説明

帯電器

【課題】本発明は、良好にグリッド電極と放電ワイヤとを清掃することが出来る帯電器の提供することを目的とする。
【解決手段】清掃部材109は、操作部110、連結部112および保持部113を有する。PETフィルム等から形成される接触部材150は、保持部113によって保持されている。保持部113は、放電ワイヤ101とグリッド電極102との間に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置に用いられる帯電器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置において、スコロトロン型の帯電器によって感光ドラムを帯電させるものが知られている。スコロトロン型帯電器は、感光ドラムの軸方向に延びる放電ワイヤと、放電ワイヤと感光ドラムとの間に配置されるグリッド電極と、グリッド電極と放電ワイヤとに接触して清掃する清掃部材とを備えるものが知られている。
【0003】
清掃部材は、グリッド電極と放電ワイヤとに摺接して清掃するフィルム状の摺接部材と、感光ドラムの軸方向に沿って往復移動する摺接部ホルダと、を備える。摺接部ホルダは、放電ワイヤを挟んでグリッド電極とは反対側に設けられている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平4−24759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された清掃部材は、摺接部ホルダが放電ワイヤを挟んでグリッド電極とは反対側に設けられていることから、十分な力で摺接部材をグリッド電極に対して接触させることが出来ないことがある。従って、良好にグリッド電極を清掃することが出来ないおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明は、良好にグリッド電極と放電ワイヤとを清掃することが出来る帯電器の提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記した目的を達成するために、本願発明の帯電器は、第1方向に沿って架設される放電ワイヤと、第1方向に沿って延び、放電ワイヤと対向するグリッド電極と、グリッド電極と放電ワイヤとの接触しながら第1方向に沿って移動することで、グリッド電極と放電ワイヤとを清掃する清掃部材と、を備える。
【0008】
清掃部材は、グリッド電極と放電ワイヤとに接触するシート状の接触部材と、接触部材を放電ワイヤとグリッド電極との間で保持する保持部を有する。
【0009】
このような構成によれば、接触部材を保持する保持部がグリッド電極と放電ワイヤとの間にあるので、接触部材をグリッド電極に向けてより良好に接触させることが出来る。
【0010】
従って、放電ワイヤとグリッド電極とを良好に清掃することが出来る。
【0011】
(2)また、清掃部材は、接触部材を第1方向に移動させる操作部材を有し、操作部材は保持部を有していても良い。
【0012】
このような構成によれば、操作部材の移動に伴って放電ワイヤとグリッド電極とを清掃することが出来る。
【0013】
従って、容易に放電ワイヤとグリッド電極とを清掃することが可能となる。
【0014】
(3)また、接触部材は、1方向に貫通するように形成された開口部を有し、放電ワイヤは、開口部内に配置される。この場合、開口部は、前記放電ワイヤと接触するワイヤ接触部を有していても良い。
【0015】
このような構成によると、放電ワイヤを接触部材と接触させることができ、良好に放電ワイヤを清掃することが出来る。
【0016】
(4)更に、ワイヤ接触部は、開口部を形成する縁部のグリッド電極側の部分であることが好ましい。
【0017】
このような構成によると、放電ワイヤのグリッド電極側の部分を清掃できる。
【0018】
(5)更に、接触部材は、開口部から接触部材の外周縁部までグリッド電極から離れる向きに延びる切込み部を有することが好ましい。
【0019】
このような構成によると、容易に放電ワイヤを開口部内に配置できる。
【0020】
(6)また、保持部からグリッド電極までの距離は、保持部から放電ワイヤまでの距離よりも短くても良い。
【0021】
このような構成によると、接触部材が放電ワイヤにかける荷重を低減しつつグリッド電極を良好に清掃することが出来る。
【0022】
(7)また、接触部材は、グリッド電極と接触するグリッド接触部を有し、操作部材は、待機状態のときは放電ワイヤの一端側の待機位置に位置している。この場合、グリッド接触部は、待機位置から放電ワイヤの他端側に向かう方向において下流側に向けて突出する突出部を有していても良い。
【0023】
このような構成によると、突出部でグリッド電極に付着した異物を掻き取ることができるので、良好なグリッド電極の清掃が可能となる。
【0024】
(8)また、操作部材は、待機状態のときは放電ワイヤの一端側の待機位置に位置している。この場合、接触部材は、放電ワイヤの一端側から他端側に向かう方向において、グリッド接触部がワイヤ接触部より下流側に位置するように前記放電ワイヤに対して傾斜していても良い。
【0025】
このような構成によると、角度をもって接触部材がグリッド電極に接触することから、より良好なグリッド電極の清掃が可能となる。
【0026】
(9)更に、保持部は、接触部材に沿ってグリッド電極側に延び、接触部材と当接する当接部を有している。この場合、当接部は、放電ワイヤの一端側から他端側に向かう方向において、接触部材に対して上流側に配置されていることが好ましい。
【0027】
このような構成によると、保持部が当接部を有する場合は、接触部材の傾斜角度を良好に保つことが出来る。
【0028】
(10)また、操作部材は、放電ワイヤに付着した異物を収容する異物収容部を有する。この場合、異物収容部は、放電ワイヤとグリッド電極との間に配置されていても良い。
【0029】
このような構成によると、電ワイヤから掻き取られた異物がグリッド電極に付着することを低減でき、より良好に帯電器の清掃を行うことが出来る。
【0030】
(11)また、第1方向から見て、放電ワイヤ挟むように互いに対向して配置される一対のシールド板を有する。この場合、接触部材は、一対のシールド板の放電ワイヤ側の面と接触するシールド接触部を有していても良い。
【0031】
このような構成によると、グリッド電極と放電ワイヤを清掃しつつ、シールドの放電ワイヤ側の面を良好に清掃することが出来る。
【0032】
(12)グリッド電極と、一対の前記シールド板と、清掃部材と、を支持するフレームを有し、一対のシールド板は、一対のシールド板の対向方向である第二方向において、グリッド電極によって架設され、フレームは、第二方向において、一対のシールド板を挟んで放電ワイヤとは反対側に配置される一対の第1壁と、第1方向から見て、第1壁のグリッド電極とは反対側の端部をつなぐ第2壁と、を有し、操作部材は、第1方向から見て、第2壁を挟んで放電ワイヤとは反対側に配置される操作部と、保持部と操作部とを連結する連結部と、を有し、第2壁は、第1方向に沿い連結部が配置される連結孔を有し、連結孔は、前記第1方向から見て、放電ワイヤと一対の第1壁との間に設けられていても良い。
【0033】
このような構成によると、連結孔を解して帯電器内に進入した異物が放電ワイヤの付着することを低減できる。
【0034】
(13)更に、連結部は、第1方向から見て放電ワイヤを挟むように一対で設けられていることが好ましい。
【0035】
このような構成によると、操作部材の剛性を高めつつ、より良好に接触部材をグリッド電極に向けて接触させることが出来る。
【発明の効果】
【0036】
本発明の帯電器によれば、接触部材を保持する保持部がグリッド電極と放電ワイヤとの間にあるので、接触部材をグリッド電極に向けてより良好に接触させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、レーザプリンタの断面の模式図である。
【図2】図2(a)は、帯電器の前後方向から見た側面図である。図2(b)は、帯電器の平面図である。
【図3】図3は、帯電の左右方向における断面図である。
【図4】図4は、清掃部材の前側上方から見た斜視図である。
【図5】図5は、清掃部材を後方から見た側面図である。
【図6】図6は、膨出部の前後方向における断面図である。
【図7】図7は、異物収容部の前後方向における断面図である。
【図8】図8は、接触部材を左右方向からみた図である。
【図9】図9は、グリッド接触部の前後方向における拡大断面図である。
【図10】図10は、変形例における清掃部材を前側上方から見た斜視図である。
【図11】図11は、変形例における帯電器の右側から見た側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
次に、本発明の第1実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、実施形態に係る帯電器100を備えた画像形成装置の一例としてのレーザプリンタ1の概略構成について説明した後、帯電器100の詳細な構成について説明する。
【0039】
また、レーザプリンタ1の概略構成の説明において、方向は、レーザプリンタ1を使用するユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1における右側を「前」、左側を「後」とし、手前側を「左」、奥側を「右」とする。また、図1における上下方向を「上下」とする。
【0040】
<レーザプリンタの概略構成>
図1に示すように、レーザプリンタ1は、本体筐体2内に、用紙Sを供給する給紙部3と、露光装置4と、用紙上にトナー像を転写するプロセスカートリッジ5と、用紙上のトナー像を熱定着する定着装置8とを主に備えている。
【0041】
給紙部3は、本体筐体2内の下部に設けられ、給紙トレイ31と、用紙押圧板32と、給紙機構33とを主に備えている。給紙トレイ31に収容された用紙は、用紙押圧板32によって上方に寄せられ、給紙機構33によってプロセスカートリッジ5(感光体ドラム61と転写ローラ63との間)に向けて供給される。
【0042】
露光装置4は、本体筐体2内の上部に配置され、図示しないレーザ発光部やポリゴンミラー、レンズ、反射鏡などを備えている。この露光装置4では、レーザ発光部から出射される画像データに基づくレーザ光(鎖線参照)が、感光体ドラム61の表面で高速走査されることで、感光体ドラム61の表面を露光する。
【0043】
プロセスカートリッジ5は、露光装置4の下方に配置され、本体筐体2に設けられたフロントカバー21を開いたときにできる開口から本体筐体2に対して着脱可能に装着される構成となっている。このプロセスカートリッジ5は、感光体ユニット6と、現像ユニット7とから構成されている。
【0044】
感光体ユニット6は、感光体の一例としての正帯電性の感光体ドラム61と、帯電器100と、転写ローラ63とを主に備えている。
【0045】
現像ユニット7は、感光体ユニット6に対して着脱自在となっており、感光体ユニット6に装着された状態、すなわち、プロセスカートリッジ5として本体筐体2に対し着脱可能に装着されるように構成されている。この現像ユニット7は、現像ローラ71と、供給ローラ72と、層厚規制ブレード73と、トナー(現像剤)を収容するトナー収容部74とを主に備えている。
【0046】
プロセスカートリッジ5では、感光体ドラム61の表面が、帯電器100により一様に正帯電された後、露光装置4からのレーザ光の高速走査によって露光されることで、感光体ドラム61上に画像データに基づく静電潜像が形成される。また、トナー収容部74内のトナーは、図示しないアジテータによって撹拌されながら、まず供給ローラ72に供給され、次いで供給ローラ72から現像ローラ71に供給される。そして、現像ローラ71の回転に伴って、現像ローラ71と層厚規制ブレード75の間に進入して一定厚さの薄層として現像ローラ71上に担持される。
【0047】
現像ローラ71上に担持されたトナーは、現像ローラ71から感光体ドラム61上に形成された静電潜像に供給される。これにより、静電潜像が可視像化され、感光体ドラム61上にトナー像が形成される。その後、感光体ドラム61と転写ローラ63の間を用紙が搬送されることで感光体ドラム61上のトナー像が用紙上に転写される。
【0048】
定着装置8は、プロセスカートリッジ5の後方に配置され、加熱ローラ81と、加熱ローラ81と対向配置されて加熱ローラ81を押圧する加圧ローラ82とを主に備えている。この定着装置8では、用紙上に転写されたトナー像を、用紙が加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過する間に熱定着させている。トナー像が熱定着された用紙は、排紙ローラ23によって排紙トレイ22上に排出される。
【0049】
<帯電器の具体的な構成>
次に帯電器100の具体的な構成について説明する。図2(a)は、帯電器100の前後方向から見た側面図である。図2(b)は、帯電器100の平面図である。図3は、帯電100の左右方向における断面図である。図4は、清掃部材109の前側上方から見た斜視図である。図5は、清掃部材109を後方から見た側面図である。図6は、膨出部122の前後方向における断面図である。図7は、異物収容部123の前後方向における断面図である。図8は、接触部材150を左右方向からみた図である。図9は、グリッド接触部155の前後方向における拡大断面図である。
【0050】
図2および図3に示すように、帯電器100は、放電ワイヤ101、グリッド電極102、一対のシールド103、フレーム104および清掃部材109を備える。清掃部材109は、待機時においては、待機位置(放電ワイヤに101の左側)に配置されている。
【0051】
放電ワイヤ101は、所定の電圧が印加されることで放電を発生させる金属製のワイヤであり、第1方向、具体的には、感光ドラム61の軸方向(左右方向)に沿って延設される。
【0052】
グリッド電極102は、放電ワイヤ101と異なる電位に設定されることで、感光ドラム61の帯電量を制御する金属製の板状部材であり、放電ワイヤ101と感光ドラム61との間に設けられ、左右方向に沿って延びている。
【0053】
一対のシールド103は、放電ワイヤ101を挟んで前後方向に対向して設けられた金属製の板状部材である。なお、前記したグリッド電極102は、一対のシールド103の下端部(感光ドラム61側の端部)をつないでおり、一対のシールド103と略直交するように設けられている。
【0054】
図3に示すように、フレーム104は、第1壁の一例としての一対の側壁105および第2壁の一例としての上壁106を備える。一対の側壁105は、後側側壁105aと前側側壁105bとを有する。一対の側壁105、は前後方向において間隔を空けて対向して配置されており、一対のシールド103の外側に一対のシールド103と隣り合うように設けられている。
【0055】
上壁106は、後側側壁105aの上側端部(感光ドラム61とは反対側の端部)から前方に向かって延びている。上壁106の前側端部と前側側壁105bとは、所定の間隔を空けて配置されることで、連結孔の一例としてのガイド開口部107が形成されている(図2(b)参照)。ガイド開口部107は、上下方向に貫通した開口であり、左右方向に沿って設けられている。上壁106の前側端部には、上方に向けて突出する凸部108が設けられている。凸部108は、左右方向に沿って設けられている。
【0056】
図3に示すように清掃部材109は、操作部材110および接触部材150を備える。操作部材110は、操作部111、連結部112および保持部113を備える。操作部111は、樹脂製の部材でありガイド開口107に沿って左右方向において往復移動可能に設けられている。
【0057】
図3に示すように操作部111は、上面部114および屈曲部115を備える。上面部114は、上方から見て略矩形状であり、上壁106の上方に隣接配置されている。上面部114の上壁106側の面には、下方から上方に向かって凹む凹部116が設けられている。屈曲部115は、上面部114の前側端部から下方に向かって屈曲している部分である。凹部116内には、凸部108と前側側壁105bの上側部分とが配置される。これによって、操作部111は、凸部108と前側側壁105bの上側部分とに沿って、左右方向に良好に操作される。
【0058】
連結部112は、上面部114の凹部116に対応する部分から下方に延びる柱上の部材である。連結部112は、後述する保持部113と操作部111とを連結している。連結部112の下端部からは、後方に向かって延びる保持部113が設けられている。
【0059】
図3、図4、図5に示すように保持部113は、基部120、一対の保持突部121、当接部122および異物収容部123を備える。基部120は、連結部112の下端部と繋がる柱状の部材であり、放電ワイヤ101とグリッド電極102と間で前後方向(一対のシールド103の対向方向)に沿って延びている。
【0060】
図3に示すように、左右方向から見て、放電ワイヤ101から保持突部121(後述すする第1開口151の上下方向における中心)までの上下方向における長さL1は、グリッド電極102から保持突部121(第1開口151の上下方向における中心)までの上下方向における長さL2よりも長い。
【0061】
図5および図6に示すように、一対の保持突部121は、基部120から左右方向に沿って突出している。一対の保持突部121は、前後方向から見て略三角形であり、基部120から上下方向に膨出する膨出部124と、基部120から右方に突出する先端部125とを有する。
【0062】
保持突部121は、左から右に向かうにつれその上下方向の長さが短くなるように先端部125と膨出部124とが傾斜面128でつながれている。また、膨出部124は、基部120よりも上方に膨出する上側膨出部124a、基部120よりも下方に膨出する下側膨出部124bを備える。下側膨出部124bは、上側膨出部124aより右側に位置している。
【0063】
図6に示すように、当接部122は、基部120を挟んで上下方向に突出している。当接部122は、接触部材150と当接する当接面126を有する。当接面126は、上方から下方に向かうにつれて下側端部127が右方に位置するように傾斜している。保持突部121は、当接面126から右方に向けて突出している。
【0064】
図4および図7に示すように、異物収容部123は、左右方向において一対の保持突部121および一対の当接部122の間において、基部120から右方に突出するように設けられている。
【0065】
異物収容部123は、箱形状をしており、一対の側壁130、右壁131および底壁132を有する。異物収容部123には、一対の側壁130、右壁131および後述する第2開口152の縁部によって異物受入開口133が形成されている。底壁132の左側端部は、後述するワイヤ接触部154よりも左側に位置している。
【0066】
図8に示すように、接触部材150は、PETフィルム等のシート状の部材より形成されている。接触部材150は、本体部158、一対の第1開口部151、第2開口部152、開口部の一例としてのワイヤ挿入開口153、ワイヤ接触部154、グリッド接触部155およびシールド接触部156を備える。
【0067】
第1開口部151は、左右方向に貫通された矩形状の開口であり、保持突部121が挿入される開口である。第1開口部151は、上下方向の長さが膨出部124の上下方向の長さよりも若干幅狭となるように形成されている(図7参照)。第1開口部151は、前後方向の長さが膨出部124の前後方向の長さとほぼ等しくなるように形成されている。
【0068】
第2開口部152は、一対の第1開口部151の間において、異物収容部123と対応する位置に形成されている。第2開口部152は、左右方向に貫通された矩形状の開口である。第2開口部152は、上下および前後方向の長さが異物収容部123の上下および前後方向の長さと略等しくなるように形成されている。
【0069】
ワイヤ挿入開口153は、左右方向において貫通し、接触部材150の上端部から下方に向かって形成された開口である。ワイヤ開口部153の前後方向における幅は、放電ワイヤ101の直径とほぼ等しい(放電ワイヤ101の直径よりやや広い)。ワイヤ開口部153の下端部の縁は、放電ワイヤ101のグリッド電極102側の面と接触するワイヤ接触部154である。
【0070】
具体的に、ワイヤ接触部154は、ワイヤ挿入開口153の下側端部において略U字形状に湾曲する部分である。また、ワイヤ挿入開口153の上端部からは、上方に向かうに従って前後方向の間隔が次第に広がる様に略V字形状の切り込み部157が本体部158の外周縁部によって形成されている。
【0071】
グリッド接触部155は、本体部158の下側縁部であり前後方向に延びるように形成されている。グリッド接触部155は、接触部材150が保持部113に取り付けられた状態で全体がグリッド電極102と接触する。シールド接触部156は、グリッド接触部155の前後方向における端部から上方に向かって延びるように形成された本体部158の縁部である。シールド接触部156は、接触部材150が保持部113に取り付けられた状態で、一対のシールド103の下端部の内面(放電ワイヤ101側の面)と接触する。
【0072】
また、図9に示すようにグリッド接触部155は、グリッド接触部155と一体である右方に突出する突出部159を有する。突出部159は、グリッド接触部155の前後方向に亘って複数設けられている。突出部159は、操作部材120が左方から右方に移動することで、グリッド電極102と接触する。
【0073】
以上より、帯電器100は以下のような効果を有する。帯電器100は、接触部材150を保持する保持部113がグリッド電極102と放電ワイヤ101との間にあるので、接触部材をグリッド電極に向けてより良好に接触させることが出来る。
【0074】
また、清掃部材109が操作部材120を有し、操作部材120が保持部113を備えている場合は、操作部材120の移動に伴って放電ワイヤ101とグリッド電極102とを清掃することが出来る。
【0075】
また、ワイヤ接触部154は、ワイヤ挿入開口153を形成する縁部のグリッド電極102側の部分である場合は、放電ワイヤ101のグリッド電極側102の部分を清掃できる。
【0076】
また、接触部材150が切り込み部157を有する場合は、容易に放電ワイヤ101をワイヤ挿入開口153内に配置できる。
【0077】
また、保持部113からグリッド電極102までの距離が保持部113から放電ワイヤ101までの距離よりも短い場合は、接触部材150が放電ワイヤ101にかける荷重を低減しつつグリッド電極102を良好に清掃することが出来る。
【0078】
また、グリッド接触部155が突出部159を有する場合は、突出部159でグリッド電極102に付着した異物を掻き取ることができるので、良好なグリッド電極102の清掃が可能となる。
【0079】
また、グリッド接触部155がワイヤ接触部154より操作部材120の移動方向において下流側に位置するように接触部材150放電ワイヤ101に対して傾斜している場合は、角度をもって接触部材150がグリッド電極102に接触することから、より良好なグリッド電極102の清掃が可能となる。
【0080】
また、保持部113が当接部122を有する場合は、接触部材150の傾斜角度を良好に保つことが出来る。
【0081】
また、操作部材120が異物収容部123を有する場合は、帯電ワイヤ101から掻き取られた異物がグリッド電極102に付着することを低減でき、より良好に帯電器100の清掃を行うことが出来る。
【0082】
また、接触部材150がシールド接触部156を有する場合は、グリッド電極102と放電ワイヤ101を清掃しつつ、一対のシールド103の放電ワイヤ101側の面を良好に清掃することが出来る。
【0083】
また、ガイド開口107が第1方向から見て放電ワイヤ101と一対の側壁105との間に配置される場合は、ガイド開口107を解して帯電器100内に進入した異物が放電ワイヤ101の付着することを低減できる。
【0084】
<変形例>
次に、図10と図11とを用いて変形例の説明をする。図10は、清掃部材109を前側上方から見た斜視図である。図11は、帯電器100の右側から見た側断面図である。
【0085】
変形例の説明において、上記実施形態と同一の構成については、同一の番号を付し説明を省略する。図10に示すように、操作部材170は、操作部111、第1連結部160、第2連結部161、第3連結部162および保持部113を備える。
【0086】
図11に示すように、第1連結部160は、保持部113と操作部111とを連結し、前側側壁105bと放電ワイヤ101との間に配置される。第2連結部161は、後側側壁105aと放電ワイヤ101との間に配置され、下側端部が保持部113の前側端部と連結される。第3連結部162は、上壁106と放電ワイヤ101との間に配置され、後側端部が第1連結部160と接続され前側端部が第2連結部161と接続される。
【0087】
このような構成により、操作部材170の剛性を高めつつ、グリッド接触部155は前後方向において良好にグリッド電極103と接触される。
【0088】
また、本実施形態において、帯電器100は、感光ドラム61を帯電するものを例として説明したが、転写装置として用いても良い。
【0089】
また、突出部159は、接触部材150を裁断したときに生じるバリであっても良い。
【0090】
また、第2連結部161は、操作部111と直接連結されていても良い。
【符号の説明】
【0091】
100 帯電器
101 放電ワイヤ
102 グリッド電極
103 シールド
104 フレーム
105 側壁
106 上壁
112 連結部
113 保持部
121 保持突部
122 当接部
123 異物収容部
153 ワイヤ挿入開口
154 ワイヤ接触部
155 グリッド接触部
156 シールド接触部
159 突出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に沿って延設される放電ワイヤと、
前記第1方向に沿って延び、前記放電ワイヤと対向するグリッド電極と、
前記グリッド電極と前記放電ワイヤとに接触しながら前記第1方向に移動することで、前記グリッド電極と前記放電ワイヤとを清掃する清掃部材と、を備え、
前記清掃部材は、
前記グリッド電極と前記放電ワイヤとに接触するシート状の接触部材と、
前記接触部材を前記グリッド電極と前記放電ワイヤとの間で保持する保持部と、を有することを特徴とする帯電器。
【請求項2】
前記清掃部材は、前記接触部材を前記第1方向に沿って操作させる操作部材を有することを特徴とする請求項1に記載の帯電器。
【請求項3】
前記接触部材は、前記第1方向に貫通するように形成された開口部を有し、
前記放電ワイヤは、前記開口部内に配置され、
前記開口部は、前記放電ワイヤと接触するワイヤ接触部を有する請求項2に記載の帯電器。
【請求項4】
前記ワイヤ接触部は、前記開口部を形成する縁部の前記グリッド電極側の部分であることを特徴とする請求項3に記載の帯電器。
【請求項5】
前記接触部材は、前記開口部から前記接触部の外周縁部まで前記グリッド電極から離れる向きに延びる切込み部を有することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の帯電器。
【請求項6】
前記保持部から前記グリッド電極までの距離は、前記保持部から前記放電ワイヤまでの距離よりも短いことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれかに記載の帯電器。
【請求項7】
前記接触部材は、前記グリッド電極と接触するグリッド接触部を有し、
前記操作部材は、待機状態のときは前記放電ワイヤの一端側の待機位置に位置し、
前記グリッド接触部は、前記待機位置から前記放電ワイヤの他端側に向かう方向において下流側に向けて突出する突出部を有することを特徴とする請求項6に記載の帯電器。
【請求項8】
前記操作部材は、待機状態のときは前記放電ワイヤの一端側の待機位置に位置し、
前記接触部材は、前記放電ワイヤの一端側から他端側に向かう方向において、前記グリッド接触部が前記ワイヤ接触部より下流側に位置するように前記放電ワイヤに対して傾斜していることを特徴とする請求項7に記載の帯電器。
【請求項9】
前記保持部は、前記接触部材に沿って前記グリッド電極側に延び、前記接触部材と当接する当接部を有し、
前記当接部は、前記放電ワイヤの一端側から他端側に向かう方向において、前記接触部材に対して上流側に配置されていることを特徴とする請求項8に記載の帯電器。
【請求項10】
前記操作部材は、前記放電ワイヤに付着した異物を収容する異物収容部を有し、
前記異物収容部は、前記放電ワイヤと前記グリッド電極との間に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の帯電器。
【請求項11】
前記第1方向から見て、前記放電ワイヤ挟むように互いに対向して配置される一対のシールド板を有し、
前記接触部材は、一対の前記シールド板の前記放電ワイヤ側の面と接触するシールド接触部を有する請求項1から請求項10のいずれかに記載の帯電器。
【請求項12】
前記グリッド電極と、一対の前記シールド板と、前記清掃部材と、を支持するフレームを有し、
一対の前記シールド板は、一対の前記シールド板の対向方向である第二方向において、前記グリッド電極によって架設され、
前記フレームは、
前記第二方向において、一対の前記シールド板を挟んで前記放電ワイヤとは反対側に配置される一対の第1壁と、
前記第1方向から見て、前記第1壁の前記グリッド電極とは反対側の端部をつなぐ第2壁と、
を有し、
前記操作部材は、
前記第1方向から見て、前記第2壁を挟んで前記放電ワイヤとは反対側に配置される操作部と、
前記保持部と前記操作部とを連結する連結部と、
を有し、
前記第2壁は、前記第1方向に沿い前記連結部が配置される連結孔を有し、
前記連結孔は、前記第1方向から見て、前記放電ワイヤと前記一対の第1側壁との間に設けられていることを特徴とする請求項2から請求項11のいずれかに記載の帯電器。
【請求項13】
前記連結部は、前記第1方向から見て前記放電ワイヤを挟むように一対で設けられていることを特徴とする請求項12に記載の帯電器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−114018(P2013−114018A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259863(P2011−259863)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】