説明

布帛より布製品のパーツの切り出し方法及び布製品の縫製方法

【課題】本発明は布帛及び縫製方法に関し、布帛から効率的にパーツを切り出し、パーツを効率的縫製することを目的としたものである。
【解決手段】織布はジャカード機構を備えた織機により織製され、身頃などの布製品のパーツとなる、輪郭線に沿って実質的に閉じられた多数の区域が分布した布帛を織製する。輪郭線は織組織により構成され、輪郭線に沿ってパーツの切断を行うことができる。パーツ12における多重組織の部位は上下層18A, 18Bが一部分離するように切断線18-1, 18-2, 18-3に沿って切断される。上下層18A, 18Bはライン18-4では連接しており、ライン18-4に沿って上層18Aを折り返し、延長部を有する身頃パーツを得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は布帛及び縫製方法に関し、布帛からパーツを切り出し、パーツを縫製することにより衣類などの布製品とするのに適したものである。
【背景技術】
【0002】
衣類を製造する場合に織布や編布などの布帛から衣類の身頃や袖や襟などのパーツを切り出し、切り出されたバーツを縫製することによって衣類に仕上げる。パーツの切り出しのため型紙を織布や編布にあてチャコペンなどのマーキング道具によって縫代分も足してカットラインを描き、カットラインに対して縫代分を足して裁断を行う。このような手動方式の裁断は注文服のような場合は今も広く行われているが、効率が悪いので量産品の場合はコンピュータ裁断が主流となっている。コンピュータ裁断の場合は型紙データを記憶装置に格納しておき、格納された型紙データを読み出すと共に縫代分を考慮したカットラインを計算し、このカットラインによってレーザ裁断装置などにより裁断を行う(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平7−26409号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術では、型紙に応じて布帛を切断することにより型紙の形状に一致したパーツ(布片)を切り出していた。従来は身頃と袖などのように、衣類の状態においては相互に隣接したパーツ同士であっても、縫製により組み立てられていた。そのため、縫製箇所が多くなっていた。また、衣類を構成するパーツ数も相対的に増えるため縫製作業が面倒となり、また素材として必要となる布帛の消費量が多くなり、効率が悪かった。
【0004】
この発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、衣類のためのパーツの切り出しを効率的に行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明によれば、布製品のパーツとなる、輪郭線に沿って実質的に閉じられた多数の区域が分布した布帛をジャカードにて形成し、それぞれの区域の輪郭線に沿って布帛の切り出しを行い、布製品への組み立てのためのパーツとなす方法において、布帛における少なくとも一部の前記区域は部分的に多重組織にて形成し、布帛からのパーツへの切り出しの際に、部分的に多重組織にて形成された前記区域における少なくとも一部の区域においては、その少なくとも一部の層は残余の層との連結を維持しつつ切断し、この一部の層を残余の層に対して伸展することにより、布製品への組み立てのための最終的なパーツとしたことを特徴とする方法が提供される。
【0006】
請求項2に記載の発明によれば、前記布帛の所定長さの部位における実質的全面に、布製品のパーツとなる、輪郭線に沿って実質的に閉じられた多数の区域が分布している布帛をジャカード組織にて形成し、布帛の形成の際に前記各区域における少なくとも一部の区域はその少なくとも一部は多重組織にて構成し、布帛からの各パーツへの切り出しの際に、部分的に多重組織にて形成された前記少なくとも一部の区域においては、多重組織の一部の層を残余の層との連結を維持させつつ切断し、この一部の層を残余の層に対して伸展することによりそのパーツとなし、輪郭からの切り出しにより得られたパーツを縫製することにより布製品となすことを特徴とする縫製方法が提供される。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明の作用・効果を説明すると、パーツにおける多重組織の区域は一部の層が残余の層との連結を残して切断され、展開することでパーツの延長部分を構成することができ、布帛長に対してパーツ長を長くとることができ、布帛の利用効率を増すことができ、また織製や編製などの布帛形成工程の効率(生産効率)を高めることができる。
【0008】
請求項2の発明の作用・効果を説明すると、パーツにおける多重組織の区域は一部の層が残余の層との連結を残して切断され、展開することでパーツの延長部分を構成することができ、布帛長に対してパーツ長を長くとることができ、袖や裾などの延長部分を布帛形成段階で一体に得ることができ、縫製効率を高めることができる。そして、パーツには多重組織の部位とそれより層数が少ない組織の部位とが混在しており、多重組織の部位を襟先や袖先(カラー)などの厚みを必要とする部位とすることで、縫製の際に芯地や折り返しなどの工程を省略することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1はこの発明の実施形態としての織布10の一部を示しており、経糸開口装置としてジャカードを備えた織機により織製される。ジャカードとしてはこの実施形態では例えば10,000を超える多数の口数を備えたもの(例えばストーブリ(STAUBLI)社の型番LX3200)が使用され、そのため全織幅において経糸一本一本の独立的な開口制御をなしうるようになっている。必要(要求される織巾)に応じてより口数がより少ないジャカードを使用することは勿論可能である。
【0010】
織布10には切り出されたとき衣類としてのジャケットのパーツとなる区域が分布するように配置されている。所定長さの織布10の部分にはジャケットの実質的に全パーツとなる区域が分布されて、切り出しによりジャケットの全パーツを得ることができるようになっていることはいうまでもない。しかしながら、図1には、説明の便宜上、織布のこの所定長さの部分の一部のみ示され、従って、図1に図示されるのは織布におけるジャケットの一部のパーツとなる区域のみであることに留意されたい。図1において、12はジャケットの後身頃左、14は襟、16は前身頃左の区域をそれぞれ示す。区域12において、このパーツ(後身頃左)の輪郭線は12-1にて示される。織布からパーツへの切断はこの輪郭線12-1に沿って行われるが、輪郭線に沿った切断を容易にするため、輪郭線が浮き立つように組織されている。即ち、輪郭線12-1は一種の柄であり、この実施形態ではこの柄は織巾の殆ど半分にも及ぶ大柄であるが、ジャカードの採用によりこのような大柄の織製が可能となっている。切断のための輪郭線12-1の全周・内側に沿って帯状領域を形成するように別の輪郭線12-2及び位置合わせマーク12-3が見えているが、この帯状領域は縫製のための縫い代の部分であり、このジャカードの採用により縫製のための帯状領域を任意の形状によりかつ任意の大きさで織模様として表すことができ、縫製が容易となる。即ち、従来の縫製では縫い代はマーキングペンによって手書きしていたが、この発明の実施形態では縫い代をパーツの輪郭に沿った帯状の領域としており、組み立てるべき隣接のパーツにおける同様な帯状の領域と合わせることにより手操作による縫製作業の容易確実を期すことができる。同様に区域14及び区域16についてもパーツの切り出し用の輪郭線14-1, 16-1及び輪郭線14-1, 16-1に近接した帯状の縫い代領域を形成するための輪郭線14-2, 16-2が外観的に視認可能な織模様として織製されている。
【0011】
この発明の実施形態においては、パーツとなる12, 14, 16などの区域は1重組織と2重組織(3重、4重などの多重組織を含む)とが混在しており、後述のように2重組織の部分を部分的に切り離すことにより、そのパーツの延長部分を構成されている。図において、1重組織の部位をL1にて示し、2重組織の部位をL2にて示す。ジャケットのパーツとなる12, 14, 16等以外の織布10における地の部位10´は1重組織にて構成される。そして、この発明においては、ジャケットのパーツとなる12, 14, 16等の部位は少なくとも一部は一重組織の部位(L1)と二重組織の部位(L2)とが混在しており、二重組織の部位においては、その一部の層は残余の層との連結を維持した上で切断により切り離され、切り離された層の折り返しによりそのパーツの延長部位を構成するようにしている。また、図1においてY(Yellow), YG(Yellow Green), G(Green)はその部位の色調を示しており、平(平織)、格子、1/3(1/3綾)はその部位の織組織を表している。
【0012】
ジャケットのパーツとなる部位での二重層の部分の切除・伸張について具体的に説明すると、図2(イ)は織布10から切断される前の後身頃左となる区域12を示しており、簡明のためパーツの輪郭線12-1のみ図示され、隣接した縫い代を表す線(図1の12-2等)は図示されていない。そして区域12における二重織の領域18を交差斜線を付して表しており、図3に示すように完全分離した上下層18A, 18B より構成され、交差斜線の部位以外の部位12´は一重組織となっている。図この交差斜線の領域18において、一重組織の領域との境界線18-1, 18-2, 18-3が矢印a1, a2, a3の順で鋏を入れられ、上層18Aは下層18Bより分離される。しかし、残余の境界線18-4については上下層18A, 18Bの切り離しは行われない。従って、二重層の区域18における上層18Aは境界線18-4に隣接した一重層の部位12″に接続したままである。このようにして二重層における上層18Aと下層18Bとを部分的に切り離した後に、区域12そのものが織布10から切り出される。即ち、織布10の一重組織の部位は輪郭線12-1に沿って矢印b1, b2, b3, b4の順で切り出され、図2(ロ)は織布から輪郭線12-1に沿って矢印b1, b2, b3, b4のような切り出しによって布帛から分離されたジャケットのパーツとしての後身頃左を示しており、二重織の上層18Aは境界線18-1, 18-2, 18-3では下層18Bに対して分離されているが、境界線18-4では下層18B、換言すれば、一重組織の部位12´と接続は維持する。そして、分離された上層18Aは境界線18-4を境に対称に伸展され、この伸展された部位は身頃の部位と一体なジャケットの袖の部位となる。この実施形態ではパーツとしての身頃の一部を二重組織とし、二重組織の部位において上下層を部分的に分離・展開することで、身頃と一体の袖の部位に形成している。この実施形態においては、身頃の部位に、後に袖となる部位を同時に織り込むことができるため、織布上でのパターンの配置の自由度が高まり、織布の相対的に狭い領域に多数のパターンを配置することができ、織製の効率を高めることができる。
【0013】
図4(イ)は襟の部位14を織布に織り込んだ状態にて示しており、輪郭線14-1の内側に隣接した縫い代となる部分は図2と同様に、省略して示す。そして、二重織の部位20は交差斜線を付して表しており、襟の部位14における部位20以外の残余の部位は一重組織である。また、輪郭線14-1の部位は一重組織であるが、ジャカードによって輪郭線が浮き出るように織製されている。織布10からパーツを切り出す際に、二重織の部位20は境界線20-1, 20-2にて上層20Aを下層20Bから切り離し、境界線20-3の部位については下層20Bを上層20Aから切り離す。図5において、20-3'は境界線20-3における下層20Bからの上層20Aの切り離し部分をから切り離す。しかしながら、境界線20-4の部分では上下層の切断は行わない。他方、一重組織部分については、パーツ14の輪郭線に沿って矢印c1, c2, c3, c4, c5, c6, c7, c8の様に一重組織部分の切断を行う。図4(ロ)は、切り離し後に得られた襟の部分のパーツを示しており、2重組織部分より分離された1重組織の上下層20A, 20Bは交差斜線にて示す。そして、分離後の1重組織の上層20Aは境界線20-4を中心に拡開されており、境界線20-3によって1重組織の部分14´が層20Aに一体につながっている。この1重組織の部分14´は襟の剣先部分を示すが、通常の縫製作業においては襟の剣先部分は裏地を入れることにより厚手にすることが多いが、この発明では一重組織であるため2重組織の上層の展開部分20A, 20Bより厚手となっており、裏地なしで剣先部分を構成することができる。
【0014】
図6(イ)は前身頃左の区分16(図1も参照)について織布10から切断される前の後身頃左となるパターンを示し、隣接した縫い代を表す線(図1の16-2等)は図2及び図4と同様に図示されていない。そして区域16における二重織の領域30は交差斜線により表されており、図3と同様に上下層より構成され、交差斜線の部位以外の部位16´は一重組織となっている。この交差斜線の領域30において、一重組織の領域との境界線30-1が上層30Aにおいて矢印d1のように鋏を入れられ(上層30Aが下層30Bから分離され)、境界線30-2では下層30Bにおいて矢印d2のように鋏を入れられ(下層30Bが上層30Aから分離され)、境界線30-3では上層30Aにおいて矢印d3のように鋏を入れられる。しかしながら、残余の境界線30-4においては上下層30A, 30B間で切り離しは行われない。このようにして二重層における上層30Aと下層30Bとを部分的に切り離した後に、区域16そのものが織布10から切り出される。即ち、織布10の一重組織の部位は輪郭線16-1に沿って矢印e1, e2, e3, e4, e5, e6, e7, e8順で切り出され、図6(ロ)は織布から輪郭線16-1に沿って矢印e1, e2, e3, e4, e5, e6, e7, e8のような切り出しによって分離されたジャケットのパーツとしての前身頃左を示しており、二重織の上下層30A, 30Bは境界線30-1, 30-2, 30-3では相互に分離されているが、境界線30-4では接続を維持している。そして、分離された上層30Aは境界線30-4を境に対称に伸展され、この伸展された部位は身頃の部位と一体であるが、展開によりジャケットの袖の部位となる。そして、袖の部位となる上層30Aには1重組織の部位16″が一体に連らなり、この部位16″はカフスの部位となる。袖におけるカフスの部位は袖の他の部位より厚手にするため折り返しすることが良く行われるが、この発明では薄手の部分は2重組織の片側層30Aのみを開いて構成し、カフスの部位16″では1重組織とすることで相対的に厚手とすることができる。
【0015】
このようにして織布から切り出された布片としてのパーツは従来と同様に縫製によりジャケットに仕上げられる。この発明ではパーツの輪郭線に対して一定間隔で縫代線(図1の12-2, 14-2, 16-2)が織模様として織製され、帯状の縫代領域が構成形成されており、従来の縫製におけるチャコペンなどのマーキング道具が不要であり、効率的でかつ精度の高い縫製作業をなしえるようになっている。
【0016】
この発明の織布においてはジャカードにより実質的に全織幅に亘って経糸の独立開口制御が可能であり、極めて多様な組織及び柄の選定が可能であり、衣類の機能性を極限まで高めることができるが、同時に経糸若しくは横糸またはその双方に異種混織したり、身頃部分や襟などを多重織りや袋織りにし、空気や綿などの注入を行ったり、パイル織りとしたり、スティッチすることによりキルト様の効果を出現させたりすることを併用することにより、一層の機能性向上を実現することができる。
【0017】
この発明において、織布上での衣類の各パーツに応じた区域の位置設定及び各区域での組織の設定などの各種の作業は市販のコンピュータソフトウエア(例えばアパレルCAD)において画面上で実施することができる。アパレルCADによるパターンメーキングにおいては画面上の操作により描画し、描画されたパターンを織布の任意の部位に割り当て、各部位につき任意の織り組織を指定することができる。そして、最近はアパレルCADの出力データをジャカードの紋紙穿孔装置にシームレスに連結するソフトウエアも提供されており、アパレルCADにより作成した柄データを紋紙穿孔装置への入力データに変換し、紋紙の穿孔を自動的に行うことができるようになっている。この発明においてもこのような手段を利用することにより、画面上の操作による衣類の各パーツに対応する区域の分配及び各区域における組織の設定を行い、この結果より直ちに紋紙を得、ジャカードにセットすることにより織製を行うことができる。
【0018】
以上の実施形態ではこの発明による、切り出しによりジャケットの各パーツとなる区域を備えた織布に向けられているがこの発明の思想は衣類に限らず、バックとから靴とかその他の布製品にも同様に応用することができる。
【0019】
以上の実施形態は織布においてジャカード組織を利用して織布の全幅といった広い幅範囲において経糸を個々に開口制御することにより布製品のパーツを縫代分が外観上が区別しうるように織製し、縫代を残して裁断し、縫製することにより衣類とする場合についての説明である。しかしながら、この発明は織布に限らず編布においても実施可能である。例えば、経編の場合には全幅といった広範囲の編幅において経糸を1本1本横移動制御する筬(所謂ジャカード筬)を有したものが知られており、このようなジャカード筬を利用して編布の全幅といった広い範囲にわたる大柄の組織が可能である。したがって、ジャカード組織を利用して経編における編布について、衣類の各パーツを輪郭線に沿った縫代部分が外見上区別できるように編製すると共に、パーツの一部を多重組織にて形成し、多重組織の部分において一部の層を残余の層に対して部分的に切り離し、この切り離された一部の層を残余の層に対して折り返し、延長された一体部分を有するパーツとして裁断し、裁断されたパーツ間を縫代部分にて縫製し、衣類とすることができる。そして、ジャカード組織の採用によって縫い代部分を外観的に区別可能な帯状帯として編製することも可能であり、織布の場合と同様に効率的かつ精度の高い縫製作業が可能となる。また、ジャカード組織の採用に伴い各バーツに任意の柄を構成することができ、織布の場合と同様に意匠性及び機能性を最大限高めることができる。
【0020】
また、緯編や丸編においてもジャカード機構を備えた編機が知られており、この種の編機では編布の全幅といった広い編幅で全編針の1本1本独立した選針制御が可能となっており、織布や経編の場合と同様に編布の全幅に及ぶような大柄の編製が可能である。従って、緯編や丸編の場合においても衣類の各パーツを編布に区画形成し、各区画を部分的に多重組織化し、多重組織部分の一部の層を残余の層に対して部分的切除・展開することでパーツの延長部分とすることにより本発明の実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1はこの所定の長さの部分にジャケットの多数のパーツとなる区域を分布させたこの発明の織布の一部を示す。
【図2】図2は(イ)において図1の織布における後身頃左の区分における輪郭線を示し、(ロ)において2重組織の上層を部分的に切断し展開し、かつ1重組織の部位をパーツ輪郭線に沿って切断することにより最終パーツ(後身頃左)とした状態を示す。
【図3】図3は図1のIII−III線に沿って表される概略的断面図である。
【図4】図4は(イ)において図1の織布における襟の区分における輪郭線を示し、(ロ)において2重組織の上層を部分的に切断し、かつ1重組織の部位をパーツ輪郭線に沿って切断・展開することにより最終パーツ(襟)とした状態を示す。
【図5】図5は図4のV−V線に沿って表される概略的断面図である。
【図6】図6は(イ)において図1の織布における前身頃左の区分における輪郭線を示し、(ロ)において2重組織の上層を部分的に切断し展開し、かつ1重組織の部位をパーツ輪郭線に沿って切断・展開することにより最終パーツ(前身頃左)とした状態を示す。
【符号の説明】
【0022】
10…織布
12…後身頃左
12-1…後身頃左の輪郭線
12-2…後身頃左の縫い代線
14…襟
14-1…襟の輪郭線
14-2…襟の縫い代線
16…前身頃左
16-1…前身頃左の輪郭線
16-2…前身頃左の縫い代線
18A, 18B…上下層
18-1, 18-2, 18-3…上下層の境界線







【特許請求の範囲】
【請求項1】
布製品のパーツとなる、輪郭線に沿って実質的に閉じられた多数の区域が分布した布帛をジャカードにて形成し、それぞれの区域の輪郭線に沿って布帛の切り出しを行い、布製品への組み立てのためのパーツとなす方法において、布帛における少なくとも一部の前記区域は部分的に多重組織にて形成し、布帛からのパーツへの切り出しの際に、部分的に多重組織にて形成された前記区域における少なくとも一部の区域においては、その少なくとも一部の層は残余の層との連結を維持しつつ切断し、この一部の層を残余の層に対して伸展することにより、布製品への組み立てのための最終的なパーツとしたことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記布帛の所定長さの部位における実質的全面に、布製品のパーツとなる、輪郭線に沿って実質的に閉じられた多数の区域が分布している布帛をジャカード組織にて形成し、布帛の形成の際に前記各区域における少なくとも一部の区域はその少なくとも一部は多重組織にて構成し、布帛からの各パーツへの切り出しの際に、部分的に多重組織にて形成された前記少なくとも一部の区域においては、多重組織の一部の層を残余の層との連結を維持させつつ切断し、この一部の層を残余の層に対して伸展することによりそのパーツとなし、輪郭からの切り出しにより得られたパーツを縫製することにより布製品となすことを特徴とする縫製方法。







【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−9172(P2006−9172A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−184894(P2004−184894)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(390033891)株式会社三宅デザイン事務所 (9)
【Fターム(参考)】