぞれ以下の性能仕上げ剤を布帛及び/又は基材に適用すれば、その布帛及び/基材が、撥水性、撥油性、吸水性、抗菌性及びパーマネントプレス特性を示すことが可能となる。
【0003】
先行技術の図1によって、編物、織布及び不織布のような主な種類の布帛構成に性能仕上げ剤を適用する技術について、従来の方法10を説明する。方法10は、基材を用意し(12)、必要であれば基材中の不純物を除去し乾燥することによって基材を下処理し(14)、さらにその後、選択した性能仕上げ剤を基材に適用するために、基材をその仕上げ剤を含む浴に通すことによって基材をパディングする(16)段階を含んでいる。仕上げ剤を適用してすぐに、基材に対してニッピングを行うか真空圧を与えることによって基材構造中の過剰な液体を除去し(18)、その後乾燥及び硬化を行う(19)。
【0004】
従来は、基材に性能仕上げ剤を適用する場合、特に薄い基材についてはニップ及びその後の乾燥がかなり容易であるためパディングが好ましい方法であった。フォーム適用(foam application)のような仕上げ剤を適用するための他の既知の方法は、基材を通ってフォームが浸透することを制御できないと考えられており、フォーム適用によると不均一な仕上げになることがある。さらに、性能仕上げ剤は基材全体の至る所にトランスパス(transpass)することがあり、基材の両面にその仕上げ剤の特性が表れる原因となる。この出願全体で使用されている「トランスパス」とは、性能仕上げ剤が、布帛のある面から布帛構造の内部に向かい、さらに反対面に至って移行することを意味する。
【0005】
フォーム適用プロセスは、性能仕上げの均一性及び仕上げ剤の基材全体へのトランスパスが問題とならない不織布について使用されている。従来のフォーム適用では、フォームを形成し、かつそのフォームを適用部分に移動させるためには、水を高い質量パーセントで有する仕上げ剤浴が有利であると考えられていた。性能仕上げ剤が基材を通ってトランスパスすることを制限することに関する配慮、又はトランスパスする量を制御する実用的な手段もしくは方法はなかったため、ある基材表面に適用された仕上げ剤は他の基材領域の内部へトランスパスしていた。その上、仕上げ剤は基材を通ってにじむことがあり、反対面が適用面と同じ特性を示す原因となっていた。しかしながら、両方の面に同じ効果を持たせることが必ずしも望ましいわけではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、先行技術においては、基材を通って性能仕上げ剤がトランスパスすることを制限する、布帛の仕上げ方法の必要性又はその使用についての認識がこれまでにない。その上、先行技術においては、基材のある面がある性能特性を示し、反対の基材面が別の異なる性能仕上げを示す基材を製造する、布帛仕上げ方法の必要性又はその使用についての認識がこれまでにない。
【0007】
例えば衣料においては、外側の表面が撥水性を示す一方、内側の表面が吸水性、抗菌性、又は特殊な柔軟効果のような特性を示すようにすることが好まれる場合がある。他の例のように、布帛の内側が、汗を着用者から引離すために吸上効果のような特徴又は抗菌性/防臭性を示しつつ、衣料品がパーマネントプレス又は防しわ加工されていることが望まれる場合もある。
【0008】
基材全体に仕上げ剤をトランスパスさせることの他の欠点は、仕上げ剤の化学成分がその効果が必要でない又は望まれない基材の領域に吸収されることである。さらなる問題は、仕上げ剤の化学成分が、布帛の引っ張り強度が減少するような有害な影響を基材に及ぼしうることである。従って、基材の残りの部分は影響を受けないようにしつつ、使用する仕上げ剤の化学成分が、その効果が望まれる基材の部分に限定されることが好ましいと思われる。
【0009】
性能仕上げ剤は、一般消費者に対して、布帛の品質、機能性、及び究極的には望ましさを高めるものであるため、本技術分野においては、性能仕上げ剤が適用された基材を通ってその仕上げ剤がトランスパスすることを制御する方法を提供する必要がある。さらに、本技術分野においては、衣服を含む種々の基材に使用することができ、別の異なる性能仕上げ剤を基材の反対面に有する基材を作製するための仕上げ方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述の及び他の目的を達成するためここに具体化し広く記載するように、本発明は、基材が所望の効果を示すようにするための、基材の仕上げ方法の様々な実施態様を提供する。特定の実施態様では、基材が仕上げ剤の適用面のみでその効果を示すように、基材を通って仕上げ剤がトランスパスすることを制御している。仕上げ剤が基材を通ってトランスパスすることを制御するために使用される種々のパラメータには、ここに記載するように単独及び/又は組み合わせで、仕上げ剤浴の化学成分、フォーム特性、仕上げ剤浴のpH、基材内部の水分の凍結及び他の処理段階が含まれる。
【0011】
本発明の好ましい実施態様における布帛の仕上げ方法には、基材を用意し、第1の性能特性を有する第1の仕上げ剤を基材に適用し、及び基材の反対にある第2の面と比較して基材の第1の面にその仕上げ剤の大部分が残存するように、仕上げ剤が基材を通ってトランスパスすることを制御する段階が一般的に含まれる。必要に応じて、第2の面と比較して第1の面に仕上げ剤の少なくとも75質量%が残存するようにトランスパスが制御される。
【0012】
仕上げ剤が基材を通ってトランスパスすることを制限することにより、仕上げ剤の性能特性は、反対の基材面と比較して適用面でより効果的に示される。好ましい実施態様では、非適用面における特性の効果は、基材の適用面における効果の50%未満である。
【0013】
基材に適用するためのフォームがそこから生成する、所望の特性を有する仕上げ剤浴は、仕上げ剤が基材を通ってトランスパスすることを制限するのにも寄与する。本発明の好ましい実施態様において、仕上げ剤浴は、仕上げ剤とトランスパス制限成分0.1〜60質量%を含む。また必要に応じて浴は少なくとも40mPa・sの粘度を有する。他の選択事項として、浴はpH2〜pH6の範囲のpHを有していてもよい。
【0014】
また本方法は、薄い基材を用いる場合にも実用的な用途を有する。すなわち、300g/m2以下の質量を有する基材についても、仕上げ剤が基材を通ってトランスパスすることを制限することができる。
【0015】
本方法の様々な実施態様は、反対の基材面よりも仕上げ剤の適用面に、より多い質量の仕上げ剤を有する基材を作製するために使用することができる。必要に応じて、適用面は基材内部にある仕上げ剤の少なくとも75質量%を有してもよい。さらに適用面は、反対の基材面で示される効果よりも大きい効果でその仕上げ剤の特性を示してもよい。例えば、基材の非適用面における効果は、適用面から示される効果の50%未満であってよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
その中に本発明の好ましい実施態様が示されている添付図を参照して、ここより以下、本発明をより十分に説明する。しかしながら、本発明は多くの異なる形態において具現化されていてもよく、ここに示した実施態様に限定されるものとみなしてはならない。これらの典型的な実施態様は、本開示が綿密かつ完全なものとなり、本開示が当業者に本発明の範囲を完全に伝えることを目的として提供される。
【0017】
本発明は、基材のある面に対してある個別の仕上げ剤を提供するための、布帛の仕上げ方法を説明する。様々な実施態様において、仕上げ剤のトランスパスを制御することにより、仕上げ剤の適用面のみが関係する性能特性を示す。すなわち、適用した仕上げ剤の浸透が制限されることにより、反対面の通常の特性に影響せずに適用面においてのみその効果が示される。また、この布帛の仕上げ方法を、基材の第1面に第1の仕上げ剤を適用し、かつ反対の基材面に第2の別の仕上げ剤を適用するために使用することもでき、その結果、それぞれの性能特性がその適用面においてのみ示される。
【0018】
また、本発明は、本発明の仕上げ方法から作られた製品を説明する。様々な実施態様において、反対面上で性能特性を示すことなく、選択面上にその性能特性を有する基材が製造される。特定の実施態様においては、製造された基材は第1の選択面上に第1の性能仕上げ剤を、かつ反対面上に第2の別の性能仕上げ剤を有していてもよく、それぞれの仕上げ剤に固有の特性は、その仕上げ剤の適用面のみにおいて示される。
【0019】
仕上げ剤については、所望の性能特性を有する任意のものを使用することができる。例えば、選択される性能仕上げ剤には、抗菌機能、UV吸収、架橋、パーマネントプレス、耐しみ/耐汚染、ステイン/ソイルリリース、親水性、疎水性、疎油性、親油性、表面マーセル化などのような属性が含まれてもよいが、これらに限定されない。
【0020】
ここで使われる「基材」には、編物、織布及び不織布を含む任意の種類の布帛材料が含まれる。さらに、基材は任意の所望の繊維組成物から作られるものでもよい。例えば本発明は、綿、綿混紡、ポリエステル、ポリアミド及び他の人造繊維のような合成繊維、並びに絹を含むがこれらに限定されない種々の繊維について有用である。
【0021】
さらに本発明は、厚いか薄いかに関わらず、任意の所望の質量を有する基材を用いた用途を有している。本方法の目的においては、厚い基材とは300g/m2より大きい質量を有するものとみなされる。ここで使われる「薄い基材」とは、300g/m2以下の質量、より好ましくは60g/m2〜300g/m2の範囲の質量を有する任意の基材とみなされる。そのため本発明は、男性及び女性のシャツ用(通常約100g/m2)及びズボン用(通常約250g/m2)の薄い綿布帛を含む、全ての種類の衣料に対する用途を有している。
【0022】
図2を参照すると、本発明20は、基材を用意すること(22)、基材を下処理すること(24)、所望の性能仕上げ剤を基材のある面に適用すること(26)、並びに必要に応じて基材を乾燥し及び硬化すること(28)という段階を含んでいる。
【0023】
基材は従来の方法で下処理する。例えば、サイズ、油分及び他の不純物を除去するために基材をこすり洗いしてもよい。加えて、所与の適用した仕上げ剤について最高に可能な程度の永続性を実現すると同時に、2面効果の明確化を最高に可能な程度に達成するためには、繊維/基材吸収性が重要なパラメータであるため、基材は吸収性であるように下処理される。その上、撥油性及び/又は撥水性が必要とされる場合は、基材上に残存する表面張力活性な化学成分がないときに理想的な繊維/布帛吸収性が得られる。また、連続、半連続及び吸尽染色法を含むがこれらに限定されない任意の従来の染色法を用いて、あらかじめ決定した色にするために、性能仕上げ剤を適用する前にあらかじめ基材を染色してもよい。
【0024】
事前に選択した性能仕上げ剤をフォーム適用によって基材のある面に適用する。適用するフォームは、所望の性能仕上げ剤、仕上げ剤のトランスパスを制限する成分、起こりうるトランスパスを減少させるために最小限の湿潤力を有するフォーム剤及び水からなる組成を有する。理論に拘束されることを望むわけではないが、仕上げ剤が基材を通ってトランスパスすることを妨げるために、これらの成分は相互作用して、フォームの半減期、吸上性(wick-ability)、膨張比及び粘度に影響すると考えられている。
【0025】
仕上げ剤組成物のトランスパス制限成分は、ポリアクリレート、ポリオール、ポリカルボキシレート、ポリカーボハイドレートなどの塩を含むがこれらに限定されない種々のポリマーから選択できる。このような成分の存在によって、構成したフォーム浴の粘度が大きく変化することがある。さらに、その成分の種類及び量がフォーム性に影響する場合があっても、選択されるポリマーは、仕上げ剤浴の組成が適当な膨張比を得ることを妨げないようなものでありうる。選択したポリマー種類のある特定の分子量分布が、他の必要とされるフォーム品質を台無しにせずにトランスパスを妨げる機能のためには好ましいことがある。選択されるポリマーのpHはある特定の好ましい範囲内であってよく、そのポリマーに関係する電解質の量は、所望の性能を妨げないように制限されてもよい。これに限定されないが、フォーム剤は例えばアミンオキサイドから選択することができる。
【0026】
当業者にとって公知であるように、フォームは仕上げ剤浴から生成し、フォーム生成機及びフォーム適用機による接触堆積(contact deposition)を含む、従来の任意のフォーム適用方法により適用できる。このため、仕上げ剤浴の組成物はフォーム生成後のフォーム組成物である。本発明に利用できる適当なフォーム生成機及び適用機の1つは、所在地がStanley,N.C.のGaston Systemsから入手できる。
【0027】
フォームは、膨張比、半減期、吸上性及び浴粘度のような項目において特徴づけられる。「膨張比」とは、仕上げ剤浴組成物の体積量に対するフォーム組成物内部にある空気の体積量を意味する。膨張比は、実際には2:1〜40:1、さらにそれ以上であってよい。好ましくは、膨張比は少なくとも6:1、より好ましくは少なくとも8:1、及び最も好ましくは8:1〜20:1の範囲である。
【0028】
「半減期」とは、フォーム組成物の質量で半分が液体状態にもどるのにかかる時間を意味する。一般に、半減期が長いほど、仕上げ剤が基材を通ってトランスパスすることをより制御できる。好ましくは、フォームの半減期は少なくとも5分であり、より好ましくは少なくとも20分であり、さらにより好ましくは少なくとも30分であり、最も好ましくは30分〜2.5時間の範囲である。
【0029】
本発明に固有であるフォームの他の特性は、従来のフォームと比較して低い吸上性である。ここで使われる「吸上性」とは、フォームから基材上へ液体が垂直に移行することを意味し、一切れの細長い布帛の片方の端を25.4mm(1インチ)の深さで1分間フォーム中に浸す方法により試験される。サンプルをその後フォームから取り除き、空気乾燥する。25.4mmの印より上にあるフォームから吸い上げられた液体を観察し、比較に用いるため記録する。低い吸上性を有することにより、適用した仕上げ剤が基材を通ってトランスパスすることが軽減される。フォームの吸上性についてその速度が遅いことは、最小限の湿潤力を有する界面活性剤を選択することに加えて、大半はトランスパス制限成分に起因する。そのトランスパス制限成分は、選択した製品及びその構成に応じて、仕上げ剤浴組成物中に好ましくは0.1質量%〜60質量%の範囲、より好ましくは5質量%〜30質量%の範囲で含まれる。
【0030】
また、トランスパス制限成分は仕上げ剤浴の粘度を増加させることがある。一般に、浴粘度が高くなるにつれて、仕上げ剤が基材を通ってトランスパスする速度は遅くなり、その結果、仕上げ剤を適用面に限定する能力が高くなる。実際は、非常に高い粘度を有する仕上げ剤浴は許容できるフォーム性及びフォーム均一性の実現を妨げるので、仕上げ剤浴の粘度は結局のところ制限される。ブルックフィールド粘度計で測定した場合、好ましい粘度は少なくとも10mPa・sであり、より好ましくは少なくとも40mPa・sであり、最も好ましくは50mPa・s〜1000mPa・sの範囲である。
【0031】
仕上げ剤の化学成分自体については、綿及びセルロース布帛に対して所望の性能仕上げ効果を施すためにカチオン性の製品を選択する場合、仕上げ剤浴中の酸性pHの程度を最適化してその正電荷を増大させることにより、仕上げ剤の非トランスパス特性が大幅に改善される。カチオン種の増大した正電荷は、水の存在下で綿及び他のセルロース繊維の負電荷により引きつけられ、フォーム中のカチオン性化学成分のトランスパスを最小化する。このような反応の速度論的速度は、布帛を通って水が拡散する速度よりも速い。
【0032】
一般的に仕上げ剤浴は1〜14の任意のpHを有していてよいが、カチオン性製品を使用した場合、好ましいpHはpH2〜pH6の範囲であり、最も好ましくはpH3.5〜pH5の範囲であることが出願人によって見出されている。
【0033】
フォームの適用後、基材は単純に空気乾燥できる。しかしながら、通常は基材に対して乾燥及び/又は硬化操作28を行う。当業者にとって当然のことであるが、基材をオーブン、加熱帯又は他の種類の乾燥機を通すことによるような、性能仕上げ剤の適用後に基材を乾燥するための任意の従来法を使用することができる。
【0034】
従来行われてはいないが、基材の乾燥及び/又は硬化は、空気、好ましくは加熱された空気をフォームの適用面とは反対の基材面上に吹き付けて行ってもよい。乾燥/硬化できることに加え、非適用面から吹き付けられる空気の力は、仕上げ剤が基材を通ってトランスパスすることを防ぐことについて有益な場合がある。
【0035】
図3を参照すると、本発明の別の実施態様30が示されている。図示されている基材仕上げ方法30によれば、別のフォーム仕上げ剤を基材の反対面に適用することで、反対面が別の性能特性を示す製品が得られている。方法30は、図1を参照して前述したように基材を用意し下処理する段階(32、34)を含む。その後、第1の所望の性能仕上げ剤を有するフォームを第1の基材面に適用し(36)、第2の所望の性能仕上げ剤を含む第2のフォームを反対の基材面に適用する(38)。
【0036】
両方のフォームを同時にそれぞれ対応する面に適用してもよく、第1のフォームを第1の基材面に適用した後第2のフォームを反対の第2の面に適用してもよい。フォーム組成物及びその適用方法は、図2を参照して前述した通りである。例えば前述の通り、フォームには、性能仕上げ剤、トランスパス制限成分、フォーム剤及び水が含まれる。また、フォームは圧力で接触堆積する手法などにより基材に適用してもよい。
【0037】
その後、図2を参照して説明したのと同じ方法で、基材を乾燥及び/又は硬化して基材をさらに処理してもよい。前述の実施態様からのわずかな変形についていえば、面に空気を吹き付けることにより基材を乾燥及び/又は硬化する場合、第2の仕上げ剤のための付加的な処理段階が必要である。前述の実施態様と同様に、第1のフォームを第1の基材面に適用した後、高温空気を第2の面に吹き付ける。その後加えて、第2のフォームを第2の基材面に適用した後、高温空気を第1の面に吹き付ける。
【0038】
仕上げ剤のフォームを基材に適用する前に、基材内部に存在する水分を凍結させる段階が前述の実施態様のいずれかにさらに含まれてもよい、本発明の他の実施態様40を、図4を参照して説明する。
【0039】
方法40は、基材を用意すること(42)、基材を下処理すること(44),基材内部の水分を凍結すること(46)、基材の第1の面に第1の選択した性能仕上げ剤を含む第1のフォームを適用し、必要に応じて第2の基材面に第2の選択した性能仕上げ剤を含む第2のフォームを適用すること(48)、及び必要に応じてその後基材を乾燥及び/又は硬化すること(50)からなる段階を含む。好ましい形態においては、第2の基材面への第2のフォームの適用(48)は、第1の基材面への第1のフォームの適用と同時に行われる。基材中の水分の凍結は別として、それぞれの処理段階及び適用するフォームの特性もまた前述の通りであり、そのようなものとしてここでさらに詳しくは説明しない。
【0040】
水分を凍結することによる、一時的な氷状のバリアのおかげで基材の浸透性が減少し、その結果、性能仕上げ剤のトランスパスが妨げられる。基材中の水分を凍結することの他の利点は、フォームの含浸量を削減できて、基材中に吸収される化学成分が少なくなることである。このときの仕上げ剤の性能及びその永続性は、平均してより低い含浸量であるにもかかわらず、ここに記載した本発明の他の実施態様を用いて得られた結果に相当することを出願人は見出している。仕上げ剤の使用領域を超えて仕上げ剤がトランスパスすることを氷状のバリアが制限するために、この望ましい結果が得られるものと理論付けられる。
【0041】
基材中の水分を凍結するためには任意の適当な手段を使用できる。例えば、基材内部の水分を凍結させるために、窒素、すなわち窒素ブランケットを含むチャンバーに基材を通過させることができる。好ましくは0℃以下、より好ましくは0℃〜−120℃の範囲、最も好ましくは−30〜−100℃の範囲の温度帯に基材を通過させる。
【0042】
仕上げ剤のトランスパスに対する所望のバリアを提供するため、基材内部にある水分の十分な量が凍結するような時間、基材は凍結温度にさらされる。必要とする時間は、通常1秒〜100秒の範囲であり、好ましくは3秒〜25秒の範囲である。
【0043】
基材の浸透性を減少させるために一時的なバリアを作るという概念には、基材を凍結する前に、水、蒸気、又は水と水非混和性溶剤を基にして物理的に乳化したシステムを用いて基材を前処理するような他の手段及び方法が包含されてもよい。
【0044】
前述の方法は、個別の性能仕上げ剤を適用した基材面にその仕上げ剤が実質的に配置している、その性能仕上げ剤を有する基材を製造するのに使用できる。すなわち、基材には、第1の基材面に実質的に配置した第1の性能仕上げ剤、及び/又はその基材の反対にある第2の面に実質的に配置した第2の性能仕上げ剤が含まれてもよい。ここで使う「面」とは、横断面を見たときに、基材の1/2となる基材の部分を意味する。そのため、「第1の面」及び「第2の面」はそれぞれ、基材の対向している半分を指す。さらにここで使う「実質的に」とは、仕上げ剤の50質量%より多い量、より好ましくは仕上げ剤の少なくとも75質量%、最も好ましくは仕上げ剤の少なくとも90質量%を意味する。
【0045】
製造した基材については、主に仕上げ剤を配置した基材面においてその個別の性能特性を示すように作られることに特徴がある。すなわち、反対の基材面上で示される性能特性の効果は、配置面上で示される効果より低い。好ましくは、反対面上の効果は、配置面上の効果の50%未満、より好ましくは25%未満、最も好ましくは10%未満である。従って、第1の基材面上では第1の性能特性、及び第2の基材面上では別の第2の性能特性を基材が示すことができる。この面の区別化は、相反する仕上げ剤を用いた場合であっても可能である。例えば、疎水性仕上げ剤を第1の基材面に適用し、この適用した仕上げ剤は反対面にトランスパスしないために、さらに第2の面に親水性仕上げ剤を適用できる。
【0046】
布帛仕上げの当業者にとっては当然のことであるが、いくつかの性能仕上げ剤は、仕上げ剤の供給領域を超えて効果を有する。例えば薄い基材において、抗菌機能を有する仕上げ剤は、仕上げ剤の拡散機構に起因して、仕上げ剤の配置面のみならず反対の基材面においても効果を有する。他の例として、薄い基材に適用した耐しわ性樹脂は、反対の基材面においても耐しわ性をもたらすことがある。しかしながら、適用した基材面上に仕上げ剤が実質的に残存するように仕上げ剤のトランスパスは制御されるため、第2の仕上げ剤が第1の仕上げ剤と相反するようなものであったとしても、反対の基材面に対するその第2の仕上げ剤の適用とは干渉しない。
【実施例】
【0047】
例1:約107g/m2の、市販されている漂白した綿織布のシャツ用布帛を2片用意し、以下記載するようにサンプルA及びBを形成した。仕上げ剤を適用する前に、従来法によってそれぞれのサンプルを下処理し洗浄した。列記したフォーム及び浴の成分は質量%である。
【0048】
サンプルA:サンプルは未処理であり、フォーム中における吸上の挙動を試験した。Nuva HPU(Clariant Corporation,Charlotte,North Carolinaから入手できるパーフルオロカーボン製品)30%、Afilan KC(Clariant Corporation,Charlotte,North Carolinaから入手できるアミンオキサイド)2%、及び水68%を用いて、膨張比10/1でフォームを形成した。フォームの特性については、浴粘度が14mPa・s、フォームの半減期が約6分であった。吸上評価は、サンプルの一端を25.4mmの長さで1分間フォームの中に浸す方法により行った。その後、サンプルをフォームから取り除いて空気乾燥した。25.4mmの印より上に吸い上げられた液体を観察し、表1に記載した。
【0049】
サンプルB:サンプルは未処理であり、トランスパス制限成分を含むフォーム中における吸上の挙動を試験した。Nuva HPU(Clariant Corporation,Charlotte,North Carolinaから入手できるパーフルオロカーボン製品)30%、SR1429(ナトリウムポリアクリレート)15%、Afilan KC(Clariant Corporation,Charlotte,North Carolinaから入手できるアミンオキサイド)2%、及び水53%を用いて、膨張比10/1でフォームを形成した。フォームの特性については、浴粘度が60mPa・s、フォームの半減期が約45分であった。吸上評価は、サンプルAと同じ方法により行った。25.4mmの印より上に吸い上げられた液体を観察し、表1に記載した。
【0050】
【表1】

【0051】
表1に示すように、本発明による、トランスパス制限成分を有する仕上げ剤のフォームを用いることにより、従来の仕上げ剤のフォームと比較して、仕上げ剤が布帛を通ってトランスパスすることが減少している。
【0052】
例2:約107g/m2の、市販されている漂白した綿織布のシャツ用布帛を3片用意し、以下記載するようにサンプルC〜Eを形成した。仕上げ剤を適用する前に、従来法によってそれぞれのサンプルを下処理し洗浄した。列記したフォーム及び浴の成分は質量%である。
【0053】
サンプルC:サンプルは未処理であり、液滴試験を使用して疎水性を試験した。液滴試験は、AATCC試験法79「漂白した布地の吸収性」に記載されている方法により行った。観察結果を表2に記載した。
【0054】
サンプルD:サンプルDについては、先行技術の方法に従い布帛の片面(面A)にフォームを適用した。Nuva HPU(Clariant Corporation,Charlotte,North Carolinaから入手できるパーフルオロカーボン製品)30%、Afilan KC(Clariant Corporation,Charlotte,North Carolinaから入手できるアミンオキサイド)2%、及び水68%を用いて、膨張比10/1でフォームを形成した。フォームの特性については、浴粘度が14mPa・s、フォームの半減期が約6分であった。フォーム仕上げ剤を適用したところ含浸量は約15%だった。フォーム仕上げ剤の適用後、サンプルDを180℃で45秒間乾燥及び硬化した。サンプルDを処理してすぐに、水滴試験により両面(面A及び面B)における疎水性を試験した。水滴試験は、AATCC試験法79「漂白した布地の吸収性」に記載されている方法により行った。観察結果を表2に記載した。
【0055】
サンプルE:サンプルEについては、本発明に従い、トランスパス制限成分を含むフォームを用いて布帛の片面(面A)にフォームを適用した。Nuva HPU(Clariant Corporation,Charlotte,North Carolinaから入手できるパーフルオロカーボン製品)30%、SR1429(ナトリウムポリアクリレート)15%、Afilan KC(Clariant Corporation,Charlotte,North Carolinaから入手できるアミンオキサイド)2%、及び水53%を用いて、膨張比10/1でフォームを形成した。フォームの特性については、浴粘度が60mPa・s、フォームの半減期が約45分であった。フォーム仕上げ剤を適用したところ含浸量は約15%だった。フォーム仕上げ剤の適用後、サンプルEを180℃で45秒間乾燥及び硬化した。サンプルEを処理してすぐに、水滴試験により両面(面A及び面B)における疎水性を試験した。水滴試験は、AATCC試験法79「漂白した布地の吸収性」に記載されている方法により行った。観察結果を表2に記載した。
【0056】
【表2】

【0057】
表2に示すように、本発明を用いることにより仕上げ剤のトランスパスが制御された。その結果、仕上げ剤の特性は布帛の選択したフォーム適用面においてのみ示された。
【0058】
例3:約184g/m2の、表面加工糸で織られた平坦なポリエステル織布の布帛を3片用意し、以下記載するようにサンプルF〜Hを形成した。仕上げ剤を適用する前に、ポリエステル織布の布帛を下処理するのに用いられる従来法によって、それぞれのサンプルを下処理し洗浄した。それぞれのサンプルは、先の下処理段階からの表面活性剤残渣をリンスした後は疎水性を有していた。列記したフォーム及び浴の成分は質量%である。
【0059】
サンプルF:サンプルFは未処理であり、液滴試験を使用して吸水性を試験した。液滴試験は、AATCC試験法79「漂白した布地の吸収性」に記載されている方法により行った。観察結果を表3に記載した。
【0060】
サンプルG:サンプルGについては、本発明に従い、疎水性を有するように布帛の片面(面A)にフォームを適用した。Nuva HPU(Clariant Corporation,Charlotte,North Carolinaから入手できるパーフルオロカーボン製品)30%、SR1429(ナトリウムポリアクリレート)10%、Acusol−882(Rohm and Haas Company,Philadelphia,Pennsylvaniaから入手できる疎水性に変性した非イオン性ポリオール)4%、Afilan KC(Clariant Corporation,Charlotte,North Carolinaから入手できるアミンオキサイド)2%、及び水54%を用いて、膨張比10/1でフォームを形成した。フォームの特性については、浴粘度が730mPa・s、フォームの半減期は60分より長かった。フォーム仕上げ剤を適用したところ含浸量は約10%だった。フォーム仕上げ剤の適用後、サンプルGを180℃で45秒間乾燥及び硬化した。サンプルGを処理してすぐに、水滴試験により両面(面A及び面B)における吸水性を試験した。水滴試験は、AATCC試験法79「漂白した布地の吸収性」に記載されている方法により行った。
【0061】
サンプルH:サンプルHについては、本発明に従い、疎水性を有するように布帛の片面(面A)にフォームを適用し、親水性を有するように反対面(面B)にフォームを適用した。Nuva HPU(Clariant Corporation,Charlotte,North Carolinaから入手できるパーフルオロカーボン製品)30%、SR1429(ナトリウムポリアクリレート)10%、Acusol−882(疎水性に変性した非イオン性ポリオール)4%、Afilan KC(Clariant Corporation,Charlotte,North Carolinaから入手できるアミンオキサイド)2%、及び水54%を用いて、膨張比10/1で面Aのフォームを形成した。フォームの特性については、浴粘度が730mPa・s、フォームの半減期は60分より長かった。フォームを適用したところ含浸量は約10%だった。サンプルは120℃で乾燥した。また、Milease T liq.(Clariant Corporation,Charlotte,North Carolinaから入手できるポリエステル分散)50%、Afilan KC0.5%、Pentex FC1%、及び水48.5%を用いて、膨張比10/1で面Bのフォームを形成した。フォームの特性については、浴粘度が68mPa・s、フォームの半減期は約20分だった。フォームを適用したところ含浸量は約10%だった。これらフォーム仕上げ剤の適用後、サンプルHを180℃で45秒間乾燥及び硬化した。サンプルHを処理してすぐに、水滴試験により両面(面A及び面B)における吸水性を試験した。試験は、AATCC試験法79「漂白した布地の吸収性」に記載されている方法により行った。観察結果を表3に記載した。
【0062】
【表3】

【0063】
表3に示すように、本発明を用いることにより仕上げ剤は布帛の片面に限定された。その結果、第1の仕上げ剤とは異なる別の仕上げ剤を布帛の反対面に適用できた。
【0064】
例4:約107g/m2の、市販されている漂白した綿織布のシャツ用布帛を3片用意し、以下記載するようにサンプルI〜Kを形成した。仕上げ剤を適用する前に、従来法によってそれぞれのサンプルを下処理し洗浄した。列記したフォーム及び浴の成分は質量%である。
【0065】
サンプルI:サンプルIは未処理であり、吸上の挙動によって親水性を試験した。吸上試験は、サンプルの一端を25.4mmの長さで1分間、薄赤く着色した水道水からなる吸上溶液の中に浸す方法により行った。その後、サンプルを吸上溶液から取り除いて空気乾燥した。25.4mmの印より上に吸い上げられた液体を観察し、表4に記載した。
【0066】
サンプルJ:サンプルJについては、従来のパディングを用いて疎水性を有するように処理し、吸上の挙動を試験した。Nuva HPU(Clariant Corporation,Charlotte,North Carolinaから入手できるパーフルオロカーボン製品)4%、SR1429(Stockhausen,Inc.,Greensboro,North Calorinaから入手できるナトリウムポリアクリレート製品)2%、Afilan KC(Clariant Corporation,Charlotte,North Carolinaから入手できるアミンオキサイド)0.27%、及び水93.73%を用いて仕上げ剤浴を形成した。パディングを行ったところ含浸量は約76%だった。パディングの後、サンプルJを180℃で60秒間乾燥及び硬化した。サンプルJを処理してすぐに、サンプルIと同様の方法により、両面(面A及び面B)における吸上の挙動を試験した。25.4mmの印より上に吸い上げられた液体を観察し、表4に記載した。
【0067】
サンプルK:サンプルKについては、本発明に従い、疎水性を有するように布帛の片面(面A)にフォームを適用した。Nuva HPU(Clariant Corporation,Charlotte,North Carolinaから入手できるパーフルオロカーボン製品)30%、SR1429(ナトリウムポリアクリレート)15%、Afilan KC(Clariant Corporation,Charlotte,North Carolinaから入手できるアミンオキサイド)2%、及び水53%を用いて、膨張比10/1でフォームを形成した。フォームの特性については、浴粘度が60mPa・s、フォームの半減期は約45分だった。フォーム仕上げ剤を適用したところ含浸量は約15%だった。フォーム仕上げ剤の適用後、サンプルKを180℃で45秒間乾燥及び硬化した。サンプルKを処理してすぐに、吸上試験により両面(面A及び面B)における吸上の挙動を試験した。25.4mmの印より上に吸い上げられた液体を観察し、表4に記載した。
【0068】
【表4】

【0069】
表4に示すように、本発明を用いることにより仕上げ剤のトランスパスが制御された。その結果、仕上げ剤の特性は布帛の選択したフォーム適用面においてのみ示された。
【0070】
例5:約107g/m2の、市販されている漂白した綿織布のシャツ用布帛を3片用意し、以下記載するようにサンプルL〜Nを形成した。仕上げ剤を適用する前に、従来法によってそれぞれのサンプルを下処理し洗浄した。列記したフォーム及び浴の成分は質量%である。
【0071】
サンプルL:サンプルLは未処理であり、耐しわ性及び引っ張り破壊強度損失を試験した。耐しわ性試験は、AATCC試験法128−1989「布帛のしわ回復:外観法」に記載されている方法により行った。サンプルは1(最低の耐しわ性)〜5(最高の耐しわ性、完全なしわ回復)にランク付けした。また、引っ張り破壊強度損失試験を用いて、たて糸方向の引っ張り破壊強度損失についてサンプルを試験した。試験は、Instron,Inc.,Canton,Massachusettsから入手できるInstron Tensile tester Model No.4301を用いて、ASTM−D5034−1995に記載されている方法により行った。観察結果を表5に記載した。
【0072】
サンプルM:サンプルMについては、従来のパディングを用いて耐しわ性のための処理を行った。Freerez−845(Noveon Inc.,Cleveland,Ohioから入手できる、自己触媒型バッファード耐久プレス反応剤)10%、及び水90%を用いて、pH3.9で仕上げ剤浴を形成した。パディングを行ったところ含浸量は約97%だった。パディングの後、サンプルMを120℃で45秒間乾燥し、180℃で30秒間硬化した。サンプルMを処理してすぐに、サンプルLと同様の方法により、耐しわ性及び引っ張り破壊強度損失についてサンプルを試験した。観察結果を表5に記載した。
【0073】
サンプルN:サンプルNについては、本発明に従い、撥油性及び撥水性を有するように布帛の片面(面A)にフォームを適用し、耐しわ性を有するように布帛の別の面(面B)にフォームを適用した。Nuva HPU(Clariant Corporation,Charlotte,North Carolinaから入手できるパーフルオロカーボン製品)60%、SR1429(ナトリウムポリアクリレート)7%、Afilan KC(Clariant Corporation,Charlotte,North Carolinaから入手できるアミンオキサイド)2.5%、及び水30.5%を用いて、膨張比10/1で面Aのフォームを形成した。フォームの特性については、浴粘度が100mPa・s、フォームの半減期は約30分だった。フォーム仕上げ剤を適用したところ含浸量は約15%だった。フォーム仕上げ剤を適用した後、サンプルNを120℃で45秒乾燥した。また、Freerez−845(自己触媒型樹脂)30%、SR1429(ナトリウムポリアクリレート)10%、Afilan KC(アミンオキサイド)0.8%、及び水59.2%を用いて、膨張比10/1で面Bのフォームを形成した。このフォーム仕上げ剤を適用したところ含浸量は約15%だった。フォーム仕上げ剤の適用後、布帛を190℃で25秒間乾燥及び硬化した。サンプルNを処理してすぐに、サンプルLと同様の方法により、耐しわ性及び引っ張り破壊強度損失についてこの布帛を試験した。観察結果を表5に記載した。
【0074】
【表5】

【0075】
表5に示すように、樹脂を適用することは布帛の引っ張り強度損失を通常伴うが、ここでは布帛の引っ張り強度損失量が減少していることから明らかなように、本発明を用いることによって仕上げ剤のトランスパスが制御された。その結果、第1の仕上げ剤と異なる別の仕上げ剤を布帛の反対面に適用することができた。樹脂は面Bに制御されているにもかかわらず、布帛が薄いためにその仕上げ剤の特性が両面で示されたことは注目に値する。サンプルNにおける面Aの組成には異なる架橋剤が含まれていたため、サンプルNはサンプルMと比べて耐しわ性のランクが高かった。面Aが疎水性であったため、そのことが耐しわ性に寄与したものと考えられる。
【0076】
例6:約107g/m2の、市販されている漂白した綿織布のシャツ用布帛を3片用意し、以下記載するようにサンプルO〜Qを形成した。仕上げ剤を適用する前に、従来法によってそれぞれのサンプルを下処理し洗浄した。列記したフォーム及び浴の成分は質量%である。
【0077】
サンプルO:サンプルは未処理であり、撥油性を試験した。撥油性試験は、AATCC試験法118−1992、American National Standardに記載されている方法により行い、撥油性5は高度の抵抗性を意味している。観察結果を表6に記載した。
【0078】
サンプルP:サンプルPについては、疎油性仕上げ剤成分を含有する仕上げ剤浴を用いてパディングし、撥油性を試験した。Nuva HPU(Clariant Corporation,Charlotte,North Carolinaから入手できるパーフルオロカーボン製品)4%、Afilan KC(Clariant Corporation,Charlotte,North Carolinaから入手できるアミンオキサイド)0.027%、及び水93.73%を用いて仕上げ剤浴を形成した。パディングを行ったところ含浸量は約76%だった。パディングの後、サンプルPを180℃で60秒間乾燥及び硬化した。サンプルPを処理してすぐに、両面(面A及び面B)における撥油性を試験した。撥油性試験は、AATCC試験法118−1992、American National Standardに記載されている方法により行った。観察結果を表6に記載した。
【0079】
サンプルQ:サンプルQについては、疎油性仕上げ剤成分を含有するフォームを用いて、布帛の片面(面A)にフォームを適用した。Nuva HPU(Clariant Corporation,Charlotte,North Carolinaから入手できるパーフルオロカーボン製品)30%、SR1429(ナトリウムポリアクリレート)15%、Afilan KC(Clariant Corporation,Charlotte,North Carolinaから入手できるアミンオキサイド)2%、及び水53%を用いて、膨張比10/1でフォームを形成した。フォームの特性については、浴粘度が60mPa・s、フォームの半減期は約45分だった。フォーム仕上げ剤を適用したところ含浸量は約15%だった。フォーム仕上げ剤の適用後、サンプルQを180℃で45秒間乾燥及び硬化した。サンプルQを処理してすぐに、撥油性試験により両面(面A及び面B)における撥油性を試験した。撥油性試験は、AATCC試験法118−1992、American National Standardに記載されている方法により行った。観察結果を表6に記載した。
【0080】
【表6】

【0081】
表6に示すように、本発明を用いることにより仕上げ剤のトランスパスが制御された。その結果、仕上げ剤の特性は布帛の選択したフォーム適用面においてのみ示された。
【0082】
例7:約175g/m2の、市販されている漂白した綿編物のシャツ用布帛を2片用意し、以下記載するようにサンプルR〜Sを形成した。仕上げ剤を適用する前に、従来法によってそれぞれのサンプルを下処理し洗浄した。列記したフォーム及び浴の成分は質量%である。
【0083】
サンプルR:サンプルは未処理であり、AATCC試験法79「漂白した布地の吸収性」に記載されている方法に従い、液滴試験を使用して疎水性を試験した。また、試験サンプルを微生物種である黄色ブドウ球菌と接触させたときの成長パターンを観察して評価することにより、抗菌機能についてもサンプルを試験した。抗菌試験は、AATCC試験法147「布地材料の抗菌活性評価:Parallel Streak Method」に記載されている方法により行った。観察結果を表7に記載した。
【0084】
サンプルS:サンプルSについては、撥水性成分を含有するフォームを用いて布帛の片面(面A)にフォームを適用し、抗菌機能を有するフォームを用いて他の面(面B)にフォームを適用した。Nuva HPU(Clariant Corporation,Charlotte,North Carolinaから入手できるパーフルオロカーボン製品)75%、SR1429(ナトリウムポリアクリレート)15%、Genagen CAB−818(Clariant Corporation,Charlotte,North Carolinaから入手できるアルキルアミドプロピルベタイン製品)1%、SR1429(ナトリウムポリアクリレート)1%、Alcogum−1370(Alco Chemical,Inc.,Chattanooga,Tennesseeから入手できるナトリウムポリアクリレート製品)1%、及び水23%を用いて、膨張比10/1で面Aのフォームを形成した。面Aに適用した後、サンプルを120℃で乾燥した。また、Santized T96−f21(Clariant Corporation,Charlotte,North Carolinaから入手できる抗菌製品)30%、Binder MTB(ポリアクリレート)10%、Genagen CAB−818(アミンオキサイド)4%、及び水56%を用いて面Bのフォームを形成した。このフォームを面Bに適用した後、サンプルSを180℃で30秒間乾燥及び硬化した。サンプルSを処理してすぐに、水滴試験により両面(面A及び面B)について親水性を試験した。水滴試験は、AATCC試験法79「漂白した布地の吸収性」に記載されている方法により行った。観察結果を表7に記載した。また、サンプルSについては、試験サンプルを微生物種である黄色ブドウ球菌と接触させたときの成長パターンを観察して評価することにより、両面(面A及び面B)における抗菌機能についても試験した。抗菌試験は、AATCC試験法147「布地材料の抗菌活性評価:Parallel Streak Method」に記載されている方法により行った。観察結果を表7に記載した。
【0085】
【表7】

【0086】
表7に示されているが、疎水性仕上げ剤を適用したのと反対の面に抗菌仕上げ剤を適用可能なことから明らかなように、本発明を用いることによって仕上げ剤のトランスパスが制御された。抗菌仕上げ剤は面Bに制御されているにもかかわらず、仕上げ剤の拡散機構に起因してその仕上げ剤の特性が布帛の両面において示されたことは注目に値する。
【0087】
以下の2つの実験は、カチオン性成分を使用した場合に、記載したフォーム特性、トランスパス制限成分の選択及び仕上げ剤浴のpHの間で適切なバランスを取ることの重要性をさらに強調するものである。
【0088】
例8:約107g/m2の、市販されている漂白した綿織布のシャツ用布帛を2片用意し、以下記載するようにサンプルT〜Uを形成した。仕上げ剤を適用する前に、従来法によってそれぞれのサンプルを下処理し洗浄した。列記したフォーム及び浴の成分は質量%である。
【0089】
サンプルT:サンプルについては、疎油性パーフルオロカーボン仕上げ剤を含有する組成を用いて面Aを処理し、面A及び面Bの両方において撥油性を試験した。その組成には、Nuva HPU(Clariant Corporation,4000 Monroe Road,Charlotte,NCから入手できるパーフルオロカーボン製品)30%、Acumer 1540(Rohm and Haas Company,100 Independence Mall West,Philadelphia,PAから入手できるアクリル酸ホモポリマー)13%、Afilan KC(Clariant Corporationから入手できるアミンオキサイド)0.5%、Hostapur Dad(Clariant Corporationから入手できる非イオン性界面活性剤)0.5%、及び水56%が含まれていた。浴はpH7に調整された。フォームの特性については、浴粘度が63mPa・s、及び膨張比が10:1であって、25.4mmの長さで1分間フォームの中に布帛サンプルの一端を浸したときに吸上は生じなかった。フォーム仕上げ剤を適用したところ含浸量は約10〜15%だった。フォーム仕上げ剤を適用した後、サンプルTを180℃で45秒間乾燥及び硬化した。撥油性試験は、AATCC試験法118−1992に記載されている方法により行った。観察結果を表8に記載した。
【0090】
サンプルU:サンプルについては、疎油性パーフルオロカーボン仕上げ剤を含有する組成を用いて面Aを処理し、面A及び面Bの両方において撥油性を試験した。その組成には、Nuva HPU(Clariant Corporation,4000 Monroe Road,Charlotte,NCから入手できるパーフルオロカーボン製品)30%、Acumer 1540(Rohm and Haas Company,100 Independence Mall West,Philadelphia,PAから入手できるアクリル酸ホモポリマー)13%、Afilan KC(Clariant Corporationから入手できるアミンオキサイド)0.5%、Hostapur Dad(Clariant Corporationから入手できる非イオン性界面活性剤)0.5%、及び水56%が含まれていた。浴はpH7の代わりにpH4に調整された。フォームの特性については、浴粘度が約50mPa・s、及び膨張比が10:1であって、25.4mmの長さで1分間フォームの中に布帛サンプルの一端を浸したときに吸上は生じなかった。フォーム仕上げ剤を適用したところ含浸量は約13%だった。フォーム仕上げ剤を適用した後、サンプルUを180℃で45秒間乾燥及び硬化した。撥油性試験は、AATCC試験法118−1992に記載されている方法により行った。観察結果を表8に記載した。
【0091】
【表8】

【0092】
上記使用した組成中では、Nuva HPUは若干カチオン性である。表8は、選択した組成中のややカチオン性の成分と選択したポリマーの所定の組み合わせに対して、pHが非常に顕著な影響を及ぼすことを証明している。他の条件は満たされているが、この場合において2面効果を完全に最適化するためには、pHの調整をも正確に行う必要がある。
【0093】
例9:2面効果の特徴づけを良好に行うために、他は例8と同様であるが、重要なパラメータの1つである基材へのフォームの吸上を意図的に悪化させた。トランスパスを容易にするために、例8のAcumer 1540を意図的に半分の量で使用することによって、所与の組成は最適の仕様から外れた吸上のあるフォームとなった。このフォームでは、25.4mmの長さで1分間フォームの中にサンプルの一端を浸したときに、基材上に約2.5〜3mmの吸上があった。他の全ては例8と同じままにした。結果を表9に列記した。ここでも、酸性側にpHを調整することによって2面特性が非常に顕著に改善されることが示されている。
【0094】
【表9】

【0095】
サンプルWについては、面A及び面Bに明確な疎油性/親油性の違いが見られるが、例8の表8におけるサンプルUと比較すると、面A及び面Bの親水性の違いはかなり小さかった。言い換えると、例8におけるサンプルUの面Bは良好な親水性を有していたが、意図的に作った吸上のあるフォームが原因となって、例9におけるサンプルWの面Bは非常に悪い親水性を有していた。
【0096】
上述の方法は、ある面に個別の性能仕上げ剤、及び/又は反対の基材面に別の性能仕上げ剤を有する基材を提供する。本発明に従って作られた基材は、シャツ、ズボン、ジャケット、ジャージ、スカート、ドレス、帽子、手袋、スカーフ、靴下、下着、タオルなどを含むがこれらに限定されない全ての種類の衣料を製造する場合に特に有用である。
【0097】
上述の内容をもって本発明の実施態様を例として詳細に記載した。ある面に個別の性能仕上げ剤を有する基材及びその製造方法は、ここに記載した好ましい実施態様及び例を参照して説明されているが、他の実施態様及び例によっても、同様の機能が発揮され、及び/又は同様の結果がもたらされうる。全てのそのような均等な実施態様及び例は、本発明の精神及び範囲に含まれ、特許請求の範囲によって保護されることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】基材に性能仕上げ剤を適用するための先行技術の方法の流れ図である。
【図2】本発明の典型的な実施態様による基材仕上げ方法の流れ図である。
【図3】第1の性能仕上げ剤が基材のある面に適用され、別の異なる性能仕上げ剤が反対の基材面に適用されている、本発明の典型的な実施態様による基材仕上げの別法の流れ図である。
【図4】仕上げ剤が基材を通ってトランスパスすることを制御するために基材中の水分を凍結させている、本発明の典型的な実施態様による基材仕上げの他の別法の流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材に仕上げを提供するための方法であって、
第1及び第2の面を有する基材を用意し、
第1の性能特性を有する第1の仕上げ剤を用意し、
該基材の該第1の面上に該第1の仕上げ剤を適用し、及び
該第2の面よりも該第1の面において、該第1の仕上げ剤が質量にしてより多く配置した状態にするために、該第1の仕上げ剤が該基材を通ってトランスパス(transpass)することを制限する
段階を含む方法。
【請求項2】
前記基材の内部にある前記第1の仕上げ剤の少なくとも75質量%が、前記第1の面に配置した状態である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基材が300g/m2以下の質量を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第2の性能特性を有する第2の仕上げ剤を用意し、前記第2の面上に該第2の仕上げ剤を適用し、及び前記基材の内部にある該第2の仕上げ剤の少なくとも75質量%が前記第2の面に配置した状態にするために、該第2の仕上げ剤が前記基材を通ってトランスパスすることを制限する段階をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
主に前記第1の面において前記第1の性能特性が示される段階をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の面において示される効果の50%よりも低い効果で、前記第2の面において前記第1の性能特性が示される段階をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記基材が300g/m2以下の質量を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
第2の性能特性を有する第2の仕上げ剤を用意し、前記第2の面上に該第2の仕上げ剤を適用し、前記第2の面において示される効果の50%よりも低い効果で、前記第1の面において該第2の性能特性が示される段階をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
仕上げ剤浴の0.1〜60質量%のトランスパス制限成分及び前記第1の性能仕上げ剤を含む該仕上げ剤浴を用意し、該浴からフォームを形成し、及び該フォームを前記基材の前記第1の面に適用する段階をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記トランスパス制限成分が前記浴の5〜30質量%の範囲である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記仕上げ剤浴が少なくとも40mPa・sの粘度を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記仕上げ剤浴が50mPa・s〜1000mPa・sの範囲の粘度を有し、前記トランスパス制限成分が前記浴の5〜30質量%の範囲である、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記仕上げ剤浴がpH2〜pH6の範囲のpHを有する、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記フォームが20分より長い半減期を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記基材内部の水分を凍結させる段階をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
第1及び第2の面を有する基材であって、
該第1の面上に第1の性能特性を有する第1の仕上げ剤を適用し、及び
該第2の面よりも該第1の面において、該第1の仕上げ剤が質量にしてより多く配置した状態にするために、該第1の仕上げ剤が該基材を通ってトランスパスすることを制限する
段階を含む方法によって調製された基材。
【請求項17】
前記第1の仕上げ剤の少なくとも75質量%が前記第1の面に配置した状態である、請求項16に記載の基材。
【請求項18】
前記基材が300g/m2の質量を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の面上に第2の仕上げ剤を適用し、及び前記基材の内部にある該第2の仕上げ剤の少なくとも75質量%が前記第2の面に残るようにするために、該第2の仕上げ剤が前記基材を通ってトランスパスすることを制限する段階をさらに含む、請求項17に記載の基材。
【請求項20】
前記第1の面において示される効果の50%よりも低い効果で、前記第2の面において前記第1の性能特性が示される段階をさらに含む、請求項16に記載の基材。
【請求項21】
第2の性能特性を有する第2の仕上げ剤を前記基材上に適用し、該第2の仕上げ剤の少なくとも50質量%が前記第2の面に配置された状態にするために、該第2の仕上げ剤が前記基材を通ってトランスパスすることを制限し、及び前記第2の面において示される効果の50%よりも低い効果で、前記第1の面において該第2の性能特性が示される段階をさらに含む、請求項20に記載の基材。
【請求項22】
前記基材内部の水分を凍結させる段階をさらに含む、請求項16に記載の基材。
【請求項23】
浴組成に前記第1の仕上げ剤とトランスパス制限成分0.1〜60質量%が含まれる仕上げ剤浴からフォームを形成し、及び該フォームを前記基材に適用する段階をさらに含む、請求項16に記載の基材。
【請求項24】
前記仕上げ剤浴が少なくとも40mPa・sの粘度を有する、請求項23に記載の基材。
【請求項25】
前記仕上げ剤浴がpH2〜pH6の範囲のpHを有する、請求項23に記載の基材。
【請求項26】
第1及び第2の面を有する基材であって、第1の仕上げ剤を有する基材を含み、該第1の仕上げ剤の50質量%より多くが該第1の面に配置されている基材。
【請求項27】
前記第1の仕上げ剤の少なくとも75質量%が前記第1の面に配置されている、請求項26に記載の基材。
【請求項28】
第2の仕上げ剤をさらに含み、該第2の仕上げ剤の75質量%より多くが前記第2の面に配置されている、請求項27に記載の基材。
【請求項29】
前記第1の仕上げ剤が第1の性能特性を有し、前記第1の面において示される効果の50%よりも低い効果で、前記第2の面において該第1の性能特性が示される、請求項26に記載の基材。
【請求項30】
第2の性能特性を有する第2の仕上げ剤をさらに含み、該第2の仕上げ剤の50質量%より多くが前記第2の面に配置され、及び前記第2の面において示される効果の50%よりも低い効果で、前記第1の面において該第2の性能特性が示される、請求項29に記載の基材。
【請求項31】
前記基材が300g/m2以下の質量を有する、請求項26に記載の基材。
【請求項32】
トランスパス制限成分0.1〜60質量%を含む仕上げ剤組成物。
【請求項33】
前記トランスパス制限成分が5〜30質量%の範囲である、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
前記組成物が少なくとも40mPa・sの粘度を有する、請求項32に記載の組成物。
【請求項35】
前記組成物が50mPa・s〜1000mPa・sの範囲の粘度を有する、請求項32に記載の組成物。
【請求項36】
前記組成物がpH2〜pH6の範囲のpHを有する、請求項32に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−529641(P2007−529641A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−503431(P2007−503431)
【出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【国際出願番号】PCT/IB2005/000603
【国際公開番号】WO2005/090671
【国際公開日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(596033657)クラリアント インターナショナル リミティド (48)
【Fターム(参考)】