帯電部材および画像形成装置
【課題】帯電ブレード端部において端部位置での集中放電や、たわみによる端部の当接圧増加による感光体ドラムの削れの増大を軽減し、感光体ドラムの長寿命化が図れる帯電ブレードを提供する。
【解決手段】帯電部の放電位置と支持部との距離が画像域内よりも端部が長く構成することで、端部の放電を軽減し、さらには端部の当接圧を抑えることで感光体ドラムの削れを軽減し、感光体ドラムの長寿命化が可能となる
【解決手段】帯電部の放電位置と支持部との距離が画像域内よりも端部が長く構成することで、端部の放電を軽減し、さらには端部の当接圧を抑えることで感光体ドラムの削れを軽減し、感光体ドラムの長寿命化が可能となる
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電潜像が形成される像担持体(被帯電体)に非帯電部が当接して相対的に移動し直流電圧が印加されることにより像担持体の表面を帯電するためのブレード状の帯電部材に関するものである。また、その帯電部材を用いた画像形成装置に関するものである。
【0002】
上記において、静電潜像が形成される像担持体の代表例としては、電子写真感光体、静電記録誘電体が挙げられる。画像形成装置としては電子写真方式や静電記録方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機能機、画像表示ディスプレイ装置などが挙げられる。
【背景技術】
【0003】
転写方式の電子写真画像形成装置を例にして説明する。この装置は、一般に、回転ドラム型に代表される電子写真感光体(像担持体:以下、ドラムと記す)に対して、ドラム表面を所定の極性・電位に一様に帯電する帯電手段と、そのドラム帯電面に選択的に露光する露光手段により画像情報の静電潜像が形成される。その潜像が現像手段により現像剤(以下、トナーと記す)を用いてトナー像として可視化(現像)される。そのトナー像が転写手段により記録材(記録媒体)に転写される。そして、記録材上のトナー像が定着手段により固着画像として定着される。その記録材が画像形成物として出力される。
【0004】
帯電手段(帯電装置)は、近年は、半導電性のゴムや樹脂によるベルト形状、ロール形状、ブラシ形状などの回転方式の帯電部材、あるいはブレード形状、フィルム形状などの固定方式の帯電部材を用いた接触型帯電方式が主流となっている。
【0005】
接触型帯電方式は従来から広く使用されていた非接触型帯電方式であるコロナ帯電方式に比べてオゾン発生量が微量であるためオゾン除去フィルターなどの必要性がなくなる。また、ドラム表面を所定電位にするために必要とする印加電圧の低電圧化が図れる。このようなことから装置の小型化、低コスト化が可能になるという利点がある。
【0006】
接触型帯電方式の帯電メカニズムについて説明する。接触帯電方式によるドラム表面の帯電メカニズムは、微小空隙におけるパッシェンの法則に従った放電であることが知られている。これは以下のように説明される。
【0007】
1)帯電ローラの場合
図14の(a)と(b)は帯電部材として回転方式の帯電ローラ21を用いたローラ帯電装置の場合の斜視模式図と断面模式図である。帯電ローラ21は導電性芯金21aと芯金21aに対して同心一体にローラ状に形成された導電性弾性層21bを有する。ドラム1は導電性のドラム基体(素管)12の外周面に感光層11が形成されている。帯電ローラ21はドラム1に対してほぼ並行に配列されて所定の押圧力で接触(当接)している。
【0008】
帯電ローラ21はドラム1の表面の画像形成可能領域幅(最大画像領域幅)Fの全幅に渡る長さ寸法を有し、ドラム1の回転に従動して回転する。帯電ローラ21の芯金21aに対して帯電バイアス印加電源Vから所定の帯電バイアスが印加され、芯金21aを介して弾性層21bにバイアスが印加される。これにより、回転するドラム1の表面が所定の極性・電位に一様に帯電される。
【0009】
帯電ローラ21とドラム1との間の放電に関与する微小ギャップの空気層とドラム1を電気的な等価回路に表現すると図14の(c)のように示される。帯電ローラ21の示すインピーダンスはドラム1、空気層のそれに比べて小さく無視できるためここでは扱わない。このため、帯電機構は単に2つのコンデンサーC1、C2で表現できる。この等価回路に直流電圧を印加すると、電圧はそれぞれのコンデンサーのインピーダンスに比例配分され、空気層に印加される電圧Vairは、
Vair=C2/(C1+C2)・・・(1)式
になる。空気層にはパッシェンの法則に従う絶縁破壊電圧があり、空気層の厚みをg[μm]とすると、Vairが
312+6.2g[V]・・・(2)式
を越えると放電が起き、帯電が行われる。
【0010】
はじめて放電が起きる電圧は(1)式と(2)式が等しくなった場合の空気層の厚みgに関する二次方程式が重解を持つときであるので(C1もgの関数)、このときの直流電圧値が放電開始電圧Vthに相当する。このようにして求められた理論値のVthは実験値と非常に近い値を取る。
【0011】
ローラ帯電装置は、帯電ローラ21の回転支持部材211や加圧ばね212などが必要になり装置の構造が複雑になりやすい。また、帯電部材がブラシ形状(帯電ブラシ)のものは、回転方式でも固定方式でもブラシの作製に手間がかかるうえ、ブラシの跡が帯電ムラになりやすい。
【0012】
2)帯電ブレードの場合
図15は帯電部材として固定方式の帯電ブレード22を用いたブレード帯電装置の場合の斜視模式図である。ブレード帯電装置の場合は、帯電ブレード22として、帯電部としての導電性の弾性ブレード部220とこのブレード部220を保持させた導電性の支持部223を有するものを用いる。ブレード部220はドラム1の表面の画像形成可能領域幅Fの全幅に渡る長さ寸法を有する。そして、帯電ブレード22をドラム1に対してほぼ並行に配列して、ブレード部220をドラム1に接触させ、支持部材223を装置の不動部材(不図示)に固定して配設する。
【0013】
支持部223に対して帯電バイアス印加電源Vから所定の帯電バイアスが印加され、支持部223を介してブレード部220にバイアスが印加される。これにより、回転するドラム1の表面が所定の極性・電位に一様に帯電される。即ち、ブレード部220とドラム1との間に形成されるくさび型の微小空隙部分で放電を行うものであり、比較的安定した微小空隙を形成できる。そして、ローラ帯電装置で必要な回転支持部材211や加圧ばね212などが不要なため安価であるという特徴を有しており近年有望視されている。
【0014】
接触帯電方式の課題として、帯電領域内でのドラムの削れ量は帯電領域外に比べて多い、つまり帯電を受けることでドラム表面の削れ易くなる。さらに、帯電領域端部でのドラム表面の削れが特に顕著となる。帯電領域端部でのドラム削れが多い要因を2つ挙げると下記1)と2)となる。
【0015】
1)1つは帯電部材長手端部つまりエッジからの集中放電が起こることで、長手中央部に比べ端部の放電が強いからである。
【0016】
2)もう1つの要因としては、ドラムと帯電部材の当接によってたわみが生じ、そのたわみの結果、帯電部材長手両端部のドラムへの当接圧が中央部に比べて大きくなる。
【0017】
この2つの要因により帯電部材の長手端部位置でのドラムの削れが顕著である。近年、装置の小型化などによりドラムや帯電ローラの長手寸法も画像形成可能領域幅(最大画像形成領域幅)ギリギリに構成されることが多く、帯電部材の長手端部位置でのドラム表面の顕著な削れにより画像不良が生じることがある。この課題に対して、クリーニングブレードが当接する部分のドラム表面の削れも併せて顕著であることから、クリーニングブレードの当接領域よりも帯電ローラの端部位置を外側に構成する提案がされている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2006−208550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、ブレード形状の帯電部材(以下、帯電ブレードまたはブレードと記す)を用いる接触帯電方式では、固定された帯電ブレードがドラムに当接する。つまり帯電ブレードとドラムはドラムの回転によって摺擦されるため、ドラムに対して従動回転して当接する帯電ローラに比べて帯電領域幅端部の削れが厳しい。
【0020】
本発明はブレード状の帯電部材の上記の問題を解消するものである。即ち、帯電部材端部の放電集中を軽減し、更には端部の当接圧を下げることにより、帯電部材端部位置における像担持体の顕著な削れを軽減し、像担持体の長寿命化を図ることが可能なブレード状の帯電部材を提供することを目的とする。およびその帯電部材を用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記の目的を達成するための本発明に係る帯電部材の代表的な構成は、
静電潜像が形成される像担持体に非帯電部が当接して相対的に移動し電圧が印加されることにより前記像担持体の表面を帯電するためのブレード状の帯電部材であって、
前記像担持体の表面に対して放電を行うための帯電部と、前記像担持体の表面に対して放電を行わないための非帯電部と、を有し、
前記非帯電部は前記像担持体と接触して、前記帯電部と前記像担持体との間に放電可能な間隙を設けることが可能であり、
前記非帯電部は、前記非帯電部から前記像担持体の表面に対して放電をしないように、少なくとも一部が帯電部よりも高抵抗の物質で構成されており、
前記非帯電部は、前記像担持体の表面に前記帯電部の長手幅以上の長手幅に渡って当接して前記像担持体の表面を摺擦可能に設けられ、
前記像担持体の表面を帯電する際に放電を行う前記帯電部の表面の放電位置と前記帯電部材に電圧を印加するための電極部材との最近接の距離が、前記帯電部材の長手中央部における前記距離より前記帯電部材の長手端部における前記距離の方が長いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明のブレード状の帯電部材によれば、帯電部材端部の放電集中を軽減し、更には端部の当接圧を下げることにより、帯電部材端部位置における像担持体の顕著な削れを軽減し、像担持体の長寿命化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施例1における帯電ブレードの模式図
【図2】実施例1の帯電ブレードを用いた画像形成装置の一例の模式図
【図3】(a)は実施例1における帯電ブレードの側面図、(b)はドラムに対して配設された状態の帯電ブレードの側面図、(c)はドラムに対して配設された状態の帯電ブレードの斜視模型図
【図4】(a)乃至(c)はそれぞれ実施例1に係る帯電ブレードの他の構成形態を示す概略構成図
【図5】被帯電体に対する帯電ブレードの侵入量δおよび設定角θの概念を示す図
【図6】帯電ブレードとドラムの当接状態説明図
【図7】帯電ブレード長手端部の放電量軽減の概念説明図
【図8】帯電ブレード長手端部の当接圧軽減の概念図
【図9】実施例1のその他の形態(その1)の説明図
【図10】実施例1のその他の形態(その2)の説明図
【図11】比較例1における帯電ブレードの模式図
【図12】実施例2における帯電ブレードの模式図
【図13】帯電ブレード帯電部の長手端部における放電量軽減の概念説明図
【図14】ローラ帯電装置の説明図
【図15】ブレード帯電装置の説明図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【0025】
[実施例1]
(1)画像形成装置例の全体的な概略構成及び作像動作
図2は画像形成装置100の一例の概略構成図である。この装置100は、電子写真プロセス利用のプロセスカートリッジ着脱式の電子写真画像形成装置(プリンタ)である。装置100はパソコン・イメージリーダ・ファクシミリ装置等のホスト装置400から制御回路部(制御手段:CPU)200に入力する電気的な画像信号に基づいて記録材(記録メディア、記録媒体)Pに対する画像形成を実行する。
【0026】
記録材Pは電子写真プロセスで画像形成が可能なシート状物であり、例えば、用紙、樹脂シート、ラベル等が挙げられる。制御回路部200は操作部300やホスト装置400との間で各種の電気的情報の授受をすると共に、装置100の画像形成動作を記憶部に記憶させた所定の制御プログラムや参照テーブルに従って統括的に制御する。
【0027】
装置100の装置本体内には、カートリッジ収納部100Aが設けられている。プロセスカートリッジ50はカートリッジ収納部100Aに対して所定の操作要領にて取り外し可能に装着されている。本実施例において、カートリッジ50は一体型のプロセスカートリッジである。即ち、現像剤Tで現像される静電潜像が形成される回転ドラム型の像担持体(被帯電体)としての電子写真感光体ドラム1と、このドラム1に作用するプロセス手段が筺体に一体的に組み付けられて一体化されている。本実施例においてプロセス手段は、帯電手段22、現像手段10、クリーニング手段7である。
【0028】
本実施例において、ドラム1は負帯電性の有機感光体である。帯電手段22は帯電ブレード(ブレード状の帯電部材)である。この帯電ブレード22については後述する。現像手段10は現像剤Tとして磁性1成分トナーを用いたジャンピング現像方式の反転現像装置である。以下、現像剤Tをトナーと記す。クリーニング手段7はクリーニング部材として弾性クリーニングブレード7aを用いたブレードクリーニング装置である。
【0029】
現像装置10は、トナーTを収容している現像剤収容部としての現像容器10aを有する。ドラム1に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像剤担持体としての現像ローラ(スリーブ)10bを有する。現像ローラ10b内に配設された非回転のマグネットローラ10c、現像ローラ10b上のトナーの量を規制する規制部材としての現像ブレード10dを有する。
【0030】
カートリッジ収納部100Aの上方部には、像露光手段としての半導体レーザスキャナ3が配設されている。スキャナ3は、ホスト装置400から制御回路部200に入力する画像情報(電気的画像信号)に対応して変調したレーザ光Lを出力する。そのレーザ光Lがカートリッジ50の上面側の露光窓50aを通してカートリッジ50内に進入する。これにより、ドラム1の表面にレーザ走査露光がなされる。
【0031】
カートリッジ50のドラム1の下面には転写ローラ9が当接して転写ニップ部Nを形成している。カートリッジ収納部100Aに収容されているカートリッジ50は、押圧手段(不図示)により装置本体側の位置決め部(不図示)に押し付けられて位置決め固定されている。また、カートリッジ50の駆動入力部(不図示)に対して装置本体側の駆動出力部(不図示)が結合している。また、カートリッジ50の各種電気接点(不図示)に対して装置本体側の対応する各種電気接点(不図示)が導通している。ドラム1は制御回路部200により制御される駆動源(不図示)により制御される。
【0032】
画像形成動作は次のとおりである。ドラム1は矢印Rの時計回りに所定の周速度で回転駆動される。スキャナ3も駆動される。この駆動に同期して、所定の制御タイミングで帯電ブレード22にバイアス印加電源(電圧印加手段)Vから所定の帯電バイアスが印加されてドラム1の表面が本実施例においては負極性の所定の電位に均一に帯電処理される。スキャナ3はドラム1の表面を画像信号に対応して変調されたレーザ光Lで走査露光(像露光)する。ドラム1の表面は露光箇所の電位の絶対値が帯電電位の絶対値に比べて低くなることによって、画像情報に応じた静電潜像が順次形成される。
【0033】
形成された静電潜像は現像装置10の現像ローラ10bによりトナーが供給されてトナー像として現像される。現像ローラ10bは矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。また、現像ローラ10bには現像バイアス印加電源(不図示)から所定の制御タイミングにて所定の現像バイアスが印加される。本実施例では、現像ローラ10bに対して交流と直流を重畳した現像バイアス電圧を印加する。そして、現像ブレード10dと現像ローラ10bの接触箇所で摩擦帯電により負極性に帯電されたトナーをドラム1の表面の静電潜像に適用して静電潜像を反転現像する。
【0034】
一方、給紙機構部13の給紙ローラ14が駆動されて記録材(記録メディア)Pが一枚分離給送される。その記録材Pがレジストレーションローラ15aを含むシートパス15を通って転写ニップ部Nに所定の制御タイミングで導入され、ニップ部Nを挟持搬送されていく。ニップ部Nを記録材Pが通過している間、転写ローラ9には転写バイアス印加電源(不図示)から所定の転写バイアスが印加される。これにより、ドラム1側のトナー像が順次に記録材Pの面に転写されていく。
【0035】
ニップ部Nを出た記録材Pはドラム1の面から分離されてシートパス16を通って定着装置8に導入される。本実施例において、定着装置8はヒートローラ定着装置であり、記録材Pは定着ニップ部で挟持搬送されて熱と圧力を受ける。これにより、記録材P上の未定着トナー像が固着画像として熱圧定着される。そして定着装置8を出た記録材Pは画像形成物としてシートパス17を通り排出ローラ18により排出口19から排紙トレー20に排出される。
【0036】
また、転写ニップ部Nにおいて記録材Pに転写されずにドラム1上に残存した転写残トナーは、クリーニング装置7のウレタンゴムからなるクリーニングブレード7aにより掻き取られ、廃トナー容器7bに収納される。クリーニングされたドラム1は繰り返して画像形成に供される。クリーニングブレード7aは、一定の圧力でドラム1に長手方向に沿って当接している。そして、転写残トナーを除去することによってドラム1の表面を清掃する。クリーニング工程終了後、ドラム1の表面は再び帯電工程に入る。
【0037】
(2)帯電ブレード
図3の(a)は本実施例における帯電ブレード22の側面図、(b)はドラム1に対して配設された状態の帯電ブレード22の側面図、(c)はドラム1に対して配設された状態の帯電ブレード22の斜視模型図である。
【0038】
帯電ブレード22は、ドラム1の表面に対して放電を行うための半導電性の帯電部222と、ドラム1の表面に対して放電を行わないための非帯電部(絶縁部)221と、を有する。非帯電部221はドラム1と接触して、帯電部222とドラム1との間に放電可能な間隙αを設けることが可能である。非帯電部221は、非帯電部221からドラム1の表面に対して放電をしないように、少なくとも一部が帯電部222よりも高抵抗の物質で構成されている。非帯電部221は、ドラム1の表面の画像形成可能領域幅Fの全幅に渡って当接してドラム1の表面を摺擦可能に設けられる。
【0039】
より具体的に説明する。帯電ブレード22は、非帯電部221と帯電部222を支持する支持部を兼ねる電極部223を有する。本実施例においては、電極部223には導電性弾性板部材である厚み0.1mmのリン青銅板を用いている。電極部223はドラム1の母線方向(ドラム軸線方向)に長く、ドラム1の画像形成可能領域幅Fの全幅に対応する長さ寸法を有する。
【0040】
電極部223の先端側(電極部223の短手方向の一端側)は電極部223の長手に沿って非帯電部221で被覆されている。本実施例において非帯電部221が帯電ブレード22の先端部を構成しており、ドラム1の最大通紙幅G(>F)のほぼ全幅に渡る長さで設けられている。即ち、非帯電部221は、ドラム1の表面に帯電部の長手幅以上の長手幅に渡って当接してドラム1の表面を摺擦可能に設けられている。
【0041】
本実施例においては、非帯電部221はJIS−A硬さ72度のウレタンゴムを使用している。ウレタンゴムのほかにシリコンゴムなどの絶縁性ゴムを使用しても良く、少なくとも1×1011Ω・cm以上であれば良い。
【0042】
電極部223のドラム1と対向する側の面には、ドラム表面を放電を利用して帯電するために、電極部223の長手に沿って半導電性の帯電部222が導電性接着剤により接合され設けられている。従って、帯電部222は電極部223と電気的に導通している。帯電部222もドラム1の最大通紙幅Gのほぼ全幅に渡る長さ(帯電部以上の長手幅)で設けられている。
【0043】
帯電部222はエピクロルヒドリンゴム・EPDM等のゴムに、カーボンブラックや金属酸化物(酸化亜鉛・酸化チタン等)などの導電粉を添加して、抵抗値を1×103〜1×109Ω・cmに制御している。
【0044】
1×103Ω・cmより小さい抵抗である場合には、ドラム1上にブツ等の不良部があった場合に電流リークを生じてしまい、いわゆる“横抜け”(反転現像の場合は、“横黒帯”)という画像不良を生じてしまう。また1×109Ω・cm以上になると抵抗が大きくなり、印加した電圧の減衰が大きく、帯電性が劣化してしまう。従って、帯電部の抵抗値は、1×103Ω・cm〜1×109Ω・cmが望ましい。
【0045】
電極部223の基部側(電極部223の短手方向の他端側)はホルダーとしての剛性金属板224に対して導電性接着剤により接合されている。従って、帯電部222は電極部223を介してホルダー224と電気的に導通している。
【0046】
帯電ブレード22は長手方向をドラム1の母線方向に並行にしてドラム1に対して配列される。本実施例においては帯電ブレード22は画像形成時のドラム1の回転方向Rに対してカウンター方向に配設されている。そして、電極部223の先端側の非帯電部221のエッジ部をドラム1に接触させ、ホルダー224をカートリッジ50の筺体(不図示)に固定して、前記エッジ部を電極部223の撓み反力にて所定の押圧力でドラム1に対して当接させた状態にされている。
【0047】
この当接状態において、帯電部222の帯電面222aはドラム1との間に非接触に対面して配置される。そして、帯電面222aの放電位置Sがドラム1との間に放電可能な隙間αを持って非接触に配置される。帯電ブレード22に対する電圧は本実施例においては電圧印加手段であるバイアス印加電源Vから導電性のホルダー224に対して印加される。電極部223に対して印加する構成であってもよい。電源Vは制御手段である制御回路部200により制御される。
【0048】
ホルダー224に対して印加されたバイアスが電極部223を介して帯電部222に印加される。これにより、帯電部222の帯電面222aとドラム1との間の放電可能な微小空隙においてドラム1の表面に対して放電がなされて回転するドラム1の表面が所定の極性・電位に一様に帯電される。
【0049】
電極部223にはSUSなどの薄板を用いても良い。また、ホルダー224は画像形成装置本体に取り付けても良いし、あるいは電極部223をプロセスカートリッジ50の筐体や画像形成装置本体に直接に固定支持しても良い。
【0050】
帯電ブレード22は先端部からの放電がなければ特に先端部が絶縁である必要はない。例えば、図4(a)や(b)に示すように、電極部223の先端部は絶縁性のウレタンゴム(絶縁性部材)221で形成され、さらにその先は電極部223と絶縁された状態で導電ゴム(導電性部材)222bで形成される。そして、この導電ゴム222bが当接部としてドラム1に当接する構成でも良い。
【0051】
また、(c)のように、電極部223の先端部は絶縁性のウレタンゴム(絶縁性部材)221で形成される。さらにその先は電極部223と絶縁された状態で導電ゴム(導電性部材)222bで形成され、さらにその先が絶縁性のウレタンゴム(絶縁性部材)221bで形成される。そして、この絶縁性のウレタンゴム221bが当接部としてドラム1に当接する構成でも良い。
【0052】
帯電ブレード22は、図5の(a)に示すように被帯電体としてのドラム1の回転に対してカウンター方向に設定角θで当接させている。帯電ブレード22を仮想のドラム1に対して侵入(侵入させる量を以後「侵入量δ」と称する)させることにより実際にはドラム1と帯電ブレード22を圧接させて帯電ブレードの挙動を安定させている。実際の設定角θと侵入量δの求め方を図5の(a)を用いて説明する。設定角θと侵入量δは、画像形成時における帯電ブレード22とドラム1の配置状態から、ドラム1を取り去った状態で測定を行う。
【0053】
図5(a)において、画像形成時にドラム1が配置されてた位置を仮想ドラム1とする。仮想ドラム1の中心を通り帯電ブレード22の先端のエッジ部を含み、ドラム1と対向する側の面と平行な軸をX軸とする。仮想ドラム1の中心を通りX軸に垂直な軸をY軸とする。図に示すように、仮想ドラム中心0からの帯電ブレードエッジの座標の測定を行う。
【0054】
このドラム中心0からx方向の座標xとy方向の座標y、そしてドラムの半径rから式(1)と式(2)を用いて設定角θと侵入量δを求めることが出来る。
【0055】
δ=√(r^2−x^2)−y ・・・式(1)
θ=arcsin(x/r) ・・・式(2)
図5の(a)を用いて、ブレードと曲率を持った感光体ドラム1の侵入量δと設定角θの実際の測定について説明した。次に帯電ブレードと当接する対象物が感光ベルトなど平面である時について図5の(b)を用いて説明する。これは図5の(a)と異なり、帯電ブレードの当接位置が変わっても設定角θは変わらない。よって、仮想ベルト平面1aとの成す角である設定角θは、仮想ベルト平面1Aに対してのブレード22の取り付け角度を測ることで、容易に知ることが出来る。また、侵入量δは仮想ベルト平面1Aからブレードエッジまでの距離gと設定角θから式(3)を用いて求めることが出来る。
【0056】
δ=g/cosθ・・・・・・式(3)
図6は帯電ブレード22の先端部とドラム1との当接部の状態を示す模式図である。ドラム1と帯電部222の最近接点で帯電部222上をS、ドラム上をQとし、電極部223上で位置Sとの最近接位置をUとする。線分QSの長さg(微小空隙α)が7.5μm未満ではパッシェンの法則より放電が起こらない。一方、長さgが150μm以上では放電は起こるが不均一な放電であり、画像形成時には斑点状の不良画像となって現れる。
【0057】
放電が発生するための微小空隙の下限値は、印加する電圧や、放電を行う部材によらず一定のものである。放電が発生するための微小空隙の下限値は、気圧によってある程度変動する。本実施例では、一気圧(1013hPa)を基準にして、上記した7.5μmを導き出している。一気圧は、装置が使用される一般的な環境として選択している。
【0058】
よって、線分QSが7.5μm以上の時は、ドラム1と帯電部222の最近接点で帯電部222上であるSが放電位置となる。しかし、線分QSが7.5μm未満の場合は、最近接点を結んだ線分QSよりもドラム回転方向下流側で7.5μm以上になった部分が放電位置となる。本実施例では本実施例では線分QSの長さgは7.5μm以上150μm以下とした。よって、本実施例では、ドラム1と帯電部222との距離が7.5μm以上150μm以下であり、且つ、ドラム1と帯電部222の最近接位置の帯電部222上が放電位置Sとなる。
【0059】
このような理論的な放電位置の定義と、実際の放電位置とが対応するかどうかの検証をおこなってみた。ドラム1と帯電ブレード22を圧接させた停止状態において、一定の時間だけ一定の帯電電圧を印加する。そして、帯電部222に放電により生じた痕(この痕を以下“放電痕”と称する)の位置を実際の放電位置として、放電痕の測定を行った。印加する帯電電圧は放電が継続して行われる電圧であればよく、たとえば、ピーク間電圧2.0kVのサイン波の交流電圧を10分間印加することで帯電部222に放電痕が得られる。
【0060】
結果から、放電痕の位置と、理論的な放電位置とはほぼ同じ位置であることがわかった。したがって、上記のような、理論的な放電位置の求め方が有効であることがわかった。
【0061】
(3)検証実験
本実施例1の帯電ブレード22は、ドラム1の表面を帯電する際に放電を行う帯電部222の表面の放電位置Sと帯電ブレード22に電圧を印加するための電極部223との最近接の距離S−Uが次ぎのような構成であることに特徴がある。即ち、帯電ブレード22の長手中央部における前記距離S−Uより帯電ブレード22の長手端部における前記距離S−Uの方が長いことである。
【0062】
本実施例1の検証実験に用いた帯電ブレード22を図1に示す。(a)はドラム1との非当接面側から見た模式図であり、図中の破線は電極部(支持部)223の輪郭を表している。また、位置(b)の矢印方向から見た断面および位置(c)の矢印方向から見た断面を各々、図1の(b)、(c)に表している。
【0063】
これからわかるように、本実施例1で用いた帯電ブレード22は電極部223の長手幅は帯電部222の長手幅よりも短く構成されている。また、この時の、ドラム1における画像形成可能領域幅(最大画像領域幅)Fと最大通紙幅G、及びクリーニング幅Hは図に示すとおりであり、F<G<H、である。また、放電位置Sと、電極部223との最近接の距離S−Uは、画像形成可能領域幅Fで同程度である。
【0064】
図1に示した帯電ブレード22を用いた耐久評価を行った。評価の方法は、6000枚のプリントを行った後の帯電ブレード22の帯電部長手端部位置222cでのドラム1の摩耗量の測定を行った。図1のように、長手方向において帯電部222よりも電極部223の先端が短い帯電ブレード22を用いて6000枚のプリントを行ったところ、画像不良は発生せず、帯電部長手端部位置222cでのドラム削れ量は5.4μmであった。
【0065】
これについて図7、図8を用いて説明する。図7は図1に示す本実施例で用いた帯電ブレード22の放電量軽減の説明図である。図7の(b)は図1の(b)の位置における帯電部長手端部付近の導電経路の模式図である。帯電部222の長手端部の放電位置Sは金属からなる電極部223の最近接位置Uからバイアスが供給される。よって、線分SUの距離が長いほど帯電部222の導電経路における体積抵抗が増加し、帯電部222の長手端部の放電が減少する。
【0066】
つまり、図7の(b)に示すような導電経路を取る本実施例の図1に示す帯電ブレードは、図7の(a)に示すような長手端部まで電極部223がある構成に比べて、帯電部222上の放電位置Sと電極部223上の供給位置Uが長い。これにより帯電部長手端部の放電が減少しドラム削れを少なく抑えることが出来た。
【0067】
そして、図8は本実施例において用いた帯電ブレードの長手端部の当接圧軽減の説明図である。本実施例における帯電ブレード22は電極部223が帯電部222よりも長手方向において短い。よって、電極部223が帯電部222の長手端部まである場合(図7の(a))よりも、電極部223が無い構成(図7の(b))においては次のようになる。即ち、帯電ブレード22の長手端部におけるドラム1に対する当接圧が帯電ブレード22の電極部223がある中央部における当接圧よりも低くなる。
【0068】
その結果、画像形成可能領域幅F内においては、帯電ブレード長手において帯電部222の放電位置Sと電極部223との最近接位置Uの距離S−U及び、放電ギャップSQの距離は略一定である。そのため、画像形成可能領域幅F内では従来どおり均一な帯電を維持したまま、画像不良の発生も無く、特にドラム削れが顕著となる帯電部長手端部かつ帯電ブレード端部位置におけるドラム1の削れ量を少なく抑えることができ、長寿命化が可能となった。
【0069】
ここで、本実施例1では帯電ブレード22の長手幅が最大通紙幅Gよりも短い場合について説明した。しかし、図9に示すように、通紙幅Gは帯電ブレード22の長手端部より内側であっても良い。この場合も、前述した効果と同様に、ドラム1の帯電ブレード22の長手端部でのドラム削れが軽減し、このドラム削れを起因とした画像不良の発生を良化させることが可能となる。
【0070】
加えて、図10に示すように、帯電部222が帯電ブレード22の長手端部まである必要は無い。少なくとも、画像形成可能領域幅Fが電極部223と帯電部222よりも内側に位置する。そして、画像形成可能領域幅F内での電極部223と帯電部222の放電位置Sとの距離S−Uが、帯電部222の長手端部でのその距離S−Uよりも短かければ、帯電ブレード端部222cは絶縁部221で構成されていても良い。これにより、本実施例と同様の効果を得ることが出来る。
【0071】
[比較例1]
本比較例1で用いた帯電ブレードを図11に示す。図11の(a)はドラム1との非当接面側から見た模式図であり、図中の破線は電極部223の輪郭を表している。また、位置(b)の矢印方向から見た断面および位置(c)の矢印方向から見た断面を各々、図11の(b)と(c)に表している。帯電部222と電極部223の長手関係が異なる以外は実施例1と同様である。本比較例1で用いた帯電ブレード22においては、電極部223の長手幅は帯電部222の長手幅と同じに構成されている。この時の、画像形成可能領域幅Fと最大通紙幅G、及びクリーニング幅Hは図に示すとおりである。
【0072】
実装試験を行った結果、5000枚程度のプリントを行ったところ、最大通紙幅Gである記録材(紙)の端部付近で帯電ブレードの端部にあたる位置で黒縦スジが発生した。この時、帯電部長手端部位置のドラム表面が9.7μm削れていた。これは、帯電部長手端部の集中放電と、中央に比べて高い端部の当接圧によってドラム削れが助長され、画像不良が発生した。
【0073】
[実施例2]
本実施例2で用いた帯電ブレード22においては、電極部223は先端に向けて長手幅が短くなり、少なくとも電極部223の非帯電部分の長手幅は、帯電部222の長手幅よりも短いことを特徴とする。放電位置Sと、電極部223との最近接の距離は、画像形成可能領域幅Fで同程度である。
【0074】
本実施例2で用いた帯電ブレード22を図12に示す。図12の(a)はドラム1との非当接面側から見た模式図であり、図中の破線は電極部223の輪郭を表している。また、位置(b)の矢印方向から見た断面、位置(c)の矢印方向から見た断面及び位置(d)の矢印方向から見た断面を各々、図12の(b)、(c)、(d)に表している。電極部223が先端に向けて細くなる形状となっており、電極部223の先端位置では帯電部222の長手幅が電極部223よりも狭い以外は、実施例1と同様である。即ち、電極部223は先端に向けて長手幅が短くなる形状である。
【0075】
この帯電ブレードを用いて6000枚のプリントを行ったところ、画像不良は発生せず、帯電部長手端部位置でのドラム削れ量は6.8μmであった。これは、実施例1で帯電部222長手端部の放電量の減少を図6を用いて説明した。本実施例2では長手方向の断面である図12の(b)の線分SUbよりも、帯電ブレード側面方向から見た断面である図12の(d)の線分SUdが短いことから、放電位置Sからの最近接点はUdとなり、最短距離は線分SUdとなる。
【0076】
つまり、実施例1では図6を用いて長手方向の断面での導電経路を説明した。しかし、これに限るものではない。本実施例2では帯電ブレード22を側面方向から見た時の断面の導電経路を模式的に表した図13に示すように、帯電部222上の放電位置Sと電極部223の先端Uの距離を、画像域内は(a)のように構成したときに次のようにしている。即ち、少なくとも帯電部222の長手端部においては(b)に示すように、(a)の線分SUよりも長くすることで実施例1と同様に、帯電部222の長手端部での放電を減らすことが可能となった。
【0077】
また、本実施例2で用いた帯電ブレード22の帯電部222長手端部での断面である図13の(b)の、電極部223の先端位置Uからドラム1と絶縁部222の当接位置Wまでの距離である線分UWが、長手画像域内での断面である(a)よりも長く構成される。本実施例2で用いた帯電ブレードを用いることにより帯電部222長手端部位置での当接圧を軽減することが可能となる。これにより、帯電部長手端部位置でのドラム1の削れを軽減することが可能となり、ドラム1の長寿命化が可能となった。
【0078】
[その他の事項]
1)本発明において静電潜像が形成される像担持体は、実施例の電子写真方式における電子写真感光体に限られない。静電記録方式における静電記録誘電体であっても良い。また、像担持体はドラム型に限られない。エンドレスの回動ベルトや走行される有端ベルトの形態であってもよい。また、像担持体は搬送手段で搬送されるシート状部材(エレクトロファックス紙、静電記録紙)の形態であってもよい。
【0079】
2)像担持体と帯電部材の相対的な移動には、実施例のように固定の帯電部材に対して像担持体が移動する形態に限られず、固定の像担持体に帯電部材が移動する形態、帯電部材と像担持体の両方が移動する形態も含まれる。
【0080】
3)帯電部材の像担持体に対する当接は実施例のカウンター方向当接に限られず、順方向当接でも良い。また、エッジ当接に限られず、腹当て当接でも良い。
【0081】
4)本発明において帯電部材による像担持体表面の帯電には像担持体表面を除電処理するための帯電も含まれるものである。
【0082】
5)各本実施例では帯電ブレード22に関して説明したが、特に帯電ブレードに限定するものではなく、ドラム表面に接した帯電兼クリーニングブレードにおいても同様に成り立つ。帯電兼クリーニングブレードの場合は、ブレード先端部がドラムクリーニング幅Hの全幅に渡って当接する。
【符号の説明】
【0083】
1・・像担持体、22・・ブレード状の帯電部材、221・・非帯電部、222・・帯電部、α・・放電可能な間隙、F・・画像形成可能領域幅、S・・放電位置
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電潜像が形成される像担持体(被帯電体)に非帯電部が当接して相対的に移動し直流電圧が印加されることにより像担持体の表面を帯電するためのブレード状の帯電部材に関するものである。また、その帯電部材を用いた画像形成装置に関するものである。
【0002】
上記において、静電潜像が形成される像担持体の代表例としては、電子写真感光体、静電記録誘電体が挙げられる。画像形成装置としては電子写真方式や静電記録方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機能機、画像表示ディスプレイ装置などが挙げられる。
【背景技術】
【0003】
転写方式の電子写真画像形成装置を例にして説明する。この装置は、一般に、回転ドラム型に代表される電子写真感光体(像担持体:以下、ドラムと記す)に対して、ドラム表面を所定の極性・電位に一様に帯電する帯電手段と、そのドラム帯電面に選択的に露光する露光手段により画像情報の静電潜像が形成される。その潜像が現像手段により現像剤(以下、トナーと記す)を用いてトナー像として可視化(現像)される。そのトナー像が転写手段により記録材(記録媒体)に転写される。そして、記録材上のトナー像が定着手段により固着画像として定着される。その記録材が画像形成物として出力される。
【0004】
帯電手段(帯電装置)は、近年は、半導電性のゴムや樹脂によるベルト形状、ロール形状、ブラシ形状などの回転方式の帯電部材、あるいはブレード形状、フィルム形状などの固定方式の帯電部材を用いた接触型帯電方式が主流となっている。
【0005】
接触型帯電方式は従来から広く使用されていた非接触型帯電方式であるコロナ帯電方式に比べてオゾン発生量が微量であるためオゾン除去フィルターなどの必要性がなくなる。また、ドラム表面を所定電位にするために必要とする印加電圧の低電圧化が図れる。このようなことから装置の小型化、低コスト化が可能になるという利点がある。
【0006】
接触型帯電方式の帯電メカニズムについて説明する。接触帯電方式によるドラム表面の帯電メカニズムは、微小空隙におけるパッシェンの法則に従った放電であることが知られている。これは以下のように説明される。
【0007】
1)帯電ローラの場合
図14の(a)と(b)は帯電部材として回転方式の帯電ローラ21を用いたローラ帯電装置の場合の斜視模式図と断面模式図である。帯電ローラ21は導電性芯金21aと芯金21aに対して同心一体にローラ状に形成された導電性弾性層21bを有する。ドラム1は導電性のドラム基体(素管)12の外周面に感光層11が形成されている。帯電ローラ21はドラム1に対してほぼ並行に配列されて所定の押圧力で接触(当接)している。
【0008】
帯電ローラ21はドラム1の表面の画像形成可能領域幅(最大画像領域幅)Fの全幅に渡る長さ寸法を有し、ドラム1の回転に従動して回転する。帯電ローラ21の芯金21aに対して帯電バイアス印加電源Vから所定の帯電バイアスが印加され、芯金21aを介して弾性層21bにバイアスが印加される。これにより、回転するドラム1の表面が所定の極性・電位に一様に帯電される。
【0009】
帯電ローラ21とドラム1との間の放電に関与する微小ギャップの空気層とドラム1を電気的な等価回路に表現すると図14の(c)のように示される。帯電ローラ21の示すインピーダンスはドラム1、空気層のそれに比べて小さく無視できるためここでは扱わない。このため、帯電機構は単に2つのコンデンサーC1、C2で表現できる。この等価回路に直流電圧を印加すると、電圧はそれぞれのコンデンサーのインピーダンスに比例配分され、空気層に印加される電圧Vairは、
Vair=C2/(C1+C2)・・・(1)式
になる。空気層にはパッシェンの法則に従う絶縁破壊電圧があり、空気層の厚みをg[μm]とすると、Vairが
312+6.2g[V]・・・(2)式
を越えると放電が起き、帯電が行われる。
【0010】
はじめて放電が起きる電圧は(1)式と(2)式が等しくなった場合の空気層の厚みgに関する二次方程式が重解を持つときであるので(C1もgの関数)、このときの直流電圧値が放電開始電圧Vthに相当する。このようにして求められた理論値のVthは実験値と非常に近い値を取る。
【0011】
ローラ帯電装置は、帯電ローラ21の回転支持部材211や加圧ばね212などが必要になり装置の構造が複雑になりやすい。また、帯電部材がブラシ形状(帯電ブラシ)のものは、回転方式でも固定方式でもブラシの作製に手間がかかるうえ、ブラシの跡が帯電ムラになりやすい。
【0012】
2)帯電ブレードの場合
図15は帯電部材として固定方式の帯電ブレード22を用いたブレード帯電装置の場合の斜視模式図である。ブレード帯電装置の場合は、帯電ブレード22として、帯電部としての導電性の弾性ブレード部220とこのブレード部220を保持させた導電性の支持部223を有するものを用いる。ブレード部220はドラム1の表面の画像形成可能領域幅Fの全幅に渡る長さ寸法を有する。そして、帯電ブレード22をドラム1に対してほぼ並行に配列して、ブレード部220をドラム1に接触させ、支持部材223を装置の不動部材(不図示)に固定して配設する。
【0013】
支持部223に対して帯電バイアス印加電源Vから所定の帯電バイアスが印加され、支持部223を介してブレード部220にバイアスが印加される。これにより、回転するドラム1の表面が所定の極性・電位に一様に帯電される。即ち、ブレード部220とドラム1との間に形成されるくさび型の微小空隙部分で放電を行うものであり、比較的安定した微小空隙を形成できる。そして、ローラ帯電装置で必要な回転支持部材211や加圧ばね212などが不要なため安価であるという特徴を有しており近年有望視されている。
【0014】
接触帯電方式の課題として、帯電領域内でのドラムの削れ量は帯電領域外に比べて多い、つまり帯電を受けることでドラム表面の削れ易くなる。さらに、帯電領域端部でのドラム表面の削れが特に顕著となる。帯電領域端部でのドラム削れが多い要因を2つ挙げると下記1)と2)となる。
【0015】
1)1つは帯電部材長手端部つまりエッジからの集中放電が起こることで、長手中央部に比べ端部の放電が強いからである。
【0016】
2)もう1つの要因としては、ドラムと帯電部材の当接によってたわみが生じ、そのたわみの結果、帯電部材長手両端部のドラムへの当接圧が中央部に比べて大きくなる。
【0017】
この2つの要因により帯電部材の長手端部位置でのドラムの削れが顕著である。近年、装置の小型化などによりドラムや帯電ローラの長手寸法も画像形成可能領域幅(最大画像形成領域幅)ギリギリに構成されることが多く、帯電部材の長手端部位置でのドラム表面の顕著な削れにより画像不良が生じることがある。この課題に対して、クリーニングブレードが当接する部分のドラム表面の削れも併せて顕著であることから、クリーニングブレードの当接領域よりも帯電ローラの端部位置を外側に構成する提案がされている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2006−208550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、ブレード形状の帯電部材(以下、帯電ブレードまたはブレードと記す)を用いる接触帯電方式では、固定された帯電ブレードがドラムに当接する。つまり帯電ブレードとドラムはドラムの回転によって摺擦されるため、ドラムに対して従動回転して当接する帯電ローラに比べて帯電領域幅端部の削れが厳しい。
【0020】
本発明はブレード状の帯電部材の上記の問題を解消するものである。即ち、帯電部材端部の放電集中を軽減し、更には端部の当接圧を下げることにより、帯電部材端部位置における像担持体の顕著な削れを軽減し、像担持体の長寿命化を図ることが可能なブレード状の帯電部材を提供することを目的とする。およびその帯電部材を用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記の目的を達成するための本発明に係る帯電部材の代表的な構成は、
静電潜像が形成される像担持体に非帯電部が当接して相対的に移動し電圧が印加されることにより前記像担持体の表面を帯電するためのブレード状の帯電部材であって、
前記像担持体の表面に対して放電を行うための帯電部と、前記像担持体の表面に対して放電を行わないための非帯電部と、を有し、
前記非帯電部は前記像担持体と接触して、前記帯電部と前記像担持体との間に放電可能な間隙を設けることが可能であり、
前記非帯電部は、前記非帯電部から前記像担持体の表面に対して放電をしないように、少なくとも一部が帯電部よりも高抵抗の物質で構成されており、
前記非帯電部は、前記像担持体の表面に前記帯電部の長手幅以上の長手幅に渡って当接して前記像担持体の表面を摺擦可能に設けられ、
前記像担持体の表面を帯電する際に放電を行う前記帯電部の表面の放電位置と前記帯電部材に電圧を印加するための電極部材との最近接の距離が、前記帯電部材の長手中央部における前記距離より前記帯電部材の長手端部における前記距離の方が長いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明のブレード状の帯電部材によれば、帯電部材端部の放電集中を軽減し、更には端部の当接圧を下げることにより、帯電部材端部位置における像担持体の顕著な削れを軽減し、像担持体の長寿命化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施例1における帯電ブレードの模式図
【図2】実施例1の帯電ブレードを用いた画像形成装置の一例の模式図
【図3】(a)は実施例1における帯電ブレードの側面図、(b)はドラムに対して配設された状態の帯電ブレードの側面図、(c)はドラムに対して配設された状態の帯電ブレードの斜視模型図
【図4】(a)乃至(c)はそれぞれ実施例1に係る帯電ブレードの他の構成形態を示す概略構成図
【図5】被帯電体に対する帯電ブレードの侵入量δおよび設定角θの概念を示す図
【図6】帯電ブレードとドラムの当接状態説明図
【図7】帯電ブレード長手端部の放電量軽減の概念説明図
【図8】帯電ブレード長手端部の当接圧軽減の概念図
【図9】実施例1のその他の形態(その1)の説明図
【図10】実施例1のその他の形態(その2)の説明図
【図11】比較例1における帯電ブレードの模式図
【図12】実施例2における帯電ブレードの模式図
【図13】帯電ブレード帯電部の長手端部における放電量軽減の概念説明図
【図14】ローラ帯電装置の説明図
【図15】ブレード帯電装置の説明図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【0025】
[実施例1]
(1)画像形成装置例の全体的な概略構成及び作像動作
図2は画像形成装置100の一例の概略構成図である。この装置100は、電子写真プロセス利用のプロセスカートリッジ着脱式の電子写真画像形成装置(プリンタ)である。装置100はパソコン・イメージリーダ・ファクシミリ装置等のホスト装置400から制御回路部(制御手段:CPU)200に入力する電気的な画像信号に基づいて記録材(記録メディア、記録媒体)Pに対する画像形成を実行する。
【0026】
記録材Pは電子写真プロセスで画像形成が可能なシート状物であり、例えば、用紙、樹脂シート、ラベル等が挙げられる。制御回路部200は操作部300やホスト装置400との間で各種の電気的情報の授受をすると共に、装置100の画像形成動作を記憶部に記憶させた所定の制御プログラムや参照テーブルに従って統括的に制御する。
【0027】
装置100の装置本体内には、カートリッジ収納部100Aが設けられている。プロセスカートリッジ50はカートリッジ収納部100Aに対して所定の操作要領にて取り外し可能に装着されている。本実施例において、カートリッジ50は一体型のプロセスカートリッジである。即ち、現像剤Tで現像される静電潜像が形成される回転ドラム型の像担持体(被帯電体)としての電子写真感光体ドラム1と、このドラム1に作用するプロセス手段が筺体に一体的に組み付けられて一体化されている。本実施例においてプロセス手段は、帯電手段22、現像手段10、クリーニング手段7である。
【0028】
本実施例において、ドラム1は負帯電性の有機感光体である。帯電手段22は帯電ブレード(ブレード状の帯電部材)である。この帯電ブレード22については後述する。現像手段10は現像剤Tとして磁性1成分トナーを用いたジャンピング現像方式の反転現像装置である。以下、現像剤Tをトナーと記す。クリーニング手段7はクリーニング部材として弾性クリーニングブレード7aを用いたブレードクリーニング装置である。
【0029】
現像装置10は、トナーTを収容している現像剤収容部としての現像容器10aを有する。ドラム1に形成された静電潜像をトナー像として現像する現像剤担持体としての現像ローラ(スリーブ)10bを有する。現像ローラ10b内に配設された非回転のマグネットローラ10c、現像ローラ10b上のトナーの量を規制する規制部材としての現像ブレード10dを有する。
【0030】
カートリッジ収納部100Aの上方部には、像露光手段としての半導体レーザスキャナ3が配設されている。スキャナ3は、ホスト装置400から制御回路部200に入力する画像情報(電気的画像信号)に対応して変調したレーザ光Lを出力する。そのレーザ光Lがカートリッジ50の上面側の露光窓50aを通してカートリッジ50内に進入する。これにより、ドラム1の表面にレーザ走査露光がなされる。
【0031】
カートリッジ50のドラム1の下面には転写ローラ9が当接して転写ニップ部Nを形成している。カートリッジ収納部100Aに収容されているカートリッジ50は、押圧手段(不図示)により装置本体側の位置決め部(不図示)に押し付けられて位置決め固定されている。また、カートリッジ50の駆動入力部(不図示)に対して装置本体側の駆動出力部(不図示)が結合している。また、カートリッジ50の各種電気接点(不図示)に対して装置本体側の対応する各種電気接点(不図示)が導通している。ドラム1は制御回路部200により制御される駆動源(不図示)により制御される。
【0032】
画像形成動作は次のとおりである。ドラム1は矢印Rの時計回りに所定の周速度で回転駆動される。スキャナ3も駆動される。この駆動に同期して、所定の制御タイミングで帯電ブレード22にバイアス印加電源(電圧印加手段)Vから所定の帯電バイアスが印加されてドラム1の表面が本実施例においては負極性の所定の電位に均一に帯電処理される。スキャナ3はドラム1の表面を画像信号に対応して変調されたレーザ光Lで走査露光(像露光)する。ドラム1の表面は露光箇所の電位の絶対値が帯電電位の絶対値に比べて低くなることによって、画像情報に応じた静電潜像が順次形成される。
【0033】
形成された静電潜像は現像装置10の現像ローラ10bによりトナーが供給されてトナー像として現像される。現像ローラ10bは矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。また、現像ローラ10bには現像バイアス印加電源(不図示)から所定の制御タイミングにて所定の現像バイアスが印加される。本実施例では、現像ローラ10bに対して交流と直流を重畳した現像バイアス電圧を印加する。そして、現像ブレード10dと現像ローラ10bの接触箇所で摩擦帯電により負極性に帯電されたトナーをドラム1の表面の静電潜像に適用して静電潜像を反転現像する。
【0034】
一方、給紙機構部13の給紙ローラ14が駆動されて記録材(記録メディア)Pが一枚分離給送される。その記録材Pがレジストレーションローラ15aを含むシートパス15を通って転写ニップ部Nに所定の制御タイミングで導入され、ニップ部Nを挟持搬送されていく。ニップ部Nを記録材Pが通過している間、転写ローラ9には転写バイアス印加電源(不図示)から所定の転写バイアスが印加される。これにより、ドラム1側のトナー像が順次に記録材Pの面に転写されていく。
【0035】
ニップ部Nを出た記録材Pはドラム1の面から分離されてシートパス16を通って定着装置8に導入される。本実施例において、定着装置8はヒートローラ定着装置であり、記録材Pは定着ニップ部で挟持搬送されて熱と圧力を受ける。これにより、記録材P上の未定着トナー像が固着画像として熱圧定着される。そして定着装置8を出た記録材Pは画像形成物としてシートパス17を通り排出ローラ18により排出口19から排紙トレー20に排出される。
【0036】
また、転写ニップ部Nにおいて記録材Pに転写されずにドラム1上に残存した転写残トナーは、クリーニング装置7のウレタンゴムからなるクリーニングブレード7aにより掻き取られ、廃トナー容器7bに収納される。クリーニングされたドラム1は繰り返して画像形成に供される。クリーニングブレード7aは、一定の圧力でドラム1に長手方向に沿って当接している。そして、転写残トナーを除去することによってドラム1の表面を清掃する。クリーニング工程終了後、ドラム1の表面は再び帯電工程に入る。
【0037】
(2)帯電ブレード
図3の(a)は本実施例における帯電ブレード22の側面図、(b)はドラム1に対して配設された状態の帯電ブレード22の側面図、(c)はドラム1に対して配設された状態の帯電ブレード22の斜視模型図である。
【0038】
帯電ブレード22は、ドラム1の表面に対して放電を行うための半導電性の帯電部222と、ドラム1の表面に対して放電を行わないための非帯電部(絶縁部)221と、を有する。非帯電部221はドラム1と接触して、帯電部222とドラム1との間に放電可能な間隙αを設けることが可能である。非帯電部221は、非帯電部221からドラム1の表面に対して放電をしないように、少なくとも一部が帯電部222よりも高抵抗の物質で構成されている。非帯電部221は、ドラム1の表面の画像形成可能領域幅Fの全幅に渡って当接してドラム1の表面を摺擦可能に設けられる。
【0039】
より具体的に説明する。帯電ブレード22は、非帯電部221と帯電部222を支持する支持部を兼ねる電極部223を有する。本実施例においては、電極部223には導電性弾性板部材である厚み0.1mmのリン青銅板を用いている。電極部223はドラム1の母線方向(ドラム軸線方向)に長く、ドラム1の画像形成可能領域幅Fの全幅に対応する長さ寸法を有する。
【0040】
電極部223の先端側(電極部223の短手方向の一端側)は電極部223の長手に沿って非帯電部221で被覆されている。本実施例において非帯電部221が帯電ブレード22の先端部を構成しており、ドラム1の最大通紙幅G(>F)のほぼ全幅に渡る長さで設けられている。即ち、非帯電部221は、ドラム1の表面に帯電部の長手幅以上の長手幅に渡って当接してドラム1の表面を摺擦可能に設けられている。
【0041】
本実施例においては、非帯電部221はJIS−A硬さ72度のウレタンゴムを使用している。ウレタンゴムのほかにシリコンゴムなどの絶縁性ゴムを使用しても良く、少なくとも1×1011Ω・cm以上であれば良い。
【0042】
電極部223のドラム1と対向する側の面には、ドラム表面を放電を利用して帯電するために、電極部223の長手に沿って半導電性の帯電部222が導電性接着剤により接合され設けられている。従って、帯電部222は電極部223と電気的に導通している。帯電部222もドラム1の最大通紙幅Gのほぼ全幅に渡る長さ(帯電部以上の長手幅)で設けられている。
【0043】
帯電部222はエピクロルヒドリンゴム・EPDM等のゴムに、カーボンブラックや金属酸化物(酸化亜鉛・酸化チタン等)などの導電粉を添加して、抵抗値を1×103〜1×109Ω・cmに制御している。
【0044】
1×103Ω・cmより小さい抵抗である場合には、ドラム1上にブツ等の不良部があった場合に電流リークを生じてしまい、いわゆる“横抜け”(反転現像の場合は、“横黒帯”)という画像不良を生じてしまう。また1×109Ω・cm以上になると抵抗が大きくなり、印加した電圧の減衰が大きく、帯電性が劣化してしまう。従って、帯電部の抵抗値は、1×103Ω・cm〜1×109Ω・cmが望ましい。
【0045】
電極部223の基部側(電極部223の短手方向の他端側)はホルダーとしての剛性金属板224に対して導電性接着剤により接合されている。従って、帯電部222は電極部223を介してホルダー224と電気的に導通している。
【0046】
帯電ブレード22は長手方向をドラム1の母線方向に並行にしてドラム1に対して配列される。本実施例においては帯電ブレード22は画像形成時のドラム1の回転方向Rに対してカウンター方向に配設されている。そして、電極部223の先端側の非帯電部221のエッジ部をドラム1に接触させ、ホルダー224をカートリッジ50の筺体(不図示)に固定して、前記エッジ部を電極部223の撓み反力にて所定の押圧力でドラム1に対して当接させた状態にされている。
【0047】
この当接状態において、帯電部222の帯電面222aはドラム1との間に非接触に対面して配置される。そして、帯電面222aの放電位置Sがドラム1との間に放電可能な隙間αを持って非接触に配置される。帯電ブレード22に対する電圧は本実施例においては電圧印加手段であるバイアス印加電源Vから導電性のホルダー224に対して印加される。電極部223に対して印加する構成であってもよい。電源Vは制御手段である制御回路部200により制御される。
【0048】
ホルダー224に対して印加されたバイアスが電極部223を介して帯電部222に印加される。これにより、帯電部222の帯電面222aとドラム1との間の放電可能な微小空隙においてドラム1の表面に対して放電がなされて回転するドラム1の表面が所定の極性・電位に一様に帯電される。
【0049】
電極部223にはSUSなどの薄板を用いても良い。また、ホルダー224は画像形成装置本体に取り付けても良いし、あるいは電極部223をプロセスカートリッジ50の筐体や画像形成装置本体に直接に固定支持しても良い。
【0050】
帯電ブレード22は先端部からの放電がなければ特に先端部が絶縁である必要はない。例えば、図4(a)や(b)に示すように、電極部223の先端部は絶縁性のウレタンゴム(絶縁性部材)221で形成され、さらにその先は電極部223と絶縁された状態で導電ゴム(導電性部材)222bで形成される。そして、この導電ゴム222bが当接部としてドラム1に当接する構成でも良い。
【0051】
また、(c)のように、電極部223の先端部は絶縁性のウレタンゴム(絶縁性部材)221で形成される。さらにその先は電極部223と絶縁された状態で導電ゴム(導電性部材)222bで形成され、さらにその先が絶縁性のウレタンゴム(絶縁性部材)221bで形成される。そして、この絶縁性のウレタンゴム221bが当接部としてドラム1に当接する構成でも良い。
【0052】
帯電ブレード22は、図5の(a)に示すように被帯電体としてのドラム1の回転に対してカウンター方向に設定角θで当接させている。帯電ブレード22を仮想のドラム1に対して侵入(侵入させる量を以後「侵入量δ」と称する)させることにより実際にはドラム1と帯電ブレード22を圧接させて帯電ブレードの挙動を安定させている。実際の設定角θと侵入量δの求め方を図5の(a)を用いて説明する。設定角θと侵入量δは、画像形成時における帯電ブレード22とドラム1の配置状態から、ドラム1を取り去った状態で測定を行う。
【0053】
図5(a)において、画像形成時にドラム1が配置されてた位置を仮想ドラム1とする。仮想ドラム1の中心を通り帯電ブレード22の先端のエッジ部を含み、ドラム1と対向する側の面と平行な軸をX軸とする。仮想ドラム1の中心を通りX軸に垂直な軸をY軸とする。図に示すように、仮想ドラム中心0からの帯電ブレードエッジの座標の測定を行う。
【0054】
このドラム中心0からx方向の座標xとy方向の座標y、そしてドラムの半径rから式(1)と式(2)を用いて設定角θと侵入量δを求めることが出来る。
【0055】
δ=√(r^2−x^2)−y ・・・式(1)
θ=arcsin(x/r) ・・・式(2)
図5の(a)を用いて、ブレードと曲率を持った感光体ドラム1の侵入量δと設定角θの実際の測定について説明した。次に帯電ブレードと当接する対象物が感光ベルトなど平面である時について図5の(b)を用いて説明する。これは図5の(a)と異なり、帯電ブレードの当接位置が変わっても設定角θは変わらない。よって、仮想ベルト平面1aとの成す角である設定角θは、仮想ベルト平面1Aに対してのブレード22の取り付け角度を測ることで、容易に知ることが出来る。また、侵入量δは仮想ベルト平面1Aからブレードエッジまでの距離gと設定角θから式(3)を用いて求めることが出来る。
【0056】
δ=g/cosθ・・・・・・式(3)
図6は帯電ブレード22の先端部とドラム1との当接部の状態を示す模式図である。ドラム1と帯電部222の最近接点で帯電部222上をS、ドラム上をQとし、電極部223上で位置Sとの最近接位置をUとする。線分QSの長さg(微小空隙α)が7.5μm未満ではパッシェンの法則より放電が起こらない。一方、長さgが150μm以上では放電は起こるが不均一な放電であり、画像形成時には斑点状の不良画像となって現れる。
【0057】
放電が発生するための微小空隙の下限値は、印加する電圧や、放電を行う部材によらず一定のものである。放電が発生するための微小空隙の下限値は、気圧によってある程度変動する。本実施例では、一気圧(1013hPa)を基準にして、上記した7.5μmを導き出している。一気圧は、装置が使用される一般的な環境として選択している。
【0058】
よって、線分QSが7.5μm以上の時は、ドラム1と帯電部222の最近接点で帯電部222上であるSが放電位置となる。しかし、線分QSが7.5μm未満の場合は、最近接点を結んだ線分QSよりもドラム回転方向下流側で7.5μm以上になった部分が放電位置となる。本実施例では本実施例では線分QSの長さgは7.5μm以上150μm以下とした。よって、本実施例では、ドラム1と帯電部222との距離が7.5μm以上150μm以下であり、且つ、ドラム1と帯電部222の最近接位置の帯電部222上が放電位置Sとなる。
【0059】
このような理論的な放電位置の定義と、実際の放電位置とが対応するかどうかの検証をおこなってみた。ドラム1と帯電ブレード22を圧接させた停止状態において、一定の時間だけ一定の帯電電圧を印加する。そして、帯電部222に放電により生じた痕(この痕を以下“放電痕”と称する)の位置を実際の放電位置として、放電痕の測定を行った。印加する帯電電圧は放電が継続して行われる電圧であればよく、たとえば、ピーク間電圧2.0kVのサイン波の交流電圧を10分間印加することで帯電部222に放電痕が得られる。
【0060】
結果から、放電痕の位置と、理論的な放電位置とはほぼ同じ位置であることがわかった。したがって、上記のような、理論的な放電位置の求め方が有効であることがわかった。
【0061】
(3)検証実験
本実施例1の帯電ブレード22は、ドラム1の表面を帯電する際に放電を行う帯電部222の表面の放電位置Sと帯電ブレード22に電圧を印加するための電極部223との最近接の距離S−Uが次ぎのような構成であることに特徴がある。即ち、帯電ブレード22の長手中央部における前記距離S−Uより帯電ブレード22の長手端部における前記距離S−Uの方が長いことである。
【0062】
本実施例1の検証実験に用いた帯電ブレード22を図1に示す。(a)はドラム1との非当接面側から見た模式図であり、図中の破線は電極部(支持部)223の輪郭を表している。また、位置(b)の矢印方向から見た断面および位置(c)の矢印方向から見た断面を各々、図1の(b)、(c)に表している。
【0063】
これからわかるように、本実施例1で用いた帯電ブレード22は電極部223の長手幅は帯電部222の長手幅よりも短く構成されている。また、この時の、ドラム1における画像形成可能領域幅(最大画像領域幅)Fと最大通紙幅G、及びクリーニング幅Hは図に示すとおりであり、F<G<H、である。また、放電位置Sと、電極部223との最近接の距離S−Uは、画像形成可能領域幅Fで同程度である。
【0064】
図1に示した帯電ブレード22を用いた耐久評価を行った。評価の方法は、6000枚のプリントを行った後の帯電ブレード22の帯電部長手端部位置222cでのドラム1の摩耗量の測定を行った。図1のように、長手方向において帯電部222よりも電極部223の先端が短い帯電ブレード22を用いて6000枚のプリントを行ったところ、画像不良は発生せず、帯電部長手端部位置222cでのドラム削れ量は5.4μmであった。
【0065】
これについて図7、図8を用いて説明する。図7は図1に示す本実施例で用いた帯電ブレード22の放電量軽減の説明図である。図7の(b)は図1の(b)の位置における帯電部長手端部付近の導電経路の模式図である。帯電部222の長手端部の放電位置Sは金属からなる電極部223の最近接位置Uからバイアスが供給される。よって、線分SUの距離が長いほど帯電部222の導電経路における体積抵抗が増加し、帯電部222の長手端部の放電が減少する。
【0066】
つまり、図7の(b)に示すような導電経路を取る本実施例の図1に示す帯電ブレードは、図7の(a)に示すような長手端部まで電極部223がある構成に比べて、帯電部222上の放電位置Sと電極部223上の供給位置Uが長い。これにより帯電部長手端部の放電が減少しドラム削れを少なく抑えることが出来た。
【0067】
そして、図8は本実施例において用いた帯電ブレードの長手端部の当接圧軽減の説明図である。本実施例における帯電ブレード22は電極部223が帯電部222よりも長手方向において短い。よって、電極部223が帯電部222の長手端部まである場合(図7の(a))よりも、電極部223が無い構成(図7の(b))においては次のようになる。即ち、帯電ブレード22の長手端部におけるドラム1に対する当接圧が帯電ブレード22の電極部223がある中央部における当接圧よりも低くなる。
【0068】
その結果、画像形成可能領域幅F内においては、帯電ブレード長手において帯電部222の放電位置Sと電極部223との最近接位置Uの距離S−U及び、放電ギャップSQの距離は略一定である。そのため、画像形成可能領域幅F内では従来どおり均一な帯電を維持したまま、画像不良の発生も無く、特にドラム削れが顕著となる帯電部長手端部かつ帯電ブレード端部位置におけるドラム1の削れ量を少なく抑えることができ、長寿命化が可能となった。
【0069】
ここで、本実施例1では帯電ブレード22の長手幅が最大通紙幅Gよりも短い場合について説明した。しかし、図9に示すように、通紙幅Gは帯電ブレード22の長手端部より内側であっても良い。この場合も、前述した効果と同様に、ドラム1の帯電ブレード22の長手端部でのドラム削れが軽減し、このドラム削れを起因とした画像不良の発生を良化させることが可能となる。
【0070】
加えて、図10に示すように、帯電部222が帯電ブレード22の長手端部まである必要は無い。少なくとも、画像形成可能領域幅Fが電極部223と帯電部222よりも内側に位置する。そして、画像形成可能領域幅F内での電極部223と帯電部222の放電位置Sとの距離S−Uが、帯電部222の長手端部でのその距離S−Uよりも短かければ、帯電ブレード端部222cは絶縁部221で構成されていても良い。これにより、本実施例と同様の効果を得ることが出来る。
【0071】
[比較例1]
本比較例1で用いた帯電ブレードを図11に示す。図11の(a)はドラム1との非当接面側から見た模式図であり、図中の破線は電極部223の輪郭を表している。また、位置(b)の矢印方向から見た断面および位置(c)の矢印方向から見た断面を各々、図11の(b)と(c)に表している。帯電部222と電極部223の長手関係が異なる以外は実施例1と同様である。本比較例1で用いた帯電ブレード22においては、電極部223の長手幅は帯電部222の長手幅と同じに構成されている。この時の、画像形成可能領域幅Fと最大通紙幅G、及びクリーニング幅Hは図に示すとおりである。
【0072】
実装試験を行った結果、5000枚程度のプリントを行ったところ、最大通紙幅Gである記録材(紙)の端部付近で帯電ブレードの端部にあたる位置で黒縦スジが発生した。この時、帯電部長手端部位置のドラム表面が9.7μm削れていた。これは、帯電部長手端部の集中放電と、中央に比べて高い端部の当接圧によってドラム削れが助長され、画像不良が発生した。
【0073】
[実施例2]
本実施例2で用いた帯電ブレード22においては、電極部223は先端に向けて長手幅が短くなり、少なくとも電極部223の非帯電部分の長手幅は、帯電部222の長手幅よりも短いことを特徴とする。放電位置Sと、電極部223との最近接の距離は、画像形成可能領域幅Fで同程度である。
【0074】
本実施例2で用いた帯電ブレード22を図12に示す。図12の(a)はドラム1との非当接面側から見た模式図であり、図中の破線は電極部223の輪郭を表している。また、位置(b)の矢印方向から見た断面、位置(c)の矢印方向から見た断面及び位置(d)の矢印方向から見た断面を各々、図12の(b)、(c)、(d)に表している。電極部223が先端に向けて細くなる形状となっており、電極部223の先端位置では帯電部222の長手幅が電極部223よりも狭い以外は、実施例1と同様である。即ち、電極部223は先端に向けて長手幅が短くなる形状である。
【0075】
この帯電ブレードを用いて6000枚のプリントを行ったところ、画像不良は発生せず、帯電部長手端部位置でのドラム削れ量は6.8μmであった。これは、実施例1で帯電部222長手端部の放電量の減少を図6を用いて説明した。本実施例2では長手方向の断面である図12の(b)の線分SUbよりも、帯電ブレード側面方向から見た断面である図12の(d)の線分SUdが短いことから、放電位置Sからの最近接点はUdとなり、最短距離は線分SUdとなる。
【0076】
つまり、実施例1では図6を用いて長手方向の断面での導電経路を説明した。しかし、これに限るものではない。本実施例2では帯電ブレード22を側面方向から見た時の断面の導電経路を模式的に表した図13に示すように、帯電部222上の放電位置Sと電極部223の先端Uの距離を、画像域内は(a)のように構成したときに次のようにしている。即ち、少なくとも帯電部222の長手端部においては(b)に示すように、(a)の線分SUよりも長くすることで実施例1と同様に、帯電部222の長手端部での放電を減らすことが可能となった。
【0077】
また、本実施例2で用いた帯電ブレード22の帯電部222長手端部での断面である図13の(b)の、電極部223の先端位置Uからドラム1と絶縁部222の当接位置Wまでの距離である線分UWが、長手画像域内での断面である(a)よりも長く構成される。本実施例2で用いた帯電ブレードを用いることにより帯電部222長手端部位置での当接圧を軽減することが可能となる。これにより、帯電部長手端部位置でのドラム1の削れを軽減することが可能となり、ドラム1の長寿命化が可能となった。
【0078】
[その他の事項]
1)本発明において静電潜像が形成される像担持体は、実施例の電子写真方式における電子写真感光体に限られない。静電記録方式における静電記録誘電体であっても良い。また、像担持体はドラム型に限られない。エンドレスの回動ベルトや走行される有端ベルトの形態であってもよい。また、像担持体は搬送手段で搬送されるシート状部材(エレクトロファックス紙、静電記録紙)の形態であってもよい。
【0079】
2)像担持体と帯電部材の相対的な移動には、実施例のように固定の帯電部材に対して像担持体が移動する形態に限られず、固定の像担持体に帯電部材が移動する形態、帯電部材と像担持体の両方が移動する形態も含まれる。
【0080】
3)帯電部材の像担持体に対する当接は実施例のカウンター方向当接に限られず、順方向当接でも良い。また、エッジ当接に限られず、腹当て当接でも良い。
【0081】
4)本発明において帯電部材による像担持体表面の帯電には像担持体表面を除電処理するための帯電も含まれるものである。
【0082】
5)各本実施例では帯電ブレード22に関して説明したが、特に帯電ブレードに限定するものではなく、ドラム表面に接した帯電兼クリーニングブレードにおいても同様に成り立つ。帯電兼クリーニングブレードの場合は、ブレード先端部がドラムクリーニング幅Hの全幅に渡って当接する。
【符号の説明】
【0083】
1・・像担持体、22・・ブレード状の帯電部材、221・・非帯電部、222・・帯電部、α・・放電可能な間隙、F・・画像形成可能領域幅、S・・放電位置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が形成される像担持体に非帯電部が当接して相対的に移動し電圧が印加されることにより前記像担持体の表面を帯電するためのブレード状の帯電部材であって、
前記像担持体の表面に対して放電を行うための帯電部と、
前記像担持体の表面に対して放電を行わないための非帯電部と、を有し、
前記非帯電部は前記像担持体と接触して、前記帯電部と前記像担持体との間に放電可能な間隙を設けることが可能であり、
前記非帯電部は、前記非帯電部から前記像担持体の表面に対して放電をしないように、少なくとも一部が帯電部よりも高抵抗の物質で構成されており、
前記非帯電部は、前記像担持体の表面に前記帯電部の長手幅以上の長手幅に渡って当接して前記像担持体の表面を摺擦可能に設けられ、
前記像担持体の表面を帯電する際に放電を行う前記帯電部の表面の放電位置と前記帯電部材に電圧を印加するための電極部との最近接の距離が、前記帯電部材の長手中央部における前記距離より前記帯電部材の長手端部における前記距離の方が長いことを特徴とする帯電部材。
【請求項2】
前記電極部は先端に向けて長手幅が短くなる形状であることを特徴とする請求項1に記載の帯電部材。
【請求項3】
前記放電位置と、前記電極部との最近接の距離は、画像形成可能領域幅で同程度であることを特徴とする請求項1又は2に記載の帯電部材。
【請求項4】
静電潜像が形成される像担持体の表面を帯電するためのブレード状の帯電部材と、前記帯電部材に電圧を印加する電源と、を備えた画像形成装置であって、前記帯電部材が請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の帯電部材であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
静電潜像が形成される像担持体に非帯電部が当接して相対的に移動し電圧が印加されることにより前記像担持体の表面を帯電するためのブレード状の帯電部材であって、
前記像担持体の表面に対して放電を行うための帯電部と、
前記像担持体の表面に対して放電を行わないための非帯電部と、を有し、
前記非帯電部は前記像担持体と接触して、前記帯電部と前記像担持体との間に放電可能な間隙を設けることが可能であり、
前記非帯電部は、前記非帯電部から前記像担持体の表面に対して放電をしないように、少なくとも一部が帯電部よりも高抵抗の物質で構成されており、
前記非帯電部は、前記像担持体の表面に前記帯電部の長手幅以上の長手幅に渡って当接して前記像担持体の表面を摺擦可能に設けられ、
前記像担持体の表面を帯電する際に放電を行う前記帯電部の表面の放電位置と前記帯電部材に電圧を印加するための電極部との最近接の距離が、前記帯電部材の長手中央部における前記距離より前記帯電部材の長手端部における前記距離の方が長いことを特徴とする帯電部材。
【請求項2】
前記電極部は先端に向けて長手幅が短くなる形状であることを特徴とする請求項1に記載の帯電部材。
【請求項3】
前記放電位置と、前記電極部との最近接の距離は、画像形成可能領域幅で同程度であることを特徴とする請求項1又は2に記載の帯電部材。
【請求項4】
静電潜像が形成される像担持体の表面を帯電するためのブレード状の帯電部材と、前記帯電部材に電圧を印加する電源と、を備えた画像形成装置であって、前記帯電部材が請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の帯電部材であることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−128082(P2012−128082A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278186(P2010−278186)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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