帯掛け装置
【課題】 黒色以外の一種類のカラーインクリボンを備えた単一の印字手段で、複数の色による印字がされた帯シートによる帯掛けができる帯掛け装置を提供する。
【解決手段】 帯シートaにラベル用紙bを貼付し、その帯シート及びラベル用紙に印字を施した後、帯シートを商品外周に沿うループに絞り、帯シートの先端部と重合する部分を接着し切断して帯掛け包装をする帯掛け装置において、前記帯シートaに貼付するラベル用紙bを感熱発色ラベルとし、その感熱発色ラベル上及び該感熱発色ラベルが付着されていない帯シート上に印字する印字手段4を、白色を含む熱転写カラーインクリボン22を用い加熱して印字する印字手段で構成する。
【解決手段】 帯シートaにラベル用紙bを貼付し、その帯シート及びラベル用紙に印字を施した後、帯シートを商品外周に沿うループに絞り、帯シートの先端部と重合する部分を接着し切断して帯掛け包装をする帯掛け装置において、前記帯シートaに貼付するラベル用紙bを感熱発色ラベルとし、その感熱発色ラベル上及び該感熱発色ラベルが付着されていない帯シート上に印字する印字手段4を、白色を含む熱転写カラーインクリボン22を用い加熱して印字する印字手段で構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯シートで蓋付きトレイの商品を巻き締める、所謂「帯掛け」する帯掛け装置に係り、更に詳しくは帯シートに、商品に関する情報等を印字する印字手段を備えた帯掛け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
帯シートに所定事項を印字し、その印字した帯シートで商品を帯掛けする帯掛け装置は既に知られている。そして、印字に使用するインクリボンが黒色で、しかも使用する帯シートが透明な場合、透明な帯シートの上にバーコードを黒色で印字した場合、帯シートの下にある商品の色によっては前記バーコードを読み取ることが出来ないという問題が生じる。
そこで、前記問題を解決する為に、帯シート上にラベル用紙(普通紙)を貼付し、そのラベル用紙の上にバーコード等を印字するようにした発明が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の帯掛け装置は、商品の外周に沿って帯シートをループ状に繰り出し、その帯シートの繰り出し中に該帯シートにラベル用紙(不透明部材)を貼付して帯シートおよびラベル用紙に所定事項を印字し、その印字した帯シートで商品を帯掛けするというものである。
しかして、この帯掛け装置は印字手段を構成するインクリボンの色が黒色で、しかも帯シートに貼付したラベル用紙(不透明部材)にバーコードを印字するようにした場合、バーコードはラベル用紙(不透明部材)上に黒色で印字される。
従って、帯シートが透明な材料であっても、POSレジスタのスキャナーで前記バーコードを読み取ることができる。
【0004】
しかし、昨今は帯シートに印字する色も黒色以外の色、例えば赤色で印字し、商品を購入しようとする消費者に対して訴求力をアップさせる試みがされている。
しかしながら、従来のように帯シートに普通紙のラベル用紙を貼付し、例えば赤色のインクリボンを用いて帯シートと帯シートに貼付されたラベル用紙上に印字を施し、しかもラベル用紙にバーコードを印字した場合、当然のことながらバーコードが赤色で印字されるので、POSレジスタのスキャナーで前記バーコードを読み取ることができなくなってしまうという問題が発生する。
【0005】
又、カラーのインクリボンを使用した場合、帯シート及び帯シートに貼付したラベル用紙に印字される全ての文字が同一の色になり、複数の色による表示は不可能であった。
従って、カラーのインクリボンを使用しても、そのインクリボンのカラーが表現されるだけであるため、消費者に対する訴求効果は期待できないのが実情である。
【0006】
複数の色による印字(表示)を行う方法としては、色の異なるインクリボンを備えた印字手段を複数組用意し、印字内容により作動する印字手段を適宜制御して印字する方法、或いは予め多色印刷したラベルを用意し、その印字済みラベルを帯シートに貼付する方法等が考えられる。しかし、前者の場合は印字手段が大掛かりとなり、装置全体が大型化し、高価なものとなるなどの問題点を有する。又、後者の場合は同じ商品を大量に帯掛けする場合に有効であるが、コンビニエンスストアーやスーパーマーケット等のように少量多品種の商品に帯掛けするものには不向きである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記した従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、黒色以外の一種類のカラーインクリボンを備えた単一の印字手段で、複数の色による印字がされた帯シートによる帯掛けができる帯掛け装置を提供することを目的とする。
又、他の目的は、黒色以外のカラーインクリボンを使用した場合でも、POSレジスタのスキャナーによる読み取りが可能なバーコード印字ができる帯掛け装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する為に本発明が講じた技術的手段は、帯シートを包装部に供給するフィード手段と、前記帯シートが繰り出される搬送路近傍に、前記帯シートにラベルを付着させる付着手段と、前記包装部と付着手段との間に配置され、前記帯シートに付着されたラベル上及び帯シート上に商品情報を設定された位置に印字する印字手段と、前記印字する商品情報を読み出す読み出し手段と、を備え、前記フィード手段で商品載置部を囲むように前記ラベルの貼付及び印字がされた帯シートをループ状に繰り出し、形成された初期ループを商品外周に沿うループに絞り、帯シートの先端部と重合する部分を接着し切断して帯掛け包装をする帯掛け装置において、
前記付着手段で帯シートに付着させるラベルが感熱発色ラベルで、前記印字手段は、その感熱発色ラベル上及び該感熱発色ラベルが付着されていない帯シート上に印字する白色を含む熱転写カラーインクリボンを用い加熱して印字する印字手段であることを特徴とする(請求項1)。
【0009】
本発明で言う「白色を含む熱転写カラーインクリボン」は、白色のインクリボンは含まれるが、黒色のインクリボンは含まれない。
上記帯シートは、合成樹脂製(例えば、ポリプロピレン製)、或いは紙製等、何れでもよい。又、使用する帯シートの色は、白色、透明、色付シートでもよい。
上記感熱発色ラベルは、熱を加えると黒色、又は黒色に近い色に発色するものであればよく、インクリボンの例えば赤色や黄色や白色と混色(インクリボンが溶けた色と、サーマルヘッドから加えられる熱エネルギーで感熱発色ラベルが発色する色とが混ざって表現される色)した場合でも、赤色発光ダイオードや赤色半導体レーザーのバーコードスキャナーで読み取り可能なものであればよい。
【0010】
上記手段によれば、サーマルヘッドから加えられる熱エネルギーによって感熱発色ラベルは発色し、また同時に前記感熱発色ラベルの上に積層配置する熱転写カラーインクリボンの色が溶けて前記感熱発色ラベル上に塗布され、感熱発色ラベルの発色した色と混色されてラベル上に表現される。従って、帯シート上には熱転写カラーインクリボンの色の印字がされ、感熱発色ラベル上には熱転写カラーインクリボンの色とは異なる混色された色の印字が行われる。よって、印字手段で複数の色の印字が可能となる。
【0011】
前記感熱発色ラベル上に印字する商品情報としては、イメージデータやPOPデータ等何れでもよいが、特にバーコード情報を印字するように設定する(請求項2)。
上記バーコード情報は、一般的なバーコード(JANコード、ITF、CODE39・CODE128等)に限らず、2次元コード(QRコード、Data Matrix等)も含むものとする。
【0012】
上記手段によれば、バーコード情報を、熱転写カラーインクリボンの色と感熱発色ラベルにより発色する色とが混色した色で印字することができる。例えば、熱転写カラーインクリボンの色が赤色である場合、そのインクリボンの赤色と感熱発色ラベルが発色した黒色又は黒色に近い色とが混色した茶色又はこげ茶色で印字することができる。それにより、通常、赤色ダイオード等の赤色レーザー光線では読み取らないインクリボンの色(白色、灰色、赤色、黄色、橙色等)であっても、読取装置(例えば、POSレジスタのスキャナー)による読み取りが可能となる。
【0013】
又、前記感熱発色ラベルの印字領域と、それ以外の印字領域(帯シートの印字領域)とで前記印字手段のサーマルヘッドの熱エネルギー(出力)を制御してもよい(請求項3)。
通常、感熱発色ラベルは感熱発色層の上に、表面をコーティングする為に水溶性樹脂等を塗布したり、或いは光沢を出す為に例えばアクリル樹脂が塗布されている。一方、帯シートは、例えばポリプロピレン製や紙製が多く採用されている。従って、表面の材質が異なる帯シートと感熱発色ラベルに同じレベルの熱エネルギーを加えた場合、感熱発色ラベルの表面にはコーティング層や光沢層が設けられているため、インクリボンにて熱転写印字した場合、一般的に同じ程度の印字濃度を得るためには感熱発色ラベルの方が帯シートに比べてより高い熱エネルギーが必要になる。
【0014】
従って、上記熱エネルギーの制御としては、基準の熱エネルギーを帯シートへの印字に設定し、感熱発色ラベルに印字する場合に熱エネルギーを高く変更する(例えば、電流値を上げる)、或いは基準の熱エネルギーを感熱発色ラベルへの印字に設定し、帯シートに印字する場合に熱エネルギーを低く変更する(例えば、電流値を下げる)、又は帯シートに印字する熱エネルギーと同じ熱エネルギーで発色可能な感熱発色ラベルを用い、熱エネルギーを一定にするなどが挙げられる。
【0015】
そして、前記感熱発色ラベルとして表面にコーティング層や光沢層を有した感熱発色ラベルを使用した場合、該ラベルに印字するタイミングで前記印字手段のサーマルヘッドの熱エネルギーの出力を上げるようにする(請求項4)。
上記印字手段のサーマルヘッドの熱エネルギーの出力を上げるタイミングは、感熱発色ラベル貼付の有無によって判断する。感熱発色ラベル貼付の有無は、例えば商品ファイル、印字フォーマットファイル等のラベル貼付の有無を示すフラグで判断する。
【0016】
上記手段によれば、感熱発色ラベルを貼付すると判断されると、該ラベルが貼付されるタイミングで感熱発色ラベルが貼付されるよう付着手段を起動し、且つ、感熱発色ラベルに印字するタイミングに合わせてサーマルヘッドへの熱エネルギーが制御される。従って、帯シート上への印字濃度と同じ濃度の印字を感熱発色ラベル上に行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の帯掛け装置は請求項1記載の構成により、1種類のインクリボンによって、帯シート上への印字(インクリボンの色)と感熱発色ラベル上への印字(インクリボンの色と感熱発色ラベルが発色した色の混色)の色を変えて印字することができる。即ち、一種類のカラーインクリボンで、同一の帯シートに複数の色の印字をすることができる。しかも、その構成は、インクリボンとしてカラーインクリボンを用い、ラベル用紙として感熱発色ラベルを使用することで簡単にできるため、製作及び経済性においても有益である。
【0018】
又、請求項2記載の構成により、バーコード情報を、インクリボンの色と感熱発色ラベルにより発色する色とが混色した色で印字できる為、インクリボンの色が読取装置で読み取りが困難な色であっても、読取装置による読み取りを可能とするバーコード情報が印字された帯掛けを行うことができる。
【0019】
更に、請求項3記載の構成により、帯シートの印字領域と該帯シートに貼付した感熱発色ラベルの印字領域の印字濃度を、同じ濃度、或いは違った濃度に簡単に変更調整することができる。
又、請求項4記載の構成により、帯シートへの印字濃度と同じ濃度の印字を感熱発色ラベルに簡単に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係る帯掛け装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1乃至図3は帯シートで商品に帯掛け包装をする帯掛け装置Aの概略を示し、該装置は商品Wの周りに帯シートaを周回させるための初期ループを形成する環状のガイド1と、そのガイド1の側方に配置した帯シートロールa’の装填部2と、前記帯シートaにバーコード印字用のラベル用紙bを貼付する付着手段(ラベル貼付部)3と、前記帯シートaに貼付されたラベル用紙b及び帯シートaに商品情報を印字する印字手段4と、商品情報が印字された帯シートを前記環状のガイド1内面に沿って繰り出し及び引き戻すフィード手段5と、初期ループ状態から帯シートの後端側を引き戻して商品Wの外周に沿うループ形状に縮径して帯シートの先端部と重合部を熱溶着する溶着部6と帯シートを切断するカッタ7、及びこれら溶着部6とカッタ7を上下駆動する駆動部8と、更に商品情報等が表示される表示部9と、操作部10とで構成されている。
【0021】
上記環状のガイド1は、商品Wの出し入れに供する正面略長方形状の窓孔11を開設した前後一対の側板1a,1bと、その前後の側板1a,1bを帯シートaのテープ幅よりやや広い間隔を置いて対峙させ、且つ前記窓孔の開口縁より所定寸法外側に入った位置に沿って周方向に回した底板1cとで構成され、底板1cの表面が帯シートaの案内面として作用する。そして、底板1cは窓孔の孔縁に沿わせて略楕円形状に湾曲形成され、繰り出される帯シートaがスムーズに案内されて初期ループを確実に形成できるように構成されている。そして、底板1cは繰り出された帯シートaの先端とロールa’に連続する部分が重なってループを形成できるように該底板1cに開設した開口12を挟む始端と終端は上下方向にずらして取り付けられており、更に底板1cの始端側の上方における側板1a,1bの内面にはストッパ13が取り付けられ、帯シートaの先端が位置決めされるように構成されている。
叉、上記ガイド1の窓孔の下側孔縁は商品Wの載置部として機能する。尚、前後の側板に開設する窓孔の形状は長方形状に限定されず、商品の出し入れに支障とならなければ形状は任意である。
【0022】
前記ガイド1の側方に配置した帯シートロールa’の装填部2は、帯掛けの材料となるテープ状の帯シートがロール状に巻かれたロールa’を装填する場所で、中央には帯シートを前記ガイドに向けて繰り出す方向には自由回転し、逆方向には帯シートロールを一体化して駆動回転する一方向クラッチ内蔵の回転軸14が取り付けられており、その回転軸14はモータ15で駆動するように構成されている。この帯シートロールa’がモータ15で逆回転されることで、後述するフィード部5の逆回転による帯シートの引き戻し分を帯シートロールa’に巻き取られる。叉、この装填部2の前面には開閉自在な扉(図示省略)が取り付けられ、帯シートにゴミや埃などが付着しないように構成されている。尚、回転軸14には帯シートが引き出される方向の回転に対して過剰回転を防止する摩擦板ブレーキ構造16が装備されている。
上記帯シートaの材質としてはポリプロピレンが好適であるが、これに限定されず例えば紙製テープでもよい。又、帯シートaの色は、白色、透明、カラー(白色を除く)の何れでもよい。
【0023】
上記装填部2に装填された帯シートロールa’の帯シートa先端部は本体ケースに取り付けたガイドローラ17及びガイド板17’を径由してフィード手段5に供給され、そのフィード手段5の作動で帯シートaは前記ガイド1内側に繰り出される。そして、前記ガイド板17’の途中にはラベル用紙を貼付する付着手段3が配置され、その付着手段3より下流側でフィード手段5より上流側にはラベル用紙が貼付された帯シートに印字を行う印字手段4が配置されている。
【0024】
付着手段3は帯シートが搬送される搬送路近傍に位置し、ロール状に巻いた台紙b’の外側にラベル用紙bを剥離可能に貼付したラベルロールb”と、台紙巻取りリール18と、台紙b’からラベル用紙bを剥離するディスペンサ19と、そのディスペンサ19より下流側に台紙b’から剥離したラベル用紙bを帯シートaに対して貼付するために押え付ける押え部材20が配置されて構成され、前記台紙巻取りリール18がモータ21で駆動回転されることで、ラベルロールb”からラベル用紙bを貼着した台紙b’が引き出されるように構成されている。
そして、ディスペンサ19で台紙b’から剥離されたラベル用紙bは、粘着面を帯シートaに付着して該帯シートaと共に搬送され、その付着状態(貼付状態)をより確実なものとする為に押え部材20で押え付けられる。
その押さえ部材20としては、図4(b)に示す平板部材で構成した押圧ガイド20a、或いは図4(c)に示す押圧ローラ20b等、何れでもよい。
【0025】
上記ラベル用紙bは、熱を加えると発色する感熱発色ラベルで、本実施例では熱を加えると黒色に変色するものを使用する。但し、黒色に変色するものに限定するものではなく、黒色に近い色に変色するものであれば、印字手段4のインクリボンの色が例えば赤色や黄色や白色で、これらの色と混ざった場合でも、赤色発光ダイオードや赤色半導体レーザーのバーコードスキャナーで読み取りが可能となる。
【0026】
ラベル用紙が貼付された帯シートに商品情報を印字する印字手段4は、カラーインクリボン22と、サーマルヘッド23と、プラテンローラ24と、前記プラテンローラ24を駆動回転させるステッピングモータ25と、プラテンローラ24を上下移動させる移動機構26とで構成され、前記サーマルヘッド23とプラテンローラ24とは対向して配置されている。これにより、帯シートaに商品に関する所定項目が印字され、ラベル用紙bにバーコード(例えば、JANコード)が印字される。つまり、付着手段3にて、帯シートaにラベル用紙bが貼付されてから印字手段4にて帯シートa及びラベル用紙b上への印字がされるので、付着手段3の位置は、帯シートaの搬送路近傍で印字手段4より上流であればよい。尚、帯シートa及びラベル用紙bへの印字は、帯シートの先端からの長さによって管理制御される。この点については後段で説明する。
【0027】
前記印字手段4のサーマルヘッド23は、図示を省略するが一般的に複数の発熱抵抗素子が所定の密度(解像度)で並設され、各発熱抵抗素子が幅方向に並んで転写画像の画素となり、発熱エネルギーの大きさが印画濃度となるように構成されている。
そして、サーマルヘッドの各発熱抵抗素子には電極が接続され、サーマルヘッドコントローラ64を介して前記各発熱抵抗素子への給電が制御され、各画素の熱エネルギー、即ち印画濃度を変更調整可能に構成されている。
【0028】
上記カラーインクリボン22としては、前記ラベル用紙bの感熱発色ラベルにサーマルヘッドから加えられる熱エネルギーで該感熱発色ラベルが黒色又は黒色に近い色に発色し、その発色した黒色又は黒色に近い色と、ラベルの上部から熱せられたカラーインクリボンの色が混ざった色で印字(以下、混色印字という)されても、赤色のレーザー光線で読み取りが可能な色のカラーインクリボンを使用する。
前記ラベル用紙の感熱発色ラベルに印字するバーコードは、通常、波長が630ナノメーターの赤色ダイオードなどの赤色のレーザー光線で読み取られる。そして、バー(黒)の部分が赤色光のレーザー光線を吸収し、背景の部分(白バー)が赤色光のレーザー光線を反射することによって認識される。しかし、以下に示す色は赤色光のレーザー光線に近い波長である為、赤色光を吸収せず、読み取りが不能になる。
読まないインクリボンの色:白色、灰色、黄色、赤色、橙色
読み難いインクリボンの色:紫色、茶色、金色、銀色
読み取るインクリボンの色:緑色、青色、黄緑色、黒色
尚、前記ラベル用紙の感熱発色ラベルに印字する印字データは、バーコードに限らず、例えばイメージデータやPOPデータ、その他価格等の商品データを印字するようにしてもよい。
【0029】
叉、上記印字手段4におけるプラテンローラ24は、断面略コ字型に形成したプラテンローラ支持枠27の一側に回転自在に横架支持され、そのプラテンローラ支持枠27の他端側はフレーム28に軸29で上下回動可能に支持されており、更に前記プラテンローラ支持枠27内に支持されたプラテンローラ24の軸部はフレームに開設した円弧案内孔30に嵌挿され、軸29を中心としたプラテンローラ24の上下動が円弧案内孔30によって案内されるように構成されている。
そして、プラテンローラ24をサーマルヘッド23に対して接離させる移動機構26は、前記フレーム28に横架した軸31に前記プラテンローラ支持枠27を下方に押し下げる押圧片32を固着し、軸31の回転による押圧片32の下向き回動で前記プラテンローラ支持枠27が軸29を中心として下方に押し下げられることでプラテンローラ24がサーマルヘッド23に押し付けられる。そして、前記押圧片32を軸着した軸31の回転は、モータ33の回転軸と該軸31とを複数のリンク片34で連結し、モータ33の回転が軸31に伝達されるように構成されている。
【0030】
叉、前記押圧片32を固着した軸31の端部にはプラテンローラ24がサーマルヘッド23に対する接離(開閉)を検出するフラグ35が取り付けられており、そのフラグ35の回動軌跡上にセンサ36,36’が配置されている。更に、プラテンローラ24をサーマルヘッド23に対して当接させる動作は前記したモータ33の回転により行われるが、プラテンローラ24をサーマルヘッド23から離反させる動作は、前記プラテンローラ支持枠27とフレーム28とに亘って引張りバネ37を張設し、この引張りバネ37の張力でプラテンローラ支持枠27が上方に引き上げられ、プラテンローラ24がサーマルヘッド23から離反される。プラテンローラ24の離反は、前記モータ33の回転により押圧片32がプラテンローラ支持枠27から離れる上向き方向に回動された時、前記引張りバネ37が機能して行われる。
尚、押圧片32を固着した軸31の前面側端部には操作レバー38が取り付けられ、手動操作で押圧片32によるプラテンローラ支持枠27の押圧を解除できるように構成されている。
【0031】
上記印字手段4で所定事項(品名、値段等)の印字Pが行われた帯シートaをガイド1側に供給するフィード手段5は、上下一対のフィードローラ5a,5bで構成され、下側のフィードローラ5bは定位置に支持され、上側のフィードローラ5aは下側のフィードローラ5bに対して接離するよう上下回動可能に支持されている。
そして、下側のフィードローラ5bはモータ5cによって駆動回転するように構成され、上側のフィードローラ5aは前記印字部4におけるプラテンローラ24の上下動(接離動)に連繋して下側のフィードローラ5bに対する接近/離反が切り換わるように構成されている。即ち、印字手段4のプラテンローラ24がサーマルヘッド23に接近する印字状態時は上側のフィードローラ5aは下側のフィードローラ5bから離反し、印字手段4のプラテンローラ24がサーマルヘッド23から離反する時は上側のフィードローラ5aは下側のフィードローラ5bと接触するように構成されている。
この上側のフィードローラ5aが下側のフィードローラ5bと接触し、上下のフィードローラ5a,5bによって帯シートaが挾着され、下側のフィードローラ5bが正転方向(時計回り方向)に駆動回転することで帯シートaはガイド1に向けて送り出され、逆転方向(反時計回り方向)に駆動回転することで帯シート1は引き戻される。
【0032】
上側のフィードローラ5aは、矩形状の枠体39に回転可能に横架支持され、その枠体39はフレーム28に対し軸40で上下回動可能に軸支されている。枠体39の回動支点となる軸40の位置は、上側のフィードローラ5aが下方に回動して下側のフィードローラ5bと接触する接点が下側のフィードローラの軸芯を通る鉛直線上となる位置とする。
そして、この前記枠体39は、該枠体39の側近でフレーム28に回動自在に軸支した押圧カム41によって下方に回動されるように構成されている。
上記押圧カム41の回動は、前記印字手段4における押圧片32を固着した軸31と押圧カム41とをリンク42で連結し、軸31の回動により押圧カム41がリンク42を介して揺動されるように構成されている(図4(a)参照)。尚、上側のフィードローラ5aを保持した枠体39の上方への回動(フィードローラの離反)は、前記押圧カム41による枠体39の押圧が解除された時、付勢手段64によって軸40を中心として上方に回動することで離反される。
【0033】
上記フィード手段5の下流側で前記ガイドの下側位置には、前記ガイド1内に供給した帯シートaを該ガイド1の内面に沿って案内し、初期ループを形成し、その後ガイド内に載置した商品Wの外周面に沿うように初期ループを絞って縮径し、帯シートaの先端部と重なり合う部分を熱溶着し、且つ帯シートロールa’に繋がる帯シートaを切断する溶着部6、カッタ7、及びこれら溶着部6とカッタ7を上下駆動する駆動部8が配置されている。
【0034】
上記溶着部6は、前記ガイド1の窓孔11における下側の底板1cの開口12内に、帯シートの繰り出し方向に向かい所定間隔をおいて鉛直に起立配置した第1押え板43,第2押え板44と、その第1押え板43と第2押え板44との間に配置した熱溶着板45と、これら第1押え板43、第2押え板44及び熱溶着板45の真上位置にガイド1の側方から出没自在に配置した受け板46とで構成されている。
そして、前記フィード手段5寄りに配置した第1押え板43には上端面より僅か下方位置に帯シートaが嵌挿される通孔47が開設されており、フィード手段5の作動で繰り出される帯シートaの先端はこの通孔47を通ってガイド1に供給される。その為に、第1押え板43より下流側に配置される第2押え板44の上端は前記第1押え板43の通孔47の下側孔縁と面一か或いは下側孔縁より下方となるように配置されている。
叉、第1押え板43と第2押え板44との間に配置する熱溶着板45は、第1押え板43と第2押え板44で帯シートaを押えた後熱溶着する為、該熱溶着板45の上端は第2押え板44の上端より下方に位置されている。
【0035】
前記第1押え板43と熱溶着板45の上端面を受け止める受け板46は、前記ガイド1の側方(裏側)に該ガイドと直交して配置され、且つその受け板46の上面はガイド1の窓孔11の下側孔縁と面一に保持され、ガイド1内に突出して商品載置面を形成する。そして、この受け板46とガイド1の底板1cとで区画される通路(空間)に帯シートaの先端部が嵌入し、その帯シートaの先端部は前記開口12より下流側における側板1a,1bの内面に突出形成したストッパ13に衝合して先端の位置決めが行われる。
【0036】
カッタ7は、帯シートaの重合部を熱溶着してループを完成させた後、そのループに連続する帯シートを溶着部近傍で切断するもので、前記第1押え板43と熱溶着板45との間に挾着配置され、且つ前記第1押え板43の側面に沿って該第1押え板43の通孔47を越える位置まで上下することで、該通孔47を貫通している帯シートaは第1押え板43の通孔47の孔縁とカッタ7によるせん断作用で切断されるように構成されている。
【0037】
上記した溶着部6とカッタ7を上下駆動する駆動部8は、モータ48とカム機構49とで構成され、カム機構49はカムやリンク機構を前記第1押え板43、第2押え板44、熱溶着板45、カッタ7に連結し、更に前記第1押え板43、第2押え板44、熱溶着板45とカッタ7が順次時間差をおいて上下作動するように構成されている。そして、カム機構49の動作を制御する為に該カムを回転する軸に回転板51を固着し、回転板51の外周所定箇所に設けた原点をカム原点センサ52で検知し、駆動部8が制御されるようになっている。
【0038】
叉、前記ガイド1の帯シートaの先端が位置決め停止される位置より手前側(上流側)の所定位置には、帯掛けする為に供給される帯シートaの先端部が所定位置に到達したことを検出する帯シート先端検出センサ(停止センサ)53が配置されている。この帯シート先端検出センサ53の検出信号により前記帯シートaを繰り出すフィード手段5の駆動が停止され、再度駆動して帯シートaの先端がストッパに当接するまでの繰り出しが制御されている。
更に、前記ガイド1における商品Wが載置される位置の線上外側には、商品検出センサ54が設置され、ガイド1内の所定位置に商品Wが置かれているか否かが検出されるようになっており、商品Wが検出されると前記フィード手段5が起動し、帯シートaの引き戻しを開始するようになっている。
【0039】
図5は、上記の如く構成した帯掛け装置Aの帯掛けの作動を制御する制御部と、帯掛けの帯シートaに印字を行う印字部の電気的構成を示すブロック図である。
帯掛制御部55は、通信用INFを介して印字制御部56と接続され相互に交信できるようにしてあり、各制御部55,56は、マイクロコンピュータで構成されるCPU(中央処理装置)57,61により制御される。
CPU57には、バス57aを介してROM58、RAM59、帯掛機構駆動部60、帯シート先端検出センサ(停止センサ)53、商品検出センサ54、カム原点センサ52、付着手段(ラベル発行部)3が接続されている。
ROM58は、CPU57が実行する制御プログラムが格納されており、RAM59には、CPU57とCPU61との通信データ等を一時記憶するエリアである。
【0040】
前記帯掛機構駆動部60としては、溶着部6の熱溶着板45への通電のON/OFF、プラテンローラ22及び上側フィードローラ5aの開閉駆動モータ33、下側フィードローラ5bの駆動用モータ5c、帯シート巻取り駆動用モータ15、溶着切断手段6及びカッタ7の上下駆動用モータ48、プラテンローラ駆動用モータ25が挙げられ、これ等の駆動/停止が制御される。
【0041】
印字制御部56のCPU61には、バス61aを介してROM62、RAM63、表示操作部9、キー操作部10、印字手段4のサーマルヘッド(発熱抵抗素子)23への給電をコントロールするサーマルヘッドコントローラ64が接続されている。
ROM62は、CPU61が実行する制御プログラムが格納されており、RAM63には商品毎の品名等の商品情報を記憶しておく商品ファイル(図9参照)、トレイに関する各種データを記憶しておくトレイファイル(不図示)、帯掛けの帯シート(ラベルを含む)に商品に関する所定の項目を印字する為の印字位置情報を記憶しておく印字フォーマットファイル(図10参照)等のファイルが記憶されている。
表示操作部9は、タッチパネルで構成されており、CPU61の指令に基づいて入力データの表示、プリセットデータの表示、各種メッセージの表示を行うものである。
キー操作部10は、装置の起動、停止等のための各種スイッチ及びデータの入力等を行うキーボードからなる。
【0042】
前記RAM63に記憶される商品ファイルは、図9に示すように、品番(商品番号)、品名、値段、バーコード、POP、印字フォーマット番号等が設けられており、品番を特定することで、各商品を特定することができる(特定手段)。
【0043】
前記CPU61、ROM62、サーマルヘッドコントローラ64からなる制御ユニットは、前記熱エネルギーを、各発熱抵抗素子への電流値、電圧値、通電時間、通電パルス、通電パルス幅のうち少なくとも一つの項目を制御することによって変更調整することができる。
【0044】
上記サーマルヘッド23の熱エネルギーを変更調整する必要性は下記の理由による。
通常、前記感熱発色ラベルは感熱発色層の上に、表面をコーティング(保護)する為に水溶性樹脂等を塗布したり、或いは光沢を出す為に例えばアクリル樹脂が塗布されている。
一方、帯シートaは前記したように一般的にポリプロピレン製や紙製が多く使用されている。従って、帯シートaとラベル用紙(感熱発色ラベル)bにそれぞれ同じ熱エネルギーを加えた場合、ラベル用紙(感熱発色ラベル)の表面には光沢層やコーティング層が設けられているので、一般的にインクリボンにて熱転写印字した場合、帯シートaと感熱発色ラベルbに略同じ程度の印字濃度を得るためには、感熱発色ラベルbへ熱転写印字する場合の熱エネルギーは帯シートaへ熱転写印字する場合の熱エネルギーより高い熱エネルギーが必要となる。
よって、サーマルヘッドの熱エネルギーを、帯シートaにインクリボンにて直接印字するのに必要な値に合わせておき、ラベル用紙(感熱発色ラベル)bに印字するデータ(例えば、バーコード)を印字する場合には、例えば電流値を上げて熱エネルギーを高めることで、前記一般的な感熱発色ラベルを使用した場合でも、カラーインクリボンにより印字される帯シートaへの印字濃度と略同じ印字濃度で感熱発色ラベルに印字することができる。尚、ラベル用紙の感熱発色ラベルに特殊な加工を施して、帯シートに印字する場合の熱エネルギーと略同じ熱エネルギーで印字できるようにすることも可能で、その場合は印字の対象物が変わっても、サーマルヘッドの熱エネルギーを変更調整する必要はなくなる。
【0045】
印字フォーマットファイルは、図10(a)、(b)、(c)、(d)に示すように、印字フォーマット番号(識別子)毎に印字開始、印字項目(品名、値段、バーコード、POP等)毎の印字位置、及び印字項目毎のラベル貼付の有無を示すフラグ(ラベル貼付)等の印字位置情報が設定されており、印字位置は帯シートの先端からの距離、帯シートの幅に対する位置(帯シートの幅方向の一方端を基点O(0,0)とし、その基点から幅方向(X)、及び長手方向(Y)を始点として、そこからのX方向の幅(印字領域X幅)、Y方向の幅(印字領域Y幅)が設定されている。
印字位置Xは、対応項目の印字エリアについて、印字時における帯シートの進行方向と直交する方向における基点Oから印字開始位置のX座標を表し、ドット単位で示される値である。
印字位置Yは、対応項目の印字エリアについて、印字時における帯シートの進行方向における基点Oから印字開始位置のY座標を表し、ドット単位で示される値である。
印字領域X幅は、対応項目の印字エリアのX座標方向のドット数、印字領域Y幅は対応項目の印字エリアのY座標方向のドット数を表す。上記各ドット数は、キー操作部10の数字キーによる入力により任意の数字に設定することができる。また、本実施例では8ドット分が1mmに該当するようになっている。
尚、JANコード(バーコード)が帯シートにラベル用紙を貼付して印字する場合、JANコードの印字位置データが、ラベル用紙が貼着された位置と一致するよう貼付部を駆動する。
バーコードの印字項目に設定したラベル貼付の有無を示すフラグは、印字位置にラベル用紙が貼付されるように付着手段のステッピングモータを駆動させ、更に後述するフローチャートの(S12)にて、ラベル用紙b上に印字する際のサーマルヘッド23への熱エネルギー制御(切替)を兼ねている。
尚、ラベル貼付の有無を示すラベル貼付フラグは、印字フォーマットに設ける形態に限定されない。例えば、バーコードは必ずラベル用紙上に印字すると予め設定した場合、印字フォーマットにラベル貼付フラグは設けず、商品ファイルにバーコード情報が設定されていれば、ラベル貼付フラグが設定(ラベル貼付有)されていると判断するようにしてもよい。
【0046】
次に、帯シートaにラベル用紙(感熱発色ラベル)bを貼付し、帯シートaとラベル用紙bに印字し、その印字した帯シートで商品に帯掛けする動作の概略を図11のフローチャートに基づいて説明する。尚、以下の例では各商品に、印字位置情報の識別子である印字フォーマット番号が設定されており、商品が特定されることで当該商品の品名や値段などといった商品情報の印字位置情報が読み出される。
(S1)…帯シートaがセットされていることを確認し、オペレータにより電源スイッチがONされる。電源スイッチがONされるとCPU57は、溶着部6とカッタ部7を上下するカム機構49のカムが初期位置(カム原点センサ52を遮る)に戻るよう制御する。そして、フィード部5が作動して帯シートaの先端を所定位置まで繰り出し、駆動部8が作動してカム機構49が作動することでカッタ7が上昇し、受け板46がカッタ7の上方位置へ突出移動し、受け板46とカッタ7とで帯シートaが挟まれ、帯シートaが切断される。そして、CPU57はフィード手段5を逆回転させて前記帯シートaの切断先端部を該フィード手段5(上下一対のフィードローラの接点間に帯シートの先端が挟まれる位置)へ引き戻し、位置させるよう制御する。この位置が帯シートの初期位置である。尚、印字手段4のサーマルヘッド23とプラテンローラ24との接点からフィード手段5上の初期位置までの距離は装置構成時に決定される。本実施例では、この距離を40mmとする。
【0047】
(S2)…表示操作部9に表示された商品情報の商品ファイルから、オペレータの選択操作により、帯掛けする被帯掛け商品Wの品番が選択され(特定手段)、当該品番の商品情報が読み出される。
(S3)…スタートボタンがオペレータにより押される。
(S4)…(S2)で選択された品番に関連付けられている印字フォーマット番号の印字位置情報がRAM63の印字フォーマットファイルより読み出され(読み出し手段)、その読み出された品番の商品情報、印字位置情報がRAM63の他のエリアに一時記憶される。そして、RAM63の他のエリアに一時記憶された印字位置情報の印字開始データが40mmか否かをCPU61が判断する。つまり、該印字開始データから40mmを減算し、その値が“0(ゼロ)”かどうかを判断する。そして、その減算値(差分データ)を前記RAM63の他のエリアに一時記憶する。
(S5)…(S4)で読み出した印字位置情報に基づき、印字開始位置が合わされる。尚、前記印字位置情報には、印字開始データの他に、帯シートaに印字する項目毎に、印字位置の始点である幅方向(X)、長さ方向(Y)、その始点からのX方向の幅、Y方向の幅等のデータ、及びラベル貼付のフラグが設定されている(図10参照)。
(S4)で読み出した印字開始データが40mmでない場合、つまり40mm以上(本実施例では40mmが最小値)と判断された場合は、(S4)で一時記憶された印字位置情報の、印字開始データと初期位置である40mmとの差分データと、更にプラテン/フィードローラ開閉駆動モータ33を駆動させプラテンローラ24をサーマルヘッド23から離反させる信号とを、通信INFを介してCPU61(印字制御部)からCPU57(帯掛制御部)へ送信する。つまり40mm以上(本実施例では40mmが最小値)と判断された場合は、印字手段4のプラテンローラ24がサーマルヘッド23から離反するよう上昇する。
印字手段4のプラテンローラ24の上下動と、フィード手段5の上側のフィードローラ5aの上下動は相反する動きをするようリンク結合されているので、フィード部5の上側のフィードローラ5aは下降して下側のフィードローラ5bとで帯シートaを挟持し、(S4)でRAM59に一時記憶した印字開始データと40mmとの差分データ分だけ、フィード部5のフィードローラモータ5cを回転させる。例えば、印字開始データが60mmである場合は、フィードローラモータ5cの駆動で帯シートaの先端を初期位置から20mmだけ前方に繰り出し、印字手段4の位置から帯シートaの先端までの長さを60mmに合わせる。
【0048】
(S6)…(S4)でRAM63の他のエリアに一時記憶された印字位置情報に設定された各印字項目にラベル用紙(感熱発色ラベル)bを貼付するか否かを示すフラグ(1:貼付する、0:貼付しない)があるかをCPU61が判断する。YESの場合はS7に進む。
(S7)…RAM63からラベル貼付フラグに[1]が設定されている印字項目について、印字位置Yが読み出される。
(S8)…(S7)でRAM63に一時記憶された印字位置情報の印字位置Yのデータが70mm以上か否かをCPU61が判断する。ここで、70mmとは、サーマルヘッド23とラベル貼付部との間隔で、装置の機構的な理由によって決定される。70mmより小さい数値の場合は、ラベル貼付部よりも印字手段4寄りになる為、ラベル用紙を貼付することは物理的に不可能である。YESの場合は(S9)に進む。
(S9)…(S7)でRAM63から読み出された印字項目の印字位置Yの座標ドットから70mmに該当する560ドット分を減算し、その減算したデータと、プラテン/フィードローラ開閉駆動モータを駆動させプラテンローラをサーマルヘッドから離反させる信号とを、通信INFを介してCPU61からCPU57へ送信する。
【0049】
(S10)…(S5)で既に印字開始位置が合っているので、(S4)で一時記憶された印字位置情報にて印字を開始する。即ち、帯シートa上の所定位置にカラーインクリボン22の色で直接印字される(図6(a)、図7参照)。
(S11)…(S9)にて、帯掛制御部側で受信したデータはRAM59の一時記憶エリアに記憶される。そして、CPU57の制御により、(S9)で算出された距離分、ステッピングモータが回転してラベル用紙bを帯シートa上に貼付する。
(S12)…(S6)のラベル貼付フラグ[1]が設定されている印字項目の印字データが設定されている場合には、所定時間経過後にラベル用紙bが貼付された帯シート部分が印字手段4を通過するので、CPU61の制御により所定の情報、例えばバーコードがラベル用紙b上に印字される(図6(b)参照)。この時、サーマルヘッドコントローラ64を介してサーマルヘッド23の発熱抵抗素子への電流値を上げ、帯シートaに印字した時の熱エネルギーより熱エネルギーを高めて印字し、ラベル用紙bへの印字終了後、発熱抵抗素子への電流値を元に戻す。又、ラベル用紙bへの印字は、前記したようにカラーインクリボン22の色と感熱発色ラベルが発色した色(黒色又は黒色に近い色)が混ざった色で印字(混色印字)されるので、印字されたバーコードはバーコードスキャナー(赤色のレーザー光線)で読み取りが可能となる(図7参照)。
尚、(S6)でNOの場合は、(S13)に進み、ラベル用紙bは貼付されず、(S14)で帯シートa上に、CPU61の制御により、RAM63に記憶された印字フォーマットファイルと商品ファイルとに基づき印字手段4で所定項目の印字が行われる。(S8)の判断がNOの場合も同様である。
【0050】
上記構成により、搬送される帯シートa上にラベル用紙bが貼付され、貼付されたラベル用紙b上に所定事項が印字される。
(S15)…印字が終了したら、CPU57の制御により印字手段4のプラテンローラ24をサーマルヘッド23から離反させるモータを駆動させ、これによりプラテンローラ24がサーマルヘッド23から離反し、フィード手段5にて帯シートaを挟持する。
そして、フィード手段5により帯シートaが所定量繰り出され、ガイド1内の商品載置部に置かれた商品Wに帯シートaを帯掛けし、帯シートaを商品W外周に沿うように縮径させて商品Wへの帯掛け包装が完了する(図12(a)、(b)参照)。
以上のようにすることで、帯シートに感熱発色ラベルであるラベル用紙bを貼付することができ、さらに、黒色以外のカラーインクリボン1種類で、帯シートa上の印字色とラベル用紙(感熱発色ラベル)上の印字色を異ならせることができる。しかも、ラベル用紙(感熱発色ラベル)bに印字するデータがバーコードデータである場合は、カラーインクリボンの色がバーコードスキャナーで読み取ることが不可能な又は読み取り難い色であっても、該感熱発色ラベルの発色と混ざった色(混色)で印字される為、バーコードスキャナーでも読み取りが可能になる。
【0051】
上記の説明では、各商品に印字位置情報の識別子である印字フォーマット番号が設定されており、商品が特定されることで、当該商品の品名や値段等の印字位置情報が読み出されるような一例を示したがこれに限定されるものではない。例えば、商品が収納されるトレイのサイズ毎にトレイ番号を識別子として定まっているようなトレイファイルを有し、トレイ番号毎に帯掛け包装の際の帯シートを縮径する絞り量が割振られており、該トレイ番号が各商品(各品番)に設定されているようにしてもよい。これにより、商品が特定されることでトレイ番号も特定され、使用するトレイの大きさに合った帯シートの絞り量にて帯掛け包装をすることができる。
また、前記トレイファイルの各トレイ番号に前記印字フォーマット番号を設定するようにし、該トレイ番号を各商品(各品番)に設定するようにしてもよい。これにより、商品だけを特定することで、当該商品の品名等の商品情報、トレイ番号から特定される使用するトレイに合った絞り量、更には印字フォーマット番号にて特定される印字位置情報が読み出される。
更に、ラベル用紙(感熱発色ラベル)bに印字する内容は、バーコードデータに限定されず、イメージデータやPOPデータ等でもよいものである。
これにより、イメージデータやPOPデータを、インクリボンの色とは異なる色で表現することができるので、一種類のカラーインクリボンで同一の帯シートに複数の色の印字をすることができる。
【0052】
上記したフローチャートは、手動モードによる動作であるが、商品載置部近傍に商品センサ54を設け、その商品センサ54により商品Wが検知された時、起動するような自動モードを備えてもよいものである。
その自動モードの場合は、複数の同じ商品を帯掛け包装する場合に、包装する商品毎にスタートキーを操作しなくてよいという利点がある。
又、上記フローチャートの(S12)にて、ラベル貼付フラグ[1]で設定されている印字項目の印字データを印字する際、電流値を上げるようにしたが、帯シート上への印字と同じ熱エネルギーで同じ印字濃度が得られるような処理が施されている感熱発色ラベルを用いるようにしてもよい。
【0053】
本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で変更可能である。
(1)本実施例では帯シートでループを形成する為に環状のガイドを用いたが、ガイドを用いない帯掛け装置でもよいものである。叉、帯掛け装置の包装部の機構は問わない。
(2)本装置の商品載置部に計量装置を配置し、或いは計量装置を接続して、商品の重量を計測し、その計測した重量データを帯シートに印字するようにしてもよい。
(3)印字内容は問わない。被帯掛け商品の産地、添加物名、賞味期限、商品の原体を示す個体識別番号、商品に関する広告データやイメージデータ等を印字してもよい。
(4)本実施例で説明した感熱発色ラベルは熱を加えると黒色に発色するラベルにて説明したが、特に感熱発色ラベルにPOPデータやイメージデータを印字する場合は、前記黒色に発色する感熱ラベルに限定されるものではない。他の色に発色する感熱発色ラベルを使用することで、インクリボンの色と混色されて表現される色の幅を増やすことができる。
又、ラベルにバーコードを印字する場合であっても、インクリボンの色と熱発色する色とが混色して印字されるバーコードが読み取られる色であればよく、前記黒色に熱発色するラベルに限定されるものではない。
(5)ラベル貼付手段は一つにて説明したが、同一の帯シートにラベルを複数貼付できるようラベル貼付手段を複数設け、それぞれの貼付手段にて貼付されるラベルが異なる色に熱発色するラベルを用いることで、同一の帯シートに印字される色を更に多くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係る帯掛け装置の実施の一例を示す概略正面図。
【図2】同機構部の概略を示す平面図。
【図3】同機構部の概略を示す側面図。
【図4】(a)は帯シートにラベル用紙(不透明物質)を付着し印字する部分を示す拡大図、(b)は帯シートにラベル用紙を付着する部分が平板からなる押圧ガイドである例、(c)は帯シートにラベル用紙を付着する部分が押圧ローラである例を示す。
【図5】帯掛制御部と印字制御部の電気的構成を示すブロック図。
【図6】帯シート及びラベル用紙への印字状態を示し、(a)は帯シートへの印字、(b)はラベル用紙への印字。
【図7】帯シートとラベル用紙の印字色の相違を示す説明図。
【図8】帯シートに対する印字位置を示す説明図
【図9】商品ファイルの一例を示す説明図。
【図10】(a)〜(d)は印字フォーマットファイルの一例を示す説明図。
【図11】帯掛け動作を説明するフローチャートである。
【図12】(a)は帯掛けを完成した商品の斜視図、(b)は(a)図の(X)−(X)線に沿える断面図。
【符号の説明】
【0055】
A…帯掛け装置 a…帯シート
b…ラベル用紙(感熱発色ラベル) 1…ガイド
3…付着手段 4…印字手段
5…フィード手段 6…溶着部
7…カッタ 8…熱溶着部/カッタの上下駆動部
9…表示部 10…操作部
22…カラーインクリボン 23…サーマルヘッド
64…サーマルヘッドコントローラ W…商品
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯シートで蓋付きトレイの商品を巻き締める、所謂「帯掛け」する帯掛け装置に係り、更に詳しくは帯シートに、商品に関する情報等を印字する印字手段を備えた帯掛け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
帯シートに所定事項を印字し、その印字した帯シートで商品を帯掛けする帯掛け装置は既に知られている。そして、印字に使用するインクリボンが黒色で、しかも使用する帯シートが透明な場合、透明な帯シートの上にバーコードを黒色で印字した場合、帯シートの下にある商品の色によっては前記バーコードを読み取ることが出来ないという問題が生じる。
そこで、前記問題を解決する為に、帯シート上にラベル用紙(普通紙)を貼付し、そのラベル用紙の上にバーコード等を印字するようにした発明が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の帯掛け装置は、商品の外周に沿って帯シートをループ状に繰り出し、その帯シートの繰り出し中に該帯シートにラベル用紙(不透明部材)を貼付して帯シートおよびラベル用紙に所定事項を印字し、その印字した帯シートで商品を帯掛けするというものである。
しかして、この帯掛け装置は印字手段を構成するインクリボンの色が黒色で、しかも帯シートに貼付したラベル用紙(不透明部材)にバーコードを印字するようにした場合、バーコードはラベル用紙(不透明部材)上に黒色で印字される。
従って、帯シートが透明な材料であっても、POSレジスタのスキャナーで前記バーコードを読み取ることができる。
【0004】
しかし、昨今は帯シートに印字する色も黒色以外の色、例えば赤色で印字し、商品を購入しようとする消費者に対して訴求力をアップさせる試みがされている。
しかしながら、従来のように帯シートに普通紙のラベル用紙を貼付し、例えば赤色のインクリボンを用いて帯シートと帯シートに貼付されたラベル用紙上に印字を施し、しかもラベル用紙にバーコードを印字した場合、当然のことながらバーコードが赤色で印字されるので、POSレジスタのスキャナーで前記バーコードを読み取ることができなくなってしまうという問題が発生する。
【0005】
又、カラーのインクリボンを使用した場合、帯シート及び帯シートに貼付したラベル用紙に印字される全ての文字が同一の色になり、複数の色による表示は不可能であった。
従って、カラーのインクリボンを使用しても、そのインクリボンのカラーが表現されるだけであるため、消費者に対する訴求効果は期待できないのが実情である。
【0006】
複数の色による印字(表示)を行う方法としては、色の異なるインクリボンを備えた印字手段を複数組用意し、印字内容により作動する印字手段を適宜制御して印字する方法、或いは予め多色印刷したラベルを用意し、その印字済みラベルを帯シートに貼付する方法等が考えられる。しかし、前者の場合は印字手段が大掛かりとなり、装置全体が大型化し、高価なものとなるなどの問題点を有する。又、後者の場合は同じ商品を大量に帯掛けする場合に有効であるが、コンビニエンスストアーやスーパーマーケット等のように少量多品種の商品に帯掛けするものには不向きである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記した従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、黒色以外の一種類のカラーインクリボンを備えた単一の印字手段で、複数の色による印字がされた帯シートによる帯掛けができる帯掛け装置を提供することを目的とする。
又、他の目的は、黒色以外のカラーインクリボンを使用した場合でも、POSレジスタのスキャナーによる読み取りが可能なバーコード印字ができる帯掛け装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する為に本発明が講じた技術的手段は、帯シートを包装部に供給するフィード手段と、前記帯シートが繰り出される搬送路近傍に、前記帯シートにラベルを付着させる付着手段と、前記包装部と付着手段との間に配置され、前記帯シートに付着されたラベル上及び帯シート上に商品情報を設定された位置に印字する印字手段と、前記印字する商品情報を読み出す読み出し手段と、を備え、前記フィード手段で商品載置部を囲むように前記ラベルの貼付及び印字がされた帯シートをループ状に繰り出し、形成された初期ループを商品外周に沿うループに絞り、帯シートの先端部と重合する部分を接着し切断して帯掛け包装をする帯掛け装置において、
前記付着手段で帯シートに付着させるラベルが感熱発色ラベルで、前記印字手段は、その感熱発色ラベル上及び該感熱発色ラベルが付着されていない帯シート上に印字する白色を含む熱転写カラーインクリボンを用い加熱して印字する印字手段であることを特徴とする(請求項1)。
【0009】
本発明で言う「白色を含む熱転写カラーインクリボン」は、白色のインクリボンは含まれるが、黒色のインクリボンは含まれない。
上記帯シートは、合成樹脂製(例えば、ポリプロピレン製)、或いは紙製等、何れでもよい。又、使用する帯シートの色は、白色、透明、色付シートでもよい。
上記感熱発色ラベルは、熱を加えると黒色、又は黒色に近い色に発色するものであればよく、インクリボンの例えば赤色や黄色や白色と混色(インクリボンが溶けた色と、サーマルヘッドから加えられる熱エネルギーで感熱発色ラベルが発色する色とが混ざって表現される色)した場合でも、赤色発光ダイオードや赤色半導体レーザーのバーコードスキャナーで読み取り可能なものであればよい。
【0010】
上記手段によれば、サーマルヘッドから加えられる熱エネルギーによって感熱発色ラベルは発色し、また同時に前記感熱発色ラベルの上に積層配置する熱転写カラーインクリボンの色が溶けて前記感熱発色ラベル上に塗布され、感熱発色ラベルの発色した色と混色されてラベル上に表現される。従って、帯シート上には熱転写カラーインクリボンの色の印字がされ、感熱発色ラベル上には熱転写カラーインクリボンの色とは異なる混色された色の印字が行われる。よって、印字手段で複数の色の印字が可能となる。
【0011】
前記感熱発色ラベル上に印字する商品情報としては、イメージデータやPOPデータ等何れでもよいが、特にバーコード情報を印字するように設定する(請求項2)。
上記バーコード情報は、一般的なバーコード(JANコード、ITF、CODE39・CODE128等)に限らず、2次元コード(QRコード、Data Matrix等)も含むものとする。
【0012】
上記手段によれば、バーコード情報を、熱転写カラーインクリボンの色と感熱発色ラベルにより発色する色とが混色した色で印字することができる。例えば、熱転写カラーインクリボンの色が赤色である場合、そのインクリボンの赤色と感熱発色ラベルが発色した黒色又は黒色に近い色とが混色した茶色又はこげ茶色で印字することができる。それにより、通常、赤色ダイオード等の赤色レーザー光線では読み取らないインクリボンの色(白色、灰色、赤色、黄色、橙色等)であっても、読取装置(例えば、POSレジスタのスキャナー)による読み取りが可能となる。
【0013】
又、前記感熱発色ラベルの印字領域と、それ以外の印字領域(帯シートの印字領域)とで前記印字手段のサーマルヘッドの熱エネルギー(出力)を制御してもよい(請求項3)。
通常、感熱発色ラベルは感熱発色層の上に、表面をコーティングする為に水溶性樹脂等を塗布したり、或いは光沢を出す為に例えばアクリル樹脂が塗布されている。一方、帯シートは、例えばポリプロピレン製や紙製が多く採用されている。従って、表面の材質が異なる帯シートと感熱発色ラベルに同じレベルの熱エネルギーを加えた場合、感熱発色ラベルの表面にはコーティング層や光沢層が設けられているため、インクリボンにて熱転写印字した場合、一般的に同じ程度の印字濃度を得るためには感熱発色ラベルの方が帯シートに比べてより高い熱エネルギーが必要になる。
【0014】
従って、上記熱エネルギーの制御としては、基準の熱エネルギーを帯シートへの印字に設定し、感熱発色ラベルに印字する場合に熱エネルギーを高く変更する(例えば、電流値を上げる)、或いは基準の熱エネルギーを感熱発色ラベルへの印字に設定し、帯シートに印字する場合に熱エネルギーを低く変更する(例えば、電流値を下げる)、又は帯シートに印字する熱エネルギーと同じ熱エネルギーで発色可能な感熱発色ラベルを用い、熱エネルギーを一定にするなどが挙げられる。
【0015】
そして、前記感熱発色ラベルとして表面にコーティング層や光沢層を有した感熱発色ラベルを使用した場合、該ラベルに印字するタイミングで前記印字手段のサーマルヘッドの熱エネルギーの出力を上げるようにする(請求項4)。
上記印字手段のサーマルヘッドの熱エネルギーの出力を上げるタイミングは、感熱発色ラベル貼付の有無によって判断する。感熱発色ラベル貼付の有無は、例えば商品ファイル、印字フォーマットファイル等のラベル貼付の有無を示すフラグで判断する。
【0016】
上記手段によれば、感熱発色ラベルを貼付すると判断されると、該ラベルが貼付されるタイミングで感熱発色ラベルが貼付されるよう付着手段を起動し、且つ、感熱発色ラベルに印字するタイミングに合わせてサーマルヘッドへの熱エネルギーが制御される。従って、帯シート上への印字濃度と同じ濃度の印字を感熱発色ラベル上に行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の帯掛け装置は請求項1記載の構成により、1種類のインクリボンによって、帯シート上への印字(インクリボンの色)と感熱発色ラベル上への印字(インクリボンの色と感熱発色ラベルが発色した色の混色)の色を変えて印字することができる。即ち、一種類のカラーインクリボンで、同一の帯シートに複数の色の印字をすることができる。しかも、その構成は、インクリボンとしてカラーインクリボンを用い、ラベル用紙として感熱発色ラベルを使用することで簡単にできるため、製作及び経済性においても有益である。
【0018】
又、請求項2記載の構成により、バーコード情報を、インクリボンの色と感熱発色ラベルにより発色する色とが混色した色で印字できる為、インクリボンの色が読取装置で読み取りが困難な色であっても、読取装置による読み取りを可能とするバーコード情報が印字された帯掛けを行うことができる。
【0019】
更に、請求項3記載の構成により、帯シートの印字領域と該帯シートに貼付した感熱発色ラベルの印字領域の印字濃度を、同じ濃度、或いは違った濃度に簡単に変更調整することができる。
又、請求項4記載の構成により、帯シートへの印字濃度と同じ濃度の印字を感熱発色ラベルに簡単に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係る帯掛け装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1乃至図3は帯シートで商品に帯掛け包装をする帯掛け装置Aの概略を示し、該装置は商品Wの周りに帯シートaを周回させるための初期ループを形成する環状のガイド1と、そのガイド1の側方に配置した帯シートロールa’の装填部2と、前記帯シートaにバーコード印字用のラベル用紙bを貼付する付着手段(ラベル貼付部)3と、前記帯シートaに貼付されたラベル用紙b及び帯シートaに商品情報を印字する印字手段4と、商品情報が印字された帯シートを前記環状のガイド1内面に沿って繰り出し及び引き戻すフィード手段5と、初期ループ状態から帯シートの後端側を引き戻して商品Wの外周に沿うループ形状に縮径して帯シートの先端部と重合部を熱溶着する溶着部6と帯シートを切断するカッタ7、及びこれら溶着部6とカッタ7を上下駆動する駆動部8と、更に商品情報等が表示される表示部9と、操作部10とで構成されている。
【0021】
上記環状のガイド1は、商品Wの出し入れに供する正面略長方形状の窓孔11を開設した前後一対の側板1a,1bと、その前後の側板1a,1bを帯シートaのテープ幅よりやや広い間隔を置いて対峙させ、且つ前記窓孔の開口縁より所定寸法外側に入った位置に沿って周方向に回した底板1cとで構成され、底板1cの表面が帯シートaの案内面として作用する。そして、底板1cは窓孔の孔縁に沿わせて略楕円形状に湾曲形成され、繰り出される帯シートaがスムーズに案内されて初期ループを確実に形成できるように構成されている。そして、底板1cは繰り出された帯シートaの先端とロールa’に連続する部分が重なってループを形成できるように該底板1cに開設した開口12を挟む始端と終端は上下方向にずらして取り付けられており、更に底板1cの始端側の上方における側板1a,1bの内面にはストッパ13が取り付けられ、帯シートaの先端が位置決めされるように構成されている。
叉、上記ガイド1の窓孔の下側孔縁は商品Wの載置部として機能する。尚、前後の側板に開設する窓孔の形状は長方形状に限定されず、商品の出し入れに支障とならなければ形状は任意である。
【0022】
前記ガイド1の側方に配置した帯シートロールa’の装填部2は、帯掛けの材料となるテープ状の帯シートがロール状に巻かれたロールa’を装填する場所で、中央には帯シートを前記ガイドに向けて繰り出す方向には自由回転し、逆方向には帯シートロールを一体化して駆動回転する一方向クラッチ内蔵の回転軸14が取り付けられており、その回転軸14はモータ15で駆動するように構成されている。この帯シートロールa’がモータ15で逆回転されることで、後述するフィード部5の逆回転による帯シートの引き戻し分を帯シートロールa’に巻き取られる。叉、この装填部2の前面には開閉自在な扉(図示省略)が取り付けられ、帯シートにゴミや埃などが付着しないように構成されている。尚、回転軸14には帯シートが引き出される方向の回転に対して過剰回転を防止する摩擦板ブレーキ構造16が装備されている。
上記帯シートaの材質としてはポリプロピレンが好適であるが、これに限定されず例えば紙製テープでもよい。又、帯シートaの色は、白色、透明、カラー(白色を除く)の何れでもよい。
【0023】
上記装填部2に装填された帯シートロールa’の帯シートa先端部は本体ケースに取り付けたガイドローラ17及びガイド板17’を径由してフィード手段5に供給され、そのフィード手段5の作動で帯シートaは前記ガイド1内側に繰り出される。そして、前記ガイド板17’の途中にはラベル用紙を貼付する付着手段3が配置され、その付着手段3より下流側でフィード手段5より上流側にはラベル用紙が貼付された帯シートに印字を行う印字手段4が配置されている。
【0024】
付着手段3は帯シートが搬送される搬送路近傍に位置し、ロール状に巻いた台紙b’の外側にラベル用紙bを剥離可能に貼付したラベルロールb”と、台紙巻取りリール18と、台紙b’からラベル用紙bを剥離するディスペンサ19と、そのディスペンサ19より下流側に台紙b’から剥離したラベル用紙bを帯シートaに対して貼付するために押え付ける押え部材20が配置されて構成され、前記台紙巻取りリール18がモータ21で駆動回転されることで、ラベルロールb”からラベル用紙bを貼着した台紙b’が引き出されるように構成されている。
そして、ディスペンサ19で台紙b’から剥離されたラベル用紙bは、粘着面を帯シートaに付着して該帯シートaと共に搬送され、その付着状態(貼付状態)をより確実なものとする為に押え部材20で押え付けられる。
その押さえ部材20としては、図4(b)に示す平板部材で構成した押圧ガイド20a、或いは図4(c)に示す押圧ローラ20b等、何れでもよい。
【0025】
上記ラベル用紙bは、熱を加えると発色する感熱発色ラベルで、本実施例では熱を加えると黒色に変色するものを使用する。但し、黒色に変色するものに限定するものではなく、黒色に近い色に変色するものであれば、印字手段4のインクリボンの色が例えば赤色や黄色や白色で、これらの色と混ざった場合でも、赤色発光ダイオードや赤色半導体レーザーのバーコードスキャナーで読み取りが可能となる。
【0026】
ラベル用紙が貼付された帯シートに商品情報を印字する印字手段4は、カラーインクリボン22と、サーマルヘッド23と、プラテンローラ24と、前記プラテンローラ24を駆動回転させるステッピングモータ25と、プラテンローラ24を上下移動させる移動機構26とで構成され、前記サーマルヘッド23とプラテンローラ24とは対向して配置されている。これにより、帯シートaに商品に関する所定項目が印字され、ラベル用紙bにバーコード(例えば、JANコード)が印字される。つまり、付着手段3にて、帯シートaにラベル用紙bが貼付されてから印字手段4にて帯シートa及びラベル用紙b上への印字がされるので、付着手段3の位置は、帯シートaの搬送路近傍で印字手段4より上流であればよい。尚、帯シートa及びラベル用紙bへの印字は、帯シートの先端からの長さによって管理制御される。この点については後段で説明する。
【0027】
前記印字手段4のサーマルヘッド23は、図示を省略するが一般的に複数の発熱抵抗素子が所定の密度(解像度)で並設され、各発熱抵抗素子が幅方向に並んで転写画像の画素となり、発熱エネルギーの大きさが印画濃度となるように構成されている。
そして、サーマルヘッドの各発熱抵抗素子には電極が接続され、サーマルヘッドコントローラ64を介して前記各発熱抵抗素子への給電が制御され、各画素の熱エネルギー、即ち印画濃度を変更調整可能に構成されている。
【0028】
上記カラーインクリボン22としては、前記ラベル用紙bの感熱発色ラベルにサーマルヘッドから加えられる熱エネルギーで該感熱発色ラベルが黒色又は黒色に近い色に発色し、その発色した黒色又は黒色に近い色と、ラベルの上部から熱せられたカラーインクリボンの色が混ざった色で印字(以下、混色印字という)されても、赤色のレーザー光線で読み取りが可能な色のカラーインクリボンを使用する。
前記ラベル用紙の感熱発色ラベルに印字するバーコードは、通常、波長が630ナノメーターの赤色ダイオードなどの赤色のレーザー光線で読み取られる。そして、バー(黒)の部分が赤色光のレーザー光線を吸収し、背景の部分(白バー)が赤色光のレーザー光線を反射することによって認識される。しかし、以下に示す色は赤色光のレーザー光線に近い波長である為、赤色光を吸収せず、読み取りが不能になる。
読まないインクリボンの色:白色、灰色、黄色、赤色、橙色
読み難いインクリボンの色:紫色、茶色、金色、銀色
読み取るインクリボンの色:緑色、青色、黄緑色、黒色
尚、前記ラベル用紙の感熱発色ラベルに印字する印字データは、バーコードに限らず、例えばイメージデータやPOPデータ、その他価格等の商品データを印字するようにしてもよい。
【0029】
叉、上記印字手段4におけるプラテンローラ24は、断面略コ字型に形成したプラテンローラ支持枠27の一側に回転自在に横架支持され、そのプラテンローラ支持枠27の他端側はフレーム28に軸29で上下回動可能に支持されており、更に前記プラテンローラ支持枠27内に支持されたプラテンローラ24の軸部はフレームに開設した円弧案内孔30に嵌挿され、軸29を中心としたプラテンローラ24の上下動が円弧案内孔30によって案内されるように構成されている。
そして、プラテンローラ24をサーマルヘッド23に対して接離させる移動機構26は、前記フレーム28に横架した軸31に前記プラテンローラ支持枠27を下方に押し下げる押圧片32を固着し、軸31の回転による押圧片32の下向き回動で前記プラテンローラ支持枠27が軸29を中心として下方に押し下げられることでプラテンローラ24がサーマルヘッド23に押し付けられる。そして、前記押圧片32を軸着した軸31の回転は、モータ33の回転軸と該軸31とを複数のリンク片34で連結し、モータ33の回転が軸31に伝達されるように構成されている。
【0030】
叉、前記押圧片32を固着した軸31の端部にはプラテンローラ24がサーマルヘッド23に対する接離(開閉)を検出するフラグ35が取り付けられており、そのフラグ35の回動軌跡上にセンサ36,36’が配置されている。更に、プラテンローラ24をサーマルヘッド23に対して当接させる動作は前記したモータ33の回転により行われるが、プラテンローラ24をサーマルヘッド23から離反させる動作は、前記プラテンローラ支持枠27とフレーム28とに亘って引張りバネ37を張設し、この引張りバネ37の張力でプラテンローラ支持枠27が上方に引き上げられ、プラテンローラ24がサーマルヘッド23から離反される。プラテンローラ24の離反は、前記モータ33の回転により押圧片32がプラテンローラ支持枠27から離れる上向き方向に回動された時、前記引張りバネ37が機能して行われる。
尚、押圧片32を固着した軸31の前面側端部には操作レバー38が取り付けられ、手動操作で押圧片32によるプラテンローラ支持枠27の押圧を解除できるように構成されている。
【0031】
上記印字手段4で所定事項(品名、値段等)の印字Pが行われた帯シートaをガイド1側に供給するフィード手段5は、上下一対のフィードローラ5a,5bで構成され、下側のフィードローラ5bは定位置に支持され、上側のフィードローラ5aは下側のフィードローラ5bに対して接離するよう上下回動可能に支持されている。
そして、下側のフィードローラ5bはモータ5cによって駆動回転するように構成され、上側のフィードローラ5aは前記印字部4におけるプラテンローラ24の上下動(接離動)に連繋して下側のフィードローラ5bに対する接近/離反が切り換わるように構成されている。即ち、印字手段4のプラテンローラ24がサーマルヘッド23に接近する印字状態時は上側のフィードローラ5aは下側のフィードローラ5bから離反し、印字手段4のプラテンローラ24がサーマルヘッド23から離反する時は上側のフィードローラ5aは下側のフィードローラ5bと接触するように構成されている。
この上側のフィードローラ5aが下側のフィードローラ5bと接触し、上下のフィードローラ5a,5bによって帯シートaが挾着され、下側のフィードローラ5bが正転方向(時計回り方向)に駆動回転することで帯シートaはガイド1に向けて送り出され、逆転方向(反時計回り方向)に駆動回転することで帯シート1は引き戻される。
【0032】
上側のフィードローラ5aは、矩形状の枠体39に回転可能に横架支持され、その枠体39はフレーム28に対し軸40で上下回動可能に軸支されている。枠体39の回動支点となる軸40の位置は、上側のフィードローラ5aが下方に回動して下側のフィードローラ5bと接触する接点が下側のフィードローラの軸芯を通る鉛直線上となる位置とする。
そして、この前記枠体39は、該枠体39の側近でフレーム28に回動自在に軸支した押圧カム41によって下方に回動されるように構成されている。
上記押圧カム41の回動は、前記印字手段4における押圧片32を固着した軸31と押圧カム41とをリンク42で連結し、軸31の回動により押圧カム41がリンク42を介して揺動されるように構成されている(図4(a)参照)。尚、上側のフィードローラ5aを保持した枠体39の上方への回動(フィードローラの離反)は、前記押圧カム41による枠体39の押圧が解除された時、付勢手段64によって軸40を中心として上方に回動することで離反される。
【0033】
上記フィード手段5の下流側で前記ガイドの下側位置には、前記ガイド1内に供給した帯シートaを該ガイド1の内面に沿って案内し、初期ループを形成し、その後ガイド内に載置した商品Wの外周面に沿うように初期ループを絞って縮径し、帯シートaの先端部と重なり合う部分を熱溶着し、且つ帯シートロールa’に繋がる帯シートaを切断する溶着部6、カッタ7、及びこれら溶着部6とカッタ7を上下駆動する駆動部8が配置されている。
【0034】
上記溶着部6は、前記ガイド1の窓孔11における下側の底板1cの開口12内に、帯シートの繰り出し方向に向かい所定間隔をおいて鉛直に起立配置した第1押え板43,第2押え板44と、その第1押え板43と第2押え板44との間に配置した熱溶着板45と、これら第1押え板43、第2押え板44及び熱溶着板45の真上位置にガイド1の側方から出没自在に配置した受け板46とで構成されている。
そして、前記フィード手段5寄りに配置した第1押え板43には上端面より僅か下方位置に帯シートaが嵌挿される通孔47が開設されており、フィード手段5の作動で繰り出される帯シートaの先端はこの通孔47を通ってガイド1に供給される。その為に、第1押え板43より下流側に配置される第2押え板44の上端は前記第1押え板43の通孔47の下側孔縁と面一か或いは下側孔縁より下方となるように配置されている。
叉、第1押え板43と第2押え板44との間に配置する熱溶着板45は、第1押え板43と第2押え板44で帯シートaを押えた後熱溶着する為、該熱溶着板45の上端は第2押え板44の上端より下方に位置されている。
【0035】
前記第1押え板43と熱溶着板45の上端面を受け止める受け板46は、前記ガイド1の側方(裏側)に該ガイドと直交して配置され、且つその受け板46の上面はガイド1の窓孔11の下側孔縁と面一に保持され、ガイド1内に突出して商品載置面を形成する。そして、この受け板46とガイド1の底板1cとで区画される通路(空間)に帯シートaの先端部が嵌入し、その帯シートaの先端部は前記開口12より下流側における側板1a,1bの内面に突出形成したストッパ13に衝合して先端の位置決めが行われる。
【0036】
カッタ7は、帯シートaの重合部を熱溶着してループを完成させた後、そのループに連続する帯シートを溶着部近傍で切断するもので、前記第1押え板43と熱溶着板45との間に挾着配置され、且つ前記第1押え板43の側面に沿って該第1押え板43の通孔47を越える位置まで上下することで、該通孔47を貫通している帯シートaは第1押え板43の通孔47の孔縁とカッタ7によるせん断作用で切断されるように構成されている。
【0037】
上記した溶着部6とカッタ7を上下駆動する駆動部8は、モータ48とカム機構49とで構成され、カム機構49はカムやリンク機構を前記第1押え板43、第2押え板44、熱溶着板45、カッタ7に連結し、更に前記第1押え板43、第2押え板44、熱溶着板45とカッタ7が順次時間差をおいて上下作動するように構成されている。そして、カム機構49の動作を制御する為に該カムを回転する軸に回転板51を固着し、回転板51の外周所定箇所に設けた原点をカム原点センサ52で検知し、駆動部8が制御されるようになっている。
【0038】
叉、前記ガイド1の帯シートaの先端が位置決め停止される位置より手前側(上流側)の所定位置には、帯掛けする為に供給される帯シートaの先端部が所定位置に到達したことを検出する帯シート先端検出センサ(停止センサ)53が配置されている。この帯シート先端検出センサ53の検出信号により前記帯シートaを繰り出すフィード手段5の駆動が停止され、再度駆動して帯シートaの先端がストッパに当接するまでの繰り出しが制御されている。
更に、前記ガイド1における商品Wが載置される位置の線上外側には、商品検出センサ54が設置され、ガイド1内の所定位置に商品Wが置かれているか否かが検出されるようになっており、商品Wが検出されると前記フィード手段5が起動し、帯シートaの引き戻しを開始するようになっている。
【0039】
図5は、上記の如く構成した帯掛け装置Aの帯掛けの作動を制御する制御部と、帯掛けの帯シートaに印字を行う印字部の電気的構成を示すブロック図である。
帯掛制御部55は、通信用INFを介して印字制御部56と接続され相互に交信できるようにしてあり、各制御部55,56は、マイクロコンピュータで構成されるCPU(中央処理装置)57,61により制御される。
CPU57には、バス57aを介してROM58、RAM59、帯掛機構駆動部60、帯シート先端検出センサ(停止センサ)53、商品検出センサ54、カム原点センサ52、付着手段(ラベル発行部)3が接続されている。
ROM58は、CPU57が実行する制御プログラムが格納されており、RAM59には、CPU57とCPU61との通信データ等を一時記憶するエリアである。
【0040】
前記帯掛機構駆動部60としては、溶着部6の熱溶着板45への通電のON/OFF、プラテンローラ22及び上側フィードローラ5aの開閉駆動モータ33、下側フィードローラ5bの駆動用モータ5c、帯シート巻取り駆動用モータ15、溶着切断手段6及びカッタ7の上下駆動用モータ48、プラテンローラ駆動用モータ25が挙げられ、これ等の駆動/停止が制御される。
【0041】
印字制御部56のCPU61には、バス61aを介してROM62、RAM63、表示操作部9、キー操作部10、印字手段4のサーマルヘッド(発熱抵抗素子)23への給電をコントロールするサーマルヘッドコントローラ64が接続されている。
ROM62は、CPU61が実行する制御プログラムが格納されており、RAM63には商品毎の品名等の商品情報を記憶しておく商品ファイル(図9参照)、トレイに関する各種データを記憶しておくトレイファイル(不図示)、帯掛けの帯シート(ラベルを含む)に商品に関する所定の項目を印字する為の印字位置情報を記憶しておく印字フォーマットファイル(図10参照)等のファイルが記憶されている。
表示操作部9は、タッチパネルで構成されており、CPU61の指令に基づいて入力データの表示、プリセットデータの表示、各種メッセージの表示を行うものである。
キー操作部10は、装置の起動、停止等のための各種スイッチ及びデータの入力等を行うキーボードからなる。
【0042】
前記RAM63に記憶される商品ファイルは、図9に示すように、品番(商品番号)、品名、値段、バーコード、POP、印字フォーマット番号等が設けられており、品番を特定することで、各商品を特定することができる(特定手段)。
【0043】
前記CPU61、ROM62、サーマルヘッドコントローラ64からなる制御ユニットは、前記熱エネルギーを、各発熱抵抗素子への電流値、電圧値、通電時間、通電パルス、通電パルス幅のうち少なくとも一つの項目を制御することによって変更調整することができる。
【0044】
上記サーマルヘッド23の熱エネルギーを変更調整する必要性は下記の理由による。
通常、前記感熱発色ラベルは感熱発色層の上に、表面をコーティング(保護)する為に水溶性樹脂等を塗布したり、或いは光沢を出す為に例えばアクリル樹脂が塗布されている。
一方、帯シートaは前記したように一般的にポリプロピレン製や紙製が多く使用されている。従って、帯シートaとラベル用紙(感熱発色ラベル)bにそれぞれ同じ熱エネルギーを加えた場合、ラベル用紙(感熱発色ラベル)の表面には光沢層やコーティング層が設けられているので、一般的にインクリボンにて熱転写印字した場合、帯シートaと感熱発色ラベルbに略同じ程度の印字濃度を得るためには、感熱発色ラベルbへ熱転写印字する場合の熱エネルギーは帯シートaへ熱転写印字する場合の熱エネルギーより高い熱エネルギーが必要となる。
よって、サーマルヘッドの熱エネルギーを、帯シートaにインクリボンにて直接印字するのに必要な値に合わせておき、ラベル用紙(感熱発色ラベル)bに印字するデータ(例えば、バーコード)を印字する場合には、例えば電流値を上げて熱エネルギーを高めることで、前記一般的な感熱発色ラベルを使用した場合でも、カラーインクリボンにより印字される帯シートaへの印字濃度と略同じ印字濃度で感熱発色ラベルに印字することができる。尚、ラベル用紙の感熱発色ラベルに特殊な加工を施して、帯シートに印字する場合の熱エネルギーと略同じ熱エネルギーで印字できるようにすることも可能で、その場合は印字の対象物が変わっても、サーマルヘッドの熱エネルギーを変更調整する必要はなくなる。
【0045】
印字フォーマットファイルは、図10(a)、(b)、(c)、(d)に示すように、印字フォーマット番号(識別子)毎に印字開始、印字項目(品名、値段、バーコード、POP等)毎の印字位置、及び印字項目毎のラベル貼付の有無を示すフラグ(ラベル貼付)等の印字位置情報が設定されており、印字位置は帯シートの先端からの距離、帯シートの幅に対する位置(帯シートの幅方向の一方端を基点O(0,0)とし、その基点から幅方向(X)、及び長手方向(Y)を始点として、そこからのX方向の幅(印字領域X幅)、Y方向の幅(印字領域Y幅)が設定されている。
印字位置Xは、対応項目の印字エリアについて、印字時における帯シートの進行方向と直交する方向における基点Oから印字開始位置のX座標を表し、ドット単位で示される値である。
印字位置Yは、対応項目の印字エリアについて、印字時における帯シートの進行方向における基点Oから印字開始位置のY座標を表し、ドット単位で示される値である。
印字領域X幅は、対応項目の印字エリアのX座標方向のドット数、印字領域Y幅は対応項目の印字エリアのY座標方向のドット数を表す。上記各ドット数は、キー操作部10の数字キーによる入力により任意の数字に設定することができる。また、本実施例では8ドット分が1mmに該当するようになっている。
尚、JANコード(バーコード)が帯シートにラベル用紙を貼付して印字する場合、JANコードの印字位置データが、ラベル用紙が貼着された位置と一致するよう貼付部を駆動する。
バーコードの印字項目に設定したラベル貼付の有無を示すフラグは、印字位置にラベル用紙が貼付されるように付着手段のステッピングモータを駆動させ、更に後述するフローチャートの(S12)にて、ラベル用紙b上に印字する際のサーマルヘッド23への熱エネルギー制御(切替)を兼ねている。
尚、ラベル貼付の有無を示すラベル貼付フラグは、印字フォーマットに設ける形態に限定されない。例えば、バーコードは必ずラベル用紙上に印字すると予め設定した場合、印字フォーマットにラベル貼付フラグは設けず、商品ファイルにバーコード情報が設定されていれば、ラベル貼付フラグが設定(ラベル貼付有)されていると判断するようにしてもよい。
【0046】
次に、帯シートaにラベル用紙(感熱発色ラベル)bを貼付し、帯シートaとラベル用紙bに印字し、その印字した帯シートで商品に帯掛けする動作の概略を図11のフローチャートに基づいて説明する。尚、以下の例では各商品に、印字位置情報の識別子である印字フォーマット番号が設定されており、商品が特定されることで当該商品の品名や値段などといった商品情報の印字位置情報が読み出される。
(S1)…帯シートaがセットされていることを確認し、オペレータにより電源スイッチがONされる。電源スイッチがONされるとCPU57は、溶着部6とカッタ部7を上下するカム機構49のカムが初期位置(カム原点センサ52を遮る)に戻るよう制御する。そして、フィード部5が作動して帯シートaの先端を所定位置まで繰り出し、駆動部8が作動してカム機構49が作動することでカッタ7が上昇し、受け板46がカッタ7の上方位置へ突出移動し、受け板46とカッタ7とで帯シートaが挟まれ、帯シートaが切断される。そして、CPU57はフィード手段5を逆回転させて前記帯シートaの切断先端部を該フィード手段5(上下一対のフィードローラの接点間に帯シートの先端が挟まれる位置)へ引き戻し、位置させるよう制御する。この位置が帯シートの初期位置である。尚、印字手段4のサーマルヘッド23とプラテンローラ24との接点からフィード手段5上の初期位置までの距離は装置構成時に決定される。本実施例では、この距離を40mmとする。
【0047】
(S2)…表示操作部9に表示された商品情報の商品ファイルから、オペレータの選択操作により、帯掛けする被帯掛け商品Wの品番が選択され(特定手段)、当該品番の商品情報が読み出される。
(S3)…スタートボタンがオペレータにより押される。
(S4)…(S2)で選択された品番に関連付けられている印字フォーマット番号の印字位置情報がRAM63の印字フォーマットファイルより読み出され(読み出し手段)、その読み出された品番の商品情報、印字位置情報がRAM63の他のエリアに一時記憶される。そして、RAM63の他のエリアに一時記憶された印字位置情報の印字開始データが40mmか否かをCPU61が判断する。つまり、該印字開始データから40mmを減算し、その値が“0(ゼロ)”かどうかを判断する。そして、その減算値(差分データ)を前記RAM63の他のエリアに一時記憶する。
(S5)…(S4)で読み出した印字位置情報に基づき、印字開始位置が合わされる。尚、前記印字位置情報には、印字開始データの他に、帯シートaに印字する項目毎に、印字位置の始点である幅方向(X)、長さ方向(Y)、その始点からのX方向の幅、Y方向の幅等のデータ、及びラベル貼付のフラグが設定されている(図10参照)。
(S4)で読み出した印字開始データが40mmでない場合、つまり40mm以上(本実施例では40mmが最小値)と判断された場合は、(S4)で一時記憶された印字位置情報の、印字開始データと初期位置である40mmとの差分データと、更にプラテン/フィードローラ開閉駆動モータ33を駆動させプラテンローラ24をサーマルヘッド23から離反させる信号とを、通信INFを介してCPU61(印字制御部)からCPU57(帯掛制御部)へ送信する。つまり40mm以上(本実施例では40mmが最小値)と判断された場合は、印字手段4のプラテンローラ24がサーマルヘッド23から離反するよう上昇する。
印字手段4のプラテンローラ24の上下動と、フィード手段5の上側のフィードローラ5aの上下動は相反する動きをするようリンク結合されているので、フィード部5の上側のフィードローラ5aは下降して下側のフィードローラ5bとで帯シートaを挟持し、(S4)でRAM59に一時記憶した印字開始データと40mmとの差分データ分だけ、フィード部5のフィードローラモータ5cを回転させる。例えば、印字開始データが60mmである場合は、フィードローラモータ5cの駆動で帯シートaの先端を初期位置から20mmだけ前方に繰り出し、印字手段4の位置から帯シートaの先端までの長さを60mmに合わせる。
【0048】
(S6)…(S4)でRAM63の他のエリアに一時記憶された印字位置情報に設定された各印字項目にラベル用紙(感熱発色ラベル)bを貼付するか否かを示すフラグ(1:貼付する、0:貼付しない)があるかをCPU61が判断する。YESの場合はS7に進む。
(S7)…RAM63からラベル貼付フラグに[1]が設定されている印字項目について、印字位置Yが読み出される。
(S8)…(S7)でRAM63に一時記憶された印字位置情報の印字位置Yのデータが70mm以上か否かをCPU61が判断する。ここで、70mmとは、サーマルヘッド23とラベル貼付部との間隔で、装置の機構的な理由によって決定される。70mmより小さい数値の場合は、ラベル貼付部よりも印字手段4寄りになる為、ラベル用紙を貼付することは物理的に不可能である。YESの場合は(S9)に進む。
(S9)…(S7)でRAM63から読み出された印字項目の印字位置Yの座標ドットから70mmに該当する560ドット分を減算し、その減算したデータと、プラテン/フィードローラ開閉駆動モータを駆動させプラテンローラをサーマルヘッドから離反させる信号とを、通信INFを介してCPU61からCPU57へ送信する。
【0049】
(S10)…(S5)で既に印字開始位置が合っているので、(S4)で一時記憶された印字位置情報にて印字を開始する。即ち、帯シートa上の所定位置にカラーインクリボン22の色で直接印字される(図6(a)、図7参照)。
(S11)…(S9)にて、帯掛制御部側で受信したデータはRAM59の一時記憶エリアに記憶される。そして、CPU57の制御により、(S9)で算出された距離分、ステッピングモータが回転してラベル用紙bを帯シートa上に貼付する。
(S12)…(S6)のラベル貼付フラグ[1]が設定されている印字項目の印字データが設定されている場合には、所定時間経過後にラベル用紙bが貼付された帯シート部分が印字手段4を通過するので、CPU61の制御により所定の情報、例えばバーコードがラベル用紙b上に印字される(図6(b)参照)。この時、サーマルヘッドコントローラ64を介してサーマルヘッド23の発熱抵抗素子への電流値を上げ、帯シートaに印字した時の熱エネルギーより熱エネルギーを高めて印字し、ラベル用紙bへの印字終了後、発熱抵抗素子への電流値を元に戻す。又、ラベル用紙bへの印字は、前記したようにカラーインクリボン22の色と感熱発色ラベルが発色した色(黒色又は黒色に近い色)が混ざった色で印字(混色印字)されるので、印字されたバーコードはバーコードスキャナー(赤色のレーザー光線)で読み取りが可能となる(図7参照)。
尚、(S6)でNOの場合は、(S13)に進み、ラベル用紙bは貼付されず、(S14)で帯シートa上に、CPU61の制御により、RAM63に記憶された印字フォーマットファイルと商品ファイルとに基づき印字手段4で所定項目の印字が行われる。(S8)の判断がNOの場合も同様である。
【0050】
上記構成により、搬送される帯シートa上にラベル用紙bが貼付され、貼付されたラベル用紙b上に所定事項が印字される。
(S15)…印字が終了したら、CPU57の制御により印字手段4のプラテンローラ24をサーマルヘッド23から離反させるモータを駆動させ、これによりプラテンローラ24がサーマルヘッド23から離反し、フィード手段5にて帯シートaを挟持する。
そして、フィード手段5により帯シートaが所定量繰り出され、ガイド1内の商品載置部に置かれた商品Wに帯シートaを帯掛けし、帯シートaを商品W外周に沿うように縮径させて商品Wへの帯掛け包装が完了する(図12(a)、(b)参照)。
以上のようにすることで、帯シートに感熱発色ラベルであるラベル用紙bを貼付することができ、さらに、黒色以外のカラーインクリボン1種類で、帯シートa上の印字色とラベル用紙(感熱発色ラベル)上の印字色を異ならせることができる。しかも、ラベル用紙(感熱発色ラベル)bに印字するデータがバーコードデータである場合は、カラーインクリボンの色がバーコードスキャナーで読み取ることが不可能な又は読み取り難い色であっても、該感熱発色ラベルの発色と混ざった色(混色)で印字される為、バーコードスキャナーでも読み取りが可能になる。
【0051】
上記の説明では、各商品に印字位置情報の識別子である印字フォーマット番号が設定されており、商品が特定されることで、当該商品の品名や値段等の印字位置情報が読み出されるような一例を示したがこれに限定されるものではない。例えば、商品が収納されるトレイのサイズ毎にトレイ番号を識別子として定まっているようなトレイファイルを有し、トレイ番号毎に帯掛け包装の際の帯シートを縮径する絞り量が割振られており、該トレイ番号が各商品(各品番)に設定されているようにしてもよい。これにより、商品が特定されることでトレイ番号も特定され、使用するトレイの大きさに合った帯シートの絞り量にて帯掛け包装をすることができる。
また、前記トレイファイルの各トレイ番号に前記印字フォーマット番号を設定するようにし、該トレイ番号を各商品(各品番)に設定するようにしてもよい。これにより、商品だけを特定することで、当該商品の品名等の商品情報、トレイ番号から特定される使用するトレイに合った絞り量、更には印字フォーマット番号にて特定される印字位置情報が読み出される。
更に、ラベル用紙(感熱発色ラベル)bに印字する内容は、バーコードデータに限定されず、イメージデータやPOPデータ等でもよいものである。
これにより、イメージデータやPOPデータを、インクリボンの色とは異なる色で表現することができるので、一種類のカラーインクリボンで同一の帯シートに複数の色の印字をすることができる。
【0052】
上記したフローチャートは、手動モードによる動作であるが、商品載置部近傍に商品センサ54を設け、その商品センサ54により商品Wが検知された時、起動するような自動モードを備えてもよいものである。
その自動モードの場合は、複数の同じ商品を帯掛け包装する場合に、包装する商品毎にスタートキーを操作しなくてよいという利点がある。
又、上記フローチャートの(S12)にて、ラベル貼付フラグ[1]で設定されている印字項目の印字データを印字する際、電流値を上げるようにしたが、帯シート上への印字と同じ熱エネルギーで同じ印字濃度が得られるような処理が施されている感熱発色ラベルを用いるようにしてもよい。
【0053】
本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で変更可能である。
(1)本実施例では帯シートでループを形成する為に環状のガイドを用いたが、ガイドを用いない帯掛け装置でもよいものである。叉、帯掛け装置の包装部の機構は問わない。
(2)本装置の商品載置部に計量装置を配置し、或いは計量装置を接続して、商品の重量を計測し、その計測した重量データを帯シートに印字するようにしてもよい。
(3)印字内容は問わない。被帯掛け商品の産地、添加物名、賞味期限、商品の原体を示す個体識別番号、商品に関する広告データやイメージデータ等を印字してもよい。
(4)本実施例で説明した感熱発色ラベルは熱を加えると黒色に発色するラベルにて説明したが、特に感熱発色ラベルにPOPデータやイメージデータを印字する場合は、前記黒色に発色する感熱ラベルに限定されるものではない。他の色に発色する感熱発色ラベルを使用することで、インクリボンの色と混色されて表現される色の幅を増やすことができる。
又、ラベルにバーコードを印字する場合であっても、インクリボンの色と熱発色する色とが混色して印字されるバーコードが読み取られる色であればよく、前記黒色に熱発色するラベルに限定されるものではない。
(5)ラベル貼付手段は一つにて説明したが、同一の帯シートにラベルを複数貼付できるようラベル貼付手段を複数設け、それぞれの貼付手段にて貼付されるラベルが異なる色に熱発色するラベルを用いることで、同一の帯シートに印字される色を更に多くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係る帯掛け装置の実施の一例を示す概略正面図。
【図2】同機構部の概略を示す平面図。
【図3】同機構部の概略を示す側面図。
【図4】(a)は帯シートにラベル用紙(不透明物質)を付着し印字する部分を示す拡大図、(b)は帯シートにラベル用紙を付着する部分が平板からなる押圧ガイドである例、(c)は帯シートにラベル用紙を付着する部分が押圧ローラである例を示す。
【図5】帯掛制御部と印字制御部の電気的構成を示すブロック図。
【図6】帯シート及びラベル用紙への印字状態を示し、(a)は帯シートへの印字、(b)はラベル用紙への印字。
【図7】帯シートとラベル用紙の印字色の相違を示す説明図。
【図8】帯シートに対する印字位置を示す説明図
【図9】商品ファイルの一例を示す説明図。
【図10】(a)〜(d)は印字フォーマットファイルの一例を示す説明図。
【図11】帯掛け動作を説明するフローチャートである。
【図12】(a)は帯掛けを完成した商品の斜視図、(b)は(a)図の(X)−(X)線に沿える断面図。
【符号の説明】
【0055】
A…帯掛け装置 a…帯シート
b…ラベル用紙(感熱発色ラベル) 1…ガイド
3…付着手段 4…印字手段
5…フィード手段 6…溶着部
7…カッタ 8…熱溶着部/カッタの上下駆動部
9…表示部 10…操作部
22…カラーインクリボン 23…サーマルヘッド
64…サーマルヘッドコントローラ W…商品
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯シートを包装部に供給するフィード手段と、前記帯シートが繰り出される搬送路近傍に、前記帯シートにラベルを付着させる付着手段と、前記包装部と付着手段との間に配置され、前記帯シートに付着されたラベル上及び帯シート上に商品情報を設定された位置に印字する印字手段と、前記印字する商品情報を読み出す読み出し手段と、を備え、前記フィード手段で商品載置部を囲むように前記ラベルの貼付及び印字がされた帯シートをループ状に繰り出し、形成された初期ループを商品外周に沿うループに絞り、帯シートの先端部と重合する部分を接着し切断して帯掛け包装をする帯掛け装置において、
前記付着手段で帯シートに付着させるラベルが感熱発色ラベルで、前記印字手段は、その感熱発色ラベル上及び該感熱発色ラベルが付着されていない帯シート上に印字する白色を含む熱転写カラーインクリボンを用い加熱して印字する印字手段であることを特徴とする帯掛け装置。
【請求項2】
前記感熱発色ラベル上に印字する商品情報が、バーコード情報であることを特徴とする請求項1記載の帯掛け装置。
【請求項3】
前記感熱発色ラベルの印字領域と、それ以外の印字領域とで前記印字手段のサーマルヘッドの熱エネルギーを制御することを特徴とする請求項1又は2記載の帯掛け装置。
【請求項4】
前記感熱発色ラベルに印字するタイミングで、前記印字手段のサーマルヘッドへの熱エネルギーの出力を上げることを特徴とする請求項3記載の帯掛け装置。
【請求項1】
帯シートを包装部に供給するフィード手段と、前記帯シートが繰り出される搬送路近傍に、前記帯シートにラベルを付着させる付着手段と、前記包装部と付着手段との間に配置され、前記帯シートに付着されたラベル上及び帯シート上に商品情報を設定された位置に印字する印字手段と、前記印字する商品情報を読み出す読み出し手段と、を備え、前記フィード手段で商品載置部を囲むように前記ラベルの貼付及び印字がされた帯シートをループ状に繰り出し、形成された初期ループを商品外周に沿うループに絞り、帯シートの先端部と重合する部分を接着し切断して帯掛け包装をする帯掛け装置において、
前記付着手段で帯シートに付着させるラベルが感熱発色ラベルで、前記印字手段は、その感熱発色ラベル上及び該感熱発色ラベルが付着されていない帯シート上に印字する白色を含む熱転写カラーインクリボンを用い加熱して印字する印字手段であることを特徴とする帯掛け装置。
【請求項2】
前記感熱発色ラベル上に印字する商品情報が、バーコード情報であることを特徴とする請求項1記載の帯掛け装置。
【請求項3】
前記感熱発色ラベルの印字領域と、それ以外の印字領域とで前記印字手段のサーマルヘッドの熱エネルギーを制御することを特徴とする請求項1又は2記載の帯掛け装置。
【請求項4】
前記感熱発色ラベルに印字するタイミングで、前記印字手段のサーマルヘッドへの熱エネルギーの出力を上げることを特徴とする請求項3記載の帯掛け装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−207846(P2008−207846A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−47079(P2007−47079)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【Fターム(参考)】
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