帯板材の防水接合構造
【課題】挟持溝に突縁を嵌合させて可動壁をかしめると、帯板材が一枚板のように接合されると共に、挟持溝側と突縁側に設けた部材が圧接されて接触部の水密封鎖を行う帯板材の防水接合構造を提供すること。
【解決手段】帯板材1の防水接合を行う構造であって、上記帯板材1の一側の裏側に設けた挟持溝2の固定壁5と、他側の裏側に設けた突縁3との対応面には、一方に先つぼまりの凸部7、8が離隔して形成され、他方に元つぼまりの凹部13、14が離隔して形成され、更に、上記突縁3の挟持溝2の可動壁4に対応する側には、可動壁4へ向かって傾いて可動片5のかしめにより起される当接片15が形成されて、上記突縁3を上記挟持溝2に嵌合して可動壁5のかしめを行うと、挟持溝2と突縁3との接触部が素材の弾発力によって水密封鎖されるものであること。
【解決手段】帯板材1の防水接合を行う構造であって、上記帯板材1の一側の裏側に設けた挟持溝2の固定壁5と、他側の裏側に設けた突縁3との対応面には、一方に先つぼまりの凸部7、8が離隔して形成され、他方に元つぼまりの凹部13、14が離隔して形成され、更に、上記突縁3の挟持溝2の可動壁4に対応する側には、可動壁4へ向かって傾いて可動片5のかしめにより起される当接片15が形成されて、上記突縁3を上記挟持溝2に嵌合して可動壁5のかしめを行うと、挟持溝2と突縁3との接触部が素材の弾発力によって水密封鎖されるものであること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、素材の弾発力を効かせることで帯板材の防水可能な接合ができる帯板材の防水接合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井パネルの接続構造として、隣り合う天井パネルの側端から立ち上がる立ち上がり片の間にバックアップ材を介在させ、同両立ち上がり片の外側から断面コ字形の挟持片を挟持させ、天井部分の内側からコーキング材を充填する技術は知られている。(例えば特許文献参照)また、パネルの連結構造として、隣接する一方のパネルの一側縁部に設け一方の縁部における一方の係合部材を支柱の前方からスタッドの一方の係合凸部に係合させ、かつ、隣接する他方のパネルの側端部における係合部材を支柱の前方から該スタッドの他方の係合凸部に係合させるとともに、両係合部材間の隙間を目地材にて閉塞してなる技術も知られている。(例えば特許文献2参照)
【0003】
しかしながら、上記天井パネルの接合構造は、天井パネルの間にコーキングが介在するため、複数の天井パネルを目違いなく一枚物のように接合することは不可能であって、しかも、コーキングは材料費が嵩む上に充填する手数がかかって作業性が悪い。また、上記パネルの連結構造は、パネルに設けた係合部材の間に合成樹脂製の目地材を挟み込むため、接合する各パネルの間には目地材分の隙間ができて、複数の天井パネルを目違いなく一枚物のように接合することは不可能であって、この目地材の挟み込みも材料費が嵩んで手数がかかり、更に、両構造とも防水に有機質の別部材を用いるので、リサイクル性が良くないという問題点がある。
【特許文献1】特開平9−13709号(第2頁、第3頁及び図2)
【特許文献2】特開2003−41690号(第2頁、第4頁及び図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は前記問題点を解消し、挟持溝に突縁を嵌合させて可動壁をかしめるだけで、帯板材が一枚板のように接合されると共に、挟持溝側に設けた部材と突縁側に設けた部材との圧接によって隙間の水密封鎖が行われる帯板材の防水接合構造を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、帯板材を一側の裏側に挟持溝が設けられ、他側の裏側に突縁が設けられるように形成して、これら帯板材の複数を一方の帯板材に設けた挟持溝へ他方の帯板材に設けた突縁を嵌合させて、上記挟持溝の可動壁のかしめを行うこことで防水されるように接合する帯板材の防水接合構造であって、上記帯板材の一側の裏側に設けた挟持溝の固定壁と、他側の裏側に設けた突縁との対応面には、一方に先つぼまりの凸部が離隔して形成され、他方に元つぼまりの凹部が離隔して形成され、更に、上記突縁の挟持溝の可動壁に対応する側には、可動壁へ向かって傾いて可動片のかしめにより起される当接片が形成されて、上記突縁を上記挟持溝に嵌合して可動壁のかしめを行うと、挟持溝と突縁との接触部が素材の弾発力によって水密封鎖されるものであること。
【0006】
請求項2に係る発明は、帯板材を一側の裏側に挟持溝が設けられ、他側の裏側に突縁が設けられるように形成して、これら帯板材の複数を一方の帯板材に設けた挟持溝へ他方の帯板材に設けた突縁を嵌合させて、上記挟持溝の可動壁のかしめを行うこことで防水されるように接合する帯板材の防水接合構造であって、上記帯板材の一側の裏側に設けた挟持溝は、帯板材に接合される固定壁の内面に、凹部を離隔して形成されて、上側の凹部は元つぼまりであり、可動壁の内面の先端には凸部を形成され、上記帯板材の他側の裏側に設けた突縁は、上記挟持溝の固定壁に対応する側に上部の凹部に係合する先つぼまりの凸部と、挟持溝の底部に沿って固定片側へ延出して先頭部を可動壁がかしめられると下部の凹部へ押し付けられる当接部材を形成され、可動壁に対応する側には可動片に設けた凸部に係合する凹部を形成されて、上記突縁を上記挟持溝に嵌合して可動壁のかしめを行うと、挟持溝と突縁との接触部が素材の弾発力によって水密封鎖されるようにしたこと。
【0007】
請求項3に係る発明は、帯板材を一側の裏側に挟持溝が設けられ、他側の裏側に突縁が設けられるように形成して、これら帯板材の複数を一方の帯板材に設けた挟持溝へ他方の帯板材に設けた突縁を嵌合させて、上記挟持溝の可動壁のかしめを行うこことで防水されるように接合する帯板材の防水接合構造であって、上記帯板材の一側の裏側に設けた挟持溝は、固定壁の内面を平面または彎曲面等の接触面に形成され、可動壁の内面の先端には凸部を形成され、上記帯板材の他側の裏側に設けた突縁は、上記挟持溝の固定壁に対応する側に突縁の下端から挟持溝の底に沿って固定壁側へ延出し、先端の立上部を固定壁側へ傾けることで可動壁をかしめると固定壁により起される当接部材を形成され、可動壁に対応する側には可動壁に設けた凸部を係合させる凹部を形成されて、上記突縁を上記挟持溝に嵌合して可動壁のかしめを行うと、挟持溝と突縁との接触部が素材の弾発力によって水密封鎖されるようにしたこと。
【0008】
請求項4に係る発明は、上記帯板材の突縁が設けられた裏側に、斜面と段落部とを有するかしめの戻り止めを、挟持溝の可動壁をかしめたとき、可動壁の背面へ段落部が係合するよう設置してあること。
【0009】
請求項5に係る発明は、上記挟持溝の固定壁に設けた凸部と突縁に設けた凹部とは、両者を係合させると接合しようとする帯板材の表面が面一に揃うように位置設定されていること。
【0010】
請求項6に係る発明は、上記挟持溝と下部に当接部材を付設した突縁とは、挟持溝の底部へ当接部材が当接すると接合しようとする帯板材の表面が面一に揃うように高さ設定されていること。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、一方の帯板材に設けた挟持溝へ他方の帯板材に設けた突縁を嵌合して、挟持溝の可動壁をかしめれば、隣り合う帯板材が側縁を密着されるとともに、凸部と凹部の係合により表面を面一に揃えられて一枚板のように接合され、しかも、かしめによって挟持溝と突縁に対応的に設けた凸部と凹部及び可動壁と当接片との圧着が強力に行われるので、接触部には弾発力が発生して接合部を水密的に封鎖して水漏れ等を生じないようにする。従って、帯板材の防水接合を簡便確実に行うことができて、コーキングやパッキン等を装着する必要がないので、資材費、工事費の節約ができる上に、帯板材が廃品となった際のリサイクル性がよくなる。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、一方の帯板材に設けた挟持溝へ他方の帯板材に設けた突縁を嵌合して、挟持溝の可動壁をかしめれば、隣り合う帯板材が側縁を密着されるとともに、凸部と凹部の係合により表面を面一に揃えられて一枚板のように接合され、しかも、かしめによって挟持溝の凹部に対する突縁の凸部と当接部及び可動壁の凸部と突縁の凹部との圧着が強力に行われるので、接触部には弾発力が発生して接合部を水密的に封鎖して水漏れなどを生じないようにする。従って、帯板材の防水接合を簡便確実に行うことができて、コーキングやパッキン等を装着する必要がないので、資材費、工事費の節約ができる上に、帯板材が廃品となった際のリサイクル性がよくなる。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、一方の帯板材に設けた挟持溝へ他方の帯板材に設けた突縁を嵌合して、挟持溝の可動壁をかしめれば、隣り合う帯板材が側縁を密着されるとともに、突縁の下端と挟持溝の底部との係合により表面を面一に揃えられて一枚板のようなに接合され、しかも、かしめで挟持溝の固定壁と突縁の当接部材及び挟持溝の可動壁に設けた凸部と突縁の凹部の圧着が強力に行われるので、接触部には弾発力が発生して接合部を水密的に封鎖して水漏れなどを生じないようにする。従って、帯板材の防水接合を簡便確実に行うことができて、コーキングやパッキン等を装着する必要がないので、資材費、工事費の節約ができる上に、帯板材が廃品となった際のリサイクル性がよくなる。
【0014】
請求項4に係る発明によれば、挟持溝の可動壁をかしめるとき、可動壁が戻り止めの斜面を滑って帯板材を変形させつつ斜面を越え、段落部をかしめ片の後側に係合させることでかしめの戻りを防止するので、かしめの戻りで生ずる防水不良や接合の緩み等を防止できる。
【0015】
請求項5に係る発明によれば、挟持溝の可動壁をかしめて挟持溝に設けた凸部と突縁に設けた凹部を係合させると、両者の位置設定によって接合する帯板材の表面が面一に揃えられ、帯板材の側縁の密着と相俟って一枚板のような帯板材の接合が可能となる。
【0016】
請求項6に係る発明によれば、挟持溝の可動壁をかしめて突縁に設けた当接部材の下面を挟持溝の底に係合させると、両者の高さ設定によって帯板材の表面が面一に揃えられ、帯板材の側縁の密着と相俟って一枚板のような帯板材の接合が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に本発明に係る帯板材の防水接合構造の実施形態を図面について説明する。
【0018】
図1、図2は本発明の請求項1に係る帯板材の防水接合構造の実施態様を示すものであって、図において符号A−1は、帯板材の防水接合構造を示す。この帯板材の防水接合構造A−1は、帯板材1を図4、図5、図6に示す通り一側の裏側に挟持溝2が設けられ、他側の裏側に突縁3が設けられるように形成して、これら帯板材1の複数を一方の帯板材1に設けた挟持溝2へ他方の帯板材1に設けた突縁3を嵌合させて、上記挟持溝2の可動壁4をかしめることで帯板材1を接合部が防水されるように接合するものである。
【0019】
上記帯板材1は、図4に示す平面、図5に示すL形、図6に示す円弧形、その他の断面形状であって、一側の裏側に挟持溝2を有し、他側の裏側に突縁3を有するようにアルミニウムの押出し成形で図4、図5、図6に一部分を示す通りの長尺物に形成し、製造する構造体に応じて適当な長さに切断して使用する。
【0020】
帯板材1の一側の裏側に設ける上記挟持溝2は、図1、図2に示す通り帯板材1に接合される固定壁5と底部6と外側へ傾く上記可動壁4とでU字形をなしている。そして、固定壁5の内面には2つの凸部7、8を離隔させて設け、中央部の凸部8は先つぼまりとすることで台形断面をなし、上側の凸部7は下側を斜面とすることで三角断面をなすようにしてある。また、可動壁4は、その内面の上端に円弧面をなす凸部9を設け、外面の上部にはかしめ用の突起10を設け、上端は外側が高くなる斜面11として、更に、底部6との境部には可動壁4をかしめ易くするV字形の切込12を形成してある。
【0021】
帯板材1の他側の裏側に設ける上記突縁3は、挟持溝2における固定壁5の内面に設けた2つの凸部7、8に対応させて、凸部とは反対に元つぼまりとした凹部13、14を設け、可動壁4に対応する側には可動壁4側へ傾かせることで可動壁4をかしめると、可動壁4で起される当接片15を取付片16によって付設し、可動壁4に設けた凸部9に対応する上端部分は外向きの斜面17とし、当接片15と取付片16との境部には変形を容易にするV字形の切込18を形成してある。
【0022】
なお、上記当接片15は、上端に設けた斜面17へ可動壁4に設けた凸部9を係合させる構造に変えて、図3に示す通り可動壁4をかしめると、可動壁4の内面が当接片15の外面に密着する構造としてもよいものであり、この場合は、当接片15の先端を円弧面19として、その上側に可動壁4に設けた鉤形段部20が係合するようにする。
【0023】
上記の通り挟持溝2側に設ける凸部7、8と突縁3側に設ける凹部13、14とは、可動壁4のかしめを行なうとき、両者が係合すると接合する帯板材1の表面が面一の状態に揃えられるように相互位置を設定されている。
【0024】
また、突縁3が形成される帯板材1の裏側には、可動壁4をかしめたとき、可動壁4の背面に係合してかしめの戻りを防止する戻り止め21を設けるものであって、この戻り止め21は可動壁4をかしめ終わった位置に保持するため、直立する段落部21aと段落部の反対側が次第に低くなる斜面21bを有するように形成して、可動壁4をかしめ終ったとき、段落部21aが可動壁4の背面へ当るように帯板材1へ取り付けられる。
【0025】
なお、この実施形態においては、挟持溝2における固定壁4側に先つぼまりの凸部7、8を離隔させて形成し、これら凸部7、8に対応させて突縁3側に元つぼまりの凹部13、14を離隔させて形成したが、これとは反対に突縁3側に凸部7、8を離隔させて形成し、挟持溝2の固定壁4側に凹部13、14を離隔させて形成するようにしても全く同様に機能して同様の作用効果を奏するものであるが、この態様の図面と説明は省略する。
【0026】
上記構成の帯板材の防水接合構造A−1によって帯板材1を接合するには、接合しようとする帯板材1の側縁を図2(a)に示す通り近付けて、一方の側縁に設けた挟持溝2へ他方の側縁に設けた突縁3を図2(b)に示す通り嵌合する。そして、外側へ倒れる挟持溝2の可動壁4を、公知のかしめ装置を用いて内側に起すようにかしめると、可動壁4の先端は戻り止め21の斜面21bを滑って帯板材1を反らせながら進み、先端が斜面21bを越えるとその瞬間に反らされた帯板材1が復元して、戻り止め21の段落部21aを可動壁4の背面へ係合させてかしめが戻らないようにする。
【0027】
上記の通り可動壁4をかしめると、接合しようとする帯板材1が引き寄せられて図1に示す通り相互の側縁1a、1aを密着され、挟持溝2側に設けられた凸部7、8と突縁3側に設けられた接合部材13、14及び可動壁4の凸部9と当接片15の斜面17とを強力に加圧して係合させ、凸部7、8と凹部13、14の係合によって隣接する帯板材1、1の表面を面一の状態に揃えられるともに、加圧によって凸部7、8と凹部13、14及び可動壁4の凸部9と当接片15との接触部が効果的な弾性変形を起こし、接触部を弾発力で水密封鎖するので、かしめを行うだけで所要数の帯板材1が一枚板のような状態に接合されて、しかも接合部から水漏れを生じない防水接合が容易に行われる。
【0028】
図7(a)(b)(c)は、本発明の請求項2に係る帯板材の防水接合構造の実施態様を示すものであって、図において符号A−2は帯板材の防水接合構造を示す。この帯板材の防水接合構造A−2は、帯板材1を一側の裏側に挟持溝2が設けられ、他側の裏側に突縁3が設けられるように形成して、これら帯板材1の複数を一方の帯板材1に設けた挟持溝2へ他方の帯板材1に設けた突縁3を嵌合させて、上記挟持溝2の可動壁4をかしめることで帯板材1を接合部が防水されるように接合する構造は、請求項1に係る防水接合構造と同一であるが、挟持溝2及び突縁3に設ける接合用の部材の構造が相違するので、以下に同一の構造部分については同一の符号を付すことで説明を省略し、相違する構造部分に付いての説明を行う。
【0029】
この実施形態に用いる上記帯板材1は、図4に示す平面、図5に示すL形、図6に示す円弧形、その他の断面形状であって、一側の裏側に挟持溝2を有し、他側の裏側に突縁3を有するようにアルミニウムの押出し成形で図4、図5、図6に一部分を示す長尺物に形成し、製造する構造体に応じて適当な長さに切断して使用する。
【0030】
帯板材1の一側の裏側に設ける上記挟持溝2は、帯板材1に接合される固定壁5と底部6と外側へ傾く上記可動壁4とでU字形をなしている。そして、固定壁5の内面には2つの凹部22、23を隔離させて設け、上側の凹部22は上側を斜面とした元つぼまりをなし、下部の凹部23は底部を利用するため底部が平面か彎曲面をなしており、可動壁4は、その内面の上端に円弧面をなす凸部24を設け、外面の上部にはかしめ用の突起25を設け、更に、上端面は外方が次第に高くなる斜面26としてある。
【0031】
帯板材1の他側の裏側に設ける上記突縁3は、挟持溝2の固定壁5に対応する側の上側に固定壁5の上側に設けた凹部22へ係合する先つぼまりの凸部27を形成され、下側に挟持溝5の底部6に沿って固定壁5側へ延長して、先端の接触頭28を可動壁4をかしめるとき凹部23へ押し付けられる当接部材29を形成され、可動壁4に対応する側には可動壁4に設けた凸部24を係合させる凹部30を形成され、更に、底当て片28と突縁3との境部には底当て片28を変形し易くするV字形の切込31を形成されている。
【0032】
上記の通り挟持溝2側に設ける凹部22と突縁3側に設ける凸部27とは、可動壁4のかしめを行なうとき、両者が係合すると接合する帯板材1の表面が面一の状態に揃えられるように相互位置を設定されている。
【0033】
上記構成の帯板材の防水接合構造A−2によって帯板材1を接合するには、接合しようとする帯板材1の側縁を図7(a)に示す通り近付けて、一方の側縁に設けた挟持溝2へ他方の側縁に設けた突縁3を図7(b)に示す通り嵌合する。そして、外側へ倒れている挟持溝2の可動壁4を、公知のかしめ装置を用いて内側に起すようにかしめると、可動壁4の先端は戻り止め21の斜面21bを滑って帯板材1を反らせながら進み、先端が斜面21bを越えるとその瞬間に反らされた帯板材1が復元して、戻り止め21の段落部21aを可動壁4の背面へ係合させてかしめが戻らないようにする。
【0034】
上記の通り可動壁4をかしめると、接合しようとする帯板材1が引き寄せられて図7(c)に示す通り相互の側縁1a、1aが密着され、挟持溝2の固定壁5側に設けられた凹部22、23と突縁3側に設けた凸部27と接触頭28及び可動壁4側に設けられた凸部24と突縁3側に設けた凹部30とを強力に加圧して係合させ、凹部22と凸部27との係合によって隣接する帯板材1の表面を面一の状態に揃えられるとともに、加圧によって凹部22と凸部27、凹部23と接触頭28、凹部30と凸部24との接触部が効果的に弾性変形を起こし、接触部を弾発力で水密封鎖するためかしめを行うだけで所要数の帯板材1が一枚板のような状態に接合されて、しかも接合部から水漏れを生じない防水接合が容易に行なわれる。
【0035】
図8(a)(b)(c)は、本発明の請求項3に係る帯板材の防水接合構造の実施態様を示すものであって、図において符号A−3は帯板材の防水接合構造を示す。この帯板材の防水接合構造A−3は、帯板材1を一側の裏側に挟持溝2が設けられ、他側の裏側に突縁3が設けられるように形成して、これら帯板材1の複数を一方の帯板材1に設けた挟持溝2へ他方の帯板材1に設けた突縁3を嵌合させて、上記挟持溝2の可動壁4をかしめることで帯板材1を接合部が防水されるように接合する構造は、請求項1に係る防水接合構造と同一であるが、挟持溝2及び突縁3に設ける接合用の部材の構造が相違するので、以下に同一の構造部分については同一の符号を付すことで説明を省略し、相違する構造部分に付いての説明を行う。
【0036】
この実施形態に用いる上記帯板材1は、図4に示す平面、図5に示すL形、図6に示す円弧形、その他の断面形状であって、一側の裏側に挟持溝2を有し、他側の裏側に突縁3を有するようにアルミニウムの押出し成形で図4、図5、図6に一部分を示す長尺物に形成し、製造する構造体に応じて適当な長さに切断して使用する。
【0037】
帯板材1の一側の裏側に設ける上記挟持溝2は、帯板材1に接合される固定壁5と底部6と外側へ傾く上記可動壁4とでU字形をなしていて、固定壁5の内面は平面もしくは彎曲面等の接触面32とされ、可動壁4は内面の上端に円弧面をなす凸部33を設けられ、外面の上部にはかしめ用の突起34を設けられて、上端面には外方が次第に高くなる斜面35を形成されている。
【0038】
上記帯板材1の他側の裏側に設けた突縁3は、上記挟持溝2の固定壁5に対応する側に突縁3の下端から挟持溝2の底部6に沿って固定壁5側へ延出し、先端の立上部36を固定壁5に形成される接触面32側へ傾けることで、可動壁4をかしめると立上部36が接触面32に当って起される当接部材37を形成され、可動壁4に対応する側には可動壁4に設けた凸部33に係合するVの字形の凹部38を形成されている。
【0039】
上記の通り突縁3に設けた当接部材36は、挟持溝2の底部6に沿って接触面32側へ延出するので、当接部材36の下面が挟持溝2の底部6へと当接すると、接合する帯板材1の表面が面一の状態に揃えられるように挟持溝2と突縁3の寸法設定をしてある。
【0040】
上記構成の帯板材の防水接合構造A−3によって帯板材1を接合するには、接合しようとする帯板材1の側縁を図8(a)に示す通り近付けて、一方の側縁に設けた挟持溝2へ他方の側縁に設けた突縁3を図8(b)に示す通り嵌合する。そして、外側へ倒れている挟持溝2の可動壁4を、公知のかしめ装置を用いて内側に起すようにかしめると、可動壁4の先端は戻り止め21の斜面21bを滑って帯板材1を反らせながら進み、先端が斜面21bを越えるとその瞬間に反らされた帯板材1が復元して、戻り止め21の段落部21aを可動壁4の背面へ係合させてかしめが戻らないようにする。
【0041】
上記の通り可動壁4をかしめると、接合しようとする帯板材1、1が引き寄せられて図8(c)に示す通り相互の側縁1a、1aが密着され、挟持溝2の固定壁5に設けた接触面32と突縁3に設けた当接部材37の立上部36及び可動壁4に設けた凸部33と突縁3に設けた凹部38とを強力に加圧して係合させ、当接部材37の下端と挟持溝の底部6との係合によって隣接する帯板材1の表面を面一の状態に揃えられるとともに、加圧によって接触面32と立上部36、凸部33と凹部38との接触部が効果的に弾性変形を起こし、接触部を弾発力で水密封鎖するためかしめを行うだけで所要数の帯板材1が一枚板のような状態に接合されて、しかも接合部から水漏れを生じない防水接合が簡単にできる。
【0042】
図9、図10、図11は、本発明に係る帯板材の防水接合構造A−1、A−2、A−3による帯板材の接合で形成した防水構造体の一例を示すものであって、図9に示す平面の防水構造体39は、図4に示す平面帯板材1を防水接合構造A−1、A−2、A−3で接合することによって各帯板材1の側縁が密着して表面は面一の状態に揃い、しかも接合部は素材の弾発力で水密封鎖されるため水漏れを生ずることがない製品が構成される。
【0043】
また、図10に示す角筒の防水構造体40は、図5に示すL形帯板材1を防水接合構造A−1、A−2、A−3で接合することによって、各帯板材1の側縁が密着して表面は面一の状態に揃い、しかも、接合部は素材の弾発力で水密封鎖されるため、水漏れを生ずることがない製品が構成される。更に、図11に示す円筒の防水構造体41は、図6に示す円弧形帯板材1を防水接合構造A−1、A−2、A−3で接合することによって、各帯板材1の側縁が密着して表面は面一の状態に揃い、しかも、接合部は素材の弾発力で水密封鎖されるため水漏れを生ずることがない製品が形成される。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明に係る帯板材の接合構造は、平面、L形、円弧形、その他、各種の帯板材を防水された一枚板の状態に接合して、平面、筒形、その他各種形状の防水構造体を製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】請求項1に係る帯板材の防水接合構造で帯板材を接合した状態の端面図。
【図2】(a)(b)は、同上接合構造で帯板材を接合する状態を示す説明図。
【図3】同上接合構造の一部分を変形させた実施形態を示す端面図。
【図4】同上接合構造に用いた平面帯板材の一部分を示す斜視図。
【図5】同上接合構造に用いたL形帯板材の一部分を示す斜視図。
【図6】同上接合構造に用いた円弧形帯板材の一部分を示す斜視図。
【図7】(a)(b)(c)は、請求項2に係る帯板材の防水接合構造で帯板材を接合する状態を示す説明図。
【図8】(a)(b)(c)は、請求項3に係る帯板材の防水接合構造で帯板材を接合する状態を示す説明図。
【図9】平面帯板材を接合して形成した平面の防水構造体を示す斜視図。
【図10】L形帯板材を接合して形成した角筒の防水構造体を示す斜視図。
【図11】円弧形帯板材を接合して形成した円筒の防水構造体を示す斜視図。
【符号の説明】
【0046】
A 防水接合構造
1 帯板材
2 挟持溝
3 突縁
4 可動壁
5 固定壁
7、8、9 凸部
13、14 凹部
15 当接片
【技術分野】
【0001】
本発明は、素材の弾発力を効かせることで帯板材の防水可能な接合ができる帯板材の防水接合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井パネルの接続構造として、隣り合う天井パネルの側端から立ち上がる立ち上がり片の間にバックアップ材を介在させ、同両立ち上がり片の外側から断面コ字形の挟持片を挟持させ、天井部分の内側からコーキング材を充填する技術は知られている。(例えば特許文献参照)また、パネルの連結構造として、隣接する一方のパネルの一側縁部に設け一方の縁部における一方の係合部材を支柱の前方からスタッドの一方の係合凸部に係合させ、かつ、隣接する他方のパネルの側端部における係合部材を支柱の前方から該スタッドの他方の係合凸部に係合させるとともに、両係合部材間の隙間を目地材にて閉塞してなる技術も知られている。(例えば特許文献2参照)
【0003】
しかしながら、上記天井パネルの接合構造は、天井パネルの間にコーキングが介在するため、複数の天井パネルを目違いなく一枚物のように接合することは不可能であって、しかも、コーキングは材料費が嵩む上に充填する手数がかかって作業性が悪い。また、上記パネルの連結構造は、パネルに設けた係合部材の間に合成樹脂製の目地材を挟み込むため、接合する各パネルの間には目地材分の隙間ができて、複数の天井パネルを目違いなく一枚物のように接合することは不可能であって、この目地材の挟み込みも材料費が嵩んで手数がかかり、更に、両構造とも防水に有機質の別部材を用いるので、リサイクル性が良くないという問題点がある。
【特許文献1】特開平9−13709号(第2頁、第3頁及び図2)
【特許文献2】特開2003−41690号(第2頁、第4頁及び図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は前記問題点を解消し、挟持溝に突縁を嵌合させて可動壁をかしめるだけで、帯板材が一枚板のように接合されると共に、挟持溝側に設けた部材と突縁側に設けた部材との圧接によって隙間の水密封鎖が行われる帯板材の防水接合構造を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、帯板材を一側の裏側に挟持溝が設けられ、他側の裏側に突縁が設けられるように形成して、これら帯板材の複数を一方の帯板材に設けた挟持溝へ他方の帯板材に設けた突縁を嵌合させて、上記挟持溝の可動壁のかしめを行うこことで防水されるように接合する帯板材の防水接合構造であって、上記帯板材の一側の裏側に設けた挟持溝の固定壁と、他側の裏側に設けた突縁との対応面には、一方に先つぼまりの凸部が離隔して形成され、他方に元つぼまりの凹部が離隔して形成され、更に、上記突縁の挟持溝の可動壁に対応する側には、可動壁へ向かって傾いて可動片のかしめにより起される当接片が形成されて、上記突縁を上記挟持溝に嵌合して可動壁のかしめを行うと、挟持溝と突縁との接触部が素材の弾発力によって水密封鎖されるものであること。
【0006】
請求項2に係る発明は、帯板材を一側の裏側に挟持溝が設けられ、他側の裏側に突縁が設けられるように形成して、これら帯板材の複数を一方の帯板材に設けた挟持溝へ他方の帯板材に設けた突縁を嵌合させて、上記挟持溝の可動壁のかしめを行うこことで防水されるように接合する帯板材の防水接合構造であって、上記帯板材の一側の裏側に設けた挟持溝は、帯板材に接合される固定壁の内面に、凹部を離隔して形成されて、上側の凹部は元つぼまりであり、可動壁の内面の先端には凸部を形成され、上記帯板材の他側の裏側に設けた突縁は、上記挟持溝の固定壁に対応する側に上部の凹部に係合する先つぼまりの凸部と、挟持溝の底部に沿って固定片側へ延出して先頭部を可動壁がかしめられると下部の凹部へ押し付けられる当接部材を形成され、可動壁に対応する側には可動片に設けた凸部に係合する凹部を形成されて、上記突縁を上記挟持溝に嵌合して可動壁のかしめを行うと、挟持溝と突縁との接触部が素材の弾発力によって水密封鎖されるようにしたこと。
【0007】
請求項3に係る発明は、帯板材を一側の裏側に挟持溝が設けられ、他側の裏側に突縁が設けられるように形成して、これら帯板材の複数を一方の帯板材に設けた挟持溝へ他方の帯板材に設けた突縁を嵌合させて、上記挟持溝の可動壁のかしめを行うこことで防水されるように接合する帯板材の防水接合構造であって、上記帯板材の一側の裏側に設けた挟持溝は、固定壁の内面を平面または彎曲面等の接触面に形成され、可動壁の内面の先端には凸部を形成され、上記帯板材の他側の裏側に設けた突縁は、上記挟持溝の固定壁に対応する側に突縁の下端から挟持溝の底に沿って固定壁側へ延出し、先端の立上部を固定壁側へ傾けることで可動壁をかしめると固定壁により起される当接部材を形成され、可動壁に対応する側には可動壁に設けた凸部を係合させる凹部を形成されて、上記突縁を上記挟持溝に嵌合して可動壁のかしめを行うと、挟持溝と突縁との接触部が素材の弾発力によって水密封鎖されるようにしたこと。
【0008】
請求項4に係る発明は、上記帯板材の突縁が設けられた裏側に、斜面と段落部とを有するかしめの戻り止めを、挟持溝の可動壁をかしめたとき、可動壁の背面へ段落部が係合するよう設置してあること。
【0009】
請求項5に係る発明は、上記挟持溝の固定壁に設けた凸部と突縁に設けた凹部とは、両者を係合させると接合しようとする帯板材の表面が面一に揃うように位置設定されていること。
【0010】
請求項6に係る発明は、上記挟持溝と下部に当接部材を付設した突縁とは、挟持溝の底部へ当接部材が当接すると接合しようとする帯板材の表面が面一に揃うように高さ設定されていること。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、一方の帯板材に設けた挟持溝へ他方の帯板材に設けた突縁を嵌合して、挟持溝の可動壁をかしめれば、隣り合う帯板材が側縁を密着されるとともに、凸部と凹部の係合により表面を面一に揃えられて一枚板のように接合され、しかも、かしめによって挟持溝と突縁に対応的に設けた凸部と凹部及び可動壁と当接片との圧着が強力に行われるので、接触部には弾発力が発生して接合部を水密的に封鎖して水漏れ等を生じないようにする。従って、帯板材の防水接合を簡便確実に行うことができて、コーキングやパッキン等を装着する必要がないので、資材費、工事費の節約ができる上に、帯板材が廃品となった際のリサイクル性がよくなる。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、一方の帯板材に設けた挟持溝へ他方の帯板材に設けた突縁を嵌合して、挟持溝の可動壁をかしめれば、隣り合う帯板材が側縁を密着されるとともに、凸部と凹部の係合により表面を面一に揃えられて一枚板のように接合され、しかも、かしめによって挟持溝の凹部に対する突縁の凸部と当接部及び可動壁の凸部と突縁の凹部との圧着が強力に行われるので、接触部には弾発力が発生して接合部を水密的に封鎖して水漏れなどを生じないようにする。従って、帯板材の防水接合を簡便確実に行うことができて、コーキングやパッキン等を装着する必要がないので、資材費、工事費の節約ができる上に、帯板材が廃品となった際のリサイクル性がよくなる。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、一方の帯板材に設けた挟持溝へ他方の帯板材に設けた突縁を嵌合して、挟持溝の可動壁をかしめれば、隣り合う帯板材が側縁を密着されるとともに、突縁の下端と挟持溝の底部との係合により表面を面一に揃えられて一枚板のようなに接合され、しかも、かしめで挟持溝の固定壁と突縁の当接部材及び挟持溝の可動壁に設けた凸部と突縁の凹部の圧着が強力に行われるので、接触部には弾発力が発生して接合部を水密的に封鎖して水漏れなどを生じないようにする。従って、帯板材の防水接合を簡便確実に行うことができて、コーキングやパッキン等を装着する必要がないので、資材費、工事費の節約ができる上に、帯板材が廃品となった際のリサイクル性がよくなる。
【0014】
請求項4に係る発明によれば、挟持溝の可動壁をかしめるとき、可動壁が戻り止めの斜面を滑って帯板材を変形させつつ斜面を越え、段落部をかしめ片の後側に係合させることでかしめの戻りを防止するので、かしめの戻りで生ずる防水不良や接合の緩み等を防止できる。
【0015】
請求項5に係る発明によれば、挟持溝の可動壁をかしめて挟持溝に設けた凸部と突縁に設けた凹部を係合させると、両者の位置設定によって接合する帯板材の表面が面一に揃えられ、帯板材の側縁の密着と相俟って一枚板のような帯板材の接合が可能となる。
【0016】
請求項6に係る発明によれば、挟持溝の可動壁をかしめて突縁に設けた当接部材の下面を挟持溝の底に係合させると、両者の高さ設定によって帯板材の表面が面一に揃えられ、帯板材の側縁の密着と相俟って一枚板のような帯板材の接合が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に本発明に係る帯板材の防水接合構造の実施形態を図面について説明する。
【0018】
図1、図2は本発明の請求項1に係る帯板材の防水接合構造の実施態様を示すものであって、図において符号A−1は、帯板材の防水接合構造を示す。この帯板材の防水接合構造A−1は、帯板材1を図4、図5、図6に示す通り一側の裏側に挟持溝2が設けられ、他側の裏側に突縁3が設けられるように形成して、これら帯板材1の複数を一方の帯板材1に設けた挟持溝2へ他方の帯板材1に設けた突縁3を嵌合させて、上記挟持溝2の可動壁4をかしめることで帯板材1を接合部が防水されるように接合するものである。
【0019】
上記帯板材1は、図4に示す平面、図5に示すL形、図6に示す円弧形、その他の断面形状であって、一側の裏側に挟持溝2を有し、他側の裏側に突縁3を有するようにアルミニウムの押出し成形で図4、図5、図6に一部分を示す通りの長尺物に形成し、製造する構造体に応じて適当な長さに切断して使用する。
【0020】
帯板材1の一側の裏側に設ける上記挟持溝2は、図1、図2に示す通り帯板材1に接合される固定壁5と底部6と外側へ傾く上記可動壁4とでU字形をなしている。そして、固定壁5の内面には2つの凸部7、8を離隔させて設け、中央部の凸部8は先つぼまりとすることで台形断面をなし、上側の凸部7は下側を斜面とすることで三角断面をなすようにしてある。また、可動壁4は、その内面の上端に円弧面をなす凸部9を設け、外面の上部にはかしめ用の突起10を設け、上端は外側が高くなる斜面11として、更に、底部6との境部には可動壁4をかしめ易くするV字形の切込12を形成してある。
【0021】
帯板材1の他側の裏側に設ける上記突縁3は、挟持溝2における固定壁5の内面に設けた2つの凸部7、8に対応させて、凸部とは反対に元つぼまりとした凹部13、14を設け、可動壁4に対応する側には可動壁4側へ傾かせることで可動壁4をかしめると、可動壁4で起される当接片15を取付片16によって付設し、可動壁4に設けた凸部9に対応する上端部分は外向きの斜面17とし、当接片15と取付片16との境部には変形を容易にするV字形の切込18を形成してある。
【0022】
なお、上記当接片15は、上端に設けた斜面17へ可動壁4に設けた凸部9を係合させる構造に変えて、図3に示す通り可動壁4をかしめると、可動壁4の内面が当接片15の外面に密着する構造としてもよいものであり、この場合は、当接片15の先端を円弧面19として、その上側に可動壁4に設けた鉤形段部20が係合するようにする。
【0023】
上記の通り挟持溝2側に設ける凸部7、8と突縁3側に設ける凹部13、14とは、可動壁4のかしめを行なうとき、両者が係合すると接合する帯板材1の表面が面一の状態に揃えられるように相互位置を設定されている。
【0024】
また、突縁3が形成される帯板材1の裏側には、可動壁4をかしめたとき、可動壁4の背面に係合してかしめの戻りを防止する戻り止め21を設けるものであって、この戻り止め21は可動壁4をかしめ終わった位置に保持するため、直立する段落部21aと段落部の反対側が次第に低くなる斜面21bを有するように形成して、可動壁4をかしめ終ったとき、段落部21aが可動壁4の背面へ当るように帯板材1へ取り付けられる。
【0025】
なお、この実施形態においては、挟持溝2における固定壁4側に先つぼまりの凸部7、8を離隔させて形成し、これら凸部7、8に対応させて突縁3側に元つぼまりの凹部13、14を離隔させて形成したが、これとは反対に突縁3側に凸部7、8を離隔させて形成し、挟持溝2の固定壁4側に凹部13、14を離隔させて形成するようにしても全く同様に機能して同様の作用効果を奏するものであるが、この態様の図面と説明は省略する。
【0026】
上記構成の帯板材の防水接合構造A−1によって帯板材1を接合するには、接合しようとする帯板材1の側縁を図2(a)に示す通り近付けて、一方の側縁に設けた挟持溝2へ他方の側縁に設けた突縁3を図2(b)に示す通り嵌合する。そして、外側へ倒れる挟持溝2の可動壁4を、公知のかしめ装置を用いて内側に起すようにかしめると、可動壁4の先端は戻り止め21の斜面21bを滑って帯板材1を反らせながら進み、先端が斜面21bを越えるとその瞬間に反らされた帯板材1が復元して、戻り止め21の段落部21aを可動壁4の背面へ係合させてかしめが戻らないようにする。
【0027】
上記の通り可動壁4をかしめると、接合しようとする帯板材1が引き寄せられて図1に示す通り相互の側縁1a、1aを密着され、挟持溝2側に設けられた凸部7、8と突縁3側に設けられた接合部材13、14及び可動壁4の凸部9と当接片15の斜面17とを強力に加圧して係合させ、凸部7、8と凹部13、14の係合によって隣接する帯板材1、1の表面を面一の状態に揃えられるともに、加圧によって凸部7、8と凹部13、14及び可動壁4の凸部9と当接片15との接触部が効果的な弾性変形を起こし、接触部を弾発力で水密封鎖するので、かしめを行うだけで所要数の帯板材1が一枚板のような状態に接合されて、しかも接合部から水漏れを生じない防水接合が容易に行われる。
【0028】
図7(a)(b)(c)は、本発明の請求項2に係る帯板材の防水接合構造の実施態様を示すものであって、図において符号A−2は帯板材の防水接合構造を示す。この帯板材の防水接合構造A−2は、帯板材1を一側の裏側に挟持溝2が設けられ、他側の裏側に突縁3が設けられるように形成して、これら帯板材1の複数を一方の帯板材1に設けた挟持溝2へ他方の帯板材1に設けた突縁3を嵌合させて、上記挟持溝2の可動壁4をかしめることで帯板材1を接合部が防水されるように接合する構造は、請求項1に係る防水接合構造と同一であるが、挟持溝2及び突縁3に設ける接合用の部材の構造が相違するので、以下に同一の構造部分については同一の符号を付すことで説明を省略し、相違する構造部分に付いての説明を行う。
【0029】
この実施形態に用いる上記帯板材1は、図4に示す平面、図5に示すL形、図6に示す円弧形、その他の断面形状であって、一側の裏側に挟持溝2を有し、他側の裏側に突縁3を有するようにアルミニウムの押出し成形で図4、図5、図6に一部分を示す長尺物に形成し、製造する構造体に応じて適当な長さに切断して使用する。
【0030】
帯板材1の一側の裏側に設ける上記挟持溝2は、帯板材1に接合される固定壁5と底部6と外側へ傾く上記可動壁4とでU字形をなしている。そして、固定壁5の内面には2つの凹部22、23を隔離させて設け、上側の凹部22は上側を斜面とした元つぼまりをなし、下部の凹部23は底部を利用するため底部が平面か彎曲面をなしており、可動壁4は、その内面の上端に円弧面をなす凸部24を設け、外面の上部にはかしめ用の突起25を設け、更に、上端面は外方が次第に高くなる斜面26としてある。
【0031】
帯板材1の他側の裏側に設ける上記突縁3は、挟持溝2の固定壁5に対応する側の上側に固定壁5の上側に設けた凹部22へ係合する先つぼまりの凸部27を形成され、下側に挟持溝5の底部6に沿って固定壁5側へ延長して、先端の接触頭28を可動壁4をかしめるとき凹部23へ押し付けられる当接部材29を形成され、可動壁4に対応する側には可動壁4に設けた凸部24を係合させる凹部30を形成され、更に、底当て片28と突縁3との境部には底当て片28を変形し易くするV字形の切込31を形成されている。
【0032】
上記の通り挟持溝2側に設ける凹部22と突縁3側に設ける凸部27とは、可動壁4のかしめを行なうとき、両者が係合すると接合する帯板材1の表面が面一の状態に揃えられるように相互位置を設定されている。
【0033】
上記構成の帯板材の防水接合構造A−2によって帯板材1を接合するには、接合しようとする帯板材1の側縁を図7(a)に示す通り近付けて、一方の側縁に設けた挟持溝2へ他方の側縁に設けた突縁3を図7(b)に示す通り嵌合する。そして、外側へ倒れている挟持溝2の可動壁4を、公知のかしめ装置を用いて内側に起すようにかしめると、可動壁4の先端は戻り止め21の斜面21bを滑って帯板材1を反らせながら進み、先端が斜面21bを越えるとその瞬間に反らされた帯板材1が復元して、戻り止め21の段落部21aを可動壁4の背面へ係合させてかしめが戻らないようにする。
【0034】
上記の通り可動壁4をかしめると、接合しようとする帯板材1が引き寄せられて図7(c)に示す通り相互の側縁1a、1aが密着され、挟持溝2の固定壁5側に設けられた凹部22、23と突縁3側に設けた凸部27と接触頭28及び可動壁4側に設けられた凸部24と突縁3側に設けた凹部30とを強力に加圧して係合させ、凹部22と凸部27との係合によって隣接する帯板材1の表面を面一の状態に揃えられるとともに、加圧によって凹部22と凸部27、凹部23と接触頭28、凹部30と凸部24との接触部が効果的に弾性変形を起こし、接触部を弾発力で水密封鎖するためかしめを行うだけで所要数の帯板材1が一枚板のような状態に接合されて、しかも接合部から水漏れを生じない防水接合が容易に行なわれる。
【0035】
図8(a)(b)(c)は、本発明の請求項3に係る帯板材の防水接合構造の実施態様を示すものであって、図において符号A−3は帯板材の防水接合構造を示す。この帯板材の防水接合構造A−3は、帯板材1を一側の裏側に挟持溝2が設けられ、他側の裏側に突縁3が設けられるように形成して、これら帯板材1の複数を一方の帯板材1に設けた挟持溝2へ他方の帯板材1に設けた突縁3を嵌合させて、上記挟持溝2の可動壁4をかしめることで帯板材1を接合部が防水されるように接合する構造は、請求項1に係る防水接合構造と同一であるが、挟持溝2及び突縁3に設ける接合用の部材の構造が相違するので、以下に同一の構造部分については同一の符号を付すことで説明を省略し、相違する構造部分に付いての説明を行う。
【0036】
この実施形態に用いる上記帯板材1は、図4に示す平面、図5に示すL形、図6に示す円弧形、その他の断面形状であって、一側の裏側に挟持溝2を有し、他側の裏側に突縁3を有するようにアルミニウムの押出し成形で図4、図5、図6に一部分を示す長尺物に形成し、製造する構造体に応じて適当な長さに切断して使用する。
【0037】
帯板材1の一側の裏側に設ける上記挟持溝2は、帯板材1に接合される固定壁5と底部6と外側へ傾く上記可動壁4とでU字形をなしていて、固定壁5の内面は平面もしくは彎曲面等の接触面32とされ、可動壁4は内面の上端に円弧面をなす凸部33を設けられ、外面の上部にはかしめ用の突起34を設けられて、上端面には外方が次第に高くなる斜面35を形成されている。
【0038】
上記帯板材1の他側の裏側に設けた突縁3は、上記挟持溝2の固定壁5に対応する側に突縁3の下端から挟持溝2の底部6に沿って固定壁5側へ延出し、先端の立上部36を固定壁5に形成される接触面32側へ傾けることで、可動壁4をかしめると立上部36が接触面32に当って起される当接部材37を形成され、可動壁4に対応する側には可動壁4に設けた凸部33に係合するVの字形の凹部38を形成されている。
【0039】
上記の通り突縁3に設けた当接部材36は、挟持溝2の底部6に沿って接触面32側へ延出するので、当接部材36の下面が挟持溝2の底部6へと当接すると、接合する帯板材1の表面が面一の状態に揃えられるように挟持溝2と突縁3の寸法設定をしてある。
【0040】
上記構成の帯板材の防水接合構造A−3によって帯板材1を接合するには、接合しようとする帯板材1の側縁を図8(a)に示す通り近付けて、一方の側縁に設けた挟持溝2へ他方の側縁に設けた突縁3を図8(b)に示す通り嵌合する。そして、外側へ倒れている挟持溝2の可動壁4を、公知のかしめ装置を用いて内側に起すようにかしめると、可動壁4の先端は戻り止め21の斜面21bを滑って帯板材1を反らせながら進み、先端が斜面21bを越えるとその瞬間に反らされた帯板材1が復元して、戻り止め21の段落部21aを可動壁4の背面へ係合させてかしめが戻らないようにする。
【0041】
上記の通り可動壁4をかしめると、接合しようとする帯板材1、1が引き寄せられて図8(c)に示す通り相互の側縁1a、1aが密着され、挟持溝2の固定壁5に設けた接触面32と突縁3に設けた当接部材37の立上部36及び可動壁4に設けた凸部33と突縁3に設けた凹部38とを強力に加圧して係合させ、当接部材37の下端と挟持溝の底部6との係合によって隣接する帯板材1の表面を面一の状態に揃えられるとともに、加圧によって接触面32と立上部36、凸部33と凹部38との接触部が効果的に弾性変形を起こし、接触部を弾発力で水密封鎖するためかしめを行うだけで所要数の帯板材1が一枚板のような状態に接合されて、しかも接合部から水漏れを生じない防水接合が簡単にできる。
【0042】
図9、図10、図11は、本発明に係る帯板材の防水接合構造A−1、A−2、A−3による帯板材の接合で形成した防水構造体の一例を示すものであって、図9に示す平面の防水構造体39は、図4に示す平面帯板材1を防水接合構造A−1、A−2、A−3で接合することによって各帯板材1の側縁が密着して表面は面一の状態に揃い、しかも接合部は素材の弾発力で水密封鎖されるため水漏れを生ずることがない製品が構成される。
【0043】
また、図10に示す角筒の防水構造体40は、図5に示すL形帯板材1を防水接合構造A−1、A−2、A−3で接合することによって、各帯板材1の側縁が密着して表面は面一の状態に揃い、しかも、接合部は素材の弾発力で水密封鎖されるため、水漏れを生ずることがない製品が構成される。更に、図11に示す円筒の防水構造体41は、図6に示す円弧形帯板材1を防水接合構造A−1、A−2、A−3で接合することによって、各帯板材1の側縁が密着して表面は面一の状態に揃い、しかも、接合部は素材の弾発力で水密封鎖されるため水漏れを生ずることがない製品が形成される。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明に係る帯板材の接合構造は、平面、L形、円弧形、その他、各種の帯板材を防水された一枚板の状態に接合して、平面、筒形、その他各種形状の防水構造体を製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】請求項1に係る帯板材の防水接合構造で帯板材を接合した状態の端面図。
【図2】(a)(b)は、同上接合構造で帯板材を接合する状態を示す説明図。
【図3】同上接合構造の一部分を変形させた実施形態を示す端面図。
【図4】同上接合構造に用いた平面帯板材の一部分を示す斜視図。
【図5】同上接合構造に用いたL形帯板材の一部分を示す斜視図。
【図6】同上接合構造に用いた円弧形帯板材の一部分を示す斜視図。
【図7】(a)(b)(c)は、請求項2に係る帯板材の防水接合構造で帯板材を接合する状態を示す説明図。
【図8】(a)(b)(c)は、請求項3に係る帯板材の防水接合構造で帯板材を接合する状態を示す説明図。
【図9】平面帯板材を接合して形成した平面の防水構造体を示す斜視図。
【図10】L形帯板材を接合して形成した角筒の防水構造体を示す斜視図。
【図11】円弧形帯板材を接合して形成した円筒の防水構造体を示す斜視図。
【符号の説明】
【0046】
A 防水接合構造
1 帯板材
2 挟持溝
3 突縁
4 可動壁
5 固定壁
7、8、9 凸部
13、14 凹部
15 当接片
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯板材を一側の裏側に挟持溝が設けられ、他側の裏側に突縁が設けられるように形成して、これら帯板材の複数を一方の帯板材に設けた挟持溝へ他方の帯板材に設けた突縁を嵌合させて、上記挟持溝の可動壁のかしめを行うこことで防水されるように接合する帯板材の防水接合構造であって、
上記帯板材の一側の裏側に設けた挟持溝の固定壁と、他側の裏側に設けた突縁との対応面には、一方に先つぼまりの凸部が離隔して形成され、他方に元つぼまりの凹部が離隔して形成され、
更に、上記突縁の挟持溝の可動壁に対応する側には、可動壁へ向かって傾いて可動片のかしめにより起される当接片が形成されて、
上記突縁を上記挟持溝に嵌合して可動壁のかしめを行うと、挟持溝と突縁との接触部が素材の弾発力によって水密封鎖されるものである
ことを特徴とする帯板材の防水接合構造。
【請求項2】
帯板材を一側の裏側に挟持溝が設けられ、他側の裏側に突縁が設けられるように形成して、これら帯板材の複数を一方の帯板材に設けた挟持溝へ他方の帯板材に設けた突縁を嵌合させて、上記挟持溝の可動壁のかしめを行うこことで防水されるように接合する帯板材の防水接合構造であって、
上記帯板材の一側の裏側に設けた挟持溝は、帯板材に接合される固定壁の内面に、凹部を離隔して形成されて、上側の凹部は元つぼまりであり、可動壁の内面の先端には凸部を形成され、
上記帯板材の他側の裏側に設けた突縁は、上記挟持溝の固定壁に対応する側に上部の凹部に係合する先つぼまりの凸部と、挟持溝の底部に沿って固定片側へ延出して先頭部を可動壁がかしめられると下部の凹部へ押し付けられる当接部材を形成され、可動壁に対応する側には可動片に設けた凸部に係合する凹部を形成されて、
上記突縁を上記挟持溝に嵌合して可動壁のかしめを行うと、挟持溝と突縁との接触部が素材の弾発力によって水密封鎖されるようにした
ことを特徴とする帯板材の防水接合構造。
【請求項3】
帯板材を一側の裏側に挟持溝が設けられ、他側の裏側に突縁が設けられるように形成して、これら帯板材の複数を一方の帯板材に設けた挟持溝へ他方の帯板材に設けた突縁を嵌合させて、上記挟持溝の可動壁のかしめを行うこことで防水されるように接
合する帯板材の防水接合構造であって、
上記帯板材の一側の裏側に設けた挟持溝は、固定壁の内面を平面または彎曲面等の接触面に形成され、可動壁の内面の先端には凸部を形成され、
上記帯板材の他側の裏側に設けた突縁は、上記挟持溝の固定壁に対応する側に突縁の下端から挟持溝の底に沿って固定壁側へ延出し、先端の立上部を固定壁側へ傾けることで可動壁をかしめると固定壁により起される当接部材を形成され、可動壁に対応する側には可動壁に設けた凸部を係合させる凹部を形成されて、
上記突縁を上記挟持溝に嵌合して可動壁のかしめを行うと、挟持溝と突縁との接触部が素材の弾発力によって水密封鎖されるようにした
ことを特徴とする帯板材の防水接合構造。
【請求項4】
上記帯板材の突縁が設けられた裏側に、斜面と段落部とを有するかしめの戻り止めを、挟持溝の可動壁をかしめたとき、可動壁の背面へ段落部が係合するよう設置してある
ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の帯板材の防水接合構造。
【請求項5】
上記挟持溝の固定壁に設けた凸部と突縁に設けた凹部とは、両者を係合させると接合しようとする帯板材の表面が面一に揃うように位置設定されている
ことを特徴とする請求項1及び請求項2に記載の帯板材の防水接合構造。
【請求項6】
上記挟持溝と下部に当接部材を付設した突縁とは、挟持溝の底部へ当接部材が当接すると接合しようとする帯板材の表面が面一に揃うように高さ設定されている
ことを特徴とする請求項3に記載の帯板材の防水接合構造。
【請求項1】
帯板材を一側の裏側に挟持溝が設けられ、他側の裏側に突縁が設けられるように形成して、これら帯板材の複数を一方の帯板材に設けた挟持溝へ他方の帯板材に設けた突縁を嵌合させて、上記挟持溝の可動壁のかしめを行うこことで防水されるように接合する帯板材の防水接合構造であって、
上記帯板材の一側の裏側に設けた挟持溝の固定壁と、他側の裏側に設けた突縁との対応面には、一方に先つぼまりの凸部が離隔して形成され、他方に元つぼまりの凹部が離隔して形成され、
更に、上記突縁の挟持溝の可動壁に対応する側には、可動壁へ向かって傾いて可動片のかしめにより起される当接片が形成されて、
上記突縁を上記挟持溝に嵌合して可動壁のかしめを行うと、挟持溝と突縁との接触部が素材の弾発力によって水密封鎖されるものである
ことを特徴とする帯板材の防水接合構造。
【請求項2】
帯板材を一側の裏側に挟持溝が設けられ、他側の裏側に突縁が設けられるように形成して、これら帯板材の複数を一方の帯板材に設けた挟持溝へ他方の帯板材に設けた突縁を嵌合させて、上記挟持溝の可動壁のかしめを行うこことで防水されるように接合する帯板材の防水接合構造であって、
上記帯板材の一側の裏側に設けた挟持溝は、帯板材に接合される固定壁の内面に、凹部を離隔して形成されて、上側の凹部は元つぼまりであり、可動壁の内面の先端には凸部を形成され、
上記帯板材の他側の裏側に設けた突縁は、上記挟持溝の固定壁に対応する側に上部の凹部に係合する先つぼまりの凸部と、挟持溝の底部に沿って固定片側へ延出して先頭部を可動壁がかしめられると下部の凹部へ押し付けられる当接部材を形成され、可動壁に対応する側には可動片に設けた凸部に係合する凹部を形成されて、
上記突縁を上記挟持溝に嵌合して可動壁のかしめを行うと、挟持溝と突縁との接触部が素材の弾発力によって水密封鎖されるようにした
ことを特徴とする帯板材の防水接合構造。
【請求項3】
帯板材を一側の裏側に挟持溝が設けられ、他側の裏側に突縁が設けられるように形成して、これら帯板材の複数を一方の帯板材に設けた挟持溝へ他方の帯板材に設けた突縁を嵌合させて、上記挟持溝の可動壁のかしめを行うこことで防水されるように接
合する帯板材の防水接合構造であって、
上記帯板材の一側の裏側に設けた挟持溝は、固定壁の内面を平面または彎曲面等の接触面に形成され、可動壁の内面の先端には凸部を形成され、
上記帯板材の他側の裏側に設けた突縁は、上記挟持溝の固定壁に対応する側に突縁の下端から挟持溝の底に沿って固定壁側へ延出し、先端の立上部を固定壁側へ傾けることで可動壁をかしめると固定壁により起される当接部材を形成され、可動壁に対応する側には可動壁に設けた凸部を係合させる凹部を形成されて、
上記突縁を上記挟持溝に嵌合して可動壁のかしめを行うと、挟持溝と突縁との接触部が素材の弾発力によって水密封鎖されるようにした
ことを特徴とする帯板材の防水接合構造。
【請求項4】
上記帯板材の突縁が設けられた裏側に、斜面と段落部とを有するかしめの戻り止めを、挟持溝の可動壁をかしめたとき、可動壁の背面へ段落部が係合するよう設置してある
ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の帯板材の防水接合構造。
【請求項5】
上記挟持溝の固定壁に設けた凸部と突縁に設けた凹部とは、両者を係合させると接合しようとする帯板材の表面が面一に揃うように位置設定されている
ことを特徴とする請求項1及び請求項2に記載の帯板材の防水接合構造。
【請求項6】
上記挟持溝と下部に当接部材を付設した突縁とは、挟持溝の底部へ当接部材が当接すると接合しようとする帯板材の表面が面一に揃うように高さ設定されている
ことを特徴とする請求項3に記載の帯板材の防水接合構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−154492(P2007−154492A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−349672(P2005−349672)
【出願日】平成17年12月2日(2005.12.2)
【出願人】(000250432)理研軽金属工業株式会社 (89)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月2日(2005.12.2)
【出願人】(000250432)理研軽金属工業株式会社 (89)
【Fターム(参考)】
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