説明

常温下における鮮度保持方法

【課題】直流静電場を利用した常温下における鮮度保持方法を提供する。
【解決手段】静電場を利用した鮮度保持方法に関して、マイナス高電圧発生モジュール1で対象物を還元静電帯電させ、プラス高電圧発生モジュール2で対象物空間内に放電するか、または、オゾン発生モジュール3で対象空間内にオゾンを放出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流静電場を利用した常温下における鮮度保持方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、低温下における鮮度保持として、冷蔵庫や冷凍庫が用いられている。また、鮮度保持を効率化するために、対象物を静電場空間に置くこともなされている。
【0003】
ところで、近年では保存域の幅を広げて、常温下(概ね0℃〜40℃)における鮮度保持方法が着目されており、食品分野や生花等の生鮮品や加工品、流通において、対象物を静電場空間に置き、静電場の酸化還元作用により、鮮度保持、長期保存、表面殺菌が可能となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、常温下においては、静電場を利用しただけでは鮮度保持の再現性が乏しいという問題があった。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、直流静電場を利用した常温下における鮮度保持方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上のような課題を解決するために、本発明は、静電場を利用した鮮度保持方法に関して、マイナス高電圧発生モジュールで対象物を還元静電帯電させ、プラス高電圧発生モジュールで対象物空間内に放電するか、または、オゾン発生モジュールで対象空間内にオゾンを放出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る鮮度保持方法によれば、還元静電場のみでは鮮度保持の再現性が乏しかったが、対象物空間内を酸化静電場又はオゾン環境下にすることで再現性が高まる。また、直流静電場を利用することにより、交流トランス等を用いる交流の場合に比べて装置の小型化が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0009】
図1は、還元静電帯電と酸化静電の空間放出とによる鮮度保持方法を説明するための図である。
【0010】
図1(a)では、マイナス高電圧発生モジュール1と、プラス高電圧発生モジュール2と、絶縁パレット4とを備える。また、図1(b)では、マイナス高電圧発生モジュール1と、プラス高電圧発生モジュール2と、上面のみが導電板を有する絶縁パレット4'とを備える。
【0011】
マイナス高電圧発生モジュール1は、そのマイナス帯電出力部1aが対象物に接触され(図1(a))、或いは、そのマイナス帯電出力部1aが絶縁パレット'の導電板に接触されることによって(図1(b))、その出力側(−)で対象物を帯電させることで、対象物を還元帯電する。また、+−電位の接触中和をさせる。これにより、対象物の表面殺菌に資する。
【0012】
プラス高電圧発生モジュール2は、そのプラス放電出力部2aにより対象物空間側(+)で空間内に放電することで、空間殺菌に資する。また、プラス放電に伴い微量なオゾンも発生するので、オゾンによる空間殺菌に資する。
【0013】
図2は、還元静電帯電と微量オゾンの空間放出とによる鮮度保持方法を説明するための図である。
【0014】
図2(a)では、マイナス高電圧発生モジュール1と、オゾン発生モジュール3と、絶縁パレット4とを備える。また、図2(b)では、マイナス高電圧発生モジュール1と、オゾン発生モジュール3と、上面のみが導電板を有する絶縁パレット4'とを備える。
【0015】
マイナス高電圧発生モジュール1は、そのマイナス帯電出力部1aが対象物に接触され(図2(a))、或いは、そのマイナス帯電出力部1aが絶縁パレット4'の導電板に接触されることによって(図2(b))、その出力側(−)で対象物を帯電させることで、対象物を還元帯電する。また、−電位とオゾンとの接触分解をさせる。これにより、対象物の表面殺菌に資する。
【0016】
オゾン発生モジュール3は、そのオゾン出力部3aで対象物空間側(微量オゾン空間)にオゾンを放出することで、空間殺菌に資する。
【0017】
なお、本発明は、食品分野や生花等の生鮮品や加工品、流通においての鮮度保持、長期保存、表面殺菌はもとより、コンテナ等に鮮度保持方法を適用することによって、現地収穫倉庫ベース、流通倉庫ベース、運送ベースにおいても鮮度の保持や冷凍物の解凍を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明に係る鮮度保持方法は、常温下における鮮度保持の再現性を高めるものとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】還元静電帯電と酸化静電の空間放出とによる鮮度保持方法を説明するための図。
【図2】還元静電帯電と微量オゾンの空間放出とによる鮮度保持方法を説明するための図
【符号の説明】
【0020】
1 マイナス高電圧発生モジュール
2 プラス高電圧発生モジュール
3 オゾン発生モジュール
4 絶縁パレット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電場を利用し、マイナス高電圧発生モジュールで対象物を還元静電帯電させ、プラス高電圧発生モジュールで対象物空間内に放電するか、または、オゾン発生モジュールで対象空間内にオゾンを放出することを特徴とする常温下における鮮度保持方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−247247(P2009−247247A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−96805(P2008−96805)
【出願日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(508102624)
【出願人】(508102646)
【出願人】(506168934)
【Fターム(参考)】