説明

幅の広い高速ウェブに材料を付加する方法及び機器

【課題】付加的な材料の帯状領域を有するシガレット紙を生産するための高速度の方法及び機器を提供する。
【解決手段】製造中にシガレット紙に材料を付加するための高速機器(2)は、長網抄紙ワイヤ(6)の乾燥端部において紙ウェブ(22)上に材料の水平方向の帯を堆積させるように各々が位置決めされた少なくとも2つの独立に作動可能な移動オリフィス装置(10、10’)を使用する。得られるウェブは、移動オリフィス装置の有効幅に対応する幅を各々が有する複数のウェブに切断することができる。機器は、シガレット製造中にタバコを包装するための帯状及び非帯状紙の両方を同時に生成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましくは帯の形態をしたベースウェブに所定パターンの追加材料を付加する方法及び機器に関し、より具体的には、付加的な材料の帯状領域を有するシガレット紙を生産するための高速度の方法及び機器に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関する従来技術は、以下に参照する本出願人に譲渡された米国特許に説明されている。
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,997,691号
【発明の開示】
【0004】
追加材料の帯状領域を有するウェブ、より具体的には、付加された付加的セルロース材料のストライプが追加されたシガレット紙の高速生産の方法及び機器を開示する。本方法は、繊維状材料と液体との第1のスラリを調製して、そのスラリを製紙機械の移動ワイヤに送出する段階と、第1のスラリから液体を排出して、第1の定格線速度で前進する繊維状ウェブを形成する段階とを含む。追加材料の第2のスラリが調製されて、1つ又はそれよりも多くのオリフィスを備えた移動ベルトを各々が有する複数の分配装置の少なくとも1つに送出される。ベルトは、ウェブが移動する方向のその速度成分が、実質的にウェブの定格線速度と等しくなるように移動する。第2のスラリは、オリフィスを通じてウェブ上に横ストライプとして堆積され、各ストライプの長さは、ウェブの横寸法上に投影された関連する分配装置の幅に対応している。乾燥の後に、ウェブは、次の使用のために2つ又はそれよりも多くのより狭いウェブに分割又は分解することができる。乾燥ウェブの横ストライプは、分配装置の作動を動的に調節してウェブ上の横ストライプの均一な幅と間隔を提供することができるように、幅及び間隔特性を評価するために光学的に検査することができる。
【0005】
開示した機器は、製紙機械によって生成されたウェブに追加材料のパターンを付加するための少なくとも2つのアプリケータを含む。各アプリケータは、各アプリケータがウェブ幅の対応する部分を覆うように、ウェブの移動の方向に対してある一定の角度に位置決めされる。各アプリケータは、更に、追加材料のリザーバとウェブの上部との間の連通を制御するように移動可能な連続ベルトを含む。アプリケータの連続ベルトは、ウェブが移動する方向のウェブ表面に平行なその速度の成分がウェブの移動の線速度に対応し、かつ各オリフィスがウェブ上に横ストライプを堆積させるように作動可能である。機器は、更に、ストライプのパターンをウェブの幅全体又は幅の一部分に付加することができるように、アプリケータの各々を選択的に作動させるための手段を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
既存の製紙機械設備は、同一の広さ、大きさ、及び稼働速度などを有していない。帯状シガレット紙を作るためにそのような機械を使用するのに、帯を付加する機器は、大幅な付加的な資本投資を避けるために、既存の物理的な配置内に適合すべきである。更に、シガレット紙製造機械は、帯状紙だけでなく非帯状紙もまた生成することを必要とする場合もある。移動オリフィス装置が追加材料をウェブに付加する時に、アプリケータオフセット角は、より広い機械に対して小さくなり、これは、アプリケータが製紙機械の定格ワイヤ速度の倍数になる可能性がある速度で作動することを必要とする。製紙機械が7.5メートル/秒(1500フィート/分)の速度で作動する時に、アプリケータに対する速度要件は、帯幅の非均一性と帯間隔の非均一性とをもたらすことがある。更に、帯状紙に対する現在の紙検査技術は、一般的に、製紙作動が完了した後に行われる。
【0007】
図1を参照すると、好ましい実施形態は、互いに離間した均一な幅の帯5を有する帯状紙3(図2を参照)を製造するように作動可能なシガレット紙製造機械2を含む。そのような帯状紙3は、帯5がシガレットを自己消火するように設計された領域を含むシガレット(図3を参照)の製造で使用することができる。製紙機械2(図1)は、好ましくは長網抄紙ワイヤ6の一端に作動的に位置したヘッドボックス4を含み、供給原料スラリが調製されて、ヘッドボックス4と連通した稼働タンク8のような供給原料スラリの供給源に送出される。機械2はまた、デイタンク12のような調製された追加スラリの供給源と作動的に連通した移動オリフィスアプリケータ10、10’のような少なくとも2つの分配装置を含む。
【0008】
ヘッドボックス4は、一般的に長網抄紙ワイヤ6上にセルロースパルプを敷くために製紙産業で利用されるものとすることができる。通常の状況では、ヘッドボックス4は、複数の導管14を通じて稼働タンク8と連通している。好ましくは、稼働タンク8からの供給原料は、シガレット製紙産業における慣例として、精製された亜麻又は木質パルプのような精製されたセルロースパルプを構成する。パルプは、通常は、水と、繊維と、チョークのような充填物を含む添加剤との混合物を構成する。
【0009】
長網抄紙ワイヤ6は、縦方向に移動し、その縦方向に対して横の幅を有し、ほぼ一定の定格線速度で作動する。稼働タンク8からの第1のスラリは、ヘッドボックス4を通じて移動長網抄紙ワイヤ6まで送出される。
長網抄紙ワイヤ6は、調製されたスラリパルプをヘッドボックス4から経路に沿って概略図1の矢印方向16に搬送する。ワイヤ6が前方に進むと、重力の影響で液体水がワイヤ6を通ってパルプから流出して繊維状ウェブを形成する。長網抄紙ワイヤ6に沿っていくつかの場所に真空箱18を設け、シガレット製造産業分野で確立された慣例として、スラリからの水分の除去を助けることができる。長網抄紙ワイヤ6に沿った何らかの地点で、ベースウェブパルプから十分な水が排出及び/又は除去されて、一般的に乾燥ライン20と呼ばれるものを確立する。乾燥ライン20において、スラリの生地は、光沢のある水っぽい外観のものから仕上がったベースウェブのものにより密接に近似する表面外観に変質する(しかし、湿った条件で)。乾燥ライン20の付近で、パルプ材料の水分含有率は、約85から90%であるが、作動条件などに応じて変動することがある。ウェブ22の表面は、ほぼ平坦で長網抄紙ワイヤ6によって支持されている。
【0010】
乾燥ライン20の下流側で、ベースウェブ22は、カウチロール24のところで長網抄紙ワイヤ6から分離する。そこから、長網抄紙ワイヤ6は、そのエンドレス経路の返りのループを続ける。カウチロール24以降では、ベースウェブ22は、ベースウェブ22を更に乾燥させて加圧し、それを望ましい最終水分含有率と生地まで表面調節する乾燥区域27を含む製紙機械システムの残りの部分を通じて続く。そのような乾燥機器は、製紙の技術分野で公知であり、乾燥用フェルト26などを含むことができる。
【0011】
製紙機械の最終端には、適切な従来型の巻き取り装置28、29が設けられ、次の処理及び/又は使用のためにスプール上に紙を収集する。そのような巻き取り装置28、29は、製紙の技術分野で公知である。
製紙工程中に、例えば、印刷のような表面処理ではなくパターンが紙ウェブ自体の一部になるように、ウェブを乾燥させる前にウェブにパターンを付加することが望ましい場合がある。好ましいパターンは、ベースウェブ上に複数の均一に離間した横帯を含む。帯は、例えば、得られる紙ウェブの燃焼性に影響を及ぼすのに有用な追加材料を含むことができる。シガレットの自己消火性を達成するのに使用される材料は、そのようなパターンの候補になる。
【0012】
シガレット紙を作るために現在使用されている製紙機器は、多くの点で異なっている。製紙機械は、少し列挙しても、長網抄紙ワイヤ6の横幅、長網抄紙ワイヤ6の公称速度、ヘッドボックス4とカウチロール24の間の縦方向の間隔、及び乾燥ライン20とカウチロール24の間の縦方向間隔の点で変動する。例えば、製紙機器は、3メートルよりも小さく5メートルよりも大きい範囲のワイヤ幅を有することができる。同様に、機械は、120メートル/秒(400フィート/秒)よりも遅く450メートル/秒(1500フィート/秒)よりも速い線速度で作動する長網抄紙ワイヤを有することができる。この説明の目的ために、3メートルよりも広い幅は、広いと考えられ、150メートル/秒(500フィート/秒)を超える線速度は、高速と考えられる。
【0013】
製紙機械の湿った端部でウェブに追加材料のパターンを付加する工程及び機器は、好ましくは、既存の機械設備の特異性に適合するように適応可能である。幅広く高速の製紙機械に追加材料を付加するために、ベースウェブにわたる区間で帯のパターンを付加する複数の分配装置が使用される。分配装置の各々は、本明細書においてその開示内容が引用により組み込まれている、1999年12月7日にGautam他に付与され、本出願人に譲渡された米国特許第5,997,691号に説明されている追加材料のための移動オリフィスアプリケータの特徴を取り入れることができる。
【0014】
図1を参照すると、乾燥ライン20とカウチロール24の間に移動アプリケータオリフィス10、10’のような2つ又はそれよりも多くのアプリケータが設けられ、追加材料の別々のパターンをウェブ22に付加する。各アプリケータは、ウェブの幅の対応する部分にパターンを付加するように作動可能である。アプリケータ10、10’は、図示のように互いに平行にし、かつオフセットさせることができる。アプリケータ10、10’はまた、必要に応じて製紙機械に対する既存のサイト内の障害物に適合させるために、長網抄紙ワイヤ6に沿って縦方向に互いにオフセットさせることができる。アプリケータ10、10’は、必要に応じて機械の縦方向に対して同じ角度又は異なる角度に配置することができる。
【0015】
そのような移動オリフィスアプリケータ10、10’の要求長さは、(i)ウェブの幅、(ii)製紙機械の縦方向速度、及び(iii)アプリケータと長網抄紙ワイヤ6に沿ってウェブが前方に進む縦方向との間の角度の関数なので、複数アプリケータを使用すると、長網抄紙ワイヤ6に沿って必要とされる物理的な長さは、使用されるアプリケータの数の逆数だけ減少する。従って、上に指摘した製紙機械の物理的特性によってその他の方法で課せられる場合がある制限を不要にするために複数アプリケータを使用することができる。
【0016】
アプリケータオフセット角度は、長網抄紙ワイヤ6の移動の縦方向と移動オリフィス装置のベルト移動の傾斜方向との間の鋭角として定めることができる。代替的に、アプリケータオフセット角度は、機械の縦方向と移動オリフィスベルトの端部がその中で作動する平面との間の鋭角に対する余角として定めることができる。アプリケータオフセット角度の値が小さい場合、移動オリフィスベルトの線速度は、長網抄紙ワイヤ6の定格線速度の倍数になる。例えば、アプリケータオフセット角度が30度では、ベルト速度は、定格線ワイヤ速度の2倍であり、アプリケータオフセット角度が19.5度の場合、ベルト速度は、定格線ワイヤ速度の3倍であり、アプリケータオフセット角度が14.5度の場合、ベルト速度は、定格線ワイヤ速度の4倍である。高速製紙機械設備は、420メートル/秒から450メートル/秒(1400フィート/秒から1500フィート/秒)の定格線速度で作動する。小さいアプリケータオフセット角度の場合に要求される帯速度では、追加材料の流体力学特性とアプリケータ作動の物理的な制限とが組み合わされて、跳ね及び/又は不十分な均一性を引き起こすことがある。複数アプリケータ10、10’が採用され、各アプリケータに対するアプリケータオフセット角度を大きくすることを可能にし、それによってベルト速度を満足できるレベルまで下げ、そのために跳ねを回避し、堆積パターンを均一にすることができる。
【0017】
更に、アプリケータ10、10’が選択的に作動可能な場合、すなわち、それらを同時に又は別々に使用することができ、又はオフにすることができる場合には、製紙の作動は、ウェブにわたって帯状パターン、ウェブの一部分だけに対して帯状パターン、又はウェブにわたって非帯状パターンを生成することができる。例えば、シガレット製造のために帯状紙と非帯状紙の両方が同時に必要とされる場合には、製紙機械2は、2つのアプリケータ10、10’の一方が運転状態、及び他のアプリケータがアイドル状態で作動することができる。このようにして、得られるシガレット包装紙製品の半分が帯状とされ、他の半分が非帯状とされる。
【0018】
移動オリフィスアプリケータ10の詳細をここで説明する。各付加的な移動オリフィスアプリケータ10’の詳細は、予想される長さの例外を除けば実質的に同一であることは当業者によって理解されるであろう。図1と4を参照すると、デイタンク12からの追加スラリは、移動オリフィスアプリケータ10に送出される。好ましくは、移動オリフィスアプリケータ10は、長網抄紙ワイヤ6の経路16にわたって斜めの関係にある追加スラリのリザーバを確立するための細長いチャンバボックス30を含む。リザーバは、デイタンク12から追加スラリを受け取る。移動オリフィスアプリケータ10はまた、アプリケータの下流側端部において駆動ホイール34の近くにその経路が導かれたエンドレス連続穿孔スチールベルト32と、移動オリフィスアプリケータ10の頂点の案内ホイール36と、チャンバボックス30の上流側端部、すなわち、駆動ホイール34の反対側の従動ホイール38とを含む。上流側と下流側は、長網抄紙ワイヤ6とウェブ22の動きに対して見るものとする。
エンドレスベルト32は、チャンバボックス30の底部部分を通って移動し、それがチャンバボックス30を離れる時に、ベルト32は、洗浄ボックス42を通って移動する。次に、ベルト32は、駆動ホイール34に向って移動して、その周囲の残りに沿って続く。
【0019】
ベルト32(図8を参照)は、その長さに沿って均一に配置された好ましくは複数のオリフィスを有する。ベルト32の各穿孔又はオリフィス44(図8)がチャンバボックス30の底部部分を通過する時に、オリフィス44は、チャンバボックス30内に確立された追加スラリのリザーバと連通する。そのような時、追加スラリの流れ40(図4)は、オリフィス44がチャンバボックス30の長さを横切る時にオリフィス44から排出される。排出流40は、移動オリフィスアプリケータ10の下方を通過するベースウェブ22と衝突し、ベースウェブ22上の付加的な(追加)材料の横帯を送出又は作成する。ベルト32の作動速度は、レイアウト毎に変動するが、一例として、ベルト32は、長網抄紙ワイヤが約500フィート/分で移動し、かつチャンバボックス30がワイヤの方向に対して27度のオフセット角度で配向される時に、約1111フィート/分で駆動される。ベルト32に沿ったオリフィス44の間隔とベルト32の作動速度は、移動オリフィスアプリケーションの作動時に、複数の流れ40、40’がチャンバボックス30の下方から同時に発するように選択される。ベースウェブ22の経路16に対する移動オリフィスアプリケータ10の斜めの向きと、長網抄紙ワイヤ6及びエンドレスベルト32の相対速度とのために、追加材料の各流れ40は、ベースウェブ22上に追加材料の帯を作り出すことになり、ここで、帯の長さは、移動オリフィスアプリケータ10の作動的長さに対応する。作動的長さは、ワイヤ6に対して横の方向の長さであり、そこを通してオリフィス44は、追加材料を堆積させることができる。上述の速度と角度の状態で、移動オリフィスアプリケータ10は、ベースウェブ22の縦方向端部に対して直角に配向されてウェブ22に沿って互いに均一に離間した追加材料の横帯を繰返して生成又は堆積することになる。組合せでは、複数のアプリケータ10、10’は、整列又はオフセットされた帯を実質的に長網抄紙ワイヤ6の全幅にわたって堆積するように作動可能である。必要とあれば、角度及び/又は速度は、ベースウェブ22の端部に対して斜めに傾斜した帯を生成するように変えることができる。
ベルト32がチャンバボックス30から出た後に、各オリフィス44に隣接するベルト32の部分は、洗浄ステーション42で同伴追加スラリが洗浄される。ベルト32と各関連オリフィスは、次に、エンドレスベルト32の回路に沿って処理され、チャンバボックス30に再入して、ベースウェブ22上で帯の付加を繰り返す。
【0020】
特に図1を参照すると、移動オリフィスアプリケータ10は、好ましくは、乾燥ライン20の下流側の位置で長網抄紙ワイヤ6を横切って斜めに位置しており、ベースウェブ22の状態は、それが、追加材料がベースウェブスラリの局所的な質量を通してそれ自体あまりにも薄く分散することなく追加材料を受け入れることができるようなものである。アプリケータ10は、オリフィス44から発する追加材料の流れ40、40’が、アプリケータ10とウェブ22の平坦な上面との間で同じ距離を通って落下するように、ウェブの上方で均一に離間している。アプリケータ10のその場所で、ベースウェブ22は、追加材料をベースウェブ22と結合して一体化するのに十分な程度まで追加スラリの浸透(又は水素結合の確立)を可能にする十分な水分含有率(約85から90%)を維持する。
【0021】
好ましくは、移動オリフィスアプリケータ10のチャンバボックス30の下方に配置された真空ボックス19は、追加スラリとベースウェブ22との結合/一体化を容易にすると同時に、長網抄紙ワイヤ6のための局所的支持を提供するアプリケータと同一の広がりをもって延びる。真空ボックス19は、一般的に製紙産業で利用される設計(真空ボックス18のような)に従って構成される。真空ボックス19は、比較的適度な、好ましくは、水柱で約60インチ又はそれよりも低い真空レベルで作動する。移動オリフィスアプリケータ10の下流側に付加的な真空ボックス18’を任意的に配置し、追加スラリがもたらすことがある付加的な量の水を除去することができる。追加材料からの水分除去の大部分は、水銀柱で約560ミリメートルから640ミリメートル(22から25インチ)の真空が付加されるカウチロール24で発生することが見出されている。
【0022】
移動オリフィスアプリケータ10は、移動オリフィスアプリケータ10が、好ましくはチャンバボックス30の底部が長網抄紙ワイヤ6の上のベースウェブ22を約1から2インチだけ、好ましくは40ミリメートル(1.5インチ)よりも少なく除くように、長網抄紙ワイヤ6の上方の望ましい場所まで一貫して下げることができるように、適切な従来の方法で長網抄紙ワイヤ6の上方のその位置に支持される。
【0023】
好ましくは、チャンバボックス30は、チャンバボックス30が製紙機械に対して横方向に測定されたウェブ22の幅の一部分を覆うように選択された長さを有する。複数アプリケータ10、10’は、それぞれのチャンバボックス30の隣接する端部が、隣接するアプリケータ10、10’の横帯が重ならないようにウェブ22の共通縦方向線の上方に位置するように配置されている。アプリケータ10、10’はまた、対応するウェブ端部に隣接するアプリケータの最外端部がベースウェブ22の端部を超えて延びるように配置されている。3つ又はそれよりも多くのアプリケータがある時に、最外アプリケータの端部は、ウェブ端部と重なる関係を有する。内側のアプリケータの端部は、ベースウェブを横切って横方向に重なるか、又は重なることができない。ウェブ端部におけるチャンバボックス30の過度の延長は、流れ40がベースウェブ22の上に追加材料を堆積する時に、チャンバボックス30の端部部分で存在又は発生するいかなる流体の不連続性も排出流れ40に影響を及ぼさないことを保証する。そのような構成により、チャンバボックス30の端部から発するいかなる向きの不規則なスプレイも、カウチロール24で又はその付近で切り落とされたベースウェブ22の端部部分の上方で発生する。同様に、ベースウェブにわたる帯の重複又は非重複は、切り落とされて均一に帯状された紙の連続したリールを提供することができる。
【0024】
移動オリフィスアプリケータ10、10’の垂直支持構造は、長網抄紙ワイヤ6に対するアプリケータ10、10’のアプリケータオフセット角度を調節するために、他方の周りでピボット回転させることができる。しかし、好ましい実施は、垂直支持構造を固定する段階と、製紙機械2の作動条件の変化に応答して単にエンドレスベルト32の速度を調節する段階とを包含する。
チャンバボックス30は、チャンバボックス30に沿って離間した場所でデイタンク12から追加スラリを受け取る。チャンバボックス30のリザーバはまた、複数の直線的に配置された区画を含み、そこをエンドレスベルト32が通過する。ベルト22のポンプ作用とチャンバボックス30の長さに沿った他の流量変動とが局所的に連続的に補償され、チャンバボックス30の長さを通して望ましい圧力均一性を達成するように、流量配分システム60、圧力モニタリングシステム62、及びプログラマブル論理コントローラ64の相互作用によってチャンバボックス30の長さに沿って均一な圧力が好ましく維持される。主循環パルプ15は、デイタンク12から流量配分システム60に追加スラリを送出する。
コントローラが、チャンバボックス30に沿って均一な圧力を開始して維持する方法に関連する詳細事項は公知であり、例えば、本出願人に譲渡された米国特許第5,997,691号を参照されたい。
【0025】
選択可能な速度のモータが、駆動ホイール34を駆動し、かつ適切な従来型の駆動ベルトによってそれと作動的に接続される。好ましくは、モータは、移動オリフィスアプリケータ10のフレームによって支持され、モータと駆動ベルトの両方がハウジング内に入れられてあらゆる外部材料(少量のスラリなど)を捕捉し、この材料は、駆動ホイール34の駆動システムへの方向に進み、そうでなければそこから放出されるであろう。
【0026】
駆動ホイール34は、有利な態様においては、ベルト32がチャンバボックス30によって引き寄せられるように、ベルト32の経路に沿ってチャンバボックス30の下流側端部に配置される。ボックス30の長さを通したベルト32と細長いチャンバボックス30の間の緊密な適合によって有意な程度の方向安定性が達成される。しかし、経路の回路の周りでベルト32の追跡の精密な制御は、案内ホイール36に隣接した場所への赤外線近接センサ54の配置によって達成される。赤外線近接センサ54は、ベルトがその意図したコースから横方向にそれた場合にセンサからの信号が縁部のエミッタビームとの干渉の相対的な増加又は減少によって影響されるように、ベルト32の縁部の1つに対して相互に整列したエミッタ56及びセンサ58を含む。コントローラ59は、センサ58と連通してセンサ58からの信号の変化を読み、垂直軸の周りの案内ホイール36のヨーを調節し、ベルト32の縁部をエミッタ56のビームに対して適正な所定の位置に戻す。
【0027】
ここで図6も参照すると、案内ホイール36は、水平に配置された車軸36aの周りで回転し、この車軸自体は、空気圧アクチュエータ61の制御された作動により、ピボット式接続部57において垂直軸の周りでピボット回転する。アクチュエータ61は、車軸36aの自由端部分36bと作動的に接続され、コントローラ59から受信した信号に応答する。好ましくは、ピボット式接続部57とアクチュエータ61の両方は、センサ54が、案内ホイール36のヨーが調節される時に回転するように、アプリケータ10の作動時にアプリケータ10の通常のフレームに固定される一方、接続部54aが、センサ54と車軸36aの自由端36bの間に設けられる。接続部54aは、案内ホイール36が調節を受ける時にセンサ54がベルト32の縁部に隣接して留まることを保証する。
【0028】
好ましくは、アクチュエータ61とピボット式接続部57は、固定された垂直ガイド39b及び39cに沿って垂直方向に転置可能なプレート39aに取り付けられる。好ましくは、案内ホイール36をその作動位置内に強く押してエンドレスベルト32に張力を付与するために、除去可能な垂直付勢力がプレート39aに印加される。
案内ホイール36の上方の駆動ホイール34から元の従動ホイール38までのエンドレスベルト32の戻りの経路に沿って、ベルト32は、外側ハウジング68、68’と、追跡システム55の赤外線近接センサ54及びコントローラ59も囲む中央ハウジング70とを含む複数のハウジングによって囲まれる。ハウジング68、68’とハウジング70は、ベルト32がその回路の戻り部分を横切る時にベースウェブ22上への誤ったスラリの溢出を回避する。
【0029】
特に図4を参照すると、ハウジング70とアプリケータ10の様々な他の構成要素(ホイール34、36、及び38、チャンバボックス30、洗浄ボックス42、及びモータ52など)は、平坦なフレーム部材72によって及び/又はそれから支持される。平坦なフレーム部材72自体は、保持ポイント73、73’において垂直支持構造によって支持された横材(I形梁又は箱形梁など)に取り付けられる。代替として、I形梁部材又は箱形梁部材は、フレーム部材72の代替品として使用することができ、チャンバボックス30と他の装置が梁部材から支持される。
【0030】
図5を参照すると、いずれの支持配置でも、チャンバボックス30は、好ましくは2つ又はそれよりも多くの離間した調節可能なマウント77a、77bを用いて支持部材から吊り下げられ、このマウントは、チャンバボックス30が、長網抄紙ワイヤ6に対して正確に高さ調節及び正確に傾斜調節することができ、かつチャンバボックス30が、ベルト32と正確に整列して摩擦を最小にすることができるように、チャンバボックス30の各縁部の垂直方向及び横方向の調節を可能にする(それぞれ、図5の矢印y及びxに沿って)。
【0031】
ここで図7を参照すると、チャンバボックス30は、エンドレスベルト32の縁部部分を摺動可能に収容するベースプレート78と協働して、1対の対向する細長い溝81及び82を形成する第1及び第2の摩耗ストリップ79及び80に加えて、その底部部分76に溝付きベースプレート78も有する。好ましくは、細長い溝81及び82は、ベースプレート78の中央底部部分に沿って形成されるが、代替的に、少なくとも部分的に又は全体的に摩耗ストリップ79及び80内に形成することができると考えられる。
【0032】
ベースプレート78の中央溝84は、チャンバボックス30の縁部部分50、50’に隣接するチャンバボックス30の範囲内で終端する。好ましくは、中央溝84の各終端は、その場所にスラリ固体が蓄積するのを回避するために波形にされる。中央溝84の幅は、ベルト32のポンプ作用に対してチャンバボックス30内で流体の露出を最小にするように選択される。好ましい実施形態では、溝の幅は、約10ミリメートル(3/8インチ)であるのに対して、エンドレスベルト32のオリフィス44の直径は、好ましくは、約2.4ミリメートル(3/32インチ)である。
【0033】
各摩耗ストリップ79、80は、ベースプレート78と同延にスラリボックス30の底部部分76の対応する対向側面に沿って延びている。細長いシム86と複数の離間した留め具88(好ましくはボルト)は、ベースプレート78の隣接する重ね合わせられた部分に摩耗ストリップ79、80を取り付ける。しかし、オリフィス44は、対称又は非対称の非円形開口部のようなあらゆる望ましい構成を有することができる。
【0034】
ベルト32の各縁部部分とスロット81、82の間の公差は、チャンバボックス30の底部部分76のシールを促進するために最小にされる。しかし、ベルト32と溝81、82の間の嵌め合いは、溝81、82内でエンドレスベルト32の固着を助長するほど緊密にすべきではない。好ましい実施形態では、エンドレスベルト32を横切る幅方向に溝81、82が1.6ミリメートル(1/16インチ)の全体公差を呈するように構成された時に、これらの相反する考え方が満足される。ベルトの平面に直角の方向では、好ましくは、ベルトの厚みが0.508ミリメートル(0.020インチ)であるのに対して、スロット81、82の深さは、0.58ミリメートル(0.023インチ)である。これらの関係は、適正な密封と、チャンバボックス30の底部部分76を通るベルト32の容易な通路の必要性との望ましい均衡を達成する。
好ましくは、摩耗ストリップ79、80は、超高分子量ポリエチレン又は「Dalron」から構成される。
【0035】
チャンバボックス30の境界内に含まれるのは、ベースプレート78とチャンバボックス30の垂直壁91、92の各々との間に形成され、コーナに沿って延びてコーナを充填する傾斜付きインサート89、90である。インサートは、好ましくは、垂直壁91、92からベースプレート78の中央溝84に向けて45度の傾斜を呈する。この構成は、ともすればスラリの固体成分を蓄積してチャンバボックス30とエンドレスベルト32のオリフィス44とを詰まらせることになる傾向があるチャンバボックス30の境界内での流体のよどみを回避する。
【0036】
チャンバボックス30の底部部分76の近くで、複数の離間した圧力ポート94は、圧力モニタリングシステム62をスラリボックス30の内部と連通させる。
チャンバボックス30の上の部分に沿って、複数の離間した給送ポート96が、垂直壁91に沿って配置される。給送ポート96は、流量配分システムをスラリボックス30の内部と連通させる。好ましくは、給送ポート96は、チャンバボックス30の蓋プレート31の近くに配置される。流量配分システム60は、既に図1に関連して言及している。
【0037】
給送ポート96は、距離hだけ垂直に離間したエンドレスベルト32がチャンバボックス30の底部部分76を通って横切る場所の上方に配置される。給送ポート96は、スラリを実質的に横方向にチャンバボックス30に取り入れる。ポート96の垂直な配置と水平な向きとは、チャンバボックス30の底部部分76におけるエンドレスベルト32の領域又はその近くで流体の垂直速度成分を減衰させる。この配置はまた、給送ポート96において、オリフィス44を通る排出流れ40を入口流れから切り離す。
【0038】
好ましい実施形態における高さhは、約8インチ又はそれよりも大きいが、給送ポート96とエンドレスベルト32の間の垂直距離hは、6インチほどにすることができる。hの距離がより長ければ、エンドレスベルト32に隣接する流体と給送ポート96における流体条件との間の変動及び相互作用はより少ない。
好ましい実施形態では、12の給送ポート96が使用されるが、アプリケータは、6つしかない入口給送ポート96でも機能可能である。好ましくはないが、アプリケータは、4つしかない入口給送ポート96で機能するように予想されている。給送ポート96の数は、特定のアプリケータが網羅すべきであるウェブ幅の部分に応じて決まる。給送ポート96間の好ましい間隔は、約12インチであり、好ましくは、約0.6メートル(24インチ)よりも大きくないが、より大きく分離しても作動可能である。
【0039】
図8を参照すると、エンドレスベルト32に沿った各オリフィス44は、チャンバボックス30の中に面するエンドレスベルト32の側に隣接した傾斜部分45を含む。そのような構成では、スラリの固体成分は、アプリケータ10の作動時にオリフィス44で又はその近くで収集されることを許可されない。より具体的には、スラリ繊維は、オリフィスの近くで収集されて、排出されるスラリの噴流を偏向させることを許可されない。従って、オリフィス44の傾斜部分45は、アプリケータ10からのスラリの一貫した送出を促進して故障と保守を軽減する。
【0040】
図9を参照すると、チャンバボックス30’の代替的な実施形態では、垂直壁91’、92’は、ベースプレート78’及び傾斜構成要素89’、90’と共に、その作動可能な縁部部分で細長い摩耗ストリップ102を支持する収納式アーマチュア100と協働する。細長い摩耗ストリップ102は、チャンバボックス30の長さを延ばし、複数の収納式アーマチュア100及び101によってチャンバ30’の各側面に沿って離間した場所で支持される。この実施形態では、摩耗ストリップ79’及び80’は、それぞれアーマチュア100及び101の上に収納可能に組み込まれる。図9では、チャンバボックス30の一側面に沿ったアーマチュア100は、収納された位置で示され、一方、チャンバボックス30’の一側面に沿ったアーマチュア101は、係合した位置で示されており、そこで各摩耗ストリップ90’は、ベースプレート78’に対して付勢されている。実際の作動では、アーマチュア100及び101は、収納及び係合した位置の間で同時にピボット回転する。
【0041】
各収納式アーマチュア100、101は、1つ又は1対の垂直フランジ106上にピボット式に装置され、これは、好ましくは、摩耗ストリップ89’、90’がベースプレート78’に対して押される作動的係合位置から、摩耗ストリップ89’、90’がベースプレート78’から離れて離間する収納位置まで収納式アーマチュア100、101を移動するためのアクチュエータ機構107に対する支持を提供する。
アクチュエータ機構107は、好ましくは、アーマチュア100及び101のそれぞれのピボットアーム109及び110と作動的に接続した空気シリンダ108である。本発明の開示を読めば当業者には容易に明らかなように、収納式アーマチュア100及び101をピボット回転させるための他の機械的な便法を選択することができると考えられる。
【0042】
チャンバボックス壁91’、92’の下部部分とベースプレート78’の間にエラストマー性シール104が施され、ベースプレート78’の周囲全体の回りに流体密封シールを作り出す。
作動時には、摩耗ストリップ79’、89’が、それらの作動的及び係合位置の行き帰りにユニットとして移動するように、チャンバボックス30’の両側面に沿ったアーマチュア100、101の全ては、同時にピボット回転する。収納式アーマチュア100、101は、エンドレスベルト32’、摩耗ストリップ79’、80’、及びベースプレート78’の迅速で即座の保守、修理、及び/又は交換を容易にする。
【0043】
上述のように、ウェブ22がカウチロール24(図1を参照)を離れた後に、ウェブは、乾燥区域27を通って進み、そこで余分な水分が除去されて、セルロース繊維ウェブを望ましい水分含有率レベルまで乾燥させる。ウェブ22が乾燥区域27を離れると、それは、追加材料の横帯を検査する光学検査手段120を通過し、帯幅の均一性と隣接する帯又は線の間の間隔の均一性とを評価する。この光学検査を有効にするために、光学検査システムは、ウェブ22の上方に直線的なアレイに配備され、ハウジング122内のウェブの上面において下方に向けられた複数の適切な従来型のカメラを含むことができる。カメラは、カメラの位置が、ウェブ上の横方向の場所、すなわち、ウェブの縦方向の区間を表示することができるように、互いに均一に離間している。更に、隣接するカメラの視野は、僅かに重複させて、ウェブの幅全体が確実に光学検査を受けるようにすることができる。一例として、アレイ内に16のカメラを配備することができる。
【0044】
光学検査システム120は、その検査信号を適切な従来型の配線124を通じてアプリケータのプログラマブルコントローラ64、64’まで通信する。光学検査システム120のカメラによってモニタされたウェブの縦方向の区間は、給送ポート96によって給送されたアプリケータ10、10’の領域に対応する。従って、線の一部分に線−幅の均一性の欠如が検出された場合、プログラマブルコントローラは、検査システム120からのフィードバック信号を使用して、帯−幅均一性の欠如が検出されたウェブの縦方向区間に対応する給送ポート96に供給される追加材料を適切に調節する。給送ポート96におけるこの調節は、動的に、すなわち、紙が生成されている間に行われ、それによって廃棄又は再処理されるべきである多量の欠陥紙が生成されるのを回避する。更に、動的なフィードバック調節及び制御は、製紙後の検査の必要性を回避する。
【0045】
光学検査システム120によって帯−間隔の均一性の欠如が検出された場合、フィードバック信号が利用されて適切なアプリケータ10、10’の移動オリフィスベルト32の線速度を適切に調節する。このようにして、ウェブ上の横帯の帯−間隔は、帯から帯の間隔に対する設計許容値の範囲内に留まるように動的に調節することができる。ここでもまた、光学検査システムによって提供された帯間隔に対する動的なフィードバック調節及び制御を使用して、製造された紙の製造後の検査を回避することができる。
【0046】
光学検査システム120を通過した後に、ウェブは、ウェブ22を2つ又はそれよりも多くの縦方向ウェブ部分130,132に分割するための分割器125に入る。分割器125は、例えば、ウェブ22の上方に横方向に配置され、ウェブを望ましい縦方向部分130、132に切る適切な数の分割ディスク126を含むことができる。分割ディスク126は、ディスク126とロール128が協働して、ウェブがディスク126とロール128の間を通る時にディスク126の位置でウェブを切断するように、アンビルロール128に係合することができる。
【0047】
単一の分割ディスク126を説明したが、その配置は、2つの移動オリフィスアプリケータ10、10’を使用する設備に適するであろう。例えば、3つのアプリケータが使用される場合、ウェブ22を3つの縦方向部分に分割することが望ましい。その場合には、同じアンビルロール128で2つの分割ディスク126を使用し、ディスクは、互いに離間して望ましい幅のウェブ部分を提供することになる。
【0048】
分割器125の下流側に、対応する巻き取り機器28、29によって個々のウェブ部分130、132が集められる。ここでもまた、2つだけの巻き取り機器が示されているが、元のウェブ22が2つよりも多い部分に分割される用途では、各縦方向ウェブ部分に対して1つが設けられるであろう。
帯状及び非帯状紙の両方を必要とする製造手法では、製紙機械は、アプリケータ10、10’の一方を非作動にして作動させることができる。その結果、ウェブの一方の縦方向部分132を帯状にして集めることができるが、同時に、ウェブの他方の縦方向部分130は、帯状にせずに集められる。この機能は、製紙機器の製造柔軟性を大きくする。
【0049】
本開示によるパターン化された紙を作るための一般的な方法を機器の先の説明に関連して示した。更に、シガレット紙製造機械の作動と好ましい実施形態の方法は、典型的に、亜麻繊維の供給原料を使用する。しかし、機器及び関連する方法は、製紙産業で使用される硬材及び軟材パルプ、ユーカリパルプ、及び他の種類のパルプのような他の供給原料を用いて容易に機能可能である。代替のパルプは、平均繊維長の差のような亜麻とは異なる特性を有する場合があり、これは、他のパルプを用いたベースシートスラリの調製において精製の調節を必要とするであろう。どの種類のパルプが使用されるかには関係なく、追加スラリは、十分に処理され、ベルトのオリフィス44又はその近くで繊維の蓄積を回避すべきであり、これは、次に、オリフィス44での噴流偏向を回避する。
【0050】
オリフィス44がチャンバボックス30の底部部分に沿って通過している時に各オリフィス44から発する流体流れ40の流量は、オリフィス44にわたる圧力差に比例するので、流体圧力は、チャンバボックス30の底部部分76に沿った各オリフィス44の行路全体に沿って確立され、次に、できるだけ均一に保持されることが望ましい。
ウェブに材料を付加するための新しい高速方法及び機器を本明細書に説明した。特許請求の範囲に列挙した本発明の様々な特徴に対して多くの修正、変形、置換、及び均等物が存在することは、当業者には明白であろう。従って、特許請求の範囲に示す本発明の精神及び範囲に該当する全てのそのような修正、変形、置換、及び均等物は、特許請求の範囲に包含されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】好ましい実施形態に従って構成された製紙機械の概略図である。
【図2】好ましい実施形態の方法及び機器に従って構成された紙の斜視図である。
【図3】図2の紙を用いて構成されたシガレットの斜視図である。
【図4】好ましい実施形態に従って構成された移動オリフィスアプリケータの側面図である。
【図5】図4のアプリケータの分解斜視図である。
【図6】図5の二重尖頭矢印B−Bの方向で見たアプリケータのトラッキング制御システムの上面図である。
【図7】図4の線VII−VIIでとったチャンバボックスの断面図である。
【図8】図4に示すアプリケータのエンドレスベルトの詳細斜視図である。
【図9】図4のアプリケータのチャンバボックスの代替的な実施形態の詳細部分断面図である。
【符号の説明】
【0052】
2 本発明の高速機器
6 長網抄紙ワイヤ
10、10’ 移動オリフィス装置
22 紙ウェブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
追加材料の付加されたパターンを有するウェブを製造する方法であって、
繊維状材料と液体との第1のスラリを調製する段階と、
縦方向、該縦方向に対して横のワイヤ幅、及び定格線速度を有する移動ワイヤに前記第1のスラリを送出する段階と、
前記移動ワイヤを通して前記第1のスラリから前記液体を排出し、繊維状ウェブを形成する段階と、
追加材料の第2のスラリを調製する段階と、
各装置が、複数の離間したオリフィスが貫通した連続ベルトと、リザーバと、主要な長さとを有し、かつ各装置が、前記ワイヤ幅の対応する部分を覆うように前記縦方向に対して傾斜した、複数の分配装置の少なくとも1つを作動させる段階と、
少なくとも1つの分配装置の前記リザーバに前記追加スラリを送出する段階と、
前記定格線速度と実質的に同じ前記縦方向の速度成分を有する定格帯速度で前記連続ベルトを移動する段階と、
各帯の長さが前記分配装置に対応する前記ワイヤ幅の部分よりも大きくない前記追加スラリの横帯を前記オリフィスを通して前記繊維状ウェブ上に堆積させる段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
各分配装置の前記リザーバに前記追加スラリを送出する段階と、
互いに平行で、かつ共に実質的に前記ワイヤ幅にわたって延びている複数の縦方向に延びる区間に追加スラリの横帯を堆積させる段階と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記ウェブを、横ストライプを堆積させた前記分配装置に対応する幅を各ウェブが有する少なくとも2つのより狭いウェブに細く分割する段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
その後の使用のために前記より狭いウェブの各々を独立に巻き取る更に別の段階を含むことを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記ウェブ上の前記横ストライプを光学的に検査して、幅及び間隔特性を判断する段階と、
前記光学検査段階に応答して前記分配装置の少なくとも1つの作動を動的に調節し、前記ウェブ上に前記横ストライプの均一な幅及び均一な間隔を設ける段階と、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
前記リザーバの複数の直線的に配置された区画に前記追加スラリを供給する段階と、
前記複数の直線的に配置された区画を通して少なくとも1つのオリフィスを連続的に前進させる段階と、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
前記ウェブ上の前記横ストライプを光学的に検査して、幅及び間隔特性を該ウェブ上の横方向位置の関数として判断する段階と、
前記光学検査段階に応答して前記分配装置の各区画における圧力を動的に調節し、前記ウェブ上に前記横ストライプの均一な幅及び均一な間隔を設ける段階と、
を更に含むことを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記第1のスラリ及び前記追加材料は、シガレット紙の原料であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】
前記ワイヤは、3メートルよりも大きな幅、及び2.5メートル/秒(500フィート/分)よりも大きな前記線速度を有することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項10】
追加材料の付加されたパターンを有するウェブを製造するための機器であって、
定格線速度で縦方向に移動し、かつその縦方向に対して横の幅とほぼ平坦な表面とを有する繊維状材料の連続ウェブを調製するように作動可能な長網抄紙ワイヤと、
追加材料の流れを前記ウェブの前記ほぼ平坦な表面上に堆積させるように各々が作動可能であり、かつ追加材料のためのリザーバと、主要長さと、ベルト速度で該リザーバ及び該平坦な表面間を移動するように作動可能であり、少なくとも1つのオリフィスを含み、そのために該オリフィスが該リザーバと整列する時に追加材料の流れが該ほぼ平坦な表面上に堆積する連続ベルトとを各々が有する、少なくとも2つの分配装置と、
を含み、
各分配装置は、各分配装置が前記ウェブ幅の対応する部分を覆うように前記縦方向に対して傾斜しており、
前記ベルト速度は、前記縦方向とほぼ平行で前記定格線速度と実質的に等しい縦方向成分と、該縦方向とほぼ垂直な横方向成分とを有し、
前記分配装置の各々を選択的に作動する制御システム、
を更に含むことを特徴とする機器。
【請求項11】
各分配装置は、前記ウェブの前記幅の一部分を覆い、かつ
各分配装置は、前記ウェブの前記表面上に追加材料の複数のほぼ水平な帯を堆積させる、
ことを特徴とする請求項10に記載の機器。
【請求項12】
前記ウェブを縦方向に細長く切って、前記それぞれの分配装置によって形成された帯状領域に対応する幅を各ウェブが有する平行なより狭いウェブにする切断装置を更に含むことを特徴とする請求項10に記載の機器。
【請求項13】
前記分配装置の下流に位置決めされて前記ウェブを乾燥させるように作動可能な乾燥システムと、
前記乾燥システムの下流に位置決めされ、かつ前記分配装置と作動可能に接続されて追加材料の前記帯の前記幅を判断するように作動可能な光学検査システムと、
前記光学検査システムに応答して前記分配装置への追加材料の供給を調節し、帯に均一な幅及び/又は厚みのもたらす制御システムと、
を更に含むことを特徴とする請求項10に記載の機器。
【請求項14】
前記分配装置の下流に位置決めされて前記ウェブを乾燥させるように作動可能な乾燥システムと、
前記乾燥システムの下流に位置決めされ、かつ前記分配装置と作動可能に接続されて追加材料の帯の間の間隔を判断するように作動可能な光学検査システムと、
前記光学検査システムに応答して分配装置ベルト速度の作動を調節し、均一な間隔の帯をもたらす制御システムと、
を更に含むことを特徴とする請求項10に記載の機器。
【請求項15】
前記分配装置の下流に位置決めされて前記ウェブを乾燥させるように作動可能な乾燥システムと、
前記乾燥システムの下流に位置決めされ、かつ前記分配装置と作動可能に接続されて追加材料の帯の均一性及び間隔を判断するように作動可能な光学検査システムと、
前記光学検査システムに応答して前記分配装置の作動を調節し、帯に均一な幅及び間隔をもたらす制御システムと、
を更に含むことを特徴とする請求項10に記載の機器。
【請求項16】
前記分配装置は、互いに平行であり、かつ横方向にオフセットしていることを特徴とする請求項10に記載の機器。
【請求項17】
シガレット紙製造機械であることを特徴とする機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−534795(P2008−534795A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502515(P2008−502515)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際出願番号】PCT/IB2006/001215
【国際公開番号】WO2006/100607
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(596060424)フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム (222)
【Fターム(参考)】